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課題
解決手段
概要
背景
概要
採光性の低下を防止しつつ換気性能の高い天窓を装備する。農業用ハウス1は、上端で接合される合掌梁21,21を備え、合掌梁上端接合部と一体化されて上方に伸びる突き合わせ板22の上部から外側に向かって伸びるブラケット部材23に対して、上方から外嵌め可能な外嵌部材31を回動可能に取り付けると共に、この外嵌部材31に対して天窓の上桟33を接合し、合掌梁上面に、天窓の下桟35を受け止める天窓受け部材25取り付ける。天窓の枠体を構成する桟33〜35及び天窓受け部材25を長方形断面の鋼製角パイプの長辺が横倒しとなる様に用いる。天窓を備える屋根面を構成するアーチパイプの上端を天窓受け部材25までで留める。
目的
本発明は、農業用ハウスにおいて、採光性の低下を防止しつつ換気性能の高い天窓を装備することを目的とする
効果
実績
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請求項1
屋根の上部に換気用の天窓を備えるハウスであって、さらに、以下の構成をも備えることを特徴とする農業用ハウス。(1A)当該ハウスの長さ方向に所定間隔をあけて設置される複数対の合掌梁を備え、少なくとも前記天窓を取り付ける範囲において、対となる合掌梁の上端接合部分から垂直上方に伸びる様に板状部材を備えさせると共に、該板状部材の表面から外側に向かって突出する屋根側接合金具を備えさせたこと。(1B)前記天窓を構成する枠体の上桟に対し、窓面に沿って外側に突出する窓側接合金具を、前記複数対の合掌梁の間隔に対応する間隔で備えさせ、各合掌梁の対毎に、前記窓側接合金具と前記屋根側接合金具とを同一軸線上で水平方向に刺し通した状態となる様に連結したこと。(1C)前記合掌梁の上面に、前記天窓を閉じた位置で前記枠体を構成する下桟の下面と当接する様に、当該天窓の全長にわたって前記下桟と平行に伸びる天窓受け部材を取り付けたこと。
請求項2
さらに、以下の構成をも備えることを特徴とする請求項1に記載の農業用ハウス。(2)前記天窓の枠体を構成する各桟及び前記天窓受け部材は、長方形断面の鋼製角パイプの長辺が横倒しとなる様に組み付けた構成とされていること。
請求項3
請求項4
さらに、以下の構成をも備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の農業用ハウス。(4)前記板状部材は、前記対となる合掌梁の上端同士の間に挟み込まれる様に取り付けられ、前記屋根側接合金具と前記窓側接合金具は、一方が断面コ字状を呈し、他方が該コ字状の開放側から挿入可能な厚さの平板状を呈する金具として構成されていること。
請求項5
技術分野
背景技術
先行技術
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
0007
上記目的を達成するためになされた本発明の農業用ハウスは、屋根の上部に換気用の天窓を備えるハウスであって、さらに、以下の構成をも備えることを特徴とする。
(1A)当該ハウスの長さ方向に所定間隔をあけて設置される複数対の合掌梁を備え、少なくとも前記天窓を取り付ける範囲において、対となる合掌梁の上端接合部分から垂直上方に伸びる様に板状部材を備えさせると共に、該板状部材の表面から外側に向かって突出する屋根側接合金具を備えさせたこと。
(1B)前記天窓を構成する枠体の上桟に対し、窓面に沿って外側に突出する窓側接合金具を、前記複数対の合掌梁の間隔に対応する間隔で備えさせ、各合掌梁の対毎に、前記窓側接合金具と前記屋根側接合金具とを同一軸線上で水平方向に刺し通した状態となる様に連結したこと。
(1C)前記合掌梁の上面に、前記天窓を閉じた位置で前記枠体を構成する下桟の下面と当接する様に、当該天窓の全長にわたって前記下桟と平行に伸びる天窓受け部材を取り付けたこと。
0008
