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図面 (12)

課題

特定周波数帯域の信号を受信しつつ、第1電線及び第2電線の少なくとも一方に発生した不具合低コストで検出することができる信号検出装置を提供する。

解決手段

信号検出装置1は、特定周波数帯域の信号を送受信可能である。信号検出装置1は、第1電線2aと、第1電線2aと対で差動伝送路2となる第2伝送路2bと、第1電線2aと、第2電線2bとの間に設けられ、異常検出共振周波数共振可能な共振回路5と、異常検出用共振周波数のずれを検出する検出部6と、を含む。異常検出用共振周波数は、特定周波数帯域外の値に設定されたものであって、且つ第1電線2aと第2電線2bとの間のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分の少なくとも一方が変化した場合、ずれるものである。

概要

背景

従来、有線LAN(Local Area Network)に代表されるイーサネット登録商標規格準拠する伝送路を介して各種信号送受信されている。このような伝送路は、例えば撚り対線による電線から構成されている。よって、伝送路の配索環境によっては、湿度又は温度等による経時劣化に加え、屈曲等の負荷に曝されることがあるため、電線の被覆剥け又は撚り解け等のような不具合により通信品質の低下を招く恐れがある。

そこで、伝送路の状態を判定することにより未然に不具合の対策を行うものとして、マハラノビス距離を用いたものが各種提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。

概要

特定周波数帯域の信号を受信しつつ、第1電線及び第2電線の少なくとも一方に発生した不具合を低コストで検出することができる信号検出装置を提供する。信号検出装置1は、特定周波数帯域の信号を送受信可能である。信号検出装置1は、第1電線2aと、第1電線2aと対で差動伝送路2となる第2伝送路2bと、第1電線2aと、第2電線2bとの間に設けられ、異常検出共振周波数共振可能な共振回路5と、異常検出用共振周波数のずれを検出する検出部6と、を含む。異常検出用共振周波数は、特定周波数帯域外の値に設定されたものであって、且つ第1電線2aと第2電線2bとの間のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分の少なくとも一方が変化した場合、ずれるものである。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

特定周波数帯域の信号を送受信可能な信号検出装置であって、第1電線と、前記第1電線と対で差動伝送路となる第2電線と、前記第1電線と、前記第2電線との間に設けられ、異常検出共振周波数共振可能な共振回路と、前記異常検出用共振周波数のずれを検出する検出部と、を備え、前記異常検出用共振周波数は、前記特定周波数帯域外の値に設定されたものであって、且つ前記第1電線と前記第2電線との間のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分の少なくとも一方が変化した場合、ずれるものである、信号検出装置。

請求項2

前記キャパシタンス成分は、前記第1電線と、前記第2電線との間の距離が離れるにつれ、小さくなるものである、請求項1に記載の信号検出装置。

請求項3

前記共振回路は、インダクタンス成分及びキャパシタンス成分の少なくとも一方が可変可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の信号検出装置。

技術分野

0001

本開示は、信号検出装置に関する。

背景技術

0002

従来、有線LAN(Local Area Network)に代表されるイーサネット登録商標規格準拠する伝送路を介して各種信号送受信されている。このような伝送路は、例えば撚り対線による電線から構成されている。よって、伝送路の配索環境によっては、湿度又は温度等による経時劣化に加え、屈曲等の負荷に曝されることがあるため、電線の被覆剥け又は撚り解け等のような不具合により通信品質の低下を招く恐れがある。

0003

そこで、伝送路の状態を判定することにより未然に不具合の対策を行うものとして、マハラノビス距離を用いたものが各種提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。

先行技術

0004

特開2017−092621号公報
特開2018−205152号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献2に記載の従来技術は、差動伝送路を構成する2本の電線のうち、一本に変化が起きた場合に有効である。しかしながら、2本の電線に同時に同じ変化が起きた場合(例えば撚り解け)に検知することが原理的に出来ないという問題がある。

0006

本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、特定周波数帯域の信号を受信しつつ、差動伝送路を構成する第1電線及び第2電線の少なくとも一方に発生した不具合を低コストで検出することができるようにするものである。

