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技術 流動体試料の内部構造観察装置及び内部構造解析システム、流動体試料の内部構造観察方法及び内部構造解析方法、並びにセラミックスの製造方法

出願人 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所国立大学法人横浜国立大学
発明者 高橋拓実多々見純一鷹羽紘希
出願日 2019年2月28日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2019-036998
公開日 2020年9月3日 (10ヶ月経過) 公開番号 2020-139888
状態 特許登録済
技術分野 耐候試験、機械的方法による材料調査 光学的手段による材料の調査、分析
主要キーワード ダイラタント流体 円錐盤 擬塑性流体 軸分解能 不均質構造 昇温プロファイル ビンガム流体 姿勢調整機構
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

スラリーせん断場下における構造変化その場観察、すなわち、セラミックス原料物質を含むスラリーを流動体試料としてレオロジー特性の評価とともにその評価過程における流動体試料内部の構造のその場同時観察および内部構造変化の解明を可能にする。

解決手段

屈折率の異なる成分を含有する流動体試料1のレオロジー特性をレオメータ10により評価するとともに、光干渉断層画像生成部20により、上記流動体試料1に照射する赤外線領域の光の光軸を上記流動体試料1の観察面1Aの該法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度θ傾斜させて、上記流動体試料1に該レオメータ10の外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成することにより、上記レオメータ10によるレオロジー特性の評価過程における流動体試料1内部の構造を観察可能にする。

概要

背景

従来、セラミックスの内部構造の観察には、光学顕微鏡を用いる方法(例えば、非特許文献1参照)、X線CTを用いる方法(例えば、非特許文献2、3参照)等が用いられてきた。

セラミックスの特性は、セラミックスの内部構造に支配されることが知られている。したがって、原料から最終製品であるセラミックスまでのセラミックスプロセスチェーンにおける構造の形成過程を的確に把握し、その構造を制御することができれば、優れた機能と高い信頼性を有するセラミックスを製造することができる。 また、このような構造形成過程観察方法を活かして、製造プロセス中に刻々と変化するスラリー成形体焼結体等の構造をリアルタイムに評価することができれば、目視または職人芸に頼ることなく、 比較的前段の工程にて不均一な構造が形成される要因を検知して、それを取り除くことが可能となる。

さらに、最終製品の内部構造の全数検査を、高速高分解能かつ広範囲で安価に行うことができれば、製品の信頼性の向上と検査に要するコストの低減を図ることができる。

このように、セラミックスの製造プロセスにおける構造形成過程を動的かつ三次元的に観察して、科学的に理解することは、セラミックスの歩留りの向上や信頼性の向上のために極めて重要である。

一方、セラミックスの製造プロセスにおける各単位操作には、数多くの制御因子が存在する。例えば、セラミックス微粒子の分散では、分散剤の種類や添加量が制御因子に相当する。セラミックス微粒子の分散媒への分散は、分散剤のセラミックス微粒子への吸着、分散媒のセラミックス微粒子に対する濡れ性等が関与した複雑な現象である。そのため、スラリーを調製するための制御因子について、と経験による見かけの最適化が行われていた。

また、セラミックス微粒子毎に、溶媒との親和性や分散剤の吸着挙動といった、粒子と液相の界面に関する現象が異なるはずである。したがって、後段成形プロセスを勘案すると、スラリーの粘度、スラリーにおける固体含有量、スラリーに含まれる有機物(バインダー可塑剤滑剤等)等を考慮して、制御因子の最適化を図る必要がある。

また、シート状の成形体を乾燥させる際には、セラミックス微粒子が液中に分散していた構造から、固体同士が接触する構造に動的に変化するはずである。この変化は凝集に類似している。もし、成形体の乾燥と同時に、成形体の内部構造の変化を的確に把握し、構造形成の制御因子を科学的に解明できれば、割れや変形のない均質な成形体を得るための乾燥温度、時間および雰囲気を、より解析的に決定することができると考えられる。さらに、エネルギーを多く消費する、成形体の焼結プロセスにおいても、昇温プロファイルは職人芸的な設定によるところが大きい。もし、焼結プロセスにおける制御因子を科学的に解明して的確に最適化できれば、工ネルギ一消費量を削減することができ、ひいては、コストの低減を図ることができる。

このように、セラミックスの製造プロセスにおける構造形成過程の理解と、その制御因子の化学的解明とを実現できれば、セラミックスの製造プロセス技術の体系化を図ることが可能となる。そして、セラミックスプロセスチエ一ン全体の最適化を通じて、セラミックスの普及に対する障害となっている多様な技術課題を解決することができる。その結果、セラミックスの製造において歩留りの向上、低コスト化、および、高信頼性化等を実現することができる。

また、せん断場下で液体の粘度を測定しながら顕微鏡観察する装置(レオマイクロスコープ)はあったものの、光の散乱のため不透明な微粒子懸濁液の内部を観察することはできなかった。

さらに、光干渉断層計光コヒーレンストモグラフィー)は高速・高分解能で物質の内部を観察する方法の一つであるが、せん断場を印加しない静的な微粒子懸濁液の内部構造観察にしか利用されていない(例えば、特許文献2参照)。

概要

スラリーのせん断場下における構造変化その場観察、すなわち、セラミックスの原料物質を含むスラリーを流動体試料としてレオロジー特性の評価とともにその評価過程における流動体試料内部の構造のその場同時観察および内部構造変化の解明を可能にする。屈折率の異なる成分を含有する流動体試料1のレオロジー特性をレオメータ10により評価するとともに、光干渉断層画像生成部20により、上記流動体試料1に照射する赤外線領域の光の光軸を上記流動体試料1の観察面1Aの該法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度θ傾斜させて、上記流動体試料1に該レオメータ10の外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成することにより、上記レオメータ10によるレオロジー特性の評価過程における流動体試料1内部の構造を観察可能にする。

目的

本発明の目的は、不透明な物質の内部構造を光干渉を利用して観察できる内部観察法(OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層撮影)により、レオメータによる流動体試料のレオロジー特性の評価過程における流動体試料内部の構造のその場観察、および内部構造変化の解明を可能にした流動体試料の内部構造観察装置及び内部構造解析システム、流動体試料の内部構造観察方法及び内部構造解析方法、並びにセラミックスの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

屈折率の異なる成分を含有する流動体試料レオロジー特性を評価するレオメータと、上記レオメータによりレオロジー特性を評価中の上記流動体試料に該レオメータの外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成部とを備え、上記光干渉断層画像生成部により上記流動体試料に照射する赤外線領域の光の光軸を上記レオメータにおける上記流動体試料の観察面法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度傾斜させて、上記光干渉断層画像生成部により生成される光干渉断層画像として、上記レオメータによるレオロジー特性の評価過程における流動体試料内部の構造を観察可能としたことを特徴とする流動体試料の内部構造観察装置

請求項2

上記レオメータは、円錐平板型レオメータであって、上記光干渉断層画像生成部により上記流動体試料に照射する赤外線領域の光の光軸を上記レオメータの回転軸の軸方向を上記流動体試料の観察面の法線方向としたことを特徴とする請求項1記載の流動体試料の内部構造観察装置。