本発明の農業用ハウスによれば、天窓は、ハウスの長さ方向に所定間隔をあけて設置される複数対の合掌梁の上端接合部分から垂直上方に伸びる板状部材に対して連結される。このとき、板状部材と天窓とは、窓側接合金具と屋根側接合金具とを同一軸線上で水平方向に差し通す様に連結されるから、この軸線を回動中心として回動することができる。この結果、棟木や特殊なヒンジ金具を用いることなく開閉可能となる。また、天窓は、閉じたとき、合掌梁の上面に取り付けた天窓受け部材によって下桟の下面を受けられるから、枠体を頑丈な構造として重量が大きくなっても支障を来さない。この結果、天窓を大型化することが可能となる。また、屋根の開口部の枠強度が高まることにより、当該開口部までアーチパイプ等を伸ばさなくてもよくなり、光を遮る部材を減らすことができる。この結果、採光性が高まる。また、回動支持部が強固となることで、天窓の開度を大きくすることができ、窓開口の大型化と共に換気性能を高めることができる。
0009
ここで、本発明の農業用ハウスは、さらに、以下の構成をも備えることができる。
(2)前記天窓の枠体を構成する各桟及び前記天窓受け部材は、長方形断面の鋼製角パイプの長辺が横倒しとなる様に組み付けた構成とされていること。
0010
本発明の農業用ハウスによれば、回動支持部が強固となる結果、天窓の枠体を構成する桟を鋼製角パイプとすることも可能となる。このとき、上述の様に長方形断面の鋼製角パイプの長辺が横倒しとなる様に組み付けることで、枠体自体を変形し難くする。この結果、天窓のさらなる大型化が可能となり、採光性及び換気性能のさらなる向上を可能にする。
0011
これら本発明の農業用ハウスは、さらに、以下の構成をも備えることができる。
(3)前記天窓を備える屋根面を構成するアーチパイプの上端を前記天窓受け部材までで留めたこと。
0012
かかる構成を採用することによって開口部において光を遮る部材を減らし、採光性のさらなる向上を達成することができる。
0013
これら本発明の農業用ハウスは、さらに、以下の構成をも備えることができる。
(4)前記板状部材は、前記対となる合掌梁の上端同士の間に挟み込まれる様に取り付けられ、前記屋根側接合金具と前記窓側接合金具は、一方が断面コ字状を呈し、他方が該コ字状の開放側から挿入可能な厚さの平板状を呈する金具として構成されていること。
より具体的には、以下の構成とすることができる。
(5)前記板状部材は、下向きコ字状断面を呈し、前記合掌梁の接合部の屋根傾斜に対応するハの字状に組み合わされる合掌梁接合金具同士の間に挟み込まれる様に取り付けられ、前記屋根側接合金具は、コの字の開放側を外向きとする様に前記板状部材の表面に取り付けられた断面コ字状の金具で構成され、前記窓側接合金具は、前記屋根側接合金具のコの字の中に挿入可能な厚さを有し、前記天窓の枠体を構成する上桟の下面に取り付けられた平板状の金具で構成されていること。
0014
かかる構成を採用すれば、天窓と板状部材との連結を容易にすることができ、特に、(5)の構成をも採用する場合、合掌梁の上端の接合や屋根側接合金具の軸合わせが容易になり、天窓の開き方向への回動角度をより大きくすることができる。
発明の効果
0015
本発明によれば、農業用ハウスにおいて、採光性の低下を防止しつつ換気性能の高い天窓を装備することができる。
図面の簡単な説明
0016
実施例1の農業用ハウスの全体構成を示し、平面図、5通り背面図、3通り正面図、2通り正面図、1通り正面図、A通り右側面図、C通り左側面図、D通り左側面図である。
実施例1の農業用ハウスの要部を示し、(A)は4通り断面図、(B)は天窓取付部を西下方から見た斜視図、(C)は天窓取付部を(B)と同じ部分を東下方から見た斜視図である。
実施例1の農業用ハウスの天窓取付部を示し、(A)は天窓を閉じた状態の断面図、(B)は天窓を最大開度に開いた状態の断面図である。
実施例1の農業用ハウスの天窓とその支持部を示し、(A)は断面図、(B)は平面図である。
実施例1の農業用ハウスにおける谷樋を示し、(A)は斜視図、(B)は断面図、(C)は要部の拡大断面図である。
実施例1の農業用ハウスの施工例を示し、(A)は天窓部分を下方から見た斜視図、(B)は谷樋部分を妻側から見た斜視図である。
実施例2の農業用ハウスの天窓取付部を示し、(A)は合掌梁接合金具の斜視図、(B)は合掌梁接合金具、合掌梁、及び天窓の取り付け関係を示す正面図である。
0017
以下、本発明を実施するための形態を、図面に示す具体的な実施例に基づいて説明する。
0018
[農業用ハウスの概要]
実施例1の農業用ハウス1は、図1に示す様に、時計回りにA1−B1−B5−A5−A1にて区画される東棟2と、B1−C1−C5−B5−B1にて区画される中央棟3と、C2−D2−D5−C5−C2にて区画される西棟4とからなる三連棟型のビニールハウスである。東棟2は西側片天の天窓5aを備え、中央棟3は両天の天窓5b,5c,5d,5eを備え、西棟4は東側片天の天窓5fを備えている。なお、西棟4には、2通りC−D間にシャッター6、3通りC−D間に引き戸7、5通りC−D間に引き戸8、D通り2−3間に引き戸9が備えられている。
