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技術 システイン操作抗体及びコンジュゲート

出願人 ジェネンテック,インコーポレイテッド
発明者 バクタ,スニールエリクソン,ハンスジュヌトゥラ,ジャガスアール.コザック,キャサリンオーリ,ラチャナピロー,トーマス
出願日 2020年4月22日 (10ヶ月経過) 出願番号 2020-076110
公開日 2020年9月10日 (5ヶ月経過) 公開番号 2020-143067
状態 未査定
技術分野 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 ペプチド又は蛋白質 微生物による化合物の製造 窒素含有縮合複素環(3) 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 突然変異または遺伝子工学 医薬品製剤 Nおよび(O又はS)縮合複素環 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬
主要キーワード 緩衝対 原料ストック 最終作業 例示的実施 捕捉媒体 構造位置 テザー基 定量的特徴
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年9月10日)のものです。
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図面 (20)

課題

反応性システイン残基により操作された、治療または診断用途を有する抗体を提供する。

解決手段

システイン操作抗体をコードするように、親抗体の核酸配列に変異生成を行い、1つ以上のアミノ酸残基システインで置き換えること、システイン操作抗体を発現させること、及びシステイン操作抗体を単離することによって、調製される重鎖または軽鎖遊離システインアミノ酸を含む、システイン操作抗体。化学療法薬毒素ビオチンなどの親和性リガンド、及びフルオロフォアなどの検出標識コンジュゲートすることができるシステイン操作抗体。

概要

背景

抗体薬物コンジュゲートADC)は、強力な細胞毒性薬の標的を抗原発現腫瘍細胞に定め、それによって抗腫瘍活性を高めることによって、抗体と細胞毒性薬の両方の理想的な特性を組み合わせているため、標的が定められた有望な化学療法分子である。所与標的抗原のためのADC開発の成功は、抗体の選択、リンカーの安定性、細胞毒性薬の効力、及びリンカー−薬物を抗体にコンジュゲートする様式を最適化することに依存する。

薬物部分を抗体に結合させる従来の手段、すなわち共有結合にる連結は、一般に、薬物部分が抗体の多くの部位に結合した不均質な分子の混合物をもたらす。例えば、細胞毒性薬は、典型的に、抗体に多数存在するリジン残基を介して抗体にコンジュゲートされており、不均質な抗体−薬物コンジュゲート混合物が生成される。反応条件に応じて、不均質混合物は、通常、0〜約8個、またはそれ以上の薬物部分が結合した抗体が分散して含まれている。加えて、薬物部分と抗体との比が特定の整数比であるコンジュゲートの各サブグループ内には、薬物部分が抗体の様々な部位に結合している不均質である可能性のある混合物がある。コンジュゲーション反応により得られる不均質混合物に含まれる抗体−薬物コンジュゲート種の分子を分類し、特徴付けるには、分析方法及び調製方法不適切である。抗体は、大型の複雑かつ構造的に多様な生体分子であり、多数の反応性官能基を有することが多い。リンカー試薬及び薬物−リンカー中間体とのそれらの反応性は、pH、濃度、塩濃度、及び共溶媒などの因子に依存する。更に、複数ステップのコンジュゲーションプロセスは、反応条件の制御ならびに反応物質及び中間体の特徴付けが困難であることから、再現できない可能性がある。

pH7付近プロトン化され、求核性が低いほとんどのアミンとは異なり、システインチオール中性pHで反応する。遊離チオール(RSH、スルフヒドリル)基は比較的反応性が高いため、システイン残基を有するタンパク質は、ジスルフィド結合したオリゴマーとしてその酸化形態で存在するか、またはジスルフィド基内部架橋していることが多い。抗体のシステインチオール基は、一般に、抗体のアミンまたはヒドロキシル基よりも求電子性コンジュゲーション試薬に対する反応性が高い、すなわち、求核性が高い。タンパク質の様々なアミノ酸残基をシステインアミノ酸に変異させることによるシステインチオール基の操作には問題が生じる場合があり、特に、不対遊離Cys)残基または反応若しくは酸化が比較的起こりやすい残基の場合に問題が生じる場合がある。大腸菌周辺質中培養上清中、または部分的若しくは完全に精製されたタンパク質中のいずれにせよ、タンパク質の濃縮溶液中では、タンパク質の表面上の不対Cys残基対合し、酸化して、分子間ジスルフィドが形成され、それによってタンパク質二量体または多量体が形成される。ジスルフィド二量体の形成により、新たなCysは、薬物、リガンド、または他の標識に対するコンジュゲーションについて非反応性となる。更に、タンパク質が、酸化により新たに操作されたCys残基と既存のCys残基との間で分子間ジスルフィドを形成した場合、いずれのCys基も、活性部位関与及び相互作用に利用することができない。更に、このタンパク質は、誤った折り畳みまたは三次構造喪失により不活性または非特異的となり得る(Zhang et al(2002)Anal. Biochem. 311:1−9)。

操作システインをコンジュゲーションに利用することができる部位にシステイン置換を有する抗体(THIOMAB(商標)抗体)は、しかしながら、免疫グロブリンの折り畳み及び組み立てを乱すことも抗原の結合及びエフェクター機能を変化させることもない(Junutula,et al.,2008b Nature Biotech.,26(8):925−932、Dornan et al(2009)Blood 114(13):2721−2729、米国公開第7521541号、同第7723485号、国際公開第WO2009/052249号)。これらのTHIOMAB(商標)抗体を、次いで、操作システインチオール基を通じて細胞毒性薬とコンジュゲートして、均質化学量論性(例えば、単一の操作システイン部位を有する抗体では、抗体当たり最大2つの薬物)を有するTHIOMAB(商標)抗体薬物コンジュゲート(TDC)を得ることができる。異なる抗原に対する複数の抗体を用いた研究により、TDCが、異種移植片モデルにおいては従来のADCと同程度に効力があり、関連する前臨床モデルではより高い用量に耐容することが示された。THIOMAB(商標)抗体は、抗体の異なる位置(例えば、軽鎖Fab重鎖−Fab、及び重鎖−Fc内の特定のアミノ酸位(すなわち、部位))で薬物と結合するように操作されている。THIOMAB(商標)抗体のインビトロ及びインビボでの安定性、有効性、及びPK特性により、それらの均質性及び細胞毒性薬との部位特異的コンジュゲーションに起因して、従来のADCに勝る固有の利点が得られる。

概要

反応性システイン残基により操作された、治療または診断用途を有する抗体を提供する。システイン操作抗体をコードするように、親抗体の核酸配列に変異生成を行い、1つ以上のアミノ酸残基をシステインで置き換えること、システイン操作抗体を発現させること、及びシステイン操作抗体を単離することによって、調製される重鎖または軽鎖に遊離システインアミノ酸を含む、システイン操作抗体。化学療法薬毒素ビオチンなどの親和性リガンド、及びフルオロフォアなどの検出標識とコンジュゲートすることができるシステイン操作抗体。なし

目的

図14aは、HC−A140CがLC−K149Cと比較してチューブリシンアセチル基の保護を提供する

効果

実績

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請求項1

EU番号付けによるT114C、A140C、L174C、L179C、T187C、T209C、V262C、G371C、Y373C、E382C、S424C、N434C、及びQ438Cからなる群から選択される重鎖システインアミノ酸、またはKabat番号付けによるI106C、R108C、R142C、及びK149Cからなる群から選択される軽鎖のシステインアミノ酸を含む、システイン操作抗体

請求項2

前記システイン操作抗体は、

請求項3

前記重鎖の前記システイン変異は、EU番号付けによるL174C、A140C、及びY373Cからなる群から選択される、請求項1または2に記載のシステイン操作抗体。

請求項4

前記重鎖の前記システイン変異は、EU番号付けによるA140Cである、請求項1または2に記載のシステイン操作抗体。

請求項5

前記重鎖の前記システイン変異は、EU番号付けによるL174Cである、請求項1または2に記載のシステイン操作抗体。

請求項6

前記重鎖の前記システイン変異は、EU番号付けによるY373Cである、請求項1または2に記載のシステイン操作抗体。

請求項7

前記軽鎖の前記システイン変異は、K149Cである、請求項1または2に記載のシステイン操作抗体。

請求項8

(i)前記システイン操作抗体をコードするように、1つ以上のアミノ酸残基をシステインで置き換えることによって親抗体の核酸配列に変異生成を行うことと、(ii)前記システイン操作抗体を発現させることと、(iii)前記システイン操作抗体を単離することと、を含むプロセスによって調製される、請求項1〜7のいずれかに記載のシステイン操作抗体。

請求項9

前記変異生成は、部位指向性変異生成を含む、請求項8に記載のシステイン操作抗体。

請求項10

前記システインは、遊離システインであり、前記プロセスは、(i)前記システイン操作抗体の前記遊離システインを、チオール反応性親和性試薬と反応させて、前記遊離システインに共有結合した前記親和性試薬を含む、親和性標識化システイン操作抗体を生成することと、(ii)前記親和性標識化システイン操作抗体と捕捉媒体との結合を測定することと、を更に含む、請求項8に記載のシステイン操作抗体。

請求項11

前記チオール反応性試薬は、マレイミド部分を含む、請求項10に記載のシステイン操作抗体。

請求項12

前記チオール反応性試薬は、ビオチン部分を含み、前記捕捉媒体は、ストレプトアビジンを含む、請求項10に記載のシステイン操作抗体。

請求項13

前記システイン操作抗体は、モノクローナル抗体抗体フラグメント二重特異性抗体キメラ抗体ヒト抗体、及びヒト化抗体から選択される、請求項1〜12のいずれかに記載のシステイン操作抗体。

請求項14

前記抗体フラグメントは、Fabフラグメントである、請求項1〜13のいずれかに記載のシステイン操作抗体。

請求項15

前記システイン操作抗体は、抗HER2抗体である、請求項1〜14のいずれかに記載のシステイン抗体。

請求項16

前記抗HER2抗体は、トラスツズマブである、請求項15に記載のシステイン操作抗体。

請求項17

前記システイン操作抗体は、抗Ly6E抗体である、請求項1〜14のいずれかに記載のシステイン操作抗体。

請求項18

前記抗Ly6E抗体は、(i)配列番号179のアミノ酸配列を含むHVR−H1、及び配列番号180のアミノ酸配列を含むHVR−H2、配列番号181のアミノ酸配列を含むHVR−H3、配列番号176のアミノ酸配列を含むHVR−L1、配列番号177のアミノ酸配列を含むHVR−L2、ならびに配列番号178のアミノ酸配列を含むHVR−L3、または(ii)配列番号175のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号174のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項17に記載のシステイン操作抗体。

請求項19

前記システイン操作抗体は、抗CD79b抗体である、請求項1〜14のいずれかに記載のシステイン操作抗体。

請求項20

前記抗CD79b抗体は、(i)配列番号186のアミノ酸配列を含むHVR−H1、及び配列番号187のアミノ酸配列を含むHVR−H2、配列番号188のアミノ酸配列を含むHVR−H3、配列番号189のアミノ酸配列を含むHVR−L1、配列番号190のアミノ酸配列を含むHVR−L2、ならびに配列番号191のアミノ酸配列を含むHVR−L3、または(ii)配列番号184のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号185のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項19に記載のシステイン操作抗体。

請求項21

前記システイン操作抗体は、抗MUC16抗体である、請求項1〜14のいずれかに記載のシステイン操作抗体。

請求項22

前記抗MUC16抗体は、(i)配列番号152のアミノ酸配列を含むHVR−H1、及び配列番号153のアミノ酸配列を含むHVR−H2、配列番号154のアミノ酸配列を含むHVR−H3、配列番号150のアミノ酸配列を含むHVR−L1、配列番号151のアミノ酸配列を含むHVR−L2、ならびに配列番号152のアミノ酸配列を含むHVR−L3、または(ii)配列番号156のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号157のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項21に記載のシステイン操作抗体。

請求項23

前記システイン操作抗体は、抗STEAP1抗体である、請求項1〜14のいずれかに記載のシステイン操作抗体。

請求項24

前記抗STEAP1抗体は、(i)配列番号157のアミノ酸配列を含むHVR−H1、及び配列番号158のアミノ酸配列を含むHVR−H2、配列番号159のアミノ酸配列を含むHVR−H3、配列番号160のアミノ酸配列を含むHVR−L1、配列番号161のアミノ酸配列を含むHVR−L2、ならびに配列番号162のアミノ酸配列を含むHVR−L3、または(ii)配列番号163のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号164のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項23に記載のシステイン操作抗体。

請求項25

前記システイン操作抗体は、抗NaPi2b抗体である、請求項1〜14のいずれかに記載のシステイン操作抗体。

請求項26

前記抗STEAP1抗体は、(i)配列番号165のアミノ酸配列を含むHVR−H1、及び配列番号167のアミノ酸配列を含むHVR−H2、配列番号168のアミノ酸配列を含むHVR−H3、配列番号169のアミノ酸配列を含むHVR−L1、配列番号170のアミノ酸配列を含むHVR−L2、ならびに配列番号171のアミノ酸配列を含むHVR−L3、または(ii)配列番号172のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号173のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項25に記載のシステイン操作抗体。

請求項27

前記システイン操作抗体は、抗CD22抗体である、請求項1〜14のいずれかに記載のシステイン操作抗体。

請求項28

前記抗CD22抗体は、(i)配列番号192のアミノ酸配列を含むHVR−H1、及び配列番号193のアミノ酸配列を含むHVR−H2、配列番号194のアミノ酸配列を含むHVR−H3、配列番号195のアミノ酸配列を含むHVR−L1、配列番号196のアミノ酸配列を含むHVR−L2、ならびに配列番号197のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む、請求項25に記載のシステイン操作抗体。

請求項29

前記システイン操作抗体は、受容体(1)〜(53):(1)BMPR1B(骨形成タンパク質受容体B型)、(2)E16(LAT1、SLC7A5)、(3)STEAP1(前立腺の6回膜貫通上皮抗原)、(4)0772P(CA125、MUC16)、(5)MPF(MPF、MSLN、SMR、巨核球増強因子メソテリン)、(6)Napi3b(NaPi2b、NAPI−3B、NPTIIb、SLC34A2、溶質輸送体ファミリー34(リン酸ナトリウム)、メンバー2、II型ナトリウム依存性リン酸輸送体3b)、(7)Sema5b(FLJ10372、KIAA1445、Mm.42015、SEMA5B、SEMAG、セマフォリン5bHlog、セマドメイン、7回トロンボスポンジン反復(1型及び1型様)、膜貫通ドメイン(TM)、及び短い細胞質ドメイン、(セマフォリン)5B)、(8)PSCAhlg(2700050C12Rik、C530008O16Rik、RIKEcDNA2700050C12、RIKENcDNA2700050C12遺伝子)、(9)ETBR(エンドセリンB型受容体)、(10)MSG783(RNF124、仮説上のタンパク質FLJ20315)、(11)STEAP2(HGNC_8639、IPCA−1、PCANAP1、STAMP1、STEAP2、STMP、前立腺癌関連遺伝子1、前立腺癌関連タンパク質1、前立腺の6回膜貫通上皮抗原2、6回膜貫通前立腺タンパク質)、(12)TrpM4(BR22450、FLJ20041、TRPM4、TRPM4B、一過性受容器電位カチオンチャネルサブファミリーM、メンバー4)、(13)CRIPTO(CR、CR1、CRGF、CRIPTO、TDGF1、奇形癌由来成長因子)、(14)CD21(CR2(補体受容体2)またはC3DR(C3d/エプスタイン・バーウイルス受容体)またはHs.73792)、(15)CD79b(CD79B、CD79β、IGb(免疫グロブリン関連ベータ)、B29)、(16)FcRH2(IFGP4、IRTA4、SPAP1A(SH2ドメイン含有ホスファターゼアンカータンパク質1a)、SPAP1B、SPAP1C)、(17)HER2、(18)NCA、(19)MDP、(20)IL20Rα、(21)ブレビカン、(22)EphB2R、(23)ASLG659、(24)PSCA、(25)GEDA、(26)BAFF−R(B細胞活性化因子受容体、BLyS受容体3、BR3、(27)CD22(B細胞受容体CD22−Bアイソフォーム)、(28)CD79a(CD79A、CD79α、免疫グロブリン関連アルファ、B細胞特異的タンパク質)、(29)CXCR5(バーキットリンパ腫受容体1、Gタンパク質結合型受容体)、(30)HLADOB(MHCクラスII分子ベータサブユニットIa抗原)、(31)P2X5(プリン受容体P2Xリガンド開口型イオンチャネル5)、(32)CD72(B細胞分化抗原CD72、Lyb−2)、(33)LY64(リンパ球抗原64(RP105)、ロイシンリッチ反復(LRR)ファミリーのI型膜タンパク質)、(34)FcRH1(Fc受容体様タンパク質1)、(35)IRTA2(免疫グロブリンスーパーファミリー受容体転位関連2)、(36)TENB2(推定上の膜貫通プロテオグリカン)、(37)PMEL17(silver相同体、SILV、D12S53E、PMEL17、SI、SIL)、(38)TMEFF1(EGF様ドメイン及び2つのフォリスタチン様ドメインを有する膜貫通タンパク質1、トモレグリン(Tomoregulin)1)、(39)GDNF−Ra1(GDNFファミリー受容体アルファ1、GFRA1、GDNFR、GDNFRA、RETL1、TRNR1、RET1L、GDNFR−アルファ1、GFR−アルファ−1)、(40)Ly6E(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座E、Ly67、RIG−E、SCA−2、TSA−1)、(41)TMEM46(shisa相同体2)、(42)Ly6G6D(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座G6D、Ly6−D、MEGT1)、(43)LGR5(ロイシンリッチ反復含有Gタンパク質結合型受容体5、GPR49、GPR67)、(44)RET(ret癌原遺伝子、MEN2A、HSCR1、MEN2B、MTC1、PTC、CDHF12、Hs.168114、RET51、RET−ELE1)、(45)LY6K(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座K、LY6K、HSJ001348、FLJ35226)、(46)GPR19(Gタンパク質結合型受容体19、Mm.4787)、(47)GPR54(KISS1受容体、KISS1R、GPR54、HOT7T175、AXOR12)、(48)ASPHD1(アスパラギン酸ベータヒドロキシラーゼドメイン含有1、LOC253982)、(49)チロシナーゼ(TYR、OCAIA、OCA1A、チロシナーゼ、SHEP3)、(50)TMEM118(ringフィンガータンパク質、膜貫通2、RNFT2、FLJ14627)、(51)GPR172A(Gタンパク質結合型受容体172A、GPCR41、FLJ11856、D15Ertd747e)、(52)CD33、ならびに(53)CLL−1(CLEC12A、MICL、及びDCAL2)のうちの1つ以上と結合する、請求項1〜14のいずれかに記載のシステイン操作抗体。

請求項30

前記抗体は、捕捉標識、検出標識薬物部分、または固体支持体に共有結合する、請求項1〜29のいずれかに記載のシステイン操作抗体。

請求項31

前記抗体は、ビオチン捕捉標識に共有結合する、請求項30に記載のシステイン操作抗体。

請求項32

前記抗体は、蛍光色素検出標識に共有結合する、請求項30に記載のシステイン操作抗体。

請求項33

前記蛍光色素は、フルオロセイン型、ローダミン型、ダンシル、リサミンシアニンフィコエリトリンテキサスレッド、及びこれらの類似体から選択される、請求項30に記載のシステイン操作抗体。

