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技術 制御装置及びプログラム

出願人 ブラザー工業株式会社
発明者 古畑義治久野雅司森川彰太荒金覚長谷川真
出願日 2019年3月5日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2019-039259
公開日 2020年9月10日 (5ヶ月経過) 公開番号 2020-142409
状態 未査定
技術分野 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 温度取得処理 切替ギア 装着フラグ 使用値 補充回数 装着ケース 速度関数 関係値
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年9月10日)のものです。
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図面 (11)

課題

圧力センサを用いなくても、ヘッドへのインク供給量が不十分となるか否かを判断して印刷の種類を変え得る。

解決手段

制御プログラムは、印刷データに基づいて、ヘッドが吐出するインクの量を示すインクドット数を算出する(S41)。制御プログラムは、算出したインクドット数からインク圧力を決定し(S42)、決定したインク圧力の最小値をインク圧力最小値に決定する(S43)。次いで、制御プログラムは、インクの種別を示すインク種別情報と、環境温度と、インクカートリッジ交換回数を示す統一交換回数と、インクカートリッジが装着ケースに装着されてから現在までの期間を示す経過期間とを用いて、ステップS43で決定したインク圧力最小値を補正する(S45)。制御プログラムは、補正したインク圧力最小値がメモリに記憶された閾値未満か否かにより、ヘッドへのインクの供給量が不十分になるか否かを判断する。

概要

背景

特許文献1は、インクカートリッジと、インクカートリッジと接続されたインク供給チューブと、インク供給チューブと接続されたキャリッジユニットと、を備えたインクジェットプリンタを開示する。当該インクジェットプリンタは、キャリッジユニットをスライド可能に支持するガイドレールと、キャリッジユニットをスライドさせるキャリッジモータと、制御装置と、をさらに備える。

キャリッジユニットは、インク供給チューブと接続されたバッファタンクと、バッファタンクからインクが流入する流入口を有する吐出ヘッドと、当該流出口におけるインクの圧力を検出する圧力センサと、を備える。吐出ヘッドは、流入口と連通する流路と、当該流路と連通するノズルと、ノズルからインクを吐出させる圧電駆動式のアクチュエータと、を有する。上記制御装置は、圧力センサが検出した圧力に基づいて吐出ヘッド内の流路におけるインクの流動抵抗を求め、求めた流動抵抗が閾値よりも小さい場合には通常印刷を実施する。一方、制御装置は、求めた流動抵抗が閾値よりも大きい場合には、印刷デュディ比を制限し、吐出ヘッドに供給されるインクの量が不十分となることを防止する。

概要

圧力センサを用いなくても、ヘッドへのインクの供給量が不十分となるか否かを判断して印刷の種類を変え得る。制御プログラムは、印刷データに基づいて、ヘッドが吐出するインクの量を示すインクドット数を算出する(S41)。制御プログラムは、算出したインクドット数からインク圧力を決定し(S42)、決定したインク圧力の最小値をインク圧力最小値に決定する(S43)。次いで、制御プログラムは、インクの種別を示すインク種別情報と、環境温度と、インクカートリッジの交換回数を示す統一交換回数と、インクカートリッジが装着ケースに装着されてから現在までの期間を示す経過期間とを用いて、ステップS43で決定したインク圧力最小値を補正する(S45)。制御プログラムは、補正したインク圧力最小値がメモリに記憶された閾値未満か否かにより、ヘッドへのインクの供給量が不十分になるか否かを判断する。

目的

本発明は、前記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧力センサを用いなくても、吐出ヘッドへのインクの供給量が不十分となるか否かを判断して印刷の種類を変え得る手段を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

インクが供給されるインク供給部と、前記インク供給部から延びる流路であって、インクが流通する第1流路と、前記第1流路と連通する第2流路、当該第2流路に設けられた駆動素子、及びインクを吐出するノズルを有するヘッドと、前記駆動素子を駆動させる駆動装置と、を有する印刷実行部を制御する制御装置であって、制御部を備えており、前記制御部は、インクが前記インク供給部において保持されていた期間である経過期間を取得する経過期間取得処理と、印刷データを取得する取得処理と、前記経過期間を用いて、前記印刷データに基づくインク圧力関係値閾値に到達するか否かを判断する判断処理であって、前記インク圧力関係値は、インクが前記ヘッドに及ぼす圧力に応じた値である前記判断処理と、前記インク圧力関係値が前記閾値に到達しないと判断したことに応じて、前記印刷データにしたがって実行する第1種の印刷処理と、前記インク圧力関係値が前記閾値に到達すると判断したことに応じて、前記印刷データにしたがって実行する第2種の印刷処理であって、前記第1種の印刷処理とは異なる前記第2種の印刷処理と、を実行する、制御装置。

請求項2

前記制御部は、前記判断処理において、インクが前記第1流路及び前記第2流路において受ける抵抗を示す抵抗値であって、前記経過期間に応じて増加する前記抵抗値を、前記経過期間に基づいて決定し、前記経過期間に基づいて決定された前記抵抗値と、前記印刷データとに基づいて、前記インク圧力関係値を決定し、或いは、前記経過期間に基づいて決定された前記抵抗値に基づいて前記閾値を決定し、前記インク圧力関係値が前記閾値に到達するか否かを判断する、請求項1に記載の制御装置。

請求項3

前記印刷実行部は、さらに、前記第1流路と前記第2流路との少なくとも一方に設けられたフィルタを備えており、前記制御部は、さらに、前記第1流路及び前記第2流路に流れたインクの量に応じた値である使用値を取得する使用値取得処理を実行し、前記制御部は、前記判断処理において、前記使用値及び前記経過期間に基づいて前記抵抗値を決定し、決定した前記抵抗値及び前記印刷データに基づいて、前記インク圧力関係値を決定し、或いは、決定した前記抵抗値に基づいて前記閾値を決定する、請求項2に記載の制御装置。

請求項4

前記インク供給部は、インクを貯留可能なカートリッジが装着される装着部であり、前記経過期間は、前記カートリッジが前記装着部に装着されてから現在までの期間である、請求項1から3のいずれかに記載の制御装置。

請求項5

さらに、メモリを備えており、前記印刷実行部は、さらに、前記第1流路と前記第2流路との少なくとも一方に設けられたフィルタを備えており、前記制御部は、さらに、前記装着部に装着された前記カートリッジの使用本数を示す使用値を前記メモリから取得する使用値取得処理を実行し、前記判断処理において、インクが前記第1流路及び前記第2流路において受ける抵抗を示す抵抗値を、前記経過期間及び前記使用値に基づいて決定し、前記経過期間及び前記使用値に基づいて決定した前記抵抗値及び前記印刷データに基づいて、前記インク圧力関係値を決定し、或いは、前記経過期間及び前記使用値に基づいて決定した前記抵抗値に基づいて前記閾値を決定する、請求項4に記載の制御装置。

請求項6

前記制御部は、前記使用値取得処理において、前記装着部に装着された第1種の前記カートリッジの使用本数を示す前記使用値である第1使用値を前記メモリから取得し、前記装着部に装着された第2種の前記カートリッジであって、前記第1種のカートリッジよりも貯留するインクの量が多い前記第2種のカートリッジの使用本数を示す前記使用値である第2使用値を前記メモリから取得し、前記判断処理において、前記経過期間と、前記第1使用値に対して第1の重みを用いて重み付けされた値である第1変更使用値と、前記第2使用値に対して前記第1の重みよりも大きい第2の重みを用いて重み付けされた値である第2変更使用値と、に基づいて前記抵抗値を決定する、請求項5に記載の制御装置。

請求項7

前記制御部は、さらに、前記インク供給部に供給されたインクの種別を示すインク種別を取得するインク種別取得処理を実行し、前記判断処理において、インクが前記第1流路及び前記第2流路において受ける抵抗を示す抵抗値を、さらに、前記インク種別に基づいて決定する、請求項4から6のいずれかに記載の制御装置。

請求項8

前記制御部は、さらに、前記印刷実行部における環境温度を取得する温度取得処理を実行し、前記判断処理において、インクが前記第1流路及び前記第2流路において受ける抵抗を示す抵抗値を、さらに、前記環境温度に基づいて決定する、請求項4から7のいずれかに記載の制御装置。

請求項9

前記カートリッジは、使用されたか否かの判断に用いられる判断情報を記憶するカートリッジメモリを有しており、前記制御部は、前記経過期間取得処理において、前記判断情報に基づいて、前記装着部に装着された前記カートリッジが以前に前記装着部に装着されたことがない前記カートリッジである未装着カートリッジであるか否かを判断し、前記装着部に装着された前記カートリッジが前記未装着カートリッジであると判断したことに応じて、前記未装着カートリッジが前記装着部に装着されてから現在までの期間を前記経過期間に決定して取得する、請求項4から8のいずれかに記載の制御装置。

請求項10

前記印刷実行部は、さらに、ユーザ操作受け付ける入力部を備えており、前記インク供給部は、インクが供給される供給口を有するインクタンクであり、前記制御部は、前記使用値取得処理において、前記ヘッドから流出させたインクの量と、前記インクタンクへのインクの補充を示すユーザ操作を受け付けた回数を示す補充回数と、の少なくとも一方を前記使用値として取得する、請求項3に記載の制御装置。

請求項11

前記ヘッドは、第1位置と第2位置との間で移動するキャリッジに搭載されており、前記第1種の印刷処理は、前記第1位置と前記第2位置との一方から他方に向かって第1移動速度で移動する前記ヘッドから吐出されたインクによってシートに画像を印刷する処理であり、前記第2種の印刷処理は、前記第1移動速度よりも遅い第2移動速度で前記第1位置と前記第2位置との一方から他方に向かって移動する前記ヘッドから吐出されたインクによってシートに画像を印刷する処理である、請求項1から10のいずれかに記載の制御装置。

請求項12

前記ヘッドは、第1位置と第2位置との間で移動するキャリッジに搭載されており、前記第1種の印刷処理は、前記第1位置と前記第2位置との一方から他方への前記キャリッジの1回の移動で前記ヘッドから吐出されたインクによってシートの印刷領域に画像を印刷する処理であり、前記第2種の印刷処理は、前記第1位置と前記第2位置との間の前記キャリッジの複数回の移動において前記ヘッドから吐出されたインクによってシートの印刷領域に画像を印刷する処理である、請求項1から10のいずれかに記載の制御装置。

