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技術 FRP複合成形品及びその製造方法

出願人 藤倉コンポジット株式会社
発明者 中拓也木元尚紀
出願日 2019年3月5日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-039258
公開日 2020年9月10日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-142408
状態 未査定
技術分野 型の被覆による成形、強化プラスチック成形
主要キーワード 結合ピース 形成治具 結合対象物 分割シャフト 製円筒部材 結合ブロック 未硬化熱硬化性樹脂 ジャングルジム
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

簡単な構成であると共に、結合対象物(例えば他のFRP複合成形品)との結合強度に優れたFRP複合成形品及びその製造方法を提供する。

解決手段

長手方向に延びるFRP円筒と、前記FRP円筒の長手方向の一端部の内周面に少なくとも設けられると共に、結合対象物のネジ部に螺合されるネジ部が形成された金属円筒と、を有することを特徴とするFRP複合成形品。金属円筒の外周面複数層プリプレグ巻回するステップと、前記複数層のプリプレグを熱硬化させて前記金属円筒の外周面にFRP円筒を一体成形するステップと、前記金属円筒と前記FRP円筒を長手方向において切断するステップと、前記金属円筒の切断部に結合対象物のネジ部に螺合されるネジ部を形成するステップと、を有することを特徴とするFRP複合成形品の製造方法。

概要

背景

特許文献1には、繊維強化プラスチックFRP製円筒部材継ぎ手部材とを有する動力伝達部材が記載されている。継ぎ手部材の一方の端部に形成されたボス部の外周面には雄ねじが形成されており、繊維強化プラスチック(FRP)製円筒部材の内周面には雌ねじが形成されている。雄ねじと雌ねじを螺合させることによって繊維強化プラスチック(FRP)製円筒部材と継ぎ手部材とが結合される。

また、特許文献1には、継ぎ手部材の外周面と繊維強化プラスチック(FRP)製円筒部材の内周面との間に接着剤を供給するための接着剤貯留部を継ぎ手部材に設けることが記載されている。また、特許文献1には、繊維強化プラスチック(FRP)製円筒部材の内周面に金属製の心材を結合することが記載されている。

概要

簡単な構成であると共に、結合対象物(例えば他のFRP複合成形品)との結合強度に優れたFRP複合成形品及びその製造方法を提供する。長手方向に延びるFRP円筒と、前記FRP円筒の長手方向の一端部の内周面に少なくとも設けられると共に、結合対象物のネジ部に螺合されるネジ部が形成された金属円筒と、を有することを特徴とするFRP複合成形品。金属円筒の外周面に複数層プリプレグ巻回するステップと、前記複数層のプリプレグを熱硬化させて前記金属円筒の外周面にFRP円筒を一体成形するステップと、前記金属円筒と前記FRP円筒を長手方向において切断するステップと、前記金属円筒の切断部に結合対象物のネジ部に螺合されるネジ部を形成するステップと、を有することを特徴とするFRP複合成形品の製造方法。

目的

本発明は、以上の問題意識に基づいてなされたものであり、簡単な構成であると共に、結合対象物(例えば他のFRP複合成形品)との結合強度に優れたFRP複合成形品及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

長手方向に延びるFRP円筒と、前記FRP円筒の長手方向の一端部の内周面に少なくとも設けられると共に、結合対象物ネジ部に螺合されるネジ部が形成された金属円筒と、を有することを特徴とするFRP複合成形品

請求項2

前記金属円筒は、前記FRP円筒の長手方向の全域の内周面に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のFRP複合成形品。

請求項3

前記金属円筒は、前記FRP円筒の長手方向の一端部又は両端部の内周面に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のFRP複合成形品。

請求項4

前記FRP円筒は、前記金属円筒が設けられない前記FRP円筒の長手方向の中間部において、前記金属円筒と重複する径方向位置まで内周側に食い込んでいる、ことを特徴とする請求項3に記載のFRP複合成形品。

請求項5

前記FRP円筒は、前記金属円筒の外周面複数層プリプレグ巻回し熱硬化したものであり、前記複数層のプリプレグは、前記金属円筒の外周面に近い3層のうちの少なくとも1層に、繊維方向が前記FRP円筒の長手方向と平行をなす0°層プリプレグを含んでいる、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のFRP複合成形品。

