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課題

皮膚上の局所適用のための不織布膜の調製方法の提供。

解決手段

1つ以上の生体適合性ポリマーの好適な溶媒系での溶液を調製し、この溶液を電界紡糸することと同時に、好適な溶媒系での活性剤の溶液を、適切な時間スプレーして、該不織布膜の総重量に対して25重量%〜80重量%の量で前記活性剤を含む不織布膜を得ること等を特徴とする、不織布膜の調製方法。

概要

背景

皮膚は、表皮および真皮という2つの異なる層から構成される、ヒトおよび動物の身体の最大の器官である。表皮は外層であり、ケラチノサイトと、その主な機能が化粧および太陽光線保護目的で重要な役割を果たすメラニンの生成である、相当量メラノサイトとから構成される。さらに、真皮すなわち内層は、コラーゲンおよび弾性繊維網状組織から構成され、表皮よりも厚く、肌にコシハリを与える。

皮膚には複数の機能がある。これらには、外部物質または生物侵入および内部成分喪失を防ぎ、また紫外線放射フィルターとしての役割も果たすバリア機能が含まれる。

皮膚の他の機能は、
真菌、細菌、ウイルス感染自己免疫および腫瘍性疾患を予防する免疫機能
創傷治癒、紫外線放射に起因する皮膚潰瘍および細胞損傷における修復機能;
栄養の吸収、代謝廃棄物の除去を可能にし、体温の調節に介入する血管機能
外部環境との知覚および伝達機能ならびに他の個体(otherindividuals)に対する関係またはケアする機能である。

皮膚創傷治癒は、皮膚が損傷後に自ら修復する複雑な過程である。正常な皮膚では、表皮および真皮が定常状態バランスがとれた状態(equilibrium)で存在し、外部環境に対する保護バリアを形成する。一旦バリアが壊れると、創傷治癒の生物学的過程が直ちに始まる。

さらに、我々の皮膚に対する太陽放射の悪影響を回避するためにメラニンが果たす重要な保護機能にもかかわらず、この色素の異常蓄積および異常に着色した部分の形成は、美的問題だけでなく、皮膚の健康問題も引き起こす可能性がある。人種差以外に、太陽の紫外線放射(UVR)が皮膚色素沈着における変化の主原因であることが証明されている。皮膚の異常な黒ずみまたは色素過剰(hyperpigmentation)がある部分の出現によって特徴づけられる多くの色素過剰障害は、合成メラニンレベルの増加または表皮中のメラノサイトの増加のいずれかに起因する。メラニン産生のこのような増加は、サンスポット、すなわちシミなどの非常に一般的な障害の原因であり、さらにはアジソン病、すなわち炎症後色素過剰の原因でもある。

治療分野、例えば創傷治癒と、化粧品分野で、例えば皮膚の外観を改善するためのどちらにおいても、皮膚への活性剤局所適用は非常に重要である。局所投与には、活性剤の非経口投与または経口投与と比べて全身性副作用の低減を可能にする利点がある。局所投与では、第1肝臓段階(first hepatic step)と、急速に排泄される活性剤を繰り返し経口投与することに起因する血漿レベルの変動とが回避される。

伝統的に、活性剤を皮膚に局所適用するための方法は、好適な溶媒中に活性剤を溶解させ、その溶液を皮膚に塗布するか、または活性剤を含むエマルジョンを塗布し、それによって皮膚からの吸収を増加させることに基づく。しかしながら、これらの方法には、炎症を起こさず、良好な触感を有する活性剤と適合性のある溶媒の選択など、様々な困難がある。さらに、エマルジョンは、物理的および化学的に不安定であり、有機または無機汚染物質によって壊れやすく、光に対して感受性であることが多く、したがってそれらの長期保存費用がかかり、かつ困難である。さらに、多くの場合、充分な量の活性剤を含むために多量の乳化剤が必要とされ、このことは皮膚炎を引き起こし得る。最後に、ビタミンCなどの、溶液中で不安定な活性剤の場合、活性剤が水と連続的に接触すると活性剤の酸化および分解が引き起こされるので、これらの方法は適切ではない。

ポリマーナノ繊維は活性剤の投与局所担体であり、低毒性および高い生体適合性などの利点をもたらす。特許文献1には、溶媒の添加によって膜からゆっくりと徐々に放出される、ビタミンCなどの化粧品活性剤を含むポリマーナノ繊維の網状組織が記載されている。本明細書中で記載するポリマーナノ繊維は、電界紡糸処理によって、化粧品活性剤と、ナノ繊維を形成するポリマー溶液とを含む混合物から得られる。この処理にはいくつかの欠点がある。まず、用いる溶媒はナノ繊維を形成するポリマーと活性剤との両方に適したものでなければならない。両製品に最適な溶媒を見出すことはできないので、ナノ繊維は規則性を失い、この事実は肉眼で見られる。加えて、溶液は完全に均一ではないので、膜中の活性成分の均一な用量は保証できない。一方、ナノ繊維中に含まれる活性剤を放出するために、前記ナノ繊維は少なくとも部分的に分解される必要があるので、前記放出システムが活性剤の即時放出させないように、ナノ繊維のポリマーで活性剤の粒子コーティングする。発明者らは、本明細書中で記載するナノ繊維シートがその適用後120分で、その中に含まれる活性剤の約12重量%しか放出できないことを見出した。

活性剤の即時放出は活性剤の迅速な吸収を可能にし、結果として活性剤の化粧または治療効果の迅速な出現を可能にする。さらに、この放出形態は、創傷治癒においてなど急性状態に特に適している可能性がある。

したがって、当該技術分野の問題、特に、活性剤の低い吸収もしくは不充分な放出、皮膚炎および/または活性剤の安定性の問題を克服する、速効性のある皮膚上の局所活性剤の即時放出システムを開発することが必要である。

概要

皮膚上の局所適用のための不織布膜の調製方法の提供。1つ以上の生体適合性ポリマーの好適な溶媒系での溶液を調製し、この溶液を電界紡糸することと同時に、好適な溶媒系での活性剤の溶液を、適切な時間スプレーして、該不織布膜の総重量に対して25重量%〜80重量%の量で前記活性剤を含む不織布膜を得ること等を特徴とする、不織布膜の調製方法。なし

目的

化粧剤」という語は、主に、審美的および/または慰安効果を提供すること、特に、皮膚の外観、および具体的には皮膚の特性を改善することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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この技術が所属する分野

