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技術 空気調和用熱源

出願人 株式会社デンソー
発明者 中島正敏
出願日 2019年2月27日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2019-034669
公開日 2020年9月3日 (5ヶ月経過) 公開番号 2020-138620
状態 未査定
技術分野 車両用空気調和
主要キーワード 演算機器 温度情報取得 通信プラグ 給電遮断 比重センサ 給電継続 熱回収処理 演算コア
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年9月3日)のものです。
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図面 (8)

課題

発生する熱量が変動する構成を発熱体として利用する形態であっても、空調風を温めるヒータ部への安定的な集熱が可能な空気調和熱源の提供。

解決手段

空気調和用の熱源(以下、「空調用熱源」)100は、バッテリ110を搭載する車両のHVAC120にて用いられる。空調用熱源100は、ヘッドランプ130、IPM140及び統合ECU150等を発熱体190とし、当該発熱体190にて生じた熱を熱交換部によって冷却水に供給する。空調用熱源100は、熱交換部にて熱を供給される冷却水を用いて空調風を温めるヒータコア30と、発熱体190から冷却水への熱の供給不足を補う補助熱源部とを備えている。

概要

背景

特許文献1には、電気部品廃熱により加熱された温水を用いる温水式ヒータによって車室内暖房する電気自動車用暖房装置が開示されている。特許文献1には、廃熱の回収対象とされる電気部品、即ち熱源として、駆動用モータ及びインバータ等を用いることが記載されている。さらに特許文献1には、ヘッドライトを熱源として用いることも記載されている。

概要

発生する熱量が変動する構成を発熱体として利用する形態であっても、空調風を温めるヒータ部への安定的な集熱が可能な空気調和用熱源の提供。空気調和用の熱源(以下、「空調用熱源」)100は、バッテリ110を搭載する車両のHVAC120にて用いられる。空調用熱源100は、ヘッドランプ130、IPM140及び統合ECU150等を発熱体190とし、当該発熱体190にて生じた熱を熱交換部によって冷却水に供給する。空調用熱源100は、熱交換部にて熱を供給される冷却水を用いて空調風を温めるヒータコア30と、発熱体190から冷却水への熱の供給不足を補う補助熱源部とを備えている。

目的

本開示は、発生熱が変動する構成を発熱体として利用する形態であっても、安定的な集熱が可能な空気調和用熱源の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

バッテリ(110)を搭載する移動体空気調和装置(120)にて用いられる空気調和熱源であって、前記バッテリからの給電により点灯する灯火部品(130)、及び前記バッテリからの給電により機能する電気回路装置(140,150)の少なくとも一方を発熱体(190)とし、当該発熱体にて生じた熱を熱媒体に供給する熱交換部(20)と、前記熱交換部にて熱を供給される前記熱媒体を用いて、前記空気調和装置の空調風を温めるヒータ部(30)と、前記発熱体から前記熱媒体への熱の供給不足を補う補助熱源部(40)と、を備える空気調和用熱源。

請求項2

複数の前記発熱体が、前記熱媒体に熱を供給し、前記補助熱源部は、複数の前記発熱体のそれぞれに設けられている請求項1に記載の空気調和用熱源。

請求項3

前記補助熱源部は、前記熱媒体が特定の温度に維持されるように、前記発熱体を補って前記熱媒体に熱を供給する請求項2に記載の空気調和用熱源。

請求項4

前記電気回路装置が前記発熱体として用いられ、前記熱交換部は、前記電気回路装置の演算部(154)を前記熱媒体によって冷却する請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気調和用熱源。

請求項5

前記補助熱源部は、前記発熱体が故障した場合でも、前記熱媒体への熱の供給を継続する請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気調和用熱源。

請求項6

前記発熱体の温度に関連した温度情報を取得する温度情報取得部(71,276)と、前記温度情報に基づき、前記補助熱源部への給電を制御する給電制御部(73,277)と、をさらに備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気調和用熱源。

請求項7

前記給電制御部は、前記バッテリの残量情報に基づき、前記熱媒体の目標温度(Ttr)を変更する請求項6に記載の空気調和用熱源。

請求項8

前記給電制御部は、前記バッテリの残量が所定値(Thr)未満に低下したと判定した場合に、少なくとも一つの前記補助熱源部への給電を停止する請求項6又は7に記載の空気調和用熱源。

技術分野

0001

この明細書による開示は、移動体空気調和装置にて用いられる空気調和熱源に関する。

背景技術

0002

特許文献1には、電気部品廃熱により加熱された温水を用いる温水式ヒータによって車室内暖房する電気自動車用暖房装置が開示されている。特許文献1には、廃熱の回収対象とされる電気部品、即ち熱源として、駆動用モータ及びインバータ等を用いることが記載されている。さらに特許文献1には、ヘッドライトを熱源として用いることも記載されている。

先行技術

0003

特開平5−238245号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1に開示のように、ヘッドライト等での発生熱を回収し、空調風昇温に用いることは、バッテリに蓄えられたエネルギの有効利用の観点で望ましい。しかし、ヘッドライト等の電気部品には、使用しない期間も生じ得る。そのため、ヘッドライト等の排熱を回収する構成では、安定的な熱量の回収は困難となる。こうした理由により、ヘッドライトから回収する熱を空調風の昇温に使用することは、普及に至っていなかった。

