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技術 超音波計測装置、及び超音波計測方法

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 新井義雄小野木智英
出願日 2019年2月26日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2019-032520
公開日 2020年8月31日 (5ヶ月経過) 公開番号 2020-134481
状態 未査定
技術分野 音波、超音波を用いた位置、速度等の測定
主要キーワード 所定波数 シグナルグラウンド 受信用チャンネル 中間波 計測センサー バイパス配線 マージンα 距離測定処理
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

超音波計測装置で適正なゼロクロス点を設定するために、高分解能なA/D変換器や大容量の記憶領域が必要であり、コストが高くなり、処理時間も長くなる。

解決手段

超音波計測装置は、送信パルスに基づいて対象物に超音波を送信し、前記対象物で反射された前記超音波を受信する超音波送受処理を実施し、前記超音波の受信により受信信号を出力する超音波送受信部と、信号電圧が所定の閾値以上となる前記受信信号のゼロクロス点を複数、検出するゼロクロス検出部と、複数の前記ゼロクロス点に基づいて、前記超音波の受信タイミングとして用いる受信ゼロクロス点を設定する受信設定部と、を備え、前記受信設定部は、複数の前記ゼロクロス点の検出タイミング時間差に基づいて、前記受信ゼロクロス点を設定する。

概要

背景

従来、対象物に向かって超音波送受信処理を実施して、超音波の送信タイミングから超音波の受信タイミングまでの時間に基づいて、対象物までの距離を計測する超音波計測装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。

このような超音波計測装置では、超音波を受信した際の受信信号波形データのうち、閾値を超える受信信号のゼロクロス点に基づいて受信タイミングを特定する。しかしながら、超音波計測装置から対象物までの間の距離が長くなるに従って、超音波受信部で受信される超音波の音圧が低下するため、閾値を超える受信信号の数や位置も変動する。この場合、超音波の受信タイミングとして設定するゼロクロス点が測定毎に変動する場合があり、オフセット誤差が発生してしまう。例えば、1回目の測定では、1番目に出力される受信信号のゼロクロス点が受信タイミングとして設定され、2回目の測定では、2番目に出力される受信信号のゼロクロス点が受信タイミングとして設定されると、1波分の受信信号のずれがオフセット誤差となり、測定精度が低下する。

そこで、特許文献1に記載の超音波計測装置では、複数回の超音波処理を実施し、各回に対応した波形データを得る。次に、1回目の超音波処理の波形データに対して仮の基準ゼロクロス点を設定し、i回目の超音波処理の波形データの基準ゼロクロス点を、i−1回目の波形データの基準ゼロクロス点に基づいて設定する。この後、各回のj番目(j=0,1,2,…J)の波における振幅を求め、その平均振幅Sjを算出する。そして、j番目の平均振幅Sjと、j+1番目の平均振幅Sj+1との振幅比Rjが最大となる波のゼロクロス点の2波後のゼロクロス点を受信タイミングとし、超音波計測装置から対象物までの距離を算出する。

概要

超音波計測装置で適正なゼロクロス点を設定するために、高分解能なA/D変換器や大容量の記憶領域が必要であり、コストが高くなり、処理時間も長くなる。超音波計測装置は、送信パルスに基づいて対象物に超音波を送信し、前記対象物で反射された前記超音波を受信する超音波送受処理を実施し、前記超音波の受信により受信信号を出力する超音波送受信部と、信号電圧が所定の閾値以上となる前記受信信号のゼロクロス点を複数、検出するゼロクロス検出部と、複数の前記ゼロクロス点に基づいて、前記超音波の受信タイミングとして用いる受信ゼロクロス点を設定する受信設定部と、を備え、前記受信設定部は、複数の前記ゼロクロス点の検出タイミング時間差に基づいて、前記受信ゼロクロス点を設定する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

送信パルスに基づいて対象物に超音波を送信し、前記対象物で反射された前記超音波を受信する超音波送受処理を実施し、前記超音波の受信により受信信号を出力する超音波送受信部と、信号電圧が所定の閾値以上となる前記受信信号のゼロクロス点を複数、検出するゼロクロス検出部と、複数の前記ゼロクロス点に基づいて、前記超音波の受信タイミングとして用いる受信ゼロクロス点を設定する受信設定部と、を備え、前記受信設定部は、複数の前記ゼロクロス点の検出タイミング時間差に基づいて、前記受信ゼロクロス点を設定することを特徴とする超音波計測装置

請求項2

請求項1に記載の超音波計測装置において、前記送信パルスを生成する第一パルス生成部を備え、前記第一パルス生成部は、前記超音波の発振周波数とは異なる周波数所定波数の前記送信パルスを生成し、前記受信設定部は、時系列に沿って連続する2つの前記ゼロクロス点の間の前記検出タイミングの前記時間差を複数、算出し、時系列に沿った複数の前記時間差のうち、所定の設定範囲となる前記時間差に基づいた前記ゼロクロス点を、前記受信ゼロクロス点として設定することを特徴とする超音波計測装置。

請求項3

請求項1に記載の超音波計測装置において、前記超音波の発振周波数と同じ周波数の前記送信パルスを生成する第二パルス生成部を備え、前記第二パルス生成部は、第一波数の前記送信パルスを生成し、1波の前記送信パルスに相当する空時間の経過後に、第二波数の前記送信パルスを生成し、前記受信設定部は、時系列に沿って連続する2つの前記ゼロクロス点の間の前記検出タイミングの前記時間差を複数、算出し、時系列に沿った前記時間差が前記超音波の周期に基づく所定値以上となる前記ゼロクロス点を、前記受信ゼロクロス点として設定することを特徴とする超音波計測装置。

請求項4

請求項3に記載の超音波計測装置において、前記第二パルス生成部は、前記受信設定部で時系列に沿った前記時間差が前記所定値以上となる前記ゼロクロス点が検出されない場合に前記空時間を、1波の前記送信パルスに相当する時間だけ増大させることを特徴とする超音波計測装置。

請求項5

請求項4に記載の超音波計測装置において、前記受信設定部は、m+1回の前記超音波送受処理によって前記空時間がm波の前記送信パルスに相当する時間だけ増大された際、時系列に沿った前記時間差が前記所定値以上となる前記ゼロクロス点よりm個前の前記受信信号の前記ゼロクロス点を、前記受信ゼロクロス点として設定することを特徴とする超音波計測装置。

請求項6

請求項1に記載の超音波計測装置において、前記送信パルスを生成する第三パルス生成部を備え、前記第三パルス生成部は、前記超音波の発振周波数と同じ周波数の第三波数の前記送信パルス、前記発振周波数よりも高い周波数の第四波数の前記送信パルス、前記発振周波数と同じ周波数の第五波数の前記送信パルスを順に生成し、前記受信設定部は、時系列に沿って連続する2つの前記ゼロクロス点の間の前記検出タイミングの前記時間差を複数、算出し、時系列に沿った前記時間差が前記超音波の周期に基づく所定値以上となる前記ゼロクロス点を、前記受信ゼロクロス点として設定することを特徴とする超音波計測装置。

請求項7

送信パルスに基づいて対象物に超音波を送信し、前記対象物で反射された前記超音波を受信する超音波送受処理を実施し、前記超音波の受信により受信信号を出力する超音波送受信部と、信号電圧が所定の閾値以上となる複数の前記受信信号に対応したゼロクロス点を検出するゼロクロス検出部と、を備えた超音波計測装置における超音波計測方法であって、前記超音波送受処理により得られる複数の前記ゼロクロス点の検出タイミングの時間差に基づいて、前記超音波の受信タイミングとして用いる受信ゼロクロス点を設定することを特徴とする超音波計測方法。