請求項13

前記印刷実行部を備える、請求項1から12のいずれかに記載の制御装置。

請求項14

インクが供給されるインク供給部と、前記インク供給部から延びる流路であって、インクが流通する第1流路と、前記第1流路と連通する第2流路、当該第2流路に設けられた駆動素子、及びインクを吐出するノズルを有するヘッドと、前記駆動素子を駆動させる駆動装置と、を有する印刷実行部を制御する制御装置によって実行されるプログラムであって、前記プログラムは、インクが前記インク供給部において保持されていた期間である経過期間を取得する経過期間取得処理と、印刷データを取得する取得処理と、前記経過期間を用いて、前記印刷データに基づくインク圧力関係値が閾値に到達するか否かを判断する判断処理であって、前記インク圧力関係値は、インクが前記ヘッドに及ぼす圧力に応じた値である前記判断処理と、前記インク圧力関係値が前記閾値に到達しないと判断したことに応じて、前記印刷データにしたがって実行する第1種の印刷処理と、前記インク圧力関係値が前記閾値に到達すると判断したことに応じて、前記印刷データにしたがって実行する第2種の印刷処理であって、前記第1種の印刷処理とは異なる前記第2種の印刷処理と、を実行する、プログラム。

技術分野

0001

本発明は、流路を通じてインクが供給されるヘッドを制御する制御装置、及び当該制御装置に実装されるプログラムに関する。

背景技術

0002

特許文献1は、インクカートリッジと、インクカートリッジと接続されたインク供給チューブと、インク供給チューブと接続されたキャリッジユニットと、を備えたインクジェットプリンタを開示する。当該インクジェットプリンタは、キャリッジユニットをスライド可能に支持するガイドレールと、キャリッジユニットをスライドさせるキャリッジモータと、制御装置と、をさらに備える。

0003

キャリッジユニットは、インク供給チューブと接続されたバッファタンクと、バッファタンクからインクが流入する流入口を有する吐出ヘッドと、当該流出口におけるインクの圧力を検出する圧力センサと、を備える。吐出ヘッドは、流入口と連通する流路と、当該流路と連通するノズルと、ノズルからインクを吐出させる圧電駆動式のアクチュエータと、を有する。上記制御装置は、圧力センサが検出した圧力に基づいて吐出ヘッド内の流路におけるインクの流動抵抗を求め、求めた流動抵抗が閾値よりも小さい場合には通常印刷を実施する。一方、制御装置は、求めた流動抵抗が閾値よりも大きい場合には、印刷デュディ比を制限し、吐出ヘッドに供給されるインクの量が不十分となることを防止する。

先行技術

0004

特開2010−214726号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1に記載のインクジェットプリンタでは、吐出ヘッドに供給されるインクの量が不十分となるか否かの判断に圧力センサを必要とする。

0006

本発明は、前記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧力センサを用いなくても、吐出ヘッドへのインクの供給量が不十分となるか否かを判断して印刷の種類を変え得る手段を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本明細書では、様々な開示を行う。開示例の1つである制御装置は、インクが供給されるインク供給部と、前記インク供給部から延びる流路であって、インクが流通する第1流路と、前記第1流路と連通する第2流路、当該第2流路に設けられた駆動素子、及びインクを吐出するノズルを有するヘッドと、前記駆動素子を駆動させる駆動装置と、を有する印刷実行部を制御する制御装置である。制御装置は、制御部を備える。前記制御部は、インクが前記インク供給部において保持されていた期間である経過期間を取得する経過期間取得処理と、印刷データを取得する取得処理と、前記経過期間を用いて、前記印刷データに基づくインク圧力関係値が閾値に到達するか否かを判断する判断処理であって、前記インク圧力関係値は、インクが前記ヘッドに及ぼす圧力に応じた値である前記判断処理と、前記インク圧力関係値が前記閾値に到達しないと判断したことに応じて、前記印刷データにしたがって実行する第1種の印刷処理と、前記インク圧力関係値が前記閾値に到達すると判断したことに応じて、前記印刷データにしたがって実行する第2種の印刷処理であって、前記第1種の印刷処理とは異なる前記第2種の印刷処理と、を実行する。

0008

制御部は、インクがインク供給部において保持されていた期間である経過期間を取得する。経過期間が長くなるほど、インクの粘度が高くなる。インクの粘度が高くなるほど、インク供給部からヘッドにインクが流れ難くなる。すなわち、経過期間が長くなるほど、ヘッドに供給されるインクの量が不十分となるおそれが高くなる。制御部は、取得した経過期間を用いて、印刷データに基づくインク圧力関係値が閾値に到達するか否かを判断することによって、ヘッドへのインクの供給量が不十分となるか否かを判断する。すなわち、制御部は、印刷データだけでなく、インクがインク供給部において保持されていた期間である経過期間も用いて、ヘッドへのインクの供給量が不十分となるか否かを判断する。本発明に係る制御装置は、印刷データに加え、経過期間をも用いてヘッドへのインクの供給量が不十分となるか否かを判断するので、印刷データのみに基づいて、ヘッドへのインクの供給量が不十分となるか否かを判断する場合に比べ、判断の精度が良くなる。その結果、本発明に係る制御装置は、圧力センサを用いなくても、ヘッドへのインクの供給量が不十分となるか否かを判断して印刷の種類を変えることができる。

0009

なお、本明細書に開示された技術は、種々の形態で実現可能であり、例えば、制御方法、制御システム、これらの装置及び方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。

図面の簡単な説明

0010

図1は、実施形態に係るプリンタ10の斜視図である。
図2は、プリンタ10の模式的な縦断面図である。
図3は、キャリッジ32及び印刷ユニット33の下面図である。
図4は、プリンタ10の機能ブロック図である。
図5(A)は、カートリッジメモリ59に記憶されたカートリッジ情報を示す図であり、図5(B)は、メモリ73に記憶される情報を示す図であり、図5(C)は、変形例2においてメモリ73に記憶される情報を示す図である。
図6(A)は、交換情報取得処理のフローチャートであり、図6(B)は、インク圧力最小値決定処理のフローチャートであり、図6(C)は、変形例2のインク供給情報取得処理のフローチャートである。
図7は、メイン処理のフローチャートである。
図8は、インク圧力及びインク圧力最小値の決定を説明する説明図である。
図9は、インクが流路から受ける抵抗を示す抵抗値を説明するための説明図である。
図10は、変形例2に係るプリンタ10の模式的な断面図である。

実施例

0011

以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。例えば、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。

0012

図1に示されるプリンタ10は、シート6(図2)にインクを吐出して画像をシート6に印刷するプリンタである。すなわち、プリンタ10は、いわゆるインクジェットプリンタである。プリンタ10は、制御装置の一例である。

0013

また、プリンタ10は、インクを吐出するヘッド62(図2)を移動させながらシート6に画像を印刷するプリンタである。すなわち、プリンタ10は、いわゆるシリアルプリンタである。

0014

また、プリンタ10は、インクを貯留するインクカートリッジ18(図2)がキャリッジ32(図2)に搭載されておらず、筐体11に設置されたプリンタである。

0015

プリンタ10は、ヘッド62へのインクの供給量が不十分になることを抑制しつつ、シート6に画像を印刷する。以下、詳しく説明する。

0016

プリンタ10は、図1に示されるように、筐体11と、筐体11に保持された操作パネル12、給紙トレイ15、及び排紙トレイ16と、を備える。図示例では、操作パネル12は、筐体11の側面(前面)の上部に配置されている。以下では、操作パネル12が設けられている筐体11の側面をプリンタ10の前面として前後方向8を規定し、前後方向8及び上下方向7に直交する方向を左右方向9と規定して説明する。図示例では、給紙トレイ15及び排紙トレイ16は、操作パネル12の下方に位置している。

0017

操作パネル12は、ディスプレイ13及び操作スイッチ14を有する。ディスプレイ13は、液晶画面と、液晶画面に重畳された透明な膜状のタッチセンサとを有する。すなわち、ディスプレイ13は、いわゆるタッチパネルである。ユーザは、ディスプレイ13をタッチすることにより、或いは、操作スイッチ14を押し操作することにより、印刷指示などの指示をプリンタ10に入力する。タッチセンサ及び操作スイッチは、入力部の一例である。

0018

また、プリンタ10は、図2に示されるように、インクカートリッジ18が着脱される装着ケース17と、シート6を搬送する搬送装置21と、搬送されるシート6にインクを吐出して画像を印刷する印刷部31とを筐体11の内部に有している。搬送装置21及び印刷部31は、印刷実行部の一例である。装着ケース17は、装着部の一例である。インクカートリッジ18は、カートリッジの一例である。装着ケース17は、装着部及びインク供給部の一例である。インクカートリッジ18は、カートリッジの一例である。

0019

装着ケース17は、筐体11の開口19(図1(B))の奥に配置されている。装着ケース17は、インクカートリッジ18を着脱自在に保持する保持部を有している。保持部は、プリンタ10の種類に応じた数だけ装着ケース17に設けられている。例えば、プリンタ10が、いわゆるモノクロプリンタである場合、装着ケース17は、ブラックのインクを貯留するインクカートリッジ18のみを装着可能に、1つの保持部のみを設けられる。プリンタ10が、いわゆるカラープリンタである場合、装着ケース17は、例えば、ブラックのインク、シアンのインク、マゼンタのインク、及びイエローのインクをそれぞれ貯留する4つのインクカートリッジ18を装着可能に、4つの保持部を設けられる。以下では、プリンタ10がカラープリンタである例を説明する。すなわち、複数のインクカートリッジ18が装着ケース17に装着される。なお、インクカートリッジ18が貯留するインクは、染料のインクであってもよいし、顔料のインクであってもよい。

0020

複数のインクカートリッジ18は、同一の構成である。インクカートリッジ18は、インクを貯留する空間を内部に有する箱状である。インクカートリッジ18は、その内部空間と外部とを連通させる大気連通口20を外壁の上部に有する。すなわち、インクカートリッジ18の内部空間は、大気開放されている。

0021

インクカートリッジ18は、カートリッジメモリ59を備えている。カートリッジメモリ59は、図5(A)に示されるカートリッジ情報を予め記憶する。カートリッジ情報は、シリアル番号や、カートリッジ種別情報や、インク種別情報などである。

0022

シリアル番号は、インクカートリッジ18を個々に識別可能な情報である。カートリッジ種別情報は、インクカートリッジ18の種別を示す情報である。カートリッジ種別情報は、例えば、「ノーマル」や「大容量」である。「大容量」のインクカートリッジ18は、「ノーマル」のインクカートリッジ18よりも、多くのインクを貯留可能である。インク種別情報は、例えば、「顔料Bk」や「染料M」や「染料Bk」などである。「顔料Bk」は、インクカートリッジ18が、ブラックの顔料インクを貯留することを示す。「染料M」は、インクカートリッジ18が、マゼンタの染料インクを貯留することを示す。「染料Bk」は、インクカートリッジ18が、ブラックの染料インクを貯留することを示す。「ノーマル」のインクカートリッジ18は、第1種のカートリッジの一例である。「大容量」のインクカートリッジ18は、第2種のカートリッジの一例である。

