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技術 漉し餡食品の製造方法

出願人 井村屋グループ株式会社
発明者 伊藤宏規中村昌弘荻原佳典河本雅弥梶原秀浩
出願日 2019年3月4日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2019-038707
公開日 2020年9月10日 (5ヶ月経過) 公開番号 2020-141571
状態 未査定
技術分野 菓子
主要キーワード 加熱加工後 乾燥具合 加熱撹拌装置 排水処理コスト 磨砕装置 金時豆 原料豆 メッシュ数
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年9月10日)のものです。
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図面 (3)

課題

小豆をはじめとする豆類自体に含まれる機能性成分を保持しながら適切なBrix値に調整するとともに、豆煮汁処理負担の低減も可能とする漉し餡食品の製造方法を提供する。

解決手段

原料豆加水して加水豆を得る加水工程と、加水豆を加熱し煮汁を捨てることなく蒸煮させて蒸煮豆を得る蒸煮工程と、蒸煮豆に砂糖を添加し浸透させて漬豆を得る蜜漬工程と、蜜漬豆をにより餡粒子種皮とに分離させる分離工程と、種皮を磨砕して種皮粒子を得る磨砕工程と、餡粒子と種皮粒子とを混合し混合餡を得る混合工程と、混合餡を撹拌しながら品温を100℃以上に加熱し、品温100℃以上を保持しながらさらに加熱撹拌してBrix値が55%以上の漉し餡食品を得る煮詰工程とを備える。

概要

背景

小豆(あずき,adzuki bean,Vigna angularis)は、菓子の餡(あん)、汁粉(しるこ)や善哉(ぜんざい)、羊羹(ようかん)等をはじめとする広汎な食品の材料として使用されている。小豆は、伝統的に漉し餡もしくは粒餡に加工されることが多い。漉し餡では、餡粒子舌ざわり品質の良さの基準とされている。また、粒餡では、粒残りが品質の良さの基準とされている。このような漉し餡や粒餡への加工は、ささげ、金時豆等の他の豆類でも同様に行われることがある。

小豆の加工に際し、生小豆は熱湯中で十分に軟らかくなるまで加熱される。このような加熱は、蒸煮または煮熟等とも称される。その際、小豆の種皮や内部から溶出する成分が灰汁(あく)となる。そこで、灰汁による雑味を抑制するため、小豆の蒸煮を通じて煮汁(茹で)の廃棄新規の水または湯の追加により灰汁は取り除かれる。煮汁を廃棄する処理は、「渋切り」等と称される。当該工程は、例えば、豆類の煮熟方法(特許文献1)、粒餡の製造方法等(特許文献2,3)、小豆風味に優れた餡等の製造方法(特許文献4)に開示されている。そして、「渋切り」の工程を経た小豆に砂糖等の調味料が添加され、全体に味が馴染むまでさらに蒸煮される。

漉し餡を製造する場合、加工工程は、例えば、図2の概略工程図として表される。小豆(原料豆)に加水した後、加熱される。そして、渋切りとして小豆の煮汁(小豆煮汁)は廃棄され、加水しながら小豆を磨砕した後、篩分けにより種皮等を廃棄し、残った餡粒子を水に晒して脱水が行われる。その後、加糖され、煮詰められて漉し餡食品ができあがる。このように、小豆を煮た加工品製造に際しては、渋切りの工程は不可欠であった。

小豆煮汁中には、抗腫瘍成分(特許文献5参照)、抗アレルギー成分(特許文献6参照)、抗骨粗鬆症成分(特許文献7参照)の存在が明らかとなった。しかしながら、前述の各特許文献に開示の製造方法のとおり小豆の煮汁(茹で汁)は廃棄されてしまうため、小豆の種皮や内部から溶出する機能性成分を十分に活用しきれていなかった。小豆以外の他の豆類を煮た加工品を製造する場合でも、同様に機能性成分の活用が不十分となると考えられる。

