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技術 高速炉及び高速炉の炉心運用方法

出願人 三菱FBRシステムズ株式会社国立大学法人東北大学
発明者 日比宏基小無健司
出願日 2019年2月19日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-027446
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-134296
状態 未査定
技術分野 原子炉燃料及び部品の製造 原子炉、減速部及び炉心部の構造
主要キーワード 運転年数 稼働期間 燃料貯蔵槽 マイナーアクチノイド 透過厚 稼働停止 高速炉燃料 燃料移動
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

使用済ターゲット原子炉容器から取り出すときの崩壊熱下げる。

解決手段

高速炉は、炉心中心領域に収容された炉心燃料51と、中心領域の外側の領域に収容されたブランケット燃料53と、中心領域とブランケット燃料53の収容領域との間の領域に収容され、炉心燃料51から発生した中性子を吸収する、マイナーアクチノイド核変換用の燃料であるターゲット55と、ブランケット燃料53の収容領域の外側の領域に収容された中性子遮蔽体54と、中性子遮蔽体54の収容領域の一部の領域に一時的に収容された、中心領域とブランケット燃料53の収容領域との間の領域に収容された状態で核変換が行われた後のターゲット55である使用済ターゲット56と、を備える。

概要

背景

ウラン燃料原子炉装荷して中性子照射すると、燃焼チェーンにしたがってTRU(TRansUranium elements、超ウラン元素)の核種が生成される。図5は、燃焼チェーン及びTRUの半減期を示す図である。図5に示すように、TRU核種のうち、プルトニウムを除く10元素を示すマイナーアクチノイド(以下、MAともいう。)核種は、半減期が比較的長く、放射性毒性が高い元素が多いことから、放射性廃棄物として貯蔵するには厳重なリスク管理が必要となり、多大な費用を必要とする。

そこで、MA核種を原子炉内に装荷し、MA核種を半減期が短い核種に変換するMA核変換を行うことにより、MA核種を消滅させる技術が研究されている。例えば、特許文献1では、高速炉を用いてMA核変換を効率的に行う技術として、水素化物燃料を収納したMA核変換用の燃料集合体であるターゲット炉心に収容する方法が提案されている。

図6は、従来の高速炉の炉心構成と、特許文献1に開示されている高速炉の炉心構成の例を示す図である。図6(a)は、従来の高速炉の炉心構成を示し、図6(b)は、特許文献1に開示されているMA核変換を効率的に行う高速炉の炉心構成を示している。図6(b)に示すように、MA核変換を効率的に行う高速炉は、従来の高速炉において設けられている炉心燃料領域と、ブランケット燃料領域との間の領域にターゲットが収容されている。これにより、ターゲットにおいてMA核変換が行われ、MA核種を効率的に消滅させることができる。

概要

使用済ターゲット原子炉容器から取り出すときの崩壊熱下げる。高速炉は、炉心の中心領域に収容された炉心燃料51と、中心領域の外側の領域に収容されたブランケット燃料53と、中心領域とブランケット燃料53の収容領域との間の領域に収容され、炉心燃料51から発生した中性子を吸収する、マイナーアクチノイドの核変換用の燃料であるターゲット55と、ブランケット燃料53の収容領域の外側の領域に収容された中性子遮蔽体54と、中性子遮蔽体54の収容領域の一部の領域に一時的に収容された、中心領域とブランケット燃料53の収容領域との間の領域に収容された状態で核変換が行われた後のターゲット55である使用済ターゲット56と、を備える。

目的

本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、使用済ターゲットを原子炉容器から取り出すときの崩壊熱を下げることができる高速炉及び高速炉の運用方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

炉心中心領域に収容された炉心燃料と、前記中心領域の外側の領域に収容されたブランケット燃料と、前記中心領域と前記ブランケット燃料の収容領域との間の領域に収容され、前記炉心燃料から発生した中性子を吸収する、マイナーアクチノイド核変換用の燃料であるターゲットと、前記ブランケット燃料の収容領域の外側の領域に収容された中性子遮蔽体と、前記中性子遮蔽体の収容領域の一部の領域に一時的に収容された、前記中心領域と前記ブランケット燃料の収容領域との間の領域に収容された状態で核変換が行われた後の前記ターゲットである使用済ターゲットと、を備える高速炉

