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技術 粘着剤組成物、それを用いてなる粘着剤及び粘着シート

出願人 三菱ケミカル株式会社
発明者 野原一樹三ツ谷直也
出願日 2019年3月6日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-040409
公開日 2020年9月10日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-143211
状態 未査定
技術分野 接着テープ 接着剤、接着方法
主要キーワード 腐食具合 フッ素含有無機 カルボキシ基含有量 ニオベート 加水分解抑制効果 養生テープ 高温高湿度条件下 アミド基濃度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年9月10日)のものです。
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課題

高温環境下における耐久性と、高温高湿環境下における耐腐食性に優れた粘着剤を形成するための粘着剤組成物を提供することを目的とする。

解決手段

アクリル系樹脂(A)及びカルボジイミド化合物(B)を含有してなる粘着剤組成物であって、上記アクリル系樹脂(A)が全重合成分中にカルボキシ基含有モノマーを0重量%を超え0.2重量%未満含有する重合成分の重合体であり、上記アクリル系樹脂(A)中のカルボキシ基量(Xmmol)とカルボジイミド化合物(B)中のカルボジイミド基量(Ymmol)が下記式(I)を満たす粘着剤組成物とする。 Y/X≧1 ・・・(I)

概要

背景

従来、偏光性が付与されたポリビニルアルコール系フィルム等からなる偏光子の両面が保護フィルム被覆された偏光板を、2枚のガラス板の間に配向した液晶成分を挟持させた液晶セルの表面に積層する、液晶表示装置が製造されている。この液晶セルの表面への偏光板の積層は、偏光板表面に設けた粘着剤層を上記液晶セル面に当接し、押し付けることにより行われるのが通常である。

かかる偏光板(保護フィルム)と液晶セル(ガラス)との貼り合わせに用いられる粘着剤には、例えば、高温環境下高温高湿環境下において、基板から偏光板が浮いたり、剥がれたりしないという耐久性が求められている。

上記耐久性を改善するに際しては、粘着剤の凝集力を高めることが有効であり、かかる凝集力を高めるためにはカルボキシ基含有モノマーを含む共重合成分を共重合してなるカルボキシ基含有アクリル系樹脂を用いることが知られている。

一方で、カルボキシ基含有アクリル系樹脂を用いることにより、保護フィルムやタッチパネル等の用途において、金属等の被着体に貼り付ける場合には腐食を発生させる等の問題がある。
そこで、カルボキシ基含有モノマー量を減らした樹脂組成での粘着剤が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。

また、カルボキシ基含有モノマーを使用することにより、高温高湿条件下においては基材や保護フィルムの加水分解を促進させ、耐久性を低下させる問題がある。
そこで、カルボジイミドを添加することで、基材密着性を向上させ加水分解を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。

概要

高温環境下における耐久性と、高温高湿環境下における耐腐食性に優れた粘着剤を形成するための粘着剤組成物を提供することを目的とする。アクリル系樹脂(A)及びカルボジイミド化合物(B)を含有してなる粘着剤組成物であって、上記アクリル系樹脂(A)が全重合成分中にカルボキシ基含有モノマーを0重量%を超え0.2重量%未満含有する重合成分の重合体であり、上記アクリル系樹脂(A)中のカルボキシ基量(Xmmol)とカルボジイミド化合物(B)中のカルボジイミド基量(Ymmol)が下記式(I)を満たす粘着剤組成物とする。 Y/X≧1 ・・・(I)なし

目的

本発明ではこのような背景下において、高温環境下において耐久性に優れ、更に高温高湿環境下での耐腐食性にも優れる粘着剤を形成するための粘着剤組成物、それを用いてなる粘着剤及び粘着シートを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

アクリル系樹脂(A)及びカルボジイミド化合物(B)を含有してなる粘着剤組成物であって、上記アクリル系樹脂(A)が全重合成分中にカルボキシ基含有モノマーを0重量%を超え0.2重量%未満含有する重合成分の重合体であり、上記アクリル系樹脂(A)中のカルボキシ基量(Xmmol)とカルボジイミド化合物(B)中のカルボジイミド基量(Ymmol)が下記式(I)を満たすことを特徴とする粘着剤組成物。Y/X≧1・・・(I)

請求項2

上記アクリル系樹脂(A)が、更に水酸基含有モノマーを含有する重合成分の重合体であることを特徴とする請求項1に記載の粘着剤組成物。

請求項3

上記カルボジイミド化合物(B)がイソシアネート基を含まないカルボジイミド化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の粘着剤組成物。

請求項4

上記カルボジイミド化合物(B)がポリマー型カルボジイミド化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。

請求項5

更に架橋剤(C)を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。

請求項6

請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着剤組成物が架橋されてなることを特徴とする粘着剤

請求項7

偏光板に用いることを特徴とする請求項6に記載の粘着剤。

請求項8

請求項6または7記載の粘着剤を含む粘着剤層を有することを特徴とする粘着シート

技術分野

0001

本発明は、粘着剤組成物に関し、更に詳しくは、高温環境下において耐久性に優れ、更に高温高湿環境下での耐腐食性にも優れる粘着剤を形成するための粘着剤組成物、それを用いてなる粘着剤及び粘着シートに関するものである。

背景技術

0002

従来、偏光性が付与されたポリビニルアルコール系フィルム等からなる偏光子の両面が保護フィルム被覆された偏光板を、2枚のガラス板の間に配向した液晶成分を挟持させた液晶セルの表面に積層する、液晶表示装置が製造されている。この液晶セルの表面への偏光板の積層は、偏光板表面に設けた粘着剤層を上記液晶セル面に当接し、押し付けることにより行われるのが通常である。

0003

かかる偏光板(保護フィルム)と液晶セル(ガラス)との貼り合わせに用いられる粘着剤には、例えば、高温環境下や高温高湿環境下において、基板から偏光板が浮いたり、剥がれたりしないという耐久性が求められている。

0004

上記耐久性を改善するに際しては、粘着剤の凝集力を高めることが有効であり、かかる凝集力を高めるためにはカルボキシ基含有モノマーを含む共重合成分を共重合してなるカルボキシ基含有アクリル系樹脂を用いることが知られている。

0005

一方で、カルボキシ基含有アクリル系樹脂を用いることにより、保護フィルムやタッチパネル等の用途において、金属等の被着体に貼り付ける場合には腐食を発生させる等の問題がある。
そこで、カルボキシ基含有モノマー量を減らした樹脂組成での粘着剤が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。

0006

また、カルボキシ基含有モノマーを使用することにより、高温高湿条件下においては基材や保護フィルムの加水分解を促進させ、耐久性を低下させる問題がある。
そこで、カルボジイミドを添加することで、基材密着性を向上させ加水分解を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。

先行技術

0007

特開2013−163782号公報
特開2017−58422号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、上記特許文献1の開示技術では、カルボキシ基含有モノマー量を少量にすることで腐食性の低減を図っているが、粘着力が低く耐久試験時に剥がれが生じてしまう。
また、特許文献2の開示技術は、カルボジイミドを添加することで、耐久性の向上を図ったものであるが酸を含有している為、耐腐食性については達成できておらず、耐久性と耐腐食性の両方を満足させるにはまだまだ改善の余地があった。

0009

そこで、本発明ではこのような背景下において、高温環境下において耐久性に優れ、更に高温高湿環境下での耐腐食性にも優れる粘着剤を形成するための粘着剤組成物、それを用いてなる粘着剤及び粘着シートを提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0010