請求項3

上記レオメータは、共軸二重円筒型レオメータであって、上記光干渉断層画像生成部により上記流動体試料に照射する赤外線領域の光の光軸を上記レオメータの回転軸の軸方向と直交する方向を上記流動体試料の観察面の法線方向としたことを特徴とする請求項1記載の流動体試料の内部構造観察装置。

請求項4

上記流動体試料は、セラミックス微粒子を含むスラリーであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の流動体試料の内部構造観察装置。

請求項5

屈折率の異なる成分を含有する流動体試料のレオロジー特性を評価するレオメータと、上記レオメータによりレオロジー特性を評価中の上記流動体試料に該レオメータの外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成部と、上記干渉断層画像生成装置により生成された光干渉断層画像を明瞭化する画像処理を行う画像処理装置とを備え、上記光干渉断層画像生成部により上記流動体試料に照射する赤外線領域の光の光軸を上記流動体試料の観察面の該法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度傾斜させて上記光干渉断層画像生成部により生成される光干渉断層画像を得て、上記画像処理装置により明確化する画像処理を行い、上記レオメータによるレオロジー特性の評価過程における流動体試料内部の構造を解析可能としたことを特徴とする流動体試料の内部構造解析システム

請求項6

上記レオメータは、円錐・平板型レオメータであって、上記レオメータの回転軸の軸方向を上記流動体試料の観察面の法線方向としたことを特徴とする請求項5記載の流動体試料の内部構造解析システム。

請求項7

上記レオメータは、共軸二重円筒型レオメータであって、上記レオメータの回転軸の軸方向と直交する方向を上記流動体試料の観察面の法線方向としたことを特徴とする請求項5記載の流動体試料の内部構造解析システム。

請求項8

上記流動体試料は、セラミックスの微粒子を含むスラリーであることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項に記載の流動体試料の内部構造解析システム。

請求項9

屈折率の異なる成分を含有する流動体試料のレオロジー特性をレオメータにより評価する評価工程と、上記評価工程中に、上記流動体試料に該レオメータの外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成工程とを有し、上記光干渉断層画像生成工程では、上記光干渉断層画像生成部により上記流動体試料に照射する赤外線領域の光の光軸を上記レオメータにおける上記流動体試料の観察面の法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度傾斜させて、上記光干渉断層画像生成部により生成される光干渉断層画像として、上記レオメータによるレオロジー特性の評価過程における流動体試料内部の構造を観察可能としたことを特徴とする流動体試料の内部構造観察方法

請求項10

屈折率の異なる成分を含有する流動体試料のレオロジー特性をレオメータにより評価する評価工程と、上記評価工程中に、上記流動体試料に該レオメータの外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成工程と、上記干渉断層画像生成装置により生成された光干渉断層画像を明瞭化する画像処理を画像処理装置により行う画像処理工程を備えを備え、上記光干渉断層画像生成工程において、記干渉断層画像生成装置により上記流動体試料に照射する赤外線領域の光の光軸を上記レオメータにおける上記流動体試料の観察面の法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度傾斜させて光干渉断層画像を得て、上記画像処理工程において、上記画像処理装置により明確化する画像処理を行い、上記レオメータによるレオロジー特性の評価過程における流動体試料内部の構造を解析可能としたことを特徴とする流動体試料の内部構造解析方法

請求項11

請求項5に係る流動体試料の内部構造解析システムにより、流動体試料としてセラミックスの微粒子を含むスラリーの構造をレオロジー特性とともに解析して、最適化したセラミックスの原料物質を得るスラリー調製工程と、上記スラリー調製工程により得られたセラミックスの原料物質を成形体成形する成形工程と、上記成形工程により得られた成形体に熱処理炉により熱処理を施す熱処理工程を特徴とするセラミックスの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、屈折率の異なる成分を含有する流動体試料の内部構造観察装置及び内部構造解析ステム、流動体試料の内部構造観察方法及び内部構造解析方法、並びにセラミックスの製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、セラミックスの内部構造の観察には、光学顕微鏡を用いる方法(例えば、非特許文献1参照)、X線CTを用いる方法(例えば、非特許文献2、3参照)等が用いられてきた。

0003

セラミックスの特性は、セラミックスの内部構造に支配されることが知られている。したがって、原料から最終製品であるセラミックスまでのセラミックスプロセスチェーンにおける構造の形成過程を的確に把握し、その構造を制御することができれば、優れた機能と高い信頼性を有するセラミックスを製造することができる。 また、このような構造形成過程の観察方法を活かして、製造プロセス中に刻々と変化するスラリー成形体焼結体等の構造をリアルタイムに評価することができれば、目視または職人芸に頼ることなく、 比較的前段の工程にて不均一な構造が形成される要因を検知して、それを取り除くことが可能となる。

0004

さらに、最終製品の内部構造の全数検査を、高速高分解能かつ広範囲で安価に行うことができれば、製品の信頼性の向上と検査に要するコストの低減を図ることができる。

0005

このように、セラミックスの製造プロセスにおける構造形成過程を動的かつ三次元的に観察して、科学的に理解することは、セラミックスの歩留りの向上や信頼性の向上のために極めて重要である。

0006

一方、セラミックスの製造プロセスにおける各単位操作には、数多くの制御因子が存在する。例えば、セラミックス微粒子の分散では、分散剤の種類や添加量が制御因子に相当する。セラミックス微粒子の分散媒への分散は、分散剤のセラミックス微粒子への吸着、分散媒のセラミックス微粒子に対する濡れ性等が関与した複雑な現象である。そのため、スラリーを調製するための制御因子について、と経験による見かけの最適化が行われていた。

0007

また、セラミックス微粒子毎に、溶媒との親和性や分散剤の吸着挙動といった、粒子と液相の界面に関する現象が異なるはずである。したがって、後段成形プロセスを勘案すると、スラリーの粘度、スラリーにおける固体含有量、スラリーに含まれる有機物(バインダー可塑剤滑剤等)等を考慮して、制御因子の最適化を図る必要がある。

0008

また、シート状の成形体を乾燥させる際には、セラミックス微粒子が液中に分散していた構造から、固体同士が接触する構造に動的に変化するはずである。この変化は凝集に類似している。もし、成形体の乾燥と同時に、成形体の内部構造の変化を的確に把握し、構造形成の制御因子を科学的に解明できれば、割れや変形のない均質な成形体を得るための乾燥温度、時間および雰囲気を、より解析的に決定することができると考えられる。さらに、エネルギーを多く消費する、成形体の焼結プロセスにおいても、昇温プロファイルは職人芸的な設定によるところが大きい。もし、焼結プロセスにおける制御因子を科学的に解明して的確に最適化できれば、工ネルギ一消費量を削減することができ、ひいては、コストの低減を図ることができる。