請求項2

前記ターゲットは、水素化物燃料を含む、請求項1に記載の高速炉。

請求項3

前記使用済ターゲットは、前記中性子遮蔽体の収容領域のうち、原子炉容器室に設置された中性子計装と前記炉心燃料とを結ぶ直線上に位置する収容領域と異なる収容領域に一時的に収容される、請求項1又は2に記載の高速炉。

請求項4

複数の前記ターゲットは、複数の異なる時期に前記炉心燃料と前記ブランケット燃料との間に収容され、前記中性子遮蔽体の収容領域の一部の領域に収容されている前記使用済ターゲットを炉心から取り出し、複数の前記ターゲットのうち、前記炉心燃料の収容領域と前記ブランケット燃料の収容領域との間の領域に所定期間にわたって収容されたターゲットを当該領域から取り出して、新たな使用済ターゲットとして前記中性子遮蔽体の収容領域の一部の領域に収容し、新たな前記ターゲットを、前記炉心燃料の収容領域と前記ブランケット燃料の収容領域との間の領域に収容する燃料移動装置をさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の高速炉。

請求項5

高速炉の炉心の中心領域に収容された炉心燃料と、前記中心領域の外側に収容されたブランケット燃料と、前記ブランケット燃料の収容領域の外側の領域に収容された中性子遮蔽体とを備える高速炉において、前記中心領域と、前記ブランケット燃料の収容領域との間の領域に、前記炉心燃料から発生した中性子を吸収する、マイナーアクチノイドの核変換用の燃料であるターゲットを収容するステップと、前記中心領域と、前記ブランケット燃料の収容領域との間の領域に所定期間にわたって収容された状態で核変換が行われた前記ターゲットを使用済ターゲットとして取り出すステップと、取り出された前記使用済ターゲットを前記ブランケット燃料の収容領域の外側に収容された前記中性子遮蔽体の収容領域の一部の領域に収容するステップと、を含む、高速炉の炉心運用方法

技術分野

0001

本発明は、マイナーアクチノイド消滅するのに好適な高速炉及び高速炉の炉心運用方法に関する。

背景技術

0002

ウラン燃料原子炉装荷して中性子照射すると、燃焼チェーンにしたがってTRU(TRansUranium elements、超ウラン元素)の核種が生成される。図5は、燃焼チェーン及びTRUの半減期を示す図である。図5に示すように、TRU核種のうち、プルトニウムを除く10元素を示すマイナーアクチノイド(以下、MAともいう。)核種は、半減期が比較的長く、放射性毒性が高い元素が多いことから、放射性廃棄物として貯蔵するには厳重なリスク管理が必要となり、多大な費用を必要とする。

0003

そこで、MA核種を原子炉内に装荷し、MA核種を半減期が短い核種に変換するMA核変換を行うことにより、MA核種を消滅させる技術が研究されている。例えば、特許文献1では、高速炉を用いてMA核変換を効率的に行う技術として、水素化物燃料を収納したMA核変換用の燃料集合体であるターゲットを炉心に収容する方法が提案されている。

0004

図6は、従来の高速炉の炉心構成と、特許文献1に開示されている高速炉の炉心構成の例を示す図である。図6(a)は、従来の高速炉の炉心構成を示し、図6(b)は、特許文献1に開示されているMA核変換を効率的に行う高速炉の炉心構成を示している。図6(b)に示すように、MA核変換を効率的に行う高速炉は、従来の高速炉において設けられている炉心燃料領域と、ブランケット燃料領域との間の領域にターゲットが収容されている。これにより、ターゲットにおいてMA核変換が行われ、MA核種を効率的に消滅させることができる。