しかるに、本発明者らはかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、アクリル系樹脂及びカルボジイミド化合物を含有する粘着剤組成物において、アクリル系樹脂に少量のカルボキシ基を含有させ、かかるカルボキシ基量よりもカルボジイミド基量を同量またはそれ以上含有させることにより、高温環境下における耐久性と、高温高湿環境下における耐腐食性の両方にバランスよく優れる粘着剤が得られることを見出し、本発明を完成した。

0011

即ち、本発明は、アクリル系樹脂(A)及びカルボジイミド化合物(B)を含有してなる粘着剤組成物であって、上記アクリル系樹脂(A)が全重合成分中にカルボキシ基含有モノマーを0重量%を超え0.2重量%未満含有する重合成分の重合体であり、上記アクリル系樹脂(A)中のカルボキシ基量(Xmmol)とカルボジイミド化合物(B)中のカルボジイミド基量(Ymmol)が下記式(I)を満たす粘着剤組成物を第1の要旨とするものである。
Y/X≧1 ・・・(I)

0012

また、本発明は、上記第1の要旨の粘着剤組成物が、架橋されてなる粘着剤を第2の要旨とし、更に、上記第2の要旨の粘着剤を含む粘着剤層を有する粘着シートを第3の要旨とするものである。

0013

上述のように、一般的に、凝集力を高め耐久性向上を図るためには、アクリル系樹脂にカルボキシ基を含有させるが、これにより、腐食性の問題が起こる。この問題を抑制するためにカルボジイミド化合物を含有させ、耐久性と耐腐食性の両立を図ろうと考えられるところ、カルボキシ基が多い系では耐久性を向上させるどころか耐久性を低下させることとなるものである。これに対し、本発明は、少量でありながら特定量のカルボキシ基量を含有させたアクリル系樹脂と、カルボジイミド化合物とを用いる場合に、高温環境下における耐久性と高温高湿環境下における耐腐食性が両立できることを見出したのである。

発明の効果

0014

本発明は、アクリル系樹脂(A)及びカルボジイミド化合物(B)を含有してなる粘着剤組成物であって、上記アクリル系樹脂(A)が全重合成分中にカルボキシ基含有モノマーを0重量%を超え0.2重量%未満含有する重合成分の重合体であり、上記アクリル系樹脂(A)中のカルボキシ基量(Xmmol)とカルボジイミド化合物(B)中のカルボジイミド基量(Ymmol)が前記式(I)を満たすものである。そのため、本発明の粘着剤組成物は、高温環境下における耐久性に優れ、更に高温高湿環境下でも耐腐食性に優れた効果を有するものであり、例えば、偏光板用粘着剤として好適な粘着剤を得ることができ、非常に有用なものである。

0015

以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、「(メタアクリル」とはアクリルあるいはメタクリルを、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。また、「アクリル系樹脂」とは、少なくとも1種の(メタ)アクリレート系モノマーを含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
また、本発明でいう粘着剤とは25℃でタックを有し、手で押しつける程度の軽い圧力で被着体と接着するものである。

0016

本発明の粘着剤組成物は、アクリル系樹脂(A)及びカルボジイミド化合物(B)を含有してなるものである。

0017

<アクリル系樹脂(A)>
本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)は、重合成分として、特定少量のカルボキシ基含有モノマー含むものであり、更に、アルキル(メタ)アクリレート系モノマー、必要に応じて官能基含有モノマーやその他の共重合性モノマーを重合してなるものである。

0018

上記カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のダイマー酸等が挙げられ、中でも高温環境下での耐久性に優れる点、重合時の安定性の点で(メタ)アクリル酸が好ましい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いてもよい。

0019

上記カルボキシ基含有モノマーの含有割合は、全重合成分中に、0重量%を超え0.2重量%未満である。好ましくは、0.01〜0.15重量%、特に好ましくは0.02〜0.1重量%である。カルボキシ基含有モノマーの含有割合が多すぎると粘着剤とした時の耐腐食性が低下し、カルボキシ基含有モノマーが無いと粘着剤とした時の耐久性が低下する。

0020

上記アルキル(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、アルキル基炭素数が通常1〜24、好ましくは1〜18、特に好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜8、殊に好ましくは1〜4のモノマー、好ましくは脂肪族系の(メタ)アクリレート系モノマーが挙げられ、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いてもよい。

0021

これらの中でも、汎用性、粘着物性の点でメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、特にn−ブチル(メタ)アクリレートが好ましい。

0022

上記アルキル(メタ)アクリレート系モノマーの含有割合は、重合成分中に、40重量%以上であることが好ましく、特に好ましくは50〜99重量%、さらに好ましくは60〜97重量%である。かかる含有割合が少なすぎると、粘着物性が低下する傾向があり、多すぎると、耐久性が低下する傾向がある。

0023

上記官能基含有モノマーとしては、例えば、水酸基含有モノマー窒素含有モノマー等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いてもよい。

0024

本発明においては、上記アクリル系樹脂(A)の重合成分として、官能基含有モノマーを用いることが、後述する架橋剤(C)とアクリル系樹脂(A)との架橋点となり、凝集力が向上し、基材や被着体との密着性耐熱性に優れる点で好ましく、特には水酸基含有モノマーを用いることが好ましい。

0025

上記水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマーカプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性モノマー、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン変性(メタ)アクリレートモノマー、その他、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、N−メチロール(メタ)アクリルアミドヒドロキシエチルアクリルアミド等の1級水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー;2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の2級水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー;2,2−ジメチル2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の3級水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いてもよい。

0026

上記水酸基含有モノマーの中でも、粘着剤とした時の凝集力を高め、高温環境下での耐久性に優れる点から、1級水酸基含有(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、特に好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートである。これらの2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートは、不純物であるジ(メタ)アクリレート等が少なく、製造しやすい点からも好ましい。
また、酸の不純物が少なく、基材の加水分解を抑制する点から4−ヒドロキシブチルアクリレートが最も好ましい。

0027

なお、上記水酸基含有モノマーを調製して用いる場合、あるいは市販品を用いる場合、不純物であるジ(メタ)アクリレートの含有割合が、0.5重量%以下のものを用いることも好ましく、特には0.2重量%以下、さらには0.1重量%以下のものを使用することが好ましい。

0028

水酸基含有モノマーの含有量は、全重合成分中に、通常30重量%以下であり、好ましくは20重量%以下であり、さらに好ましくは15重量%以下である。かかる水酸基含有モノマーの含有量が多すぎると、粘着剤とした時の粘着力が高くなりすぎたり、湿度の影響を受けやすくなり、基材の加水分解が進みやすくなる傾向がある。なお、水酸基含有モノマーの含有量は架橋剤を使用した際に効率良く架橋構造を形成できる点から下限値は0.1重量%、特には0.2重量%であることが好ましい。

0029

さらに、上記窒素含有モノマーとしては、アミノ基含有モノマーアミド基含有モノマー等が挙げられる。
上記アミノ基含有モノマーとしては、例えば、アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート等の1級アミノ基含有(メタ)アクリレート系モノマー;t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の2級アミノ基含有(メタ)アクリレート系モノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基含有(メタ)アクリレート系モノマー等が挙げられる。

0030

上記アミド基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド;メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー;ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド等のジアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー等が挙げられる。

0031

その他の窒素含有モノマーとしては、アクリロイルモルホリンビニルイミダゾール等の環状構造を有する窒素含有モノマーが挙げられる。
これらの窒素含有モノマーは、単独でもしくは2種以上併せて用いてもよい。

0032

上記窒素含有モノマーの中でも、アミド基含有モノマーが好ましく、基材や被着体の加水分解を抑制できる点でジアルキル(メタ)アクリルアミドがより好ましく、重合性アミド基濃度が高くより加水分解を抑制できる点でジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミドが特に好ましい。