0023

シリアル番号は、後述の交換情報取得処理(図6(A))において、インクカートリッジ18が交換されたか否かの判断に用いられる。カートリッジ種別情報及びインク種別情報は、後述のインク圧力最小値決定処理(図6(B))において、インク圧力最小値の補正に用いられる。詳しくは後述する。

0024

搬送装置21は、シート6が搬送される搬送路22と、給紙トレイ15に載置されたシート6を搬送路22に送り出す給送ローラ23と、搬送路22においてシート6を搬送する搬送ローラ24及び排紙ローラ25と、プラテン26と、を主に備える。

0025

搬送路22は、例えば、不図示の複数対のガイド部材区画された空間である。図示例では、搬送路22は、給紙トレイ15の後部から給紙トレイ15の上方へ向かってUターンし、さらに前方へ向かって延びている。

0026

プラテン26は、後述の印刷部31がシート6に画像を印刷する際にシート6を支持する部材である。プラテン26は、給紙トレイ15の上方に位置している。

0027

給送ローラ23は、給紙トレイ15に載置されたシート6に当接可能に設けられている。回転する給送ローラ23は、給紙トレイ15からシート6を搬送路22に送り出す。

0028

搬送ローラ24は、筐体11に固定された不図示のフレームに回転可能に支持されている。また、搬送ローラ24は、前後方向8におけるプラテン26の後方に位置している。そして、搬送ローラ24は、ピンチローラ27とともにローラ対を構成している。回転する搬送ローラ24は、搬送路22においてシート6を搬送する。

0029

排紙ローラ25は、筐体11に固定された不図示のフレームに回転可能に支持されている。また、排紙ローラ25は、前後方向8におけるプラテン26の前方に位置している。そして、排紙ローラ25は、拍車28とともにローラ対を構成している。回転する排紙ローラ25は、搬送路22においてシート6を搬送し、排紙トレイ16にシート6を排出する。

0030

給送ローラ23、搬送ローラ24、及び排紙ローラ25は、搬送モータ42(図4)によって回転される。詳しく説明すると、プリンタ10は、図4に示されるように、搬送モータ42及び駆動力切替機構44を備える。

0031

搬送モータ42は、直流電圧を供給されることによって回転駆動する直流モータである。但し、搬送モータ42は、交流モータであってもよい。

0032

駆動力切替機構44は、例えば、切替ギアギア列などの複数のギアによって構成されるギア切替機構である。駆動力切替機構44は、搬送モータ42の回転駆動力を、給送ローラ23、搬送ローラ24、及び排紙ローラ25に選択的に伝達する。駆動力切替機構44の構成は周知であるので、詳しい説明は省略する。なお、駆動力切替機構44を用いずに、給送ローラ23、搬送ローラ24、排紙ローラ25を個別のモータでそれぞれ回転させてもよい。

0033

印刷部31は、図2に示されるように、プラテン26の上方に配置されている。印刷部31は、キャリッジ32と、キャリッジ32に搭載された印刷ユニット33とを備える。キャリッジ32は、不図示の一対のガイドレールによって、左右方向9に沿って移動可能に支持されている。

0034

キャリッジ32を左右方向9に沿って移動させる移動装置がプリンタ10に設けられている。詳しく説明すると、プリンタ10は、移動装置として、キャリッジモータ36(図4)と、キャリッジモータ36によって回転駆動される駆動プーリと、当該駆動プーリと対になる従動プーリと、駆動プーリ及び従動プーリに架け渡された無端環ベルトと、を備える。キャリッジモータ36は、直流電圧を供給されることによって回転駆動する直流モータである。但し、キャリッジモータ36は、交流モータであってもよい。無端環ベルトは、キャリッジ32に固着されている。

0035

キャリッジモータ36によって駆動プーリが回転駆動されると、無端環ベルトが移動される。その結果、無端環ベルトに固着されたキャリッジ32が左右方向9に沿って移動される。

0036

キャリッジ32は、上述の移動装置によって、図8に示される第1位置と第2位置との間で往復移動される。第1位置は、例えば、キャリッジ32がプリンタ10の左部にあるときの位置である。第2位置は、例えば、キャリッジ32がプリンタ10の右部にあるときの位置である。キャリッジ32は、例えば、第1位置及び第2位置の一方から加速移動された後、等速移動され、その後、減速移動されて第1位置及び第2位置の他方で停止される。図8において、キャリッジ32が移動する範囲、すなわち、第1位置と第2位置との間は、「キャリッジ移動範囲」として示されている。キャリッジ32が加速移動される領域は、「加速領域」として示されている。キャリッジ32が等速移動する領域は、「等速移動領域」として示されている。キャリッジ32が減速移動する領域は、「減速領域」として示されている。キャリッジ32は、等速移動領域においてシート6に対向し、加速領域及び減速領域において、シート6に対向しない。キャリッジ32が等速移動している間に、キャリッジ32に搭載された後述のヘッド62が、シート6の印刷領域にインクを吐出し、当該印刷領域に画像を印刷する(走査処理)。その後、搬送ローラ24によってシート6が所定の搬送量だけ搬送される(改行処理)。そして、キャリッジ32が再び第1位置と第2位置との間で移動されて、次の印刷領域に画像が印刷される(走査処理)。走査処理と改行処理とが交互に実行されることにより、シート6の全面に画像が印刷される。詳しくは後述される。

0037

印刷ユニット33は、図2に示されるように、バッファタンク61及びヘッド62を備えている。バッファタンク61は、箱状に形成されており、インクを貯留する内部空間を有している。バッファタンク61は、チューブ63の一端を接続されている。チューブ63の他端は、装着ケース17に接続されている。すなわち、バッファタンク61の内部空間は、チューブ63によって、装着ケース17に装着されたインクカートリッジ18の内部空間と連通されている。インクカートリッジ18に貯留されたインクは、チューブ63を通じてバッファタンク61に供給される。チューブ63の内部空間は、第1流路の一例である。なお、チューブ63は、可撓性を有しており、キャリッジ32の移動に伴って撓む。

0038

フィルタ29が、チューブ63とバッファタンク61との接続部に設けられている。フィルタ29は、インクに含まれる異物がヘッド62内に進入することを防止する部材である。

0039

バッファタンク61は、4つの流路部材64により、ヘッド62と接続されている。流路部材64は、例えば、一端(上端)がバッファタンク61に接続され、他端(下端)がヘッド62に接続されたパイプである。4つの流路部材64を通じて、各色のインクがバッファタンク61からヘッド62に供給される。バッファタンク61の内部空間および流路部材64の内部空間は、第1流路の一例である。

0040

ヘッド62は、バッファタンク61の下方に位置している。ヘッド62は、流路部材64の下端と接続された4つの流入口65を有している。各色のインクは、4つの流路部材64を通じて、バッファタンク61から4つの流入口65にそれぞれ流れ込む。

0041

ヘッド62は、図3に示されるように、流入口65から流入したインクを吐出する4つのノズル列66を有する。各ノズル列66は、複数のノズル67をそれぞれ有する。各ノズル列66は、各色のインクをそれぞれ吐出する。

0042

一の流入口65と、一のノズル列66の複数のノズル67とは、図2の拡大図に示されるように、一のマニホールド68及び複数のノズル流路69によって接続されている。マニホールド68及びノズル流路69の構成は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色について同一である。具体的には、ブラックのインクが流通するマニホールド68及びノズル流路69と、シアンのインクが流通するマニホールド68及びノズル流路69と、マゼンタのインクが流通するマニホールド68及びノズル流路69と、イエローのインクが流通するマニホールド68及びノズル流路69とは、同一の構成であって、左右方向9(図2紙面に直交する方向)に並んで設けられている。マニホールド68及びノズル流路69は、第2流路の一例である。

0043

マニホールド68は、流入口65から前後方向8における前方へ向かって延びている。複数のノズル流路69は、マニホールド68から下方へ向かって、ヘッド62の下面までそれぞれ延びている。

0044

複数のノズル流路69は、前後方向8に沿って並んでおり、前後方向8において互いに離間している。ノズル流路69間の離間距離は、一定である。すなわち、図3に示されるように、各ノズル列66において、複数のノズル67は、前後方向8に沿って一定間隔で並んでいる。

0045

図2に示されるように、圧電素子70が、各ノズル流路69にそれぞれ設けられている。すなわち、ヘッド62は、複数の圧電素子70を有する。圧電素子70は、直流電圧を供給されることによって変形す素子である。圧電素子70は、変形することにより、ノズル流路69内のインクに圧力を加えてノズル67からインク(インク滴)を吐出させる。チタン酸ジルコン酸鉛PZT)などが圧電素子70として用いられる。圧電素子70は、駆動素子の一例である。なお、圧電素子70に代えて、電力を供給されることによって発熱するヒータが駆動素子として用いられてもよい。ヒータは、発熱することにより、ノズル流路69内のインクを突沸させてノズル67からインク(インク滴)を吐出させる。ヒータは、駆動素子の一例である。

0046

上下方向7における複数のノズル67の高さ位置は、インクカートリッジ18における液面の高さ位置よりも上方に位置している。したがって、大気圧によってノズル67からインクが吐出されることがない。そして、ヘッド62からインクカートリッジ18へのインクの逆流は、ノズル67におけるインクのメニスカスによって防止される。すなわち、ノズル67におけるインクのメニスカスが破壊されると、ノズル67からヘッド62内にエアが進入し、インクカートリッジ18からヘッド62へのインクの供給が阻害される。

0047

プリンタ10は、上述の搬送モータ42、キャリッジモータ36、及び圧電素子70などに電力を供給する電源回路41と、搬送モータ42、キャリッジモータ36、及び圧電素子70の駆動を制御する制御装置71と、種々のセンサ等と、を備える。

0048

電源回路41や制御装置71は、例えば、制御基板及び当該制御基板に実装されたICや、マイクロコンピュータや、コイルや、コンデンサや、抵抗などによって実現される。すなわち、プリンタ10は、電源回路41や制御装置71を実現する一乃至複数の制御基板ユニットを有している。