請求項34

前記抗体は、3H、11C、14C、18F、32P、35S、64Cu、68Ga、86Y、89Zr、99Tc、111In、123I、124I、125I、131I、133Xe、177Lu、211At、及び213Biから選択される放射性核種検出標識に共有結合する、請求項30に記載のシステイン操作抗体。

請求項35

前記抗体は、キレートリガンドによって検出標識に共有結合する、請求項30に記載のシステイン操作抗体。

請求項36

前記キレートリガンドは、DOTA、DOTP、DOTMA、DTPA、及びTETAから選択される、請求項35に記載のシステイン操作抗体。

請求項37

前記抗体は、薬物部分に共有結合して、式IAb−(L−D)pIを有する抗体−薬物コンジュゲートを形成し、式中、Abが前記抗体であり、Lがリンカーであり、Dが前記薬物部分であり、pが1、2、3、または4であり、前記薬物部分は、請求項1または2に記載の操作システインアミノ酸にコンジュゲートされる、請求項1〜36に記載のシステイン操作抗体。

請求項38

Lは、6−マレイミドカプロイル(MC)、マレイミドプロパノイル(MP)、バリンシトルリン(val−cit(−vc))、アラニンフェニルアラニン(ala−phe)、及びp−アミノベンジルオキシカルボニル(PAB)から選択される基を含む、請求項37に記載の抗体薬物コンジュゲート

請求項39

N−スクシンイミジル4−(2−ピリジルチオペンタノエート(SPP)、N−スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチルシクロヘキサン−1カルボキシレートSMCC)、4−(2−ピリジルジチオ酪酸−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(SPDB)、及びN−スクシンイミジル(4−ヨードアセチルアミノベンゾエート(SIAB)から選択されるリンカー試薬から調製される、請求項37に記載の抗体−薬物コンジュゲート。

請求項40

マレイミド、ヨードアセトアミドブロモアセトアミド、またはジスルフィドを含むリンカー試薬から調製される、請求項37に記載の抗体−薬物コンジュゲート。

請求項41

Lは、ジスルフィドリンカーを形成する、請求項37に記載の抗体−薬物コンジュゲート。

請求項42

前記リンカー試薬は、ピリジルジスルフィド(PDS)を含む、請求項40に記載の抗体−薬物コンジュゲート。

請求項43

Lは、バリン−シトルリン(val−cit(−vc))を含む、請求項37に記載の抗体−薬物コンジュゲート。

請求項44

前記薬物部分(D)は、マイタンシノイドオーリスタチンドラスタチントリコテセン、CC1065、カリケアマイシンエンジイン抗生物質タキサンピロロベンゾジアゼピン(PBD)二量体、1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール(CBI)二量体、CBI−PBDヘテロ二量体、またはアントラサイクリンである、請求項37〜43のいずれかに記載の抗体−薬物コンジュゲート。

請求項45

Dは、構造:を有するモノメチルオーリスタチン薬物部分MMAEであり、式中、波線は前記リンカーへの前記共有結合部位を示す、請求項44に記載の抗体−薬物コンジュゲート。

請求項46

前記抗体−薬物コンジュゲートは、構造:から選択され、式中、Valはバリンであり、Citはシトルリンであり、pは、1、2、3、または4である、請求項44に記載の抗体−薬物コンジュゲート。

請求項47

Dは、構造:を有するPBD二量体薬物、ならびにその塩及び溶媒和物であり、波線は、リンカーへの共有結合部分を示し、点線は、C1とC2またはC2とC3の間の二重結合の任意の存在を示し、R2は、独立して、H、OH、=O、=CH2、CN、R、OR、=CH−RD、=C(RD)2、O−SO2−R、CO2R、及びCORから選択され、任意にハロまたはジヒドロから更に選択され、式中、RDは、独立して、R、CO2R、COR、CHO、CO2H、及びハロから選択され、R6及びR9は、独立して、H、R、OH、OR、SH、SR、NH2、NHR、NRR’、NO2、Me3Sn、及びハロから選択され、R7は、独立して、H、R、OH、OR、SH、SR、NH2、NHR、NRR’、NO2、Me3Sn、及びハロから選択され、Qは、独立して、O、S、及びNHから選択され、R11は、H若しくはRであるか、またはQがOである場合にはSO3Mであるかのいずれかであり、式中、Mは金属カチオンであり、R及びR’は、それぞれ独立して、任意に置換されたC1−8アルキル、C1−12アルキル、C3−8ヘテロシクリル、C3−20複素環、及びC5−20アリール基から選択され、任意に基NRR’との関連で、R及びR’は、それらが結合する窒素一緒に、任意に置換された4、5、6、または7員の複素環式環を形成し、R12、R16、R19、及びR17は、それぞれR2、R6、R9、及びR7に関して定義される通りであり、R″は、C3−12アルキレン基であり、その鎖は、1つ以上のヘテロ原子、例えば、O、S、N(H)、NMe、及び/または芳香環、例えば、ベンゼン若しくはピリジンによって分断されてもよく、これらの環は、任意に置換されており、X及びX’は、独立して、O、S、及びN(H)から選択される、請求項44に記載の抗体薬物コンジュゲート。

請求項48

前記PBD二量体の構造は、であり、その塩及び溶媒和物が含まれ、波線は、前記リンカーへの前記共有結合部位を示し、OHに繋がった波線は、SまたはR立体配置を示し、RV1及びRV2は、独立して、H、メチル、エチル、及びフェニル(このフェニルは、特に4位においてフルオロで任意に置換されてもよい)、ならびにC5−6ヘテロシクリルから選択され、RV1及びRV2は、同じかまたは異なってもよく、nは、0または1である、請求項47に記載の抗体薬物コンジュゲート。

請求項49

から選択される、請求項47に記載の抗体薬物コンジュゲート。

請求項50

Dは、構造:を有するCBI二量体であり、式中、R1は、H、P(O)3H2、C(O)NRaRb、またはリンカー(L)への結合から選択され、R2は、H、P(O)3H2、C(O)NRaRb、またはリンカー(L)への結合から選択され、Ra及びRbは、独立して、H、及び1つ以上の抗体Fで任意に置換されたC1−C6アルキルから選択されるか、またはRa及びRbは、5若しくは6員のヘテロシクリル基を形成し、Tは、C3−C12アルキレン、Y、(C1−C6アルキレン)−Y−(C1−C6アルキレン)、(C1−C6アルキレン)−Y−(C1−C6アルキレン)−Y−(C1−C6アルキレン)、(C2−C6アルケニレン)−Y−(C2−C6アルケニレン)、及び(C2−C6アルケニレン)−Y−(C2−C6アルケニレン)から選択される、連結基であり、式中、Yは、独立して、O、S、NR1、アリール、及びヘテロアリールから選択され、アルキレン、アルケニレン、アリール、及びヘテロアリールは、独立して、かつ任意に、F、OH、O(C1−C6アルキル)、NH2、NHCH3、N(CH3)2、OP(O)3H2、及びC1−C6アルキルで置換され、アルキルは、1つ以上のFで任意に置換されるか、またはアルキレン、アルケニレン、アリール、及びヘテロアリールは、独立して、かつ任意に、Lへの結合で置換され、D’は、から選択される薬物部分であり、式中、波線は、Tへの結合部位を示し、X1及びX2は、独立して、O及びNR3から選択され、R3は、H、及び1つ以上の任意Fで任意に置換されたC1−C6アルキルから選択され、R4は、H、CO2R、またはリンカー(L)への結合であり、Rは、C1−C6アルキルまたはベンジルであり、R5は、HまたはC1−C6アルキルである、請求項44に記載のシステイン操作抗体。

請求項51

から選択される、請求項50に記載の抗体薬物コンジュゲート。

請求項52

システイン操作抗体(Ab)の少なくとも1つのシステインを、リンカー−薬物中間体と反応させて、式Iを有する抗体−薬物コンジュゲートを形成することを含み、Ab−(L−D)pI式中、Abは、請求項1〜50のいずれかに記載のシステイン操作抗体であり、Lはリンカーであり、Dは薬物部分であり、pは1、2、3、または4であり、前記システイン操作抗体は、1つ以上のシステインアミノ酸を含む、抗体−薬物コンジュゲートの調製方法

請求項53

前記システイン変異は、EU番号付けによるHC−L174C、HC−A140C、及びHC−Y373Cからなる群から選択される、請求項52に記載の抗体−薬物コンジュゲートの調製方法。

請求項54

前記システイン変異は、EU番号付けによるHC−A140Cである、請求項52に記載の抗体−薬物コンジュゲートの調製方法。

請求項55

前記システイン変異は、EU番号付けによるHC−L174Cである、請求項52に記載の抗体−薬物コンジュゲートの調製方法。

請求項56

前記システイン変異は、EU番号付けによるHC−A373Cである、請求項52に記載の抗体−薬物コンジュゲートの調製方法。

請求項57

前記システイン変異は、LC−K149Cである、請求項52に記載の抗体−薬物コンジュゲートの調製方法。

請求項58

前記システイン操作抗体は、EU番号付けによるA140Cの重鎖変異を有し、Lは、ピリジルジスルフィド(PDS)を含み、Dは、CBI−PBDヘテロ二量体、クリプトフィシンタキソイド、及びチューブリシン(tubulysin)Mからなる群から選択される、請求項37に記載の抗体薬物コンジュゲート。

請求項59

前記システイン操作抗体は、EU番号付けによるA140Cの重鎖変異を有し、Lは、−vcリンカーを含み、Dは、CBI−PBDヘテロ二量体、クリプトフィシン、タキソイド、及びチューブリシンMからなる群から選択される、請求項37に記載の抗体薬物コンジュゲート。

請求項60

Dは、前記CBI−PBDヘテロ二量体:である、請求項59に記載の抗体薬物コンジュゲート。

請求項61

前記システイン操作抗体は、EU番号付けによるR142C及びK149Cからなる群から選択される軽鎖変異を有し、Lは、ピリジルジスルフィド(PDS)を含む、請求項37に記載の抗体薬物コンジュゲート。

請求項62

前記システイン操作抗体は、EU番号付けによるA140C、L174C、L179C、G371C、Y373C、及びS424Cからなる群から選択される重鎖変異を有し、Lは、ピリジルジスルフィド(PDS)を含む、請求項37に記載の抗体薬物コンジュゲート。

請求項63

前記システイン操作抗体は、EU番号付けによるL106C及びR108Cからなる群から選択される軽鎖変異を有し、Lは−vcリンカーである、請求項37に記載の抗体薬物コンジュゲート。

請求項64

前記システイン操作抗体は、EU番号付けによるT114C、T187C、T209C、V262C、G371C、E382C、及びN434Cからなる群から選択される重鎖変異を有し、Lは−vcリンカーである、請求項37に記載の抗体薬物コンジュゲート。

請求項65

前記抗体薬物コンジュゲートは、表18または表19に列挙される抗体薬物コンジュゲートのうちの1つから選択される、抗体薬物コンジュゲート。

請求項66

請求項1〜65のいずれかに記載のシステイン操作抗体または抗体薬物コンジュゲートを含む、薬学的組成物

技術分野

0001

関連出願の参照

0002

本出願は、2014年9月12日に出願された米国仮出願第62/050,022号の優先権の利益を主張し、この仮出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

0003

本発明は、概して、反応性システイン残基により操作された抗体に関し、より具体的には、治療または診断用途を有する抗体に関する。システイン操作抗体は、化学療法薬毒素ビオチンなどの親和性リガンド、及びフルオロフォアなどの検出標識コンジュゲートすることができる。本発明はまた、インビトロインサイツ、及びインビボでの哺乳動物細胞または関連する病態診断または治療に抗体及び抗体−薬物のコンジュゲート化合物を使用する方法にも関する。

背景技術

0004

抗体薬物コンジュゲートADC)は、強力な細胞毒性薬の標的を抗原発現腫瘍細胞に定め、それによって抗腫瘍活性を高めることによって、抗体と細胞毒性薬の両方の理想的な特性を組み合わせているため、標的が定められた有望な化学療法分子である。所与標的抗原のためのADC開発の成功は、抗体の選択、リンカーの安定性、細胞毒性薬の効力、及びリンカー−薬物を抗体にコンジュゲートする様式を最適化することに依存する。

0005

薬物部分を抗体に結合させる従来の手段、すなわち共有結合にる連結は、一般に、薬物部分が抗体の多くの部位に結合した不均質な分子の混合物をもたらす。例えば、細胞毒性薬は、典型的に、抗体に多数存在するリジン残基を介して抗体にコンジュゲートされており、不均質な抗体−薬物コンジュゲート混合物が生成される。反応条件に応じて、不均質混合物は、通常、0〜約8個、またはそれ以上の薬物部分が結合した抗体が分散して含まれている。加えて、薬物部分と抗体との比が特定の整数比であるコンジュゲートの各サブグループ内には、薬物部分が抗体の様々な部位に結合している不均質である可能性のある混合物がある。コンジュゲーション反応により得られる不均質混合物に含まれる抗体−薬物コンジュゲート種の分子を分類し、特徴付けるには、分析方法及び調製方法不適切である。抗体は、大型の複雑かつ構造的に多様な生体分子であり、多数の反応性官能基を有することが多い。リンカー試薬及び薬物−リンカー中間体とのそれらの反応性は、pH、濃度、塩濃度、及び共溶媒などの因子に依存する。更に、複数ステップのコンジュゲーションプロセスは、反応条件の制御ならびに反応物質及び中間体の特徴付けが困難であることから、再現できない可能性がある。

0006

pH7付近プロトン化され、求核性が低いほとんどのアミンとは異なり、システインチオール中性pHで反応する。遊離チオール(RSH、スルフヒドリル)基は比較的反応性が高いため、システイン残基を有するタンパク質は、ジスルフィド結合したオリゴマーとしてその酸化形態で存在するか、またはジスルフィド基内部架橋していることが多い。抗体のシステインチオール基は、一般に、抗体のアミンまたはヒドロキシル基よりも求電子性コンジュゲーション試薬に対する反応性が高い、すなわち、求核性が高い。タンパク質の様々なアミノ酸残基をシステインアミノ酸に変異させることによるシステインチオール基の操作には問題が生じる場合があり、特に、不対遊離Cys)残基または反応若しくは酸化が比較的起こりやすい残基の場合に問題が生じる場合がある。大腸菌周辺質中培養上清中、または部分的若しくは完全に精製されたタンパク質中のいずれにせよ、タンパク質の濃縮溶液中では、タンパク質の表面上の不対Cys残基対合し、酸化して、分子間ジスルフィドが形成され、それによってタンパク質二量体または多量体が形成される。ジスルフィド二量体の形成により、新たなCysは、薬物、リガンド、または他の標識に対するコンジュゲーションについて非反応性となる。更に、タンパク質が、酸化により新たに操作されたCys残基と既存のCys残基との間で分子間ジスルフィドを形成した場合、いずれのCys基も、活性部位関与及び相互作用に利用することができない。更に、このタンパク質は、誤った折り畳みまたは三次構造喪失により不活性または非特異的となり得る(Zhang et al(2002)Anal. Biochem. 311:1−9)。

0007

操作システインをコンジュゲーションに利用することができる部位にシステイン置換を有する抗体(THIOMAB(商標)抗体)は、しかしながら、免疫グロブリンの折り畳み及び組み立てを乱すことも抗原の結合及びエフェクター機能を変化させることもない(Junutula,et al.,2008b Nature Biotech.,26(8):925−932、Dornan et al(2009)Blood 114(13):2721−2729、米国公開第7521541号、同第7723485号、国際公開第WO2009/052249号)。これらのTHIOMAB(商標)抗体を、次いで、操作システインチオール基を通じて細胞毒性薬とコンジュゲートして、均質化学量論性(例えば、単一の操作システイン部位を有する抗体では、抗体当たり最大2つの薬物)を有するTHIOMAB(商標)抗体薬物コンジュゲート(TDC)を得ることができる。異なる抗原に対する複数の抗体を用いた研究により、TDCが、異種移植片モデルにおいては従来のADCと同程度に効力があり、関連する前臨床モデルではより高い用量に耐容することが示された。THIOMAB(商標)抗体は、抗体の異なる位置(例えば、軽鎖Fab重鎖−Fab、及び重鎖−Fc内の特定のアミノ酸位(すなわち、部位))で薬物と結合するように操作されている。THIOMAB(商標)抗体のインビトロ及びインビボでの安定性、有効性、及びPK特性により、それらの均質性及び細胞毒性薬との部位特異的コンジュゲーションに起因して、従来のADCに勝る固有の利点が得られる。

0008

本出願は、重鎖または軽鎖に遊離システインアミノ酸を含む新規な単離システイン操作抗体(THIOMAB(商標)抗体)の開示を含む。

0009

本発明の一態様は、システイン操作抗体をコードするように、1つ以上のアミノ酸残基をシステインで置き換えることによって親抗体の核酸配列に変異生成を行い、システイン操作抗体を発現させ、システイン操作抗体を単離することによって、単離システイン操作抗体(THIOMAB(商標)抗体)を調製するためのプロセスである。

0010

本発明の別の態様は、単離システイン操作抗体(THIOMAB(商標)抗体)を捕捉標識、検出標識、薬物部分、または固体支持体に共有結合させた、該抗体のコンジュゲートである。

0011

ある特定の実施形態では、本発明は、表1〜4のいずれかにおいて、好ましくは表1または2のいずれかにおいて特定されるシステイン変異から選択されるシステイン変異を含む、システイン操作抗体である。具体的な実施形態では、システイン変異は、遊離システインアミノ酸である。ある特定の実施形態では、重鎖におけるシステイン変異は、表2または3に特定されるシステイン変異から選択される。ある特定の実施形態では、軽鎖におけるシステイン変異は、表1または4に特定されるシステイン変異から選択される。ある特定の実施形態では、システイン変異は、HC−I195C、HC−S420C、HC−Y432C、及びLC−G64C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、システイン変異は、HC−Y432C及びLC−G64C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、システイン変異は、重鎖変異であり、かつY33C、G162C、V184C、I195C、S420C、Y432C、及びQ434C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、システイン変異は、重鎖変異であり、かつR19C、E46C、T57C、Y59C、A60C、M100cC、W103C、G162C、I195C、V258C、S420C、H425C、及びN430C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、システイン変異は、重鎖変異であり、かつY33C、G162C、V184C、及びI195C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、システイン変異は、重鎖変異であり、R19C、E46C、Y59C、A60C、M100cC、W103C、V258C、H425C、及びN430C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。

0012

ある特定の実施形態では、システイン変異は、軽鎖変異であり、かつY55C、G64C、T85C、T180C、及びN430C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、システイン変異は、軽鎖変異であり、かつT31C、S52C、G64C、R66C、A193C、及びN430C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、システイン変異は、軽鎖変異であり、かつG64C、T85C、T180C、及びN430C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、システイン変異は、軽鎖変異であり、かつS52C、G64C、R66C、及びA193C、N430C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。具体的な実施形態では、軽鎖におけるシステイン変異は、Kabat番号付けに基づいてLC−I106C、LC−R108C、LC−R142C、及びLC−K149Cを含むシステイン変異の群から選択される(図1a、表1を参照されたい)。好ましい実施形態では、軽鎖におけるシステイン変異は、Kabat番号付けに基づいてLC−K149Cである(図1aを参照されたい)。
表1.例示的な軽鎖システイン変異

