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技術 アンテナモジュール、移動通信装置、車両、切替方法、及びコンピュータプログラム

出願人 住友電気工業株式会社
発明者 大西政彦
出願日 2019年2月15日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2019-025467
公開日 2020年8月31日 (5ヶ月経過) 公開番号 2020-136807
状態 未査定
技術分野 移動無線通信システム 無線伝送方式一般(ダイバーシチ方式等)
主要キーワード 過去直近 各位相器 指向性制御回路 送受信範囲 アレイアンテナ構成 合成分配器 重複範囲 四角錐台
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年8月31日)のものです。
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図面 (12)

課題

速やかにアレイアンテナ切り替えることができるアンテナモジュールを提供する。

解決手段

アンテナモジュールは、基地局装置無線通信する移動通信装置に用いられるアンテナモジュールであって、前記移動通信装置の周囲各方向のうち第1範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能な第1アレイアンテナ、及び、前記移動通信装置の周囲各方向のうち前記第1範囲と隣り合う第2範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能な第2アレイアンテナを含む複数のアレイアンテナと、前記第1アレイアンテナ及び前記第2アレイアンテナのいずれか一方のアンテナが、前記基地局装置との無線通信に使用する対象アンテナとして前記基地局装置との無線通信に使用されているときに、前記選択中のアンテナを前記一方のアンテナから他方のアンテナへ切り替える切替処理を実行する切替部と、を備える。

概要

背景

特許文献1及び非特許文献1には、第5世代移動通信システムによる無線通信が可能な移動通信装置を車両に搭載することについて開示されている。

概要

速やかにアレイアンテナ切り替えることができるアンテナモジュールを提供する。 アンテナモジュールは、基地局装置と無線通信する移動通信装置に用いられるアンテナモジュールであって、前記移動通信装置の周囲各方向のうち第1範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能な第1アレイアンテナ、及び、前記移動通信装置の周囲各方向のうち前記第1範囲と隣り合う第2範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能な第2アレイアンテナを含む複数のアレイアンテナと、前記第1アレイアンテナ及び前記第2アレイアンテナのいずれか一方のアンテナが、前記基地局装置との無線通信に使用する対象アンテナとして前記基地局装置との無線通信に使用されているときに、前記選択中のアンテナを前記一方のアンテナから他方のアンテナへ切り替える切替処理を実行する切替部と、を備える。

目的

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、速やかにアレイアンテナを切り替えることができる技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基地局装置無線通信する移動通信装置に用いられるアンテナモジュールであって、前記移動通信装置の周囲各方向のうち第1範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能な第1アレイアンテナ、及び、前記移動通信装置の周囲各方向のうち前記第1範囲と隣り合う第2範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能な第2アレイアンテナを含む複数のアレイアンテナと、前記複数のアレイアンテナによる受信信号それぞれの通信品質に基づいて、前記複数のアレイアンテナの中から前記基地局装置との無線通信に使用する対象アンテナを選択する選択部と、前記第1アレイアンテナ及び前記第2アレイアンテナのいずれか一方のアンテナが、前記対象アンテナに選択されて前記基地局装置との無線通信に使用されているときに、前記対象アンテナを前記一方のアンテナから他方のアンテナへ切り替え切替処理を実行する切替部と、を備えるアンテナモジュール。

請求項2

前記第1アレイアンテナが形成する第1ビーム指向方向を前記第1範囲内で制御する第1指向性制御部と、前記第2アレイアンテナが形成する第2ビームの指向方向を前記第2範囲内で制御する第2指向性制御部と、をさらに備え、前記第1指向性制御部は、前記基地局装置からの信号の到来方向に応じて前記第1ビームの指向方向を制御し、前記第2指向性制御部は、前記基地局装置からの信号の到来方向に応じて前記第2ビームの指向方向を制御し、前記切替部は、前記第1指向性制御部又は前記第2指向性制御部によって制御される前記一方のアンテナが形成するビームの指向方向に基づいて、前記切替処理を実行するか否かを判定する請求項1に記載のアンテナモジュール。

請求項3

前記第1範囲と前記第2範囲とは、互いに重複する重複範囲を含み、前記一方のアンテナが形成するビームの指向方向が前記重複範囲内である場合、前記切替処理を実行する請求項2に記載のアンテナモジュール。

請求項4

前記第1範囲と前記第2範囲とは、互いに重複する重複範囲を含み、前記切替部は、前記一方のアンテナが形成するビームの指向方向が前記重複範囲内である場合、前記一方のアンテナが形成するビームの過去直近の指向方向が、前記重複範囲外であるか否かを判定し、前記判定結果が否定的である場合、前記切替処理を実行しない請求項2に記載のアンテナモジュール。

請求項5

前記切替部は、前記一方のアンテナが形成するビームの指向方向が、前記重複範囲外において前記重複範囲側へ近づくように制御されたか否かを判定し、前記判定結果が肯定的である場合、前記他方のアンテナが形成するビームの指向方向を前記重複範囲に対応する方向へ向くように制御させる請求項3又は請求項4に記載のアンテナモジュール。

請求項6

前記切替部は、前記移動通信装置における前記基地局装置の方向を示す方向情報に基づいて、前記切替処理を実行するか否かを判定する請求項1に記載のアンテナモジュール。

請求項7

前記第1範囲と前記第2範囲とは、互いに重複する重複範囲を含み、前記切替部は、前記方向情報が示す前記基地局装置の方向が前記重複範囲内である場合、前記切替処理を実行する請求項6に記載のアンテナモジュール。

請求項8

前記切替部は、前記方向情報に加え、前記移動通信装置が搭載される移動体の速度及び加速度の少なくともいずれか一方を加味して、前記切替処理を実行するか否かを判定する請求項6又は請求項7に記載のアンテナモジュール。

請求項9

請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のアンテナモジュールを備えた移動通信装置。

請求項10

請求項9に記載の移動通信装置を備えた車両。

請求項11

基地局装置と無線通信する移動通信装置に用いられるアンテナモジュールが有する複数のアレイアンテナに含まれる第1アレイアンテナ及び第2アレイアンテナの切替方法であって、前記第1アレイアンテナは、前記移動通信装置の周囲各方向のうち第1範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能であり、前記第2アレイアンテナは、前記移動通信装置の周囲各方向のうち前記第1範囲と隣り合う第2範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能であり、前記複数のアレイアンテナによる受信信号それぞれの通信品質に基づいて、前記複数のアレイアンテナの中から前記基地局装置との無線通信に使用する対象アンテナを選択するステップと、前記第1アレイアンテナ及び前記第2アレイアンテナのいずれか一方のアンテナが、前記対象アンテナに選択されて前記基地局装置との無線通信に使用されているときに、前記対象アンテナを前記一方のアンテナから他方のアンテナへ切り替える切替処理を実行するステップと、を含む切替方法。

請求項12

基地局装置と無線通信する移動通信装置に用いられるアンテナモジュールが有する複数のアレイアンテナに含まれる第1アレイアンテナ及び第2アレイアンテナの切替処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記第1アレイアンテナは、前記移動通信装置の周囲各方向のうち第1範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能であり、前記第2アレイアンテナは、前記移動通信装置の周囲各方向のうち前記第1範囲と隣り合う第2範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能であり、コンピュータに前記複数のアレイアンテナによる受信信号それぞれの通信品質に基づいて、前記複数のアレイアンテナの中から前記基地局装置との無線通信に使用する対象アンテナを選択するステップと、前記第1アレイアンテナ及び前記第2アレイアンテナのいずれか一方のアンテナが、前記対象アンテナに選択されて前記基地局装置との無線通信に使用されているときに、前記対象アンテナを前記一方のアンテナから他方のアンテナへ切り替える切替処理を実行するステップと、を実行させるコンピュータプログラム。