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請求項1

皮膚上の局所適用のための不織布膜の調製方法であって、前記不織布膜は、ポリマーナノ繊維と、前記不織布膜の総重量に対して25〜80重量%の量で含まれる活性剤とを含み、前記方法は以下のステップ、すなわち、a)1つ以上の生体適合性ポリマーの好適な溶媒系での溶液を調製するステップと、b)前記活性剤の好適な溶媒系での溶液を調製するステップであって、その溶媒系ではステップa)由来の1つもしくは複数の該ポリマー不溶であり、ステップb)の溶媒系はステップa)の溶媒系とは異なる、該ステップと、c)ステップa)由来の溶液を電界紡糸することと同時に、ステップb)由来の溶液を、ステップb)由来の溶液の流速にて適切な時間スプレーして、該不織布膜の総重量に対して25重量%〜80重量%の量で前記活性剤を含む不織布膜を得る、ステップと、d)任意に、ステップc)から得られた該不織布膜を乾燥するステップと、を含み、e)前記活性剤が好適な生体適合性溶媒系に可溶であり、f)前記不織布膜は、前記活性剤が完全に可溶化される適切な量の前記好適な生体適合性溶媒系と前記不織布膜とが接触した後30分間で、前記不織布膜中に含まれる前記活性剤の総重量の70%以上の量を放出することができ、g)前記活性剤の総量が前記不織布膜の前記ポリマーナノ繊維の外側に配置されている、方法。

請求項2

好適な生体適合性溶媒系中に可溶である第2の活性剤をさらに含み、前記不織布膜は、前記第2の活性剤が完全に可溶化される適切な量の前記好適な生体適合性溶媒系と接触すると直ちに前記第2の活性剤を放出することができる、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記ポリマーナノ繊維が電界紡糸ナノ繊維である、請求項1又は2に記載の方法。

請求項4

前記不織布膜の該ポリマーナノ繊維が50〜2000nmの平均直径を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。

請求項5

前記ポリマーナノ繊維が、ポリグリコール酸ポリ−D,L−乳酸、ポリ−D,L−ラクチド−コ−グリコリドポリカプロラクトンポリジオキサノンポリビニルアルコールコラーゲンセルロースヒアルロン酸ポリアミドポリエステルポリウレタンポリプロピレンエラステイン、およびそれらの組み合わせから選択される1つ以上のポリマーを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。

請求項6

前記活性剤が、前記不織布膜の総重量に対して30〜70重量%の量を構成する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。

請求項7

前記活性剤が治療薬および/または化粧剤である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。

請求項8

前記活性剤がレスベラトロールまたはビタミンCである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は活性剤即時放出ステムに関する。特に、本発明は、皮膚上の局所使用のための、ポリマーナノ繊維と多量の少なくとも1つの活性剤とを含む不織布膜、および前記膜の調製法に関する。本発明はさらに、前記膜を含む化粧品または衛生用品およびキットならびにそれらの治療および化粧用途に関する。

背景技術

0002

皮膚は、表皮および真皮という2つの異なる層から構成される、ヒトおよび動物の身体の最大の器官である。表皮は外層であり、ケラチノサイトと、その主な機能が化粧および太陽光線保護目的で重要な役割を果たすメラニンの生成である、相当量メラノサイトとから構成される。さらに、真皮すなわち内層は、コラーゲンおよび弾性繊維網状組織から構成され、表皮よりも厚く、肌にコシハリを与える。

0003

皮膚には複数の機能がある。これらには、外部物質または生物侵入および内部成分喪失を防ぎ、また紫外線放射フィルターとしての役割も果たすバリア機能が含まれる。

0004

皮膚の他の機能は、
真菌、細菌、ウイルス感染自己免疫および腫瘍性疾患を予防する免疫機能
創傷治癒、紫外線放射に起因する皮膚潰瘍および細胞損傷における修復機能;
栄養の吸収、代謝廃棄物の除去を可能にし、体温の調節に介入する血管機能
外部環境との知覚および伝達機能ならびに他の個体(otherindividuals)に対する関係またはケアする機能である。

0005

皮膚創傷治癒は、皮膚が損傷後に自ら修復する複雑な過程である。正常な皮膚では、表皮および真皮が定常状態バランスがとれた状態(equilibrium)で存在し、外部環境に対する保護バリアを形成する。一旦バリアが壊れると、創傷治癒の生物学的過程が直ちに始まる。

0006

さらに、我々の皮膚に対する太陽放射の悪影響を回避するためにメラニンが果たす重要な保護機能にもかかわらず、この色素の異常蓄積および異常に着色した部分の形成は、美的問題だけでなく、皮膚の健康問題も引き起こす可能性がある。人種差以外に、太陽の紫外線放射(UVR)が皮膚色素沈着における変化の主原因であることが証明されている。皮膚の異常な黒ずみまたは色素過剰(hyperpigmentation)がある部分の出現によって特徴づけられる多くの色素過剰障害は、合成メラニンレベルの増加または表皮中のメラノサイトの増加のいずれかに起因する。メラニン産生のこのような増加は、サンスポット、すなわちシミなどの非常に一般的な障害の原因であり、さらにはアジソン病、すなわち炎症後色素過剰の原因でもある。

0007

治療分野、例えば創傷治癒と、化粧品分野で、例えば皮膚の外観を改善するためのどちらにおいても、皮膚への活性剤の局所適用は非常に重要である。局所投与には、活性剤の非経口投与または経口投与と比べて全身性副作用の低減を可能にする利点がある。局所投与では、第1肝臓段階(first hepatic step)と、急速に排泄される活性剤を繰り返し経口投与することに起因する血漿レベルの変動とが回避される。

0008

伝統的に、活性剤を皮膚に局所適用するための方法は、好適な溶媒中に活性剤を溶解させ、その溶液を皮膚に塗布するか、または活性剤を含むエマルジョンを塗布し、それによって皮膚からの吸収を増加させることに基づく。しかしながら、これらの方法には、炎症を起こさず、良好な触感を有する活性剤と適合性のある溶媒の選択など、様々な困難がある。さらに、エマルジョンは、物理的および化学的に不安定であり、有機または無機汚染物質によって壊れやすく、光に対して感受性であることが多く、したがってそれらの長期保存費用がかかり、かつ困難である。さらに、多くの場合、充分な量の活性剤を含むために多量の乳化剤が必要とされ、このことは皮膚炎を引き起こし得る。最後に、ビタミンCなどの、溶液中で不安定な活性剤の場合、活性剤が水と連続的に接触すると活性剤の酸化および分解が引き起こされるので、これらの方法は適切ではない。