0013

好ましい実施形態では、重鎖におけるシステイン変異は、EU番号付けによるHC−T114C、HC−A140C、HC−L174C、HC−L179C、HC−T187C、HC−T209C、HC−V262C、HC−G371C、HC−Y373C、HC−E382C、HC−S424C、HC−N434C、及びHC−Q438Cを含むシステイン変異の群から選択される(図1b、表2を参照されたい)。好ましい実施形態では、重鎖におけるシステイン変異は、Kabat番号付けによるHC−A143C(すなわち、EU番号付けによるHC−A140C)である(図1b及び21、表2を参照されたい)。好ましい実施形態では、重鎖におけるシステイン変異は、EU番号付けによるHC−A174Cである(図1b及び21、表2を参照されたい)。
表2.例示的な重鎖システイン変異

0014

ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、
(i)システイン操作抗体をコードするように、1つ以上のアミノ酸残基をシステインで置き換えることによって親抗体の核酸配列に変異生成を行うことと、
(ii)前記システイン操作抗体を発現させることと、
(iii)システイン操作抗体を単離することと、を含むプロセスによって調製される。

0015

ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、アルブミン結合ペプチド(ABP)を含む融合タンパク質である。具体的な実施形態では、ABPは、
a)CDKTHTGGGSQRLMEDICLPRWGCLWDDF(配列番号144)、
b)QRLMEDICLPRWGCLWEDDF(配列番号145)、
c)QRLIEDICLPRWGCLWEDDF(配列番号146)、
d)RLIEDICLPRWGCLWEDD(配列番号147)、または
e)DICLPRWGCLW(配列番号148)から選択される配列を含む。

0016

ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、モノクローナル抗体抗体フラグメント二重特異性抗体キメラ抗体ヒト抗体、及びヒト化抗体から選択される。具体的な実施形態では、抗体フラグメントは、Fabフラグメントである。

0017

ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、抗HER2抗体である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、抗MUC16抗体である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、抗STEAP1抗体である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、抗CD79b抗体である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、抗CD22抗体である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、抗B7H4抗体である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、抗Ly6E抗体である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、抗NaPi2b抗体である。

0018

ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、以下の受容体(1)〜(53)のうちの1つ以上に結合する:
(1)BMPR1B(骨形成タンパク質受容体B型)、
(2)E16(LAT1、SLC7A5)、
(3)STEAP1(前立腺の6回膜貫通上皮抗原)、
(4)0772P(CA125、MUC16)、
(5)MPF(MPF、MSLN、SMR、巨核球増強因子メソテリン)、
(6)Napi3b(NaPi2bとしても知られる)(NAPI−3B、NPTIIb、SLC34A2、溶質輸送体ファミリー34(リン酸ナトリウム)、メンバー2、II型ナトリウム依存性リン酸輸送体3b)、
(7)Sema 5b(FLJ10372、KIAA1445、Mm.42015、SEMA5B、SEMAG、セマフォリン5b Hlog、セマドメイン、7回トロンボスポンジン反復(1型及び1型様)、膜貫通ドメイン(TM)、及び短い細胞質ドメイン、(セマフォリン)5B)、
(8)PSCAhlg(2700050C12Rik、C530008O16Rik、RIKEcDNA2700050C12、RIKEN cDNA 2700050C12遺伝子)、
(9)ETBR(エンドセリンB型受容体)、
(10)MSG783(RNF124、仮説上のタンパク質FLJ20315)、
(11)STEAP2(HGNC_8639、IPCA−1、PCANAP1、STAMP1、STEAP2、STMP、前立腺癌関連遺伝子1、前立腺癌関連タンパク質1、前立腺の6回膜貫通上皮抗原2、6回膜貫通前立腺タンパク質)、
(12)TrpM4(BR22450、FLJ20041、TRPM4、TRPM4B、一過性受容器電位カチオンチャネルサブファミリーM、メンバー4)、
(13)CRIPTO(CR、CR1、CRGF、CRIPTO、TDGF1、奇形癌由来成長因子)、
(14)CD21(CR2(補体受容体2)またはC3DR(C3d/エプスタイン・バーウイルス受容体)またはHs.73792)、
(15)CD79b(CD79B、CD79β、IGb(免疫グロブリン関連ベータ)、B29)、
(16)FcRH2(IFGP4、IRTA4、SPAP1A(SH2ドメイン含有ホスファターゼアンカータンパク質1a)、SPAP1B、SPAP1C)、
(17)HER2、
(18)NCA、
(19)MDP
(20)IL20Rα、
(21)ブレビカン
(22)EphB2R、
(23)ASLG659、
(24)PSCA、
(25)GEDA、
(26)BAFF−R(B細胞活性化因子受容体、BLyS受容体3、BR3、
(27)CD22(B細胞受容体CD22−Bアイソフォーム)、
(28)CD79a(CD79A、CD79α、免疫グロブリン関連アルファ、B細胞特異的タンパク質)、
(29)CXCR5(バーキットリンパ腫受容体1、Gタンパク質結合型受容体)、
(30)HLADOB(MHCクラスII分子ベータサブユニットIa抗原)、
(31)P2X5(プリン受容体P2Xリガンド開口型イオンチャネル5)、
(32)CD72(B細胞分化抗原CD72、Lyb−2)、
(33)LY64(リンパ球抗原64(RP105)、ロイシンリッチ反復(LRR)ファミリーのI型膜タンパク質)、
(34)FcRH1(Fc受容体様タンパク質1)、
(35)IRTA2(免疫グロブリンスーパーファミリー受容体転位関連2)、
(36)TENB2(推定上の膜貫通プロテオグリカン)、
(37)PMEL17(silver相同体、SILV、D12S53E、PMEL17、SI、SIL)、
(38)TMEFF1(EGF様ドメイン及び2つのフォリスタチン様ドメインを有する膜貫通タンパク質1、トモレグリン(Tomoregulin)1)、
(39)GDNF−Ra1(GDNFファミリー受容体アルファ1、GFRA1、GDNFR、GDNFRA、RETL1、TRNR1、RET1L、GDNFR−アルファ1、GFR−アルファ−1)、
(40)Ly6E(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座E、Ly67、RIG−E、SCA−2、TSA−1)、
(41)TMEM46(shisa相同体2)、
(42)Ly6G6D(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座G6D、Ly6−D、MEGT1)、
(43)LGR5(ロイシンリッチ反復含有Gタンパク質結合型受容体5、GPR49、GPR67)、
(44)RET(ret癌原遺伝子、MEN2A、HSCR1、MEN2B、MTC1、PTC、CDHF12、Hs.168114、RET51、RET−ELE1)、
(45)LY6K(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座K、LY6K、HSJ001348、FLJ35226)、
(46)GPR19(Gタンパク質結合型受容体19、Mm.4787)、
(47)GPR54(KISS1受容体、KISS1R、GPR54、HOT7T175、AXOR12)、
(48)ASPHD1(アスパラギン酸ベータヒドロキシラーゼドメイン含有1、LOC253982)、
(49)チロシナーゼ(TYR、OCAIA、OCA1A、チロシナーゼ、SHEP3)、
(50)TMEM118(ringフィンガータンパク質、膜貫通2、RNFT2、FLJ14627)、
(51)GPR172A(Gタンパク質結合型受容体172A、GPCR41、FLJ11856、D15Ertd747e)、
(52)CD33、ならびに
(53)CLL−1(CLEC12A、MICL、及びDCAL2)。

0019

ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、捕捉標識、検出標識、薬物部分、または固体支持体に共有結合する。具体的な実施形態では、抗体は、ビオチン捕捉標識に共有結合する。具体的な実施形態では、抗体は、蛍光色素検出標識に共有結合する。具体的な実施形態では、蛍光色素は、フルオロセイン型、ローダミン型、ダンシル、リサミンシアニンフィコエリトリンテキサスレッド、及びこれらの類似体から選択される。具体的な実施形態では、抗体は、3H、11C、14C、18F、32P、35S、64Cu、68Ga、86Y、89Zr、99Tc、111In、123I、124I、125I、131I、133Xe、177Lu、211At、及び213Biから選択される放射性核種検出標識に共有結合する。具体的な実施形態では、抗体は、キレートリガンドによって検出標識に共有結合する。具体的な実施形態では、キレートリガンドは、DOTA、DOTP、DOTMA、DTPA、及びTETAから選択される。

0020

ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、マイタンシノイドオーリスタチンドラスタチントリコテセン、CC1065、カリケアマイシンエンジイン抗生物質タキサン、及びアントラサイクリンから選択される薬物部分と共有結合して、式I(すなわち、Ab−(L−D)p)を有し、式中、Abが抗体であり、Lがリンカーであり、Dが薬物部分であり、pが1、2、3、または4である、抗体−薬物コンジュゲートを形成する。具体的な実施形態では、抗体−薬物コンジュゲートは、構造

0021

具体的な実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体にコンジュゲートされる式Iの薬物(D)は、次の構造を有するマイタンシノイドであり、

0022

式中、波線は、Dの硫黄原子とリンカーとの共有結合を示し、Rは、独立して、H、メチルエチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−メチル−1−プロピル、2−ブチル、2−メチル−2−プロピル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−1−ブチル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、及び3,3−ジメチル−2−ブチルから選択され、mは、1、2、または3である。

0023

具体的な実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体にコンジュゲートされる式Iの薬物(D)は、以下の構造:

から選択される。

0024

具体的な実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体にコンジュゲートされる式Iの薬物(D)は、以下の構造:

を有し、式中、nは、0、1、または2である。

0025

具体的な実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体にコンジュゲートされる式Iの薬物(D)は、以下の構造:

を有する、モノメチルオーリスタチン薬物部分MMAEまたはMMAFである。

0026

本発明のある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、以下の構造:

のうちの1つを有し、式中、Valはバリンであり、Citはシトルリンであり、pは、1、2、3、または4である。本発明のある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、以下の構造を有する。

0027

ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、本明細書の後の節でより詳細に説明される、次のクラスのうちのいずれかに含まれる薬物にコンジュゲートされる:オーリスタチン、ドラスタチン、トリコテセン、CC1065、カリケアマイシン、エンジイン抗生物質、タキサン、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)、1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール(CBI)二量体、CBI−PBDヘテロ二量体、及びアントラサイクリン。

0028

ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体のリンカー(L)は、チオール反応性物質を含む。具体的な実施形態では、リンカー(L)は、マレイミドヨードアセトアミド、及びピリジルジスルフィドからなる群から選択される。具体的な実施形態では、リンカー(L)は、ピリジルジスルフィドである。具体的な実施形態では、リンカー(L)はピリジルジスルフィドであり、薬物(D)はMMAEである。

0029

ある特定の実施形態において、本発明は、抗体−薬物コンジュゲートを調製する方法を含み、この方法には、システイン操作抗体(Ab)の少なくとも1つの遊離システインをリンカー−薬物(L−D)試薬と反応させて、式(すなわち、Ab−(L−D)p)を有し、式中、Abはシステイン操作抗体であり、Lはリンカーであり、Dは薬物部分であり、pは1、2、3、または4である、抗体−薬物コンジュゲートを形成することが含まれ、ここで、システイン操作抗体は、1つ以上の遊離システインアミノ酸を含み、少なくとも1つの遊離システインアミノ酸は、表1または2のいずれかで特定されるシステイン変異から選択されるか、あるいは表3または4で特定される代替の安定なシステイン変異から選択される。ある特定の実施形態において、本発明は、抗体−薬物コンジュゲートを調製する方法を含み、この方法には、システイン操作抗体(Ab)の少なくとも1つの遊離システインをリンカー−薬物(L−D)試薬と反応させて、式(すなわち、Ab−(L−D)p)を有し、式中、Abはシステイン操作抗体であり、Lはリンカーであり、Dは薬物部分であり、pは1、2、3、または4である、抗体−薬物コンジュゲートを形成することが含まれ、ここで、システイン操作抗体は、1つ以上の遊離システインアミノ酸を含み、少なくとも1つの遊離システインアミノ酸は、好ましくは、表1及び2で特定されるシステイン変異から選択されるか、あるいは表3または4で特定される代替の安定なシステイン変異から選択される。

0030

具体的な実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン変異は、重鎖にあり、かつ表2または3に特定されているシステイン変異から選択される。具体的な実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン変異は、軽鎖にあり、かつ表1及び4に特定されているシステイン変異から選択される。好ましい実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン変異は、図21に特定されているシステイン変異から選択される。他の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン変異は、表5に特定されているシステイン変異から選択される。ある特定の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン変異は、HC−I195C、HC−S420C、HC−Y432C、及びLC−G64C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン変異は、HC−Y432C及びLC−G64C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン変異は、重鎖変異であり、かつY33C、G162C、V184C、I195C、S420C、Y432C、及びQ434C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン変異は、重鎖変異であり、かつR19C、E46C、T57C、Y59C、A60C、M100cC、W103C、G162C、I195C、V258C、S420C、H425C、及びN430C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン変異は、重鎖変異であり、かつY33C、G162C、V184C、及びI195C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン変異は、重鎖変異であり、かつR19C、E46C、Y59C、A60C、M100cC、W103C、V258C、H425C、及びN430C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン変異は、軽鎖にあり、かつY55C、G64C、T85C、及びT180C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン変異は、軽鎖にあり、かつT31C、S52C、G64C、R66C、A193C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン変異は、軽鎖にあり、かつG64C、T85C、及びT180C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン変異は、軽鎖にあり、かつS52C、G64C、R66C、及びA193C(Kabat番号付けによる)からなる群から選択される。

0031

好ましい実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、軽鎖におけるシステイン変異は、Kabat番号付けによるLC−I106C、LC−R108C、LC−R142C、及びLC−K149Cを含むシステイン変異の群から選択される(図1a及び21を参照されたい)。好ましい実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、軽鎖におけるシステイン変異は、Kabat番号付けによるLC−K149Cである(図1a及び21ならびに表1を参照されたい)。

0032

好ましい実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、重鎖におけるシステイン変異は、EU番号付けによるHC−T114C、HC−A140C、HC−L174C、HC−L179C、HC−T187C、HC−T209C、HC−V262C、HC−G371C、HC−Y373C、HC−E382C、HC−S424C、HC−N434C、及びHC−Q438Cを含むシステイン変異からなる群から選択される(図1b及び21ならびに表2を参照されたい)。好ましい実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、重鎖におけるシステイン変異は、EU番号付けによるHC−A140C(すなわち、Kabat番号付けによるHC−A136C)である(図1b及び21ならびに表2を参照されたい)。好ましい実施形態において、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、重鎖におけるシステイン変異は、EU番号付けによるHC−L174Cである(図1b及び21ならびに表2を参照されたい)。

0033

ある特定の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン操作抗体は、
(i)システイン操作抗体をコードするように、1つ以上のアミノ酸残基をシステインで置き換えることによって親抗体の核酸配列に変異生成を行うことと、
(ii)前記システイン操作抗体を発現させることと、
(iii)システイン操作抗体を単離することと、を含むプロセスによって調製される。

0034

ある特定の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン操作抗体は、アルブミン結合ペプチド(ABP)を含む融合タンパク質である。具体的な実施形態では、ABPは、
a)CDKTHTGGGSQRLMEDICLPRWGCLWEDDF(配列番号144)、
b)QRLMEDICLPRWGCLWEDDF(配列番号145)、
c)QRLIEDICLPRWGCLWEDDF(配列番号146)、
d)RLIEDICLPRWGCLWEDD(配列番号147)、または
e)DICLPRWGCLW(配列番号148)から選択される配列を含む。

0035

ある特定の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン操作抗体は、モノクローナル抗体、抗体フラグメント、二重特異性抗体、ヒト抗体、及びヒト化抗体から選択される。具体的な実施形態では、抗体フラグメントは、Fabフラグメントである。

0036

ある特定の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン操作抗体は、抗HER2抗体である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、抗MUC16抗体である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、抗STEAP1抗体である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、抗CD79b抗体である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、抗CD22抗体である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、抗B7H4抗体である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、抗Ly6E抗体である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、抗NaPi2b抗体である。

0037

ある特定の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン操作抗体は受容体(1)〜(53)のうちの1つ以上に結合する:
(1)BMPR1B(骨形成タンパク質受容体IB型)、
(2)E16(LAT1、SLC7A5)、
(3)STEAP1(前立腺の6回膜貫通上皮抗原)、
(4)0772P(CA125、MUC16)、
(5)MPF(MPF、MSLN、SMR、巨核球増強因子、メソテリン)、
(6)Napi3b(NaPi2bとしても知られる)(NAPI−3B、NPTIIb、SLC34A2、溶質輸送体ファミリー34(リン酸ナトリウム)、メンバー2、II型ナトリウム依存性リン酸輸送体3b)、
(7)Sema 5b(FLJ10372、KIAA1445、Mm.42015、SEMA5B、SEMAG、セマフォリン5b Hlog、セマドメイン、7回トロンボスポンジン反復(1型及び1型様)、膜貫通ドメイン(TM)、及び短い細胞質ドメイン、(セマフォリン)5B)、
(8)PSCAhlg(2700050C12Rik、C530008O16Rik、RIKENcDNA2700050C12、RIKEN cDNA 2700050C12遺伝子)、
(9)ETBR(エンドセリンB型受容体)、
(10)MSG783(RNF124、仮説上のタンパク質FLJ20315)、
(11)STEAP2(HGNC_8639、IPCA−1、PCANAP1、STAMP1、STEAP2、STMP、前立腺癌関連遺伝子1、前立腺癌関連タンパク質1、前立腺の6回膜貫通上皮抗原2、6回膜貫通前立腺タンパク質)、
(12)TrpM4(BR22450、FLJ20041、TRPM4、TRPM4B、一過性受容器電位カチオンチャネル、サブファミリーM、メンバー4)、
(13)CRIPTO(CR、CR1、CRGF、CRIPTO、TDGF1、奇形癌由来の成長因子)、
(14)CD21(CR2(補体受容体2)またはC3DR(C3d/エプスタイン・バーウイルス受容体)またはHs.73792)、
(15)CD79b(CD79B、CD79β、IGb(免疫グロブリン関連ベータ)、B29)、
(16)FcRH2(IFGP4、IRTA4、SPAP1A(SH2ドメイン含有ホスファターゼアンカータンパク質1a)、SPAP1B、SPAP1C)、
(17)HER2、
(18)NCA、
(19)MDP、
(20)IL20Rα、
(21)ブレビカン、
(22)EphB2R、
(23)ASLG659、
(24)PSCA、
(25)GEDA、
(26)BAFF−R(B細胞活性化因子受容体、BLyS受容体3、BR3、
(27)CD22(B細胞受容体CD22−Bアイソフォーム)、
(28)CD79a(CD79A、CD79α、免疫グロブリン関連アルファ、B細胞特異的タンパク質)、
(29)CXCR5(バーキットリンパ腫受容体1、Gタンパク質結合型受容体)、
(30)HLA−DOB(MHCクラスII分子のベータサブユニット(Ia抗原)、
(31)P2X5(プリン受容体P2Xリガンド開口型イオンチャネル5)、
(32)CD72(B細胞分化抗原CD72、Lyb−2)、
(33)LY64(リンパ球抗原64(RP105)、ロイシンリッチ反復(LRR)ファミリーのI型膜タンパク質)、
(34)FcRH1(Fc受容体様タンパク質1)、
(35)IRTA2(免疫グロブリンスーパーファミリー受容体転位関連2)、
(36)TENB2(推定上の膜貫通プロテオグリカン)、
(37)PMEL17(silver相同体、SILV、D12S53E、PMEL17、SI、SIL)、
(38)TMEFF1(EGF様ドメイン及び2つのフォリスタチン様ドメインを有する膜貫通タンパク質1、トモレグリン(Tomoregulin)1)、
(39)GDNF−Ra1(GDNFファミリー受容体アルファ1、GFRA1、GDNFR、GDNFRA、RETL1、TRNR1、RET1L、GDNFR−アルファ1、GFR−アルファ−1)、
(40)Ly6E(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座E、Ly67、RIG−E、SCA−2、TSA−1)、
(41)TMEM46(shisa相同体2)、
(42)Ly6G6D(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座G6D、Ly6−D、MEGT1)、
(43)LGR5(ロイシンリッチ反復含有Gタンパク質結合型受容体5、GPR49、GPR67)、
(44)RET(ret癌原遺伝子、MEN2A、HSCR1、MEN2B、MTC1、PTC、CDHF12、Hs.168114、RET51、RET−ELE1)、
(45)LY6K(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座K、LY6K、HSJ001348、FLJ35226)、
(46)GPR19(Gタンパク質結合型受容体19、Mm.4787)、
(47)GPR54(KISS1受容体、KISS1R、GPR54、HOT7T175、AXOR12)、
(48)ASPHD1(アスパラギン酸ベータヒドロキシラーゼドメイン含有1、LOC253982)、
(49)チロシナーゼ(TYR、OCAIA、OCA1A、チロシナーゼ、SHEP3)、
(50)TMEM118(ringフィンガータンパク質、膜貫通2、RNFT2、FLJ14627)、
(51)GPR172A(Gタンパク質結合型受容体172A、GPCR41、FLJ11856、D15Ertd747e)、
(52)CD33、ならびに
(53)CLL−1(CLEC12A、MICL、及びDCAL2)。

