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技術 製造設備の設定条件決定方法、圧延機のミルセットアップ設定値の決定方法、圧延機のミルセットアップ設定値の決定装置、製造物の製造方法および圧延材の製造方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 山崎達矢
出願日 2019年2月12日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-022839
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-134967
状態 特許登録済
技術分野 総合的工場管理 圧延の制御
主要キーワード 学習済みニューラルネットワーク 製造品種 認識フェーズ ジョーダン 活性化関数 平均平方 プロセス計算機 溶融亜鉛めっき鋼板製造ライン
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

オペレータ判断による設定値の手介入修正の結果を反映した設定条件を決定することができる製造設備の設定条件決定方法圧延機ミルセットアップ設定値の決定方法、圧延機のミルセットアップ設定値の決定装置製造物の製造方法および圧延材の製造方法を提供すること。

解決手段

製造設備の設定条件決定方法は、対象となる製造物の製造条件と、当該製造物の製造前に同一の製造設備にて製造された製造物の設定条件であってオペレータによる手動での操作による設定条件の修正が反映された設定条件と、を入力とし、対象となる製造物の設定条件を出力として学習させた学習済みモデルに対し、対象となる製造物の製造条件と、当該製造物の製造前に同一の製造設備にて製造された製造物の設定条件であってオペレータによる手動での操作による設定条件の修正が反映された設定条件と、を入力し、対象となる製造物の設定条件を取得する。

概要

背景

圧延機におけるミルセットアップは、各圧延スタンド出側における圧延材コイル)の板厚および形状を定めるものであり、その設定値(ミルセットアップ設定値)の最適化は、安定操業品質確保の観点から重要である。

従来から、ミルセットアップを自動で行う方法が種々提案されており、例えば特許文献1,2には、学習済みニューラルネットワークを用いてミルセットアップ設定値を算出する方法が開示されている。また、非特許文献1では、数式モデル圧延モデル)をもとに逐次2次計画法による数値最適化を行ってミルセットアップ設定値を修正する方法が開示されている。

概要

オペレータ判断による設定値の手介入修正の結果を反映した設定条件を決定することができる製造設備の設定条件決定方法、圧延機のミルセットアップ設定値の決定方法、圧延機のミルセットアップ設定値の決定装置製造物の製造方法および圧延材の製造方法を提供すること。製造設備の設定条件決定方法は、対象となる製造物の製造条件と、当該製造物の製造前に同一の製造設備にて製造された製造物の設定条件であってオペレータによる手動での操作による設定条件の修正が反映された設定条件と、を入力とし、対象となる製造物の設定条件を出力として学習させた学習済みモデルに対し、対象となる製造物の製造条件と、当該製造物の製造前に同一の製造設備にて製造された製造物の設定条件であってオペレータによる手動での操作による設定条件の修正が反映された設定条件と、を入力し、対象となる製造物の設定条件を取得する。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、オペレータ判断による設定値の手介入修正の結果を反映した設定条件を決定することができる製造設備の設定条件決定方法、圧延機のミルセットアップ設定値の決定方法、圧延機のミルセットアップ設定値の決定装置、製造物の製造方法および圧延材の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

製造設備に与える設定条件決定方法において、対象となる製造物製造条件と、当該製造物の製造前に同一の製造設備にて製造された製造物の設定条件であってオペレータによる手動での操作による設定条件の修正が反映された設定条件と、を入力とし、前記対象となる製造物の設定条件を出力として学習させた学習済みモデルに対し、対象となる製造物の製造条件と、当該製造物の製造前に同一の製造設備にて製造された製造物の設定条件であってオペレータによる手動での操作による設定条件の修正が反映された設定条件と、を入力し、前記対象となる製造物の設定条件を取得することを特徴とする製造設備の設定条件決定方法。

請求項2

前記対象となる製造物の製造前に同一の製造設備にて製造された製造物の設定条件であってオペレータによる手動での操作による設定条件の修正が反映された設定条件は、前記対象となる製造物の直前に製造された製造物の設定条件であることを特徴とする請求項1に記載の製造設備の設定条件決定方法。

請求項3

圧延機ミルセットアップ設定値の決定方法において、対象となる圧延材の製造条件と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材のミルセットアップ設定値であってオペレータによる手動での操作による設定値の修正が反映されたミルセットアップ設定値と、を入力とし、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を出力として学習させた学習済みモデルに対し、対象となる圧延材のミルセットアップ設定値と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材のミルセットアップ設定値であってオペレータによる手動での操作による設定値の修正が反映されたミルセットアップ設定値と、を入力し、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を取得するミルセットアップ設定値算出工程を含むことを特徴とする圧延機のミルセットアップ設定値の決定方法。

