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技術 ニトリルゴム組成物およびゴム架橋物

出願人 日本ゼオン株式会社
発明者 戸来太樹福峯義雄
出願日 2019年3月8日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-042791
公開日 2020年9月10日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-143251
状態 未査定
技術分野 高分子組成物 付加系(共)重合体、後処理、化学変成
主要キーワード 間接水 単体式 リング厚 高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法 ラジェター 密封用シール 空気圧機器 塩化物イオン量
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

ロングライフクーラント性(耐LLC性)および耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物を与えることのできるニトリルゴム組成物を提供すること。

解決手段

α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を0.1〜20重量%の割合で含有し、ヨウ素価が120以下であり、ナトリウムカルシウム、およびマグネシウムの合計含有量が130〜1000重量ppm、ナトリウムの含有量が600重量ppm以下であるカルボキシル基含有ニトリルゴムと、ケイ素を含有する充填剤と、を含有するニトリルゴム組成物を提供する。

概要

背景

従来から、ニトリルゴムアクリロニトリルブタジエン共重合ゴム)は、耐油性機械的特性耐薬品性等を活かして、ホースチューブシールなどの自動車用ゴム部品の材料として使用されており、また、ニトリルゴムのポリマー主鎖中の炭素炭素二重結合水素化した水素化ニトリルゴム(水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム)はさらに耐熱性に優れるため、シール、ベルト、ホース、ダイアフラム等のゴム部品に使用されている。その一方で、シール、ベルトなどの用途においては、圧縮永久歪みが一層小さいことが求められている。

たとえば、このような圧縮永久歪みを低減する試みとして、特許文献1では、ニトリルゴムにカルボキシル基を導入したカルボキシル基含有ニトリルゴムについての技術が提案されている。

概要

ロングライフクーラント性(耐LLC性)および耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物を与えることのできるニトリルゴム組成物を提供すること。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を0.1〜20重量%の割合で含有し、ヨウ素価が120以下であり、ナトリウムカルシウム、およびマグネシウムの合計含有量が130〜1000重量ppm、ナトリウムの含有量が600重量ppm以下であるカルボキシル基含有ニトリルゴムと、ケイ素を含有する充填剤と、を含有するニトリルゴム組成物を提供する。なし

目的

本発明は、このような実状に鑑みてなされ、耐ロングライフクーラント性(耐LLC性)および耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物を与えることのできるニトリルゴム組成物、およびこのようなニトリルゴム組成物を用いたゴム架橋物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を0.1〜20重量%の割合で含有し、ヨウ素価が120以下であり、ナトリウムカルシウム、およびマグネシウムの合計含有量が130〜1000重量ppm、ナトリウムの含有量が600重量ppm以下であるカルボキシル基含有ニトリルゴムと、ケイ素を含有する充填剤と、を含有するニトリルゴム組成物

請求項2

変性シリコーンオイルをさらに含有する請求項1に記載のニトリルゴム組成物。

請求項3

前記変性シリコーンオイルが、変性基として、アミノ基を有する請求項2に記載のニトリルゴム組成物。

請求項4

前記カルボキシル基含有ニトリルゴムが、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位を11〜50重量%の割合で含有する請求項1〜3のいずれかに記載のニトリルゴム組成物。

請求項5

請求項1〜4のいずれかに記載のニトリルゴム組成物に、多価アミン化合物を配合してなる架橋性ゴム組成物

請求項6

請求項5に記載の架橋性ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物

技術分野

0001

本発明は、ニトリルゴム組成物およびゴム架橋物に関し、さらに詳しくは、耐ロングライフクーラント性および耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物を与えることのできるニトリルゴム組成物、およびこのようなニトリルゴム組成物を用いて得られるゴム架橋物に関する。

背景技術

0002

従来から、ニトリルゴムアクリロニトリルブタジエン共重合ゴム)は、耐油性機械的特性耐薬品性等を活かして、ホースチューブシールなどの自動車用ゴム部品の材料として使用されており、また、ニトリルゴムのポリマー主鎖中の炭素炭素二重結合水素化した水素化ニトリルゴム(水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム)はさらに耐熱性に優れるため、シール、ベルト、ホース、ダイアフラム等のゴム部品に使用されている。その一方で、シール、ベルトなどの用途においては、圧縮永久歪みが一層小さいことが求められている。

0003

たとえば、このような圧縮永久歪みを低減する試みとして、特許文献1では、ニトリルゴムにカルボキシル基を導入したカルボキシル基含有ニトリルゴムについての技術が提案されている。

先行技術

0004

国際公開第2007/049651号

発明が解決しようとする課題

0005

上記特許文献1の技術によれば、圧縮永久歪みが一定程度低減されたゴム架橋物が得られるものの、耐水性については十分であるとはいえず、水系冷媒をシールするためのシール材用途、とりわけ寒冷地における水系冷媒をシールするためのシール材用途などとして適さない場合があった。

0006

水系冷媒としては、より低温での冷却が可能な冷媒として、LLC(Long Life Coolant、ロングライフクーラント)などが用いられる場合があり、このようなLLCをシールするためのシール材には、耐LLC性に優れていることが求められる。特に、水に対して十分な耐水性を有していても、必ずしも、LLCに対して十分な耐性を示さない場合もあり、これに対し、LLCをシールするためのシール材には、このようなLLCに対して十分な耐性を示すことが求められている。

0007

本発明は、このような実状に鑑みてなされ、耐ロングライフクーラント性(耐LLC性)および耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物を与えることのできるニトリルゴム組成物、およびこのようなニトリルゴム組成物を用いたゴム架橋物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を特定の割合で含有し、ヨウ素価特定値以下であり、かつ、ナトリウムカルシウム、およびマグネシウムの合計含有量、およびナトリウム単独での含有量が特定の範囲に制御されたカルボキシル基含有ニトリルゴムに、ケイ素を含有する充填剤を配合してなるニトリルゴム組成物によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0009

すなわち、本発明によれば、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を0.1〜20重量%の割合で含有し、ヨウ素価が120以下であり、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量が130〜1000重量ppm、ナトリウムの含有量が600重量ppm以下であるカルボキシル基含有ニトリルゴムと、ケイ素を含有する充填剤と、を含有するニトリルゴム組成物が提供される。

0010

本発明のニトリルゴム組成物は、変性シリコーンオイルをさらに含有することが好ましい。
本発明のニトリルゴム組成物において、前記変性シリコーンオイルが、変性基として、アミノ基を有するものであることが好ましい。
本発明のニトリルゴム組成物において、前記カルボキシル基含有ニトリルゴムが、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位を11〜50重量%の割合で含有することが好ましい。

0011

また、本発明によれば、上記のニトリルゴム組成物に、多価アミン化合物を配合してなる架橋性ゴム組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、上記のニトリルゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物が提供される。

発明の効果

0012

本発明によれば、耐LLC性および耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物を与えることのできるニトリルゴム組成物、およびこのようなニトリルゴム組成物を用いたゴム架橋物を提供することができる。

0013

<ニトリルゴム組成物>
本発明のニトリルゴム組成物は、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を0.1〜20重量%の割合で含有し、ヨウ素価が120以下であり、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量が130〜1000重量ppm、ナトリウムの含有量が600重量ppm以下であるカルボキシル基含有ニトリルゴムと、ケイ素を含有する充填剤と、を含有する。

0014

本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムとしては、特に限定されないが、たとえば、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体、ならびに、必要に応じて加えられる共重合可能なその他の単量体を、共重合することにより得られるものなどが挙げられる。

0015

α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、ニトリル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物であれば特に限定されず、たとえば、アクリロニトリル;α−クロロアクリニトリル、α−ブロモアクリロニトリルなどのα−ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリルなどのα−アルキルアクリロニトリル;などが挙げられる。これらのなかでも、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルがより好ましい。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体は、一種単独でも、複数種を併用してもよい。

0016

本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴム中における、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは7〜60重量%、より好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは12〜25重量%である。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物を、耐油性および耐寒性に優れたものとすることができる。なお、単量体組成の異なるカルボキシル基含有ニトリルゴムを組み合わせて用いる場合には、単量体組成の異なるカルボキシル基含有ニトリルゴムの混合物全体における、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合を上記範囲とすればよい(後述する各単量体の単位についても同様。)。

0017

α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体としては、エステル化されていない無置換の(フリーの)カルボキシル基を1個有する、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体であれば特に限定されない。無置換のカルボキシル基は、主として架橋のために用いられる。

0018

このようなα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体としては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノn−ブチルなどのマレイン酸モノアルキルエステル;マレイン酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノシクロヘキシル、マレイン酸モノシクロヘプチルなどのマレイン酸モノシクロアルキルエステル;マレイン酸モノメチルシクロペンチル、マレイン酸モノエチルシクロヘキシルなどのマレイン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノn−ブチルなどのフマル酸モノアルキルエステル;フマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸モノシクロヘプチルなどのフマル酸モノシクロアルキルエステル;フマル酸モノメチルシクロペンチル、フマル酸モノエチルシクロヘキシルなどのフマル酸モノアルキルシクロアルキルエステル;シトラコン酸モノメチル、シトラコン酸モノエチル、シトラコン酸モノプロピル、シトラコン酸モノn−ブチルなどのシトラコン酸モノアルキルエステル;シトラコン酸モノシクロペンチル、シトラコン酸モノシクロヘキシル、シトラコン酸モノシクロヘプチルなどのシトラコン酸モノシクロアルキルエステル;シトラコン酸モノメチルシクロペンチル、シトラコン酸モノエチルシクロヘキシルなどのシトラコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノプロピル、イタコン酸モノn−ブチルなどのイタコン酸モノアルキルエステル;イタコン酸モノシクロペンチル、イタコン酸モノシクロヘキシル、イタコン酸モノシクロヘプチルなどのイタコン酸モノシクロアルキルエステル;イタコン酸モノメチルシクロペンチル、イタコン酸モノエチルシクロヘキシルなどのイタコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;などが挙げられる。