0005

本開示は、発生熱が変動する構成を発熱体として利用する形態であっても、安定的な集熱が可能な空気調和用熱源の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するため、開示された一つの態様は、バッテリ(110)を搭載する移動体の空気調和装置(120)にて用いられる空気調和用熱源であって、バッテリからの給電により点灯する灯火部品(130)、及びバッテリからの給電により機能する電気回路装置(140,150)の少なくとも一方を発熱体(190)とし、当該発熱体にて生じた熱エネルギ熱媒体に供給する熱交換部(20)と、熱交換部にて熱エネルギを供給される熱媒体を用いて、空気調和装置の空調風を温めるヒータ部(30)と、発熱体から熱媒体への熱エネルギの供給不足を補う補助熱源部(40)と、を備える空気調和用熱源とされる。

0007

この態様によれば、発熱体である灯火系部品及び電気回路装置の少なくとも一方から熱媒体への熱の供給が不足した場合でも、補助熱源が、発熱体における発熱不足を補う機能を発揮する。故に、灯火系部品又は電気回路装置のように発生する熱量が変動する構成を発熱体として利用する形態であっても、空調風を温めるヒータ部への安定的な集熱が可能になる。

0008

尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。

図面の簡単な説明

0009

本開示の第一実施形態による補助熱源を含む車載構成の全体像を示す図である。
発熱体として用いられるヘッドランプの詳細な構成を示す図である。
発熱体として用いられるインテリジェントパワーモジュールを含むパワーコントロールユニットの構成を示す図である。
発熱体として用いられる統合ECUの詳細な構成を示す図である。
補助熱源の電気的な構成を主に示すブロック図である。
空調ECUにて実施される熱回収処理の詳細を示すフローチャートである。
第二実施形態の空調用熱源にて用いられる温度制御回路の詳細を示す回路図である。

実施例

0010

以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。

0011

(第一実施形態)
図1に示す本開示の第一実施形態による空調用熱源100は、移動体としての車両に搭載されている。車両は、バッテリ110に蓄えられた電力によって走行するBEV(Battery Electric Vehicle)である。空調用熱源100は、車両の客室空間(以下、「車室」)内の空気調和を行うHVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)120にて用いられ、補助的な熱源として機能する。空調用熱源100は、車両に搭載された少なくとも一つの発熱体190から回収する熱を利用し、HVAC120によって車室内に送られる空調風を昇温する。空調用熱源100は、ヘッドランプ130、IPM(Intelligent Power Module)140及び統合ECU(Electronic Control Unit)150等を、発熱体190として利用する。

0012

以上のように、空調用熱源100は、バッテリ110、HVAC120、ヘッドランプ130、多数のIPM140を有するPCU(Power Control Unit)140a、及び統合ECU150等の車載構成と組み合わされて、熱源として機能する。以下、これらの車載構成の詳細を、順に説明する。

0013

バッテリ110は、電力を充放電可能なエネルギストレージである。バッテリ110は、多数の電池セルを含む組電池主体として備えている。電池セルは、例えばニッケル水素電池リチウムイオン電池、及び全固体電池等である。バッテリ110は、鉛蓄電池キャパシタ及び燃料電池を備えていてもよい。バッテリ110は、PCU140a及びHVAC120等に加えて、ヘッドランプ130、統合ECU150及び空調ECU70(後述する)等にも、各給電線111を通じて電力を供給する。このように、バッテリ110は、走行用及び空調用の電力を供給するメインバッテリの機能に加えて、補機類動作電力を供給するサブバッテリの機能を有している。

0014

バッテリ110は、充電状態監視するバッテリECU112を有している。バッテリECU112は、バッテリ110に流入する充電電流と、バッテリ110から流出する放電電流とを電流センサによって継続的に計測し、充放電電流を積算する。バッテリECU112は、充放電電流の積算値に基づき、バッテリ110の現在の充電状態を表すSOC(State of charge)を算出する。バッテリECU112は、算出したSOCの値を、バッテリ110の残量情報として、外部(例えば、空調ECU70等)へ向けて逐次出力する。

0015

尚、バッテリECU112は、電池セルの放電特性及び温度特性等のリファレンス情報を用いて、SOCの値を補正してもよい。また、バッテリECU112は、バッテリ電解液比重センサセル電圧センサバッテリ端子電圧センサ等の検出値に基づいて、バッテリ110の残量情報を算出する構成であってもよい。

0016

HVAC120は、バッテリ110から供給される電力を利用して、車室内の暖房、冷房及び換気等を行う電動式空調装置である。HVAC120は、車両外部の空気又は車室内の空気を昇温又は冷却してなる暖気又は冷気を、車室内に供給する。HVAC120は、冷凍サイクル装置送風機PTCヒータ及びエアミックスダンパを備えている。

0017

冷凍サイクル装置は、コンプレッサ膨張弁凝縮器及び蒸発器を有している。冷凍サイクル装置は、循環させた冷媒圧縮及び膨張を利用して、冷気及び暖気を生成する。送風機は、モータ及び遠心式ファンを有している。送風機は、ファンの回転によって空調風を発生させる。PTCヒータは、冷凍サイクル装置の凝縮器を通過した暖気をさらに加熱し、空調風を昇温させる。エアミックスダンパは、流路切り替えにより、空調風に含まれる冷気及び暖気の混合割合を調整することで、空調風の温度を制御する。以上のコンプレッサ、送風機、PTCヒータ及びエアミックスダンパの各作動は、後述する空調ECU70によって制御される。