特許文献5ないし7に開示のとおり、小豆中の機能性成分の存在を確認しながらも、特許文献1ないし4等の従来製法では、小豆中の成分を有効に活用できていなかった。この点を踏まえ、本来の小豆に含有される成分を可能な限り加熱加工後の小豆食品にも保持させながら小豆の風味に影響を与えない適切なBrix値を調整するべく小豆の加熱、加工に改良を模索してきた。

さらに、小豆煮汁の排水のBOD(Biochemical oxygen demand)は高く、環境負荷が大きいため排水処理が必要である。そのため、排水処理の負担低減が大きな課題となっていた。そこで、小豆をはじめとする種々の豆類の煮汁の排出を極力抑制することによる環境負荷の低減が望まれていた。

概要

小豆をはじめとする豆類自体に含まれる機能性成分を保持しながら適切なBrix値に調整するとともに、豆煮汁の処理負担の低減も可能とする漉し餡食品の製造方法を提供する。原料豆に加水して加水豆を得る加水工程と、加水豆を加熱し煮汁を捨てることなく蒸煮させて蒸煮豆を得る蒸煮工程と、蒸煮豆に砂糖を添加し浸透させて漬豆を得る蜜漬工程と、蜜漬豆をにより餡粒子と種皮とに分離させる分離工程と、種皮を磨砕して種皮粒子を得る磨砕工程と、餡粒子と種皮粒子とを混合し混合餡を得る混合工程と、混合餡を撹拌しながら品温を100℃以上に加熱し、品温100℃以上を保持しながらさらに加熱撹拌してBrix値が55%以上の漉し餡食品を得る煮詰工程とを備える。

目的

そこで、小豆をはじめとする種々の豆類の煮汁の排出を極力抑制することによる環境負荷の低減が望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

原料豆加水して加水豆を得る加水工程と、前記加水豆を加熱し煮汁を捨てることなく蒸煮させて蒸煮豆を得る蒸煮工程と、前記蒸煮豆に砂糖を添加し浸透させて漬豆を得る蜜漬工程と、前記蜜漬豆をにより餡粒子種皮とに分離させる分離工程と、前記種皮を磨砕して種皮粒子を得る磨砕工程と、前記餡粒子と前記種皮粒子とを混合し混合餡を得る混合工程と、前記混合餡を撹拌しながら品温を100℃以上に加熱し、品温100℃以上を保持しながらさらに加熱撹拌してBrix値が55%以上の漉し餡食品を得る煮詰工程とを備えることを特徴とする漉し餡食品の製造方法。

請求項2

前記蒸煮工程が、前記煮汁を15〜30分かけて沸騰させ、煮熟後、15〜25分間さらに加熱される請求項1に記載の漉し餡食品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、漉し餡食品の製造方法に関する。

背景技術

0002

小豆(あずき,adzuki bean,Vigna angularis)は、菓子の餡(あん)、汁粉(しるこ)や善哉(ぜんざい)、羊羹(ようかん)等をはじめとする広汎な食品の材料として使用されている。小豆は、伝統的に漉し餡もしくは粒餡に加工されることが多い。漉し餡では、餡粒子舌ざわり品質の良さの基準とされている。また、粒餡では、粒残りが品質の良さの基準とされている。このような漉し餡や粒餡への加工は、ささげ、金時豆等の他の豆類でも同様に行われることがある。

0003

小豆の加工に際し、生小豆は熱湯中で十分に軟らかくなるまで加熱される。このような加熱は、蒸煮または煮熟等とも称される。その際、小豆の種皮や内部から溶出する成分が灰汁(あく)となる。そこで、灰汁による雑味を抑制するため、小豆の蒸煮を通じて煮汁(茹で)の廃棄新規の水または湯の追加により灰汁は取り除かれる。煮汁を廃棄する処理は、「渋切り」等と称される。当該工程は、例えば、豆類の煮熟方法(特許文献1)、粒餡の製造方法等(特許文献2,3)、小豆風味に優れた餡等の製造方法(特許文献4)に開示されている。そして、「渋切り」の工程を経た小豆に砂糖等の調味料が添加され、全体に味が馴染むまでさらに蒸煮される。

