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技術 圧電振動フィルタのバランス調整方法

出願人 株式会社大真空
発明者 前田浩
出願日 2019年2月18日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-026887
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-136873
状態 未査定
技術分野 圧電・機械振動子,遅延・フィルタ回路
主要キーワード 非対称波 対称波 共振スペクトル 小型通信機器 不適合品 周波数ピーク 帯域調整 設定レート
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

バランス調整が行えない不適合品の割合を減らし、歩留まりを向上させることのできる圧電振動フィルタバランス調整方法を提供する。

解決手段

ポールフィルタ部を含む圧電振動フィルタ100のバランス調整方法として、フィルタ部に対し、入力電極103と共通電極102とが対向する第1共振領域共振周波数F1の単独波形と、出力電極104と共通電極102とが対向する第2共振領域の共振周波数F2の単独波形とをそれぞれ測定する。そして、測定される2つの共振周波数F1およびF2の単独波形の位相が一致するようにバランス調整を行う。

概要

背景

MCF(Monolithic Crystal Filter:水晶フィルタ)などの圧電振動フィルタは、例えばハンディタイプ小型通信機器などの周波数選択手段として用いられている。図1は、圧電振動フィルタ100の一般的な構成を示す側面図である。

圧電振動フィルタ100では、圧電振動板101の一主面S1に共通電極102が形成され、他主面S2に入力電極103および出力電極104がギャップGを介して並んで形成されている。共通電極102は、入力電極103、出力電極104およびギャップGのすべての形成領域と対向するように形成されている。また、共通電極102、入力電極103および出力電極104の各電極膜は、例えば、クロム下地金属とし、その上部に銀を蒸着した構成が用いられる。

図1に示す圧電振動フィルタ100の周波数特性は、図2(a)に示す対称モード(厚みすべり対称波)と、図2(b)に示す斜対称モード(厚みねじれ非対称波)との相互作用によって決定される。尚、図2において、縦軸変位強度を示し、横軸は圧電振動フィルタ100の表面のある一点からの距離を示す。

圧電振動フィルタ100における各電極膜のサイズ、膜厚および配置などは、圧電振動フィルタ100が所望の周波数特性(すなわち製品規格に合った周波数特性)を有するように設計されている。しかしながら、実際には、電極膜成膜するのみで所望の周波数特性が得られることは少なく、電極膜の成膜後に、圧電振動フィルタ100の周波数特性を所望の値に合わせ込むための周波数調整が必要となる。このような周波数調整は、所定領域の電極膜に対してパーシャル蒸着などの手法により膜厚を増加(膜付加)させる方法(いわゆるパーシャル調整)、あるいは、所定領域の電極膜に対してイオンビーム照射などの手法により膜厚を減少(膜除去)させる方法(いわゆるイオンパーシャル調整)などで行われる。

圧電振動フィルタ100の周波数調整としては、
バランス調整
帯域調整(Fs調整、Fa調整)
・全面調整
の3種類の工程がこの順序で実施される(例えば、特許文献1)。尚、これらの各工程は、圧電振動フィルタ100のその時点の周波数特性に応じて選択的に実施され、調整の必要がない場合には一部の工程が省略されることもある。

バランス調整は、入力電極103と共通電極102とが対向してなる第1共振領域における共振周波数F1と、出力電極104と共通電極102とが対向してなる第2共振領域における共振周波数F2との合わせ込みを行う工程である。具体的には、バランス調整では、第1共振領域および第2共振領域の何れか一方の共通電極102の膜厚を相対的に増加させることで、共振周波数F1と共振周波数F2とを一致させる。

帯域調整は、圧電振動フィルタの通過帯域幅の調整を行うものであって、対称モードと斜対称モードとの帯域を広げたり狭めたりする工程である。尚、帯域調整には、主に対称モードの振動周波数Fsを変化させるFs調整と主に斜対称モードの振動周波数Faを変化させるFa調整とがあり、一方が通過帯域幅を広げる作用を有し、他方が通過帯域幅を狭める作用を有する。