0018

図1及び図2に示すヘッドランプ130は、バッテリ110から供給される電力によって点灯し、車両前方照明する灯火系部品である。車両には、二つのヘッドランプ130が搭載されている。各ヘッドランプ130は、光源としての複数(例えば四つ)の発光ダイオード(以下、「LED」)132と、矩形板状に形成されたLED実装基板131とを備えている。各LED132は、LED実装基板131の実装面131aに表面実装されている。各LED132は、LED実装基板131の長手方向に互いに間隔を開けて並んでいる。LED実装基板131には、信号線113、ヒータ出力線114、グランド線135、及び電源線136等の電気配線が接続されている。各LED132は、電源線136を通じて供給される電力を用いて発光する。

0019

ヘッドランプ130は、空調用熱源100に関連する構成として、LEDラジエータ21、LEDヒータ41及びLEDサーミスタ51を備えている。LEDラジエータ21は、例えば金属材料によって筒状に形成されている。LEDラジエータ21は、LED実装基板131の外縁に沿う形状で延伸している。LED実装基板131の周縁部のうちで、二つの長辺を含む三辺と接触している。LEDラジエータ21の内部には、冷却水の流路が形成されている。LEDラジエータ21の両端には、冷却水の流入部137及び冷却水の流出部138が形成されている。LEDラジエータ21の内部では、流入部137から流出部138へ向けて冷却水が流れる。LEDラジエータ21は、冷却水とLED実装基板131との熱交換を行う熱交換器として機能する。LEDラジエータ21は、LED132を冷却しつつ、LED132の排熱を冷却水に回収する。

0020

LEDヒータ41は、例えば抵抗器等の受動素子である。LED実装基板131には、二つのLEDヒータ41が設けられている。LEDヒータ41は、LED実装基板131の実装面131aに、各LEDヒータ41と一列に並ぶ配置にて、表面実装されている。二つのLEDヒータ41は、直線状に並ぶ四つのLED132の両側に、一つずつ配置されている。

0021

各LEDヒータ41は、ヒータ出力線114を通じた電流印加により発熱する。例えばLEDヒータ41は、ヘッドランプ130の点灯を開始させた後に、ヘッドランプ130が温まるのを補助するように、ヘッドランプ130に熱を供給する。LEDヒータ41の発生熱は、LED実装基板131及びLEDラジエータ21を介して、冷却水に移動可能である。

0022

LEDサーミスタ51は、温度に対応する電気抵抗値を示す受動素子である。LEDサーミスタ51は、LED実装基板131において、LED実装基板131の実装面131aに、各LED132及び各LEDヒータ41と一列に並ぶ配置にて、表面実装されている。LEDサーミスタ51は、直線状に並ぶ四つのLED132の中央に配置されている。このように、各LED132、各LEDヒータ41及びLEDサーミスタ51は、実装面131aにて、LED実装基板131の長手方向に沿って、互いに間隔を開けつつ、直線状に並ぶ配置となっている。LEDサーミスタ51の抵抗値を示す信号は、信号線113を通じて空調ECU70に入力される。LEDサーミスタ51は、ヘッドランプ130の温度を計測するためのセンサとして機能する。

0023

図1及び図3に示すPCU140aは、バッテリ110から供給される直流電力交流電力に変換し、変換した交流電力を走行用のモータに供給するインバータ機能を有している。PCU140aは、IPM140、パワーモジュールラジエータ(以下、「PMラジエータ」)22、パワーモジュールヒータ(以下、「PMヒータ」)42、パワーモジュールサーミスタ(以下、「PMサーミスタ」)52を備えている。

0024

IPM140は、三相整流回路及びインバータ回路等を一体的に含む電気構成である。IPM140のインバータ回路には、複数のパワー半導体素子141が設けられている。パワー半導体素子141は、例えばIGBT及びパワーMOSFET等である。パワー半導体素子141は、ヒートスプレッダ等の緩衝部材を介して、PMラジエータ22と熱的に接続されている。

0025

PMラジエータ22は、例えば金属材料によって扁平な箱状に形成されている。PMラジエータ22は、IPM140と物理的に接続されている。PMラジエータ22の内部には、冷却水の流路が形成されている。PMラジエータ22は、内部を流れる冷却水とIPM140との熱交換を行う熱交換器として機能する。PMラジエータ22は、パワー半導体素子141を冷却しつつ、パワー半導体素子141の排熱を冷却水に回収する。

0026

PMヒータ42は、抵抗器等の受動素子又はPTCヒータ等を含む電熱構成である。PMヒータ42は、IPM140と並ぶ配置にて、PMラジエータ22の上面に設置されている。PMヒータ42は、ヒータ出力線114を通じた電流の印加により発熱する。PMヒータ42の発生熱は、PMラジエータ22を介して、冷却水に移動可能である。

0027

PMサーミスタ52は、LEDサーミスタ51(図2参照)と同様に、温度に対応した電気抵抗値を示す受動素子である。PMサーミスタ52は、PMヒータ42と並ぶ配置にて、PMラジエータ22の上面に設置されている。PMサーミスタ52は、PMラジエータ22に設けられた流路の出口近傍に設けられている。PMサーミスタ52の抵抗値を示す信号は、信号線113を通じて空調ECU70に入力される。PMサーミスタ52は、IPM140の温度を計測するためのセンサとして機能する。

