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図面 (9)

課題

第1動力伝達経路および第2動力伝達経路並列に備え、第1動力伝達経路にモード切替クラッチを備える車両用動力伝達装置において、モード切替クラッチのモード切替過渡期に発生するショックを低減する装置を提供する。

解決手段

ロックアップ制御ソレノイドバルブから出力される制御圧が、ロックアップ圧調圧するロックアップ制御用コントロールバルブ、および、クラッチ圧を調圧する容量制御用コントロールバルブに供給可能に構成されているため、ロックアップクラッチLUのロックアップ状態を維持した状態で、第1クラッチC1のトルク容量を小さく制御することができる。これより、モード切替クラッチSOWCの切替過渡期において、モード切替クラッチSOWCの上流側のイナーシャを小さくすることができるため、モード切替クラッチSOWCの切替過渡期に発生するショックを低減することができる。

概要

背景

エンジン駆動輪との間に、第1クラッチギヤ機構、およびドグクラッチを備えて構成されている第1動力伝達経路と、無段変速機および第2クラッチを備えて構成されている第2動力伝達経路とを、並列に備える車両用動力伝達装置が知られている。特許文献1に記載の動力伝達装置がそれである。

概要

第1動力伝達経路および第2動力伝達経路を並列に備え、第1動力伝達経路にモード切替クラッチを備える車両用動力伝達装置において、モード切替クラッチのモード切替過渡期に発生するショックを低減する装置を提供する。ロックアップ制御ソレノイドバルブから出力される制御圧が、ロックアップ圧調圧するロックアップ制御用コントロールバルブ、および、クラッチ圧を調圧する容量制御用コントロールバルブに供給可能に構成されているため、ロックアップクラッチLUのロックアップ状態を維持した状態で、第1クラッチC1のトルク容量を小さく制御することができる。これより、モード切替クラッチSOWCの切替過渡期において、モード切替クラッチSOWCの上流側のイナーシャを小さくすることができるため、モード切替クラッチSOWCの切替過渡期に発生するショックを低減することができる。

目的

本発明は、以上の事情背景として為されたものであり、その目的とする

効果

実績

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請求項1

エンジン駆動輪との間に、第1動力伝達経路と第2動力伝達経路とが並列に設けられ、前記第1動力伝達経路には、第1クラッチおよびモード切替クラッチが設けられ、前記第2動力伝達経路には、無段変速機および第2クラッチが設けられ、前記第1クラッチが前記モード切替クラッチよりも前記エンジン側に配置されている車両用動力伝達装置であって、前記モード切替クラッチは、車両の駆動状態において動力を伝達する一方、該車両の被駆動状態において動力を遮断するワンウェイモードと、前記車両の駆動状態および被駆動状態において動力を伝達するロックモードとに、少なくとも切替可能に構成され、前記エンジンに動力伝達可能に接続されたトルクコンバータに備えられるロックアップクラッチロックアップ圧を制御するための制御圧を出力するロックアップ制御ソレノイドバルブを備え、前記ロックアップ制御用ソレノイドバルブから出力される制御圧が、前記ロックアップクラッチに供給されるロックアップ圧を調圧するロックアップ制御用コントロールバルブ、および、前記第1クラッチに供給されるクラッチ圧を調圧する容量制御用コントロールバルブに供給可能に構成されていることを特徴とする車両用動力伝達装置。

技術分野

0001

本発明は、エンジン駆動輪との間に、第1動力伝達経路と、第2動力伝達経路とを、並列に備えて構成される車両用動力伝達装置に関する。

背景技術

0002

エンジンと駆動輪との間に、第1クラッチギヤ機構、およびドグクラッチを備えて構成されている第1動力伝達経路と、無段変速機および第2クラッチを備えて構成されている第2動力伝達経路とを、並列に備える車両用動力伝達装置が知られている。特許文献1に記載の動力伝達装置がそれである。

先行技術

0003

国際公開第2013/176208号

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、低コスト化を目的として、前記ドグクラッチに代えて、車両の駆動状態において動力を伝達する一方、車両の被駆動状態において動力を遮断するワンウェイモードと、前記車両の駆動状態および被駆動状態において動力を伝達するロックモードとに、少なくとも切替可能に構成されるモード切替クラッチを採用することが考えられる。ここで、動力伝達経路を第2動力伝達経路から第1動力伝達経路に切り替えるとともに、モード切替クラッチをロックモードに切り替える場合には、モード切替クラッチがワンウェイモードに切り替えられているため、モード切替クラッチの前後の回転部材の間で回転速度差が存在すると、モード切替クラッチをロックモードに切り替える過渡期ショックが発生する虞があった。

0005

本発明は、以上の事情背景として為されたものであり、その目的とするところは、エンジンと駆動輪との間に、第1クラッチおよびモード切替クラッチを備えて構成される第1動力伝達経路と、無段変速機および第2クラッチを備えて構成される第2動力伝達経路とを、並列に備えて構成される車両用動力伝達装置において、走行中にモード切替クラッチをロックモードに切り替える過渡期に発生するショックを低減できる装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

第1発明の要旨とするところは、(a)エンジンと駆動輪との間に、第1動力伝達経路と第2動力伝達経路とが並列に設けられ、前記第1動力伝達経路には、第1クラッチおよびモード切替クラッチが設けられ、前記第2動力伝達経路には、無段変速機および第2クラッチが設けられ、前記第1クラッチが前記モード切替クラッチよりも前記エンジン側に配置されている車両用動力伝達装置であって、(b)前記モード切替クラッチは、車両の駆動状態において動力を伝達する一方、該車両の被駆動状態において動力を遮断するワンウェイモードと、前記車両の駆動状態および被駆動状態において動力を伝達するロックモードとに、少なくとも切替可能に構成され、(c)前記エンジンに動力伝達可能に接続されたトルクコンバータに備えられるロックアップクラッチロックアップ圧を制御するための制御圧を出力するロックアップ制御ソレノイドバルブを備え、(d)前記ロックアップ制御用ソレノイドバルブから出力される前記制御圧が、前記ロックアップクラッチに供給されるロックアップ圧を調圧するロックアップ制御用コントロールバルブ、および、前記第1クラッチに供給されるクラッチ圧を調圧する容量制御用コントロールバルブに供給可能に構成されていることを特徴とする。

発明の効果

0007

第1発明の車両用動力伝達装置によれば、ロックアップクラッチのロックアップ状態を維持した状態で、第1クラッチのトルク容量を制御することができるため、モード切替クラッチのロックモードへの切替過渡期において第1クラッチのトルク容量を小さくすることができる。これより、モード切替クラッチの切替過渡期において、第1クラッチのトルク容量を小さく制御してモード切替クラッチの上流側のイナーシャを小さくすることができるため、モード切替クラッチの切替過渡期に発生するショックを低減することができる。

図面の簡単な説明

0008

本発明が適用される車両の概略構成を説明する図である。
図1のモード切替クラッチがワンウェイモードに切り替えられた状態を示す図である。
図1のモード切替クラッチがロックモードに切り替えられた状態を示す図である。
車両に備えられた図示しないシフトレバーによって選択される操作ポジション毎の各係合装置係合状態を示す係合作動表である。
従来構造において、シフトレバーがM2ポジションからM1ポジションに切り替えられたときの制御状態を示すタイムチャートである。
動力伝達装置を制御する油圧制御回路の一部であって、特に、第1クラッチの油圧アクチュエータに供給される油圧を制御する回路図にである。
図6の油圧制御回路に備えられるロックアップ制御用ソレノイドバルブの特性を示す図である。
本実施例において、シフトレバーがM2ポジションからM1ポジションに切り替えられたときの制御状態を示すタイムチャートである。