0019

α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体は、一種単独でも、複数種を併用してもよい。これらの中でも、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステル単量体がより好ましく、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステルがさらに好ましく、マレイン酸モノn−ブチル、フマル酸モノn−ブチルが特に好ましい。なお、上記アルキルエステルアルキル基炭素数は、2〜8が好ましい。

0020

α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、0.1〜20重量%であり、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%である。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が少なすぎると、得られるゴム架橋物の耐圧縮永久歪み性が悪化してしまう。一方、多すぎると、ゴム弾性が劣るものとなってしまう。

0021

また、本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムは、得られるゴム架橋物がゴム弾性を有するものとするために、共役ジエン単量体単位をさらに含有していることが好ましい。

0022

共役ジエン単量体単位を形成する共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエンイソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンクロロプレンなどの炭素数4〜6の共役ジエン単量体が好ましく、1,3−ブタジエンおよびイソプレンがより好ましく、1,3−ブタジエンが特に好ましい。共役ジエン単量体は一種単独でも、複数種を併用してもよい。

0023

共役ジエン単量体単位(水素化されている部分も含む)の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは15〜70重量%、より好ましくは26〜60重量%、さらに好ましくは35〜50重量%である。共役ジエン単量体単位の含有量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物を、耐熱性や耐化学的定性を良好に保ちながら、ゴム弾性に優れたものとすることができる。

0024

また、本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムは、得られるゴム架橋物の耐寒性をより高めるという観点より、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位をさらに含有していることが好ましい。

0025

α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体としては、特に限定されないが、たとえば、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸アルキルエステル単量体、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸アルコキシアルキルエステル単量体、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸アミノアルキルエステル単量体、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸ヒドロキシアルキルエステル単量体、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸フルオロアルキルエステル単量体などが挙げられる。
これらのなかでも、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸アルキルエステル単量体、またはα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸アルコキシアルキルエステル単量体が好ましい。

0026

α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸のアルキルエステル単量体としては、アルキル基として、炭素数が3〜10でアルキル基を有するものが好ましく、炭素数が3〜8であるアルキル基を有するものがより好ましく、炭素数が4〜6であるアルキル基を有するものがさらに好ましい。

0027

α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸アルキルエステル単量体の具体例としては、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸アルキルエステル単量体;アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシルなどのアクリル酸シクロアルキルエステル単量体;アクリル酸メチルシクロペンチル、アクリル酸エチルシクロペンチル、アクリル酸メチルシクロヘキシルなどのアクリル酸アルキルシクロアルキルエステル単量体;メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−オクチルなどのメタクリル酸アルキルエステル単量体;メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのメタクリル酸シクロアルキルエステル単量体;メタクリル酸メチルシクロペンチル、メタクリル酸エチルシクロペンチル、メタクリル酸メチルシクロヘキシルなどのメタクリル酸アルキルシクロアルキルエステル単量体;クロトン酸プロピル、クロトン酸n−ブチル、クロトン酸2−エチルヘキシルなどのクロトン酸アルキルエステル単量体;クロトン酸シクロペンチル、クロトン酸シクロヘキシル、クロトン酸シクロオクチルなどのクロトン酸シクロアルキルエステル単量体;クロトン酸メチルシクロペンチル、クロトン酸メチルシクロヘキシルなどのクロトン酸アルキルシクロアルキルエステル単量体;などが挙げられる。

0028

また、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸アルコキシアルキルエステル単量体としては、アルコキシアルキル基として、炭素数が2〜8でアルコキシアルキル基を有するものが好ましく、炭素数が2〜6であるアルコキシアルキル基を有するものがより好ましく、炭素数が2〜4であるアルコキシアルキル基を有するものがさらに好ましい。

0029

α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸アルコキシアルキルエステル単量体の具体例としては、アクリル酸メトキシメチルアクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシメチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸n−プロポキシエチル、アクリル酸i−プロポキシエチル、アクリル酸n−ブトキシエチル、アクリル酸i−ブトキシエチル、アクリル酸t−ブトキシエチル、アクリル酸メトキシプロピル、アクリル酸メトキシブチルなどのアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体;メタクリル酸メトキシメチル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸n−プロポキシエチル、メタクリル酸i−プロポキシエチル、メタクリル酸n−ブトキシエチル、メタクリル酸i−ブトキシエチル、メタクリル酸t−ブトキシエチル、メタクリル酸メトキシプロピル、メタクリル酸メトキシブチルなどのメタクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体;などが挙げられる。

0030

これらα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体のなかでも、耐寒性の向上効果をより高めることができるという点より、アクリル酸アルキルエステル単量体、アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体が好ましく、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸メトキシエチルがより好ましく、アクリル酸n−ブチルが特に好ましい。

0031

本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴム中における、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは10〜50重量%であり、より好ましくは15〜54重量%、さらに好ましくは20〜42重量%である。α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位の含有量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物の耐水性を良好なものとしながら、耐寒性をより高めることができる。

0032

また、本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムは、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位、ならびに、必要に応じて共重合される、共役ジエン単量体単位およびα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位に加えて、これらを形成する単量体と共重合可能なその他の単量体の単位を含有するものであってもよい。このようなその他の単量体としては、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸単量体(α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体に該当するものを除く。)、エチレンα−オレフィン単量体、芳香族ビニル単量体フッ素含有ビニル単量体共重合性老化防止剤などが例示される。

0033

α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などが挙げられる。

0034

α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸単量体としては、フマル酸やマレイン酸などのブテンジオン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸グルタコン酸、アリルマロン酸、テラコン酸などが挙げられる。また、α,β−不飽和多価カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。

0035

α−オレフィン単量体としては、炭素数が3〜12のものが好ましく、たとえば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン1−ヘキセン1−オクテンなどが挙げられる。

0036

芳香族ビニル単量体としては、スチレンα−メチルスチレンビニルピリジンなどが挙げられる。

0037

フッ素含有ビニル単量体としては、フルオロエチルビニルエーテルフルオロプロピルビニルエーテル、o−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニルジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。

0038

共重合性老化防止剤としては、N−(4−アニリノフェニルアクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、 N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシアニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリンなどが挙げられる。

0039

これらの共重合可能なその他の単量体は、複数種類を併用してもよい。その他の単量体の単位の含有量は、カルボキシル基含有ニトリルゴムを構成する全単量体単位に対して、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。

0040

本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムのヨウ素価は、好ましくは120以下であり、より好ましくは60以下、さらに好ましくは40以下、特に好ましくは30以下である。ヨウ素価を120以下とすることにより、得られるゴム架橋物の耐圧縮永久歪み性、耐熱性および耐オゾン性を向上させることができる。

0041

本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムは、ムーニー粘度〔ML1+4、100℃〕が、好ましくは15〜200、より好ましくは30〜100、さらに好ましくは45〜90である。

0042

本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムにおけるカルボキシル基の含有量、すなわち、カルボキシル基含有ニトリルゴム100g当たりのカルボキシル基のモル数は、好ましくは5×10−4〜5×10−1ephr、より好ましくは1×10−3〜1×10−1ephr、特に好ましくは5×10−3〜6×10−2ephrである。カルボキシル基含有量を上記範囲とすることにより、架橋剤としての多価アミン化合物を配合した際における加工性の低下を適切に抑制しながら、得られるゴム架橋物の耐圧縮永久歪み性を適切に高めることができる。

0043

また、本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムは、カルボキシル基含有ニトリルゴム中におけるナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量が130〜1000重量ppmであり、かつ、ナトリウムの含有量が600重量ppm以下に制御されたものである。

0044

本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴム中におけるナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量は、130〜1000重量ppmであり、好ましくは180〜800重量ppmであり、より好ましくは230〜650重量ppmである。ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量が少なすぎると、得られるゴム架橋物は耐圧縮永久歪み性に劣るものとなってしまい、また、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量が多すぎても、得られるゴム架橋物は耐圧縮永久歪み性に劣るものとなってしまう。

0045

なお、カルボキシル基含有ニトリルゴム中におけるナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量は、たとえば、カルボキシル基含有ニトリルゴムに硫酸硝酸を添加して加熱し、湿式分解し、次いで、これを適宜希釈して、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP/AES)により、内標準検量線法を用いて測定することができる。具体的には、カルボキシル基含有ニトリルゴム中に含まれるナトリウム、カルシウム、マグネシウムのそれぞれの重量を測定し、これらナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計の重量を算出し、算出した合計の重量と、カルボキシル基含有ニトリルゴムの重量とから求めることができる。さらに、この際においては、カルボキシル基含有ニトリルゴム中に含まれるナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムのそれぞれの含有量や、カルシウムとマグネシウムとの合計の含有量についても、同時に求めることができる。

