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技術 形質転換植物、及び花成誘導遺伝子を用いた花成制御方法

出願人 トヨタ自動車株式会社国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明者 中曽根光氷室泰代阿部円佳近藤聡藤原すみれ仁木朋子鈴木馨光田展隆中野仁美
出願日 2019年3月5日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-039843
公開日 2020年9月10日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-141583
状態 未査定
技術分野 突然変異または遺伝子工学 微生物、その培養処理 植物の育種及び培養による繁殖
主要キーワード 部分的情報 先行論文 参照文 サトウキビ由来 フロリゲン RDX サトウカエデ 上皿天秤
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図面 (5)

課題

従来公知の花成誘導遺伝子よりも花成誘導能が緩やかに花成時期を早める。

解決手段

サトウキビ由来し、配列番号2又は4のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする新規な花成誘導遺伝子(ScFT6遺伝子、ScZCN16遺伝子)。

概要

背景

従来、植物の交配育種は、経験やに頼った組み合わせで交配し、多数の後代網羅的に評価して選抜を行っていた。一般に、交配を行うためには、花成誘導開花受粉結実促進・採種のプロセスを経る必要がある。植物の種類によっては生育適地においてでさえ、1年に1回しかこのプロセスを組むことはできない。そのため、一つの品種を開発するために非常に長い時間を必要としていた。さらに、交配したい品種が開花しにくい品種である場合や、交配したい品種同士の開花時期が合わない場合には、所望する交配を行うことは非常に困難であった。

このように、交配育種においては、植物の開花をコントロールすることで開花時期を早める技術開発が望まれていた。これまでに、シロイヌナズナやイネにおいて、FT遺伝子(AtFT遺伝子)又はHd3a遺伝子(OsHd3a遺伝子)といった花成誘導遺伝子を過剰発現させることにより、花成出穂)を誘導できたことが報告されている(特許文献1−3、非特許文献1−2)。

ところが、これら花成誘導遺伝子を利用した場合、その非常に強力な花成誘導能に起因して植物体が小さい段階で花成してしまい、収穫できる種子量が少ないといった問題があった。なお、特許文献4及び5には、花成誘導遺伝子の発現を調節する制御因子をコードする遺伝子を利用して花成時期を調節する技術が開示されている。しかしながら、特許文献4及び5に記載された技術では、導入した制御因子が花成誘導遺伝子以外の遺伝子に対して影響することから、望ましくない形質が付与される可能性がある。

また、特許文献6には、イネの花成誘導遺伝子Hd3aを導入することで花成時期が変化したサトウキビに関する技術が開示されている。しかし、特許文献6に開示された技術についても、その非常に強力な花成誘導能に起因して植物体が小さい段階で花成してしまうといった問題があった。

さらに、特許文献7には、花成誘導遺伝子をアルコール誘導性プロモーターの下流で発現させることで、花成時期を制御する技術が開示されている。しかし、特許文献7に開示された技術では、アルコールを作用させてプロモーターを活性化する必要があり、花成制御に手間及びコストを要するといった問題がある。さらにまた、特許文献8には、イネのHd3a遺伝子がコードするタンパク質における所定の部位に変異を導入して花成時期を制御する技術が開示されている。しかし、特許文献8に開示された技術では、変異遺伝子を作成する手間及びコストを要するといった問題がある。さらにまた、特許文献9には、銅イオン誘導性プロモーターの下流に花成誘導遺伝子を発現させることで、花成時期を制御する技術が開示されている。しかし、特許文献9に開示された技術では、銅イオンを作用させてプロモーターを活性化する必要があり、花成制御に手間及びコストを要するといった問題がある。

概要

従来公知の花成誘導遺伝子よりも花成誘導能が緩やかに花成時期を早める。サトウキビに由来し、配列番号2又は4のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする新規な花成誘導遺伝子(ScFT6遺伝子、ScZCN16遺伝子)。

目的

このように、交配育種においては、植物の開花をコントロールすることで開花時期を早める技術開発が望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

以下の(a)〜(c)いずれかのタンパク質をコードする花成誘導遺伝子を導入した又は内在する当該花成誘導遺伝子の発現強化した形質転換植物又は形質転換植物細胞。(a)配列番号2又は4のアミノ酸配列からなるタンパク質(b)配列番号2又は4のアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、花成誘導能を有するタンパク質(c)配列番号1又は3の塩基配列からなるポリヌクレオチドの全部又は一部に対してストリンジェントな条件でハイブリダイズできるポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列からなり、花成誘導能を有するタンパク質

請求項2

イネ科に属することを特徴とする請求項1記載の形質転換植物又は形質転換植物細胞。

請求項3

サトウキビ属、エリアンサス属、ソルガム属又はミスカンサス属に属する請求項1記載の形質転換植物又は形質転換植物細胞。

請求項4

以下の(a)〜(c)いずれかのタンパク質をコードする花成誘導遺伝子を導入する又は内在する当該花成誘導遺伝子の発現を強化することを特徴とする花成誘導方法。(a)配列番号2又は4のアミノ酸配列からなるタンパク質(b)配列番号2又は4のアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、花成誘導能を有するタンパク質(c)配列番号1又は3の塩基配列からなるポリヌクレオチドの全部又は一部に対してストリンジェントな条件でハイブリダイズできるポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列からなり、花成誘導能を有するタンパク質

請求項5

上記花成誘導遺伝子をイネ科に属する植物に導入することを特徴とする請求項4記載の花成誘導方法。

請求項6

上記花成誘導遺伝子をサトウキビ属、エリアンサス属、ソルガム属又はミスカンサス属に属する植物に導入することを特徴とする請求項4記載の花成誘導方法。

技術分野

0001

本発明は、所定の花成誘導遺伝子を導入することで優れた特性を獲得した形質転換植物及び当該花成誘導遺伝子を用いた花成制御形方法に関する。

背景技術

0002

従来、植物の交配育種は、経験やに頼った組み合わせで交配し、多数の後代網羅的に評価して選抜を行っていた。一般に、交配を行うためには、花成誘導、開花受粉結実促進・採種のプロセスを経る必要がある。植物の種類によっては生育適地においてでさえ、1年に1回しかこのプロセスを組むことはできない。そのため、一つの品種を開発するために非常に長い時間を必要としていた。さらに、交配したい品種が開花しにくい品種である場合や、交配したい品種同士の開花時期が合わない場合には、所望する交配を行うことは非常に困難であった。

0003

このように、交配育種においては、植物の開花をコントロールすることで開花時期を早める技術開発が望まれていた。これまでに、シロイヌナズナやイネにおいて、FT遺伝子(AtFT遺伝子)又はHd3a遺伝子(OsHd3a遺伝子)といった花成誘導遺伝子を過剰発現させることにより、花成(出穂)を誘導できたことが報告されている(特許文献1−3、非特許文献1−2)。

