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技術 車両用自動変速機の油圧制御装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 小川仁志
出願日 2019年2月13日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-023967
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-133672
状態 未査定
技術分野 伝動装置(歯車、巻掛け、摩擦)の制御 流体伝動装置の制御
主要キーワード 冷却ポート 連絡ポート プライマリバルブ 目標差回転 ロックアップ領域線図 エアーコンディショナー ロックアップソレノイドバルブ 係合側
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

エンジンストールの発生を好適に抑制することができる車両用自動変速機油圧制御装置を提供する。

解決手段

自動変速機18内の内部損失トルクTtmlossとエンジン12の出力可能トルクTecaとをそれぞれ推定して、エンジン12の出力可能トルクTecaが内部損失トルクTtmlossに比べて小さい場合には、トルクコンバータ16を低圧状態切り替える。このため、エンジン12の出力可能トルクTecaが自動変速機18内の内部損失トルクTtmlossより小さくエンジンストールが発生する可能性が高い場合には、トルクコンバータ16の内部の圧力が相対的に低くなる。これによって、トルクコンバータ16が伝達することのできるトルクが低下してエンジン12への負荷が低下するので、エンジンストールの発生を好適に抑制することができる。

概要

背景

(a)エンジンに連結された流体伝動装置を有する車両用自動変速機に関して、(b)前記流体伝動装置の内部の圧力を相対的に高くする高圧状態と前記流体伝動装置の内部の圧力を相対的に低くする低圧状態とに切り替える車両用自動変速機の油圧制御装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用自動変速機の油圧制御装置がそれである。なお、上記特許文献1では、作動油所定温度以下の低油温であり且つシフトレンジ非駆動レンジから駆動レンジに切り替えられると、リレーバルブロックアップオン側に切り替えられて、流体伝動装置内すなわちトルクコンバータ内ライン圧に比べて十分低い圧力のモジュレータ圧を供給することが記載されている。これにより、トルクコンバータ内の油圧が相対的に低くなりトルクコンバータの引き摺りトルクが低減されるので、非駆動レンジから駆動レンジに切り替えられたときのエンジンストールの発生が好適に抑制される。

概要

エンジンストールの発生を好適に抑制することができる車両用自動変速機の油圧制御装置を提供する。自動変速機18内の内部損失トルクTtmlossとエンジン12の出力可能トルクTecaとをそれぞれ推定して、エンジン12の出力可能トルクTecaが内部損失トルクTtmlossに比べて小さい場合には、トルクコンバータ16を低圧状態に切り替える。このため、エンジン12の出力可能トルクTecaが自動変速機18内の内部損失トルクTtmlossより小さくエンジンストールが発生する可能性が高い場合には、トルクコンバータ16の内部の圧力が相対的に低くなる。これによって、トルクコンバータ16が伝達することのできるトルクが低下してエンジン12への負荷が低下するので、エンジンストールの発生を好適に抑制することができる。

目的

本発明は、以上の事情背景として為されたものであり、その目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

エンジンに連結された流体伝動装置を有する車両用自動変速機油圧制御装置であって、前記流体伝動装置の内部の圧力を相対的に高くする高圧状態と前記流体伝動装置の内部の圧力を相対的に低くする低圧状態とに切り替え可能であり、前記自動変速機内内部損失トルクと前記エンジンの出力可能トルクとをそれぞれ推定して、前記エンジンの出力可能トルクが前記内部損失トルクに比べて小さい場合には、前記流体伝動装置を前記低圧状態に切り替えることを特徴とする車両用自動変速機の油圧制御装置。

技術分野

0001

本発明は、エンジンに連結された流体伝動装置を有する車両用自動変速機油圧制御装置に関し、エンジンストールの発生を好適に抑制する技術に関する。

背景技術

0002

(a)エンジンに連結された流体伝動装置を有する車両用自動変速機に関して、(b)前記流体伝動装置の内部の圧力を相対的に高くする高圧状態と前記流体伝動装置の内部の圧力を相対的に低くする低圧状態とに切り替える車両用自動変速機の油圧制御装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用自動変速機の油圧制御装置がそれである。なお、上記特許文献1では、作動油所定温度以下の低油温であり且つシフトレンジ非駆動レンジから駆動レンジに切り替えられると、リレーバルブロックアップオン側に切り替えられて、流体伝動装置内すなわちトルクコンバータ内ライン圧に比べて十分低い圧力のモジュレータ圧を供給することが記載されている。これにより、トルクコンバータ内の油圧が相対的に低くなりトルクコンバータの引き摺りトルクが低減されるので、非駆動レンジから駆動レンジに切り替えられたときのエンジンストールの発生が好適に抑制される。

