図面 (/)

技術 超音波計測装置、及び超音波計測方法

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 新井義雄小野木智英
出願日 2019年2月26日 (1年8ヶ月経過) 出願番号 2019-032519
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-134480
状態 未査定
技術分野 機械的振動・音波の測定 音波、超音波を用いた位置、速度等の測定
主要キーワード 所定波数 シグナルグラウンド 受信用チャンネル 計測センサー 測定回 バイパス配線 一定距離範囲 残響振動
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年8月31日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

超音波計測装置で適正なゼロクロス点を設定するために、高分解能なA/D変換器や大容量の記憶領域が必要であり、コストが高くなり、処理時間も長くなる。

解決手段

超音波計測装置は、対象物に超音波を送信し、対象物で反射された超音波を受信する超音波送受処理を実施し、超音波の受信により受信信号を出力する超音波送受信部と、信号電圧が所定の閾値以上となる受信信号に対応したゼロクロス点を複数、検出するゼロクロス検出部と、複数のゼロクロス点に基づいて、超音波の受信タイミングとして用いる受信ゼロクロス点を設定する受信設定部と、を備え、受信設定部は、超音波の送信タイミングから、ゼロクロス点が検出されるまでのゼロクロス検出時間と、所定の基準時間との差を、複数のゼロクロス点に関して算出し、複数のゼロクロス点のうち、差が最小となるゼロクロス点を、受信ゼロクロス点として設定する。

概要

背景

従来、対象物に向かって超音波送受信処理を実施して、超音波の送信タイミングから超音波の受信タイミングまでの時間に基づいて、対象物までの距離を計測する超音波計測装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。

このような超音波計測装置では、超音波を受信した際の受信信号波形データのうち、閾値を超える受信信号のゼロクロス点に基づいて受信タイミングを特定する。しかしながら、超音波計測装置から対象物までの間の距離が長くなるに従って、超音波受信部で受信される超音波の音圧が低下するため、閾値を超える受信信号の数や位置も変動する。この場合、超音波の受信タイミングとして設定するゼロクロス点が測定毎に変動する場合があり、オフセット誤差が発生してしまう。

そこで、特許文献1に記載の超音波計測装置では、複数回の超音波処理を実施し、各回に対応した波形データを得る。次に、1回目の超音波処理の波形データに対して仮の基準ゼロクロス点を設定し、i回目の超音波処理の波形データの基準ゼロクロス点を、i−1回目の波形データの基準ゼロクロス点に基づいて設定する。この後、各回のj番目(j=0,1,2,…J)の波における振幅を求め、その平均振幅Sjを算出する。そして、j番目の平均振幅Sjと、j+1番目の平均振幅Sj+1との振幅比Rjが最大となる波のゼロクロス点の2波後のゼロクロス点を受信タイミングとし、超音波計測装置から対象物までの距離を算出する。

概要

超音波計測装置で適正なゼロクロス点を設定するために、高分解能なA/D変換器や大容量の記憶領域が必要であり、コストが高くなり、処理時間も長くなる。超音波計測装置は、対象物に超音波を送信し、対象物で反射された超音波を受信する超音波送受処理を実施し、超音波の受信により受信信号を出力する超音波送受信部と、信号電圧が所定の閾値以上となる受信信号に対応したゼロクロス点を複数、検出するゼロクロス検出部と、複数のゼロクロス点に基づいて、超音波の受信タイミングとして用いる受信ゼロクロス点を設定する受信設定部と、を備え、受信設定部は、超音波の送信タイミングから、ゼロクロス点が検出されるまでのゼロクロス検出時間と、所定の基準時間との差を、複数のゼロクロス点に関して算出し、複数のゼロクロス点のうち、差が最小となるゼロクロス点を、受信ゼロクロス点として設定する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

対象物に超音波を送信し、前記対象物で反射された前記超音波を受信する超音波送受処理を実施し、前記超音波の受信により受信信号を出力する超音波送受信部と、信号電圧が所定の閾値以上となる前記受信信号に対応したゼロクロス点を複数、検出するゼロクロス検出部と、複数の前記ゼロクロス点に基づいて、前記超音波の受信タイミングとして用いる受信ゼロクロス点を設定する受信設定部と、を備え、前記受信設定部は、前記超音波の送信タイミングから、前記ゼロクロス点が検出されるまでのゼロクロス検出時間と、所定の基準時間との差を、複数の前記ゼロクロス点に関して算出し、複数の前記ゼロクロス点のうち、前記差が最小となる前記ゼロクロス点を、前記受信ゼロクロス点として設定することを特徴とする超音波計測装置

請求項2

請求項1に記載の超音波計測装置において、前記受信設定部は、i回目に実施した前記超音波送受処理の前記送信タイミングから、i回目に実施した前記超音波送受処理に基づいて設定された前記受信ゼロクロス点までのゼロクロス検出時間を、i+1回目に実施する前記超音波送受処理に基づいて前記受信ゼロクロス点を設定する際の前記基準時間として用いることを特徴とする超音波計測装置。

請求項3

対象物に超音波を送信し、前記対象物で反射された前記超音波を受信する超音波送受処理を実施し、前記超音波の受信により受信信号を出力する超音波送受信部と、信号電圧が所定の閾値以上となる前記受信信号に対応したゼロクロス点を複数、検出するゼロクロス検出部と、複数の前記ゼロクロス点に基づいて、前記超音波の受信タイミングとして用いる受信ゼロクロス点を設定する受信設定部と、を備え、前記受信設定部は、複数の前記ゼロクロス点の検出数をnとして、n/2番目(ただし、n/2が整数とならない場合は、小数点以下を切り上げる)に検出される前記ゼロクロス点を前記受信ゼロクロス点として設定することを特徴とする超音波計測装置。

