図面 (/)

技術 触媒温度推定装置、触媒温度推定システム、データ解析装置、および内燃機関の制御装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 武藤晴文永井敦橋本洋介青木優和
出願日 2019年2月20日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-028473
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-133512
状態 特許登録済
技術分野 排気の後処理 内燃機関の複合的制御
主要キーワード 温度推定プログラム 写像データ 温度変数 温度平均 補正比率 流体エネルギ 適合装置 部分領域間
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年8月31日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (13)

課題

触媒過渡的な温度を推定しつつも適合工数を軽減することができるようにした触媒温度推定装置を提供する。

解決手段

記憶装置70に記憶された写像データ76aは、ニューラルネットワークを規定するデータである。CPU72は、上流側空燃比センサ82によって検出される上流平均値や、吸入空気量Ga等をニューラルネットワークの入力として、GPF34の温度を推定する。

概要

背景

たとえば下記特許文献1には、内燃機関排気通路に設けられた触媒の温度を推定する装置が記載されている。この装置は、多数のマップデータを用いて過渡状態における触媒の温度を推定する。

概要

触媒の過渡的な温度を推定しつつも適合工数を軽減することができるようにした触媒温度推定装置を提供する。記憶装置70に記憶された写像データ76aは、ニューラルネットワークを規定するデータである。CPU72は、上流側空燃比センサ82によって検出される上流平均値や、吸入空気量Ga等をニューラルネットワークの入力として、GPF34の温度を推定する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

内燃機関排気通路に設けられた触媒の温度を推定する触媒温度推定装置であって、記憶装置と、実行装置と、を備え、前記記憶装置は、前記内燃機関の周囲の外気の温度に関する変数である外気温変数と前記触媒に流入する流体に含まれる酸素と過不足なく反応する燃料量に対する、実際に前記触媒に流入する燃料量の過剰量に応じた変数である過剰量変数との2つのうちの少なくとも1つの変数、前記触媒に流入する流体のエネルギに関する状態変数である流体エネルギ変数、および前記触媒の温度の推定値前回値を入力とし、前記触媒の温度の推定値を出力する写像を規定するデータである写像データを記憶しており、前記実行装置は、前記少なくとも1つの変数、前記流体エネルギ変数、および前記推定値の前回値を取得する取得処理、該取得処理によって取得されたデータを入力とする前記写像の出力に基づき前記触媒の温度の推定値を繰り返し算出する温度算出処理、および前記触媒の温度の推定値に基づき、前記触媒の温度を調整するための前記内燃機関の操作部を操作する操作処理を実行し、前記写像データは、機械学習によって学習されたものを含む触媒温度推定装置。

請求項2

前記内燃機関は、前記排気通路における前記触媒の上流過給機を備え、前記排気通路は、前記過給機を迂回する通路であってウェストゲートバルブによって流路断面積が調整される迂回通路を備え、前記写像の入力には、前記流体エネルギ変数とは別に前記迂回通路の流路断面積に関する変数である流路変数が含まれ、前記取得処理は、前記流路変数を取得する処理を含み、前記温度算出処理は、前記流路変数を前記写像への入力にさらに含めた前記写像の出力に基づき前記推定値を算出する処理である請求項1記載の触媒温度推定装置。

請求項3

前記流体エネルギ変数には、前記触媒に流入する流体の温度に関する変数である温度変数が含まれ、前記写像の入力には、前記流体エネルギ変数とは別に、前記内燃機関の点火時期に関する変数である点火変数が含まれ、前記取得処理は、前記点火変数を取得する処理を含み、前記温度算出処理は、前記点火変数を前記写像への入力にさらに含めた前記写像の出力に基づき前記推定値を算出する処理である請求項1または2記載の触媒温度推定装置。

請求項4

前記触媒は、流入する流体中のPMを捕集するフィルタ担持されており、前記写像の入力には、前記フィルタに堆積したPMの量に関する変数である堆積量変数が含まれ、前記取得処理は、前記堆積量変数を取得する処理を含み、前記温度算出処理は、前記堆積量変数を前記写像への入力にさらに含めた前記写像の出力に基づき前記推定値を算出する処理である請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒温度推定装置。

請求項5

前記取得処理は、前記流体の流れ方向に並ぶN個の部分領域に前記触媒を分割したそれぞれの部分領域を上流側から順に第1部分領域から第N部分領域とし、前記推定値の前回値として前記第1部分領域から第N部分領域までのそれぞれの温度の推定値の前回値を取得する処理を含み、前記写像は、前記第1部分領域の温度の推定値を出力する写像として前記取得処理によって取得した変数のうち前記第1部分領域よりも下流に位置する前記部分領域の前記推定値の前回値以外の変数を少なくとも入力とする第1写像と、「i」を2以上N以下の整数として、第i部分領域の温度の推定値を出力する写像として、少なくとも第「i−1」部分領域の温度の推定値と第i部分領域の前記推定値の前回値とを入力とする第i写像と、を含み、前記温度算出処理は、前記取得処理によって取得した変数のうち前記第1部分領域よりも下流に位置する前記部分領域の前記推定値の前回値以外の変数を少なくとも前記第1写像に入力することによって前記第1部分領域の温度の推定値を算出する処理と、少なくとも第「i−1」部分領域の温度の推定値と前記第i部分領域の前記推定値の前回値とを前記第i写像の入力とすることによって前記第i部分領域の温度の推定値を算出する処理とによって、前記第1部分領域から第N部分領域までのそれぞれの温度の推定値を算出する処理を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒温度推定装置。

請求項6

前記写像は、前記外気温変数と前記過剰量変数との2つのうちの少なくとも1つの変数および前記流体エネルギ変数を入力とし、前記内燃機関が定常運転しているときに前記触媒の温度が収束する値である定常温度を出力する定常写像と、前記内燃機関の吸入空気量に関する変数である空気量変数と前記定常温度と前記推定値の前回値とを入力とし、前記触媒の温度が前記定常温度に収束する時定数を定める変数である時定数変数を出力する時定数写像と、を含み、前記取得処理は、前記空気量変数を取得する処理を含み、前記温度算出処理は、前記外気温変数と前記過剰量変数との2つのうちの少なくとも1つの変数および前記流体エネルギ変数を入力とし前記定常写像の出力に基づき前記定常温度を算出する定常算出処理と、前記空気量変数と前記定常温度と前記推定値の前回値とを前記時定数写像の入力として前記時定数変数を算出する時定数算出処理と、前記時定数算出処理によって算出された前記時定数変数に応じて前記触媒の温度の推定値を前記定常温度に近づけることによって前記推定値を算出する処理と、を含み、前記定常写像を規定する写像データは、機械学習によって学習されたものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の触媒温度推定装置。

請求項7

前記写像は、前記触媒の温度の推定値の前回値に加えて流体エネルギ変数の時系列データを入力として前記触媒の温度の推定値を出力するものであり、前記取得処理は、前記流体エネルギ変数として前記流体エネルギ変数の時系列データを取得する処理を含み、前記温度算出処理による前記流体エネルギ変数を前記写像への入力とする前記推定値の算出処理は、前記流体エネルギ変数の時系列データを前記写像への入力とする前記推定値の算出処理である請求項1記載の触媒温度推定装置。

請求項8

前記流体エネルギ変数の時系列データは、前記排気通路における前記触媒の上流側から所定期間に前記触媒に流入する流体の温度に関する変数である温度変数の時系列データを含む請求項7記載の触媒温度推定装置。

請求項9

前記流体エネルギ変数の時系列データは、前記所定期間における前記温度変数の時系列データと、前記所定期間における、前記内燃機関の吸入空気量に関する変数である空気量変数とを含んで構成されており、前記所定期間における前記空気量変数は、前記温度変数の時系列データよりもサンプリング数が少ない請求項8記載の触媒温度推定装置。

請求項10

前記記憶装置は、前記写像データとして複数種類の写像データを記憶しており、前記温度算出処理は、前記複数種類の写像データのうちの1つを、前記触媒の温度の推定値を算出するために用いる写像データとして選択する選択処理を含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の触媒温度推定装置。

請求項11

前記記憶装置は、前記内燃機関の燃焼室への燃料供給の有無、前記触媒の暖機処理の有無および前記触媒の昇温処理の有無の少なくとも1つに応じた各別の写像を規定する複数種類の写像データを記憶しており、前記選択処理は、前記複数種類の写像データのうちの1つを、前記触媒の温度の推定値を算出するために用いる写像データとして選択する処理を含む請求項10記載の触媒温度推定装置。

請求項12

前記操作処理は、前記触媒の温度が所定温度以上の場合、所定温度未満の場合と比較して、前記内燃機関の燃焼室において燃焼対象とされる混合気空燃比リッチとする処理を含む請求項1〜11のいずれか1項に記載の触媒温度推定装置。