0046

また、本発明においては、カルボキシル基含有ニトリルゴムとして、カルボキシル基含有ニトリルゴム中におけるナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量が上記範囲であることに加え、ナトリウムの含有量が600重量ppm以下に制御されたものを用いるものであり、ナトリウムの含有量は、好ましくは300重量ppm以下であり、より好ましくは130重量ppm以下である。ナトリウムの含有量が多すぎると、得られるゴム架橋物は、耐LLC性に劣るものとなってしまう。なお、ナトリウムの含有量の下限は、特に限定されないが、好ましくは10重量ppm以上、より好ましくは25重量ppm以上、さらに好ましくは40重量ppm以上である。

0047

なお、本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴム中におけるカルシウム、およびマグネシウムの含有量は、特に限定されないが、カルシウム、およびマグネシウムの合計の含有量は、好ましくは100〜1000重量ppmであり、より好ましくは110〜650重量ppm、さらに好ましくは120〜450重量ppmである。また、カルボキシル基含有ニトリルゴム中におけるカルシウムの含有量は、好ましくは700重量ppm以下、より好ましくは550重量ppm以下、さらに好ましくは400重量ppm以下であり、カルシウムの含有量の下限は、好ましくは50重量ppm以上である。また、カルボキシル基含有ニトリルゴム中におけるマグネシウムの含有量は、好ましくは700重量ppm以下、より好ましくは350重量ppm以下、さらに好ましくは100重量ppm以下であり、マグネシウムの含有量の下限は、好ましくは5重量ppm以上である。カルシウム、およびマグネシウムの含有量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物を、耐圧縮永久歪み性および耐LLC性により優れたものとすることができる。

0048

なお、本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムは、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムを上記した含有量にて含むものであるから、これらを上記した含有量にて含有する組成物であるということもできる。

0049

カルボキシル基含有ニトリルゴム中に含まれるナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの含有量は、たとえば、カルボキシル基含有ニトリルゴムを乳化重合により得る場合には、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス凝固する際に使用する凝固塩の種類を選択したり、凝固塩の量を調整したりすることにより、調整することができる。あるいは、凝固後の水洗条件を調整する方法や、製造工程において不可避的に混入してしまうナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの量を調整する方法により調整することもできる。なお、単量体組成等の異なるカルボキシル基含有ニトリルゴムを組み合わせて用いる場合には、単量体組成等の異なるカルボキシル基含有ニトリルゴムの混合物全体における、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムの含有量を上記範囲とすればよい(後述する塩化物イオン含有量も同様。)。

0050

また、本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴム中における塩化物イオン含有量は、好ましくは50〜600重量ppmであり、より好ましくは100〜400重量ppm、さらに好ましくは150〜250重量ppmである。すなわち、本発明は、カルボキシル基含有ニトリルゴムおよび塩化物を含有する組成物であってもよく、塩化物イオンの含有量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物を、耐LLC性および耐圧縮永久歪み性により優れたものとすることができる。なお、カルボキシル基含有ニトリルゴム中における塩化物イオン含有量は、たとえば、カルボキシル基含有ニトリルゴムをメチルエチルケトンなどの、カルボキシル基含有ニトリルゴムを溶解可能な溶剤に浸漬させ、完全に溶解させた状態において、電位差滴定を行うことで、測定することができる。

0051

本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴム中に含まれる塩化物イオン含有量は、たとえば、カルボキシル基含有ニトリルゴムを乳化重合により得る場合には、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスを凝固する際に使用する凝固塩の種類を選択したり、凝固塩の量を調整したりすることにより、調整することができる。あるいは、凝固後の水洗条件を調整する方法や、製造工程において不可避的に混入してしまう塩化物イオン量を調整する方法により調整することもできる。

0052

本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムの製造方法は、特に限定されないが、上述した単量体を乳化重合法により共重合し、必要に応じて、得られる共重合体中の炭素−炭素二重結合を水素化することによって製造することができる。乳化重合に際しては、乳化剤重合開始剤分子量調整剤に加えて、通常用いられる重合副資材を使用することができる。

0053

乳化剤としては、特に限定されないが、たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルポリオキシエチレンアルキルエステルポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等の非イオン性乳化剤ミリスチン酸パルミチン酸オレイン酸およびリノレン酸等の脂肪酸の塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩ナフタレンスルホン酸塩ホルマリンとの重縮合物高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性乳化剤;α,β−不飽和カルボン酸スルホエステル、α,β−不飽和カルボン酸のサルフェートエステル、スルホアルキルアリールエーテル等の共重合性乳化剤;などが挙げられる。乳化剤の添加量は、重合に用いる単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。

0054

重合開始剤としては、ラジカル開始剤であれば特に限定されないが、過硫酸カリウム過硫酸ナトリウム過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム過酸化水素等の無機過酸化物クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物アゾビスイソブチロニトリルアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物;等を挙げることができる。これらの重合開始剤は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤としては、無機または有機過酸化物が好ましい。重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、重亜硫酸ナトリウム硫酸第一鉄等の還元剤と組み合わせて、レドックス系重合開始剤として使用することもできる。さらに、エチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム四水塩などのキレート剤炭酸ナトリウム硫酸ナトリウムなどのビルダーを併用することもできる。重合開始剤の添加量は、重合に用いる単量体100重量部に対して、好ましくは0.01〜2重量部である。

0055

乳化重合の媒体には、通常、水が使用される。水の量は、重合に用いる単量体100重量部に対して、好ましくは80〜500重量部、より好ましくは80〜300重量部である。

0056

乳化重合に際しては、さらに、必要に応じて安定剤、分散剤pH調整剤脱酸素剤粒子径調整剤等の重合副資材を用いることができる。これらを用いる場合においては、その種類、使用量とも特に限定されない。

0057

また、得られた共重合体について、必要に応じて、共重合体の水素化(水素添加反応)を行う。水素添加は公知の方法によればよいが、得られるカルボキシル基含有ニトリルゴム中のナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量、および塩化物イオン含有量を好適に制御できることから、水層水素添加法が好ましい。また、水層水素添加法としては、水素化触媒存在下の反応系に水素を供給して水素化する水層直接水素添加法と、酸化剤、還元剤および活性剤の存在下で還元して水素化する水層間接水素添加法とが挙げられるが、これらの中でも、水層直接水素添加法が好ましい。

0058

水層直接水素添加法において、水層における共重合体の濃度(ラテックス状態での濃度)は、凝集を防止するため40重量%以下であることが好ましい。水素化触媒は、水で分解しにくい化合物であれば特に限定されない。その具体例として、パラジウム触媒では、パラジウム金属酸化パラジウム水酸化パラジウムギ酸酢酸プロピオン酸ラウリン酸コハク酸、オレイン酸、フタル酸などのカルボン酸パラジウム塩塩化パラジウムジクロロシクロオクタジエン)パラジウム、ジクロロ(ノルボルナジエン)パラジウム、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸アンモニウムなどのパラジウム塩素化物ヨウ化パラジウムなどのヨウ素化物硫酸パラジウム二水和物などが挙げられる。これらの中でもパラジウム金属、カルボン酸のパラジウム塩、塩化パラジウム、ジクロロ(ノルボルナジエン)パラジウムおよびヘキサクロロパラジウム(IV)酸アンモニウムが特に好ましい。水素化触媒の使用量は、適宜定めればよいが、重合により得られた共重合体に対し、好ましくは5〜6000重量ppm、より好ましくは10〜4000重量ppmである。

0059

水層直接水素添加法においては、水素添加反応終了後、ラテックス中の水素化触媒を除去する。その方法として、たとえば、活性炭イオン交換樹脂などの吸着剤を添加して攪拌下で水素化触媒を吸着させ、次いでラテックスを濾過または遠心分離する方法を採ることができる。または、酸化剤または還元剤と、錯化剤とを添加し水素化触媒を錯体化し、次いでラテックスを濾過または遠心分離する方法を採ることができる。水素化触媒を除去せずにラテックス中に残存させることも可能である。