請求項4

対象物に超音波を送信し、前記対象物で反射された前記超音波を受信する超音波送受処理を実施し、前記超音波の受信に基づいて受信信号を出力する超音波送受信部と、信号電圧が所定の閾値以上となる前記受信信号に対応したゼロクロス点を複数、検出するゼロクロス検出部と、を備えた超音波計測装置における超音波計測方法であって、前記超音波の送信タイミングから、前記ゼロクロス点が検出されるまでのゼロクロス検出時間と、所定の基準時間との差を、複数の前記ゼロクロス点に関して算出し、複数の前記ゼロクロス点のうち、前記差が最小となる前記ゼロクロス点を、前記超音波の受信タイミングとして用いる受信ゼロクロス点として設定することを特徴とする超音波計測方法。

請求項5

対象物に超音波を送信し、前記対象物で反射された前記超音波を受信する超音波送受処理を実施し、前記超音波の受信に基づいて受信信号を出力する超音波送受信部と、信号電圧が所定の閾値以上となる前記受信信号に対応したゼロクロス点を複数、検出するゼロクロス検出部と、を備えた超音波計測装置における超音波計測方法であって、複数の前記ゼロクロス点の検出数をnとして、n/2番目(ただし、n/2が整数とならない場合は、小数点以下を切り上げる)に検出される前記ゼロクロス点を、前記超音波の受信タイミングとして用いる受信ゼロクロス点として設定することを特徴とする超音波計測方法。

技術分野

0001

本発明は、超音波計測装置、及び超音波計測方法に関する。

背景技術

0002

従来、対象物に向かって超音波送受信処理を実施して、超音波の送信タイミングから超音波の受信タイミングまでの時間に基づいて、対象物までの距離を計測する超音波計測装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。

0003

このような超音波計測装置では、超音波を受信した際の受信信号波形データのうち、閾値を超える受信信号のゼロクロス点に基づいて受信タイミングを特定する。しかしながら、超音波計測装置から対象物までの間の距離が長くなるに従って、超音波受信部で受信される超音波の音圧が低下するため、閾値を超える受信信号の数や位置も変動する。この場合、超音波の受信タイミングとして設定するゼロクロス点が測定毎に変動する場合があり、オフセット誤差が発生してしまう。

0004

そこで、特許文献1に記載の超音波計測装置では、複数回の超音波処理を実施し、各回に対応した波形データを得る。次に、1回目の超音波処理の波形データに対して仮の基準ゼロクロス点を設定し、i回目の超音波処理の波形データの基準ゼロクロス点を、i−1回目の波形データの基準ゼロクロス点に基づいて設定する。この後、各回のj番目(j=0,1,2,…J)の波における振幅を求め、その平均振幅Sjを算出する。そして、j番目の平均振幅Sjと、j+1番目の平均振幅Sj+1との振幅比Rjが最大となる波のゼロクロス点の2波後のゼロクロス点を受信タイミングとし、超音波計測装置から対象物までの距離を算出する。

先行技術

0005

特開平5−34192号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1に記載の超音波計測装置では、波形データの各波のピーク値及びボトム値を検出可能な高分解能なA/D変換器が必要となる。また、高分解能なA/D変換機で得られた波形データはデータ容量が大きく、更に、複数回の超音波処理により得られる波形データを記憶部に記憶する必要があるので、大容量の記憶領域が必要となる。このため、超音波計測装置のコストが高く、処理時間も長くなるとの課題があった。

課題を解決するための手段

0007

第一適用例に係る超音波計測装置は、対象物に超音波を送信し、前記対象物で反射された前記超音波を受信する超音波送受処理を実施し、前記超音波の受信により受信信号を出力する超音波送受信部と、信号電圧が所定の閾値以上となる前記受信信号に対応したゼロクロス点を複数、検出するゼロクロス検出部と、複数の前記ゼロクロス点に基づいて、前記超音波の受信タイミングとして用いる受信ゼロクロス点を設定する受信設定部と、を備え、前記受信設定部は、前記超音波の送信タイミングから、前記ゼロクロス点が検出されるまでのゼロクロス検出時間と、所定の基準時間との差を、複数の前記ゼロクロス点に関して算出し、複数の前記ゼロクロス点のうち、前記差が最小となる前記ゼロクロス点を、前記受信ゼロクロス点として設定する。

0008

第一適用例の超音波計測装置において、前記受信設定部は、i回目に実施した前記超音波送受処理の前記送信タイミングから、i回目に実施した前記超音波送受処理に基づいて設定された前記受信ゼロクロス点までのゼロクロス検出時間を、i+1回目に実施する前記超音波送受処理に基づいて前記受信ゼロクロス点を設定する際の前記基準時間として用いることが好ましい。