請求項13

請求項1〜12のいずれか1項に記載の前記実行装置および前記記憶装置を備え、前記実行装置は、第1実行装置および第2実行装置を含み、前記第1実行装置は、車両に搭載されて且つ、前記取得処理と、前記取得処理によって取得されたデータを車両の外部に送信する車両側送信処理と、前記温度算出処理によって算出された推定値に基づく信号を受信する車両側受信処理と、前記操作処理と、を実行し、前記第2実行装置は、前記車両の外部に配置されて且つ、前記車両側送信処理によって送信されたデータを受信する外部側受信処理と、前記温度算出処理と、前記温度算出処理によって算出された推定値に基づく信号を前記車両に送信する外部側送信処理と、を実行する触媒温度推定システム

請求項14

請求項13記載の前記第2実行装置および前記記憶装置を備えるデータ解析装置

請求項15

請求項13記載の前記第1実行装置を備える内燃機関の制御装置

技術分野

背景技術

0002

たとえば下記特許文献1には、内燃機関の排気通路に設けられた触媒の温度を推定する装置が記載されている。この装置は、多数のマップデータを用いて過渡状態における触媒の温度を推定する。

先行技術

0003

特開2015−117621号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、過渡的な温度を推定すべく多数のマップデータを用いる場合、それら各マップデータの適合工数が大きくなる。

課題を解決するための手段

0005

以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.内燃機関の排気通路に設けられた触媒の温度を推定する触媒温度推定装置であって、記憶装置と、実行装置と、を備え、前記記憶装置は、前記内燃機関の周囲の外気の温度に関する変数である外気温変数と前記触媒に流入する流体に含まれる酸素と過不足なく反応する燃料量に対する、実際に前記触媒に流入する燃料量の過剰量に応じた変数である過剰量変数との2つのうちの少なくとも1つの変数、前記触媒に流入する流体のエネルギに関する状態変数である流体エネルギ変数、および前記触媒の温度の推定値前回値を入力とし、前記触媒の温度の推定値を出力する写像を規定するデータである写像データを記憶しており、前記実行装置は、前記少なくとも1つの変数、前記流体エネルギ変数、および前記推定値の前回値を取得する取得処理、該取得処理によって取得されたデータを入力とする前記写像の出力に基づき前記触媒の温度の推定値を繰り返し算出する温度算出処理、および前記触媒の温度の推定値に基づき、前記触媒の温度を調整するための前記内燃機関の操作部を操作する操作処理を実行し、前記写像データは、機械学習によって学習されたものを含む触媒温度推定装置である。

0006

上記構成では、推定値の前回値に基づき触媒の温度の推定値を算出することにより、触媒の定常状態の温度ではなく、前回の温度に対する変化を反映して触媒の温度を算出することができる。また、上記構成において、写像への入力に外気温変数を含めるなら、触媒の熱量の流出速度が外気温に応じて変化することを反映しつつ推定値を算出することができることから、外気温変数を用いない場合と比較して、精度を高めることができる。また上記構成において、写像への入力に過剰量変数を含めるなら、触媒に酸素が吸蔵される際に生じる熱量や触媒に吸蔵されている酸素が燃料酸化させる際の酸化熱を把握しつつ推定値を算出できることから、過剰量変数を用いない場合と比較して精度を高めることができる。しかも、仮に触媒温度の推定値をマップデータによって算出するとするなら、マップデータの入力変数に外気温変数や過剰量変数を含めることにより、含めない場合と比較して適合工数が増大する。これに対し、上記構成では、写像データの生成の少なくとも一部を機械学習によって行うことにより、適合工数を軽減することができる。

0007

2.前記内燃機関は、前記排気通路における前記触媒の上流過給機を備え、前記排気通路は、前記過給機を迂回する通路であってウェストゲートバルブによって流路断面積が調整される迂回通路を備え、前記写像の入力には、前記流体エネルギ変数とは別に前記迂回通路の流路断面積に関する変数である流路変数が含まれ、前記取得処理は、前記流路変数を取得する処理を含み、前記温度算出処理は、前記流路変数を前記写像への入力にさらに含めた前記写像の出力に基づき前記推定値を算出する処理である上記1記載の触媒温度推定装置である。

0008

過給機は比熱が大きいことから、触媒に流入する流体のうちの過給機を通過して触媒に流入する流体の割合に応じて、触媒に流入する排気の温度が異なる傾向がある。そこで上記構成では、流路変数に基づき触媒の温度の推定値を算出することにより、流路変数を用いない場合と比較して、推定値の精度を高めることができる。

0009

3.前記流体エネルギ変数には、前記触媒に流入する流体の温度に関する変数である温度変数が含まれ、前記写像の入力には、前記流体エネルギ変数とは別に、前記内燃機関の点火時期に関する変数である点火変数が含まれ、前記取得処理は、前記点火変数を取得する処理を含み、前記温度算出処理は、前記点火変数を前記写像への入力にさらに含めた前記写像の出力に基づき前記推定値を算出する処理である上記1または2記載の触媒温度推定装置である。

0010

点火時期を遅角するほど、燃焼室において燃焼することなく、燃焼室から排気通路に排出された後に燃料が燃焼するいわゆる後燃え現象が顕著となる。そして後燃えの程度によって触媒の受熱量が変化する。そこで上記構成では、点火変数に基づき触媒の温度の推定値を算出することにより、点火変数を用いない場合と比較して、推定値の精度を高めることができる。

0011

4.前記触媒は、流入する流体中のPMを捕集するフィルタ担持されており、前記写像の入力には、前記フィルタに堆積したPMの量に関する変数である堆積量変数が含まれ、前記取得処理は、前記堆積量変数を取得する処理を含み、前記温度算出処理は、前記堆積量変数を前記写像への入力にさらに含めた前記写像の出力に基づき前記推定値を算出する処理である上記1〜3のいずれか1つに記載の触媒温度推定装置である。

0012

フィルタにPMが捕集されている場合にフィルタに酸素が流入すると、PMが酸化されて酸化熱によってフィルタおよび触媒の温度が上昇する。そこで、上記構成では、堆積量変数に基づき触媒の温度の推定値を算出することにより、堆積量変数を用いない場合と比較して、推定値の精度を高めることができる。

0013

5.前記取得処理は、前記流体の流れ方向に並ぶN個の部分領域に前記触媒を分割したそれぞれの部分領域を上流側から順に第1部分領域から第N部分領域とし、前記推定値の前回値として前記第1部分領域から第N部分領域までのそれぞれの温度の推定値の前回値を取得する処理を含み、前記写像は、前記第1部分領域の温度の推定値を出力する写像として前記取得処理によって取得した変数のうち前記第1部分領域よりも下流に位置する前記部分領域の前記推定値の前回値以外の変数を少なくとも入力とする第1写像と、「i」を2以上N以下の整数として、第i部分領域の温度の推定値を出力する写像として、少なくとも第「i−1」部分領域の温度の推定値と第i部分領域の前記推定値の前回値とを入力とする第i写像と、を含み、前記温度算出処理は、前記取得処理によって取得した変数のうち前記第1部分領域よりも下流に位置する前記部分領域の前記推定値の前回値以外の変数を少なくとも前記第1写像に入力することによって前記第1部分領域の温度の推定値を算出する処理と、少なくとも第「i−1」部分領域の温度の推定値と前記第i部分領域の前記推定値の前回値とを前記第i写像の入力とすることによって前記第i部分領域の温度の推定値を算出する処理とによって、前記第1部分領域から第N部分領域までのそれぞれの温度の推定値を算出する処理を含む上記1〜4のいずれか1つに記載の触媒温度推定装置である。

0014

上記構成では、第「i−1」部分領域の温度の推定値に基づき第i部分領域の温度を推定することにより、第i部分領域と第「i−1」部分領域との熱交換を考慮して第i部分領域の温度を推定することができる。したがって、単一の写像によって単一の触媒の温度を算出する写像を構成する場合と比較すると、触媒の部分領域間の熱交換を簡易に反映することができることから、各写像の構造を簡素化しつつも温度の推定精度を高めることができる。

0015

6.前記写像は、前記外気温変数と前記過剰量変数との2つのうちの少なくとも1つの変数および前記流体エネルギ変数を入力とし、前記内燃機関が定常運転しているときに前記触媒の温度が収束する値である定常温度を出力する定常写像と、前記内燃機関の吸入空気量に関する変数である空気量変数と前記定常温度と前記推定値の前回値とを入力とし、前記触媒の温度が前記定常温度に収束する時定数を定める変数である時定数変数を出力する時定数写像と、を含み、前記取得処理は、前記空気量変数を取得する処理を含み、前記温度算出処理は、前記外気温変数と前記過剰量変数との2つのうちの少なくとも1つの変数および前記流体エネルギ変数を入力とし前記定常写像の出力に基づき前記定常温度を算出する定常算出処理と、前記空気量変数と前記定常温度と前記推定値の前回値とを前記時定数写像の入力として前記時定数変数を算出する時定数算出処理と、前記時定数算出処理によって算出された前記時定数変数に応じて前記触媒の温度の推定値を前記定常温度に近づけることによって前記推定値を算出する処理と、を含み、前記定常写像を規定する写像データは、機械学習によって学習されたものである上記1〜5のいずれか1つに記載の触媒温度推定装置である。