先行技術

0005

特許第3384718号公報

発明が解決しようとする課題

0006

MA核変換を行うターゲットに含まれる核燃料物質としては、ウラン又はプルトニウムから直接生成されるネプチニウム(Np)やアメリシウム(Am)の含有率が高い。炉心に収容されたターゲットによりMA核変換が行われると、燃焼チェーンにしたがってAm−241からキュリウム(特にCm−242)が多く生成される。一般的にキュリウム(特にCm−242)の単位重量あたり崩壊熱は他のTRUより高いため、使用済ターゲットの崩壊熱は、通常の高速炉燃料の崩壊熱に比べて高くなる。そのため、通常の高速炉の使用済炉心燃料の崩壊熱は1kW/集合体程度であるが、使用済ターゲットの崩壊熱は数十kW/集合体になる場合がある。ただし、Cm−242の半減期は162.94日であり、他のTRUの半減期に比べて短いため、原子炉停止直後には崩壊熱が高い場合でも、100日オーダーでCm−242は急速に減衰する。

0007

日本国内において実績がある使用済燃料の貯蔵方式は、使用済燃料を原子炉容器外で貯蔵するEVS(Ex-Vessel Storage)方式である。EVS方式により使用済燃料を貯蔵する場合、所定の照射期間に達した使用済燃料は、原子炉の定期検査期間中に実施される燃料交換作業により原子炉容器から取り出され、炉外燃料貯蔵槽移送される。使用済燃料は、崩壊熱が発生していることから、炉外燃料貯蔵槽への移送中も除熱する必要がある。MA核変換用燃料は、一般的に崩壊熱が高くなるため、OECD/NEA報告書では、40kW/集合体以下とすることが推奨されている。

0008

MA核変換を行うターゲットの場合では、使用済ターゲットの崩壊熱の主発熱源はCm−242であり、原子炉停止後に燃料交換が開始される時期において、Cm−242が崩壊熱の発生に約90%〜95%寄与している。そのため、原子炉から使用済ターゲットを取り出す時点で、OECD/NEA報告書において推奨されている40kW/集合体の条件を満たすには、使用済ターゲット中のCm−242を290g/集合体未満とすることが目安となる。

0009

そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、使用済ターゲットを原子炉容器から取り出すときの崩壊熱を下げることができる高速炉及び高速炉の運用方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明の第1の態様に係る高速炉は、炉心の中心領域に収容された炉心燃料と、前記中心領域の外側の領域に収容されたブランケット燃料と、前記中心領域と前記ブランケット燃料の収容領域との間の領域に収容され、前記炉心燃料から発生した中性子を吸収する、マイナーアクチノイドの核変換用の燃料であるターゲットと、前記ブランケット燃料の収容領域の外側の領域に収容された中性子遮蔽体と、前記中性子遮蔽体の収容領域の一部の領域に一時的に収容された、前記中心領域と前記ブランケット燃料の収容領域との間の領域に収容された状態で核変換が行われた後の前記ターゲットである使用済ターゲットと、を備える。

0011

前記ターゲットは、水素化物燃料を含むことが好ましい。
前記使用済ターゲットは、前記中性子遮蔽体の収容領域のうち、原子炉容器室に設置された中性子計装と前記炉心燃料とを結ぶ直線上に位置する収容領域と異なる収容領域に一時的に収容されることが好ましい。

0012

複数の前記ターゲットは、複数の異なる時期に前記炉心燃料と前記ブランケット燃料との間に収容され、前記高速炉は、前記中性子遮蔽体の収容領域の一部の領域に収容されている前記使用済ターゲットを炉心から取り出し、複数の前記ターゲットのうち、前記炉心燃料の収容領域と前記ブランケット燃料の収容領域との間の領域に所定期間にわたって収容されたターゲットを当該領域から取り出して、新たな使用済ターゲットとして前記中性子遮蔽体の収容領域の一部の領域に収容し、新たな前記ターゲットを、前記炉心燃料の収容領域と前記ブランケット燃料の収容領域との間の領域に収容する燃料移動装置をさらに備えてもよい。