0009

第二適用例に係る超音波計測装置は、対象物に超音波を送信し、前記対象物で反射された前記超音波を受信する超音波送受処理を実施し、前記超音波の受信により受信信号を出力する超音波送受信部と、信号電圧が所定の閾値以上となる前記受信信号に対応したゼロクロス点を複数、検出するゼロクロス検出部と、複数の前記ゼロクロス点に基づいて、前記超音波の受信タイミングとして用いる受信ゼロクロス点を設定する受信設定部と、を備え、前記受信設定部は、複数の前記ゼロクロス点の検出数をnとして、n/2番目(ただし、n/2が整数とならない場合は、小数点以下を切り上げる)に検出される前記ゼロクロス点を前記受信ゼロクロス点として設定する。

0010

第三適用例に係る超音波計測方法は、対象物に超音波を送信し、前記対象物で反射された前記超音波を受信する超音波送受処理を実施し、前記超音波の受信に基づいて受信信号を出力する超音波送受信部と、信号電圧が所定の閾値以上となる前記受信信号に対応したゼロクロス点を複数、検出するゼロクロス検出部と、を備えた超音波計測装置における超音波計測方法であって、前記超音波の送信タイミングから、前記ゼロクロス点が検出されるまでのゼロクロス検出時間と、所定の基準時間との差を、複数の前記ゼロクロス点に関して算出し、複数の前記ゼロクロス点のうち、前記差が最小となる前記ゼロクロス点を、前記超音波の受信タイミングとして用いる受信ゼロクロス点として設定する。

0011

第四適用例に係る超音波計測方法は、対象物に超音波を送信し、前記対象物で反射された前記超音波を受信する超音波送受処理を実施し、前記超音波の受信に基づいて受信信号を出力する超音波送受信部と、信号電圧が所定の閾値以上となる前記受信信号に対応したゼロクロス点を複数、検出するゼロクロス検出部と、を備えた超音波計測装置における超音波計測方法であって、複数の前記ゼロクロス点の検出数をnとして、n/2番目(ただし、n/2が整数とならない場合は、小数点以下を切り上げる)に検出される前記ゼロクロス点を、前記超音波の受信タイミングとして用いる受信ゼロクロス点として設定する。

図面の簡単な説明

0012

第一実施形態の超音波計測装置の概略構成を示す模式図。
第一実施形態の超音波デバイスの構成例を示す断面図。
第一実施形態の超音波トランスデューサーの接続例を示す図。
第一実施形態の距離測定処理を示すフローチャート
第一実施形態の超音波送受処理での送信パルス、受信信号、及びゼロクロス検出パルスタイミングチャート
第二実施形態の超音波計測装置の距離測定処理を示すフローチャート。
第二実施形態の超音波送受処理での送信パルス、受信信号、及びゼロクロス検出パルスのタイミングチャート。

実施例

0013

[第一実施形態]
以下、第一実施形態の超音波計測装置について説明する。
図1は、第一実施形態の超音波計測装置10の概略構成を示す模式図である。
超音波計測装置10は、超音波デバイス20と、超音波デバイス20を制御する制御回路30とを備える。この超音波計測装置10は、制御回路30の制御により超音波デバイス20から対象物1に向かって超音波を送信し、対象物1で反射された超音波を超音波デバイス20で受信する超音波送受処理を実施する。そして、制御回路30は、超音波デバイス20による超音波送受処理の超音波の送信タイミングから、対象物1で反射された超音波の受信タイミングまでの時間に基づいて、超音波デバイス20から対象物1までの距離を算出する。
ここで、第一実施形態の超音波計測装置10は、超音波デバイス20に対する対象物1の相対位置の変化が微小であることを前提として、超音波デバイス20から対象物1までの距離を計測する装置である。
以下、このような超音波計測装置10の各構成の詳細について説明する。

0014

[超音波デバイス20の構成]
図2は、超音波デバイス20の構成例を示す断面図である。
超音波デバイス20は、対象物1に超音波を送信し、対象物1で反射された超音波を受信する超音波送受処理を実施して、超音波の受信により受信信号を出力する超音波送受信部である。図2に示すように、この超音波デバイス20は、素子基板21と、振動板22と、圧電素子23と、を備えて構成されている。なお、以降の説明にあたり、超音波デバイス20から対象物1に向かう超音波の送受信方向をZ方向とする。

0015

素子基板21は、振動板22を支持する基板であり、Si等の半導体基板で構成される。素子基板21には、Z方向に沿って素子基板21を貫通する複数の開口部211が設けられている。

0016

振動板22は、例えばSiO2及びZrO2の積層体等より構成され、素子基板21の−Z側に設けられる。この振動板22は、開口部211を構成する素子基板21により支持され、開口部211の−Z側を閉塞する。振動板22のうち、Z方向から見た際に各開口部211と重なる部分は、振動板22において、振動により超音波の送受信を行う振動部221を構成する。

0017

圧電素子23は、振動板22上で、かつ、Z方向から見た際に、各振動部221と重なる位置に設けられている。この圧電素子23は、図2に示すように、振動板22上に下部電極231、圧電膜232、及び上部電極233が順に積層されることにより構成されている。

0018

このような超音波デバイス20では、1つの振動部221と当該振動部221上に配置された圧電素子23とにより、1つの超音波トランスデューサー24が構成される。
そして、この超音波デバイス20では、下部電極231及び上部電極233との間に電圧印加されると、圧電膜232が伸縮して、振動部221が開口部211の開口幅等に応じた周波数で振動する。これにより、振動部221から+Z側に向かって超音波が送信される。
また、超音波デバイス20では、対象物1で反射された超音波を振動部221に入力されると、振動部221が入力された超音波の音圧に応じた振幅で振動し、圧電膜232の下部電極231側と上部電極233側との間で電位差が発生する。よって、各圧電素子23から当該電位差に応じた受信信号が出力される。