0049

電源回路41は、入力される商用の交流電圧を、所定の電圧値の直流電圧に変換する回路である。電源回路41は、例えば、スイッチングレギュレータである。電源回路41が出力する直流電圧は、ディスプレイ13や、制御装置71や、後述の通信I/F75や、キャリッジモータ36や、搬送モータ42などに供給される。

0050

電源回路41が出力する直流電圧は、駆動回路37を介してキャリッジモータ36に供給される。駆動回路37は、制御装置71から入力する駆動信号に応じて、キャリッジモータ36に直流電圧を供給する。制御装置71は、駆動回路37を通じて、キャリッジモータ36の回転の向きや回転速度を制御する。

0051

また、電源回路41が出力する直流電圧は、駆動回路38を介して搬送モータ42に供給される。駆動回路38は、制御装置71から入力する駆動信号に応じて、搬送モータ42に直流電圧を供給する。制御装置71は、駆動回路38を通じて、搬送モータ42の回転の向きや回転速度を制御する。

0052

また、電源回路41が出力する直流電圧は、駆動回路39を介して圧電素子70に供給される。駆動回路39は、制御装置71から入力する駆動信号に応じて、圧電素子70に直流電圧を供給する。駆動回路39は、駆動装置の一例である。

0053

後述の制御装置71が、シート6の搬送量及び位置や、キャリッジ32の移動量及び位置などを正確に制御できるように、プリンタ10は、種々のセンサとして、リニアエンコーダ51、ロータリエンコーダ52、及びレジセンサ57を備える。

0054

リニアエンコーダ51は、キャリッジ32の移動に伴って、複数のパルスからなるパルス列を出力するセンサである。制御装置71は、リニアエンコーダ51から入力したパルスの個数によって、キャリッジ32の位置を検出する。

0055

ロータリエンコーダ52は、搬送ローラ24の回転に伴って、複数のパルスからなるパルス列を出力する。制御装置71は、ロータリエンコーダ52から入力したパルスの個数によって、搬送ローラ24の回転量を検出する。

0056

レジセンサ57は、前後方向8における搬送ローラ24(図2)の後方となる位置に設けられている。レジセンサ57は、シート6の先端や後端が通過する前後において、異なる値の検出信号を出力する。制御装置71は、レジセンサ57から入力する検出信号により、シート6の先端や後端がレジセンサ57を通過したか否かを検出する。

0057

制御装置71は、例えば、レジセンサ57から入力する検出信号の値が変化したことを起点としてロータリエンコーダ52が出力するパルスの数をカウントする。制御装置71は、当該パルスの数のカウント値により、シート6の先端位置を特定する。制御装置71は、例えば、レジセンサ57及びロータリエンコーダ52から入力される信号を用いて、シート6の先端の位置がヘッド62に対向する所定の頭出し位置に到達するまでシート6を搬送する頭出し処理を実行する。

0058

また、プリンタ10は、温度センサ80を備えている。温度センサ80は、プリンタ10が設置された環境の温度である環境温度を検出するセンサである。

0059

図4に示されるように、制御装置71は、中央演算処理装置であるCPU72と、メモリ73と、クロックモジュール79と、通信バス74とを備える。通信バス74は、CPU72や、メモリ73や、クロックモジュール79や、ディスプレイ13や、駆動回路37、38や、電源回路41や、通信I/F75や、カートリッジI/F58を接続されている。「I/F」は、インタフェースを意味する。

0060

通信I/F75は、例えば、USBケーブルLANケーブル無線LANなどを用いた通信回線との接続を行うインタフェースである。通信回線は、インターネットや、LAN(ローカルエリアネットワーク)などである。プリンタ10は、通信I/F75を通じて、サーバ携帯端末パーソナルコンピュータなどの機器と通信を行う。プリンタ10は、例えば、携帯端末やパーソナルコンピュータから、通信I/F75を通じて印刷指示を受け付ける。

0061

カートリッジI/F58は、例えば、装着ケース17に装着されたインクカートリッジ18のカートリッジメモリ59の端子と接触可能に装着ケース17に設けられた端子である。インクカートリッジ18の色の種類の数に応じて、4つのカートリッジI/F58が装着ケース17に設けられている。カートリッジI/F58は、制御装置71の通信バス74に電気的に接続されている。制御装置71は、カートリッジI/F58を通じて、カートリッジメモリ59から上述のカートリッジ情報を読み出す。

0062

クロックモジュール79は、日時を示す日時情報を出力するモジュールである。

0063

メモリ73は、ROM76と、RAM77と、EEPROM78とを備える。ROM76は、オペレーティングシステムであるOS81と、制御プログラム82とを記憶する。制御プログラム82は、単一のプログラムであってもよいし、複数のプログラムの集合体であってもよい。制御プログラム82は、例えば、ユーザの入力操作を受け付けるUIモジュールと、通信I/F75を通じて他の機器と通信を行う通信モジュールと、電源回路41の動作を制御する電源モジュールと、搬送装置21や印刷部31の制御を行う印刷モジュールとで構成される。複数のプログラム(モジュール)は、例えばマルチタスクによって、擬似的に並行して、CPU72によって実行される。制御プログラム82を実行するCPU72は、制御部の一例である。制御プログラム82は、プログラムの一例である。

0064

また、ROM76は、第1速度関数V1(t)、第2速度関数V2(t)、閾値、第1補正テーブル、及び第2補正テーブルを記憶する。第1速度関数V1(t)及び第2速度関数V2(t)は、キャリッジ32が加速移動する際や、キャリッジ32が等速移動する際や、キャリッジ32が減速移動する際のキャリッジ32の移動速度の制御に用いられる。詳しく説明すると、制御プログラム82は、第1速度関数V1(t)をメモリ73から読み出す。そして、制御プログラム82は、例えば、所定のデューティ比で駆動回路37が有するスイッチング素子を駆動させる。そして、制御プログラム82は、リニアエンコーダ51から入力されるパルス列に基づいて、キャリッジ32の速度を算出する。制御プログラム82は、算出したキャリッジ32の時刻tにおける速度(以下、キャリッジ速度とも記載する)が、第1速度関数V1(t)が示す時刻tでの速度(以下、目標速度とも記載する)よりも、どれくらい遅いか、或いは、どれくらい速いかを判断する。制御プログラム82は、キャリッジ速度が目標速度よりも遅いと判断すると、キャリッジ速度と目標速度との差に応じてデューティ比を上げてキャリッジモータ36を駆動させる。制御プログラム82は、キャリッジ速度が目標速度よりも速いと判断すると、キャリッジ速度と目標速度との差に応じてデューティ比を下げてキャリッジモータ36を駆動させる。すなわち、制御プログラム82は、キャリッジ速度が、第1速度関数V1(t)が示す目標速度に一致するように、キャリッジモータ36の駆動を制御する。第2速度関数V2(t)についても同様である。

0065

第1速度関数V1(t)は、後述のメイン処理(図7)において、第1の走査処理が実行される場合に用いられる。第2速度関数V2(t)は、第2の走査処理が実行される場合に用いられる。第2速度関数V2(t)が示す目標速度は、第1速度関数V1(t)が示す目標速度よりも遅い速度である。第2速度関数V2(t)は、第2の走査処理において、第1速度関数V1(t)が示す目標速度よりも遅い速度でキャリッジ32を移動させて、ヘッド62に供給されるインクの量が不十分になることを防止する場合に用いられる。詳しくは後述する。第1速度関数V1(t)が示す目標速度は、第1移動速度の一例である。第2速度関数V2(t)が示す目標速度は、第2移動速度の一例である。

0066

閾値は、ヘッド62へのインクの供給量が不十分になるか否かの判断に用いられる。詳しくは後述される。

0067

第1補正テーブルは、ヘッド62へのインクの供給量が不十分になるか否かの判断のために閾値と比較されるインク圧力最小値を補正するためのテーブルである。具体的には、第1補正テーブルは、インク圧力最小値と、抵抗値と、補正後のインク圧力最小値との対応関係を示すテーブルである。抵抗値は、インクがインクカートリッジ18内からノズル67に至るまでの流路においてインクが当該流路から受ける抵抗の大きさを示す値である。流路は、具体的には、チューブ63、バッファタンク61、流路部材64、マニホールド68、及びノズル流路69によって形成された流路である。

0068

インク圧力最小値及び抵抗値が決まると、第1補正テーブルにおいて、対応する補正後のインク圧力最小値を決定することができる。詳しくは後述する。

0069

第2補正テーブルは、インク種別情報、環境温度、統一交換回数、及び経過期間から、抵抗値を決定するテーブルである。具体的には、第2補正テーブルは、インク種別情報、環境温度、統一交換回数、及び経過期間と、抵抗値との対応が示されたテーブルである。

0070

インク種別情報は、装着ケース17に現在装着されているインクカートリッジ18が貯留するインクの種別を示す情報である。インクの種別によって、インクの粘性が異なる。例えば、顔料インクと染料インクとでは、インクの粘性が異なる。或いは、同じ染料インクであっても、染料ブラックと染料イエローとでは、インクの粘性が異なる。インクの粘性が異なると、インクが流路から受ける抵抗の大きさも変わる。第2補正テーブルにおいて、インク種別情報と抵抗値とが対応付けられている。

0071

環境温度は、温度センサ80が出力する環境温度である。環境温度によって、インクの粘性が変化する。第2補正テーブルにおいて、環境温度と抵抗値とが対応付けられている。

0072

統一交換回数は、交換情報取得処理(図6(A))のステップS36においてメモリ73に記憶される情報である。詳しくは後述するが、統一交換回数は、プリンタ10におけるインクカートリッジ18の交換回数を示す情報である。統一交換回数によって、抵抗値が変化する。詳しく説明すると、インクカートリッジ18内には、インクとともに、微小な異物が混入することがある。当該異物は、流路に設けられたフィルタ29に付着することにより、ヘッド62への進入を防止される。フィルタ29に付着する異物の量は、インクカートリッジ18の交換回数が多くなるほど、多くなる。フィルタ29に付着する異物の量が多くなると、インクが流れ難くなる。すなわち、インクが流路から受ける抵抗が大きくなる。第2補正テーブルにおいて、インクカートリッジ18の交換回数を示す統一交換回数と、抵抗値とが対応付けられている。交換回数及び統一交換回数は、使用値の一例である。

0073

経過期間は、メイン処理(図7)のステップS16で決定する期間であって、インクカートリッジ18が装着ケース17に装着されている期間である。経過期間が長くなると、顔料の沈降や水分の蒸発などにより、インクの粘度が高くなる。インクの粘度が高くなるほど、インクが流路から受ける抵抗が大きくなる。第2補正テーブルにおいて、経過期間と、抵抗値とが対応付けられている。