0016

上記構成では、定常状態の温度と時定数変数とによって、触媒の温度の過渡的な挙動をも推定できる。ここで、仮に定常状態の温度をマップデータによって算出するとするなら、外気温変数や過剰量変数を含めることにより、含めない場合と比較して適合工数が増大する。これに対し、上記構成では、機械学習によって写像データを生成することにより、適合工数を軽減することができる。

0017

7.前記写像は、前記触媒の温度の推定値の前回値に加えて流体エネルギ変数の時系列データを入力として前記触媒の温度の推定値を出力するものであり、前記取得処理は、前記流体エネルギ変数として前記流体エネルギ変数の時系列データを取得する処理を含み、前記温度算出処理による前記流体エネルギ変数を前記写像への入力とする前記推定値の算出処理は、前記流体エネルギ変数の時系列データを前記写像への入力とする前記推定値の算出処理である上記1記載の触媒温度推定装置である。

0018

上記構成では、流体エネルギ変数の時系列データに基づき触媒の温度を推定することから、流体エネルギ変数の単一のサンプリング値を用いる場合と比較すると、推定値の算出周期における流体エネルギについてのより高精度な情報を用いることができ、ひいては温度の推定精度を高めることができる。

0019

8.前記流体エネルギ変数の時系列データは、前記排気通路における前記触媒の上流側から所定期間に前記触媒に流入する流体の温度に関する変数である温度変数の時系列データを含む上記7記載の触媒温度推定装置である。

0020

上記構成では、触媒の上流側の流体の温度変数の時系列データを用いて流体エネルギ変数を構成することにより、触媒に流入する流体のエネルギ流量を高精度に表現できる。
9.前記流体エネルギ変数の時系列データは、前記所定期間における前記温度変数の時系列データと、前記所定期間における、前記内燃機関の吸入空気量に関する変数である空気量変数とを含んで構成されており、前記所定期間における前記空気量変数は、前記温度変数の時系列データよりもサンプリング数が少ない上記9記載の触媒温度推定装置である。

0021

流体の温度と空気量とによって、流体の有する熱エネルギの流量が定まることから、上記構成によれば、流体エネルギ変数を、流体の有する熱エネルギ流量を高精度に表現する変数とすることができる。しかも、上記構成では、温度変数のいくつかのサンプリング値に対して単一の空気量変数のサンプリング値を対応させることにより、写像の入力変数の次元を削減できる。

0022

10.前記記憶装置は、前記写像データとして複数種類の写像データを記憶しており、
前記温度算出処理は、前記複数種類の写像データのうちの1つを、前記触媒の温度の推定値を算出するために用いる写像データとして選択する選択処理を含む上記1〜9のいずれか1つに記載の触媒温度推定装置である。

0023

あらゆる状況において、触媒の温度の推定値を高精度に出力可能な写像を構成する場合、写像の構造が複雑化しやすい。そこで上記構成では、複数種類の写像データを設ける。これより、状況に応じて適切な写像を選択することが可能となり、その場合、単一の写像で全ての状況に対処する場合と比較して、複数種類の写像のそれぞれの構造を簡素化しやすい。

0024

11.前記記憶装置は、前記内燃機関の燃焼室への燃料供給の有無、前記触媒の暖機処理の有無および前記触媒の昇温処理の有無の少なくとも1つに応じた各別の写像を規定する複数種類の写像データを記憶しており、前記選択処理は、前記複数種類の写像データのうちの1つを、前記触媒の温度の推定値を算出するために用いる写像データとして選択する処理を含む上記10記載の触媒温度推定装置である。

0025

燃料供給の有無や、触媒の暖機処理の有無、昇温処理の有無によって、触媒の受熱量が大きく異なる。そのため、それらに対して単一の写像で対処する場合には、写像の構造が複雑化しやすい。これに対し、上記構成では、燃料供給の有無や、触媒の暖機処理の有無、昇温処理の有無に応じて温度の推定値を算出するための写像を選択することにより、各写像を、燃料供給の有無や、触媒の暖機処理の有無、昇温処理の有無に特化したものとすることができ、ひいては複数種類の写像のそれぞれの構造を簡素化しやすい。

0026

12.前記操作処理は、前記触媒の温度が所定温度以上の場合、所定温度未満の場合と比較して、前記内燃機関の燃焼室において燃焼対象とされる混合気空燃比リッチとする処理を含む上記1〜11のいずれか1つに記載の触媒温度推定装置である。

0027

上記構成では、上記推定値に基づき、触媒の温度が過度に高くならないように、触媒に流入する流体の温度を下げるべく、空燃比をリッチとする処理を実行する。したがって、精度の良い温度情報に基づき、リッチとする処理の実行の可否判定ができることから、不必要にリッチとすることを抑制できる。

0028

13.上記1〜12のいずれか1つに記載の前記実行装置および前記記憶装置を備え、前記実行装置は、第1実行装置および第2実行装置を含み、前記第1実行装置は、車両に搭載されて且つ、前記取得処理と、前記取得処理によって取得されたデータを車両の外部に送信する車両側送信処理と、前記温度算出処理によって算出された推定値に基づく信号を受信する車両側受信処理と、前記操作処理と、を実行し、前記第2実行装置は、前記車両の外部に配置されて且つ、前記車両側送信処理によって送信されたデータを受信する外部側受信処理と、前記温度算出処理と、前記温度算出処理によって算出された推定値に基づく信号を前記車両に送信する外部側送信処理と、を実行する触媒温度推定システムである。

0029

上記構成では、温度算出処理を車両の外部において実行することにより、車載装置演算負荷を軽減できる。
14.上記13記載の前記第2実行装置および前記記憶装置を備えるデータ解析装置である。

0030

15.上記13記載の前記第1実行装置を備える内燃機関の制御装置である。

図面の簡単な説明

0031

第1の実施形態にかかる制御装置および車両の駆動系の構成を示す図。
同実施形態にかかる制御装置が実行する処理の一部を示すブロック図。
同実施形態にかかる触媒温度推定処理の手順を示す流れ図。
同実施形態にかかる写像データを生成するシステムを示す図。
同実施形態にかかる写像データの学習処理の手順を示す流れ図。
第2の実施形態にかかる触媒温度推定処理の手順を示す流れ図。
第3の実施形態にかかる選択処理の手順を示す流れ図。
第4の実施形態にかかる触媒の部分領域を示す図。
同実施形態にかかる触媒温度推定処理の手順を示す流れ図。
第5の実施形態にかかる触媒温度推定処理の手順を示す流れ図。
第6の実施形態にかかる触媒温度推定システムの構成を示す図。
(a)および(b)は、触媒温度推定システムが実行する処理の手順を示す流れ図。

実施例

0032

<第1の実施形態>
以下、触媒温度推定装置にかかる第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示す車両VCに搭載された内燃機関10において、吸気通路12から吸入された空気は、過給機14を介して下流へ流動し、吸気バルブ16の開弁に伴って燃焼室18に流入する。内燃機関10には、燃焼室18に燃料を直接噴射する筒内噴射弁20や、火花放電を生じさせる点火装置22が設けられている。燃焼室18において、空気と燃料との混合気は、燃焼に供され、燃焼によって生じたエネルギは、クランク軸24の回転エネルギとして取り出される。燃焼に供された混合気は、排気バルブ26の開弁に伴って、排気として、排気通路30に排出される。排気通路30のうち過給機14の下流には、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタであって酸素吸蔵能力を有した三元触媒が担持されたフィルタであるGPF34が設けられている。また、GPF34の下流には、酸素吸蔵能力を有した三元触媒である触媒36が設けられている。また、排気通路30は、過給機14を迂回してGPF34へと排気を流動させる迂回通路40を備えている。迂回通路40には、その流路断面積を調整するウェストゲートバルブ(以下、WGV42)が設けられている。

0033

なお、クランク軸24には、トルクコンバータ50および変速装置52を介して駆動輪60が機械的に連結されている。
制御装置70は、内燃機関10を制御対象とし、その制御量であるトルク排気成分比率等を制御するために、筒内噴射弁20や、点火装置22、WGV42等の内燃機関10の操作部を操作する。なお、図1には、筒内噴射弁20、点火装置22、およびWGV42のそれぞれの操作信号MS1〜MS3を記載している。

0034

制御装置70は、制御量の制御に際し、エアフローメータ80によって検出される吸入空気量Gaや、GPF34の上流に設けられた排気温センサ82によって検出される排気温Texu、GPF34の上流側に設けられた上流側空燃比センサ84の検出値である上流側検出値Afuを参照する。また制御装置70は、GPF34と触媒36との間に設けられた下流側空燃比センサ86の検出値である下流側検出値Afdや、クランク角センサ88の出力信号Scr、車速センサ90によって検出される車速SPD、外気温センサ92によって検出される外気温TOを参照する。