0019

図3は、超音波デバイス20における超音波トランスデューサー24の接続例を示す図である。
本実施形態では、複数の超音波デバイス20は、n行m列のマトリクス状に配置されている。そして、各超音波デバイス20の下部電極231は、第一バイパス配線231Aにより互いに結線され、素子基板21の一部に設けられた第一端子251に接続されている。同様に、各超音波デバイス20の上部電極233は、第二バイパス配線233Aにより互いに結線され、素子基板21の一部に設けられた第二端子252に接続されている。これらの第一端子251及び第二端子252は、それぞれ制御回路30に接続されている。このような構成では、第一端子251と第二端子252との間に電圧を印加することで、全ての超音波トランスデューサー24を同時に駆動させることができる。
なお、図3に示す例は、全ての超音波トランスデューサー24の下部電極231を結線して第一端子251に接続する構成例であるが、所定数の超音波トランスデューサー24を1つのチャンネルとし、各チャンネルに対して、第一端子251を設ける構成としてもよい。この場合、全ての第一端子251と第二端子252との間に同時に駆動信号を入力することで、図3と同様に、全ての超音波トランスデューサー24を同時に駆動させることができる。また、各第一端子251を個別に駆動させることも可能となる。この場合、駆動させるチャンネル数を制御することで送信音圧の調整を行うこともでき、各チャンネルの駆動タイミング遅延制御することで、超音波の送信方向を制御することもできる。また、複数のチャンネルを、超音波を送信する送信用チャンネルと、超音波を受信する受信用チャンネルとに分けて用いてもよい。

0020

[制御回路30の構成]
図1戻り、制御回路30について説明する。制御回路30は、上述したように、超音波デバイス20の第一端子251及び第二端子252に接続されている。
この制御回路30は、図1に示すように、スイッチング回路31、シグナルグラウンド32、送信回路部33、受信回路部34、及びマイコン35(マイクロコントローラー)を備えている。

0021

スイッチング回路31は、超音波デバイス20の第一端子251、送信回路部33、及び受信回路部34に接続されている。このスイッチング回路31は、マイコン35の制御に基づいて、第一端子251及び送信回路部33を接続する送信接続と、第一端子251及び受信回路部34を接続する受信接続とに切り替える。
シグナルグラウンド32は、第二端子252に接続されるグラウンドであり、第二端子252を所定の基準電位に維持する。

0022

送信回路部33は、駆動パルス発生回路331、及び送信駆動回路332等を含む。
駆動パルス発生回路331は、マイコン35により制御され、超音波デバイス20により超音波送受処理を実施する開始タイミングで、所定周波数所定波数の送信パルスを発生させて送信駆動回路332に出力する。この送信パルスの周波数は、超音波の送信周波数と同じ周波数であり、超音波トランスデューサー24の共振周波数である。送信パルスの波数は特に限定されず、予め設定された数であればよく、例えば5波に設定される。
送信駆動回路332は、送信パルスの入力タイミングで、第一端子251に所定の電圧の駆動信号を出力する。これにより、各超音波トランスデューサー24が駆動され、超音波デバイス20から対象物1に向かって超音波が出力される。

0023

受信回路部34は、受信アンプ341、及びコンパレーター342等を含む。
受信アンプ341は、超音波デバイス20において超音波を受信した際に出力される受信信号を、所定のゲインで増幅させる。
コンパレーター342は、受信アンプ341で増幅された受信信号のうち、信号電圧が所定の閾値以上となる受信信号を検出し、更に、検出した受信信号のゼロクロス点を検出する。つまり、コンパレーター342は、ゼロクロス検出部として機能する。そして、コンパレーター342は、ゼロクロス点が検出されたタイミングでゼロクロス検出パルスをマイコン35に出力する。

0024

マイコン35は、各種プログラムや各種データが記憶されるメモリー351、及びメモリー351に記憶されたプログラムに記述された命令セットを実行するプロセッサー352を含む。そして、マイコン35は、メモリーに351記憶されたプログラムをプロセッサー352により実行することで、送信指令部353、受信設定部354、及び距離計測部355として機能する。

0025

送信指令部353は、駆動パルス発生回路331に送信パルスの生成を指令する。送信パルスの生成指令は、超音波計測装置10に接続された外部機器から入力された距離測定要求に基づいて行われる。例えば、本実施形態の超音波計測装置10は、電子機器産業機器に組み込むことが可能であり、これらの電子機器や産業機器の制御部からの距離測定要求が入力されることで、送信パルスの生成を指令する。なお、超音波計測装置10に入力操作部を設けてもよく、ユーザーが入力操作部を操作して距離測定要求を入力してもよい。

0026

受信設定部354は、超音波の送信タイミングから、ゼロクロス点の検出タイミングまでの時間(ゼロクロス検出時間)を算出する。ここで、本実施形態では、受信信号は、振動部221の1波分の振動により出力される信号であり、振動部221が振動することで、複数の受信信号が出力されるものとする。よって、受信設定部354は、各受信信号のゼロクロス点に対応するそれぞれのゼロクロス検出時間を算出する。
また、受信設定部354は、算出されたゼロクロス検出時間に基づいて、超音波の受信タイミングとするゼロクロス点(受信ゼロクロス点)を設定する。
なお、この受信ゼロクロス点の設定方法に関する詳細な説明については後述する。

