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技術 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 下澤秀春西田孟奥田篤石塚由香加来賢一中村延博渡部博之
出願日 2020年2月5日 (9ヶ月経過) 出願番号 2020-018349
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-134937
状態 未査定
技術分野 電子写真における感光体
主要キーワード 材料比率 界面密度 アルミニウム製支持体 金属アルコキシド基 制限スリット 共重合ユニット 電子線照射窓 切削処理
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年8月31日)のものです。
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図面 (1)

課題

繰り返し使用における電位変動が抑制される電子写真感光体を提供する。

解決手段

該電子写真感光体は、支持体感光層、および保護層、をこの順に有し、該感光層が式(1)で示される構造を有する化合物を含み、該保護層が式(2)で示される構造および式(3)で示される構造を有する樹脂を含む。

概要

背景

プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置(以下、「電子写真装置」とも称す。)に搭載される電子写真感光体として、有機光導電性物質電荷発生物質)を含有する電子写真感光体が用いられている。近年、より長寿命な電子写真装置が求められており、そのため、画質耐摩耗性機械的耐久性)の向上や電位変動を抑制できる電子写真感光体の提供が望まれている。

電子写真装置に搭載される電子写真感光体は、画質や耐久性向上のために、これまで幅広い検討がなされてきた。その一例として、電子写真感光体に保護層を設けることで、耐摩耗性を向上させる検討がある。

特許文献1には、感光層ベンジジンアリールアミン化合物を含有し、保護層にラジカル重合性化合物を含有する技術が記載されている。また、特許文献2には、ラジカル重合性化合物を低酸素雰囲気下において光エネルギー照射によって硬化させ、保護層を形成する技術が記載されている。

概要

繰り返し使用における電位変動が抑制される電子写真感光体を提供する。該電子写真感光体は、支持体、感光層、および保護層、をこの順に有し、該感光層が式(1)で示される構造を有する化合物を含み、該保護層が式(2)で示される構造および式(3)で示される構造を有する樹脂を含む。なし

目的

近年、より長寿命な電子写真装置が求められており、そのため、画質、耐摩耗性(機械的耐久性)の向上や電位変動を抑制できる電子写真感光体の提供が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

支持体感光層、および保護層、をこの順に有する電子写真感光体であって、該感光層が式(1)で示される構造を有する化合物を含み、該保護層が式(2)で示される構造および式(3)で示される構造を有する樹脂を含むことを特徴とする電子写真感光体:(式(1)中、R1〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、またはメチル基を表す。)(式(2)中、R11〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、またはエチル基を表す。nは2〜5である。)(式(3)中、R21〜R25は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、またはエチル基を表わす。mは2〜5である。)。

請求項2

前記感光層が、前記支持体に近い側から順に電荷発生層電荷輸送層とが積層された積層型感光層であり、該電荷輸送層が、前記式(1)で示される化合物を含む請求項1に記載の電子写真感光体。

請求項3

前記電荷輸送層が、前記式(1)で示される化合物を、該電荷輸送層の全質量に対して30質量%以上、70質量%以下である請求項2に記載の電子写真感光体。

請求項4

前記感光層が、単層型感光層である請求項1に記載の電子写真感光体。

請求項5

前記感光層の全質量に対する、式(1)で示される化合物の含有量が30質量%以上70質量%以下である請求項4に記載の電子写真感光体。

請求項6

前記式(2)におけるR11、R12、および前記式(3)におけるR21がいずれも水素原子である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。

請求項7

前記保護層の全質量に対する、式(2)で示される構造の含有量と式(3)で示される構造の含有量との合計の含有量が60質量%以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。

請求項8

前記式(2)で示される構造と前記式(3)で示される構造の合計の含有量に対する、前記式(3)で示される構造の含有量が25質量%以上80質量%以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。