0035

制御装置70は、CPU72、ROM74、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリである記憶装置76、および周辺回路77を備え、それらがローカルネットワーク78によって通信可能とされたものである。なお、周辺回路77は、内部の動作を規定するクロック信号を生成する回路や、電源回路リセット回路等を含む。

0036

制御装置70は、ROM74に記憶されたプログラムをCPU72が実行することによって、上記制御量の制御を実行する。
図2に、ROM74に記憶されたプログラムをCPU72が実行することによって実現される処理の一部を示す。

0037

ベース噴射量算出処理M10は、充填効率ηに基づき、燃焼室18内の混合気の空燃比を目標空燃比とするための燃料量のベース値であるベース噴射量Qbを算出する処理である。詳しくは、ベース噴射量算出処理M10は、たとえば充填効率ηが百分率で表現される場合、空燃比を目標空燃比とするための充填効率ηの1%当たりの燃料量QTHに、充填効率ηを乗算することによりベース噴射量Qbを算出する処理とすればよい。ベース噴射量Qbは、燃焼室18内に充填される空気量に基づき、空燃比を目標空燃比に制御するために算出された燃料量である。本実施形態では、目標空燃比として、理論空燃比を例示する。なお、充填効率ηは、燃焼室18内に充填される空気量を定めるパラメータであり、CPU72により回転速度NEおよび吸入空気量Gaに基づき算出される。また、回転速度NEは、クランク角センサ88の出力信号Scrに基づきCPU72により算出される。

0038

フィードバック処理M12は、上流側検出値Afuを目標値Afu*にフィードバック制御するための操作量であるフィードバック操作量としてのベース噴射量Qbの補正比率δに「1」を加算したフィードバック補正係数AFを算出して出力する処理である。詳しくは、フィードバック処理M12は、上流側検出値Afuと目標値Afu*との差を入力とする比例要素および微分要素各出力値と、同差に応じた値の積算値を保持し出力する積分要素出力値との和を補正比率δとする。

0039

触媒温度抑制処理M14は、GPF34の温度である触媒温度Tcatが所定温度以上となる場合、GPF34を保護すべく、増量係数Kotを「1」よりも大きい値に算出する処理である。なお、触媒温度Tcatが所定温度未満の場合、増量係数Kotは、「1」とされる。

0040

要求噴射量算出処理M16は、ベース噴射量Qbに、フィードバック補正係数KAFと増量係数Kotを乗算することによって、要求噴射量Qdを算出する処理である。なお、本実施形態では、増量係数Kotが「1」よりも大きい場合には、フィードバック処理M12を停止し、フィードバック補正係数KAFを固定することとする。

0041

噴射弁操作処理M18は、要求噴射量Qdに基づき、筒内噴射弁20を操作すべく、筒内噴射弁20に操作信号MS1を出力する処理である。
触媒温度推定処理M20は、触媒温度Tcatを推定する処理である。これについては、後に詳述する。

0042

PM堆積量算出処理M22は、回転速度NEや充填効率η、上流側検出値Afu、触媒温度Tcat等に基づき、PM堆積量DPMを算出する処理である。ここで、PM堆積量DPMは、GPF34に堆積された粒子状物質であるPMの量である。詳しくは、PM堆積量算出処理M22は、回転速度NEおよび充填効率ηを入力変数とし、排気通路30に排出されるPMの量を出力変数とするマップデータに基づき、排出されるPMの量をマップ演算する処理を含む。また、PM堆積量算出処理M22は、排出されたPMのうちのGPF34によって捕集される割合を、PM堆積量DPMが小さい場合に多い場合よりも大きく算出する処理を含む。また、PM堆積量算出処理M22は、上流側検出値Afuが理論空燃比よりもリーンである場合に、GPF34において酸化されるPM量を触媒温度Tcatが高い場合に低い場合よりも大きく算出する処理を含む。

0043

なお、マップデータとは、入力変数の離散的な値と、入力変数の値のそれぞれに対応する出力変数の値と、の組データである。またマップ演算は、たとえば、入力変数の値がマップデータの入力変数の値のいずれかに一致する場合、対応するマップデータの出力変数の値を演算結果とするのに対し、一致しない場合、マップデータに含まれる複数の出力変数の値の補間によって得られる値を演算結果とする処理とすればよい。

0044

再生処理M24は、PM堆積量DPMが所定量以上となる場合、筒内噴射弁20や点火装置22等の内燃機関10の操作部のうちの排気の温度を上昇させるための操作部を操作して、GPF34の温度を上昇させる昇温制御を実行し、GPF34に捕集されたPMを酸化除去する処理である。詳しくは、再生処理M24は、昇温制御によって触媒温度Tcatが所定範囲内となるように制御する処理を含む。

0045

下流側通電処理M26は、内燃機関10の始動後、触媒温度Tcatに基づき、下流側空燃比センサ86の通電を開始する処理である。本実施形態において、下流側通電処理M26は、触媒温度Tcatを下流側空燃比センサ86の温度とみなして、触媒温度Tcatが規定値以上となることで、下流側空燃比センサ86の通電を開始する処理とする。

0046

図3に、触媒温度推定処理M20の手順を示す。図3に示す処理は、図1に示すROM74に記憶された温度推定プログラム74aをCPU72がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。なお、以下では、先頭に「S」が付与された数字によって、各処理のステップ番号を表現する。

0047

図3に示す一連の処理において、CPU72は、まず、排気温平均値Texuave、上流側平均値Afuave、吸入空気量Ga、回転速度NE、および充填効率ηのそれぞれについての、所定期間における時系列データと、前回、図3の処理によって算出された触媒温度Tcatである触媒温度Tcatの前回値と、を取得する(S10)。以下では、サンプリングタイミングが古い順に、「1,2,…,sn」として、たとえば回転速度NEの時系列データを「NE(1)〜NE(sn)」と記載する。ここで、「sn」は、各変数の時系列データに含まれるデータ数である。

0048

排気温平均値Texuaveは、上記時系列データのサンプリング間隔における排気温Texuの平均値である。すなわち、CPU72は、時系列データのサンプリング間隔の間に、排気温Texuを複数回サンプリングし、それらの平均値を算出し、排気温平均値Texuaveとする。同様に、上流側平均値Afuaveは、上記時系列データのサンプリング間隔における上流側検出値Afuの平均値である。

0049

次にCPU72は、触媒温度Tcatを出力する写像の入力変数x(1)〜x(5sn+1)に、S10の処理によって取得した値を代入する(S12)。すなわち、CPU72は、m=1〜snとすると、入力変数x(m)に排気温平均値Texuave(m)を代入し、入力変数x(sn+m)に上流側平均値Afuave(m)を代入し、入力変数x(2sn+m)に吸入空気量Ga(m)を代入し、入力変数x(3sn+m)に回転速度NE(m)を代入する。またCPU72は、入力変数x(4sn+m)に充填効率η(m)を代入し、入力変数x(5sn+1)に触媒温度Tcatの前回値を代入する。

0050

次にCPU72は、図1に示す記憶装置76に記憶された写像データ76aによって規定される写像に入力変数x(1)〜x(5sn+1)を入力することによって、触媒温度Tcatを算出する(S14)。

0051

本実施形態において、この写像は、中間層が「α」個であって且つ、各中間層活性化関数h1〜hαが、ハイパボリックタンジェントであり、出力層の活性化関数fがReLUであるニューラルネットワークによって構成されている。なお、ReLUは、入力とゼロとのうちの小さくない方を出力する関数である。たとえば、第1の中間層の各ノードの値は、係数w(1)ji(j=0〜n1,i=0〜5sn+1)によって規定される線形写像に上記入力変数x(1)〜x(5sn+1)を入力した際の出力を活性化関数h1に入力することによって生成される。すなわち、m=1,2,…,αとすると、第mの中間層の各ノードの値は、係数w(m)によって規定される線形写像の出力を活性化関数hmに入力することによって生成される。図3に示す値n1,n2,…,nαは、それぞれ、第1、第2、…、第αの中間層のノード数である。ちなみに、w(1)j0等は、バイアスパラメータであり、入力変数x(0)は、「1」と定義している。

0052

なお、CPU72は、S14の処理が完了する場合には、図3に示す一連の処理を一旦終了する。ちなみに、図3の処理を最初に実行する場合には、触媒温度Tcatの前回値として、予め定めておいたデフォルト値を用いればよい。デフォルト値が実際の温度からずれている場合であっても、図3の処理が繰り返されることにより、触媒温度Tcatは正しい値へと収束する。

0053

次に写像データ76aの生成手法について説明する。
図4に、写像データ76aを生成するシステムを示す。
図4に示すように、本実施形態では、内燃機関10のクランク軸24に、トルクコンバータ50および変速装置52を介してダイナモメータ100を機械的に連結する。そして内燃機関10を稼働させた際の様々な状態変数がセンサ群102によって検出され、検出結果が、写像データ76aを生成するコンピュータである適合装置104に入力される。なお、センサ群102には、写像への入力を生成するための値を検出するセンサであるエアフローメータ80や、排気温センサ82、上流側空燃比センサ84等が含まれる。また、センサ群102には、GPF34の温度を検出する触媒温度センサが含まれる。