0009

このように、セラミックスの製造プロセスにおける構造形成過程の理解と、その制御因子の化学的解明とを実現できれば、セラミックスの製造プロセス技術の体系化を図ることが可能となる。そして、セラミックスプロセスチエ一ン全体の最適化を通じて、セラミックスの普及に対する障害となっている多様な技術課題を解決することができる。その結果、セラミックスの製造において歩留りの向上、低コスト化、および、高信頼性化等を実現することができる。

0010

また、せん断場下で液体の粘度を測定しながら顕微鏡観察する装置(レオマイクロスコープ)はあったものの、光の散乱のため不透明な微粒子懸濁液の内部を観察することはできなかった。

0011

さらに、光干渉断層計光コヒーレンストモグラフィー)は高速・高分解能で物質の内部を観察する方法の一つであるが、せん断場を印加しない静的な微粒子懸濁液の内部構造観察にしか利用されていない(例えば、特許文献2参照)。

0012

実開平5−36356号公報
特開2002−310899号公報

先行技術

0013

Minoru Takahashi, Masayo Oya, Masayoshi Fuji,”New Technique of Observation for Fine Particles Dispersion in Slurry Using In-situ Solidification”,J.Soc.Powder Technol.,Japan,40,410-417 Vol.40 No.6 (2003) ,p410-417
T.Hondo,Z.Kato,S.Tanaka,”Enhancing the contrast of Low-density packing regions in images of ceramic powder compacts usi ng a contrast agent for micro-X-ray computer tomography”, JorunaL of the Ceramic Society of Japan,2014年,122[7],p574-576
D. Bernard et al.”First didect 3D visualisation of microstructrural evolutions during sintering through X-ray computed microtomgraphy”Acta Materialia. 53 (2005)121-128

発明が解決しようとする課題

0014

上述の如く、セラミックスの特性は内部構造に大きく依存するが、その構造は混合・成形・脱脂焼成などの製造プロセスごとに変化する。特に、高温で加熱する脱脂過程と焼成過程では、添加した有機物の溶融蒸発熱分解酸化焼結収縮など大きな物質の変化が生じ、体積変化も生じることから成形体の割れや変形が起こる可能性もある。

0015

セラミックスの内部構造には、例えば、密度気孔率の不均一、粗大粒子、気孔、き裂不純物第二相などにより不均質が生じることがある。これらがセラミックス内部に存在した場合、破壊の起点となり得ることから、強度低下の要因となり、セラミックスの機械的信頼性を著しく低下することが知られている。このようなセラミックスの内部構造の不均質は光学的不均質を有している。

0016

したがって、脱脂および焼成に伴う成形体の構造変化、すなわち、光学的不均質状態を理解し、制御することは優れたセラミックスを作製する上で重要である。

0017

また、セラミックスを製造する際に用いられるスラリーでは微粒子が分散または凝集して存在している。微粒子の状態は作製されるセラミックスの構造及び特性に大きな影響を及ぼすことから、スラリー中の粒子集合状態の観察は重要である。一般的に、スラリー中に存在する微粒子の分散と粘度の低下が対応すると報告されていることから、分散性の評価に粘度測定が多く行われている。しかし、スラリーの粘度測定時にはせん断場が印加されるにもかかわらず、せん断場印加時のスラリー中の粒子集合状態の観察は行われておらず、分散性と粘度の相関は十分解明されているとはいえなかった。

0018

本件発明者等は、特願2018−157784号において、セラミックスの脱脂過程や焼成過程でのその場観察、および内部構造変化の解明を可能にしたセラミックスの内部構造観察装置及び内部構造解析システム、セラミックスの内部構造観察方法及び内部構造解析方法、並びにセラミックスの製造方法を提案している。

0019

この特願2018−157784号に係る発明では、従来観察できなかった高温での内部構造変化の高速・高分解能3次元観察、内部構造と密度の変化の同時測定、高温での内部構造の変化と重量変化をその場同時測定を可能にしている。

0020

上述の如き従来の実情に鑑み、本発明の目的は、不透明な物質の内部構造を光干渉を利用して観察できる内部観察法(OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層撮影)により、レオメータによる流動体試料のレオロジー特性の評価過程における流動体試料内部の構造のその場観察、および内部構造変化の解明を可能にした流動体試料の内部構造観察装置及び内部構造解析システム、流動体試料の内部構造観察方法及び内部構造解析方法、並びにセラミックスの製造方法を提供することにある。

0021

本発明は、スラリーのせん断場下における構造変化をその場観察、すなわち、セラミックスの原料物質を含むスラリーを流動体試料としてレオロジー特性の評価とともにその評価過程における流動体試料内部の構造のその場同時観察および内部構造変化の解明を可能にすることを目的としている。

0022

本発明の他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施の形態の説明から一層明らかにされる。

課題を解決するための手段

0023

この発明では、光干渉断層画像生成装置をレオメータに付設し、観察方法を工夫することで、不透明な微粒子懸濁液等の屈折率の異なる成分を含有する流動体試料の内部構造をせん断場下で粘度測定をしながら観察できる装置、システムおよび、これを利用したセラミックス材料の製造方法を実現した。

0024

すなわち、本発明は、流動体試料の内部構造観察装置であって、屈折率の異なる成分を含有する流動体試料のレオロジー特性を評価するレオメータと、上記レオメータによりレオロジー特性を評価中の上記流動体試料に該レオメータの外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成部とを備え、上記光干渉断層画像生成部により上記流動体試料に照射する赤外線領域の光の光軸を上記レオメータにおける上記流動体試料の観察面の該法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度傾斜させて、上記光干渉断層画像生成部により生成される光干渉断層画像として、上記レオメータによるレオロジー特性の評価過程における流動体試料内部の構造を観察可能としたことを特徴とする。

0025

本発明に係る流動体試料の内部構造観察装置において、上記レオメータは、円錐平板型レオメータであって、上記レオメータの回転軸の軸方向を上記流動体試料の観察面の法線方向としたものとすることができる。

0026

また、本発明に係る流動体試料の内部構造観察装置において、上記レオメータは、共軸二重円筒型レオメータであって、上記レオメータの回転軸の軸方向と直交する方向を上記流動体試料の観察面の法線方向としたものとすることができる。

0027

さらに、本発明に係る流動体試料の内部構造観察装置において、上記流動体試料は、セラミックスの微粒子を含むスラリーであるものとすることができる。

0028

本発明は、流動体試料の内部構解析システムであって、屈折率の異なる成分を含有する流動体試料のレオロジー特性を評価するレオメータと、上記レオメータによりレオロジー特性を評価中の上記流動体試料に該レオメータの外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成部と、上記干渉断層画像生成装置により生成された光干渉断層画像を明瞭化する画像処理を行う画像処理装置とを備え、上記光干渉断層画像生成部により上記流動体試料に照射する赤外線領域の光の光軸を上記レオメータにおける上記流動体試料の観察面の該法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度傾斜させて上記光干渉断層画像生成部により生成される光干渉断層画像を得て、上記画像処理装置により明確化する画像処理を行い、上記レオメータによるレオロジー特性の評価過程における流動体試料内部の構造を解析可能としたことを特徴とする。

