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技術 燃料デブリの分別装置及び分別方法

出願人 日立GEニュークリア・エナジー株式会社
発明者 遠藤慶太星野国義深澤哲生笹平朗
出願日 2019年2月25日 (1年8ヶ月経過) 出願番号 2019-031355
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-134425
状態 未査定
技術分野 燃料及び物質の取扱い並びに実験設備
主要キーワード 進展具合 ギブスエネルギー変化 温度上昇傾向 スリーマイル島 原子力システム 本処理法 通常運転温度 指標温度
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重要な関連分野

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図面 (4)

課題

原子炉で発生する燃料デブリのフッ化処理を行う際に、装置が損傷することを防止する。

解決手段

燃料デブリとフッ素とを反応させるフッ化反応部と、フッ化反応部の温度を計測する計測部と、制御部と、を備えた燃料デブリの分別装置であって、制御部は、フッ化反応部の温度が所定の温度以下となるように、フッ化反応部に供給するフッ素の供給速度を制御する。

概要

背景

過去の原子力発電所事故では、炉心冷却機能の喪失により燃料集合体炉内構造物溶融し、核燃料燃料被覆管制御材、炉内構造物等を含む炉心溶融物(以下「燃料デブリ」と呼ぶ。)が発生した。他の軽水炉高速炉のような革新炉等で同様の事故が発生すれば、上記のような燃料デブリが発生することが想定される。

日本においては、核燃料物質の正確な計量管理が求められることから、発生した燃料デブリを原子炉から取出し、その後安定に保管し、適切に管理されることが必要である。

燃料デブリは、上記の物質の他にも、核分裂生成物(Fission Products:FP)やマイナーアクチニド(Minor Actinide:MA)、コンクリート成分等を含んでおり、種々の物質が相互作用し複雑かつ不均質組成となっていることが想定される。燃料デブリ中の核種含有量化学形態が不明確なまま保管した場合、臨界、遮蔽、計量管理等の安全上のリスクが生じる。そのため、原子炉から取出された燃料デブリは、管理可能な形態へと安定化処理することが望ましい。

非特許文献1には、過去の燃料デブリの処理例として、スリーマイル島原子力発電所で発生した燃料デブリを硝酸系の酸溶液試験的に処理することが試みられたが、溶解性が低かったことから、燃料デブリの処理は困難であることが記載されている。現在まで、燃料デブリの安定化処理に関する有効な手段は知られていない。

特許文献1には、破損あるいは溶融した核燃料の処理方法であって、燃料デブリをハロゲン化処理することにより粉体化する処理方法が開示されている。本文献に記載の処理方法は、ハロゲンとしてフッ素(F)を例とし、次の式等で表される反応により、燃料デブリ中のウラン(U)は揮発性ガスである六フッ化ウラン(UF6)に変化し、燃料デブリから揮発分離される。

UO2+3F2=UF6+O2
その後、粉体化した燃料デブリの残留物酸化処理すれば、当該残留物を安定かつ硝酸溶解可能な化学形態とすることができることも記載されている。

非特許文献2には、上記の処理について想定される具体的な装置構成が記載されている。すなわち、フッ化物揮発法を適用したデブリ処理である。フッ素は、非常に高い反応活性を有する。本文献においては、加熱機能を有する反応炉に種々の組成から成る燃料デブリを装荷し、所定の温度まで昇温した後、反応炉にフッ素ガスを導入すること、フッ化物蒸気圧の差を利用して、核燃料成分であるU、プルトニウム(Pu)等のフッ化物を気体として揮発させ、コールドトラップ等により凝縮回収するとともに、燃料被覆管成分であるジルコニウム(Zr)、炉内構造物成分の鉄(Fe)等の不純物固体フッ化物として反応炉内に残存させること、得られたフッ化物を酸化処理し、安定かつ硝酸溶解可能な形態へと転換すること等が記載されている。