請求項4

前記学習済みモデルは、対象となる圧延材の製造条件と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材のミルセットアップ設定値であってオペレータによる手動での操作による修正が反映されたミルセットアップ設定値と、を入力とし、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を出力として、学習モデルを学習させた第一の学習済みモデルと、前記対象となる圧延材の製造条件を入力とし、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を出力として、学習モデルを学習させた第二の学習済みモデルと、を含み、前記ミルセットアップ設定値算出工程は、所定の判定条件に基づいて前回のミルセットアップ設定値を用いることが適当であると判定した場合、前記第一の学習済みモデルに対して、前記対象となる圧延材の製造条件と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材のミルセットアップ設定値と、を入力することにより、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を出力として取得し、前記所定の判定条件に基づいて前回のミルセットアップ設定値を用いることが適当ではないと判定した場合、前記第二の学習済みモデルに対して、前記対象となる圧延材の製造条件を入力することにより、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を出力として取得することを特徴とする請求項3に記載の圧延機のミルセットアップ設定値の決定方法。

請求項5

前記学習済みモデルは、対象となる圧延材の製造条件と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材の製造条件と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材のミルセットアップ設定値であってオペレータによる手動での操作による設定値の修正が反映されたミルセットアップ設定値と、を入力とし、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を出力として、学習モデルを学習させたものであり、前記ミルセットアップ設定値算出工程は、前記学習済みモデルに対して、前記対象となる圧延材の製造条件と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材の製造条件と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材のミルセットアップ設定値と、を入力することにより、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を出力として取得することを特徴とする請求項3に記載の圧延機のミルセットアップ設定値の決定方法。

請求項6

圧延機のミルセットアップ工程におけるミルセットアップ設定値の決定装置であって、学習済みモデルに対して、対象となる圧延材の製造条件と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材のミルセットアップ設定値と、を入力することにより、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を出力として取得するミルセットアップ設定値算出装置を備え、前記学習済みモデルは、前記対象となる圧延材の製造条件と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材のミルセットアップ設定値であってオペレータによる手動での操作による設定値の修正が反映されたミルセットアップ設定値と、を入力とし、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を出力として、学習モデルを学習させたものであることを特徴とする圧延機のミルセットアップ設定値の決定装置。

請求項7

請求項1または請求項2に記載の製造設備の設定条件決定方法によって決定された設定条件を製造設備に設定し、当該製造設備によって製造物を製造することを特徴とする製造物の製造方法。

請求項8

請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の圧延機のミルセットアップ設定値の決定方法によって決定されたミルセットアップ設定値を圧延機に設定し、当該圧延機によって圧延材を製造することを特徴とする圧延材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、製造設備設定条件決定方法圧延機ミルセットアップ設定値の決定方法、圧延機のミルセットアップ設定値の決定装置製造物の製造方法および圧延材の製造方法に関する。

背景技術

0002

圧延機におけるミルセットアップは、各圧延スタンド出側における圧延材(コイル)の板厚および形状を定めるものであり、その設定値(ミルセットアップ設定値)の最適化は、安定操業品質確保の観点から重要である。

0003

従来から、ミルセットアップを自動で行う方法が種々提案されており、例えば特許文献1,2には、学習済みニューラルネットワークを用いてミルセットアップ設定値を算出する方法が開示されている。また、非特許文献1では、数式モデル圧延モデル)をもとに逐次2次計画法による数値最適化を行ってミルセットアップ設定値を修正する方法が開示されている。

0004

特開平5−38511号公報
特開平8−90020号公報

先行技術

0005

上晃ほか、「冷間タンデム圧延機パススケジュール最適化」、鉄と鋼、一般社団法人日鉄鋼協会、2004年、Vol.90、No.11

発明が解決しようとする課題

0006

ここで、前記した特許文献1,2に開示されている方法は、大量の実績データに基づいてミルセットアップ設定値を決定するため、例えばオペレータモータ負荷状況等を見てスタンド圧下率手動で調整した場合(オペレータの手介入修正が発生した場合)に、次のミルセットアップにおいてこれを直ちに反映することが困難であるという問題があった。

0007

また、前記した非特許文献1に開示されている方法では、数式モデルに基づく最適化を行うため、当該数式モデルの精度によって性能が変化するという問題が生じる。また、前記した非特許文献1に開示されている方法では、前記した特許文献1,2と同様に、オペレータの手介入修正が発生した場合に、次のミルセットアップにおいてこれを直ちに反映することが困難であるという問題があった。

0008

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、オペレータ判断による設定値の手介入修正の結果を反映した設定条件を決定することができる製造設備の設定条件決定方法、圧延機のミルセットアップ設定値の決定方法、圧延機のミルセットアップ設定値の決定装置、製造物の製造方法および圧延材の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る製造設備の設定条件決定方法は、製造設備に与える設定条件の決定方法において、対象となる製造物の製造条件と、当該製造物の製造前に同一の製造設備にて製造された製造物の設定条件であってオペレータによる手動での操作による設定条件の修正が反映された設定条件と、を入力とし、前記対象となる製造物の設定条件を出力として学習させた学習済みモデルに対し、対象となる製造物の製造条件と、当該製造物の製造前に同一の製造設備にて製造された製造物の設定条件であってオペレータによる手動での操作による設定条件の修正が反映された設定条件と、を入力し、前記対象となる製造物の設定条件を取得することを特徴とする。

0010

また、本発明に係る製造設備の設定条件決定方法は、上記発明において、前記対象となる製造物の製造前に同一の製造設備にて製造された製造物の設定条件であってオペレータによる手動での操作による設定条件の修正が反映された設定条件は、前記対象となる製造物の直前に製造された製造物の設定条件であることを特徴とする。