0004

ところが、これら花成誘導遺伝子を利用した場合、その非常に強力な花成誘導能に起因して植物体が小さい段階で花成してしまい、収穫できる種子量が少ないといった問題があった。なお、特許文献4及び5には、花成誘導遺伝子の発現を調節する制御因子をコードする遺伝子を利用して花成時期を調節する技術が開示されている。しかしながら、特許文献4及び5に記載された技術では、導入した制御因子が花成誘導遺伝子以外の遺伝子に対して影響することから、望ましくない形質が付与される可能性がある。

0005

また、特許文献6には、イネの花成誘導遺伝子Hd3aを導入することで花成時期が変化したサトウキビに関する技術が開示されている。しかし、特許文献6に開示された技術についても、その非常に強力な花成誘導能に起因して植物体が小さい段階で花成してしまうといった問題があった。

0006

さらに、特許文献7には、花成誘導遺伝子をアルコール誘導性プロモーターの下流で発現させることで、花成時期を制御する技術が開示されている。しかし、特許文献7に開示された技術では、アルコールを作用させてプロモーターを活性化する必要があり、花成制御に手間及びコストを要するといった問題がある。さらにまた、特許文献8には、イネのHd3a遺伝子がコードするタンパク質における所定の部位に変異を導入して花成時期を制御する技術が開示されている。しかし、特許文献8に開示された技術では、変異遺伝子を作成する手間及びコストを要するといった問題がある。さらにまた、特許文献9には、銅イオン誘導性プロモーターの下流に花成誘導遺伝子を発現させることで、花成時期を制御する技術が開示されている。しかし、特許文献9に開示された技術では、銅イオンを作用させてプロモーターを活性化する必要があり、花成制御に手間及びコストを要するといった問題がある。

0007

特開2000−139250号公報
特表2002−511270号公報
特開2002−153283号公報
特表2008−525013号公報
特表2002−537768号公報
特許第5828302号公報
US2018/0057831A1
WO2011/115222A1
US2011/0257013A1

先行技術

0008

Kardailsky I.et al.,Science.1999 Dec 3;286(5446):1962-5.
Kojima S.et al.,Plant Cell Physiol 2002 Oct;43(10):1096-105.

発明が解決しようとする課題

0009

以上のように、単に花成誘導遺伝子を導入しても植物の花成を所望の時期に制御することはできず、誘導性プロモーターを使用することで花成誘導遺伝子の発現を制御するか、変異型花成誘導遺伝子を利用するといった方法でしか花成時期を制御することはできないといった問題があった。

0010

そこで、本発明は、上述した実情に鑑み、従来公知の花成誘導遺伝子よりも花成誘導能が緩やかに花成時期を早める機能を有する新規な花成誘導遺伝子を導入した形質転換植物及び当該花成誘導遺伝子を利用した花成制御形方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上述した目的を達成するために本発明者らが鋭意検討した結果、所定の花成誘導遺伝子を導入することで、既知の花成誘導遺伝子を導入した場合と比較して緩やかに花成誘導できることを見いだし、本発明を完成するに至った。

0012

(1)以下の(a)〜(c)いずれかのタンパク質をコードする花成誘導遺伝子を導入した又は内在する当該花成誘導遺伝子の発現を強化した形質転換植物又は形質転換植物細胞
(a)配列番号2又は4のアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)配列番号2又は4のアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、花成誘導能を有するタンパク質
(c)配列番号1又は3の塩基配列からなるポリヌクレオチドの全部又は一部に対してストリンジェントな条件でハイブリダイズできるポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列からなり、花成誘導能を有するタンパク質
(2)イネ科に属することを特徴とする(1)記載の形質転換植物又は形質転換植物細胞。
(3)サトウキビ属、エリアンサス属、ソルガム属又はミスカンサス属に属する(1)記載の形質転換植物又は形質転換植物細胞。

0013

(4)以下の(a)〜(c)いずれかのタンパク質をコードする花成誘導遺伝子を導入する又は内在する当該花成誘導遺伝子の発現を強化することを特徴とする花成誘導方法。
(a)配列番号2又は4のアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)配列番号2又は4のアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、花成誘導能を有するタンパク質
(c)配列番号1又は3の塩基配列からなるポリヌクレオチドの全部又は一部に対してストリンジェントな条件でハイブリダイズできるポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列からなり、花成誘導能を有するタンパク質
(5)上記花成誘導遺伝子をイネ科に属する植物に導入することを特徴とする(4)記載の花成誘導方法。

0014

(6)上記花成誘導遺伝子をサトウキビ属、エリアンサス属、ソルガム属又はミスカンサス属に属する植物に導入することを特徴とする(4)記載の花成誘導方法。

発明の効果

0015

本発明によれば、新規な花成誘導遺伝子を利用することで、従来公知の花成誘導遺伝子を導入した場合と比較して緩やかに花成を促進することができる。したがって、本発明に係る形質転換植物又は形質転換植物細胞は、従来公知の花成誘導遺伝子を導入した場合と比較して植物体が大きく成長した段階で花成誘導されることとなる。よって、本発明に係る形質転換植物又は形質転換植物細胞は、種子収量を十分に確保しながら花成時期が早まっているといった優れた特徴を有する。

図面の簡単な説明

0016

FT機能欠損株にFTファミリー遺伝子を導入した形質転換植物を長日条件下栽培したときの花芽形成調査した結果を示す特性図である。
FT機能欠損株にFTファミリー遺伝子を導入した形質転換植物を長日条件下で栽培したときの種子収量を調査した結果を示す特性図である。
野生株にFTファミリー遺伝子を導入した形質転換植物を短日条件下で栽培したときの花芽形成を調査(花芽形成時の葉の枚数)した結果を示す特性図である。
野生株にFTファミリー遺伝子を導入した形質転換植物を短日条件下で栽培したときの花芽形成を調査(花芽形成までの日数)した結果を示す特性図である。

0017

以下、本発明を詳細に説明する。

0018

本発明では、所定の花成誘導遺伝子を宿主となる植物細胞内へ導入するか、内在する当該花成誘導遺伝子の発現をする。これにより、当該花成誘導遺伝子を導入した又は当該花成誘導遺伝子の発現を強化した形質転換植物は、当該花成誘導遺伝子を導入又は発現強化していない野生型の植物と比較して早期に花成誘導されるが、従来公知の花成誘導遺伝子を導入した又は内在する従来公知の当該花成誘導遺伝子の発現を強化した形質転換植物と比較して遅く花成誘導される。以下の説明において、野生型の植物と比較して早期に花成誘導されるが、従来公知の花成誘導遺伝子を導入した又は内在する従来公知の当該花成誘導遺伝子の発現を強化した形質転換植物と比較して遅く花成誘導される現象を「緩やかな花成誘導」あるいは「緩やかに花成誘導される」と表現する。