全面調整は、圧電振動フィルタの中心周波数の合わせ込みを行う工程であって、共通電極102の膜厚を全体的に増加または減少させることにより、通過帯域幅を変化させることなく中心周波数の調整のみを行うものである。

上述した3種類の工程のうち、バランス調整においては、圧電振動フィルタ100のバランス波形を確認しながら、共通電極102に対してパーシャル調整もしくはイオンパーシャル調整を行う。例えば、F1>F2の場合、パーシャル調整では第1共振領域の共通電極102の膜厚を増加させ、イオンパーシャル調整では第2共振領域の共通電極102の膜厚を減少させる。逆に、F1<F2の場合、パーシャル調整では第2共振領域の共通電極102の膜厚を増加させ、イオンパーシャル調整では第1共振領域の共通電極102の膜厚を減少させる。

従来のバランス調整においては、ショートサーキット法と称する方法にて圧電振動フィルタのバランス波形を確認する方法が知られている(例えば、特許文献2)。図3(a),(b)は、ショートサーキット法における電極接続方法を示す図である。図4(a),(b)は、図3(a),(b)の場合に測定されるバランス波形(共振スペクトル波形)の一例を示す図である。

図3(a)に示す接続では、バランス波形を測定する制御装置10の第1端子t1に圧電振動フィルタ100の共通電極102および入力電極103を接続し、第2端子t2に出力電極104を接続する。圧電振動フィルタ100において共振周波数F1およびF2のバランスが合っていない場合、図3(a)の接続状態で得られるバランス波形の一例は、図4(a)に示すようなものとなる。このバランス波形においては、振動周波数Fsおよび振動周波数Faに対応する2つのピークが存在しているが、それぞれのピークのレベルLsおよびLaは異なっている。また、この時のレベルLsおよびLaの差の絶対値|Ls−La|をレベル差ΔLとする。

図3(b)に示す接続では、バランス波形を測定する制御装置10の第1端子t1に圧電振動フィルタ100の共通電極102および出力電極104を接続し、第2端子t2に入力電極103を接続する。圧電振動フィルタ100が図3(a)の接続時と同じものである場合、図3(b)の接続状態で得られるバランス波形は、図4(b)に示すようなものとなる。図4(b)に示すバランス波形は、図4(a)に示すバランス波形とは、振動周波数Fsおよび振動周波数Faに対するレベルLsおよびLaの大きさが逆となるが、レベル差ΔLの大きさは図4(a)に示すバランス波形と同じとなる。

ショートサーキット法を用いるバランス調整では、図3(a)または図3(b)の何れかの波形を見ながらパーシャル調整もしくはイオンパーシャル調整を行い、レベル差ΔLの大きさが所定の範囲内となるように調整する。例えば、パーシャル調整によるバランス調整を行う場合、図3(b)の接続状態のままで図5に示すバランス波形が得られるように、出力電極104の膜厚を増加させる。レベル差ΔLの大きさが所定の範囲内となった時、すなわち振動周波数Fsおよび振動周波数Faに対するレベルLsおよびLaがほぼ同じ大きさとなった時、共振周波数F1および共振周波数F2もほぼ同じ大きさとなることが知られている。

概要

バランス調整が行えない不適合品の割合を減らし、歩留まりを向上させることのできる圧電振動フィルタのバランス調整方法を提供する。2ポールフィルタ部を含む圧電振動フィルタ100のバランス調整方法として、フィルタ部に対し、入力電極103と共通電極102とが対向する第1共振領域の共振周波数F1の単独波形と、出力電極104と共通電極102とが対向する第2共振領域の共振周波数F2の単独波形とをそれぞれ測定する。そして、測定される2つの共振周波数F1およびF2の単独波形の位相が一致するようにバランス調整を行う。

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、バランス調整が行えない不適合品の割合を減らし、歩留まりを向上させることのできる圧電振動フィルタのバランス調整方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ポールフィルタ部を含む圧電振動フィルタバランス調整方法であって、前記フィルタ部に対し、入力電極共通電極とが対向する第1共振領域共振周波数F1の単独波形と、出力電極と共通電極とが対向する第2共振領域の共振周波数F2の単独波形とをそれぞれ測定し、測定される2つの共振周波数F1およびF2の単独波形の位相が一致するようにバランス調整することを特徴とする圧電振動フィルタのバランス調整方法。