0033

窒素含有モノマーの含有量は、全重合成分中、通常10重量%以下であり、好ましくは8重量%以下であり、さらに好ましくは5重量%以下である。かかる含有量が多すぎると、アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度が高くなり、リワーク性(粘着シートを被着体から剥離する際に糊残りなく、また被着体を傷めないこと)が低下したりジッピング剥離力断続的に変化してスムーズに剥離できないこと)が起こりやすくなる傾向がある。

0034

上記その他の共重合性モノマーとしては、例えば、脂環構造含有モノマー芳香族モノマーアルコキシ基含有モノマー等が挙げられる。

0035

上記脂環構造含有モノマーとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレートジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−アダマンチル(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。

0036

上記芳香族モノマーとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香環を一つ有する(メタ)アクリレート;フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート等の芳香環を二つ有する(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。

0037

上記アルコキシ基含有モノマーとしては、例えば、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。

0038

なお、本発明において、アクリル系樹脂(A)の複屈折を正側に調整する場合には、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族モノマーを用いることが効果的である。

0039

その他の共重合性モノマーの含有量は、全重合成分中、5重量%以下であることが好ましい。その他の共重合性モノマーの含有量が多すぎると、リワーク性が低下する傾向がある。

0040

本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)は、特定少量のカルボキシ基含有モノマー、アルキル(メタ)アクリレート系モノマー、必要に応じて官能基含有モノマーやその他の共重合性モノマーを含有する重合成分を用いて、例えば、有機溶媒中に、上記重合成分、重合開始剤を混合あるいは滴下して、重合させることにより得ることができる。

0041

上記アクリル系樹脂(A)の重合方法としては、溶液ラジカル重合懸濁重合塊状重合乳化重合等の従来公知の方法を用いることができる。例えば、有機溶媒中に、適宜選択してなる重合成分、重合開始剤を混合あるいは滴下し、所定の重合条件にて重合する方法等があり、中でも、溶液ラジカル重合、塊状重合が好ましく、安定にアクリル系樹脂が得られる点で、溶液ラジカル重合が特に好ましい。

0042

上記重合反応に用いられる有機溶媒としては、例えば、トルエンキシレン等の芳香族炭化水素類ヘキサン等の脂肪族炭化水素類酢酸エチル酢酸ブチル等のエステル類n−プロピルアルコールイソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンシクロヘキサノン等のケトン類等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独でもしくは2種以上併用することができる。

0043

これらの有機溶媒の中でも、重合反応のしやすさや連鎖移動の効果や粘着剤塗工時の乾燥のしやすさ、安全上の点から、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、トルエン、メチルイソブチルケトンが好ましく、特に好ましくは、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトンである。

0044

また、かかる溶液ラジカル重合に用いられる重合開始剤としては、例えば、通常のラジカル重合開始剤である2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4,4'−アゾビス(4−シア吉草酸)、2,2'−アゾビス(メチルプロピオン酸)等のアゾ系重合開始剤ベンゾイルパーオキサイドラウロイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドクメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が挙げられ、使用するモノマーに合わせて適宜選択して用いることができる。これらの重合開始剤は、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。

0045

かくして本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)が得られる。

0046

上記アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、20万〜250万であることが好ましく、特に好ましくは40万〜200万、さらに好ましくは60万〜180万であり、殊に好ましくは100万〜160万である。かかる重量平均分子量が小さすぎると加水分解を受けた基材中の成分の移行が速くなり、結晶析出しやすくなる傾向があり、大きすぎると溶液粘度が高くなりすぎて塗工する際に溶剤が大量に必要となり乾燥時のエネルギーが大きくなる傾向がある。

0047

また、アクリル系樹脂(A)の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、15以下であることが好ましく、特に好ましくは10以下、さらに好ましくは7以下である。かかる分散度が高すぎると、凝集力が低下して耐久性が低下したりリワーク性が低下したりする傾向がある。なお、分散度の下限は通常1である。

0048

なお、上記のアクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(日本Waters社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100〜2×107、理論段数:10,000段/本、充填剤材質スチレンジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)を3本直列に接続して用いることにより測定されるものであり、数平均分子量も同様の方法で測定することができる。また分散度は重量平均分子量と数平均分子量より求められる。

0049

上記アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、−100〜25℃であることが好ましく、特に好ましくは−60〜0℃、さらに好ましくは−55〜−10℃である。かかるガラス転移温度が高すぎると、タックが低下して貼り合わせし難くなったり、離型フィルムや被着体からリワークする際にジッピングが発生したりする傾向がある。そして、ガラス転移温度が低すぎると耐熱性が低下する傾向がある。
なお、上記ガラス転移温度は、下記のFoxの式より算出されるものである。

0050

0051

すなわち、上記アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、アクリル系樹脂を構成するそれぞれのモノマーをホモポリマーとした際のガラス転移温度及び重量分率を上記Foxの式に当てはめて算出した値である。
なお、アクリル系樹脂を構成するモノマーのホモポリマーとした際のガラス転移温度は、通常、示差走査熱量計DSC)により測定されるものであり、JIS K7121−1987や、JIS K 6240に準拠した方法で測定することができる。

0052

<カルボジイミド化合物(B)>
カルボジイミド化合物(B)は、カルボジイミド基[−N=C=N−]を1つ以上有する化合物である。上記カルボジイミド化合物(B)としては、例えば、カルボジイミド基を1つ有する単官能カルボジイミド化合物(モノマー型カルボジイミド化合物という)、カルボジイミド基を2つ以上有する多官能カルボジイミド化合物等が挙げられる。上記多官能カルボジイミド化合物としては、カルボジイミド基の繰り返し構造を有するポリマー型カルボジイミド化合物が好ましい。

0053

上記カルボジイミド化合物(B)のカルボジイミド基以外の部分の構造は、特に限定されず、例えば、アルキレン等の脂肪族構造シクロアルキレン等の脂環式構造アリーレン等の芳香族構造等を有していてもよく、これらを組み合わせて有していてもよい(例えば、アレーンジアルキレン構造、シクロアルカンジアルキレン構造等)。

0054

上記モノマー型カルボジイミド化合物は、例えば、下記式(1)で表される構造を有するものである。
R1−N=C=N−R2 ・・・(1)
上記R1、R2は、例えば、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数4〜10の脂環式炭化水素基、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基であり、R1とR2は、同一であっても異なっていてもよい。また、これらのR1、R2は、さらに置換基を有していてもよい。
さらに、R1、R2には、例えば、メトキシ基エトキシ基等のアルコキシアルキル基ポリオキシエチレン基ポリオキシプロピレン基等のポリオキシアルキレン(ポリオキシアルキレンオキサイド)基等のオキシアルキレン基が結合していてもよい。

0055

上記単官能カルボジイミド化合物(モノマー型カルボジイミド化合物)としては、例えば、1,3−ジメチルカルボジイミド、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド等の脂肪族モノカルボジイミド化合物、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド等の脂環式モノカルボジイミド化合物、ジフェニルカルボジイミドジトリルカルボジイミド、ビス(2,6−ジメチルフェニル)カルボジイミド、ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)カルボジイミド、ビス(2,6−ジエチルフェニル)カルボジイミド、N−フェニル−N’−トリルカルボジイミド、ベンジルイソプロピルカルボジイミド等の芳香族モノカルボジイミド化合物、これらにオキシアルキレンが結合した化合物等のモノカルボジイミド化合物等が挙げられる。

0056

上記ポリマー型カルボジイミド化合物は、例えば、下記式(2)で表される構造を有するものである。
−(N=C=N−R3)n− ・・・(2)