0009

ポリマーナノ繊維は活性剤の投与局所担体であり、低毒性および高い生体適合性などの利点をもたらす。特許文献1には、溶媒の添加によって膜からゆっくりと徐々に放出される、ビタミンCなどの化粧品活性剤を含むポリマーナノ繊維の網状組織が記載されている。本明細書中で記載するポリマーナノ繊維は、電界紡糸処理によって、化粧品活性剤と、ナノ繊維を形成するポリマー溶液とを含む混合物から得られる。この処理にはいくつかの欠点がある。まず、用いる溶媒はナノ繊維を形成するポリマーと活性剤との両方に適したものでなければならない。両製品に最適な溶媒を見出すことはできないので、ナノ繊維は規則性を失い、この事実は肉眼で見られる。加えて、溶液は完全に均一ではないので、膜中の活性成分の均一な用量は保証できない。一方、ナノ繊維中に含まれる活性剤を放出するために、前記ナノ繊維は少なくとも部分的に分解される必要があるので、前記放出システムが活性剤の即時放出させないように、ナノ繊維のポリマーで活性剤の粒子コーティングする。発明者らは、本明細書中で記載するナノ繊維シートがその適用後120分で、その中に含まれる活性剤の約12重量%しか放出できないことを見出した。

0010

活性剤の即時放出は活性剤の迅速な吸収を可能にし、結果として活性剤の化粧または治療効果の迅速な出現を可能にする。さらに、この放出形態は、創傷治癒においてなど急性状態に特に適している可能性がある。

0011

したがって、当該技術分野の問題、特に、活性剤の低い吸収もしくは不充分な放出、皮膚炎および/または活性剤の安定性の問題を克服する、速効性のある皮膚上の局所活性剤の即時放出システムを開発することが必要である。

先行技術

0012

特開第2008−179629号公報

0013

発明者らは、皮膚上での治療または化粧品活性剤の局所放出の安定的な新規システムであって、その適用まで膜に付着したままである多量の少なくとも1つの活性剤を含み、好ましくは不活性雰囲気下および水の非存在下での保存を可能にする前記システムを開発した。膜が、膜の総重量に対して25重量%以上の多量の活性剤を含むという事実により、皮膚上での治療または化粧品活性を増加させることができる。

0014

加えて、本発明の活性剤の放出のためのシステムは、活性剤が完全に可溶化されている好適な生体適合性溶媒系と前記不織布膜が接触した後、膜中に含まれる活性剤の総量の即時放出を実質的に可能にする。したがって、本発明の不織布膜には、迅速な効果をもたらすという利点があり、これは必要に応じて実施することができ、その適用が必要とされない間は化学的および物理的に安定なままである。

0015

一方、本発明の放出システムによって、皮膚の表面積あたりの活性剤の投与量を制御することが可能であり、このことは、不十分であるかまたは多すぎるかのいずれかである活性剤の不適当な投与量となる可能性がある局所エマルジョンなどの他の処方よりも優れた利点である。さらに、それは閉鎖型システムではなく、生体適合性成分を含むだけであるので、皮膚に対して悪影響を及ぼさない。さらに、本発明の放出システムは肌触りが良く、かつ適用後にはがした場合、望ましくない残留物が残らない。

0016

さらに、本発明のシステムには、活性剤が溶液中で不安定である場合に活性剤が膜中で安定なままであることを可能にし、膜中の活性剤の安定性が固体状態の乾燥活性剤の安定性に匹敵するという利点がある。さらに、最終的な膜は活性剤にとって保護的雰囲気中(例えば酸素および/または水分がない)で保存することができる。

0017

したがって、本発明の第1の態様は、皮膚上に局所使用するための不織布膜であって、ポリマーナノ繊維と不織布膜の総重量に対して25〜80重量%の量の活性剤とを含み、活性剤が好適な生体適合性溶媒系中に可溶性であり、活性剤が完全に可溶化されている、適切な量の好適な生体適合性溶媒系と膜が接触した場合、膜が活性剤を直ちに放出することができる、前記不織布膜に関する。

0018

本発明に関連して、「不織布膜」という語は、固体表面(コレクタ)上の任意に堆積させ、任意に以下の1つ以上の方法によって絡み合わせてもよい、ポリマーナノ繊維の多孔質シートフィルム)に関する。すなわち、生体適合性のりを用いた接着溶融または溶媒過剰などの物理的方法、ならびにニードルパンチおよび水または圧気注入器によるインターレースなどの機械的方法である。膜繊維は相互接続していても、していなくてもよく、膜繊維は切断繊維であってもよいし、または連続繊維であってもよく、1つだけの材料を含んでもよいし、または異なる繊維の組み合わせとして、もしくは異なる材料の類似した繊維の組み合わせのいずれかとして異なる材料を含んでもよい。これらの異なる構成は、製造処理中に異なる層中の同じ膜中に配置することができる。

0019

任意に本発明で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい特定の実施形態において、本発明の膜は、0.1mm〜3mm、さらに詳細には0.3mm〜1mmの厚さを有する。

0020

任意に本発明で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい別の特定の実施形態において、不織布膜中に含まれる活性剤の総量は、活性剤がポリマーナノ繊維中の内部に配置されている、ポリマーおよび活性剤の両方の混合物の電界紡糸によって得られる膜(図4で示す)とは異なり、図2および図3で示すように、膜のポリマーナノ繊維に対して外側に配置されている。したがって、本発明の不織布膜は好適な溶媒系の存在下で活性剤を放出し、すなわち放出の機序は、ポリマーナノ繊維の分解によってではなく、活性剤の可溶化によって起こる。加えて、ポリマーナノ繊維の外側をコーティングする活性剤は、膜に一貫性および凝集性を提供し、かくして膜の取扱耐性を改善する(図2および図3を参照)。

0021

任意に本発明で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい別の特定の実施形態において、膜のポリマーナノ繊維は電界紡糸ナノ繊維、すなわち電界紡糸処理によって得られるナノ繊維である。

0022

任意に本発明で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい別の特定の実施形態において、膜のポリマーナノ繊維は、50〜2000nmの平均直径、さらに詳細には200〜1200nm、400〜800nmおよび500nmの平均直径を有する。本発明に関連して、「平均直径」という語は、走査電子顕微鏡によって得られる画像に関する異なる測定結果、特に50の測定結果の算術平均によって得られる直径に関する。