請求項2

請求項1に記載のバランス調整方法であって、共振周波数F1およびF2の両方の単独波形をリアルタイムに確認しながら共振周波数F1およびF2の位相を一致させることを特徴とする圧電振動フィルタのバランス調整方法。

請求項3

請求項1または2に記載のバランス調整方法であって、前記バランス調整をパーシャル調整にて行うものであり、共振周波数F1およびF2のうち、値が高い方の共振周波数を値が低い方の共振周波数に合わせることを特徴とする圧電振動フィルタのバランス調整方法。

請求項4

請求項1または2に記載のバランス調整方法であって、前記バランス調整をイオンパーシャル調整にて行うものであり、共振周波数F1およびF2のうち、値が低い方の共振周波数を値が高い方の共振周波数に合わせることを特徴とする圧電振動フィルタのバランス調整方法。

技術分野

0001

本発明は、圧電振動フィルタバランス調整方法に関する。

背景技術

0002

MCF(Monolithic Crystal Filter:水晶フィルタ)などの圧電振動フィルタは、例えばハンディタイプ小型通信機器などの周波数選択手段として用いられている。図1は、圧電振動フィルタ100の一般的な構成を示す側面図である。

0003

圧電振動フィルタ100では、圧電振動板101の一主面S1に共通電極102が形成され、他主面S2に入力電極103および出力電極104がギャップGを介して並んで形成されている。共通電極102は、入力電極103、出力電極104およびギャップGのすべての形成領域と対向するように形成されている。また、共通電極102、入力電極103および出力電極104の各電極膜は、例えば、クロム下地金属とし、その上部に銀を蒸着した構成が用いられる。

0004

図1に示す圧電振動フィルタ100の周波数特性は、図2(a)に示す対称モード(厚みすべり対称波)と、図2(b)に示す斜対称モード(厚みねじれ非対称波)との相互作用によって決定される。尚、図2において、縦軸変位強度を示し、横軸は圧電振動フィルタ100の表面のある一点からの距離を示す。

0005

圧電振動フィルタ100における各電極膜のサイズ、膜厚および配置などは、圧電振動フィルタ100が所望の周波数特性(すなわち製品規格に合った周波数特性)を有するように設計されている。しかしながら、実際には、電極膜成膜するのみで所望の周波数特性が得られることは少なく、電極膜の成膜後に、圧電振動フィルタ100の周波数特性を所望の値に合わせ込むための周波数調整が必要となる。このような周波数調整は、所定領域の電極膜に対してパーシャル蒸着などの手法により膜厚を増加(膜付加)させる方法(いわゆるパーシャル調整)、あるいは、所定領域の電極膜に対してイオンビーム照射などの手法により膜厚を減少(膜除去)させる方法(いわゆるイオンパーシャル調整)などで行われる。

0006

圧電振動フィルタ100の周波数調整としては、
バランス調整
帯域調整(Fs調整、Fa調整)
・全面調整
の3種類の工程がこの順序で実施される(例えば、特許文献1)。尚、これらの各工程は、圧電振動フィルタ100のその時点の周波数特性に応じて選択的に実施され、調整の必要がない場合には一部の工程が省略されることもある。

0007

バランス調整は、入力電極103と共通電極102とが対向してなる第1共振領域における共振周波数F1と、出力電極104と共通電極102とが対向してなる第2共振領域における共振周波数F2との合わせ込みを行う工程である。具体的には、バランス調整では、第1共振領域および第2共振領域の何れか一方の共通電極102の膜厚を相対的に増加させることで、共振周波数F1と共振周波数F2とを一致させる。

0008

帯域調整は、圧電振動フィルタの通過帯域幅の調整を行うものであって、対称モードと斜対称モードとの帯域を広げたり狭めたりする工程である。尚、帯域調整には、主に対称モードの振動周波数Fsを変化させるFs調整と主に斜対称モードの振動周波数Faを変化させるFa調整とがあり、一方が通過帯域幅を広げる作用を有し、他方が通過帯域幅を狭める作用を有する。