請求項6

前記複数層のプリプレグは、ゴム材料から構成されるゴム層プリプレグを含んでいる、ことを特徴とする請求項5に記載のFRP複合成形品。

請求項7

前記FRP円筒の径方向の長さをD1、前記金属円筒の径方向の長さをD2としたときに、D1/D2<4を満足する、ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のFRP複合成形品。

請求項8

前記FRP複合成形品の一端部又は両端部には、他のFRP複合成形品から切断したときの切断痕が形成されている、ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のFRP複合成形品。

請求項9

金属円筒の外周面に複数層のプリプレグを巻回するステップと、前記複数層のプリプレグを熱硬化させて前記金属円筒の外周面にFRP円筒を一体成形するステップと、前記金属円筒と前記FRP円筒を長手方向において切断するステップと、前記金属円筒の切断部に結合対象物のネジ部に螺合されるネジ部を形成するステップと、を有することを特徴とするFRP複合成形品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、FRP複合成形品及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

特許文献1には、繊維強化プラスチック(FRP)製円筒部材継ぎ手部材とを有する動力伝達部材が記載されている。継ぎ手部材の一方の端部に形成されたボス部の外周面には雄ねじが形成されており、繊維強化プラスチック(FRP)製円筒部材の内周面には雌ねじが形成されている。雄ねじと雌ねじを螺合させることによって繊維強化プラスチック(FRP)製円筒部材と継ぎ手部材とが結合される。

0003

また、特許文献1には、継ぎ手部材の外周面と繊維強化プラスチック(FRP)製円筒部材の内周面との間に接着剤を供給するための接着剤貯留部を継ぎ手部材に設けることが記載されている。また、特許文献1には、繊維強化プラスチック(FRP)製円筒部材の内周面に金属製の心材を結合することが記載されている。

先行技術

0004

特開2010−107020号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1の動力伝達部材は、繊維強化プラスチック(FRP)製円筒部材の内周面に雌ねじを形成しているため、加工に高い精度が要求される。

0006

また、特許文献1の動力伝達部材は、継ぎ手部材の雄ねじと繊維強化プラスチック(FRP)製円筒部材の雌ねじとの結合強度(例えば引張強度)が不十分であるという欠点がある。この欠点を補うべく、継ぎ手部材に接着剤貯留部を設けているが、継ぎ手部材に接着剤貯留部を加工して接着剤を貯留することは、製造の困難化、構造の複雑化、高コスト化等に繋がる。

0007

また、特許文献1の動力伝達部材は、繊維強化プラスチック(FRP)製円筒部材の内周面に金属製の心材を結合しているが、繊維強化プラスチック(FRP)製円筒部材の内周面のうち、金属製の心材の結合領域は雌ねじの非形成領域に対応している。このため、繊維強化プラスチック(FRP)製円筒部材の内周面に雌ねじを形成する点に変わりはなく、継ぎ手部材の雄ねじと繊維強化プラスチック(FRP)製円筒部材の雌ねじとの結合強度(例えば引張強度)が不十分であるという欠点は、依然として解消していない。

0008

本発明は、以上の問題意識に基づいてなされたものであり、簡単な構成であると共に、結合対象物(例えば他のFRP複合成形品)との結合強度に優れたFRP複合成形品及びその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本実施形態のFRP複合成形品は、長手方向に延びるFRP円筒と、前記FRP円筒の長手方向の一端部の内周面に少なくとも設けられると共に、結合対象物のネジ部に螺合されるネジ部が形成された金属円筒と、を有することを特徴としている。

0010

前記金属円筒は、前記FRP円筒の長手方向の全域の内周面に設けられてもよい。

0011

前記金属円筒は、前記FRP円筒の長手方向の一端部又は両端部の内周面に設けられてもよい。

0012

前記FRP円筒は、前記金属円筒が設けられない前記FRP円筒の長手方向の中間部において、前記金属円筒と重複する径方向位置まで内周側に食い込んでいてもよい。

0013

前記FRP円筒は、前記金属円筒の外周面に複数層プリプレグ巻回し熱硬化したものであり、前記複数層のプリプレグは、前記金属円筒の外周面に近い3層のうちの少なくとも1層に、繊維方向が前記FRP円筒の長手方向と平行をなす0°層プリプレグを含んでいてもよい。

0014

前記複数層のプリプレグは、ゴム材料から構成されるゴム層プリプレグを含んでいてもよい。

0015

前記FRP円筒の径方向の長さをD1、前記金属円筒の径方向の長さをD2としたときに、D1/D2<4を満足することが好ましく、0.25<D1/D2<4を満足することがより好ましい。