0038

ある特定の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン操作抗体は、捕捉標識、検出標識、薬物部分、または固体支持体に共有結合する。具体的な実施形態では、抗体は、ビオチン捕捉標識に共有結合する。ある特定の実施形態では、抗体は、蛍光色素検出標識に共有結合する。ある特定の実施形態では、蛍光色素は、フルオロセイン型、ローダミン型、ダンシル、リサミン、シアニン、フィコエリトリン、テキサスレッド、及びこれらの類似体から選択される。ある特定の実施形態では、抗体は、3H、11C、14C、18F、32P、35S、64Cu、68Ga、86Y、89Zr、99Tc、111In、123I、124I、125I、131I、133Xe、177Lu、211At、及び213Biから選択される放射性核種検出標識に共有結合する。具体的な実施形態では、抗体は、キレートリガンドによって検出標識に共有結合する。具体的な実施形態では、キレートリガンドは、DOTA、DOTP、DOTMA、DTPA、及びTETAから選択される。

0039

ある特定の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン操作抗体は、マイタンシノイド、オーリスタチン、ドラスタチン、トリコテセン、CC1065、カリケアマイシン、エンジイン抗生物質、タキサン、及びアントラサイクリンから選択される薬物部分と共有結合して、式I(すなわち、Ab−(L−D)p)を有し、式中、Abが抗体であり、Lがリンカーであり、Dが薬物部分であり、pが1、2、3、または4である、抗体−薬物コンジュゲートを形成する。

0040

具体的な実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン操作抗体は、構造:

を有する。

0041

具体的な実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン操作抗体の薬物(D)は、構造:

0042

を有するマイタンシノイドであり、式中、波線は、Dの硫黄原子とリンカーとの共有結合を示し、Rは、独立して、H、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−メチル−1−プロピル、2−ブチル、2−メチル−2−プロピル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−1−ブチル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、及び3,3−ジメチル−2−ブチルから選択され、mは、1、2、または3である。

0043

具体的な実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、薬物(D)は、構造:

から選択される。

0044

具体的な実施形態では、本方法を使用して、構造:

(式中、nが0、1、または2である)
または

を有する、システイン操作抗体を作製することができる。

0045

具体的な実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、Dは、構造:

を有する、モノメチルオーリスタチン薬物部分MMAEまたはMMAFである。

0046

具体的な実施形態では、本方法を使用して、構造:

から選択されるシステイン操作抗体を作製することができ、式中、Valはバリンであり、Citはシトルリンであり、pは、1、2、3、または4である。

0047

具体的な実施形態では、本方法を使用して、次のクラスのうちのいずれかに含まれ、本明細書の後の節でより詳細に説明される薬物にコンジュゲートされたシステイン操作抗体を作製することができる:オーリスタチン、ドラスタチン、トリコテセン、CC1065、カリケアマイシン、エンジイン抗生物質、タキサン、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)、1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール(CBI)二量体、CBI−PBDヘテロ二量体、及びアントラサイクリン。

0048

具体的な実施形態では、本方法を使用して、システイン操作抗体を作製することができ、ここで、リンカー(L)は、チオール反応性物質を含む。具体的な実施形態では、リンカー(L)は、マレイミド、ヨードアセトアミド、及びピリジルジスルフィドからなる群から選択される。具体的な実施形態では、リンカー(L)は、ピリジルジスルフィドである。具体的な実施形態では、リンカー(L)はピリジルジスルフィドであり、薬物(D)はMMAEである。

0049

ある特定の実施形態では、本方法を使用してシステイン操作抗体を作製することができ、ここで、システイン操作抗体は、単離されたシステイン操作抗体である。ある特定の実施形態では、本方法を使用して単離システイン操作抗体を作製することができ、ここで、この単離システインの軽鎖の変異は、Kabat番号付けによるLC−I106C、LC−R108C、LC−R142C、及びLC−K149Cを含むシステイン変異の群から選択される(図1a及び図21を参照されたい)。ある特定の実施形態において、本方法を使用して単離システイン操作抗体を作製することができ、ここで、この単離システインの軽鎖の変異は、Kabat番号付けによるLC−K149Cである(図1a及び21ならびに表1を参照されたい)。ある特定の実施形態では、本方法を使用して単離システイン操作抗体を作製することができ、ここで、単離システインの重鎖における変異は、EU番号付けによるHC−T114C、HC−A140C、HC−L174C、HC−L179C、HC−T187C、HC−T209C、HC−V262C、HC−G371C、HC−Y373C、HC−E382C、HC−S424C、HC−N434C、及びHC−Q438Cを含むシステイン変異からなる群から選択される(図1b及び21ならびに表2を参照されたい)。ある特定の実施形態では、本方法を使用して単離システイン操作抗体を作製することができ、ここで、単離システインの重鎖における変異は、EU番号付けによるHC−A140C(すなわち、Kabat番号付けによるHC−A136C)である(図1b及び21ならびに表2を参照されたい)。

0050

好ましい実施形態において、本明細書に記載されるシステイン操作抗体は、次のシステイン変異のうちの1つを有する:Kabat番号付けによるLC−K149C及びEU番号付けによるHC−A140C(表1及び2ならびに図1a及び1bを参照されたい)。

0051

本発明のある特定の実施形態では、本明細書に記載される任意のシステイン操作抗体は、0.8〜1.0のチオール反応性値を有する。本発明のある特定の実施形態では、本明細書に記載される任意のシステイン操作抗体は、0.9〜1.0のチオール反応性値を有する。本発明のある特定の実施形態では、本明細書に記載される任意のシステイン操作抗体は、0.6〜0.9のチオール反応性値を有する。本発明のある特定の実施形態では、本明細書に記載される任意のシステイン操作抗体は、0.5〜0.7のチオール反応性値を有する。本発明のある特定の実施形態では、本明細書に記載される任意のシステイン操作抗体は、0.4〜0.6のチオール反応性値を有する。本発明のある特定の実施形態では、本明細書に記載される任意のシステイン操作抗体は、0.3〜0.5のチオール反応性値を有する。本発明のある特定の実施形態では、本明細書に記載される任意のシステイン操作抗体は、0.2〜0.4のチオール反応性値を有する。

0052

ある特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載される任意のシステイン操作抗体を含む薬学的組成物である。

図面の簡単な説明

0053

図1aは、4D5の軽鎖のKabat番号付けスキームを示す。図1bは、Kabat番号付けスキーム(中央列)及びEU番号付け(右列)と比較した4D5抗体の連続番号付けスキーム(左列)をN末端から示す。
図1aは、4D5の軽鎖のKabat番号付けスキームを示す。図1bは、Kabat番号付けスキーム(中央列)及びEU番号付け(右列)と比較した4D5抗体の連続番号付けスキーム(左列)をN末端から示す。
図1aは、4D5の軽鎖のKabat番号付けスキームを示す。図1bは、Kabat番号付けスキーム(中央列)及びEU番号付け(右列)と比較した4D5抗体の連続番号付けスキーム(左列)をN末端から示す。
図1aは、4D5の軽鎖のKabat番号付けスキームを示す。図1bは、Kabat番号付けスキーム(中央列)及びEU番号付け(右列)と比較した4D5抗体の連続番号付けスキーム(左列)をN末端から示す。
抗体におけるシステイン変異生成及び薬物コンジュゲーションの例示的な部位を示す。太字かつ下線の残基は、システイン変異生成の例示的な部位である。下線の残基は、システイン変異生成の更なる例示的な部位である。図2Aは、重鎖におけるシステイン変異生成の例示的な残基及び更なる例示的な残基を示す。図2Bは、軽鎖におけるシステイン変異生成の例示的な残基及び更なる例示的な残基を示す。システイン変異生成の好ましい部位は、灰色の網掛けで示されており、EU番号付けによるHC−T114C、HC−A140C、HC−L174C、HC−L179C、HC−T187C、HC−T209C、HC−V262C、HC−G371C、HC−Y373C、HC−E382C、HC−S424C、HC−N434C、及びHC−Q438C(図2A)ならびにKabat番号付けによるLC−I106C、LC−R108C、LC−R142C、及びLC−K149C(図2B)が含まれる。好ましいEU番号付けによるHC−A140C(Kabat番号付けによるHC−A136C)及びKabat番号付けによるLC−K149Cが四角で囲まれており、大きなフォントで強調されている。
抗体におけるシステイン変異生成及び薬物コンジュゲーションの例示的な部位を示す。太字かつ下線の残基は、システイン変異生成の例示的な部位である。下線の残基は、システイン変異生成の更なる例示的な部位である。図2Aは、重鎖におけるシステイン変異生成の例示的な残基及び更なる例示的な残基を示す。図2Bは、軽鎖におけるシステイン変異生成の例示的な残基及び更なる例示的な残基を示す。システイン変異生成の好ましい部位は、灰色の網掛けで示されており、EU番号付けによるHC−T114C、HC−A140C、HC−L174C、HC−L179C、HC−T187C、HC−T209C、HC−V262C、HC−G371C、HC−Y373C、HC−E382C、HC−S424C、HC−N434C、及びHC−Q438C(図2A)ならびにKabat番号付けによるLC−I106C、LC−R108C、LC−R142C、及びLC−K149C(図2B)が含まれる。好ましいEU番号付けによるHC−A140C(Kabat番号付けによるHC−A136C)及びKabat番号付けによるLC−K149Cが四角で囲まれており、大きなフォントで強調されている。
凝集分析及び計算に使用した凝集体モノマーピークを表すプロットを示す。8〜10分の大きなピークはモノマーノピ=クであり、8分の小さなピークは凝集体のピークである。
THIOMAB(商標)抗体のUV280 LC/MSを示す。図4aは、UV280 LC/MSによって検出されたコンジュゲーションのピークを示す。図4bは、DAR0(ネイキッド抗体)、DAR1、及びDAR2のコンジュゲーションピークを示す。
THIOMAB(商標)抗体のUV280 LC/MSを示す。図4aは、UV280 LC/MSによって検出されたコンジュゲーションのピークを示す。図4bは、DAR0(ネイキッド抗体)、DAR1、及びDAR2のコンジュゲーションピークを示す。
全抗体システインスクリーニングを行うためのプロトコルを示す。全抗体スクリーニングを、PDS−MMAE及びMC−vc−MMAEコンジュゲートに行った。そのため、648個のPDS−MMAE及び648個のMC−vc−MMAE(合計1296個)のTHIOMAB(商標)抗体を作製し、試験した。
MC−vc−MMAE及びPDS−MMAEコンジュゲートの代表的な安定性グラフを示す。図6aは、0時間、48時間、及び96時間におけるLC/MS分析を用いたPDS−MMAE LC−R142C THIOMAB(商標)抗体の代表的な安定性グラフを示す。図6bは、0時間、48時間、及び96時間におけるLC/MS分析を用いたMC−vc−MMAE LC−R142C THIOMAB(商標)抗体の代表的な安定性グラフを示す。
MC−vc−MMAE及びPDS−MMAEコンジュゲートの代表的な安定性グラフを示す。図6aは、0時間、48時間、及び96時間におけるLC/MS分析を用いたPDS−MMAE LC−R142C THIOMAB(商標)抗体の代表的な安定性グラフを示す。図6bは、0時間、48時間、及び96時間におけるLC/MS分析を用いたMC−vc−MMAE LC−R142C THIOMAB(商標)抗体の代表的な安定性グラフを示す。
薬物負荷パーセントにより評価した場合の異なるPDS−MMAE THIOMAB(商標)の安定性のグラフを示す。
薬物負荷パーセントにより評価した場合の異なるMC−vc−MMAE THIOMAB(商標)の安定性のグラフを示す。
LC−K149C、LC−V205C、及びHC−A114C THIOMAB(商標)抗HER2及び抗CD33抗体の経時的な平均DARのグラフを示す。
例示的なTHIOMAB(商標)抗体の構造を示す。図10aは、チオ−Her2−hu7C2−HC−A118C−ジスルフィド−PBD及びチオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−ジスルフィド−PBD THIOMAB(商標)抗体の構造を示す。図10bは、チオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−CBI二量体の構造を示す。図10cは、チオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−ジスルフィド−CBI−PBDの構造を示す。図10dは、チオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−ジスルフィド−PNUの構造を示す。図10eは、チオ−Her2−hu7C2−HC−A118C−マレイミド−PNU及びチオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−マレイミド−PNUの構造を示す。
例示的なTHIOMAB(商標)抗体の構造を示す。図10aは、チオ−Her2−hu7C2−HC−A118C−ジスルフィド−PBD及びチオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−ジスルフィド−PBD THIOMAB(商標)抗体の構造を示す。図10bは、チオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−CBI二量体の構造を示す。図10cは、チオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−ジスルフィド−CBI−PBDの構造を示す。図10dは、チオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−ジスルフィド−PNUの構造を示す。図10eは、チオ−Her2−hu7C2−HC−A118C−マレイミド−PNU及びチオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−マレイミド−PNUの構造を示す。
例示的なTHIOMAB(商標)抗体の構造を示す。図10aは、チオ−Her2−hu7C2−HC−A118C−ジスルフィド−PBD及びチオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−ジスルフィド−PBD THIOMAB(商標)抗体の構造を示す。図10bは、チオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−CBI二量体の構造を示す。図10cは、チオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−ジスルフィド−CBI−PBDの構造を示す。図10dは、チオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−ジスルフィド−PNUの構造を示す。図10eは、チオ−Her2−hu7C2−HC−A118C−マレイミド−PNU及びチオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−マレイミド−PNUの構造を示す。
例示的なTHIOMAB(商標)抗体の構造を示す。図10aは、チオ−Her2−hu7C2−HC−A118C−ジスルフィド−PBD及びチオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−ジスルフィド−PBD THIOMAB(商標)抗体の構造を示す。図10bは、チオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−CBI二量体の構造を示す。図10cは、チオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−ジスルフィド−CBI−PBDの構造を示す。図10dは、チオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−ジスルフィド−PNUの構造を示す。図10eは、チオ−Her2−hu7C2−HC−A118C−マレイミド−PNU及びチオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−マレイミド−PNUの構造を示す。
例示的なTHIOMAB(商標)抗体の構造を示す。図10aは、チオ−Her2−hu7C2−HC−A118C−ジスルフィド−PBD及びチオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−ジスルフィド−PBD THIOMAB(商標)抗体の構造を示す。図10bは、チオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−CBI二量体の構造を示す。図10cは、チオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−ジスルフィド−CBI−PBDの構造を示す。図10dは、チオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−ジスルフィド−PNUの構造を示す。図10eは、チオ−Her2−hu7C2−HC−A118C−マレイミド−PNU及びチオ−Her2−hu7C2−LC−K149C−マレイミド−PNUの構造を示す。
MC−vc−MMAE THIOMAB(商標)抗体の図(正確な縮尺ではない)を示す。
PDS−MMAE THIOMAB(商標)抗体の図(正確な縮尺ではない)を示す。
LC−K149Cシステイン操作抗体にコンジュゲートしたある特定の薬物の酵素修飾の図を示す。修飾は次の通りである:クリプトフィシンアミド切断を受け、チューブリシン(Tubulysin)はアセチル除去(すなわち、脱アセチル化)を受け、CBI−PBDヘテロ二量体リンカー−薬物中間体はカルバメート除去を受け、タキソイドは不安定であり複数の酵素切断を示した。
図14aは、HC−A140CがLC−K149Cと比較してチューブリシンのアセチル基の保護を提供することを示す。具体的には、HC−A140Cを結合の部位として使用した場合には、24時間のインキュベーション後にLC−K149Cよりも分解が少ないことがLCMSを用いて示された。図14b及び14cは、新たな全血アッセイを使用して、HC−A140Cが24時間のインキュベーション後にLC−K149Cよりも安定していたことを示す。
図14aは、HC−A140CがLC−K149Cと比較してチューブリシンのアセチル基の保護を提供することを示す。具体的には、HC−A140Cを結合の部位として使用した場合には、24時間のインキュベーション後にLC−K149Cよりも分解が少ないことがLCMSを用いて示された。図14b及び14cは、新たな全血アッセイを使用して、HC−A140Cが24時間のインキュベーション後にLC−K149Cよりも安定していたことを示す。
図14aは、HC−A140CがLC−K149Cと比較してチューブリシンのアセチル基の保護を提供することを示す。具体的には、HC−A140Cを結合の部位として使用した場合には、24時間のインキュベーション後にLC−K149Cよりも分解が少ないことがLCMSを用いて示された。図14b及び14cは、新たな全血アッセイを使用して、HC−A140Cが24時間のインキュベーション後にLC−K149Cよりも安定していたことを示す。
複数回のWBアッセイを用いて、HC−A140Cではアセチル除去がLC−K149Cと比較して劇的に減少したことを示す。HC−A140Cがアセチル除去修飾を救済することが確認された。
図16aは、HC−A140Cが、CBI−PBDヘテロ二量体リンカー−薬物中間体のカルバメート基の保護を提供することを示す。具体的には、HC−A140Cを結合の部位として使用した場合には、24時間のインキュベーション後にLC−K149Cよりも分解が少ないことがLCMSを用いて示された(図16a)。図16b及び16cは、新たな全血アッセイを使用して、HC−A140Cが24時間のインキュベーション後にLC−K149Cよりも安定していたことを示す。
図16aは、HC−A140Cが、CBI−PBDヘテロ二量体リンカー−薬物中間体のカルバメート基の保護を提供することを示す。具体的には、HC−A140Cを結合の部位として使用した場合には、24時間のインキュベーション後にLC−K149Cよりも分解が少ないことがLCMSを用いて示された(図16a)。図16b及び16cは、新たな全血アッセイを使用して、HC−A140Cが24時間のインキュベーション後にLC−K149Cよりも安定していたことを示す。
図16aは、HC−A140Cが、CBI−PBDヘテロ二量体リンカー−薬物中間体のカルバメート基の保護を提供することを示す。具体的には、HC−A140Cを結合の部位として使用した場合には、24時間のインキュベーション後にLC−K149Cよりも分解が少ないことがLCMSを用いて示された(図16a)。図16b及び16cは、新たな全血アッセイを使用して、HC−A140Cが24時間のインキュベーション後にLC−K149Cよりも安定していたことを示す。
HC−A140Cが、本明細書に記載される新たな全血アッセイを用いて、LC−K149Cよりも安定していたことを示す。
図18aは、HC−A140Cがタキソイド修飾からの保護を提供することを示す。具体的には、HC−A140Cを結合の部位として使用した場合には、24時間のインキュベーション後にLC−K149Cよりも分解が少ないことがLCMSを用いて示された。図18b及び18cは、新たな全血アッセイを使用して、HC−A140Cが24時間のインキュベーション後にLC−K149Cよりも安定していたことを示す。
図18aは、HC−A140Cがタキソイド修飾からの保護を提供することを示す。具体的には、HC−A140Cを結合の部位として使用した場合には、24時間のインキュベーション後にLC−K149Cよりも分解が少ないことがLCMSを用いて示された。図18b及び18cは、新たな全血アッセイを使用して、HC−A140Cが24時間のインキュベーション後にLC−K149Cよりも安定していたことを示す。
図18aは、HC−A140Cがタキソイド修飾からの保護を提供することを示す。具体的には、HC−A140Cを結合の部位として使用した場合には、24時間のインキュベーション後にLC−K149Cよりも分解が少ないことがLCMSを用いて示された。図18b及び18cは、新たな全血アッセイを使用して、HC−A140Cが24時間のインキュベーション後にLC−K149Cよりも安定していたことを示す。
新たな全血アッセイを用いて、HC−A140CがLC−K149Cよりも(例えば、タキソイド薬物除去を保護するという点で)安定していたことを示す。
HC−A140C が、LC−K149Cと比較して、アミド及びエステル切断からクリプトフィシンを保護することを示す。
抗体の図にマッピングされた、PDS及び−vcリンカーにとって好ましいHC及びLCシステイン変異を示す。