0023

本発明の不織布膜のポリマーナノ繊維は1つ以上の生体適合性ポリマーから構成される。ナノ繊維を形成するのに適したポリマーの例は、ポリエステルポリ無水物ポリホスファゼンポリエーテルなどであり得る。任意に本発明で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい特定の実施形態において、本発明のナノ繊維は、他の電界紡糸ポリマーおよびそれらの組み合わせのうち、ポリグリコール酸PGA)、ポリ−D,L−乳酸PLA、ポリ乳酸)、ポリ−D,L−ラクチド−コ−グリコリド(poly-D,L-lactide-co-glycolide、PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリジオキサノンポリビニルアルコール、コラーゲン、セルロースヒアルロン酸ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンポリプロピレンエラステイン(elastane)からなる群から選択される1つ以上のポリマーを含む。さらに好適には、本発明のナノ繊維はポリ−D,L−乳酸(PLA、ポリ乳酸)を含む。

0024

前述のとおり、本発明の膜は、ポリマーナノ繊維以外に、少なくとも1つの活性剤を不織布膜の総重量に関して25〜80重量%の量で含む。任意に本発明で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい特定の実施形態において、活性剤は、不織布膜の総重量に関して30〜70%、さらに詳細には30%〜55%の量で膜中に含まれる。

0025

膜の活性剤は、繊維の間に配置され、この場合は結晶結晶性もしくは非晶質構造を有する)を形成することができる固体状態であり得るか、または繊維の表面に埋め込まれた液体形態であり得る。任意に本発明で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい特定の実施形態において、本発明の不織布膜は、製剤分野および獣医学分野の両方で用いることができる治療活性剤を含む。任意に本発明で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい別の特定の実施形態において、本発明の不織布膜は化粧剤を含む。任意に本発明で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい別の特定の実施形態において、本発明の不織布膜は複数の活性剤を含み、さらに詳細には、膜は、好適な生体適合性溶媒系中に可溶性である第2の活性剤を含み、膜は、第2の活性剤が完全に可溶化されている適切な量の好適な生体適合性溶媒系と接触した場合に、前記第2の活性剤を直ちに放出することができる。

0026

本発明に関連して、「治療的」という語は、例えば病状生理学的状態、もしくはそれらの症状の治療、寛解もしくは減弱において、またはその評価もしくは診断のために、治療上有用であることを意味する。「化粧剤」という語は、主に、審美的および/または慰安効果を提供すること、特に、皮膚の外観、および具体的には皮膚の特性を改善することを目的とする使用に関する。

0027

活性剤の例としては、L−アスコルビン酸(ビタミンC)、レスベラトロールケルセチンボスウェリアセラータ(Boswellia serrata)の抽出物クルクミンラクトフェリンハイドロキノンコウジ酸、コラーゲン、桂皮酸過酸化ベンゾイルトロポロンカテコールメルプタミン、ナイアシンアミドトコフェロールフェルラ酸アゼライン酸ボツリヌス毒素尿素、ならびにキサンチンレチノイド、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸、抗生物質抗炎症薬、治癒薬、α2−アドレナリン阻害薬、β−アドレナリン作動薬アロマターゼ阻害薬抗エストロゲンコルチコステロイドムコ多糖エストロゲンイソフラボンまたはそれらの誘導体もしくは塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0028

任意に本発明で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい特定の実施形態において、本発明の不織布膜は、L−アスコルビン酸(ビタミンC)またはレスベラトロールを活性剤として含む。

0029

上述のように、本発明の不織布膜は、活性剤が完全に可溶化されている適切な量の好適な生体適合性溶媒系と膜が接触した場合に、活性剤が皮膚上で吸収されるように、それらの活性剤を即時放出することができる。活性剤は前記溶媒系中に可溶性でなければならず、溶媒系は、膜の活性剤の総量を完全に溶解するために充分な適量で提供されなければならない。前記量は活性剤の種類および使用する溶媒系の種類によって変わるであろう。膜が複数の活性剤を含む場合、活性剤の各々は、好適な生体適合性溶媒系中に可溶性でなければならず、不織布膜がその適切な量と接触した場合に、同溶媒系中に可溶化され得るものでなければならない。この場合、好適な溶媒系は活性剤の各々について同じであり得るか、または異なり得る。

0030

活性剤を可溶化する溶媒系は、水、親水性溶媒親油性溶媒およびそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の溶媒を含み得る。「親水性」溶媒という語は、水と親和性を有し、水素結合を形成でき、したがって水および他の極性溶媒混和性である溶媒に関する。「親油性」溶媒という語は、水と親和性を有さず、水素結合を形成する能力をほとんどまたは全く有さない非極性溶媒に関する。したがって、親油性溶媒は、脂肪(fat)、油(oil)、脂質(lipid)、および他の非極性溶媒中に混和性である。

0031

膜活性剤の放出に適した溶媒の例としては、水、(C2〜C12)アルコール、(C2〜C12)グリコール、(C2〜C6)−グリコール(C2C6)エーテルカプリン酸カプリル酸植物油鉱油獣脂などのトリグリセリド、それらのフラクション(fraction、断片)および混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0032

(C2〜C12)アルコールという語は、2〜12個の炭素原子および1つ以上のヒドロキシル基(OH)を含む炭化水素化合物に関する。(C2〜C12)グリコールという語は、2〜12個の炭素原子および隣接する炭素原子と結合した2個のヒドロキシル(OH)基を含むアルコールに関する。(C4〜C12)グリコールエーテルという語は、4〜12個の炭素原子および少なくとも2つのヒドロキシル(OH)および少なくとも1つのエーテル基(O)を含む炭化水素化合物であって、ヒドロキシル基(OH)およびエーテル基(O)の各々が、独立して隣接する炭素原子と結合している炭化水素化合物に関する。アルコール、グリコールおよびグリコールエーテルの非限定例としては、例えば、エタノールエチレングリコールプロピレングリコールブチレングリコールジエチレングリコールテトラエチレングリコール、1,2,3−プロパントリオール(グリセリン)またはベンジルアルコールが挙げられる。

0033

本明細書中の「生体適合性溶媒系」という語は、皮膚と接触して、有毒もしくは有害な免疫応答または過度の免疫応答を引き起こさない溶媒系に関する。

0034

不織布膜がその中に含まれる活性剤を放出するためには、活性剤は生体適合性溶媒系中で完全に可溶化されなければならない。任意に本発明で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい特定の実施形態において、可溶化は25〜36℃の温度で起こる。

