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技術 酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法

出願人 堺化学工業株式会社
発明者 三宅淳一
出願日 2019年3月5日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-039929
公開日 2020年9月10日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-142946
状態 未査定
技術分野 アルカリ土類,Al,希土類金属化合物 重金属無機化合物(II)
主要キーワード 容器由来 バッチセル ストロンチウム元素 塩素酸ストロンチウム 金属ストロンチウム バリウム元素 レトルト内 炭酸ガス吸収剤
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年9月10日)のものです。
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図面 (2)

課題

焼成物焼成容器に固着することを充分に抑制し、効率よく生産することができる酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法を提供する。

解決手段

酸化バリウム又は酸化ストロンチウムを製造する方法であって、該製造方法は、回転させたキルン内で、酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの種粒子を用いて、バリウム化合物又はストロンチウム化合物を逐次添加しながら焼成する工程を含むことを特徴とする酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法。

概要

背景

酸化バリウム又は酸化ストロンチウムは、バリウム又はストロンチウム金属の原料乾燥剤触媒炭酸ガス吸収剤潤滑油添加剤鉄板加工の添加剤等の種々の工業用途に有用である。酸化バリウム及び酸化ストロンチウムの製造方法として非特許文献1、2には、炭酸バリウム強熱する方法、バリウムの硫酸塩、硝酸塩ヨウ素酸塩又は水酸化物を800℃で数時間加熱する方法、ストロンチウムの炭酸塩、水酸化物又は硝酸塩をアルミナ又はニッケル製のるつぼに入れて強熱する方法が開示されている。また、特許文献1には、酸化バリウム組成物の製造方法であって、該製造方法は、酸化バリウム粒子を酸化バリウムに対して0.1〜10%の炭酸バリウムの存在下で加熱し、実質的に他の物質気体非存在下で、該バリウム化合物を混合しながら950℃で反応させる方法が開示されている。

概要

焼成物焼成容器に固着することを充分に抑制し、効率よく生産することができる酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法を提供する。 酸化バリウム又は酸化ストロンチウムを製造する方法であって、該製造方法は、回転させたキルン内で、酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの種粒子を用いて、バリウム化合物又はストロンチウム化合物を逐次添加しながら焼成する工程を含むことを特徴とする酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法。なし

目的

本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、焼成物が焼成容器に固着することを充分に抑制し、効率よく生産することができる酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

酸化バリウム又は酸化ストロンチウムを製造する方法であって、該製造方法は、回転させたキルン内で、酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの種粒子を用いて、バリウム化合物又はストロンチウム化合物を逐次添加しながら焼成する工程を含むことを特徴とする酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法。

請求項2

前記焼成工程におけるバリウム化合物又はストロンチウム化合物のキルン容積1L当たりの添加量は、8〜34g/時間であることを特徴とする請求項1に記載の酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法。

請求項3

前記酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法の焼成工程における焼成温度は、800〜1500℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法。

請求項4

前記酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの種粒子の平均粒子径は、0.5〜25mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法。

請求項5

前記焼成工程における酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの種粒子の添加量は、キルン内の表面積1m2に対して、50〜200kgであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法。

請求項6

前記バリウム化合物又はストロンチウム化合物は、分解温度が500〜800℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法。

請求項7

前記焼成工程において、鉄、クロムニッケルコバルト及び銅からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む化合物を、バリウム化合物又はストロンチウム化合物の質量に対して50〜1000ppm投入することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法に関する。より詳しくは、バリウム又はストロンチウム金属の原料乾燥剤触媒炭酸ガス吸収剤潤滑油添加剤鉄板加工の添加剤等の工業用途に有用な酸化バリウム又は酸化ストロンチウムに関する。

背景技術

0002

酸化バリウム又は酸化ストロンチウムは、バリウム又はストロンチウム金属の原料、乾燥剤、触媒、炭酸ガス吸収剤、潤滑油添加剤、鉄板加工の添加剤等の種々の工業用途に有用である。酸化バリウム及び酸化ストロンチウムの製造方法として非特許文献1、2には、炭酸バリウム強熱する方法、バリウムの硫酸塩、硝酸塩ヨウ素酸塩又は水酸化物を800℃で数時間加熱する方法、ストロンチウムの炭酸塩、水酸化物又は硝酸塩をアルミナ又はニッケル製のるつぼに入れて強熱する方法が開示されている。また、特許文献1には、酸化バリウム組成物の製造方法であって、該製造方法は、酸化バリウム粒子を酸化バリウムに対して0.1〜10%の炭酸バリウムの存在下で加熱し、実質的に他の物質気体非存在下で、該バリウム化合物を混合しながら950℃で反応させる方法が開示されている。

