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技術 列車運転制御装置および列車運転制御方法

出願人 株式会社日立製作所
発明者 牧健太郎宮内努勝田敬一祖父江昭彦
出願日 2019年3月8日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2019-042646
公開日 2020年9月10日 (5ヶ月経過) 公開番号 2020-142745
状態 未査定
技術分野 鉄道交通の監視、制御、保安 車両の電気的な推進・制動
主要キーワード 直近データ マイクロプロセッサデバイス 主記憶デバイス 区間境界 単位間隔 パラメータチューニング 予備品 予兆検知
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

列車遅延が発生する可能性を低減する。

解決手段

列車運転制御装置は、運転実績過去データ対象路線における複数の列車の各々の過去の運転実績を示すデータ)と遅延有無実績データ(時刻、列車、駅間および遅延有無の関係を示すデータ)とに基づいて、学習用データ遅延発生有無の学習用のデータ)を生成する。当該装置は、学習用データを用いた機械学習により予兆モデル(遅延発生の予兆を検知するためのモデル)を構築し、運転実績直近データ(対象路線における複数の列車の各々の直近の運転実績を示すデータ)を予兆モデルに入力することで当該複数の列車の各々について遅延予兆の有無を検知する。

概要

背景

列車の位置や速度、あるいは機器の状態といった運転状況を示す運転状況データを、リアルタイム無線を通じて車上(列車)から地上(地上サーバ)へ配信することで、運行管理保守の効率化に役立てることができる。例えば、運行管理における列車の在線位置把握については、従来、CBTCのような無線式列車制御を除けば軌道回路単位でしか列車位置が把握できなかったのに対し、上記のような運転状況データの地上配信を使用することによって連続的に列車位置が把握可能となる。その結果、運転整理等の際に、よりきめ細やかな対応が可能となる。保守に関しては、例えば、列車の機器状態運行中の時点でリアルタイムに地上側で把握できるため、予め予備品を準備するなど、機器故障時の初動対応迅速化に寄与する。

特許文献1には、上記のような運転状況データを活用した、列車遅延時の運転再計画に関する技術が開示されており、具体例を挙げると、「列車が運行計画から遅延したときに、該列車の遅延時間を算出する運行監視部と、複数の走行区間のうち前記遅延時間を回復するために前記運行計画における走行時間を短縮する回復走行区間を決定する遅延回復ルールを格納する記憶部と、前記列車が遅延したときに、前記遅延回復ルールに従って前記回復走行区間における走行時間を修正して前記運行計画の目標着発時刻を再計画する着発時刻修正部と、を備えた列車運転制御装置」、である。

概要

列車の遅延が発生する可能性を低減する。列車運転制御装置は、運転実績過去データ対象路線における複数の列車の各々の過去の運転実績を示すデータ)と遅延有無実績データ(時刻、列車、駅間および遅延有無の関係を示すデータ)とに基づいて、学習用データ遅延発生有無の学習用のデータ)を生成する。当該装置は、学習用データを用いた機械学習により予兆モデル(遅延発生の予兆を検知するためのモデル)を構築し、運転実績直近データ(対象路線における複数の列車の各々の直近の運転実績を示すデータ)を予兆モデルに入力することで当該複数の列車の各々について遅延予兆の有無を検知する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

対象路線における複数の列車の各々の過去の運転実績を示すデータである運転実績過去データと、時刻、列車、駅間および遅延有無の関係を示すデータである遅延有無実績データとに基づいて、遅延発生有無の学習用のデータである学習用データを生成する学習用データ生成部と、前記学習用データを用いた機械学習により遅延発生の予兆を検知するためのモデルである予兆モデルを構築し、前記対象路線における複数の列車の各々の直近の運転実績を示すデータでる運転実績直近データを前記予兆モデルに入力することで当該複数の列車の各々について遅延予兆の有無を検知する遅延予兆検知部と、を備えることを特徴とする列車運転制御装置

請求項2

請求項1に記載の列車運転制御装置であって、各列車について、遅延発生とは、当該列車が或る位置に存在することになる時刻と、当該列車が当該或る位置に実際に存在した時刻との差分が、ダイヤ単位間隔に基づいて定められた閾値を超えていることである、ことを特徴とする列車運転制御装置。

請求項3

請求項1または請求項2に記載の列車運転制御装置であって、前記運転実績過去データも前記運転実績直近データも、列車の運転状況を示すデータである運転状況データ無線通信によってリアルタイムに列車から取得する地上サーバから取得されたデータであり、前記運転実績過去データおよび前記運転実績直近データのいずれも、前記複数の列車の各々について前記地上サーバにより取得された前記運転状況データに基づいている、ことを特徴とする列車運転制御装置。

請求項4

請求項1または請求項2に記載の列車運転制御装置であって、前記運転実績過去データは、列車の運転状況を示すデータである運転状況データを列車から取得する地上サーバから取得され当該運転状況データに基づくデータであり、前記運転実績直近データは、信号保安装置地上設備から取得され列車の位置情報を含んだデータである、ことを特徴とする列車運転制御装置。