先行技術

0003

特開2017−203527号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、特許文献1の車両用自動変速機の油圧制御装置では、シフトレンジが非駆動レンジから駆動レンジに切り替えられ発進クラッチ係合が完了すると、リレーバルブがロックアップオフ側に切り替えられることが記載されており、非駆動レンジから駆動レンジに切り替えられた後は、トルクコンバータ内に前記ライン圧が供給されてトルクコンバータ内の油圧が相対的に高くなる。このため、例えば非駆動レンジから駆動レンジに切り替えられ車両が停止した状態から加速するとき等に、エンジンへの負荷が増加してエンジンストールが発生する可能性が高くなるという問題があった。

0005

本発明は、以上の事情背景として為されたものであり、その目的とするところは、エンジンストールの発生を好適に抑制することができる車両用自動変速機の油圧制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

第1発明の要旨とするところは、(a)エンジンに連結された流体伝動装置を有する車両用自動変速機の油圧制御装置であって、(b)前記流体伝動装置の内部の圧力を相対的に高くする高圧状態と前記流体伝動装置の内部の圧力を相対的に低くする低圧状態とに切り替え可能であり、(c)前記自動変速機内内部損失トルクと前記エンジンの出力可能トルクとをそれぞれ推定して、前記エンジンの出力可能トルクが前記内部損失トルクに比べて小さい場合には、前記流体伝動装置を前記低圧状態に切り替えることにある。

発明の効果

0007

第1発明によれば、前記自動変速機内の内部損失トルクと前記エンジンの出力可能トルクとをそれぞれ推定して、前記エンジンの出力可能トルクが前記内部損失トルクに比べて小さい場合には、前記流体伝動装置を前記低圧状態に切り替える。このため、前記エンジンの出力可能トルクが前記自動変速機内の内部損失トルクより小さくエンジンストールが発生する可能性が高い場合には、前記流体伝動装置の内部の圧力が相対的に低くなる。これによって、前記流体伝動装置が伝達することのできるトルクが低下して前記エンジンへの負荷が低下するので、エンジンストールの発生を好適に抑制することができる。

図面の簡単な説明

0008

本発明が好適に適用された車両の構成を概略的に説明する図である。
図1の車両に設けられた油圧制御回路の構成を説明する図である。
図1の車両に設けられた電子制御装置において、非駆動レンジから駆動レンジに切り替えられ車両が停止した状態から加速するときにおける制御作動の一例を説明するフローチャートである。

0009

以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。

0010

図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図である。図1に示すように、車両10には、駆動力源として機能するエンジン12と、エンジン12から出力される駆動力を図示しない駆動輪へ伝達する動力伝達装置14と、が備えられている。動力伝達装置14は、例えばトルクコンバータ(流体伝動装置)16を有する自動変速機(車両用自動変速機)18等を備えている。

0011

トルクコンバータ16は、図1に示すように、エンジン12のクランク軸12aに動力伝達可能に連結されたポンプ翼車16pと、自動変速機18の変速部18aの入力軸18bに動力伝達可能に連結されたタービン翼車16tと、一方向クラッチを介して変速機ケース(図示しない)に動力伝達可能に連結されたステータ翼車16sと、を備えている。また、トルクコンバータ16には、ポンプ翼車16pとタービン翼車16tとの間の動力伝達経路に、直結クラッチであるロックアップクラッチ20が設けられている。