0003

英国特許出願公開第914427号明細書

先行技術

0004

社団法人日化学会編、「実験化学講座(第16巻)無機化合物」、第4版、丸善株式会社、1993年1月、p. 219−220
化学大辞典編集委員会編、「化学大辞典3」、初版、共立出版株式会社、1960年9月、p. 915,934

発明が解決しようとする課題

0005

上述のとおり、酸化バリウム及び酸化ストロンチウムの製造方法について、種々の方法が開示されている。しかしながら従来の方法では、焼成により生じた焼成物焼成容器に固着し、焼成物を回収することが困難であるという問題があった。

0006

本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、焼成物が焼成容器に固着することを充分に抑制し、効率よく生産することができる酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、酸化バリウム又は酸化ストロンチウムを製造する方法について種々検討したところ、回転させたキルン内で、酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの種粒子を用いて、バリウム化合物又はストロンチウム化合物を逐次添加しながら焼成することにより、焼成物が焼成容器に固着することを充分に抑制することができ、これにより酸化バリウム又は酸化ストロンチウムを効率よく生産することができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。

0008

すなわち本発明は、酸化バリウム又は酸化ストロンチウムを製造する方法であって、上記製造方法は、回転させたキルン内で、酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの種粒子を用いて、バリウム化合物又はストロンチウム化合物を逐次添加しながら焼成する工程を含む酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法である。

0009

上記焼成工程におけるバリウム化合物又はストロンチウム化合物のキルン容積1L当たりの添加量は、8〜34g/時間であることが好ましい。

0010

上記酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法の焼成工程における焼成温度は、800〜1500℃であることが好ましい。

0011

上記酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの種粒子の平均粒子径は、0.5〜25mmであることが好ましい。

0012

上記焼成工程における酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの種粒子の添加量は、キルン内の表面積1m2に対して、50〜200kgであることが好ましい。

0013

上記バリウム化合物又はストロンチウム化合物は、分解温度が500〜800℃であることが好ましい。

0014

上記焼成工程において、鉄、クロム、ニッケル、コバルト及び銅からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む化合物を、バリウム化合物又はストロンチウム化合物の質量に対して50〜1000ppm投入することが好ましい。

発明の効果

0015

本発明の酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法は、上述の構成よりなり、焼成物が焼成容器に固着することを充分に抑制することができるため、酸化バリウム及び酸化ストロンチウムを工業的に効率よく生産する方法として好適に用いることができる。

図面の簡単な説明

0016

比較例5、6で用いた金属製レトルトの焼成前の外観を示す写真である。
比較例5、6において硝酸ストロンチウムを焼成した後の金属製レトルト内部の様子を示す写真である。

0017

以下に本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態に該当する。

0018

<焼成工程>
本発明の酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法は、回転させたキルン内で、酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの種粒子を用いて、バリウム化合物又はストロンチウム化合物を逐次添加しながら焼成する工程を含む。
上記製造方法において、酸化バリウムを得る場合には酸化バリウムの種粒子及びバリウム化合物を用い、酸化ストロンチウムを得る場合には酸化ストロンチウムの種粒子及びストロンチウム化合物を用いる。
上記焼成工程では、回転させたキルン内で焼成を行うことにより、種粒子がキルン内で流動しているところにバリウム化合物又はストロンチウム化合物が逐次添加されて種粒子上に均一に分散され、速やかに分解されることとなる。これにより、該化合物の溶融塩がキルン内の壁面に固着することを充分に抑制することができ、工業的に効率よく酸化バリウム又は酸化ストロンチウムを生産することが可能となる。