請求項5

請求項4に記載の列車運転制御装置であって、前記地上サーバにより列車から取得された前記運転状況データは、一定時間以上停止する場所に当該列車が停止している場合に当該列車から取得されたデータである、ことを特徴とする列車運転制御装置。

請求項6

請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の列車運転制御装置であって、各列車について、前記運転状況データは、少なくとも当該列車の時刻ごと在線位置を示すデータを含む、ことを特徴とする列車運転制御装置。

請求項7

請求項6に記載の列車運転制御装置であって、各列車について、前記在線位置は、車上に定置される装置あるいは担当乗務員が当該列車に持ち込む携帯端末に含まれるGPS装置が認識する在線位置である、ことを特徴とする列車運転制御装置。

請求項8

請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の列車運転制御装置であって、前記学習用データは、遅延有りデータ群と、遅延無しデータ群とで構成されており、前記遅延有りデータ群は、前記運転実績過去データのうち、遅延が発生し始めた列車よりも先を走行する一つ又は複数の列車のうち計画とは異なる走行をした一つ以上の列車の各々について運転実績を示すデータで構成されており、前記遅延無しデータ群は、前記運転実績過去データのうち、前記遅延有りデータ群と、遅延が発生した一つ以上の列車の各々について運転実績を示すデータとを除いたデータで構成されている、ことを特徴とする列車運転制御装置。

請求項9

請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の列車運転制御装置であって、前記遅延有無実績データは、計画ランカーブと、前記運転実績過去データに従う実績ランカーブとの比較により得られたデータである、ことを特徴とする列車運転制御装置。

請求項10

請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の列車運転制御装置であって、前記遅延有無実績データは、計画ダイヤと、前記運転実績過去データに従う実績ダイヤとの比較により得られたデータである、ことを特徴とする列車運転制御装置。

請求項11

請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の列車運転制御装置であって、前記遅延有無実績データは、予め用意され過去の運行における遅延事象の発生実績に関するデータベースから取得されたデータである、ことを特徴とする列車運転制御装置。

請求項12

請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の列車運転制御装置であって、前記遅延予兆検知部で検知された遅延予兆の有無を示す情報を出力する予兆出力部、をさらに備えることを特徴とする列車運転制御装置。

請求項13

請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の列車運転制御装置であって、前記遅延予兆検知部で検知された遅延予兆の有無に基づいて、自動運転される列車の運転パタン切り替える運転パタン切替部、をさらに備えることを特徴とする列車運転制御装置。

請求項14

データ選択部をさらに備え、前記学習用データ生成部は、前記遅延有無実績データとして、下記のうちの二種類以上のデータのうち、前記データ選択部により選択された種類のデータを取得し、・計画ランカーブと前記運転実績過去データに従う実績ランカーブとの比較により得られる第1種のデータ、・計画ダイヤと、前記運転実績過去データに従う実績ダイヤとの比較により得られる第2種のデータ、・予め用意され過去の運行における遅延事象の発生実績に関するデータベース内の第3種のデータ、前記データ選択部は、前記対象路線の電波状況と、前記学習用データ生成部の演算負荷とのうちの少なくとも一つに基づき、前記二種類以上のデータのうち、前記遅延有無実績データとする一種類以上のデータを選択する、ことを特徴とする列車運転制御装置。

請求項15

対象路線における複数の列車の各々の過去の運転実績を示すデータである運転実績過去データと、時刻、列車、駅間および遅延有無の関係を示すデータである遅延有無実績データとに基づいて、遅延発生有無の学習用のデータである学習用データを生成し、前記学習用データを用いた機械学習により遅延発生の予兆を検知するためのモデルである予兆モデルを構築し、前記対象路線における複数の列車の各々の直近の運転実績を示すデータでる運転実績直近データを前記予兆モデルに入力することで当該複数の列車の各々について遅延予兆の有無を検知する、ことを特徴とする列車運転制御方法

技術分野

0001

本発明は、概して、列車運転の制御に関する。

背景技術

0002

列車の位置や速度、あるいは機器の状態といった運転状況を示す運転状況データを、リアルタイム無線を通じて車上(列車)から地上(地上サーバ)へ配信することで、運行管理保守の効率化に役立てることができる。例えば、運行管理における列車の在線位置把握については、従来、CBTCのような無線式列車制御を除けば軌道回路単位でしか列車位置が把握できなかったのに対し、上記のような運転状況データの地上配信を使用することによって連続的に列車位置が把握可能となる。その結果、運転整理等の際に、よりきめ細やかな対応が可能となる。保守に関しては、例えば、列車の機器状態運行中の時点でリアルタイムに地上側で把握できるため、予め予備品を準備するなど、機器故障時の初動対応迅速化に寄与する。

0003

特許文献1には、上記のような運転状況データを活用した、列車遅延時の運転再計画に関する技術が開示されており、具体例を挙げると、「列車が運行計画から遅延したときに、該列車の遅延時間を算出する運行監視部と、複数の走行区間のうち前記遅延時間を回復するために前記運行計画における走行時間を短縮する回復走行区間を決定する遅延回復ルールを格納する記憶部と、前記列車が遅延したときに、前記遅延回復ルールに従って前記回復走行区間における走行時間を修正して前記運行計画の目標着発時刻を再計画する着発時刻修正部と、を備えた列車運転制御装置」、である。