課題を解決するための手段

0007

本開示の一側面である信号検出装置は、特定周波数帯域の信号を送受信可能な信号検出装置であって、第1電線と、前記第1電線と対で差動伝送路となる第2電線と、前記第1電線と、前記第2電線との間に設けられ、異常検出共振周波数共振可能な共振回路と、前記異常検出用共振周波数のずれを検出する検出部と、を備え、前記異常検出用共振周波数は、前記特定周波数帯域外の値に設定されたものであって、且つ前記第1電線と前記第2電線との間のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分の少なくとも一方が変化した場合、ずれるものである。

発明の効果

0008

本開示の一側面によれば、特定周波数帯域の信号を受信しつつ、差動伝送路を構成する第1電線及び第2電線の少なくとも一方に発生した不具合を低コストで検出することができる。

図面の簡単な説明

0009

本開示を適用した実施形態1における信号検出装置1の一例を示す図である。
本開示を適用した実施形態1における差動伝送路2及び共振回路5を含む等価回路の一例を示す図である。
本開示を適用した実施形態1における共振回路5が異常検出用共振周波数fresを満たすときに生じる定在波Vstanの一例を示す図である。
本開示を適用した実施形態1における不要帯域で異常検出用共振周波数fresを満たすときのピーク電圧が生じる一例を示す図である。
本開示を適用した実施形態1における劣化診断処理を説明するフローチャートである。
差動伝送路2の異常時における状態を示す模式図である。
共振回路5から異常部までの物理長規格化電気長との相関を示すグラフである。
実施形態2に係る共振回路5及び周辺回路を示す構成図である。
実施形態3に係る共振回路5を示す構成図である。
実施形態4に係る共振回路5を示す構成図である。
実施形態5に係る共振回路5を示す構成図である。

実施例

0010

以下、図面に基づいて本開示の実施形態を説明するが、本開示は以下の実施形態に限られるものではない。

0011

実施形態1.
図1は、本開示を適用した実施形態1における信号検出装置1の一例を示す図である。信号検出装置1は、特定周波数帯域(具体的には図4に示す特定周波数fsig以下且つ周波数ゼロを超える帯域)の信号を送受信可能なものである。信号検出装置1は、第1通信部3、第2通信部4、第1電線2a、第2電線2b及び検出部6等を備える。第1通信部3は、第1電線2aの一端と、第2電線2bの一端とに接続され、特定周波数帯域の信号を送受信する。第2通信部4は、第1電線2aの他端と、第2電線2bの他端とに接続され、特定周波数帯域の信号を送受信する。なお、送受信される信号には、特定周波数帯域外の周波数成分(例えば後述の異常検出用共振周波数fres)も含まれる。

0012

第2電線2bは、第1電線2aと対で差動伝送路2となって、ツイストペアケーブルを構成する。差動伝送路2は、第1電線2aと第2電線2bとからなる一対の信号線に互いに逆相の信号を伝送するものである。例えば、一方の信号はポジティブ信号として第1電線2aを介して伝送し、他方の信号は一方の信号とは極性が逆であるネガティブ信号として第2電線2bを介して伝送する。受信側では、互いに逆相の信号が非反転で合成されて合成波形が生成される。ポジティブ信号と、ネガティブ信号とに振幅又は位相の差がなければ、ポジティブ信号とネガティブ信号とが相互に打ち消し合うため、ポジティブ信号とネガティブ信号との合成波形はゼロとなる。差動伝送路2の物理的形状の変化又は材質の変化がない状態である。一方、ポジティブ信号と、ネガティブ信号とに、振幅差位相差及び立ち上がり時間差の少なくとも1つの差があれば、ポジティブ信号とネガティブ信号とで打ち消しきれない成分が残るので、ポジティブ信号とネガティブ信号との合成波形は、振幅差、位相差及び立ち上がり時間差の少なくとも1つの差により生じたものとなる。差動伝送路2の一方に物理的形状の変化又は材質の変化が検出されたことになる。

0013

具体的には、第1電線2a及び第2電線2bの少なくとも一方に被覆剥け又は素線断線のような物理的形状の変化が生じると、変化が生じた不具合発生箇所で伝送される信号の伝送特性が変化する。しかし、撚り解けのように第1電線2a及び第2電線2bの双方が同じように変化する場合、第1電線2a及び第2電線2bを介して伝送される互いに逆相の信号は、位相及び振幅が同じように変化するため、互いに逆相の信号が合成された同相信号では撚り解けの検出は難しい。