0009

以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。

0010

図1は、本発明が適用された車両10の概略構成を説明する図である。図1において、車両10は、エンジン12の動力を駆動輪14に伝達する車両用動力伝達装置16(以下、動力伝達装置16)を備えている。

0011

動力伝達装置16は、エンジン12と駆動輪14との間に設けられている。動力伝達装置16は、非回転部材としてのケース18内において、エンジン12に連結された流体式伝動装置としての公知のトルクコンバータ20と、トルクコンバータ20に連結された入力軸22と、入力軸22に連結されたベルト式の無段変速機24と、同じく入力軸22に連結された前後進切替装置26と、前後進切替装置26を介して入力軸22に連結されて無段変速機24と並列に設けられたギヤ機構28と、無段変速機24およびギヤ機構28の共通の出力回転部材である出力軸30と、カウンタ軸32と、出力軸30およびカウンタ軸32に各々相対回転不能に設けられて噛み合う一対のギヤから成る減速歯車装置34と、カウンタ軸32に相対回転不能に設けられているギヤ36と、ギヤ36に動力伝達可能に連結されたデファレンシャル装置38と、デファレンシャル装置38に連結された左右の車軸40とを、備えている。

0012

このように構成された動力伝達装置16において、エンジン12から出力される動力が、トルクコンバータ20、前後進切替装置26、ギヤ機構28、減速歯車装置34、デファレンシャル装置38、車軸40等を順次介して、左右の駆動輪14へ伝達される。或いは、動力伝達装置16において、エンジン12から出力される動力が、トルクコンバータ20、無段変速機24、減速歯車装置34、デファレンシャル装置38、車軸40等を順次介して、左右の駆動輪14へ伝達される。前記動力は、特に区別しない場合にはトルクや力も同意である。

0013

エンジン12は、電子スロットル装置燃料噴射装置点火装置などのエンジン12の出力制御に必要な種々の機器を有するエンジン制御装置42を備えている。エンジン12は、図示しない電子制御装置によって、運転者による車両10に対する駆動要求量に対応するアクセルペダル操作量に応じてエンジン制御装置42が制御されることで、エンジントルクTeが制御される。

0014

トルクコンバータ20は、エンジン12と入力軸26との間に設けられ、エンジン12から出力されるエンジントルクTeを流体を介してトルク変換する流体式伝動装置である。トルクコンバータ20は、エンジン12に連結されたポンプ翼車20p、および入力軸22に連結されたタービン翼車20tを備えている。トルクコンバータ20は、エンジン12の動力を入力軸22へ伝達する流体伝動装置である。トルクコンバータ20は、ポンプ翼車20pとタービン翼車20tとの間すなわちトルクコンバータ20の入出力回転部材間を直結可能な公知のロックアップクラッチLUを備えている。ロックアップクラッチLUは、車両の走行状態に応じてポンプ翼車20pとタービン翼車20tとの間(すなわちエンジン12と入力軸22との間)を直結する。例えば、比較的高車速領域において、ロックアップクラッチLUによってエンジン12と入力軸22とが直結される。

0015

上述したように、動力伝達装置16は、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路PTに並列に設けられた、ギヤ機構28および無段変速機24を備えている。つまり、動力伝達装置16は、入力軸22と出力軸30との間に並列に設けられ、エンジン12の動力を入力軸22から出力軸30へ各々伝達することが可能な2つの動力伝達経路を備えている。2つの動力伝達経路は、ギヤ機構28を経由した第1動力伝達経路PT1と、無段変速機24を経由した第2動力伝達経路PT2とを有している。すなわち、動力伝達装置16は、第1動力伝達経路PT1と第2動力伝達経路PT2との2つの動力伝達経路を、入力軸22と出力軸30との間で並列に備えている。

0016

第1動力伝達経路PT1は、第1クラッチC1および第1ブレーキB1を含む前後進切替装置26、ギヤ機構28、モード切替クラッチSOWCを備え、エンジン12の動力を入力軸22からギヤ機構28を経由して駆動輪14へ伝達する動力伝達経路である。第1動力伝達経路PT1において、エンジン12から駆動輪14に向かって、前後進切替装置26、ギヤ機構28、モード切替クラッチSOWCの順番で配置されている。すなわち、第1クラッチC1が、モード切替クラッチSOWCよりもエンジン12側に配置されている。第2動力伝達経路PT2は、無段変速機24および第2クラッチC2を備え、エンジン12の動力を入力軸22から無段変速機24を経由して駆動輪14へ伝達する動力伝達経路である。第2動力伝達経路PT2において、エンジン12から駆動輪14に向かって、無段変速機24および第2クラッチC2の順番で配置されている。

0017

前後進切替装置26は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置26p、第1クラッチC1、および第1ブレーキB1を備えている。遊星歯車装置26pは、入力要素としてのキャリア26cと、出力要素としてのサンギヤ26sと、反力要素としてのリングギヤ26rとの3つの回転要素を有する差動機構である。キャリア26cは、入力軸22に連結されている。リングギヤ26rは、第1ブレーキB1を介してケース18に選択的に連結される。サンギヤ26sは、入力軸22の外周側に配置され、その入力軸22に対して相対回転可能に設けられた小径ギヤ48に連結されている。キャリア26cとサンギヤ26sとは、第1クラッチC1を介して選択的に連結される。

0018

ギヤ機構28は、小径ギヤ48と、カウンタ軸50と、カウンタ軸50に相対回転可能に設けられ、小径ギヤ48と噛み合う大径ギヤ52とを、備えている。また、カウンタ軸50には、出力軸30に設けられている出力ギヤ56と噛み合うカウンタギヤ54が、カウンタ軸50に対して相対回転不能に設けられている。

0019

無段変速機24は、入力軸22と同軸心上に設けられて入力軸22と一体的に連結されたプライマリ軸58と、プライマリ軸58に連結された有効径可変プライマリプーリ60と、出力軸30と同軸心上に設けられたセカンダリ軸62と、セカンダリ軸62に連結された有効径が可変のセカンダリプーリ64と、それら各プーリ60,64の間に巻き掛けられた伝達要素としての伝動ベルト66とを備えている。無段変速機24は、各プーリ60,64と伝動ベルト66との間の摩擦力を介して動力伝達が行われる公知のベルト式の無段変速機であり、エンジン12の動力を駆動輪14側へ伝達する。プライマリプーリ60は、油圧アクチュエータ60aによってその有効径が変更され、セカンダリプーリ64は、油圧アクチュエータ64aによってその有効径が変更される。

0020

また、ギヤ機構28からなる第1動力伝達経路PT1におけるギヤ比EL(=入力軸回転速度Nin/出力軸回転速度Nout)は、第2動力伝達経路PT2における最大変速比である無段変速機24の最ロー側変速比γmaxよりも大きな値に設定されている。すなわち、ギヤ比ELは、最ロー側変速比γmaxよりもロー側の変速比に設定されている。これより、第2動力伝達経路PT2は、第1動力伝達経路PT1よりもハイ側の変速比が形成される。なお、入力軸回転速度Ninは入力軸22の回転速度であり、出力軸回転速度Noutは出力軸30の回転速度である。

0021

動力伝達装置16において、エンジン12の動力を駆動輪14へ伝達する動力伝達経路PTが、車両10の走行状態に応じて、第1動力伝達経路PT1と第2動力伝達経路PT2との間で切り替えられる。そのため、動力伝達装置16は、第1動力伝達経路PT1と第2動力伝達経路PT2とを選択的に形成するための複数の係合装置を備えている。複数の係合装置は、第1クラッチC1、第1ブレーキB1、第2クラッチC2、およびモード切替クラッチSOWCを含んでいる。