先行技術

0004

特開2018−7402号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1記載の技術によれば、運転状況データから列車遅延有無およびその遅延時間を検出した場合に運行計画の再計画が行われる。

0006

列車の遅延は、発生しないことが望ましい。しかし、特許文献1記載の技術によれば、列車の遅延の発生が契機となって再計画が行われる。故に、特許文献1記載の技術では、列車の遅延が発生する頻度を低減することはできない。

課題を解決するための手段

0007

列車運転制御装置は、運転実績過去データ対象路線における複数の列車の各々の過去の運転実績を示すデータ)と遅延有無実績データ(時刻、列車、駅間および遅延有無の関係を示すデータ)とに基づいて、学習用データ遅延発生有無の学習用のデータ)を生成する。当該装置は、学習用データを用いた機械学習により予兆モデル(遅延発生の予兆を検知するためのモデル)を構築し、運転実績直近データ(対象路線における複数の列車の各々の直近の運転実績を示すデータ)を予兆モデルに入力することで当該複数の列車の各々について遅延予兆の有無を検知する。

発明の効果

0008

本発明によれば、列車の遅延の予兆の有無が検知されるので、当該検知結果を利用することで、遅延が発生する可能性を低減することができる。

図面の簡単な説明

0009

本発明の実施例1に係る列車運転制御装置のシステム構成の例を示す。
指令教示部における教示方法の例を示す。
指令教示部における教示方法の別の例を示す。
運転パタン切替部で用意する複数の運転パタンの例を示す。
ランカーブの一例を示す。
計画ランカーブと実績ランカーブの比較の例を示す。
計画ランカーブと実績ランカーブの比較の別の例を示す。
遅延予兆検知部の構成例を示す。
本発明の実施例2に係る列車運転制御装置のシステム構成の例を示す。
本発明の実施例3に係る列車運転制御装置のシステム構成の例を示す。
本発明の実施例4に係る列車運転制御装置のシステム構成の例を示す。

0010

以下の説明では、「インターフェース装置」は、一つ以上のインターフェースデバイスでよい。当該一つ以上のインターフェースデバイスは、一つ以上の同種の通信インターフェースデバイスであってもよいし二つ以上の異種の通信インターフェースデバイスであってもよい。

0011

また、以下の説明では、「メモリ」は、一つ以上のメモリデバイスであり、典型的には主記憶デバイスでよい。メモリにおける少なくとも一つのメモリデバイスは、揮発性メモリデバイスであってもよいし不揮発性メモリデバイスであってもよい。

0012

また、以下の説明では、「永続記憶装置」は、一つ以上の永続記憶デバイスである。永続記憶デバイスは、典型的には、不揮発性の記憶デバイス(たとえば補助記憶デバイス)であり、具体的には、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)である。

0013

また、以下の説明では、「記憶装置」は、メモリと永続記憶装置の少なくともメモリでよい。

0014

また、以下の説明では、「プロセッサ」は、一つ以上のプロセッサデバイスである。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサデバイスであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサデバイスでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、プロセッサコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、処理の一部または全部を行うハードウェア回路(たとえばFPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific IntegratedCircuit))といった広義のプロセッサデバイスでもよい。

0015

また、以下の説明では、「kkk部」の表現にて機能を説明することがあるが、機能は、一つ以上のコンピュータプログラムがプロセッサによって実行されることで実現されてもよいし、一つ以上のハードウェアデバイス(たとえばFPGAまたはASIC)によって実現されてもよいし、それらの組合せによって実現されてもよい。各機能の説明は一例であり、複数の機能が一つの機能にまとめられたり、一つの機能が複数の機能に分割されたりしてもよい。

0016

以下、図面を参照して幾つかの実施例を説明する。

0017

本実施例では、列車の運転状況データが無線通信によってリアルタイムに地上サーバに配信されていることを前提とする。本実施例に係る列車運転制御装置は、地上サーバから取得する過去の運転実績データを用いて遅延予兆を検知するモデルを作成し、地上サーバから取得する直近の運転実績データを当該モデルに入力することで、遅延予兆の有無を検知する。本実施例において、モデルの作成には、遅延実績有りと遅延実績無しのそれぞれを含んだ学習用データが必要とされる。本実施例では、列車運転制御装置は、計画ランカーブと実績ランカーブの比較によって遅延実績の有無を判断することで、過去の運転実績データの少なくとも一部を遅延実績有りと遅延実績無しに分類し、分類されたデータを含む学習用データを生成する。遅延予兆の有無は、指令員や列車の運転士の双方または一方に教示されてもよいし、自動運転列車の運転パタンの切替に使用されてもよい。

0018

まず、列車運転制御装置100の構成を、図1を用いて説明する。なお、列車運転制御装置100は、インターフェース装置(例えば、列車との通信のためのインターフェースデバイス)と、記憶装置と、インターフェース装置および記憶装置に接続されたプロセッサとを有する装置であるとする。

