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技術 観察装置、観察方法、顕微鏡装置及び内視鏡装置

出願人 株式会社ニコン
発明者 嶽文宏
出願日 2019年2月18日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-026699
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-134655
状態 未査定
技術分野 孔内観察装置 顕微鏡、コンデンサー
主要キーワード 超音波帯 切替周波数 光学器具 音響検出 短パルス幅 所定平面 ピコ秒程度 誘電体コーティング
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

簡易な構成で高速二光子励起に基づく光音響信号を検出する観察装置を提供する。

解決手段

観察装置50は、光Lを発生するパルスレーザー10と、光Lを試料Tに照射する照射光学系20と、光Lが照射されたことによる試料Tの反応に伴う信号を検出する検出部40とを有し、照射光学系20は、焦点面において第1の強度分布を有する光LAを照射することにより試料Tに一光励起及び二光子励起を発生させる第1モードと、焦点面において第2の強度分布を有する光LBを照射することにより試料Tに少なくとも一光子励起を発生させる第2モードとを切り替え切替部51を有する。

概要

背景

光吸収によって生じる光音響(PA、photoacoustic)波を検出することで、試薬等を用いずに試料の吸収分布を画像化できる光音響顕微鏡(PAM、photoacoustic microscopy)は、例えば医療分野等において広く利用されている。

このような光音響顕微鏡の一例として、二光子励起光音響顕微鏡が提案されている(例えば非特許文献1参照)。非特許文献1に提案されている光音響顕微鏡では、パルス幅可変レーザーを用いている。この光音響顕微鏡では、フェムト秒程度のパルス幅の光により光音響信号を取得し、また、ピコ秒程度のパルス幅の光により光音響信号を取得する。ピコ秒程度のパルス幅の光による光音響信号は一光励起による光音響信号が支配的であり、フェムト秒程度のパルス幅の光におる光音響信号は一光子励起と二光子励起とによる光音響信号が支配的である。そこで、フェムト秒程度のパルス幅の光による光音響信号からピコ秒程度のパルス幅の光による光音響信号を減算することで、二光子励起による光音響信号のみを取り出すことができる。

しかしながら、上述した非特許文献1に開示された光音響顕微鏡では、パルス幅が可変な特殊なレーザーを用いており、また、パルス幅を変更する作業に時間を要していた。

概要

簡易な構成で高速に二光子励起に基づく光音響信号を検出する観察装置を提供する。観察装置50は、光Lを発生するパルスレーザー10と、光Lを試料Tに照射する照射光学系20と、光Lが照射されたことによる試料Tの反応に伴う信号を検出する検出部40とを有し、照射光学系20は、焦点面において第1の強度分布を有する光LAを照射することにより試料Tに一光子励起及び二光子励起を発生させる第1モードと、焦点面において第2の強度分布を有する光LBを照射することにより試料Tに少なくとも一光子励起を発生させる第2モードとを切り替え切替部51を有する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

光を発生する光源と、前記光を試料照射する照射光学系と、前記光が照射されたことによる前記試料の反応に伴う信号を検出する検出部とを有し、前記照射光学系は、焦点面において第1の強度分布を有する光を照射することにより前記試料に一光励起及び二光子励起を発生させる第1モードと、前記焦点面において第2の強度分布を有する光を照射することにより前記試料に少なくとも一光子励起を発生させる第2モードとを切り替え切替部を有することを特徴とする観察装置

請求項2

前記切替部は、前記第1モードと前記第2モードとを所定のタイミングで切り替えることを特徴とする請求項1に記載の観察装置。

請求項3

前記検出部は、前記第1モードにより検出した前記信号から前記第2モードにより検出した前記信号を減算することで、前記信号の相違を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の観察装置。

請求項4

前記検出部は、前記第1モードにより検出した前記信号から前記第2モードにより検出した前記信号を減算することで、二光子励起に基づく信号を検出することを特徴とする請求項3に記載の観察装置。

請求項5

前記切替部は、前記第1モードでは、所定のパルス幅を有する前記光を前記試料に照射し、前記第2モードでは、前記パルス幅より長いパルス幅を有する光を前記試料に照射することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の観察装置。

請求項6

前記切替部は、前記光源から発生された前記光のパルス幅を広げるパルス幅伸長部を有し、前記パルス幅伸長部は、少なくとも前記第2モードのときに前記光のパルス幅を広げることを特徴とする請求項5に記載の観察装置。