技術分野

0001

本発明は、アンテナモジュール移動通信装置、車両、切替方法、及びコンピュータプログラムに関するものである。

背景技術

0002

特許文献1及び非特許文献1には、第5世代移動通信システムによる無線通信が可能な移動通信装置を車両に搭載することについて開示されている。

0003

国際公開第2018/088051号

先行技術

0004

3GPP TSG-RAN WG4 Meeting #87 R4-1808180 、[平成30年11月21日検索]、インターネット〈http://www.3gpp.org/DynaReport/TDocExMtg--R4-87--18787.htm〉

発明が解決しようとする課題

0005

第5世代移動通信システムでは、ミリ波又は準ミリ波(例えば、6GHz以上の非常に高い周波数電波)を利用して無線通信を行うため、伝搬損失が大きい。このため、第5世代移動通信システムでは、電波の減衰補償するために、ビームフォーミングが行われる。
従って、第5世代移動通信システムに対応した移動局においては、ビームフォーミングのために、水平方向の見通しが確保できる位置にアンテナを設置する必要がある。例えば、上記特許文献1では、車両の天井ルーフ)にアンテナ装置(アンテナモジュール)が設置されている。

0006

ところで、6GHz以上の周波数帯においては、伝搬に伴う減衰が大きいため、指向性アンテナ、例えば、パッチアンテナなどを用い、さらにアレイアンテナ構成とすることで高いアンテナ利得を得る必要がある。
このため、アンテナモジュールを車両に搭載し、車両の周囲各方向へ向けたビームを形成する場合、指向性を有するアレイアンテナ複数組み合わせて用いることが考えられる。
この場合、各アレイアンテナそれぞれが車両の周囲各方向のうちの一部におけるビームを分担する。これによりアンテナモジュールは車両の周囲各方向へ向けたビームを形成することができる。

0007

上記のように、複数のアレイアンテナを組み合わせたアンテナモジュールを用いて基地局装置と無線通信する場合、複数のアレイアンテナの中から、基地局装置との無線通信に使用するアレイアンテナを選択し、選択したアレイアンテナに基地局装置へ向けたビームを形成させる必要がある。

0008

ここで、基地局装置との無線通信に使用するアレイアンテナ(対象アンテナ)を選択するには、基地局装置との間の伝搬経路における通信品質が最も高いアレイアンテナを選択すればよい。
例えば、複数のアレイアンテナそれぞれにレシーバを接続し、各アレイアンテナが受信した信号を各レシーバで復調し、最も通信品質の高いアレイアンテナを対象アンテナに選択するという方法(以下、方法1ともいう)が考えられる。

0009

しかし、上記方法1では、アレイアンテナの個数だけレシーバを用意する必要があり、コストや、消費電力の面から好ましくない。
そこで、複数のアレイアンテナに対して単一のレシーバを接続し、切替スイッチ等によって、レシーバに接続されるアレイアンテナを順次切り替えることで、各アレイアンテナが受信した信号を順次復調し、最も通信品質の高いアレイアンテナを対象アンテナに選択するという方法(以下、方法2ともいう)も考えられる。

0010

上記方法2では、コストや消費電力の面では、方法1に対して有利である。
その一方、複数のアレイアンテナのうちの1つが、対象アンテナとして選択されている場合、レシーバは対象アンテナに選択されているアレイアンテナのみに接続されることとなるので、対象アンテナに選択されていない他のアレイアンテナで信号を受信できず通信品質を取得することができない。
例えば、車両が移動することにより、基地局装置との相対的な位置関係が変化して、対象アンテナとして選択されているアレイアンテナの通信品質が低下し、当該アレイアンテナに隣接するアレイアンテナを対象アンテナとして選択しなければならない状況となった場合について考える。

0011

この場合、対象アンテナとして選択されているアレイアンテナの通信品質が低下し、基地局装置からの信号を受信できなくなると、アンテナモジュールは、再度、レシーバに接続されるアレイアンテナを順次切り替えて各アレイアンテナの通信品質を取得する。アンテナモジュールは、各アレイアンテナの通信品質を取得した結果に基づいて、最も通信品質の高いアレイアンテナを対象アンテナに選択する。

0012

上記のように、対象アンテナが基地局装置からの信号が受信できなくなり、最も通信品質の高いアレイアンテナを再選択する間、アンテナモジュールは、基地局装置との無線通信を中断することとなる。このような無線通信の中断は、通信速度等の低下に繋がるため、好ましくない。

0013

よって、車両が移動することにより、基地局装置との相対的な位置関係が変化して、対象アンテナとして選択されているアレイアンテナを切り替える必要が生じた場合において、速やかにアレイアンテナを切り替える技術が望まれる。

0014

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、速やかにアレイアンテナを切り替えることができる技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

一実施形態であるアンテナモジュールは、基地局装置と無線通信する移動通信装置に用いられるアンテナモジュールであって、前記移動通信装置の周囲各方向のうち第1範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能な第1アレイアンテナ、及び、前記移動通信装置の周囲各方向のうち前記第1範囲と隣り合う第2範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能な第2アレイアンテナを含む複数のアレイアンテナと、前記複数のアレイアンテナによる受信信号それぞれの通信品質に基づいて、前記複数のアレイアンテナの中から前記基地局装置との無線通信に使用する対象アンテナを選択する選択部と、前記第1アレイアンテナ及び前記第2アレイアンテナのいずれか一方のアンテナが、前記対象アンテナに選択されて前記基地局装置との無線通信に使用されているときに、前記対象アンテナを前記一方のアンテナから他方のアンテナへ切り替える切替処理を実行する切替部と、を備える。

0016

他の実施形態である移動通信装置は、上述のアンテナモジュールを備えた移動通信装置である。

0017

また、他の実施形態である車両は、上述の移動通信装置を備えた車両である。

0018

他の実施形態である切替方法は、基地局装置と無線通信する移動通信装置に用いられるアンテナモジュールが有する複数のアレイアンテナに含まれる第1アレイアンテナ及び第2アレイアンテナの切替方法であって、前記第1アレイアンテナは、前記移動通信装置の周囲各方向のうち第1範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能であり、前記第2アレイアンテナは、前記移動通信装置の周囲各方向のうち前記第1範囲と隣り合う第2範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能であり、前記複数のアレイアンテナによる受信信号それぞれの通信品質に基づいて、前記複数のアレイアンテナの中から前記基地局装置との無線通信に使用する対象アンテナを選択するステップと、前記第1アレイアンテナ及び前記第2アレイアンテナのいずれか一方のアンテナが、前記対象アンテナに選択されて前記基地局装置との無線通信に使用されているときに、前記対象アンテナを前記一方のアンテナから他方のアンテナへ切り替える切替処理を実行するステップと、を含む。

0019

他の実施形態であるコンピュータプログラムは、基地局装置と無線通信する移動通信装置に用いられるアンテナモジュールが有する複数のアレイアンテナに含まれる第1アレイアンテナ及び第2アレイアンテナの切替処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記第1アレイアンテナは、前記移動通信装置の周囲各方向のうち第1範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能であり、前記第2アレイアンテナは、前記移動通信装置の周囲各方向のうち前記第1範囲と隣り合う第2範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能であり、コンピュータに前記複数のアレイアンテナによる受信信号それぞれの通信品質に基づいて、前記複数のアレイアンテナの中から前記基地局装置との無線通信に使用する対象アンテナを選択するステップと、前記第1アレイアンテナ及び前記第2アレイアンテナのいずれか一方のアンテナが、前記対象アンテナに選択されて前記基地局装置との無線通信に使用されているときに、前記対象アンテナを前記一方のアンテナから他方のアンテナへ切り替える切替処理を実行するステップと、を実行させるコンピュータプログラムである。