0035

「完全に可溶化される」という語は、本明細書中では、その中に可溶性である溶媒系と接触した場合に、溶媒系と溶液を形成する膜の一部としての活性剤に関する。

0036

各活性剤の溶解度は溶媒によって異なる。さらに、具体的な溶媒系について、各活性剤の溶解度は異なる。当業者は、活性剤がその中に完全に可溶化されるように、放出される活性剤の各々に適した生体適合性溶媒系およびその適切な量を容易かつ規定どおりに決定することができるであろう。

0037

あるいは、活性剤の放出は、既に定義した不織布膜を、活性剤が1つ以上の賦形剤または好適な局所担体とともに完全に可溶化される好適な生体適合性溶媒系を含む局所組成物と接触させた後に起こり得る。概して、いかなる局所組成物も本発明の目的に好適であり得る。ただし、好適な粘度を有し、比較的短時間、例えば30分間、さらに詳細には15分間で膜を透過するものとする。

0038

膜の活性剤を放出させるために適した局所組成物の例としては、液体、固体および半固体組成物、例えば水溶液または懸濁液、無水組成物水中油エマルジョン油中水エマルジョンであって、マクロエマルジョンマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョンのいずれかであるもの、溶液中の油滴ミセルリポソームエトソーム(またはエソソーム、ethosomes)などが挙げられる。前記組成物は、液体、ゲルペーストクリーム、エマルジョン、ローションフォームスプレーパッチスティックの形態、または当該技術分野で公知の任意の他の形態であり得る。加えて、前記組成物は当該技術分野で周知である方法にしたがって調製することができる。好適な賦形剤および/または担体、ならびにそれらの量は、調製される処方の種類にしたがって当業者が容易に決定できる。

0039

任意に、膜の活性剤を放出するために適した生体適合性溶媒系を含む局所組成物はさらに、膜について既に定義したものなどの1つ以上の活性剤も含み得る。

0040

したがって、そのような局所組成物は、好適な溶媒系以外に、皮膚調色剤または皮膚にとって有益な他の薬剤を含み得る。

0041

「局所賦形剤または担体」という語は、皮膚に使用するために許容される材料に関する。成分の各々は、局所組成物の他の成分と適合性があるという意味で許容されなければならない。とりわけ、過度の毒性、不適合性不安定性アレルギー反応がなく、ヒトまたは動物の皮膚と接触する使用にも適していなければならない。

0042

「即時」放出という語は、その中に含まれる活性剤の総量を、活性剤が完全に可溶化されている好適な溶媒系と膜が接触した後すぐに、特に25〜36℃の温度で実質的に放出する本発明の不織布膜に関する。特定の実施形態において、本発明の不織布膜は、その中に含まれる活性剤の総重量の70%以上、80%以上、90%以上の量を、膜を好適な溶媒系と接触させた後30分間で放出することができる。特定の実施形態において、本発明の不織布膜は、その中に含まれる活性剤の総重量の50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上の量を、膜を好適な溶媒系と接触させた後10分間で放出することができる。

0043

図6は、本発明の不織布膜をヒトの皮膚上に適用する特定の実施形態を示し、前記膜は、15mmの直径を有し、膜湿潤の異なる段階、つまり膜をゲルと接触させた後、5分(A)、15分(B)および25分(C)でカーボポール(Carbopol)のゲル上に10mgのビタミンCが装填される。

0044

任意に本発明で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい特定の実施形態において、本発明は、PLA、ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリエチレンからなる群から選択される1つ以上のポリマーで構成されるポリマーナノ繊維、特に、PLAで構成されるナノ繊維、およびL−アスコルビン酸を、不織布膜の総重量に対して25〜80%、さらに詳細には30〜70%、さらに詳細には40〜60重量%の量で含み、好適な生体適合性溶媒系は水であり、さらに詳細には親水性ゲル、例えば0.5〜2%重量/体積カーボポールの水性ゲルの形態の局所組成物の一部として、またはクリーム、エマルジョンもしくはローションなどの水中油(O/W)などの局所組成物の一部としての水であり、生体適合性溶媒系の適切な量は0.05〜0.5mL/cm2である、前記不織布膜に関する。

0045

任意に本明細書中で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい特定の実施形態において、本発明は、PLA、ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリエチレンからなる群から選択される1つ以上のポリマーから構成されるポリマーナノ繊維、特にPLAナノ繊維から構成されるポリマーナノ繊維、およびレスベラトロールを不織布膜の総重量に関して25〜80%、さらに詳細には25〜60%、さらに詳細には25〜50重量%の量で含む不織布膜に関し、好適な生体適合性溶媒系は、水、(C2〜C12)アルコール、(C2〜C12)グリコールおよびそれらの混合物から選択され、さらに詳細には、生体適合性溶媒系は、水、(C2〜C12)アルコール、含水アルコールゲルの一部である(C2〜C12)グリコールの混合物であり、例えば、含水アルコールゲルは水、1〜2%重量/体積のカーボポール、10〜25%重量/体積のエタノールまたはプロピレングリコールを含み、および、生体適合性溶媒系の適切な量は0.05〜0.5mL/cm2である。

0046

既に定義したものなどの不織布膜を含む化粧品または衛生用品も本発明の一部である。任意に本発明で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい特定の実施形態において、化粧品または衛生用品は、本発明の不織布膜をその上に結合させても、させなくてもよい支持体を含む。化粧品または衛生用品の例としては、ガーゼばんそうこう、包帯剤救急絆、スポンジワイプマスクなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0047

既に定義した不織布膜と、膜が活性剤と接触した場合に活性剤を可溶化することができる好適な生体適合性溶媒系とを含むキットも本発明の一部である。任意に、前記溶媒系は局所組成物の一部であってもよい。

0048

上記生体適合性溶媒系に関する特定の実施形態も本発明のキットの特定の実施形態である。

0049

本発明の不織布膜は、電界紡糸/エレクトロスプレー処理によって調製される。用いられる装置は、同時に動作する電界紡糸システムおよびエレクトロスプレーシステムから構成される。電界紡糸は、コレクタ(回転シリンダまたは電界紡糸およびエレクトロスプレーの堆積ゾーン間で振動する任意の他のコレクタであってよい)上に堆積する1つ以上のポリマーの溶液からポリマーナノ繊維を生成する。エレクトロスプレーなどのスプレー処理エレクトロスプレーシステムは、活性剤を含む溶液の微液滴を生成する。前記液滴を、コレクタコーティングするナノ繊維上に堆積させる。液滴の溶媒が蒸発したら、活性剤は固体形態になり、生成物性質根本的な傾向、その粘度および結晶を形成する能力に応じて、結晶性または非晶質構造を有し得る繊維または固体粒子に対するコーティングを形成する。図1中、本発明の不織布膜を調製するためのシステムの特定の実施形態の図(A:側面図;B:正面図)を示し、図中、a)は活性剤のエレクトロスプレーシステムであり、b)は得られた不織布膜であり、c)はロータリコレクタであり、d)はポリマーナノ繊維の電界紡糸システムである。