請求項7

前記切替部は、前記第1モードのときに前記試料の特定深さの焦点面の焦点位置に前記光を照射し、前記第2モードのときに前記焦点面において前記焦点位置を除く位置に前記光を照射することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の観察装置。

請求項8

前記切替部は、前記第1モードのときに前記試料に照射する前記光の前記焦点位置における点像分布関数と、前記第2モードのときに前記試料に照射する前記光の前記焦点位置における点像分布関数とを異ならせることを特徴とする請求項6に記載の観察装置。

請求項9

焦点面において第1の強度分布を有する光を照射することにより試料に一光子励起及び二光子励起を発生させる第1モードと、前記焦点面において第2の強度分布を有する光を照射することにより前記試料に少なくとも一光子励起を発生させる第2モードとを切り替える工程と、前記光が照射されたことによる前記試料の反応に伴う信号を検出する工程と、を含むことを特徴とする観察方法

請求項10

請求項1〜8のいずれかに記載の前記観察装置と、前記試料の複数の位置に対応する前記信号に基づいて画像を生成する画像生成部とを有することを特徴とする顕微鏡装置

請求項11

検体体腔内に挿入される管部材を有する挿入部と、前記挿入部の先端部を操作する操作部とを有し、前記請求項1〜8のいずれかに記載の前記観察装置が前記挿入部の前記先端部に配置されていることを特徴とする内視鏡装置

技術分野

0001

本発明は、観察装置観察方法顕微鏡装置及び内視鏡装置に関するものである。

背景技術

0002

光吸収によって生じる光音響(PA、photoacoustic)波を検出することで、試薬等を用いずに試料の吸収分布を画像化できる光音響顕微鏡(PAM、photoacoustic microscopy)は、例えば医療分野等において広く利用されている。

0003

このような光音響顕微鏡の一例として、二光子励起光音響顕微鏡が提案されている(例えば非特許文献1参照)。非特許文献1に提案されている光音響顕微鏡では、パルス幅可変レーザーを用いている。この光音響顕微鏡では、フェムト秒程度のパルス幅の光により光音響信号を取得し、また、ピコ秒程度のパルス幅の光により光音響信号を取得する。ピコ秒程度のパルス幅の光による光音響信号は一光励起による光音響信号が支配的であり、フェムト秒程度のパルス幅の光におる光音響信号は一光子励起と二光子励起とによる光音響信号が支配的である。そこで、フェムト秒程度のパルス幅の光による光音響信号からピコ秒程度のパルス幅の光による光音響信号を減算することで、二光子励起による光音響信号のみを取り出すことができる。

0004

しかしながら、上述した非特許文献1に開示された光音響顕微鏡では、パルス幅が可変な特殊なレーザーを用いており、また、パルス幅を変更する作業に時間を要していた。

先行技術

0005

Yoshihisa Yamaoka et. al., “Photoacoustic microscopy using ultrashort pulses with two different pulse durations”, OPTICS EXPRESS(米), 2014, Vol.22, No.14, p.17063-17072

0006

本発明の観察装置は、光を発生する光源と、光を試料に照射する照射光学系と、光が照射されたことによる試料の反応に伴う信号を検出する検出部とを有し、照射光学系は、焦点面において第1の強度分布を有する光を照射することにより試料に一光子励起及び二光子励起を発生させる第1モードと、焦点面において第2の強度分布を有する光を照射することにより試料に少なくとも一光子励起を発生させる第2モードとを切り替え切替部を有する。

0007

本発明の観察方法は、焦点面において第1の強度分布を有する光を照射することにより試料に一光子励起及び二光子励起を発生させる第1モードと、焦点面において第2の強度分布を有する光を照射することにより試料に少なくとも一光子励起を発生させる第2モードとを切り替える工程と、光が照射されたことによる試料の反応に伴う信号を検出する工程と、を含む。

図面の簡単な説明

0008

第一の実施の形態である観察装置が適用される光音響顕微鏡の概略構成を示すブロック図である。
第一の実施の形態に係る光音響顕微鏡のうち試料付近を拡大して示した概略図である。
第一の実施の形態に係る光音響顕微鏡の動作の一例を説明するための波形図である。
第二の実施の形態である観察装置が適用される光音響顕微鏡の概略構成を示すブロック図である。
第二の実施の形態である観察装置に用いられる原理を説明するための図である。
第二の実施の形態である観察装置により試料に照射される光のプロファイルの一例を示す図である。
第二の実施の形態に係る光音響顕微鏡における対物レンズ瞳関数位相の一例を示す図である。
第二の実施の形態である観察装置により試料に照射される光の焦点面における光のプロファイルの一例を示す図である。