0029

本発明に係る流動体試料の内部構造解析システムにおいて、上記レオメータは、円錐・平板型レオメータであって、上記光干渉断層画像生成部により上記流動体試料に照射する赤外線領域の光の光軸を上記レオメータの回転軸の軸方向を上記流動体試料の観察面の法線方向としたものとすることができる。

0030

また、本発明に係る流動体試料の内部構造解析システムにおいて、上記レオメータは、共軸二重円筒型レオメータであって、上記光干渉断層画像生成部により上記流動体試料に照射する赤外線領域の光の光軸を上記レオメータの回転軸の軸方向と直交する方向を上記流動体試料の観察面の法線方向としたものとすることができる。

0031

さらに、本発明に係る流動体試料の内部構造解析システムにおいて、上記流動体試料は、セラミックスの微粒子を含むスラリーであるものとすることができる。

0032

本発明は、流動体試料の内部構造観察方法であって、屈折率の異なる成分を含有する流動体試料のレオロジー特性をレオメータにより評価する評価工程と、上記評価工程中に、上記流動体試料に該レオメータの外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成工程とを有し、上記光干渉断層画像生成工程では、上記光干渉断層画像生成部により上記流動体試料に照射する赤外線領域の光の光軸を上記レオメータにおける上記流動体試料の観察面の法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度傾斜させて、上記光干渉断層画像生成部により生成される光干渉断層画像として、上記レオメータによるレオロジー特性の評価過程における流動体試料内部の構造を観察可能としたことを特徴とする。

0033

また、本発明は、流動体試料の内部構造解析方法であって、屈折率の異なる成分を含有する流動体試料のレオロジー特性をレオメータにより評価する評価工程と、上記評価工程中に、上記流動体試料に該レオメータの外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成工程と、上記干渉断層画像生成装置により生成された光干渉断層画像を明瞭化する画像処理を画像処理装置により行う画像処理工程を備えを備え、上記光干渉断層画像生成工程において、記干渉断層画像生成装置により上記流動体試料に照射する赤外線領域の光の光軸を上記流動体試料の観察面の該法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度傾斜させて光干渉断層画像を得て、上記画像処理工程において、上記画像処理装置により明確化する画像処理を行い、上記レオメータによるレオロジー特性の評価過程における流動体試料内部の構造を解析可能としたことを特徴とする。

0034

さらに、本発明は、セラミックスの製造方法であって、上記流動体試料の内部構造解析システムにより、流動体試料としてセラミックスの微粒子を含むスラリーの構造をレオロジー特性とともに解析して、最適化したセラミックスの原料物質を得るスラリー調製工程と、上記スラリー調製工程により得られたセラミックスの原料物質を成形体に成形する成形工程と、上記成形工程により得られた成形体に熱処理炉により熱処理を施す熱処理工程と、上記熱処理工程において熱処理中の上記成形体に熱処理炉の外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成工程と、上記光干渉断層画像生成工程において生成された光干渉断層画像について画像解析処理を行う画像解析処理工程とを有し、上記画像解析処理工程において、セラミックスの熱処理過程における成形体内部の構造に光学的不均質状態が生じているかの画像解析処理を行うことを特徴とする。

発明の効果

0035

本発明では、不透明な物質の内部構造を光干渉を利用して観察できる内部観察法(OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層撮影)による光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成装置を用いて、レオメータによる屈折率の異なる成分を含有する流動体試料のレオロジー特性を評価とともに流動体試料の内部構造のその場観察、および内部構造変化の解明を実時間で行うことがでできる。

0036

したがって、本発明によれば、不透明な物質の内部構造を光干渉を利用して観察できる内部観察法(OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層撮影)により、レオメータによる屈折率の異なる成分を含有する流動体試料のレオロジー特性の評価過程における流動体試料内部の構造のその場観察、および内部構造変化の解明を可能にした流動体試料の内部構造観察装置及び内部構造解析システム、流動体試料の内部構造観察方法及び内部構造解析方法、並びにセラミックスの製造方法を提供することができる。

0037

上記流動体試料として、セラミックスの原料物質を含むスラリーのレオロジー特性の評価と、その評価過程における流動体試料内部の構造のその場同時観察および内部構造変化の解明を行い、最適化したセラミックスの原料物質を得ることができる。さらに、最適化したセラミックスの原料物質を成形体について、例えば、焼結過程のその場観察を行いながら焼成すると、セラミックスが緻密化した後、不均質構造が現れる前に焼成を止めることができるなど、セラミックス製造を勘と経験ではなく実験事実に基づいて最適化できる。

図面の簡単な説明

0038

本発明を適用したスラリーの内部構造解析システムの構成を示すブロック図である。
上記内部構造解析システムにおける光干渉断層画像生成装置の構成を示す模式図である。
上記内部構造解析システムにおいて実施されるスラリーの内部構造観察方法の手順を示す工程図である。
上記内部構造解析システムにおける画像処理装置による処理手順を示すフローチャートである。
pH1.5の流動体試料を撮影して得られた各光干渉断層画像について、画像処理装置により明確化する前の画像と明確化された画像を示す図であり、(A)はせん断速度が10s−1の時に得られた画像処置前後の各光干渉断層画像、(B)はせん断速度が150s−1の時に得られた画像処置前後の各光干渉断層画像、(C)はせん断速度が300s−1の時に得られた画像処置前後の各光干渉断層画像である。
pH9.3の流動体試料を撮影して得られた各光干渉断層画像について、画像処理装置により明確化する前の画像と明確化された画像を示す図であり、(A)はせん断速度が10s−1の時に得られた画像処置前後の各光干渉断層画像、(B)はせん断速度が150s−1の時に得られた画像処置前後の各光干渉断層画像、(C)はせん断速度が300s−1の時に得られた画像処置前後の各光干渉断層画像である。
上記内部構造解析システムを用いて実施されるセラミックスの製造方法の工程図である。
上記流動体試料に照射する赤外線領域の光の光軸を該流動体試料1の観察面1Aの法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度θ傾斜させておくことにより、上記光干渉断層画像生成装置により得られた各種角度での光干渉断層画像を示す図であり、(A)はθ=0.4°で得られた光干渉断層画像、(B)はθ=1.2°で得られた光干渉断層画像(C)はθ=2.5°で得られた光干渉断層画像、(D)はθ=3.1°で得られた光干渉断層画像、(E)はθ=3.8°で得られた光干渉断層画像、(F)はθ=11.5°で得られた光干渉断層画像である。
上記内部構造解析システムにおいて、レオメータによるレオロジー特性の評価の評価過程におけるセラミックスの原料物質を含むスラリーの内部構造を光干渉断層画像生成装置によりその場観察して得られた上記レオメータのせん断速度を0にした光干渉断層画像を示す図であって、(A)は上記せん断速度が0の時に撮影した光干渉断層画像であり、(B)はその0.033秒後に撮影した各光干渉断層画像である。
上記内部構造解析システムにおいて、レオメータのせん断速度を16s−1にしてスラリーの内部構造をその場観察して得られた各光干渉断層画像を示す図であって、(A)はせん断速度が16s−1の時に撮影した光干渉断層画像であり、(B)はその0.033秒後に撮影した光干渉断層画像である。
上記内部構造解析システムにおいて、レオメータのせん断速度を150s−1にしてスラリーの内部構造をその場観察して得られた各光干渉断層画像を示す図であって、(A)はせん断速度が150s−1の時に撮影した光干渉断層画像であり、(B)はその0.033秒後に撮影した光干渉断層画像である。
本発明を適用したスラリーの内部構造解析システムの他の構成例を示すブロック図である。