0016

前記FRP複合成形品の一端部又は両端部には、他のFRP複合成形品から切断したときの切断痕が形成されていてもよい。

0017

本実施形態のFRP複合成形品の製造方法は、金属円筒の外周面に複数層のプリプレグを巻回するステップと、前記複数層のプリプレグを熱硬化させて前記金属円筒の外周面にFRP円筒を一体成形するステップと、前記金属円筒と前記FRP円筒を長手方向において切断するステップと、前記金属円筒の切断部に結合対象物のネジ部に螺合されるネジ部を形成するステップと、を有することを特徴としている。

発明の効果

0018

本実施形態によれば、簡単な構成であると共に、結合対象物(例えば他のFRP複合成形品)との結合強度に優れたFRP複合成形品及びその製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0019

隣接するFRP複合成形品の結合部を示す概念図である。
FRP円筒と金属円筒の位置関係の第1の例を示す図である。
FRP円筒と金属円筒の位置関係の第2の例を示す図である。
FRP円筒と金属円筒の位置関係の第3の例を示す図である。
FRP円筒を構成する複数層のプリプレグの積層構造の一例を示す図である。
FRP円筒を構成する複数層のプリプレグの積層構造の別の例を示す図である。
FRP円筒と金属円筒の径方向の長さの比率の一例を示す図である。
FRP複合成形品の製造工程の一例を示す図である。

実施例

0020

図1図8を参照して、本実施形態によるFRP(Fiber Reinforced Plastics)複合成形品1について詳細に説明する。FRP複合成形品1は、現在又は将来のあらゆる技術分野に適用可能であるが、具体的な用途として、ドローンフレームロボットアームジャングルジム等を想定することができる。例えば、FRP複合成形品1は、隣接するFRP複合成形品1どうしを「結合対象物」として結合して長尺部材とすることができる。また、FRP複合成形品1は、他装置の基部を「結合対象物」として当該基部に結合することができる。さらに、FRP複合成形品1は、ゴルフクラブシャフトゴルフクラブヘッド結合構造に適用することもできる。例えば、端部内周面に雌ネジ部が形成されたFRP複合成形品1をゴルフクラブシャフトに適用し、端部外周面に雄ネジ部が形成された「結合対象物」をゴルフクラブヘッドに適用して、ゴルフクラブシャフトとゴルフクラブヘッドを着脱可能(交換可能)にすることができる。あるいは/加えて、ゴルフクラブシャフトを長手方向(軸方向)に分割して、各々の分割シャフトを結合するために、本実施形態による結合構造を適用することができる。この場合、各々の分割シャフトの長さや結合ブロック結合ピース)数に応じて、ゴルフクラブシャフトの長さを調整することができる。

0021

図1は、隣接するFRP複合成形品1X、1Yの結合部を示す概念図である。FRP複合成形品1Xは、長手方向に延びるFRP円筒10Xと、FRP円筒10Xの内周面に設けられる金属円筒20Xとを有している。FRP複合成形品1Yは、長手方向に延びるFRP円筒10Yと、FRP円筒10Yの内周面に設けられる金属円筒20Yとを有している。金属円筒20Xの一端部(図1の右端部)の内周面には、雌ネジ部(ネジ部)21Xが形成されており、金属円筒20Yの一端部(図1の左端部)の外周面には、雄ネジ部(ネジ部)21Yが形成されている。雌ネジ部21Xと雄ネジ部21Yを螺合することにより、隣接するFRP複合成形品1X、1Yが結合される。

0022

金属円筒20Yの雄ネジ部21Yは、例えば、次のようにして構成されている。すなわち、金属円筒20Yの一端部(図1の左端部)の内周面には、金属円筒20Xの雌ネジ部21Xと同様の雌ネジ部が形成されており、雌ネジ部に雄ネジ部アタッチメントが螺合されている。この雄ネジ部アタッチメントは、長手方向(図1の左右方向)の中間部で区画された雄ネジ部を有している。雄ネジ部アタッチメントの雄ネジ部のうち、図1の右側半分が金属円筒20Yの内周面の雌ネジ部に螺合されており、図1左側半分が金属円筒20Yの雄ネジ部21Yとして露出している。すなわち、本実施形態では、雄ネジ部アタッチメントを金属円筒20Yの一部として捉えている。なお、金属円筒20Yの雄ネジ部21Yをどのように構成するのかには自由度があり、種々の設計変更が可能である。