非特許文献3には、UO2−ZrO2塊状模擬デブリを含むU含有模擬デブリを用いたフッ化試験において、固溶体化合物、塊状でも、30分程度の反応時間で99%以上のUがフッ化揮発し、大部分の不純物を分離できる見通しを得たことが記載されている。

非特許文献4には、実験条件として最も高い設定温度をPuのclean up(フッ素化)における550℃とするフッ素化実験が記載されている。この処理に用いられる流動層のフッ素化は、ニッケル(Ni)製である。

概要

原子炉で発生する燃料デブリのフッ化処理を行う際に、装置が損傷することを防止する。燃料デブリとフッ素とを反応させるフッ化反応部と、フッ化反応部の温度を計測する計測部と、制御部と、を備えた燃料デブリの分別装置であって、制御部は、フッ化反応部の温度が所定の温度以下となるように、フッ化反応部に供給するフッ素の供給速度を制御する。

目的

本発明は、原子炉で発生する燃料デブリのフッ化処理を行う際に、装置が損傷することを防止することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

燃料デブリフッ素とを反応させるフッ化反応部と、前記フッ化反応部の温度を計測する計測部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記フッ化反応部の前記温度が所定の温度以下となるように、前記フッ化反応部に供給するフッ素の供給速度を制御する、燃料デブリの分別装置

請求項2

前記フッ化反応部にて生成する揮発性物質凝縮回収するコールドトラップを含む揮発性物質回収部と、回収された前記揮発性物質を酸化物に変換する酸化処理部と、を更に備えた、請求項1記載の燃料デブリの分別装置。

請求項3

前記フッ素の前記供給速度は、前記フッ素の供給流量又は前記フッ素の濃度を調整することにより制御する、請求項1記載の燃料デブリの分別装置。

請求項4

前記フッ化反応部の前記温度は、熱電対により計測する、請求項1記載の燃料デブリの分別装置。

請求項5

前記フッ化反応部の前記温度の上昇速度を検知し、前記上昇速度に基いて前記フッ素の前記供給速度を調整する、請求項1記載の燃料デブリの分別装置。

請求項6

前記フッ素の消費量を計測し、前記消費量に基いて前記フッ素の前記供給速度を調整する、請求項1記載の燃料デブリの分別装置。

請求項7

フッ化反応部にて燃料デブリとフッ素とを反応させ、前記フッ化反応部の温度を計測し、前記フッ化反応部の前記温度が所定の温度以下となるように、前記フッ化反応部に供給するフッ素の供給速度を制御する、燃料デブリの分別方法

請求項8

前記フッ化反応部にて生成する揮発性物質を凝縮・回収し、回収された前記揮発性物質を酸化物に変換する、請求項7記載の燃料デブリの分別方法。

請求項9

前記フッ素の前記供給速度は、前記フッ素の供給流量又は前記フッ素の濃度を調整することにより制御する、請求項7記載の燃料デブリの分別方法。

請求項10

前記フッ化反応部の前記温度の上昇速度を検知し、前記上昇速度に基いて前記フッ素の前記供給速度を調整する、請求項7記載の燃料デブリの分別方法。

請求項11

前記フッ素の消費量を計測し、前記消費量に基いて前記フッ素の前記供給速度を調整する、請求項7記載の燃料デブリの分別方法。

技術分野

0001

本発明は、燃料デブリ分別装置及び分別方法に関する。

背景技術

0002

過去の原子力発電所事故では、炉心冷却機能の喪失により燃料集合体炉内構造物溶融し、核燃料燃料被覆管制御材、炉内構造物等を含む炉心溶融物(以下「燃料デブリ」と呼ぶ。)が発生した。他の軽水炉高速炉のような革新炉等で同様の事故が発生すれば、上記のような燃料デブリが発生することが想定される。