実施例

0009

以下、実施の形態を図面に基づいて説明する。

0010

(第一の実施の形態)
図1及び図2を参照して、第一の実施の形態である観察装置が適用される光音響顕微鏡について説明する。

0011

図1は第一の実施の形態である観察装置が適用される光音響顕微鏡の概略構成を示すブロック図、図2は第一の実施の形態に係る光音響顕微鏡のうち試料付近を拡大して示した概略図である。

0012

これらの図において、本実施の形態に係る光音響顕微鏡1は、光源であるパルスレーザー10、照射光学系20及び検出部40を有する。

0013

照射光学系20は、ハーフミラー21、第1の音響光学素子(Acousto-Optic Modulator、以下、第1のAOMと称する)22、鏡23、光ファイバ24、第2の音響光学素子(以下、第2のAOMと称する)25、鏡26、ハーフミラー27、ダイクロイックミラー28、ガルバノスキャナ走査部)29、対物レンズ30及びファンクションジェネレータ31を有する。

0014

なお、ハーフミラー21、27を偏光ビームスプリッターに置き換えても良い。この場合、後述するパルス光LAとパルス光LBの光量を等しくするために、パルスレーザー10の射出後に、半波長板を設置し、偏光を45°の直線偏光とすることが望ましい。また、パルス光LAとパルス光LBの偏光を等しくするために、二つの光を合波した後の光路に、偏光子を設置し、偏光軸を45°とすることが望ましい。

0015

パルスレーザー10は、所定のパルス幅を有するレーザー光Lを出射する。パルスレーザー10が発生する光Lのパルス幅は、このパルス光Lにより試料Tに一光子励起及び二光子励起の双方を生じさせることができるかどうかという観点から決定される。本実施の形態に係る光音響顕微鏡1では、一例としてパルスレーザー10から出射される光Lのパルス幅は200fsとされる。

0016

パルスレーザー10から出射したパルス光Lはハーフミラー21により光路が2方向に分岐される。ハーフミラー21により分岐されたパルス光の一方LAは第1のAOM22に入射される。

0017

第1のAOM22は音響光学媒体の側面に超音波素子接着したものである。ファンクションジェネレータ31から出力された所定周波数fの電気信号が不図示のAOMドライバに入力され、AOMドライバからの駆動信号により超音波素子が駆動されると、超音波素子から出力される超音波が音響光学媒体内を伝播する。この超音波は音響光学媒体内において屈折率の変化をもたらし、音響光学媒体がいわば回折格子として作用する。従って、第1のAOM22に入射したパルス光LAは第1のAOM22により回折される。本実施の形態である照射光学系20では、第1のAOM22からの1次回折光を出力として用いる。

0018

第1のAOM22から出射される1次回折光LAは、ハーフミラー27及びダイクロイックミラー28を通過してガルバノスキャナ29に入射される。

0019

ダイクロイックミラー28はパルス光LAを通過させる。また、後述するように、ダイクロイックミラー28は、試料Tが蛍光試薬によりラベリングされることで試料Tが発する蛍光波長の光を反射させる。ダイクロイックミラー28の一面には、このような波長依存性を有する誘電体コーティングが施されている。

0020

ダイクロイックミラー28により反射された蛍光は光学フィルタ32を通じて光電子増倍管33に入力される。光電子増倍管33の出力は、検出部40の情報処理装置41に入力される。情報処理装置41の動作の詳細については後述する。

0021

ガルバノスキャナ29は、2枚の反射鏡ガルバノミラー)29a、29bとこれら反射鏡29a、29bを独立して駆動する図略の駆動部とを有する。駆動部により反射鏡29a、29bを駆動することで、パルス光LAをその光軸に直交する平面上の任意の位置にスキャンすることができる。

0022

所定の位置にスキャンされた光LAは、対物レンズ30により試料Tの所定位置(例えば図1に示すスポットSP1)に集光されて入射される。

0023

一方、ハーフミラー21により分岐されたパルス光の他方LBは、鏡23によりその光路を所定方向に導かれてパルス幅伸長部である光ファイバ24に入射される。光ファイバ24内を伝播した光は第2のAOM25に入射される。パルス光LBが光ファイバ24内を伝播する際に、波長分散の影響を受けてそのパルス幅が伸長される。なお、光ファイバ24に入射する前にガラスロッドを設置し、パルス幅をある程度伸長させる構成としても良い。