0012

図2は、トルクコンバータ16を有する自動変速機18を制御する油圧制御回路22の構成を説明する図である。油圧制御回路22は、図2に示すように、オイルポンプ24と、プライマリレギュレータバルブ26(以下、プライマリバルブ26と称す)と、ロックアップリレーバルブ28(以下、リレーバルブ28と称す)と、ON−OFFソレノイドバルブSLと、ロックアップソレノイドバルブSLUと、サーキュレーションモジュレータバルブ30(以下、モジュレータバルブ30)と、を備えている。なお、プライマリバルブ26は、オイルポンプ24から吐出される油圧を元圧にしてライン圧PL調圧する。また、リレーバルブ28は、ロックアップクラッチ20を係合側(ロックアップオン側)と解放側(ロックアップオフ側)との一方に切り替える。また、ON−OFFソレノイドバルブSLは、リレーバルブ28を切り替えるための切替圧PSLを出力する。また、ロックアップソレノイドバルブSLUは、リレーバルブ28がロックアップオン側に切り替えられた状態のときに、ロックアップクラッチ20の係合圧を制御する。また、モジュレータバルブ30は、リレーバルブ28がロックアップオン側に切り替えられた状態のときに、トルクコンバータ16の内部へ供給されるモジュレータ圧PMを調圧する。

0013

トルクコンバータ16は、図2に示すように、作動油供給ポート16aと、作動油流出ポート16bと、制御油室16cと、を備えている。なお、作動油供給ポート16aは、トルクコンバータ16の内部に作動油を供給する。また、作動油流出ポート16bは、作動油供給ポート16aからトルクコンバータ16の内部に流入した作動油をトルクコンバータ16から流出する。また、制御油室16cは、ロックアップクラッチ20の係合状態を制御する。このように構成されたトルクコンバータ16では、制御油室16cに供給される作動油の油圧が、トルクコンバータ16の内部に流入する作動油の油圧より高くなると、ロックアップクラッチ20が完全係合またはスリップ係合する。また、制御油室16cに供給される作動油の油圧が、トルクコンバータ16の内部に流入する作動油の油圧より低くなると、ロックアップクラッチ20が解放する。

0014

リレーバルブ28は、ロックアップクラッチ20を係合(またはスリップ係合)するロックアップオン側と、ロックアップクラッチ20を解放するロックアップオフ側とに切り替えるための切替バルブである。なお、図2において、一点鎖線で示す中心線Lよりも左側に示すリレーバルブ28は、リレーバルブ28がロックアップオフ側に切り替えられた状態を示し、中心線Lよりも右側に示すリレーバルブ28は、リレーバルブ28がロックアップオン側に切り替えられた状態を示している。

0015

リレーバルブ28は、図2に示すように、スプール弁子28aと、第1入力ポート28bと、第2入力ポート28cと、第1出力ポート28dと、第2出力ポート28eと、油室28fと、制御ポート28gと、第1連絡ポート28hと、第2連絡ポート28iと、冷却ポート28jと、ドレンポート28kと、スプリング28lと、を備えている。なお、スプール弁子28aは、それぞれのポート連通状態を切り替える。また、第1入力ポート28bには、ライン圧PLが供給される。また、第2入力ポート28cには、モジュレータ圧PMが供給される。また、第1出力ポート28dは、トルクコンバータ16の作動油供給ポート16aに接続されている。また、第2出力ポート28eは、トルクコンバータ16の制御油室16cに接続されている。また、油室28fには、ON−OFFソレノイドバルブSLから出力される切替圧PSLが供給される。また、第1連絡ポート28hは、トルクコンバータ16の作動油流出ポート16bに接続されている。また、第2連絡ポート28iは、トルクコンバータ16の作動油流出ポート16bに接続されている。また、冷却ポート28jは、オイルクーラー32(図2参照)に接続されている。また、スプリング28lは、スプール弁子28aをリレーバルブ28がロックアップオフ側に切り替わるように付勢する。

0016

以上のように構成された油圧制御回路22では、ON−OFFソレノイドバルブSLから切替圧PSLが出力されないと、スプール弁子28aがスプリング28lの付勢力によって図2に示すように中心線Lよりも左側に示す位置に切り替えられる。すなわち、スプリング28lの付勢力によってリレーバルブ28がロックアップオフ側に切り替えられる。このため、図2に示すように、第1入力ポート28bと第1出力ポート28dとが連通させられ、且つ第2出力ポート28eと第1連絡ポート28hとが連通させられ、且つ第2連絡ポート28iと冷却ポート28jとが連通させられる。