0027

距離計測部355は、超音波の送信タイミングから、受信ゼロクロス点までのゼロクロス検出時間に基づいて、超音波デバイス20から対象物1までの距離を算出する。

0028

[超音波計測方法]
次に、超音波計測装置10による超音波計測方法を含む距離測定処理について説明する。
上述したように、本実施形態の超音波計測装置10は、超音波デバイス20に対する対象物1の相対位置が略一定に維持されており、距離の変動量が送信超音波波長未満となることを前提として、超音波デバイス20と対象物1との間の距離を算出する。例えば、対象物1が定位置に配置されており、振動などの外部応力や、経年変化によって生じる、対象物1の微小な位置の変化が送信超音波の波長未満である場合において、本実施形態の超音波計測方法が有効である。或いは、距離計測処理を周期的に実施する場合では、距離計測処理を実施する実施周期が十分に短く、当該実施周期で超音波デバイス20に対する対象物1の位置変化量が送信超音波の波長未満である場合においても、本実施形態での超音波計測方法が有効である。

0029

図4は、本実施形態の距離測定処理を示すフローチャートである。図5は、本実施形態の超音波送受処理での送信パルス、受信信号、及びゼロクロス検出パルスのタイミングチャートである。
マイコン35は、例えば外部機器や入力操作部から距離測定要求が入力されることで、スイッチング回路31の送信接続に切り替える(ステップS1)。そして、送信指令部353は、駆動パルス発生回路331に、送信パルスの生成指令を出力し、超音波デバイス20から対象物1に向かって超音波を送信させる(ステップS2)。つまり、駆動パルス発生回路331が、生成指令に基づいて送信パルスを生成して送信駆動回路332に出力し、送信駆動回路332が、送信パルスに基づいて各超音波トランスデューサー24に電圧を印加する。なお、本実施形態では、駆動パルス発生回路331から送信パルスが送信されるタイミングを、送信タイミングとする。
なお、本実施形態では、1回の超音波送受処理において駆動パルス発生回路331で生成される送信パルスの波数が5波である例を示す。

0030

次に、マイコン35は、スイッチング回路31を受信接続に切り替え(ステップS3)、超音波デバイス20から受信回路部34を介して入力されるゼロクロス検出パルスを受信する(ステップS4)。
具体的には、ステップS3により受信接続に切り替えると、超音波デバイス20で超音波を受信した際に、超音波デバイス20から出力された受信信号が受信回路部34に入力される。この受信信号は、受信アンプ341により増幅された後、コンパレーター342に入力される。コンパレーター342は、入力された複数の受信信号のうち、閾値Vth以上の信号電圧の受信信号のゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点の検出タイミングでマイコン35にゼロクロス検出パルスを出力する。図5の例では、最大4個のゼロクロス検出パルスを生成する回路となっている。

0031

ここで、本実施形態における超音波送受処理の受信信号の信号波形について説明する。
本実施形態では、超音波の送信周波数と同じ周波数の5波の送信パルスが駆動パルス発生回路331から送信駆動回路332に入力される。よって、送信駆動回路332は、当該送信周波数の周期駆動電圧を5波分だけ超音波デバイス20に入力する。このため、振動部221は、5波分だけ圧電素子23の駆動によって振動し、その後、振動部221の弾性に応じて減衰振動する。減衰振動時振動周波数は、超音波トランスデューサー24の共振周波数であるが、本実施形態では、送信パルスの周波数は、超音波トランスデューサー24の共振周波数と同じ周波数である。
この場合、圧電素子23の駆動によって振動部221を振動させた際に出力される所定波数分の超音波の音圧は高く、それ以降は、残響成分によって超音波が送信されるものの、その音圧は圧電素子23の駆動時に比べて小さくなり、かつ、時間と共に徐々に低下する。

0032

一方、超音波トランスデューサー24で超音波を受信する場合、反射超音波の受信により、振動部221が変位し、その後、振動部221の弾性に応じて共振振動し、残響成分となる。この残響成分は、超音波トランスデューサー24の共振周波数に基づいた減衰振動であり、時間と共に徐々に振幅が小さくなる。ここで、本実施形態では、超音波トランスデューサー24の共振周波数と同じ周波数で5波分の送信パルスを生成するので、5波分の反射超音波が共振周波数と同じ周波数で受信される。よって、2波目の反射超音波は、1波目の反射超音波の残響成分と重なって振動振幅が大きくなる。同様に、3波目の反射超音波は、1波目及び2波目の反射超音波の残響成分と重なる。したがって、図5に示すように、5波分の反射超音波が受信されるまで、受信信号の信号電圧は徐々に大きくなる。また、5波目の反射超音波が受信された後の振動部221の振動は、残響成分のみとなり、徐々に振幅が低下する。