0054

これより本発明のある特定の実施形態を詳細に参照するが、それらの例は、添付の構造及び式に例示されている。本発明は、列挙される実施形態と併せて説明されるが、それらは、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。逆に、本発明は、全ての代替形、修正形、及び同等物を含めることが意図されており、それらは特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲内に含まれ得る。

0055

業者であれば、本発明の実施に使用することができる、本明細書に記載されるものに類似または同等である多数の方法及び材料を理解するであろう。本発明は、決して記載される方法及び材料に限定されるものではない。

0056

別途定義されない限り、本明細書に使用される技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解されているものと同じ意味を有し、それらは、Singleton et al(1994)Dictionary of Microbiology and Molecular Biology,2nd Ed.,J.Wiley&Sons,New York,NY、及びJaneway,C.,Travers,P.,Walport,M.,Shlomchik(2001)Immunobiology,5th Ed.,Garland Publishing,New Yorkと一致する。

0057

定義

0058

別途示されない限り、本明細書に使用される以下の用語及び語句は、以下の意味を有することが意図される。

0059

商標名が本明細書に使用される場合、出願者らは、商標名の製品配合物ジェネリック医薬品、及び商標名の製品の活性な薬学的成分複数可)を独立して含むことを意図している。

0060

本明細書における「抗体」という用語は、最も広義に使用され、特に、所望される生体活性を呈する限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、二量体、多量体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体フラグメントが含まれる(Miller et al(2003)Jour.of Immunology 170:4854−4861)。抗体は、マウス、ヒト、ヒト化キメラ、または他の種に由来するものであってもよい。抗体は、特定の抗原を認識しそれに結合することができる、免疫系によって生成されるタンパク質である。(Janeway,C.,Travers,P.,Walport,M.,Shlomchik(2001)Immuno Biology,5th Ed.,Garland Publishing,New York)。標的抗原は、一般に、複数の抗体のCDRによって認識される多数の結合部位エピトープとも呼ばれる)を有する。異なるエピトープに特異的に結合するそれぞれの抗体は、異なる構造を有する。したがって、1つの抗原は、1つを上回る対応する抗体を有し得る。抗体には、全長免疫グロブリン分子、または全長免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、目的の標的抗原またはその一部に免疫特異的に結合する抗原結合部位を含む分子が含まれ、そのような標的としては、癌細胞、または自己免疫疾患と関連する自己免疫抗体を産生する細胞が含まれるがこれらに限定されない。本明細書に開示される免疫グロブリンは、免疫グロブリン分子の任意の種類(例えば、IgGIgEIgMIgD、及びIgA)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2)、またはサブクラスのものであり得る。免疫グロブリンは、任意の種に由来し得る。しかしながら、一態様では、免疫グロブリンは、ヒト、マウス、またはウサギ起源のものである。

0061

「抗体フラグメント」には、全長抗体の一部分、一般には、その抗原結合領域または可変領域が含まれる。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFvフラグメントダイアボディ;直鎖抗体ミニボディ(Olafsen et al(2004)Protein Eng. Design&Sel. 17(4):315−323)、Fab発現ライブラリによって産生されるフラグメント、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、CDR(相補性決定領域)、及び癌細胞抗原ウイルス抗原、または微生物抗原に免疫特異的に結合する上述のもののうちのいずれかのエピトープ結合フラグメント一本鎖抗体分子;ならびに抗体フラグメントから形成された多重特異性抗体が挙げられる。

0062

ある特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体は、多重特異性抗体、例えば、二重特異性抗体である。本明細書に使用される「多重特異性抗体」という用語は、多重エピトープ特異性を有する(すなわち、1つの分子上の2つ若しくはそれ以上の異なるエピトープに結合することができるか、または2つ若しくはそれ以上の異なる分子上のエピトープに結合することができる)抗原結合ドメインを含む抗体を指す。

0063

いくつかの実施形態では、多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原結合部位に対する結合特異性を有するモノクローナル抗体(二重特異性抗体など)である。いくつかの実施形態では、多重特異性抗体の第1の抗原結合ドメイン及び第2の抗原結合ドメインは、全く同一の分子内の2つのエピトープと結合することができる(分子内結合)。例えば、多重特異性抗体の第1の抗原結合ドメイン及び第2の抗原結合ドメインは、同じ分子上の2つの異なるエピトープに結合することができる。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体が結合する2つの異なるエピトープは、1つの単一特異性抗体、例えば従来的な抗体、または1つの免疫グロブリンの単一の可変ドメインが通常同時に結合することがない、エピトープである。いくつかの実施形態では、多重特異性抗体の第1の抗原結合ドメイン及び第2の抗原結合ドメインは、2つの異なる分子内に位置するエピトープに結合することができる(分子間結合)。例えば、多重特異性抗体の第1の抗原結合ドメインは、1つの分子上のあるエピトープに結合することができ、一方でその多重特異性抗体の第2の抗原結合ドメインは、異なる分子上の別のエピトープに結合することができ、それによって2つの分子が架橋され得る。

0064

いくつかの実施形態では、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体等)の抗原結合ドメインは、2つのVH/VLユニットを含み、第1のVH/VLユニットは第1のエピトープに結合し、第2のVH/VLユニットは第2のエピトープに結合し、各VH/VLユニットは、重鎖可変ドメイン(VH)及び軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。そのような多重特異性抗体としては、全長抗体、2つ以上のVL及びVHドメインを有する抗体、ならびに抗体フラグメント(例えば、Fab、Fv、dsFv、scFv、ダイアボディ、二重特異性ダイアボディ及びトリアディ、共有結合または非共有結合で連結されている抗体フラグメントなど)が挙げられるが、これらに限定されない。重鎖可変領域の少なくとも一部分及び/または軽鎖可変領域の少なくとも一部分を更に含むVH/VLユニットは、「アーム」または「ヘミマー」または「半抗体」とも称され得る。いくつかの実施形態において、ヘミマーは、第2のヘミマーとの分子内ジスルフィド結合の形成を可能にするのに十分な重鎖可変領域部分を含む。いくつかの実施形態では、ヘミマーは、例えば、相補的ホール変異若しくはノブ変異を含む第2のヘミマーまたは半抗体とのヘテロ二量体形成を可能にするような、ノブ変異またはホール変異を含む。ノブ変異及びホール変異は、以下に更に詳細に考察される。

0065

ある特定の実施形態では、本明細書に提供される多重特異性抗体は、二重特異性抗体であり得る。本明細書に使用される「二重特異性抗体」という用語は、1つの分子上の2つの異なるエピトープに結合できるか、または2つの異なる分子上のエピトープに結合できる抗原結合ドメインを含む多重特異性抗体を指す。二重特異性抗体は、「二重の特異性」を有する、または「二重に特異的」であると称される場合もある。例示的な二重特異性抗体は、分子及び任意の他の抗原の両方に結合し得る。ある特定の実施形態では、結合特異性のうちの一方は、分子に対するものであり、他方は、CD3に対するものである。例えば、米国特許第5,821,337号を参照されたい。ある特定の実施形態では、二重特異性抗体は、同じ分子の2つの異なるエピトープに結合し得る。ある特定の実施形態では、二重特異性抗体は、2つの異なる分子上の2つの異なるエピトープに結合し得る。二重特異性抗体はまた、目的の分子を発現する細胞に細胞傷害性薬剤局在化させるために使用することもできる。二重特異性抗体は、全長抗体または抗体フラグメントとして調製され得る。

0066

多重特異性抗体を作製するための技法としては、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の組み換え同時発現(Milstein and Cuello,Nature 305:537(1983)、国際公開第WO93/08829号、及びTraunecker et al.,EMBO J.10:3655(1991)を参照されたい)、及び「ノブ・イン・ホール(knob−in−hole)」操作(例えば、米国特許第5,731,168号、国際公開第WO2009/089004号、米国公開第2009/0182127号、同第2011/0287009号、Marvin and Zhu,Acta Pharmacol. Sin.(2005)26(6):649−658、及びKontermann(2005)Acta Pharmacol. Sin.,26:1−9を参照されたい)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に使用される「ノブ・イン・ホール」または「KnH」技術という用語は、2つのポリペプチドを、それらが相互作用する界面において一方のポリペプチドに隆起(ノブ)を導入し、他方のポリペプチドに空洞(ホール)を導入することにより、インビトロまたはインビボで一緒に対合することを誘導する技術を指す。例えば、KnHは、抗体のFc:Fc結合界面、CL:CH1界面、またはVH/VL界面に導入されている(例えば、米国公開第2011/0287009号、同第US2007/0178552号、国際公開第WO96/027011号、同第WO98/050431号、Zhu et al.,1997,Protein Science 6:781−788、及びWO2012/106587を参照されたい)。いくつかの実施形態では、KnHにより、多重特異性抗体の製造中に2つの異なる重鎖を一緒に対合することが促進される。例えば、Fc領域内にKnHを有する多重特異性抗体は、各Fc領域に連結された単一可変ドメインを更に含むことができるか、または同様の若しくは異なる軽鎖可変ドメインと対合する異なる重鎖可変ドメインを更に含むことができる。KnH技術はまた、2つの異なる受容体の細胞外ドメインを一緒に対合するか、または異なる標的認識配列を含む任意の他のポリペプチド配列(例えば、アフィボディペプチボディ、及び他のFc融合体を含む)を対合するために使用することができる。

0067

本明細書に使用される「ノブ変異」という用語は、ポリペプチドが別のポリペプチドと相互作用する界面において、ポリペプチドに隆起(ノブ)を導入する、変異を指す。いくつかの実施形態では、他方のポリペプチドは、ホール変異を有する。

0068

本明細書に使用される「ホール変異」という用語は、ポリペプチドが別のポリペプチドと相互作用する界面において、ポリペプチドに空洞(ホール)を導入する、変異を指す。いくつかの実施形態では、他方のポリペプチドは、ノブ変異を有する。簡潔な非限定的考察が、以下に提供される。

0069

「隆起」は、ヘテロ多量体を安定化させ、それにより、例えば、ホモ多量体形成よりもヘテロ多量体形成を優先するように、第1のポリペプチドの界面から突出し、したがって隣接する界面(すなわち、第2のポリペプチドの界面)にある相補的空洞内に位置付けることが可能な、少なくとも1つのアミノ酸側鎖を指す。隆起は、元々の界面内に存在してもよく、または、合成により(例えば、界面をコードする核酸を変化させることによって)導入してもよい。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチドの界面をコードする核酸を、隆起をコードするように変化させる。これを達成するために、第1のポリペプチドの界面にある少なくとも1つの「原型」アミノ酸残基をコードする核酸が、原型アミノ酸残基よりも大きな側鎖体積を有する少なくとも1つの「移入」アミノ酸残基をコードする核酸で置換される。1つを上回る原型残基及び対応する移入残基が存在し得ることが、理解されよう。様々なアミノ残基の側鎖体積は、例えば、米国公開第2011/0287009号の表1に示されている。「隆起」を導入するための変異は、「ノブ変異」と称される場合がある。

0070

いくつかの実施形態において、隆起の形成のための移入残基は、アルギニン(R)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、及びトリプトファン(W)から選択される天然のアミノ酸残基である。いくつかの実施形態では、移入残基は、トリプトファンまたはチロシンである。ある実施形態では、隆起の形成のための原型残基は、アラニンアスパラギン、アスパラギン酸、グリシンセリンスレオニン、またはバリンのように、小さな側鎖体積を有する。

0071

「空洞」は、第2のポリペプチドの界面から凹んでおり、したがって隣接する第1のポリペプチドの界面上の対応する隆起を収容する、少なくとも1つのアミノ酸側鎖を指す。空洞は、元々の界面内に存在してもよく、または、合成による(例えば、界面をコードする核酸を変化させることによって)導入してもよい。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドの界面をコードする核酸を、空洞をコードするように変化させる。これを達成するために、第2のポリペプチドの界面にある少なくとも1つの「原型」アミノ酸残基をコードする核酸が、原型アミノ酸残基よりも小さな側鎖体積を有する少なくとも1つの「移入」アミノ酸残基をコードするDNAで置換される。1つを上回る原型残基及び対応する移入残基が存在し得ることが、理解されよう。いくつかの実施形態では、空洞の形成のための移入残基は、アラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T)、及びバリン(V)から選択される天然のアミノ酸残基である。いくつかの実施形態では、移入残基は、セリン、アラニン、またはスレオニンである。いくつかの実施形態では、空洞の形成のための原型残基は、チロシン、アルギニン、フェニルアラニン、またはトリプトファンのように、大きな側鎖体積を有する。「空洞」を導入するための変異は、「ホール変異」と称される場合がある。

0072

隆起は空洞内に「位置付けることが可能」であり、これは、それぞれ第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドの界面上の隆起及び空洞の空間的位置、ならびに隆起及び空洞の大きさが、界面における第1及び第2のポリペプチドの正常な会合を著しく乱すことなく隆起が空洞内に位置し得るようなものであることを意味する。Tyr、Phe、及びTrpなどの隆起は、典型的には界面の軸から直角に伸びず、好ましい立体構造を有しないため、対応する空洞との隆起のアライメントは、いくつかの事例では、X線結晶学または核磁気共鳴(NMR)によって得られるものといった三次元構造に基づく隆起/空洞対のモデリングに依存しし得る。これは、当該技術分野で広く許容されている技法を使用して達成することができる。

0073

いくつかの実施形態では、IgG1定常領域内のノブ変異は、T366W(EU番号付け)である。いくつかの実施形態では、IgG1定常領域内のホール変異は、T366S、L368A、及びY407V(EU番号付け)から選択される1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態では、IgG1定常領域内のホール変異は、T366S、L368A、及びY407V(EU番号付け)を含む。

0074

いくつかの実施形態では、IgG4定常領域内のノブ変異は、T366W(EU番号付け)である。いくつかの実施形態では、IgG4定常領域内のホール変異は、T366S、L368A、及びY407V(EU番号付け)から選択される1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態では、IgG4定常領域内のホール変異は、T366S、L368A、及びY407V(EU番号付け)を含む。

0075

多重特異性抗体はまた、静電ステアリング(electrostatic steering)効果を操作して抗体Fc−ヘテロ二量体分子を作製すること(国際公開第WO2009/089004A1号)、2つ以上の抗体またはフラグメントを架橋すること(例えば、米国特許第4,676,980号、及びBrennan et al.,Science,229:81(1985)を参照されたい)、ロイシンジッパーを使用して二重特異性抗体を産生すること(例えば、Kostelny et al.,J.Immunol.,148(5):1547−1553(1992)を参照されたい)、「ダイアボディ」技術を使用して二重特異性抗体フラグメントを作製すること(例えば、Hollinger et al.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA,90:6444−6448(1993)を参照されたい)、及び一本鎖Fv(sFv)二量体を使用すること(例えば、Gruber et al.,J.Immunol.,152:5368(1994)を参照されたい)、ならびに例えば、Tutt et al. J.Immunol. 147:60(1991)に記載されるように三重特異性抗体を調製することによって、作製することができる。

0076

オクトパス(Octopus)抗体」または「二重可変ドメイン免疫グロブリン」(DVD)を含む、3つ以上の機能的抗原結合部位を有する操作された抗体もまた、本明細書に含まれる(例えば、米国公開第2006/0025576A1号、及びWu et al. Nature Biotechnology(2007))を参照されたい。)。本明細書における抗体またはフラグメントにはまた、分子ならびに別の異なる抗原に結合する抗原結合部位を含む「二重作用(Dual Acting)FAb」または「DAF」が含まれる(例えば、米国公開第2008/0069820号を参照されたい)。

0077

本明細書に使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に同種の抗体の集団から得られた抗体を指す、すなわち、その集団に含まれる個々の抗体は同一であるが、少量で存在し得る天然の変異の可能性は除く。モノクローナル抗体は、単一の抗原性部位に対して指向されており、高度に特異的である。更に、異なる決定基(エピトープ)に指向される異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、それぞれのモノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に指向されるものである。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、他の抗体が混入することなく合成することができるという点で、有利である。「モノクローナル」という修飾語は、実質的に同種の抗体の集団から得られるという抗体の特徴を示すものであり、いずれの特定の方法による抗体の産生を必要とするものとして解釈されるものではない。例えば、本発明による使用対象のモノクローナル抗体は、Kohler et al(1975)Nature 256:495が初めて述べたハイブリドーマ法によって作製してもよく、または組み換えDNA法(例えば、米国特許第4816567号、同第5807715号を参照されたい)によって作製してもよい。モノクローナル抗体はまた、例えば、Clackson et al(1991)Nature,352:624−628、Marks et al(1991)J.Mol. Biol.,222:581−597に記載される技法を用いてファージ抗体ライブラリから単離することもできる。