0054

図5に、写像データの生成処理の手順を示す。図5に示す処理は、適合装置104によって実行される。なお、図5に示す処理は、たとえば、適合装置104にCPUおよびROMを備え、ROMに記憶されたプログラムをCPUが実行することにより実現すればよい。

0055

図5に示す一連の処理において、適合装置104は、まず、センサ群102の検出結果に基づき、S10の処理において取得するのと同一のデータを訓練データとして取得する(S20)。なお、ここで、取得したタイミングに同期して、上述の触媒温度センサの検出値を訓練データのうちの教師データとして取得する。

0056

次に、適合装置104は、S12の処理の要領で、入力変数x(1)〜x(5sn+1)に教師データ以外の訓練データを代入する(S22)。そして適合装置104は、S14の処理の要領で、S22の処理によって求めた入力変数x(1)〜x(5sn+1)を用いて触媒温度Tcatを算出する(S24)。そしてCPU72は、S24の処理によって算出された触媒温度Tcatのサンプル数が所定以上であるか否かを判定する(S26)。ここで所定以上であるためには、内燃機関10の運転状態を変化させることによって、回転速度NEおよび充填効率ηによって規定される様々な動作点において触媒温度Tcatが算出されていることが要求される。

0057

適合装置104は、所定以上ではないと判定する場合(S26:NO)、S20の処理に戻る。これに対し、CPU72は、所定以上であると判定する場合(S26:YES)、教師データとしての触媒温度センサの検出値とS24の処理によって算出された触媒温度Tcatのそれぞれとの差の2乗和を最小化するように、係数w(1)ji,w(2)kj,…,w(α)1pを更新する(S28)。そして適合装置104は、係数w(1)ji,w(2)kj,…,w(α)1pを、学習済みの写像データ76aとして記憶する(S30)。

0058

ここで、本実施形態の作用および効果について説明する。
写像データ76aは、排気温平均値Texuave、上流側平均値Afuave、吸入空気量Ga、回転速度NE、および充填効率ηのそれぞれの時系列データと、触媒温度Tcatの前回値と、を入力とし、触媒温度Tcatを出力とする写像を規定するものとして、学習される。ここで、吸入空気量Gaおよび排気温平均値Texuaveは、GPF34に流入する流体のエネルギに関する状態変数である流体エネルギ変数を構成する。また、吸入空気量Gaおよび上流側平均値Afuaveは、GPF34に流入する流体に含まれる酸素と過不足なく反応する燃料量に対する実際の燃料量の過剰量に応じた変数である過剰量変数を構成する。ただし、過剰量は、負の値となることもある。すなわち、GPF34に流入する流体に含まれる酸素と過不足なく反応する燃料量に対して実際の燃料量が不足する場合、負の値となる。

0059

GPF34は、GPF34に流入する流体と熱交換をすることに加えて、流体中の酸素を吸蔵する際に発熱したり、流体中の燃料と吸蔵されている酸素との酸化反応で発熱したりする。これらによる触媒温度Tcatの前回値からの変化量は、排気エネルギ変数と過剰量変数とによって把握できることから、排気エネルギ変数と過剰量変数とによって触媒温度Tcatを算出できると考えられる。

0060

ただし、それら複数の変数を用いて触媒温度Tcatを出力する写像をマップデータの適合によって行う場合には、適合工数が大きくなりやすい。これに対し、本実施形態では、機械学習を用いることによって、適合工数を抑制できる。

0061

以上説明した本実施形態によれば、さらに以下に記載する効果が得られる。
(1)排気温平均値Texuave、上流側平均値Afuave、吸入空気量Ga、回転速度NE、および充填効率ηのそれぞれの単一のサンプリング値ではなく、時系列データを写像の入力とした。これにより、触媒温度Tcatに影響する変数の波形情報を用いて触媒温度Tcatを算出できることから、単一のサンプリング値を用いる場合と比較すると、触媒温度Tcatの算出周期の割に精度を高めやすい。なお、時系列データを入力変数とし触媒温度Tcatを出力変数とするマップデータは、適合工数が膨大となり、現実的ではないが、本実施形態では、マップデータに代えて機械学習による学習済みモデルを用いることによって、時系列データに基づく触媒温度Tcatの算出を可能とした。

0062

(2)内燃機関10の様々な変数を無作為且つ大量に入力して触媒温度Tcatを算出する写像を機械学習によって学習させるのではなく、内燃機関10の制御に精通した発明者の知見に基づき、写像に入力する変数を厳選した。そのため、発明者の知見を用いない場合と比較すると、ニューラルネットワークの中間層の層数や、時系列データのデータ数snを小さくすることが可能となり、触媒温度Tcatを算出する写像の構造を簡素化しやすい。

0063

(3)写像の入力に、内燃機関10の動作点を規定する動作点変数を構成する回転速度NEおよび充填効率ηを含めた。点火装置22や、WGV42等の内燃機関10の操作部の操作量は、動作点に応じて可変とされる傾向があることから、動作点変数を写像の入力とすることにより、操作量の相違を反映して触媒温度Tcatを算出できる。

0064

(4)上記高精度に算出された触媒温度Tcatが所定温度以上となる場合に、触媒温度抑制処理M14によって増量係数Kotを「1」よりも大きくし、混合気の空燃比をよりリッチとした。これにより、たとえば内燃機関10の動作点に基づき、増量係数Kotを「1」よりも大きい値とする場合と比較すると、GPF34の温度が過度に高くなる時に限って増量係数Kotを「1」よりも大きい値に設定することができる。

0065

(5)上記高精度に算出された触媒温度Tcatに基づき、PM堆積量算出処理M22によってPM堆積量DPMを算出した。これにより、PM堆積量DPMを高精度に算出できる。しかもこれにより、再生処理M24によっていつPM堆積量DPMが再生処理を停止してよい量にまで減少したかを高精度に判定することができる。

0066

(6)上記高精度に算出された触媒温度Tcatに基づき、再生処理M24による昇温制御の実行および停止を判定した。これにより、GPF34の温度を高精度に制御できる。

0067

(7)上記高精度に算出された触媒温度Tcatが規定値となることに基づき、下流側空燃比センサ86の通電開始を判定した。これにより、下流側空燃比センサ86が実際に通電しても構わない温度となるタイミングに対して大きなマージンを設けることなく、極力早期に通電を開始できる。

0068

<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。

0069

本実施形態では、吸入空気量Ga、回転速度NE、および充填効率ηのそれぞれの時系列データのうちのいくつかの平均値を算出して、それらを写像の入力とする。以下、図6においては、説明の便宜上、S10の処理によって取得される各変数の時系列データのデータ数snが「5」の倍数であるとして、この実施形態を説明する。

0070

図6に、本実施形態において制御装置70が実行する処理の手順を示す。図6に示す処理は、図1に示すROM74に記憶された温度推定プログラム74aをCPU72がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。図6に示す処理において、図3に示した処理に対応する処理については、便宜上、同一のステップ番号を付与する。

0071

図6に示す一連の処理において、CPU72は、S10の処理が完了すると、吸入空気量Ga、回転速度NE、および充填効率ηのそれぞれについて、早いものから順に「sn/5」個ずつの平均値を算出する(S40)。すなわち、たとえば、吸入空気量Ga(1),Ga(2),…,Ga(sn/5)の平均値を吸入空気量平均値Gaave(1)とし、吸入空気量Ga((sn/5)+1),Ga((sn/5)+2),…,Ga(2・(sn/5))を吸入空気量平均値Gaave(2)とする。このようにして、吸入空気量平均値Gaave、回転速度平均値NEave、および充填効率平均値ηaveのそれぞれ「5」個からなる時系列データを生成する。

0072

次にCPU72は、S40の処理によって生成した時系列データと、S10の処理において取得した排気温平均値Texuaveおよび上流側平均値Afuaveのそれぞれの時系列データと、触媒温度Tcatの前回値と、を写像の入力変数xに代入する(S12a)。すなわち、CPU72は、m=1〜snとして、入力変数x(m)に排気温平均値Texuave(m)を代入し、入力変数x(sn+m)に上流側平均値Afuave(m)を代入する。また、CPU72は、m=1〜5として、入力変数x(2sn+m)に吸入空気量平均値Gaave(m)を代入し、入力変数x(2sn+5+m)に回転速度平均値NEave(m)を代入する。またCPU72は、入力変数x(2sn+10+m)に充填効率平均値ηave(m)を代入し、入力変数x(2sn+16)に触媒温度Tcatの前回値を代入する。

0073

そしてCPU72は、S12aにおいて生成した入力変数x(1)〜x(2sn+16)を入力とし触媒温度Tcatを出力とするニューラルネットワークによって、触媒温度Tcatを算出する(S14a)。このニューラルネットワークは、S14の処理において例示したものと同様であるが、係数w(m)が異なり、特に、係数w(1)jiは、「i=0〜2sn+16」である。