0060

そして、本発明においては、このようにして得られた水素添加反応後のラテックスに対し、凝固剤を添加して凝固を行うことで、カルボキシル基含有ニトリルゴムの含水クラムを得る。凝固に用いる凝固剤としては、特に限定されないが、塩化ナトリウム塩化カリウム塩化カルシウム塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム硫酸アルミニウム硝酸ナトリウム塩化バリウムなどが挙げられる。凝固剤の使用量は、用いる凝固剤の種類に応じて、最終的に得られるカルボキシル基含有ニトリルゴムに含有させるナトリウム、カルシウム、マグネシウム、および塩化物イオンの量に応じて、適宜選択すればよいが、ラテックス中に含まれるカルボキシル基含有ニトリルゴム100重量部に対して、好ましくは0.5〜200重量部、より好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは2〜50重量部、特に好ましくは3〜35重量部である。凝固剤としては、塩化物が好ましく、金属塩化物がより好ましく、たとえば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。凝固剤として塩化物を用いる場合は、塩化物のみを用いてもよいし、塩化物と塩化物以外の凝固剤とを併用してもよい。さらに、塩化物は一種単独でも、複数種を併用してもよい。塩化物の使用量は、用いる塩化物の種類に応じて、最終的に得られるカルボキシル基含有ニトリルゴムに含有させるナトリウム、カルシウム、マグネシウム、および塩化物イオンの量に応じて、適宜選択すればよいが、ラテックス中に含まれるカルボキシル基含有ニトリルゴム100重量部に対して、好ましくは0.5〜200重量部、より好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは2〜50重量部、特に好ましくは3〜35重量部である。また、凝固剤を添加する際には、水に溶解し、凝固剤水溶液の状態で添加してもよく、この場合には、凝固性をより高めるために、塩酸水溶液)、硝酸(水溶液)および硫酸(水溶液)等の酸を加え、pHを、好ましくは1〜4、より好ましくは2〜3に調整したものを用いてもよい。

0061

次いで、凝固により得られた含水クラムについて、水洗を行い、乾燥等することにより、本発明のカルボキシル基含有ニトリルゴムを得ることができる。本発明のカルボキシル基含有ニトリルゴムは、ラテックスに含まれるカルボキシル基含有ニトリルゴムとは異なることが好ましい。すなわち、本発明のカルボキシル基含有ニトリルゴムは、乾燥したゴムであることが好ましく、水分含有量が1重量%以下であるゴムであることがより好ましい。水洗を行う際における、水洗回数などの水洗条件は、最終的に得られるカルボキシル基含有ニトリルゴムに含有させるナトリウム、カルシウム、マグネシウム、および塩化物イオンの量に応じて適宜選択することできるが、含水クラム100重量部に対して、好ましくは500〜2000重量部の水を用いた水洗を、1〜6回行うことが好ましい。

0062

また、凝固前の油層や水層に老化防止剤を加えることもできる。老化防止剤としては特に限定されないが、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾールアンテージBHT、川口化学工業株式会社製)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(サンダント 2246、三新化学工業株式会社製)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルスルフィド(サンダント 103、三新化学工業株式会社製)、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート〕(イルガノックス1010、BASFジャパン製)、オクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス1076、BASFジャパン製)、イソオクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス1135、BASFジャパン製)、ヘキサメチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(イルガノックス259、BASFジャパン製)、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(イルガノックス1520L、BASFジャパン製)などを用いることができる。

0063

また、本発明のニトリルゴム組成物は、上述したカルボキシル基含有ニトリルゴムに加えて、ケイ素を含有する充填剤をさらに含有する。本発明によれば、上述したカルボキシル基含有ニトリルゴムに、ケイ素を含有する充填剤を配合することで、ゴム架橋物とした場合に、得られるゴム架橋物を、耐LLC性および耐圧縮永久歪み性に優れたものとすることができるものである。

0064

ケイ素を含有する充填剤としては、特に限定されず、ケイ素原子を含有する充填剤であればよいが、たとえば、シリカ珪酸塩などが挙げられる。

0065

シリカとしては、石英粉末珪石粉末等の天然シリカ無水珪酸シリカゲルアエロジル等)、含水珪酸等の合成シリカ;等が挙げられ、これらの中でも、耐LLC性および耐圧縮永久歪み性の向上効果がより高いという観点より、合成シリカが好ましい。シリカのBET法による比表面積は、特に限定されないが、好ましくは10〜600m2/g、より好ましくは50〜350m2/g、さらに好ましくは100〜200m2/gである。

0066

また、珪酸塩としては、特に限定されないが、周期表第2族または第13族の元素の珪酸塩であることが好ましく、下記一般式(1)で表される化合物であることがより好ましい。
MO・xSiO2・mH2O (1)
(上記一般式(1)中、Mは周期表第2族の元素または周期表第13族の元素を表し、xは8以下の正の実数であり、mは0または12以下の正の実数である。)

0067

上記一般式(1)中、Mを構成する周期表第2族の元素としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムバリウムなどが挙げられ、これらのなかでも、マグネシウムが好ましい。また、上記一般式(1)中、Mを構成する周期表第13族の元素としては、ホウ素、アルミニウムなどが挙げられ、これらのなかでも、アルミニウムが好ましい。

0068

上記一般式(1)で表される化合物の具体例としては、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウム水和物、珪酸カルシウム珪酸カルシウム水和物珪酸ホウ素、珪酸ホウ素水和物、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウム水和物などが挙げられ、これらのなかでも、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウムがより好ましく、珪酸アルミニウムが特に好ましい。

0069

また、珪酸塩としては、ニトリルゴム組成物中における分散性をより高め、これにより、その添加効果をより高めることができるという点より、その表面が表面処理された珪酸塩を用いることが好ましい。表面処理するための表面処理剤としては、特に限定されないが、シランカップリング剤が好適に用いられる。

0070

シランカップリング剤の具体例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトメチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトメチルトリエトキシシラン、γ−メルカプトヘキサメチルジシラザン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピルテトラスルファン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルファンなどの硫黄を含有するシランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤;N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデンプロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリス(β−メトキシエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタアクリロキシ基含有シランカップリング剤ビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシランビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のビニル基含有シランカップリング剤;3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロロプロピル基含有シランカップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有シランカップリング剤;p−スチリルトリメトキシシラン等のスチリル基含有シランカップリング剤;3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド基含有シランカップリング剤;ジアリルジメチルシラン等のアリル基含有シランカップリング剤;テトラエトキシシラン等のアルコキシ基含有シランカップリング剤;ジフェニルジメトキシシラン等のフェニル基含有シランカップリング剤;トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフロロ基含有シランカップリング剤;イソブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン等のアルキル基含有シランカップリング剤;などが挙げられる。これらは1種または複数種併せて用いることができる。これらのなかでも、分散性の向上効果が高いという観点より、ビニル基含有シランカップリング剤が好ましい。

0071

珪酸塩の平均粒径は、特に限定されないが、好ましくは0.01〜100μmであり、より好ましくは0.05〜50μmである。

0072

本発明のニトリルゴム組成物中における、ケイ素を含有する充填剤の含有量は、カルボキシル基含有ニトリルゴム100重量部に対して、好ましくは10〜100重量部、より好ましくは15〜80重量部、さらに好ましくは20〜60重量部である。ケイ素を含有する充填剤の含有量を上記範囲とすることにより、耐LLC性および耐圧縮永久歪み性の向上効果をより高めることができる。

0073

また、本発明のニトリルゴム組成物は、ケイ素を含有する充填剤の分散性をより高め、これにより、得られるゴム架橋物の耐LLC性をより高めることができるという観点より、変性シリコーンオイルをさらに含有していることが好ましい。

0074

変性シリコーンオイルとしては、変性基を有するシリコーンオイルであればよく、変性基としては特に限定されないが、上述したカルボキシル基含有ニトリルゴムを構成するカルボキシル基と反応可能な変性基であることが好ましい。このような反応性基としては、水酸基、アミノ基、メルカプト基エポキシ基、カルボキシル基、アクリル基(−OOC−CH=CH2、なお−OOC−はオキシカルボニル基を表す)、およびメタクリル基(−OOC−C(CH3)=CH2、なお−OOC−はオキシカルボニル基を表す)からなる群より選択される少なくとも1つを有するものが好ましく、これらのなかでも、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基がより好ましく、アミノ基、エポキシ基がさらに好ましく、アミノ基が特に好ましい。なお、エポキシ基としては、オキシラン環を有する基であればよく、特に限定されず、たとえば、直鎖状炭化水素基にオキシラン環を有するものの他、環状の炭化水素基にオキシラン環を有するものなども用いることができる。

0075

変性シリコーンオイルとしては、たとえば、下記一般式(2)、下記一般式(3)、下記一般式(4)、下記一般式(5)、または下記一般式(6)で表されるものを好適に用いることができる。これらのなかでも、下記一般式(2)で表されるものが好ましく、その配合効果が高いという観点から、下記一般式(2)で表されるもののなかでも、下記一般式(7)で表されるものが特に好ましい。

0076

(上記一般式(2)中、R1は、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜10の主鎖中および/または側鎖中にヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基、X1は、上述したいずれかの反応性基、mは、1〜10,000の整数、nは、1〜10,000の整数である。)

0077

(上記一般式(3)中、R2、R3は、それぞれ独立して、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜10の主鎖中および/または側鎖中にヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基、X2、X3は、それぞれ独立して、上述したいずれかの反応性基、pは、1〜10,000の整数である。R2、R3は同一でもよいし、互いに異なっていてもよい。また、X2、X3は同一でもよいし、互いに異なっていてもよい。)

0078

(上記一般式(4)中、R4、R5、R6は、それぞれ独立して、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜10の主鎖中および/または側鎖中にヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基、X4、X5、X6は、それぞれ独立して、上述したいずれかの反応性基、qは、1〜10,000の整数、rは、1〜10,000の整数である。R4、R5、R6は同一でもよいし、互いに異なっていてもよい。また、X4、X5、X6は同一でもよいし、互いに異なっていてもよい。)