0019

ここで、花成誘導とは、栄養成長相から生殖成長相へ移行することを意味し、開花に先立って生じる花芽の形成開始・分化発達を意味する。また、花成は、維管束師管を通って茎頂へ運ばれたフロリゲン複合体を形成し、各種関連遺伝子の発現が亢進されることで誘導される。したがって、花成誘導の時期は、花芽の形成開始・分化・発達を観察することによって判断することもできるし、フロリゲンやフロリゲン活性化複合体の存在やフロリゲン活性化複合体により発現亢進される遺伝子の転写産物を検出することによって判断することもできる。

0020

緩やかな花成誘導に関与する花成誘導遺伝子
本発明に係る緩やかな花成誘導に関与する花成誘導遺伝子は、配列番号2又は4のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子である。これら配列番号2又は4のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子は、後述の実施例に示したように、従来公知の花成誘導遺伝子(シロイヌナズナ由来FT遺伝子(AtFT遺伝子)、イネ由来フロリゲン遺伝子(Hd3a遺伝子)及びトウモロコシ由来フロリゲン遺伝子(ZCN8遺伝子))の配列情報に基づいてサトウキビから新たに同定した遺伝子である。なお、花成誘導遺伝子は、配列番号2のアミノ酸配列をコードする配列番号1の塩基配列、又は配列番号4のアミノ酸配列をコードする配列番号3の塩基配列をコーディング領域として有している。

0021

なお、後述の実施例において、配列番号1の塩基配列及び配列番号2のアミノ酸配列で特定される花成誘導遺伝子をScFT6遺伝子と呼称し、配列番号3の塩基配列及び配列番号4のアミノ酸配列で特定される花成誘導遺伝子をScZCN16遺伝子と呼称している。

0022

また、本発明に係る緩やかな花成誘導に関与する花成誘導遺伝子には、配列番号2又は4からなるタンパク質をコードする遺伝子に対する相同遺伝子が含まれる。この相同遺伝子とは、共通の祖先遺伝子から進化分岐した遺伝子と、進化分岐した遺伝子とは異なり、単に類似した塩基配列を有する遺伝子との両者を含む意味である。共通の祖先遺伝子から進化分岐した遺伝子としては、2種類の種の相同遺伝子(オルソログ(ortholog))及び同一種内で重複により生じた相同遺伝子(パラログ(paralog))が含まれる。なお、上述した花成誘導遺伝子の相同遺伝子は、配列番号2又は4のアミノ酸配列に基づいて、GenBank等の公知のデータベースから容易に検索・同定することができる。

0023

さらに、本発明に係る緩やかな花成誘導に関与する花成誘導遺伝子は、配列番号2又は4のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子に限定されず、配列番号2又は4のアミノ酸配列に対して80%以上の同一性、好ましくは85%以上の同一性、より好ましくは90%以上の同一性、更に好ましくは95%以上の同一性、最も好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするものであってもよい。ただし、配列番号2又は4のアミノ酸配列と異なるアミノ酸配列からなるタンパク質は、宿主の植物体で発現すると緩やかな花成誘導を引き起こすという機能を有する。ここで、同一性の値は、BLAST(Basic Local Alignment Search Tool)プログラム実装したコンピュータプログラム及び遺伝子配列情報を格納したデータベースを用いてデフォルトの設定で求められる値を意味する。

0024

さらにまた、本発明に係る緩やかな花成誘導に関与する花成誘導遺伝子は、配列番号2又は4のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子に限定されず、配列番号2又は4のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸配列が欠失置換、付加又は挿入されたアミノ酸配列からなり、緩やかな花成誘導を引き起こすという機能を有するタンパク質をコードするものであっても良い。ここで、複数個のアミノ酸としては、例えば、1から20個、好ましくは1から10個、より好ましくは1から7個、さらに好ましくは1個から5個、特に好ましくは1個から3個を意味する。なお、アミノ酸の欠失、置換若しくは付加は、配列番号2又は4のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする塩基配列を、当該技術分野で公知の手法によって改変することによって行うことができる。塩基配列に変異を導入するには、Kunkel法またはGapped duplex法等の公知手法又はこれに準ずる方法により行うことができ、例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入キット(例えばMutant-KやMutant-G(何れも商品名、TAKARA Bio社製))等を用いて、あるいはLAPCRin vitro Mutagenesisシリーズキット(商品名、TAKARA Bio社製)を用いて変異が導入される。また、変異導入方法としては、EMS(エチルメタンスルホン酸)、5-ブロモウラシル、2-アミノプリンヒドロキシルアミン、N-メチル-N’-ニトロ-Nニトロソグアニジン、その他の発ガン性化合物に代表されるような化学的変異剤を使用する方法でも良いし、X線アルファ線ベータ線ガンマ線イオンビームに代表されるような放射線処理紫外線処理による方法でも良い。

0025

さらにまた、本発明に係る緩やかな花成誘導に関与する花成誘導遺伝子は、配列番号1又は3の塩基配列からなるDNAの相補鎖の全部又は一部に対して、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ糖緩やかな花成誘導を引き起こすという機能を有するタンパク質をコードするものでもよい。ここで、ストリンジェントな条件とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。例えば、45℃、6×SSC(塩化ナトリウムクエン酸ナトリウム)でのハイブリダイゼーション、その後の50〜65℃、0.2〜1×SSC、0.1%SDSでの洗浄が挙げられ、或いはそのような条件として、65〜70℃、1×SSCでのハイブリダイゼーション、その後の65〜70℃、0.3×SSCでの洗浄を挙げることができる。ハイブリダイゼーションは、J. Sambrook et al. Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory(1989)に記載されている方法等、従来公知の方法で行うことができる。

0026

発現ベクター
発現ベクターは、恒常的な発現を可能とするプロモーター塩基配列を有する核酸と、上述した花成誘導遺伝子とを含むように構築する。当該発現ベクターを使用することで、上記花成誘導遺伝子を導入した形質転換植物を作製することができる。また、発現ベクターは、内在する上記花成誘導遺伝子の発現を強化するため、花成誘導遺伝子の発現を制御する内在プロモーターを相同組換えにより強力なプロモーターに置換するものであってもよい。この場合、発現ベクターは、詳細を後述する強力なプロモーターと、相同組換えに必要な領域とを有するように構築する。