0074

図9を参照して、経過期間と、交換回数と、抵抗値との関係についてさらに詳しく説明する。図9(A)は、フィルタ29に付着した異物による抵抗値の変化を考慮しない場合のグラフであり、図9(B)は、フィルタ29に付着した異物による抵抗値の変化を考慮した場合のグラフである。グラフの横軸は時間である。横軸における「A」「B」「C」「D」は、装着ケース17に装着されていたインクカートリッジ18が新しいインクカートリッジ18に交換されたタイミングを示す。グラフの縦軸は抵抗値である。すなわち、グラフの縦軸は、インクが流路から受ける抵抗の大きさを示す。

0075

図9(A)において、タイミング「A」で交換されてから、タイミング「B」で交換されるまでに装着ケース17に装着されていたインクカートリッジ18の経過期間は、タイミング「B」で交換されてから、タイミング「C」で交換されるまでに装着ケース17に装着されていたインクカートリッジ18の経過期間よりも短い。図9(A)に示されるように、経過期間が長いほど、抵抗値が増加する。そして、インクカートリッジ18が交換されたことにより、抵抗値が初期値に戻る。

0076

また、図9(B)に示されるように、フィルタ29に付着した異物により、インクカートリッジ18が交換されるごとに、抵抗値が累積的に増加する。第2補正テーブルは、図9(B)に示されるような交換回数と経過期間と抵抗値との対応関係を示している。そして、第2補正テーブルは、さらに、インク種別情報と環境温度と抵抗値との対応関係も示している。

0077

インク種別情報、環境温度、統一交換回数、及び経過期間が決まると、第2補正テーブルを用いて、抵抗値を決定することができる。詳しくは後述する。

0078

なお、第1速度関数V1(t)や第2速度関数V2(t)や閾値や第1補正テーブルや第2補正テーブルは、ROM76ではなく、EEPROM78に記憶されていてもよい。また、第1速度関数V1(t)や第2速度関数V2(t)や閾値や第1補正テーブルや第2補正テーブルは、プリンタ10の出荷時においてメモリ73に予め記憶される。

0079

RAM77は、OS81や制御プログラム82の実行に必要なデータなどを一時記憶する。EEPROM78は、例えば、プリンタ10の電源FF後も保持すべきデータなどを記憶する。

0080

以下、図6図7、及び図8を参照して、制御プログラム82が実行する処理について説明する。具体的には、制御プログラム82が、ヘッド62へのインクの供給量が不十分になることを抑制しつつ、ヘッド62にインクを吐出させてシート6に画像を印刷するメイン処理(図7)と、装着ケース17にインクカートリッジ18が装着されたことに応じて実行される交換情報取得処理(図6(A))と、について説明する。

0081

まず、図6(A)を参照して、交換情報取得処理について説明する。制御プログラム82は、例えば、定期的に、或いは、インクカートリッジ18が装着ケース17に装着されたことをセンサなどによって検知したことに応じて、交換情報取得処理を実行する。

0082

まず、制御プログラム82は、カートリッジI/F58を通じて、カートリッジ情報をカートリッジメモリ59から読み出す(S31)。取得するカートリッジ情報は、インク種別情報、シリアル番号、及びカートリッジ種別情報を含む。ステップS31の処理は、インク種別取得処理の一例である。

0083

次に、制御プログラム82は、メモリ73に記憶されたシリアル番号をメモリ73から読み出す(S32)。メモリ73に記憶されたシリアル番号は、装着ケース17に装着されたインクカートリッジ18の前に装着ケース17に装着されていたインクカートリッジ18のシリアル番号である。メモリ73は、後述のステップS35において、装着ケース17に装着されたインクカートリッジ18のシリアル番号を記憶する。すなわち、メモリ73は、装着ケース17に装着されたインクカートリッジ18の前に装着ケース17に装着されていたインクカートリッジ18のシリアル番号を記憶している。

0084

次に、制御プログラム82は、ステップS31においてカートリッジメモリ59から読み出したシリアル番号と、メモリ73から読み出したシリアル番号とが一致するか否かを判断する(S33)。すなわち、ステップS33では、装着ケース17に装着されていたインクカートリッジ18が、他のインクカートリッジ18に交換されたか否かが判断される。

0085

制御プログラム82は、カートリッジメモリ59から読み出したシリアル番号と、メモリ73から読み出したシリアル番号とが一致すると判断すると(S33:Yes)、交換情報取得処理を終了する。すなわち、装着ケース17に装着されていたインクカートリッジ18が装着ケース17に再び装着された場合、交換情報取得処理は、終了される。

0086

制御プログラム82は、カートリッジメモリ59から読み出したシリアル番号と、メモリ73から読み出したシリアル番号とが一致しないと判断すると(S33:No)、クロックモジュール79から日時情報を取得する(S34)。次いで、制御プログラム82は、ステップS31でカートリッジメモリ59から読み出したカートリッジ情報と、ステップS34で取得した日時情報とをメモリ73に記憶させる(S35)。すなわち、装着ケース17に装着されていたインクカートリッジ18とは別のインクカートリッジ18が装着ケース17に装着された場合、当該別のインクカートリッジ18が装着ケース17に装着された日時と、当該別のインクカートリッジ18のカートリッジ情報とがメモリ73に記憶される。

0087

制御プログラム82は、ステップS35の実行後、メモリ73に記憶された交換回数を更新し(S36)、交換情報取得処理を終了する。メモリ73に記憶される交換回数やカートリッジ情報について、図5(B)を参照して詳しく説明する。ステップS36の処理は、使用値取得処理の一例である。

0088

メモリ73は、シリアル番号「AAA0123」と、インク種別情報「染料Bk」と、交換日時「2019年1月5日14時05分」と、交換回数/ノーマル「5回」と、交換回数/大容量「3回」と、統一交換回数「9回」と、を記憶する。

0089

シリアル番号「AAA0123」及びインク種別情報「染料Bk」「染料M」「染料C」「染料Y」は、ステップS31でカートリッジメモリ59から読み出してステップS35でメモリ73に記憶されたカートリッジ情報に含まれるシリアル番号及びインク種別情報である。すなわち、シリアル番号及びインク種別情報は、装着ケース17に現在装着されているインクカートリッジ18のシリアル番号及びインク種別を示す。

0090

交換日時「2019年1月5日14時05分」は、ステップS34でクロックモジュール79から取得してステップS35でメモリ73に記憶された日時情報である。すなわち、交換日時「2019年1月5日14時05分」は、装着ケース17に現在装着されているインクカートリッジ18が装着ケース17に装着された日時を示す情報である。

0091

交換回数/ノーマル「5回」は、カートリッジ種別情報が「ノーマル」であるインクカートリッジ18が装着ケース17に装着された回数を示す。交換回数/大容量「3回」は、カートリッジ種別情報が「大容量」であるインクカートリッジ18が装着ケース17に装着された回数を示す。制御プログラム82は、ステップS31でカートリッジメモリ59から読み出したカートリッジ情報にカートリッジ種別「ノーマル」が含まれることに応じて、ステップS36において、交換回数/ノーマルの値を「1」だけインクリメントする。制御プログラム82は、ステップS31でカートリッジメモリ59から読み出したカートリッジ情報にカートリッジ種別「大容量」が含まれることに応じて、ステップS36において、交換回数/大容量の値を「1」だけインクリメントする。

0092

統一交換回数「9回」は、交換回数/ノーマル「5回」と、交換回数/大容量「3回」とに基づいて算出されてメモリ73に記憶される値である。制御プログラム82は、交換回数/大容量「3回」の「3」に、メモリ73に予め記憶された重み係数1.3を乗じ、乗じて得た値3.9に交換回数/ノーマル「5回」の「5」を加えて「8.9」を算出し、算出した値の小数点以下を四捨五入して、統一交換回数「9回」としてメモリ73に記憶させる。すなわち、統一交換回数は、「ノーマル」の種類のインクカートリッジ18を基準としたインクカートリッジ18の使用回数を示す。換言すると、統一交換回数は、プリンタ10において、全て「ノーマル」の種類のインクカートリッジ18が使用されたと仮定した場合の使用回数を示す。「ノーマル」の種類のインクカートリッジ18の交換回数は、第1使用値の一例である。「大容量」の種類のインクカートリッジ18の交換回数は、第2使用値の一例である。重み係数は、第2の重みの一例である。「大容量」の種類のインクカートリッジ18の交換回数に重み係数を乗じて得た値は、第2変更使用値の一例である。

0093

なお、「ノーマル」の種類のインクカートリッジ18を基準としているため、制御プログラム82は、「ノーマル」の種類のインクカートリッジ18の交換回数に重み係数「1」を乗じる演算を省略している。しかしながら、制御プログラム82は、「ノーマル」の種類のインクカートリッジ18の交換回数に重み係数「1」を乗じる演算を実行してもよい。「ノーマル」の種類のインクカートリッジ18の交換回数に乗じられる重み係数は、第1の重みの一例である。「ノーマル」の種類のインクカートリッジ18の交換回数に重み係数を乗じて得た値は、第1変更使用値の一例である。

0094

また、「ノーマル」以外の種類のインクカートリッジ18が基準にされてもよい。その場合、制御プログラム82は、「ノーマル」の種類のインクカートリッジ18の交換回数に第1の重み係数を乗じて得た値と、「大容量」の種類のインクカートリッジ18の交換回数に第2の重み係数を乗じて得た値と、を加算して統一交換回数を算出する。

0095

次に、図7を参照して、ヘッド62へのインクの供給量が不十分になることを抑制しつつヘッド62にインクを吐出させてシート6に画像を印刷するメイン処理について説明する。

0096

まず、制御プログラム82は、印刷指示が入力されたか否かを判断する(S11)。印刷指示は、例えば、操作パネル12において、ディスプレイ13のタッチセンサや操作スイッチ14を用いてプリンタ10に入力される。或いは、印刷指示は、通信I/F75を通じて、パーソナルコンピュータや携帯端末からプリンタ10に入力される。

0097

制御プログラム82は、印刷指示が入力されていないと判断すると(S11:No)、メイン処理を終了する。制御プログラム82は、印刷指示が入力されたと判断すると(S11:Yes)、ステップS12以降の処理を実行する。なお、制御プログラム82は、例えば、メイン処理を定期的に実行する。