0013

本発明の第2の態様に係る高速炉の炉心運用方法は、高速炉の炉心の中心領域に収容された炉心燃料と、前記中心領域の外側に収容されたブランケット燃料と、前記ブランケット燃料の収容領域の外側の領域に収容された中性子遮蔽体とを備える高速炉において、前記中心領域と、前記ブランケット燃料の収容領域との間の領域に、前記炉心燃料から発生した中性子を吸収する、マイナーアクチノイドの核変換用の燃料であるターゲットを収容するステップと、前記中心領域と、前記ブランケット燃料の収容領域との間の領域に所定期間にわたって収容された状態で核変換が行われた前記ターゲットを使用済ターゲットとして取り出すステップと、取り出された前記使用済ターゲットを前記ブランケット燃料の収容領域の外側に収容された前記中性子遮蔽体の収容領域の一部の領域に収容するステップと、を含む。

発明の効果

0014

本発明によれば、使用済ターゲットを原子炉容器から取り出すときの崩壊熱を下げることができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0015

本実施形態に係る高速炉の構成を示す図である。
本実施形態に係る高速炉の炉心の構成を示す図である。
ターゲット収容領域にターゲットを収容してから3サイクル経過後に使用済ターゲットに照射される全中性子束に応じたCm−242の重量の変化のシミュレーション結果を示す図である。
使用済ターゲットに照射される全中性子束に応じたCm−242の重量の減衰率のシミュレーション結果を示す図である。
燃焼チェーン及びTRUの半減期を示す図である。
従来の高速炉の炉心構成と、特許文献1に開示されている高速炉の炉心構成の例を示す図である。

実施例

0016

図1は、本実施形態に係る高速炉100の構成を示す図である。高速炉100は、原子炉容器室1と、コンクリート壁2と、中性子計装3と、原子炉容器4、燃料移動装置(不図示)とを備える。

0017

原子炉容器室1は、コンクリート壁2に囲まれており、例えば、図1に示すように、相対的に狭い3つの壁面と、相対的に広い3つの壁面とにより形成されている。原子炉容器室1は、中性子計装3と、原子炉容器4とが設けられている。

0018

中性子計装3は、例えば原子炉容器室1の相対的に広い3つの壁面の壁際に設けられており、原子炉容器4内で発生した中性子束を検出する。本実施形態では、中性子計装3として、中性子計装30〜39が設けられている。中性子計装30、32、35は、第1の壁面の壁際に並べて設けられている。中性子計装31、34、37は、第2の壁面の壁際に並べて設けられている。中性子計装33、36、38、39は、第3の壁面の壁際に並べて設けられている。

0019

中性子計装30、31は線源領域系の中性子計装であり、中性子計装32〜34は広域系の中性子計装である。中性子計装35〜39は出力領域系の中性子計装である。中性子計装35〜37は、安全保護系用の中性子計装であり、中性子計装38、39は、計測制御系用の中性子計装である。

0020

原子炉容器4は、炉心5を有する。図2は、本実施形態に係る高速炉100の炉心5の構成を示す図である。図2に凡例で示すように、炉心5は、炉心燃料51と、制御棒52と、ブランケット燃料53と、中性子遮蔽体54と、ターゲット55と、使用済ターゲット56とを備える。炉心燃料51、制御棒52、ブランケット燃料53、中性子遮蔽体54、ターゲット55、及び使用済ターゲット56のそれぞれは、断面形状が六角形ラッパ管内に収容され、集合体として扱われ、各領域に設けられている収容部に収容される。図2に示す炉心燃料51、制御棒52、ブランケット燃料53、中性子遮蔽体54、ターゲット55、及び使用済ターゲット56のそれぞれに対応する六角形は、それぞれ1つの集合体を示している。なお、以下の説明において、領域に設けられている収容部に収容することを略して、「領域に収容する」という。

0021

炉心燃料51は、炉心5の中心領域に収容されている。制御棒52は、炉心5の中心領域の一部に設けられており、制御装置(不図示)により、炉心燃料51の間への挿入量が制御される。これにより、炉心燃料51の核分裂が制御される。

0022

ブランケット燃料53は、炉心燃料51に比べて核分裂性物質の含有率が低い燃料であり、劣化ウランを含んでいる。ブランケット燃料53は、核分裂性物質(例えば、プルトニウム)の生成を目的として、炉心5の中心領域の外側の領域に収容されている。ブランケット燃料53に含まれている劣化ウランが、炉心燃料51から発生した中性子を吸収すると、劣化ウラン中のU−238がPu−239に変換され、新たな燃料となる。