0027

ここで、発現ベクターの母体となるベクターとしては、従来公知の種々のベクターを用いることができる。例えば、プラスミドファージ、またはコスミド等を用いることができ、導入される植物細胞や導入方法に応じて適宜選択することができる。具体的には、例えば、pBR322、pBR325、pUC19、pUC119、pBluescript、pBluescriptSK、pBI系のベクター等を挙げることができる。特に、植物細胞へのベクターの導入法がアグロバクテリウムを用いる方法である場合には、pBI系のバイナリーベクターを用いることが好ましい。pBI系のバイナリーベクターとしては、具体的には、例えば、pBIG、pBIN19、pBI101、pBI121、pBI221等を挙げることができる。

0028

プロモーターは、植物体内で上記花成誘導遺伝子を発現させることが可能なプロモーターであれば特に限定されるものではなく、公知のプロモーターを好適に用いることができる。かかるプロモーターとしては、例えば、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーター(CaMV35S)、各種アクチン遺伝子プロモーター、各種ユビキチン遺伝子プロモーター、ノパリン合成酵素遺伝子のプロモーター、タバコのPR1a遺伝子プロモータートマトリブロース1,5−二リン酸カルボキシラーゼオキシダーゼ小サブユニット遺伝子プロモーター、ナピン遺伝子プロモーター、オレオシン遺伝子プロモーター等を挙げることができる。この中でも、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーター、アクチン遺伝子プロモーター又はユビキチン遺伝子プロモーターをより好ましく用いることができる。上記各プロモーターを用いれば、植物細胞内に導入されたときに任意の遺伝子を強く発現させることが可能となる。

0029

また、プロモーターとしては、植物における部位特異的に核酸を発現させる機能を有するものを使用することもできる。このようなプロモーターとしては、従来公知の如何なるプロモーターを使用することができる。このようなプロモーターを使用して、上記花成誘導遺伝子を部位特異的に導入することによって、当該花成誘導遺伝子を導入した細胞から成る植物器官植物組織において当該遺伝子の発現を誘導し、緩やかな花成誘導を引き起こすことができる。

0030

なお、発現ベクターは、プロモーター及び上記花成誘導遺伝子に加えて、さらに他のセグメント配列を有する核酸を含んでいてもよい。当該他のセグメント配列を有する核酸は特に限定されるものではないが、ターミネーター塩基配列を有する核酸、形質転換体選別マーカー塩基配列を有する核酸、エンハンサー塩基配列を有する核酸、翻訳効率を高めるための塩基配列を有する核酸等を挙げることができる。また、上記組換え発現ベクターは、さらにT−DNA領域を有していてもよい。T−DNA領域は特にアグロバクテリウムを用いて上記組換え発現ベクター中の塩基配列を有する核酸を植物細胞に導入する場合に核酸導入の効率を高めることができる。

0031

ターミネーター塩基配列を有する核酸は転写終結部位としての機能を有していれば特に限定されるものではなく、公知のものであってもよい。例えば、具体的には、ノパリン合成酵素遺伝子の転写終結領域(Nosターミネーター)、カリフラワーモザイクウイルス35Sの転写終結領域(CaMV35Sターミネーター)等を好ましく用いることができる。この中でもNosターミネーターをより好ましく用いることできる。上記組換えベクターにおいては、ターミネーターを適当な位置に配置することにより、植物細胞に導入された後に、不必要に長い転写物を合成するといった現象の発生を防止することができる。

0032

形質転換体選別マーカー塩基配列を有する核酸としては、例えば薬剤耐性遺伝子を含む核酸を用いることができる。かかる薬剤耐性遺伝子の具体的な一例としては、例えば、ハイグロマイシンブレオマイシンカナマイシンゲンタマイシンクロラムフェニコール等に対する薬剤耐性遺伝子を含む核酸を挙げることができる。これにより、上記抗生物質を含む培地中で生育する植物体を選択することによって、形質転換された植物体を容易に選別することができる。

0033

翻訳効率を高めるための塩基配列を有する核酸としては、例えばタバコモザイクウイルス由来のomega配列を有する核酸を挙げることができる。このomega配列を有する核酸をタンパク質コード領域上流非翻訳領域(5’UTR)に配置させることによって、上記花成誘導遺伝子の発現効率を高めることができる。このように、上記組換え発現ベクターには、その目的に応じて、さまざまなDNAセグメント配列を有する核酸を含ませることができる。

0034

組換え発現ベクターの構築方法についても特に限定されるものではなく、適宜選択された母体となるベクターに、上記プロモーター塩基配列を有する核酸、上記花成誘導遺伝子及び必要に応じて上記他のDNAセグメント配列を有する核酸を所定の順序となるように導入すればよい。例えば、上記花成誘導遺伝子とプロモーター塩基配列を有する核酸と(必要に応じてターミネーター塩基配列を有する核酸等)とを連結し、これをベクターに導入すればよい。

0035

また、上記発現ベクターの増殖方法生産方法)も特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。一般的には大腸菌をホストとして当該大腸菌内で増殖させればよい。このとき、ベクターの種類に応じて、好ましい大腸菌の種類を選択してもよい。

0036

形質転換
上述した発現ベクターは、一般的な形質転換方法によって対象の植物細胞に導入される。発現ベクターを植物細胞に導入する方法(形質転換方法)は特に限定されるものではなく、植物細胞に応じた適切な従来公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば、アグロバクテリウムを用いる方法や直接植物細胞に導入する方法を用いることができる。アグロバクテリウムを用いる方法としては、例えば、Bechtold, E., Ellis, J. and Pelletier, G. (1993) In Planta Agrobacterium-mediated gene transfer by infiltration of adult Arabidopsis plants. C.R. Acad. Sci. Paris Sci. Vie, 316, 1194-1199. あるいは、Zyprian E, Kado Cl, Agrobacterium-mediated plant transformation by novel mini-T vectors in conjunction with a high-copy vir region helper plasmid. Plant Molecular Biology, 1990, 15(2), 245-256.に記載された方法を用いることができる。

0037

発現ベクターを直接植物細胞に導入する方法としては、例えば、マイクロインジェクション法エレクトロポレーション法電気穿孔法)、ポリエチレングリコール法、パーティクルガン法プロトプラスト融合法リン酸カルシウム法等を用いることができる。

0038

また、上記花成誘導遺伝子を直接植物細胞に導入する方法を採るなら、対象とする花成誘導遺伝子の発現に必要な転写ユニット、例えばプロモーター塩基配列を有する核酸や転写ターミネーター塩基配列を有する核酸と、対象とする花成誘導遺伝子であれば十分であり、ベクター機能は必須ではない。さらに、転写ユニットを有さない上記花成誘導遺伝子のタンパク質コード領域のみを含む核酸であっても、宿主ゲノム中の転写ユニット内にインテグレートし、対象となる遺伝子を発現することができればよい。また、宿主ゲノム中にインテグレートされない場合でも、上記花成誘導遺伝子が細胞内で転写且つ/または翻訳されれば十分である。