0023

図2は、FRP円筒10と金属円筒20の位置関係の第1の例を示す図である。図2では、金属円筒20が、FRP円筒10の長手方向の全域の内周面に設けられている。図2のように構成されたFRP複合成形品1を製造する場合、金属円筒20の外周面に複数層のプリプレグを巻回した後、複数層のプリプレグを熱硬化させることにより、金属円筒20の外周面にFRP円筒10を一体成形する。

0024

図3は、FRP円筒10と金属円筒20の位置関係の第2の例を示す図である。図3では、金属円筒20が、FRP円筒10の長手方向の一端部(図3の右端部)の内周面に設けられている。図3のように構成されたFRP複合成形品1を製造する場合、金属円筒20の端面(図3の左端面)に金属円筒20と同径の芯金(図示略)を突き当てて、金属円筒20と芯金の外周面に複数層のプリプレグを巻回した後、複数層のプリプレグを熱硬化させることにより、金属円筒20の外周面にFRP円筒10を一体成形する。その後、芯金を金属円筒20とは反対側(図3の左側)に引き抜いて除去する。

0025

図4は、FRP円筒10と金属円筒20の位置関係の第3の例を示す図である。図4では、金属円筒20が、FRP円筒10の長手方向の両端部(図3の左端部と右端部)の内周面に設けられている。また、FRP円筒10は、金属円筒20が設けられないFRP円筒10の長手方向の中間部において、金属円筒20と重複する径方向位置まで内周側に食い込んでいる。図4のように構成されたFRP複合成形品1を製造する場合、予め用意した小径FRP円筒の両端面(図4の左端面と右端面)に金属円筒20を突き当てて、小径FRP円筒と金属円筒20の外周面に複数層のプリプレグを巻回した後、複数層のプリプレグを熱硬化させる。すると、金属円筒20の外周面にFRP円筒10が一体成形されるとともに、当該FRP円筒10が小径FRP円筒と一体化される。

0026

図2図4に示すように、金属円筒20は、FRP円筒10の長手方向の一端部の内周面に少なくとも設けられていればよい。

0027

上述したように、FRP円筒10は、金属円筒20の外周面に複数層のプリプレグを巻回して熱硬化したものである。以下では、図5A〜図5Fを参照して、FRP円筒10を構成する複数層のプリプレグの積層構造について説明する。図5A〜図5Fにおいて、順番1が最内層の金属円筒20を示しており、順番2−6が複数層のプリプレグを示している。順番が小さいほど金属円筒20の外周面に近い内層側のプリプレグであり、順番が大きいほど金属円筒20の外周面から遠い外層側のプリプレグである。図5A〜図5Fでは、複数層のプリプレグとして、カーボン繊維未硬化熱硬化性樹脂含浸したプリプレグを用いる場合を例示しているが、使用する繊維はカーボン繊維に限定されず、他の種類の強化繊維を使用することができる。

0028

図5Aでは、金属円筒20の外周面に近い内層側から外層側に向かって順に、繊維方向がFRP円筒10の長手方向と平行をなす0°層プリプレグ(以下単に0°層プリプレグと呼ぶ)を連続して3層(3プライ)巻回し、繊維方向がFRP円筒10の長手方向と直交する90°層プリプレグ(以下単に90°層プリプレグと呼ぶ)を1層(1プライ)巻回し、0°層プリプレグを1層(1プライ)巻回している。

0029

図5Bでは、金属円筒20の外周面に近い内層側から外層側に向かって順に、0°層プリプレグを連続して2層(2プライ)巻回し、90°層プリプレグを1層(1プライ)巻回し、0°層プリプレグを1層(1プライ)巻回し、90°層プリプレグを1層(1プライ)巻回している。

0030

図5Cでは、金属円筒20の外周面に近い内層側から外層側に向かって順に、0°層プリプレグを1層(1プライ)巻回し、90°層プリプレグを1層(1プライ)巻回し、0°層プリプレグを1層(1プライ)巻回し、90°層プリプレグを1層(1プライ)巻回し、0°層プリプレグを1層(1プライ)巻回している。

0031

図5Dでは、金属円筒20の外周面に近い内層側から外層側に向かって順に、90°層プリプレグを連続して3層(3プライ)巻回し、0°層プリプレグを1層(1プライ)巻回し、90°層プリプレグを1層(1プライ)巻回している。