0079

(上記一般式(5)中、R7は、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜10の主鎖中および/または側鎖中にヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基、X7は、上述したいずれかの反応性基、sは、1〜10,000の整数である。)

0080

(上記一般式(6)中、R8、R9は、それぞれ独立して、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜10の主鎖中および/または側鎖中にヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基、X8、X9は、それぞれ独立して、上述したいずれかの反応性基、tは、1〜10,000の整数、uは、1〜10,000の整数である。R8、R9は同一でもよいし、互いに異なっていてもよい。また、X8、X9は同一でもよいし、互いに異なっていてもよい。)

0081

(上記一般式(7)中、R1、m、nは、それぞれ上記一般式(1)と同じ。)

0082

変性シリコーンオイルの重量平均分子量は、好ましくは200〜100,000であり、より好ましくは200〜50,000、さらに好ましくは200〜20,000である。変性シリコーンオイルの重量平均分子量が上記範囲にあると、取り扱いが良好な粘度範囲としながら、変性シリコーンオイルを添加することによる効果をより高めることができる。なお、変性シリコーンオイルの動粘度(20℃、単位:mm2/s)は、10〜10000が好ましく、20〜1000がより好ましく、20〜500が特に好ましい。

0083

本発明のニトリルゴム組成物中における、変性シリコーンオイルの含有量は、カルボキシル基含有ニトリルゴム100重量部に対して、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは1〜8重量部、さらに好ましくは2〜6重量部である。変性シリコーンオイルの含有量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物の耐LLC性をより高めることができる。

0084

また、本発明のニトリルゴム組成物は、多価アミン化合物をさらに含有していることが好ましい。多価アミン化合物は、架橋剤として作用する化合物であり、そのため、多価アミン化合物を配合することで、本発明のニトリルゴム組成物を、架橋性ゴム組成物とすることができる。

0085

多価アミン化合物としては、2つ以上のアミノ基を有する化合物、または、架橋時に2つ以上のアミノ基を有する化合物の形態になるもの、であれば特に限定されないが、脂肪族炭化水素芳香族炭化水素の複数の水素原子が、アミノ基またはヒドラジド構造(−CONHNH2で表される構造、COはカルボニル基を表す。)で置換された化合物および架橋時にその化合物の形態になるものが好ましい。

0086

多価アミン化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジアミンヘキサメチレンジアミンカルバメート、N,N−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミンテトラメチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミンシンナムアルデヒド付加物などの脂肪族多価アミン類;4,4−メチレンジアニリンm−フェニレンジアミン、4,4−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4−(m−フェニレンジイソプロピリデンジアニリン、4,4−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4−ジアミノベンズアニリド、4,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3,5−ベンゼントリアミンなどの芳香族多価アミン類;イソフタル酸ジヒドラジドテレフタル酸ジヒドラジドフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジヒドラジド、ナフタレン酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジドマロン酸ジヒドラジドコハク酸ジヒドラジドグルタミン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドブラッシル酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、アセトンジカルボン酸ジヒドラジドフマル酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、トリメリット酸ジヒドラジド、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸ジヒドラジド、アコニット酸ジヒドラジド、ピロメリット酸ジヒドラジドなどの多価ヒドラジド類;が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果をより一層顕著なものとすることができるという点より、脂肪族多価アミン類および芳香族多価アミン類が好ましく、ヘキサメチレンジアミンカルバメートおよび2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンがより好ましく、ヘキサメチレンジアミンカルバメートが特に好ましい。

0087

本発明のニトリルゴム組成物中における、多価アミン化合物の含有量は特に限定されないが、カルボキシル基含有ニトリルゴム100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜5重量部である。

0088

また、本発明のニトリルゴム組成物は、多価アミン化合物を含有する場合には、塩基性架橋促進剤をさらに含有していることが好ましい。
塩基性架橋促進剤の具体例としては、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(以下「DBU」と略す場合がある)、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5(以下「DBN」と略す場合がある)、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、1−メトキシエチルイミダゾール、1−フェニル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−メチル−2−フェニルイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルイミダゾール、1,4−ジメチルイミダゾール、1,5−ジメチルイミダゾール、1,2,4−トリメチルイミダゾール、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾール、1−メチル−2−メトキシイミダゾール、1−メチル−2−エトキシイミダゾール、1−メチル−4−メトキシイミダゾール、1−メチル−2−メトキシイミダゾール、1−エトキシメチル−2−メチルイミダゾール、1−メチル−4−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチル−5−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチル−5−アミノイミダゾール、1−メチル−4−(2−アミノエチル)イミダゾール、1−メチルベンゾイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルベンゾイミダゾール、1−メチル−5−ニトロベンゾイミダゾール、1−メチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミダゾリン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾリン、1−メチル−フェニルイミダゾリン、1−メチル−2−ベンジルイミダゾリン、1−メチル−2−エトキシイミダゾリン、1−メチル−2−ヘプチルイミダゾリン、1−メチル−2−ウンデシルイミダゾリン、1−メチル−2−ヘプタデシルイミダゾリン、1−メチル−2−エトキシメチルイミダゾリン、1−エトキシメチル−2−メチルイミダゾリンなどの環状アミジン構造を有する塩基性架橋促進剤;テトラメチルグアニジンテトラエチルグアニジンジフェニルグアニジン、1,3−ジ−オルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニドなどのグアニジン系塩基性架橋促進剤;n−ブチルアルデヒドアニリン、アセトアルデヒドアンモニアなどのアルデヒドアミン系塩基架橋促進剤ジシクロペンチルアミンジシクロヘキシルアミンジシクロヘプチルアミンなどのジシクロアルキルアミン;N−メチルシクロペンチルアミン、N−ブチルシクロペンチルアミン、N−ヘプチルシクロペンチルアミン、N−オクチルシクロペンチルアミン、N−エチルシクロヘキシルアミン、N−ブチルシクロヘキシルアミン、N−ヘプチルシクロヘキシルアミン、N−オクチルシクロオクチルアミン、N−ヒドロキシメチルシクロペンチルアミン、N−ヒドロキシブチルシクロヘキシルアミン、N−メトキシエチルシクロペンチルアミン、N−エトキシブチルシクロヘキシルアミン、N−メトキシカルボニルブチルシクロペンチルアミン、N−メトキシカルボニルヘプチルシクロヘキシルアミン、N−アミノプロピルシクロペンチルアミン、N−アミノヘプチルシクロヘキシルアミン、ジ(2−クロロシクロペンチル)アミン、ジ(3−クロロシクロペンチル)アミンなどの二級アミン系塩基性架橋促進剤;などが挙げられる。これらのなかでも、グアニジン系塩基性架橋促進剤、二級アミン系塩基性架橋促進剤および環状アミジン構造を有する塩基性架橋促進剤が好ましく、環状アミジン構造を有する塩基性架橋促進剤がより好ましく、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7および1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5がさらに好ましく、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7が特に好ましい。なお、上記環状アミジン構造を有する塩基性架橋促進剤は、有機カルボン酸アルキルリン酸などと塩を形成していてもよい。また、上記二級アミン系塩基性架橋促進剤は、アルキレングリコールや炭素数5〜20のアルキルアルコールなどのアルコール類が混合されたものであってもよく、さらに無機酸および/または有機酸を含んでいてもよい。そして、当該二級アミン系塩基性架橋促進剤と前記無機酸および/または有機酸とが塩を形成しさらに前記アルキレングリコールと複合体を形成していてもよい。

0089

塩基性架橋促進剤を配合する場合における、本発明のニトリルゴム組成物中の配合量は、カルボキシル基含有ニトリルゴム100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部であり、より好ましくは0.2〜15重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部である。

0090

また、本発明のニトリルゴム組成物は、本発明の作用効果阻害しない範囲において、ケイ素を含有する充填剤以外の充填剤を含有していてもよく、このような充填剤としては、カーボンブラックなどが挙げられる。カーボンブラックとしては、特に限定されないが、たとえば、ファーネスブラックアセチレンブラックサーマルブラックチャンネルブラックおよびグラファイトなどが挙げられる。ケイ素を含有する充填剤以外の充填剤の含有量は、本発明の作用効果を阻害しない範囲とすればよく、ケイ素を含有する充填剤100重量部に対して、30重量部以下とすることが好ましい。

0091

また、本発明のニトリルゴム組成物には、ゴム加工分野において通常使用されるその他の配合剤を配合してもよい。このような配合剤としては、たとえば、補強剤光安定剤スコーチ防止剤可塑剤加工助剤滑剤粘着剤潤滑剤、難燃剤受酸剤防黴剤帯電防止剤着色剤、シランカップリング剤、架橋助剤共架橋剤、架橋促進剤、架橋遅延剤発泡剤などが挙げられる。これらの配合剤の配合量は、配合目的に応じた量を適宜採用することができる。

0092

可塑剤としては、特に限定されないが、トリメリット酸系可塑剤エーテルエステル系可塑剤などを用いることができる。具体例としては、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸イソノニルエステル、アジピン酸ビス[2−(2−ブトキシエトキシ)エチル]、ジヘプタノエート、ジ−2−エチルヘキサノエート、ジデカノエートなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。