0022

第1クラッチC1は、第1動力伝達経路PT1上に設けられ、第1動力伝達経路PT1を選択的に接続したり、遮断したりするための係合装置であって、車両前進走行する場合に係合することで、第1動力伝達経路PT1を動力伝達可能にする係合装置である。第1ブレーキB1は、第1動力伝達経路PT1上に設けられ、第1動力伝達経路PT1を選択的に接続したり、遮断したりするための係合装置であって、車両後進走行する場合に係合することで、第1動力伝達経路PT1を動力伝達可能にする係合装置である。第1動力伝達経路PT1は、第1クラッチC1または第1ブレーキB1の係合によって形成される。

0023

モード切替クラッチSOWCは、第1動力伝達経路PT1に設けられ、前進走行中における車両10の駆動状態において動力を伝達する一方、前進走行中における車両10の被駆動状態において動力を遮断するワンウェイモードと、車両10の駆動状態および被駆動状態において動力を伝達するロックモードに切替可能に構成されている。例えば、第1クラッチC1が係合され、且つ、モード切替クラッチSOWCがワンウェイモードに切り替えられた状態では、エンジン12の動力によって前進走行される車両10の駆動状態において、モード切替クラッチSOWCは動力伝達可能となる。すなわち、前進走行中においてエンジン12の動力が、第1動力伝達経路PT1を経由して駆動輪14側に伝達される。一方、惰性走行中など、車両10の被駆動状態では、第1クラッチC1が係合されていても、駆動輪14側から伝達される回転がモード切替クラッチSOWCによって遮断される。なお、車両10の駆動状態とは、入力軸22のトルクが進行方向を基準とした場合の正の値となる状態、実質的には、エンジン12の動力によって車両10が駆動させられる状態に対応している。また、車両の被駆動状態とは、入力軸22のトルクが進行方向を基準とした場合の負の値となる状態、実質的には、車両10の慣性によって走行させられ、駆動輪14側から伝達される回転によって入力軸22およびエンジン12が連れ回される状態に対応している。

0024

また、第1クラッチC1が係合され、且つ、モード切替クラッチSOWCがロックモードに切り替えられた状態では、モード切替クラッチSOWCが車両10の駆動状態および被駆動状態において動力伝達が可能になり、エンジン12の動力が、第1動力伝達経路PT1を経由して駆動輪14側に伝達されるとともに、惰性走行中(被駆動状態)には、駆動輪14側から伝達される回転が、第1動力伝達経路PT1を経由してエンジン12側に伝達されることで、エンジンブレーキを発生させることができる。また、第1ブレーキB1が係合され、且つ、モード切替クラッチSOWCがロックモードに切り替えられた状態では、エンジン12側から伝達される車両後進方向に作用する動力が、モード切替クラッチSOWCを経由して駆動輪14に伝達され、第1動力伝達経路PT1を経由した後進走行が可能になる。なお、モード切替クラッチSOWCの構造については後述する。

0025

第2クラッチC2は、第2動力伝達経路PT2に設けられ、第2動力伝達経路PT2を選択的に接続したり、遮断したりするための係合装置であって、車両前進走行する場合に係合することで、第2動力伝達経路PT2を動力伝達可能にする係合装置である。第1クラッチC1、第1ブレーキB1、第2クラッチC2は、何れも油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる公知の油圧式湿式摩擦係合装置である。第1クラッチC1および第1ブレーキB1は、それぞれ前後進切替装置26を構成する要素の1つである。

0026

また、動力伝達装置16は、ポンプ翼車20pに連結された機械式オイルポンプ44を備えている。オイルポンプ44は、エンジン12により回転駆動されることにより、無段変速機24を変速制御したり、無段変速機24におけるベルト挟圧力を発生させたり、前記複数個の係合装置の各々の係合や解放などの作動状態を切り替えたり、ロックアップクラッチLUの作動状態を切り替えたりするための作動油圧の元圧を、車両10に備えられた油圧制御回路94(図6参照)へ供給する。

0027

次に、モード切替クラッチSOWCの構造について説明する。モード切替クラッチSOWCは、カウンタ軸50の軸方向で大径ギヤ52とカウンタギヤ54との間に設けられている。モード切替クラッチSOWCは、第1動力伝達経路PT1において、第1クラッチC1およびギヤ機構28よりも駆動輪14側に設けられている。モード切替クラッチSOWCは、カウンタ軸50の軸方向で隣り合うようにして設けられている油圧式の油圧アクチュエータ41によって、ワンウェイモードおよびロックモードの一方に切替可能に構成されている。

0028

図2および図3は、ワンウェイモードおよびロックモードへのモードの切替を可能にするモード切替クラッチSOWCの構造を簡略的に示す図であって、モード切替クラッチSOWCの周方向の一部を切断した断面図である。図2は、モード切替クラッチSOWCがワンウェイモードに切り替えられた状態を示し、図3は、モード切替クラッチSOWCがロックモードに切り替えられた状態を示している。なお、図2および図3紙面上下方向が回転方向に対応し、紙面上方が車両後進方向(後進回転方向)に対応し、紙面下方が車両前進方向(前進回転方向)に対応している。また、図2および図3の紙面左右方向が、カウンタ軸50の軸方向(以下、特に言及しない限り、軸方向はカウンタ軸50の軸方向に対応する)に対応し、紙面右側が図1の大径ギヤ52側に対応し、紙面左側が図1のカウンタギヤ54側に対応している。

0029

モード切替クラッチSOWCは、円盤状に形成され、カウンタ軸50の外周側に配置されている。モード切替クラッチSOWCは、入力側回転部材68と、軸方向で入力側回転部材68と隣り合う位置に配置されている第1出力側回転部材70aおよび第2出力側回転部材70bと、軸方向で入力側回転部材68と第1出力側回転部材70aとの間に介挿されている複数個の第1ストラット72aおよび複数個の捩りコイルバネ73aと、軸方向で入力側回転部材68と第2出力側回転部材70bとの間に介挿されている複数個の第2ストラット72bおよび複数個の捩りコイルバネ73bとを、含んで構成されている。

0030

入力側回転部材68は、円盤状に形成され、カウンタ軸50の軸心を中心にしてカウンタ軸50に対して相対回転可能に配置されている。入力側回転部材68は、軸方向において第1出力側回転部材70aと第2出力側回転部材70bとの間に挟まれるようにして配置されている。また、入力側回転部材68の外周側には、大径ギヤ52の噛合歯が一体的に形成されているる。すなわち、入力側回転部材68と大径ギヤ52とが一体成形されている。入力側回転部材68は、ギヤ機構28、前後進切替装置26等を介して、エンジン12に動力伝達可能に連結されている。

0031

入力側回転部材68の軸方向で第1出力側回転部材70aと対向する面には、第1ストラット72aおよび捩りコイルバネ73aが収容される第1収容部76aが形成されている。第1収容部76aは、周方向で等角度間隔に複数個形成されている。また、入力側回転部材68の軸方向で第2出力側回転部材70bと対向する面には、第2ストラット72bおよび捩りコイルバネ73bが収容される第2収容部76bが形成されている。第2収容部76bは、周方向で等角度間隔に複数個形成されている。第1収容部76aおよび第2収容部76bは、入力側回転部材68の径方向で同じ位置に形成されている。

0032

第1出力側回転部材70aは、円盤状に形成され、カウンタ軸50の軸心を中心にして回転可能に配置されている。第1出力側回転部材70aは、カウンタ軸50に相対回転不能に設けられることで、カウンタ軸50と一体的に回転する。これに関連して、第1出力側回転部材70aは、カウンタ軸50、カウンタギヤ54、出力軸30、デファレンシャル装置38等を介して駆動輪14に動力伝達可能に連結されている。