0023

中性子遮蔽体54は、炉心燃料51から発生した中性子が外部に漏れることを抑制するために設けられており、ブランケット燃料53の収容領域の外側の領域に収容されている。中性子遮蔽体54は、例えば、鉄又は水素材料を含む。

0024

ターゲット55は、炉心5の中心領域とブランケット燃料53の収容領域との間の領域であるターゲット収容領域に収容される。ターゲット55は、炉心燃料51から発生した中性子を吸収する、MAの核変換用の燃料である。ターゲット55は、水素化物燃料を含んでいる。水素化物燃料に含まれる水素が、炉心燃料51から発生した中性子を減速させることにより、ターゲット55に含まれるMAが中性子を吸収する反応を起こす確率が大きくなる。これにより、ターゲット55における核変換を促進することができ、MAの消滅率を高めることができる。

0025

本実施形態において、複数のターゲット55は、複数の異なる時期にターゲット収容領域に収容され、所定期間にわたってターゲット収容領域に収容される。例えば、高速炉100における1回の稼働期間を約120日、定期点検や燃料交換等が行われる1回の稼働停止期間を約30日とし、1回の稼働期間及び稼働停止期間をまとめて1サイクルとする。ターゲット55は、3サイクルにわたってターゲット収容領域に収容され、3サイクル目の稼働停止期間において、ターゲット収容領域から取り出される。

0026

使用済ターゲット56は、炉心5の中心領域と、ブランケット燃料53の収容領域との間のターゲット収容領域に収容された状態でマイナーアクチノイドの核変換が行われた後のターゲット55である。使用済ターゲット56は、中性子遮蔽体54の収容領域の一部の領域である一時貯蔵領域に一時的に収容されている。使用済ターゲット56は、中性子遮蔽体54の収容領域のうち、原子炉容器室1に設置された中性子計装3と、炉心燃料51とを結ぶ直線上に位置する収容領域と異なる一部の領域である一時貯蔵領域に一時的に収容される。このようにすることで、使用済ターゲット56が中性子を吸収することにより中性子計装3における中性子束の測定結果に影響を与えることを抑制することができる。

0027

なお、図2に示す例では、複数の使用済ターゲット56は、それぞれ隣接しないように収容されているが、それぞれが隣接するように収容されていてもよい。また、複数の使用済ターゲット56は、中性子遮蔽体54の収容領域のうち、最外層の領域に収容されていてもよいし、最内層の領域に収容されていてもよい。

0028

燃料移動装置は、炉心燃料51、ブランケット燃料53、中性子遮蔽体54、ターゲット55及び使用済ターゲット56の移動を行う装置である。具体的には、燃料移動装置は、高速炉100の稼働停止期間において、中性子遮蔽体54の収容領域の一部の領域に収容されている使用済ターゲット56を炉心5から取り出して、原子炉容器4の外部に移動する。続いて、燃料移動装置は、複数のターゲット55のうち、ターゲット収容領域に所定期間(3サイクル)にわたって収容されたターゲット55を当該領域から取り出して、新たな使用済ターゲット56として、中性子遮蔽体の収容領域のうち一部の領域に収容する。燃料移動装置は、新たなターゲット55をターゲット収容領域に収容する。

0029

使用済ターゲット56の一時貯蔵領域への収容期間は、崩壊熱が十分に下がることを考慮して、例えば1サイクル又は2サイクルとされる。図3は、ターゲット収容領域にターゲット55を収容してから3サイクル経過後に、使用済ターゲット56に照射される全中性子束に応じたCm−242の重量の変化のシミュレーション結果を示す図である。図3に示す横軸は、原子炉容器4内におけるターゲット55の収容期間を示し、縦軸は、Cm−242の重量を示している。また、図3の相対中性子束は、ターゲット収容領域に収容されているターゲット55に照射される集合体平均の全中性子束を1.0とした場合の、使用済ターゲット56に照射される集合体平均の全中性子束の比率を示している。図3では、相対中性子束が0.0倍、0.1倍、0.2倍、0.5倍、1.0倍であるときのCm−242の重量の変化を示している。