0019

列車運転制御装置100は、運転状況データ151を列車101から取得し、対列車遅延予兆有無データ157と運転パタン指令156を列車101に対して出力する。ここで、図1では、路線内の列車を列車101として便宜上一列車で表現しているが、対象路線内を走行する全列車について、運転状況データ151の取得と対列車遅延予兆有無データ157および運転パタン指令156の出力が行われる。

0020

列車運転制御装置100の構成要素は、地上サーバ102、学習用データ生成部103、遅延予兆検知部104、指令教示部107、運転パタン切替部105、および、予兆伝達部106である。地上サーバ102は、列車運転制御装置100の外部に存在してもよい。指令教示部107、運転パタン切替部105、および、予兆伝達部106は、それぞれ、遅延予兆有無データ155を利用する機能の一例である。指令教示部107、運転パタン切替部105、および、予兆伝達部106のうちの一部の機能は無くてもよい。また、指令教示部107、運転パタン切替部105、および、予兆伝達部106のうちの少なくとも一つの機能に代えてまたは加えて、遅延予兆有無データ155を利用する別の機能が備えられてもよい。

0021

地上サーバ102には、列車101からリアルタイムに無線配信される運転状況データ151が蓄積される。ここで「リアルタイムな配信」とは、列車の運行中に随時データが送られてくることを意味しており、数秒から数分程度の遅れや、電波状況が良くない場合の再送などは「リアルタイムな配信」に含む。一方で、や検修区などの特定の場所(一定時間以上停止する場所)において、列車101に蓄積されていた運転状況データ151を取得および蓄積する方法は「リアルタイムな配信」に含まない。

0022

運転状況データ151に含まれる情報は、少なくとも、列車101の列車番号と時刻および列車位置である。運転状況データ151は、法令(またはその他の理由)で列車へ設置されている運転状況記録装置(運転状況が記録される装置)のデータを使用する方法が考えられる。あるいは、列車位置は、車上に定置される装置あるいは担当乗務員が当該列車に持ち込む携帯端末に含まれるGPS(Global Positioning System)装置が認識する在線位置であってもよい。

0023

地上サーバ102から学習用データ生成部103へは運転実績過去データ152が送信される。学習用データ生成部103の内部では、遅延予兆検知部104への入力となる学習用データ154が生成される。学習用データ154は、運転実績過去データ152を遅延実績の有無で2つのグループに分けたデータセットである。学習用データ生成部103の内部構成と処理は後述する。

0024

遅延予兆検知部104は、学習用データ生成部103で生成された学習用データ154を入力として、内部で予兆モデル(遅延予兆検知用のモデル)を生成する。そして、遅延予兆検知部104は、地上サーバ102から取得する運転実績直近データ153を予兆モデルに入力することで、遅延予兆有無を算出し、算出された遅延予兆有無を示すデータである遅延予兆有無データ155を出力する。遅延予兆有無データ155は、路線内の既定区間毎に遅延予兆の有無が割り当てられたデータである。遅延予兆検知部104の構成と内部処理は後述する。遅延予兆有無データ155は、指令教示部107と運転パタン切替部105と予兆伝達部106に送信される。

0025

指令教示部107は、予兆出力部の一例であり、受信した遅延予兆有無データ155を加工して、運転指令員向けに教示するデータである教示データを生成し、当該教示データを出力する。具体例として、既定区間毎の遅延予兆有無を示す表データを表示する方法や、路線図上で遅延予兆有無を色分けして示すデータを表示する方法が挙げられる。以下では既定区間を駅間として説明するが、一区間が一駅間に対応する必要はなく、複数駅間を含んでいたり、駅以外の位置に区間境界が存在していたりしてもかまわない。図2の例によれば、教示データは、表形式であり、路線名、駅間、方面(上り下り)、遅延予兆検知状態、遅延予兆検知時刻を含み、当該教示データが表示される。図3の例によれば、教示データは、路線図形式のデータであり、各駅間の遅延予兆検知有無を上りと下りに分けて色分けで表示される。このような教示データが示す情報を確認した指令員は、例えば、下記のうちの少なくとも一つを行うことができる。
・遅延予兆が有る駅間やその付近を走行する手動運転列車に対して、先行列車過度に近づかないようにするなどの注意喚起をする。
・遅延予兆が有る駅間やその付近を走行する自動運転列車に対して、運転パタン(駅間の目標速度パタン)の切替を指令する。

0026

運転パタン切替部105は、受信した遅延予兆有無データ155をもとに、遅延予兆が有る駅間やその付近を走行する自動運転列車(自動運転列車以外の列車でもよい)に対して、運転パタンの切替を指令する運転パタン指令156を送信する。当該運転パタン指令156に応答して列車により運転パタンが切り替えられる。運転パタンの切替方法の例として、予め複数の運転パタンを用意しておき、それらを使い分ける方法が考えられる。複数の運転パタンとして、省エネ運転と遅延抑制運転が例として挙げられる。図4の例によれば、同じ駅間を同じ走行時分で走行する場合でも複数の運転パタンが存在するため、遅延予兆が有る場合には、より遅延が発生しづらい運転パタンを選択することが望ましい。図4の例によれば、遅延抑制運転パタンは省エネ運転パタンと比較して、最高速度を高くする代わりに、駅2への進入時の速度を低下させている。このような運転をすることで、駅2付近に在線する先行列車の影響による機外停止の可能性を低減可能であり、乱れの拡大を抑制できる。