0033

第1出力側回転部材70aの軸方向で入力側回転部材68と対向する面には、入力側回転部材68から離れる方向に凹む、第1凹部78aが形成されている。第1凹部78aは、第1収容部76aと同じ数だけ形成され、周方向で等角度間隔に配置されている。また、第1凹部78aは、第1出力側回転部材70aの径方向で、入力側回転部材68に形成されている第1収容部76aと同じ位置に形成されている。従って、第1収容部76aと第1凹部78aとの回転位置が一致すると、各第1収容部76aと各第1凹部78aとが、それぞれ軸方向で互いに隣接した状態となる。第1凹部78aは、第1ストラット72aの一端を収容可能な形状となっている。また、第1凹部78aの周方向の一端には、エンジン12の動力によって入力側回転部材68が車両前進方向(図2図3において紙面下方)に回転した場合において、第1ストラット72aの一端と当接する第1壁面80aが形成されている。

0034

第2出力側回転部材70bは、円盤状に形成され、カウンタ軸50の軸心を中心にして回転可能に配置されている。第2出力側回転部材70bは、カウンタ軸50に相対回転不能に設けられることで、カウンタ軸50と一体的に回転する。これに関連して、第2出力側回転部材70bは、カウンタ軸50、カウンタギヤ54、出力軸30、デファレンシャル装置38等を介して駆動輪14に動力伝達可能に連結されている。

0035

第2出力側回転部材70bの軸方向で入力側回転部材68と対向する面には、入力側回転部材68から離れる方向に凹む、第2凹部78bが形成されている。第2凹部78bは、第2収容部76bと同じ数だけ形成され、周方向で等角度間隔に配置されている。また、第2凹部78bは、第2出力側回転部材70bの径方向で、入力側回転部材68に形成されている第2収容部76bと同じ位置に形成されている。従って、第2収容部76bと第2凹部78bとの回転位置が一致すると、各第2収容部76bと各第2凹部78bとが、それぞれ軸方向で互いに隣接した状態となる。第2凹部78bは、第2ストラット72bの一端を収容可能な形状となっている。また、第2凹部78bの周方向の一端には、図3に示すモード切替クラッチSOWCがロックモードに切り替えられた状態において、エンジン12の動力によって入力側回転部材68が車両後進方向(図2図3において紙面上方)に回転した場合、および、車両前進走行中に惰性走行された場合に、第2ストラット72bの一端と当接する第2壁面80bが形成されている。

0036

第1ストラット72aは、所定の厚みを有する板状の部材からなり、図2および図3の断面で示すように、回転方向(紙面上下方向)に沿って長手状に形成されている。また、第1ストラット72aは、図2および図3において紙面に対して垂直な方向に所定の寸法を有している。

0037

第1ストラット72aの長手方向の一端は、捩りコイルバネ73aによって第1出力側回転部材70a側に付勢されている。また、第1ストラット72aの長手方向の他端は、第1収容部76aに形成されている第1段付部82aに当接させられている。第1ストラット72aは、第1段付部82aと当接する他端を中心にして回動可能となっている。捩りコイルバネ73aは、第1ストラット72aと入力側回転部材68との間に介在され、第1ストラット72aの一端を第1出力側回転部材70aに向かって付勢している。

0038

上記のように構成されることで、第1ストラット72aは、モード切替クラッチSOWCがワンウェイモードおよびロックモードに切り替えられた状態において、エンジン12側から車両前進方向に作用する動力が伝達されると、第1ストラット72aの一端が第1出力側回転部材70aの第1壁面80aに当接させられるとともに、第1ストラット72aの他端が入力側回転部材68の第1段付部82aに当接させられる。この状態において、入力側回転部材68と第1出力側回転部材70aとの相対回転が阻止され、車両前進方向に作用する動力がモード切替クラッチSOWCを介して駆動輪14側に伝達される。上記第1ストラット72a、捩りコイルバネ73a、第1収容部76a、および第1凹部78a(第1壁面80a)によって、車両前進方向に作用する動力を駆動輪14に伝達する一方、車両後進方向に作用する動力を遮断するワンウェイクラッチが構成される。

0039

第2ストラット72bは、所定の厚みを有する板状の部材からなり、図2および図3の断面で示すように、回転方向(紙面上下方向)に沿って長手状に形成されている。また、第2ストラット72bは、図2および図3において紙面に対して垂直な方向に所定の寸法を有している。

0040

第2ストラット72bの長手方向の一端は、捩りコイルバネ73bによって第2出力側回転部材70b側に付勢されている。また、第2ストラット72bの長手方向の他端は、第2収容部76bに形成されている第2段付部82bに当接させられている。第2ストラット72bは、第2段付部82bと当接する他端を中心にして回動可能となっている。捩りコイルバネ73bは、第2ストラット72bと入力側回転部材68との間に介在され、第2ストラット72bの一端を第2出力側回転部材70bに向かって付勢している。

0041

上記のように構成されることで、第2ストラット72bは、モード切替クラッチSOWCがロックモードに切り替えられた状態において、エンジン12側から車両後進方向に作用する動力が伝達されると、第2ストラット72bの一端が第2出力側回転部材70bの第2壁面80bに当接させられるとともに、第2ストラット72bの他端が入力側回転部材68の第2段付部82bと当接させられる。また、前進走行中に惰性走行された場合においても、第2ストラット72bの一端が第2出力側回転部材70bの第2壁面80bに当接させられるとともに、第2ストラット72bの他端が入力側回転部材68の第2段付部82bと当接させられる。この状態において、入力側回転部材68と第2出力側回転部材70bとの相対回転が阻止され、車両後進方向に作用する動力がモード切替クラッチSOWCを介して駆動輪14に伝達される。また、惰性走行中に駆動輪14側から伝達される回転が、モード切替クラッチSOWCを介してエンジン12側に伝達される。上記第2ストラット72b、捩りコイルバネ73b、第2収容部76b、および第2凹部78b(第2壁面80b)によって、車両後進方向に作用する動力を駆動輪14に伝達する一方、車両前進方向に作用する動力を遮断するワンウェイクラッチが構成される。

0042

また、第2出力側回転部材70bには、その第2出力側回転部材70bを軸方向に貫通する複数個の貫通穴88が形成されている。各貫通穴88は、カウンタ軸50の軸方向から見て各第2凹部78bと重なる位置に形成されている。従って、各貫通穴88の一端は、第2凹部78bにそれぞれ連通している。各貫通穴88には、それぞれピン90が挿し通されている。ピン90は、円柱状に形成され、貫通穴88内を摺動可能となっている。ピン90の一端は、油圧アクチュエータ41を構成する押圧プレート74に当接させられているとともに、ピン90の他端は、周方向の一部が第2凹部78bを通る円環状のリング86に当接させられている。

0043

リング86は、第2出力側回転部材70bに形成されるとともに周方向で隣り合う第2凹部78bを繋ぐように形成されている複数個の円弧状の溝84に嵌合し、軸方向において第2出力側回転部材70bに対する相対移動許容されている。

0044

油圧アクチュエータ41は、モード切替クラッチSOWCと同じカウンタ軸50上であって、カウンタ軸50の軸方向において第2出力側回転部材70bと隣接する位置に配置されている。油圧アクチュエータ41は、押圧プレート74と、軸方向でカウンタギヤ54と押圧プレート74との間に介挿されている複数個のコイルスプリング92と、作動油が供給されることで押圧プレート74を軸方向でカウンタギヤ54側に移動させる推力を発生させる図示しない油圧室とを、備えている。