0003

日本においては、核燃料物質の正確な計量管理が求められることから、発生した燃料デブリを原子炉から取出し、その後安定に保管し、適切に管理されることが必要である。

0004

燃料デブリは、上記の物質の他にも、核分裂生成物(Fission Products:FP)やマイナーアクチニド(Minor Actinide:MA)、コンクリート成分等を含んでおり、種々の物質が相互作用し複雑かつ不均質組成となっていることが想定される。燃料デブリ中の核種含有量化学形態が不明確なまま保管した場合、臨界、遮蔽、計量管理等の安全上のリスクが生じる。そのため、原子炉から取出された燃料デブリは、管理可能な形態へと安定化処理することが望ましい。

0005

非特許文献1には、過去の燃料デブリの処理例として、スリーマイル島原子力発電所で発生した燃料デブリを硝酸系の酸溶液試験的に処理することが試みられたが、溶解性が低かったことから、燃料デブリの処理は困難であることが記載されている。現在まで、燃料デブリの安定化処理に関する有効な手段は知られていない。

0006

特許文献1には、破損あるいは溶融した核燃料の処理方法であって、燃料デブリをハロゲン化処理することにより粉体化する処理方法が開示されている。本文献に記載の処理方法は、ハロゲンとしてフッ素(F)を例とし、次の式等で表される反応により、燃料デブリ中のウラン(U)は揮発性ガスである六フッ化ウラン(UF6)に変化し、燃料デブリから揮発分離される。

0007

UO2+3F2=UF6+O2
その後、粉体化した燃料デブリの残留物酸化処理すれば、当該残留物を安定かつ硝酸溶解可能な化学形態とすることができることも記載されている。

0008

非特許文献2には、上記の処理について想定される具体的な装置構成が記載されている。すなわち、フッ化物揮発法を適用したデブリ処理である。フッ素は、非常に高い反応活性を有する。本文献においては、加熱機能を有する反応炉に種々の組成から成る燃料デブリを装荷し、所定の温度まで昇温した後、反応炉にフッ素ガスを導入すること、フッ化物蒸気圧の差を利用して、核燃料成分であるU、プルトニウム(Pu)等のフッ化物を気体として揮発させ、コールドトラップ等により凝縮回収するとともに、燃料被覆管成分であるジルコニウム(Zr)、炉内構造物成分の鉄(Fe)等の不純物固体フッ化物として反応炉内に残存させること、得られたフッ化物を酸化処理し、安定かつ硝酸溶解可能な形態へと転換すること等が記載されている。

0009

非特許文献3には、UO2−ZrO2塊状模擬デブリを含むU含有模擬デブリを用いたフッ化試験において、固溶体化合物、塊状でも、30分程度の反応時間で99%以上のUがフッ化揮発し、大部分の不純物を分離できる見通しを得たことが記載されている。

0010

非特許文献4には、実験条件として最も高い設定温度をPuのclean up(フッ素化)における550℃とするフッ素化実験が記載されている。この処理に用いられる流動層のフッ素化は、ニッケル(Ni)製である。

0011

特開2014−29319号公報

先行技術

0012

D. W. Akers, Core Debris Chemistry and Fission Product Behavior. ACS Series 293, pp.146-167(2008)
日立GEニュークリア・エナジー株式会社:平成25年度文部科学省国家課題対応型研究開発推進事業原子力システム研究開発事業、フッ化技術を用いた燃料デブリの安定化処理に関する研究開発成果報告書(平成26年3月)
星野国義ら:フッ化法を用いた燃料デブリの安定化処理技術の開発(20)模擬デブリフッ化試験(その6)、原子力学会2018年大会IG08
日本原子力研究所再処理研究室乾式再処理におけるF2二段フッ素化法の開発、JAERI−M6393、1976年2月