0004

漉し餡を製造する場合、加工工程は、例えば、図2の概略工程図として表される。小豆(原料豆)に加水した後、加熱される。そして、渋切りとして小豆の煮汁(小豆煮汁)は廃棄され、加水しながら小豆を磨砕した後、篩分けにより種皮等を廃棄し、残った餡粒子を水に晒して脱水が行われる。その後、加糖され、煮詰められて漉し餡食品ができあがる。このように、小豆を煮た加工品製造に際しては、渋切りの工程は不可欠であった。

0005

小豆煮汁中には、抗腫瘍成分(特許文献5参照)、抗アレルギー成分(特許文献6参照)、抗骨粗鬆症成分(特許文献7参照)の存在が明らかとなった。しかしながら、前述の各特許文献に開示の製造方法のとおり小豆の煮汁(茹で汁)は廃棄されてしまうため、小豆の種皮や内部から溶出する機能性成分を十分に活用しきれていなかった。小豆以外の他の豆類を煮た加工品を製造する場合でも、同様に機能性成分の活用が不十分となると考えられる。

0006

特許文献5ないし7に開示のとおり、小豆中の機能性成分の存在を確認しながらも、特許文献1ないし4等の従来製法では、小豆中の成分を有効に活用できていなかった。この点を踏まえ、本来の小豆に含有される成分を可能な限り加熱加工後の小豆食品にも保持させながら小豆の風味に影響を与えない適切なBrix値を調整するべく小豆の加熱、加工に改良を模索してきた。

0007

さらに、小豆煮汁の排水のBOD(Biochemical oxygen demand)は高く、環境負荷が大きいため排水処理が必要である。そのため、排水処理の負担低減が大きな課題となっていた。そこで、小豆をはじめとする種々の豆類の煮汁の排出を極力抑制することによる環境負荷の低減が望まれていた。

先行技術

0008

特開昭60−149353号公報
特開2000−236832号公報
特開2000−236833号公報
特開2011−234635号公報
特許第4971566号公報
特許第6023398号公報
特許第6031328号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、小豆をはじめとする豆類自体に含まれる機能性成分を保持しながら適切なBrix値に調整するとともに、豆煮汁の処理負担の低減も可能とする漉し餡食品の製造方法を提供する。

課題を解決するための手段

0010

すなわち、請求項1の発明は、原料豆に加水して加水豆を得る加水工程と、前記加水豆を加熱し煮汁を捨てることなく蒸煮させて蒸煮豆を得る蒸煮工程と、前記蒸煮豆に砂糖を添加し浸透させて漬豆を得る蜜漬工程と、前記蜜漬豆をにより餡粒子と種皮とに分離させる分離工程と、前記種皮を磨砕して種皮粒子を得る磨砕工程と、前記餡粒子と前記種皮粒子とを混合し混合餡を得る混合工程と、前記混合餡を撹拌しながら品温を100℃以上に加熱し、品温100℃以上を保持しながらさらに加熱撹拌してBrix値が55%以上の漉し餡食品を得る煮詰工程とを備えることを特徴とする漉し餡食品の製造方法に係る。