0027

予兆伝達部106は、予兆出力部の一例であり、受信した遅延予兆有無155の情報をもとに、遅延予兆が有る駅間やその付近を走行する手動運転列車に対して、対列車遅延予兆有無データ(遅延予兆無を示すデータであり列車向けのデータ)157を送信する。遅延予兆が有る旨の通知としてのデータ157が示す情報を受けた運転士は、先行列車へ過度に近づかないようにするなど、不要な機外停止、機外減速を避ける運転を心がけることによって、遅延の発生を抑制することができる。

0028

以上が、列車運転制御装置100の構成の説明である。以上のように、運転実績過去データ152も運転実績直近データ153も、列車101の運転状況を示すデータである運転状況データを無線通信によってリアルタイムに列車101から取得する地上サーバ102から取得されたデータ(例えばリアルタイムに取得されたデータ)である。運転実績過去データ152および運転実績直近データ153のいずれも、対象路線内の複数の列車(例えば全ての列車)の各々について地上サーバ102により取得された運転状況データに基づいている。

0029

次に学習用データ生成部103の内部構成と処理を図1および図5図6図7を用いて説明する。

0030

学習用データ生成部103の構成要素は、実績ランカーブ管理部111、計画ランカーブ管理部112、遅延実績検出部113、および、学習用データ管理部114である。

0031

学習用データ生成部103は、所定タイミングで運転実績過去データ152を地上サーバ102からダウンロードし、以降に述べる内部処理を行ったうえで、学習用データ154を遅延予兆検知部104に送信する。ここで「所定タイミング」とは、運行の遅延実績を判断可能な程度に運転状況データ151が地上サーバ102に蓄積されたタイミングであり、例えば1日の運行が終わった時点(毎日午前2時など)に設定する。

0032

実績ランカーブ管理部111は、所定タイミングで、地上サーバ102から新規期間の運転実績過去データ152をダウンロードする。ここで「新規期間」とは、前回のダウンロードタイミングからこれまでの期間を示す。そして、実績ランカーブ管理部111は、取得した運転実績過去データ152を駅間ごとに切り分け、「位置」と「時刻」の2次元平面に表される曲線として実績ランカーブ161を出力する。図5は、実績ランカーブ161の例を示す。図5は、駅Aを発車し駅Bに到着する列車の例を示すが、実績ランカーブ161には、同様の形式で対象路線内の各駅間、上り下りの両方面に関して、データが含まれてよい。

0033

計画ランカーブ管理部112は、駅間ごとの計画ランカーブを管理(例えば保持)している。計画ランカーブの形式は、図5と同じ形式でよい。計画ランカーブの元データとして、各鉄道事業者で定められている既定の運転曲線計画ダイヤが挙げられる。運転曲線には各駅間に関して基準となる運転方法で走行した際の「位置」と「時間」の関係が、2次元平面に曲線で表されている。このデータと計画ダイヤの発着時刻を組み合わせることで、計画ランカーブについても図5と同じ形式でデータが用意できる。計画ランカーブ管理部112は、遅延実績検出部113からの要求に従って、必要な駅間の計画ランカーブを計画ランカーブ162として出力する。

0034

遅延実績検出部113は、実績ランカーブ161を実績ランカーブ管理部111から取得すると、対応する列車および駅間の計画ランカーブを計画ランカーブ管理部112に要求して取得する。遅延実績検出部113は、対象路線の各駅間走行に関して、実績ランカーブ161と計画ランカーブ162とを比較する。そして、遅延実績検出部113は、比較結果に基づき遅延有無実績データ163を生成し、遅延有無実績データ163を学習用データ管理部114に送信する。例えば、遅延実績検出部113は、比較結果を所定の判定条件に照らし合わせて遅延が発生したと判断できる場合に、遅延有無実績データ163を生成する。

0035

図6は、実績ランカーブ161と計画ランカーブ162との比較の例を示す。図6中の破線が計画ランカーブ、実線が実績ランカーブである。この例では、列車aまでは計画ランカーブと実績ランカーブが一致しているが、列車bから乱れが始まっている。そして、列車c以降の後続列車に乱れが波及する様子が分かる。ここでは遅延発生の判定条件例として、「駅間の在線位置における列車通過時間のずれが計画ダイヤでの列車間隔を越えたこと」と仮定する。図6では、列車eの時刻T1が遅延発生と判定される。また、図示しないが、列車fと列車gでも遅延発生と判定されたとする。このとき、遅延有無実績データ163は、「駅間:駅A→駅B、列車e」「駅間:駅A→駅B、列車f」「駅間:駅A→駅B、列車g」と設定される。遅延有無実績データ163は、さらに時刻を含んでよい。すなわち、遅延有無実績データ163は、時刻、列車、駅間および遅延有無の関係を示すデータでよい。