0014

そこで、信号検出装置1は、共振回路5を備える。共振回路5は、第1電線2aと、第2電線2bとの間に設けられ、異常検出用共振周波数fresで共振可能なものである。共振回路5につき、図2及び図3を用いて具体的に説明する。図2は、本開示を適用した実施形態1における差動伝送路2及び共振回路5を含む等価回路の一例を示す図である。図3は、本開示を適用した実施形態1における共振回路5が異常検出用共振周波数fresを満たすときに生じる定在波Vstanの一例を示す図である。図2に示すように、共振回路5は、直列LC回路から構成され、第1電線2aと第2電線2bとから構成される差動伝送路2とは直列に接続されたものである。よって、共振回路5の異常検出用共振周波数fresは、次の式(1)で表される。

0015

0016

式(1)を満たして共振が発生する場合、共振回路5は、インピーダンスがゼロとなるため、第1電線2aと、第2電線2bとがショートされた状態と等価である。よって、第1電線2aと第2電線2bとの間にショート端が形成されるため、図3に示すように、終端位置のインピーダンスはゼロとなり、差動伝送路2に定在波Vstanが発生する。よって、定在波Vstanの波長をλとすると、図3に示すように、λ/4、3λ/4、5λ/4、7λ/4及び9λ/4を満たすときに定在波Vstanは腹となるので、定在波Vstanの電圧が最大となる。つまり、図2に示すように、線路長をxとし、次の式(2)を満たすとき、定在波Vstanの電圧が最大となる。

0017

0018

よって、共振回路5が異常検出用共振周波数fresを満たすときに生じる定在波Vstanは、式(2)を満たす線路長xの位置のときに電圧が最大となるので、定在波Vstanの電圧が最大のときの電圧を評価すれば、異常検出用共振周波数fresのずれを検出することができる。また、差動伝送路2の伝播速度をvとすると、次の式(3)のように表される。

0019

なお、式(3)でいうLとは線路のインダクタンスであり、Cとは線路のキャパシタンスである。またLMは相互インダクタンスであり、CMは線路間の容量である。

0020

よって、差動伝送路2の一部に撚り解けのような不具合発生箇所があれば、第1電線2aと第2電線2bとの間のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分の少なくとも一方が変化する。例えば、差動伝送路2の一部に撚り解けが発生すれば、第1電線2aと、第2電線2bとの間の距離は離れる。第1電線2aと、第2電線2bとの間の距離が離れるにつれ、キャパシタンス成分は小さくなる。したがって、伝播速度を支配するインダクタンス成分及びキャパシタンス成分の少なくとも一方が変化すれば、異常検出用共振周波数fresも変化する。つまり、検出部6により異常検出用共振周波数fresのずれが検出されれば、差動伝送路2の一部に撚り解けのような不具合発生箇所があることが検出される。

0021

また、異常検出用共振周波数fresは、式(1)に示すように、共振回路5のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分により決定することができる。よって、異常検出用共振周波数fresを特定周波数帯域外のものとすれば、つまり、異常検出用共振周波数fresを不要帯域に生じるように設定すれば、差動伝送路2を介して特定周波数帯域の信号を送受信しつつ、差動伝送路2の不具合発生箇所を検出することができる。具体的には、異常検出用共振周波数fresは、特定周波数帯域よりも大きな値に設定されたものであればよい。図4は、本開示を適用した実施形態1における不要帯域で異常検出用共振周波数fresを満たすときのピーク電圧が生じる一例を示す図である。式(2)に示すように、異常検出用共振周波数fresが生じるときに定在波Vstanの電圧が最大になるときがある。よって、図4に示すように、異常検出用共振周波数fresがずれれば、つまり、異常検出用共振周波数fresのずれ量に応じて、スペクトルレベルシフトする。したがって、例えば、運用上、異常検出用共振周波数fresを中心に任意の帯域幅で抽出した複数のスペクトルの重心を抽出すれば、スペクトルの重心に閾値以上の差が生じたときに差動伝送路2に不具合発生箇所があることを精度良く検出できる。なお、スペクトルの重心と比較される閾値は、スペクトルのバラつきが考慮されて設定されている。

