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課題
解決手段
概要
背景
植物体上に存在する節足動物群集(植食者や捕食者など)の把握は農業的観点(害虫管理、有益昆虫の利用)や生物多様性の研究からも非常に重要である。これまで植物を利用する節足動物を調査するためには、植物上にいる対象生物を探し出して、目視で確認する必要があった。また、目視では同定できない微小生物、同定情報の少ない卵期や幼虫期は、捕まえて顕微鏡下で同定したり、成虫になるまで育ててから同定したりする必要があった。
さらに同定には、良い状態(同定に重要な部位が壊れていない状況をいう)の対象個体を確保した上で、専門知識と熟練した同定技術が必要であるため、調査を行う人員を確保するのが難しい状況であった。
例えば、特許文献1には、昆虫の生息地域特定方法が開示されているが、昆虫若しくは昆虫の一部を入手したうえで、DNA解析を行っている。
水域では生物から排出され、水中に残留したDNA(環境DNA)を回収することで、その水域に生息する生物を特定する技術が発展している。この環境DNA研究は、魚や両性類から始まって、そのアイデアをそのまま他の生物群に応用して発展してきている。
例えば、特許文献2では、環境水試料をDNA分析する際に4級アンモニウム塩に接触させることで、環境水試料中の生物由来のDNAの分解を抑制できる点の記載がある。
概要
従来農作物に取りついている節足動物を特定するためには、節足動物自体を採取する必要があった。しかし、移動性の高いものや微小なものに関してはその場に存在するかどうかも明らかにできないほどであった。また、その場にいたか否かについては、対象の節足動物を採取していないので、調べることができなかった。植物に水をかけ、前記植物に触れた前記水を試料水として回収する工程と、 前記試料水に対して特定のプライマーを用いて前記試料水中のDNAを増幅する工程と、 前記増幅されたDNAの塩基配列を決定する工程と、 前記決定された塩基配列を有する節足動物を特定する工程を有することを特徴とする節足動物の痕跡調査方法およびそれに用いる液体回収器。
目的
効果
実績
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この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
植物にかけられた液体を回収する液体回収器であって、一辺が突き合わせ辺となる底板と、前記底板の突き合わせ辺以外の部分に設けられ、前記底板に対して略垂直に延設された側壁を有し、前記突き合わせ辺には前記植物の茎に突き当てる切欠きが設けられた一対の回収部材で構成されることを特徴とする液体回収器。
請求項2
前記底板は、前記突き合わせ辺から遠い部分に貯留用凹みが形成されたことを特徴とする請求項1に記載された液体回収器。
請求項3
前記底板は、前記突き合わせ辺の裏側に突起が形成されたことを特徴とする請求項1または2の何れかの請求項に記載された液体回収器。
請求項4
前記底板を覆う回収フィルムを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一の請求項に記載された液体回収器。
請求項5
前記切欠きは三角切欠きであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一の請求項にに記載された液体回収器。
請求項6
植物に水をかけ、前記植物に触れた前記水を試料水として回収する工程と、前記試料水に対して特定のプライマーを用いて前記試料水中のDNAを増幅する工程と、前記増幅されたDNAの塩基配列を決定する工程と、前記決定された塩基配列を有する節足動物を特定する工程を有することを特徴とする節足動物の痕跡調査方法。
請求項7
前記試料水を回収する工程は、請求項1乃至5の何れかに記載された液体回収器を用いることを特徴とする請求項6に記載された節足動物の痕跡調査方法。
技術分野
背景技術
0002
植物体上に存在する節足動物群集(植食者や捕食者など)の把握は農業的観点(害虫管理、有益昆虫の利用)や生物多様性の研究からも非常に重要である。これまで植物を利用する節足動物を調査するためには、植物上にいる対象生物を探し出して、目視で確認する必要があった。また、目視では同定できない微小生物、同定情報の少ない卵期や幼虫期は、捕まえて顕微鏡下で同定したり、成虫になるまで育ててから同定したりする必要があった。
0005