0028

図1及び図4に示す統合ECU150は、例えばボディ系ECU、パワーユニット系ECU、ブレーキ系ECU、及び操作系ECUのうちの複数の処理機能を、一つに統合してなる演算装置である。統合ECU150は、バッテリ110から供給される電力を使用し、演算処理及びアクチュエータ制御処理等を実行する。統合ECU150は、入出力インターフェース部151及び演算部154を備えている。入出力インターフェース部151は、インターフェース基板152と、インターフェース基板152に実装される多数の入出力処理チップ153とを有している。

0029

演算部154は、水冷基板155、通信プラグ156及びプロセッサチップ157を有している。水冷基板155は、インターフェース基板152よりも小型の回路基板である。通信プラグ156には、インターフェース基板152と水冷基板155とを電気的に接続する接続配線が接続される。プロセッサチップ157は、水冷基板155に実装されている。プロセッサチップ157は、統合ECU150の演算処理の大部分を実行する演算コアを含んでいる。

0030

演算部154は、空調用熱源100に関連する構成として、CPUラジエータ23、CPUヒータ43及びCPUサーミスタ53を備えている。CPUラジエータ23は、例えば金属材料によって筒状に形成されている。CPUラジエータ23は、水冷基板155の外縁に沿う形状で延伸している。CPUラジエータ23は、水冷基板155の周縁部のうちの三辺と接触している。CPUラジエータ23の内部には、冷却水の流路が形成されている。CPUラジエータ23の両端には、冷却水の流入部158及び冷却水の流出部159が形成されている。CPUラジエータ23の内部では、流入部158から流出部159へ向けて冷却水が流れる。CPUラジエータ23は、冷却水と水冷基板155との熱交換を行う熱交換器として機能する。CPUラジエータ23は、プロセッサチップ157を冷却しつつ、プロセッサチップ157の排熱を冷却水に回収する。

0031

CPUヒータ43は、例えば抵抗器等の受動素子であり、水冷基板155の実装面に表面実装されている。CPUヒータ43は、水冷基板155の実装面にて、プロセッサチップ157よりもCPUラジエータ23に近接した位置に配置されている。CPUヒータ43は、ヒータ出力線114、入出力インターフェース部151、及び通信プラグ156等を通じた電流の印加によって発熱する。CPUヒータ43の発生熱は、水冷基板155及びCPUラジエータ23を介して、冷却水に移動可能である。

0032

CPUサーミスタ53は、LEDサーミスタ51(図2参照)等と同様に、温度に対応する電気抵抗値を示す受動素子である。CPUサーミスタ53は、水冷基板155において、プロセッサチップ157及びCPUヒータ43と同一の実装面に表面実装されている。CPUサーミスタ53は、プロセッサチップ157及びCPUヒータ43と、互いに間隔を開けつつ、隣接している。CPUサーミスタ53は、水冷基板155において、流入部158よりも流出部159の近くに配置されている。CPUサーミスタ53の抵抗値を示す信号は、通信プラグ156、インターフェース基板152、及び信号線113等を通じて、空調ECU70に入力される。CPUサーミスタ53は、演算部154の温度を検出するセンサとして機能する。

0033

図1及び図5に示す空調用熱源100は、上述の冷却水を熱媒体として使用し、冷却水の循環によって各発熱体190から熱を回収する。冷却水は、摂氏0度以下でも凍結しないように、例えばエチレングリコール等を含有する不凍液とされている。空調用熱源100は、熱交換部20、ヒータコア30、補助熱源部40、温度計側部50、冷却水配管60及び空調ECU70を含んでいる。

0034

熱交換部20は、各発熱体190の内部にそれぞれ設けられている。熱交換部20は、各発熱体190にて生じた熱を冷却水に供給する。熱交換部20は、具体的には、上述のLEDラジエータ21、PMラジエータ22及びCPUラジエータ23を含んでいる。各ラジエータ21〜23は、各発熱体190に設けられて、各発熱体190にて生じた排熱を冷却水に回収する。

0035

ヒータコア30は、HVAC120の筐体内に設けられている。ヒータコア30は、多数の扁平なチューブと、各チューブから突出する多数のフィンとを有している。ヒータコア30のチューブには、昇温された冷却水が流通する。ヒータコア30のフィン間には、HVAC120のファンにて生成された空調風が供給される。ヒータコア30は、熱交換部20での熱の供給で昇温された冷却水を用いて、フィン間を通過する空調風を温める。その結果、冷却水によって温められた空調風は、暖気として車室内に供給される。ヒータコア30は、HVAC120の凝縮器及びヒータの少なくとも一方と共に暖気を生成してもよく、又は単独で暖気を生成してもよい。

0036

補助熱源部40は、各発熱体190の内部にそれぞれ設けられている。補助熱源部40は、各発熱体190から冷却水への熱の供給不足を補う。補助熱源部40は、具体的には、上述のLEDヒータ41、PMヒータ42及びCPUヒータ43を含んでいる。各ヒータ41〜43は、ヒータ出力線114を介して、空調ECU70と電気接続されている。各ヒータ41〜43には、空調ECU70より出力されるヒータ出力が、駆動信号として入力される。以上により、LEDヒータ41は、ヘッドランプ130にて、LED132(図2参照)の排熱不足を補って、冷却水に熱を供給する。同様に、PMヒータ42は、IPM140にて、パワー半導体素子141(図3参照)の排熱不足を補って、冷却水に熱を供給する。さらに、CPUヒータ43は、統合ECU150にて、プロセッサチップ157(図4参照)の排熱不足を補って、冷却水に熱を供給する。各ヒータ41〜43は、各発熱体190での熱供給により、冷却水の温度を安定化させる。