0022

図5は、本開示を適用した実施形態1における劣化診断処理を説明するフローチャートである。ステップS11〜ステップS16の処理は、正常データベース生成処理である。正常データベース生成処理は、差動伝送路2の異常を診断するための比較の基準となる正常スペクトルを求めて正常データベースに登録する処理である。ステップS31〜ステップS40の処理は、異常診断処理である。異常診断処理は、正常データベース生成処理で登録した正常スペクトルと、異常診断時に求めた診断スペクトルとに基づき、差動伝送路2の異常を診断する処理である。なお、上記の説明では、不具合発生箇所を特定する処理として説明したが、運用上、将来起こりうる不具合発生箇所も推定するものであり、そういう観点でフローチャートの説明では推定という言葉で説明する。

0023

(正常データベース生成処理)
ステップS11において、検出部6は、差動伝送路2を流れる信号を取得し、ステップS12の処理に移行する。ステップS12において、検出部6は、信号の任意時間における波形抜き取り、ステップS13の処理に移行する。ステップS13において、検出部6は、Welch法により任意の窓関数を利用して平均化されたスペクトルを取得し、ステップS14の処理に移行する。ステップS14において、検出部6は、平均化されたスペクトルを同じ周波数ごとに複数取得したか否かを判定する。検出部6は、平均化されたスペクトルを同じ周波数ごとに複数取得したと判定する場合(ステップS14;Y)、ステップS15の処理に移行する。検出部6は、平均化されたスペクトルを同じ周波数ごとに複数取得していないと判定する場合(ステップS14;N)、ステップS11の処理に戻る。

0024

ステップS15において、検出部6は、任意の周波数ごとの複数のスペクトルで1つの平均スペクトルを生成し、ステップS16の処理に移行する。ステップS16において、検出部6は、平均スペクトルを正常スペクトルとして正常データベースに登録し、正常データベース生成処理を終了する。

0025

(異常診断処理スタート)
ステップS31〜ステップS34の処理は、ステップS11〜ステップS14の処理と同様であるので、その説明については省略する。ステップS35において、検出部6は、任意の周波数ごとの複数のスペクトルで1つの平均スペクトルを診断スペクトルとして生成し、ステップS36の処理に移行する。ステップS36において、検出部6は、正常スペクトル及び診断スペクトルのそれぞれから異常検出用共振周波数fresを中心に任意の帯域幅でスペクトルを抽出し、ステップS37の処理に移行する。ステップS37において、検出部6は、正常スペクトル及び診断スペクトルのそれぞれから抽出した任意の帯域幅のスペクトルのそれぞれの重心を抽出し、ステップS38の処理に移行する。

0026

ステップS38において、検出部6は、抽出したそれぞれの重心の差を求め、ステップS39の処理に移行する。ステップS39において、検出部6は、求めた重心の差が閾値以上であるか否かを判定する。検出部6は、求めた重心の差が閾値以上であると判定する場合(ステップS39;Y)、ステップS40の処理に移行する。検出部6は、求めた重心の差が閾値以上でないと判定する場合(ステップS39;N)、すなわち、検出部6は、求めた重心の差が閾値未満であると判定する場合(ステップS39;N)、ステップS31の処理に戻る。ステップS40において、検出部6は、求めた重心の差に応じて不具合発生箇所を推定し、異常診断処理を終了する。なお、ステップS39において、求めた重心の差が閾値以上であると判定されれば、差動伝送路2に不具合発生箇所が存在することを意味することになる。

0027

以上の説明から、実施形態1において、検出部6は、異常検出用共振周波数fresのずれを検出する。異常検出用共振周波数fresは、特定周波数帯域外(特に当該帯域より大きな周波数)に設定されたものであって、且つ差動伝送路2を構成する第1電線2aと第2電線2bとの間のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分の少なくとも一方が変化した場合、ずれるものである。第1電線2aと第2電線2bとの間のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分の少なくとも一方が変化するということは、第1電線2a及び第2電線2bの物理的形状の変化又は材質の変化が生じることと等価である。第1電線2a及び第2電線2bの物理的形状の変化又は材質の変化が生じることは、第1電線2a及び第2電線2bの少なくとも一方に、被覆剥け及び素線断線の少なくとも一方が発生する、又は第1電線2aと第2電線2bとの撚り解けが発生することを意味する。よって、被覆剥け、素線断線及び撚り解けのうち少なくとも1つに起因する不具合が生じていることが検出される。また、異常検出用共振周波数fresは特定周波数帯域外となっている。したがって、特定周波数帯域外の信号を受信しつつ、第1電線2a及び第2電線2bの少なくとも一方に発生した不具合を低コストで検出することができる。