0057

上記R3は、例えば、炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数4〜10の脂環式炭化水素基、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基であり、複数のR3は、同一であっても異なっていてもよい。また、これらのR3は、さらに置換基を有していてもよい。
また、上記式(2)中、nは2以上であればよく、中でも2〜30が好ましく、より好ましくは3〜20、より好ましくは5〜15である。繰り返し数が小さすぎると、ポリマー型カルボジイミド化合物が酸成分と反応した際に結晶構造を取りやすく、結晶が析出しやすい傾向にあり、大きすぎるとアクリル系樹脂(A)との相溶性が低下する傾向にある。

0058

さらに、ポリマー型カルボジイミド化合物は、オキシアルキレン基を有していてもよい。上記オキシアルキレン基としては、前記モノマー型モノカルボジイミド化合物で例示したオキシアルキレン基が挙げられる。中でも高温高湿度暴露した時でも、白化が起こりにくい点でポリオキシアルキレン基が好ましく、特に好ましくはポリオキシエチレン基である。

0059

なお、オキシアルキレン基を有するポリカルボジイミド化合物のオキシアルキレン基の結合位置(結合形態)は、特に限定されない。例えば、オキシアルキレン基は、カルボジイミド基以外の部分の構造が有していてもよく、カルボジイミド化合物の末端に位置してもよく、ポリカルボジイミド化合物の主鎖に位置してもよく、これらを組み合わせた態様で存在してもよい。

0060

主鎖にオキシアルキレン基が位置する場合、オキシアルキレン基は、繰り返し単位に隣接(結合)してもよく、カルボジイミド基とともに繰り返し単位を構成してもよい。

0061

オキシアルキレン構造を有するポリカルボジイミド化合物は、代表的には、少なくとも繰り返し単位に、オキシアルキレン基が隣接して存在してもよい。このようなカルボジイミド化合物は、例えば、下記式(3)で表される構造単位を有していてもよい。
−N=C=N−R3−X− ・・・(3)
上記R3は、前記式(2)と同じであり、Xは、オキシアルキレン基を示す。

0062

特に、オキシアルキレン基を有するポリカルボジイミド化合物は、例えば、下記式(4)で表される構造単位を有していることが好ましい。
−(N=C=N−R3)n−X− ・・・(4)
上記R3及びXは、上記式(3)と同じである。
また、ポリオキシアルキレン基を有するポリカルボジイミド化合物の繰り返し数(n)としては、例えば、2〜50が好ましく、5〜20が特に好ましい。
上記範囲であれば、アクリル系樹脂(A)との相溶性が良好となったり、耐久性が向上する傾向がある。

0063

上記ポリマー型カルボジイミド化合物としては、例えば、ポリヘキサメチレンカルボジイミド、ポリ(3−メチルヘキサメチレンカルボジイミド)等の脂肪族ポリカルボジイミド化合物、ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)等の脂環式ポリカルボジイミド化合物、ポリフェニレンカルボジイミド、ポリトリレンカルボジイミド、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等の芳香族ポリカルボジイミド化合物、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)等のポリジアリールアルカンカルボジイミド、これらにオキシアルキレン構造を隣接して有する化合物等が挙げられる。

0064

これらのカルボジイミド化合物(B)は、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。

0065

これらの中でも、粘着剤とした時にブリードしたりせず、耐久性が低下しにくい傾向がある点でポリマー型カルボジイミド化合物が好ましい。

0066

上記ポリマー型カルボジイミド化合物としては、市販品を用いてもよく、例えば、日清紡ケミカル社製のカルボジライト「V−02B」、「V−04K」、「V−09GB」等が挙げられる。中でもカルボジライト「V−09GB」が好ましい。

0067

本発明で用いるカルボジイミド化合物(B)は、イソシアネート基残存イソシアネート基)が10重量%以下であることが好ましく、特には5重量%以下、更には1重量%以下、殊には0.2重量%以下であることが好ましい。特に、本発明では、イソシアネート基を含まない(実質的に含まない)カルボジイミド化合物(B)が好ましい。
かかるイソシアネート基が多すぎると、粘着剤層の物性が安定しにくい傾向にある。

0068

上記カルボジイミド化合物(B)のカルボジイミド基当量は、1000g/mol以下であることが好ましく、特には800g/mol以下、更には500g/mol以下であることが好ましい。カルボジイミド基当量が高すぎるとアクリル系樹脂(A)に対して配合量が増えるため、可塑効果が大きくなり耐久性が低下する傾向にある。なお、カルボジイミド基当量の下限は、通常70g/molである。

0069

カルボジイミド化合物(B)の分子量は特に限定されないが、例えば、ポリマー型カルボジイミド化合物(例えば、オキシアルキレン基を有するポリマー型カルボジイミド化合物等)の重量平均分子量は、300〜50,000であることが好ましく、特には500〜15,000であることが好ましく、更に1,000〜10,000であることが好ましい。かかる重量平均分子量が低すぎると、基材から発生した酸とカルボジイミド化合物とが反応した際に結晶構造を取りやすく、結晶が析出する傾向があり、重量平均分子量が高すぎるとアクリル系樹脂(A)との相溶性が低下する傾向にある。

0070

また、カルボジイミド化合物(B)(例えば、ポリマー型カルボジイミド化合物)は疎水性であることが好ましく、20℃の水への溶解性が10重量%以下が好ましく、特には5重量%以下、更には1重量%以下であることが好ましい。水への溶解性が高すぎると、高温高湿度条件下で徐々に粘着剤層から、カルボジイミド化合物(B)が拡散してしまい、基材の加水分解抑制効果が低下し耐久性が低下する傾向にある。
なお、本発明において、溶解とは濁りがなく分離していない状態を意味する。また、溶解性の下限値は、水への溶解性が、通常0.00001重量%である。

0071

カルボジイミド化合物(B)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、1重量部より多く、好ましくは1.5〜30重量部であり、特に好ましくは2〜25重量部、更に好ましくは2.5〜20重量部、殊に好ましくは3〜15重量部である。カルボジイミド化合物(B)の含有量が少なすぎると加水分解抑制性能が低下する傾向にあり、含有量が多すぎると粘着剤層として使用した際に被着体から剥がれやすくなる傾向にある。

0072

本発明においては、高温環境下での耐久性、高温高湿環境下での被着体に対する耐腐食性に優れるという効果を奏するために、カルボジイミド化合物(B)中のカルボジイミド基量(mmol)をアクリル系樹脂(A)中のカルボキシ基量(mmol)以上とするものである。すなわち、アクリル系樹脂(A)中のカルボキシ基量をXmmol、カルボジイミド化合物(B)中のカルボジイミド基量をYmmolとした時に、Y/Xが1以上(Y/X≧1)とすることが重要である。
Y/Xの値としては、1.02以上がより好ましく、1.04以上が更に好ましく、1.05以上が特に好ましい。なお、Y/Xの値の上限は、通常1.5、好ましくは1.2である。
カルボジイミド基含有量がカルボキシ基含有量に対して少なすぎると常温で徐々に反応が進行してしまったり、高温高湿度条件下で基材の加水分解より先に、カルボジイミド基が全て反応してしまい加水分解抑制効果が低下する。

0073

<架橋剤(C)>
本発明においては、更に架橋剤(C)を含有することが粘着剤とした際の弾性率を向上させ基材や被着体に含まれる成分の移行を防止できる傾向にある点で好ましい。

0074

かかる架橋剤(C)としては、例えば、イソシアネート系架橋剤エポキシ系架橋剤アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤アルデヒド系架橋剤アミン系架橋剤金属キレート系架橋剤が挙げられるが、これらの中でも基材との接着性を向上させる点やアクリル系樹脂(A)との反応性に優れる点で、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、とりわけイソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。