0078

本明細書におけるモノクローナル抗体には、特に、重鎖及び/または軽鎖の一部分が、特定の種に由来するかまたは特定の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または同種であり、一方で鎖(複数可)の残りが別の種に由来するかまたは別の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または同種である、「キメラ」抗体、ならびにそのような抗体のフラグメントが含まれるが、これは、それらが所望される生物学的活性を呈する限りにおいてである(米国特許第4816567号及びMorrison et al(1984)Proc. Natl. Acad. Sci. USA,81:6851−6855)。目的のキメラ抗体には、非ヒト霊長類(例えば、旧世界ザル類人猿など)に由来する可変ドメイン抗原結合配列とヒト定常領域配列とを含む、「霊長類化」抗体が含まれる。

0079

本明細書において「インタクトな抗体」とは、VLドメイン及びVHドメイン、ならびに軽鎖定常ドメイン(CL)及び重鎖定常ドメインCH1、CH2、及びCH3を含むものである。定常ドメインは、天然配列の定常ドメイン(例えば、ヒトの天然配列の定常ドメイン)またはそのアミノ酸配列変異形であり得る。インタクト抗体は、1つ以上の「エフェクター機能」を有し得、この機能は、抗体のFc定常領域(天然配列の配列Fc領域またはアミノ酸配列変異形のFc領域)に起因し得る生物学的活性を指す。抗体のエフェクター機能の例としては、C1q結合、補体依存性細胞毒性、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞毒性(ADCC)、ファゴサイトーシス、ならびにB細胞受容体及びBCRなどの細胞表面受容体下方制御が挙げられる。

0080

ある特定の実施形態において、1つ以上のアミノ酸修飾が、本明細書に提供される抗体のFc領域に導入され、それによってFc領域変異形を生成することができる。Fc領域変異形は、1つ以上のアミノ酸位にアミノ酸修飾(例えば、置換)を含む、ヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4 Fc領域)を含み得る。

0081

ある特定の実施形態において、全てではないが一部のエフェクター機能を保有することにより、インビボでの抗体の半減期が重要であるが、ある特定のエフェクター機能(例えば補体及びADCC等)が不必要または有害である用途に望ましい候補となる、抗体変異形が本発明により企図される。インビトロ及び/またはインビボでの細胞毒性アッセイを行って、CDC及び/またはADCC活性の低減/枯渇を確認することができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイを行って、抗体がFcγR結合を欠いている(したがって、ADCC活性を欠いている可能性が高い)が、FcRn結合能力は保持していることを確実にすることができる。ADCCを媒介するための主要な細胞であるNK細胞はFc(RIIIのみを発現するが、一方で単球はFc(RI、Fc(RII、及びFc(RIIIを発現する。造血細胞におけるFcR発現は、Ravetch and Kinet,Annu. Rev.Immunol. 9:457−492(1991)の464頁の表3にまとめられている。目的の分子のADCC活性を評価するためのインビトロアッセイの非限定的な例は、米国特許第5,500,362号(例えば、Hellstrom,I.et al. Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 83:7059−7063(1986)を参照されたい)、及びHellstrom,I et al.,Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 82:1499−1502(1985)、米国特許第5,821,337号(Bruggemann,M.et al.,J.Exp. Med. 166:1351−1361(1987)を参照されたい)に記載されている。代替として、非放射性アッセイ法を用いてもよい(例えば、ACTI(商標)フローサイトメトリー用非放射性細胞毒性アッセイ(CellTechnology,Inc. Mountain View,CA及びCytoTox 96(登録商標)非放射性細胞毒性アッセイ(Promega,Madison,WI)を参照されたい。そのようなアッセイに有用なエフェクター細胞としては、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。代替または追加として、目的の分子のADCC活性は、インビボで、例えば、Clynes et al. Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 95:652−656(1998)に開示されるものといった動物モデルにおいて、評価してもよい。また、C1q結合アッセイを行って、抗体がC1qと結合できず、よってCDC活性を欠いていることを確認してもよい。例えば、国際公開第WO2006/029879及び同第WO2005/100402号におけるC1q及びC3c結合ELISAを参照されたい。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを行ってもよい(例えば、Gazzano−Santoro et al.,J.Immunol. Methods202:163(1996)、Cragg,M.S.et al.,Blood 101:1045−1052(2003)、及びCragg,M.S.and M.J.Glennie,Blood 103:2738−2743(2004)を参照されたい)。FcRnの結合及びインビボクリアランス/半減期の判定もまた、当該技術分野で既知の方法を用いて行うことができる(例えば、Petkova,S.B.et al.,Int’l.Immunol. 18(12):1759−1769(2006)を参照されたい)。

0082

いくつかの実施形態では、胎児性Fc受容体へのIgGの結合を増加させるために、1つ以上のアミノ酸修飾が本明細書に提供される抗体のFc部分に導入され得る。ある特定の実施形態では、抗体は、EU番号付けによる3つの変異、すなわちM252Y、S254T、及びT256Eを含む(「YTE変異」)(米国特許第8,697,650号、Dall’Acqua et al.,Journal of Biological Chemistry 281(33):23514−23524(2006)も参照されたい。ある特定の実施形態では、YTE変異は、抗体がその同族抗原に結合する能力に影響を及ぼさない。ある特定の実施形態では、YTE変異は、天然(すなわち、非YTE変異体)抗体と比較して、抗体の血清半減期を増加させる。いくつかの実施形態では、YTE変異は、天然(すなわち、非YTE変異体)抗体と比較して、抗体の血清半減期を3倍増加させる。いくつかの実施形態では、YTE変異は、天然(すなわち、非YTE変異体)抗体と比較して、抗体の血清半減期を2倍増加させる。いくつかの実施形態では、YTE変異は、天然(すなわち、非YTE変異体)抗体と比較して、抗体の血清半減期を4倍増加させる。いくつかの実施形態では、YTE変異は、天然(すなわち、非YTE変異体)抗体と比較して、抗体の血清半減期を少なくとも5倍増加させる。いくつかの実施形態では、YTE変異は、天然(すなわち、非YTE変異体)抗体と比較して、抗体の血清半減期を少なくとも10倍増加させる。例えば、米国特許第8,697,650号、Dall’Acqua et al.,Journal of Biological Chemistry 281(33):23514−23524(2006)もまた参照されたい。

0083

ある特定の実施形態では、YTE変異体は、抗体の抗体依存性細胞媒介性細胞毒性(ADCC)活性を調節する手段を提供する。ある特定の実施形態では、YTEO変異体は、ヒト抗原指向性のヒト化IgG抗体のADCC活性を調節する手段を提供する。例えば、米国特許第8,697,650号、Dall’Acqua et al.,Journal of Biological Chemistry 281(33):23514−23524(2006)もまた参照されたい。

0084

ある特定の実施形態では、YTE変異体は、血清半減期、組織分布、及び抗体活性(例えば、IgG抗体のADCC活性)の同時調節を可能にする。例えば、米国特許第8,697,650号、Dall’Acqua et al.,Journal of Biological Chemistry 281(33):23514−23524(2006)もまた参照されたい。

0085

低減したエフェクター機能を有する抗体としては、EU番号付けによるFc領域残基238、265、269、270、297、327、及び329のうちの1つ以上の置換を有するものが含まれる(米国特許第6,737,056号)。そのようなFc変異体には、EU番号付けによる残基265及び297のアラニンへの置換(すなわち、EU番号付けによるD265A及びN297A)を有するいわゆる「DANA」Fc変異体(米国特許第7,332,581号)を含む、EU番号付けによるアミノ酸位265、269、270、297、及び327のうちの2つ以上における置換を有するFc変異体が含まれる。ある特定の実施形態では、Fc変異体は、次の2つのアミノ酸置換、すなわちD265A及びN297Aを含む。ある特定の実施形態では、Fc変異体は、次の2つのアミノ酸置換、すなわちD265A及びN297Aからなる。

0086

ある特定の実施形態では、野生型ヒトFc領域の329位(EU番号付け)におけるプロリン(P329)が、グリシン若しくはアルギニン、または、FcのP329とFcgRIIIのトリプトファン残基W87及びW110との間に形成される、Fc/Fcγ受容体界面内のプロリンサンドイッチ破壊するのに十分に大きなアミノ酸残基で置換される(Sondermann et al.:Nature 406,267−273(20 July 2000))。更なる実施形態では、Fc変異形における少なくとも1つの更なるアミノ酸置換は、S228P、E233P、L234A、L235A、L235E、N297A、N297D、またはP331Sであり、更に、別の実施形態では、該少なくとも1つの更なるアミノ酸置換は、ヒトIgG1 Fc領域のL234A及びL235AまたはヒトIgG4 Fc領域のS228P及びL235Eであり、これらは全てEU番号付けによるものである(米国特許第8,969,526号、これは参照によりその全体が組み込まれる)。

0087

ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、野生型ヒトIgGFc領域のFc変異形を含み、ここで、このポリペプチドは、ヒトIgG Fc領域のP329がグリシンで置換されており、Fc変異形は、ヒトIgG1 Fc領域のL234A及びL235AまたはヒトIgG4 Fc領域のS228P及びL235Eに少なくとも2つの更なるアミノ酸置換を含み、これらの残基の番号付けは、EU番号付けによる(米国特許第8,969,526号、これは参照によりその全体が組み込まれる)。ある特定の実施形態では、P329G、L234A、及びL235A(EU番号付け)の置換を含むポリペプチドは、ヒトFcγRIIIA及びFcγRIIAに対する親和性の低減を示し、野生型ヒトIgG Fc領域を含むポリペプチドによって誘発されるADCCの少なくとも20%にADCCを下方調節し、かつ/またはADCPを下方調節する(米国特許第8,969,526号、これは参照によりその全体が組み込まれる)。

0088

具体的な実施形態では、野生型ヒトFcポリペプチドのFc変異形を含むポリペプチドは、三重突然変異、すなわちEU番号付けによるPro329位におけるアミノ酸置換、L234A変異、及びL235A変異(P329/LALA)を含む(米国特許第8,969,526号、これは参照によりその全体が組み込まれる)。具体的な実施形態では、このポリペプチドは、次のアミノ酸置換、すなわちEU番号付けによるP329G、L234A、及びL235Aを含む。

0089

FcRへの結合が改善または減少した、ある特定の抗体変異形が記載される。(例えば、米国特許第6,737,056号、国際公開第WO2004/056312号、及びShieldset al.,J.Biol. Chem. 9(2):6591−6604(2001))を参照されたい。

0090

ある特定の実施形態では、抗体変異形は、ADCCを向上させる1つ以上のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の298位、333位、及び/または334位(EU番号付け)に置換を有する、Fc領域を含む。

0091

いくつかの実施形態では、例えば、米国特許第6,194,551号、国際公開第WO99/51642号、及びIdusogie et al. J.Immunol. 164:4178−4184(2000)に記載されるように、変化した(すなわち、向上か減少のいずれか)C1q結合及び/または補体依存性細胞毒性(CDC)をもたらす変化が、Fc領域になされる。

0092

増加した半減期を有し、母体IgGの胎児への移入を担う(Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)及びKim et al.,J.Immunol.24:249(1994))胎児性Fc受容体(FcRn)に対する向上した結合性を有する抗体が、米国公開第US2005/0014934A1号(Hinton et al.)に記載されている。これらの抗体は、FcRnに対するFc領域の結合性を向上させる1つ以上の置換を内部に有するFc領域を含む。そのようなFc変異形には、EU番号付けによるFc領域残基238、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424、または434のうちの1つ以上における置換、例えば、Fc領域残基434の置換(米国特許第7,371,826号)を有するものが含まれる。Fc領域変異形の他の例に関しては、Duncan&Winter,Nature 322:738−40(1988)、米国特許第5,648,260号、米国特許第5,624,821号、及び国際公開第WO94/29351号も参照されたい。

0093

重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、インタクトな抗体には、異なる「クラス」が割り当てられ得る。インタクトな免疫グロブリン抗体にはIgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMの5つの主要なクラスがあり、これらのうちいくつかは、「サブクラス」(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、及びIgA2に更に分割され得る。抗体の異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γ、及びμと呼ばれている。免疫グロブリンの異なるクラスのサブユニット構造及び三次元立体配置は、周知である。Igの形態には、ヒンジ修飾またはヒンジなしの形態が含まれる(Roux et al(1998)J.Immunol. 161:4083−4090、Lund et al(2000)Eur. J.Biochem. 267:7246−7256、米国公開第2005/0048572号、同第2004/0229310号)。

0094

「システイン操作抗体」または「システイン操作抗体変異形」は、抗体の1つ以上の残基がシステイン残基で置換されている抗体である。システイン操作抗体のチオール基(複数可)を、薬物部分と(例えば、リンカーを介して)コンジュゲートして、THIOMAB(商標)抗体(すなわち、THIOMAB(商標)抗体薬物コンジュゲート(TDC))を形成することができる。特定の実施形態において、置換残基は、抗体の利用しやすい部位において生じる。それらの残基をシステインで置換することで、反応性のチオール基がそれにより抗体の利用しやすい部位に配置され、本明細書に更に記載されるように、この反応性チオール基を使用して、抗体を薬物部分またはリンカー−薬物部分などの他の部分にコンジュゲートして、免疫コンジュゲートを作り出すことができる。例えば、THIOMAB(商標)抗体は、軽鎖におけるシステインではない天然残基のシステインへの単一の変異(例えば、Kabat番号付けによるG64C、I106C、R108C、K149C、またはR142C)または重鎖におけるもの(例えば、Kabat番号付けによるHC−D101C、HC−V184C、若しくはHC−T205C、またはEU番号付けによるHC−T114C、HC−A140C、HC−L174C、HC−L179C、HC−T187C、HC−T209C、HC−V262C、HC−G371C、HC−Y373C、HC−E382C、HC−S424C、HC−N434C、及びHC−Q438C(すなわち、Kabat番号付けによるHC−A136Cは、EU番号付けによるHC−A140Cである)(図1bを参照されたい))を有する抗体であり得る。具体的な例では、THIOMAB(商標)抗体は、重鎖または軽鎖のいずれかに単一のシステイン変異を有し、そのため各全長抗体(すなわち、2つの重鎖と2つの軽鎖を有する抗体)は、2つの操作されたシステイン残基を有することになる。

0095

ErbB受容体」は、ErbB受容体ファミリーに属する受容体タンパク質チロシンキナーゼであり、このファミリーのメンバーは、細胞の成長分化、及び生存の重要な媒介因子である。ErbB受容体ファミリーには、上皮成長因子受容体(EGFR、ErbB1、HER1)、HER2(ErbB2またはp185neu)、HER3(ErbB3)、及びHER4(ErbB4またはtyro2)を含む4つの異なるメンバーが含まれる。抗ErbB2抗体パネルは、ヒト乳腫瘍細胞株SKBR3を使用して特徴付けられている(Hudziak et al(1989)Mol. Cell. Biol. 9(3):1165−1172。4D5と称される抗体を用いて最大の阻害が達成されており、細胞増殖が56%阻害された。このパネルの他の抗体は、このアッセイでは細胞増殖を低減させた程度がこれよりも低かった。抗体4D5は、更に、ErbB2を過剰発現する乳房腫瘍細胞株をTNF−αの細胞毒性作用に対して感受性にすることがわかった(米国特許第5677171号)。Hudziakらにおいて考察されている抗ErbB2抗体は、更に、Fendly et al(1990)Cancer Research 50:1550−1558、Kotts et al. (1990)In Vitro 26(3):59A、Sarup et al. (1991)Growth Regulation 1:72−82、Shepard et al. J.(1991)Clin. Immunol. 11(3):117−127、Kumar et al. (1991)Mol. Cell. Biol. 11(2):979−986、Lewis et al. (1993)Cancer Immunol. Immunother. 37:255−263、Pietras et al. (1994)Oncogene 9:1829−1838、Vitetta et al. (1994)Cancer Research 54:5301−5309、Sliwkowski et al. (1994)J.Biol. Chem. 269(20):14661−14665、Scott et al. (1991)J.Biol. Chem. 266:14300−5、D’souza et al. Proc. Natl. Acad. Sci. (1994)91:7202−7206、Lewis et al. (1996)Cancer Research 56:1457−1465、及びSchaefer et al. (1997)Oncogene 15:1385−1394において特徴付けられている。ErbB受容体は、一般に、ErbBリガンドと結合することができる細胞外ドメイン、親油性膜貫通ドメイン、保存された細胞内チロシンキナーゼドメイン、及びリン酸化され得る複数のチロシン残基を有するカルボキシル末端シグナル伝達ドメインを含むであろう。ErbB受容体は、「天然配列の」ErbB受容体またはその「アミノ酸配列変異形」であってもよい。好ましくは、ErbB受容体は、天然配列のヒトErbB受容体である。したがって、「ErbB受容体ファミリーのメンバー」には、EGFR(ErbB1)、ErbB2、ErbB3、ErbB4が含まれる。

0096

「アミノ酸配列変異形」と言う用語は、天然配列のポリペプチドとはある程度異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドを指す。アミノ酸配列変異形は、天然のアミノ酸配列のアミノ酸配列内のある特定の位置に、置換、欠失、及び/または挿入を有する。アミノ酸は、従来的な名称、1文字及び3文字のコードで示される。

0097

例えば、ある特定の実施形態では、アミノ酸配列変異形は、天然のErbBリガンドの少なくとも1つの受容体結合ドメインまたは天然のErbB受容体の少なくとも1つのリガンド結合ドメインと、少なくとも約70%の配列同一性を有し、好ましくは、配列がそのような受容体またはリガンド結合ドメインと少なくとも約80%、より好ましくは約90%相同であろう。

0098

「配列同一性」は、配列をアライメントし、最大の配列同一性パーセントを達成するように必要に応じてギャップを導入した後に同一である、アミノ酸配列変異形の残基の割合として定義される。アライメントの方法及びコンピュータプログラムは、当該技術分野で周知である。1つのそのようなコンピュータプログラムは、Genentech,Inc.によって開発された「Align 2」であり、これは、ユーザ文書と共に米国著作権(United States Copyright Office)Washington,DC 20559に1991年12月10日に提出されている。

0099

「天然抗体」は、通常、約150,000ダルトンヘテロ四量体糖タンパク質であり、2つの同一な軽鎖(L)と2つの同一な重鎖(H)から構成される。各軽鎖は、1つのジスルフィド共有結合によって重鎖に結合されているが、ジスルフィド結合の数は、異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖によって変化する。各重鎖及び軽鎖はまた、規則的に離間した鎖間ジスルフィド架橋を有する。各重鎖は、一端に可変ドメイン(VH)を有し、それに続いていくつかの定常ドメインを有する。各軽鎖は、一端に可変ドメイン(VL)を有し、他端に定常ドメインを有する。軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第1の定常ドメインと位置が揃っており、軽鎖の可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと位置が揃っている。特定のアミノ酸残基は、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインの境界部を形成すると考えられている。