0009

全面調整は、圧電振動フィルタの中心周波数の合わせ込みを行う工程であって、共通電極102の膜厚を全体的に増加または減少させることにより、通過帯域幅を変化させることなく中心周波数の調整のみを行うものである。

0010

上述した3種類の工程のうち、バランス調整においては、圧電振動フィルタ100のバランス波形を確認しながら、共通電極102に対してパーシャル調整もしくはイオンパーシャル調整を行う。例えば、F1>F2の場合、パーシャル調整では第1共振領域の共通電極102の膜厚を増加させ、イオンパーシャル調整では第2共振領域の共通電極102の膜厚を減少させる。逆に、F1<F2の場合、パーシャル調整では第2共振領域の共通電極102の膜厚を増加させ、イオンパーシャル調整では第1共振領域の共通電極102の膜厚を減少させる。

0011

従来のバランス調整においては、ショートサーキット法と称する方法にて圧電振動フィルタのバランス波形を確認する方法が知られている(例えば、特許文献2)。図3(a),(b)は、ショートサーキット法における電極接続方法を示す図である。図4(a),(b)は、図3(a),(b)の場合に測定されるバランス波形(共振スペクトル波形)の一例を示す図である。

0012

図3(a)に示す接続では、バランス波形を測定する制御装置10の第1端子t1に圧電振動フィルタ100の共通電極102および入力電極103を接続し、第2端子t2に出力電極104を接続する。圧電振動フィルタ100において共振周波数F1およびF2のバランスが合っていない場合、図3(a)の接続状態で得られるバランス波形の一例は、図4(a)に示すようなものとなる。このバランス波形においては、振動周波数Fsおよび振動周波数Faに対応する2つのピークが存在しているが、それぞれのピークのレベルLsおよびLaは異なっている。また、この時のレベルLsおよびLaの差の絶対値|Ls−La|をレベル差ΔLとする。

0013

図3(b)に示す接続では、バランス波形を測定する制御装置10の第1端子t1に圧電振動フィルタ100の共通電極102および出力電極104を接続し、第2端子t2に入力電極103を接続する。圧電振動フィルタ100が図3(a)の接続時と同じものである場合、図3(b)の接続状態で得られるバランス波形は、図4(b)に示すようなものとなる。図4(b)に示すバランス波形は、図4(a)に示すバランス波形とは、振動周波数Fsおよび振動周波数Faに対するレベルLsおよびLaの大きさが逆となるが、レベル差ΔLの大きさは図4(a)に示すバランス波形と同じとなる。

0014

ショートサーキット法を用いるバランス調整では、図3(a)または図3(b)の何れかの波形を見ながらパーシャル調整もしくはイオンパーシャル調整を行い、レベル差ΔLの大きさが所定の範囲内となるように調整する。例えば、パーシャル調整によるバランス調整を行う場合、図3(b)の接続状態のままで図5に示すバランス波形が得られるように、出力電極104の膜厚を増加させる。レベル差ΔLの大きさが所定の範囲内となった時、すなわち振動周波数Fsおよび振動周波数Faに対するレベルLsおよびLaがほぼ同じ大きさとなった時、共振周波数F1および共振周波数F2もほぼ同じ大きさとなることが知られている。

先行技術

0015

特許第3965681号公報
特開平6−140861号公報

発明が解決しようとする課題

0016

図4(a),(b)に示すバランス波形は、ショートサーキット法によって得られるバランス波形の典型的なものであるが、実際には、バランス調整前の圧電振動フィルタに対して、常にこのようなバランス波形が得られるわけではない。例えば、レベルLsおよびLaの一方が小さすぎたり、あるいは振動周波数Fsおよび振動周波数Faに対応する2つのピークが離れすぎたりしている場合など、図4(a),(b)に示すような典型的なバランス波形が得られないことも多い。