0045

押圧プレート74は、円板状に形成され、カウンタ軸50に対して軸方向への相対移動可能に配置されている。スプリング92は、押圧プレート74を軸方向で第2出力側回転部材70b側に付勢している。従って、油圧アクチュエータ41の前記油圧室に作動油が供給されない状態では、図2に示すように、スプリング92の付勢力によって押圧プレート74が軸方向で第2出力側回転部材70b側に移動させられ、押圧プレート74が第2出力側回転部材70bに接触させられる。このとき、図2に示すように、ピン90、リング86、および第2ストラット72bの一端が、軸方向で入力側回転部材68側に移動させられることで、モード切替クラッチSOWCがワンウェイモードに切り替えられる。

0046

また、油圧アクチュエータ41の前記油圧室に作動油が供給された場合には、スプリング92の付勢力に抗って押圧プレート74が軸方向でカウンタギヤ54側に移動させられ、押圧プレート74が第2出力側回転部材70bから離れた状態となる。このとき、図3に示すように、ピン90、リング86、および第2ストラット72bの一端が、捩りコイルバネ73bの付勢力によって、軸方向でカウンタギヤ54側に移動させられることで、モード切替クラッチSOWCがロックモードに切り替えられる。

0047

図2に示すモード切替クラッチSOWCがワンウェイモードの状態では、押圧プレート74が、スプリング92の付勢力によって第2出力側回転部材70bに当接させられる。このとき、ピン90が押圧プレート74に押されて軸方向で入力側回転部材68側に移動させられるとともに、リング86についてもピン90に押されて軸方向で入力側回転部材68側に移動させられる。結果として、第2ストラット72bの一端が、リング86に押し付けられて入力側回転部材68側に移動させられることで、第2ストラット72bの一端と第2壁面80bとの当接が阻止される。このとき、入力側回転部材68と第2出力側回転部材70bとの相対回転が許容され、第2ストラット72bがワンウェイクラッチとして機能しなくなる。一方、第1ストラット72aの一端は、捩りコイルバネ73aによって第1出力側回転部材70a側に付勢されることで、第1凹部78aの第1壁面80aと当接可能になることから、第1ストラット72aは、車両前進方向に作用する駆動力を伝達するワンウェイクラッチとして機能する。

0048

図2に示すモード切替クラッチSOWCがワンウェイモードの状態において、第1ストラット72aの一端が第1出力側回転部材70aの第1壁面80aに当接可能になることから、エンジン12からモード切替クラッチSOWCに車両前進方向に作用する動力が伝達される車両10の駆動状態になると、図2に示すように、第1ストラット72aの一端と第1壁面80aとが当接するとともに、第1ストラット72aの他端と第1段付部82aとが当接することで、入力側回転部材68と第1出力側回転部材70aとの間で車両前進方向への相対回転が阻止され、エンジン12の動力がモード切替クラッチSOWCを介して駆動輪14に伝達される。一方、前進走行中に惰性走行されることで車両10が被駆動状態になった場合には、第1ストラット72aの一端と第1出力側回転部材70aの第1壁面80aとが当接することはなく、入力側回転部材68と第1出力側回転部材70aとの相対回転が許容されることから、モード切替クラッチSOWCを介した動力伝達が遮断される。よって、モード切替クラッチSOWCがワンウェイモードの状態では、第1ストラット72aがワンウェイクラッチとして機能し、エンジン12から車両前進方向に作用する動力が伝達される車両10の駆動状態において動力が伝達される一方、前進走行中に惰性走行される車両10の被駆動状態において動力が遮断される。

0049

図3に示すモード切替クラッチSOWCがロックモードの状態では、油圧アクチュエータ41の油圧室に作動油が供給されることで、スプリング92の付勢力に抗って、押圧プレート74が第2出力側回転部材70bから離れる方向に移動させられる。このとき、第2ストラット72bの一端が、捩りコイルバネ73bの付勢力によって、第2出力側回転部材70bの第2凹部78b側に移動させられ、第2壁面80bと当接可能になる。また、第1ストラット72aについては、図2のワンウェイモードと同様に、その一端が出力側回転部材70bの第1壁面80aに当接可能となっている。

0050

図3に示すモード切替クラッチSOWCがロックモードの状態において、車両前進方向に作用する動力が伝達されると、第1ストラット72aの一端が第1出力側回転部材70aの第1壁面80aに当接するとともに、第1ストラット72aの他端が第1段付部82aと当接することで、入力側回転部材68と第1出力側回転部材70aとの間の車両前進方向への相対回転が阻止される。さらに、モード切替クラッチSOWCがロックモードの状態において、車両後進方向に作用する動力が伝達されると、図3に示すように、第2ストラット72bの一端が第2出力側回転部材70bの第2壁面80bと当接するとともに、第2ストラット72bの他端が第2段付部82bと当接することで、入力側回転部材68と第2出力側回転部材70bとの間で車両後進方向への相対回転が阻止される。よって、モード切替クラッチSOWCがロックモードの状態では、第1ストラット72aおよび第2ストラット72bがそれぞれワンウェイクラッチとして機能し、モード切替クラッチSOWCにおいて、車両前進方向および車両後進方向に作用する動力を駆動輪14に伝達可能になる。従って、車両後進時において、モード切替クラッチSOWCがロックモードに切り替えられることで後進走行が可能になる。また、車両前進走行中に惰性走行される車両10の被駆動状態において、モード切替クラッチSOWCがロックモードに切り替えられることで、駆動輪14側から伝達される回転がモード切替クラッチSOWCを経由してエンジン12側に伝達されることで、エンジン12が連れ回されることによるエンジンブレーキを発生させることができる。よって、モード切替クラッチSOWCがロックモードの状態では、第1ストラット72aおよび第2ストラット72bがワンウェイクラッチとして機能し、車両10の駆動状態および被駆動状態において動力が伝達される。

0051

図4は、車両10に備えられた図示しないシフトレバーによって選択される操作ポジションPOSsh毎の各係合装置の係合状態を示す係合作動表である。図4において、「C1」が第1クラッチC1、「C2」が第2クラッチC2、「B1」が第1ブレーキB1、および「SOWC」がモード切替クラッチSOWCにそれぞれ対応している。また、「P(Pポジション)」、「R(Rポジション)」、「N(Nポジション)」、「D(Dポジション)」、および「M(Mポジション)」は、シフトレバーによって選択される各操作ポジションPOSshを示している。また、図4中の「○」は各係合装置の係合を示し、空欄は解放を示している。なお、モード切替クラッチSOWCに対応する「SOWC」にあっては、「○」がモード切替クラッチSOWCのロックモードへの切替を示し、空欄がモード切替クラッチSOWCのワンウェイモードへの切替を示している。

0052

例えば、シフトレバーの操作ポジションPOSshが、車両停止ポジションであるPポジション、または、動力伝達遮断ポジションであるNポジションに切り替えられた場合には、図4に示すように、第1クラッチC1、第2クラッチC2、および第1ブレーキB1が解放される。このとき、第1動力伝達経路PT1および第2動力伝達経路PT2の何れにおいても動力が伝達されないニュートラル状態となる。

0053

また、シフトレバーの操作ポジションPOSshが、後進走行ポジションであるRポジションに切り替えられると、図4に示すように、第1ブレーキB1が係合されるとともに、モード切替クラッチSOWCがロックモードに切り替えられる。第1ブレーキB1が係合されることで、エンジン12側から後進方向に作用する動力がギヤ機構28に伝達される。このとき、モード切替クラッチSOWCがワンウェイモードにあると、その動力がモード切替クラッチSOWCによって遮断されるため、後進走行できない。従って、モード切替クラッチSOWCがロックモードに切り替えられることで、車両後進方向に作用する動力がモード切替クラッチSOWCを介して出力軸30側に伝達されるため、後進走行可能になる。よって、操作ポジションPOSshがRポジションに切り替えられると、第1ブレーキB1が係合されるとともに、モード切替クラッチSOWCがロックモードに切り替えられることで、第1動力伝達経路PT1(ギヤ機構28)を経由して車両後進方向の動力が伝達される、後進用ギヤ段が形成される。