0011

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る圧延機のミルセットアップ設定値の決定方法は、圧延機のミルセットアップ設定値の決定方法において、対象となる圧延材の製造条件と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材のミルセットアップ設定値であってオペレータによる手動での操作による設定値の修正が反映されたミルセットアップ設定値と、を入力とし、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を出力として学習させた学習済みモデルに対し、対象となる圧延材のミルセットアップ設定値と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材のミルセットアップ設定値であってオペレータによる手動での操作による設定値の修正が反映されたミルセットアップ設定値と、を入力し、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を取得するミルセットアップ設定値算出工程を含むことを特徴とする。

0012

また、本発明に係る圧延機のミルセットアップ設定値の決定方法は、上記発明において、前記学習済みモデルは、対象となる圧延材の製造条件と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材のミルセットアップ設定値であってオペレータによる手動での操作による修正が反映されたミルセットアップ設定値と、を入力とし、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を出力として、学習モデルを学習させた第一の学習済みモデルと、前記対象となる圧延材の製造条件を入力とし、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を出力として、学習モデルを学習させた第二の学習済みモデルと、を含み、前記ミルセットアップ設定値算出工程は、所定の判定条件に基づいて前回のミルセットアップ設定値を用いることが適当であると判定した場合、前記第一の学習済みモデルに対して、前記対象となる圧延材の製造条件と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材のミルセットアップ設定値と、を入力することにより、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を出力として取得し、前記所定の判定条件に基づいて前回のミルセットアップ設定値を用いることが適当ではないと判定した場合、前記第二の学習済みモデルに対して、前記対象となる圧延材の製造条件を入力することにより、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を出力として取得することを特徴とする。

0013

また、本発明に係る圧延機のミルセットアップ設定値の決定方法は、上記発明において、前記学習済みモデルは、対象となる圧延材の製造条件と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材の製造条件と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材のミルセットアップ設定値であってオペレータによる手動での操作による設定値の修正が反映されたミルセットアップ設定値と、を入力とし、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を出力として、学習モデルを学習させたものであり、前記ミルセットアップ設定値算出工程は、前記学習済みモデルに対して、前記対象となる圧延材の製造条件と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材の製造条件と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材のミルセットアップ設定値と、を入力することにより、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を出力として取得することを特徴とする。

0014

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る圧延機のミルセットアップ設定値の決定装置は、圧延機のミルセットアップ工程におけるミルセットアップ設定値の決定装置であって、学習済みモデルに対して、対象となる圧延材の製造条件と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材のミルセットアップ設定値と、を入力することにより、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を出力として取得するミルセットアップ設定値算出装置を備え、前記学習済みモデルは、前記対象となる圧延材の製造条件と、当該圧延材の製造前に同一の圧延機にて製造された圧延材のミルセットアップ設定値であってオペレータによる手動での操作による設定値の修正が反映されたミルセットアップ設定値と、を入力とし、前記対象となる圧延材のミルセットアップ設定値を出力として、学習モデルを学習させたものであることを特徴とする。

0015

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る製造設備による製造物の製造方法は、前記した製造設備の設定条件決定方法によって決定された設定条件を製造設備に設定し、当該製造設備によって製造物を製造することを特徴とする。

0016

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る圧延材の製造方法は、前記した圧延機のミルセットアップ設定値の決定方法によって決定されたミルセットアップ設定値を圧延機に設定し、当該圧延機によって圧延材を製造することを特徴とする。

発明の効果

0017

本発明によれば、前後の製造品種における設定条件の関係性を含めて学習させた学習済みモデルを用いることにより、オペレータ判断による設定条件の手介入修正の結果を反映した設定条件を容易に得ることができる。

図面の簡単な説明

0018

図1は、本発明の実施形態に係るミルセットアップ設定値の決定装置を、複数の圧延スタンドを備える圧延機設備に適用した概略構成図である。
図2は、本発明の実施形態に係るミルセットアップ設定値の決定方法の学習工程で用いるニューラルネットワークの構成を示す図である。
図3は、従来のミルセットアップ設定値の決定方法における(a)学習フェーズおよび(b)認識フェーズの内容を示す図である。
図4は、本発明の実施形態に係るミルセットアップ設定値の決定方法における(a)学習フェーズおよび(b)認識フェーズの内容を示す図である。
図5は、本発明の実施形態に係るミルセットアップ設定値の決定方法の手順を示すフローチャートである。
図6は、本発明の実施形態に係るミルセットアップ設定値の決定方法の実施例であって、前回の圧下率設定値を入力に含めて学習させた学習済みニューラルネットワークによって予測した各圧延スタンドの圧下率設定値(予測)と、オペレータが各圧延スタンドに実際に設定した圧下率設定値(実績)との関係を示す散布図である。
図7は、本発明の実施形態に係るミルセットアップ設定値の決定方法の比較例であって、前回の圧下率設定値を入力に含めずに学習させた学習済みニューラルネットワークによって予測した各圧延スタンドの圧下率設定値(予測)と、オペレータが各圧延スタンドに実際に設定した圧下率設定値(実績)との関係を示す散布図である。