技術分野

0001

本発明は、超音波計測装置、及び超音波計測方法に関する。

背景技術

0002

従来、対象物に向かって超音波送受信処理を実施して、超音波の送信タイミングから超音波の受信タイミングまでの時間に基づいて、対象物までの距離を計測する超音波計測装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。

0003

このような超音波計測装置では、超音波を受信した際の受信信号波形データのうち、閾値を超える受信信号のゼロクロス点に基づいて受信タイミングを特定する。しかしながら、超音波計測装置から対象物までの間の距離が長くなるに従って、超音波受信部で受信される超音波の音圧が低下するため、閾値を超える受信信号の数や位置も変動する。この場合、超音波の受信タイミングとして設定するゼロクロス点が測定毎に変動する場合があり、オフセット誤差が発生してしまう。例えば、1回目の測定では、1番目に出力される受信信号のゼロクロス点が受信タイミングとして設定され、2回目の測定では、2番目に出力される受信信号のゼロクロス点が受信タイミングとして設定されると、1波分の受信信号のずれがオフセット誤差となり、測定精度が低下する。

0004

そこで、特許文献1に記載の超音波計測装置では、複数回の超音波処理を実施し、各回に対応した波形データを得る。次に、1回目の超音波処理の波形データに対して仮の基準ゼロクロス点を設定し、i回目の超音波処理の波形データの基準ゼロクロス点を、i−1回目の波形データの基準ゼロクロス点に基づいて設定する。この後、各回のj番目(j=0,1,2,…J)の波における振幅を求め、その平均振幅Sjを算出する。そして、j番目の平均振幅Sjと、j+1番目の平均振幅Sj+1との振幅比Rjが最大となる波のゼロクロス点の2波後のゼロクロス点を受信タイミングとし、超音波計測装置から対象物までの距離を算出する。

先行技術

0005

特開平5−34192号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1に記載の超音波計測装置では、波形データの各波のピーク値及びボトム値を検出可能な高分解能なA/D変換器が必要となる。また、高分解能なA/D変換機で得られた波形データはデータ容量が大きく、更に、複数回の超音波処理により得られる波形データを記憶部に記憶する必要があるので、大容量の記憶領域が必要となる。このため、超音波計測装置のコストが高く、処理時間も長くなるとの課題があった。

課題を解決するための手段

0007

第一適用例に係る超音波計測装置は、送信パルスに基づいて対象物に超音波を送信し、前記対象物で反射された前記超音波を受信する超音波送受処理を実施し、前記超音波の受信により受信信号を出力する超音波送受信部と、信号電圧が所定の閾値以上となる前記受信信号のゼロクロス点を複数、検出するゼロクロス検出部と、複数の前記ゼロクロス点に基づいて、前記超音波の受信タイミングとして用いる受信ゼロクロス点を設定する受信設定部と、を備え、前記受信設定部は、複数の前記ゼロクロス点の検出タイミング時間差に基づいて、前記受信ゼロクロス点を設定する。

0008

第一適用例の超音波計測装置において、前記送信パルスを生成する第一パルス生成部を備え、前記第一パルス生成部は、前記超音波の発振周波数とは異なる周波数所定波数の前記送信パルスを生成し、前記受信設定部は、時系列に沿って連続する2つの前記ゼロクロス点の間の前記検出タイミングの前記時間差を複数、算出し、時系列に沿った複数の前記時間差のうち、所定の設定範囲となる前記時間差に基づいた前記ゼロクロス点を、前記受信ゼロクロス点として設定することが好ましい。

0009

第一適用例の超音波計測装置において、前記超音波の発振周波数と同じ周波数の前記送信パルスを生成する第二パルス生成部を備え、前記第二パルス生成部は、第一波数の前記送信パルスを生成し、1波の前記送信パルスに相当する空時間の経過後に、第二波数の前記送信パルスを生成し、前記受信設定部は、時系列に沿って連続する2つの前記ゼロクロス点の間の前記検出タイミングの前記時間差を複数、算出し、時系列に沿った前記時間差が前記超音波の周期に基づく所定値以上となる前記ゼロクロス点を、前記受信ゼロクロス点として設定してもよい。

0010

第一適用例の超音波計測装置において、前記第二パルス生成部は、前記受信設定部で時系列に沿った前記時間差が前記所定値以上となる前記ゼロクロス点が検出されない場合に前記空時間を、1波の前記送信パルスに相当する時間だけ増大させることが好ましい。

0011

第一適用例の超音波計測装置において、前記受信設定部は、m+1回の前記超音波送受処理によって前記空時間がm波の前記送信パルスに相当する時間だけ増大された際、時系列に沿った前記時間差が前記所定値以上となる前記ゼロクロス点よりm個前の前記受信信号の前記ゼロクロス点を、前記受信ゼロクロス点として設定することが好ましい。

0012

第一適用例の超音波計測装置において、前記送信パルスを生成する第三パルス生成部を備え、前記第三パルス生成部は、前記超音波の発振周波数と同じ周波数の第三波数の前記送信パルス、前記発振周波数よりも高い周波数の第四波数の前記送信パルス、前記発振周波数と同じ周波数の第五波数の前記送信パルスを順に生成し、前記受信設定部は、時系列に沿って連続する2つの前記ゼロクロス点の間の前記検出タイミングの前記時間差を複数、算出し、時系列に沿った前記時間差が前記超音波の周期に基づく所定値以上となる前記ゼロクロス点を、前記受信ゼロクロス点として設定してもよい。

0013

第二適用例に係る超音波計測方法は、送信パルスに基づいて対象物に超音波を送信し、前記対象物で反射された前記超音波を受信する超音波送受処理を実施し、前記超音波の受信により受信信号を出力する超音波送受信部と、信号電圧が所定の閾値以上となる複数の前記受信信号に対応したゼロクロス点を検出するゼロクロス検出部と、を備えた超音波計測装置における超音波計測方法であって、前記超音波送受処理により得られる複数の前記ゼロクロス点の検出タイミングの時間差に基づいて、前記超音波の受信タイミングとして用いる受信ゼロクロス点を設定する。

図面の簡単な説明

0014

第一実施形態の超音波計測装置の概略構成を示す模式図。
第一実施形態の超音波デバイスの構成例を示す断面図。
第一実施形態の超音波トランスデューサーの接続例を示す図。
第一実施形態の距離測定処理を示すフローチャート
第一実施形態の超音波送受処理での送信パルス、受信信号、及びゼロクロス検出パルスタイミングチャート
第二実施形態の超音波計測装置の概略構成を示す図。
第二実施形態の距離測定処理を示すフローチャート。
第二実施形態の超音波送受処理での送信パルス、受信信号、及びゼロクロス検出パルスのタイミングチャート。
第二実施形態の超音波送受処理での送信パルス、受信信号、及びゼロクロス検出パルスのタイミングチャート。
第三実施形態の超音波計測装置の概略構成を示す図。
第三実施形態の距離測定処理を示すフローチャート。
第三実施形態の超音波送受処理での送信パルス、受信信号、及びゼロクロス検出パルスのタイミングチャート。

実施例

0015

[第一実施形態]
以下、第一実施形態の超音波計測装置について説明する。
図1は、第一実施形態の超音波計測装置10の概略構成を示す模式図である。
超音波計測装置10は、超音波デバイス20と、超音波デバイス20を制御する制御回路30とを備える。この超音波計測装置10は、制御回路30の制御により超音波デバイス20から対象物1に向かって超音波を送信し、対象物1で反射された超音波を超音波デバイス20で受信する超音波送受処理を実施する。そして、制御回路30は、超音波デバイス20による超音波送受処理の超音波の送信タイミングから、対象物1で反射された超音波の受信タイミングまでの時間に基づいて、超音波デバイス20から対象物1までの距離を算出する。
以下、このような超音波計測装置10の各構成の詳細について説明する。