発明の効果

0020

本発明によれば、速やかにアレイアンテナを切り替えることができる。

図面の簡単な説明

0021

図1は、車載通信装置が搭載された車両を示す図である。
図2Aは、アンテナモジュールの斜視図である。
図2Bは、アンテナモジュールの部分断面図である。
図3は、アンテナモジュールの構成の一例を示すブロック図である。
図4は、制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図5は、各アレイアンテナの送受信範囲を説明するための図である。
図6は、アンテナモジュールの選択部が実行する選択処理の一例を示すフローチャートである。
図7は、道路走行する車両(の車載通信装置)における基地局装置の方向を説明するための図である。
図8は、切替処理を実行するか否かを判定するための切替判定の一例を示すフローチャートである。
図9は、対象アンテナを、車両2の前方に向けて配置されたアレイアンテナから車両の左方向に向けて配置されたアレイアンテナへ切り替える際の態様の一例を示した図である。
変形例に係るアンテナモジュールを示す図である。

実施例

0022

最初に実施形態の内容を列記して説明する。
[実施形態の概要
(1)一実施形態であるアンテナモジュールは、基地局装置と無線通信する移動通信装置に用いられるアンテナモジュールであって、前記移動通信装置の周囲各方向のうち第1範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能な第1アレイアンテナ、及び、前記移動通信装置の周囲各方向のうち前記第1範囲と隣り合う第2範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能な第2アレイアンテナを含む複数のアレイアンテナと、前記複数のアレイアンテナによる受信信号それぞれの通信品質に基づいて、前記複数のアレイアンテナの中から前記基地局装置との無線通信に使用する対象アンテナを選択する選択部と、前記第1アレイアンテナ及び前記第2アレイアンテナのいずれか一方のアンテナが、前記対象アンテナに選択されて前記基地局装置との無線通信に使用されているときに、前記対象アンテナを前記一方のアンテナから他方のアンテナへ切り替える切替処理を実行する切替部と、を備える。

0023

上記構成のアンテナモジュールによれば、第1アレイアンテナ及び第2アレイアンテナのいずれか一方のアンテナが、基地局装置との無線通信に使用されているときに切替処理を実行するので、例えば、移動通信装置における基地局装置の方向が変化して、対象アンテナとして選択されているアレイアンテナを切り替える必要が生じた場合において、選択部が対象アンテナを選択する処理を行わずに他方のアンテナに切り替えることができる。この結果、速やかにアレイアンテナを切り替えることができる。

0024

(2)上記アンテナモジュールにおいて、前記第1アレイアンテナが形成する第1ビームの指向方向を前記第1範囲内で制御する第1指向性制御部と、前記第2アレイアンテナが形成する第2ビームの指向方向を前記第2範囲内で制御する第2指向性制御部と、をさらに備え、前記第1指向性制御部は、前記基地局装置からの信号の到来方向に応じて前記第1ビームの指向方向を制御し、前記第2指向性制御部は、前記基地局装置からの信号の到来方向に応じて前記第2ビームの指向方向を制御し、前記切替部は、前記第1指向性制御部又は前記第2指向性制御部によって制御される前記一方のアンテナが形成するビームの指向方向に基づいて、前記切替処理を実行するか否かを判定することが好ましい。
この場合、移動通信装置における基地局装置の方向を、両アレイアンテナが形成するビームの指向方向として把握し、切替処理を実行するか否かを判定することができる。

0025

(3)上記アンテナモジュールにおいて、前記第1範囲と前記第2範囲とは、互いに重複する重複範囲を含み、前記一方のアンテナが形成するビームの指向方向が前記重複範囲内である場合、前記切替処理を実行することが好ましい。
この場合、第1範囲及び第2範囲が互いに重複する重複範囲を有することで、ビームの指向方向が第1範囲と第2範囲とを行き来する際にヒステリシスを持たせることができ、ビームの指向方向が第1範囲と第2範囲とを頻繁に行き来するハンチングが生じるのを抑制できる。

0026

(4)また、上記アンテナモジュールにおいて、前記第1範囲と前記第2範囲とは、互いに重複する重複範囲を含み、前記切替部は、前記一方のアンテナが形成するビームの指向方向が前記重複範囲内である場合、前記一方のアンテナが形成するビームの過去直近の指向方向が、前記重複範囲外であるか否かを判定し、前記判定結果が否定的である場合、前記切替処理を実行しないことが好ましい。
この場合、移動通信装置が移動しておらず、一方のアンテナが形成するビームの指向方向が変化していない可能性があるときに、切替処理を実行するのを抑制することができる。

0027

(5)上記アンテナモジュールにおいて、前記切替部は、前記一方のアンテナが形成するビームの指向方向が、前記重複範囲外において前記重複範囲側へ近づくように制御されたか否かを判定し、前記判定結果が肯定的である場合、前記他方のアンテナが形成するビームの指向方向を前記重複範囲に対応する方向へ向くように制御させてもよい。
この場合、一方のアンテナが形成するビームの指向方向が、重複範囲に到達する直前であって切替処理が実行される前に、他方のアンテナの指向方向を予め調整することができ、より速やかにアレイアンテナを切り替えることができる。

0028

(6)上記アンテナモジュールにおいて、前記切替部は、前記移動通信装置における前記基地局装置の方向を示す方向情報に基づいて、前記切替処理を実行するか否かを判定してもよい。
この場合、方向情報に基づいて、移動通信装置の周囲各方向のうちの基地局装置の方向を把握できる。

0029

(7)上記アンテナモジュールにおいて、前記第1範囲と前記第2範囲とは、互いに重複する重複範囲を含み、前記切替部は、前記方向情報が示す前記基地局装置の方向が前記重複範囲内である場合、前記切替処理を実行することが好ましい。
この場合、第1範囲及び第2範囲が互いに重複する重複範囲を有することで、基地局装置の方向が第1範囲と第2範囲とを行き来する際にヒステリシスを持たせることができ、基地局装置の方向が第1範囲と第2範囲とを頻繁に行き来するハンチングが生じるのを抑制することができる。

0030

(8)上記アンテナモジュールにおいて、前記切替部は、前記方向情報に加え、前記移動通信装置が搭載される移動体の速度及び加速度の少なくともいずれか一方を加味して、前記切替処理を実行するか否かを判定することが好ましい。
この場合、より正確に基地局装置の方向の変化を把握することができる。

0031

(9)また、他の実施形態である移動通信装置は、上記(1)から(8)のいずれかのアンテナモジュールを備えた移動通信装置である。

0032

(10)他の実施形態である車両は、上記(9)の移動通信装置を備えた車両である。

0033

(11)他の実施形態である切替方法は、基地局装置と無線通信する移動通信装置に用いられるアンテナモジュールが有する複数のアレイアンテナに含まれる第1アレイアンテナ及び第2アレイアンテナの切替方法であって、前記第1アレイアンテナは、前記移動通信装置の周囲各方向のうち第1範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能であり、前記第2アレイアンテナは、前記移動通信装置の周囲各方向のうち前記第1範囲と隣り合う第2範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能であり、前記複数のアレイアンテナによる受信信号それぞれの通信品質に基づいて、前記複数のアレイアンテナの中から前記基地局装置との無線通信に使用する対象アンテナを選択するステップと、前記第1アレイアンテナ及び前記第2アレイアンテナのいずれか一方のアンテナが、前記対象アンテナに選択されて前記基地局装置との無線通信に使用されているときに、前記対象アンテナを前記一方のアンテナから他方のアンテナへ切り替える切替処理を実行するステップと、を含む。

0034

(12)他の実施形態であるコンピュータプログラムは、基地局装置と無線通信する移動通信装置に用いられるアンテナモジュールが有する複数のアレイアンテナに含まれる第1アレイアンテナ及び第2アレイアンテナの切替処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記第1アレイアンテナは、前記移動通信装置の周囲各方向のうち第1範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能であり、前記第2アレイアンテナは、前記移動通信装置の周囲各方向のうち前記第1範囲と隣り合う第2範囲に含まれる方向において前記基地局装置と信号の送受信が可能であり、コンピュータに前記複数のアレイアンテナによる受信信号それぞれの通信品質に基づいて、前記複数のアレイアンテナの中から前記基地局装置との無線通信に使用する対象アンテナを選択するステップと、前記第1アレイアンテナ及び前記第2アレイアンテナのいずれか一方のアンテナが、前記対象アンテナに選択されて前記基地局装置との無線通信に使用されているときに、前記対象アンテナを前記一方のアンテナから他方のアンテナへ切り替える切替処理を実行するステップと、を実行させるコンピュータプログラムである。