0017

第1入力ポート28bと第1出力ポート28dとが連通させられると、第1入力ポート28bに供給されるライン圧PLが、第1出力ポート28dを経由してトルクコンバータ16の作動油供給ポート16aに供給される。また、第2出力ポート28eと第1連絡ポート28hとが連通させられると、トルクコンバータ16の作動油流出ポート16bが、第1連絡ポート28hおよび第2出力ポート28eを介して制御油室16cに接続されるので、作動油流出ポート16bから流出された作動油が、制御油室16cに供給される。これによって、トルクコンバータ16の制御油室16cに供給される作動油の油圧は、作動油供給ポート16aからトルクコンバータ16の内部に供給されるライン圧PLよりも低圧となるので、ロックアップクラッチ20が解放する。

0018

また、油圧制御回路22では、ON−OFFソレノイドバルブSLから切替圧PSLが出力されると、スプール弁子28aがスプリング28lの付勢力に抗して図2に示すように中心線Lよりも右側に示す位置に切り替えられる。すなわち、切替圧PSLによってリレーバルブ28がロックアップオン側に切り替えられる。このため、図2に示すように、第2入力ポート28cと第1出力ポート28dとが連通させられ、且つ制御ポート28gと第2出力ポート28eとが連通させられ、且つ第1入力ポート28bと冷却ポート28jとが連通させられ、且つドレンポート28kと第2連絡ポート28iとが連通させられる。

0019

第2入力ポート28cと第1出力ポート28dとが連通させられると、第2入力ポート28cに供給されるモジュレータ圧PMが、第1出力ポート28dを経由してトルクコンバータ16の作動油供給ポート16aに供給される。また、制御ポート28gと第2出力ポート28eとが連通させられると、ロックアップソレノイドバルブSLUの制御油圧PSLUが、制御ポート28gおよび第2出力ポート28eを経由してトルクコンバータ16の制御油室16cに供給される。これによって、トルクコンバータ16の作動油供給ポート16aには、モジュレータ圧PMが供給され、トルクコンバータ16の制御油室16cには、ロックアップソレノイドバルブSLUの制御油圧PSLUが供給されるので、制御油圧PSLUを調整することにより、ロックアップクラッチ20の係合状態が制御される。例えば、制御油圧PSLUがモジュレータ圧PMより低い場合には、ロックアップクラッチ20が解放するが、制御油圧PSLUがモジュレータ圧PMよりも高くなると、ロックアップクラッチ20がスリップ係合または完全係合する。

0020

図1に示すように、電子制御装置(油圧制御装置)100は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。電子制御装置100は、車両10に設けられた各センサにより検出された各種入力信号が供給されるようになっている。例えば、車速センサ102から検出される車速V(km/h)を表す信号と、スロットル弁開度センサ104から検出されるスロットル弁開度θth(%)を表す信号と、第1油温センサ106から検出される自動変速機18内の作動油の油温Ttm(℃)を表す信号と、エンジン回転速度センサ108から検出されるエンジン回転速度Ne(rpm)を表す信号と、第2油温センサ110から検出されるエンジンオイルの油温Ten(℃)を表す信号と、エアフローメータ112から検出されるエンジン12の吸入空気量Q(g/sec)を表す信号と、吸気温センサ114から検出されるエンジン12の吸入空気の温度Tea(℃)を表す信号と、が電子制御装置100に入力される。また、電子制御装置100からは、例えば、第1指令信号Si1と、第2指令信号Si2等と、が出力される。第1指令信号Si1は、ON−OFFソレノイドバルブSLを駆動するための油圧指令信号である。第2指令信号Si2は、制御油圧PSLUを調圧するロックアップソレノイドバルブSLUを駆動する油圧指令信号である。

0021

図1に示すように、電子制御装置100には、ロックアップクラッチ制御部120と、車両状態判定部122と、エンジンストール判定部124と、が備えられている。なお、ロックアップクラッチ制御部120には、エンスト抑制制御実行部120aが備えられている。また、エンジンストール判定部124には、内部損失トルク推定部124aと、エンジン出力可能トルク推定部124bと、が備えられている。