0050

活性剤を堆積させるためのスプレーシステムは、活性剤自体によって決まる流速および粘度で動作し、例えば、エレクトロスプレーシステム、空気圧式スプレー、超音波スプレーまたは空気圧式/超音波複合スプレーであり得る。任意に本発明で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい特定の実施形態において、用いられるスプレーシステムはエレクトロスプレーである。

0051

したがって、本発明の別の態様は、前記定義の所定の不織布膜の調製法であって、以下のステップ、すなわち、
a) 1つ以上の生体適合性ポリマーの好適な溶媒系中の溶液を調製するステップと、
b) ステップa)の1つもしくは複数のポリマーが不溶性である好適な溶媒系中の活性剤の溶液を調製するステップと、
c) ステップa)の溶液の電界紡糸を実施し、同時に、ステップb)の溶液を、ステップb)の溶液の適切な流速で適切な時間スプレーして、不織布膜の総重量に関して25〜80重量%の量で活性剤を含む不織布膜を得るステップと、
d) 任意に、ステップc)で得られる不織布膜を乾燥するステップを含む調製法に関する。この乾燥ステップは、使用した残留している溶媒を蒸発させることによって実施できる。

0052

ステップ(a)の1つ以上の生体適合性ポリマーの溶液に適した溶媒の数例には、ジクロロメタンクロロホルム酢酸エチルアセトンジメチルホルムアミドジオキサンジメチルスルホキシドDMSO)またはそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。溶媒は、界面活性剤または塩などの、電界紡糸処理を改善するための添加剤を含んでもよい。

0053

任意に本発明で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい特定の実施形態において、ステップa)のポリマー溶液中のポリマー濃度は、溶液の総重量に対して7〜18%重量/重量(w/w)である。

0054

本発明に関連して、ステップb)において、活性剤を溶解させることができるが、ステップa)で用いる1つ以上のポリマーを可溶化することができない溶媒系を使用する。したがって、ステップb)の溶媒系はステップa)の溶媒系とは異なる。さらに、ステップb)の溶媒は、所望の活性剤の分解を引き起こさないように所望の活性剤と適合しなければならない。活性剤の溶液の調製に適した溶媒の数例には、エタノール、水など、またはそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されるものではない。

0055

概して、電界紡糸/エレクトロスプレー処理は、不織布膜の総重量に関して25〜80重量%の量で含まれる活性剤を含む不織布膜を得るために、必要な時間、流動ポリマー溶液および活性剤溶液の流速で実施する。

0056

さらに、異なる活性剤濃度を有する膜の連続層が生じる異なるステップで処理を実施することができる。

0057

当業者は、活性剤溶液などのポリマー溶液を調製するために適した溶媒、ならびに所望の用途に適した特性を有する不織布膜を得るために適した電界紡糸処理のパラメータ規定通りに調節することができる。

0058

溶媒が膜から蒸発した後、前記膜を皮膚に直接適用することができる。特定の実施形態において、本発明の処理は、電界紡糸/エレクトロスプレー処理後に得られる不織布膜を乾燥することを含み、さらに詳細には、乾燥ステップは、電界紡糸およびエレクトロスプレーの処理で用いる溶媒を乾燥させたままにすることによって実施する。

0059

本発明の別の態様は、皮膚上で局所使用するための不織布膜であって、ポリマーナノ繊維と不織布膜の総重量に関して25〜80重量%の量の活性剤とを含み、活性剤は、以下のステップ、すなわち、
a) 1つ以上の生体適合性ポリマーの好適な溶媒系での溶液を調製するステップと、
b) 前記活性剤の好適な溶媒系での、溶液を調製するステップであって、その溶媒系ではステップa)由来の1つもしくは複数の該ポリマーが不溶である、該ステップと、
c) ステップa)由来の溶液を電界紡糸することと同時に、ステップb)由来の溶液を、ステップb)由来の溶液の流速にて適切な時間スプレーして、該不織布膜の総重量に対して25重量%〜80重量%の量で前記活性剤を含む不織布膜を得る、ステップと、
d) 任意にステップc)で得られる不織布膜を乾燥するステップと
を含む処理によって得ることができる生体適合性溶媒系中に完全に可溶化されている場合に、それ自身を即時に放出することができる。

0060

前記定義の本発明の処理「によって得ることができる」不織布膜とは、その調製処理によって膜を定義するために本明細書中では使用され、前記定義のステップa)、b)、c)およびd)を含む調製処理によって得ることができる膜に関する。本発明に関連して、「得ることができる」、「得られた」という表現および同等の表現は、交換可能に使用され、いずれの場合も、「得ることができる」という表現は「得られた」という表現を包含する。

0061

本発明の不織布膜は異なる皮膚処置および化粧法で有用である。

0062

本発明の不織布膜が治療薬を含む場合、それは皮膚障害疾患治療で有用である。したがって、本発明の別の態様は、皮膚の疾患、障害(disorder)または異常な状態の治療で使用するための、活性剤が治療薬である既に定義したような不織布膜に関する。本発明のこの態様は、皮膚の疾患、障害または異常状態の治療のために、ポリマーナノ繊維と不織布膜の総重量に関して25〜80重量%の量の活性剤とを含む、皮膚上で局所使用するための不織布膜を調製するための活性剤の使用として処方することができ、活性剤は好適な生体適合性溶媒系中に可溶性である治療薬であり、不織布膜は、活性剤が完全に可溶化されている適切な量の好適な溶媒生体適合性系と接触した場合に活性剤を即時放出することができる。

0063

本発明の別の態様は、皮膚の疾患、障害または異常な状態の治療において使用するための、活性剤が治療薬である既に定義した不織布膜を含む製品に関する。本発明のこの態様は、皮膚の疾患、障害または異常状態の治療のための、ポリマーナノ繊維と不織布膜の総重量に関して25〜80重量%の量の活性剤とを含む皮膚上の局所使用のための不織布膜を含む衛生用品または化粧用品の調製のための活性剤の使用として処方することもでき、活性剤は、好適な生体適合性溶媒系中に可溶性である治療活性剤であり、不織布膜は、活性剤が完全に可溶化されている適切な量の好適な溶媒生体適合性系と接触した場合に活性剤を直ちに放出することができる。