0074

CPU72は、S14aの処理を完了する場合、図6に示す一連の処理を一旦終了する。
このように、本実施形態によれば、吸入空気量平均値Gaave、回転速度平均値NEave、および充填効率平均値ηaveを写像の入力とすることにより、写像の入力の次元を削減することができる。なお、本実施形態では、排気温平均値Texuaveの時系列データ、および吸入空気量平均値Gaaveの時系列データの協働で、流体エネルギ変数が構成される。ここで、吸入空気量平均値Gaaveは、排気温平均値Texuaveの「sn/5」個分のサンプリング期間における吸入空気量を示す。また、上流側平均値Afuaveの時系列データ、および吸入空気量平均値Gaaveの時系列データの協働で、過剰量変数が構成される。ここで、吸入空気量平均値Gaaveは、上流側平均値Afuaveの「sn/5」個分のサンプリング期間における吸入空気量を示す。

0075

<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。

0076

本実施形態では、記憶装置76に、写像データ76aとして、4種類の写像データを記憶しておく。
図7に、上記4種類の写像データのいずれを用いて触媒温度Tcatを算出するかを選択する処理の手順を示す。図7に示す処理は、図1に示すROM74に記憶された温度推定プログラム74aをCPU72によってたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。

0077

図7に示す一連の処理において、CPU72は、まず触媒暖機処理中であるか否かを判定する(S42)。そして、CPU72は、触媒暖機処理中であると判定する場合(S42:YES)、暖機用写像データを選択する(S44)。暖機用写像データは、触媒暖機処理が実行されているとき専用の写像データであり、触媒暖機処理時のデータを訓練データとして学習されたものである。

0078

一方、CPU72は、触媒暖機処理中ではないと判定する場合(S42:NO)、フューエルカット処理等、筒内噴射弁20から燃料を噴射しない無噴射状態であるか否かを判定する(S46)。そして、CPU72は、無噴射状態であると判定する場合(S46:YES)、無噴射用写像データを選択する(S48)。無噴射用写像データは、無噴射状態においてサンプリングされた時系列データを訓練データとして学習されたものである。

0079

これに対しCPU72は、無噴射状態ではないと判定する場合(S46:NO)、再生処理M24による昇温制御中であるか否かを判定する(S50)。CPU72は、昇温制御中であると判定する場合(S50:YES)、昇温用写像データを選択する(S52)。昇温用写像データは、昇温制御中においてサンプリングされた時系列データを訓練データとして学習されたものである。

0080

これに対しCPU72は、昇温制御中ではないと判定する場合(S50:NO)、通常用写像データを選択する(S54)。通常用写像データは、触媒暖機処理、無噴射状態、および昇温制御中を除いた領域において、サンプリングされた時系列データを訓練データとして学習されたものである。

0081

なお、CPU72は、S44,S48,S52,S54の処理が完了する場合、図7に示す一連の処理を一旦終了する。ちなみに、CPU72は、触媒温度Tcatの算出に用いる写像データを変更する場合、変更前の最後に算出された触媒温度Tcatを触媒温度Tcatの前回値として、変更直後のS10の処理において取得することとする。

0082

このように、本実施形態では、触媒暖機処理中と、無噴射状態と、昇温制御中と、それら以外とで各別の写像データを用いて触媒温度Tcatを算出する。触媒暖機処理中と、無噴射状態と、昇温制御中と、それら以外とでは、互いにGPF34に与えられるエネルギ量が大きく異なる。そのため、それら互いに異なる状況に対して同一の写像データを用いる場合には、互いに大きく異なる状況に対処するために、中間層の層数が大きくなったり、データ数snが大きくなったりして、写像の構造が複雑化しやすい。これに対し、本実施形態では、それら4つの状況で各別の写像データを用いることから、全てに対して単一の写像データを用いる場合と比較すると、写像の構造を簡素化しやすい。

0083

<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。

0084

本実施形態では、図8に示すように、GPF34のうちの上流側から下流側までの領域を3つの部分領域に分割して、上流側から順に第1部分領域A1、第2部分領域A2、および第3部分領域A3とし、それら部分領域の温度を、第1温度Tcat1、第2温度Tcat2、および第3温度Tcat3とする。

0085

図9に、本実施形態において制御装置70が実行する処理の手順を示す。図9に示す処理は、図1に示すROM74に記憶された温度推定プログラム74aをCPU72がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。

0086

図9に示す一連の処理において、CPU72は、まず、下記の変数について、それぞれ単一のサンプリング値を取得する(S10b)。すなわち、CPU72は、排気温平均値Texuave、上流側平均値Afuave、吸入空気量Ga、回転速度NE、充填効率η、点火時期平均値aigave、増量量平均値Qiave、開口度平均値θwave、車速SPD、PM堆積量DPM、外気温TO、第1温度Tcat1、第2温度Tcat2、第3温度Tcat3を取得する(S10b)。排気温平均値Texuave、上流側平均値Afuave、点火時期平均値aigave、増量量平均値Qiave、および開口度平均値θwaveは、それぞれ、S10bの処理の周期における、排気温Texuの平均値、上流側検出値Afuの平均値、点火時期aigの平均値、増量量Qiの平均値、および開口度θwの平均値である。また、増量量平均値Qiaveは、「Qb・KAF」に対する要求噴射量Qdの増量量Qiの平均値であり、負の値をとりうる。増量量平均値Qiaveは、混合気の空燃比を理論空燃比とする上で必要な燃料量に対する実際の燃料量の過不足分を示すものであり、過剰量変数を構成する。また、開口度θwは、WGV42の開口度である。なお、S10bの処理において取得する第1温度Tcat1、第2温度Tcat2、第3温度Tcat3は、いずれも前回値である。

0087

次に、CPU72は、S10bにおいて取得した変数のうち、第2温度Tcat2および第3温度Tcat3以外の変数の値を、第1温度Tcat1を出力する写像の入力変数に代入する(S60)。すなわち、CPU72は、入力変数x(1)に排気温平均値Texuaveを代入し、入力変数x(2)に上流側平均値Afuaveを代入し、入力変数x(3)に吸入空気量Gaを代入し、入力変数x(4)に回転速度NEを代入し、入力変数x(5)に充填効率ηを代入し、入力変数x(6)に点火時期平均値aigaveを代入する。また、CPU72は、入力変数x(7)に増量量平均値Qiaveを代入し、入力変数x(8)に開口度平均値θwaveを代入し、入力変数x(9)に車速SPDを代入する。また、CPU72は、入力変数x(10)に外気温TOを代入し、入力変数x(11)にPM堆積量DPMを代入し、入力変数x(12)に第1温度Tcat1の前回値を代入する。

0088

次にCPU72は、第1温度Tcat1を出力する写像に入力変数x(1)〜x(12)を入力することによって、第1温度Tcat1を算出する(S62)。この写像は、中間層が「αf」個であって且つ、各中間層の活性化関数h1〜hαfが、ハイパボリックタンジェントであり、出力層の活性化関数fがReLUであるニューラルネットワークによって構成されている。たとえば、第1の中間層の各ノードの値は、係数wF(1)ji(j=0〜nf1,i=0〜12)によって規定される線形写像に上記入力変数x(1)〜x(12)を入力した際の出力を活性化関数h1に入力することによって生成される。すなわち、m=1,2,…,α1とすると、第mの中間層の各ノードの値は、係数wF(m)によって規定される線形写像の出力を活性化関数hmに入力することによって生成される。図9に示す値nf1,nf2,…,nfαは、それぞれ、第1、第2、…、第αfの中間層のノード数である。ちなみに、wF(1)j0等は、バイアスパラメータであり、入力変数x(0)は、「1」と定義している。

0089

次にCPU72は、第2温度Tcat2を出力する写像の入力変数x(1)〜x(12)を生成する(S64)。ここで、入力変数x(2)〜x(11)については、S60において生成したものと同一である。CPU72は、入力変数x(1)に、第1温度平均値Tcat1aveを代入するとともに、入力変数x(12)に第2温度Tcat2の前回値を代入する。なお、第1温度平均値Tcat1aveは、S62の今回の処理によって算出された第1温度Tcat1である第1温度Tcat1の今回値を含む第1温度Tcat1の直近の複数のサンプリング値の平均値である。

0090

次にCPU72は、第2温度Tcat2を出力する写像に入力変数x(1)〜x(12)を入力することによって、第2温度Tcat2を算出する(S66)。この写像は、中間層が「αs」個であって且つ、各中間層の活性化関数h1〜hαsが、ハイパボリックタンジェントであり、出力層の活性化関数fがReLUであるニューラルネットワークによって構成されている。たとえば、第1の中間層の各ノードの値は、係数wS(1)ji(j=0〜ns1,i=0〜12)によって規定される線形写像に上記入力変数x(1)〜x(12)を入力した際の出力を活性化関数h1に入力することによって生成される。すなわち、m=1,2,…,αsとすると、第mの中間層の各ノードの値は、係数wS(m)によって規定される線形写像の出力を活性化関数hmに入力することによって生成される。図9に示す値ns1,ns2,…,nsαは、それぞれ、第1、第2、…、第αsの中間層のノード数である。ちなみに、wS(1)j0等は、バイアスパラメータであり、入力変数x(0)は、「1」と定義している。