水域では生物から排出され、水中に残留したDNA(環境DNA)を回収することで、その水域に生息する生物を特定する技術が発展している。この環境DNA研究は、魚や両性類から始まって、そのアイデアをそのまま他の生物群に応用して発展してきている。
0007
特開2015−154772号公報
特開2017−099376号公報
先行技術
0008
Leray, M., Yang, J. Y., Meyer, C. P., Mills, S. C., Agudelo, N., Ranwez, V., Boehm, JT., Machida, R. J. (2013). A new versatile primer set targeting a short fragment of the mitochondrial COI region for metabarcoding metazoan diversity: Application for characterizing coral reef fish gut contents. Frontiers in Zoology, 10(1), 1-14. https://doi.org/10.1186/1742−9994−10−34
発明が解決しようとする課題
0009
上記のように従来農作物に取りついている節足動物を特定するためには、節足動物自体を採取する必要があった。しかし、移動性の高いものや微小なものに関してはその場に存在するかどうかも明らかにできないほどであった。また、その場にいたか否かについては、対象の節足動物を採取していないので、調べることができなかった。
0010
また、水域での環境DNAから水域に生息する生物を特定する技術は、陸上の農作物に集まる節足動物に対しては、水域がないため適用することができない。
課題を解決するための手段
0012
より具体的に本発明に係る節足動物の痕跡調査方法は、
植物に水をかけ、前記植物に触れた前記水を試料水として回収する工程と、
前記試料水に対して特定のプライマーを用いて前記試料水中のDNAを増幅する工程と、
前記増幅されたDNAの塩基配列を決定する工程と、
前記決定された塩基配列を有する節足動物を特定する工程を有することを特徴とする。
0013
また、この調査方法に用いる使用具として、試料水を回収する液体回収器が提供される。具体的には、
植物にかけられた液体を回収する液体回収器であって、
一辺が突き合わせ辺となる底板と、
前記底板の突き合わせ辺以外の部分に設けられ、前記底板に対して略垂直に延設された側壁を有し、
前記突き合わせ辺には前記植物の茎に突き当てる切欠きが設けられた一対の回収部材で構成されることを特徴とする。
発明の効果
0014
本発明に係る節足動物の痕跡調査方法は、農作物を含め植物に対してDNA解析の際のノイズが含まれていない水をかけ、植物の表面を流れ落ちた水を試料水として回収し、その試料水中に含まれる節足動物の糞や唾液といった排出物、剥離した組織などに含まれるDNAを増幅し、該当する節足動物を特定する。したがって、非常に簡単に調べることができる。
0015
また、調査の際にその場にいなくても、存在した痕跡から、痕跡を残した節足動物がその場に存在していたことを調べられる。したがって、移動速度が速く移動距離が長い節足動物であっても、在不在を調べることができる。このような調査ができることで、さまざまな節足動物の季節ごとの在不在判定が可能になり、害虫や益虫の管理に重要な情報を得ることができる。
図面の簡単な説明
0016
本発明に係る液体回収器の構成を示す図である。
液体回収器を使用する際の平面図(図2(b))および側面図(図2(a))である。
液体回収器を植物に設置した状態を示す斜視図(図3(a))と、側面図(図3(b))である。
0017
以下に本発明に係る節足動物の痕跡調査方法とそれに用いる液体回収器について図面および実施例を示し説明を行う。なお、以下の説明は、本発明の一実施形態および一実施例を例示するものであり、本発明が以下の説明に限定されるものではない。以下の説明は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変することができる。
0018
本発明に係る節足動物の痕跡調査方法は、対象とする植物にどのような節足動物が存在しているか、若しくは存在したかを調査する。したがって、調査対象植物および調査対象節足動物がある。
0019