0016

[超音波デバイス20の構成]
図2は、超音波デバイス20の構成例を示す断面図である。
超音波デバイス20は、対象物1に超音波を送信し、対象物1で反射された超音波を受信する超音波送受処理を実施して、超音波の受信により受信信号を出力する超音波送受信部である。図2に示すように、この超音波デバイス20は、素子基板21と、振動板22と、圧電素子23と、を備えて構成されている。なお、以降の説明にあたり、超音波デバイス20から対象物1に向かう超音波の送受信方向をZ方向とする。

0017

素子基板21は、振動板22を支持する基板であり、Si等の半導体基板で構成される。素子基板21には、Z方向に沿って素子基板21を貫通する複数の開口部211が設けられている。

0018

振動板22は、例えばSiO2及びZrO2の積層体等より構成され、素子基板21の−Z側に設けられる。この振動板22は、開口部211を構成する素子基板21により支持され、開口部211の−Z側を閉塞する。振動板22のうち、Z方向から見た際に各開口部211と重なる部分は、振動板22において、振動により超音波の送受信を行う振動部221を構成する。

0019

圧電素子23は、振動板22上で、かつ、Z方向から見た際に、各振動部221と重なる位置に設けられている。この圧電素子23は、図2に示すように、振動板22上に下部電極231、圧電膜232、及び上部電極233が順に積層されることにより構成されている。

0020

このような超音波デバイス20では、1つの振動部221と当該振動部221上に配置された圧電素子23とにより、1つの超音波トランスデューサー24が構成される。
そして、この超音波デバイス20では、下部電極231及び上部電極233との間に電圧印加されると、圧電膜232が伸縮して、振動部221が開口部211の開口幅等に応じた発振周波数で振動する。これにより、振動部221から+Z側に向かって超音波が送信される。
また、超音波デバイス20では、対象物1で反射された超音波を振動部221に入力されると、振動部221が入力された超音波の音圧に応じた振幅で振動し、圧電膜232の下部電極231側と上部電極233側との間で電位差が発生する。よって、各圧電素子23から当該電位差に応じた受信信号が出力される。

0021

図3は、超音波デバイス20における超音波トランスデューサー24の接続例を示す図である。
本実施形態では、複数の超音波デバイス20は、n行m列のマトリクス状に配置されている。そして、各超音波デバイス20の下部電極231は、第一バイパス配線231Aにより互いに結線され、素子基板21の一部に設けられた第一端子251に接続されている。同様に、各超音波デバイス20の上部電極233は、第二バイパス配線233Aにより互いに結線され、素子基板21の一部に設けられた第二端子252に接続されている。これらの第一端子251及び第二端子252は、それぞれ制御回路30に接続されている。このような構成では、第一端子251と第二端子252との間に電圧を印加することで、全ての超音波トランスデューサー24を同時に駆動させることができる。
なお、図3に示す例は、全ての超音波トランスデューサー24の下部電極231を結線して第一端子251に接続する構成例であるが、所定数の超音波トランスデューサー24を1つのチャンネルとし、各チャンネルに対して、第一端子251を設ける構成としてもよい。この場合、全ての第一端子251と第二端子252との間に同時に駆動信号を入力することで、図3と同様に、全ての超音波トランスデューサー24を同時に駆動させることができる。また、各第一端子251を個別に駆動させることも可能となる。この場合、駆動させるチャンネル数を制御することで送信音圧の調整を行うこともでき、各チャンネルの駆動タイミング遅延制御することで、超音波の送信方向を制御することもできる。また、複数のチャンネルを、超音波を送信する送信用チャンネルと、超音波を受信する受信用チャンネルとに分けて用いてもよい。

0022

[制御回路30の構成]
図1戻り、制御回路30について説明する。制御回路30は、上述したように、超音波デバイス20の第一端子251及び第二端子252に接続されている。
この制御回路30は、図1に示すように、スイッチング回路31、シグナルグラウンド32、送信回路部33、受信回路部34、及びマイコン35(マイクロコントローラー)を備えている。

0023

スイッチング回路31は、超音波デバイス20の第一端子251、送信回路部33、及び受信回路部34に接続されている。このスイッチング回路31は、マイコン35の制御に基づいて、第一端子251及び送信回路部33を接続する送信接続と、第一端子251及び受信回路部34を接続する受信接続とに切り替える。
シグナルグラウンド32は、第二端子252に接続されるグラウンドであり、第二端子252を所定の基準電位に維持する。

0024

送信回路部33は、駆動パルス発生回路331、及び送信駆動回路332等を含む。
駆動パルス発生回路331は、マイコン35により制御され、超音波デバイス20により超音波送受処理を実施する開始タイミングで、所定周波数の所定波数の送信パルスを発生させて送信駆動回路332に出力する。
ここで、本実施形態の駆動パルス発生回路331は、第一パルス生成部に相当し、超音波デバイス20から送信される超音波の発振周波数とは異なるパルス周波数の送信パルスを生成する。送信パルスの波数は特に限定されず、予め設定された数であればよく、例えば5波に設定される。
送信駆動回路332は、送信パルスの入力タイミングで、第一端子251に所定の電圧の駆動信号を出力する。これにより、各超音波トランスデューサー24が駆動され、超音波デバイス20から対象物1に向かって超音波が出力される。

0025

受信回路部34は、受信アンプ341、及びコンパレーター342等を含む。
受信アンプ341は、超音波デバイス20において超音波を受信した際に出力される受信信号を、所定のゲインで増幅させる。
コンパレーター342は、受信アンプ341で増幅された受信信号のうち、信号電圧が所定の閾値以上となる受信信号を検出し、更に、検出した受信信号のゼロクロス点を検出する。つまり、コンパレーター342は、ゼロクロス検出部として機能する。そして、コンパレーター342は、ゼロクロス点が検出されたタイミングでゼロクロス検出パルスをマイコン35に出力する。

0026

マイコン35は、各種プログラムや各種データが記憶されるメモリー351、及びメモリー351に記憶されたプログラムに記述された命令セットを実行するプロセッサー352を含む。そして、マイコン35は、メモリーに351に記憶されたプログラムをプロセッサー352により実行することで、送信指令部353、受信設定部354、及び距離計測部355として機能する。

0027

送信指令部353は、駆動パルス発生回路331に送信パルスの生成指令を出力する。送信パルスの生成指令は、超音波計測装置10に接続された外部機器から入力された距離測定要求に基づいて行われる。例えば、本実施形態の超音波計測装置10は、電子機器産業機器に組み込むことが可能であり、これらの電子機器や産業機器の制御部からの距離測定要求が入力されることで、送信パルスの生成を指令する。なお、超音波計測装置10に入力操作部を設けてもよく、ユーザーが入力操作部を操作して距離測定要求を入力してもよい。

0028

受信設定部354は、超音波の送信タイミングから、ゼロクロス点の検出タイミングまでの時間(ゼロクロス検出時間)を算出する。ここで、本実施形態では、受信信号は、振動部221の1波分の振動により出力される信号であり、振動部221が振動することで、複数の受信信号が出力されるものとする。よって、受信設定部354は、各受信信号のゼロクロス点に対応するそれぞれのゼロクロス検出時間を算出する。
また、受信設定部354は、算出されたゼロクロス検出時間に基づいて、超音波の受信タイミングとするゼロクロス点(受信ゼロクロス点)を設定する。
なお、この受信ゼロクロス点の設定方法に関する詳細な説明については後述する。