0075

上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等のトリレンジイソシアネート系架橋剤、1,3−キシリレンジイソシアネート等のキシリレンジイソシアネート系架橋剤、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート等のジフェニルメタン系架橋剤、1,5−ナフタレンジイソシアネート等のナフタレンジイソシアネート系架橋剤等の芳香族イソシアネート系架橋剤イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートメチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4'−ジイソシアネート、1,3−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート系架橋剤;ヘキサメチレンジイソシアネートトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート系架橋剤;及び上記イソシアネート系化合物アダクト体ビュレット体イソシアヌレート体等が挙げられる。

0076

これらイソシアネート系架橋剤の中でも、トリレンジイソシアネート系架橋剤がポットライフと耐久性の点で好ましく、キシリレンジイソシアネート系架橋剤またはイソシアヌレート骨格含有イソシアネート系架橋剤がエージング時間短縮の点で好ましい。
一方、芳香族非含有イソシアネート系架橋剤(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、そのアダクト体、ビュレット体又はイソシアヌレート体等の脂肪族イソアネート系架橋剤及び脂環式(脂環族)イソシアネート系架橋剤から選ばれる少なくとも1つのイソシアネート系架橋剤)が耐黄変性、高温高湿環境下における基材及び被着体の少なくとも一方の加水分解の抑制、粘着剤層における白化の抑制又は防止等の点で好ましい。これらの中で具体的には、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体、及びヌレート体が、耐久性、ポットライフ、架橋速度のバランスに優れている点で好ましい。

0078

上記アジリジン系架橋剤としては、例えば、テトラメチロールメタントリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。

0079

上記メラミン系架橋剤としては、例えば、へキサメトキシメチルメラミンヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン、ヘキサヘキシルオキシメチルメラミン、メラミン樹脂等が挙げられる。

0082

上記金属キレート系架橋剤としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタンニッケルアンチモンマグネシウムバナジウムクロムジルコニウム等の多価金属アセチルアセトンアセトアセチルエステル配位化合物等が挙げられる。

0083

上記架橋剤(C)は、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。

0084

上記架橋剤(C)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.05〜5重量部である。かかる含有量が少なすぎると、耐久性が低下したり、リワーク時に糊残りが発生しやすくなる傾向があり、多すぎると硬くなりすぎるために密着性が低下して被着体から剥がれやすくなる傾向がある。

0085

イオン性化合物(D)>
本発明の粘着剤組成物においては、帯電防止性能の点でイオン性化合物(D)を含有することも好ましい。

0086

本発明において、イオン性化合物(D)とはカチオンアニオンからなる塩である。
上記カチオンとしては、無機カチオン及び有機カチオンから選ばれるカチオンであればよい。

0087

上記無機カチオンとしては、例えば、ホスホニウムカチオンスルホニウムカチオン等の非金属無機カチオンや、リチウムカチオンナトリウムカチオンカルシウムカチオンカリウムカチオン等のアルカリ金属カチオン等の金属無機カチオンが挙げられる。
これらの中でも、粘着剤とした時の耐久性や帯電防止性能、耐湿熱白化性に優れる点で、好ましくは金属無機カチオンであり、より好ましくはアルカリ金属カチオン、特に好ましくはリチウムカチオンである。

0088

上記有機カチオンとしては、例えば、4級アンモニウム系カチオン、イミダゾリウム系カチオンピリジニウム系カチオン、ピペリジニウム系カチオン、ピリミジニウムカ系チオンピラゾリウム系カチオン、ピロリジニウム系カチオン等の窒素原子含有カチオン等が挙げられる。
上記有機カチオンは、腐食防止に優れる点、リワーク性に優れる点、粘着力のばらつきが小さい点で好ましい。

0089

上記4級アンモニウム系カチオンとして、具体的には、例えば、
テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、テトラヘプチルアンモニウムカチオン等のアルキル基のアルキル鎖長が全て等しいテトラアルキルアンモニウムカチオン;
トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルメチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、トリメチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン等のアルキル鎖長が異なるアルキル基を有するテトラアルキルアンモニウムカチオン;
その他、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、ベンチルトリブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン等の芳香環を有する置換基やエーテル結合を有する置換基を持つアンモニウムカチオンが挙げられる。

0090

上記イミダゾリウム系カチオンとして、具体的には、例えば、
1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン等が挙げられる。

0091

上記ピリジニウム系カチオンとしては、具体的には、例えば、
1−オクチル−2−メチルピリジニウムカチオン、1−オクチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−オクチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−オクチルピリジニウムカチオン、2−エチルヘキシルピリジニウムカチオン、1−エチルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−へキシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン等が挙げられる。

0092

上記ピペリジニウム系カチオンとしては、具体的には、例えば、
1−メチル−1−エチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−ブチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−オクル−1−オクチルピペリジニウムカチオン、1−ブチル−1−オクチルピペリジニウムカチオン等が挙げられる。

0093

上記ピリミジニウム系カチオンとしては、具体的には、例えば、
1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン等が挙げられる。

0094

ピラゾリウム系カチオンとしては、具体的には、例えば、
1−メチルピラゾリウムカチオン、3−メチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2−メチルピラゾリニウムカチオン等が挙げられる。

0095

上記ピロリジニウム系カチオンとしては、具体的には、例えば、
1−ジメチルピロリジニウム、1−メチル−1−エチルピロリジニウム、1−メチル−1−プロピルピロリジニウム、1−メチル−1−ブチルピロリジニウム、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウム、1−メチル−1−ヘキシルピロリジニウム、1−メチル−1−へプチルピロリジニウム、1−エチル−1−プロピルピロリジニウム、1−エチル−1−ブチルピロリジニウム、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウム、1−エチル−1−へキシルピロリジニウム、1−エチル−1−へプチルピロリジニウム、1,1−ジプロピルピロリジニウム、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウム、1,1−ジブチルピロリジニウム等が挙げられる。

0096

また、その他の窒素原子含有カチオンとして、1−エチル−2−フェニルインドールカチオン、1,2−ジメチルインドールカチオン、1−エチルカルバゾールカチオン、4−(2−エトキシエチル)−4−メチルモルホリニウムカチオン等が挙げられる。

0097

上記の窒素原子含有カチオンの中でも、前述のアクリル系樹脂(A)との相溶性に優れ、耐久性が高い点で、少なくとも一つのアルキル基で置換された窒素原子を有する窒素原子含有カチオンが特に好ましい。

0098

上記の中でも、帯電防止性能と耐加水分解性のバランスに優れる点から、イミダゾリウム系カチオン、ピリジニウム系カチオン、4級アンモニウム系カチオンであることが好ましく、特にはアルキルアンモニウムカチオンが好ましく、更には4つの置換基がそれぞれアルキル基で置換されているテトラアルキルアンモニウムカチオンであることが好ましく、殊にはイオン性化合物の結晶性が低く、アクリル系樹脂(A)との相溶性に優れている点、低温時に粘着剤層から析出しにくい点で、アルキル鎖長が異なるアルキル基を有するテトラアルキルアンモニウムカチオンが好ましい。

0099

上記テトラアルキルアンモニウムカチオンの中でも、総炭素数が4〜48のテトラアルキルアンモニウムカチオンが好ましく、特には総炭素数が8〜32であるテトラアルキルアンモニウムカチオンが好ましく、更には炭素数が10〜16であるテトラアルキルアンモニウムカチオンが好ましい。かかる総炭素数が多すぎても、少なすぎてもアクリル系樹脂(A)との相溶性が低下する傾向がある。