0032

図5Eでは、金属円筒20の外周面に近い内層側から外層側に向かって順に、90°層プリプレグを連続して2層(2プライ)巻回し、0°層プリプレグを1層(1プライ)巻回し、90°層プリプレグを1層(1プライ)巻回し、0°層プリプレグを1層(1プライ)巻回している。

0033

図5Fでは、金属円筒20の外周面に近い内層側から外層側に向かって順に、90°層プリプレグを1層(1プライ)巻回し、0°層プリプレグを1層(1プライ)巻回し、90°層プリプレグを1層(1プライ)巻回し、0°層プリプレグを1層(1プライ)巻回し、90°層プリプレグを1層(1プライ)巻回している。

0034

図5A〜図5C、図5E、図5Fに示すように、複数層のプリプレグは、金属円筒20の外周面に近い3層のうちの少なくとも1層に、繊維方向がFRP円筒10の長手方向と平行をなす0°層プリプレグを含んでいる。これにより、FRP円筒10と金属円筒20の接合強度(例えば引張強度)を向上することができる。

0035

図5A〜図5Cに示すように、複数層のプリプレグは、金属円筒20の外周面に近い1層に位置する0°層プリプレグを含んでいる。図5A、図5Bに示すように、複数層のプリプレグは、金属円筒20の外周面に近い2層に亘って連続する0°層プリプレグを含んでいる。図5Aに示すように、複数層のプリプレグは、金属円筒20の外周面に近い3層に亘って連続する0°層プリプレグを含んでいる。これにより、FRP円筒10と金属円筒20の接合強度(例えば引張強度)をより一層向上することができる。図5Aの接合強度が最も高く、図5Bの接合強度が2番目に高く、図5Cの接合強度が3番目に高い。

0036

図6A〜図6Dは、FRP円筒10を構成する複数層のプリプレグの積層構造の別の例を示す図である。図6A〜図6Dは、基本的なプリプレグの積層構造として、金属円筒20の外周面に近い内層側から外層側に向かって順に、0°層プリプレグを連続して3層(3プライ)巻回し、90°層プリプレグを1層(1プライ)巻回し、0°層プリプレグを1層(1プライ)巻回し、90°層プリプレグを1層(1プライ)巻回し、0°層プリプレグを1層(1プライ)巻回し、90°層プリプレグを1層(1プライ)巻回している。その上で、基本的なプリプレグの積層構造のいずれかの部位に、ゴム材料から構成されるゴム層プリプレグを含ませている。ゴム層プリプレグを設けることにより、FRP円筒1ひいてはFRP複合成形品1の振動減衰性能を向上させることができる。

0037

図6Aでは、金属円筒20の外周面と0°層プリプレグの1層目(1プライ目)の間(順番2)にゴム層プリプレグを設けている。図6Bでは、0°層プリプレグの1層目(1プライ目)と2層目(2プライ目)の間(順番3)にゴム層プリプレグを設けている。図6Cでは、順番5の90°層プリプレグと順番7の0°層プリプレグの間(順番6)にゴム層プリプレグを設けている。図6Dでは、順番6の0°層プリプレグと順番8の90°層プリプレグの間(順番7)にゴム層プリプレグを設けている。

0038

図7A、図7Bは、FRP円筒10と金属円筒20の径方向の長さの比率の一例を示す図である。FRP円筒10の径方向の長さをD1、金属円筒20の径方向の長さをD2としたときに、D1/D2<4を満足することが好ましく、0.25<D1/D2<4を満足することがより好ましい。すなわち、金属円筒20の外周面に一体成形するFRP円筒10は、金属円筒20に対して厚すぎても薄すぎても不具合が生じるおそれがある。

0039

上記の条件式の上限を超えてFRP円筒10が厚くなりすぎた場合(D1/D2≧4)、金属部分(金属円筒20)がほとんどを占めFRP複合成形品1の本来の優位性である軽さが損なわれてしまう。また、FRP複合成形品1の特性である異方性も損なわれてしまう。上記の条件式の下限を超えてFRP円筒10が薄くなりすぎた場合(D1/D2≦0.25)、ネジ加工を施すために必要な金属管(金属円筒20)の厚みと強度を確保できなくなってしまう。ちなみに、図7Aは上記の条件式の上限に該当する場合(D1/D2=4)を描いており、図7Bは上記の条件式の下限に該当する場合(D1/D2=0.25)を描いている。