0033

ところで、図5測定ポイントI2での受信波形は、超音波デバイス20に対する対象物1の相対位置が、測定ポイントI1よりも遠くなる場合の受信波形である。超音波デバイス20から対象物1までの距離が増大すると、図5に示すように、超音波デバイス20で反射超音波が受信されるまでの時間も、距離に応じた時間δtだけ増大する。また、超音波デバイス20から対象物1までの距離が増大すると、超音波トランスデューサー24で受信される超音波の音圧は低下する。
このため、コンパレーター342で閾値Vth以上となる受信信号を検出する際に、検出される受信信号の数が変動する場合がある。例えば、図5に示す例において、測定ポイントI1では、閾値Vth以上の受信信号が6個検出されるが、測定ポイントI2では、閾値Vth以上の受信信号は4個である。
このような場合に、例えば、最初に検出された閾値Vth以上の受信信号のゼロクロス点を、超音波の受信タイミングである受信ゼロクロス点として設定する場合、測定回によってオフセット誤差が生じる。例えば、図5の例において、測定ポイントI1では、2番目のゼロクロス点が受信ゼロクロス点とされ、測定ポイントI2では、3番目のゼロクロス点が受信ゼロクロス点とされるので、測定ポイントI1と測定ポイントI2とでは、1周期分のオフセット誤差が含まれることになる。
また、最大受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点とすることも考えられるが、必ずしも5番目の受信信号が最大となるわけではなく、測定環境測定条件によっては、4番目の受信信号が最大となる場合や、6番目の受信信号が最大となる場合もある。よって、この場合でも、オフセット誤差の発生を抑えることは困難である。
そこで、本実施形態では、受信設定部354は、以下に示す手順で、受信ゼロクロス点を設定する。

0034

すなわち、マイコン35の受信設定部354は、ステップS4によりゼロクロス検出パルスを受信すると、超音波の送信タイミングから、各ゼロクロス点までのゼロクロス検出時間をそれぞれ算出する(ステップS5)。
この後、受信設定部354は、メモリー351に記憶されている基準時間tbと、ステップS5で算出された各ゼロクロス点に対応するゼロクロス検出時間との差を算出する(ステップS6)。
そして、受信設定部354は、複数のゼロクロス点のうち、ステップS6で算出された基準時間tbとゼロクロス検出時間との差が最小となるゼロクロス点を、受信ゼロクロス点として設定する(ステップS7)。
また、受信設定部354は、送信タイミングから受信ゼロクロス点までのゼロクロス検出時間を新たな基準時間tbとしてメモリー351に記憶する(ステップS8)。

0035

なお、この場合、1回目に実施する超音波送受処理では、基準時間tbが設定されない。よって、1回目に実施する超音波送受処理での受信ゼロクロス点の設定では、受信設定部354は、予め設定された所定の基準時間tbを用いて、受信ゼロクロス点を設定してもよい。
この1回目に実施する超音波送受処理に対する基準時間tbの設定では、例えば、超音波計測装置10の製造時に、対象物1から超音波デバイス20までの距離を所定の基準距離に設定して超音波送受処理を実施する。そして、特定の受信信号のゼロクロス点に対するゼロクロス検出時間を測定しておき、そのゼロクロス検出時間を基準時間tbとして記録しておく。例えば、図5の例では、対象物1から超音波デバイス20までの距離を所定の基準距離に設定した際の、4波目の受信信号に対するゼロクロス検出時間t13を基準時間tbとして設定する。この場合、対象物1から超音波デバイス20までの距離と基準距離との差が、送信超音波の波長未満であれば、基準時間tbとの差が最小となるゼロクロス検出時間は、4波目の受信信号のゼロクロス検出時間となる。よって、測定ポイントI1では、4波目の受信信号のゼロクロス点が受信ゼロクロス点として設定される。

0036

また、測定ポイントI2に対する測定では、測定ポイントI1での受信ゼロクロス点に対応するゼロクロス検出時間t13が基準時間tbとなる。よって、基準時間tbとの差が最小となるゼロクロス検出時間t22に対応する、4波目の受信信号のゼロクロス点が、測定ポイントI2での受信ゼロクロス点として設定される。
つまり、本実施形態では、受信設定部354は、i(iは1以上の整数)回目に実施した超音波送受処理の送信タイミングから、i回目に実施した超音波送受処理に基づいて設定された受信ゼロクロス点までのゼロクロス検出時間を、i+1回目に実施する超音波送受処理に基づいて受信ゼロクロス点を設定する際の基準時間tbとして用いる。

0037

以上の後、距離計測部355は、送信タイミングから受信ゼロクロス点までのゼロクロス検出時間と、音速と、に基づいて、超音波デバイス20から対象物1までの距離を算出する(ステップS9)。

0038

[本実施形態の作用効果
本実施形態の超音波計測装置10は、超音波デバイス20と、制御回路30とを備える。超音波デバイス20は、対象物1に対して超音波を送信し、対象物1で反射された反射超音波を受信する超音波送受処理を実施し、超音波の受信により受信信号を出力する。また、制御回路30は、受信回路部34及びマイコン35を備えている。受信回路部34は、コンパレーター342を含み、このコンパレーター342は、信号電圧が所定の閾値Vth以上となる受信信号のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出部として機能する。また、マイコン35は、受信設定部354として機能し、超音波送受処理により検出された複数のゼロクロス点から、超音波の受信タイミングとして用いる受信ゼロクロス点を設定する。この際、本実施形態では、受信設定部354は、各測定回の超音波送受処理に対して、超音波の送信タイミングから複数のゼロクロス点までのゼロクロス検出時間を算出する。そして、メモリー351に記憶された基準時間と、各ゼロクロス検出時間との差を算出し、その差が最小となるゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定する。