0011

請求項2の発明は、前記蒸煮工程が、前記煮汁を15〜30分かけて沸騰させ、煮熟後、15〜25分間さらに加熱される請求項1に記載の漉し餡食品の製造方法に係る。

発明の効果

0012

請求項1の発明に係る漉し餡食品の製造方法によると、原料豆に加水して加水豆を得る加水工程と、前記加水豆を加熱し煮汁を捨てることなく蒸煮させて蒸煮豆を得る蒸煮工程と、前記蒸煮豆に砂糖を添加し浸透させて蜜漬豆を得る蜜漬工程と、前記蜜漬豆を篩により餡粒子と種皮とに分離させる分離工程と、前記種皮を磨砕して種皮粒子を得る磨砕工程と、前記餡粒子と前記種皮粒子とを混合し混合餡を得る混合工程と、前記混合餡を撹拌しながら品温を100℃以上に加熱し、品温100℃以上を保持しながらさらに加熱撹拌してBrix値が55%以上の漉し餡食品を得る煮詰工程とを備えるため、小豆をはじめとする豆類自体に含まれる機能性成分を保持して栄養価を高めながら適切にBrix値を調整することができるとともに、豆煮汁の排水処理が不要となって排水の処理コスト等の負担がなく、環境負荷も大幅に低減することができる。

0013

請求項2の発明に係る漉し餡食品の製造方法によると、請求項1において、前記蒸煮工程が、前記煮汁を15〜30分かけて沸騰させ、煮熟後、15〜25分間さらに加熱されるため、加熱時の焦げや煮崩れ等が発生しにくくなるとともに、豆類の機能性成分の保持がより促進される。

図面の簡単な説明

0014

本発明の漉し餡食品の製造方法の概略工程図である。
従来の漉し餡食品の製造方法の概略工程図である。

0015

本発明の漉し餡食品の製造方法に際し、図1の概略工程図を用いながら順に説明する。本発明の漉し餡食品の製造方法は、小豆、ささげ、金時豆等の各種豆類を原料豆として漉し餡食品を製造するものであって、加水工程と、蒸煮工程と、蜜漬工程と、分離工程と、磨砕工程と、混合工程と、煮詰工程とを備える。この漉し餡食品の製造方法では、はじめに原料豆が、大きさ、形状、色合い等を均一範囲とするべく選別され、適宜水洗される。なお、以下の説明では原料豆として小豆(あずき,adzuki bean,Vigna angularis)を使用したものとする。使用される小豆(原料)は、収穫後自然乾燥により水分含量を10ないし17%にまで低下させた小豆であり、一般に流通している形態である。

0016

加水工程は、選別し水洗した小豆(原料豆)に加水して加水小豆(加水豆)を得る工程である。加水小豆は、乾燥状態の小豆(原料豆)が加水されることによって膨潤した状態の小豆である。加水小豆の膨潤率は、例えば1.5倍以上が好ましく、より好ましくは1.8倍以上である。加水時間は、季節気温、原料豆の品種、原料豆の乾燥具合等により適宜加減される。通常、小豆の加水は5分ないし20時間である。また、加水には浸漬も含まれる。小豆に対する加水量は特に限定されないが、加水量が過剰であると後述の蒸煮工程の加熱時間が増加することを考慮することが好ましい。

0017

蒸煮工程は、加水小豆(加水豆)を加熱し煮汁を捨てることなく蒸煮させて蒸煮小豆(蒸煮豆)を得る工程である。蒸煮工程では、まず加水小豆の煮汁を沸騰させるための加熱が行われる。この加熱に際して、急激な加熱を行うと小豆の粒が破裂しやすくなり、焦げも発生しやすくなる。そこで、加熱時に焦げや煮崩れ等の発生が抑制されるように、中程度の熱エネルギーで15〜30分かけて沸騰させる。これにより、小豆の粒の破裂を抑制しつつ、小豆内部のデンプン粒子に水分を行き渡らせることができる。