0029

距離計測部355は、超音波の送信タイミングから、受信ゼロクロス点に対応した受信タイミングまでのゼロクロス検出時間に基づいて、超音波デバイス20から対象物1までの距離を算出する。

0030

[超音波計測方法]
次に、超音波計測装置10による超音波計測方法を含む距離測定処理について説明する。
図4は、本実施形態の距離測定処理を示すフローチャートである。図5は、本実施形態の超音波送受処理での送信パルス、受信信号、及びゼロクロス検出パルスのタイミングチャートである。なお、本実施形態で述べる超音波送受処理とは、所定波数分の超音波を送信し、その反射波を受信する処理である。本実施形態では、対象物1と超音波デバイス20との距離を計測するために、1回の超音波送受処理を実施すればよい。
マイコン35は、例えば外部機器や入力操作部から距離測定要求が入力されることで、スイッチング回路31を送信接続に切り替える(ステップS1)。そして、送信指令部353は、駆動パルス発生回路331に、送信パルスの生成指令を出力し、超音波デバイス20から対象物1に向かって超音波を送信させる(ステップS2)。つまり、駆動パルス発生回路331は、生成指令に基づいて、超音波の発振周波数とは異なるパルス周波数の所定波数の送信パルスを生成して、送信駆動回路332に出力する。これにより、送信駆動回路332は、送信パルスのパルス周波数と同じ周波数の周期駆動電圧を各超音波トランスデューサー24に印加する。ここで、本実施形態では、パルス周波数は、超音波の発振周波数よりも高い周波数である例を示す。つまり、送信パルスは、超音波の周期よりも短い周期で出力される。
なお、図5では、パルス周波数が、超音波の発振周波数の1.25倍であり、送信パルスの周期が、超音波の周期の0.8倍となる例であり、1回の超音波送受処理において駆動パルス発生回路331で生成される送信パルスの波数が5波である例を示す。
また、本実施形態では、駆動パルス発生回路331から送信パルスが送信されるタイミングを、送信タイミングとする。

0031

次に、マイコン35は、スイッチング回路31を受信接続に切り替え(ステップS3)、超音波デバイス20から受信回路部34を介して入力されるゼロクロス検出パルスを受信する(ステップS4)。
具体的には、ステップS3により受信接続に切り替えると、超音波デバイス20で超音波を受信した際に、超音波デバイス20から出力された受信信号が受信回路部34に入力される。この受信信号は、受信アンプ341により増幅された後、コンパレーター342に入力される。コンパレーター342は、入力された複数の受信信号のうち、閾値Vth以上の信号電圧の受信信号のゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点の検出タイミングでマイコン35にゼロクロス検出パルスを出力する。

0032

ここで、本実施形態における超音波送受処理の受信信号の信号波形図5に基づいて説明する。
本実施形態では、超音波の発振周波数の1.25倍のパルス周波数の送信パルスが5波分だけ駆動パルス発生回路331から送信駆動回路332に入力される。よって、送信駆動回路332は、当該パルス周波数の周期駆動電圧を5波分だけ超音波デバイス20に入力する。本実施形態では、超音波の発振周波数をfとすると、超音波デバイス20から対象物1に向かって、5波分の超音波が、1.25fのパルス周波数で送信される。よって、超音波の発振周波数に対応する周期をTとする場合、超音波の送信周期は0.8Tとなる。つまり、1波分の超音波が送信される前に次の超音波が送信される。
また、5波分の超音波が送信された後は、振動部221は、自身の弾性に応じて減衰振動する。減衰振動時の振動部221の振動周波数は、超音波トランスデューサー24の共振周波数、つまり超音波の発振周波数fとなる。よって、減衰信号時の振動部221の振動周期はTとなる。
圧電素子23の駆動によって振動部221を振動させた際に出力される5波分の超音波の音圧は高く、それ以降は、残響成分によって超音波が送信されるものの、その音圧は圧電素子23の駆動時に比べて小さくなり、かつ、時間と共に徐々に低下する。

0033

一方、超音波トランスデューサー24で超音波を受信する場合、反射超音波の受信により、振動部221が変位し、その後、振動部221の弾性に応じて共振振動し、残響成分となる。本実施形態では、対象物1により反射された最初の5波分の反射超音波は、パルス周波数(1.25f)に応じた周期(0.8T)で受信される。また、5波の反射超音波を受信した後は、振動部221の減衰振動による残響成分の受信信号が出力される。この残響成分の受信信号は、超音波の発振周波数(f)に応じた周期(T)で出力される。

0034

ここで、コンパレーター342から出力されるゼロクロス検出パルスの波数をNとし、信号電圧が閾値Vthを超えたn番目の受信信号に対応するゼロクロス検出時間tnとする(変数nは、1からNまでの整数)。また、時系列に沿った2つのゼロクロス点の時間差、つまり、n番目に検出されるゼロクロス点のゼロクロス検出時間tnと、n+1番目に検出されるゼロクロス点のゼロクロス検出時間tn+1の時間差をΔtnとする。
よって、図5の例では、nがn=1からn=3までの間では、時間差Δtnは、0.8Tとなる。一方、n=4以降では、時間差Δtnは、Tとなる。時系列に沿った時間差Δtnに注目した際に、Δtnが最初にTに変化した際のゼロクロス検出時間tnに対応するゼロクロス点は、対象物1によって最後に反射された超音波が超音波デバイス20で受信された際に出力された受信信号のゼロクロス点を意味する。
本実施形態では、受信設定部354は、この対象物1で最後に反射された超音波に対応する受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定する。

0035

すなわち、本実施形態では、マイコン35の受信設定部354は、ステップS4によりゼロクロス検出パルスを受信すると、超音波の送信タイミングから、各ゼロクロス点までのゼロクロス検出時間tnをそれぞれ算出する(ステップS5)。

0036

この後、受信設定部354は、変数nを初期化してn=1とし(ステップS6)、時系列に沿って連続する2つのゼロクロス検出時間の時間差Δtn(=tn+1−tn)が、所定の設定範囲内となったか否かを判定する(ステップS7)。なお、この設定範囲は、超音波の周期Tに対して、所定のマージンαを持たせたT±αの範囲であり、例えば、α≦0.5Tの範囲から任意に設定することができる。
ステップS7でNoと判定される場合、受信設定部354は、変数nに1を加算して(ステップS8)、ステップS7に戻る。
ステップS7でYesと判定された場合、受信設定部354は、変数nに対応するn番目に受信した受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定する(ステップS9)。つまり、受信設定部354は、時系列に沿った時間差Δtnを観察した際に、0.8TからTに最初に切り替わるゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定する。

0037

以上の後、距離計測部355は、送信タイミングから受信ゼロクロス点までのゼロクロス検出時間と、音速と、に基づいて、超音波デバイス20から対象物1までの距離を算出する(ステップS10)。

0038

[本実施形態の作用効果
本実施形態の超音波計測装置10は、超音波デバイス20と、制御回路30とを備える。超音波デバイス20は、送信パルスに基づいて対象物1に対して超音波を送信し、対象物1で反射された反射超音波を受信する超音波送受処理を実施し、超音波の受信により受信信号を出力する。また、制御回路30は、受信回路部34及びマイコン35を備えている。受信回路部34は、コンパレーター342を含み、このコンパレーター342は、信号電圧が所定の閾値Vth以上となる受信信号のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出部として機能する。また、マイコン35は、受信設定部354として機能し、超音波送受処理により検出された複数のゼロクロス点から、超音波の受信タイミングとして用いる受信ゼロクロス点を設定する。この際、本実施形態では、受信設定部354は、1回の超音波送受処理により得られる複数のゼロクロス点の検出タイミングの時間差、つまり、ゼロクロス検出時間の時間差Δtnに基づいて、受信ゼロクロス点を設定する。