発明が解決しようとする課題

0013

装置設計においては、ある反応装置の材料を決める際、そのプラントでの通常運転温度に対して裕度を持たせた材料を選定するのが一般的である。

0014

フッ素を用いた反応装置の例に関しては、使用済燃料の乾式再処理を想定した非特許文献4の場合、流動層のフッ素化塔(反応炉)の運転時の設定温度は、550℃である。このため、フッ素化塔は、550℃に対して裕度があるNi製である。これは、燃料デブリのフッ化処理においても例外でなく、燃料デブリのフッ化処理を行う反応炉に対して、ある通常運転温度に対して裕度を持たせた材料を適用する必要がある。

0015

しかし、裕度を持たせた材料を選定したとしても、事前に想定する運転温度を大きく超えた運転状態を長く続けることは望ましくない。流動層のフッ素化塔の例では、処理対象物が使用済燃料という性状・組成が予め把握できているものであるため、フッ化反応により発生する反応熱量も事前に把握できる。このため、フッ素化塔内の温度がどのように変化するかを推定することが可能であり、装置損傷のリスクは小さい。

0016

しかし、処理対象物が燃料デブリである場合、種々の物質が相互作用し複雑かつ不均質な組成となった物質であることが想定される。また、燃料デブリの性状や組成は、原子炉の炉型、燃料形態、事故の進展具合等にも大きく影響される。

0017

よって、燃料デブリの処理に際しては、原子炉型や事故の状況等により異なる組成となり、組成分布も生じるため、局所的な発熱が生じることが考えられる。これにより、想定していた反応炉温度を逸脱し、装置損傷に至る可能性が考えられる。

0018

したがって、あらゆる原子炉の炉心溶融事故により生成する燃料デブリのフッ化処理における装置損傷を未然に防ぐためには、反応炉の温度が装置損傷に至る温度に達しないように制御することが必要となる。

0019

本発明は、原子炉で発生する燃料デブリのフッ化処理を行う際に、装置が損傷することを防止することを目的とする。

課題を解決するための手段

0020

本発明の燃料デブリの分別装置は、燃料デブリとフッ素とを反応させるフッ化反応部と、フッ化反応部の温度を計測する計測部と、制御部と、を備え、制御部は、フッ化反応部の温度が所定の温度以下となるように、フッ化反応部に供給するフッ素の供給速度を制御する。

発明の効果

0021

本発明によれば、原子炉で発生する燃料デブリのフッ化処理を行う際に、装置が損傷することを防止することができる。

図面の簡単な説明

0022

本発明の燃料デブリの分別装置を示す概略構成図である。
本発明の燃料デブリの分別方法を示すフロー図である。
図1の分別装置のデブリ処理部を更に具体的に示す概略構成図である。

0023

本発明は、燃料デブリをフッ化処理することにより分別する装置及び方法に関する。

0024

フッ素は、非常に反応活性が高い元素であり、あらゆる物質と反応を起こす。

0025

表1は、燃料デブリに含まれる物質のフッ化反応におけるギブスエネルギー変化(ΔG)の計算結果を示したものである。この計算値は、熱力学データベースALTによって計算された値であり、ΔGが負の値を示せばフッ化反応は進行する。

0026

本表から、いずれの物質も、T=900K、600KにおけるΔGは、負の値を示している。よって、燃料デブリに含まれる成分は、いずれもフッ化反応が進行することがわかる。

0027

0028

また、フッ化反応は発熱反応であり、フッ化反応の進行とともに反応熱が生じる。

0029

表2は、軽水炉及び高速炉で発生しうる燃料デブリの主要成分となるUの二種類の酸化物、並びにFe及びZrの金属及び酸化物のフッ化反応における反応熱(900Kのときの金属原子モルあたりエンタルピー変化)を示したものである。この計算値も、熱力学データベースMALTによって計算された値である。

0030

本表から、化合物によって変化量が異なり、金属の方が酸化物よりも比較的反応熱が大きい傾向にある。フッ化反応によって処理対象物の反応熱が増大すれば、反応炉に及ぼす熱的影響が大きくなり、反応炉等の装置の損傷に至る可能性がある。