0054

また、シフトレバーの操作ポジションPOSshが、前進走行ポジションであるDポジションに切り替えられると、図4に示すように、第1クラッチC1が係合されるか、あるいは、第2クラッチC2が係合される。図4に示す「D1(D1ポジション)」および「D2(D2ポジション)」は、制御上設定される仮想の操作ポジションであって、操作ポジションPOSshがDポジションに切り替えられると、車両10の走行状態に応じて、D1ポジションまたはD2ポジションに自動で切り替えられる。D1ポジションは、車両停止中を含む比較的低車速領域において切り替えられる。D2ポジションは、中車速領域を含む比較的高車速領域において切り替えられる。例えば、Dポジションで走行中において、車両10の走行状態が、例えば低車速領域から高車速領域に移動した場合には、D1ポジションからD2ポジションに自動で切り替えられる。

0055

例えば、操作ポジションPOSshがDポジションに切り替えられたとき、車両10の走行状態がD1ポジションに対応する走行領域にある場合には、第1クラッチC1が係合されるとともに第2クラッチC2が解放される。このとき、エンジン12側から車両前進方向に作用する動力が、第1動力伝達経路PT1(ギヤ機構28)を軽油して駆動輪14に伝達されるギヤ走行モードとなる。なお、モード切替クラッチSOWCは、ワンウェイモードに切り替えられているため、車両前進方向に作用する動力を伝達する。

0056

また、操作ポジションPOSshが、Dポジションに切り替えられたとき、車両10の走行状態がD2ポジションに対応する走行領域にある場合には、第1クラッチC1が解放されるとともに第2クラッチC2が係合される。このとき、エンジン12側から前進方向に作用する動力が、第2動力伝達経路PT2(無段変速機24)を経由して駆動輪14に伝達されるベルト走行モードとなる。このように、操作ポジションPOSshがDポジションに切り替えられると、車両10の走行状態に応じて、エンジン12の動力が、第1動力伝達経路PT1(ギヤ機構28)または第2動力伝達経路PT2(無段変速機24)を経由して駆動輪14側に伝達される。

0057

また、シフトレバーの操作ポジションPOSshが、Mポジションに切り替えられると、運転者の手動操作によってアップシフトおよびダウンシフトに切り替えることが可能となる。すなわち、Mポジションは、運転者の手動操作による変速が可能なマニュアルシフトポジションとなる。例えば、操作ポジションPOSshがMポジションに切り替えられた状態で、運転者よってダウンシフト側に手動操作されると、第1クラッチC1が係合されるとともに、モード切替クラッチSOWCがロックモードに切り替えられる前進用ギヤ段が形成される。また、モード切替クラッチSOWCがロックモードに切り替えられることで、モード切替クラッチSOWCにおいて、車両10の駆動状態および被駆動状態の両方で動力伝達が可能となる。例えば惰性走行中は、駆動輪14側から回転が伝達される被駆動状態となるが、このときにMポジションにおいてダウンシフト側に手動操作されると、駆動輪14側から伝達される回転が、モード切替クラッチSOWCを経由してエンジン12側に伝達されることで、エンジン12が連れ回されることによりエンジンブレーキを発生させることができる。このように、操作ポジションPOSshがMポジションにおいてダウンシフトされると、第1動力伝達経路PT1(ギヤ機構28)を経由して駆動輪14に動力が伝達されるとともに、惰性走行中には、駆動輪14側から伝達される回転が第1動力伝達経路PT1を経由してエンジン12側に伝達されることでエンジンブレーキを発生させることができる、前進用ギヤ段が形成される。

0058

また、シフトレバーの操作ポジションPOSshが、Mポジションに切り替えられた状態で、運転者によってアップシフト側に手動操作されると、第2クラッチC2が係合される。このとき、第2動力伝達経路PT2(無段変速機24)を経由して駆動輪14に動力が伝達される前進用無段変速段が形成される。このように、操作ポジションPOSshがMポジションに切り替えられると、運転者の手動操作によって、第1動力伝達経路PT1を経由して動力が伝達される前進用ギヤ段(すなわちギヤ走行モード)、および、第2動力伝達経路PT2を経由して動力が伝達される前進用無段変速段(すなわちベルト走行モード)の一方に、切り替えられるマニュアルシフトが可能となる。なお、操作ポジションPOSshがMポジションにおいてダウンシフトされた場合が、図4のM1ポジションに対応し、操作ポジションPOSshがMポジションにおいてアップシフトされた場合が、図4のM2ポジションに対応している。これらM1ポジションおよびM2ポジションは、見かけ上は存在しないが、以下において、操作ポジションPOSshがMポジションでダウンシフト側に手動操作された場合には、M1ポジションに切り替えられたと便宜的に記載し、操作ポジションPOSshがMポジションでアップシフト側に手動操作された場合には、M2ポジションに切り替えられたと便宜的に記載する。

0059

上述したように、操作ポジションがMポジションに切り替えられた状態で、運転者によってダウンシフト側に手動操作されると、第1クラッチC1が係合されるとともに、モード切替クラッチSOWCがワンウェイモードからロックモードに切り替えられる。ここで、モード切替クラッチSOWCは、ロックモードに切り替えられる過渡期において、入力側回転部材68の入力回転速度Nsoinと出力側回転部材70の出力回転速度Nsooutとの間に回転速度差があると、入力側回転部材68と第2ストラット72bの一端とが衝突することでショックが発生する虞がある。また、入力側回転部材68と第2ストラット72bとの衝突に伴って耐久性が低下する虞もある。

0060

図5は、従来構造において、運転者によってM2ポジションからM1ポジションに切り替えられたときの制御状態を示すタイムチャートである。図5において、縦軸は、上から順番に、入力軸22の入力軸回転速度Ninに対応するタービン回転速度NT、第1クラッチC1の油圧アクチュエータに供給されるC1クラッチ圧Pc1、第2クラッチC2の油圧アクチュエータに供給されるC2クラッチ圧Pc2、モード切替クラッチSOWCのモードを切り替えるためのモード切替圧Psrにそれぞれ対応している。なお、図5に示す各々の油圧は、何れも指示圧に対応している。

0061

図5のt1時点において、運転者によってM2ポジションからM1ポジションに切り替えられると、第1クラッチC1のC1クラッチ圧Pc1が、第1クラッチC1が係合状態となる油圧Pc1aに引き上げられる。また、第2クラッチC2のC2クラッチ圧Pc2が、ゼロに減圧される。t2時点においてイナーシャ相が開始されると、タービン回転速度NTが、M1ポジションへの切替後に設定される回転速度NT*に向かって上昇する。そして、t3時点において、タービン回転速度NTと回転速度NT*との回転速度差が所定値未満になると、タービン回転速度NTが同期するものと予測的に判定され、モード切替圧Psrが、モード切替クラッチSOWCがロックモードとなる油圧Psraに増圧される。このとき、モード切替クラッチSOWCがロックモードに切り替えられるが、ロックモードへの切替過渡期において、モード切替クラッチSOWCの入力側回転部材68の入力回転速度Nsoinと出力側回転部材70の出力回転速度Nsooutとの間に回転速度差があると、入力側回転部材68と第2ストラット72bの一端とが衝突することでショックが発生する。