0037

温度計側部50は、各発熱体190の内部にそれぞれ設けられている。温度計側部50は、具体的には、上述のLEDサーミスタ51、PMサーミスタ52及びCPUサーミスタ53を含んでいる。各サーミスタ51〜53は、信号線113を介して、空調ECU70と電気接続されている。各サーミスタ51〜53の抵抗値は、各発熱体190の現在温度を示す検出値として、空調ECU70に入力される。

0038

冷却水配管60は、例えば樹脂材料によって形成された可撓性のあるパイプ部材である。冷却水配管60は、各ラジエータ21〜23とヒータコア30とを、ループ状に接続している。冷却水配管60には、ウォータポンプ61が設けられている。ウォータポンプ61は、空調ECU70によって作動を制御される電動ポイプである。ウォータポンプ61は、ヒータコア30を通過した冷却水を吸込み、各ラジエータ21〜23へ向けて吐出する。こうした作動により、ウォータポンプ61は、各ラジエータ21〜23及びヒータコア30間で冷却水を循環させる。各発熱体190にて生じた排熱は、冷却水配管60内を流通する冷却水により、ヒータコア30に集熱される。

0039

空調ECU70は、HVAC120による車室内の空気調和を制御する電子制御装置である。空調ECU70は、HVAC120と電気的に接続されている。空調ECU70は、プロセッサ、RAM、記憶部、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を備えたマイクロコントローラを主体として含んでいる。空調ECU70は、記憶部に格納された空調制御プログラム等をプロセッサによって実行し、HVAC120の空調作動を制御する。加えて空調ECU70は、空調制御プログラムの実行により、空調用熱源100に関連する機能部として、温度情報取得部71、残量情報取得部72及び給電制御部73を備える。

0040

温度情報取得部71は、温度計側部50である各サーミスタ51〜53の抵抗値を、信号線113を通じて取得する。温度情報取得部71は、各サーミスタ51〜53の抵抗値に基づき、各発熱体190の現在温度を示す温度情報を演算によって取得する。

0041

残量情報取得部72は、バッテリECU112より出力されるSOCの値を、バッテリ110の残容量を示す残量情報として取得する。

0042

給電制御部73は、バッテリ110の電力を利用して、ウォータポンプ61及び補助熱源部40の作動を制御する。給電制御部73は、各ヒータ41〜43に供給するヒータ出力の制御により、各ヒータ41〜43の発熱量を制御する。給電制御部73は、温度情報取得部71にて取得される各発熱体190の温度情報に基づく各ヒータ41〜43への給電制御により、冷却水の水温目標温度Ttrに維持させる。給電制御部73は、発熱体190の動作状態に関わらず、発熱体190から冷却水に概ね一定の熱量が単位時間あたりで提供されるように、各ヒータ41〜43の発熱を制御する。給電制御部73は、熱源の故障に起因して各発熱体190で排熱が生じなくなったとしても、各ヒータ41〜43への給電継続により、冷却水の水温を目標温度Ttr(図6参照)に維持させる。

0043

給電制御部73は、冷却水の目標温度Ttrに基づき、各ヒータ41〜43の温度閾値Tht(図6参照)を設定する。温度閾値Thtは、発熱体190毎に異なる値に設定されている。給電制御部73は、目標温度Ttrが変更された場合に、各温度閾値Thtを調整する。温度閾値Thtの調整には、予め設定されたテーブル又は関数が用いられる。給電制御部73は、温度閾値Thtを閾値として、各ヒータ41〜43への給電実施及び給電遮断二値的に切り替える。具体的に、給電制御部73は、温度情報の示す各発熱体190の現在温度が各温度閾値Thtよりも低い場合に、各ヒータ41〜43への給電を実施する。一方で、給電制御部73は、温度情報の示す各発熱体190の現在温度が各温度閾値Thtよりも高い場合、各ヒータ41〜43への給電を中断する。

0044

給電制御部73は、残量情報取得部72にて取得されるバッテリ110の残量情報に基づき、冷却水の目標温度Ttrを変更する。給電制御部73は、バッテリ110の残量が十分に残っている場合、目標温度Ttrを基準となる値(以下、「標準目標温度」,例えば60℃)に設定する。一方、給電制御部73は、バッテリ110の残量の低下に応じて、冷却水の目標温度Ttrを標準目標温度よりも低く調整する。目標温度Ttrの調整によれば、補助熱源部40による電力の消費が抑制される。

0045

加えて給電制御部73は、バッテリ110の残量が所定の残量閾値Thr(図6参照)未満に低下したと判定した場合に、全てのヒータ41〜43への給電を停止する。給電制御部73は、全てのヒータ41〜43への給電を一斉に停止してもよく、各ヒータ41〜43のへ給電を特定の順序で停止してもよい。

0046

次に、ここまで説明した空調用熱源100の機能を実現するため、空調ECU70にて実施される補助熱源制御処理の詳細を、図6に基づき、図1及び図5を参照しつつ、以下説明する。図6に示す補助熱源制御処理は、車両ユーザによる車両電源オン操作、又は車室内空調のオン操作に基づき開始される。補助熱源制御処理は、車両ユーザによる車両電源のオフ操作、又は車室内空調のオフ操作の入力まで、継続実施される。