0039

この場合、受信信号を高分解能で解析する高性能なA/D変換器が不要となる。また、対象物1と超音波デバイス20との距離を測定毎に複数回の超音波送受処理を実施する必要がないので、大容量の記憶容量を有するメモリー351が不要となる。よって、本実施形態では、超音波計測装置10の構成を簡素化でき、距離計測処理に係る処理時間も短縮することができる。

0040

本実施形態では、駆動パルス発生回路331は、超音波の発振周波数とは異なるパルス周波数で、所定波数の送信パルスを生成する。そして、受信設定部354は、時系列に沿って連続する2つのゼロクロス点の検出タイミングの時間差Δtnをそれぞれ算出し、時系列に沿った時間差Δtnが最初に超音波の周期に基づいた所定の設定範囲(T±α)となるゼロクロス検出時間tnに対応したゼロクロス点を、受信ゼロクロス点として設定する。
この場合、超音波デバイス20から対象物1に向かって送信された所定波数の超音波のうち、最後の超音波を受信した際に出力される受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定することができる。これにより、測定毎にゼロクロス点の位置が変動することがなく、オフセット誤差が発生する不都合を抑制した精度の高い距離計測を行うことができる。

0041

[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。
上記第一実施形態では、超音波の発振周波数とは異なるパルス周波数の送信パルスに基づいて超音波デバイス20から超音波を送信させた。これに対して、第二実施形態では、超音波の発振周波数と同じパルス周波数を用いて、受信ゼロクロス点を設定する点で、上記第一実施形態と相違している。
なお、以降の説明にあたり、既に説明した事項については、同符号を付し、その説明を省略または簡略化する。

0042

[超音波計測装置10Aの構成]
図6は、第二実施形態の超音波計測装置10Aの概略構成を示す図である。
第二実施形態の超音波計測装置10Aは、図6に示すように、第一実施形態と略同様の構成を有し、超音波デバイス20と、制御回路30Aとを備えて構成されている。そして、第二実施形態の制御回路30Aでは、送信回路部33Aに駆動パルス発生回路331Aが設けられている。
この駆動パルス発生回路331Aは、第二パルス生成部に相当し、超音波の発振周波数と同じパルス周波数の送信パルスを生成する。なお、超音波の発振周波数とは、超音波トランスデューサー24の共振周波数である。より具体的には、駆動パルス発生回路331Aは、第一波数の送信パルスを生成し、所定波数分の送信パルスに相当する空時間の経過後に、第二波数の送信パルスを送信して、送信駆動回路332に出力する。

0043

また、本実施形態では、マイコン35の機能構成である送信指令部353Aは、第一実施形態と同様に、駆動パルス発生回路331Aに送信パルスのパルス生成指令を出力する。
この際、送信指令部353Aは、空時間の長さを指令する空時間情報を含むパルス生成指令を駆動パルス発生回路331Aに出力する。これにより、駆動パルス発生回路331Aは、空時間の長さを変更して送信パルスを送信することができる。
なお、送信指令部353Aは、パルス生成指令として、駆動パルス発生回路331Aで生成する送信パルスの第一波数及び第二波数の値を変更する旨の波数変更指令を含ませてもよい。

0044

さらに、マイコン35の機能構成である受信設定部354Aは、第一実施形態と同様に、超音波の送信タイミングから、ゼロクロス点の検出タイミングまでのゼロクロス検出時間を算出し、算出されたゼロクロス検出時間の時間差に基づいて、受信ゼロクロス点を設定する。受信設定部354Aの詳細な動作の説明については、後述する。
その他の構成に関しては、第一実施形態と同様であるため、ここでの説明は省略する。

0045

[超音波計測方法]
次に、本実施形態の超音波計測装置10Aの超音波計測方法について説明する。
図7は、本実施形態の超音波計測装置10Aの距離測定処理を示すフローチャートである。図8及び図9は、本実施形態の超音波計測装置10Aの超音波送受処理での送信パルス、受信信号、及びゼロクロス検出パルスのタイミングチャートである。

0046

図7に示すように、超音波計測装置10Aは、対象物1から超音波デバイス20までの距離を計測する際、まず、空時間の延長回数に係る変数mを初期化し、m=0を設定する(ステップS21)。
この後、第一実施形態と同様に、ステップS1の処理を実施し、マイコン35は、スイッチング回路31を送信接続に切り替える。

0047

この後、送信指令部353Aは、駆動パルス発生回路331Aに送信パルスの生成指令を出力し、超音波デバイス20から対象物1に向かって超音波を送信させる(ステップS22)。
このステップS22では、送信指令部353Aは、超音波の周期をTとして、(m+1)Tの空時間を設定する旨の空時間情報を含むパルス生成指令を駆動パルス発生回路331Aに出力する。
したがって、駆動パルス発生回路331Aは、超音波の発振周波数と同じパルス周波数の第一波数の送信パルスを生成した後、(m+1)波分の送信パルスに相当する空時間の経過後、超音波の発振周波数と同じパルス周波数の第二波数の送信パルスを生成する。これにより、超音波デバイス20から、第一波数の超音波が送信された後、超音波の未送信期間を挟み、第二波数の超音波が送信される。初回の超音波送受処理では、空時間は、超音波の周期Tである。
なお、本実施形態の説明において、最初に送信される第一波数の超音波を先行波と称し、空時間の後に送信される第二波数の超音波を後追波と称す。ここでは、図8に示すように、第一波数を4波、第二波数を2波とした例を用いて説明する。

0048

ステップS22の後、マイコン35は、ステップS3を実施して、スイッチング回路31を受信接続に切り替え、ステップS4により、超音波デバイス20から受信回路部34を介して入力されるゼロクロス検出パルスを受信する。また、受信設定部354Aは、ステップS5を実施して、各ゼロクロス点に対応するゼロクロス検出時間tnをそれぞれ算出する。

0049

ここで、本実施形態における超音波送受処理の受信信号の信号波形について説明する。
本実施形態では、まず、対象物1に反射された4波分の先行波が超音波デバイス20で受信された後、2波分の後追波が受信されるまでの間、振動部221は、超音波トランスデューサー24の共振周波数、つまり超音波の発振周波数で減衰振動する。
図8に示すタイミングチャートは、m=0の場合の一例である。この場合、先行波に対応した4波の受信信号が出力された後、振動部221の振動が減衰することで、5波目の受信信号が出力されるため、5波目の受信信号の信号電圧は減少する。そして、後追波の受信により出力される6波目及び7波目の受信信号では、再び信号電圧が増大する。