0022

ロックアップクラッチ制御部120は、ロックアップクラッチ20の作動状態を制御する。すなわち、ロックアップクラッチ制御部120は、車速V(km/h)およびスロットル弁開度θth(%)を変数として、ロックアップオフ領域、スリップ領域、完全ロックアップ領域を有する予め記憶された関係すなわちロックアップ領域線図(図示しない)を用いて、実際の車速V(km/h)およびスロットル弁開度θth(%)で表される実際の車両状態が、前記ロックアップオフ領域、前記スリップ領域、前記完全ロックアップ領域の何れの領域であるかを判断し、その判断した領域に対応する作動状態にロックアップクラッチ20の作動状態が切り替わるように制御する。

0023

車両状態判定部122は、実際の車速V(km/h)およびスロットル弁開度θth(%)で表される車両状態が、前記ロックアップ領域線図の前記ロックアップオフ領域であるか否かを判定する。

0024

ロックアップクラッチ制御部120は、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域でないと判定されると、ロックアップクラッチ20をスリップ係合または完全係合するように油圧指令信号である第1指令信号Si1および第2指令信号Si2を制御する、ロックアップクラッチ20の係合制御を実行する。

0025

例えば、ロックアップクラッチ制御部120は、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域でないと判定され、車両状態が前記スリップ領域であると判定されると、ON-OFFソレノイドバルブSLから切替圧PSLが出力されるように、油圧指令信号である第1指令信号Si1を制御する。そして、ロックアップクラッチ20の実際の実差回転Δn(rpm)が予め設定された目標差回転Δn*(rpm)に一致するように、ロックアップソレノイドバルブSLUから出力される制御油圧PSLUを制御、すなわち油圧指令信号である第2指令信号Si2を制御する。なお、実差回転Δn(rpm)は、ポンプ翼車16pの回転速度(rpm)と、タービン翼車16tの回転速度(rpm)と、の差である。また、例えば、ロックアップクラッチ制御部120は、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域でないと判定され、車両状態が前記完全ロックアップ領域であると判定されると、ON-OFFソレノイドバルブSLから切替圧PSLが出力されるように、油圧指令信号である第1指令信号Si1を制御する。そして、ロックアップクラッチ20が完全係合するように、ロックアップソレノイドバルブSLUから出力される制御油圧PSLUを制御、すなわち油圧指令信号である第2指令信号Si2を制御する。

0026

内部損失トルク推定部124aは、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域であると判定されると、自動変速機18内の内部損失トルクTtmloss(Nm)を推定する。例えば、内部損失トルク推定部124aは、予め設定されたAT内部損失トルクマップを用いて、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域であると判定されたときの第1油温センサ106から検出される自動変速機18内の作動油の油温Ttm(℃)と、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域であると判定されたときのエンジン回転速度センサ108から検出されるエンジン回転速度Ne(rpm)と、から自動変速機18内の内部損失トルクTtmloss(Nm)を算出する。なお、前記AT内部損失トルクマップは、自動変速機18の変速部18aで形成される変速段変速比)毎に予め記憶されており、前記内部損失トルクマップは、自動変速機18内の作動油の油温Ttm(℃)とポンプ翼車16pの回転速度(rpm)すなわちエンジン回転速度Ne(rpm)とを変数とするマップである。また、内部損失トルク推定部124aでは、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップ領域であると判定されたときに自動変速機18の変速部18aで形成されている変速段に対応する前記内部損失トルクマップが選択されるようになっている。

0027

エンジン出力可能トルク推定部124bは、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域であると判定されると、エンジン内部損失トルクTeloss1(Nm)と、エンジン補機損失トルクTeloss2(Nm)と、エンジントルクTe(Nm)と、をそれぞれ推定して、エンジントルクTeからエンジン内部損失トルクTeloss1とエンジン補機損失トルクTeloss2とを引き算する(Te−(Teloss1+Teloss2))ことにより、エンジン12の出力可能トルクTeca(Nm)を推定する。

0028

例えば、エンジン内部損失トルクTeloss1(Nm)は、予め設定されたエンジン内部損失トルクマップを用いて、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域であると判定されたときの第2油温センサ110から検出されるエンジンオイルの油温Ten(℃)(エンジンオイルの粘度)と、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域であると判定されたときのエンジン回転速度センサ108から検出されるエンジン回転速度Ne(rpm)と、から算出される。なお、前記エンジン内部損失トルクマップは、エンジンオイルの油温Ten(℃)とエンジン回転速度Ne(rpm)とを変数とするマップである。