0018

続いて、品温(約100℃)を保持しながら煮熟が行われる。この時、従来では煮汁が廃棄されて(渋切り)、新たな水または湯が追加投入されるが、この蒸煮工程では煮汁は廃棄されずに加熱が継続される。そのため、煮汁の水分は、蒸発するとともに煮汁に溶出した機能性成分とともに小豆に吸収される。加熱時間の目安は、概ね煮汁の水分が減少する時点により規定される。短時間であれば十分な蒸発とはならない。この煮熟により、小豆内部のデンプン粒子が十分に加熱されてデンプンアルファ化が進み、小豆が可食化する。そして、この煮汁の殆どが蒸発または吸収されるまで煮熟が行われる。そのため、煮汁に含まれていた小豆自体の成分を保持することができる。なお、この煮熟に際しては、煮汁の沸騰時と同程度の熱エネルギー、あるいは、沸騰時より高い熱エネルギーで加熱が行われる。これにより、効率よく煮熟することができる。

0019

煮熟後、少し低い熱エネルギー(例えば、沸騰時の熱エネルギー以下)で15〜25分間さらに加熱されて蒸煮小豆が得られる。この煮熟後の加熱は、わずかに残った煮汁を小豆に吸収させるとともに、さらに煮熟された小豆自体に含まれる水分の蒸発を促進するものである。これにより、小豆の機能性成分の保持が促される。煮熟後の加熱の終了後、必要に応じて、蒸煮小豆を10〜20分程度蒸らしてもよい。蒸煮小豆を蒸らすことにより、蒸煮小豆の軟化が促進される。

0020

このように、蒸煮工程では、加水小豆の煮汁を廃棄せずに煮熟することによって、従来廃棄されていた煮汁に含まれる小豆の機能性成分を有効に活用することが可能となる。特に、加水小豆の加熱に際して急激な加熱を避けて沸騰させることで加熱時の焦げや煮崩れ等が発生しにくくなり、煮熟後にさらに加熱を行うことにより、小豆の機能性成分の保持がより促進される。

0021

蜜漬工程は、蒸煮小豆(蒸煮豆)に砂糖を添加し浸透させて蜜漬小豆(蜜漬豆)を得る工程である。蜜漬工程では、まず蒸煮小豆を撹拌して粗熱を取った後に砂糖が添加される。蒸煮小豆の粗熱を取る際には、回転数10〜20rpm程度の撹拌速度で5〜15分ほど撹拌される。また、添加される砂糖の分量は最終的な甘味の程度に応じて適宜に調製されるが、例えば、蒸煮小豆の重量に対して2〜3倍程度である。

0022

蒸煮小豆に砂糖が添加されると、砂糖を小豆に満遍なく浸透させるために、撹拌が行われる。砂糖を浸透させるための撹拌は、例えば、回転数10〜20rpm程度の撹拌速度で5〜15分である。また、砂糖の添加は、複数回に分けてもよい。複数回に分けて砂糖を添加する場合は、添加するごとに撹拌が行われる。このように撹拌されて小豆に砂糖が満遍なく浸透することにより、Brix値が50〜60%の蜜漬小豆が得られる。

0023

分離工程は、蜜漬小豆(蜜漬豆)を篩により餡粒子と種皮とに分離させる工程である。蜜漬工程で得られた蜜漬小豆は、蒸煮工程を経て砂糖が浸透したことによって、小豆の餡細胞と種皮とが分離しやすい状態となっている。そのため、蜜漬小豆を篩にかけることによって餡粒子と種皮とに容易に分離することができる。篩のメッシュ数は、所望する分離後の餡粒子等の大きさに応じて適宜であるが、例えば、40〜60程度が好ましい。なお、分離に際しては、種皮に小豆の実の固い部分等が一部含まれることがあるが、種皮とともにそれらをまとめて分離する。

0024

蜜漬小豆の分離では、800〜1200(mL/分)で加水しながら、分離回転数100〜150rpm、処理時間30〜45分程度で篩掛けが行われる。このように加水しながら篩掛けすることにより、蜜漬小豆がより分離しやすくなる。篩掛けされた蜜漬小豆では、微細な粒子となった餡粒子が篩から排出され、比較的大粒の種皮が残留して分離される。なお、分離された餡粒子の大きさは、平均粒径90〜110μm程度である。