調査対象植物は、特に限定されるものではないが、野菜(食用の草本植物)や食用果実をつける多年性植物などが好適に対象とされる。最も身近で調査をする効用も高いからである。しかし、食用に利用される以外のものであっても、環境管理の観点から調査対象植物とすることができる。
0020
調査対象節足動物としては、主として昆虫類、クモ類、ムカデ類であり、陸生の物である。甲殻類であっても陸生のワラジムシは調査対象としてよい。したがって、調査対象節足動物は、陸生の節足動物といってよい。なお、以下の説明では単に節足動物と呼ぶ。
0021
調査対象植物には水をかけ、流れ落ちた水を地面に落ちる前に回収する。水は、後に行うPCR(Polymerase Chain Reaction:ポリメラーゼ連鎖反応)を行う際にノイズがでない若しくは無視できる程度に不純物の含まれていない水が好適に利用できる。
0022
水は調査対象植物に満遍なくかけるのが好適である。しかし、幹を持つような大きな樹木である場合は、特定の枝、若しくは特定の幹だけに水をかけて回収してもよい。植物に接触した後に回収された水は「試料水」と呼ぶ。試料水には、調査対象節足動物の糞や唾液といった分泌物や体の一部が含まれている。
0024
回収された試料水からDNAを抽出精製後、プライマーと共にPCRで増幅する。プライマーはアダプター配列を持ったユニバーサルプライマーを用いる。増幅されたDNAにインデックス配列をPCRで付加し、塩基配列を読み出す。なお、DNAの塩基配列の読出しは、サンガー法を用いた方法でも可能であるが、パイロシークエンス法を基本とする読出し手法を用いた所謂次世代シークエンサを用いるのが好適である。塩基配列を読み出す工程は塩基配列を決定する工程といってよい。
0025
読みだされた塩基配列は配列ごとに分類し、データベースに照らし合わせ、節足動物の種類を特定する。利用できるデータベースとしては、Claidentソフトフェアーに内装されているanimals、COX1、genus、またはsemiall(https://www.claident.org/)等が好適に利用できる。
0026
図1には、本発明に係る節足動物の痕跡調査方法に好適に利用することのできる、液体回収器を示す。液体回収器1は、ほぼ同形の回収部材10が一対で構成されている。回収部材10a、10bは、底板12a、12bと、側壁14a、14bで構成されている。以後、回収部材10a、10bの同じ部分を説明する場合は、回収部材10aで説明するが、同一箇所が回収部材10bにも存在する。
0027
回収部材10aの底板12aは1辺が他の回収部材10bの底板12bと突き合わせることができるように、突き合わせ辺16aとされる。ここで、突き合わせ辺16aとは、両方の回収部材10a、10bの底板12a、12bの突き合わせ辺16a、16b同士を突き合わせることができるだけでなく、互いに重ね合える状態を含む。
0028
また、両方の回収部材10a、10bの突き合わせ辺16a、16bには、切欠き18a、18bが形成されている。この部分で植物の茎を挟み込み、葉に当たる若しくは茎を流れ落ちてくる試料水を効率よく回収する。
0029
突き合わせ辺16aから遠い位置には、貯留部20aが形成される。貯留部20aは底板12aに設けられた凹みである。底板12aの形状は特に限定されるものではないが、ここでは簡単に長方形をしているとして説明を続ける。
0030
底板12aの突き合わせ辺16a以外の部分には、底板12aに略垂直方向に延設された側壁14aが形成されている。突き合わせ辺16aに直角方向に設けられる側壁14aを脇側壁22aとよび、脇側壁22aに直角(突き合わせ辺に平行)に設けられる側壁14aを後側壁24aと呼ぶ。
0031
脇側壁22aと後側壁24aは、底板12aの貯留部20aからも連続して延設される。従って、貯留部20aは、一定量の液体を貯留することができる。また、回収部材10a、10bの少なくとも一方の底板12aの下面の突き合わせ辺16a周辺には、ゲタ部30(図2参照)が設けられている。ゲタ部30は、回収部材10a、10b同士を突き合わせ辺16a、16bで突き合わせた際に、突き合わせ辺16a、16bが貯留部20a、20bよりも高くなるように設けられる。
0032
また、脇側壁22aには、掛止用突起26aが設けられている。掛止用突起26aは、一対の回収部材10a、10bを突き合わせて固定する際に用いられる。
0033
なお、後側壁24aや脇側壁22aには、回収部材10aを把持するための把持部28aが設けられていてもよい。図では把持部28aは握り手としてしめしたが、把持部28aの形状はこれに限定するものではない。