0035

[実施形態の詳細]
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に記載する各実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。

0036

〔車載通信装置の構成〕
図1は、車載通信装置が搭載された車両を示す図である。
図1中、車載通信装置1は車両2に搭載されている。車載通信装置(移動通信装置)1は、移動通信システムの基地局装置4と無線通信を行う移動局である。車両2は、通常の乗用車の他、バス鉄道車両等も含む。
基地局装置4は、建物の屋上等の比較的高所に設置され、地上の車載通信装置1と無線通信を行う。

0037

車載通信装置1と、基地局装置4との間で行われる無線通信は、例えば、第5世代移動通信システムに準拠した無線通信である。
第5世代移動通信システムでは、例えば、6GHz以上の非常に高い周波数の電波を用いるため、伝搬時の減衰が大きい。このため、車載通信装置1及び基地局装置4は、電波の減衰を補償するために、ビームフォーミングを行う。車載通信装置1は、ビームフォーミングによって特定の方向にビームの指向性を向けて利得を向上させることができる。ビームフォーミングは、車載通信装置1及び基地局装置4の両方で行われる。

0038

車載通信装置1は、無線LAN無線部6と接続されている。無線LAN無線部6は、無線LANアクセスポイントであり、車内の移動端末8に対して無線LANサービスを提供する。車内の移動端末8は、例えば、車両2の乗客が有する携帯電話スマートフォンタブレットノートパソコン等である。移動端末8は、無線LAN通信を介して移動通信システムによる通信が可能である。
つまり、車載通信装置1は、移動端末8と、基地局装置4との間の通信を中継する機能を有している。

0039

車載通信装置1は、アンテナモジュール10と、通信処理部12とを備えている。
通信処理部12は、ベースバンド信号に関する処理を行う機能を有している。通信処理部12は、ベースバンド信号をアンテナモジュール10へ与える。また、通信処理部12は、アンテナモジュール10から与えられるベースバンド信号を受信する。
アンテナモジュール10は、複数のアンテナ素子24を備えている。複数のアンテナ素子24はアレイアンテナを構成している。これにより、アンテナモジュール10は、ビームフォーミングを行いつつ、基地局装置4との間で無線波の送受信を行う機能を有する。

0040

〔アンテナモジュールの構成〕
図2Aは、アンテナモジュール10の斜視図であり、図2Bは、アンテナモジュール10の部分断面図である。
図2Bに示すように、アンテナモジュール10は、車両2のルーフ(天井)2aに設けられている。
アンテナモジュール10は、4つのアレイアンテナ20と、これらアレイアンテナ20が固定された矩形板状のベース板22とを備えている。

0041

4つのアレイアンテナ20は、それぞれ、基板21と、基板21のアンテナ面21aに実装された複数のアンテナ素子24とを備えている。アンテナ素子24は、例えば、パッチアンテナ等の平面アンテナである。
各基板21は、ベース板22の端縁に沿って立設されている。各アンテナ面21aは、車両2の前後左右斜め上方に向いている。よって、アンテナモジュール10は、四角錐台の箱状である。

0042

各アレイアンテナ20は、後述するように、複数のアンテナ素子24により送受信される信号の位相を調整することで、ビームフォーミングが可能である。
各アレイアンテナ20は、方位角方向において約100度の範囲でビームの指向方向を向けることが可能である。また、各アレイアンテナ20は、仰角方向において約90度の範囲内でビームの指向方向を向けることが可能である。
よって、アンテナモジュール10は、4つのアレイアンテナ20を組み合わせることで、当該アンテナモジュール10(車載通信装置1)の周囲各方向に向けてビームを形成することができる。

0043

なお、図2A中、Y方向が車両2の前後方向、X方向が車両2の左右方向、Z方向が車両2の上下方向である。
また、以下の説明では、Z方向が鉛直方向を示し、X−Y平面は、鉛直方向に直交する水平面として説明する。
つまり、以下の説明では、車両2が坂道に位置することで車両2全体が傾斜する場合や、移動に伴う車両2の姿勢変化によって車両2全体が傾斜する場合については考慮せず、車両2のルーフ2aは、常に水平面に平行であるものとして説明する。
よって、アンテナモジュール10は、常に水平面に平行に設置されるものとして説明する。

0044

図2Bに示すように、アンテナモジュール10の内部には、回路基板28が収容されている。回路基板28は、ベース板22の上面に固定されている。回路基板28には、アレイアンテナ20が形成するビーム指向方向を制御するための回路や、送受信機等のアンテナモジュール10として必要な回路が実装される。
なお、図2A及び図2Bでは、アンテナモジュール10は、外部に露出しているが、例えば、レドーム等によって覆われることで外部に対して保護される。

0045

図3は、アンテナモジュール10の構成の一例を示すブロック図である。
図3中、アンテナモジュール10は、4つのアレイアンテナ20の他、切替スイッチ32と、送受信機34と、制御装置36とを備えている。
各アレイアンテナ20は、切替スイッチ32を介して送受信機34に接続されている。

0046

送受信機34は、通信処理部12(図1)から与えられるベースバンド信号に対して、変調増幅等の処理を行い、無線周波数の信号(RF信号)を生成する。生成したRF信号は、切替スイッチ32を介してアレイアンテナ20へ与えられる。
また、送受信機34は、アレイアンテナ20が受信したRF信号に対して、増幅、復調等の処理を行い、ベースバンド信号を生成する。生成したベースバンド信号は、通信処理部12へ与えられる。

0047

切替スイッチ32は、送受信機34の接続先を、4つのアレイアンテナ20のうちのいずれかに切り替える機能を有している。
よって、基地局装置4との間の無線通信は、4つのアレイアンテナ20のうちのいずれか1つを用いて行われる。

0048

つまり、4つのアレイアンテナ20のうち、送受信機34に接続されるアレイアンテナ20が基地局装置4との無線通信に使用するアレイアンテナとなる。
なお、切替スイッチ32による切り替えは、制御装置36によって制御される。

0049

アレイアンテナ20は、受信した基地局装置4からの無線波をRF信号として送受信機34へ与える。また、アレイアンテナ20は、送受信機34から与えられるRF信号を無線波として空間へ放射する。
アレイアンテナ20は、上述の複数のアンテナ素子24の他、位相調整器40と、合成分配器42とをさらに備えている。

0050

位相調整器40は、複数のアンテナ素子24で送受信される複数の信号の位相を調整する。位相調整器40は、複数のアンテナ素子24それぞれに対応した数の位相器40aを備える。位相調整器40は、各位相器40aを調整することにより複数の信号の位相を調整し、アレイアンテナ20によって形成されるビームの指向方向を変化させることができる。

0051

合成分配器42は、複数のアンテナ素子24が受信したRF信号を合成して送受信機34へ与えるとともに、切替スイッチ32を介して与えられる送受信機34からのRF信号を複数のアンテナ素子24へ分配する。

0052

各アレイアンテナ20には、指向性制御回路44が接続されている。指向性制御回路44は、アレイアンテナ20が形成するビームの指向方向を制御する機能を有している。
指向性制御回路44は、位相調整器40に制御命令を与えることで、位相調整器40を制御し、アレイアンテナ20が形成するビームの指向方向の制御を行う。