0024

光ファイバ24により伸長される光LBのパルス幅は、伸長されたパルス幅のパルス光LBにより試料Tに少なくとも一光子励起を生じさせることができるかどうかという観点から決定される。本実施の形態に係る光音響顕微鏡1では、一例として光ファイバ24から出射される光LBのパルス幅は200psとされる。従って、光ファイバ24の構造、材質及び全長は、200fsのパルス幅の光が入射され、200psのパルス幅の光LBが出射されるように定められる。なお、光ファイバ24の全長を可変に構成することで、伸長された光LBのパルス幅を可変にしてもよい。

0025

光ファイバ24から出射したパルス光LBは第2のAOM25に入射される。ファンクションジェネレータ31から所定周波数fの電気信号が不図示のAOMドライバに入力され、AOMドライバからの駆動信号が第2のAOM25に印加されると、第2のAOM25が回折格子として作用する。本実施の形態である照射光学系20でも、第2のAOM25からの1次回折光を出力として用いる。

0026

第2のAOM25から出射される1次回折光LBは、鏡26によりその光路が所定方向に導かれ、ハーフミラー27に入射する。光LBは、このハーフミラー27により反射されて出射される際に、第1のAOM22から出射される光LAとその光軸を共通にするような位置に入射される。

0027

ハーフミラー27で反射されて出射された光LBは、このハーフミラー27を通過して出射された光LAと同様にダイクロイックミラー28に入射する。

0028

ダイクロイックミラー28を通過した光LBはガルバノスキャナ29に入射される。ガルバノスキャナ29により所定の位置にスキャンされた光LBは、対物レンズ30により、光LAと略同一箇所である試料Tの所定位置に集光されて入射される。

0029

検出部40は、トランスデューサ42及び情報処理装置41の光音響検出部43を有する。

0030

図2に示すように、本実施の形態に係る光音響顕微鏡1では、試料Tは光及び光音響波が伝播可能な媒体M内に浸漬されている。媒体Mは光及び光音響波が伝播可能なものであれば特段の限定はないが、本実施の形態に係る光音響顕微鏡1では、取扱の容易性を考慮して水を媒体Mとして用いている。

0031

対物レンズ30により集光されて試料Tの所定位置(例えば図1に示すスポットSP1)に入射された光LA、LBは、光音響効果によりこの所定位置において光音響波Wを生じさせる。トランスデューサ42は、試料Tから発生して媒体Mを伝播する光音響波Wを受信し、受信した光音響波Wの強度に応じた電気信号を出力する。試料Tの物性に依存するものの、通常、光音響波Wは超音波帯の音波である。従って、トランスデューサ42は超音波トランスデューサであることが望ましい。超音波トランスデューサを構成する材質等は周知であるので、ここでの説明は省略する。

0032

ここで、既に説明したように、第1のAOM22から出射された光LAは、パルスレーザー10から出射された光Lとそのパルス幅が同一である。つまり、光LAはフェムト秒程度のパルス幅を有する。このような極短パルス幅の光LAのピーク強度は十分大きいので、この光LAが照射された試料Tには一光子励起に加えて二光子励起に伴う光音響波Wが生じる。これが第1モードである。また、極短パルス幅の光LAは、焦点面において第1の強度分布を有する光である。

0033

一方、第2のAOM25から出射された光LBは光ファイバ24によりパルス幅が伸長されている。光ファイバ24によるパルス幅の伸長に伴い、この光LBのピーク強度は光LAより低くなる。従って、光LBが照射された試料Tには一光子励起に伴う光音響波Wが生じる。これが第2モードである。また、光LBは、焦点面において第2の強度分布を有する光である。

0034

トランスデューサ42の出力信号は情報処理装置41に入力される。情報処理装置41は演算能力を有する、例えばパーソナルコンピュータ等である。情報処理装置41は、光音響検出部43、画像処理部(画像生成部)44及び制御部45を有する。