0030

図3において、3サイクル目までの期間は、ターゲット55がターゲット収容領域に収容されている期間であり、4サイクル目からの期間は、当該ターゲット55が使用済ターゲット56として一時貯蔵領域に収容されている期間に対応する期間である。また、縦軸は、1集合体当たりのCm−242の重量である。図3では、OECD/NEA報告書における推奨値に対応する290g/集合体に対応するCm−242の重量を一点鎖線で示す。

0031

また、図3に示す1サイクル〜3サイクルにおいて、Cm−242の重量が増加する期間は、高速炉100の稼働期間であり、Cm−242の重量が減少する期間は、高速炉100の稼働停止期間である。

0032

図3に示すように、3サイクル目の稼働停止期間にターゲット55を使用済ターゲット56としてターゲット収容領域より全中性子束が低い領域に収容することにより、ターゲット55がターゲット収容領域に収容されている場合(図3の相対中性子束が1.0倍の場合に同じ)に比べて、Cm−242の重量が減少する。例えば、使用済ターゲット56を相対中性子束が0.1倍となる一時貯蔵領域に1サイクルにわたって収容した場合、3サイクル目の稼働停止期間初期のCm−242の重量が450g/集合体である場合において、Cm−242を約260g/集合体まで減少させることができ、2サイクルにわたって収容した場合には、Cm−242を約160g/集合体まで減少させることができる。このように使用済ターゲット56を、相対中性子束が0.2倍以下となる一時貯蔵領域に収容することにより、OECD/NEA報告書における推奨値に対応する290g/集合体以下になるまでCm−242が減少した後に、使用済ターゲット56を原子炉容器4から取り出すことができる。

0033

比較例として、一時貯蔵領域に照射される全中性子束が異なる場合に対し、ターゲット55を一時貯蔵領域に収容させた場合のCm−242の重量の変化について説明する。図4は、使用済ターゲット56に照射される全中性子束に応じたCm−242の重量の減衰率のシミュレーション結果を示す図である。図4は、ターゲット55を3サイクルの間ターゲット収容領域に収容したのち、使用済ターゲット56に照射される集合体平均の全中性子束に応じた、Cm−242の重量の変化のシミュレーション結果を示している。図4に示す横軸は、ターゲット収容領域の集合体平均の全中性子束を1.0とした場合の一時貯蔵領域で照射されるとした集合体平均の全中性子束であり、縦軸は、稼働停止期間初期を1.0とした場合の1集合体当たりのCm−242の重量である。図4では、一時貯蔵領域での収容期間を1サイクル及び2サイクルでのCm−242の重量の変化を示している。

0034

図4に示すように、一時貯蔵領域での全中性子束がターゲット収容領域の0.3倍程度であれば、一時貯蔵領域に使用済ターゲット56を2サイクル収容することにより、Cm−242の重量を1/2以下とすることができる。また、使用済ターゲット56を1サイクル収容した場合でも、Cm−242の重量を2/3以下とすることができる。一時貯蔵領域での全中性子束をターゲット収容領域の0.3倍程度とすることは、ブランケット燃料あるいはステンレス鋼であれば、ターゲット収容領域と一時貯蔵領域の間に、透過厚さ約20cmの中性子遮蔽物として設けることで達成できる。図2において、中性子遮蔽体54の最内層は、集合体平均の全中性子束がターゲット収容領域の0.3倍を下回る。また、中性子遮蔽体の透過厚さ10cmで集合体平均の全中性子束が約2/3倍となるので、中性子遮蔽体の内側第2層から外側の層は、集合体平均の全中性子束がターゲット収容領域の0.2倍を下回る。

0035

[本実施形態における効果]
以上のとおり、本実施形態に係る高速炉100は、炉心5の中心領域とブランケット燃料53の収容領域との間の領域に収容され、炉心燃料51から発生した中性子を吸収するターゲット55と、ブランケット燃料の収容領域の外側の領域に収容された中性子遮蔽体54の収容領域の一部の領域に一時的に収容された使用済ターゲット56とを備える。このようにすることで、高速炉100は、マイナーアクチノイドを効率的に消滅させるとともに、使用済ターゲット56を原子炉容器4から取り出すときの崩壊熱を下げることができる。