0036

本実施例では、各列車について、「遅延発生」とは、当該列車が或る位置に存在することになる時刻と、当該列車が当該或る位置に実際に存在した時刻との差分が、ダイヤ単位間隔に基づいて定められた閾値(例えば、ダイヤが15秒刻みであれば、閾値“15”)を超えていることである。ダイヤの単位間隔は列車運行制御に特有の技術的要素であり、このような要素に従い遅延発生が定義される。

0037

図7は、実績ランカーブ161と計画ランカーブ162との比較の別の例を示す。この例でも図6と同様に、列車aまでは計画ランカーブと実績ランカーブが一致しているが、列車bから乱れが始まっている。後続列車に影響は生じているものの、列車gではほぼ計画ランカーブ通りの運行に戻っている。図7の例では、の遅延発生の判定条件に基づくと、遅延発生は認められない。このとき、遅延有無実績データ163には何も情報は設定されない。

0038

なお、遅延発生の判定条件の定義は上記の例に限定されないことは言うまでもなく、計画ランカーブと実績ランカーブの位置や形状の差異に基づく条件であればよい。

0039

学習用データ管理部114は、遅延有無実績データ163に基づいて、運転実績過去データ152の一部を抽出し、駅間毎および方面毎に2つのデータ群を生成および管理する。一つ目は遅延実績有りのデータ群、二つ目は遅延実績無しのデータ群である。これらのデータ群を学習用データ154が含む。

0040

遅延実績有りのデータ群に含まれるデータは、遅延が発生し始めた列車よりも先を走行する一つ又は複数の列車のうち計画とは異なる走行をした一つ以上の列車の各々について運転実績を示すデータであり、例えば、遅延発生前における所定本数の列車に関する運転実績過去データから構成される。図6では、遅延有無実績データ163が「駅間:駅A→駅B、列車e」を含むため(すなわち、遅延が発生し始めた列車が列車eであることを示すため)、遅延実績有りのデータ群は、例えば、列車aから列車dのデータで構成される。すなわち、遅延実績有りのデータ群に含まれるデータは、遅延が実際に発生した列車のデータではなく、遅延の発生につながった実績を持つ列車のデータである。

0041

遅延実績無しのデータ群に含まれるデータは、運転実績過去データ152から、上記の遅延実績有りのデータ、および、遅延発生有りと判定された当該列車のデータ(遅延が発生した一つ以上の列車の各々について運転実績を示すデータ)を除外したデータ(例えば、図6に例示のデータのうちの、列車aよりも先を走行する列車のデータ、および、図7に例示のデータ)が該当する。

0042

学習用データ管理部114は、遅延実績有りのデータ群と遅延実績無しのデータ群とを含んだ学習用データ154を遅延予兆検知部104に出力する。

0043

以上が、学習用データ生成部103の内部構成と処理の説明である。

0044

次に、遅延予兆検知部104の構成と内部処理を、図8を用いて説明する。

0045

遅延予兆検知部104の構成要素は、機械学習論理部801と予兆モデル802である。機械学習論理部801は、学習用データ154を入力として、予兆モデル802を定義するためのモデル定義パラメータ811を出力する(すなわち、予兆モデル802を構築(例えば生成または更新する)。予兆モデル802は、モデル定義パラメータ811によってその特性が決定され、運転実績直近データ153を受けて、遅延予兆有無データ155を出力する。

0046

機械学習論理部801と予兆モデル802の内部論理は、遅延予兆検知の手法に依って異なる。遅延予兆検知の手法の例として、画像認識によるパターンマッチングを説明する。本手法では、時刻と位置を2軸とする平面に描かれたランカーブ群(図5参照)をひとつの画像として認識し、遅延予兆が存在する画像か否かを判定する。この場合、手書き文字イラストの認識と同様の考え方で、ディープラーニングを用いたニューラルネットワークが、機械学習論理部801および予兆モデル802として使用できる代表的な手法およびモデルである。

0047

モデル定義パラメータ811は、ニューラルネットワーク内の各ニューロンに与えられる重みと閾値である。機械学習論理部801は、教師データとして学習用データ154、すなわち、遅延実績ありのデータ群と遅延実績なしのデータ群を使用し、これら2種類のデータ群を精度よく分類できるように、モデル定義パラメータ811、すなわち、各ニューロンの重みと閾値を決定する。当該重みと閾値を適用して構成されたニューラルネットワークが予兆モデル802であり、運転実績直近データ153を入力として、遅延予兆有無155を出力する。

0048

遅延予兆検知の手法は本例に限定されることがないことは言うまでもない。どのような遅延予兆検知手法の場合でも、学習用データ154が学習用データ生成部103から得られるたびに、機械学習論理部801を通して予兆モデル802のパラメータチューニングを行い、遅延予兆検知の精度を向上させていくことができる。例えば、機械学習論理部801は、学習用データ154の一部を用いてモデル定義パラメータ811を決定し、学習用データ154の残りを用いて当該モデル定義パラメータ811のチューニングを行ってもよい。

0049

なお、新規路線への適用時など、学習用データ154が不足する場合は、シミュレーションなどで人為的に作成した、遅延実績有りのデータ群、および遅延実績無しのデータ群を、教師データとして機械学習論理部801に入力し、予兆モデル802の初期形態を生成することもできる。