0100

前記アニオンとしては、例えば、
テトラフルオロボレートアニオン〔BF4-〕、
ヘキサフルオロホスフェートアニオンPF6-〕、
ヘキサフルオロアーセネートアニオン〔AsF6-〕、
ヘキサフルオロアンチモネートアニオン〔SbF6-〕、
ヘキサフルオロニオベートアニオン〔NbF6-〕、
ヘキサフルオロタンタレートアニオン〔TaF6-〕、
等のフッ素含有無機アニオン;
N,N−ビス(フルオロスルホニルイミドアニオン〔(SO2F)2N-〕、
N,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン〔(CF3SO2)2N-〕、
N,N−ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドアニオン〔(C2F5SO2)2N-〕、
等のフッ素含有イミドアニオン
トリフルオロアセテートアニオン〔CF3COO-〕、
トリフルオロメタンスルホネートアニオン〔CF3SO3-〕
パーフルオロブタンスルホネートアニオン〔C4F9SO3-〕、
パーフルオロブタノエートアニオン〔C3F7COO-〕、
トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニドアオン〔(CF3SO2)3C-〕、
等が挙げられる。

0101

中でも、帯電防止性能に優れる点、粘着剤の変質をより抑制できる点、融点が低くなりやすくハンドリングに優れる点で、フッ素含有イミドアニオンが好ましく、特に好ましくはN,N−ビス(パーフルオロアルカンスルホニルイミドであり、具体的には、N,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドが好ましい。

0102

本発明に用いられるイオン性化合物(D)は、上記カチオン成分アニオン成分組合せから適宜選択することができるが、中でも、帯電防止性能と基材の加水分解抑制効果のバランスに優れる点から、4級アンモニウム系カチオンとフッ素含有イミドアニオンの組合せが好ましい。具体的には、例えば、トリブチルメチルアンモニウムN,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチルメチルアンモニウムN,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられ、トリブチルメチルアンモニウムN,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが特に好ましい。
また、イオン性化合物(D)は、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。

0103

さらに、本発明で用いられるイオン性化合物(D)の融点は、120℃以下であることが好ましく、特に好ましくは0〜100℃、特に好ましくは10〜80℃、更に好ましくは15〜50℃である。かかる融点が高すぎると、低温でイオン性化合物が析出しやすい傾向がある。融点が低すぎると、粘着剤層中で移動しやすく基材の加水分解を促進したり偏光板用に使用した際に湿熱環境下での偏光度の低下を起こしやすくなったりする傾向がある。
なお、イオン性化合物(D)の融点は、通常、示差走査熱量計(DSC)により測定され、イオン性化合物を取り扱う各社のカタログ等に記載されている。

0104

イオン性化合物(D)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.5〜30重量部であることが好ましく、特に好ましくは1〜15重量部、更に好ましくは2〜10重量部である。イオン性化合物(D)の含有量が少なすぎると、充分な帯電防止性能が得られない傾向があり、多すぎるとプラスチック基材や被着体の加水分解が起こりやすくなる傾向がある。

0105

シランカップリング剤(E)>
本発明の粘着剤組成物には、金属やガラス等の被着体に使用した際に湿熱環境下での粘着力の低下を抑制できる点でシランカップリング剤(E)を含有することも好ましい。

0106

シランカップリング剤(E)は、構造中に反応性官能基と、ケイ素原子と結合したアルコキシ基をそれぞれ1つ以上含有する有機ケイ素化合物である。
上記反応性官能基としては、例えば、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基メルカプト基水酸基カルボキシル基、アミノ基、アミド基、イソシアネート基が挙げられ、これらの中でも、耐久性とリワーク性のバランスの点からメルカプト基、エポキシ基が好ましい。

0107

上記ケイ素原子と結合したアルコキシ基としては、耐久性と保存安定性の点から炭素数1〜8のアルコキシ基を含有することが好ましく、特に好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。

0108

シランカップリング剤(E)のケイ素原子と結合したアルコキシ基の含有量は、5〜80重量%であることが好ましく、特に好ましくは7〜50重量%、更に好ましくは8〜30重量%である。かかる含有量が少なすぎるとガラスと粘着剤との密着性が低下し、耐久性が低下する傾向があり、多すぎるとリワーク性が低下する傾向がある。

0109

また、シランカップリング剤(E)の反応性官能基当量は、50〜1000g/molであることが好ましく、特に好ましくは100〜850g/mol、更に好ましくは200〜650g/molである。かかる反応性官能基当量が小さすぎるとリワーク性が低下する傾向にあり、大きすぎると耐湿熱条件下での耐久性が低下する傾向がある。

0110

なお、シランカップリング剤(E)は、反応性官能基及びケイ素原子と結合したアルコキシ基以外の置換基、例えば、アルキル基、フェニル基等を有していてもよい。

0111

シランカップリング剤(E)(オリゴマー型又はポリマー型シランカップリング剤等)の重量平均分子量は200以上であることが好ましく、特に好ましくは500〜20,000、更に好ましくは2,000〜15,000である。かかる重量平均分子量が小さすぎると、長期リワーク性が低下する傾向があり、大きすぎると相溶性が低下してブリードしやすく、耐久性が低下する傾向がある。

0112

なお、上記の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、下記の方法により測定したものである。
装置:ゲル浸透クロマトグラフィー
検出器:示差屈折率検出器RI(RI−8020型、感度32、東ソー社製)
カラム:TSKguardcolumn HHR−H(1本)(φ6mm×4cm、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、東ソー社製)、TSKgelGMHHR−N(2本)(φ7.8mm×30cm、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、東ソー社製)
溶媒テトラヒドロフラン(THF)
カラム温度:23℃
流速:1.0mL/min

0113

シランカップリング剤(E)としては、例えば、
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン等のシラン化合物であるモノマー型のエポキシ基含有シランカップリング剤や、上記シラン化合物の一部が加水分解縮重合したり、上記シラン化合物とメチルトリエトキシシランエチルトリエトキシシランメチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキル基含有シラン化合物が共縮合したシラン化合物であるオリゴマー型エポキシ基含有シランカップリング剤;
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のシラン化合物であるモノマー型のメルカプト基含有シランカップリング剤や、上記シラン化合物の一部が加水分解縮重合している、上記シラン化合物とメチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキル基含有シラン化合物が共縮合したシラン化合物であるオリゴマー型メルカプト基含有シランカップリング剤;
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基含有シランカップリング剤
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデンプロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤
3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有シランカップリング剤;
ビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシラン等のビニル基含有シランカップリング剤;等が挙げられる。
これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。

0114

これらの中でも、エポキシ基含有シランカップリング剤、メルカプト基含有シランカップリング剤が好ましく用いられ、エポキシ基含有シランカップリング剤とメルカプト基含有シランカップリング剤を併用することも、湿熱耐久性の向上と粘着力が上がり過ぎない点で好ましい。

0115

また、シランカップリング剤(E)は、モノマー型のシランカップリング剤でも、一部が加水分解し重縮合したオリゴマー(ないしはポリマー)型シランカップリング剤でもよいが、耐久性やリワーク性に優れる点や、粘着剤の塗工後の乾燥時に揮発しにくい点で、オリゴマー型シランカップリング剤を用いることが好ましい。