0019

上記焼成工程において用いる酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの種粒子(以下、種粒子ともいう)は、目的とする酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの粒子の成長の核として機能するものである。種粒子を用いることで、核となる種粒子にバリウム化合物又はストロンチウム化合物が付着し、粒子が成長する。このようにバリウム化合物又はストロンチウム化合物が種粒子に付着してより大きな粒子となり、そのような大きな粒子がキルン内で流動することで、種粒子を用いない場合に比べて、溶融塩がキルン内の壁面に接触することをより充分に抑制することができる。このため焼成物のキルンへの固着を充分に抑制することができる。
更に、上記のように種粒子上に生じた溶融塩は、速やかに熱分解して酸化バリウム又は酸化ストロンチウム粒子が生成する。このように生成した酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの粒子は、回転キルン内転動することにより、粒子表面の酸化バリウム又は酸化ストロンチウムが削られるため、削られた粒子が更に種粒子としても機能することとなる。

0020

従来の製造方法では、バリウム化合物又はストロンチウム化合物の溶融塩が焼成容器を侵食し、容器割れたり、容器由来の成分が焼成物に混入する等の不具合も生じていたが、本発明の焼成工程を行うことにより、容器の浸食や容器由来の成分の混入も充分に抑制することができる。

0021

上記焼成工程では、バリウム化合物又はストロンチウム化合物をキルンに添加する前に、酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの種粒子をキルン内に添加することが好ましい。これにより、回転キルン内で上記種粒子が転動しているところにバリウム化合物又はストロンチウム化合物が添加され、該化合物が種粒子により付着しやすくなるため、バリウム化合物又はストロンチウム化合物の溶融塩がキルン内の壁面と接触することを更に充分に抑制することができる。

0022

上記焼成工程における酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの種粒子の添加量は、キルン内の表面積1m2に対して、50〜200kgであることが好ましい。
上記添加量がキルン内の表面積1m2に対して50kg以上であれば、キルン表面を転動する種粒子の量がより充分となるため、バリウム化合物又はストロンチウム化合物がキルンの壁面に接触することをより充分に抑制することができ、溶融塩がキルンの壁面に固着することをより充分に抑制することができる。より好ましくは表面積1m2に対して、70〜180kgであり、更に好ましくは90〜160kgである。

0023

上記種粒子は、酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの粒子であれば特に制限されないが、平均粒子径が0.5〜25mmであることが好ましい。平均粒子径が25mm以下であれば目的とする焼成物の粒子径が大きくなりすぎることを充分に抑制することができる。
平均粒子径が0.5mm以上であれば、キルン内で種粒子がより充分に転動することができる。また、平均粒子径が上記好ましい範囲であると、バリウム化合物又はストロンチウム化合物の逐次添加量に対してより充分な比表面積を有することとなり、また、種粒子がキルン内を滑り落ちることなく壁面の上部に持ち上がり落下することを繰り返す良好な転動状態となるため、バリウム化合物又はストロンチウム化合物がキルン壁面に付着するよりも、種粒子上に均一に分散して付着することが優先され、速やかに熱分解される。更に、炉(キルン)が回転する際に、種粒子が集まって粒子表面の一部分でのみキルンの壁面と接してすべることなく、個々の種粒子がより充分に流動(転動)することとなる。種粒子の平均粒子径としてより好ましくは10〜25mmであり、更に好ましくは15〜25mmである。
上記種粒子の平均粒子径は、実施例に記載の方法により測定することができる。

0024

上記種粒子は、純度が95質量%以上であることが好ましい。これにより、得られる酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの純度をより高めることができる。より好ましくは目的とする酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの純度と同等以上とすることである。

0025

上記焼成工程におけるバリウム化合物又はストロンチウム化合物のキルン容積1L当たりの添加量は、8〜34g/時間であることが好ましい。添加量を8g/時間以上とすることにより、より効率的に目的の酸化バリウム又は酸化ストロンチウムを得ることができ、34g/時間以下とすることにより、バリウム化合物又はストロンチウム化合物を種粒子上でより充分に熱分解することができるため、壁面に溶融塩が固着することをより充分に抑制することができる。より好ましくは16〜34g/時間であり、更に好ましくは16〜25g/時間である。