0039

上記発現ベクターや、発現ベクターを含まず対象となる花成誘導遺伝子が導入される植物細胞としては、例えば、花、葉、根等の植物器官における各組織の細胞、カルス懸濁培養細胞等を挙げることができる。ここで、発現ベクターは、生産しようとする種類の植物体に合わせて適切なものを適宜構築してもよいが、汎用的な発現ベクターを予め構築しておき、それを植物細胞に導入してもよい。

0040

発現ベクターの導入対象となる細胞から成る植物としては、特に限定されない。すなわち、上述した花成誘導遺伝子を導入することによって、あらゆる植物体について緩やかな花成誘導を引き起こすことができる。対象となる植物としては、例えば、顕花植物であることが好ましく、顕花植物のなかでも被子植物であることがより好ましい。対象となる被子植物としては、双子葉植物単子葉植物、例えばアブラナ科、イネ科、ナス科マメ科ヤナギ科等に属する植物(下記参照)が挙げられるが、これらの植物に限定されるものではない。

0041

アブラナ科:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、ミヤマハタザオ(Arabidopsis lyrata)、アブラナ(Brassica rapa、Brassica napus、Brassica campestris)、キャベツ(Brassica oleracea var. capitata)、ハクサイ(Brassica rapa var. pekinensis)、チンゲンサイ(Brassica rapa var. chinensis)、カブ(Brassica rapa var. rapa)、ノザワナ(Brassica rapa var. hakabura)、ミズナ(Brassica rapa var. lancinifolia)、コマツナ(Brassica rapa var. perviridis)、パクチョイ(Brassica rapa var. chinensis)、ダイコン(Raphanus sativus)、ワサビ(Wasabia japonica)、ルベラナズナ(Capsella rubella)など。
アカザ科テンサイ(Beta vulgaris)
カエデ科:サトウカエデ(Acer saccharum)
トウダイグサ科トウゴマ(Ricinus communis)
ナス科:タバコ(Nicotiana tabacum)、ナス(Solanum melongena)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、トマト(Solanum lycopersicum)、トウガラシ(Capsicum annuum)、ペチュニア(Petunia hybrida)など。
マメ科:ダイズ(Glycine max)、エンドウ(Pisum sativum)、ソラマメ(Vicia faba)、フジ(Wisteria floribunda)、ラッカセイ(Arachis hypogaea)、ミヤコグサ(Lotus japonicus)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、アズキ(Vigna angularis)、アカシア(Acacia)、ウマヤシ(Medicago truncatula)、ヒヨコマメCicer arietinum)など。
キク科キク(Chrysanthemum morifolium)、ヒマワリ(Helianthus annuus)など。
ヤシ科アブラヤシ(Elaeis guineensis、Elaeis oleifera)、ココヤシ(Cocos nucifera)、ナツメヤシ(Phoenix dactylifera)、ロウヤシ(Copernicia)など。
ウルシ科ハゼノキ(Rhus succedanea)、カシューナットノキ(Anacardium occidentale)、ウルシ(Toxicodendron vernicifluum)、マンゴー(Mangifera indica)、ピスチオ(Pistacia vera)など。
ウリ科カボチャ(Cucurbita maxima、Cucurbita moschata、Cucurbita pepo)、キュウリ(Cucumis sativus)、カラスウリ(Trichosanthes cucumeroides)、ヒョウタン(Lagenaria siceraria var. gourda)など。
バラ科アーモンド(Amygdalus communis)、バラ(Rosa)、イチゴ(Fragaria vesca)、サクラ(Prunus)、リンゴ(Malus pumila var. domestica)、モモ(Prunus persica)など。
ブドウ科ブドウ(Vitis vinifera)
ナデシコ科カーネーション(Dianthus caryophyllus)など。
ヤナギ科:ポプラ(Populus trichocarpa、Populus nigra、Populus tremula) など。
イネ科:トウモロコシ(Zea mays)、イネ(Oryza sativa)、オオムギ(Hordeum vulgare)、コムギ(Triticum aestivum)、ウラルツコムギ(Triticum urartu)、タルホコムギ(Aegilops tauschii)、ミナトカモジグサ(Brachypodium distachyon)、タケ(Phyllostachys)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、ネピアグラス(Pennisetum pupureum)、エリアンサス(Erianthus ravenae)、ススキ(Miscanthus virgatum)、ソルガム(Sorghum bicolor)スイッチグラス(Panicum)など。
ユリ科チューリップ(Tulipa)、ユリ(Lilium)など。

0042

なかでも、サトウキビやトウモロコシ、エリアンサス、イネ、ソルガム、コムギといったイネ科に属する植物、特に、サトウキビ属、エリアンサス属、ソルガム属又はミスカンサス属に属する植物とすることが好ましい。

0043

その他の工程、その他の方法
上述した形質転換処理後、植物体のなかから適切な形質転換体を選抜する選抜工程を、従来公知の方法で行うことができる。選抜の方法は特に限定されるものではなく、例えば、ハイグロマイシン耐性等の薬剤耐性を基準として選抜してもよいし、形質転換体を育成した後に、植物体の花成誘導の時期を観察し、野性型の植物よりも早期に花成誘導し、従来公知の花成誘導遺伝子を導入した形質転換植物よりも遅く花成誘導するものを選抜してもよい。

0044

また、形質転換処理で得られた形質転換植物から定法に従って後代植物を得ることができる。上記花成誘導遺伝子の発現量が野生型と比較して有意に向上するといった形質を保持した後代植物を、その花成誘導の時期を基準として選抜することによって、上記形質を有することで緩やかに花成誘導するといった特徴を安定的に保持する植物系統作出することができる。なお、形質転換植物やその子孫から、植物細胞や種子、果実、株、カルス、塊茎、切、塊等の繁殖材料を得て、これらを基に上記形質を有する安定的な植物系統を量産することも可能である。

0045

以上説明したように、本発明によれば、上述した特定の花成誘導遺伝子を細胞へ導入するか、当該花成誘導遺伝子の発現を強化することで、緩やかな花成誘導を惹起することができる。すなわち、上述した花成誘導遺伝子を導入した形質転換植物やその子孫は、野性型と比較して早期に花成誘導が可能であるものの、従来公知の花成誘導遺伝子を導入した形質転換植物と比較して植物体が大きく成長した段階で花成誘導する。これにより、上述した花成誘導遺伝子を導入した形質転換植物やその子孫は、植物体が小さい時期に花成誘導することによる種子量の低下を招来せず、より多くの種子収穫量を達成することができる。