0050

この際、減衰振動により出力される受信信号の信号電圧が閾値Vthを下回れば、受信信号のゼロクロス点が検出されない。
図8の例では、4波の先行波の受信により、4波の受信信号が出力され、このうち、3波目の受信信号についてn=1のゼロクロス点、4波目の受信信号についてn=2のゼロクロス点として検出される。よって、n=1のゼロクロス点に対応するゼロクロス検出時間t1、n=2のゼロクロス点に対応するゼロクロス検出時間t2が算出される。また、5波目の受信信号は、振動部221の減衰振動による受信信号であり、信号電圧が閾値Vthを下回るので、ゼロクロス点が検出されない。その後、2波の後追波の受信により、閾値Vth以上の信号電圧の6波目の受信信号、及び7波目の受信信号が出力され、n=3のゼロクロス点に対応するゼロクロス検出時間t3、n=4のゼロクロス点に対応するゼロクロス検出時間t4が算出される。
したがって、時系列に沿って連続する2つのゼロクロス検出時間tnの時間差Δtn(tn+1−tn)に着目すると、超音波の周期をTとして、Δt1=T、Δt2=2T、Δt3=Tとなる。Δtnが2Tに変化した際のゼロクロス検出時間tnに対応するゼロクロス点は、先行波のうち対象物1で最後に反射された超音波が超音波デバイス20で受信された際に出力された受信信号のゼロクロス点を意味する。
本実施形態では、受信設定部354Aは、先行波のうち対象物1で最後に反射された超音波に対応する受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定する。

0051

しかしながら、本実施形態では、先行波と後追波との間で出力される受信信号の信号電圧が、閾値Vth以上となる場合がある。この場合、時間差Δtnが所定値以上となるゼロクロス点が検出されない。
このような場合、図9に示すように、空時間を増やして、再測定を実施する。図9は、m=0の場合に、時間差Δtnが所定値以上となるゼロクロス点が検出されず、m=1として、再測定を実施した際のタイミングチャートの例である。
図9に示すように、空時間を2Tとすることで、先行波に対応する受信信号と、後追波に対応する受信信号との間に、2波分の減衰振動に基づく受信信号が出力される。これにより、6波目の受信信号、つまり、減衰振動に基づく2波目の受信信号が閾値Vthを下回ると、n=4のゼロクロス点に対応するゼロクロス検出時間t4と、n=5のゼロクロス点に対応するゼロクロス検出時間t5との時間差Δt4が、所定値以上となる。
ただし、この場合、時間差Δtnが所定値以上となるゼロクロス検出時間tnに対応するゼロクロス点を、受信ゼロクロス点とすると、空時間によって、受信ゼロクロス点が変動し、オフセット誤差が発生する。よって、空時間をm×Tだけ増大させた場合、受信設定部354Aは、n−m番目のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定する。

0052

このため、本実施形態では、マイコン35の受信設定部354Aは、ステップS6により、変数nを初期化してn=1とした後、時系列に沿って連続する2つのゼロクロス検出時間の時間差Δtn(=tn+1−tn)が所定値以上となったか否かを判定する(ステップS23)。この所定値は、超音波の周期Tに基づいて設定される値であり、例えば、周期Tの2倍よりも所定のマージンβだけ小さい値(2T−β)を用いることができる。

0053

ステップS23においてNoと判定される場合、ステップS8により変数nに1を加算し、変数nが最大値Nとなったか否かを判定する(ステップS24)。最大値Nは、コンパレーター342から出力されるゼロクロス検出パルスの総数、つまり、検出されたゼロクロス点の総数である。
ステップS24でNoと判定される場合は、ステップS23に戻る。
一方、ステップS24でYesと判定される場合は、時間差Δtnが所定値以上となるゼロクロス点が検出されない場合であり、空時間に対応して出力される受信信号が閾値Vth以上となることを意味する。この場合、送信指令部353Aは、変数mに1を加算し(ステップS25)、ステップS1に戻る。つまり、空時間を超音波の1周期分だけ増大させて、超音波送受処理を再度実施する。

0054

そして、ステップS23でYesと判定される場合、つまり、時間差Δtnが所定値以上となるゼロクロス点が検出された場合、受信設定部354Aは、変数nに対応するn番目のゼロクロス点より、m個前のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定する(ステップS26)。
例えば、m=0の場合では、図8に示すように、Δtnが所定値以上となるn=2のゼロクロス点、つまり、4波目の受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定する。また、m=1の場合は、図9に示すように、Δtnが所定値以上となるn=4のゼロクロス点から1つ前のn=3のゼロクロス点、つまり、4波目の受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定する。

0055

以上の後、ステップS10により、距離計測部355は、送信タイミングから受信ゼロクロス点までのゼロクロス検出時間と、音速と、に基づいて、超音波デバイス20から対象物1までの距離を算出する。

0056

[本実施形態の作用効果]
本実施形態の超音波計測装置10Aは、第一実施形態と同様、超音波デバイス20と、制御回路30Aとを備える。そして、本実施形態の制御回路30Aの送信回路部33Aは、駆動パルス発生回路331Aを有し、この駆動パルス発生回路331Aは、第一波数の送信パルスを生成し、1波の送信パルスに相当する空時間の経過後に、第二波数の送信パルスを生成する。また、マイコン35の受信設定部354Aは、時系列に沿って連続する2つのゼロクロス点の時間差Δtn(=tn+1−tn)をそれぞれ算出し、時間差Δtnが超音波の周期Tに基づく所定値以上となる最初のゼロクロス点を、受信ゼロクロス点として設定する。

0057

この場合、対象物1で反射された先行波に含まれる最後の超音波を受信した際の受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定することができる。これにより、測定毎にゼロクロス点の位置が変動することがなく、オフセット誤差が発生する不都合を抑制した精度の高い距離計測を行うことができる。
また、第一実施形態と同様に、受信信号を高分解能で解析する高性能なA/D変換器や、大容量のメモリー351が不要であり、超音波計測装置10Aの構成を簡素化でき、距離計測処理に係る処理時間も短縮することができる。

0058

また、本実施形態では、駆動パルス発生回路331から出力される送信パルスのパルス周波数は、超音波の発振周波数と同じ周波数である。よって、超音波デバイス20で超音波を受信した際の受信信号の波形が安定し、測定精度の向上を図れる。

0059

本実施形態では、時間差Δtnが所定値以上となるゼロクロス点が検出されなかった場合、送信指令部353Aは、駆動パルス発生回路331Aに空時間を1周期分増大させるパルス生成指令を出力する。つまり、駆動パルス発生回路331Aは、第一波数の送信パルスの送信後の空時間を1周期分増大させる。
これにより、先行波に対応する受信信号と、後追波に対応する受信信号との間で出力される、振動部221の減衰振動に応じた受信信号の信号電圧が低下する。よって、先行波の最後の超音波を受信した際に出力される受信信号のゼロクロス点を精度よく検出することが可能となる。

0060

さらに、本実施形態では、駆動パルス発生回路331Aにより、m波の前記送信パルスに相当する時間だけ空時間を増大させた場合、つまり、空時間が(m+1)Tである場合に、受信設定部354Aは、時系列に沿った時間差Δtnが所定値以上となる最初のゼロクロス点よりm個前の受信信号のゼロクロス点を、受信ゼロクロス点として設定する。
先行波の受信から後追波の受信までの間の受信信号は減衰振動に応じて検出される信号であるため、空時間の時間を1波分(1周期)ずつ増大させると、受信信号が閾値未満となるタイミングは後ろにずれ込む。よって、m+1回において、閾値以上となる時間差Δtnが検出された際に、n−m番目の受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点とすることで、オフセット誤差の発生を抑制できる。

0061

[第三実施形態]
次に、第三実施形態について説明する。
上記第二実施形態では、先行波の超音波の送信の後、空時間の経過後に、後追波の超音波を送信した。これに対して、第三実施形態では、先行波と後追波との間に、超音波の発振周波数よりも高いパルス周波数の送信パルスを送信する点で、第二実施形態と相違している。