請求項9

支持体、感光層、および保護層、をこの順に有する電子写真感光体であって、該感光層が、式(1)で示される構造を有する化合物を含有し:(式(1)中、R1〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、またはメチル基を表す。)、該保護層が、式(4)で示される化合物および式(5)で示される化合物を含む組成物重合体を含有することを特徴とする電子写真感光体:(式(4)中、R31〜R34は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、またはエチル基を表す。nは2〜5である。)(式(5)中、R41〜R45は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、またはエチル基を表す。mは2〜5である。)。

請求項10

電子写真画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、請求項1から9のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電部材現像部材およびクリーニング部材からなる群より選択される少なくとも1つと、を具備することを特徴とするプロセスカートリッジ。

請求項11

請求項1から9のいずれか1項に記載の電子写真感光体、帯電装置露光装置、及び、現像装置、を有する電子写真装置

請求項12

前記感光層が、前記支持体に近い側から順に電荷発生層と電荷輸送層とが積層された積層型感光層であり、該電荷輸送層が、前記式(1)で示される化合物を含む請求項11に記載の電子写真装置。

請求項13

前記感光層が、単層型感光層である請求項11に記載の電子写真装置。

技術分野

0001

本発明は電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。

背景技術

0002

プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置(以下、「電子写真装置」とも称す。)に搭載される電子写真感光体として、有機光導電性物質電荷発生物質)を含有する電子写真感光体が用いられている。近年、より長寿命な電子写真装置が求められており、そのため、画質耐摩耗性機械的耐久性)の向上や電位変動を抑制できる電子写真感光体の提供が望まれている。

0003

電子写真装置に搭載される電子写真感光体は、画質や耐久性向上のために、これまで幅広い検討がなされてきた。その一例として、電子写真感光体に保護層を設けることで、耐摩耗性を向上させる検討がある。

0004

特許文献1には、感光層ベンジジンアリールアミン化合物を含有し、保護層にラジカル重合性化合物を含有する技術が記載されている。また、特許文献2には、ラジカル重合性化合物を低酸素雰囲気下において光エネルギー照射によって硬化させ、保護層を形成する技術が記載されている。

先行技術

0005

特開2008−209720号公報
特開2006−10757号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明者らの検討によると、特許文献1及び2に記載の電子写真感光体では、繰り返し使用における電位変動が大きい場合があることが分かった。この理由は、保護層と感光層の界面において電荷トラップされるからだと考えている。

0007

本発明の一態様は、繰り返し使用における電位変動が抑制される電子写真感光体の提供に向けたものである。
また、本発明の他の態様は、高品位電子写真画像の安定的な形成に資するプロセスカートリッジの提供に向けたものである。
さらに、本発明の他の態様は、高品位な電子写真画像を安定して形成することができる電子写真装置の提供に向けたものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明の一態様によれば、支持体、感光層、および保護層、をこの順に有する電子写真感光体であって、
該感光層が式(1)で示される構造を有する化合物を含み、
該保護層が式(2)で示される構造および式(3)で示される構造を有する樹脂を含む電子写真感光体が提供される。



(式(1)中、R1〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、またはメチル基を表す。)



(式(2)中、R11〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、またはエチル基を表す。nは2〜5である。)



(式(3)中、R21〜R25は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、またはエチル基を表わす。mは2〜5である。)

0009

また、本発明の別の態様によれば、電子写真装置本体着脱自在であるプロセスカートリッジであって、上記電子写真感光体と、帯電部材現像部材およびクリーニング部材からなる群より選択される少なくとも1つと、を具備するプロセスカートリッジが提供される。

0010

さらに、本発明の別の態様によれば、上記電子写真感光体と、帯電装置露光装置、及び、現像装置を有する電子写真装置が提供される。

0011

本発明によれば、繰り返し使用における電位変動が抑制される電子写真感光体を提供することができる。また、本発明の別の態様によれば、繰り返し使用における電位変動が抑制される上記電子写真感光体を具備するプロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。