0019

本発明に係る製造設備の設定条件決定方法、圧延機のミルセットアップ設定値の決定方法、圧延機のミルセットアップ設定値の決定装置、製造物の製造方法および圧延材の製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、以下の実施形態における構成要素には、当業者置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。

0020

(ミルセットアップ設定値の決定方法)
本発明の実施形態に係る圧延機のミルセットアップ設定値の決定方法は、圧延機のミルセットアップ工程において、ミルセットアップの条件(以下、「ミルセットアップ設定値」という)を決定するための方法である。図1は、本実施形態に係るミルセットアップ設定値の決定方法を実施するミルセットアップ設定値の決定装置を、圧延機設備1に適用した例を示している。

0021

圧延機設備1は、圧延材である鋼板(具体的にはコイル)Wを圧延する複数の圧延スタンド2a〜2eを有する圧延機2と、各圧延スタンド2a〜2eのロールギャップを制御する圧下位置制御装置3と、各圧延スタンド2a〜2eのロールベンダーおよびロールシフトを制御するロールベンダーシフト制御装置4と、ミルセットアップ計算を行うプロセス計算機5と、ミルセットアップ設定値の算出を行うミルセットアップ設定値算出装置6と、機械学習を行う学習装置7と、を備えている。本実施形態に係るミルセットアップ設定値の決定装置は、少なくともプロセス計算機5、ミルセットアップ設定値算出装置6および学習装置7を備えている。

0022

プロセス計算機5、ミルセットアップ設定値算出装置6および学習装置7は、具体的にはパーソナルコンピュータワークステーション等の汎用情報処理装置によって実現されるものであり、例えばCPU、ROM、RAM等を主要構成部品としている。

0023

なお、プロセス計算機5、ミルセットアップ設定値算出装置6および学習装置7は、それぞれ別個の装置によって構成してもよく、あるいは、プロセス計算機5に対して、ミルセットアップ設定値算出装置6および学習装置7をソフトウェアとして内包させることにより、プロセス計算機5、ミルセットアップ設定値算出装置6および学習装置7を一つの装置によって構成してもよい。

0024

プロセス計算機5は、ミルセットアップ設定値算出装置6によって算出されたミルセットアップ設定値に基づいて、圧下位置制御装置3およびロールベンダーシフト制御装置4の操作量を算出する。本実施形態では、プロセス計算機5から入力される鋼板Wの圧延条件(製造条件)に基づいて、ミルセットアップ設定値算出装置6においてミルセットアップ設定値が算出される。プロセス計算機5は、このミルセットアップ設定値を圧延スケジュール計算に反映させることにより、圧下位置制御装置3およびロールベンダーシフト制御装置4の操作量を変更する。

0025

ミルセットアップ設定値算出装置6は、学習装置7から入力される学習結果(学習済みモデル)と、プロセス計算機5から入力される鋼板Wの圧延条件と、に基づいて、ミルセットアップ工程におけるミルセットアップ設定値を算出する。

0026

ここで、ミルセットアップ工程とは、各圧延スタンド2a〜2eの圧下率の配分(ドラフトスケジュール)、前方張力後方張力、ロールベンダー、ロールシフト等のミルセットアップ設定値を、鋼板Wの圧延条件に応じて設定するプロセスを指している。また、鋼板Wの圧延条件とは、例えば板厚、板幅鋼種ロール諸元ロール径等)等を指している。

0027

ミルセットアップ工程では、例えば以下の参考文献1に記載されているようなフローに従い、各圧延スタンド2a〜2eの圧下率および張力の設定に基づいて、圧延荷重圧延トルク等の予測計算を行い、走間板厚変更のための圧下位置およびロール周速度の算出を行う。また、ミルセットアップ工程では、鋼板Wの品質(例えば板形状、オフゲージ)に影響の大きいロールベンダーおよびロールシフトの設定を、材料諸元や上記の圧延荷重の予測値に基づいて決定し、適宜オペレータが手動で調整したものを最終的なミルセットアップ設定値とすることが一般的である。

0028

参考文献1:中井耕三ほか、「ミルセットアップモデル調整支援ステム」、日立評論、日立評論社、1985年、Vol.67、No.4

0029

学習装置7は、鋼板Wの圧延条件とミルセットアップ設定値との関係性を学習モデルであるニューラルネットワークに学習させることにより、学習済みモデルである学習済みニューラルネットワークを生成する。図2は、本実施形態で用いるニューラルネットワークの構成を示している。このニューラルネットワークは、入力層と、一層以上の中間層と、出力層と、から構成されている。各層はAffineレイヤーであり、中間層の出力は、Sigmoid関数等の適当な活性化関数を有している。

0030

また、本実施形態で用いるニューラルネットワークは、再帰型構造のニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network:RNN)である。本実施形態では、RNNのうち、中間層に対して、同時刻(=t)の入力層の入力と前時刻(=t−1)の出力層の出力とが入力される「ジョーダンネットワーク(Jordan Network)」を用いることができる。なお、前記したジョーダン・ネットワークに代えて、中間層に対して、同時刻(=t)の入力層の入力と前時刻(=t−1)の中間層の出力とが入力される「エルマン・ネットワーク(Elman Network)」を用いてもよい。学習装置7は、このニューラルネットワークの学習を、例えばオフラインまたはオンラインバックプロパゲーション法等を用いて実施する。