0062

このロックモードへの切替過渡期に発生するショックを低減するため、図6に示すように、ロックアップ制御用ソレノイドバルブSLUから出力される制御圧としてのロックアップコントロール圧Psluが、ロックアップクラッチLUに供給されるロックアップ圧Pluを調圧するロックアップ制御用コントロールバルブLUCV、および、第1クラッチC1に供給されるC1クラッチ圧Pc1を調圧するC1容量制御用コントロールバルブMCCVに供給可能に構成されている。

0063

図6は、動力伝達装置16を制御する油圧制御回路94の一部であって、特に、第1クラッチC1の油圧アクチュエータに供給されるC1クラッチ圧Pc1を制御する部位の回路図に対応している。図6に示すロックアップ制御用ソレノイドバルブSLUは、ロックアップクラッチLUのロックアップ圧Pluを制御するための制御圧であるロックアップコントロール圧Psluを出力する。ロックアップ制御用ソレノイドバルブSLUは、ロックアップコントロール圧Psluを精緻に制御することができるリニアソレノイドバルブから構成されている。ロックアップ制御用ソレノイドバルブSLUは、図示しないモジュレータバルブによって調圧されたモジュレータ圧PMを元圧にして、図示しない電子制御装置から供給される指示電流に基づくロックアップコントロール圧Psluを出力する。ロックアップ制御用ソレノイドバルブSLUのロックアップコントロール圧Psluが出力される油路98は、2つの油路に分岐しており、それぞれロックアップ制御用コントロールバルブLUCVおよびC1容量制御用コントロールバルブMCCVに接続されている。

0064

これより、ロックアップ制御用ソレノイドバルブSLUから出力されるロックアップコントロール圧Psluは、ロックアップ制御用コントロールバルブLUCV(以下、ロックアップバルブLUCV)に供給される。ロックアップバルブLUCVは、図示しないレギュレータバルブによって調圧されたセカンダリ圧PL2を元圧とし、ロックアップ制御用ソレノイドバルブSLUから出力されるロックアップコントロール圧Psluに基づいて、ロックアップクラッチLUに供給されるロックアップ圧Pluを調圧する調圧弁である。ロックアップバルブLUCVは、ロックアップ圧Pluを、ロックアップコントロール圧Psluに比例した油圧に調圧するように構成されている。

0065

また、ロックアップ制御用ソレノイドバルブSLUから出力されるロックアップコントロール圧Psluは、C1容量制御用コントロールバルブMCCV(以下、C1制御用バルブMCCV)に供給される。C1制御用バルブMCCVは、マニュアルバルブを経由して供給されるドライブ圧PDを元圧とし、ロックアップコントロール圧Psluに基づいて、第1クラッチC1の油圧アクチュエータに供給される油圧Pcv(クラッチ圧)を調圧する調圧弁である。C1制御用バルブMCCVは、油圧Pcvを、ロックアップコントロール圧Psluに比例した油圧に調圧するように構成されている。

0066

また、C1制御用バルブMCCVと第1クラッチC1との間に、切替バルブSLVが設けられている。切替バルブSLVは、第1クラッチC1の油圧アクチュエータへの作動油の供給先を、C1制御用バルブMCCVによって調圧される油圧Pcvおよびドライブ圧PDの何れかに切り替える切替弁である。切替バルブSLVは、切替用ソレノイドS1に供給される電流によって、第1クラッチC1の油圧アクチュエータとの連通先が切り替えられる。

0067

例えば、切替用ソレノイドS1に電流が供給されない状態では、切替バルブSLVに備えられるスプリング96の付勢力によって、切替バルブSLVの内部に収容されている図示しないスプールが所定の位置に移動させられ、第1クラッチC1の油圧アクチュエータに接続されている油路100と、C1制御用バルブMCCVの出力側に接続されている油路102とが、切替バルブSLVを介して接続される。このとき、第1クラッチC1の油圧アクチュエータには、C1制御用バルブMCCVによって調圧された油圧Pcvが、第1クラッチC1のC1クラッチ圧Pc1として供給される。

0068

一方、切替用ソレノイドS1に電流が供給されると、スプールにスプリング96の付勢力と反対方向の力が作用し、スプリング96の付勢力に抗ってスプールが反対方向に移動させられる。このとき、油路100と、ドライブ圧PDが供給される油路104とが、切替バルブSLVを介して接続され、第1クラッチC1の油圧アクチュエータには、ドライブ圧PDがC1クラッチ圧Pc1として供給される。ここで、ドライブ圧PDは、第1クラッチC1が完全係合される油圧値に設定されることで、ドライブ圧PDが第1クラッチC1に供給されると、第1クラッチC1が係合される。

0069

また、油圧制御回路94において、ロックアップバルブLUCVによって調圧されるロックアップ圧Plu、および、C1制御用バルブMCCVによって調圧される油圧Pcvは、図7に示す特性を有するように構成されている。図7において、横軸が、ロックアップ制御用ソレノイドバルブSLUのロックアップコントロール圧Pslu(以下、コントロール圧Pslu)を示し、縦軸が、コントロール圧Psluに基づいてロックアップバルブLUCVによって調圧されるロックアップ圧Plu、および、コントロール圧Psluに基づいてC1制御用バルブMCCVによって調圧される油圧Pcvを示している。なお、図7において、実線がロックアップ圧Pluを示し、一点鎖線が油圧Pcvを示している。

0070

図7に示すように、コントロール圧Psluがゼロよりも大きい油圧P1になると、ロックアップバルブLUCVからロックアップ圧Pluが出力され、コントロール圧Psluに比例してロックアップ圧Pluが増圧される。そして、コントロール圧Psluが油圧P2に到達すると、ロックアップ圧Pluが、ロックアップクラッチLUの完全係合されるセカンダリ圧PL2となる。このコントロール圧Psluが油圧P2までの範囲では、ロックアップ圧Pluのみ出力され、ロックアップクラッチLUのトルク容量が制御されるロックアップ制御を実行可能なロックアップ制御領域となる。なお、コントロール圧Psluが油圧P2よりも大きくなっても、ロックアップ圧Pluはセカンダリ圧PL2で保持される。

0071

次いで、コントロール圧Psluが油圧P3になると、C1制御用バルブMCCVから油圧Pcvが出力され、コントロール圧Psluに比例して油圧Pcvが増圧される。図7に示す油圧P3から油圧P4の領域では、第1クラッチC1の油圧アクチュエータに供給される油圧Pcvがコントロール圧Psluによって精緻に制御されるC1制御領域となる。また、油圧Pcvが出力される領域(C1制御領域)では、ロックアップ圧Pluがセカンダリ圧PL2となる。

0072

このように、コントロール圧Psluが油圧P2未満の領域ではロックアップ圧Pluのみ出力され、コントロール圧Psluが油圧P3以上になるとロックアップ圧Pluとしてセカンダリ圧PL2が出力されるとともに、C1制御用バルブMCCVから油圧Pcvが出力されるように構成されている。

0073

上記のように構成されることで、油圧Pcvが出力される場合には、ロックアップ圧Pluとしてセカンダリ圧PL2が出力されることで、ロックアップクラッチLUが係合される。従って、第1クラッチC1の係合過渡期において、第1クラッチC1の油圧アクチュエータに供給される油圧Pcvが出力されると、ロックアップクラッチLUが係合されることとなる。

0074

また、第1クラッチC1の係合過渡期において、切替バルブSLVによって、第1クラッチC1の油圧アクチュエータにC1制御用バルブMCCVによって調圧された油圧Pcvが供給される状態に切り替えられることで、第1クラッチC1の係合過渡期における第1クラッチC1のトルク容量をロックアップ制御用ソレノイドバルブSLUによって精緻に制御することができる。従って、M2ポジションからM1ポジションに切り替えられたとき、モード切替クラッチSOWCのロックモードへの切替過渡期における第1クラッチC1のトルク容量を、ロックアップ制御用ソレノイドバルブSLUを制御することにより減少させることで、モード切替クラッチSOWCの上流側(エンジン12側)のイナーシャが小さくなるため、モード切替クラッチSOWCのロックモードへの切替過渡期に発生するショックを低減することができる。