0013

以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明の一態様に係る電子写真感光体(以下、「感光体」とも称す。)は、支持体、感光層、および保護層、をこの順に有する。
該感光層は、式(1)で示される構造を有する化合物を含み、また、
該保護層は、式(2)で示される構造および式(3)で示される構造を有する樹脂を含む。

0014

従来、耐摩耗性と長期の繰り返し使用における残像抑制を両立させるための技術として、感光層にベンジジンアリールアミン化合物を含有させ、保護層に電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物を含ませる方法が知られている。
しかしながら、本発明者らが検討したところ、この方法では、繰り返し使用における電位変動が悪化する場合があることが分かった。この理由として、保護層と感光層との界面において電荷輸送性構造を有する化合物の密度不足していたために、電荷のトラップが発生したためであると考えられる。

0015

上記課題を解決するために、本発明者らは、感光層および保護層の材料種および材料比率の検討を重ねた。その結果、感光層が式(1)で示される構造を有する化合物を含み、保護層が式(2)で示される構造および式(3)で示される構造を有する樹脂を含む電子写真感光体は、繰り返し使用における電位変動が抑制できるものであることを見出した。



(式(1)中、R1〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、またはメチル基を表す。)



(式(2)中、R11〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、またはエチル基を表す。nは2〜5である。)



(式(3)中、R21〜R25は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、またはエチル基を表わす。mは2〜5である。)

0016

式(1)で示される構造の好ましい例を式(1−1)〜(1−10)に示す。






























この中でも、式(1−1)〜(1−6)で示される構造がより好ましい。

0017

式(2)で示される構造の好ましい例を式(2−1)〜(2−5)に示す。















この中でも、式(2−1)および(2−2)で示される構造がより好ましい。

0018

式(3)で示される構造の好ましい例を式(3−1)〜(3−5)に示す。















この中でも、式(3−1)および(3−2)で示される構造がより好ましい。

0019

さらに、上記式(2)におけるR11、R12、および上記式(3)におけるR21がいずれも水素原子であることが、より好ましい。

0020

本発明者らは、このような構成で上記技術課題を解決できるメカニズムとして以下の3つを考えている。

0021

(1)1つ目は、保護層と感光層との界面(以下、「界面」とも称す。)における、保護層の電荷輸送性物質と感光層の電荷輸送性物質との距離である。本発明では、保護層と感光層ともに、電荷輸送性を有するトリアリールアミン骨格を有している構成を有している。保護層と感光層とに含まれる、界面付近に存在するトリアリールアミン骨格同士がスタックすることで、界面における保護層の電荷輸送性物質と感光層の電荷輸送性物質との距離が減少し、その結果電荷トラップが抑制されると考えられる。

0022

(2)2つ目は、界面付近に存在する保護層の電荷輸送性物質同士の距離が近いことである。本発明では、感光層にベンジジンアリールアミン骨格を有する電荷輸送性物質を含む構成を有している。ベンジジンアリールアミン骨格は、トリアリールアミン骨格2つが分子内で最近接した構造を有しており、感光層のトリアリールアミン骨格と界面でスタックする保護層のトリアリールアミン骨格同士の距離が減少する。従って、界面付近に存在する保護層中の電荷輸送性物質間の距離が減少し、感光層と保護層との界面で電荷が輸送された際に、界面においてスムーズに電荷の受け渡しが行われると考えられる。

0023

(3)3つ目は、保護層中における電荷輸送性物質の密度の向上である。本発明では、保護層に電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物および2官能のラジカル重合性化合物を含む構成を有している。従来技術の、保護層に3官能以上の非電荷輸送性物質を含む場合と比較して、本発明の構成では、保護層が形成された際に、架橋膜の主鎖が電荷輸送性構造により形成されることから、保護層中の電荷輸送性物質の密度を向上させることができる。また、保護層中の1官能のラジカル重合性化合物が、2官能のラジカル重合性化合物で形成される架橋膜の主鎖の隙間に入り込むことで、保護層中の電荷輸送性物質の密度が向上する。以上のように、保護層中の電荷輸送性物質の密度が向上することで、上記2つのメカニズムに基づく、繰り返し使用における電位変動抑制がより顕著に発揮される。