0028

また、実施形態1において、キャパシタンス成分は、第1電線2aと、第2電線2bとの間の距離が離れるにつれ、小さくなるものである。キャパシタンス成分が変化した場合、異常検出用共振周波数fresは、ずれる。また、第1電線2aと、第2電線2bとの間の距離が離れることは、第1電線2aと、第2電線2bとで撚り解けが生じたことを意味する。したがって、第1電線2aと、第2電線2bとで撚り解けが発生したことが検出可能となる。

0029

実施形態2.
実施形態2では、実施形態1と同様の構成についてはその説明を省略する。実施形態2は、共振回路5構成が実施形態1と異なる。すなわち、実施形態1に係る共振回路5はインダクタンス成分及びキャパシタンス成分が固定であったのに対し、実施形態2に係る共振回路5はキャパシタンス成分が可変とされている。

0030

次に、実施形態2に係る共振回路5を説明するのに先立って、キャパシタンス成分を可変とする理由を説明する。図6は、差動伝送路2の異常時における状態を示す模式図である。図6に示すように、通信路特定箇所において異常が発生した場合、異常部は正常部に挟まれることとなり、この場合においてλ/4共振を想定した場合の規格化電気長(異常時の電気量を正常時の電気長で除算したもの)は以下の式(4)で表すことができる。

0031

ここで、異常部に関するθ2はβe×l2で表すことができる。βeは異常通信路の位相定数であり、l2は異常部の長さである。また、異常部の一端側の正常部に関するθ1はβ×l1で表すことができる。βは正常通信路の位相定数であり、l1は異常部の一端側における正常部の長さである。さらに、異常部の他端側の正常部に関するθ3はβ×l3で表すことができる。l3は異常部の他端側における正常部の長さである。

0032

ここで、β=ω√(L−LM)(C+2CM)であり、βe=ω√(Le−LeM)(Ce+2CeM)である。ここでのL,LM,C,CMは式(3)中のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分と同じものである。また、Le,LeM,Ce,CeMについては異常部分のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分を表すものである。

0033

よって、θ1については式(5)と表すことができ、θ2については式(6)と表すことができ、θ3については式(7)と表すことができる。











なお、通信路における正常部におけるインピーダンスをZ0とし、通信路における異常部におけるインピーダンスをZeとしている。

0034

図7は、共振回路5から異常部までの物理長と規格化電気長との相関を示すグラフである。上記式からすると、インダクタンス成分を0.5μFとし、キャパシタンス成分を5.8pFとした場合(異常検出用共振周波数fres≒93.5MHz)において、規格化電気長は、図7に示す破線のようになる。

0035

ここで、図7の破線に示すように、物理長0.36m付近において規格化電気長が「1.00」となっている。すなわち、異常時と正常時との区別が付かず、異常検出用共振周波数fresの変化が生じない状態となっている。このように、不具合の発生箇所の位置によっては不具合を検出できないことがあり得る。

0036

図8は、実施形態2に係る共振回路5及び周辺回路を示す構成図である。図8に示すように、実施形態2に係る共振回路5は、インダクタンス成分であるコイルL3と、コイルL3に直列接続されるキャパシタンス成分であるコンデンサC2及びバラクタダイオードC3とを備えている。バラクタダイオードC3は、可変容量ダイオードと呼ばれ、逆方向電圧の値により、空乏層の領域が変化し、コンデンサの容量値が変化するものである。

0037

さらに、上記した共振回路5には、バイアス電圧部Vb、並びに第1及び第2コイルLa,Lbが接続される。2つのバイアス電圧部Vbは第1及び第2コイルLa,Lbの一端に接続されている。第1コイルLaの他端は、コンデンサC2の一方の電極とバラクタダイオードC3のカソードに接続される。同様に第2コイルLbの他端は、コンデンサC2の一方の電極とバラクタダイオードC3のカソードに接続されている。また、バラクタダイオードC3のアノードは、グランドに接続される。二組のコイルL3の他方の電極は差動伝送路2に接続されている。

0038

ここで、本実施形態においてバイアス電圧部Vbは、公知又は周知の構造により電圧値が変更可能とされている。電圧値は、例えば所定時間毎所定タイミングで段階的に変更されてもよいし、連続的に変更されてもよい。このように、実施形態2では、バラクタダイオードC3に印加される電圧を可変とすることができ、これによりキャパシタンス成分を可変とすることができる。このように、実施形態2に係る共振回路5は、キャパシタンス成分を可変可能に構成されているため、規格化電気長についても変化させることができる。