0062

[超音波計測装置10Bの構成]
図10は、第三実施形態の超音波計測装置10Bの概略構成を示す図である。
本実施形態の超音波計測装置10Bは、図10に示すように、第一実施形態と略同様の構成を有し、超音波デバイス20と、制御回路30Bとを備えて構成されている。そして、第三実施形態の制御回路30Bでは、送信回路部33Bに駆動パルス発生回路331Bが設けられている。
この駆動パルス発生回路331Bは、第三パルス生成部に相当し、超音波の発振周波数と同じ第一パルス周波数で、第三波数の送信パルスを生成した後、発振周波数よりも高い第二パルス周波数で、第四波数の送信パルスを生成し、その後、第一パルス周波数で第五波数の送信パルスを生成して、送信駆動回路332に出力する。
本実施形態では、最初に送信される第三波数の超音波を先行波、次に送信される第四波数の超音波を中間波、中間波の次に送信される第五波数の超音波を後追波と称する。

0063

また、本実施形態では、マイコン35の機能構成である送信指令部353Bは、駆動パルス発生回路331Bに送信パルスのパルス生成指令を出力する。この際、送信指令部353Bは、パルス生成指令として、駆動パルス発生回路331Bで生成する送信パルスの第三波数、第四波数、及び第五波数の値を変更する旨の波数変更指令を含ませてもよい。

0064

さらに、マイコン35の機能構成である受信設定部354Bは、第一実施形態と同様に、超音波の送信タイミングから、ゼロクロス点の検出タイミングまでのゼロクロス検出時間を算出し、算出されたゼロクロス検出時間の時間差に基づいて、受信ゼロクロス点を設定する。受信設定部354Bの詳細な動作の説明については、後述する。
その他の構成に関しては、第一実施形態と同様であるため、ここでの説明は省略する。

0065

[超音波計測方法]
次に、本実施形態の超音波計測装置10Bの超音波計測方法について説明する。
図11は、本実施形態の超音波計測装置10Bの距離測定処理を示すフローチャートである。図12は、本実施形態の超音波計測装置10Bの超音波送受処理での送信パルス、受信信号、及びゼロクロス検出パルスのタイミングチャートである。

0066

図11に示すように、超音波計測装置10Bでは、第一実施形態と同様に、ステップS1の処理を実施し、マイコン35は、スイッチング回路31を送信接続に切り替える。
この後、送信指令部353Bは、駆動パルス発生回路331Bに送信パルスの生成指令を出力し、超音波デバイス20から対象物1に向かって超音波を送信させる(ステップS31)。
このステップS31では、送信指令部353Bは、先行波の周波数及び波数、中間波の周波数及び波数、後追波の周波数及び波数を指示するパルス生成指令を駆動パルス発生回路331Bに出力する。
これにより、駆動パルス発生回路331Bは、第三波数の第一パルス周波数の送信パルス、第四波数の第二パルス周波数の送信パルス、第五波数の第一パルス周波数の送信パルスを順に超音波デバイス20に出力する。
ここで、上述したように、第一パルス周波数は、超音波の発振周波数と同じ周波数fである。また、第二パルス周波数を超音波の発振周波数のk倍とする場合、第四波数は、k波となる。つまり、中間波が発振される時間は、超音波の周期Tと同一となる。本実施形態では、第二パルス周波数は2fであり、時間Tの間に2波の送信パルスが送信される。
なお、第三波数及び第五波数は任意の値が設定され、例えば本実施形態では、第三波数は4波、第五波数は2波である。

0067

ステップS31の後、マイコン35は、ステップS3を実施して、スイッチング回路31を受信接続に切り替え、ステップS4により、超音波デバイス20から受信回路部34を介して入力されるゼロクロス検出パルスを受信する。また、受信設定部354Aは、ステップS5を実施して、各ゼロクロス点に対応するゼロクロス検出時間tnをそれぞれ算出する。

0068

ここで、本実施形態における超音波送受処理の受信信号の信号波形について説明する。
超音波トランスデューサー24は、駆動電圧として、当該超音波トランスデューサー24の共振周波数と同じ周波数fの周期駆動電圧が入力されることで、振動部221が共振振動して超音波を出力する。一方、中間波のように、共振周波数よりも高い周波数の周期駆動電圧が入力されると、振動部221は共振せず、超音波の出力音圧が小さくなる。
さらに、本実施形態では、T/2周期で反射超音波が超音波デバイス20に入力されるので、対象物1で反射された中間波を受信した際に、振動部221の共振がさらに阻害され、振動部221の振動振幅は小さくなる。このため、図12に示すように、本実施形態では、対象物1で反射された中間波を受信した際に出力される受信信号の信号電圧は、対象物1で反射された先行波や後追波を受信した場合に比べて低下する。

0069

図12に示す例では、対象物1を反射した4波の先行波の受信により、4波の受信信号が出力され、このうち、3波目の受信信号、4波目の受信信号が閾値Vth以上となる。また、対象物1を反射した中間波により、5波目及び6波目の受信信号が得られるが、いずれも、信号電圧は閾値Vth未満となる。そして、対象物1を反射した2波の後追波の受信により、7波目及び8波目の受信信号が得られ、いずれも信号電圧が閾値Vth以上となる。したがって、先行波により、n=1のゼロクロス点に対応するゼロクロス検出時間t1、n=2のゼロクロス点に対応するゼロクロス検出時間t2が算出される。また、後追波の受信により、n=3のゼロクロス点のゼロクロス検出時間t3、及び、n=4のゼロクロス点のゼロクロス検出時間t4が算出される。

0070

このため、時系列に沿って連続する2つのゼロクロス検出時間tnの時間差Δtn(tn+1−tn)は、超音波の周期をTとして、Δt1=T、Δt2=2T、Δt3=Tとなる。Δtnが2Tに変化した際のゼロクロス検出時間tnに対応するゼロクロス点は、先行波のうち対象物1で最後の反射された超音波が超音波デバイス20で受信された際に出力された受信信号のゼロクロス点を意味する。
本実施形態では、第二実施形態と同様に、受信設定部354Bは、先行波のうち対象物1で最後に反射された超音波に対応する受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定する。

0071

すなわち、本実施形態では、マイコン35の受信設定部354Bは、ステップS6により、変数nを初期化してn=1とした後、時系列に沿って連続する2つのゼロクロス検出時間の時間差Δtnが所定値以上となったか否かを判定する(ステップS32)。この所定値は、超音波の周期Tに基づいて設定される値であり、例えば、第二実施形態と同様に、周期Tの2倍よりも所定のマージンβだけ小さい値(2T−β)を用いることができる。

0072

ステップS32においてNoと判定される場合、受信設定部354Bは、ステップS8の処理により変数nに1を加算し、ステップS32に戻る。
ステップS32でYesと判定された場合、受信設定部354Bは、変数nに対応するn番目に検出したゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定する(ステップS33)。

0073

以上の後、ステップS10により、距離計測部355は、送信タイミングから受信ゼロクロス点までのゼロクロス検出時間と、音速と、に基づいて、超音波デバイス20から対象物1までの距離を算出する。