0026

上記バリウム化合物又はストロンチウム化合物は、それぞれバリウム元素又はストロンチウム元素を含むものであれば特に制限されないが、バリウム塩又はストロンチウム塩であることが好ましい。
バリウム塩としては、例えば、硝酸バリウム水酸化バリウム、炭酸バリウム、過酸化バリウムギ酸バリウム、酢酸バリウム乳酸バリウム、シュウ酸バリウム塩化バリウム、フッ化バリウム、ヨウ化バリウム臭化バリウム塩素酸バリウムヨウ素酸バリウム、過塩素酸バリウム等が挙げられる。
ストロンチウム塩としては、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム炭酸ストロンチウム過酸化ストロンチウム、ギ酸ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、乳酸ストロンチウム、シュウ酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、ヨウ化ストロンチウム、臭化ストロンチウム塩素酸ストロンチウムヨウ素酸ストロンチウム過塩素酸ストロンチウム等が挙げられる。
これらの塩は、無水物であっても水和物であっても良い。また水和物の場合、その水和水の数も問わない。

0027

上記バリウム化合物又はストロンチウム化合物は、分解温度が500〜800℃であることが好ましい。分解温度が800℃以下であれば、より好適な温度で焼成を行うことができる。
また、バリウム化合物又はストロンチウム化合物は、ハロゲン元素炭素元素を含まないものであることが好ましい。ハロゲン元素や炭素元素を含まない化合物は、分解温度が比較的低い傾向があるため、より低温でバリウム化合物又はストロンチウム化合物を熱分解させることができる。また、このような化合物を用いることにより、熱分解に伴い生じるガスによりキルンを傷めることも充分に抑制することができる。
また、例えば得られる酸化バリウム又は酸化ストロンチウムを油の水添触媒や鉄板加工の添加剤用途に用いる場合、炭素系の不純物を含まないものであることが好ましいため、原料であるバリウム化合物又はストロンチウム化合物は、炭素元素を含まないものであることが好ましい。また、酸化バリウム又は酸化ストロンチウムを金属バリウム及び金属ストロンチウムの原料用途に用いる場合、これらの化合物を真空中で焼成して金属バリウム及び金属ストロンチウムを得る方法が一般的であり、該方法では、真空中で焼成を行うため、不純物によるガスの発生を抑制することが求められる。このため、原料であるバリウム化合物又はストロンチウム化合物は、ガスの発生の原因となる不純物を生じさせる恐れのあるハロゲン元素や炭素元素を含まないものであることが好ましい。
バリウム化合物又はストロンチウム化合物として好ましくは硝酸バリウム、水酸化バリウム;硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウムであり、より好ましくは硝酸バリウム;硝酸ストロンチウムである。
上記硝酸塩は分解温度が好適であり、熱分解により発生する窒素酸化物もキルン内でほとんど分解されることから排ガス処理設備等も不要であるため、バリウム化合物又はストロンチウム化合物が硝酸塩である形態は、本発明の好ましい実施形態の1つである。

0028

上記バリウム化合物又はストロンチウム化合物の形態は特に制限されず、粉状、塊状、結晶状等であってもよい。

0029

上記バリウム化合物又はストロンチウム化合物の平均粒子径は特に制限されないが、10mm以下であることが好ましい。これにより、上記化合物に対してより均等に熱が伝わり溶融しやすくなる。その結果、熱分解もしやすくなる。該化合物の平均粒子径として、より好ましくは0.1〜5mmであり、更に好ましくは0.1〜1mmである。
上記バリウム化合物又はストロンチウム化合物の平均粒子径は、実施例に記載の方法により測定することができる。

0030

上記バリウム化合物又はストロンチウム化合物の純度は特に制限されないが、97.5質量%以上であることが好ましい。これにより水分等の不純物量が充分に低減され、例えば、水分による潮解を充分に抑制し、上記化合物が分解する前に溶解することを充分に抑制することができる。バリウム化合物又はストロンチウム化合物中の水分量は、化合物100質量%に対して0.4質量%以下であることが好ましい。