0039

図7に示す実線は、インダクタンス成分を0.5μFとし、キャパシタンス成分を5.0pFとした場合(異常検出用共振周波数fres≒100MHz)を示している。バイアス電圧部Vbの電圧を変更することでバラクタダイオードC3のキャパシタンス成分を可変とできる。このため、例えばキャパシタンス成分が5.8pFから5.0pFに変化した場合、規格化電気長を示すグラフについても破線から実線のものに変化する。これにより、物理長0.36m付近において規格化電気長が「1.00」とならず、「1.004」程度に変化する。よって、異常時と正常時との区別が付くこととなり、不具合の発生箇所の位置によっては不具合を検出できなくなる事態を防止することができる。

0040

以上の説明から、実施形態2において、共振回路5はキャパシタンス成分が可変可能に構成されている。このため、仮にキャパシタンス成分の変更前において不具合の発生箇所が異常時と正常時との区別が付かない位置(規格化電気長=1.00)であっても、キャパシタンス成分の変更によって異常時と正常時との区別が付く位置(規格化電気長≠1.00)に変更されることとなり、不具合を検出できなくなる事態を防止することができる。

0041

実施形態3.
実施形態3では、実施形態2と同様の構成についてはその説明を省略する。実施形態3は、共振回路5構成が実施形態2と異なる。

0042

図9は、実施形態3に係る共振回路5を示す構成図である。図9に示すように、実施形態3に係る共振回路5は、インダクタンス成分である可変コイルL4と、可変コイルL4に直列接続されるキャパシタンス成分であるコンデンサC4とを備えている。可変コイルL4は、コイルL41と、当該コイルL41内に設けられるコア部材L42とを有したものである。

0043

ここで、本実施形態において可変コイルL4は、コア部材L42がコイル軸方向位置変化させられてコイルL41内におけるコア部材L42の体積が変化させられる。体積変化は、例えば所定時間毎や所定タイミングで段階的に行われてもよいし、連続的に行われてもよい。これにより、インダクタンス成分を可変とすることができる。このように、実施形態3に係る共振回路5は、インダクタンス成分を可変可能に構成されているため、規格化電気長についても変化させることができ、図7を参照して説明した場合と同様に不具合を検出できなくなる事態を防止することができる。

0044

以上の説明から、実施形態3において、共振回路5はインダクタンス成分が可変可能に構成されている。このため、仮にインダクタンス成分の変更前において不具合の発生箇所が異常時と正常時との区別が付かない位置(規格化電気長=1.00)であっても、インダクタンス成分の変更によって異常時と正常時との区別が付く位置(規格化電気長≠1.00)に変更されることとなり、不具合を検出できなくなる事態を防止することができる。

0045

実施形態4.
実施形態4では、実施形態2と同様の構成についてはその説明を省略する。実施形態4は、共振回路5構成が実施形態2と異なる。

0046

図10は、実施形態4に係る共振回路5を示す構成図である。図10に示すように、実施形態4に係る共振回路5は、複数(3つ)のスイッチング手段Q1〜Q3と、コイルL5と、複数のスイッチング手段Q1〜Q3によるスイッチングによってコイルL5と接続される複数のコンデンサC51〜C53とを備えている。複数のコンデンサC51〜C53は、それぞれ容量値が異なっている。

0047

ここで、本実施形態においては、複数のスイッチング手段Q1〜Q3のスイッチング状態が変更させられる。スイッチング状態は、例えば所定時間毎や所定タイミングで変更される。これにより、キャパシタンス成分を可変とすることができる。このように、実施形態4に係る共振回路5は、キャパシタンス成分を可変可能に構成されているため、規格化電気長についても変化させることができ、図7を参照して説明した場合と同様に不具合を検出できなくなる事態を防止することができる。

0048

以上の説明から、実施形態4において、共振回路5はキャパシタンス成分が可変可能に構成されている。このため、仮にキャパシタンス成分の変更前において不具合の発生箇所が異常時と正常時との区別が付かない位置(規格化電気長=1.00)であっても、キャパシタンス成分の変更によって異常時と正常時との区別が付く位置(規格化電気長≠1.00)に変更されることとなり、不具合を検出できなくなる事態を防止することができる。