0050

以上が、遅延予兆検知部104の構成と内部処理の説明である。

0051

本実施例によれば、学習用データ154の生成に必要となる遅延実績有無の判定を、計画と実績のランカーブ同士を比較することによって行う。すなわち、計画と実績のズレを駅発着以外の駅間走行中を含めて評価対象にできるため、駅発着時刻のズレで遅延判定を行う方法と比較して、より柔軟な遅延実績有無の判定に対応できる。

0052

以上が実施例1の説明である。

0053

以下、実施例2を説明する。その際、実施例1との相違点を主に説明し、実施例1との共通点については説明を省略または簡略する。

0054

本実施例の実施例1との主な相違点は、遅延有無実績データ163の取得のために、計画ランカーブと実績ランカーブとの比較に代えて、計画ダイヤと実績ダイヤとの比較を行う点である。

0055

まず、列車運転制御装置900の構成を、図9を用いて説明する。

0056

列車運転制御装置900は、学習用データ生成部103に代えて、学習用データ生成部903を備える。

0057

次に学習用データ生成部903の内部構成と処理を、図9を用いて説明する。

0058

学習用データ生成部903の構成要素は、実績ダイヤ管理部911、計画ダイヤ管理部912、遅延実績検出部913、学習用データ管理部114である。学習用データ生成部903は、所定タイミングで運転実績過去データ152を地上サーバ102からダウンロードし、以降に述べる内部処理を行ったうえで、学習用データ154を遅延予兆検知部104に送信する。

0059

実績ダイヤ管理部911は、所定タイミングで、地上サーバ102から新規期間の運転実績過去データ152をダウンロードする。そして、実績ダイヤ管理部911は、取得した運転実績過去データ152から、各列車の各駅間走行に関して発車時刻到着時刻実績値を抽出し、実績ダイヤ961として遅延実績検出部913に出力する。

0060

計画ダイヤ管理部912は、各列車の各駅間走行に関して発車時刻と到着時刻の計画値が管理されている。計画ダイヤ管理部912は、遅延実績検出部913からの要求に従って、必要な駅間の計画ダイヤを計画ダイヤ962として出力する。

0061

遅延実績検出部913は、実績ダイヤ961を実績ダイヤ管理部911から取得すると、対応する列車および駅間の計画ダイヤを計画ダイヤ管理部912から取得する。遅延実績検出部913は、対象路線の各駅間走行に関して、実績ダイヤ961と計画ダイヤ962を比較する。そして、遅延実績検出部913は、比較結果に基づき遅延有無実績データ163を生成し、遅延有無実績データ163を学習用データ管理部114に送信する。例えば、遅延実績検出部113は、比較結果を所定の判定条件に照らし合わせて遅延が発生したと判断できる場合に、遅延有無実績データ163を生成する。

0062

遅延実績検出部913における遅延発生の判断は、対応する列車および駅間の発車時刻あるいは到着時刻、もしくはその両方に関し、計画ダイヤ962と実績ダイヤ961との差分に基づいて行われる。遅延発生と判断される差分の閾値は鉄道事業者や路線に依存して様々に設定され得る。例えば、発着時刻が15秒刻みで計画されている路線であれば、15秒を閾値とすることが考えられる。遅延実績検出部913において遅延発生の実績有りと判断された場合、遅延有無実績データ163として、駅間情報と列車番号のセットが学習用データ管理部114に出力される。遅延発生の実績有りと判断されない場合、遅延有無実績データ163には何も情報は設定されないでよい。

0063

以上が、学習用データ生成部903の内部構成と処理の説明である。

0064

本実施例によれば、学習用データ154の生成に必要となる遅延実績有無の判定を、計画と実績の発着時刻を比較することによって行う。この方法は、駅発着タイミングのみで遅延実績有無の判定が可能である。そのため、遅延実績有無判定処理の演算負荷を低減することができる。また、対象路線付近の電波状況により、運転状況データ151の取得頻度が駅近傍以外で粗く、実施例1のようなランカーブ間の比較がし辛いような場合であっても実施可能である。

0065

以上が実施例2の説明である。

0066

以下、実施例3を説明する。その際、実施例1および実施例2との相違点を主に説明し、実施例1および実施例2との共通点については説明を省略または簡略する。

0067

本実施例の実施例1および実施例2との主な相違点は、遅延有無実績データ163の取得のために、計画ランカーブと実績ランカーブとの比較や計画ダイヤと実績ダイヤとの比較に代えて、過去の運行における遅延事象の発生実績に関するデータベースを使用する点である。

0068

まず、列車運転制御装置1000の構成を、図10を用いて説明する。

0069

列車運転制御装置1000は、学習用データ生成部103(および903)に代えて、学習用データ生成部1003を備える。

0070

次に学習用データ生成部1003の内部構成と処理を、図10を用いて説明する。

0071

学習用データ生成部1003の構成要素は、遅延実績データベース1013と学習用データ管理部114である。学習用データ生成部1003は、所定タイミングで運転実績過去データ152を地上サーバ102からダウンロードし、以降に述べる内部処理を行ったうえで、学習用データ154を遅延予兆検知部104に送信する。