0046

以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。

0047

[サトウキビにおけるFTファミリー遺伝子]
本実施例では、植物において花芽形成を誘導するシグナル物質として定義されたフロリゲンをコードする遺伝子(花成誘導遺伝子)をサトウキビにおいて検索した。なお、シロイヌナズナやイネではフロリゲンとして機能するFT(FLOWERING LOCUS T)ファミリー遺伝子が同定されている(Kobayashi et al., 1999; Kardailsky et al., 1999; Corbesier et al., 2007; Tamaki et al., 2007; Komiya et al.,2007。なお、参照文献は実施例末尾にまとめて掲載している。)。しかし、サトウキビにおいては花成誘導を促進するFT遺伝子は未だ同定されていない(Coelho, 2013; Coelho et al., 2014)。そこで、本実施例では、サトウキビの花成誘導に関与するフロリゲン遺伝子(花成誘導遺伝子)を同定すべく、既存のデータバンクよりサトウキビのFTファミリー遺伝子を探索した。

0048

本実施例において、DNA及びアミノ酸配列情報を得るためのデータベースとしては、NCBI databases (EST, unigene, SRA)、SUGARCANE FUNCTIONALGENOMICSDATABASE(SUCEST-fun)、Phytozome、plantGDB、MSU Rice Genome Annotation Project、The Rice Annotation Project (RAP)を用いた。また、サトウキビにおける先行研究論文より候補FT遺伝子がコードするアミノ酸配列情報を得た(Coelho et al., 2014)。本実施例では、相同性検索プログラムNCBIBLASTを用いて相同性検索を行い、それによって得られたDNA及びアミノ酸配列をEMBL-EBI Clustal Omegaを用いて系統解析した。

0049

具体的に、サトウキビにおけるFT遺伝子を開示する先行論文(Coelho et al., 2013、Coelho et al., 2014)よりScFT3〜ScFT5の3つのアミノ酸配列が得られた。そこで、これらに相当するDNA断片配列をNCBI databases及びSUCESTより取得した。また、これらに加えてイネとトウモロコシのフロリゲンとして知られるHd3a遺伝子(Kojima et al., 2002)及びZCN8遺伝子(Meng et al., 2011)の配列情報をQueryとしてBLAST検索を行った。その結果、先行研究にてアミノ酸配列の報告のあるScFT3〜ScFT5のDNA配列部分的情報に加えて、トウモロコシZCN25とZCN19に類似するFTファミリー遺伝子(以下、ScFT6)、ZCN18とZCN24に類似するFTファミリー遺伝子(以下、ScFT7)、ZCN8に類似するFTファミリー遺伝子(以下、ScZCN8)、ZCN12に類似するFTファミリー遺伝子(以下、ScZCN12)、ZCN16に類似するFTファミリー遺伝子(以下、ScZCN16)の5種類の配列を部分的に見出した。

0050

プライマーの設計]
遺伝子を単離するためのプライマーは、上述したFTファミリー遺伝子の部分配列情報を元に、Primer3(ホワイトヘッド研究所(Whitehead Institute for Biomedical Research)提供のソフトウェア)を用いて設計した。

0051

植物材料及び栽培方法
FTファミリー遺伝子のクローニングには、サトウキビ野生種(学名Saccharum spontaneum L.、品種名SES186、農業生物資源ジーンバンクより)から得たRNAより単離した。野生種サトウキビSES 186は、出穂前後の葉および根、頂芽サンプリングしRNAを抽出した。出穂前の葉のサンプルは、自然光補光した長日条件下(16時間明期、8時間暗期、約28℃)にて17か月間栽培した個体より採取した。葉は上部より第3葉の先端から30cmの部分、主脈を避けた片側の長さ約1.5cmを採取した。出穂後の葉のサンプルは、補光を切り短日条件下で栽培した植物の止め葉根元から1cm穂が出た状態である出穂初期の個体と、出穂後4週間を経た個体の双方から得た。根、頂芽、茎のサンプルは、成長点から誘導したカルスを再分化させて長日条件下(16時間明期、8時間暗期、約28℃)にて栽培した幼植物体から採取した。根は先端を含む白色の部位、頂芽は最上位の節とその先の葉鞘を僅かに含む部位、茎は最下位より数えて二番目及び三番目の節を用いた。

0052

[RNA抽出]
トータルRNAはサトウキビサンプル(葉;15-30mg、根;20-30mg、頂芽;約35mg、茎15-55mg)よりRNeasy Plant Mini kit (QIAGEN社製)を用いて基本的に製造元推奨の方法にて精製した。混入したゲノムDNAをRNase-free DNase set (QIAGEN社製)を用いて基本的に製造元推奨の方法にて除去したのちにRNA量をNanoDrop ND-1000 (Thermo Fisher Scientific社製)で定量し、最終濃度を決定した。

0053

[遺伝子の単離]
抽出したRNAを用いてcDNAを合成した。cDNAは、PrimeScriptRTreagent kit (Takara Bio社製)を用い、抽出したRNA(500ng)を鋳型として基本的に製造元推奨の方法にて合成した。その後、以下のようにPCRを行い、増幅されたDNA断片の塩基配列を解析した。

0054

PrimSTAR HS DNA Polymerase (Takara Bio社製)を用いたPCRでは、98℃、10秒の変性、55℃、10秒のアニーリング、72℃、1分の伸長反応行程を38サイクル行った。また、ExTaq HS (Takara Bio社製)を用いたPCRの際には、94℃、30秒の変性、55℃、30秒のアニーリング、72℃、1分の伸長反応の行程を40サイクル行った。PCR産物は、アガロースゲル電気泳動と得られたバンドの切り出し、精製をおこなった。PrimSTAR HSで増幅した断片は、pENTR/D-TOPO vector(Thermo Fisher Scientific社製)又はA付加を行った後にpGEM-T Easyベクター(Promega社製)にサブクローニングし、DNA配列を解析した。各実験条件はキット及び試薬説明書に従った。なお、このPCRにより全長配列情報が得られていないFTファミリー遺伝子に関してはRace法により全長を単離し、配列を同定した。5’末端のクローニングはSMARTer RACE 5’/3’Kit (Takara Bio社製)を用いて行った。3’末端のクローニングは3’-Full RACE Core Set (Takara Bio社製)を用いて行った。

0055

0056

[シロイヌナズナ形質転換用ベクターの作製]
次に、上述したFTファミリー遺伝子をシロイヌナズナに導入する際に使用するベクターを作製した。具体的には、先ず、上述した各FTファミリー遺伝子について、上述の方法により得られたDNA配列情報をもとに、下記のPCR法によって得られた各コーディング配列全長を含むDNA断片を得た。次に、得られたDNA断片をpDONR207(Thermo Fisher Scientific)又はpENTR/D-TOPO(Thermo Fisher Scientific社製)に組み入れエントリークローンを作製した。そして、エントリークローン及びLR clonase II(Thermo Fisher Scientific社製)を用いたLR反応により、各コーディング領域を含むDNA断片をバイナリーベクターpDEST_35S_HSP_GWB5に組み入れることで、シロイヌナズナ形質転換用ベクターを作製した。このシロイヌナズナ形質転換用ベクターは、各FTファミリー遺伝子をCaMV 35Sプロモーター及びHSPターミネーター制御下でシロイヌナズナにおいて恒常的に強発現するものである。