0031

0032

本処理法では、反応炉内に処理対象物を供給した後、ある温度・フッ素供給速度に設定したフッ素ガスを反応炉内に導入することによりフッ化反応を開始する。フッ化反応が開始すれば、その反応の進行に伴い反応熱が発生し、処理対象物が発熱する。処理対象物の発熱量は、処理対象物中に含まれている金属/酸化物量比に依存するとともに、反応速度の大小によっても左右される。

0033

本発明の実施形態に係る燃料デブリの分別装置について説明する。なお、本発明の実施形態に係る燃料デブリの分別方法については、当該分別装置を用いて行う工程に従う。

0034

(1)燃料デブリの分別装置は、燃料デブリとフッ素とを反応させるフッ化反応部と、フッ化反応部の温度を計測する計測部と、制御部と、を備えている。制御部は、フッ化反応部の温度が所定の温度以下となるように、フッ化反応部に供給するフッ素の供給速度を制御する。

0035

(2)燃料デブリの分別装置は、フッ化反応部にて生成する揮発性物質を凝縮・回収するコールドトラップを含む揮発性物質回収部と、回収された揮発性物質を酸化物に変換する酸化処理部と、を更に備えている。

0036

(3)フッ素の供給速度は、フッ素の供給流量又はフッ素の濃度を調整することにより制御する。

0037

(4)フッ化反応部の温度は、熱電対により計測する。

0038

(5)フッ化反応部の温度の上昇速度を検知し、上昇速度に基いてフッ素の供給速度を調整する。

0039

(6)燃料デブリの分別装置は、フッ素の消費量を計測し、消費量に基いてフッ素の供給速度を調整する。

0040

以下、本発明の実施例について説明する。

0041

図1は、燃料デブリの分別装置の概要を示したものである。

0042

本図においては、分別装置100は、反応炉を含むフッ化反応部1と、コールドトラップを含む揮発性物質回収部2と、不揮発性物質回収部3と、酸化処理部4と、アルカリスクラバー等を含むオフガス処理部5と、計測部11と、制御部12と、を備えている。フッ化反応部1には、燃料デブリを投入し、加熱し、フッ素ガス及び不活性ガスを供給する。燃料デブリは、塊状又は粉状である。

0043

バルブ21は、フッ素ガスの供給管に配置されている。バルブ22は、不活性ガスの供給管に配置されている。不活性ガスとしては、窒素アルゴン(Ar)等を用いることができる。

0044

フッ化反応部1には、燃料デブリ若しくはその支持部又は反応炉の内壁面若しくは外壁面の温度を計測するための温度センサが設けられている。温度センサからの信号は、計測部11に送られる。計測部11は、所定の温度を超えないように計測値モニタリングする。

0045

温度センサとしては、熱電対等が用いられる。反応炉内は、腐食性の高いフッ素雰囲気である。このため、例えば、腐食性の高いNiを用いたシース熱電対が好適である。このようなシース熱電対は、反応炉の内壁面や反応炉内に設けられた燃料デブリのトレー溶接して用いることができる。このようにして計測した反応炉の温度又は燃料デブリの近くの温度を代表温度指標温度)として用いてもよい。また、シース熱電対以外の熱電対を反応炉壁の内部に埋め込んだ状態で反応炉の温度を測定してもよい。また、熱電対の代わりに、放射温度計を用いてもよい。

0046

制御部12は、計測部11から必要な信号を受け、所定の計算を行い、その結果に基いてバルブ21、22の開度を調節して、フッ素ガス及び不活性ガスの供給量増減する。これにより、フッ化反応部1へのフッ素の供給速度を調整する。言い換えると、フッ化反応部1におけるフッ素濃度を調整する。