実施例

0039

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、共通の構成要素については、共通の指示符号を図中に付して説明する。また、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。

0040

本発明は、例えば、図1のブロック図に示すような構成のスラリーの内部構造解析システム100に適用される。

0041

このスラリーの内部構造解析システム100は、レオメータ10、光干渉断層画像生成装置20と画像処理装置30とを備える。

0042

この内部構造解析システム100におけるレオメータ10は、円錐盤11の円錐面11Aと平板円盤12の平面12Aの間にローディングされる流動体試料1について、駆動ユニット13により円錐盤11を回転させ、流動体試料1に回転せん断応力が働く結果として生じる応力またはひずみ速度(せん断率)を応力変換ユニット14により検出して、評価処理部15により流動体試料1のレオロジー特性を評価する回転式レオメータである。

0043

このレオメータ10における上部プレートである円錐盤11は例えばステンレス製で、下部プレートである平板円盤12が例えば透明なガラス板からなる。

0044

なお、下部プレートである平板円盤12は、光干渉断層画像生成装置20から出射される光赤外線領域の光に対して透明な材料からなる。上部プレートは例えば鉄、アルミ、セラミックス、ガラス、下部プレートは例えばサファイア、透明セラミックス、プラスチックなどでも良く、解析対象に応じて色々な材質のものを適用することができる。

0045

この内部構造解析システム100では、流動体試料1としてセラミックスの微粒子(原材料)を含むスラリーが円錐盤11の円錐面11Aと平板円盤12の平面12Aの間にローディングされ、スラリーのレオロジー特性を評価する。

0046

また、この内部構造解析システム100における光干渉断層画像生成装置20は、例えば、図2の模式図に示すように、光源21、ハーフミラー22、参照ミラー23と検出器24を備え、ハーフミラー22と参照ミラー23により構成される光干渉系を含むカメラヘッド部25と、光源21と検出器24と情報処理部26を含む光干渉断層画像生成部27からなる。

0047

光源21は、流動体試料1として上記レオメータ10にローディングされたセラミックスの微粒子(原材料)を含むスラリーに赤外線領域の光を照射するためのものである。

0048

また、光源21は、中心波長が700nm(ナノメートル)から2000nmまでの光であって、かつ本実施形態における流動体試料1であるスラリーに含まれるセラミックスの微粒子(原材料)にて反射する光を発する。焼成材料(原材料)にて反射する光は、例えば焼成材料(原材料)に吸収されない光である。

0049

ハーフミラー22は、光源21から発せられた光の光路上に設けられている。また、ハーフミラー22は、その光源21側の面22aが、上記光路に対して光源21側に45°の角度で傾斜するように配置されている。

0050

ハーフミラー22は、光源21から発せられた光を、流動体試料1に照射する照射光と、参照ミラー23に入射する参照光に分割する。そして、ハーフミラー22は、分割した照射光を反射させて流動体試料1に入射させる。またハーフミラー22は、分割した参照光を透過させて参照ミラー23に入射させる。

0051

参照ミラー23は、光源21から発せられた光の光路上に設けられている。

0052

参照ミラー23は、ハーフミラー22を透過した参照光を反射して、その反射光をハーフミラー22へ戻す。そのために、参照ミラー23は、ハーフミラー22と対向するように設けられている。

0053

また、参照ミラー23は、光源21から発せられた光の光路方向に沿って移動可能となっている。すなわち、参照ミラー23は、ハーフミラー22との距離を調節できるようになっている。参照ミラー23を移動可能とする代わりに、波長可変光源を用いて同様の機能を果たすようにしてもよい。

0054

検出器24は、流動体試料1であるスラリーに照射光を照射して得られた戻り光の光路上と、参照光の光路上とに設けられている。参照光は、参照ミラー23で反射されてハーフミラー22に戻り、さらに、ハーフミラー22で反射される。

0055

上記光干渉断層画像生成装置20のハーフミラー22と参照ミラー23とで干渉光学系が構成されている。

0056

ここで、上記光干渉断層画像生成装置20は、上記カメラヘッド部25を3次元(X,Y,Z)方向に移動調整自在、また、X軸廻り及びY軸廻りに回転角度位置調整自在に保持する図示しない姿勢調整機構を有し、上記カメラヘッド部25の保持姿勢が図示しない姿勢調整機構により、上記流動体試料1に照射する赤外線領域の光の光軸を該流動体試料1の観察面1Aの法線方向に対して傾斜させることができるようになっている。

0057

そして、この内部構造解析システム100では、上記光干渉断層画像生成装置20のカメラヘッド部25から、上記流動体試料1に照射する赤外線領域の光の光軸を該流動体試料1の観察面1Aの法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度θ傾斜させた状態で、上記光干渉断層画像生成装置20により光干渉断層画像を生成するようにしている。

0058

すなわち、この流動体試料の内部構造観察システム100では、上記レオメータ10は円錐・平板型レオメータであって、光干渉断層画像生成装置20により下部プレートである透明なガラス板からなる平板円盤12を介して上記流動体試料1に照射する赤外線領域の光の光軸を上記レオメータ10の回転軸の軸方向を上記流動体試料1の観察面1Aの法線方向、すなわち上記平板円盤12の平面12Aと直交する状態から1〜10°の角度範囲内で所定角度θ傾斜させた状態で、上記光干渉断層画像生成装置20により光干渉断層画像を生成するようにしている。

0059

ここで、図2の模式図に示した光干渉断層画像生成装置20において、光源21が発する赤外線領域の光は、中心波長が700nmから2000nmまでの光であって、かつ流動体試料1に含まれるセラミックスの微粒子(原材料)などにより反射される光である。

0060

光源21から発せられた光をハーフミラー22が、流動体試料1に照射する照射光と、参照ミラー23に入射する参照光に分割する。ハーフミラー22は、分割した照射光を反射させて流動体試料1に入射させる。また、ハーフミラー22は、分割した参照光を透過させて参照ミラー23に入射させる。

0061

すなわち、ハーフミラー22により分割した照射光は、その光軸を上記レオメータ10の回転軸の軸方向を該レオメータ10における上記流動体試料1の観察面1Aの法線方向、すなわち上記平板円盤12の平面12Aと直交する状態から1〜10°の角度範囲内で所定角度θ傾斜させた方向から、上記レオメータ10の下部プレートである透明なガラス板からなる平板円盤12を介して上記流動体試料1に照射される。