0039

本実施形態では、超音波デバイス20と対象物1との距離の変動量が送信超音波の波長未満となる場合に、受信信号が得られる時間が大きく変動することがない。このため、上記のように、基準時間との差が最小となるゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定することで、閾値Vth以上となる受信信号の検出数が変動した場合でも、適切な受信ゼロクロス点を設定することができ、オフセット誤差を抑制することができる。
また、本実施形態では、各測定ポイントに対して、複数回の超音波送受処理を実施する必要がないので、受信信号を一時記憶するためのメモリー351の記憶容量を少なくでき、受信信号を高分解能で解析する高性能なA/D変換器も不要である。よって、超音波計測装置10の構成を簡素化できるので、コストを下げることができ、距離計測処理に係る処理時間も短縮することができる。

0040

本実施形態では、受信設定部354は、i回目の超音波送受処理において設定された受信ゼロクロス点に対応するゼロクロス検出時間を基準時間tbとして、i+1回目の超音波受信処理における受信ゼロクロス点を設定する。
基準時間tbとして一定値を用いる場合、対象物1と超音波デバイス20との距離が、基準距離から徐々に変動する場合に、適切な受信ゼロクロスを設定できない場合がある。例えば、対象物1と超音波デバイス20との距離の基準距離からの変動量が、送信超音波の波長未満である場合は、一定値である基準時間tbを用いて受信ゼロクロス点を設定することができる。しかしながら、例えば経年変化等によって、対象物1と超音波デバイス20との距離が徐々に増大し、対象物1と超音波デバイス20との距離の基準距離からの変動量が送信超音波の波長以上となると、適切な受信ゼロクロス点を設定できない。
これに対して、上記のように、直近超音波測定処理に基づいて基準時間tbを更新することで、超音波デバイス20と対象物1との距離が徐々に変動する場合でも、適切な受信ゼロクロス点を設定することができる。

0041

[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。
第一実施形態では、対象物1から超音波デバイス20までの距離の変化量が送信超音波の波長未満であることを前提としているため、対象物1から超音波デバイス20の距離の変化量が、送信超音波の波長以上である場合、適正に受信ゼロクロス点を設定できない。そこで、第二実施形態において、対象物1から超音波デバイス20の距離の変化量が送信超音波の波長以上である場合でも、適切な受信ゼロクロス点を設定可能な超音波計測装置について説明する。
なお、以降の説明にあたり、既に説明した事項については、同符号を付し、その説明を省略または簡略化する。

0042

第二実施形態の超音波計測装置10は、第一実施形態と同様の構成を有し、図1に示すように、超音波デバイス20と、制御回路30とを備えて構成されている。そして、第二実施形態では、マイコン35の機能構成である受信設定部354の処理が、第一実施形態と相違する。よって、以降の説明では、超音波計測装置10による超音波計測方法について詳細に説明する。

0043

図6は、第二実施形態の超音波計測装置10の距離測定処理を示すフローチャートである。図7は、第二実施形態の超音波計測装置10の超音波送受処理での送信パルス、受信信号、及びゼロクロス検出パルスのタイミングチャートである。
図6に示すように、第二実施形態の超音波計測装置10は、対象物1から超音波デバイス20までの距離を計測する際、第一実施形態と同様に、ステップS1からステップS4の超音波送受処理を実施する。
この後、本実施形態では、受信設定部354は、閾値Vth以上の受信信号のゼロクロス点の検出数nをカウントする(ステップS10)。つまり、受信設定部354は、コンパレーター342から入力されるゼロクロス検出パルスの数nをカウントする。

0044

この後、受信設定部354は、検出されたゼロクロス点のうち、前からn/2番目に検出されたゼロクロス点を、受信ゼロクロス点として設定する(ステップS11)。なお、n/2が、整数ではない場合、小数点以下を繰り上げる。つまり、検出数nが偶数である場合、受信設定部354は、中央2波の受信信号のうち、前よりの受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点とする。検出数nが奇数である場合、受信設定部354は、中央の受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定する。

0045

超音波受信処理において、所定波数Kの超音波を送信すると、受信信号の信号電圧は、1波目から徐々に大きくなる。そして、K番目の反射超音波を受信した後は、振動部221の残響振動による受信信号となるので、徐々に信号電圧が低下する。よって、図7に示すように、信号電圧が閾値Vth以上となる複数の受信信号を時系列に沿って観察すると、中央に対して、前半の受信信号の信号電圧と、後半の受信信号の信号電圧とが略対称となる。この傾向は、図7に示すように、対象物1から超音波デバイス20の距離によらずに観察できる傾向である。したがって、検出された複数の受信信号のうちの中央の受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定することで、各測定回に対して適切な受信ゼロクロス点を設定できる。

0046

例えば、図7において、測定ポイントI3では、2波目から7波目までの6個の受信信号に対するゼロクロス点が検出される。この場合、n=6となるので、前から3番目(=6/2番目)の受信信号、つまり、4波目の受信信号のゼロクロス点が受信ゼロクロス点として設定される。
測定ポイントI4では、3波目から5波目までの3個の受信信号に対するゼロクロス点が検出される。この場合、n=3となるので、前から2番目の受信信号、つまり、4波目の受信信号のゼロクロス点が受信ゼロクロス点として設定される。
測定ポイントI5では、4波目から5波目までの2個の受信信号に対するゼロクロス点が検出される。この場合、n=2となるので、1番目の受信信号、つまり、4波目の受信信号のゼロクロス点が受信ゼロクロス点として設定される。
以上のように、いずれの測定ポイントにおいても、4波目の受信信号のゼロクロス点が受信ゼロクロス点として設定されることになり、オフセット誤差の発生が抑制される。