0064

本発明はさらに、皮膚の疾患、障害または異常な状態に苦しんでいるヒトをはじめとするほ乳類の治療のための方法にも関し、前記方法は、ヒトをはじめとする前記ほ乳類の皮膚上に、活性剤が治療薬である不織布膜または既に定義した製品を局所適用することを含む。

0065

本発明の別の態様は、皮膚の疾患、障害または異常状態の治療で使用するための前記定義のキットであって、活性剤が治療薬であるキットに関する。

0066

任意に本明細書中で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい特定の実施形態において、疾患、障害または異常な皮膚状態は、蜂巣炎(cellulitis)、座瘡尋常性座瘡および嚢腫性座瘡を含む)、皮膚の老化、色素過剰(離散または斑状色素過剰を含む)、角化症(keratosis。光線性角化症日光性角化症、および脂漏性角化症を含む)、ふけ(dandruff)、いぼ(warts)、光損傷を受けた皮膚、慢性皮膚疾患(例えば、乾癬、皮膚炎、アトピー性および脂漏性皮膚炎をはじめとする皮膚炎)、乾燥、魚鱗癬(ichthyosis)、創傷治癒およびウイルス、真菌または細菌に起因する皮膚感染症からなる群から選択される。本明細書に関連して、「治療」という語は、生理学的機能不全補償を意味し、さらに一般的には、その兆候が特にこのような機能不全の結果である望ましくない障害の軽減または除去を意味する。

0067

加えて、上述のように、本発明の不織布膜はさらに、活性剤が化粧剤である場合は化粧目的で使用することもできる。したがって、本発明はさらに、スキンケア剤としての、活性剤が化粧剤である、既に定義した不織布膜、または既に定義した膜を含む製品の化粧用途での使用にも関する。

0068

ヒトをはじめとするほ乳類のスキンケアのための化粧法も本発明の一部であり、前記方法は、ヒトをはじめとする前記ほ乳類の皮膚に、活性剤が化粧剤である不織布膜または前記定義の製品を局所適用することを含む。

0069

任意に本明細書中で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい特定の実施形態において、スキンケアは、なかでも以下の症状の少なくとも1つを、すなわち老化、座瘡(acne)、シワ、肌のシミ、蜂巣炎、皮膚の欠陥、粗さ、スケーリング脱水、歪み、ひび割れおよび弾力性欠如を改善することを含む。

0070

さらに、本発明の不織布膜または前記定義の化粧品もしくは衛生用品は、肌の美白または入れ墨の除去でも有用であり得る。

0071

したがって、本発明はさらに、肌の美白剤としての、活性剤が化粧剤である不織布膜または既に定義した製品の化粧使用にも関する。本発明はさらに、ヒトをはじめとするほ乳類の肌の美白のため化粧法にも関し、前記方法は、活性剤が化粧剤である不織布膜または前記定義の製品の、ヒトをはじめとする前記ほ乳類の皮膚上の局所適用を含む。

0072

本発明はさらに、入れ墨除去のための、活性剤が化粧剤である不織布膜または既に定義した製品の化粧使用にも関する。本発明はさらに、ヒトをはじめとするほ乳類の皮膚から入れ墨を除去するための化粧法にも関し、前記方法は、活性剤が化粧剤である不織布膜または前記定義の製品の、ヒトをはじめとする前記ほ乳類の皮膚上の局所適用を含む。

0073

任意に本発明で記載する様々な実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい特定の実施形態では、皮膚上に適用した後に膜を皮膚から除去する。

0074

明細書および特許請求の範囲全体にわたって、「含む(comprise)」という語およびその変化形は、他の技術特性、添加剤、成分またはステップを除外することを意図しない。さらに、「含む(comprise)」という語は、「からなる(consists of)」の場合を含む。発明の他の目的、利点および特徴は、発明の記載および発明の実施から当業者には部分的にわかるであろう。以下の実施例および図面は例示として提供し、本発明を制限することを意図しない。さらに、本発明は本明細書中で特定した特定の実施形態および好ましい実施形態の可能な組み合わせをすべて対象とする。

図面の簡単な説明

0075

本発明の不織布膜の調製のためのシステムの特定の実施形態の図(A:側面図、B:正面図)を示し、図中、a)は活性剤のエレクトロスプレーシステムであり、b)は得られた不織布膜であり、c)ロータリコレクタであり、d)はポリマーナノ繊維の電界紡糸システムである。
異なる倍率で実施例1の本発明の膜の走査電子顕微鏡法(SEM)によって得られる画像を示す。
異なる倍率で実施例2の本発明の膜の走査電子顕微鏡法(SEM)によって得られる画像を示す。
異なる倍率で、当該技術分野の方法にしたがって調製した比較例1の膜の走査電子顕微鏡法(SEM)によって得られた画像を示す。
実施例1にしたがって調製したナノ繊維膜の理論的総量(A)および比較例1にしたがって調製したナノ繊維膜の理論的総量(B)に関する割合(%)として、放出されたL−アスコルビン酸の量を経時的に示す。
本発明の不織布膜のヒトの皮膚上の適用の特定の実施形態を示し、前記膜は15mmの直径を有し、膜湿潤の異なる段階、つまり膜をゲルと接触させた後5分(A)、15分(B)および25分(C)でカーボポールのゲル上に10mgのビタミンCが装填される。
本発明の不織布膜のヒトの皮膚上の適用の特定の実施形態を示し、前記膜は15mmの直径を有し、膜湿潤の異なる段階、つまり膜をゲルと接触させた後5分(A)、15分(B)および25分(C)でカーボポールのゲル上に10mgのビタミンCが装填される。
本発明の不織布膜のヒトの皮膚上の適用の特定の実施形態を示し、前記膜は15mmの直径を有し、膜湿潤の異なる段階、つまり膜をゲルと接触させた後5分(A)、15分(B)および25分(C)でカーボポールのゲル上に10mgのビタミンCが装填される。

実施例

0076

<実施例>
<L−アスコルビン酸の定量化のための高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)の技術>
L−アスコルビン酸の検出のHPLC技術のために選択された条件は次のものであった。