0047

なお、本図においては、実線の矢印は物質の流れを示し、破線の矢印は信号の流れを示している。すなわち、分別装置100は、デブリ処理部と計測・制御部との2つに大別される。デブリ処理部は、実際に物質が移動する部分であり、配管等で接続されている。デブリ処理部は、フッ化反応部1、揮発性物質回収部2、不揮発性物質回収部3、酸化処理部4及びオフガス処理部5を含む。計測・制御部は、フッ化反応部1の温度センサ等、計測部11及び制御部12を含み、信号の送受信を行う通信回線で接続されている。

0048

フッ化反応部1にて発生した揮発性物質は、揮発性物質回収部2に送られ、コールドトラップにより凝縮・回収される。コールドトラップの温度は回収対象物沸点等に応じて変更することができ、UF6より揮発性が高いフッ化物やフッ素ガスは凝縮回収せず後段移行させることが可能である。後段へ移行させた揮発性が高いフッ化物やフッ素ガスは、吸着剤等を用いた吸着法等の所定のオフガス処理法によって安定化処理してもよいし、場合によっては、後段へ移行させたフッ素ガス等をフッ化反応部1に還流させてもよい。凝縮・回収された揮発性物質は、酸化処理部4に送られる。

0049

一方、フッ化反応部1に残存する不揮発性物質は、不揮発性物質回収部3を経て、酸化処理部4に送られる。

0050

酸化処理部4は、回収した揮発性物質及び不揮発性物質をより安定な形態である酸化物へ転換する。酸化処理時には固体酸化物と気体酸化物が生成されるため、気体酸化物は、オフガス処理部5に送られアルカリスクラバー等の方法により安定化処理される。U及びPuの酸化物並びにその他の固体酸化物は、所定の処理をした上で再利用又は保管処分される。

0051

気体酸化物については、オフガス処理部5のアルカリスクラバー等により処理される。

0052

図2は、燃料デブリの分別方法の一例を示すフロー図である。

0053

本図に示すように、燃料デブリの分別方法においては、燃料デブリを反応炉に供給し、加熱する(S110)。この際、反応炉には、フッ素ガス及び不活性ガスを供給する。そして、反応炉の壁面又は燃料デブリの温度等を計測する(S120)。反応炉の壁面又は燃料デブリの温度等の指標温度が所定の温度範囲に収まるように、フッ素ガス及び不活性ガスの供給速度を調整する(S130)。

0054

フッ素供給速度の大小がフッ化反応の反応速度を決定するということがわかっている。このため、フッ素供給速度を調整すれば、反応速度も同時に制御することができる。一般に、化学反応を進行させるためには、反応物同士の衝突が必要不可欠であり、単位時間当たりに衝突する粒子の数が多いほど、反応速度は大きくなる。すなわち、粒子が移動しやすい気体中の反応では、反応ガスの供給速度を大きくすると、反応物同士が衝突する確率が大きくなり、反応速度は大きくなる。フッ素供給速度の調整は、フッ素供給流量あるいはフッ素濃度を調整することにより可能であり、フッ素供給流量の調整は、流量弁の開度の調節等によって調整してもよいし、フッ素濃度の調整については、例えば、Ar等の不活性ガスを反応炉内に導入しフッ素を希釈する等の方法によって調整してもよい。

0055

図3は、図1の分別装置のデブリ処理部を更に具体的に示したものである。

0056

本図においては、分別装置300は、フッ化反応炉31と、フッ化反応炉31にて発生した揮発性物質を凝縮・回収するコールドトラップ32と、コールドトラップ32にて回収した揮発性物質を水蒸気等(湿潤ガス)により酸化する酸化処理部33と、フッ化反応炉31にて発生した不揮発性の残渣を水蒸気等(湿潤ガス)により酸化する酸化処理部34と、コールドトラップ32に気体として残存する物質を吸収液等に吸収させるオフガス処理部35と、を備えている。ここで、揮発性物質は、U、Pu、微量のFP、ホウ素(B)、炭素(C)、塩素(Cl)等のフッ化物等である。また、不揮発性の残渣は、Zr、FP、MA、ナトリウム(Na)等のフッ化物等である。