0062

流動体試料1に入射した照射光は、流動体試料1であるスラリーに含まれるセラミックスの微粒子(原材料)などの屈折率の異なる成分により、屈折率に差がある界面で反射されて、戻り光として流動体試料1の表面すなわち観察面1Aから上記平板円盤12を介して上記光干渉断層画像生成装置20のハーフミラー22に入射される。

0063

流動体試料1に照射光を照射して得られた戻り光と、参照ミラー24で反射されて戻ってきた参照光とは、ハーフミラー22上で再び重ね合わされる。このとき、流動体試料1からの戻り光と、参照ミラー24からの参照光とが通ってきた距離が等しければ、2つの光は強め合う。一方、流動体試料1からの戻り光と、参照ミラー24からの参照光とが通ってきた距離にずれがあり光の位相が逆になると、2つの光は打ち消し合う。

0064

ここで、光干渉系を構成している参照ミラー24を動かして参照ミラー24とハーフミラー22の距離を調節し、検出器24上で2つの光が干渉し強め合う位置を観測する。この観測により、流動体試料1内のどの深さに反射面があるかを知ることができる。これにより、流動体試料1の内部構造を観察することができる。また、観察結果を画像化することで、流動体試料1の内部構造を撮影することができる。

0065

すなわち、光干渉断層画像生成装置20は、光干渉断層画像生成部27の光源21から出射される赤外線領域の光をカメラヘッド部25に含まれている光干渉系を介して上記レオメータ10の下部プレートである透明なガラス板からなる平板円盤12側から、上記レオメータ10によりレオロジー特性の評価中の流動体試料1に照射して、上記カメラヘッド部25に含まれている光干渉系により得られる流動体試料1からの戻り光と参照光との干渉光を光干渉断層画像生成部27の検出器24にて検出することにより、流動体試料1の光干渉断層撮影を行うもので、検出器24による検出出力として得られる上記干渉光による距離画像情報から例えばパーソナルコンピュータ(Personal Computer ; PC)を用いた情報処理部26より光干渉断層画像を生成する。光干渉断層画像生成装置20の光干渉断層画像生成部27が断層画像を生成する方法としては、光干渉断層撮影における公知の断層画像生成方法を用いることができる。

0066

上述の如き構成の光干渉断層画像生成装置20を用いることにより、従来観察できなかったレオメータ10によりレオロジー特性の評価過程における流動体試料1の内部構造の変化を高速・高分解能で観察することができる。すなわち、流動体試料1の内部構造の観察または撮影をリアルタイムで行うことができる。さらには、レオメータ10によりレオロジー特性の評価過程における流動体試料1の内部構造の観察を動画で記録することができる。

0067

この流動体試料1の内部構造解析システム100において、レオメータ10と光干渉断層画像生成装置20は、図3の工程図に示す手順にしたがって流動体試料1の内部構造を観察することができる。

0068

図3は、上記流動体試料1の内部構造解析システム100において実施される流動体試料1の内部構造観察方法の手順を示す工程図である。

0069

レオロジー特性評価工程(S1)では、屈折率の異なる成分を含有する流動体試料1のレオロジー特性をレオメータ10により評価する。

0070

光干渉断層画像生成工程(S2)では、上記評価工程(S1)においてレオロジー特性を評価している間に、上光干渉断層画像生成装置20により、レオメータ10の外部から赤外線領域の光を上記流動体試料1に照射し、光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する。

0071

上記光干渉断層画像生成工程(S2)における上記光干渉断層画像生成装置20による流動体試料1の内部構造の観察または撮影では、上記干渉断層画像生成装置20により上記流動体試料1に照射する赤外線領域の光の光軸を上記レオメータ10における上記流動体試料1の観察面1Aの該法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度θ傾斜させて光干渉断層画像を得る。

0072

画像処理工程(S3)では、干渉断層画像生成装置20により生成された光干渉断層画像を明瞭化する画像処理を画像処理装置30により行う。

0073

上記画像処理装置30は、例えばパーソナルコンピュータ(Personal Computer ; PC)またはワークステーション(Workstation)等のコンピュータを用いて構成され、図示しない機械学習を行う学習装置によるスペックルノイズ(Speckle Noise)除去処理学習結果を用いて、干渉断層画像生成装置20により生成された光干渉断層画像を明瞭化するものとすることができる。

0074

このように、上記光干渉断層画像生成工程(S2)において、干渉断層画像生成装置20により流動体試料1に照射する赤外線領域の光の光軸を上記流動体試料1の観察面1Aの該法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度傾斜させて光干渉断層画像を得て、上記画像処理工程(S3)において、上記画像処理装置30により明確化する画像処理を行い、上記レオメータ10によるレオロジー特性の評価過程における流動体試料1の内部構造を解析することができる。

0075

すなわち、この流動体試料1の内部構造解析システム100におけるレオメータ10と光干渉断層画像生成装置20では、屈折率の異なる成分を含有する流動体試料1のレオロジー特性をレオメータ10により評価する評価工程(S1)と、上記評価工程(S1)中に、上記流動体試料1に該レオメータ10の外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成工程(S2)と、上記干渉断層画像生成装置20により生成された光干渉断層画像を明瞭化する画像処理を画像処理装置により行う画像処理工程(S3)を備え、上記光干渉断層画像生成工程(S2)において、干渉断層画像生成装置20により上記流動体試料1に照射する赤外線領域の光の光軸を上記流動体試料1の観察面1Aの該法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度傾斜させて光干渉断層画像を得て、上記画像処理工程(S3)において、上記画像処理装置30により明確化する画像処理を行い、上記レオメータ10によるレオロジー特性の評価過程における流動体試料1内部の構造を解析可能とした流動体試料1の内部構造解析方法を実行することができる。

0076

上記画像処理装置30における画像を明確化する画像処理は、例えば、オープンソースパブリックドメイン画像処理ソフトウエアであるImageJを使用して、図4のフローチャートに示す手順に従って実行される。

0077

すなわち、上記画像処理装置30では、上記干渉断層画像生成装置20により生成された光干渉断層画像を先ず8ビットグレー化データに変換する(ステップS11)。

0078

次に、8ビットグレー化データに変換された干渉断層画像にガウス関数をもちいて画像をぼかガウシアンブラー(20ビット)処理を施してバックグランド補正用画像を生成する(ステップS12)。

0079

次に、上記干渉断層画像生成装置20により生成された光干渉断層画像すなわち元画像から上記バックグランド補正用画像をimage calculation により減算し(ステップS13)、さらに、ガウシアンブラー(2ビット)処理でスペックルノイズを除去する(ステップS14)。

0080

最後に、ブライトコントラスト処理により最小10−最大25の範囲で画像の明るさとコントラストを調整する(ステップS15)。

0081

ここで、レオメータ10のせん断速度がそれぞれ10s−1,150s−1,300s−1の時に、干渉断層画像生成装置20によりpH1.5の流動体試料1を撮影して得られた各光干渉断層画像について、画像処理装置30により明確化する前の画像と明確化された画像を図5の(A)〜(C)に示す。また、pH9.3の流動体試料1を撮影して得られた各光干渉断層画像について、画像処理装置30により明確化する前の画像と明確化された画像を図6の(A)〜(C)に示す。図5の(A)〜(C)及び図6の(A)〜(C)に示した各光干渉断層画像において、白線よりも上の狭い領域が平板円盤12を示しており、白線よりも下の領域が流動体試料1を示している。白線自体は、平板円盤12と流動体試料1と平板円盤12との界面の相当し、平板円盤12と流動体試料1と平板円盤12との界面における大きな屈折率差のために信号強度が大きくなり、ライン状に表示されている。