0116

本発明で用いられるシランカップリング剤(E)としては、具体的には、市販品のいずれも信越化学工業社製の、
「X−41−1059A」(重量平均分子量:2,270、含有官能基:エポキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基:メトキシ基及びエトキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基量:42重量%、官能基当量:350g/mol)、
「X−41−1805」(重量平均分子量:3,450、含有官能基;メルカプト基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基:メトキシ基及びエトキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基量:50重量%、官能基当量:800g/mol)、
「X−24−9579A」(重量平均分子量:2,370、含有官能基:メルカプト基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基:メトキシ基、官能基当量:510g/mol)、
「X−24−9589」(重量平均分子量:4,700、含有官能基:エポキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基:エトキシ基、官能基当量:680g/mol)、
「X−24−9590」(重量平均分子量:13,700、含有官能基:エポキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基:メトキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基量:9.5重量%、官能基当量:592g/mol)、
「X−41−1818」(重量平均分子量:2,350、含有官能基:メルカプト基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基:エトキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基量:60重量%、官能基当量:850g/mol)
等を用いればよい。これらの中でも耐久性とリワーク性のバランスの点で「X−41−1059A」、「X−41−1805」、「X−24−9579A」、「X−24−9590」が好ましく、「X−41−1059A」、「X−24−9590」が特に好ましい。

0117

シランカップリング剤(E)の含有量としては、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.001〜5重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.005〜1重量部、更に好ましくは0.01〜0.5重量部である。かかる含有量が少なすぎると耐久性が低下する傾向があり、多すぎるとシランカップリング剤がブリードして耐久性が低下する傾向がある。

0118

さらに、本発明の粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分として、アクリル系樹脂(A)以外の樹脂成分、アクリルモノマーや、重合禁止剤酸化防止剤腐食防止剤ラジカル発生剤過酸化物ラジカル捕捉剤等の各種添加剤、金属及び樹脂粒子等を配合することができる。また、上記の他にも、粘着剤組成物の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が少量含有されたものであってもよい。

0119

上記その他の成分の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して5重量部以下であることが好ましく、特に好ましくは1重量部以下、更に好ましくは0.5重量以下である。かかる含有量が多すぎるとアクリル系樹脂(A)との相溶性が低下し、耐久性が低下する傾向がある。

0120

かくして本発明の粘着剤組成物を得ることができる。
本発明の粘着剤組成物は、架橋(硬化)させることにより粘着剤とすることができ、更に、かかる粘着剤を含む粘着剤層をプラスチックフィルム等の基材に積層形成することにより、粘着シートを得ることができる。
上記粘着シートには、粘着剤層の基材フィルムとは逆の面に、さらに離型フィルムを設けることが好ましい。
なお、本発明において、「シート」とは、特に「フィルム」、「テープ」と区別するものではなく、これらも含めた意味として記載するものである。

0121

上記粘着シートの製造方法としては、
〔1〕基材フィルム上に、粘着剤組成物を塗工、乾燥した後、離型フィルムを貼合し、室温(23℃)または加温状態でのエージングの少なくとも一方による処理を行う方法、
〔2〕離型フィルム上に、粘着剤組成物を塗工、乾燥した後、基材フィルムを貼合し、室温(23℃)または加温状態でのエージングの少なくとも一方による処理を行う方法等が挙げられる。
これらの中でも、〔2〕の方法で、室温状態でエージングする方法が、熱により基材フィルムを痛めない点、基材フィルムと粘着剤層との密着性に優れる点で好ましい。

0122

かかるエージング処理は、粘着剤の化学架橋の反応時間として、粘着物性のバランスをとるために行うものであり、エージングの条件としては、温度は通常、室温〜70℃、時間は通常1〜30日間であり、具体的には、例えば23℃で1〜20日間、23℃で3〜10日間、40℃で1〜7日間等の条件で行えばよい。

0123

上記粘着剤組成物の塗工に際しては、この粘着剤組成物を溶媒で希釈して塗工することが好ましく、希釈濃度としては、固形分濃度として、好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。

0124

上記溶媒としては、粘着剤組成物を溶解させるものであれば特に限定されることなく、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチルアセト酢酸エチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤メタノールエタノールプロピルアルコール等のアルコール系溶剤を用いることができる。これらの中でも、溶解性、乾燥性、価格等の点から酢酸エチル、メチルエチルケトンが好適に用いられる。

0125

また、上記粘着剤組成物の塗工に関しては、例えば、ロールコーティングダイコーティンググラビアコーティングコンマコーティングスクリーン印刷等の慣用の方法により行われる。

0126

また、得られる粘着シートにおける粘着剤層の厚みは、5〜100μmが好ましく、特には10〜50μmが好ましく、更には10〜30μmが好ましい。かかる粘着剤層が薄すぎると、厚み精度が低下したり粘着力が低くなる傾向があり、厚すぎると粘着シートをロール状にした際に端からはみ出したりする傾向がある。

0127

上記方法により製造される粘着剤層のゲル分率については基材との密着性、リワーク性、保持力の点からから30重量%以上であることが好ましく、特に好ましくは40重量%以上であり、更に好ましくは60重量%以上である。なおゲル分率の上限は通常100重量%、好ましくは95重量%である。ゲル分率が低すぎると凝集力が低くなりリワークする際に糊残りしたり、保持力が低くなる傾向にある。

0128

上記ゲル分率は、架橋度硬化度合い)の目安となるもので、例えば、以下の方法にて算出される。すなわち、基材に粘着剤層が形成されてなる粘着シートから粘着剤をピッキングにより採取し、粘着剤を200メッシュのSUS製金網包み、酢酸エチル中に23℃×24時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分重量百分率をゲル分率とする。

0129

上記方法により製造される粘着剤層は、指で触れたとき程好いタック感がある方が、実際に被着体に貼る際に濡れ性が良く、作業性が上がる傾向があり好ましい。
上記タックはJIS Z0237(2009年)に規定された傾斜角30°の時のボールタックにより測定される。ボールタックは1以上が好ましく、3以上がより好ましい。かかるボールタックが低すぎると、粘着シートを被着体に貼り合わせる際に密着しにくくなる傾向にある。

0130

上記粘着剤層(例えば、イオン性化合物(D)を含有する粘着剤層)の表面抵抗値としては、1×1012Ω/cm2以下であることが好ましく、特に好ましくは1×1011Ω/cm2以下である。かかる表面抵抗値が高すぎると、離型フィルムを剥離した際や被着体から粘着シートを剥離した際に、帯電しやすく粘着剤層のほこり等が付着したり、粘着シートを液晶セルに使用した場合、液晶に影響がでて表示不良を起こしたりする傾向がある。

0131

本発明の粘着シートは、直接あるいは離型フィルムを有するものは離型フィルムを剥がした後、粘着剤層面を被着体表面に貼合して使用される。

0132

本発明の粘着剤組成物から得られる粘着剤は、高温環境下における耐久性と高温高湿環境下における耐腐食性に優れたものである。
更に、加水分解性を示すプラスチックフィルム(例えば、加水分解性を示すプラスチックフィルムからなる基材及び被着体の少なくとも一方)に供する場合に、本発明の目的が顕著に発揮される。

0133

従って、表面保護フィルム表示ラベル養生テープ光学フィルム、偏光板等、各種部材の粘着剤として好適に用いることができるが、光学部材の貼り合せに用いる光学部材用粘着剤として用いることが好ましく、特には、偏光板とガラスの貼り合せに好適であり、偏光板用粘着剤(偏光板に用いるための粘着剤)として用いることが好ましい。

0134

偏光板を構成する保護フィルムとしては、トリアセチルセルロース系フィルムアクリル系フィルムポリエチレン系フィルムポリプロピレン系フィルムシクロオレフィン系フィルム等があげられ、本発明はいずれの保護フィルムを用いた偏光板に対しても好適に用いられるが、特には、トリアセチルセルロース系フィルム、ポリエステル系フィルムを積層された偏光板が本発明の効果が得られやすい点で好ましい。