0049

実施形態5.
実施形態5では、実施形態2と同様の構成についてはその説明を省略する。実施形態5は、共振回路5構成が実施形態2と異なる。

0050

図11は、実施形態5に係る共振回路5を示す構成図である。図11に示すように、実施形態5に係る共振回路5は、複数(3つ)のスイッチング手段Q1〜Q3と、コンデンサC6と、複数のスイッチング手段Q1〜Q3によるスイッチングによってコンデンサC6と接続される複数のコイルL61〜L63とを備えている。複数のコイルL61〜L63は、それぞれ容量値が異なっている。

0051

ここで、本実施形態においては、複数のスイッチング手段Q1〜Q3のスイッチング状態が変更させられる。スイッチング状態は、例えば所定時間毎や所定タイミングで変更される。これにより、インダクタンス成分を可変とすることができる。このように、実施形態5に係る共振回路5は、インダクタンス成分を可変可能に構成されているため、規格化電気長についても変化させることができ、図7を参照して説明した場合と同様に不具合を検出できなくなる事態を防止することができる。

0052

以上の説明から、実施形態5において、共振回路5はインダクタンス成分が可変可能に構成されている。このため、仮にインダクタンス成分の変更前において不具合の発生箇所が異常時と正常時との区別が付かない位置(規格化電気長=1.00)であっても、インダクタンス成分の変更によって異常時と正常時との区別が付く位置(規格化電気長≠1.00)に変更されることとなり、不具合を検出できなくなる事態を防止することができる。

0053

以上、本開示を適用した信号検出装置1を実施形態1〜5に基づいて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。

0054

実施形態1〜5は、検出部6が第1通信部3に接続されている一例について説明しているが、これに限られない。検出部6は、第1通信部3の内部に収容されていてもよい。

0055

また、実施形態1〜5では、差動伝送路2に生じた撚り解けのような不具合発生箇所の検出例について説明しているが、これに限られない。異常検出用共振周波数fresのずれは、第1電線2aと第2電線2bとの間のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分の少なくとも一方の変化に起因するものである。差動伝送路2の一部に被覆剥け又は素線断線が生じた場合であっても、第1電線2aと第2電線2bとの間のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分の少なくとも一方は変化するため、同様に検出可能である。加えて、撚り解け以外の第1電線2aと第2電線2bとに同時に同じ異常が発生する場合についても検出可能である。

0056

また、実施形態1〜5では、定在波Vstanが腹の状態のときの定在波Vstanの電圧が評価される一例について説明しているが、これに限られない。定在波Vstanが節の状態のときの定在波Vstanの電圧が評価されてもよい。この場合、定在波Vstanの電圧が最小となる。

0057

加えて、実施形態1〜5では、図5に示すように正常スペクトル及び診断スペクトルのそれぞれから異常検出用共振周波数fresを中心に任意の帯域幅でスペクトルを抽出し、それぞれの重心の差が閾値以上であるか否かに基づいて、不具合が発生しているかを判断している。しかし、閾値による判断に限らず、例えば様々な異常状態を学習(例えばAI学習)することで閾値を利用することなく不具合の発生を判断するようにしてもよい。

0058

さらに、上記実施形態では、複数のコンデンサC51〜C53と複数のコイルL61〜L63とはそれぞれが容量値が異なり、いずれか1つが選択されることを想定しているが、これに限らず、容量値は全て同じであってもよい。例えば複数のコンデンサC51〜C53が3つであり、容量値が全て同じである場合において、1つだけをコイルL5と接続するスイッチング状態と、2つだけをコイルL5と接続するスイッチング状態と、3つをコイルL5と接続するスイッチング状態とでインダクタンス成分を可変としてもよい。

0059

また、上記実施形態2〜5においては、インダクタンス成分とキャパシタンス成分のいずれか一方のみを可変としているが、これに限らず、これらを組み合わせて双方を可変としてもよい。

0060

1信号検出装置
2差動伝送路、2a 第1電線、2b 第2電線
3 第1通信部、4 第2通信部、5共振回路、6 検出部
7 判定部
fres異常検出用共振周波数、fsig特定周波数
Vstan定在波
L3,L41,L5,L61〜L63コイル
C3バラクタダイオードC2,C4,C51〜C53,C6コンデンサ
L42コア部材Q1〜Q3スイッチング手段

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