0100

「可変」という用語は、可変ドメインのある特定の部分が抗体によって配列が大幅に異なり、それらが、それぞれの特定の抗体の特定の抗原に対する結合及び特異性に用いられるという事実を指す。しかしながら、可変性は、抗体の可変ドメイン全体に均等に分布しているわけではない。それは、軽鎖及び重鎖のいずれの可変ドメインにおいても、超可変領域と称される3つのセグメントに集中している。可変ドメインのうちのより高度に保存されている部分は、フレームワーク領域(FR)と称される。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、それぞれが、主としてβシート構造を取る4つのFRを含み、これが3つの超可変領域によって結合され、それによってβシート構造を結合するループ、またいくつかの場合にはその一部を形成するループが形成される。各鎖における超可変領域は、FRによって、他方の鎖の超可変領域と近接して保持されており、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している(Kabat et al(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed. Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MDを参照されたい)。定常ドメインは、抗体と抗原との結合に直接関与しないが、その抗体の抗体依存性細胞毒性(ADCC)への関与など、様々なエフェクター機能を呈する。

0101

本明細書に使用されるとき、「超可変領域」という用語は、抗原結合を担う抗体のアミノ酸残基を指す。超可変領域は、一般に、「相補性決定領域」または「CDR」からのアミノ酸残基(例えば、軽鎖可変ドメインでは残基24〜34(L1)、50〜56(L2)、及び89〜97(L3)、ならびに重鎖可変領域では31〜35(H1)、50〜65(H2)、及び95〜102(H3)、Kabatら(上記))、ならびに/または「超可変ループ」からの残基(例えば、軽鎖可変ドメインでは残基26〜32(L1)、50〜52(L2)、及び91〜96(L3)ならびに重鎖可変ドメインでは26〜32(H1)、53〜55(H2)、及び96〜101(H3)、Chothia and Lesk(1987)J.Mol. Biol.,196:901−917)を含む。「フレームワーク領域」または「FR」残基は、本明細書に定義される超可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。

0102

抗体のパパイン分解により、「Fab」と呼ばれるそれぞれが単一の抗原結合部位を有する2つの同一な抗原結合フラグメントと、残りの「Fc」フラグメントとが得られる。ペプシン処理により、2つの抗原結合部位を有し、依然として抗原に架橋することができるF(ab’)2フラグメントが得られる。

0103

「Fv」は、完全な抗原認識及び抗原結合部位を含む、最小の抗体フラグメントである。この領域は、1つの重鎖及び1つの軽鎖可変ドメインが緊密な非共有結合で結合した二量体からなる。各可変ドメインの3つの超可変領域が相互作用してVH−VL二量体の表面上に抗原結合部位を定めるのは、この構成においてである。集合的に、6つの超可変領域が、抗原結合の特異性を抗体に付与する。しかしながら、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3つの超可変領域のみを含むFvの半分)ですら、全結合部位よりは親和性は低いとはいえ、抗原を認識し、それに結合する能力を有する。

0104

Fabフラグメントはまた、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)を含む。Fab’フラグメントは、抗体のヒンジ領域からの1つ以上のシステインを含む、重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端における数個の残基の付加が、Fabフラグメントと異なっている。Fab’−SHは、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が少なくとも1つの遊離チオール基を有するFab’の本明細書における表記である。F(ab’)2抗体フラグメントは、元々、間にヒンジシステインを有するFab’フラグメントの対として、産生されたものである。抗体フラグメントの他の化学的結合もまた、既知である。

0105

任意の脊椎動物種に由来する抗体の「軽鎖」には、それらの定常領域のアミノ酸配列に基づいて、カッパκ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2つの明確に異なる型のうちの1つを割り当てることができる。

0106

「一本鎖Fv」または「scFv」抗体フラグメントは、抗体のVH及びVLドメインを含み、ここで、これらのドメインは、単一のポリペプチド鎖で存在している。好ましくは、Fvポリペプチドは、更に、VH及びVLドメイン間にポリペプチドリンカーを含んでおり、このリンカーにより、scFvが抗原結合に望ましい構造を成すことが可能となっている。scFvに関する考察については、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,Springer−Verlag,New York,pp.269−315(1994)を参照されたい。抗ErbB2抗体scFvフラグメントは、国際公開第WO93/16185号、米国特許第5571894号、及び同第5587458号に記載されている。

0107

非ヒト(例えば、齧歯類)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト免疫グロブリン由来の配列を最小限に含んだキメラ抗体である。ヒト化は、マウスの抗原結合情報非免疫原性のヒト抗体アクセプターに移入するための方法であり、多数の治療に有用な薬物をもたらしている。ヒト化の方法は、一般に、6つ全てのマウス相補性決定領域(CDR)をヒト抗体フレームワークに移入することによって開始する(Jones et al,(1986)Nature 321:522−525)。これらのCDRがグラフトされた抗体は、一般に、抗原結合に対する元々の親和性を保持することはなく、実際に、親和性は重度に損なわれることが多い。CDRの他に、選択された非ヒト抗体フレームワーク残基も、適切なCDR構成を維持するために組み込む必要がある(Chothia et al(1989)Nature 342:877)。グラフトされたCDRの構造配置を支持するために、鍵となるマウスフレームワーク残基をヒトアクセプターに移入することにより、抗原の結合及び親和性が回復されることが示されている(Riechmann et al(1992)J.Mol. Biol. 224,487−499、Foote and Winter,(1992)J.Mol. Biol. 224:487−499、Presta et al(1993)J.Immunol. 151,2623−2632、Werther et al(1996)J.Immunol. Methods157:4986−4995、及びPresta et al(2001)Thromb. Haemost. 85:379−389)。ヒト化抗体は、概ねヒト免疫グロブリンレシピエント抗体)であり、レシピエントの超可変領域からの残基が、所望される特異性、親和性、及び機能性を有するマウス、ラット、ウサギ、若しくは非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域からの残基で置き換えられている。一部の事例では、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体には見られない残基を含んでもよい。これらの修飾を行って、抗体の性能を更に改良してもよい。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含むことになり、超可変ループの全てまたは実質的に全てが、非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FRの全てまたは実質的に全てがヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体は、任意で、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部分、典型的にはヒト免疫グロブリンのものが含まれるであろう。更なる詳細については、米国特許第6407213号、Jones et al(1986)Nature,321:522−525、Riechmann et al(1988)Nature 332:323−329、及びPresta,(1992)Curr. Op.Struct. Biol.,2:593−596を参照されたい。

0108

「遊離システインアミノ酸」とは、親抗体に操作がなされ、チオール官能基(−SH)を有し、分子内または分子間のジスルフィド架橋として対合していない、システインアミノ酸を指す。

0109

「チオール反応性値」は、遊離システインアミノ酸の反応性の定量的特徴付けである。チオール反応性値は、チオール反応性試薬と反応する遊離システインアミノ酸のシステイン操作抗体中の割合であり、最大値1に変換される。例えば、100%の収率でビオチン−マレイミド試薬などのチオール反応性試薬と反応する、システイン操作抗体上の遊離システインアミノ酸は、チオール反応性値1.0を有する。90%の収率でチオール反応性試薬と反応する、同じかまたは異なる親抗体に操作がなされた別のシステインアミノ酸は、約0.9のチオール反応性値を有する。80%の収率でチオール反応性試薬と反応する、同じかまたは異なる親抗体に操作がなされた別のシステインアミノ酸は、約0.8のチオール反応性値を有する。70%の収率でチオール反応性試薬と反応する、同じかまたは異なる親抗体に操作がなされた別のシステインアミノ酸は、約0.7のチオール反応性値を有する。60%の収率でチオール反応性試薬と反応する、同じかまたは異なる親抗体に操作がなされた別のシステインアミノ酸は、約0.6のチオール反応性値を有する。50%の収率でチオール反応性試薬と反応する、同じかまたは異なる親抗体に操作がなされた別のシステインアミノ酸は、約0.5のチオール反応性値を有する。40%の収率でチオール反応性試薬と反応する、同じかまたは異なる親抗体に操作がなされた別のシステインアミノ酸は、約0.4のチオール反応性値を有する。30%の収率でチオール反応性試薬と反応する、同じかまたは異なる親抗体に操作がなされた別のシステインアミノ酸は、約0.3のチオール反応性値を有する。20%の収率でチオール反応性試薬と反応する、同じかまたは異なる親抗体に操作がなされた別のシステインアミノ酸は、約0.2のチオール反応性値を有する。10%の収率でチオール反応性試薬と反応する、同じかまたは異なる親抗体に操作がなされた別のシステインアミノ酸は、約0.1のチオール反応性値を有する。チオール反応性試薬との反応が全く達成できない、同じかまたは異なる親抗体に操作がなされた別のシステインアミノ酸は、チオール反応性値0を有する。特定のシステインのチオール反応性値の判定は、ELISAアッセイ、質量分析法液体クロマトグラフィーオートラジオグラフィー、または他の定量分析試験によって行うことができる。

0110

「親抗体」は、1つ以上のアミノ酸残基が1つ以上のシステイン残基で置き換えられた配列が由来するアミノ酸配列を含む抗体である。親抗体は、天然または野生型の配列を含み得る。親抗体は、抗体の他の天然、野生型、または修飾形態に対して、既存のアミノ酸配列修飾(付加、欠失、及び/または置換など)を有する場合がある。親抗体は、目的の標的抗原、例えば生物学的に重要なポリペプチドを対象としたものであり得る。非ポリペプチド抗原腫瘍関連糖脂質抗原など、米国特許第5091178号を参照されたい)を対象とする抗体もまた企図される。

0111

例示的な親抗体としては、細胞表面及び膜貫通受容体及び腫瘍関連抗原(TAA)に対する親和性及び選択性を有する抗体が挙げられる。

0112

「単離」抗体は、その天然環境の構成成分から特定及び分離され、かつ/または回収されているものである。その天然環境の混入成分は、抗体の診断上及び治療上の使用を妨げる材料であり、これらには、酵素ホルモン、及び他のタンパク質性若しくは非タンパク質性溶質が挙げられ得る。好ましい実施形態では、抗体は、次の程度まで精製される(1)ローリー法により判定した場合に抗体の95重量%を上回り、最も好ましくは99重量%を上回る、(2)スピニングカップシーケネータ(spinning cup sequenator)を使用してN末端若しくは内部アミノ酸配列の少なくとも15個の残基を得るのに十分な程度、または(3)クーマシーブルー、若しくは好ましくは銀染色を用いて還元若しくは非還元条件下でSDS−PAGEによって、均質になるまで。単離抗体には、組み換え細胞内でインサイツの抗体が含まれるが、これは、抗体の天然環境の少なくとも1つの構成要素が存在していないためである。しかしながら、通常は、単離抗体は少なくとも1つの精製ステップによって調製されるであろう。

0113

目的の分子標的または抗原、例えば、ErbB2抗原「と結合する」抗体は、抗体が、抗原を発現する細胞を標的とするのに有用となるような十分な親和性でその抗原に結合することができるものである。抗体がErbB2と結合するものである場合、その抗体は、通常、他のErbB受容体ではなくErbB2と優先的に結合し、かつEGFR、ErbB3、またはErbB4などの他のタンパク質とは有意に交差反応しないものであり得る。そのような実施形態では、その抗体とこれらの非ErbB2タンパク質との結合(例えば、内在性受容体への細胞表面結合)の程度は、蛍光活性セルソーティング(fluorescence activated cell sorting)(FACS)分析または放射性免疫沈降法(RIA)によって判定した場合に10%未満であろう。抗ErbB2抗体は、例えばSchecter et al. (1984)Nature 312:513及びDrebin et al(1984)Nature 312:545−548に記載されている、ラットneuタンパク質とは有意に交差反応しないことがあるだろう。

0114

本発明に包含される抗体の分子標的としては、CDタンパク質及びそれらのリガンドが挙げられ、例えば、限定されないが、(i)CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD22、CD34、CD40、CD79α(CD79a)、及びCD79β(CD79b)、(ii)EGF受容体、HER2、HER3、またはHER4受容体などのErbB受容体ファミリーのメンバー、(iii)細胞接着分子、例えばLFA−1、Mac1、p150,95、VLA−4、ICAM−1、VCAM、及びアルファ−v/ベータ−3インテグリン(それらのアルファ若しくはベータサブユニット(例えば、抗CD11a、抗CD18、若しくは抗CD11b抗体)のいずれかを含む)、(iv)VEGF、IgE、血液型抗原、flk2/flt3受容体、肥満(OB)受容体、mpl受容体、CTLA−4、タンパク質C、BR3、c−met、組織因子などの成長因子、ならびに(v)細胞表面及び膜貫通腫瘍関連抗原(TAA)などである。

0115

「抗Ly6E抗体」及び「Ly6Eに結合する抗体」という用語は、抗体が診断剤及び/または治療剤としてLy6Eを標的とすることに有用となるような十分な親和性でLy6Eと結合することができる抗体を指す。一実施形態では、無関係の非Ly6Eタンパク質への抗Ly6E抗体の結合の程度は、例えば、放射免疫測定法(RIA)によって測定した場合に、この抗体のLy6Eへの結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、Ly6Eに結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、5nm以下、4nM以下、3nM以下、2nM以下、1nM以下、0.1nM以下、0.01nM以下、または0.001nM以下(例えば、10−8M以下、例えば10−8M〜10−13M、例えば10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態では、抗Ly6E抗体は、異なる種に由来するLy6E間で保存されているLy6Eのエピトープに結合する。

0116

「抗STEAP1抗体」及び「STEAP1に結合する抗体」という用語は、抗体が診断剤及び/または治療剤としてSTEAP1を標的とすることに有用となるような十分な親和性でSTEAP1と結合することができる抗体を指す。一実施形態では、無関係の非STEAP1タンパク質への抗STEAP1抗体の結合の程度は、例えば、放射免疫測定法(RIA)によって測定した場合に、この抗体のSTEAP1への結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、STEAP1に結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、5nm以下、4nM以下、3nM以下、2nM以下、1nM以下、0.1nM以下、0.01nM以下、または0.001nM以下(例えば、10−8M以下、例えば10−8M〜10−13M、例えば10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態では、抗STEAP1抗体は、異なる種に由来するSTEAP1間で保存されているSTEAP1のエピトープに結合する。

0117

「抗CD79b抗体」及び「CD79bに結合する抗体」という用語は、抗体が診断剤及び/または治療剤としてCD79bを標的とすることに有用となるような十分な親和性でCD79bと結合することができる抗体を指す。一実施形態では、無関係の非CD79bタンパク質への抗CD79b抗体の結合の程度は、例えば、放射免疫測定法(RIA)によって測定した場合に、この抗体のCD79bへの結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、CD79bに結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、5nm以下、4nM以下、3nM以下、2nM以下、1nM以下、0.1nM以下、0.01nM以下、または0.001nM以下(例えば、10−8M以下、例えば10−8M〜10−13M、例えば10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態では、抗CD79b抗体は、異なる種に由来するCD79b間で保存されているCD79bのエピトープに結合する。

0118

「抗MUC16抗体」及び「MUC16に結合する抗体」という用語は、抗体が診断剤及び/または治療剤としてMUC16を標的とすることに有用となるような十分な親和性でMUC16と結合することができる抗体を指す。一実施形態では、無関係の非MUC16タンパク質への抗MUC16抗体の結合の程度は、例えば、放射免疫測定法(RIA)によって測定した場合に、この抗体のMUC16への結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、MUC16に結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、5nm以下、4nM以下、3nM以下、2nM以下、1nM以下、0.1nM以下、0.01nM以下、または0.001nM以下(例えば、10−8M以下、例えば10−8M〜10−13M、例えば10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態では、抗MUC16抗体は、異なる種に由来するMUC16間で保存されているMUC16のエピトープに結合する。

0119

「抗HER2抗体」及び「HER2に結合する抗体」という用語は、抗体が診断剤及び/または治療剤としてHER2を標的とすることに有用となるような十分な親和性でHER2と結合することができる抗体を指す。一実施形態では、無関係の非HER2タンパク質への抗HER2抗体の結合の程度は、例えば、放射免疫測定法(RIA)によって測定した場合に、この抗体のHER2への結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、HER2に結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、5nm以下、4nM以下、3nM以下、2nM以下、1nM以下、0.1nM以下、0.01nM以下、または0.001nM以下(例えば、10−8M以下、例えば10−8M〜10−13M、例えば10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態では、抗HER2抗体は、異なる種に由来するHER2間で保存されているHER2のエピトープに結合する。

0120

「抗CD22抗体」及び「CD22に結合する抗体」という用語は、抗体が診断剤及び/または治療剤としてCD22を標的とすることに有用となるような十分な親和性でCD22と結合することができる抗体を指す。一実施形態では、無関係の非CD22タンパク質への抗CD22抗体の結合の程度は、例えば、放射免疫測定法(RIA)によって測定した場合に、この抗体のCD22への結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、CD22に結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、5nm以下、4nM以下、3nM以下、2nM以下、1nM以下、0.1nM以下、0.01nM以下、または0.001nM以下(例えば、10−8M以下、例えば10−8M〜10−13M、例えば10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態では、抗CD22抗体は、異なる種に由来するCD22間で保存されているCD22のエピトープに結合する。

0121

「抗CD79b抗体」及び「CD79bに結合する抗体」という用語は、抗体が診断剤及び/または治療剤としてCD79bを標的とすることに有用となるような十分な親和性でCD79bと結合することができる抗体を指す。一実施形態では、無関係の非CD79bタンパク質への抗CD79b抗体の結合の程度は、例えば、放射免疫測定法(RIA)によって測定した場合に、この抗体のCD79bへの結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、CD79bに結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、5nm以下、4nM以下、3nM以下、2nM以下、1nM以下、0.1nM以下、0.01nM以下、または0.001nM以下(例えば、10−8M以下、例えば10−8M〜10−13M、例えば10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態では、抗CD79b抗体は、異なる種に由来するCD79b間で保存されているCD79bのエピトープに結合する。

0122

「抗NaPi2b抗体」及び「NaPi2bに結合する抗体」という用語は、抗体が診断剤及び/または治療剤としてNaPi2bを標的とすることに有用となるような十分な親和性でNaPi2bと結合することができる抗体を指す。一実施形態では、無関係の非NaPi2bタンパク質への抗NaPi2b抗体の結合の程度は、例えば、放射免疫測定法(RIA)によって測定した場合に、この抗体のNaPi2bへの結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、NaPi2bに結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、5nm以下、4nM以下、3nM以下、2nM以下、1nM以下、0.1nM以下、0.01nM以下、または0.001nM以下(例えば、10−8M以下、例えば10−8M〜10−13M、例えば10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態では、抗NaPi2b抗体は、異なる種に由来するNaPi2b間で保存されているNaPi2bのエピトープに結合する。

0123

別途示されない限り、「モノクローナル抗体4D5」という用語は、マウス4D5抗体(ATCCCRL10463)の抗原結合残基またはそれに由来する抗原結合残基を有する、抗体を指す。例えば、モノクローナル抗体4D5は、マウスモノクローナル抗体4D5、またはその変異形、例えばヒト化4D5であってもよい。例示的なヒト化4D5抗体には、米国特許第5821337号にあるように、huMAb4D5−1、huMAb4D5−2、huMAb4D5−3、huMAb4D5−4、huMAb4D5−5、huMAb4D5−6、huMAb4D5−7、及びhuMAb4D5−8(トラスツズマブ、HERCEPTIN(登録商標))が挙げられる。