0074

[本実施形態の作用効果]
本実施形態の超音波計測装置10Bは、第一実施形態と同様、超音波デバイス20と、制御回路30Bとを備える。そして、本実施形態の制御回路30Bの送信回路部33Bは、駆動パルス発生回路331Bを有し、この駆動パルス発生回路331Bは、超音波の発振周波数と同じ第一パルス周波数で第三波数の送信パルスを生成した後、発振周波数よりも高い第二パルス周波数で第四波数の送信パルスを生成し、その後、第一パルス周波数で第五波数の送信パルスを生成する。また、マイコン35の受信設定部354Bは、時系列に沿って連続する2つのゼロクロス点の時間差Δtn(=tn+1−tn)をそれぞれ算出し、時間差Δtnが超音波の周期Tに基づく所定値以上となる最初のゼロクロス点を、受信ゼロクロス点として設定する。
これにより、第二実施形態と同様に、対象物1で反射された先行波の最後の超音波を受信した際に出力される受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定することができる。このため、測定毎にゼロクロス点の位置が変動することがなく、オフセット誤差が発生する不都合を抑制した精度の高い距離計測を行うことができる。
また、第一実施形態と同様に、受信信号を高分解能で解析する高性能なA/D変換器や、大容量のメモリー351が不要であり、超音波計測装置10Bの構成を簡素化でき、距離計測処理に係る処理時間も短縮することができる。

0075

[変形例]
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。

0076

第一実施形態において、駆動パルス発生回路331は、超音波の発振周波数よりも高いパルス周波数の送信パルスを出力したが、発振周波数よりも低いパルス周波数の送信パルスを出力してもよい。この場合でも、対象物1からの反射超音波の受信に基づいた受信信号が送信パルスの周期に応じて検出され、残響成分による受信信号が超音波の発振周期で検出される。よって、超音波デバイス20から対象物1に向かって送信された所定波数の超音波のうち、最後の超音波を受信した際に出力される受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定することができる。

0077

第一実施形態において、送信パルスの送信波数を5波としているが、これに限定されない。つまり、送信パルスのパルス周波数に応じた周期の受信信号が2つ以上検出されればよい。例えば、各超音波に対する受信信号の信号電圧が十分に大きく、1波目の受信信号から信号電圧が閾値を超えるような場合、送信回路部33は、2波の送信パルスを生成して、超音波デバイス20から2波分の超音波を出力してもよい。
また、第二実施形態における第一波数、第三実施形態における第三波数においても同様であり、送信パルスの波数は4波に限定されない。例えば、1波目の受信信号から信号電圧が閾値を超えるような場合、送信回路部33は、2波の送信パルスを生成してもよい。
さらに、第二実施形態の第二波数、第三実施形態の第五波数に関しても、送信パルスの波数は特に限定されない。例えば、十分な大きさの信号電圧が得られるのであれば、1波の送信パルスのみでもよい。

0078

第三実施形態において、駆動パルス発生回路331Bは、中間波として、超音波の発振周波数の2倍である第二パルス周波数の送信パルスを2波分生成する例を示したが、これに限定されない。超音波トランスデューサー24の共振周波数よりも高く、振動部221の共振振動を阻害する周波数であれば、いかなる周波数であってもよい。

0079

また、第三実施形態においても、第二実施形態と同様に、時間差Δtnが所定値以上となるゼロクロス点が検出されなかった場合に、中間波に対する送信パルスの波数を増大させ、受信信号の信号電圧をさらに低下させるようにしてもよい。この場合、第二実施形態と同様、増大させた第四波数の数と、第二パルス周波数とに基づいて、ゼロクロス点の検出位置を前に移動させることが好ましい。

0080

具体的には、第二パルス周波数が、超音波の発振周波数のk倍である場合、第二パルス周波数の送信パルスの第四波数の初期値はk波となる。時間差Δtnが所定値以上となるゼロクロス点が検出されなかった場合に、送信指令部353Bは、駆動パルス発生回路331Bから出力される中間波の第四波数をk個増大させる。これにより、先行波の送信後から、後追波の送信前までの間の時間が、超音波の周期Tだけ増大する。よって、再測定を実施した回数がmである場合、第四波数はk(m+1)に増大されることになり、先行波の送信後から後追波の送信前までの間の時間は、(m+1)Tとなる。この場合、受信設定部354Bは、第二実施形態と同様に、閾値以上となる時間差Δtnを検出すると、n−m番目のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定する。これにより、受信ゼロクロス点の位置を、先行波の最後の超音波を受信したタイミングに揃えることができ、オフセット誤差の発生を抑制できる。

0081

第一実施形態では、受信設定部354は、対象物1で最後に反射された超音波に対応する受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定した。このため、受信設定部354は、時系列に沿った複数の時間差Δtnのうち、時間差Δtnが最初に所定範囲となるゼロクロス検出時間tnに対応するゼロクロス点を受信ゼロクロス点とした。
これに対し、例えば、対象物1で最後からx番目に反射された超音波に対応する受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定する場合では、時間差Δtnが最初に所定範囲となるゼロクロス点からx個前のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定してもよい。または、残響成分のy個目の受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定してもよく、この場合では、時間差Δtnが最初に所定範囲となるゼロクロス点からy個後のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定してもよい。
つまり、受信設定部354は、時系列に沿った複数の時間差のうち、所定の設定範囲となる時間差に基づいたゼロクロス点を、受信ゼロクロス点として設定してもよく、時系列に沿った複数の時間差のうち、所定の設定範囲となる時間差に基づいたゼロクロス点を基準として、受信ゼロクロス点を設定してもよい。

0082

なお、第二実施形態及び第三実施形態においても同様である。時系列に沿った複数の時間差Δtnのうち、最初に所定値以上となるゼロクロス点を、受信ゼロクロス点としているが、これに限定されない。例えば、時間差Δtnが最初に所定値以上となるゼロクロス点からx個前のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定してもよい。
また、時間差Δtnが所定値以上となるゼロクロス点が検出された後、時間差Δtnが再び所定値未満となるゼロクロス点が検出された際のゼロクロス点を受信ゼロクロス点としてもよい。或いは、時間差Δtnが所定値以上となるゼロクロス点が検出された後、時間差Δtnが再び所定値未満となるゼロクロス点からy個後のゼロクロス点を受信ゼロクロス点としてもよい。つまり、受信設定部354A,354Bは、時系列に沿った時間差が超音波の周期に基づく所定値以上となるゼロクロス点を、受信ゼロクロス点として設定してもよく、時間差が所定値以上となるゼロクロス点を基準として、受信ゼロクロス点を設定してもよい。

0083

上記各実施形態で説明した超音波計測装置10,10A,10Bは、対象物1までの距離を計測する単体計測センサーとして用いてもよく、各種電子機器や産業機器などに組み込んで用いてもよい。
例えば、インクジェットプリンター等の印刷装置に、超音波計測装置10,10A,10Bを組み込んでもよい。この場合、印刷媒体に対してインク吐出するインクヘッドが搭載されるキャリッジに、超音波計測装置10,10A,10Bを搭載し、キャリッジと印刷媒体との間の距離を測定してもよい。あるいは、インクタンクに、超音波計測装置10,10A,10Bを設け、インクタンク内の液面の位置を計測してもよい。
また、ロボットアーム等の産業機器において、対象物を把持するアームに超音波計測装置10,10A,10Bを組み込み、アームから対象物までの距離を計測してもよい。

0084

1…対象物、10,10A,10B…超音波計測装置、20…超音波デバイス(超音波送受部)、30,30A,30B…制御回路、31…スイッチング回路、32…シグナルグラウンド、33,33A,33B…送信回路部、34…受信回路部、35…マイコン、251…第一端子、252…第二端子、331…駆動パルス発生回路(第一パルス生成部)、331A…駆動パルス発生回路(第二パルス生成部)、331B…駆動パルス発生回路(第三パルス生成部)、332…送信駆動回路、341…受信アンプ、342…コンパレーター(ゼロクロス検出部)、351…メモリー、352…プロセッサー、353,353A,353B…送信指令部、354,354A,354B…受信設定部、355…距離計測部。

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