0053

指向性制御回路44は、基地局装置4からの信号の到来方向へ向くようにアレイアンテナ20のビームの指向方向を制御する機能を有する。
指向性制御回路44は、アレイアンテナ20のビームの指向方向を後述する送受信範囲内で制御する。
指向性制御回路44は、基地局装置4からの指示に応じてビームの指向方向を制御してもよいし、指向性制御回路44が自ら基地局装置4からの信号の到来方向をサーチしその結果に基づいてビームの指向方向を制御してもよい。

0054

制御装置36は、上述のように切替スイッチ32を制御する機能を有する。
制御装置36は、CPU(Central Pprocessing Unit)や、メモリ等の記憶装置を備えたコンピュータによって構成されている。制御装置36の記憶装置には、CPUが実行するためのコンピュータプログラム等が記憶されており、このコンピュータプログラムをCPUが読み出して実行することにより、後述の各機能が実現される。

0055

図4は、制御装置36の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、制御装置36は、選択部36aと、切替部36bとを機能的に有している。
選択部36a及び切替部36bは、切替スイッチ32の切り替え制御を含んだ処理を実行する機能を有している。選択部36a及び切替部36bの機能については、後に説明する。

0056

〔アレイアンテナの送受信範囲について〕
図5は、各アレイアンテナ20の送受信範囲を説明するための図である。
図5は、アンテナモジュール10を上面視した図であり、紙面上側が車両2の前方、紙面下側が車両2の後方である。

0057

アンテナモジュール10は、ビームの指向方向を基地局装置4の方向へ向け、基地局装置4との間で無線通信を行う。
従って、各アレイアンテナ20が基地局装置4と送受信可能な送受信範囲は、各アレイアンテナ20が形成するビームの指向方向を変化させることができる範囲によって定まる。

0058

本実施形態のアレイアンテナ20は、方位角方向において約100度の範囲内でビームの指向方向を変化させることができるように設定されている。また、本実施形態のアレイアンテナ20は、仰角方向において約90度の範囲内でビームの指向方向を変化させることができるように設定されている。

0059

なお、方位角とは、水平面における方向を特定するための角度であり、ここでは、アレイアンテナ20(アンテナモジュール10)を基準としたときの水平面におけるビームの指向方向を特定するための中心角度である。
また、方位角方向とは、鉛直方向に平行な軸周りの回転方向である。
また、仰角とは、水平面に対する方向を特定するための角度であり、ここでは、水平面に対するビームの中心角度である。
また、仰角方向とは、仰角を表す際の中心軸周りの回転方向である。

0060

アンテナモジュール10は、方位角方向において約100度の範囲内でビームの指向方向を向けることが可能なアレイアンテナ20を4つ組み合わせている。よって、アンテナモジュール10は、方位角方向において全方向にビームの指向方向を向けることができる。また、仰角方向においても水平面より上方の各方向にビームの指向方向を向けることができる。アンテナモジュール10は、当該アンテナモジュール10(車載通信装置1)の周囲各方向に向けてビームを形成することができる。

0061

よって、アンテナモジュール10は、当該アンテナモジュール10(車載通信装置1)の周囲各方向に位置する基地局装置4と信号の送受信が可能である。

0062

図5中、車両2の前方に向けて配置されたアレイアンテナ20Aの送受信範囲R1は、アレイアンテナ20Aがビームの指向方向を変化させることが可能な範囲である。送受信範囲R1は、方位角方向において約100度の範囲に設定される。送受信範囲R1は、中心線C1に対して対称である。中心線C1は、アンテナモジュール10の中心を通過する車両2前後方向に延びる中心線である。

0063

また、車両2の左方向に向けて配置されたアレイアンテナ20Bの送受信範囲R2は、アレイアンテナ20Bがビームの指向方向を変化させることが可能な範囲である。よって送受信範囲R2も、方位角方向において約100度の範囲に設定される。送受信範囲R2は、中心線C2に対して対称である。中心線C2は、アンテナモジュール10の中心を通過する車両2左右方向に延びる中心線である。

0064

同様に、車両2の後方に向けて配置されたアレイアンテナ20Cの送受信範囲R3は、アレイアンテナ20Cがビームの指向方向を変化させることが可能な方位角方向の範囲である。
また、車両2の右方向に向けて配置されたアレイアンテナ20Dの送受信範囲R4は、アレイアンテナ20Dがビームの指向方向を変化させることが可能な方位角方向の範囲である。

0065

各送受信範囲R1,R2,R3,R4のうち、互いに隣り合う送受信範囲同士は、互いに重複する重複範囲を含む。
送受信範囲R1は、送受信範囲R2と、隣り合っている。よって、送受信範囲R1と、送受信範囲R2とは、互いに重複する重複範囲R12を含む。また、送受信範囲R1は、送受信範囲R4とも隣り合っている。よって、送受信範囲R1と、送受信範囲R4とは、互いに重複する重複範囲R14を含む。
同様に、送受信範囲R2と、送受信範囲R3とは、互いに重複する重複範囲R23を含む。また、送受信範囲R3と、送受信範囲R4とは、互いに重複する重複範囲R34を含む。

0066

重複範囲R12,R23,R34,R14は、互いに隣り合うアレイアンテナ20の両方がビームの指向方向を向けることができる範囲である。よって、重複範囲R12,R23,R34,R14では、互いに隣り合うアレイアンテナ20の両方が、基地局装置4と信号の送受信が可能である。

0067

〔選択処理について〕
アンテナモジュール10は、基地局装置4との間で無線通信を行うために、指向方向が基地局装置4の方向へ向くビームを形成する。
よって、アンテナモジュール10は、ビームを形成するためのアレイアンテナ20を選択する必要がある。そこで、アンテナモジュール10の選択部36aは、4つのアレイアンテナ20の中から基地局装置4との無線通信に使用する使用対象のアレイアンテナ(対象アンテナ)を選択する選択処理を実行する。

0068

図6は、選択処理を実行するか否かを判定するための判定処理の一例を示すフローチャートである。
まず、選択部36aは、現在、基地局装置4との無線通信に使用する対象アンテナとして送受信機34に接続されているアレイアンテナ20が受信した基地局装置4からの信号に基づいて受信電力を取得し、取得した受信電力が所定の閾値よりも低いか否かを判定する(ステップS1)。

0069

受信電力は、対象アンテナであるアレイアンテナ20が受信した基地局装置4からの信号のうち、パイロット信号等の予め送信電力既知の信号に基づいて求められる。
パイロット信号の受信電力の値は、対象アンテナが受信したRF信号を復調する送受信機34から得られる。
選択部36aは、送受信機34からパイロット信号の受信電力の値を得る。

0070

ステップS1において、取得した受信電力が所定の閾値よりも低くないと判定すると、選択部36aは、再度、ステップS1を繰り返す。なお、所定の閾値は、車載通信装置1と基地局装置4との間で問題なく無線通信が可能と判定することができる値に設定される。
よって、車載通信装置1と基地局装置4との間で問題なく無線通信が可能な程度の受信電力を維持する場合、選択部36aは、ステップS1を繰り返し実行する。

0071

一方、ステップS1において、取得した受信電力が所定の閾値よりも低いと判定すると、選択部36aは、ステップS2へ進み、各アレイアンテナ20の受信電力を順次求める(ステップS2)。
ここで、選択部36aは、切替スイッチ32を制御することで、送受信機34の接続先のアレイアンテナ20を順次切り替える。
選択部36aは、送受信機34に接続されたアレイアンテナ20の受信電力を求めると、送受信機34の接続先を他のアレイアンテナ20に切り替え、他のアレイアンテナ20の受信電力を求める。これを繰り返すことで、4つのアレイアンテナ20の受信電力を求める。

0072

選択部36aは、ステップS2において、アレイアンテナ20の受信電力を求める際、アレイアンテナ20にビームの指向方向を変化させることができる範囲内でビームの指向方向を変化させ、最も受信電力が高くなる値を、そのアレイアンテナ20の受信電力とする。