0047

以上のステップS11の後、受信設定部354は、超音波の送信タイミングから、設定した受信ゼロクロス点までのゼロクロス検出時間を算出する(ステップS12)。
この後、距離計測部355は、第一実施形態のステップS9と同様、算出された受信ゼロクロス点に対応するゼロクロス検出時間を用いて、対象物1から超音波デバイス20までの距離を算出する。

0048

[本実施形態の作用効果]
本実施形態の超音波計測装置10は、第一実施形態と同様、超音波デバイス20と、マイコン35を含む制御回路30とを備える。そして、本実施形態では、マイコン35は、受信設定部354として機能し、この受信設定部354は、検出されたゼロクロス点の検出数をnとして、n/2番目に検出されるゼロクロス検出パルスに対応するゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定する。
上述したように、複数の受信信号を時系列に沿って見た場合、中央に対して、前半の受信信号の信号電圧と、後半の受信信号の信号電圧とが略対称となる。よって、この中央の受信信号のゼロクロス点を受信ゼロクロス点として設定することで、閾値Vth以上となる受信信号の検出数が変動した場合でも、適切な受信ゼロクロス点を設定することができ、オフセット誤差を抑制できる。

0049

また、第一実施形態と同様、本実施形態においても、各測定ポイントに対して、複数回の超音波送受処理を実施する必要がないので、受信信号を一時記憶するためのメモリー351の記憶容量を少なくでき、受信信号を高分解能で解析する高性能なA/D変換器も不要である。よって、超音波計測装置10の構成を簡素化でき、距離計測処理に係る処理時間も短縮することができる。

0050

さらに、本実施形態では、対象物1と超音波デバイス20との距離が、送信超音波の波長以上となる場合でも、適切なゼロクロス点を設定することができ、超音波計測装置10の適用分野を広げることができる。

0051

[変形例]
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。

0052

上記第一実施形態及び第二実施形態として、超音波計測装置10について説明したが、この超音波計測装置10は、対象物1までの距離を計測する単体計測センサーとして用いてもよく、各種電子機器や産業機器などに組み込んで用いてもよい。
例えば、第一実施形態の超音波計測装置10では、対象物1と超音波デバイス20との距離がほぼ一定に保たれる機器に適用できる。このような機器としては、インクジェットプリンター等の印刷装置が挙げられる。インクジェットプリンターに第一実施形態の超音波計測装置10を適用する場合、印刷媒体に対してインク吐出するインクヘッドが搭載されるキャリッジに、超音波計測装置10を搭載してもよい。インクジェットプリンターでは、通常、印刷媒体に対して印刷を行う際、印刷精度の低下を抑制するために、キャリッジと印刷媒体との距離を一定距離範囲に保つ必要がある。よって、上記のように、キャリッジに、印刷媒体との距離を計測する超音波計測装置10を搭載させることで、キャリッジが印刷媒体に対して一定距離範囲に維持されているか否かを検査することができる。

0053

また、第二実施形態の超音波計測装置10では、対象物1と超音波デバイス20との距離が大きく変動してもよく、より多くの機器に組み込むことができる。例えば、インクジェットプリンターのインクタンクに、第二実施形態の超音波計測装置10を設け、インクタンク内の液面の位置を計測してもよい。また、ロボットアーム等の産業機器において、対象物を把持するアームに第二実施形態の超音波計測装置10を組み込み、アームから対象物までの距離を計測してもよい。

0054

第一実施形態では、受信設定部354は、メモリー351に基準時間tbを記憶しておき、超音波送受処理が実施されて受信ゼロクロス点が設定される毎に、基準時間tbを更新した。これに対して、基準時間tbとして一定値を用いてもよい。この場合、超音波デバイス20と対象物1との距離が基準距離となる場合の所定のゼロクロス点に対するゼロクロス検出時間を基準時間tbとする。これにより、超音波デバイス20と対象物1との距離が、基準距離からどの程度変位したかを算出することができる。

0055

1…対象物、10…超音波計測装置、20…超音波デバイス(超音波送受信部)、30…制御回路、31…スイッチング回路、32…シグナルグラウンド、33…送信回路部、34…受信回路部、35…マイコン、251…第一端子、252…第二端子、331…駆動パルス発生回路、332…送信駆動回路、341…受信アンプ、342…コンパレーター、351…メモリー、352…プロセッサー、353…送信指令部、354…受信設定部、355…距離計測部。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社熊谷組の「 監視対象監視箇所での監視対象の予測方法及び予測装置」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】監視対象監視箇所の現状に対応した監視対象のより正確な予測を行えるようにした監視対象監視箇所での監視対象の予測方法等を提供する。【解決手段】本発明に係る監視対象監視箇所での監視対象の予測方法は、... 詳細

  • 沖電気工業株式会社の「 振動検知光ファイバセンサ及び振動検知方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】移動平均と移動差分の利用に加えて、雑音の性質を利用することで、OTDR波形の変化を統計的に評価し、異常な振動の有無を明瞭に判別する。【解決手段】光強度取得部は、プローブ光が光ファイバで後方散乱... 詳細

  • 住友重機械工業株式会社の「 センサ、センサ固定構造」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】コンパクトで容易に取り付け可能なセンサを提供することを目的とする。【解決手段】態様のセンサ100は、センサ素子10と、センサ素子10が配置される基板20と、基板20を収納するケーシング30と、... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