0024

以上のように、保護層と感光層の各構成が相乗的に効果を及ぼし合うことによって、本発明の効果が得られると考えられる。

0025

本発明においては、感光層の全質量に対する、式(1)で示される化合物の含有量は、30質量%以上70質量%以下であることが好ましい。上記範囲内であれば、感光層中の電荷輸送性構造を有する化合物の密度を十分に確保でき、繰り返し使用における電位変動を抑制することができる。

0026

本発明においては、保護層の全質量に対する、式(2)で示される構造の含有量と式(3)で示される構造の含有量の合計の含有量は60質量%以上であることが好ましい。上記範囲内であれば、保護層中の電荷輸送性構造を有する化合物の界面密度を十分に確保でき、繰り返し使用における電位変動を抑制することができる。

0027

さらに本発明においては、式(2)で示される構造の含有量と式(3)で示される構造の含有量の合計の含有量に対する、式(3)で示される構造の含有量は25質量%以上80質量%以下であることが好ましい。上記範囲内であれば、繰り返し使用における保護層の膜厚変動を抑制しつつ保護層中の電荷輸送性構造を有する化合物の密度を十分に確保できることから、繰り返し使用における電位変動を抑制することができる。

0028

[電子写真感光体]
本発明の一態様に係る電子写真感光体は、支持体と、感光層と、保護層とを有することを特徴とする。
本発明の一態様に係る電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布スプレー塗布インクジェット塗布ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布ワイヤーバー塗布、リング塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率性および生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
以下、支持体および各層について説明する。

0029

<支持体>
本発明において、電子写真感光体は、支持体を有する。本発明において、支持体は導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合または被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。

0030

導電層
支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。

0031

導電性粒子の材質としては、金属酸化物、金属、カーボンブラックなどが挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛酸化アルミニウム酸化インジウム酸化ケイ素酸化ジルコニウム酸化スズ酸化チタン酸化マグネシウム酸化アンチモン酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなど元素やその酸化物ドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。

0033

導電層の平均膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。

0034

導電層は、上記の各材料および溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を支持体上に形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤エーテル系溶剤エステル系溶剤芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカーサンドミルボールミル液衝突高速分散機を用いた方法が挙げられる。

0035

下引き層
支持体または導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。

0036

下引き層は、樹脂を含有することが好ましい。また、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物重合することで硬化膜として下引き層を形成してもよい。

0037

樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂ポリアミド酸樹脂ポリイミド樹脂ポリアミドイミド樹脂セルロース樹脂などが挙げられる。

0038

重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、イソシアネート基ブロックイソシアネート基メチロール基アルキル化メチロール基、エポキシ基金属アルコキシド基ヒドロキシル基アミノ基、カルボキシル基チオール基カルボン酸無水物基炭素炭素二重結合基などが挙げられる。

0039

また、下引き層は、電気特性を高める目的で、電子輸送物質、金属酸化物、金属、導電性高分子などをさらに含有してもよい。これらの中でも、電子輸送物質、金属酸化物を用いることが好ましい。
電子輸送物質としては、キノン化合物イミド化合物ベンズイミダゾール化合物シクロペンタジエニリデン化合物フルオレノン化合物、キサントン化合物ベンゾフェノン化合物シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物シロール化合物含ホウ素化合物などが挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上記の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
また、下引き層は、添加剤をさらに含有してもよい。

0040

下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。

0041

下引き層は、上記の各材料および溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を支持体または導電層上に形成し、乾燥および/または硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。

0042

<感光層>
電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送性物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送性物質を共に含有する感光層である。