0072

遅延実績データベース1013は、過去の運行における遅延事象の発生実績をまとめたデータベースであり、各列車の各駅間走行に関して、遅延発生の実績有無を格納している。当該データベースは、運行管理装置など外部で作成され、列車運転制御装置1000に提供されるものである。遅延実績データベース1013は、遅延実績がある列車に関して、駅間情報と列車番号のセットにし、遅延有無実績データ163として学習用データ管理部114に出力する。遅延実績データベース1013は、時刻、列車、駅間および遅延有無の関係を示すデータベースでよい。

0073

以上が、学習用データ生成部1003の内部構成と処理の説明である。

0074

本実施例によれば、学習用データ154の生成に必要となる遅延実績有無の判定を、外部から提供される遅延実績データベース1013によって行う。この方法は、学習用データ生成部1003の内部でランカーブや発着時刻の比較が不要であるため、そのため、遅延実績有無判定処理の演算負荷を低減することができる。また、遅延実績データベース1013の内容は人為的に編集が可能であるため、遅延実績として含めるべきケース、含めるべきでないケースを任意に操作することが可能であり、より柔軟に学習用データ154を作成可能である。

0075

以上が実施例3の説明である。

0076

以下、実施例4を説明する。その際、実施例1から実施例3との相違点を主に説明し、実施例1から実施例3との共通点については説明を省略または簡略する。

0077

本実施例と実施例1から実施例3との主な相違点は、列車の運転状況データについて、駅や検修区などの特定の場所において(言い換えれば、一定時間以上停止する場所に当該列車が停止している場合に)、その場所に到達するまでの間に列車内に蓄積されていた分が地上サーバにアップロードされる点である。直近の運転状況に関するデータは、信号保安装置地上設備経由で取得される。本実施例では、予兆モデルの作成には、実施例1から実施例3に例示したいずれかの方法を使用することができる。

0078

まず、列車運転制御装置1100の構成を、図11を用いて説明する。

0079

列車運転制御装置1100は、運転実績直近データ153を信号保安装置地上設備1108から取得する。信号保安装置地上設備1108は、信号制御のために列車101から列車位置1158を常時受信している既存設備である。ここで、図11では、路線内の列車を列車101として便宜上一列車で表現しているが、実施例1から実施例3と同様、対象路線内を走行する全列車について、運転状況データ151の取得が行われ、また、当該全列車についての直近の実績を運転実績直近データ153が示す。

0080

地上サーバ102には、列車101から取得した運転状況データ151が蓄積される。ここで運転状況データ151は、駅や検修区などの特定の場所において、その場所に到達するまでの間に列車内に蓄積されていた分が地上サーバ102にアップロードされる。本実施例は実施例1〜3に記載したリアルタイムでのデータ共有と比較して地車間の通信を行う範囲が狭く、Wifi(登録商標)など狭域の通信設備で済むため、例えばコスト面で有利である。

0081

列車運転制御装置1100において、学習用データ生成部1103の内部構成と処理は、実施例1の学習用データ生成部103、実施例2の学習用データ生成部903、実施例3の学習用データ生成部1003のいずれかを使用することができる。

0082

本実施例によれば、駅や検修区で運転状況データ151を一括ダウンロードし、また、運転実績直近データ153は既存の信号保安装置地上設備1108から取得する。そのため、運転実績過去データ152や運転実績直近データ153を生成するための運転状況データ151を専用にリアルタイム配信する必要がなく、通信設備や通信費の削減が可能である。

0083

以上が実施例4の説明である。

実施例

0084

以上、幾つかの実施例を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこれらの実施例にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。例えば、実施例1から実施例4のうちの二つ以上の実施例が組み合わされてもよい。具体的には、例えば、列車運転制御装置がデータ選択部をさらに備えてもよい。学習用データ生成部は、遅延有無実績データ163として、計画ランカーブと実績ランカーブとの比較により得られる第1種のデータと、計画ダイヤと実績ダイヤとの比較により得られる第2種のデータと、予め用意され過去の運行における遅延事象の発生実績に関するデータベース1013内の第3種のデータとのうちの二種類以上のデータを取得可能でよく、その二種類以上のデータから、データ選択部により選択された種類のデータを取得してよい。データ選択部は、対象路線の電波状況と、学習用データ生成部の演算負荷とのうちの少なくとも一つに基づき、上述の二種以上のデータのうち、遅延有無実績データ163とする一種類以上のデータを選択してもよい。例えば、データ選択部は、下記のうちの少なくとも一つを行ってよい。
・対象路線の電波状況が第1の閾値以上であれば、第1種のデータを選択する。
・対象路線の電波状況が第2の閾値未満であれば(第2の閾値≦第1の閾値)、第2種のデータと第3種のデータのうちの少なくとも一種類のデータを選択する。
・学習用データ生成部の演算負荷が閾値A以上であれば、第2種のデータと第3種のデータのうちの少なくとも一種類のデータを選択する。
・学習用データ生成部の演算負荷が閾値B未満であれば(閾値B≦閾値A)、第1種のデータを選択する。

0085

100、900、1000、1100・・・列車運転制御装置

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