0017

そして、典型的なバランス波形が得られなかった場合は、上述した手順でのバランス調整が行えないこともある。そのような場合、その圧電振動フィルタはバランス調整が行えない不適合品として破棄される。すなわち、ショートサーキット法では、バランス調整が行えない不適合品が一定数発生し、歩留まり低下の要因となるといった問題がある。

0018

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、バランス調整が行えない不適合品の割合を減らし、歩留まりを向上させることのできる圧電振動フィルタのバランス調整方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0019

上記の課題を解決するために、本発明は、2ポールフィルタ部を含む圧電振動フィルタのバランス調整方法であって、前記フィルタ部に対し、入力電極と共通電極とが対向する第1共振領域の共振周波数F1の単独波形と、出力電極と共通電極とが対向する第2共振領域の共振周波数F2の単独波形とをそれぞれ測定し、測定される2つの共振周波数F1およびF2の単独波形の位相が一致するようにバランス調整することを特徴としている。

0020

上記の構成によれば、共振周波数F1および共振周波数F2の単独波形は、ショートサーキット法で使用するバランス波形に比べて周波数ピークの認識が容易であり、波形内の周波数ピークを認識できずにバランス調整が行えないといったことが大幅に低減される。すなわち、バランス調整が行えないことによる歩留まりの低下を抑制することができる。

0021

また、上記圧電振動フィルタのバランス調整方法は、共振周波数F1およびF2の両方の単独波形をリアルタイムに確認しながら共振周波数F1およびF2の位相を一致させる構成とすることができる。

0022

上記の構成によれば、両方の単独波形を確認しながら調整することにより、位相の合わせ込みが容易となる。例えば、パーシャルまたはイオンパーシャルにて共振周波数F1側の調整を行う場合、実際には共振周波数F2の値も同時に変化するが、波形をリアルタイムに確認することで調整の終了タイミングが明確となる。

0023

また、上記圧電振動フィルタのバランス調整方法は、前記バランス調整をパーシャル調整にて行うものであり、共振周波数F1およびF2のうち、値が高い方の共振周波数を値が低い方の共振周波数に合わせる構成とすることができる。

0024

また、上記圧電振動フィルタのバランス調整方法は、前記バランス調整をイオンパーシャル調整にて行うものであり、共振周波数F1およびF2のうち、値が低い方の共振周波数を値が高い方の共振周波数に合わせる構成とすることができる。

発明の効果

0025

本発明の圧電振動フィルタのバランス調整方法は、バランス調整に用いる共振周波数F1および共振周波数F2の単独波形において、周波数ピークの認識が容易であり、波形内の周波数ピークを認識できずにバランス調整が行えないといったことが大幅に低減される。このため、バランス調整が行えないことによる歩留まりの低下を抑制することができるといった効果を奏する。

図面の簡単な説明

0026

2ポールの圧電振動フィルタの一般的な構成を示す側面図である。
2ポールの圧電振動フィルタの振動モードを示すグラフであり、(a)は対称モード、(b)は斜対称モードを示している。
(a),(b)は、ショートサーキット法における電極の接続方法を示す図である。
(a),(b)は、図3(a),(b)の場合に測定されるバランス波形の一例を示す図である。
バランス調整が行われた後の圧電振動フィルタに対し、ショートサーキット法で測定されるバランス波形の一例を示す図である。
(a),(b)は、本発明の一実施形態に係るバランス波形の測定における電極の接続方法を示す図である。
(a),(b)は、図6(a),(b)の場合に測定されるバランス波形の一例を示す図である。
バランス調整を施す前の圧電振動フィルタに対して、図7(a),(b)に示すバランス波形を同じ座標軸上で重ね合わせた図である。
バランス調整を施された圧電振動フィルタに対して、図7(a),(b)に示すバランス波形を同じ座標軸上で重ね合わせた図である。

実施例

0027

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明は、圧電振動フィルタの周波数調整のうち、特にバランス調整に関するものであり、本実施の形態に係る圧電振動フィルタの基本構造は、図1に示したものと同じであってよい。