0098

制御プログラム82は、印刷指示が入力されたと判断すると(S11:Yes)、印刷データが入力されたか否かを判断する(S12)。印刷データは、例えば、通信I/F75を通じてパーソナルコンピュータや携帯端末から制御装置71に入力される。或いは、印刷データは、プリンタ10に装着されたUSBメモリ登録商標)などの可搬記憶媒体から制御装置71に入力される。或いは、プリンタ10がスキャナを有している場合、印刷データは、コピーすべき画像のデータとして、スキャナから入力される。さらに或いは、プリンタ10が、FAX機能部を有している場合、印刷データは、FAX機能部から入力される。印刷データの入力を受け付けて印刷データを取得するステップS12:Yesの処理は、取得処理の一例である。

0099

印刷データは、印刷設定や、パスデータなどを含む。印刷設定は、例えば、用紙の種類や、用紙のサイズや、用紙の印刷の向きや、拡大率や、ノーマル印刷や、高画質印刷などの設定を含む。パスデータは、キャリッジ32における第1位置及び第2位置の一方から他方への1回の移動によってシート6に印刷される画像を示すデータ(1パス分のパスデータとも記載する)である。例えば、制御プログラム82は、1パス分のパスデータを、パーソナルコンピュータや携帯端末やUSBメモリ(登録商標)から順次取得する。なお、メモリ73の空き容量に余裕があれば、制御プログラム82は、複数パス分のパスデータや、1ページ分のパスデータを取得してもよい。「パス」は、キャリッジ32における第1位置及び第2位置の一方から他方への移動を意味する。

0100

制御プログラム82は、印刷データを取得するまで待機する(S12:No)。制御プログラム82は、印刷データを取得したと判断すると(S12:Yes)、印刷を実行する「パス」が、最初のパスであるか否かを判断する(S13)。

0101

制御プログラム82は、最初のパスであると判断すると(S13:Yes)、交換日時をメモリ73から読み出して取得する(S14)。また、制御プログラム82は、クロックモジュール79から、現在日時を示す日時情報を取得する(S15)。そして、制御プログラム82は、交換日時から現在日時までの期間を算出し、算出した期間を経過期間に決定してメモリ73に記憶させる(S16)。経過期間は、インクカートリッジ18が、装着ケース17に装着されている期間を示す。すなわち、経過期間は、装着ケース17においてインクが保存されている期間を示す。ステップS16の処理は、経過期間取得処理の一例である。

0102

上述のように、経過期間が長くなるほど、インクの粘度が高くなり、インクが流路を流れ難くなる。インクが流路を流れ難くなると、ヘッド62に供給されるインクの量が不十分となるおそれが増大する。すなわち、経過期間が長くなるほど、ヘッド62に供給されるインクの量が不十分となるおそれが増大する。ステップS16で決定してメモリ73に記憶された経過期間は、ヘッド62に供給されるインクの量が不十分となるか否かの判断に用いられる。詳しくは後述する。

0103

制御プログラム82は、ステップS16の処理の実行後、頭出し処理を実行する(S17)。頭出し処理とは、シート6に画像が印刷される最初の印刷領域(図8)がヘッド62に対向する位置までシート6を搬送する処理を意味する。

0104

制御プログラム82は、ステップS13において、最初のパスでないと判断すると(S13:No)、改行処理を実行する(S18)。改行処理は、搬送ローラ24を回転させて改行量だけシート6を搬送する処理である。改行量は、後述する走査処理(S21、S22)で画像の印刷を行った印刷領域の次の印刷領域(図8)がヘッド62に対向する位置までシート6を搬送させる場合のシート6の搬送量を意味する。

0105

次に、制御プログラム82は、ヘッド62に供給されるインクの量が不十分となるか否かの判断に用いるインク圧力最小値を決定する(S19)。インク圧力最小値は、インクがヘッド62に及ぼす圧力であるインク圧力の最小値を意味する。

0106

詳しく説明すると、圧電素子70(図2)に直流電圧が供給されると、圧電素子70が変形し、ノズル67からインクが吐出される。圧電素子70が変形した後、圧電素子70が元の形状に復帰すると、インクがマニホールド68やノズル流路69に及ぼす圧力であるインク圧力が低下する。インク圧力が低下することにより、バッファタンク61を通じてインクカートリッジ18からインクがヘッド62内に引き込まれ、インク圧力が元の圧力(大気圧)に復帰する。インク圧力が元の圧力に復帰する前に圧電素子70が連続して駆動されると、インク圧力が徐々に低下する。インク圧力の低下度合は、印刷する画像の画素密度が高く、ヘッド62が吐出するインクの単位時間当たりの吐出量が多いほど、大きくなる。ヘッド62が吐出するインクの単位時間当たりの吐出量は、印刷データに含まれるパスデータによって決まる。

0107

図8は、キャリッジ32が第1位置から第2位置に移動し、キャリッジ32に搭載されたヘッド62がインク適を連続して吐出し、シート6の印刷領域に画像を印刷する例を示している。ヘッド62からインク滴が連続して吐出されることにより、インク圧力が徐々に低下する。図8に示すグラフは、キャリッジ32の位置に対するインク圧力の変化を示している。グラフの横軸は、キャリッジ32の位置を示す。グラフの縦軸は、圧力を示している。図8に示す例では、インク圧力は、キャリッジ32の移動に伴って徐々に低下し、キャリッジ32がシート6の印刷領域の右端に到達したときに、最小値となっている。なお、図8のグラフにおいて、インク圧力は、大気圧を基準値(ゼロ)として表されている。すなわち、インクの吐出によって低下する分の圧力が、負圧で示されている。

0108

図6(B)を参照して、インク圧力最小値決定処理について、詳しく説明する。まず、制御プログラム82は、ステップS12で取得した印刷データ(パスデータ)に基づいて、各圧電素子70の駆動回数及び圧電素子70に供給する直流電圧の電圧値をそれぞれ決定する。そして、制御プログラム82は、圧電素子70の駆動回数及び圧電素子70に供給する直流電圧の電圧値に基づいて、各ノズル列66における1パスでのインクドット数を算出して取得する(S41)。インクドット数は、一のノズル列66が吐出するインクの総量を示す数値である。

0109

具体的に説明すると、制御プログラム82は、例えば、取得したパスデータに基づいて、圧電素子70に供給する直流電圧の電圧値を、「大」、「中」、「小」に分けて決定する。圧電素子70に「大」の電圧値の直流電圧が供給されると、ノズル67は、「大玉」のインク滴を吐出する。圧電素子70に「中」の電圧値の直流電圧が供給されると、ノズル67は、「中玉」のインク滴を吐出する。圧電素子70に「小」の電圧値の直流電圧が供給されると、ノズル67は、「小玉」のインク滴を吐出する。例えば、「中玉」のインク滴が「大玉」のインク滴のa(<100)%であり、「小玉」のインク滴が「大玉」のインク滴のb(<a)%である。制御プログラム82は、1パスにおいて全て「大玉」が吐出されるものとして、「大玉」が吐出される回数をインクドット数として算出する。すなわち、制御プログラム82は、ノズル67が吐出するインク滴を全て「大玉」に換算してインクドット数を算出する。

0110

制御プログラム82は、ステップS41で算出したインクドット数を用いて、インク圧力を決定する(S42)。詳しく説明すると。制御プログラム82は、インクドット数と、上述の第1速度関数V1(t)によって決まるキャリッジ速度とを用いて、単位時間当たりのインクの吐出量であるインクの吐出頻度(いわゆる、印刷デューティ)に応じたインク圧力を決定する。

0111

メモリ73のROM76またはEEPROM78は、例えば、インクの吐出頻度と圧力との対応が示されたテーブル、または、インクの吐出頻度からインク圧力を算出する計算式を予め記憶する。制御プログラム82は、インクドット数及びキャリッジ速度からインクの吐出頻度(印刷デューティ)を算出し、算出したインクの吐出頻度に対応する圧力をメモリ73から読み出してインク圧力を決定する。或いは、制御プログラム82は、算出したインクの吐出頻度とメモリ73から読み出した計算式とを用いてインク圧力を算出して決定する(S42)。なお、インクドット数を用いてインク圧力を決定する方法は、上述の方法に限定されない。他の方法によって、インクドット数に基づいてインク圧力が決定されてもよい。

0112

制御プログラム82は、決定したインク圧力の最小値を、インク圧力最小値に決定する(S43)。インク圧力及びインク圧力最小値は、インク圧力関係値の一例である。

0113

次に、制御プログラム82は、決定したインク圧力最小値を補正するために、インク種別情報、環境温度、統一交換回数、及び経過期間をメモリ73から読み出して取得する。そして、制御部プログラム2は、インク種別情報、環境温度、統一交換回数、及び経過期間と対応付けられた抵抗値を、第2補正テーブルから選択して取得する(S44)。

0114

そして、制御プログラム82は、取得した抵抗値と対応付けられたインク圧力最小値を、第1補正テーブルから選択して取得し(S45)、インク圧力最小値決定処理を終了する。すなわち、制御プログラム82は、抵抗値によって補正されたインク圧力最小値を、最終的なインク圧力最小値として取得する。

0115

制御プログラム82は、図7に示されるように、ステップS19のインク圧力最小値決定処理の終了後、補正したインク圧力最小値が、メモリ73に記憶された閾値以上であるか否かを判断する(S20)。ステップS20の処理は、判断処理の一例である。

0116

制御プログラム82は、補正したインク圧力最小値が閾値以上であると判断すると(S20:Yes)、第1の走査処理(S21)を実行する。制御プログラム82は、補正したインク圧力最小値が閾値以上でないと判断すると(S20:No)、第2の走査処理(S20)を実行する。第1の走査処理(S21)は、第1種の印刷処理の一例である。第2の走査処理(S19)は、第2種の印刷処理の一例である。インク圧力最小値が閾値以上であることは、インク圧力関係値が閾値に達していないことの一例である。インク圧力最小値が閾値以上でないことは、インク圧力関係値が閾値に達していることの一例である。

0117

なお、ステップS19、S20の処理は、ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローの各色のインクについて、それぞれ実行される。そして、制御プログラム82は、ステップS20において、全ての色についてインク圧力最小値が閾値以上であると判断すると第1の走査処理(S21)を実行し、1つの色でもインク圧力最小値が閾値以上でないと判断すると第2の走査処理(S22)を実行する。

0118

閾値は、例えば、インク圧力最小値が当該閾値に到達すると、ヘッド62へのインクの供給量が不十分となって、適切な量のインクがヘッド62から吐出されずに印刷の精度が低下したり、ノズル67におけるインクのメニスカスが破壊されてヘッド62内にエアが進入したりする値として設定される。具体的には、閾値は、ノズル67の直径に応じた値に設定される。例えば、閾値(負の値)は、ノズル67の直径が大きいほど、小さな値とされる。