0057

コールドトラップ32にて回収される揮発性物質は、U及びPuのフッ化物である。一方、コールドトラップ32で凝縮回収されず気体としてオフガス処理部35に送られるものは、B、C、Cl等のフッ化物やF2等である。

0058

酸化処理部33、34にて得られた酸化物は、所定の処理を行うことにより、長期保管・再処理・最終処分等のあらゆる処分ケースに柔軟に対応することができる。例えば、U及びPuについては、再度、軽水炉等の燃料として用いることが可能である。その他の成分については、ガラス固化処理を行い、廃棄体として最終処分する。このほか、酸化物を適切な混合状態として、長期間保管してもよい。

0059

本実施例においては、図1の計測部11にてフッ化反応部1(反応炉)の温度の上昇速度(温度上昇速度)を検知する。

0060

実施例1においては、反応炉の温度を計測することにより、装置が損傷する温度にならないようにモニタリングする。これに対して、本実施例においては、計測部11にて反応炉の温度及び経過時間の両方を計測し、その経過時間及び温度差から反応炉の温度上昇速度をモニタリングする。

0061

例えば、本発明においては、塊状の燃料デブリを処理するが、処理の過程で塊状試料破砕粉末化した場合、処理対象物の表面積が大きくなることにより急激なフッ化反応が生じ、反応炉の急激な温度上昇を経て所定の温度を飛び越えてしまい、フッ化反応条件制御が追い付かず、反応炉が損傷してしまうことが想定される。

0062

そこで、反応炉の温度上昇速度をモニタリングし、今後の温度上昇傾向予測し、制御部12によりフッ化反応条件をいち早く制御することで、装置の損傷を防ぐことが可能となる。一方で、計測した温度上昇速度が想定より小さくなった場合には、フッ素供給速度を上げることにより、フッ化反応を促進させるような制御も実施可能である。

0063

本実施例は、図1の計測部11にてフッ素の消費量を計測し、処理対象物の反応速度を計測する。本実施例は、実施例2と同じく、反応炉の急激な温度上昇により所定の温度を飛び越えてしまい、フッ化反応条件制御が追い付かず、反応炉が損傷してしまうことを防ぐものである。

0064

具体的には、フッ素の消費量及び経過時間を同時に測定することにより、処理対象物の反応速度を計測する。例えば、処理対象物である燃料デブリは、金属・酸化物が不均質に混合されている物質であるが、金属と酸化物の反応速度が異なることにより、ある時点より急激な発熱が発生し、反応炉の急激な温度上昇により、所定の温度を飛び越えてしまい、フッ化反応条件制御が追い付かず反応炉が損傷してしまうことも想定される。そこで、フッ化反応速度の経過時間をモニタリングすることで、今後のフッ化傾向を予測し、フッ化反応条件をいち早く制御することで、装置の損傷を防ぐことが可能となる。

0065

反応炉のフッ素消費量の計測は、例えば、反応炉の前段部(フッ素ガス、不活性ガス供給部)・後段部(揮発性物質回収部)のインターフェイス境界部)でのフッ素濃度の差分と反応時間を同時に計測することで、その経過時間と濃度差からフッ素消費量を求めることが可能である。フッ素濃度は、フーリエ変換型赤外分光等により計測してもよい。

実施例

0066

また、計測したフッ素消費量より反応速度が想定より小さくなった場合には、フッ素供給速度を上げることにより、フッ化反応を促進させる制御をすることも可能である。

0067

1:フッ化反応部、2:揮発性物質回収部、3:不揮発性物質回収部、4:酸化処理部、5:オフガス処理部、11:計測部、12:制御部、21、22:バルブ、31:フッ化反応炉、32:コールドトラップ、33、34:酸化処理部、35:オフガス処理部、100、300:分別装置。

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