0057

なお、pDEST_35S_HSP_GWB5は、制限酵素HindIII処理によりR4pGWB5_SRDX_HSP (Oshima et al., 2011)のattR4-ccdB-attR2-SRDXを含む断片を切除し、そこにpDEST35SHSP (Oshima et al., 2013)をHindIII処理することで得られた35S-Ω-attR1-ccdB-attR2を含む断片を挿入することで作製した。

0058

以下、各遺伝子についてエントリークローンの作製手順を詳述する。

0059

<AtFT遺伝子>
本実施例では、比較のため、シロイヌナズナ由来のFT遺伝子(AtFT遺伝子)を過剰発現する形質転換体を作製した。AtFT遺伝子を導入するためのシロイヌナズナ形質転換用ベクターを作製するに際して、先ず、NCBIのアクセッション番号NM_105222として公開されているAtFT遺伝子の塩基配列に基づいて、attB1及びattB2配列を付加する配列を持つプライマー(プライマー番号1,2)を設計した。これらプライマーを用いたPCRにより、AtFT遺伝子を含む増幅断片(配列番号27)を得た。得られた増幅断片をBP clonase II(Thermo Fisher Scientific社製)を用いたBP反応によりpDONR207(Thermo Fisher Scientific社製)に組み入れ、AtFT遺伝子についてエントリークローンを準備した。

0060

<OsHd3a遺伝子>
本実施例では、比較のため、イネ由来のFT遺伝子(OsHd3a遺伝子)を過剰発現する形質転換体を作製した。OsHd3a遺伝子を導入するためのシロイヌナズナ形質転換用ベクターを作製するに際して、先ず、NCBIのアクセッション番号AB052944として公開されているOsHd3a遺伝子の塩基配列に基づいて、コーディング配列の5’側にattB1配列、3’側にattB2配列をそれぞれ付加した核酸断片(配列番号28)の人工合成及びRI201-AN(Takara Bio社製)への組み込みをVectorBuilder社に依頼した。得られたプラスミドとpDONR207(Thermo Fisher Scientific社製)をBP clonase II(Thermo Fisher Scientific社製)を用いたBP反応により、OsHd3a遺伝子についてエントリークローンを準備した。

0061

<ScFT3及びScZCN8遺伝子>
上述したように単離したサトウキビ由来のFTファミリー遺伝子のうちScFT3遺伝子及びScZCN8遺伝子については、degenerate primer(プライマー番号3、4)を用いたdegeneratePCRにより部分断片を獲得し、さらにdegenerate PCR及びRace法により全長を獲得した。そして、ScFT3遺伝子はpENTR/D-TOPO(Thermo Fisher Scientific社製)に、ScZCN8遺伝子はpDONR207(Thermo Fisher Scientific社製)にそれぞれクローニングし、ScFT3遺伝子及びScZCN8遺伝子についてそれぞれエントリークローンを準備した。

0062

なお、ScFT3遺伝子についてはプライマー番号5及び6を使用してエントリークローン作製に必要な全長を増幅し、ScZCN8遺伝子についてはプライマー番号7及び8を使用してエントリークローン作製に必要な全長を増幅した。増幅したDNA断片の塩基配列は、それぞれScFT3遺伝子;配列番号29、ScZCN8遺伝子;配列番号30であった。

0063

<ScFT4、ScFT5、ScFT6、ScFT7、ScZCN12及びScZCN16遺伝子>
上述したように単離したサトウキビ由来のFTファミリー遺伝子のうちScFT4遺伝子、ScFT5遺伝子、ScFT6遺伝子、ScFT7遺伝子、ScZCN12遺伝子及びScZCN16遺伝子については、データベース上の塩基配列情報に基づいてクローニングを行い、全長を獲得した。

0064

そして、ScFT4遺伝子、ScFT5遺伝子、ScZCN12遺伝子及びScZCN16遺伝子については、それぞれの配列の5’側にattB1配列、3’側にattB2配列を付加するプライマーを設計した。具体的には、ScFT4遺伝子;プライマー番号9及び10、ScFT5遺伝子;プライマー番号11及び12、ScZCN12遺伝子;プライマー番号13及び14、ScZCN16遺伝子;プライマー番号15及び16を設計した。そして、これらプライマーを使用したPCRにより各遺伝子を含むエントリークローン作製に必要な全長を増幅した。増幅したDNA断片の塩基配列は、それぞれScFT4遺伝子;配列番号31、ScFT5遺伝子;配列番号32、ScZCN12遺伝子;配列番号33、及びScZCN16遺伝子;配列番号34であった。また、得られたDNA断片はBP反応によりpDONR207(Thermo Fisher Scientific社製)に組み込み、各遺伝子についてそれぞれエントリークローンを準備した。

0065

一方、ScFT6遺伝子とScFT7遺伝子については、5’側にcaccを付加したプライマーを設計した。具体的には、ScFT6遺伝子;プライマー番号17及び18、ScFT7遺伝子;プライマー番号19及び20を設計した。そして、これらプライマーを使用したPCRにより各遺伝子を含むエントリークローン作製に必要な全長を増幅した。増幅したDNA断片の塩基配列は、それぞれScFT6遺伝子;配列番号35、ScFT7遺伝子;配列番号36であった。また、得られたDNA断片はpENTR/D-TOPO(Thermo Fisher Scientific社製)に組み込み、ScFT6遺伝子及びScFT7遺伝子についてそれぞれエントリークローンを準備した。

0066

[シロイヌナズナにおけるFTファミリー遺伝子の機能評価
単離したサトウキビ由来のFTファミリー遺伝子の機能を評価するために、上述したバイナリーベクターを用いて下記の通りシロイヌナズナ(Arabidopsis)に形質転換を行い、花成形質の解析を行った。

0067

[アグロバクテリウムを用いた形質転換]
上述したバイナリーベクタープラスミドをエレクトロポレーション法によりアグロバクテリウム(Agrobacterium tumefaciens, Rhizobium radiobacter)GV3101に形質転換し、スペクチノマイシン50mg/l、ゲンタマイシン50mg/l、リファンピシン50mg/lを含むLB培地にて培養した。これにより、上述したバイナリーベクターで形質転換されたアグロバクテリウムを調製した。