0035

検出部40の一部を為す光音響検出部43は、トランスデューサ42からの出力信号に基づいて試料Tの光音響信号を検出する。また、光音響検出部43は、光LAに基づく光音響信号と光LBに基づく光音響信号から、二光子励起により発生する光音響信号のみを取り出す。二光子励起により発生する光音響信号のみを取り出す手法については後述する。

0036

画像処理部44は、試料Tの所定位置から得られた光音響信号を光音響検出部43から受信する。そして、画像処理部44は、ガルバノスキャナ29により試料Tの所定位置が走査されることで試料Tの広範囲から得られた光音響信号に基づいて、この光音響信号を画像化した画像信号を生成する。画像信号は図略の表示装置送出され、また、必要に応じて図略の記憶装置に格納される。

0037

制御部45は光音響顕微鏡1全体の制御を行う。具体的には、パルスレーザー10から出射される光パルス出射タイミングの制御、ファンクションジェネレータ31に駆動信号を出力させるトリガとなる信号の送出制御、ガルバノスキャナ29の駆動部の制御などを行う。また、制御部45は光音響検出部43及び画像処理部44の制御も行う。

0038

以上の構成において、本実施の形態である観察装置50は、パルスレーザー10、照射光学系20及び検出部40を有する。但し、ガルバノスキャナ29を有する走査部及び対物レンズ30は観察装置50に必須の構成ではない。また、照射光学系20は、第1モードと第2モードとを切り替える切替部51を備え、切替部51は、本実施の形態では、第1のAOM22、第2のAOM25、光ファイバ24及びファンクションジェネレータ31を備える。

0039

次に、図3を参照して、本実施の形態に係る光音響顕微鏡1の動作及び検出原理について説明する。

0040

図3(a)は、パルスレーザー10から出射されるパルス光Lを示す波形図である。情報処理装置41の制御部45は、パルスレーザー10から所定の繰り返し周波数パルスLが出射されるようにこのパルスレーザー10を駆動する。一例として、パルスレーザー10から出射されるパルス光Lの繰り返し周波数は80MHzとされる。

0041

図3(b)、(c)は、それぞれファンクションジェネレータ31から第1のAOM22及び第2のAOM25に供給される駆動電圧信号を示す波形図である。ファンクションジェネレータ31から供給される駆動電圧信号は周波数fの矩形波であり、そして、第1のAOM22と第2のAOM25とでその位相が反転している。従って、第1のAOM22と第2のAOM25とは、図に示すように周波数fの周期で交互にON/OFFされる。情報処理装置41の制御部45は、図に示すような駆動電圧信号をファンクションジェネレータ31から出力させるようなトリガ信号を送出する。

0042

図3(d)は第1のAOM22から出力される光LAを示す波形図、図3(e)は第2のAOM25から出力される光LBを示す波形図である。これら図3(d)、(e)に示すように、第1のAOM22と第2のAOM25とからは、交互に光LA及び光LBが出射される。

0043

光音響検出部43は、光LAまたは光LBが試料Tに照射されることにより生じる光音響信号を検出する。そして、光音響検出部43は、光LAに基づく光音響信号の強度から光LBに基づく光音響信号の強度を減算することで、二光子励起にのみ基づく光音響信号の強度を算出する。このため、光音響検出部43または制御部45は、光LA、LBに基づく光音響信号を一時的に格納する図略の記憶部を有する。

0044

二光子励起にのみ基づく光音響信号の強度を算出するタイミングは任意である。但し、リアルタイム性を考慮すると、ファンクションジェネレータ31から供給される駆動電圧信号の周波数fと等しい間隔で算出することが好ましい。

0045

次いで、制御部45は、ガルバノスキャナ29を制御することで、試料Tに入射する光LA及び光LBの照射位置を変更する。一例として、図1に示すスポットSP1からスポットSP2に照射位置を変更する。そして、光音響検出部43は、スポットSP2においても上述の計算を行う。

0046

制御部45は、ガルバノスキャナ29を制御することで、光LA及び光LBの入射方向において所定深さに位置する試料Tの所定平面上にこれら光LA及び光LBを走査する。光音響検出部43は、各走査スポットにおいて、光LA及び光LBに基づく光音響信号、及び、光LAに基づく光音響信号の強度から光LBに基づく光音響信号の強度を減算することで求められる二光子励起にのみ基づく光音響信号を算出する。画像処理部44は、各走査スポットにおいて光音響検出部43が計算した光音響信号に基づいて、光LA及び光LBに基づく光音響信号、及び、二光子励起にのみ基づく光音響信号の分布画像を生成する。