0073

ステップS2において、4つのアレイアンテナ20それぞれの受信電力を求めると、選択部36aは、ステップS3へ進み、4つのアレイアンテナ20それぞれの受信電力を比較する。選択部36aは、受信電力の比較の結果、4つのアレイアンテナ20のうち、最も受信電力の高いアレイアンテナ20を対象アンテナに選択し(ステップS3)、ステップS1へ戻る。

0074

上記ステップS2、及びステップS3が選択処理である。選択部36aは、受信電力に基づいて、選択処理を実行するか否かを判定する。

0075

4つのアレイアンテナ20のうち、最も受信電力の高いアレイアンテナ20は、基地局装置4との間で最も通信品質が高い経路を有すると判断することができる。つまり、基地局装置4へ向くビームが形成可能なアレイアンテナ20と判断することができる。

0076

よって、選択部36aは、切替スイッチ32を制御することで、4つのアレイアンテナ20のうち、最も受信電力の高いアレイアンテナ20と送受信機34とを接続させる。これによって、最も受信電力の高いアレイアンテナ20は、対象アンテナとなる。
このように選択部36aは、選択したアレイアンテナ20を使用して、基地局装置4との無線通信を車載通信装置1に行わせる。

0077

なお、選択部36aは、4つのアレイアンテナ20が受信した信号の通信品質として受信電力を取得し、受信電力の比較結果に基づいて対象アンテナを選択する場合を示したが、通信品質としては、受信電力の他に、SIR(Signal to Interference Ratio)、SINR(Signal to Interference and Noise Ratio)等を用いることができる。

0078

〔切替処理について〕
本実施形態のアンテナモジュール10の切替部36bは、4つのアレイアンテナ20のうちの1つが対象アンテナに選択されて基地局装置4との無線通信に使用されているときに、対象アンテナを他のアレイアンテナ20へ切り替える切替処理を実行する。

0079

図7は、道路を走行する車両2(のアンテナモジュール10)における基地局装置4の方向を説明するための図である。
図7では、位置Hの車両2が紙面上方へ向かって道路50を走行している場合を示している。
位置Hの車両2は、基地局装置4に対して前面を向けて走行している。車両2に搭載されているアンテナモジュール10(車載通信装置1)は、位置Hにおいて、車両2の前方の基地局装置4と無線通信を行う。
このとき、アンテナモジュール10は、車両2の前方に向けて配置されたアレイアンテナ20Aを対象アンテナに選択し、アレイアンテナ20Aによってビームを形成し、基地局装置4と無線通信を行っている。

0080

図7中、位置Iの車両2は、脇道52へ右折しようとしている。また、位置Jの車両2は、基地局装置4の真横を通過している。
位置I及び位置Jの車両2は左側面を基地局装置4側に向けている。
よって、図7に示すように、アンテナモジュール10は、位置I及び位置Jにおいて、車両2の左方向に向けて配置されたアレイアンテナ20Bを対象アンテナに選択し、アレイアンテナ20Bによってビームを形成する。

0081

ここで、車両2が位置Hから位置Iへ移動し、道路50から脇道52へ右折する場合を考える。
車両2は、右折するまでは、基地局装置4に対して前面を向けて走行する。その後、車両2が位置Iへ到達して右折を開始すると、車両2における基地局装置4の方向が変化し、車両2において基地局装置4側に向く面は、前面から、左側面を経て、後面へと遷移する。
また、車両2が位置Hから位置Jへ直進する場合においても、同様であり、車両2において基地局装置4側に向く面は、前面から左側面を経て、後面へと遷移する。

0082

車両2における基地局装置4の方向が変化することにより、車両2において基地局装置4側に向く面が前面から左側面へ遷移すると、アンテナモジュール10は、対象アンテナをアレイアンテナ20Aからアレイアンテナ20Bへ切り替える必要がある。

0083

仮に、アンテナモジュール10が選択処理を行って切り替えようとすると、アンテナモジュール10は、対象アンテナとして選択されているアレイアンテナ20Aの受信電力が低下したと判定した後、選択処理を行い、受信電力が高く現れるアレイアンテナ20Bを対象アンテナとして選択する(図6)。

0084

しかし、アレイアンテナ20Aの受信電力が低下し、アレイアンテナ20Bを選択するまでの間、アンテナモジュール10は、受信電力の最も高いアレイアンテナ20を選択するために、基地局装置4との無線通信を中断することとなる。
車両2において基地局装置4側に向く面が左側面から後面へ遷移する場合においても同様であり、アンテナモジュール10は、対象アンテナをアレイアンテナ20Bからアレイアンテナ20Cへ切り替える必要がある。アレイアンテナ20Bの受信電力が低下し、アレイアンテナ20Cを選択するまでの間、アンテナモジュール10は、受信電力の最も高いアレイアンテナ20を選択するために、基地局装置4との無線通信を中断することとなる。
このような無線通信の中断は、通信速度等の通信品質の低下に繋がるため、好ましくない。

0085

そこで、本実施形態のアンテナモジュール10は、対象アンテナに選択されたアレイアンテナ20によって無線通信しているときに、選択処理による選択を介さずに、対象アンテナを他のアレイアンテナ20へ切り替える切替処理を実行する機能を有している。
これにより、車両2が移動し、車両2における基地局装置4の方向が変化することにより、対象アンテナを切り替える必要が生じた場合においても、選択処理による選択を行わずに速やかに対象アンテナを切り替えることができる。

0086

図8は、切替処理を実行するか否かを判定するための切替判定の一例を示すフローチャートである。
まず、アンテナモジュール10の切替部36bは、選択部36aにより選択処理が実行中か否かを判定する(ステップS11)。

0087

選択部36aが選択処理を実行中である場合、切替部36bは、再度ステップS11に戻り、選択処理が実行中でないと判定するまでステップS11を繰り返す。

0088

選択処理が実行中でないと判定すると、切替部36bは、現在の対象アンテナであるアレイアンテナ20を示すアンテナ情報、及び対象アンテナであるアレイアンテナ20が形成するビームの指向方向を示す指向方向情報を取得する(ステップS12)。
アンテナ情報は、例えば、選択部36aから取得することができるし、切替スイッチ32から取得することもできる。
指向方向情報は、対象アンテナであるアレイアンテナ20の指向方向を制御する指向性制御回路44から取得する。

0089

なお、本実施形態のアレイアンテナ20は、ビームを離散的に変化させるように構成されている。送受信範囲内において形成される各ビームには、各ビームを識別するためのビームID(識別子)が付与されており、ビームIDによって、各ビームを識別でき、ビームの指向方向を把握することができる。

0090

切替部36bは、各アレイアンテナ20が形成する各ビームのビームIDと、指向方向に関する情報とを対応付けて記憶している。指向方向に関する情報には、ビームの指向方向を示す情報が含まれる。また、指向方向に関する情報は、ビームの指向方向が属する範囲(送受信範囲や重複範囲)を示す情報等を含んでいてもよい。
よって、切替部36bは、ビームIDからビームの指向方向や、そのビームの指向方向が属する範囲等を把握できる。
切替部36bは、指向方向情報としてビームIDを指向性制御回路44から取得する。

0091

対象アンテナに関する情報を取得すると、切替部36bは、ステップS13において、今回取得したアンテナ情報と、過去直近に取得したアンテナ情報とが同じアレイアンテナ20を示しているか否かを判定する(ステップS13)。
なお、過去直近に取得したアンテナ情報とは、ステップS13での判定前に取得された最新のアンテナ情報をいう。

0092

ステップS13において、今回取得したアンテナ情報が示すアレイアンテナ20と、過去直近に取得したアンテナ情報が示すアレイアンテナ20とが異なる場合、直前に選択処理における対象アンテナの選択、又は切替処理のいずれかが行われた可能性がある。よって、この場合、切替部36bは、ステップS11へ戻り、再度、対象アンテナに関する情報を取得する(ステップS12)。