0025

磨砕工程は、分離工程で得られた種皮を磨砕して種皮粒子を得る工程である。小豆の種皮には様々な有効成分が含まれていることから、廃棄せずに有効利用することが求められる。しかしながら、餡粒子から分離したばかりの種皮は粒子が粗く、漉し餡食品にそのまま利用すると、種皮の食感が残るため好ましくない。そこで、磨砕工程において餡粒子と同程度の大きさに磨砕される。種皮の磨砕は、200〜300(mL/分)で加水しながら、クリアランス20〜30μm、回転数70〜100rpm、処理時間40〜60分程度で行われる。これにより、餡粒子と同程度の平均粒径(90〜110μm)に調製された種皮粒子が得られる。

0026

混合工程は、分離工程で得られた餡粒子と磨砕工程で得られた種皮粒子とを混合し混合餡を得る工程である。混合工程では、餡粒子と種皮粒子とが満遍なく混ざり合うまで撹拌され、適度にほぐされた混合餡が得られる。なお、餡粒子と種皮粒子とがほぼ同程度の大きさであるため、混合餡の平均粒径は約100μm程度である。

0027

煮詰工程は、混合餡を撹拌しながら煮詰めて漉し餡食品を得る工程である。混合餡は、分離工程や磨砕工程において加水が行われることにより、Brix値が蜜漬工程で得た蜜漬小豆の値よりも低くなっている(例えば、Brix値:約40%)。そこで、混合餡を煮詰めることにより、Brix値が55%以上、より好ましくはBrix値が60%以上に調整される。

0028

煮詰工程では、混合餡を回転数10〜20rpmで撹拌しながら、品温が100℃以上となるように加熱が行われる。この加熱は、比較的高い熱エネルギーで行うことが好ましい。品温を100℃に到達させるための加熱時間は、季節や気温、加熱される混合餡の分量等に応じて適宜であるが、例えば30〜40分程度である。

0029

次いで、品温100℃以上を保持しながらさらに加熱撹拌されて、所望するBrix値に調整される。加熱撹拌の処理時間は、所望するBrix値、季節、気温、小豆の品種、小豆の乾燥具合等に応じて適宜であるが、例えば、40分以上、より好ましくは55分以上である。品温100℃到達後のさらなる加熱撹拌により、Brix値が55%以上の漉し餡食品が得られる。この漉し餡食品は、適宜徐冷された後、包装等が施される。

0030

本発明の漉し餡食品の製造方法では、加水工程、蒸煮工程、蜜漬工程、分離工程、磨砕工程、混合工程、煮詰工程の各工程ごとに対応する個別の装置を使用してもよいが、複数の工程に対応した装置を使用することが好ましい。例えば、加熱機能を有する撹拌装置ジャケット式の等の加熱撹拌装置)を用いて蒸煮工程、蜜漬工程、混合工程、煮詰工程を実施することができる。このように複数の工程を同一の装置で実施すれば、設備の簡素化を図ることができて、作業場所省スペース化設備費用等のコスト低減等が可能となる。また、蒸煮工程と蜜漬工程や、混合工程と煮詰工程のように、連続する工程を同一装置で実施することにより、材料の搬送等の手間が省略できるため、作業性を向上させることができる。

0031

[漉し餡食品の製造]
図1及びその説明の製造方法に準じて小豆を原料とした漉し餡食品を製造した。まず、選別、洗浄後の小豆84kgに対し、252kg加水して12〜20時間浸漬して加水小豆を得た(加水工程)。この加水小豆の膨潤率は1.8倍以上であった。

0032

次に、ジャケット式の釜を用いて加水小豆を22分加熱(釜に導入される蒸気圧0.14MPa)して煮汁を沸騰させ、品温100℃を保持しながら20kgの熱湯を加えて12分煮熟(蒸気圧0.2MPa)し、さらに18分加熱(蒸気圧0.06MPa)した後、20分放置して蒸らして蒸煮小豆を得た(蒸煮工程)。