0047

なお、光LA及び光LBが照射される試料Tの深さ方向(Z方向)の位置は、対物レンズ30と試料Tとの相対距離を調整することにより決定され、画像生成中は固定される。Z方向の距離は、対物レンズ30を移動させてもよいし、試料Tを移動させてもよい。

0048

本実施の形態に係る光音響顕微鏡1では、切替部51により、試料Tに一光子励起及び二光子励起を発生させる第1モードと、試料Tに少なくとも一光子励起を発生させる第2モードとを切り替えている。従って、光源としてパルス幅が固定されたパルスレーザー10を用いて二光子励起にのみ基づく光音響信号を取得することができる。これにより、本実施の形態に係る光音響顕微鏡1によれば、簡易な構成により光音響信号の測定及び画像取得が可能となる。加えて、パルスレーザー10においてパルス幅を変更する作業が不要となる。これにより、光音響信号の測定及び画像取得を高速に行うことができる。

0049

また、試料Tを蛍光試薬によりラベリングして試料Tが発する蛍光の強度を光電子増倍管33により検出することで、蛍光画像を得ることもできる。

0050

(第二の実施の形態)
次に、図4を参照して、第二の実施の形態である観察装置が適用される光音響顕微鏡について説明する。図4は第二の実施の形態である観察装置が適用される光音響顕微鏡の概略構成を示すブロック図である。なお、以下の説明において、第一の実施の形態に係る光音響顕微鏡1と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略化する。

0051

本実施の形態に係る光音響顕微鏡100も、第一の実施の形態に係る光音響顕微鏡1と同様に、光源であるパルスレーザー10、照射光学系110及び検出部40を有する。

0052

照射光学系110は、空間光変調器(Spatial Light Modulator、以下SLMと称する)111、鏡112、ガルバノスキャナ29及び対物レンズ30を有する。

0053

パルスレーザー10からのパルス光LはSLM111に入射される。SLM111は、空間的・時間的に振幅変調位相変調、または偏光を変調する装置である。SLMそのものは公知の装置であるので、その詳細な構成の説明は省略する。本実施の形態に係るSLM111は、一例として屈折率を画素単位で制御可能な液晶素子を有する。入射光Lがこの液晶素子に入射して反射されることで、入射光Lに対して画素単位で位相変調を与えることができる。情報処理装置41の制御部45は、SLM111の駆動を制御する信号を送出する。SLM111は、図略のレンズにより対物レンズ30の瞳面と共役な位置に設置されている。

0054

SLM111からの反射光Lは鏡112によりその光路を所定方向に導かれ、ガルバノスキャナ29に入射する。そして、光Lはガルバノスキャナ29を経由して対物レンズ30により集光され、試料Tの所定位置に入射される。

0055

以上の構成において、本実施の形態である観察装置120は、パルスレーザー10、照射光学系110及び検出部40を有する。但し、ガルバノスキャナ29を有する走査部及び対物レンズ30は観察装置120に必須の構成ではない。また、SLM111は、照射光学系110が備える切替部を構成する。

0056

次に、図5図7を参照して、本実施の形態に係る光音響顕微鏡100の動作及び検出原理について説明する。

0057

情報処理装置41の制御部45は、図6(a)、(b)及び図8(a)、(b)に示すような光プロファイルのいずれかを反射光Lに与えるようにSLM111を駆動制御する。ここに、図6(a)、(b)の上段は、試料Tに入射される光Lのうち、図5に示す試料Tの表面に近い焦点外れ面Z1の光プロファイルである。また、図6(a)、(b)の下段は、試料Tに入射される光Lのうち、図5に示す試料Tの表面からZ方向の所定深さ、つまり焦点距離にある焦点面Z2の光プロファイルである。また、図8(a)、(b)は、図5に示す焦点面Z2における図6(a)、(b)に示す光プロファイル、つまり点像分布関数(Point Spread Function、以下PSFと称する)の強度を示す図である。

0058

焦点外れ面Z1において光Lは一点(正確には微小領域)に収束されておらず、所定の広さを持つ領域に照射されている。従って、光LによりPSFは形成されない。このため、図6(a)、(b)の上段に示すように、光プロファイルは一様な分布を有する。