0082

この内部構造解析システム100では、従来観察できなかったせん断場下で微粒子懸濁液なとの流動体試料1の内部構造の変化を3次元で高速・高分解能で観察することができる。

0083

また、流動体試料1の内部構造だけでなく、レオメータ10により粘度を測定することにより、粒子集合構造と粘度の相関を知ることができる。

0084

例えば、せん断場下での粒子懸濁液の粘度と内部構造観察を行うことで、セラミックス成形体の内部構造に影響を及ぼす微粒子の分散・凝集状態を維持しながら形状付与のための流動性を低下させることができるなど、セラミックス製造を勘と経験ではなく実験事実に基づいて最適化できる。

0085

すなわち、この内部構造解析システム100における流動体試料1は、例えば、図7の工程図に示すように、スラリー調製工程(S21)、成形工程(S22)、熱処理工程(S23)、光干渉断層画像生成工程(S24)、画像解析処理工程(S25)を有するセラミックスの製造方法のスラリー調製工程(S21)におけるセラミックスの微粒子(原材料)を含むスラリーとすることができ、スラリー調製工程(S21)において、上記内部構造解析システム100により、流動体試料1としてセラミックスの微粒子を含むスラリーの構造をレオロジー特性とともにスラリーの構造をその場観察により解析して、成形工程(S22)において所望の成形体を成形するのに最適化したセラミックスの原料物質を得ることができる。

0086

図7の工程図に示すセラミックスの製造方法において、成形工程(S22)では、上記スラリー調製工程(S21)により得られた最適化したセラミックスの原料物質を型に流し込んで所望の成形体に成形する。

0087

熱処理工程(S23)では、上記成形工程(S22)により得られた成形体に熱処理炉により熱処理を施す。

0088

光干渉断層画像生成工程(S24)では、上記熱処理工程(S23)において熱処理中の上記成形体に熱処理炉の外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い、光干渉断層画像を生成する。

0089

画像解析処理工程(S25)では、上記光干渉断層画像生成工程(S24)において生成された光干渉断層画像について画像解析処理を行い、上記熱処理工程(S23)における成形体の内部構造に光学的不均質状態が生じているかを解析する。

0090

すなわち、不透明な物質の内部構造を光干渉を利用して観察できる内部観察法(OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層撮影)による光干渉断層画像を生成する上記光干渉断層画像生成装置20を熱処理装置に付設することで、高温環境下での内部構造変化のリアルタイムで解明することができ、例えば、焼結過程のその場観察を行いながら焼成することにより、セラミックスが緻密化した後、不均質構造が現れる前に焼成を止めることができるなど、セラミックス製造を勘と経験ではなく実験事実に基づいて最適化することが可能になる。

0091

また、この流動体試料1の内部構造解析システム100において、レオメータ10と光干渉断層画像生成装置20は、屈折率の異なる成分を含有する流動体試料1のレオロジー特性を評価するレオメータ10と、上記レオメータ10によりレオロジー特性を評価中の上記流動体試料1に該レオメータ10の外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成部27とを備え、上記光干渉断層画像生成部27により上記流動体試料1に照射する赤外線領域の光の光軸を上記流動体試料1の観察面1Aの法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度θ傾斜させて、上記光干渉断層画像生成部27により生成される光干渉断層画像として、上記レオメータ10によるレオロジー特性の評価過程における流動体試料1の内部構造を観察可能とした流動体試料の内部構造観察装置として機能する。

0092

また、この流動体試料1の内部構造解析システム100において、レオメータ10は、屈折率の異なる成分を含有する流動体試料1のレオロジー特性を評価し、また、光干渉断層画像生成装置20は、上記レオメータ10においてレオロジー特性を評価中の流動体試料1に該レオメータ10の外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成するもので、上記レオメータ10と光干渉断層画像生成装置20は、上記流動体試料1に照射する赤外線領域の光の光軸を上記流動体試料1の観察面1Aの該法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度θ傾斜させて、上記光干渉断層画像生成部27により生成される光干渉断層画像として、上記の内部構造を観察可能とした流動体試料1の内部構造観察装置として機能する。

0093

ここで、上記光干渉断層画像生成装置20により光干渉断層画像を生成する場合、カメラヘッド部25から流動体試料1に照射する赤外線領域の光の光軸が該流動体試料1の観察面1Aの法線方向と一致していると、観察面1Aの表面による強い反射で光干渉断層画像(OCT)像にノイズが現れるが、傾斜させることでこのノイズを大きく軽減させることができる。

0094

なお、0°では、表面の強い反射で光干渉断層画像にノイズが現れるが、1〜10°の角度範囲内で所定角度θ傾斜させることでこのノイズを大きく軽減させることができる。10°以上の傾斜では、内部構造観察が制限されるので好ましくない。

0095

ここで、上記流動体試料1に照射する赤外線領域の光の光軸を該流動体試料1の観察面1Aの法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度θ傾斜させておくことにより、上記光干渉断層画像生成装置20により得られた各種角度での光干渉断層画像を図8の(A)〜(F)に示す。図8の(A)はθ=0.4°で得られた光干渉断層画像、(B)はθ=1.2°で得られた光干渉断層画像(C)はθ=2.5°で得られた光干渉断層画像、(D)はθ=3.1°で得られた光干渉断層画像、(E)はθ=3.8°で得られた光干渉断層画像、(F)はθ=11.5°で得られた光干渉断層画像である。図8の(A)に示したθ=0.4°で得られた光干渉断層画像では流動体試料1が不鮮明であり、(F)に示したθ=11.5°で得られた光干渉断層画像では平板円盤12の平面12Aが不明瞭であり、θ=1.2°、θ=2.5°、θ=3.1°、θ=3.8°の各傾斜角度では観察良好な光干渉断層画像が得られている。

0096

すなわち、上記レオメータ10によるレオロジー特性の評価過程における流動体試料1の外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する上記光干渉断層画像生成装置20により上記レオメータ10によるレオロジー特性の評価過程における流動体試料1の内部構造を観察可能にするあたり、上記光干渉断層画像生成装置20のカメラヘッド部25から、上記流動体試料1に照射する赤外線領域の光の光軸を該流動体試料1の観察面1Aの法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度θ傾斜させておくことにより、上記光干渉断層画像生成装置20によりノイズが少ない光干渉断層画像を生成することができる。