0019
[天窓の概要]
本実施例においては、各天窓5a〜5fの幅はいずれも1500mmを採用している。長さについては、東棟3の天窓5aは18000mm、中央棟3の天窓5b,5cは9000mm、中央棟3の天窓5d,5eは4500mm、西棟4の天窓5fは9000mmとしている。また、各棟2〜4の幅はそれぞれ8000mm、長さは東棟2及び中央棟3を18000mm、西棟4を13500mmとしている。構造体としてのメイン支柱MPの間隔は、東西8000mm、南北4500mmとしている。また、メイン支柱MPの上端には、後述する谷樋TTが軒桁を兼ねる構造部材として取り付けられている。
0020
本実施例の農業用ハウス1は、図1,2に示す様に、複数対の合掌梁21,21によって屋根構造を構成している。各対の合掌梁21,21は、それぞれ上端に突き合わせ板22,22が溶接固定されている。合掌梁21,21は、それぞれの下端をメイン支柱MPの上端部に取り付けると共に、突き合わせ板22,22同士をボルト締めにより固定することにより、合掌屋根を構成している。
0021
図2(A)に示す様に、片天の西棟4においては、谷樋TTから突合板22,22の上端まで達する長いアーチパイプAPLにフィルムを張って西の屋根面を構成し、谷樋TTから天窓受け部材25まで達する短いアーチパイプAPSにフィルムを張って東の屋根面を構成している。これに対し、両天の中央棟3においては、谷樋TTから天窓受け25まで達する短いアーチパイプAPS,APSにフィルムを張って東西の屋根面を構成している。
0022
突き合わせ板22,22は、合掌梁21,21の上下左右に飛び出す面積を有し、上端部には、それぞれ天窓支持用の平板状のブラケット部材23,23が外に向かって突設する様に溶接固定されている。また、突き合わせ板22,22の下端部には、アングル材を介して上スペースの中央ピラーUCPが垂直に固定されている。この中央ピラーUCPの下端は、各メイン支柱MP,MP間に東西方向に渡された下方梁部材UB1に接合されている。また、中央ピラーUCPの中程やや上側の位置にも合掌梁21,21間に東西方向に渡された上方梁部材UB2も固定されている。この上スペースには、遮光カーテンCTNが設置され、下方梁部材UB1のメイン支柱MP近傍にカーテン巻き取り装置が設置されている。なお、突き合わせ板の西側面には上部中央桁部材UCGもボルト固定されている。
0023
突き合わせ板22,22から外に向かって突設されたブラケット部材23,23には、図2(B),(C),図3に示す様に、上側から外嵌めする様に下向きコの字状の外嵌部材31,31がボルト軸を支点として回動可能となる様に取り付けられている。このボルト軸は、複数対の合掌梁21,21のそれぞれにおいて、水平方向の同一軸線上に位置する様に差し通されている。
0024
ブラケット部材23,23に上方から外嵌めされる外嵌部材31,31の上面には、上向きコ字状の天窓受け部材32,32が溶接固定されている。そして、この天窓受け部材32,32に対して、天窓の回動支点側の上桟33,33が上方から嵌め込まれると共にボルト締めにて固定されている。
0025
天窓5a〜5fは、図4(B)に示す様に、上桟33と先端側の下桟35とを合掌梁の位置ごとに接合する軒方向の横桟34,34,…(4500mmピッチ)とによって梯子状に組み付けられた外枠を備えている。なお、図示は省略したが、横桟34,34,…の中間位置(2250mmピッチ)に、垂木材を組み付けている。そして、図3(A),(B)に示す様に、桟部材33〜35の上面にはフィルム受けレールCUPが、開口部を上向きにして取り付けられている。図示は省略したが、2250mmピッチで取り付けた垂木材の上面にもフィルム受けレールCUPが開口部を上向きにして取り付けられている。これらフィルム受けレールCUPにより、天窓の上面側にフィルムFLMを張り渡すことができる。
0026
また、図4(B)に示す様に、合掌梁21の上面にも天窓受け部材26が取り付けられている。これにより、天窓は、各桟33〜35が天窓受け部材25,26によって下面を受けられた状態で閉じられる。
0027
[谷樋の概要]