0031

上記焼成工程では、バリウム化合物又はストロンチウム化合物、及び、上記種粒子以外の成分を添加してもよい。
その他の成分としては、例えば着色のための添加剤が挙げられる。
上記着色のための添加剤としては、有色のイオンを生じる金属元素を含む化合物が好ましい。有色のイオンを生じる金属元素としては、特に制限されないが、遷移金属元素が挙げられる。中でも好ましくは、元素の周期表の第6〜11族の元素である。より好ましくは鉄、クロム、ニッケル、コバルト及び銅である。
有色のイオンを生じる金属元素を含む化合物としては、例えば、遷移金属元素の硝酸塩、水酸化物、炭酸塩、過酸化物ハロゲン化物等が挙げられる。好ましくは硝酸塩、水酸化物である。

0032

上記焼成工程における着色のための添加剤の使用量は特に制限されないが、バリウム化合物又はストロンチウム化合物の質量に対して50〜1000ppmであることが好ましい。鉄、クロム、ニッケル、コバルト及び銅からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む化合物を、バリウム化合物又はストロンチウム化合物の質量に対して50〜1000ppm投入する形態は、本発明の好ましい実施形態の1つである。

0033

上記焼成工程における焼成温度は、原料のバリウム化合物及びストロンチウム化合物の種類や、キルンの材質に基づき決定すればよいが、800〜1500℃であることが好ましい。焼成温度が上記範囲内であれば、バリウム化合物及びストロンチウム化合物をより充分に熱分解させることができ、溶融塩がキルン内に固着することをより充分に抑制することができる。より好ましくは800〜1200℃であり、更に好ましくは800〜950℃であり、特に好ましくは830〜870℃である。
なお、上記焼成温度は、キルン内部の温度である。

0034

上記焼成工程における焼成時間は、原料のバリウム化合物及びストロンチウム化合物を熱分解させることができる限り特に制限されないが、5〜10時間であることが好ましい。5時間以上であれば、バリウム化合物及びストロンチウム化合物をより充分に熱分解させることができ、10時間以下であれば、生産性をより向上させることができる。
焼成時間は、原料のバリウム化合物及びストロンチウム化合物の投入が完了した時点からキルン内の温度を所定の温度に維持している時間をいう。

0035

上記焼成工程におけるキルン内の雰囲気としては、大気雰囲気でも不活性雰囲気でもどちらでもよいが、不活性雰囲気が好ましい。不活性雰囲気下で焼成を行うことにより、酸素による過酸化バリウムや過酸化ストロンチウムの生成、二酸化炭素による炭酸バリウムや炭酸ストロンチウムの生成、水分による水酸化バリウムや水酸化ストロンチウムの生成等をより充分に抑制することができる。特に上記焼成工程における降温時に焼成物が酸素、二酸化炭素、水分に触れると上記副生成物が生成しやすいため、降温時に不活性雰囲気とすることが好ましい。中でもキルン内の温度が800℃から400℃に降温する間に不活性ガス通気させることがより好ましい。不活性ガスは特に制限されないが、窒素ガスが好ましい。
不活性ガスの流量は特に制限されないが、10〜15Nm3/時間であることが好ましい。

0036

本発明の焼成工程で用いるキルン(炉)は、キルン本体を回転させることにより、酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの種粒子及びバリウム化合物又はストロンチウム化合物を含む原料を転動させながら焼成することができるものであればよいが、回転キルンが好ましい。
上記キルンの形状は特に制限されないが、キルン本体が(略)円柱形状であることが好ましい。上記焼成工程において、このようなキルンを円柱形状の中心軸回転軸として回転させることが好ましい。
上記キルンの回転速度としては、上記原料を転動させることができる限り特に制限されないが、周速0.9〜5m/minであることが好ましい。キルンの回転速度が上記好ましい範囲内であれば、炉(キルン)が回転する際に、種粒子が集まって粒子表面の一部分でのみキルンの壁面と接してすべることなく、個々の種粒子がより充分に流動(転動)することとなる。

0037

上記キルンの材質は、原料のバリウム化合物及びストロンチウム化合物を焼成することができる限り特に制限されず、例えばセラミックスステンレス等が挙げられる。好ましくはステンレスである。

0038

上記キルンの容積は、特に制限されないが、20〜10000Lであることが好ましい。より好ましくは100〜1000Lであり、更に好ましくは400〜800Lである。
上記キルンの直径は、特に制限されないが、500〜2000mmであることが好ましい。より好ましくは500〜1500mmである。
キルンの長さは、特に制限されないが、100〜4000mmであることが好ましい。より好ましくは500〜3000mmである。