0077

すなわち、
アイクラチックポンプLC20AD、SILHT20Aオートインジェクタ、20A SPDUV検出器から構成されるHPLCShimadzu装置。

0078

・HPLCColumn Tracer Excel 120ODSA、粒子サイズ5μm、15×0.4cm。

0079

移動相:65%メタノール、35%水、流れ0.75mL/min。

0080

サンプル体積:10μL。

0081

標準濃度:50、100、250および500μg/mL(リン酸緩衝生理食塩水PBS)中で調製)。

0082

品質管理濃度:150ng/mL(PBS中で調製)。

0083

これらの条件下で、L−アスコルビン酸のピークは保持時間=2.1分で出現する。較正線試験した濃度の範囲内では直線である。

0084

<実施例1:L−アスコルビン酸を含む不織布膜の調製>
17%(質量基準)のPLAの溶液を40%ジオキサンおよび60%アセトンの混合物中で調製した。溶液を24時間撹拌して、その規則性(または均一性、regularity)を保証した。この溶液を、100mmの距離および15kVの電圧差(針側が正電圧)にて円筒形ロータリコレクタで電界紡糸(繊維の作製)するために使用した。ポリマー溶液の注入流速は15.5mL/hであった。同時に、同じ円筒上および180°の配置(図1で示すとおり)で、活性剤溶液のエレクトロスプレーを実施した。この溶液は、2.6%(質量基準)のビタミンCをエタノール中に溶解させ、6時間撹拌することによって調製した。エレクトロスプレーは、コレクタから25mmの距離、および10kVの電圧(針側が正電圧)で実施した。直径80mmのシリンダは16min−1の角速度で回転した。電界紡糸およびエレクトロスプレーの同時処理を56分間維持して、0.352mmの平均厚さを有し、膜中の活性剤の割合が51%(w/w)である膜を得た。図2は、異なる倍率で得られた膜の走査電子顕微鏡法(SEM)によって得られた画像を示す。

0085

<実施例2:レスベラトロールを含む不織布膜の調製>
15.8%(質量基準)のPLAの溶液を40%ジオキサンおよび60%アセトンの混合物中で調製した。溶液を24時間撹拌して、その規則性を保証した。この溶液を100mmの距離および15kVの電圧差(針側が正電圧)にて円筒形ロータリコレクタでの電界紡糸(繊維の作製)のために使用した。ポリマー溶液の注入流速は15.5mL/hであった。同時に、同じ円筒上および180°の配置(図1で示すとおり)で、活性剤溶液のエレクトロスプレーを実施した。この溶液は、1.47%(質量基準)のレスベラトロールをエタノール中に溶解させ、6時間撹拌することによって調製した。エレクトロスプレーは、コレクタから25mmの距離、および10kVの電圧(針側が正電圧)で実施した。直径80mmのシリンダは16min−1の角速度で回転した。電界紡糸およびエレクトロスプレーの同時処理を60分間維持して、0.326mmの平均厚さを有し、膜中の活性剤の割合が30%(w/w)である膜を得た。図3は、異なる倍率で得られた、膜の走査電子顕微鏡法(SEM)によって得られた画像を示す。

0086

<比較例1:従来技術(特開第2008−179629号)で記載されているものに対応する方法にしたがったL−アスコルビン酸を含む不織膜の調製>
11.3%(質量基準)のPLAの溶液を40%のジオキサンと60%のアセトンとの混合物中で調製した。5.7%(質量基準)のビタミンCを溶液に添加した。溶液を24時間撹拌して、その規則性を保証した。この溶液を、100mmの距離および15kVの電圧差(針側が正電圧)にて円筒形ロータリコレクタで電界紡糸(その中にビタミンCを含む繊維の作製)するために使用した。ポリマー溶液の注入流速は15.5mL/hであった。直径80mmのシリンダは16min−1の角速度で回転した。電界紡糸の処理を117分間維持し、0.306mmの平均厚さを有し、膜中の活性剤の割合が33%(w/w)である膜を得た。図4は、異なる倍率で比較例1の膜の走査電子顕微鏡法(SEM)によって得られる画像を示す。

0087

<実施例3:放出アッセイ
ウェルプラスチック材料培養プレート中、各ウェルにつき0.50グラムのカーボポールゲル(カーボポールゲル940を蒸留水中1%w/vにする)を堆積させ、次いでゲル上に、実施例1にしたがって調製して10mgのL−アスコルビン酸(理論的装填量)を装填したナノ繊維膜(15mm直径)または比較例1のように調製して12mgのL−アスコルビン酸(理論的装填量)を装填したナノ繊維膜(15mm直径)を堆積させた。本発明の膜の場合、理論的装入量および実際の総装填量(放出されたL−アスコルビン酸の量と膜中に残留するL−アスコルビン酸の量との合計として算出)は等しいことをHPLC技術によって試験した。37℃でプレートインキュベートし、その時点から被覆した。放出されたL−アスコルビン酸の量を設定時間(実施例1にしたがって調製した膜の場合は30分)、比較例1にしたがって調製した膜の場合は30、60、90および120分)で測定するために、膜を取り出し、9.5mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を各ウェルに添加し、ゲルを同じウェル中にピペッティングすることによって混合した。そこから、1mLのサンプルを取り、12mLの褐色バイアル中で1mLのPBSで希釈した。1mLの使い捨てシリンジで、バイアル内容物の一部を吸引し、その内容物を0.45μmの使い捨てフィルターでHPLCバイアルにろ過して、不溶性化合物を除去した。バイアル中のサンプルをHPLC装置中に既に記載した条件下で注入した。各時点で放出されたアスコルビン酸の量を総量(製造法の理論的装填量)に対する割合(%)として表した。試験は3回実施した。

0088

図5は、理論的総量に対する割合(%)として表した、各時間で放出されたアスコルビン酸の量を示す。L−アスコルビン酸の本発明のナノ繊維膜(実施例1にしたがって調製)からの放出は30分後で87±24%であることが観察された。さらに、活性剤は非変化形態で放出されたことがHPLCによって証明された。さらに、当該技術分野のナノ繊維膜(比較例1にしたがって調製)からのL−アスコルビン酸の放出は、30分後で5%、60分後で10.2±0.7%、90分後で11.0±0.7%、120分後で12.7±7.0%よりも劣っていた。

0089

<結果の分析
本発明の膜は、ゲル基剤と接触すると、特に膜中に含まれる活性剤の総量を放出することができるが、同等の活性剤を装入した従来技術の膜は、少量(5%未満)しか即時放出することができず、長時間インキュベーション(120分)しても、13%の非常に抑制された放出しか達成されない。

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