0029

例えば、エンジン補機損失トルクTeloss2(Nm)は、予め設定された補機損失トルクマップを用いて、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域であると判定されたときのオルタネータ発電電力と、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域であると判定されたときのエアーコンディショナーの出力等と、から算出される。なお、前記補機損失トルクマップは、例えばオルタネータの発電電力とエアーコンディショナーの出力等とに応じてエンジン補機損失トルクTeloss2(Nm)が算出されるマップである。

0030

例えば、エンジントルクTe(Nm)は、予め設定されたエンジントルクマップを用いて、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域であると判定されたときのエアフローメータ112から検出されるエンジン12の吸入空気量Q(g/sec)と、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域であると判定されたときのエンジン回転速度センサ108から検出されるエンジン回転速度Ne(rpm)と、から算出される。なお、前記エンジントルクマップは、エンジン12の吸入空気の温度Tea(℃)毎に予め記憶されており、前記エンジントルクマップは、エンジン12の吸入空気量Q(g/sec)とエンジン回転速度Ne(rpm)とを変数とするマップである。また、エンジン出力可能トルク推定部124bでは、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域であると判定されたときに吸気温センサ114から検出されるエンジン12の吸入空気の温度Tea(℃)に対応する前記エンジントルクマップが選択されるようになっている。

0031

エンジンストール判定部124は、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域であると判定され、且つ内部損失トルク推定部124aで自動変速機18の内部損失トルクTtmloss(Nm)が推定され、且つエンジン出力可能トルク推定部124bでエンジン12の出力可能トルクTeca(Nm)が推定されると、エンジンストールが発生する可能性が高いか否かを判定する。例えば、エンジンストール判定部124は、エンジン出力可能トルク推定部124bで推定したエンジン12の出力可能トルクTeca(Nm)が、内部損失トルク推定部124aで推定した自動変速機18の内部損失トルクTtmloss(Nm)に比べて小さいと、エンジンストールが発生する可能性が高いと判定する。

0032

ロックアップクラッチ制御部120は、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域であると判定され、且つエンジンストール判定部124でエンジンストールが発生する可能性が高くないと判定されると、ロックアップクラッチ20を解放するように油圧指令信号である第1指令信号Si1を制御する、ロックアップクラッチ20の解放制御を実行する。

0033

例えば、ロックアップクラッチ制御部120は、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域であると判定され、且つエンジンストール判定部124でエンジンストールが発生する可能性が高くないと判定されると、ON-OFFソレノイドバルブSLから切替圧PSLが出力されないように、油圧指令信号である第1指令信号Si1を制御する。なお、ロックアップクラッチ制御部120でロックアップクラッチ20の解放制御が実行されると、作動油供給ポート16aからライン圧PLがトルクコンバータ16の内部に供給されて、トルクコンバータ16の内部の圧力(油圧)が例えばトルクコンバータ16の内部にモジュレータ圧PMが供給される場合に比べて相対的に高くなる高圧状態となる。また、ライン圧PLは、モジュレータ圧PMに比べて大きい。

0034

エンスト抑制制御実行部120aは、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域であると判定され、且つエンジンストール判定部124でエンジンストールが発生する可能性が高いと判定されると、油圧指令信号である第1指令信号Si1および第2指令信号Si2を制御してエンジンストールの発生を抑制するエンスト抑制制御を実行する。

0035

例えば、エンスト抑制制御実行部120aは、車両状態判定部122で車両状態が前記ロックアップオフ領域であると判定され、且つエンジンストール判定部124でエンジンストールが発生する可能性が高いと判定されると、ON-OFFソレノイドバルブSLから切替圧PSLが出力されるように、油圧指令信号である第1指令信号Si1を制御する。そして、ロックアップクラッチ20が解放するように、すなわち作動油供給ポート16aからトルクコンバータ16の内部に供給されるモジュレータ圧PMよりも制御油室16cに供給される制御油圧PSLUが低くなるように、ロックアップソレノイドバルブSLUから出力される制御油圧PSLUを制御、すなわち油圧指令信号である第2指令信号Si2を制御する。例えば、本実施例では、制御油室16cに供給される制御油圧PSLUがゼロになるように第2指令信号Si2を制御する。なお、ロックアップクラッチ制御部120で前記エンスト抑制制御が実行されると、作動油供給ポート16aからモジュレータ圧PMがトルクコンバータ16の内部に供給されて、トルクコンバータ16の内部の圧力(油圧)が例えばトルクコンバータ16の内部にライン圧PLが供給される場合に比べて相対的に低くなる低圧状態となる。つまり、電子制御装置100では、前述したロックアップクラッチ20の解放制御と前記エンスト抑制制御とを切り替えることによって、トルクコンバータ16を、そのトルクコンバータ16の内部の圧力を相対的に高くする高圧状態と、そのトルクコンバータ16の内部の圧力を相対的に低くする低圧状態と、に切り替えられる。