0034
図2には、回収部材10aと回収部材10bを付き合わせた状態の側面図(図2(a))と平面図(図2(b))を示す。回収部材10aおよび10bを突き合わせ辺16a、16bで突き合わせると、切欠き18a、18bのところで空間32ができる。この空間32に植物の茎を通す。なお、ゲタ部30が、突き合わせ辺16aおよび16bの位置を支えるので、底板12a、12bで受けた試験水は全て貯留部20a、20bに保存させることができる。
0035
また、回収部材10a、10bは掛止用突起26a、26bをゴム34等で繋いでおくと、作業の際に回収部材10a、10b同士が離れることなく試験水の回収ができる。
0036
次に図3を参照して本発明に係る液体回収器1の使用方法について説明する。図3(a)は、液体回収器1を植物に取り付け、水をかけている斜視図であり、図3(b)は、植物の根本の側面図である。液体回収器1は、検査対象となる植物の茎若しくは幹の部分を一対の回収部材10a、10bの切欠き18a、18bで挟持し、掛止用突起26a、26bに輪ゴム34などをかけて固定する。この際、ゲタ部30a、30bがあるために、突き合わせ辺16a、16bが貯留部20a、20bよりも高くなるように設定する。
0037
この状態で、植物に満遍なく水をかける。水をかけるには、如雨露(ジョウロ)や、洗浄瓶が利用できる。特に、後の工程でのPCRにノイズが入らないようにするために、密閉されている洗浄瓶は好適に利用することができる。また、「満遍なく」とは、植物の葉、茎にできるだけ触れるように水をかけるということである。場合によっては、葉を裏返し、葉の裏側に水をかけるのもよい。
0038
植物にかけられた水は、葉から茎を伝わり、下方に流れる。流れた水は葉や茎に残留した節足動物の痕跡を洗い流す。このように、葉や茎を流れた水は試料水となる。試料水は突き合わせ辺16aの部分で回収され、底板12aを流れ、貯留部20aに溜まる。
0039
貯留部20aに溜まった試料水は、フィルター付きシリンジでろ過したのち、DNA以外のものを除去するために精製を行う。精製して得られたDNAは、上記の方法により含まれる節足動物由来のDNAを増幅するためのサンプルとして利用される。
0040
なお、上記の説明では、液体回収器で直接試料水を回収する方法を説明したが、液体回収器全体を一体の樹脂製フィルム(図示せず)で覆っておき、貯留部を覆った樹脂製フィルムに試料水を貯めてシリンジで試験水を回収してもよい。
0041
液体回収器で直接試料水を回収すると、逐次洗浄する若しくは使い捨てなければならないが、液体回収器を覆ったフィルムで試験水を回収すれば、フィルムを使い捨てにすればよく、液体回収器を逐次洗浄する必要がない。
0042
実験は6月から10月までの夏期に行った。場所は、奈良県奈良市中町3327−204の近畿大学農学部の圃場および温室で行った。対象の植物として、鉢植えのナス(千両二号:Solanum melongena)、キャベツ(YR50号:Brassica oleracea L.var.capitata L.)および地植えのキャベツ(同上)を用いた。
0043
鉢植えのナスには、ワタアブラムシを接種して1週間恒温室で維持した。鉢植えのキャベツは、ガラス温室中で育成しているものの中から、目視によって害虫が付いたものを選んだ。また、地植えのキャベツは上記圃場に植えられたものを任意に選択し用いた。
0044
鉢植えのナスおよび鉢植えのキャベツに対して、サランラップ(登録商標)で覆った液体回収器を根本の茎の部分に配置し、洗浄瓶に入れた水を500mlかけ、試験水を回収した。また、地植えのキャベツには4Lの水をかけ、その水を回収し試験水を得た。なお、地植えのキャベツについては、雨の際に液体回収器をセットし、キャベツにかかった雨水を回収し、試験水としたものも得た。
0045
液体回収器で回収した試験水は、シリンジで吸引した後に、試験水を含んだシリンジカートリッジとカートリッジ型フィルタ(Φ0.45μm、Sterivex(登録商標)filter cartridge, Merck Millipore)をつないで、フィルタに試験水を通し、DNAを回収した。回収したDNAは精製した後、直ちに解析を行わない場合は、DNAlaterを入れて、冷凍庫で−20℃以下の環境で保存した。
0046
カートリッジ型フィルター内のDNAの抽出(Miya et al 2016)および精製はDNeasy Blood & Tissue Kit (QIAGEN, Hilden, Germany)を用いて行った。