0028

本実施の形態に係るバランス調整方法は、従来のショートサーキット法とは異なる方法で圧電振動フィルタの共振スペクトル波形を測定し、その共振スペクトル波形に基づいてバランス調整(電極膜の増減)を行うものである。尚、この時のバランス調整は、上述したパーシャル調整およびイオンパーシャル調整の何れで行われるものであってもよい。

0029

図6(a),(b)は、本実施の形態に係るバランス調整を行う際の、共振周波数F1またはF2の共振スペクトル波形測定のための電極の接続方法を示す図である。図7(a),(b)は、図6(a),(b)の場合に測定される共振スペクトル波形の一例を示す図である。

0030

図6(a)に示す接続では、共振スペクトル波形を測定する制御装置10の第1端子t1に圧電振動フィルタ100の共通電極102を接続し、第2端子t2に入力電極103を接続する。図6(a)の接続状態で得られる共振スペクトル波形の一例は、図7(a)に示すようなものとなる。この共振スペクトル波形においては、第1共振領域における共振周波数F1に対応する1つのピークが存在している。以下の、図6(a)の接続状態で得られる共振スペクトル波形を、共振周波数F1の単独波形と称する。

0031

図6(b)に示す接続では、共振スペクトル波形を測定する制御装置10の第1端子t1に圧電振動フィルタ100の共通電極102を接続し、第2端子t2に出力電極104を接続する。図6(b)の接続状態で得られる共振スペクトル波形の一例は、図7(b)に示すようなものとなる。この共振スペクトル波形においては、第2共振領域における共振周波数F2に対応する1つのピークが存在している。以下の、図6(b)の接続状態で得られる共振スペクトル波形を、共振周波数F2の単独波形と称する。

0032

図6(a)および図6(b)に示す接続は、制御装置10と圧電振動フィルタ100との間の図示しないリレー装置切替によって、接続状態が切替えられるようにすることが好ましい。これにより、共振周波数F1の単独波形と共振周波数F2の単独波形とが容易に切り替えられるようになる。

0033

図8は、バランス調整を施す前の(共振周波数F1およびF2のバランスが合っていない)圧電振動フィルタ100に対して、共振周波数F1の単独波形と共振周波数F2の単独波形とを同じ座標軸上で重ね合わせたものである。図8に示すように、バランス調整を施す前の圧電振動フィルタ100では、共振周波数F1および共振周波数F2が一致しておらず、波形のピークがずれていることが分かる。

0034

そして、本実施の形態に係るバランス調整では、それぞれ単独に測定された2つの共振周波数F1およびF2を一致させるように、すなわち、共振周波数F1の単独波形と共振周波数F2の単独波形との位相を一致させるようにバランス調整を行う。その具体的な手順を以下に説明する。

0035

まず、図8に示す2つの単独波形から、共振周波数F1およびF2の何れに対して調整を行うかを決定する。これについては、バランス調整をイオンパーシャル調整で行う場合には、周波数の低い方(図8の例では共振周波数F1)を高い方(図8の例では共振周波数F2)に合わせるようにバランス調整を行う。この時は、第1共振領域の共通電極102の膜厚を減少させる。また、バランス調整をパーシャル調整で行う場合には、逆に周波数の高い方(図8の例では共振周波数F2)を低い方(図8の例では共振周波数F1)に合わせるようにバランス調整を行う。この時は、第2共振領域の共通電極102の膜厚を増加させる。

0036

バランス調整においては、共振周波数F1の単独波形と共振周波数F2の単独波形との位相を一致させるように、共通電極102の膜厚を制御する。このようなバランス調整の実施により、共振周波数F1およびF2の2つの単独波形は、図9に示すように互いに重なり合った状態となる。すなわち、図9は、バランス調整を施した圧電振動フィルタ100に対して、共振周波数F1の単独波形と共振周波数F2の単独波形とを同じ座標軸上で重ね合わせたものとなる。