0031

ここで、前記した特許文献1,2では、学習済みニューラルネットワークを用いてミルセットアップ設定値を算出していたが、これら従来のミルセットアップ設定値の決定方法では、例えば図3に示すような学習フェーズおよび認識フェーズを実施していた。

0032

まず学習フェーズでは、図3の(a)に示すように、今回の鋼板Wの圧延条件が入力となり、今回の鋼板Wのミルセットアップ設定値が出力となるようにニューラルネットワークを学習させ、学習済みニューラルネットワークを生成する。そして、認識フェーズでは、同図の(b)に示すように、学習フェーズで生成された学習済みニューラルネットワークに対して、今回の鋼板Wの圧延条件を入力することにより、今回の鋼板Wのミルセットアップ設定値を出力として取得する。

0033

しかしながら、実際の操業では、認識フェーズで取得した今回のミルセットアップ設定値をそのまま用いるのではなく、圧延機設備の状況に応じて、適宜オペレータによる手動での操作による設定条件(設定値)の修正(以下、「手介入修正」という)が行われ、この手介入修正が反映されたミルセットアップ設定値を、最終的な設定値として用いている。

0034

なお、オペレータによる手介入修正が行われる状況としては、例えば、(1)各圧延スタンドのモータのうちの一部に負荷が集中しており、他のモータに負荷を分散させるために各圧延スタンドの圧下率の配分を変更したい場合、(2)各圧延スタンドの圧延ロールのうちの一部が摩耗しているため、鋼板のスリップを防止するために各圧延スタンドの圧下率の配分を変更したい場合、(3)圧延スタンドの入側で鋼材蛇行するおそれがあるため、各圧延スタンドの圧下率の配分を変更したい場合、等が挙げられる。

0035

また、従来のミルセットアップ設定値の決定方法では、前後に処理する鋼板をそれぞれ独立のものと考えており、「前後の鋼板のミルセットアップ設定値に関連性がない」という前提でミルセットアップ設定値を予測していた。そのため、前記した認識フェーズ(図3の(b)参照)では、例えば鋼種等の圧延条件が同じであれば、圧延機設備の状況や前回のミルセットアップ設定値にかかわらず、常に同じミルセットアップ設定値を出力していた。

0036

しかしながら、実際の操業では、例えば鋼板と圧延ロールとの摩擦状態潤滑状態等の圧延状況が保存され、前後の鋼板の鋼種が多少異なっていても、前後の鋼板で同様の圧延状況が継続することが多い。

0037

例えば、各圧延スタンドのうちの一部がスリップしやすい傾向にある場合、圧延ロールの状態と潤滑油性状とが滑りやすい状態であるため、前後の鋼板の鋼種が多少異なっていても、スリップしやすい傾向がそのまま継続することになる。現場のオペレータは、このことを経験上知っているため、前後の鋼板の圧延条件が多少異なっていても、前後の鋼板で同じミルセットアップ設定値となるように手介入修正を行ったり、あるいは前後の鋼板の圧延条件が同じであっても、前後の鋼板で異なるミルセットアップ設定値となるように手介入修正を行ったりする。

0038

そこで、本実施形態に係るミルセットアップ設定値の決定方法では、手介入修正を含めたミルセットアップ設定値を、前後のミルセットアップ設定値の関係性も含めて事前に学習することにより、上記のような圧延状況の保存の原則や、オペレータの経験則を反映したミルセットアップ設定値を予測できるようにした。本実施形態に係るミルセットアップ設定値の決定方法では、具体的には図4に示すような学習フェーズおよび認識フェーズを実施する。

0039

まず学習フェーズでは、図4の(a)に示すように、対象となる鋼板W(以下、「今回の鋼板W」という)の圧延条件と、当該鋼板Wの製造前に同一の圧延機2にて製造された鋼板W(以下、「前回の鋼板W」という)のミルセットアップ設定値と、が入力となり、今回の鋼板Wのミルセットアップ設定値が出力となるようにニューラルネットワークを学習させ、学習済みニューラルネットワークを生成する。そして、認識フェーズでは、同図の(b)に示すように、学習済みニューラルネットワークに対して、今回の鋼板Wの圧延条件と、前回の鋼板Wのミルセットアップ設定値と、を入力することにより、今回の鋼板Wのミルセットアップ設定値を出力として取得する。

0040

なお、前記した「前回の鋼板Wのミルセットアップ設定値」とは、オペレータによる手介入修正の結果が反映された、最終的なミルセットアップ設定値のことを指している。また、「前回の鋼板Wのミルセットアップ設定値」とは、今回の鋼板Wの直前に製造された鋼板Wのミルセットアップ設定値のことを指している。

0041

以下、本実施形態に係るミルセットアップ設定値の決定方法の各工程について具体的に説明する。本実施形態では、学習工程(学習フェーズ)と、ミルセットアップ設定値算出工程(認識フェーズ)と、をこの順で行う。まず学習工程では、学習装置7が第一の学習工程および第二の学習工程を行う。