次ぎに、本実施例の農業用ハウス1において採用した谷樋TTについて説明する。谷樋TTは、アルミ合金製一体成形品で構成され、図5(A)〜(C)に示す様に、底面部51と、この底面部51の両端から斜め約45度方向に開く様に伸びる下方傾斜部52,52と、下方傾斜部52,52の上端から垂直上方に伸びる垂直部53,53と、垂直部53,53の上端から斜め約45度方向に開く様に伸びる上端傾斜部54,54と、下方傾斜部52,52の内側を連結する内底部55と、内底部55と底面部51とを連結する中央垂直部56と、左右の垂直部53,53の内面側から水平に伸びる水平部57,57と、水平部57,57の先端に外向きに開口する様に形成さたフィルム受け部58,58とからなる左右対称の断面形状を有し、長さ方向にはメイン支柱MP,MP間に掛け渡すことのできる全長(4500mm)を有している。なお、底面部51の幅は、メイン支柱MPの頂面の幅と同一にしている。
0028
上端傾斜部54,54には、アーチパイプAPS,APLの下端をボルト締めにて固定するためのボルト挿通孔が長さ方向所定位置に貫通されている。また、下方傾斜部52,52の長手方向両端部には、合掌梁21,21の取り付けに際してボルト等を挿通させるための合掌取り付け孔群71,71も形成されている。さらに、水平部57,57の長さ方向両端付近と長さ方向中央付近には、図5(C)に示す様に、水抜き孔59が貫通されている。
0029
フィルムFLMは、図5(C)に示す様に、フィルム受け部58に対して、外側から押し込んだ上で固定スプリングSPRにて固定する。また、このフィルム受け部58にはさらに外側からカバー部材CAPを嵌め込み、ビスBISでネジ止め固定される。このとき、ビスBISの先端はフィルム受け部58の裏側に飛び出すが、当該部分は水平部57及びフィルム受け部58の裏側の目隠し空間60となっている。
0030
谷樋TTの底部は、底面部51、下方傾斜部52,52、内底部55及び中央垂直部56により、二つのボックス状空間とされている。このボックス状空間を備えることにより、谷樋TTの曲げ強度が高められ、合掌梁とも接合されることにより、軒桁部材としての役割も果たさせている。
0031
谷樋TTは、フィルム受け部58,58を水平部57,57を介して垂直部53,53の内面に一体に備えているから、フィルム受けレールの取り付け等の作業が不要となる。水平部57,57を介して垂直部53,53とフィルム受け部58,58を一体の構造としたことは、谷樋TTの強度向上にも寄与している。そして、水平部57,57に設けた水抜き孔59が、「利便性向上や強度向上のために備えた水平部57,57に雨水が溜まる」という新たな問題に対する解決手段として効果を発揮する。
0032
[実施例の作用・効果]
次ぎに、実施例の作用・効果を説明する。
0033
(1)天窓の大型化
本実施例では、天窓5a〜5fの回動支点側を、合掌梁21の上端接合部に備えさせた突き合わせ部材22の上部から外側に向かって突設するブラケット部材23で構成すると共に、天窓の桟33〜35を合掌梁21に取り付けた天窓受け部材25,26で受け止める様に構成したから、天窓を大型化することが可能となった。
0034
この結果、図6(A)に示す様に、出願人の実験用圃場(立ち入り制限により秘密管理下にある区域)において、桟部材33〜35として75mm×45mm、板厚1.6mmの鋼製角パイプを長い方の辺を横倒しにした形態で組み立てたものを用いることが可能となり、最も大きい天窓は、幅1500mm、長さ18000mmとすることが可能となった。なお、この例では、天窓受け部材25,26として、桟部材と同じく、75mm×45mm、板厚1.6mmの鋼製角パイプを長い方の辺を横倒しにして取り付けている。
0035
これにより、屋根上での作業の際に、天窓の桟部材の上に作業者が乗って作業をすることも可能となった。また、図6(A)から分かる様に、天窓下の開口部にはアーチパイプが存在せず、採光性が大幅に向上している。なお、図6(A)において符号NETは、天窓の下桟35及び両端の横桟34と天窓受け部材25,26との間に装着した防虫ネットである。図6(A)からは、この防虫ネットNETの部分にアーチパイプが存在せず、採光性が向上していることが明らかである。また、ブラケット部材23を回動支持部とすることで天窓を大きく開くことが可能となり、開口の大きさに加えて開度の大きさによる換気効率の向上が可能となる。
0036
(2)フィルム受け一体型谷樋による作業性の向上