0043

(1)積層型感光層
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。

0044

(1−1)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。

0045

電荷発生物質としては、アゾ顔料ペリレン顔料多環キノン顔料インジゴ顔料フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料クロロガリウムフタロシアニン顔料ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。

0046

樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂ポリ酢酸ビニル樹脂ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤紫外線吸収剤などの添加剤をさらに含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物ヒンダードアミン化合物硫黄化合物リン化合物、ベンゾフェノン化合物、などが挙げられる。

0047

電荷発生層の平均膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。

0048

電荷発生層は、上記の各材料および溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を支持体、導電層または下引き層上に形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。

0049

(1−2)電荷輸送層
先に述べたように、電荷輸送層は式(1)で示される電荷輸送性物質を含む。
電荷輸送層中の式(1)で示される電荷輸送性物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、30質量%以上70質量%以下であることが好ましく、40質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。

0050

電荷輸送層は、式(1)で示される以外の電荷輸送性物質を含有してもよい。電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物複素環化合物ヒドラゾン化合物スチリル化合物エナミン化合物ベンジジン化合物トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。式(1)で示される電荷輸送性物質の含有量は、電荷輸送層の電荷輸送性物質の全重量に対して、50質量%以上が好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。

0051

電荷輸送層は、樹脂を含有することが好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、特にポリアリレート樹脂が好ましい。
電荷輸送性物質と樹脂との含有量比質量比)は、4:10〜20:10が好ましく、7:10〜12:10がより好ましい。

0052

また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤レベリング剤滑り性付与剤耐摩耗性向上剤などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子ポリスチレン樹脂粒子ポリエチレン樹脂粒子シリカ粒子アルミナ粒子窒化ホウ素粒子などが挙げられる。

0053

電荷輸送層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。

0054

電荷輸送層は、上記の各材料および溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗膜を電荷発生層上に形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。

0055

(2)単層型感光層
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送性物質、樹脂および溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を支持体、導電層または下引き層上に形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送性物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。

0056

単層型感光層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。

0057

<保護層>
感光層上の保護層は、式(2)で示される構造および式(3)で示される構造を有する樹脂を含む。
このような保護層は、例えば、式(2)で示される構造および式(3)で示される構造に対応する化合物を含有する組成物を重合することで硬化膜から構成されるものとすることができる。
その際の反応としては、熱重合反応光重合反応放射線重合反応などが挙げられる。化合物が有する重合性官能基としては、アクリロイル基メタクリロイル基などが挙げられる。

0058

式(2)で示される構造および式(3)で示される構造に対応する化合物としては、それぞれ、式(4)で示される化合物、および式(5)で示される化合物が挙げられる。
すなわち、本発明の一態様に係る電子写真感光体の保護層は、式(4)で示される化合物および式(5)で示される化合物を含む組成物の重合体を含有する。



(式(4)中、R31〜R34は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、またはエチル基を表す。nは2〜5である。)
また、式(4)中、R33、R34は水素原子またはメチル基が好ましく、R31、R32は水素原子が好ましい。



(式(5)中、R41〜R45は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、またはエチル基を表す。mは2〜5である。)
また、式(5)中、R42〜R45は水素原子またはメチル基が好ましく、R41は水素原子が好ましい。

0059

保護層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤、などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。

0060

保護層は、導電性粒子および/または電荷輸送性物質と、樹脂とを含有してもよい。
導電性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の粒子が挙げられる。
電荷輸送性物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。

0061

保護層の平均膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上7μm以下であることが好ましい。

0062

保護層は、上記の各材料および溶剤を含有する保護層用塗布液を調製し、この塗膜を感光層上に形成し、乾燥および/または硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。

0063

[プロセスカートリッジ、電子写真画像形成装置]
本発明の一態様に係るプロセスカートリッジは、電子写真装置本体に着脱自在である。そして、このプロセスカートリッジは、本開示に係る電子写真感光体と、帯電部材、現像部材およびクリーニング部材からなる群より選択される少なくとも1つと、を具備する。