0033

この蒸煮小豆を15rpmで10分撹拌した後、砂糖を120kg添加して回転数15rpmで10分撹拌し、さらに砂糖を90kg添加して回転数15rpmで10分撹拌してBrix値58%の蜜漬小豆を得た(蜜漬工程)。

0034

蜜漬小豆を40〜60メッシュの篩に移して、1000mL/分で加水しながら分離回転数120rpmで37分処理を行い、餡粒子と種皮とに分離した(分離工程)。なお、分離した餡粒子の平均粒径は92.88μmで、Brix値は52.5%であった。また、種皮のBrix値は39%であった。

0035

分離した種皮をクリアランス25μmに調製した磨砕装置に移し、250mL/分で加水しながら回転数80rpmで50分処理を行い、平均粒径91.64μmの種皮粒子を得た(磨砕工程)。

0036

ジャケット式の釜に餡粒子と種皮粒子とを導入し、満遍なく混ざり合うまで混合して混合餡を得た(混合工程)。混合餡の品温は34℃で、Brix値は42%であった。続けて、回転数15rpmで撹拌しながら混合餡の品温を100℃以上に加熱(蒸気圧0.2MPa)し、品温100℃以上を保持しながらさらに加熱撹拌して煮詰めて、Brix値60%の漉し餡食品を得た(煮詰工程)。この煮詰工程における加熱開始時から終了時(Brix値60%到達時)までの通算加熱時間(分)及び品温100℃到達後から終了時までの加熱時間(分)ごとの混合餡の品温(℃)とBrix値(%)の変化を表1に示した。

0037

0038

表1に示すように、混合餡の品温は加熱開始から35分後に100℃に到達した。この時点での混合餡のBrix値は47%であった。混合餡のBrix値が不十分であるため、品温100℃を保持してさらに加熱撹拌したところ、加熱開始から80分後、すなわち品温100℃到達後45分で、混合餡のBrix値が57%となった。さらに加熱撹拌を継続すると、加熱開始から92分後である品温100℃到達後57分でBrix値が60%に到達した。このように、混合餡の品温が100℃に到達した後、品温100℃以上を保持してさらに加熱撹拌を継続することにより、完成品(漉し餡食品)のBrix値を調整することができた。

実施例

0039

以上図示し説明したように、本発明の漉し餡食品の製造方法は、加水工程と、蒸煮工程と、蜜漬工程と、分離工程と、磨砕工程と、混合工程と、煮詰工程とを備える。特に、蒸煮工程にて煮汁を廃棄せずに加水豆を蒸煮することによって煮汁に含まれる豆類の機能性成分が廃棄されず、豆類本来の機能性成分をより多く保持させることが可能となり、さらに分離工程で分離された種皮を磨砕工程で種皮粒子として磨砕して混合工程にて餡粒子と種皮粒子とを混合することによって豆類の種皮に含まれる有効成分が廃棄されずに保持される。従って、小豆をはじめとする豆類自体に含まれる機能性成分を殆ど余すことなく保持することができ、より栄養価の高い食品として提供することができる。また、煮汁を廃棄せずに蒸煮するため、煮汁の廃棄処理が省略することができ、豆煮汁の排水処理が不要となって排水の処理コスト等の負担がなく、環境負荷も大幅に低減することができる。加えて、煮詰工程にて混合餡を撹拌しながら品温を100℃以上に加熱し、品温100℃以上を保持しながらさらに加熱撹拌することによって、Brix値を55%以上に適切に調整することができる。

0040

本発明の漉し餡食品の製造方法によると、最終的にできあがる漉し餡食品中に含有される成分量を従前に比べてより多くすることができる。そこで、より栄養価の高い食品として有用であり、新しい漉し餡の食品として提供することができる。また、豆煮汁の排水による環境負荷の低減、排水処理コストの低減も可能となる。

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