0047

S101では、バッテリ110の残量情報をバッテリECU112より取得し、S102に進む。S102では、S101にて取得した残量情報に基づき、バッテリ110の残量が残量閾値Thr以上残っているか否かを判定する。S102にて、バッテリ110の残量が残量閾値Thr未満であると判定した場合、S108及びS109に進む。S108では、ウォータポンプ61の作動を停止し、S109に進む。S109では、全てのヒータ41〜43への給電を停止する。以上のS108及びS109により、空調用熱源100は、停止状態となる。尚、ウォータポンプ61及び各ヒータ41〜43が既にオフ状態となっている場合のS108及びS109では、現状のオフ状態を維持させる。

0048

一方、S102にて、バッテリ110の残量が残量閾値Thr以上あると判定した場合、S103に進む。S103では、ウォータポンプ61を作動させるか、又はウォータポンプ61のオン状態を継続させて、S104に進む。S104では、各ヒータ41〜43をオン状態に切り替えるか、又はオン状態を継続させて、S105に進む。

0049

S105では、各サーミスタ51〜53の抵抗値に基づき、各発熱体190の現在の温度情報を取得し、S106に進む。S106では、S101にて取得したバッテリ110の残量情報に基づき、目標温度Ttrを設定する。さらに、目標温度Ttrに基づき、各発熱体190についての温度閾値Thtを設定し、S107に進む。

0050

S107では、各発熱体190について、S105にて取得した温度情報と、S107にて設定した温度閾値Thtとを比較する処理を実施する。S107にて、温度情報の示す現在温度が温度閾値Tht以上であると判定した発熱体190については、S109にて、補助熱源部40をオフ状態に切り替える。一方で、S107にて、温度情報の示す現在温度が温度閾値Tht未満であると判定した発熱体190については、補助熱源部40のオン状態を維持させて、S101に戻る。

0051

ここまで説明した第一実施形態では、発熱体190であるヘッドランプ130、IPM140及び統合ECU150から冷却水への熱の供給が不足した場合でも、補助熱源部40が、発熱体190における発熱不足を補う機能を発揮する。故に、発生する熱量が変動する構成を発熱体190として利用する空調用熱源100であっても、空調風を温めるヒータコア30への安定的な集熱が可能になる。

0052

一例として、灯火系部品であるヘッドランプ130が24ワット程度の発熱を行うものとする。ヘッドランプ130が二器存在し、回収効率が0.7程度と仮定すると、34ワット程度の回収が可能となる。さらに、二器のディライト(例えば8ワット程度)からも熱回収を行った場合、50ワット程度の回収が可能となる。

0053

加えて第一実施形態では、複数のヒータ41〜43が、冷却水に熱を供給する補助熱源部40として、複数の発熱体190にそれぞれに設けられている。故に、各発熱体190から冷却水に単位時間あたりに供給される熱量が、安定的に維持される。換言すれば、各補助熱源部40から冷却水に供給される熱エネルギと、各発熱体190の各熱源から冷却水に供給される熱エネルギとの総和は、概ね一定となるように制御される。以上によれば、発熱体190から冷却水には、一定の熱量が供給されるため、冷却水の温度が変動し難くなる。その結果、空調用熱源100の補助熱源としての機能も、安定的に発揮される。加えて補助熱源部40は、各発熱体190の暖気を補助する機能を発揮できる。

0054

また第一実施形態では、冷却水の温度が特定の目標温度Ttrに維持されるように、補助熱源部40は、発熱体190を補って冷却水に熱を供給する。このように、冷却水の水温が目標温度Ttrに制御されれば、安定した温度環境下でLED132、パワー半導体素子141及びプロセッサチップ157を使用することが可能になる。その結果、ヘッドランプ130、IPM140及び統合ECU150には、性能低下及び早期の故障が発生し難くなる。

0055

例えば、点灯及び非点灯といった状態に関わらず、ヘッドランプ130は、概ね一定温度に保たれ得る。故に、LED132の温度上昇に伴う照度低下熱ダレ)の回避、及び冷熱の繰り返しに伴うストレスの軽減等により、ヘッドランプ130の信頼性が向上可能となる。

0056

加えて、IPM140の温度を一定に保つ制御によれば、ヘッドランプ130と同様に、冷熱の繰り返しに伴うストレスが軽減され、ひいては信頼性が向上し得る。以上の結果、IPM140及びPCU140aの小型化、及び他の発熱回路との集積化も、実現され得る。

0057

さらに第一実施形態では、統合ECU150の演算部154が冷却水によって冷却される。このように、プロセッサチップ157の排熱を空調風の昇温に用いることは、高性能演算機器の搭載が求められる近年の車両において、エネルギの有効な利用と、演算部154の安定動作という二つのメリットをもたらすことができる。

0058

加えて第一実施形態では、発熱体190が故障した場合でも、補助熱源部40は、発熱作動を継続する。故に、空調用熱源100の補助熱源としての機能は、維持される。以上によれば、発熱体190の故障に伴い、空調用熱源100の空調機能まで失われる事態は、回避され得る。