0040

図8A〜図8Dを適宜参照して、FRP複合成形品1の製造方法について説明する。

0041

<プリプレグ巻回工程>
金属円筒20の外周面に複数層のプリプレグを巻回する。複数層のプリプレグは、例えば、図5A〜図5F又は図6A〜図6Dの積層構造を用いることができる。

0042

<熱硬化工程>
複数層のプリプレグを熱硬化させて金属円筒20の外周面にFRP円筒10を一体成形する。図8Aは、FRP円筒10と金属円筒20の一体成形品であるFRP複合成形品1を示している。

0043

<切断工程>
図8Bに示すように、FRP円筒10と金属円筒20の一体成形品であるFRP複合成形品1を長手方向において切断する。ここで、図8Bの左右のいずれか一方のFRP複合成形品1に注目すると、切断部であるFRP複合成形品1の一端部又は両端部には、他方(他)のFRP複合成形品1から切断したときの切断痕が形成される。

0044

<面取工程>
図8Cに示すように、FRP複合成形品1の一端部又は両端部において、金属円筒20の内周面に面取加工を施して面取部22を形成する。

0045

<ネジ部形成工程>
図8Dに示すように、FRP複合成形品1の一端部又は両端部において、金属円筒20の内周面にネジ部形成治具30をねじ込んで、雌ネジ部21を形成する。すなわち、金属円筒20の切断部に、結合対象物のネジ部(例えば図1のFRP複合成形品1Yの金属円筒20Yの雄ネジ部21Y)に螺合されるネジ部(例えば図1のFRP複合成形品1Xの金属円筒20Xの雌ネジ部21X)が形成される。ネジ部形成工程では、金属円筒20の内周面に面取部22が形成されていることで、金属円筒20の内周面にネジ部形成治具30をねじ込みやすくすることができる。

0046

本発明者は、図5A〜図5Fのプリプレグ積層構造を持つFRP複合成形品1を実際に作製して、強度試験(引張強度試験)を行った。その結果を以下に示す。試験は、FRP複合成形品1の両端に金具を取り付け、両端から金具を引っ張ることによって金属(金属円筒20)とFRP(FRP円筒10)間の接合強度を測定した。試験機にはインストロン社製、万能試験機型式:5582)を用い、引張試験の条件は5mm/minで行った。その結果、金属(金属円筒20)とFRP(FRP円筒10)間の強度は、プリプレグ積層構造の最内層が0°のプリプレグであることが好ましく、さらに好ましくは0°のプリプレグが2層(2プライ)以上であると、金属(金属円筒20)とFRP(金属円筒10)間の高強度が期待できることがわかった。すなわち、図5A〜図5Fのプリプレグ積層構造を持つFRP複合成形品1のうち、最も接合強度が高いのは図5Aであり、2番目に接合強度が高いのは図5Bであり、3番目に接合強度が高いのは図5Cであった。

0047

このように、本実施形態のFRP複合成形品は、長手方向に延びるFRP円筒と、FRP円筒の長手方向の一端部の内周面に少なくとも設けられると共に、結合対象物のネジ部に螺合されるネジ部が形成された金属円筒とを有している。これにより、簡単な構成であると共に、結合対象物(例えば他のFRP複合成形品)との結合強度に優れたFRP複合成形品を実現することができる。

0048

FRP製品(例えばCFRP製品)は連続繊維によって高い強度を示すため、一旦成形した製品後加工によって継ぎ足しができない。また、各装置の限界値(例えば同軸性や強度等を保証するための軸方向長さ)は決まっており、それを超える製品は製作することができない。本実施形態のFRP複合成形品では、円筒状に成形したFRP製品の内部に金属を組み込んで成形している。内部の金属とFRPは高密着性を有しており、円筒状FRPの中心部に金属が位置している。中心部にある金属をネジ加工して、当該ネジによって連結することで、円筒状FRPの長さを延長することができる。また、内部の金属とFRPは高密着性を有しているため、製品は長手方向・引張方向・周方向曲げ方向に高い強度を持たせることができる。

0049

1 1X 1YFRP複合成形品(Fiber Reinforced Plastics)(結合対象物)
10 10X 10YFRP円筒
20 20X 20Y金属円筒
21 21X雌ネジ部(ネジ部)
21Y雄ネジ部(ネジ部)
22 面取部
30 ネジ部形成治具

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