0064

また、本発明の一態様に係る電子写真装置は、本開示に係る電子写真感光体と、帯電装置、露光装置、現像装置および転写装置からなる群より選択される少なくとも1つのと、を有することを特徴とする。

0065

図1に、本開示に係る電子写真感光体1、帯電部材としての帯電ローラ3、現像部材としての現像ローラ5−1、クリーニング部材としてのクリーニングブレード9−1を備えたプロセスカートリッジ11を有する電子写真装置の概略構成の一例を示す。
円筒状の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、帯電装置3により、正または負の所定電位帯電される。なお、図1においては、帯電部材として帯電ローラを具備する帯電装置を示しているが、コロナ帯電近接帯電、注入帯電の如き帯電を行う帯電装置を用いてもよい。
帯電された電子写真感光体1の表面には、露光装置(不図示)からの露光光4が照射され、所望の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像装置5に収容されたトナー現像され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。現像装置5は、現像部材として現像ローラ5−1を具備する。
電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写装置(転写ローラ)6により、紙の如き転写材7に転写される。
トナー像が転写された転写材7は、定着装置8へ搬送され、トナー像の定着処理を受け、電子写真装置の外へプリントアウトされる。
電子写真装置は、転写後の電子写真感光体1の表面に残ったトナーなどの付着物を除去するための、クリーニング装置9を有していてもよい。クリーニング装置は、例えば、ウレタン樹脂製のクリーニングブレード9−1を具備することが好ましい。また、クリーニング装置9を設けず、上記付着物を現像装置などで除去する、所謂、クリーナーレスシステムを用いてもよい。
電子写真装置は、電子写真感光体1の表面を、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理する除電機構を有していてもよい。また、本発明の一態様に係るプロセスカートリッジ11を電子写真画像形成装置本体に着脱するために、レールなどの案内装置12を設けてもよい。

0066

本発明に係る電子写真感光体は、レーザービームプリンターLEDプリンター、複写機ファクシミリ、およびこれらの複合機などの電子写真画像形成装置に用いることができる。

0067

以下、実施例および比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。

0068

<電子写真感光体の製造>
〔実施例1〕
直径24mm、長さ257mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。

0069

次に、以下の材料を用意した。
金属酸化物粒子としての酸素欠損型酸化スズ(SnO2)で被覆されている酸化チタン(TiO2)粒子(平均一次粒子径230nm)214部
結着材料としてのフェノール樹脂(フェノール樹脂のモノマー/オリゴマー)(商品名:プライオーフェンJ−325、DIC(株)製、樹脂固形分:60質量%)132部
・溶剤としての1−メトキシ2−プロパノール98部
これらを、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数を2000rpm、分散処理時間を4.5時間、冷却水設定温度を18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。得られた分散液に、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンスマテリアルズ(株)製、平均粒径2μm)を添加した。シリコーン樹脂粒子の添加量は、ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して10質量%となるようにした。
また、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して0.01質量%になるように、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)を分散液に添加した。
次に、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料と表面粗し付与材の合計質量(すなわち、固形分の質量)が分散液の質量に対して67質量%になるように、メタノールと1−メトキシ−2−プロパノールの混合溶剤(質量比1:1)を分散液に添加した。
その後、攪拌することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを1時間140℃で加熱することによって、膜厚が30μmの導電層を形成した。

0070

次に、以下の材料を用意した。
・以下の式(E−1)で示す電子輸送物質3.11部
ブロックイソシアネート(商品名:SBB−70P、旭化成製)6.49部
スチレン−アクリル樹脂(商品名:UC−3920、東亞合成(株)製)0.40部
触媒としてのヘキサン酸亜鉛(II)(三津和化学薬品(株)製)0.05部
これらを、1−ブタノール48部とアセトン24部の混合溶媒に溶解した。この溶液イソプロピルアルコールに分散されたシリカスラリー製品名:IPA−ST−UP、日産化学工業製、固形分濃度:15質量%、粘度:9mPa・s)1.8部を加え、1時間撹拌した。その後、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)製フィルター(商品名:PF020、ADVANTEC製)を用いて加圧ろ過した。得られた下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを40分間170℃で加熱することによって、膜厚が0.7μmの下引き層を形成した。