0093

さらに、本発明のニトリルゴム組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、上述したカルボキシル基含有ニトリルゴム以外のゴムを配合してもよい。
このようなゴムとしては、アクリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体ゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムポリブタジエンゴムエチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴムエピクロロヒドリンゴムウレタンゴムクロロプレンゴムシリコーンゴムフルオロシリコーンゴムクロロスルフォン化ポリエチレンゴム、天然ゴムおよびポリイソプレンゴムなどが挙げられる。

0094

カルボキシル基含有ニトリルゴム以外のゴムを配合する場合における、ニトリルゴム組成物中の配合量は、カルボキシル基含有ニトリルゴム100重量部に対して、好ましくは30重量部以下、より好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。

0095

また、本発明のニトリルゴム組成物は、上記各成分を好ましくは非水系で混合することで調製される。本発明のニトリルゴム組成物を調製する方法に限定はないが、通常、多価アミン化合物および熱に不安定な塩基性架橋促進剤などを除いた成分を、バンバリーミキサインターミキサニーダなどの混合機一次混練した後、オープンロールなどに移して多価アミン化合物や熱に不安定な塩基性架橋促進剤などを加えて二次混練することにより調製できる。なお、一次混練は、通常、10〜200℃、好ましくは30〜180℃の温度で、1分間〜1時間、好ましくは1分間〜30分間行い、二次混練は、通常、10〜90℃、好ましくは20〜60℃の温度で、1分間〜1時間、好ましくは1分間〜30分間行う。

0096

<ゴム架橋物>
本発明のゴム架橋物は、上述した本発明のニトリルゴム組成物(架橋性のゴム組成物)を架橋してなるものである。
本発明のゴム架橋物は、本発明のニトリルゴム組成物を用い、所望の形状に対応した成形機、たとえば、押出機射出成形機圧縮機、ロールなどにより成形を行い、加熱することにより架橋反応を行い、架橋物として形状を固定化することにより製造することができる。この場合においては、予め成形した後に架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10〜200℃、好ましくは25〜120℃である。架橋温度は、通常、100〜200℃、好ましくは130〜190℃であり、架橋時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは2分〜1時間である。

0097

また、ゴム架橋物の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。
加熱方法としては、プレス加熱スチーム加熱オーブン加熱熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる一般的な方法を適宜選択すればよい。

0098

このようにして得られる本発明のゴム架橋物は、上述した本発明の架橋性ニトリルゴム組成物を架橋して得られるものであり、耐LLC性および耐圧縮永久歪み性に優れるものである。
このため、本発明のゴム架橋物は、このような特性を活かし、O−リングパッキン、ダイアフラム、オイルシールシャフトシールベアリングシールウェルヘッドシール、ショックアブソーバシール、ロングライフクーラント(LLC)など冷却液密封用シールであるクーラントシールやオイルクーラトシール、空気圧機器用シール、エアコンディショナ冷却装置空調装置冷凍機用コンプレッサに使用されるフロン若しくはフルオロ炭化水素または二酸化炭素の密封用シール、精密洗浄洗浄媒体に使用される超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素の密封用シール、転動装置転がり軸受自動車用ハブユニット、自動車用ウォーターポンプリニアガイド装置およびボールねじ等)用のシール、バルブおよびバルブシートBOP(Blow Out Preventer)、プラターなどの各種シール材;インテークマニホールドシリンダヘッドとの連接部に装着されるインテークマニホールドガスケットシリンダブロックとシリンダヘッドとの連接部に装着されるシリンダヘッドガスケットロッカーカバーとシリンダヘッドとの連接部に装着されるロッカーカバーガスケットオイルパンとシリンダブロックあるいはトランスミッションケースとの連接部に装着されるオイルパンガスケット、正極、電解質板および負極を備えた単位セルを挟み込む一対のハウジング間に装着される燃料電池セパレーターガスケットハードディスクドライブトップカバー用ガスケットなどの各種ガスケット印刷用ロール製鉄用ロール、製紙用ロール工業用ロール事務機用ロールなどの各種ロール;平ベルトフィルムコア平ベルト、コード平ベルト、積層式平ベルト、単体式平ベルト等)、VベルトラップドVベルト、ローエッジVベルト等)、VリブドベルトシングルVリブドベルト、ダブルVリブドベルト、ラップドVリブドベルト、背面ゴムVリブドベルト、上コグVリブドベルト等)、CVT用ベルト、タイミングベルト歯付ベルトコンベアーベルト、などの各種ベルト;燃料ホースターボエアーホースオイルホースラジェターホース、ヒーターホース、ウォーターホースバキュームブレーキホースコントロールホース、エアコンホースブレーキホースパワーステアリングホース、エアーホース、マリンホースライザーフローラインなどの各種ホース;CVJブーツプロペラシャフトブーツ等速ジョイントブーツラックアンドピニオンブーツなどの各種ブーツ;クッション材ダイナミックダンパゴムカップリング、空気バネ防振材クラッチフェーシング材などの減衰材ゴム部品;ダストカバー自動車内装部材摩擦材、タイヤ被覆ケーブル靴底電磁波シールドフレキシブルプリント基板用接着剤等の接着剤、燃料電池セパレーターの他、エレクトロニクス分野など幅広い用途に使用することができる。とりわけ、本発明のゴム架橋物は、耐LLC性および耐圧縮永久歪み性に優れるものであるため、自動車等の内燃機関の冷却系に使用される冷却液、不凍液などの水系冷媒(特に、LLC)をシールするためのシール材として、好適に用いることができるものである。特に、本発明のゴム架橋物によれば、耐LLC性および耐圧縮永久歪み性に優れることに加え、冷却液、不凍液などの水系冷媒(特に、LLC)と接触した状態でのシール性にも優れるものであるため、このような観点からも、これらをシールするためのシール材として特に好適に用いることができるものである。

0099

以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。なお、以下において、「部」は、特に断りのない限り重量基準である。また、試験および評価は下記に従った。

0100

[ヨウ素価]
カルボキシル基含有ニトリルゴムのヨウ素価は、JIS K6235に準じて測定した。

0101

[カルボキシル基含有ニトリルゴムの組成
カルボキシル基含有ニトリルゴムを構成する各単量体単位の含有割合は、以下の方法により測定した。
すなわち、マレイン酸モノn−ブチル単位、メタクリル酸単位の含有割合は、2mm角のカルボキシル基含有ニトリルゴム0.2gに、ピリジン100mLを加えて16時間攪拌した後、攪拌しながら水酸化カリウムの0.02Nアルコール性水酸化カリウム溶液を用いて、室温でチモールフタレイン指示薬とする滴定により、カルボキシル基含有ニトリルゴム100gに対するカルボキシル基のモル数を求め、求めたモル数をマレイン酸モノn−ブチル単位またはメタクリル酸単位の量に換算することにより算出した。
1,3−ブタジエン単位および飽和化ブタジエン単位の含有割合は、カルボキシル基含有ニトリルゴムを用いて、水素添加反応前と水素添加反応後のヨウ素価(JIS K 6235による)を測定することにより算出した。
アクリロニトリル単位の含有割合は、JIS K6384に従い、セミミクロケルダール法により、カルボキシル基含有ニトリルゴム中の窒素含量を測定することにより算出した。
アクリル酸n−ブチル単位、アクリル酸メトキシエチル単位の含有割合は、上記で求めたマレイン酸モノn−ブチル単位、メタクリル酸単位、1,3−ブタジエン単位、飽和化ブタジエン単位、および、アクリロニトリル単位の含有割合から、計算により求めた。

0102

[カルボキシル基含有ニトリルゴム中のナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの含有量]
カルボキシル基含有ニトリルゴム中のナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムのそれぞれの含有量、およびこれらの合計含有量は、カルボキシル基含有ニトリルゴムに硫酸、硝酸を添加して加熱し、湿式分解し、次いで、これを適宜希釈して、ICP−AES(SPS−5000:セイコーインスツルメント社製)を使用して、内標準検量線法で測定した。なお、検出限界以下の場合は検出限界値をもって含有量とみなした。

0103

[カルボキシル基含有ニトリルゴム中の塩化物イオン含有量]
カルボキシル基含有ニトリルゴムをロールで伸ばしてシート状とし、これを2×10mm程度に裁断して、測定サンプルを得て、約0.5gの測定サンプルを200mmビーカーに入れた。そして、測定サンプルを入れたビーカーに、メチルエチルケトン70mlを加え、攪拌して測定サンプルを完全に溶解させ、次いで、イソプロピルアルコール30mlを加え、さらに、メチルエチルケトンを加えて全量を150mlとした。そして、この溶液に、2%硫酸溶液1mlを駒込ピペットで加え、N/200硝酸銀溶液滴下して電位差滴定にて、塩化物イオン含有量を求めた。なお、滴定装置としては、平産業社製COMITE−101を使用し、銀支持電極AG−68/銀比較電極AM−44を用いた。

0104

[耐LLC性]
架橋性ゴム組成物を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、プレス圧10MPaで加圧しながら170℃で20分間プレス成形した後、170℃で4時間二次架橋を行うことでシート状のゴム架橋物を得た。得られたシート状のゴム架橋物を、温度125℃としたLLC(Long Life Coolant)中に、168時間浸漬させた。LLCとして、AcDelco社製「Dex−Cool」の50%水溶液を使用した。そして、下記式にしたがって、LLC浸漬後の膨潤度を求めた。LLC浸漬後の膨潤率が低いほど、耐LLC性に優れているといえる。
LLC浸漬後の膨潤度(%)=(LLC浸漬後のゴム架橋物の体積−LLC浸漬前のゴム架橋物の体積)÷LLC浸漬前のゴム架橋物の体積×100