0124

別途示されない限り、「モノクローナル抗体7C2」または「7C2」という用語は、7C2.v2.2.LA抗体の抗原結合残基またはそれに由来する抗原結合残基を有する、抗体を指す。7C2 抗体は、抗HER2抗体である。

0125

「hu7C2.v.2.2.LA抗体−薬物コンジュゲート」(hu7C2ADC)は、薬物にコンジュゲートされたヒト化7C2抗体を指す。具体的な実施形態では、操作システイン及びリンカーを介して薬物にコンジュゲートされたヒト化7C2抗体。具体的な実施形態では、ヒト化7C2 ADC は、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、T−DM1(Kadcyla(登録商標))、及びペルツズマブ(Perjeta(登録商標))から選択される1つ以上の追加治療剤と共投与される。いくつかの実施形態では、hu7C2 ADCは、トラスツズマブと共投与される。いくつかの実施形態では、hu7C2 ADCは、T−DM1と共投与される。いくつかの実施形態では、hu7C2 ADCは、ペルツズマブと共投与される。いくつかの実施形態では、hu7C2 ADCは、トラスツズマブ及びペルツズマブと共投与される。いくつかの実施形態では、hu7C2 ADCは、T−DM1及びペルツズマブと共投与される。

0126

「治療する」及び「治療」という用語は、治療的治療及び予防的または防止処置の両方を指し、その目的は、望ましくない生理学的変化または障害、例えば、癌の発生または拡がりを予防または遅延緩和)することである。本発明の目的では、有益または所望の臨床結果としては、検出できるか検出できないかに関係なく、症状の軽減、疾患の程度の減弱、疾患の状態の安定化(すなわち、悪化しない)、疾患進行の遅延または減速疾患状態の緩和または一時的緩和、及び寛解(部分的若しくは完全なもの)が挙げられるがこれらに限定されない。「治療」はまた、治療を受けていなかった場合に予測される生存と比較して、生存期間を長くすることも意味し得る。治療が必要なものには、状態若しくは障害を既に有するもの、ならびに状態若しくは障害を有する傾向にあるもの、または状態若しくは障害を予防する必要があるものが挙げられる。

0127

「治療有効量」という用語は、哺乳動物における疾患または障害を治療するのに有効な薬物の量を指す。癌の場合、薬物の治療有効量は、癌細胞の数の低減;腫瘍サイズ縮小;癌細胞が末梢器官浸潤することの阻害(すなわち、ある程度の遅延及び好ましくは停止);腫瘍転移の阻害(すなわち、ある程度の遅延及び好ましくは停止);腫瘍成長のある程度の阻害;ならびに/または癌と関連する症状の1つ以上のある程度の緩和を行うことができる。薬物が既存のがん細胞の成長の予防及び/またはそれらの殺滅を行うことができる限り、この薬物は細胞増殖抑制性及び/または細胞毒性であり得る。癌療法に関しては、有効性は、例えば、腫瘍進行に対する時間(TTP)の評価及び/または応答速度(RR)の判定によって、測定することができる。

0128

「癌」及び「癌性」という用語は、典型的には制御されない細胞成長を特徴とする、哺乳動物における生理学的状態をさすか、または説明する。「腫瘍」は、1つ以上の癌性細胞を含む。癌の例としては、癌腫リンパ腫芽細胞腫肉腫、及び白血病またはリンパ系悪性病変が挙げられるがこれらに限定されない。そのような癌のより具体的な例としては、扁平上皮細胞癌(例えば、上皮系扁平上皮細胞癌(epithelial squamous cell cancer))、小細胞肺癌非小細胞肺癌(「NSCLC」)、腺癌、及び肺の扁平上皮癌を含む肺癌腹膜の癌、肝細胞癌消化管癌を含む胃癌(gastric cancer)または胃癌(stomach cancer)、膵臓癌膠芽腫子宮頸癌卵巣癌肝臓癌膀胱癌、肝臓癌、乳癌結腸癌直腸癌結腸直腸癌子宮内膜癌または子宮癌唾液腺癌、腎臓癌(kidney cancer)または腎臓癌(renal cancer)、前立腺癌、外陰部癌、甲状腺癌肝癌肛門癌、陰茎癌、ならびに頭頸部癌が挙げられる。

0129

「ErbB発現癌」は、ErbBタンパク質が細胞表面に存在する細胞を含むものである。「ErbB2発現癌」は、十分なレベルのErbB2をその細胞表面に産生しており、結果として、抗ErbB2抗体がそこに結合し、癌に対して治療効果を有することができるようなものである。

0130

抗原性受容体を「過剰発現する」癌は、その細胞表面にErbB2などの受容体を、同じ組織型の非癌性細胞と比較して有意に高いレベルで有するものである。そのような過剰発現は、遺伝子の増幅、または転写若しくは翻訳の増加によって引き起こされ得る。受容体過剰発現は、(例えば、免疫組織化学アッセイ、IHCにより)細胞の表面に存在する増加した受容体タンパク質のレベルを評価することによって、診断または予後アッセイで判定することができる。代替または追加として、蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH、国際公開第WO98/45479号)、サザンブロッティング、またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技法、例えば、リアルタイム定量PCR(RT−PCR)によって、細胞内の受容体をコードする核酸のレベルを測定してもよい。

0131

「化学療法」は、癌の治療に有用な化学療法剤の使用である。

0132

「化学療法剤」は、作用機序に関わらず、癌の治療に有用な化合物であえる。本明細書に使用されるとき、「薬物」または「薬物部分」は、化学療法剤の例である。したがって、本明細書に記載されるTHIOMAB(商標)抗体は、システイン操作抗体、リンカー、及び薬物を含み、この薬物は、本明細書に記載される化学療法剤のうちの任意のものであってもよい。

0133

化学療法剤のクラスとしては、アルキル化剤抗代謝剤紡錘体毒植物アルカロイド、細胞毒性/抗腫瘍抗生物質トポイソメラーゼ阻害剤、抗体、光増感剤、及びキナーゼ阻害剤が挙げられるがこれらに限定されない。化学療法剤の例としては、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標)、Genentech/OSIPharm.)、ドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Sanofi−Aventis)、5−FU(フルオロウラシル5−フルオロウラシルCAS番号51−21−8)、ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標)、Lilly)、PD−0325901(CAS番号391210−10−9、Pfizer)、シスプラチン(シス−ジアミンジクロロ白金(II)、CAS番号15663−27−1)、カルボプラチン(CAS番号41575−94−4)、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol−Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)、テモゾロミド(4−メチル−5−オキソ−2,3,4,6,8−ペンタザビシクロ[4.3.0]ノナ−2,7,9−トリエン−9−カルボキサミド、CAS番号85622−93−1、TEMODAR(登録商標)、TEMODAL(登録商標)、Schering Plough)、タモキシフェン((Z)−2−[4−(1,2−ジフェニルブタ−1−エニルフェノキシ]−N,N−ジメチル−エタンアミン、NOLVADEX(登録商標)、ISTUBAL(登録商標)、VALODEX(登録商標))、及びドキソルビシン(ADRIAMYCIN(登録商標))、Akti−1/2、HPPD、ならびにラパマイシンが挙げられる。

0134

化学療法剤の更なる例としては、オキサリプラチン(ELOXATIN(登録商標)、Sanofi)、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、Millennium Pharm.)、スーテント(SUNITINIB(登録商標)、SU11248、Pfizer)、レトロゾール(FEMARA(登録商標)、Novartis)、メチル酸イマチニブ(GLEEVEC(登録商標)、Novartis)、XL−518(MEK阻害剤、Exelixis、国際公開第WO2007/044515号)、ARRY−886(Mek阻害剤、AZD6244、Array BioPharma、Astra Zeneca)、SF−1126(PI3K阻害剤、Semafore Pharmaceuticals)、BEZ−235(PI3K阻害剤、Novartis)、XL−147(PI3K阻害剤、Exelixis)、PTK787/ZK 222584(Novartis)、フルベストラント(FASLODEX(登録商標)、AstraZeneca)、ロイコボリンフォリン酸)、ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標)、Wyeth)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、Glaxo Smith Kline)、ロナファーニブSARASAR(商標)、SCH 66336、Schering Plough)、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標)、BAY43−9006、Bayer Labs)、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標)、AstraZeneca)、イリノテカンCAMPTOSAR(登録商標)、CPT−11、Pfizer)、チピファルニブ(ZARNESTRA(商標)、Johnson&Johnson)、ABRAXANE(商標)(クレモホール不含)、パクリタキセルのアルブミン操作ナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners,Schaumberg,Il)、バンデタニブ(rINN、ZD6474、ZACTIMA(登録商標)、AstraZeneca)、クロラムブシル(chloranmbucil)、AG1478、AG1571(SU 5271、Sugen)、テムシロリムス(TORISEL(登録商標)、Wyeth)、パゾパニブ(GlaxoSmithKline)、カンホスファミドTELCYTA(登録商標)、Telik)、チオテパ及びシクロスホスファミド(cyclosphosphamide)(CYTOXAN(登録商標)、NEOSAR(登録商標));アルキルスルホン酸、例えばブスルファンインプロスルファン、及びピポスルファンアジリジン、例えばベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、及びウレドーパ(uredopa);エチレンイミン及びメチラメラミン(methylamelamine)、例えば、アルトレタミントリエチレンメラミン、、トリエチレンチオホスホルアミド、及びトリメチロメラミンアセトゲニン(特に、ブラシン及びブラタシノン);カンプトテシン合成類似体トポテカンを含む);ブリオスタチンカリスタチン(callystatin);CC−1065(そのアゾゼレシン、カルゼレシン、及びビゼレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW−2189及びCB1−TM1を含む);エロテロビン(eleutherobin);パンクラチスタチン(pancratistatin);サルコジクチイン;スポンジスタチン(spongistatin);ナイトロジェンマスタード、例えばクロラムブシル、クロルファジンクロロホスファミド、エストラムスチンイホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩(mechlorethamine oxide hydrochloride)、メルファラン、ノベムビシン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレニムスチントロホスファミド、ウラシルマスタードニトロソ尿素、例えばカルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチン(ranimnustine);抗生物質、例えばエンジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、カリケアマイシンガンマ1I、カリケアマイシンオメガI1(Angew Chem. Intl. Ed. Engl.(1994)33:183−186);ダイネミシン、ダイネミシンA;ビスホスホネート、例えば、クロドロネートエスペラミシン;ならびにネオカルジノスタチン発色団及び関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)、アクラノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリンブレオマイシンカクチノマイシンカラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジノフィリンクロモマイシンダクチノマイシンダウノルビシン、デトルビシン(detorubicin)、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシンモルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン及びデオキシドキソルビシン)、エピルビシン、エソルビシン(esorubicin)、イダルビシンマルセロマイシン、マイトマイシン、例えばマイトマイシンCミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシンポルフィロマイシンピューロマイシンケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリンストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗薬、例えば、メトトレキサート及び5−フルオロウラシル(5−FU);葉酸類似体、例えばデノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリントリメトレキサートプリン類似体、例えば、フルダラビン、6−メルカプトプリンチアプリン(thiamiprine)、チオグアニンピリミジン類似体、例えば、アンシタビンアザシチジン6−アザウリジンカルモフールシタラビンジデオキシウリジンドキシフルリジンエノシタビンフロクスウリジンアンドロゲン、例えば、カルステロンプロピオン酸ドロモスタノロンエピチオスタノールメピチオスタンテストラクトン;抗副腎剤(anti−adrenal)、例えば、アミノグルテチミドミトタントリロスタン;葉酸補液(folic acid replenisher)、例えば、フロリン酸(frolinic acid);アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド(aldophosphamide glycoside);アミノレブリン酸エニルウラシルアムサクリンベストラブシル(bestrabucil);ビスアントレン;エダトラキサート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルチン;ジアジオンエルホルニチン(elfornithine);酢酸リプチニウム;エポチロンエトグルシド;硝酸ガリウムヒドロキシ尿素レンチナン;ロニダイニン(lonidainine);マイタンシノイド、例えば、マイタンシン及びアンサマイトシンミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール(mopidanmol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメットピラルビシン;ロソキサントロンポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド(2−ethylhydrazide);プロカルバジンPSK(登録商標)多糖類複合体(JHS Natural Products、Eugene,OR);ラゾキサン;リゾキシンシゾフィランスピロゲルマニウムテヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2”−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(T−2毒素ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン);ウレタンビンデシンダカルバジンマンノムスチンミトブロニトール;ミトラクトールピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(Ara−C);シクロホスファミド;チオテパ;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金類似体、例えば、シスプラチン及びカルボプラチン;ビンブラスチンエトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチンビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシンアミノプテリンカペシタビン(XELODA(登録商標)、Roche);イバンドロネート;CPT−11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチンDMFO);レチノイド、例えばレチノイン酸;ならびに上述のものの任意のものの薬学的に許容される塩、酸、及び誘導体が挙げられる。

0135

本明細書に使用される「細胞毒性剤」という用語は、細胞の機能を阻害若しくは阻止する、及び/または細胞の破壊を引き起こす、物質を指す。化学療法剤(すなわち、「薬物」または「薬物部分」)は、細胞毒性剤であってもよい。したがって、本明細書に記載されるTHIOMAB(商標)抗体は、システイン操作抗体、リンカー、及び薬物を含み、この薬物は、本明細書に記載される細胞毒性剤のうちの任意のものであってもよい。この用語は、放射性同位体(例えば、211At、131I、125I、90Y、186Re、188Re、153Sm、212Bi、32P、60C、及びLuの放射性同位体)、化学療法剤、ならびに毒素、例えば、細菌、真菌、植物、または動物起源の小分子毒素または酵素的に活性な毒素(それらの合成類似体及び誘導体を含む)を含むことが意図される。

0136

ファージディスプレイ」は、変異形ポリペプチドファージ、例えば繊維状ファージ粒子の表面上のコートタンパク質との融合タンパク質として提示される、技法である。ファージディスプレイの有用性の1つは、無作為なタンパク質変異形の大きなライブラリを、標的分子に高い親和性で結合する配列に関して高速かつ効率的に分類することができるという事実にある。ペプチド及びタンパク質ライブラリのファージへのディスプレイは、特異的な結合特性を有するものに関して、何百万ものポリペプチドをスクリーニングするのに使用されている。多価ファージディスプレイ法は、小さなランダムペプチド及び小さなタンパク質を、特に、繊維状ファージのpIIIまたはpVIIIのいずれかへの融合を通じてディスプレイするために使用されている(Wells and Lowman,(1992)Curr. Opin. Struct. Biol.,3:355−362及びそこに引用されている参考文献)。一価ファージディスプレイライブラリを、ファージコートタンパク質またはその一部分に融合させ、野生型タンパク質の存在下で低いレベルで発現される。結合活性作用が多価ファージと比べて低下しているため、分類は本質的なリガンド親和性に基づき、ファージミドベクターが使用され、これによりDNA操作が単純なものになる。Lowman and Wells,Methods:A companion to Methods in Enzymology,3:205−0216(1991)。ファージディスプレイには、抗体様分子を産生するための技法が含まれる(Janeway,C.,Travers,P.,Walport,M.,Shlomchik(2001)Immunobiology,5th Ed.,Garland Publishing,New York,p627−628、Lee et al )。

0137

ファージミド」は、細菌複製起点、例えば、Co1E1と、バクテリオファージ遺伝子間領域のコピーを有する、プラスミドベクターである。ファージミドは、繊維状バクテリオファージ及びラムイドバクテリオファージを含む、任意の既知のバクテリオファージに使用することができる。プラスミドはまた、一般に、抗生物質耐性の選択的マーカーを含むであろう。これらのベクタークローニングしたDNAのセグメントは、プラスミドとして増殖させることができる。これらのベクターを持つ細胞に、ファージ粒子の産生に必要な全ての遺伝子を提供すると、プラスミドの複製様式がローリングサークル複製に変わり、プラスミドDNAの一本鎖のコピー及びパッケージファージ粒子が生成される。ファージミドは、感染性または非感染性ファージ粒子を形成することができる。この用語には、異種ポリペプチドがファージ粒子の表面にディスプレイされるように、遺伝子融合として異種ポリペプチド遺伝子に結合したファージコートタンパク質遺伝子またはそのフラグメントを含む、ファージミドが含まれる。

0138

「リンカー」、「リンカー単位」、または「リンク」は、共有結合、または抗体を薬物部分に共有結合する原子の鎖を含む、化学部分を指す。様々な実施形態において、リンカーは、Lとして示される。リンカーには、二価ラジカル、例えば、アルキルジイル(alkyldiyl)、アリーレンヘテロアリーレン、−(CR2)nO(CR2)n−などの部分、アルキルオキシ(例えば、ポリエチレンオキシ、PEG、ポリメチレンオキシ)及びアルキルアミノ(例えば、ポリエチレンアミノ、Jeffamine(商標))の反復単位、ならびにスクシネートスクシンアミド、ジグリコレートマロネート、及びカプロアミドを含む、二価酸のエステル及びアミドが挙げられる。

0139

「標識」という用語は、抗体に共有結合することができ、(i)検出可能なシグナルの提供、(ii)第2の標識と相互作用して、第1または第2の標識によって提供される検出可能な信号を変化させる、例えば、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)、(iii)抗原若しくはリガンドとの相互作用若しくはそれらとの結合の親和性の安定化、(iv)移動性、例えば、電気泳動の移動性、若しくは細胞透過性に、電荷疎水性、形状、若しくは他の物理的パラメータにより影響を与えること、または(v)リガンド親和性、抗体/抗原結合、若しくはイオン性複合体形成を調節するための捕捉部分の提供を行うように機能する、任意の部分を意味する。

0140

本明細書に使用される立体化学的定義及び慣例は、概して、S.P.Parker,Ed.,McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms(1984)McGraw−Hill Book Company,New York、及びEliel,E.and Wilen,S.,Stereochemistry of Organic Compounds(1994)John Wiley&Sons,Inc.,New Yorkに従う。多くの有機化合物は、光学的に活性な形態で存在する、すなわち、それらは、平面偏光の面を回転させる能力を有する。光学活性化合物について説明する際、接頭辞D及びL、またはR及びSは、そのキラル中心(複数可)を中心とした分子の絶対配置を表すために使用される。接頭辞d及びlまたは(+)及び(−)は、化合物による平面偏光の回転の表示を指定するために用いられ、(−)またはlは、化合物が左旋性であることを意味する。接頭辞が(+)またはdの化合物は、右旋性である。所与の化学構造について、これらの立体異性体は、互いに鏡像であることを除き、同一である。特定の立体異性体はまた、エナンチオマーとも称され、そのような異性体の混合物は、エナンチオマー混合物と呼ばれることがある。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物またはラセミ体と称され、これらは、化学反応またはプロセスにおいて立体選択または立体特異性が存在していない場合に生じ得る。「ラセミ混合物」及び「ラセミ体」という用語は、光学活性欠く2つのエナンチオマー種の等モル混合物を指す。

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