0042

第一の学習工程では、前後の鋼板Wのミルセットアップ設定値の関係性も含めて学習を行う。すなわち第一の学習工程では、今回の鋼板Wの圧延条件と、前回の鋼板Wのミルセットアップ設定値であってオペレータによる手介入修正が反映されたミルセットアップ設定値と、を入力とし、今回の鋼板Wのミルセットアップ設定値を出力とする学習用教師データ(以下、「学習データ」という)を、過去の操業実績から多数用意して、ニューラルネットワークを学習させることにより、第一の学習済みニューラルネットワークを生成する。

0043

なお、学習に用いる「今回の鋼板Wのミルセットアップ設定値」としては、今回鋼板Wにおいて手介入修正が行われた場合には、この手介入修正が反映された設定値を用いることが好適であるが、手介入修正が反映されていない設定値(すなわち、認識フェーズにおいて算出した設定値)を学習に用いたとしても、問題にはならない。

0044

第二の学習工程では、前後の鋼板Wのミルセットアップ設定値の関係性を含めずに学習を行う。すなわち第二の学習工程では、今回の鋼板Wの圧延条件を入力とし、今回の鋼板Wのミルセットアップ設定値を出力として、ニューラルネットワークを学習させることにより、第二の学習済みニューラルネットワークを生成する。

0045

ミルセットアップ設定値算出工程では、図5に示すように、ミルセットアップ設定値算出装置6が、前回のミルセットアップ設定値を用いることが適当か否かを判定する(ステップS1)。本ステップでは、例えば前後の鋼板Wにおいて、同様の圧延状況が継続している場合(圧延状況が変化していない場合)に肯定判定を行い、同様の圧延状況が継続していない場合(圧延状況が変化した場合)に否定判定を行う。

0046

ステップS1において、前回のミルセットアップ設定値を用いることが適当であると判定した場合(ステップS1でYes)、ミルセットアップ設定値算出装置6は、第一の学習済みニューラルネットワークに対して、今回の鋼板Wの圧延条件と、前回の鋼板Wのミルセットアップ設定値と、を入力することにより、今回の鋼板Wのミルセットアップ設定値を出力として取得する(ステップS2)。そして、プロセス計算機5は、得られたミルセットアップ設定値を用いて、ミルセットアップを行い(ステップS3)、本処理を終了する。

0047

なお、ステップS1で肯定判定がなされる「前回のミルセットアップ設定値を用いることが適当である場合」とは、前後の鋼板Wで圧延状況が変化していないため、今回のミルセットアップ設定値の予測に前回のミルセットアップ設定値を用いると、オペレータが望むような(オペレータの経験則に沿った)ミルセットアップ設定値が予測されやすくなるということを指している。

0048

ここで、ステップS1において、前回のミルセットアップ設定値を用いることが適当ではないと判定した場合(ステップS1でNo)、ミルセットアップ設定値算出装置6は、第二の学習済みニューラルネットワークに対して、今回の鋼板Wの圧延条件を入力することにより、今回の鋼板Wのミルセットアップ設定値を出力として取得し(ステップS4)、ステップS3に進む。

0049

なお、ステップS1で否定判定がなされる「前回のミルセットアップ設定値を用いることが適当ではない場合」とは、例えば圧延ロールの組み替え直後等、前後の鋼板Wで圧延状況が変化するため、今回のミルセットアップ設定値の予測に前回のミルセットアップ設定値を用いると、オペレータが望まない(オペレータの経験則に沿わない)ミルセットアップ設定値が予測されやすくなるということを指している。

0050

以上説明したような本実施形態に係るミルセットアップ設定値の決定方法およびミルセットアップ設定値の決定装置によれば、前後の鋼板Wのミルセットアップ設定値の関係性を含めて学習させた学習済みニューラルネットワークを用いることにより、オペレータ判断によるミルセットアップ設定値の手介入修正の結果を反映したミルセットアップ設定条件を容易に得ることができる。

0051

また、前記した非特許文献1に開示されている方法では、数式モデルに基づく最適化を行うため、例えば圧延条件が変わるとモデルを作り直す必要があったが、本実施形態に係るミルセットアップ設定値の決定方法およびミルセットアップ設定値の決定装置では、このようにモデルを作り直す必要がない。

0052

(変形例)
ここで、本実施形態に係るミルセットアップ設定値の決定方法では、学習工程において、今回の鋼板Wの圧延条件に加えて、前回の鋼板Wの圧延条件についてもニューラルネットワークに学習させてもよい。

0053

この場合、事前に行う学習工程では、今回の鋼板Wの圧延条件と、前回の鋼板Wの圧延条件と、前回の鋼板Wのミルセットアップ設定値と、を入力とし、今回の鋼板Wのミルセットアップ設定値を出力として、ニューラルネットワークの学習を行うことにより、学習済みニューラルネットワークを生成する。そして、ミルセットアップ設定値算出工程では、学習済みニューラルネットワークに対して、今回の鋼板Wの圧延条件と、前回の鋼板Wの圧延条件と、前回の鋼板Wのミルセットアップ設定値と、を入力することにより、今回の鋼板Wのミルセットアップ設定値を出力として取得する。