0036

図3は、電子制御装置100において、例えば非駆動レンジ(ニュートラルレンジ)から駆動レンジ(ドライブレンジ)に切り替えられ車両10が停止した状態から加速するときにおける制御作動の一例を説明するフローチャートである。

0037

先ず、車両状態判定部122の機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1において、車両状態が前記ロックアップオフ領域であるか否かが判定される。S1の判定が否定される場合には、ロックアップクラッチ制御部120の機能に対応するS2が実行され、S1の判定が肯定される場合には、内部損失トルク推定部124aの機能に対応するS3が実行される。S2では、ロックアップクラッチ20をスリップ係合または完全係合する、ロックアップクラッチ20の係合制御が実行される。S3では、自動変速機18内の内部損失トルクTtmloss(Nm)が推定される。次に、エンジン出力可能トルク推定部124bの機能に対応するS4において、エンジン12の出力可能トルクTeca(Nm)が推定される。

0038

次に、エンジンストール判定部124の機能に対応するS5において、S3で推定された自動変速機18の内部損失トルクTtmloss(Nm)とS4で推定されたエンジン12の出力可能トルクTeca(Nm)とから、エンジンストールが発生する可能性が高いか否かが判定される。S5の判定が否定される場合、すなわちエンジン12の出力可能トルクTeca(Nm)が自動変速機18の内部損失トルクTtmloss(Nm)以上である場合には、ロックアップクラッチ制御部120の機能に対応するS6が実行されるが、S5の判定が肯定される場合、すなわちエンジン12の出力可能トルクTeca(Nm)が自動変速機18の内部損失トルクTtmloss(Nm)に比べて小さい場合には、エンスト抑制制御実行部120aの機能に対応するS7が実行される。S6では、ロックアップクラッチ20を解放する、ロックアップクラッチ20の解放制御が実行される。S7では、トルクコンバータ16の内部の圧力を相対的に低くして、すなわちトルクコンバータ16を低圧状態にしてエンジンストールの発生を抑制するエンスト抑制制御が実行される。

0039

上述のように、本実施例の自動変速機18の電子制御装置100によれば、自動変速機18内の内部損失トルクTtmlossとエンジン12の出力可能トルクTecaとをそれぞれ推定して、エンジン12の出力可能トルクTecaが内部損失トルクTtmlossに比べて小さい場合には、トルクコンバータ16を前記低圧状態に切り替える。このため、エンジン12の出力可能トルクTecaが自動変速機18内の内部損失トルクTtmlossより小さくエンジンストールが発生する可能性が高い場合には、トルクコンバータ16の内部の圧力が相対的に低くなる。これによって、トルクコンバータ16が伝達することのできるトルクが低下してエンジン12への負荷が低下するので、エンジンストールの発生を好適に抑制することができる。

0040

以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。

0041

例えば、前述の実施例において、自動変速機18はトルクコンバータ16を有していたが、例えばトルクコンバータ16に替えて、トルク増幅作用のない流体継手フルードカップリング)などの他の流体伝動装置が用いられても良い。

実施例

0042

なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。

0043

10:車両
12:エンジン
16:トルクコンバータ(流体伝動装置)
18:自動変速機(車両用自動変速機)
100:電子制御装置(油圧制御装置)
120a:エンスト抑制制御実行部
124:エンジンストール判定部
124a:内部損失トルク推定部
124b:エンジン出力可能トルク推定部
Teca:出力可能トルク
Ttmloss:内部損失トルク

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