0059

一方、焦点面Z2において光Lは集光されている。従って、光LによりPSFが形成される。図6(a)の下段及び図8(a)に示す光プロファイル、つまりPSFは焦点位置(図6において中央位置、図8の上段における点線部)にピークを有する。一方、図6(b)の下段及び図8(b)に示すPSFは焦点位置を除く位置にピークを有する。より具体的には、焦点位置を中心とする所定距離の円の周上にピークを有するドーナツ状のPSFである。従って、図6(a)及び図8(a)に示す光プロファイルを有する光Lは、焦点面Z2において第1の強度分布を有する光であり、図6(b)及び図8(b)に示す光プロファイルを有する光Lは、焦点面Z2において第2の強度分布を有する光である。

0060

このようなPSFを与えるための、SLM111により与えられる位相変調について図7を参照して説明する。図7は対物レンズ30の瞳面における位相分布を示す図である。図7(a)は、図6(a)の光プロファイルに対応する瞳関数における位相分布であり、一様かつ一定値の位相である。一方、図7(b)は、図6(b)の光プロファイルに対応する瞳関数における位相分布であり、円周方向に変化し、円周方向に一周すると0から2πまで変化する。

0061

図7(b)に示すような位相変調を与える光学器具螺旋位相板(Vortex Phase Plate:VPP)と呼ばれる。SLM111は、図7(a)または図7(b)に示す位相分布を反射光Lに与えるように駆動制御される。

0062

焦点面Z2において図6(a)及び図8(a)に示すPSFを有する光Lが試料Tに照射されると、焦点位置(図8の上段における点線部)において高強度の光Lが照射される。この結果、この焦点位置において一光子励起及び二光子励起に基づく光音響信号が発生する。これが第1モードである。発生した光音響信号に基づく光音響波Wはトランスデューサ42により受信される。

0063

一方、焦点面Z2において図6(b)及び図8(b)に示すPSFを有する光Lが試料Tに照射されると、焦点位置においてのみ考えると、低強度の光Lが照射される(図8の下段における点線部)。この結果、この焦点位置において、二光子励起に基づく光音響信号は発生せず、一光子励起に基づく光音響信号が極僅か発生する。
一方焦点位置を中心とする所定距離の円の周上にピークが生じるので、このドーナツ領域からは一光子励起及び二光子励起に基づく光音響信号が発生する。これが第2モードである。発生した光音響信号に基づく光音響波Wはトランスデューサ42により受信される。

0064

従って、情報処理装置41の制御部45は、図6(a)及び図6(b)に示すPSFを交互に反射光Lに与えるようにSLM111を駆動制御する。すなわち、SLM111は、第1モードと第2モードとを切り替える切替部である。リアルタイム性を考慮すると、SLM111によるPSFの切替周波数は高いことが好ましいが、画像処理部44及び制御部45の演算速度を考慮して切替周波数が定められる。

0065

あるいは、制御部45が周波数fの矩形波、正弦波をSLM111に印加することで、SLM111が周波数fによりPSFの切替制御をする。また、制御部45が周波数fのロックイン信号を光音響検出部43及び画像処理部44に提供し、この周波数fの周期で各種信号処理をする。

0066

このとき、二光子励起に基づく光音響信号から得られる画像Iは次式で与えられる。
[数1]
I=I1−αI2
ここに、
I1:図6(a)に示すPSFで取得した画像
I2::図6(b)に示すPSFで取得した画像
α: 比例係数

0067

第1モード、第2モードのいずれの場合も、焦点外れ面Z1おいて一光子励起による光音響信号が発生し、それぞれの画像に混入する。このため、両者の差分をとることで、焦点外れ面Z1から生じる一光子励起に基づく光音響信号を除去し、焦点面Z2から生じる二光子励起に基づく光音響信号を抽出することができる。焦点外れ面Z1から生じる一光子励起に基づく光音響信号を除去するためには、α=1が望ましい。一方で、画像Iにおける図6(b)のPSFのピークとその付近の強度がマイナスになってしまう。画像Iはマイナスの値をとれないので、この部分は情報が欠落してしまう。

0068

従って、この影響を低減するためにαの値を1より小さくすることが望ましい。しかしながら、この場合、減算による一光子励起に基づく光音響信号除去の効果は低減してしまう。このように、αの値によって、トレードオフが生じる。