0039

<その他の工程>
本発明の酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの製造方法は、上記焼成工程以外にその他の工程を含んでいてもよい。
その他の工程としては、粉砕工程、分級工程等が挙げられる。
上記焼成工程により得られた酸化バリウム又は酸化ストロンチウムを粉砕して粉状とすることにより、種々の用途により好適に用いることができる。

0040

上記粉砕工程は、焼成工程により得られた酸化バリウム又は酸化ストロンチウムを粉砕する限り特に制限されず、1段階で粉砕を行っても、2段階以上で粉砕を行ってもよい。好ましくは2段階で粉砕を行うことであり、より好ましくは粗砕工程と微粉砕工程とを行うことである。

0041

上記粗砕工程における粉砕方法は特に制限されないが、ジョークラッシャーハンマークラッシャーロールクラッシャー等を用いることができる。この中でも、ジョークラッシャーを用いる方法が好ましい。

0042

上記粗砕工程における雰囲気は、大気雰囲気でも不活性雰囲気でもどちらでもよい。

0043

上記粗砕工程において、焼成品粉砕機に逐次投入することが好ましい。
投入速度は、30〜60kg/時間であることが好ましい。より好ましくは40〜50kg/時間である。

0044

上記粗砕工程において粉砕を行う温度は、特に制限されないが、5〜50℃の温度で行うことができる。

0045

上記微粉砕工程における粉砕方法は特に制限されないが、高速ハンマーミルアトマイザー)、ボールミルジェットミル等を用いることができる。この中でも、高速ハンマーミルを用いる方法が好ましい。

0046

上記微粉砕工程における雰囲気は、大気雰囲気でも不活性雰囲気でもどちらでもよいが、窒素等の不活性雰囲気が好ましい。不活性雰囲気で微粉砕工程を行うことにより、粉表面積増大に伴う大気との接触の影響を充分に抑制することができるため、得られた酸化バリウム又は酸化ストロンチウムの変質を充分に抑制することができる。また、酸化バリウム又は酸化ストロンチウムを乾燥剤用途に用いる場合、大気中の水分との接触を防ぐことが特に求められるため、不活性雰囲気で微粉砕工程を行うことに特に技術的意義を有する。
不活性ガスの流量は特に制限されないが、1〜2L/時間であることが好ましい。

0047

上記微粉砕工程において、粗砕工程で得られた粗砕物を投入する方法は特に制限されないが、粉砕機に逐次投入することが好ましい。投入速度は、1〜50kg/時間であることが好ましい。より好ましくは4〜30kg/時間である。

0048

上記微粉砕工程において粉砕を行う温度は、特に制限されないが、5〜50℃の温度で行うことができる。

0049

以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味するものとする。

0050

各種測定は以下のようにして行った。
<平均粒子径>
レーザ回折散乱粒子径分布測定装置LA−950(株式会社堀場製作所製)にてヘキサン試料を添加しバッチセル方式で測定した。

0051

<実施例1>
バッチ式回転キルン(材質:SUS310S、直径1000mm× 長さ750mm)に酸化バリウムの種粒子(平均粒子径:20mm、純度99質量%)を400kg投入し、キルンを周速3.8m/minで回転させながら、炉の温度を960℃まで昇温させた。キルン内温度を800〜950℃に維持しながら投入口を挿入し、スクリューフィーダーにて15kg/時間の速度で結晶状の硝酸バリウム(平均粒子径:0.5mm、純度99%、水分量0.03質量%)を合計800kg投入した。硝酸バリウムの投入の際、キルン内に均一投入されるよう、投入口をキルン水平方向において前後させた。硝酸バリウムの投入完了後、6時間キルン内を800〜950℃に維持した。その後キルン内温度を降温させ、キルン内温度が800℃まで降温したところで12Nm3/時間の流量で窒素ガスの通気を開始し、400℃まで降温したところで窒素ガスの通気を停止した。収率90%以上で酸化バリウムを得た。
得られた酸化バリウム(焼成品)を、ジョークラッシャー(小川精機社製、OSK107)を用いて大気雰囲気の下、焼成品を40kg/時間の速度で投入し、粗砕した。得られた粗砕物を高速ハンマーミル(パウレック社製FA−SW−1)に15kg/時間の速度で投入し、1L/時間の流量で窒素ガスを通気しながら粉砕し、目開き2mmのスクリーンを通過させた。得られた酸化バリウム粉はBaO純分が96.45%以上の灰色粉末であった。