0071

次に、CuKα特性X線回折より得られるチャートにおいて、7.5°および28.4°の位置にピークを有する結晶形ヒドロキシガリウムフタロシアニン10部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)5部を用意した。これらをシクロヘキサノン200部に添加し、直径0.9mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で6時間分散して分散液を調製した。これにシクロヘキサノン150部と酢酸エチル350部をさらに加えて該分散液を希釈して電荷発生層用塗布液を得た。得られた塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、95℃で10分間乾燥することにより、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。

0072

なお、X線回折の測定は、次の条件で行ったものである。
粉末X線回折測定
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT−TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロ:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット開放
発散制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター

0073

次に、以下の材料を用意した。
・式(1−1)で示される電荷輸送性物質5部
・式(1−3)で示される電荷輸送性物質5部
ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)10部
・式(C−4)と式(C−5)の共重合ユニットを有するポリカーボネート樹脂0.02部(x:y=0.95:0.05、粘度平均分子量=40000)
これらを、オルトキシレン25部/安息香酸メチル25部/ジメトキシメタン25部の混合溶剤に溶解させることによって電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を30分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が16μmの電荷輸送層を形成した。

0074

次に、以下の材料を用意した。
・式(4−1)で示される化合物9.6部
・式(5−1)で示される化合物14.4部
シロキサン変性アクリル化合物0.1部(サイマックUS270、東亞合成(株)製)






これらを、シクロヘキサン42部と1−プロパノール18部の混合溶媒と混合し、撹拌した。このようにして、保護層用塗布液を調製した。

0075

この保護層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を4分間35℃で乾燥させた。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧57kV、ビーム電流5.3mAの条件で支持体(被照射体)と電子線照射窓の距離を25mmとし、支持体(被照射体)を300rpmの速度で回転させながら、4.8秒間電子線を塗膜に照射した。なお、このときの電子線の吸収線量を測定したところ、20kGyであった。その後、窒素雰囲気下にて、25℃から137℃まで10秒かけて昇温させ、塗膜の加熱を行った。電子線照射から、その後の加熱処理までの酸素濃度は10ppm以下であった。次に、大気中において、塗膜の温度が25℃になるまで自然冷却し、塗膜の温度が100℃になる条件で10分間加熱処理を行い、膜厚3μmの保護層を形成した。このようにして、実施例1の保護層を有する円筒状(ドラム状)の電子写真感光体を作製した。

0076

〔実施例2〜21〕
電荷輸送層用塗布液に混合する電荷輸送性物質の種類、混合比率及び電荷輸送層全質量に対する電荷輸送性物質の含有量、並びに保護層用塗布液に混合する式(4)、式(5)で示される化合物の種類、混合比率及び保護層全質量に対する式(4)と式(5)で示される化合物の合計の含有量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。表1中の式(4−2)〜(4−5)、(5−2)〜(5−5)、(6)及び(7)で示される化合物を以下に示す。

0077

0078

〔比較例1〕
実施例1に係る保護層用塗布液の調製に用いた、式(4−1)で示される化合物9.6部、及び式(5−1)で示される化合物14.4部を、各々、式(5−3)で示される化合物14.4部、及び、式(6)で示される化合物9.6部に変更した。それら以外は実施例1に係る保護層用塗布液と同様にして本比較例に係る保護層用塗布液を調製した。そして、この保護層用塗布液を用いて保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして本比較例に係る電子写真感光体を作製した。