0036

例えば、高速炉が270MWe級高速炉であり、炉停止10日後における崩壊熱に対する制限値(Cm−242の重量換算で290g/集合体)を満たすことを条件として高速炉を運用した場合、ターゲット55をターゲット収容領域に収容し続け、一時貯蔵領域に収納させないで使用済ターゲット56を炉心5から取り出すとすると、ターゲットでのAmの年間消滅量は、高速炉1基あたり約73kg/全出力運転年数と評価される。これに対し、本実施形態に係る高速炉100は、相対中性子束が0.1倍の一時貯蔵領域に使用済ターゲット56を1サイクル収容すると、図4に示すように、Cm−242が約0.6倍に減衰するので、Amの年間消滅量を高速炉1基あたり約120kg/全出力運転年数まで許容することができる。また、本実施形態に係る高速炉100は、相対中性子束が0.1倍の一時貯蔵領域に使用済ターゲット56を2サイクル収容すると、図4に示すように、Cm−242が約0.35倍に減衰するので、Amの年間消滅量を高速炉1基あたり約210kg/全出力運転年数まで許容することができる。

0037

また、Amの実際の年間消滅量の目標量が、例えば高速炉1基あたり120kg/全出力運転年数である場合には、一時貯蔵領域で2サイクル収容後の使用済ターゲット56の崩壊熱はOECD/NEA報告書における推奨値の約0.6倍以下となるので、この余裕燃料移送設備の除熱容量、除熱機能喪失時対応設備の合理化裕度拡大に反映することができ、燃料移送設備の設備コストの低減、あるいは安全性の向上に資することができる。

0038

また、ターゲット55は、ターゲット収容領域に3サイクルにわたって収容され、その後、使用済ターゲット56として中性子遮蔽体54の収容領域の一部の一時貯蔵領域に一時的に収容される。ターゲット収容領域に3サイクルにわたってターゲット55を収容した場合、ターゲット55に対する中性子の照射量は、50dpa(displacements per atom)未満となる。ターゲット55の構造材として想定しているPNC316鋼相当のオーステナイト系ステンレス鋼は、中性子照射量が50dpa未満であれば、中性子照射によるスエリングが顕著に表れない。よって、本実施形態に係る高速炉100の運用方法では、ターゲット55をターゲット収容領域に3サイクルにわたって収容した後に一時貯蔵領域に移動することで、ターゲット55に中性子照射によるスエリングが顕著に表れることを抑制し、ターゲット55の外形の変形を少量に抑えることができる。

0039

また、使用済ターゲット56は、中性子遮蔽体54の収容領域のうち、原子炉容器室1に設置された中性子計装3と、炉心燃料51とを結ぶ直線上に位置する収容領域と異なる一部の領域である一時貯蔵領域に収容される。このようにすることで、中性子計装3における中性子束の測定結果に影響を与えることを抑制することができる。

0040

また、使用済ターゲット56の一時貯蔵領域への収容期間は、崩壊熱が十分に下がることを考慮して、例えば1サイクル又は2サイクルとされる。収容期間が1サイクルである場合、燃料移動装置は、古い使用済ターゲット56が取り出された位置に、新たな使用済ターゲット56を収容することができる。また、収容期間が2サイクルである場合、全ての使用済ターゲット56を、中性子遮蔽体54の収容領域のうち、中性子計装3と、炉心燃料51とを結ぶ直線上に位置する収容領域と異なる領域に収容することができる。したがって、本実施形態に係る高速炉100の運用方法では、原子炉容器4の設計を変更することなく原子炉容器4内に使用済ターゲット56を収納することができる。

0041

以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。

0042

1原子炉容器室
2コンクリート壁
3中性子計装
4 原子炉容器
5炉心
51炉心燃料
52制御棒
53ブランケット燃料
54中性子遮蔽体
55ターゲット
56使用済ターゲット
100 高速炉

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