0054

このように、前後の鋼板Wの圧延条件の関係性を含めて学習させた学習済みニューラルネットワークを用いることにより、ミルセットアップ設定条件の予測精度をより向上させることができる。

0055

(製造設備の設定条件決定方法)
ここで、上記の実施形態では、製造設備の一例として圧延機設備1を挙げて説明を行ったが、本発明に係る方法は、圧延機設備1以外の製造設備にも広く適用可能である。この場合、製造設備における製造物を切り替える際の、製造設備の設定条件決定方法として、学習工程と、設定条件算出工程と、をこの順で行う。

0056

上記の学習工程では、対象となる製造物の製造条件と、当該製造物の製造前に同一の製造設備にて製造された製造物の設定条件であってオペレータによる手動での操作による設定条件の修正が反映された設定条件と、を入力とし、対象となる製造物の設定条件を出力として、ニューラルネットワークを学習させることにより、学習済みニューラルネットワークを生成する。そして、設定条件算出工程では、対象となる製造物の製造条件と、当該製造物の製造前に同一の製造設備にて製造された製造物の設定条件であってオペレータによる手動での操作による設定条件の修正が反映された設定条件と、を入力することにより、対象となる製造物の設定条件を出力として取得する。

0057

このような製造設備の設定条件決定方法によれば、前後の製造物における設定条件の関係性を含めて学習させた学習済みニューラルネットワークを用いることにより、オペレータ判断による設定条件の手介入修正の結果を反映した設定条件を予測することができる。

0058

以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。図6の(a)〜(e)は、本発明の実施例であり、本発明に係る方法に基づいて、前回の圧下率設定値を入力に含めて学習させた学習済みニューラルネットワークによって予測した各圧延スタンドの圧下率設定値(予測)と、オペレータが各圧延スタンドに実際に設定した圧下率設定値(実績)との関係を示す散布図である。

0059

また、図7の(a)〜(e)は、本発明の比較例であり、特許文献1に開示されている方法に基づいて、前回の圧下率設定値を入力に含めずに学習させた学習済みニューラルネットワークによって予測した各圧延スタンドの圧下率設定値(予測)と、オペレータが各圧延スタンドに実際に設定した圧下率設定値(実績)との関係を示す散布図である。図6および図7において、縦軸は各圧延スタンドの圧下率設定値(予測)、横軸は各圧延スタンドの圧下率設定値(実績)、である。また、本実施例では、学習工程およびミルセットアップ設定値算出工程において、鋼板Wの圧延条件として、鋼板Wの板厚、板幅、鋼種、各圧延スタンドのロール諸元(ロール径等)を用いた。

0060

図6および図7に示すように、本発明に係る方法を用いることにより、特許文献1に開示されている方法を用いた場合よりも、各圧延スタンドの圧下率設定値の再現精度が向上していることが分かる。すなわち、本発明に係る方法では、特許文献1に開示されている方法と比較して、平均平方二乗誤差(Root Mean Squared Error:RMSE)が各圧延スタンド平均で約52%減少しており、各圧延スタンドの圧下率設定値(予測)と、オペレータが実際に設定する(オペレータの経験則に沿った)各圧延スタンドの圧下率設定値(実績)との誤差が減少していることが分かる。

0061

以上、本発明に係る製造設備の設定条件決定方法、圧延機のミルセットアップ設定値の決定方法、圧延機のミルセットアップ設定値の決定装置、製造物の製造方法および圧延材の製造方法について、発明を実施するための形態および実施例により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。

0062

例えば、前記した実施形態に係るミルセットアップ設定値の決定方法では、圧延材の一例としてコイル等の鋼板Wを挙げて説明を行ったが、アルミニウム等の他素材対象材としてもよい。

0063

また、前記した実施形態に係るミルセットアップ設定値の決定方法では、学習工程で生成した二つの学習済みニューラルネットワークを利用してミルセットアップ設定値算出工程を行っているが、学習工程で学習済みニューラルネットワークを一つのみ生成し、一つの学習済みニューラルネットワークを利用してミルセットアップ設定値算出工程を行ってもよい。この場合、第一の学習工程と第二の学習工程とで同じニューラルネットワークの学習を行い、一つの学習済みニューラルネットワークを生成する。

0064

第一の学習工程は、前後の鋼板Wにおいて、同様の圧延状況が継続しており(圧延状況が変化しておらず)、前後の鋼板Wのミルセットアップ設定値に関連性がある場合に実施する。第一の学習工程では、今回の鋼板Wの圧延条件と、前回の鋼板Wのミルセットアップ設定値と、を入力とし、今回の鋼板Wのミルセットアップ設定値を出力として、ニューラルネットワークを学習させる。

0065

第二の学習工程は、前後の鋼板Wにおいて、同様の圧延状況が継続しておらず(圧延状況が変化しており)、前後の鋼板Wのミルセットアップ設定値に関連性がない場合に実施する。第二の学習工程では、今回の鋼板Wの圧延条件と、前回の鋼板Wのミルセットアップ設定値と、を入力とし、今回の鋼板Wのミルセットアップ設定値を出力として、ニューラルネットワークを学習させる。但し、第二の学習工程では、前回の鋼板Wのミルセットアップ設定値を例えば「0」のような固定値とする等として、前回の鋼板Wのミルセットアップ設定値がミルセットアップ設定値算出工程における出力に寄与しないよう工夫してニューラルネットワークの学習を行う。