0119

制御プログラム82は、決定したインク圧力最小値が閾値以上であるか否かを判断することによって、ヘッド62へのインクの供給量が不十分になるか否かを判断する。そして、制御プログラム82は、ヘッド62へのインクの供給量が十分である場合と(S20:Yes)、ヘッド62へのインクの供給量が不十分になる場合とで(S20:No)、走査処理の種類(第1の走査処理、第2の走査処理)を変更する。第2の走査処理は、第1の走査処理よりも、ヘッド62へのインクの供給量の低下が抑制される処理である。以下、詳しく説明する。

0120

第1の走査処理は、第1速度関数V1(t)で決まるキャリッジ速度でキャリッジ32を第1位置及び第2位置の一方から他方へ1回だけ移動させてシート6に画像を印刷する処理である。第2の走査処理は、第2速度関数V2(t)で決まるキャリッジ速度でキャリッジ32を第1位置及び第2位置の一方から他方へ1回だけ移動させてシート6に画像を印刷する処理である。

0121

上述したように、第2速度関数V2(t)で決まるキャリッジ速度は、第1速度関数V1(t)で決まるキャリッジ速度よりも遅い。すなわち、第2の走査処理におけるキャリッジ速度は、第1の走査処理におけるキャリッジ速度よりも遅い。そうすると、第2の走査処理の方が、第1の走査処理よりも、単位時間当たりのインクの吐出量が少なくなる。単位時間当たりのインクの吐出量が少なくなることにより、インク圧力の低下が抑制される。インク圧力の低下が抑制されることにより、ヘッド62へのインクの供給量の低下が抑制される。すなわち、第2の走査処理が実行されることにより、第1の走査処理が実行される場合よりも、ヘッド62へのインクの供給量の低下が抑制される。よって、第2の走査処理が実行されることにより、ヘッド62へのインクの供給量が不十分になることが抑制される。

0122

制御プログラム82は、第1の走査処理(S21)、或いは第2の走査処理(S22)の実行後、次パスがあるか否かを判断する(S23)。次パスがあるか否かとは、画像を印刷した印刷領域の次の印刷領域(図8)があるか否かを意味する。制御プログラム82は、次パスがあるか否かを、ステップS12で取得した印刷データに基づいて判断する。

0123

制御プログラム82は、次パスがないと判断すると(S23:No)、搬送モータ42を介して排紙ローラ25を回転させ、シート6を排紙トレイ16まで搬送させ(S24)、メイン処理を終了する。制御プログラム82は、次パスがあると判断すると(S23:Yes)、ステップS12以降の処理を再度実行する。なお、印刷指示が複数のページの印刷を指示する場合、制御プログラム82は、次のページがあるか否かを判断し、次のページがあると判断すると、ステップS12以降の処理を継続して実行する。

0124

[実施形態の作用効果]
制御プログラム82は、インク圧力最小値決定処理において、印刷データに基づいてインク圧力最小値を決定する(S43)。そして、制御プログラム82は、インクカートリッジ18が装着ケース17に装着されていた期間である経過期間に基づいて、決定したインク圧力最小値を補正する(S45)。すなわち、制御プログラム82は、インク圧力最小値に影響を及ぼす経過期間を用いて、決定したインク圧力最小値を補正する。そして、補正したインク圧力最小値が閾値に到達するか否かによって、ヘッド62へのインクの供給量が不十分となるか否かを判断する。このように、制御プログラム82は、印刷データだけでなく、経過期間も用いて、インク圧力最小値を決定するので、印刷データのみに基づいてインク圧力最小値を決定するよりも、インク圧力最小値の決定の精度が良くなる。インク圧力最小値の決定の精度が良くなるので、ヘッド62へのインクの供給量が不十分となるか否かの判断が正確になる。その結果、プリンタ10は、圧力センサを用いなくても、ヘッド62へのインクの供給量が不十分となるか否かを判断して、印刷の種類を変えることができる。

0125

制御プログラム82は、ヘッド62へのインクの供給量が不十分となる虞がある場合に、第2の走査処理を実行する(S22)。そして、制御プログラム82は、第2の走査処理において、第1走査処理におけるキャリッジ速度よりも遅いキャリッジ速度でキャリッジ32を移動させる。したがって、制御プログラム82は、ヘッド62へのインクの供給量が不十分となることを抑制することができる。

0126

制御プログラム82は、インクカートリッジ18の交換回数によって、インク圧力最小値を補正する。インクカートリッジの交換回数によってインクが流路から受ける抵抗の大きさも変わるため、インクカートリッジ18の交換回数によってインク圧力最小値を補正しない場合に比べ、ヘッド62へのインクの供給量が不十分となるか否かの判断が正確になる。その結果、制御プログラム82は、ヘッド62へのインクの供給量が不十分となることを、さらに抑制することができる。

0127

制御プログラム82は、「大容量」のインクカートリッジ18の交換回数に重み係数を乗じて重み付けをしている。そして、インクカートリッジ18の種別が「大容量」であるか「ノーマル」であるかは、フィルタ29に付着する異物の量に影響を及ぼす。フィルタ29に付着する異物の量は、インクが流路から受ける抵抗の大きさに影響を及ぼす。したがって、「大容量」のインクカートリッジ18の交換回数に重み係数を乗じて重み付けをする制御プログラム82は、「大容量」のインクカートリッジ18の交換回数に重み付けをしない場合に比べ、ヘッド62へのインクの供給量が不十分となるか否かの判断を、より正確に行うことができる。その結果、制御プログラム82は、ヘッド62へのインクの供給量が不十分となることを、さらに抑制することができる。

0128

制御プログラム82は、インクカートリッジ18が貯留するインクの種別によって、インク圧力最小値を補正する。インクの種別によってインクが流路から受ける抵抗の大きさも変わるため、インクの種別によってインク圧力最小値を補正しない場合に比べ、ヘッド62へのインクの供給量が不十分となるか否かの判断が正確になる。その結果、制御プログラム82は、ヘッド62へのインクの供給量が不十分となることを、さらに抑制することができる。

0129

制御プログラム82は、環境温度によって、インク圧力最小値を補正する。環境温度によってインクが流路から受ける抵抗の大きさも変わるため、環境温度によってインク圧力最小値を補正しない場合に比べ、ヘッド62へのインクの供給量が不十分となるか否かの判断が正確になる。その結果、プリンタ10は、ヘッド62へのインクの供給量が不十分となることを、さらに抑制することができる。

0130

制御プログラム82は、インクカートリッジ18が交換されるたびに、日時情報を更新する(S35)。したがって、制御プログラム82は、インクカートリッジ18が装着ケース17に装着されている期間を決定して取得することができる。

0131

[変形例1]
上述の実施形態では、第2の走査処理(S22)において、キャリッジ速度が、第1の走査処理におけるキャリッジ速度よりも低速にされる例を説明した。しかしながら、ヘッド62へのインクの供給量の低下が抑制されるのであれば、キャリッジ速度を低下させる以外の方法で第2の走査処理が実行されてもよい。本変形例では、第2の走査処理において、キャリッジ速度が遅くされる代わりに、いわゆるパス分割が行われる例を説明する。

0132

パス分割とは、第1位置と第2位置との間におけるキャリッジ32の複数回の移動によって、シート6の印刷領域に画像を印刷することを意味する。

0133

制御プログラム82は、第2の走査処理において、ノズル列66に含まれる複数のノズル67のうち、例えば半分の個数のノズル67を、キャリッジ32の1回目の移動によってインクを吐出する第1群のノズル67に決定し、残りの半分の個数のノズル67を、キャリッジ32の2回目の移動によってインクを吐出する第2群のノズル67に決定する。そして、制御プログラム82は、キャリッジ32を第1位置と第2位置との一方から他方へ移動させつつ、第1群のノズル67からインクを吐出させる。次いで、制御プログラム82は、キャリッジ32を第1位置と第2位置との他方から一方へ移動させつつ、第2群のノズル67からインクを吐出させる。

0134

キャリッジ32の1回の移動においてノズルから吐出されるインクの量は、約半分になる。すなわち、単位時間当たりにヘッド62が吐出するインクの量が少なくなる。単位時間当たりにヘッド62が吐出するインクの量が少なくなることにより、インク圧力の低下が抑制される。インク圧力の低下が抑制されることにより、ヘッド62へのインクの供給量の低下が抑制される。すなわち、第2の走査処理が実行されることにより、第1の走査処理が実行される場合よりも、ヘッド62に供給されるインクの量の低下が抑制される。

0135

[変形例1の作用効果]
本変形例では、第2の走査処理において上述のパス分割を行うことにより、ヘッド62に供給されるインクの量の低下を抑制することができる。その結果、制御プログラム82は、ヘッド62に供給されるインクの量が不十分となることを抑制することができる。

0136

[変形例2]
上述の実施形態では、プリンタ10が装着ケース17を備える例を説明した。本変形例では、図10に示されるように、プリンタ10が、装着ケース17に代えてインクタンク90を備える例を説明する。

0137

インクタンク90は、プリンタ10の筐体11に固定されている。そして、インクタンク90は、インクが供給される供給口91を備える。供給口91は、キャップ92によって閉塞されている。ユーザは、キャップ92を外して、供給口91からインクタンク90内にインクを供給する。

0138

制御プログラム82は、交換情報取得処理(図6(A))に代えて、図6(C)に示されるインク供給情報取得処理を実行する。なお、以下で説明する処理以外の処理は、実施形態で説明した処理と同じである。

0139

制御プログラム82は、所定の条件が満たされた場合に、インク供給情報取得処理を実行する。所定の条件とは、例えば、キャップ92がインクタンク90から取り外されたことをセンサによって検知したことや、インクタンク90にインクを供給することをユーザに促す画面をディスプレイ13に表示させたことや、インクタンク90にインクを供給することを示すユーザの入力がタッチセンサや操作スイッチ14によって入力されたことである。

0140

まず、制御プログラム82は、クロックモジュール79から日時情報を取得し、取得した日時情報を補充日時としてメモリ73に記憶させる(S51)。図5(C)に示す例では、補充日時「2019年1月5日14時05分」がメモリ73に記憶される。

0141

次に、制御プログラム82は、図6(C)に示されるように、インクの補充量であるインク補充量、及びインクの種別を示すインク種別情報の入力をユーザに促すインク補充量入力画面をディスプレイ13に表示させる(S52)。インク補充量入力画面を視認したユーザは、インクタンク90に補充したインクの量及びインク種別情報を、ディスプレイ13のタッチセンサや操作スイッチ14を用いて入力する。