0093

ステップS13において、今回取得したアンテナ情報と、過去直近に取得したアンテナ情報とが同じアレイアンテナ20を示す場合、切替部36bは、ステップS14へ進み、現在の対象アンテナが形成するビームの指向方向が重複範囲であるか否かを判定する(ステップS14)。
切替部36bは、ステップS12で取得したビームIDによって、現在の対象アンテナが形成するビームの指向方向が重複範囲か否かを判定する。

0094

ステップS14において、現在の対象アンテナが形成するビームの指向方向が重複範囲であると判定すると、切替部36bは、過去直近に取得したビームの指向方向が重複範囲外であるか否かを判定する(ステップS15)。

0095

ステップS15において、過去直近に取得したビームの指向方向が重複範囲外であると判定する場合、切替部36bは、ステップS16へ進み、切替処理を実行する(ステップS16)。
切替部36bは、ステップS16において、切替処理を実行し、ステップS11へ戻る。

0096

ステップS16において、切替部36bは、現在対象アンテナに選択されているアレイアンテナ20から、互いに重複する重複範囲を含む送受信範囲を有する他のアレイアンテナ20へ対象アンテナを切り替える。
つまり、切替部36bは、互いに隣り合って配置された一対のアレイアンテナ20のうちのいずれか一方のアレイアンテナ20が対象アンテナであるときに、一方のアレイアンテナ20が形成するビームの指向方向が、互いの送受信範囲が重複する重複範囲内に制御されると、対象アンテナを一方のアレイアンテナ20から他方のアレイアンテナ20へ切り替える処理(切替処理)を実行する(ステップS16)。

0097

より具体的に、切替部36bは、切替スイッチ32を制御することで、送受信機34の接続先を一方のアレイアンテナ20から他方のアレイアンテナ20へ切り替えさせる。
切替部36bは、他方のアレイアンテナ20と送受信機34とを接続させる。これにより、他方のアレイアンテナ20は対象アンテナとなる。

0098

ステップS15において、過去直近に取得したビームIDのビームの指向方向が重複範囲外でないと判定する場合(過去直近に取得したビームIDのビームの指向方向が重複範囲であると判定する場合)、切替部36bは、ステップS11へ戻る。

0099

この場合、現在の対象アンテナによるビームの指向方向が、重複範囲を維持しているので、過去直近のループで切替処理が実行され、その後、車両2が移動せずに停止している可能性がある。
このように、切替部36bは、車両2が移動しておらず、現在の対象アンテナによるビームの指向方向が変化していない可能性があるときに、切替処理を実行するのを抑制する。

0100

ステップS14において、現在の対象アンテナが形成するビームの指向方向が重複範囲でないと判定すると、切替部36bは、切替処理を実行せず、現在の対象アンテナが形成するビームの指向方向が重複範囲直前であるか否かを判定する(ステップS17)。

0101

ステップS17において、現在の対象アンテナが形成するビームの指向方向が重複範囲直前であると判定すると、切替部36bは、当該重複範囲を含む送受信範囲を有する他方のアレイアンテナ20が形成すべきビームの指向方向を予め制御させ(ステップS18)、ステップS11へ戻る。

0102

ステップS17において、切替部36bは、対象アンテナのビームの指向方向が重複範囲直前であるか否かを判定することで、対象アンテナのビームの指向方向が重複範囲外において重複範囲側へ近づくように制御されたか否かを判定する。

0103

対象アンテナのビームの指向方向が重複範囲直前である場合、対象アンテナのビームの指向方向は、重複範囲直前以外の位置から重複範囲側へ近づくように制御されたと判断することができる。
そこで、切替部36bは、ステップS17において、対象アンテナのビームの指向方向が重複範囲直前であると判定すると、他方のアレイアンテナ20が形成すべきビームの指向方向が重複範囲となるように制御させる。

0104

これにより、現在の対象アンテナによるビームの指向方向が、重複範囲に到達する直前であって切替処理が実行される前に、次に対象アンテナとして選択される他方のアレイアンテナ20の指向方向を予め調整することができるので、より速やかにアレイアンテナ20を切り替えて必要なビームを形成することができる。

0105

ステップS17において、現在の対象アンテナが形成するビームの指向方向が重複範囲直前でないと判定すると、切替部36bは、ステップS11へ戻る。
この場合、対象アンテナのビームの指向方向は、重複範囲外を維持し、重複範囲直前でもないので、切替処理を行わず、また、隣接する他のアレイアンテナ20の指向性制御も実行せず、ステップS11へ戻る。

0106

以上のように、本実施形態のアンテナモジュール10は、対象アンテナによって無線通信しているときに、選択処理を介さずに、対象アンテナを他のアレイアンテナ20へ切り替える切替処理を実行することができる。
これにより、車両2が移動し、車両2における基地局装置4の方向が変化することにより、対象アンテナを切り替える必要が生じた場合においても、選択処理による選択を行わずに速やかに対象アンテナを切り替えることができる。

0107

また、切替部36bは、現在の対象アンテナによるビームの指向方向に基づいて、切替処理を実行するか否かを判定する。
これにより、車載通信装置1における基地局装置4の方向を対象アンテナによるビームの指向方向として把握し、切替処理を実行するか否かを判定することができる。
つまり、本実施形態では、ビームの指向方向を車載通信装置1における基地局装置4の方向を示す方向情報として用いる。

0108

図9は、対象アンテナを、車両2の前方に向けて配置されたアレイアンテナ20Aから車両2の左方向に向けて配置されたアレイアンテナ20Bへ切り替える際の態様の一例を示した図である。
なお、図9では、水平面上において形成されるビームを示している。

0109

図9中、アレイアンテナ20Aは、ビームB11、B12、B13、及びB14を形成可能である。また、アレイアンテナ20Bは、ビームB21、B22、B23、及びB24を形成可能である。
なお、図9に示すビームは、アレイアンテナ20A及びアレイアンテナ20Bが形成することができるビームのうちの一部を示している。

0110

ビームB11からビームB14のうち、ビームB11,B12,B13の指向方向は、送受信範囲R1内であって、重複範囲R12外である。また、ビームB13の指向方向は、重複範囲R12直前の方向である。
アレイアンテナ20Aが形成するビームB14の指向方向は、送受信範囲R1内であって、重複範囲R12内である。

0111

また、アレイアンテナ20Bが形成するビームであるビームB21からビームB24のうち、ビームB22,B23,B24の指向方向は、送受信範囲R2内であって、重複範囲R12外である。また、ビームB22の指向方向は、重複範囲R12直前である。
アレイアンテナ20Bが形成するビームB21の指向方向は、送受信範囲R2内であって、重複範囲R12内である。

0112

以下、図7にて説明したように、車両2が移動し、車両2における基地局装置4の方向が変化することにより、車両2において基地局装置4側に向く面が前面から左側面へ遷移し、アンテナモジュール10が、対象アンテナをアレイアンテナ20Aからアレイアンテナ20Bへ切り替える場合について説明する。

0113

車両2の前面が基地局装置4側へ向き、アレイアンテナ20Aが対象アンテナに選択されている間は(図7中の位置H)、アンテナモジュール10は、アレイアンテナ20Aによりビームを形成する。
車両2が図7中の位置Hから前進すると、車両2における基地局装置4の方向は、車両2の移動に伴って、前方から左方向へ向かって徐々に変化する。

0114

アレイアンテナ20Aのビームの指向方向は、上述のように、アレイアンテナ20Aが受信する基地局装置4からの信号の到来方向へ向くように制御される。
よって、アレイアンテナ20Aのビームは、図9中、ビームB11、B12、B13、及びB14と、車両2の左方向に向くビームに順次切り替えられる。
これにより、アレイアンテナ20によるビームの指向方向は、基地局装置4からの信号の到来方向へ向くように離散的に変化する。