0105

[圧縮永久歪み(O−リング圧縮永久歪み)]
内径30mm、リング径3mmの金型を用いて、架橋性ゴム組成物を170℃で20分間、プレス圧10MPaで架橋した後、170℃で4時間二次架橋を行うことにより、O−リング状の試験片を得た。そして、得られたO−リング状の試験片を用いて、O−リング状の試験片を挟んだ二つの平面間の距離をリング厚み方向に25%圧縮した状態で150℃にて168時間保持する条件で、JIS K6262に従って、圧縮永久歪みを測定した。この値が小さいほど、耐圧縮永久歪み性に優れる。
なお、本実施例では、O−リング状の試験片にて圧縮永久歪みを測定するものであるが、本発明者等の知見によると、ディスク形状における圧縮永久歪みが低い場合でも、O−リング状の試験片とした場合には、圧縮永久歪みが高いものとなる場合があり、そのため、本実施例では、このような知見の下、O−リング状の試験片にて圧縮永久歪みを測定するものである。

0106

[製造例1]
(カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−1)の製造)
金属製ボトルに、イオン交換水180部、濃度10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液25部、濃度10%のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩5部、アクリロニトリル20部、マレイン酸モノn−ブチル5部、アクリル酸n−ブチル35部、t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.75部の順に仕込み、内部の気体窒素で3回置換した後、1,3−ブタジエン40部を仕込んだ。金属製ボトルを10℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部、還元剤、キレート剤、およびビルダー適量を仕込み、攪拌しながら重合反応を継続し、重合転化率が80%になった時点で、濃度2.5重量%の2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル水溶液(重合停止剤)4部を加えて重合反応を停止した。次いで、水温60℃で残留単量体を除去し、共重合体ゴムのラテックス(固形分濃度25重量%)を得た。

0107

次に、上記にて得られたラテックスに含有されるゴムの乾燥重量に対するパラジウム含有量が3000重量ppmになるように、オートクレーブ中に、上記にて得られたラテックスおよびパラジウム触媒(1重量%酢酸パラジウムアセトン溶液と等重量のイオン交換水を混合した溶液)を添加して、水素圧3MPa、温度50℃、固形分濃度15重量%で6時間水素添加反応を行い、次いで、ラテックス中の共重合体ゴム100部に対して、0.1部の4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(イルガノックス1520L、BASFジャパン製、老化防止剤)および0.3部の防腐剤商品名「アクサイドBS」、ソー・ジャパン製、防腐剤)を添加した。これに、硫酸水溶液を適量加えることにより、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−1)(固形分濃度:12.5重量%、pH4.0)を得た。

0108

そして、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−1)に対し、塩化カルシウム水溶液(1重量%水溶液、pH=2.5)を、カルボキシル基含有ニトリルゴム100部に対し、塩化カルシウム換算で5部となる量にて加えることで、カルボキシル基含有ニトリルゴムを凝固させ、クラム状のカルボキシル基含有ニトリルゴムを含有するクラムスラリーを得た。次いで、得られたクラムスラリー100部に対し、水2000部を使用した水洗を3回行い、ろ別した後、60℃で12時間真空乾燥することにより、カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−1)を得た。

0109

得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−1)の組成、ヨウ素価、およびカルボキシル基含有量、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−1)中のナトリウム、カルシウム、マグネシウムのそれぞれの含有量および合計含有量、ならびに塩化物イオン含有量を表1に示す。

0110

[製造例2]
(カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−2)の製造)
製造例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−1)を得るとともに、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−1)の凝固を行う際に、凝固塩水溶液として、塩化カルシウム水溶液(1重量%水溶液、pH=2.5)および塩化ナトリウム水溶液(10重量%水溶液、pH=2.5)を、カルボキシル基含有ニトリルゴム100部に対し、塩化カルシウム換算で1部および塩化ナトリウム換算で40部となる量にて使用したこと、および、水2000部を使用した水洗の回数を6回としたこと以外は、製造例1と同様にして、凝固、洗浄および乾燥を行うことで、カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−2)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−2)の組成、ヨウ素価、およびカルボキシル基含有量、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−2)中のナトリウム、カルシウム、マグネシウムのそれぞれの含有量および合計含有量、ならびに塩化物イオン含有量を表1に示す。

0111

[製造例3]
(カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−3)の製造)
製造例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−1)を得るとともに、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−1)の凝固を行う際に、凝固塩水溶液として、塩化カルシウム水溶液(10重量%水溶液、pH=2.5)および硫酸マグネシウム水溶液(20重量%水溶液、pH=2.5)を、カルボキシル基含有ニトリルゴム100部に対し、塩化カルシウム換算で10部および硫酸マグネシウム換算で70部となる量にて使用したこと、および、水2000部を使用した水洗の回数を2回としたこと以外は、製造例1と同様にして、凝固、洗浄および乾燥を行うことで、カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−3)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−3)の組成、ヨウ素価、およびカルボキシル基含有量、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−3)中のナトリウム、カルシウム、マグネシウムのそれぞれの含有量および合計含有量、ならびに塩化物イオン含有量を表1に示す。

0112

[製造例4]
(カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−4)の製造)
製造例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−1)を得るとともに、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−1)の凝固を行う際に、凝固塩水溶液として、塩化ナトリウム水溶液(20重量%水溶液、pH=2.5)を、カルボキシル基含有ニトリルゴム100部に対し、塩化ナトリウム換算で80部となる量にて使用したこと、および、水2000部を使用した水洗の回数を5回としたこと以外は、製造例1と同様にして、凝固、洗浄および乾燥を行うことで、カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−4)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−4)の組成、ヨウ素価、およびカルボキシル基含有量、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−4)中のナトリウム、カルシウム、マグネシウムのそれぞれの含有量および合計含有量、ならびに塩化物イオン含有量を表1に示す。

0113

[製造例5]
(カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−5)の製造)
アクリロニトリルの使用量を15部に、アクリル酸n−ブチルの使用量を40部に、それぞれ変更した以外は、製造例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−5)を得て、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−5)について、製造例1と同様の条件にて、凝固、洗浄および乾燥を行うことで、カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−5)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−5)の組成、ヨウ素価、およびカルボキシル基含有量、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−5)中のナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量、ならびに塩化物イオン含有量を表1に示す。

0114

[製造例6]
(カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−6)の製造)
アクリロニトリルの使用量を25部に、マレイン酸モノn−ブチルの使用量を7部に、それぞれ変更するとともに、アクリル酸n−ブチルに代えて、アクリル酸メトキシエチル28部を使用した以外は、製造例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−6)を得て、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−6)について、製造例1と同様の条件にて、凝固、洗浄および乾燥を行うことで、カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−6)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−6)の組成、ヨウ素価、およびカルボキシル基含有量、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−6)中のナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量、ならびに塩化物イオン含有量を表1に示す。

0115

[製造例7]
(カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−7)の製造)
アクリロニトリルの使用量を37部に、1,3−ブタジエンの使用量を58部に、それぞれ変更するとともに、アクリル酸n−ブチルを使用しなかった以外は、製造例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−7)を得て、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−7)について、製造例1と同様の条件にて、凝固、洗浄および乾燥を行うことで、カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−7)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−7)の組成、ヨウ素価、およびカルボキシル基含有量、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−7)中のナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量、ならびに塩化物イオン含有量を表1に示す。

0116

[製造例8]
(カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−8)の製造)
製造例1と同様にして得られたカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−1)と、製造例6と同様にして得られたカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−6)とを、カルボキシル基含有ニトリルゴム換算の重量比で20:80にて混合することで、混合ラテックス(X−8)を得た。そして、得られた混合ラテックス(X−8)について、製造例1と同様の条件にて、凝固、洗浄および乾燥を行うことで、カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−8)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−8)の組成、ヨウ素価、およびカルボキシル基含有量、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−8)中のナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量、ならびに塩化物イオン含有量を表1に示す。

0117

[製造例9]
(カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−9)の製造)
製造例1と同様にして得られたカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−1)と、製造例6と同様にして得られたカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−6)とを、カルボキシル基含有ニトリルゴム換算の重量比で80:20にて混合することで、混合ラテックス(X−9)を得た。そして、得られた混合ラテックス(X−9)について、製造例1と同様の条件にて、凝固、洗浄および乾燥を行うことで、カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−9)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−9)の組成、ヨウ素価、およびカルボキシル基含有量、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−9)中のナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量、ならびに塩化物イオン含有量を表1に示す。