0091

次にCPU72は、第3温度Tcat3を出力する写像の入力変数x(1)〜x(12)を生成する(S68)。ここで、入力変数x(2)〜x(11)については、S60において生成したものと同一である。CPU72は、入力変数x(1)に、第2温度平均値Tcat2aveを代入するとともに、入力変数x(12)に第3温度Tcat3の前回値を代入する。なお、第2温度平均値Tcat2aveは、S66の今回の処理によって算出された第2温度Tcat2である第2温度Tcat2の今回値を含む第2温度Tcat2の直近の複数のサンプリング値の平均値である。

0092

次にCPU72は、第3温度Tcat3を出力する写像に入力変数x(1)〜x(12)を入力することによって、第3温度Tcat3を算出する(S70)。この写像は、中間層が「αt」個であって且つ、各中間層の活性化関数h1〜hαtが、ハイパボリックタンジェントであり、出力層の活性化関数fがReLUであるニューラルネットワークによって構成されている。たとえば、第1の中間層の各ノードの値は、係数wT(1)ji(j=0〜nt1,i=0〜12)によって規定される線形写像によって上記入力変数x(1)〜x(12)を入力した際の出力を活性化関数h1に入力することによって生成される。すなわち、m=1,2,…,αtとすると、第mの中間層の各ノードの値は、係数wT(m)によって規定される線形写像の出力を活性化関数hmに入力することによって生成される。図9に示す値nt1,nt2,…,ntαは、それぞれ、第1、第2、…、第αtの中間層のノード数である。ちなみに、wT(1)j0等は、バイアスパラメータであり、入力変数x(0)は、「1」と定義している。

0093

なお、CPU72は、S70の処理を完了する場合、図9に示す一連の処理を一旦終了する。ちなみに、第1温度Tcat1、第2温度Tcat2および第3温度Tcat3のそれぞれを算出する写像を規定する写像データは、GPF34の各部分領域の温度を検出する温度センサの検出値を教師データとして生成すればよい。

0094

図2に示した触媒温度抑制処理M14は、第1温度Tcat1、第2温度Tcat2および第3温度Tcat3のうちの最大値が所定温度以上となることにより、噴射量を増量させる処理とする。また、PM堆積量算出処理M22は、たとえば第1温度Tcat1、第2温度Tcat2および第3温度Tcat3の平均値に基づき、GPF34におけるPMの酸化量を算出する処理とする。また、再生処理M24は、第1温度Tcat1、第2温度Tcat2および第3温度Tcat3の全てが所定範囲内となるように、各温度を制御する処理とする。また、下流側通電処理M26は、第3温度Tcat3が所定温度以上となることにより、下流側空燃比センサ86の通電を開始する処理とする。

0095

このように、本実施形態では、GPF34を部分領域に分割してそれら各領域の温度を推定した。ここで、第2温度Tcat2を出力する写像に第1温度平均値Tcat1aveが入力されることにより、第2温度Tcat2の算出に、第1部分領域と第2部分領域との熱交換が反映されている。また、第3温度Tcat3を出力する写像に第2温度平均値Tcat2aveが入力されることにより、第3温度Tcat3の算出に、第2部分領域と第3部分領域との熱交換が反映されている。これにより、GPF34の内部での熱交換を簡易に反映させることができることから、GPF34の単一の温度を出力する写像と比較すると、各部分領域の温度を出力する写像の構造を簡素化しつつ、高精度に温度を算出することができる。

0096

以上説明した本実施形態によれば、さらに以下に記載する効果が得られる。
(8)写像の入力に、開口度平均値θwaveを含めた。過給機14は比熱が大きいことから、排気が過給機を通過する場合には、迂回通路40を通過する場合と比較すると、排気が熱を奪われやすい。そのため、迂回通路40を介してGPF34に流入する排気の割合によって、GPF34の温度が異なるものとなる。したがって、本実施形態では、開口度平均値θwaveに基づきGPF34の温度を算出することにより、開口度平均値θwaveを含めない場合と比較して、温度を高精度に算出できる。

0097

(9)写像の入力に、車速SPDを含めた。車速SPDが大きい場合には小さい場合よりも走行風が大きくなることから、GPF34の放熱が促進されやすい。そのため、車速SPDはGPF34の温度と相関を有する変数である。したがって、本実施形態では、車速SPDに基づきGPF34の温度を算出することにより、車速SPDを含めない場合と比較すると、温度を高精度に算出できる。

0098

(10)写像の入力に、PM堆積量DPMを含めた。GPF34にPMが堆積されている場合には、GPF34に酸素が流入することによって、PMと酸素との酸化反応が生じ、これにより、GPF34の温度が上昇する。したがって、本実施形態では、PM堆積量DPMに基づきGPF34の温度を算出することにより、PM堆積量を含めない場合と比較して、温度を高精度に算出できる。

0099

<第5の実施形態>
以下、第5の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。

0100

本実施形態では、定常状態における温度を推定するための写像と、定常状態の温度に基づき実際の温度を推定する写像とを各別の写像とする。
図10に、本実施形態において制御装置70が実行する処理の手順を示す。図10に示す処理は、図1に示すROM74に記憶された温度推定プログラム74aをCPU72がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。

0101

図10に示す一連の処理において、CPU72は、まず、排気温平均値Texuave、上流側平均値Afuave、吸入空気量Ga、回転速度NE、充填効率η、点火時期平均値aigave、増量量平均値Qiave、開口度平均値θwave、車速SPD、外気温TOおよび触媒温度Tcatの前回値を取得する(S10c)。そしてCPU72は、S10cの処理によって取得した変数のうちの触媒温度Tcatの前回値以外の変数を、入力変数x(1)〜x(10)のそれぞれに代入する(S72)。ここで、入力変数x(1)〜x(10)は、S60の処理と同様のものである。

0102

次に、CPU72は、定常温度Tcatsを出力する写像に入力変数x(1)〜x(10)を入力することによって、定常温度Tcatsを算出する(S74)。ここで、定常温度Tcatsは、内燃機関10の動作点変数の変化量が規定値以下等、定常状態におけるGPF34の温度である。

0103

この写像は、中間層が「α」個であって且つ、各中間層の活性化関数h1〜hαが、ハイパボリックタンジェントであり、出力層の活性化関数fがReLUであるニューラルネットワークによって構成されている。たとえば、第1の中間層の各ノードの値は、係数w(1)ji(j=0〜nf1,i=0〜10)によって規定される線形写像によって上記入力変数x(1)〜x(10)を入力した際の出力を活性化関数h1に入力することによって生成される。すなわち、m=1,2,…,αとすると、第mの中間層の各ノードの値は、係数w(m)によって規定される線形写像の出力を活性化関数hmに入力することによって生成される。図10に示す値n1,n2,…,nαは、それぞれ、第1、第2、…、第αの中間層のノード数である。ちなみに、w(1)j0等は、バイアスパラメータであり、入力変数x(0)は、「1」と定義している。

0104

なお、この写像を規定する写像データは、たとえば、複数の動作点のそれぞれにおいて内燃機関10を定常運転した際の教師データに基づき、生成すればよい。
次に、CPU72は、吸入空気量Gaと、定常温度Tcatsから触媒温度Tcatを減算した値とを入力とする線形回帰式によって構成される写像に基づき、触媒温度Tcatが定常温度Tcatsに移行する時定数βを算出する(S76)。線形回帰式は、たとえば実際の温度が定常温度に移行するまでの挙動を計測し、これを教師データとして学習したものとすればよい。

0105

そして、CPU72は、定常温度Tcatsに時定数βを乗算したものと、触媒温度Tcatの前回値に、「1−β」を乗算したものとの和によって、触媒温度Tcatを更新する(S78)。

0106

なお、CPU72は、S78の処理が完了する場合、図10に示す一連の処理を一旦終了する。
このように、本実施形態では、定常温度Tcatsを算出する写像と、時定数βを算出する写像とを用いて触媒温度Tcatを算出した。これにより、各写像に対する要求を軽減することができることから、触媒温度Tcatを出力する単一の写像と比較すると、各写像の構造を簡素化しつつ、高精度に温度を算出することができる。

0107

<第6の実施形態>
以下、第6の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。

0108

本実施形態では、触媒温度Tcatの算出処理を車両の外部で行う。
図11に本実施形態にかかる温度推定システムを示す。なお、図11において、図1に示した部材に対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。

0109

図11に示す車両VC内の制御装置70は、通信機79を備えている。通信機79は車両VCの外部のネットワーク110を介してセンター120と通信するための機器である。

0110

センター120は、複数の車両VCから送信されるデータを解析する。センター120は、CPU122、ROM124、記憶装置126、周辺回路127および通信機129を備えており、それらがローカルネットワーク128によって通信可能とされるものである。ROM124には、温度推定メインプログラム124aが記憶されており、記憶装置126には、写像データ126aが記憶されている。