0059

また第一実施形態では、給電制御部73が、各発熱体190の温度情報に基づき、各ヒータ41〜43への給電を制御する。具体的に、給電制御部73は、冷却水温が上昇し、所定の目標温度Ttrに達すると、各サーミスタ51〜53によるフィードバックを受けて、各ヒータ41〜43の駆動を制限する。こうした各ヒータ41〜43の駆動停止及び低電力モードでの駆動によれば、冷却水の温度は、目標温度Ttrに維持され易くなる。その結果、温度環境下でLED132、パワー半導体素子141及びプロセッサチップ157は、いっそう安定した温度環境下で使用されるようになる。

0060

さらに第一実施形態の給電制御部73は、バッテリ110の残量情報に基づき、冷却水の目標温度Ttrを変更する。具体的に、給電制御部73は、バッテリ110の残量が少なくなると、目標温度Ttrを低く調整する。こうした制御によれば、空調用熱源100の使用に伴うバッテリ110の過度の消費により、車両が走行不能に陥り易くなる事態は、回避され得る。

0061

加えて第一実施形態の給電制御部73は、バッテリ110の残量が残量閾値Thr未満となると、補助熱源部40への給電を停止する。以上により、バッテリ110の残量が走行のために温存される。故に、空調用熱源100の使用に伴うバッテリ110の電力消費により、車両が走行できなる事態は、高い確実性をもって回避され得る。

0062

尚、第一実施形態では、ヒータコア30が「ヒータ部」に相当し、HVAC120が「空気調和装置」に相当し、ヘッドランプ130が「灯火系部品」に相当し、IPM140及び統合ECU150がそれぞれ「電気回路装置」に相当する。また、残量閾値Thrが「残量の所定値」に相当し、空調用熱源100が「空気調和用熱源」に相当する。

0063

(第二実施形態)
図7に示す本開示の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態では、空調ECU70(図1参照)による補助熱源部40の統合制御が実施されない。第二実施形態では、温度制御回路270が各発熱体190に内蔵されている。温度制御回路270は、補助熱源部40の発熱作動を制御するアナログ回路である。具体的に、温度制御回路270は、ヘッドランプ130のLED実装基板131(図2参照)、PCU140a(図3参照)の上面に設けられた回路基板、及び統合ECU150の水冷基板155(図4参照)等に形成されている。第二実施形態の空調用熱源は、第一実施形態と実質同一の熱交換部20、ヒータコア30及び冷却水配管60(それぞれ図5参照)と、複数の温度制御回路270とを含んでいる。

0064

温度制御回路270は、電源線136及びグランド線135と接続されている。温度制御回路270には、電源線136を通じて、所定の電源電位が印加される。温度制御回路270には、グランド線135を通じて、所定のグランド電位が印加される。温度制御回路270は、ヒータ240、サーミスタ250及びヒータ制御回路部273を備えている。これらの構成は、電源電位となるプラス側ライン270aと、グランド電位となるマイナス側ライン270bとの間に設けられている。

0065

ヒータ240は、第一実施形態の各ヒータ41〜43(図5参照)と同様に、一つ又は複数の抵抗器を有している。ヒータ240は、電流の印加によって発熱し、補助熱源部40として、発熱体190から冷却水への熱エネルギの供給不足を補う。

0066

サーミスタ250は、第一実施形態の各サーミスタ51〜53(図5参照)と同様に、温度に対応する電気抵抗値を示す受動素子である。サーミスタ250の抵抗値は、温度の上昇に伴って減少する。サーミスタ250の一端は、マイナス側ライン270bと接続されている。サーミスタ250の他端は、ヒータ制御回路部273と接続されている。サーミスタ250は、発熱体190の温度に対応する検出電位を、ヒータ制御回路部273に提供する。

0067

ヒータ制御回路部273は、サーミスタ250の検出電位を温度情報として取得し、検出電位に基づき、ヒータ240への給電を制御する。ヒータ制御回路部273は、抵抗器274,275、コンパレータ276及びトランジスタ277を有している。抵抗器274,275は、プラス側ライン270a及びマイナス側ライン270bの間に設けられており、互いに直列に接続されている。

0068

コンパレータ276は、二つの入力部と一つの出力部とを有している。一方の入力部は、サーミスタ250と接続されている。他方の入力部は、二つの抵抗器274,275の連結部分と接続されている。コンパレータ276は、サーミスタ250の検出電位と、二つの抵抗器274,275の間の基準電位とを比較し、検出電位が基準電位よりも高い場合に、出力部から電流を出力する(Hi出力)。一方で、検出電位が基準電位よりも低い場合、出力部からの電流の出力が中断される(Lo出力)。

0069

トランジスタ277は、PNP型の構成である。トランジスタ277は、ヒータ240への給電を制御するスイッチとして機能する。トランジスタ277のベースは、コンパレータ276の出力部と接続されている。トランジスタ277のエミッタは、プラス側ライン270aと接続されている。トランジスタ277のコレクタは、ヒータ240と接続されている。トランジスタ277では、コンパレータ276の出力部からベースに電流が印加されると、エミッタからコレクタに電流が流れる。

0070

以上のヒータ制御回路部273は、発熱体190の温度が温度閾値Tht(図6参照)よりも低い場合に、コンパレータ276からトランジスタ277にHi出力が入力される。その結果、トランジスタ277を通じた給電が実施されることで、ヒータ240は、発熱状態となる。一方で、発熱体190の温度が温度閾値Tht以上の場合、コンパレータ276からトランジスタ277には、Lo出力が入力される。その結果、ヒータ240への給電は、中断される。