0142

制御プログラム82は、図6(C)に示されるように、ユーザが入力したインク補充量及びインク種別情報を取得する(S53)。そして、制御プログラム82は、取得したインク補充量を、メモリ73に記憶されている総補充量に加えて、新たな総補充量をメモリ73に記憶させる(S54)。すなわち、ステップS53では、インクの総補充量が更新される。図5(C)に示す例では、総補充量「350ml」がメモリ73に記憶される。

0143

また、制御プログラム82は、取得したインク種別情報をメモリ73に記憶させる。図5(C)に示す例では、インク種別情報「染料Y」がメモリ73に記憶される。

0144

また、制御プログラム82は、メモリ73に記憶された総補充回数を「1」だけインクリメントし(S55)、インク供給情報取得処理を終了する。すなわち、ステップS55では、インクの総補充回数が更新される。図5(C)に示す例では、総補充回数「15回」がメモリ73に記憶される。総補充回数及び総補充量は、使用値の一例である。ステップS54及びS55の処理は、使用値取得処理の一例である。

0145

制御プログラム82は、メイン処理(図6)のステップS16において、クロックモジュール79から日時情報を取得し、メモリ73に記憶された補充日時から、取得した日時情報が示す現在日時までの期間を、経過期間として取得する。

0146

そして、制御プログラム82は、インク圧力最小値決定処理(図6(B))のステップS44において、メモリ73から総補充量及び総補充回数を取得し、取得した総補充量及び総補充回数と、ステップS16で取得した経過期間とを用いて、ステップS43で決定したインク圧力最小値を補正する(S45)。具体的には、メモリ73は、第2補正テーブルに代えて、第3補正テーブルを記憶する。第3補正テーブルは、総補充量、総補充回数、経過期間、インク種別情報、及び環境温度と、抵抗値との対応関係を示すテーブルである。制御プログラム82は、総補充量、総補充回数、経過期間、環境温度、及びインク種別情報と対応する抵抗値を第3テーブルから選択して決定し、決定した抵抗値及びステップS43で決定したインク圧力最小値と対応付けられた補正後のインク圧力最小値を第1テーブルから選択して決定する。

0147

なお、インクタンク90にインクを補充するためにキャップ92がインクタンク90から取り外されると、供給口91を通じて異物がインクタンク90内に侵入することがある。すなわち、インクの総補充回数は、抵抗値に影響を及ぼす。また、インクタンク90に供給されるインクに元々混入していた異物の量は、インクの総補充量にほぼ比例する。すなわち、インクの総補充量は、抵抗値に影響を及ぼす。本変形例では、抵抗値に影響を及ぼす経過期間、総補充回数、総補充量、環境温度、及びインク種別情報を用いて、抵抗値が決定される。

0148

[変形例2の作用効果]
制御プログラム82は、印刷データ及び経過期間に基づいてインク圧力最小値を決定するので、印刷データのみに基づいてインク圧力最小値を決定し、決定したインク圧力最小値に基づいて、ヘッド62へのインクの供給量が不十分となるか否かを判断する。したがって、筐体11に固定されたインクタンク90を有するプリンタ10においても、圧力センサを用いなくても、ヘッド62へのインクの供給量が不十分となるか否かを判断して、印刷の種類を変えることができる。

0149

また、制御プログラム82は、印刷データ及び経過期間に加え、総補充回数、総補充量、環境温度、及びインク種別情報を用いてインク圧力最小値を決定するので、ヘッド62へのインクの供給量が不十分となることを、さらに抑制することができる。

0150

[その他の変形例]
上述の実施形態では、プリンタ10の制御装置71が、本発明の「制御装置」の一例である例を説明した。しかしながら、本発明の「制御装置」は、プリンタ10と通信回線によって接続されたパーソナルコンピュータや携帯端末の制御装置であってもよい。その場合、制御プログラム82は、例えばプリンタドライバである。或いは、制御プログラム82は、プリンタドライバにモジュールとして組み込まれる。

0151

上述の実施形態では、インク圧力最小値を決定し(S43)、第1補正テーブル及び第2補正テーブルを用いて、決定したインク圧力最小値を補正して(S45)、最終的なインク圧力最小値を決定する例を説明した。しかしながら、ステップS41で決定したインクドット数と、メモリ73から読み出したインク種別情報、環境温度、統一交換回数、及び経過期間と、に基づいて、最終的なインク圧力最小値を直接決定してもよい。

0152

上述の実施形態では、上述の実施形態では、第1補正テーブル及び第2補正テーブルを用いて、決定したインク圧力最小値を補正する例を説明した。しかしながら、計算式のみを用いて、或いは、当該計算式及び補正テーブルを用いて、インク圧力最小値を補正してもよい。例えば、メモリ73は、第2補正テーブル、第4補正テーブル、及び計算式を予め記憶する。計算式は、例えば、経過期間及びインクドット数からインク圧力或いはインク圧力最小値を決定する計算式である。計算式は、例えば、インク圧力最小値=係数a×x(インクドット数)−係数b×y(経過期間)である。第4補正テーブルは、インク種別情報、環境温度、及び統一交換回数と、抵抗値との対応を示すテーブルである。制御プログラム82は、インクドット数及び経過期間からインク圧力最小値を決定する。そして、第2補正テーブルを用いて抵抗値を決定し、決定した抵抗値を用いて、決定したインク圧力最小値を補正する。このように、インクドット数、インク種別情報、環境温度、統一交換回数、経過期間に基づいてインク圧力最小値を決定可能であれば、どのような方法が用いられてもよい。

0153

上述の実施形態では、インク種別情報、環境温度、統一交換回数、及び経過期間に基づいて、インク圧力最小値を補正する例を説明した。しかしながら、インク種別情報、環境温度、統一交換回数、及び経過期間に基づいて、インク圧力最小値ではなく、閾値が補正されてもよい。その場合、メモリ73は、第1補正テーブル及び第2補正テーブルに代えて、インク種別情報と、環境温度と、統一交換回数と、経過期間と、閾値との対応を示す補正テーブルを記憶する。制御プログラム82は、当該補正テーブルを用いて、メモリ73に記憶された閾値を補正する。そして、制御プログラム82は、メイン処理(図7)のステップS19において、ステップS43で決定したインク圧力最小値が、補正した閾値未満か否かを判断する。インク圧力最小値ではなく閾値を補正することによっても、ヘッド62へのインクの供給量が不十分となるか否かを正確に判断することができる。

0154

上述の実施形態では、インク圧力関係値の一例としてインク圧力最小値が説明された。しかしながら、インク圧力関係値は、インクがヘッド62に及ぼす圧力に関係した値であって、ヘッド62へのインクの供給量が不十分になるか否かを判断可能であれば、他の値であってもよい。例えば、インク圧力関係値は、インク圧力のマイナス方向への変化量であってもよい。その場合、メモリ73に記憶される閾値は、実施形態で説明された閾値の絶対値とされる。制御プログラム82は、ステップS20において、インク圧力のマイナス方向への変化量が閾値以下であるか否かを判断する。制御プログラム82は、当該変化量が閾値以下であると判断すると(S20:Yes)、第1の走査処理を実行し、当該変化量が閾値より大きいと判断すると(S20:No)、第2の走査処理を実行する。

0155

上述の実施形態や変形例2では、交換日時や補充日時として、「日」及び「時刻」までメモリ73に記憶される例が説明された。しかしながら、交換日時や補充日時として、「年」及び「月」、或いは、「年」、「月」、及び「日」がメモリ73に記憶されてもよい。

0156

上述の実施形態では、カートリッジメモリ59から読み出したシリアル番号と、メモリ73から読み出したシリアル番号とが一致しないことにより、インクカートリッジ18が交換されたと判断する(S33)例を説明した。しかしながら、シリアル番号以外の情報を用いてインクカートリッジ18が交換されたか否かが判断されてもよい。例えば、カートリッジメモリ59は、シリアル番号に代えて、「1」などの値である装着フラグを予め記憶する。制御プログラム82は、インクカートリッジ18が装着ケース17に装着されたことに応じて、カートリッジI/Fを通じて、カートリッジメモリ59に記憶された装着フラグの値を「0」にしてカートリッジメモリ59に記憶させる。そして、制御プログラム82は、装着ケース17に装着されたインクカートリッジ18のカートリッジメモリ59に記憶された装着フラグの値が「1」であることにより、装着ケース17に装着されれていたインクカートリッジ18が、未だ装着ケース17に装着されたことがない新しいインクカートリッジ18であると判断し(S33:No)、ステップS34以降の処理を実行する。

0157

上述の実施形態では、「ノーマル」のインクカートリッジ18を基準として統一交換回数が算出される例を説明した。しかしながら、「大容量」のインクカートリッジ18を基準として統一交換回数交が算出されてもよい。

0158

上述の実施形態では、インクカートリッジ18がキャリッジ32に搭載されていないプリンタ10を説明した。しかしながら、インクカートリッジ18は、キャリッジ32に搭載されていてもよい。すなわち、本発明は、いわゆるオンキャリッジのプリンタにも用いることができる。

0159

上述の実施形態では、キャリッジ32を有するプリンタ10を説明した。しかしながら、プリンタ10は、キャリッジ32を有さない、いわゆるラインプリンタであってもよい。プリンタ10がラインプリンタである場合、制御プログラム82は、第1の走査処理に代えて第1種の印刷処理を実行し、第2の走査処理に代えて第2種の印刷処理を実行する。第1種の印刷処理は、シート6を一定の第1速度で搬送しながらヘッド62にインクを吐出させてシート6に画像を印刷する処理である。第2種の印刷処理は、例えば、第1速度よりも遅い一定の第2速度でシートを搬送しながらヘッド62にインクを吐出させてシート6に画像を印刷する処理である。また、プリンタ10がラインプリンタである場合、制御プログラム82は、印刷データと、シート6の搬送速度とに基づいて、実施形態と同様にして、インク圧力及びインク圧力最小値を決定する。

0160

10・・・プリンタ
17・・・装着ケース
18・・・インクカートリッジ
21・・・搬送装置
31・・・印刷部
32・・・キャリッジ
36・・・キャリッジモータ
38・・・駆動回路
42・・・搬送モータ
62・・・ヘッド
63・・・チューブ
64・・・流路部材
67・・・ノズル
68・・・マニホールド
69・・・ノズル流路
70・・・圧電素子
71・・・制御装置
72・・・CPU
73・・・メモリ
82・・・制御プログラム
90・・・インクタンク

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