図6(B)は、出願人の実験用圃場(立ち入り制限により秘密管理下にある区域)において実施例の谷樋TTに対してフィルムを張った状態を示している。フィルム受け部58が谷樋両側の垂直部53,53に備わっているから、屋根側のフィルムFLMに加えて側壁側のフィルムFLM2の上端の固定にも谷樋TT用いることができる。この結果、ハウスの側壁上端様のフィルム受けレールを別途取り付けるといった作業が不要となる。また、目隠し空間60により、ビスBISの先端が露出しないから、安全性が高まり、点検作業等における作業性も向上する。
0037
(3)谷樋水平部の水抜き孔
実施例では、フィルム受け一体型とするために備えさせた水平部57に水抜き孔59を設け、「水平部に雨水が溜まる」という新たな問題をも解決している。
0038
(4)天窓受け部材と谷樋による部品点数節減効果
合掌梁21及びメイン支柱MPに対して、接合した天窓受け部材25及び谷樋TTが、天窓受けや谷樋としての機能に加えて、農業用ハウス1における長手方向の構造強度メンバーとしても機能する。この結果、ハウスの構造強度を発揮させるための構成を簡素化することが可能となり、ハウス全体の部品点数の節減が可能となった。
0039
実施例2の農業用ハウスにおいては、図7に示す様に、下向きコ字状断面を呈し、合掌梁21,21の接合部の屋根傾斜に対応するハの字状に組み合わされる合掌梁接合金具81,81同士の間に挟み込まれる様に板状部材82を取り付け、この板状部材82の表面に、コの字の開放側を外向きとする様に取り付けらた断面コ字状の金具によって屋根側接合金具83,83を構成している。また、天窓側については、平板状の窓側接合金具85を上桟33の下面に取り付けてある。なお、この窓側接合金具85は、上桟の長さ方向に4500mm間隔で溶接固定されている。
0041
こうして合掌梁同士の上端部の接合ができたら、屋根側接合金具83に対して窓側接合金具85をコの字の中に挿入する様に差し込み、各1本のボルトで抜け止め固定する。このとき、ハウスの長さ方向に対し、4500mm間隔で設置される合掌梁の上端接合部において、屋根側接合金具83に形成したボルト挿通孔84は全て水平方向の同一軸線上に位置する様に心出しされている。この心出しは、合掌接合金具81,81と板状部材82とを一体にしたものを用いて合掌梁21,21の上端部を接合することにより、容易に達成される。この結果、ハウスの長さ方向の複数箇所においてボルトで連結しているにもかかわらず、これらボルトが同一軸線上に位置した状態となる。
0042
(5)実施例2に特有の効果
合掌梁の上端の接合や屋根側接合金具の軸合わせが容易になり、天窓の開き方向への回動角度をより大きくすることができる。
0044
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内においてさらに種々の形態を採用することができることはもちろんである。
実施例
0045
例えば、実施例1における様な合掌梁と一体としたり、実施例2における様に合掌梁接合金物と一体とせずに、合掌梁同士を接合する際に垂直上方に伸びる様に板状部材を挟み込む構成としてもよい。
0047
1・・・農業用ハウス、2・・・東棟、3・・・中央棟、4・・・西棟、5a,5b,5c,5d,5e,5f・・・天窓、6・・・シャッター、7,8,9・・・引き戸、
21・・・合掌梁、22・・・突き合わせ板、23・・・ブラケット部材、25,26・・・天窓受け部材、31・・・外嵌部材、32・・・天窓受け部材、33・・・上桟、34・・・横桟、35・・・下桟、51・・・底面部、52・・・下方傾斜部、53・・・垂直部、54・・・上端傾斜部、55・・・内底部、56・・・中央垂直部、57・・・水平部、58・・・フィルム受け部、59・・・水抜き孔、60・・・目隠し空間、71・・・合掌取り付け孔群、81・・・合掌梁接合金具、82・・・板状部材、83・・・屋根側接合金具、84・・・ボルト挿通孔、85・・・窓側接合金具、
APL・・・長いアーチパイプ、APS・・・短いアーチパイプ、BIS・・・ビス、
CAP・・・カバー部材、CTN・・・遮光カーテン、CUP・・・フィルム受けレール、FLM,FLM2・・・フィルム、MP・・・メイン支柱、NET・・・防虫ネット、SPR・・・固定スプリング、TT・・・谷樋、UB1・・・下方梁部材、UB2・・・上方梁部材、UCG・・・上部中央桁部材、UCP・・・中央ピラー。