0071

ヒータ制御回路部273では、温度閾値Thtで給電のオン状態及びオフ状態が切り替わるように、各抵抗器274,275及びサーミスタ250の仕様が決定されている。そのため、各発熱体190に予め設定された温度閾値Thtに合わせて、各発熱体190に内蔵される温度制御回路270の各抵抗器274,275及びサーミスタ250の仕様は、それぞれ決定されてよい。尚、第二実施形態では、バッテリ110(図1参照)の残量情報に基づく温度閾値Thtの調整は、実施されない。

0072

ここまで説明した第二実施形態でも、第一実施形態と同様の効果を奏し、発熱体190から冷却水への熱の供給が不足した場合、発熱不足を補う機能をヒータ240が発揮する。故に、空調風を温めるヒータコア30(図5参照)への安定的な集熱が可能になる。尚、第二実施形態では、コンパレータ276が「温度情報取得部」に相当し、トランジスタ277が「給電制御部」に相当する。

0073

(他の実施形態)
以上、本開示の複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。

0074

上記第一実施形態の変形例1では、バッテリ110と各ヒータ41〜43との間に、一つのスイッチが設けられている。スイッチは、例えばリレー等であり、給電制御部73による制御に基づき、オン状態とオフ状態とが切り替えられる。変形例1の給電制御部73は、例えば冷却水の水温を計測し、当該水温が目標温度Ttrを超えた場合に、スイッチをオン状態からオフ状態へと切り替える。以上のように、空調用熱源は、複数のヒータ41〜43への給電を一括オフさせることが可能なスイッチをさらに備えていてもよい。

0075

上記実施形態の変形例2では、給電制御部によって発熱作動を制御されるヒータと、ヒータ制御回路部によって発熱作動を制御されるヒータとが混在している。具体的に、変形例2では、空調ECUからの物理的な距離が遠い灯火系部品では、第二実施形態と実質同一な温度制御回路により、ヒータによる補助的な熱供給が制御される。一方で、空調ECUの近傍に配置される電気回路装置では、第一実施形態と同様に、ヒータによる補助的な熱供給は、給電制御部によって制御される。

0076

上記実施形態の変形例3による空調用熱源は、一つの発熱体のみから排熱を回収する。発熱体は、灯火系部品であってもよく、又は電気回路装置であってもよい。また上記実施形態の変形例4では、補助熱源部が発熱体の外部に設けられている。変形例4の補助熱源部は、複数の発熱体での発熱不足を一括で補う機能を有する。

0077

さらに、上記実施形態の変形例5による空調用熱源は、灯火系部品及び電気回路装置以外の車載構成、例えばバッテリモジュール等からも排熱を回収可能である。また、電気回路装置は、IPM及び統合ECUに限定されない。例えば変形例6では、自動運転に関連した演算を実行する自動運転ECUが、発熱体とされている。さらに変形例7では、表示に関連した演算を実行する表示系ECUが、発熱体とされている。加えて変形例8では、表示デバイスが発熱体とされており、パネル部、描画回路部及び光源部等が熱源とされている。

0078

上記実施形態の変形例9では、サーミスタ等の検出部が省略されており、冷却水を特定の水温に維持する制御は実施されない。変形例9では、HVACによる暖気の供給中において、所定の電力が補助熱源部に供給される。また上記実施形態の変形例10では、発熱体に故障が生じた場合、冷却水を温める補助熱源部の作動が中止される。

0079

上記実施形態では、各発熱体の排熱を回収する熱媒体として、冷却水が用いられていた。しかし、熱媒体は、冷却水以外であってもよい。さらに、熱媒体は、液相で使用されなくてもよい。同様に、各発熱体に設けられる熱交換部の構成も、適宜変更されてよい。さらに、HVAC内で空調風を昇温させるヒータコアの構成も、適宜変更されてよい。

0080

空調用熱源を搭載する車両は、上記実施形態のようなBEVに限定されず、エンジン及びモータジェネレータの両方を駆動源とするハイブリッド車であってもよく、エンジンを発電機として搭載したハイブリッド車であってもよい。また空調用熱源を搭載する車両は、ドライバによる運転操作が不要な自律運転車両であってもよい。

0081

空調用熱源を搭載する車両は、一般的な自家用の乗用車に限定されず、レンタカー用の車両、有人タクシー用の車両、ライドシェア用の車両、貨物車両及びバス等であってもよい。特に貨物車両及びバス等の大型車両は、灯火系部品及び電気回路装置からの回収熱量が多くなるため、本開示の空調用熱源の搭載に好適な車両となる。さらに、モビリティサービスに用いられる無人運転専用の車両に、空調用熱源が搭載されてもよい。

0082

上記実施形態にて空調ECUによって提供されていた各機能は、ソフトウェア及びそれを実行するハードウェア、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの複合的な組合せによっても提供可能である。さらに、こうした機能がハードウェアである電子回路によって提供される場合、各機能は、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によっても提供可能である。

0083

20熱交換部、30ヒータコア(ヒータ部)、40補助熱源部、71温度情報取得部、73給電制御部、276コンパレータ(温度情報取得部)、277トランジスタ(給電制御部)、100空調用熱源(空気調和用補助熱源)、110バッテリ、120HVAC(空気調和装置)、130ヘッドランプ(灯火系部品)、140IPM(電気回路装置)、150統合ECU(電気回路装置)、154演算部、190発熱体、Ttr目標温度、Thr残量閾値(残量の所定値)

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