0118

[製造例10]
(カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−10)の製造)
製造例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−1)を得るとともに、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−1)の凝固を行う際に、凝固塩水溶液として、塩化カルシウム水溶液(10重量%水溶液、pH=2.5)および塩化ナトリウム水溶液(20重量%水溶液、pH=2.5)を、カルボキシル基含有ニトリルゴム100部に対し、塩化カルシウム換算で5部および塩化ナトリウム換算で100部となる量にて使用したこと以外は、凝固、洗浄および乾燥を行うことで、製造例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−10)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−10)の組成、ヨウ素価、およびカルボキシル基含有量、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−10)中のナトリウム、カルシウム、マグネシウムのそれぞれの含有量および合計含有量、ならびに塩化物イオン含有量を表2に示す。

0119

[製造例11]
(カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−11)の製造)
製造例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−1)を得るとともに、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−1)の凝固を行う際に、凝固塩水溶液の代わりに、メタノールを、カルボキシル基含有ニトリルゴム100部に対し、1600部となる量にて使用したこと以外は、製造例1と同様にして、凝固、洗浄および乾燥を行うことで、カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−11)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−11)の組成、ヨウ素価、およびカルボキシル基含有量、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−11)中のナトリウム、カルシウム、マグネシウムのそれぞれの含有量および合計含有量、ならびに塩化物イオン含有量を表2に示す。

0120

[製造例12]
(カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−12)の製造)
製造例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−1)を得るとともに、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−1)の凝固を行う際に、凝固塩水溶液として、硫酸マグネシウム水溶液(30重量%水溶液、pH=2.5)および塩化ナトリウム水溶液(20重量%水溶液、pH=2.5)を、カルボキシル基含有ニトリルゴム100部に対し、硫酸マグネシウム換算で50部および塩化ナトリウム換算で100部となる量にて使用したこと、および、水2000部を使用した水洗の回数を2回としたこと以外は、製造例1と同様にして、凝固、洗浄および乾燥を行うことで、カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−12)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−12)の組成、ヨウ素価、およびカルボキシル基含有量、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−12)中のナトリウム、カルシウム、マグネシウムのそれぞれの含有量および合計含有量、ならびに塩化物イオン含有量を表2に示す。

0121

[製造例13]
(カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−13)の製造)
製造例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−1)を得るとともに、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−1)の凝固を行う際に、凝固塩水溶液として、塩化ナトリウム水溶液(20重量%水溶液、pH=2.5)を、カルボキシル基含有ニトリルゴム100部に対し、塩化ナトリウム換算で80部となる量にて使用したこと、および、水2000部を使用した水洗の回数を7回としたこと以外は、製造例1と同様にして、凝固、洗浄および乾燥を行うことで、カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−13)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−13)の組成、ヨウ素価、およびカルボキシル基含有量、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−13)中のナトリウム、カルシウム、マグネシウムのそれぞれの含有量および合計含有量、ならびに塩化物イオン含有量を表2に示す。

0122

[製造例14]
(カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−14)の製造)
マレイン酸モノn−ブチルに代えて、メタクリル酸5部を使用した以外は、製造例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−14)を得て、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−14)について、製造例1と同様の条件にて、凝固、洗浄および乾燥を行うことで、カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−14)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−14)の組成、ヨウ素価、およびカルボキシル基含有量、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−14)中のナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量、ならびに塩化物イオン含有量を表2に示す。

0123

[製造例15]
(ニトリルゴム(A−15)の製造)
アクリル酸n−ブチルの使用量を40部に変更するとともに、マレイン酸モノn−ブチルを使用しなかった以外は、製造例1と同様にして、ニトリルゴムのラテックス(X−15)を得て、得られたニトリルゴムのラテックス(X−15)について、製造例1と同様の条件にて、凝固、洗浄および乾燥を行うことで、ニトリルゴム(A−15)を得た。得られたニトリルゴム(A−15)の組成、ヨウ素価、およびカルボキシル基含有量、得られたニトリルゴム(A−15)中のナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量、ならびに塩化物イオン含有量を表2に示す。

0124

[製造例16]
(カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−16)の製造)
水素添加反応の条件を、パラジウム含有量が500重量ppmになるように変更した以外は、製造例1と同様に、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−16)を得て、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(X−16)について、製造例1と同様の条件にて、凝固、洗浄および乾燥を行うことで、カルボキシル基含有ニトリルゴム(A−16)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−16)の組成、ヨウ素価、およびカルボキシル基含有量、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−16)中のナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量、ならびに塩化物イオン含有量を表2に示す。

0125

[実施例1]
バンバリーミキサを用いて、製造例1にて得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−1)100部に、シリカ(商品名「Ultrasil VN2」、EVONIK社製)55部、アミノ基変性シリコーンオイル(商品名「KF−868」、信越シリコーン社製、上記一般式(7)で表される化合物)4部、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(商品名「アデカサイザーC−8」、ADEKA社製、可塑剤)5部、4,4’−ジ−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(商品名「ノクラックCD」、大内新興化学社製、老化防止剤)1.5部、ステアリン酸1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(商品名「フォスファノールRL210」、東邦化学工業社製、加工助剤)1部を添加して、50℃で5分間混合した。次いで、得られた混合物を50℃のロールに移して、ヘキサメチレンジアミンカルバメート(デュポンダウエラストマー社製、商品名「Diak#1」、脂肪族多価アミン類に属するポリアミン架橋剤)1.9部、および1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデセン−7(DBU)(商品名「RHENOGRAN XLA−60(GE2014)」、RheinChemie社製、DBU60%(ジンクジアルキルジフスフイト塩になっている部分も含む)、塩基性架橋促進剤)4部を配合して、混練することにより、架橋性ゴム組成物を得た。

0126

そして、得られた架橋性ゴム組成物を用いて、上述した方法により、耐水性および圧縮永久歪みの測定を行った。結果を表1に示す。

0127

[実施例2〜4]
製造例1で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−1)に代えて、製造例2〜4で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−2)〜(A−4)をそれぞれ使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。

0128

[実施例5]
シリカ55部に代えて、ビニル基含有シランカップリング剤処理珪酸アルミニウム(商品名「BurgessKE」、バーゲス・ピグメント社製、表面処理珪酸塩)90部を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。

0129

[実施例6]
アミノ基変性シリコーンオイル(商品名「KF−868」)4部に代えて、アミノ基変性シリコーンオイル(商品名「ストラクトールHT740」、エスアンドエスジャパン社製)4部を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。

0130

[実施例7]
アミノ基変性シリコーンオイル(商品名「KF−868」)の使用量を1部に変更した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。

0131

[実施例8〜12]
製造例1で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−1)に代えて、製造例5〜9で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−5)〜(A−9)をそれぞれ使用し、ヘキサメチレンジアミンカルバメートの使用量をそれぞれ1.9部、2.7部、1.9部、2.5部、2.1部に変更した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。

0132

[実施例13]
ロールを用いて、製造例1で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−1)20部と、製造例6で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−6)80部とを素練りすることで、ブレンドゴムを得た。そして、得られたブレンドゴムについて、上記方法にしたがって、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムのそれぞれの含有量および合計含有量、ならびに塩化物イオン含有量を測定した。測定結果を表1に示す。そして、得られたブレンドゴム100部を使用したこと、およびヘキサメチレンジアミンカルバメートの使用量を2.5部としたこと以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。

0133

[比較例1〜3]
製造例1で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−1)に代えて、製造例10〜12で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−10)〜(A−12)をそれぞれ使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。

0134

[比較例4]
シリカ55部に代えて、FEFカーボン(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製)50部を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。

0135

[比較例5]
製造例1で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−1)に代えて、製造例13で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−13)を使用した以外は、比較例4と同様にして、架橋性ゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。

0136

[比較例6]
製造例1で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−1)に代えて、製造例14で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−14)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。

0137

[比較例7]
製造例1で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−1)に代えて、製造例15で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−15)を使用したこと、および、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、および1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデセン−7(DBU)に代えて、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン40%品(商品名「Vul Cup 40KE」、アルケマ社製、有機過酸化物架橋剤)8部を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。

0138

[比較例8]
製造例1で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−1)に代えて、製造例16で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(A−16)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。

0139

0140

0141

表1、表2に示すように、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を0.1〜20重量%の割合で含有し、ヨウ素価が120以下であり、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量が130〜1000重量ppm、ナトリウムの含有量が600重量ppm以下であるカルボキシル基含有ニトリルゴムと、ケイ素を含有する充填剤と、を含有するニトリルゴム組成物によれば、これを用いて得られるゴム架橋物は、耐LLC性および耐圧縮永久歪み性に優れたものであった(実施例1〜13)。

実施例

0142

一方、ナトリウムの含有量が600重量ppmを超える場合には、得られるゴム架橋物は、耐LLC性に劣る結果となった(比較例1)。
また、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量が130重量ppm未満である場合や、逆に、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの合計含有量が1000重量ppm超である場合には、得られるゴム架橋物は、耐圧縮永久歪み性に劣る結果となった(比較例2,3)。
さらに、ケイ素を含有する充填剤の代わりに、カーボンを配合した場合には、ナトリウムの含有量を比較的少なくすると、耐圧縮永久歪み性に劣る結果となり、ナトリウムの含有量を比較的多くすると、耐LLC性に劣る結果となった(比較例4,5)。
また、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を含有しないニトリルゴムを用いた場合や、ヨウ素価が120を超えるニトリルゴムを用いた場合にも、得られるゴム架橋物は、耐圧縮永久歪み性に劣る結果となった(比較例6〜8)。

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