0047
カートリッジから抽出、精製したDNA試料は6つのランダムな塩基を含んだアダプター配列(2回目のPCRとペアードエンドシーケンシングに使うための配列(配列番号3および配列番号4))を付けたユニバーサルプライマー(mlCOIintF(フォワードプライマー)と、HCO2198(リバースプライマー):配列番号1および配列番号2)で増幅した。アダプター配列およびユニバーサルプライマーを結合させたプライマーを1stPCRプライマー(配列番号5および配列番号6)と呼ぶ。表1から表3に配列番号1〜6を示す。
0048
0049
0050
0051
その後、PCR産物を(AMPure XP(Beckman Coulter, Brea, California, USA)を用いて)精製し、インデックス配列と次世代シーケンサー用のフローセルに結合するアダプター配列を持つプライマーを用いてPCRを行った。表4にフォワードインデックス配列(8つ)、表5にリバースインデックス配列(7つ)を示す。
0052
0053
0054
この際、試料ごとに異なるフォワードとリバースのインデックスの組み合わせになるようにプライマーを組み合わせた。すべての試料の2回目のPCR産物を1つにまとめて、4nMに調整し、ライブラリー変性を行い、次世代シーケンサー(Miseq、Illumina, San Diego, CA, USA)で分析を行った。
0055
配列解析は、以下のプロセスで行った。まず、次世代シーケンサーから生データを吸い出し、イルミナ提供のbcl2fastq v2 で生データをfastqファイルに変換した。DNAの読出しは、COI(シクロトームcオキシダーゼサブユニットI)のうち313−bp領域を読んだ。次に、Claidentでタグ配列のQスコアを考慮して、タグごと(サンプルごと)に振り分けた(demultiplex)。そして、フリーソフトR用のDADA2パッケージで一塩基の違いを識別して(Amplicon Sequence Variant 法)いわゆるOTUテーブルに変換(ASVテーブルともいう。)した。最後にClaidentで配列の分類群を割り当てた。
0056
表6には、目視で節足動物を確認したサンプル(植物)からの試験水から、その節足動物のDNAが見つかったケースを示す。目視で節足動物を確認したサンプルとは、鉢植えのナス、鉢植えのキャベツ(これらは、意図して節足動物を接種したか、すでについているものを選択した)と、地植えのキャベツの中で目視で節足動物を見つけたものである。なお、表6において、括弧内の数値は目視でその節足動物を確認した数を示し、括弧外の数値は、試料水からDNAを検出できた数を示す。
0057
また、目視で確認した虫については、上記に示したような、Claidentによる配列の分類群の割り当て解析に加えて、種を特定できなかった配列に関して、National Center for Biotechnology Information(NCBI)のNucleotide Web Blastにかけて種を特定した。
0058
0059
ワタアブラムシはすべて鉢植えのナスに人工的に摂取したものである。これについては、6サンプル中全てのサンプルで試料水からDNAを検出することができた。また、その他の節足動物は、鉢植え若しくは地植えのキャベツで目視し、なおかつそのサンプル植物から得た試料水中にDNAを検出した場合を示す。ハナアブの一種の検出率がおよそ30%である以外は、50%以上の確率でDNA検出に成功した。
0060
また、表7には、目視で確認してないが、試験水から得たDNAによって確認された節足動物のリストを示す。
0061
0062
これらの節足動物は、サンプル植物上に目視では発見できなかったが、そもそも目視での確認は容易でない程度の大きさであるか、または、かつてそこにいた節足動物であると考えられる。
実施例
0063
以上のように本発明に係る節足動物の痕跡調査方法によれば、目視で確認できない節足動物や、節足動物の来訪の痕跡を検出することができる。
0065
1液体回収器
10a、10b回収部材
12a、12b底板
14a、14b側壁
16a、16b 突き合わせ辺
18a、18b切欠き
20a、20b貯留部
22a、22b脇側壁
24a、24b後側壁
26a、26b掛止用突起
28a、28b把持部
30 ゲタ部
32 空間
34 ゴム
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