0068

[シロイヌナズナ形質転換体の作製]
シロイヌナズナFT機能欠損株ft-10(Yoo et al. 2005、Kleinboelting et al. 2012)は、Arabidopsis Biological Resource Center (ABRC)より入手した。基本的にClough & Bent (1998)に記載された花浸漬(floral dipping)法により、を形成しているシロイヌナズナ野生株Col-0とft-10株を形質転換した。コントロールとして、LR反応を行っていないバイナリーベクターpDEST_35S_HSP_GWB5を持つアグロバクテリウムを用いた形質転換も行った。形質転換植物を選択するために、花浸漬法に供した植物から得られたT1種子を滅菌し、ハイグロマイシン30mg/l、バンコマイシン250mg/lを含むMS培地(Murashige and Skoog, 1962、 0.5%スクロースと0.8%アガーを含む)上に播種した。播種後の培地を4℃で3日間置くことで低温処理を行った後、22℃長日条件(16時間の明期/8時間の暗期)下にて栽培した。栽培開始後約15日後に、抗生物質選抜で生き残った個体を形質転換植物として培養土上に移植した。移植後も22℃長日条件(16時間の明期/8時間の暗期)下にて栽培した。

0069

[花成時期の調査]
T1植物を用いた花成時期調査は、22℃長日条件(16時間の明期/8時間の暗期)下にて形質転換シロイヌナズナを栽培し、花芽が観察されるまでの日数及びその時点までに形成された本葉茎生葉およびロゼット葉)の枚数を計測した。

0070

また、22℃長日条件で栽培されたT1植物からT2種子を採取し、短日条件下における花成時期調査を行った。なお、短日条件(8時間明期/16時間暗期、22℃)では、シロイヌナズナは開花しにくくなることが知られており、長日条件下と比較すると花成制御の結果が判りやすくなることが期待される。具体的に、短日条件下におけるT2植物の花成時期調査においては、T2種子を吸水処理し4℃にて3日間低温処理を行った後、培養土上に直接播種した。なお、このとき、下記ゲノミックPCR法により、形質転換植物の選抜を行った。

0071

[ゲノミックPCR]
早咲き個体は花成後に、その他の個体は培養土上に直接播種して30〜60日後にサンプリングしたシロイヌナズナのロゼット葉片から簡易DNA抽出法によりゲノムDNAを抽出した。DNA抽出は、葉片を抽出バッファー(200mMのTris-HCl(pH7.5)、250mMのNaCl、25mMのEDTA)中で破砕したのち、遠心により得た上清イソプロパノール沈殿により精製、濃縮し、TEバッファーに懸濁することで行った。抽出したDNAを鋳型としてPCRに供試した。形質転換に用いたバイナリーベクターのT-DNA配列上に存在するハイグロマイシン耐性遺伝子HPTIIに特異的なプライマー(プライマー番号21及び22)及びTaKaRa ExTaq(Takara Bio社製)を用いて製造元推奨の方法にてPCRを実施し、増幅断片が得られた個体を形質転換植物と判定した。

0072

[種子量の計測]
種子量の計測は、潅水停止後1か月程度乾燥させた形質転換植物1個体ずつから採取した種子重量を精密上皿天秤(Excellence Plus、Metller Toledo社製)にて計測した。

0073

[結果]
シロイヌナズナFT機能欠損株ft-10を宿主とし、FTファミリー遺伝子を過剰発現する形質転換植物を長日条件下で栽培して花成時期を調査した結果を図1に示す。図1に示すように、FT機能欠損株ft-10のベクターコントロール株では、花芽が観察されるまでに50枚程度の本葉が形成されており、FTの機能欠損により花芽形成が長期に亘って遅延する形質が観察された。一方、従来公知のAtFT遺伝子やOsHd3a遺伝子を過剰発現する形質転換植物では、5枚程度の本葉が形成された時期に花芽が形成されており、導入した遺伝子によりFTの機能が補完されている。

0074

本実施例で単離したFTファミリー遺伝子のうち、ScFT3、ScFT4、ScFT5、ScFT7、ScZCN8及びScZCN12遺伝子については、図1に示すように、AtFT遺伝子やOsHd3a遺伝子と同様に、FTの機能を補完して極めて早期に花芽誘導する機能を有することが明らかとなった。これに対して本実施例で単離したFTファミリー遺伝子のうち、ScFT6及びScZCN16遺伝子については、FT機能欠損株ft-10のベクターコントロール株よりは花芽形成を早期に誘導するものの、AtFT遺伝子やOsHd3a遺伝子、本実施例で単離した他のFTファミリー遺伝子とは大きく異なり、比較的緩やかに花芽形成を誘導することが明らかとなった。

0075

また、同様に栽培した形質転換植物の種子収穫量を調査するため、形質転換植物の一個体あたりの種子重量を測定した結果を図2に示す。図2に示すように、本実施例で単離したFTファミリー遺伝子のうちScFT6又はScZCN16遺伝子を導入した場合、AtFT遺伝子やOsHd3a遺伝子、本実施例で単離した他のFTファミリー遺伝子を導入した場合と比較して、種子収量が極めて優れることがわかった。特に、ScZCN16遺伝子を導入した場合にはベクターコントロール株と同等の種子収量に達し、ScFT6遺伝子を導入した場合にはベクターコントロール株と比較して著しく高い種子収量に達することがわかった。

0076

以上のように、本実施例で単離したFTファミリー遺伝子のうちScFT6又はScZCN16遺伝子を導入した場合には、ベクターコントロール株と比べて花芽を早期に誘導でき、且つ、優れた種子収量を達成できることが示された。

0077

また、野生型シロイヌナズナを宿主とし、FTファミリー遺伝子を過剰発現する形質転換植物を短日条件下で栽培して花成時期を調査した結果を図3及び4に示す。Vector control以外はそれぞれ異なる2つのT1個体から得られた2つのT2系統(図中、#1及び#2)での結果を示している。長日条件よりも開花しにくい短日条件では、図3及び4に示すように、野生型シロイヌナズナのベクターコントロール株では、花芽が観察されるまでに60枚程度の本葉が形成されており、短日条件下で花芽形成が遅延する特徴が観察された。一方、従来公知のAtFT遺伝子や、ScFT6及びScZCN16遺伝子以外のFTファミリー遺伝子を過剰発現する形質転換植物では、5〜10枚程度の本葉が形成された時期に花芽が形成されており、導入した遺伝子により顕著に花芽誘導されることがわかった。

0078

これに対して、野生型シロイヌナズナにScFT6又はScZCN16遺伝子が導入された形質転換植物では、ベクターコントロール株(すなわち野性型)よりは花芽形成を早期に誘導するものの、AtFT遺伝子や他のFTファミリー遺伝子を導入した形質転換植物とは大きく異なり、比較的緩やかに花芽形成を誘導することが明らかとなった。

実施例

0079

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