0115

アレイアンテナ20Aのビームが、ビームB11、B12、B13、及びB14と順次切り替えられる間、切替部36bは随時切替判定を実行する。
ここで、アレイアンテナ20AのビームがビームB12からビームB13に切り替わった直後において切替部36bが行う切替判定について説明する。
この場合、ビームB13の指向方向は、送受信範囲R1内であって、重複範囲R12直前の方向である。
よって、切替部36bは、アレイアンテナ20Bによって形成されるビームが、重複範囲R12内のビームB21となるように制御させる(図8中、ステップS17)。
これにより、次に対象アンテナとして選択されるアレイアンテナ20Bの指向方向を重複範囲R12内のビームB21となるように予め設定することができるので、より速やかにアレイアンテナ20を切り替えることができる。

0116

また、アレイアンテナ20AのビームがビームB13からビームB14に切り替わった直後において切替部36bが行う切替判定について説明する。
この場合、ビームB14の指向方向は、送受信範囲R1内であって、重複範囲R12内の方向である(図8中、ステップS14)。
また、過去直近のビームB13の指向方向は、送受信範囲R1内であって、重複範囲R12外の方向である(図8中、ステップS15)。

0117

よって、切替部36bは、切替処理を実行する。切替部36bは、切替処理を実行することで、対象アンテナをアレイアンテナ20Aからアレイアンテナ20Bへ切り替える。
切替部36bは、切替スイッチ32を制御することで、送受信機34の接続先をアレイアンテナ20Aからアレイアンテナ20Bへ切り替えさせる。これにより、アレイアンテナ20Bは対象アンテナとなる。
切替部36bは、アレイアンテナ20Bを使用して、基地局装置4との無線通信を車載通信装置1に行わせる。

0118

切替処理によって、対象アンテナとなったアレイアンテナ20Bは、予めなされた設定に従って、重複範囲R12内のビームB21を形成する。
アレイアンテナ20AのビームB14と、アレイアンテナ20BのビームB21とは、共に重複範囲R12内で重複している。
よって、切替部36bが切替処理を実行して対象アンテナをアレイアンテナ20Aからアレイアンテナ20Bへ切り替えたとしても、無線通信に影響を与えることなくスムーズに切り替えることができる。

0119

また、切替処理によってアレイアンテナ20Bからアレイアンテナ20Aへ切り替えられる場合、アレイアンテナ20Bのビームが重複範囲R12外のビームB22から重複範囲R12内のビーム21に切り替えられると、切替部36bは、切替処理を実行し、対象アンテナをアレイアンテナ20Bからアレイアンテナ20Aに切り替える。
つまり、アレイアンテナ20Aからアレイアンテナ20Bへ切り替える場合と、アレイアンテナ20Bからアレイアンテナ20Aへ切り替える場合とで、切替処理を実行する判定基準が異なっている。

0120

このように、本実施形態では、互いに隣り合う送受信範囲R1及び送受信範囲R2が互いに重複する重複範囲R12を有することで、ビームの指向方向が送受信範囲R1と送受信範囲R2とを行き来する際にヒステリシスを持たせることができ、ビームの指向方向が送受信範囲R1と送受信範囲R2とを頻繁に行き来するハンチングが生じるのを抑制することができる。

0121

これにより、例えば、車両2が道路を右左折する際に、一時停止することで、アンテナモジュール10における基地局装置4の方向が、送受信範囲R1及び送受信範囲R2の境界近傍に位置したとしても、上記ハンチングが生じるのを抑制することができる。

0122

アレイアンテナ20Bのビームの指向方向も、アレイアンテナ20Aと同様、アレイアンテナ20Bが受信する基地局装置4からの信号の到来方向へ向くように制御される。
よって、アレイアンテナ20Bのビームは、図9中、ビームB21、B22、B23、及びB24と、順次切り替えられる。

0123

よって、車両2がさらに移動し、車両2における基地局装置4の方向が変化することにより、車両2において基地局装置4側に向く面が左側面から後面へ遷移し、アンテナモジュール10が、対象アンテナをアレイアンテナ20Bからアレイアンテナ20Cへ切り替える場合においても、同様の処理が実行される。

0124

〔その他〕
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
上記実施形態では、切替処理を実行するか否かの判定において、アレイアンテナ20が形成するビームの指向方向を、車載通信装置1における基地局装置4の方向を示す方向情報として用いる場合を例示したが、方向情報として、例えば、車載通信装置1と基地局装置4との相対的な位置関係を示す相対位置情報を用いてもよい。

0125

このような方向情報を用いることで、車載通信装置1の周囲各方向のうちの基地局装置4の方向を把握できる。
なお、相対位置情報は、例えば、車両2に搭載されるカーナビゲーションシステム等から取得してもよいし、基地局装置4から当該基地局装置4の位置情報の提供を受けることで相対位置情報を求めてもよい。

0126

またさらに、上記実施形態では、ビームの指向方向のみを用いて切替処理を実行するか否かを判定した場合を例示したが、相対位置情報を併用してもよいし、車載通信装置1が搭載される車両2の速度及び加速度の少なくともいずれか一方を加味して切替処理を実行するか否かを判定することもできる。
この場合、車載通信装置1における基地局装置4の方向の変化を経時的に把握でき、より正確に基地局装置4の方向の変化を把握することができる。

0127

また、上記実施形態では、アンテナモジュール10が4つのアレイアンテナ20を備えている場合を例示したが、例えば、4つより少ない数のアレイアンテナ20で構成してもよいし、図10に示すように、4つよりも多い8個のアレイアンテナ20で構成してもよい。

0128

また、上記実施形態では、アレイアンテナ20がビームを離散的に変化させるように構成した場合を例示したが、ビームを連続的に変化させるように構成してもよい。

0129

また、上記実施形態では、切替処理において、現在の対象アンテナが形成するビームの指向方向が重複範囲である場合、切替処理を実行し、重複範囲外である場合、切替処理を実行しないように構成した場合を例示した(図8中、ステップS14)。つまり、対象アンテナのビームの指向方向が重複範囲内になると、切替処理を実行する場合を示した。

0130

これに対して、対象アンテナのビームの指向方向が対象アンテナにおける送受信範囲外となるときに、切替処理を実行するように構成してもよい。
つまり、図9において、アレイアンテナ20Aが対象アンテナである場合、アレイアンテナ20AのビームがビームB11から順次変化してビームB14に至り、ビームB14の受信電力(通信品質)が低下することで、アンテナモジュール10における基地局装置4の方向がアレイアンテナ20Aの送受信範囲R1(重複範囲R12)から外れたと判定されるときに、対象アンテナをアレイアンテナ20Aからアレイアンテナ20Bへ切り替えるように構成してもよい。
この場合においてもビームの指向方向が送受信範囲R1と送受信範囲R2とを行き来する際にヒステリシスを持たせることができ、ビームの指向方向が送受信範囲R1と送受信範囲R2とを頻繁に行き来するハンチングが生じるのを抑制することができる。

0131

本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

0132

1車載通信装置
2 車両
2aルーフ
4基地局装置
6無線部
8移動端末
10アンテナモジュール
12通信処理部
20アレイアンテナ
20A アレイアンテナ
20B アレイアンテナ
20C アレイアンテナ
20D アレイアンテナ
21基板
21aアンテナ面
22ベース板
24アンテナ素子
28回路基板
32切替スイッチ
34送受信機
36制御装置
36a 選択部
36b 切替部
40位相調整器
40a位相器
42合成分配器
44指向性制御回路
50道路
52脇道
C1中心線
C2 中心線
R1送受信範囲
R2 送受信範囲
R3 送受信範囲
R4 送受信範囲
R12重複範囲
R14 重複範囲
R23 重複範囲
R34 重複範囲
B11ビーム
B12 ビーム
B13 ビーム
B14 ビーム
B21 ビーム
B22 ビーム
B23 ビーム
B24 ビーム

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