0135

以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。

0136

<アクリル系樹脂(A)>
アクリル系樹脂(A)として以下のものを用意した。

0137

〔アクリル系樹脂(A−1)の製造〕
還流冷却器撹拌器窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、n−ブチルアクリレート91.95部、4−ヒドロキシブチルアクリレート8部、アクリル酸0.05部、酢酸エチル105部、アセトン10部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、内温を沸点まで上昇させて反応を開始させた。次いでAIBNを0.04%含む酢酸エチル溶液を30部滴下し、還流温度で3.75時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−1)溶液固形分26%、粘度5,000mPa・s/25℃、重量平均分子量110万、ガラス転移温度−54.2℃、分散度4.37)を得た。

0138

〔アクリル系樹脂(A’−1)の製造〕
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、n−ブチルアクリレート92部、4−ヒドロキシブチルアクリレート8部、酢酸エチル105部、アセトン10部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、内温を沸点まで上昇させて反応を開始させた。次いでAIBNを0.04%含む酢酸エチル溶液を30部滴下し、還流温度で3.75時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A’−1)溶液(固形分27.8%、粘度6,350mPa・s/25℃、重量平均分子量116万、ガラス転移温度−54.3℃、分散度4.00)を得た。

0139

〔アクリル系樹脂(A’−2)の製造〕
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、n−ブチルアクリレート91.3部、4−ヒドロキシブチルアクリレート8部、アクリル酸0.7部、酢酸エチル105部、アセトン10部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、内温を沸点まで上昇させて反応を開始させた。次いでAIBNを0.04%含む酢酸エチル溶液を30部滴下し、還流温度で3.75時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A’−2)溶液(固形分26.1%、粘度6,400mPa・s/25℃、重量平均分子量107万、ガラス転移温度−53.6℃、分散度4.57)を得た。

0140

〔アクリル系樹脂(A’−3)の製造〕
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、n−ブチルアクリレート91.3部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8部、アクリル酸0.7部、酢酸エチル105部、アセトン10部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、内温を沸点まで上昇させて反応を開始させた。次いでAIBNを0.04%含む酢酸エチル溶液を30部滴下し、還流温度で3.75時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A’−3)溶液(固形分28%、粘度8000mPa・s/25℃、重量平均分子量112万、ガラス転移温度−52.5℃、分散度4.17)を得た。

0141

また、下記のカルボジイミド化合物(B)、架橋剤(C)、イオン性化合物(D)、及びシランカップリング剤(E)を準備した。

0142

<カルボジイミド化合物(B)>
(B−1):カルボジライト「V−09GB」(ポリマー型カルボジイミド化合物、残存イソシアネート基なし、カルボジイミド基当量200g/mol、有効性成分70%、日清紡ケミカル社製)

0143

<架橋剤(C)>
(C−1):トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体(「コロネートL55E」、東ソー社製)

0144

<イオン性化合物(D)>
(D−1):トリブチルメチルアンモニウムN,Nビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(「FC−4400」、スリエム社製)

0145

<シランカップリング剤(E)>
(E−1):「X−41−1059A」(重量平均分子量:2,270、アルコキシ基含有量:42%、反応性官能基:エポキシ基、エポキシ当量:350g/mol、含有アルコキシ基:メトキシ基、エトキシ基、信越化学工業社製)
(E−2):「X−24−9590」(重量平均分子量:13,700、アルコキシ基含有量:9.5%、反応性官能基:エポキシ基、エポキシ当量:592g/mol、含有アルコキシ基:メトキシ基、信越化学工業社製)

0146

上記のようにして製造、準備した各配合成分後記表1の通りに配合し、これを酢酸エチルにて固形分濃度を12.5%に調整して、実施例1及び比較例1〜3の粘着剤組成物を得た。

0147

〔粘着シートの作製〕
得られた粘着剤組成物を、厚み38μmのポリエステル系離型フィルム(「セラピールWZ」、東レ社製)に、乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥したのち、125μm易接着ポリエステルフィルムコスシャイン「A4300」、東洋紡社製)を貼り合わせ、23℃×50%RH環境下で7日間養生し粘着シートを得た(層構成:離型フィルム/粘着剤層/PETフィルム)。

0148

<耐腐食性試験
得られた粘着シートを4cm×4cmにカットし、セパレーターを剥離して粘着剤層側を銅板(厚み:0.3mm、久宝金属製作所社製)に押圧して、貼合した後、オートクレーブ処理(0.5MPa×50℃×20分間)を行い、耐腐食用試験サンプルを作製した。得られた耐腐食性試験用サンプルを用いて、85℃×85%RH雰囲気下、192時間静置した後の腐食具合目視確認し、下記の通り評価した。評価結果を後記表1に示す。
(評価)
○・・・腐食なし
×・・・腐食あり

0149

粘着剤層付き偏光板の作製〕
得られた粘着剤組成物を、厚み38μmの離型フィルム(「セラピールWZ」、東レ社製)に、乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥したのち、トリアセチルセルロース(TAC)系フィルムを両面に積層した偏光板の一方のTAC系フィルム表面に、離型フィルムと反対側の粘着剤層面を貼り合わせ、23℃×50%RHの環境下で7日間エージングし、粘着剤層付き偏光板[I]を得た(層構成:離型フィルム/粘着剤層/TAC系フィルム1/偏光板/TAC系フィルム2)。
なお、上記のTAC系フィルムはトリアセチルセルロース系フィルムであり、TAC系フィルム1及び2の厚みは40μmである。

0150

耐久性試験
上記粘着剤層付き偏光板[I]を165mm×95mmにカットし、その離型フィルムを剥離して粘着剤層面を無アルカリガラスコーニング社製、イーグルXG、厚み1.1mm)に押しつけ、2kgローラーにて2往復して貼り合わせた。そして、オートクレーブ処理(0.5MPa×50℃×20分間)を行うことにより、耐久性試験用のサンプルとした。
上記耐久性試験用サンプルを用いて80℃及び105℃の雰囲気下で168時間の耐久性試験を行い、下記の通り評価した。評価結果を下記表1に示す。
(評価)
○・・・端部に浮きなし
△・・・端部から1mm以内の浮きあり
×・・・端部から1mmを超えて浮きあり

0151

0152

上記表1の結果より、カルボキシ基を特定少量含有するアクリル系樹脂(A)とカルボジイミド化合物(B)とを含有し、かつ、アクリル系樹脂(A)中のカルボキシ基量に対する、カルボジイミド化合物(B)中のカルボジイミド基量の割合(Y/X)が1よりも大きい実施例1は、高温高湿環境下での耐腐食性に優れ、また、高温環境下での耐久性にも優れていた。
一方、アクリル系樹脂にカルボキシ基を含まず、また、カルボジイミド化合物も含まない比較例1、及び、カルボキシ基を特定量よりも多く含有するアクリル系樹脂とカルボジイミド化合物を含有する比較例2は、耐腐食性は満足するものの、高温環境下での耐久性に劣るものであった。
また、カルボジイミド化合物を含有せず、アクリル系樹脂にカルボキシ基含有モノマーを多く含有する比較例3は、耐腐食性を満足せず、105℃での耐久性にも劣るものであった。

実施例

0153

本発明の粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤は、高温環境下における耐久性と、高温高湿環境下における耐腐食性に優れたものである。従って、かかる粘着剤は、表面保護フィルム、表示ラベル、養生テープ、光学フィルム、偏光板等、各種部材の粘着剤として好適に用いることができ、とりわけ、光学部材用粘着剤として好適に用いることができる。更にはトリアセチルセルロース系フィルムやポリエステル系フィルム等の加水分解を受けやすい保護フィルムを有する偏光板用の粘着剤としても特に有用である。

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