0069

そこで、画像Iの生成時において、画像I1と画像I2とを取得した後、αを0.5から1まで変えて画像Iを生成する。そして、画像Iにおいてコントラスト輝度マイナス値バランスするようなαを選択することが望ましい。コントラストの大きさは、画像Iのフーリエ変換直流成分の大きさで評価しても良い。輝度のマイナスは、マイナス値を取る画素の数、あるいは、マイナス値を取る画素の輝度値の総和で評価しても良い。

0070

PSFの差は焦点面Z2のみにおいて生じるので、画像I1から画素I2を減算することで、焦点外れ面Z1から生じる光音響信号を除去することができる。光強度を強くした場合には、焦点外れ面Z1においても、望ましくない二光子励起による光音響信号が生じる場合があるが、この信号も本手法により除去することができる。

0071

本実施の形態に係る光音響顕微鏡100においても、切替部であるSLM111により、試料Tに一光子励起及び二光子励起を発生させる第1モードと、試料Tに少なくとも一光子励起を発生させる第2モードとを切り替えている。従って、光源としてパルス幅が固定されたパルスレーザー10を用いて二光子励起にのみ基づく光音響信号を取得することができる。これにより、本実施の形態に係る光音響顕微鏡100によっても、上述した第一の実施の形態に係る光音響顕微鏡1と同様の効果を得ることができる。

0072

(変形例)
以上、図面を参照して、実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例に限らず、その要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本開示に含まれる。

0073

一例として、上述した第一の実施の形態に係る光音響顕微鏡1では、フェムト秒程度のパルス幅を有するパルスレーザー10を用いていたが、このパルスレーザー10と、ピコ秒程度のパルス幅を有するパルスレーザーとを併用してもよい。より詳細には、パルスレーザー10からのパルス光を直接第1のAOM22に入射させ、ピコ秒程度のパルス幅を有するパルスレーザーからのパルス光を直接第2のAOM25に入射させればよい。この場合、ハーフミラー21は省略できる。

0074

また、第一の実施の形態では、パルス幅伸長部である光ファイバ24を第2モードにおける光路のみに配置した例を示したが、これに加えて、第1モードにおける光路にもパルス伸長部を配置してもよい。この場合、第1モードのパルス伸長部による伸長量よりも第2モードのパルス伸長部による伸長量を大きくする。これにより、光源10からの光のパルス幅が、第1モードで焦点面において二光子励起を発生させるのに適したパルス幅よりも小さい場合でも、第1モードにおいて試料Tに照射される光のパルス幅を適切な大きさに設定することができる。

0075

また、第二の実施の形態に係る光音響顕微鏡100において、第一の実施の形態に係る光音響顕微鏡1と同様に、鏡112とガルバノスキャナ29との間にダイクロイックミラー28を挿入し、光学フィルタ32及び光電子増倍管33を追加してもよい。

0076

これにより、試料Tを蛍光試薬によりラベリングして試料Tが発する蛍光の強度を光電子増倍管33により検出することで、蛍光画像を得ることもできる。

0077

そして、上述の第一及び第二の実施の形態では、観察装置を光音響顕微鏡に適用していたが、観察装置は他の装置に適用することもできる。一例として、観察装置は内視鏡装置に適用することもできる。

0078

第一及び第二の実施の形態である観察装置が適用される内視鏡装置は、被検体体腔内に挿入される管部材を有する挿入部と、挿入部の先端部を操作する操作部とを有する。そして、第一〜第二の実施の形態である観察装置は、挿入部の先端部に配置されている。かかる構成の内視鏡装置によっても、被検体内粘膜内面等の試料Tから発生する、二光子励起にのみ基づく光音響信号を取得することができる。加えて、走査部を設ければ、被検体内の粘膜内面等の二光子励起にのみ基づく光音響信号画像を取得することができる。

0079

光音響画像取得の際のシーケンスとしては、画像の一画素ごと又は所定の画素数ごとに第1モードおよび第2モードを切り替える構成と、第1モードで画像取得(全画素分の信号を取得)し、次いで第2モードで画像取得(全画素分の信号を取得)する構成との二通りがある。前者の方が試料の動きや装置の揺らぎの影響を受けにくいのでより望ましい。

0080

L 光
LA 光
LB 光
T試料
1、100光音響顕微鏡
10パルスレーザー(光源)
20、110照射光学系
22 第1のAOM
24光ファイバ(パルス幅伸長部)
25 第2のAOM
29ガルバノスキャナ(走査部)
31ファンクションジェネレータ
40 検出部
44画像処理部(画像生成部)
51切替部
111SLM(切替部)

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