0075

また、油圧Pcvが出力される領域では、ロックアップクラッチLUが係合されることから、第1クラッチC1の係合過渡期においてロックアップクラッチLUの係合が維持される。このように、ロックアップクラッチLUの係合が維持されるため、ロックアップクラッチLUの係合および第1クラッチC1の係合によって、モード切替クラッチSOWCの入力側回転部材68の入力回転速度Nsoinを引き上げて、モード切替クラッチSOWCの前後の回転速度差を縮めることができる。よって、モード切替クラッチSOWCの係合過渡期のショックを低減することができる。

0076

図8は、本実施例において、運転者によってM2ポジションからM1ポジションに切り替えられたときの制御状態を示すタイムチャートである。図8において、縦軸は、上から順番に、入力軸22の入力軸回転速度Ninに対応するタービン回転速度NT、第1クラッチC1の油圧アクチュエータに供給されるC1クラッチ圧Pc1、切替用ソレノイドS1の指示電流Is1、第2クラッチC2の油圧アクチュエータに供給されるC2クラッチ圧Pc2、モード切替クラッチSOWCの油圧アクチュエータ41に供給されるモード切替圧Psr、ロックアップ制御用ソレノイドバルブSLUから出力されるコントロール圧Pslu、ロックアップクラッチLUの作動状態を、各々示している。

0077

図8に示すt1時点以前では、切替用ソレノイドS1の指示電流Is1がゼロであるため、切替バルブSLVにおいては、第1クラッチC1の油圧アクチュエータに接続されている油路100とC1制御用バルブMCCVに接続されている油路102とを連通する状態に切り替えられている。すなわち、C1制御用バルブMCCVによって調圧された油圧Pcvが、C1クラッチ圧Pc1として第1クラッチC1の油圧アクチュエータに供給される状態に切り替えられている。

0078

t1時点において、運転者によってM2ポジションからM1ポジションに切り替えられると、コントロール圧Psluが増圧されることで、油圧Pcvに対応するC1クラッチ圧Pc1が、予め設定されている待機圧Pstayに引き上げられてその待機圧Pstayで保持されている。このように、本実施例では、切替バルブSLVによって、第1クラッチC1の油圧アクチュエータの連通先が、C1制御用バルブMCCV側に切り替えられることで、第1クラッチC1の係合過渡期におけるC1クラッチ圧Pc1を精緻に制御することができる。このとき、コントロール圧Psluが増圧されることで、ロックアップクラッチLUが係合状態となっている。また、t1時点において、第2クラッチC2のC2クラッチ圧Pc2がゼロに減圧されている。

0079

t2時点において、イナーシャ相が開始されると、タービン回転速度NTが切替後に設定される回転速度NT*に向かって上昇する。t3時点において、タービン回転速度NTが切替後に設定される回転速度NT*に同期したものと判定されると、モード切替クラッチSOWCのモードを切り替えるための油圧アクチュエータ41に供給されるモード切替圧Psrが油圧Psraとされることで、モード切替クラッチSOWCがワンウェイモードからロックモードに切り替えられる。このt3時点において、C1クラッチ圧Pc1が待機圧Pstayに制御されているため、モード切替クラッチSOWCの上流側(エンジン12側)のイナーシャが、第1クラッチC1が完全係合された場合に比べて小さくなる。従って、モード切替クラッチSOWCがロックモードに切り替えられる過渡期に発生するショックが低減される。

0080

また、モード切替クラッチSOWCのロックモードへの切替過渡期において、ロックアップクラッチLUが係合されるとともに、第1クラッチC1についても待機圧Pstayに応じたトルク容量を有するため、ロックアップクラッチLUおよび第1クラッチC1の係合によって、モード切替クラッチSOWCの入力側回転部材68の入力回転速度Nsoinが引き上げられ、モード切替クラッチSOWCの前後の回転部材の回転速度差が縮められる。よって、モード切替クラッチSOWCのロックモードへの切替過渡期において発生するショックが一層低減される。

0081

t3時点から所定時間が経過すると、コントロール圧Psluが増圧されることで、C1クラッチ圧Pc1についても増圧され、t4時点において、切替用ソレノイドS1の指示電流Is1が所定値Is1aとされることで、切替バルブSLVの連通状態が切り替えられる。具体的には、第1クラッチC1の油圧アクチュエータに接続されている油路100と、ドライブ圧PDが供給される油路104とが連通される状態に切り替えられる。このとき、ドライブ圧PDが切替バルブSLVを介して第1クラッチC1の油圧アクチュエータに供給されることで、第1クラッチC1が完全係合される。これより、モード切替クラッチSOWCがロックモードに切り替えられるとともに、第1クラッチC1が係合されることで、M1ポジションへの切替が完了する。

0082

また、上述した構成に付随して、第1クラッチC1専用のリニアソレノイドバルブが不要となるため、油圧制御回路94の小型化および軽量化が可能になる。さらに、切替バルブSLVによって、第1クラッチC1の油圧アクチュエータに供給される油圧を切替可能に構成されているため、モード切替クラッチSOWCのモードの切替過渡期のみ第1クラッチC1のトルク容量を精緻に制御することができ、ロックアップクラッチLUの解放時であっても、切替バルブSLVによって第1クラッチC1の係合が可能になる。また、ロックアップ制御(油圧P2未満の領域)が実行される領域では、ロックアップ圧Pluのみ出力されるため、第1クラッチC1の干渉も防止される。

0083

上述のように、本実施例によれば、ロックアップクラッチLUのロックアップ状態を維持した状態で、第1クラッチC1のトルク容量を制御することができるため、モード切替クラッチSOWCのロックモードへの切替過渡期において第1クラッチC1のトルク容量を小さくすることができる。これより、モード切替クラッチSOWCの切替過渡期において、第1クラッチC1のトルク容量を小さく制御してモード切替クラッチSOWCの上流側のイナーシャを小さくすることができるため、モード切替クラッチSOWCの切替過渡期に発生するショックを低減することができる。

0084

以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。

0085

例えば、前述の実施例では、モード切替クラッチSOWCは、ワンウェイモードにおいて前進走行中における車両10の駆動状態において動力を伝達し、ロックモードにおいて車両10の駆動方向および被駆動方向の動力を伝達するように構成されていたが、本発明のモード切替クラッチは、必ずしもこれに限定されない。例えば、モード切替クラッチは、ワンウェイモードおよびロックモードに加えて、車両10の駆動状態および被駆動状態において動力伝達が遮断されるフリーモードが追加されるものであっても構わない。

0086

また、前述の実施例において、モード切替クラッチSOWCの構造は必ずしも本実施例に限定されない。要は、少なくてもワンウェイモードおよびロックモードに切替可能なモード切替クラッチであれば、その構造については適宜変更することができる。

実施例

0087

なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。

0088

10:車両
12:エンジン
14:駆動輪
16:車両用動力伝達装置
20:トルクコンバータ
24:無段変速機
C1:第1クラッチ
C2:第2クラッチ
SOWC:モード切替クラッチ
LU:ロックアップクラッチ
SLU:ロックアップ制御用ソレノイドバルブ
LUCV:ロックアップ制御用コントロールバルブ
MCCV:容量制御用コントロールバルブ
PT1:第1動力伝達経路
PT2:第2動力伝達経路

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