0052

<実施例2>
バッチ式回転キルン(材質:SUS310S、直径1000mm× 長さ750mm)に酸化ストロンチウムの種粒子(平均粒子径:20mm、純度98%)を300kg投入し、キルンを周速3.8m/minで回転させながら、炉の温度を890℃まで昇温させた。キルン内温度を830〜870℃に維持しながら投入口を挿入し、スクリューフィーダーにて12kg/時間の速度で、結晶状の硝酸ストロンチウム(平均粒子径:0.4mm純度 98質量%、水分量0.01質量%)600kgに硝酸ニッケルをNiO換算として75g混合した混合物を投入した。
該混合物の投入の際、キルン内に均一投入されるよう、投入口をキルン水平方向において前後させた。混合物の投入完了後、6時間キルン内を830〜870℃に維持した。その後キルン内温度を降温させ、キルン内温度が800℃まで降温したところで12Nm3/時間の流量で窒素ガスの通気を開始し、400℃まで降温したところで窒素ガスの通気を停止した。収率90%以上で酸化ストロンチウムを得た。
得られた酸化ストロンチウム(焼成物)を、ジョークラッシャー(小川精機社製、OSK107)を用いて大気雰囲気の下、焼成品を40kg/時間の速度で投入し、粗砕した。得られた粗砕物を高速ハンマーミル(パウレック社製、FA−SW−1)に10kg/時間の速度で投入し、1L/時間の流量で窒素ガスを通気しながら粉砕し、目開き0.5mmのスクリーンを通過させた。得られた酸化ストロンチウム粉はSrO純分が97.0%以上であって、NiOを0.03〜0.075%含有する灰色粉末であった。

0053

<比較例1>
硝酸バリウム10gをアルミナルツボ(ニッカトー社製、SSA−H)に投入し、窒素雰囲気の下、100℃/時間で900℃まで昇温させ、6時間900℃を維持した。その後、窒素ガスを通気させながら降温させた。その結果、ルツボ内壁に焼成物がベったりとこびり付き、回収することが極めて困難であった。

0054

<比較例2>
比較例1における硝酸バリウムを水酸化バリウム・8水和物に変更した以外は、比較例1と同様に焼成を行った。その結果、ルツボの内壁に焼成物がベったりとこびり付き、回収することが極めて困難であった。

0055

<比較例3>
比較例1における硝酸バリウムを硝酸ストロンチウムに変更した以外は、比較例1と同様に焼成を行った。その結果、ルツボの内壁に焼成物がベったりとこびり付き、回収することが極めて困難であった。

0056

<比較例4>
比較例1における硝酸バリウムを水酸化ストロンチウム・8水和物に変更した以外は、比較例1と同様に焼成を行った。その結果、ルツボの内壁に焼成物がベったりとこびり付き、回収することが極めて困難であった。

0057

<比較例5>
金属(SS400)製レトルトに硝酸ストロンチウム30gを仕込み、窒素雰囲気の下、100℃/時間で950℃まで昇温させ、5時間950℃を維持した。その後、窒素ガスを通気させながら降温させた。

0058

<比較例6>
金属製レトルトの材質をS45Cに変更した以外は、比較例5と同様に焼成を行った。

0059

比較例5、6で用いた金属製レトルトの焼成前の外観を図1に示した。
比較例5、6において硝酸ストロンチウムを焼成した後の金属製レトルト内部の様子を図2に示した。
なお、図1、2において、左側がSS400製のレトルトであり、右側がS45C製のレトルトである。

実施例

0060

比較例5、6の結果より、種粒子を用いずに、金属製レトルトを用いて静置して焼成を行った場合、金属製レトルトの腐食激しく、かつ、腐食による金属のコンタミネーションにより焼成物が変色し、得られた焼成物は実用に耐えないものであることが確認された。

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