0066

なお、上記の説明では、「前後の鋼板Wのミルセットアップ設定値に関連性がある場合」に第一の学習工程を実施し、「前後の鋼板Wのミルセットアップ設定値に関連性がない場合」に第二の学習工程を実施するとしたが、例えば前回の鋼板Wのミルセットアップ設定値を含む第一の学習データと、前回の鋼板Wのミルセットアップ設定値を含むが、前回の鋼板Wのミルセットアップ設定値が「0」に固定された第二の学習データと、をそれぞれ用意し、一度の学習工程で第一および第二の学習データを学習させることにより、上記第一および第二の学習工程を実施した場合と同様の学習済みニューラルネットワークを得ることができる。

0067

続いて、ミルセットアップ設定値算出工程では、学習済みニューラルネットワークに対して、今回の鋼板Wの圧延条件と、前回の鋼板Wのミルセットアップ設定値と、を入力することにより、今回の鋼板Wのミルセットアップ設定値を出力として取得する。但し、ミルセットアップ設定値算出工程では、前後の鋼板Wにおいて、同様の圧延状況が継続しておらず、前後の鋼板Wのミルセットアップ設定値に関連性がない場合は、前回の鋼板Wのミルセットアップ設定値として例えば「0」を学習済みニューラルネットワークに入力する。

0068

これにより、一つの学習済みニューラルネットワークを用いて、前後の鋼板Wで同様の圧延状況が継続している場合のミルセットアップ設定値と、前後の鋼板Wで同様の圧延状況が継続していない場合のミルセットアップ設定値と、をそれぞれ予測することができる。

0069

また、前記した実施形態に係るミルセットアップ設定値の決定方法では、学習工程でニューラルネットワークを用いた学習を行っているが、ニューラルネットワーク以外にも、時系列データを扱える決定木サポートベクタマシン等の機械学習手法を用いて学習を行い、学習済みモデルを生成してもよい。

0070

また、本発明に係る方法は、ミルセットアップ工程以外のプロセスにも適用可能である。例えば熱間圧延の場合についても、上記の参考文献1に記載されているフローのようにドラフトスケジュールの決定を行っているため、本発明に係る方法は有効である。さらに、厚板圧延のようなリバース方式の圧延を行う場合、摩擦状態や潤滑状態等の前回の圧延状況をオペレータが判断して設定値を変更する機会が多くあるため、本発明に係る方法が特に有効に働く。

0071

また、溶融亜鉛めっき鋼板製造ラインにおけるめっき付着量制御は、一般にガスワイピングと呼ばれる方法で行われる。この場合、亜鉛めっきの性状が安定化してからでないとめっき付着量を正確に測定することができないため、亜鉛ポットから100m程度離れた場所に付着量センサーが設置されるのが一般的であり、フィードバックコントロールでは大きな時間遅れが発生する。そのため、溶接点が亜鉛ポットを通過するタイミングでワイピング設備の設定変更を実施している。

0072

このような溶融亜鉛めっき鋼板製造ラインにおけるめっき付着量制御に対して、本発明に係る方法を適用し、溶接点の前後における鋼板に対するワイピング設備の設定値の関係性をニューラルネットワークに学習させ、その学習結果を用いることにより、オペレータ判断による設定値の手介入修正の結果を反映した、ワイピング設備の設定値を得ることができる。

0073

また、溶融亜鉛めっき鋼板製造ラインにおけるめっき合金化制御は、誘導加熱ガス加熱によって行われる。この場合、亜鉛めっき合金化が完了してからでないと合金化度を正確に測定することができないため、亜鉛ポットから100m程度離れた場所に合金化度センサーが設置されるのが一般的であり、フィードバックコントロールでは大きな時間遅れが発生する。そのため、溶接点が合金化加熱セクションを通過するタイミングで加熱設備の設定変更を実施している。

0074

このような溶融亜鉛めっき鋼板製造ラインにおけるめっき合金化制御に対して、本発明に係る方法を適用し、溶接点の前後における鋼板に対する加熱設備の設定値の関係性をニューラルネットワークに学習させ、その学習結果を用いることにより、オペレータ判断による設定値の手介入修正の結果を反映した、加熱設備の設定値を得ることができる。

実施例

0075

また、本発明に係る製造設備の設定条件決定方法を製造物の製造方法に適用し、当該製造設備の設定条件決定方法によって決定された設定条件を製造設備に設定し、当該製造設備によって製造物を製造することも可能である。また、本発明に係る圧延機のミルセットアップ設定値の決定方法を圧延材の製造方法に適用し、当該ミルセットアップ設定値の決定方法によって決定されたミルセットアップ設定値を圧延機に設定し、当該圧延機によって圧延材を製造することも可能である。

0076

1圧延機設備
2 圧延機
2a,2b,2c,2d,2e圧延スタンド
3圧下位置制御装置
4ロールベンダーシフト制御装置
5プロセス計算機
6ミルセットアップ設定値算出装置
7 学習装置

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