0079

〔比較例2〕
実施例1に係る保護層用塗布液の調製に用いた、式(4−1)で示される化合物9.6部、及び、式(5−1)で示される化合物14.4部を、各々、式(4−1)で示される化合物14.4部、及び、式(6)で示される化合物9.6部に変更した。それら以外は実施例1に係る保護層用塗布液と同様にして本比較例に係る保護層用塗布液を調製した。そして、この保護層用塗布液を用いて保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして本比較例に係る電子写真感光体を作製した。

0080

〔比較例3〕
比較例1に係る保護層用塗布液の調製に用いた式(6)で示される化合物9.6部を、下記式(8)で示される化合物9.6部に変更した。それ以外は、比較例1に係る保護層用塗布液と同様にして本比較例に係る保護層用塗布液を調製した。そして、この保護層用塗布液を用いて保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして本比較例に係る電子写真感光体を作製した。

0081

〔比較例4〕
実施例1に係る電荷輸送層用塗布液の調製に用いた、式(1−1)で示される化合物5部、及び、式(1−3)で示される化合物5部を、下記式(9)で示される化合物10部に変更した以外は、実施例1に係る電荷輸送層用塗布液と同様にして本比較例に係る電荷輸送層用塗布液を調製した。



また、実施例1に係る保護層用塗布液の調製に用いた式(5−1)で示される化合物14.4部を、式(5−3)で示される化合物14.4部に変更した以外は実施例1に係る保護層用塗布液と同様にして本比較例に係る保護層用塗布液を調製した。
上記電荷輸送層用塗布液、及び保護層用塗布液を用いて電荷輸送層、及び保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして本比較例に係る電子写真感光体を作製した。

0082

〔比較例5〕
比較例4に係る電荷輸送層用塗布液の調製に用いた式(9)で示される化合物10部を、下記式(10)で示される化合物10部に変更した以外は比較例4に係る電荷輸送層用塗布液と同様にして本比較例に係る電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を用いて電荷輸送層を形成した以外は、比較例4と同様にして本比較例に係る電子写真感光体を作製した。

0083

分析
実施例1〜21で作製した感光体と比較例1〜5で作製した感光体を使用して、以下の条件で分析した。
得られた電子写真感光体の表面を剃刀そぎ落とし、保護層を得た。この保護層を1H−NMR測定(装置:BRUKER製、AVANCEIII 500)、及び熱分解ガスクロマトグラフィー測定を行い、式(2)と式(3)の合計に対する、式(3)の質量%、保護層全質量に対する、電荷輸送部位の質量%を求めた。結果を表2に示す。

0084

<評価>
実施例1〜21で作製した感光体と比較例1〜5で作製した感光体を使用して、以下の条件で電位変動を評価した。
電子写真装置としては、レーザープリンター(商品名:HP LaserJet Enterprise Color M553dn;HP社製)を使用した。但し、帯電ローラへの印加電圧の調節及び測定、像露光光量の調節及び測定ができるように改造した。
最初に画像形成装置及び感光体を、温度15℃、相対湿度10%の環境に24時間静置した後に、実施例及び比較例の感光体を画像形成装置のシアン色のカートリッジに装着した。
繰り返し使用の評価として、A4サイズの普通紙に対し、印字比率5%のテストチャートによる画像出力を20000枚連続して行った。帯電条件としては、暗部電位が−600V、露光条件としては、像露光光量を0.4μJ/cm2に調整した。
上記繰り返し使用前および繰り返し使用後の、明部電位の変動量を評価した。感光体の表面電位の測定は、カートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(商品名:model6000B−8、トレック・ジャパン(株)製)を装着しておこなった。電位表面電位計(商品名:model344、トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。評価結果を表2に示す。

0085

表2の結果から明らかなように、実施例に係る電子写真感光体においては、繰り返し使用における電位変動が抑制されていることが分かる。

実施例

0086

0087

1電子写真感光体
2 軸
3帯電装置
4露光光
5現像装置
6転写装置
7転写材
8定着装置
9クリーニング装置
10前露光光
11プロセスカートリッジ
12 案内装置

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