0037

また、この時、共振周波数F1およびF2の両方の単独波形をリアルタイムに確認しながら共振周波数F1およびF2の位相を一致させることが好ましい。共振周波数F1またはF2の単独波形測定時には、当然ながら共振周波数F1またはF2の値も測定可能である。そのため、共振周波数F1を共振周波数F2に合わせるようにバランス調整を行う場合、調整前の共振周波数F1を調整前の共振周波数F2に一致させるように調整を行うことが考えられる。具体的には、バランス調整の設定レートに応じて調整時間を設定することにより、共振周波数F1を所望の周波数までシフトさせることができる。

0038

しかしながら、この場合、実施する調整が共振周波数F1に対する調整であっても、その調整によって共振周波数F1だけでなく共振周波数F2までもがシフトする。また、この時の共振周波数F2のシフトは、+側および−側の何れにも発生する。したがって、調整前の共振周波数F1を調整前の共振周波数F2に一致させるように調整を行うだけでは、その調整後に共振周波数F1と共振周波数F2とが一致しているとは限らない。このため、共振周波数F1と共振周波数F2とが一致するまで、複数回の調整作業が必要になる可能性が高い。

0039

一方、共振周波数F1およびF2の両方の単独波形をリアルタイムに確認しながら調整することにより、位相の合わせ込みが容易となる。すなわち、2つの単独波形をリアルタイムに確認しながら、2つの単独波形の重なった時点で調整を終了すればよく、調整の終了タイミングが明確となる。

0040

本実施の形態に係るバランス調整では、共振周波数F1の単独波形と共振周波数F2の単独波形とをそれぞれ測定し、これらの単独波形の位相が一致するようにバランス調整を行う。この場合、測定されるそれぞれの単独波形は、ショートサーキット法で測定されるバランス波形に比べて、波形における周波数ピークの認識が容易である。このため、波形内の周波数ピークを認識できずにバランス調整が行えないといったことが大幅に低減され、このようなバランス調整が行えないことによる歩留まりの低下を抑制することができる。

0041

尚、上記説明のバランス調整においては、最初のバランス波形の認識時に、1つのバランス波形の中に複数のピークがあり、どちらのピークを用いるべきかが分からない場合などに、本来と逆のバランス調整が行われてしまうことがある。逆のバランス調整が行われた場合には、バランスは崩れる方向に動き、周波数で見た場合は共振周波数F1およびF2は互いに離れて行く。

0042

このように、バランス調整によってバランスが崩れる方向に動いた場合は、さらに逆側のバランス調整を強制的に行い調整すればよい。例えば、イオンパーシャル調整によって共振周波数F1を共振周波数F2に合わせるようにバランス調整を行う場合は、第1共振領域の共通電極102の膜厚を減少させる。しかしながら、このバランス調整によって共振周波数F1が共振周波数F2から離れる方向に移動した場合は、逆側のバランス調整として、共振周波数F2を共振周波数F1に合わせるようにバランス調整を行えばよい。具体的には、イオンパーシャル調整では、第2共振領域の共通電極102の膜厚を減少させればよい。

0043

また、バランス調整で共振周波数F1およびF2が互いに離れて行く場合だけでなく、バランス調整で共振周波数F1およびF2が動かないような場合にも、逆側のバランス調整を強制的に行うようにしてもよい。

0044

また、上記説明では、2ポールの圧電振動フィルタに対してバランス調整を行う場合を例示した。尚、2ポールの圧電振動フィルタは、1枚の圧電振動板に対して、一方の面に1つの共通電極を形成し、他方の面に2つの電極、すなわち入力電極および出力電極を形成した構成となる。但し、上記説明におけるバランス調整は、4ポールの圧電振動フィルタに対しても適用可能である。すなわち、4ポールの圧電振動フィルタは、1枚の圧電振動板に対して2ポールのフィルタ部を2つ並べて形成したものである。したがって、それぞれのフィルタ部に対して上述した2ポールの圧電振動フィルタに対するバランス調整方法をそのまま適用することができる。また、2ポールの圧電振動フィルタは、2ポールのフィルタ部を1つだけ含む圧電振動フィルタであると解釈される。

0045

今回開示した実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。

0046

10制御装置
100圧電振動フィルタ
101圧電振動板
102共通電極
103入力電極
104 出力電極

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