0097

ここで、上記内部構造解析システム100におけるレオメータ10として、 直径50.0mm、角度1°のステンレス製円錐とガラス製平板からなる回転型レオメータ(MCR102、Anton Paar(株))を用い、レオメータ10の下方に、SSOCT装置(IVS−00−WE、santec(株)、中心波長1300nm、軸分解能4.4μm(屈折率n=1)、横分解能9μm、焦点深度0.3mm、スキャン速度20kHz)を光干渉断層画像生成装置20として設置した実験装置により、Al2O3粉体(住友化学(株)、AA−3)を純水に対して10vol%となるように添加し、ボールミル処理を1時間施すことで調製したスラリーを流動体試料1として、上記レオメータ10によるレオロジー特性の評価過程における流動体試料1の内部構造を観察したところ、図9の(A),(B)、図10の(A),(B)、図11の(A),(B)に示すような光干渉断層画像を得ることができた。

0098

せん断速度は0から150s−1まで毎秒1s−1で上昇させた後、0s−1まで減少させた。撮影箇所ステージの中心から18mmの位置で行った。得られた光干渉断層画像について、画像処理を施し、反射が強く生じた領域を強調させて表示した。また、同スラリーをその場固化させて光干渉断層画像及び薄片化した試料を光学顕微鏡で観察した。

0099

その場固化体光学顕微鏡写真から、微粒子がネットワーク状に凝集する様子が確認された。光干渉断層画像には多数の輝点が存在し、ネットワークを形成する様子が観察された。粒子と水の界面で反射は起こる事から、光干渉断層画像生成装置20で観察された輝点は粒子が多く存在する箇所であると考えられる。これより、光干渉断層画像においてスラリー中の微粒子の粒子集合構造が観察できる事が明らかとなった。

0100

図9の(A),(B)、図10の(A),(B)、図11の(A),(B)は、光干渉断層画像生成装置20で観察したスラリーの様子を示している。

0101

図9の(A)、図10の(A)、図11の(A)は、レオメータ10のせん断速度がそれぞれ0、16s−1,150s−1の時に撮影して得られた各光干渉断層画像であり、図9の(B)、図10の(B)、図11の(B)は、その0.033秒後に撮影して得られた各光干渉断層画像である。各図の像上部はガラス製平板すなわち下部プレートである平板円盤12を表している。

0102

図9の(A)に示す光干渉断層画像にはネットワーク状に多数の輝点が観察された。図9の(A)に示す光干渉断層画像と図9の(B)に示す光干渉断層画像を比較すると、丸で囲んだ輝点をはじめとして粒子は動いておらず、微粒子の凝集構造は安定して存在する事が確認された。

0103

一方16s−1のせん断場を印加した図10の(A)に示す光干渉断層画像と図10の(B)に示す光干渉断層画像を比較すると、ガラス面近傍の輝点(図中丸印)は動いていないが、ガラス面から離れるにつれて多くの粒子はせん断力によって移動し、スラリー中の粒子の構造が変化する様子が観察された。

0104

さらに、150s−1のせん断場を印加した図11の(A)に示す光干渉断層画像と図11の(B)に示す光干渉断層画像を比較すると、すべての粒子が移動し、スラリー中の粒子の構造が大きく変化する様子が観察された。

0105

ただし、微粒子のネットワーク状の凝集構造は常に存在する様子も観察された。このような粒子集合構造の変化は、スラリー中に存在する微粒子の凝集構造に起因して全体に力が伝達する事、及び微粒子の作るネットワークが崩壊しながらも

0106

上記内部構造解析システム100では、レオメータ10として、流動体試料1を円錐盤11の円錐面11Aと平板円盤12の平面12Aの間にローディングして、円錐・平板型の回転式レオメータを備えるものとしたが、本発明は、例えば、共軸二重円筒型の回転式レオメータ110を備える図12のブロック図に示すような構成のスラリーの内部構造解析システム200に適用することもできる。

0107

このスラリーの内部構造解析システム200は、レオメータ210、光干渉断層画像生成装置20と画像処理装置30とを備える。

0108

なお、光干渉断層画像生成装置20と画像処理装置30は、上記内部構造解析システム100のものと同様な機能を有するものであるので、同一要素に同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。

0109

この内部構造解析システム200におけるレオメータ210は、内筒211の外周面211Aと外筒212の内周面212Aの間にローディングされる流動体試料1について、駆動ユニット213により内筒211を回転させ、流動体試料1に回転せん断応力が働く結果として生じる応力またはひずみ速度(せん断率)を応力変換ユニット214により検出して、評価処理部215により流動体試料1のレオロジー特性を評価する共軸二重円筒型の回転式レオメータである。
このレオメータ210は、光干渉断層画像生成装置220から出射される光赤外線領域の光に対して透明な材料、例えばガラス製の外筒212を備えている。

0110

そして、この内部構造解析システム200では、上記レオメータ210の回転軸210Aの軸方向と直交する方向を上記流動体試料1の観察面1Aの法線方向とし、上記流動体試料1に照射する赤外線領域の光の光軸を該流動体試料1の観察面1Aの法線方向に対して1〜10°の角度範囲内で所定角度θ傾斜させておくことにより、上記光干渉断層画像生成装置220によりノイズが少ない光干渉断層画像を生成することができる。

0111

以上説明した内部構造解析システム100,200では、上記流動体試料1として、セラミックスの原料物質を含むスラリーのレオロジー特性の評価と、スラリーの内部構造のその場観察を行っているが、流動体試料1としては、スラリー以外のインク塗料樹脂など各種流動体を解析対象とすることができる。
レオメータは、製薬食品加工農薬、塗料及び顔料製造、製紙、触媒セラミック、及び装飾を含む多種の化学及び材料処理産業において、ペーストゲル軟膏類似物のような半固体、液体及び粉末のような材料の、流動特性のような特性を定め比較するのに用いられており、本発明では、上記レオメータによりレオロジー特性が評価される流動体試料を解析対象とすることができる。

0112

すなわち、流動体試料1は、せん断応力が、せん断速度に比例するニュートン流体エタノールグリセリンシリコーンオイル等)である必要はなく、非ニュートン流体、例えば、塗料、濃縮ジュースマヨネーズ水溶性高分子メチルセルロースカルメロースナトリウム)など擬塑性流体、軟膏、チンク油ケチャップ、塗料などビンガム流体高濃度デンプン水性懸濁液ミルクチョコレートなどのダイラタント流体であっても、屈折率の異なる成分を含有する流動体試料であれば、上記内部構造解析システム100,200による解析対象とすることができる。

0113

また、本発明に係る内部構造解析システムにおいて、レオメータ10は、円錐・平板型の回転式レオメータ、共軸二重円筒型の回転式レオメータに限定されるものでなく、他の方式のレオメータであっても、レオロジー特性を評価中の流動体試料に該レオメータの外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行うことができるものであればよい。

0114

1流動体試料、1A観察面、10、210レオメータ、11円錐盤、12平板円盤、13、213駆動ユニット、14、214応力変換ユニット、15、215評価処理部、20光干渉断層画像生成装置、30画像処理装置、21光源、22ハーフミラー、23参照ミラー、24検出器、25カメラヘッド部、26情報処理部、27光干渉断層画像生成部、100、200スラリーの内部構造解析システム、211内筒、212 外筒

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