0111

図12に、図11に示したシステムが実行する処理の手順を示す。図12(a)に示す処理は、図11に示すROM74に記憶された温度推定サブプログラム74cをCPU72が実行することにより実現される。また、図12(b)に示す処理は、ROM124に記憶されている温度推定メインプログラム124aをCPU122が実行することにより実現される。以下では、温度推定処理の時系列に沿って、図12に示す処理を説明する。

0112

図12(a)に示すように、車両VCにおいてCPU72は、まず、S10の処理において取得する時系列データに加えて、写像の入力とするいくつかの変数を取得する(S10d)。すなわち、CPU72は、点火時期平均値aigave、増量量平均値Qiave、開口度平均値θwave、車速SPD、および外気温TOのそれぞれの時系列データを取得する。また、CPU72は、GPF34の状態変数のうちの仕様を示す変数である仕様変数として、基準となる温度における酸素吸蔵量の最大値Cmax、上流側から下流側までの長さLud、および貴金属の担持量Qpmを取得する。これは、一つの写像データで様々な仕様のGPF34の温度を算出するための設定である。

0113

次にCPU72は、S10dの処理によって取得したデータを、車両の識別情報を示すデータである車両IDとともに、センター120に送信する(S80)。
これに対し、センター120のCPU122は、図12(b)に示すように、送信されたデータを受信し(S90)、S90の処理によって取得されたデータを写像の入力変数xに代入する(S92)。ここでCPU122は、入力変数x(1)〜x(5sn)については、S12の処理と同様の値を代入する。またCPU122は、m=1〜snとして、入力変数x(5sn+m)に点火時期平均値aigave(m)を代入し、入力変数x(6sn+m)に増量量平均値Qiave(m)を代入し、入力変数x(7sn+m)に開口度平均値θwave(m)を代入する。またCPU122は、入力変数x(8sn+m)に車速SPD(m)を代入し、入力変数x(9sn+m)に外気温TO(m)を代入する。また、CPU122は、x(10sn+1)に、最大値Cmaxを代入し、入力変数x(10sn+2)に長さLudを代入し、入力変数x(10sn+3)に担持量Qpmを代入し、入力変数x(10sn+4)に触媒温度Tcatの前回値を代入する。

0114

そして、CPU122は、写像データ126aによって規定される写像に、S92によって生成した入力変数x(1)〜x(10sn+4)を入力して、触媒温度Tcatを算出する(S94)。ここで、写像データ126aによって規定される写像は、S14の処理において用いたものと同様であるが、係数w(m)が相違しており、特に係数w(1)jiを規定する変数iは、「i=0〜10sn+4」である。

0115

そしてCPU122は、通信機129を操作することによって、S90の処理によって受信したデータが送信された車両VCに触媒温度Tcatに関する信号を送信し(S96)、図12(b)に示す一連の処理を一旦終了する。これに対し、図12(a)に示すように、CPU72は、触媒温度Tcatを受信し(S82)、図12(a)に示す一連の処理を一旦終了する。

0116

このように、本実施形態では、センター120において触媒温度Tcatを算出することとしたため、CPU72の演算負荷を軽減できる。
対応関係
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した解決手段の番号毎に、対応関係を示している。[1,12]触媒は、GPF34に対応する。実行装置は、CPU72およびROM74に対応する。流体エネルギ変数は、排気温平均値Texuaveおよび吸入空気量Gaの組データ等に対応する。外気温変数は、外気温TOに対応し、過剰量変数は、上流側平均値Afuaveおよび吸入空気量Gaの組データ等や、増量量平均値Qiaveに対応する。取得処理は、S10,S10b,S10cの処理に対応する。温度算出処理は、S12,S14の処理や、S12a,S14aの処理、S60〜S70の処理、S72〜S78の処理に対応する。操作処理は、触媒温度抑制処理M14や、再生処理M24、下流側通電処理M26に対応する。[2]流路変数は、開口度平均値θwaveに対応する。[3]流体の温度変数は、排気温平均値Texuaveに対応し、点火変数は、点火時期平均値aigaveに対応する。[4]堆積量変数は、PM堆積量DPMに対応する。[5]図9の処理に対応し、特に、Nは、「3」に対応する。[6]定常写像は、S74の処理において使用する写像に対応する。空気量変数は、吸入空気量Gaに対応する。時定数算出処理は、S76の処理に対応する。[7]流体エネルギ変数の時系列データは、排気温平均値Texuaveおよび吸入空気量Gaのそれぞれの時系列データや、排気温平均値Texuaveおよび吸入空気量平均値Gaaveのそれぞれの時系列データに対応する。[8,9]温度変数は、排気温平均値Texuaveに対応する。[10,11]選択処理は、図7の処理に対応する。[13]触媒温度推定システムは、制御装置70およびセンター120に対応する。第1実行装置は、CPU72およびROM74に対応する。第2実行装置は、CPU122およびROM124に対応する。取得処理は、S10dの処理に対応し、車両側送信処理は、S80の処理に対応し、車両側受信処理は、S82の処理に対応する。外部側受信処理は、S90の処理に対応する。温度算出処理は、S92,S94の処理に対応する。車両側送信処理は、S96の処理に対応する。[14]データ解析装置は、センター120に対応する。[15]内燃機関の制御装置は、制御装置70に対応する。

0117

<その他の実施形態>
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。

0118

・「複数種類の写像データについて」
図7の処理においては、暖機用写像データ、無噴射用写像データ、昇温用写像データ、および通常用写像データを設けたが、これに限らない。たとえば、暖機用写像データ、無噴射用写像データ、および昇温用写像データの3つの写像データのうちの1つのみと、通常用写像データとを設けてもよい。またたとえば、暖機用写像データ、無噴射用写像データ、および昇温用写像データの3つの写像データのうちの2つのみと、通常用写像データとを設けてもよい。

0119

たとえば、回転速度NEおよび充填効率ηによって分割された各領域毎に、触媒温度Tcatを出力する写像を規定する写像データを各別に設けてもよい。またとえば、吸入空気量Gaによって分割された各領域毎に、触媒温度Tcatを出力する写像を規定する写像データを各別に設けてもよい。こうした場合には、写像の入力に、回転速度NEおよび充填効率と、吸入空気量Gaとの双方を含めなくてもよい。

0120

・「流体の温度変数について」
流体エネルギ変数を構成する流体の温度変数としては、排気温平均値Texuaveに限らず、排気温Texuであってもよい。また、排気温センサ82による排気温の検出値に基づくものに限らず、たとえば、推定値であってもよい。

0121

・「流体エネルギ変数について」
たとえば、図3図9図10図12の処理において、吸入空気量Gaを入力変数に含めなくてもよい。この場合であっても、これらの処理において、回転速度NEおよび充填効率ηが入力変数となっていることから、排気温平均値Texuave、回転速度NEおよび充填効率ηの3つの変数によって流体エネルギ変数が構成される。

0122

また、たとえば図6の処理において、吸入空気量平均値Gaaveを入力変数に含めなくてもよい。この場合であっても、回転速度平均値NEaveおよび充填効率平均値ηaveが入力変数となっていることから、排気温平均値Texuave、回転速度平均値NEaveおよび充填効率平均値ηaveによって、流体エネルギ変数が構成される。

0123

またたとえば、流体エネルギ変数の時系列データを、排気温平均値Texuaveの時系列データと、単一の吸入空気量Gaとによって構成したり、排気温平均値Texuaveの時系列データと、単一の吸入空気量平均値Gaaveとによって構成したりしてもよい。またたとえば、流体エネルギ変数の時系列データを、排気温平均値Texuaveの時系列データと、回転速度NEおよび充填効率ηの単一のサンプリング値とによって構成したり、排気温平均値Texuaveの時系列データと、回転速度平均値NEaveおよび充填効率平均値ηaveの単一のサンプリング値によって構成したりしてもよい。

0124

なお、「複数種類の写像データについて」の欄に記載したように、回転速度NEおよび充填効率ηによって分割された各領域毎に触媒温度Tcatを出力する写像を規定する写像データを各別に設ける場合等には、排気温Texuや排気温平均値Texuave単独で、流体エネルギ変数を構成することも可能である。またたとえば、下記「車両について」の欄に記載したように、内燃機関10をシリーズハイブリッド車に搭載し、内燃機関10を所定の動作点のみで駆動する場合等にも、排気温Texuや排気温平均値Texuave単独で、流体エネルギ変数を構成することも可能である。

0125

またたとえば、流体エネルギ変数としては、排気温Texuや排気温平均値Texuave等の温度変数を用いて構成されるものに限らない。たとえば回転速度NEおよび充填効率ηによって排気温度が定まることに鑑み、回転速度NEおよび充填効率η等、内燃機関10の動作点変数によって流体エネルギ変数を構成してもよい。

0126

・「過剰量変数について」
たとえば、図3図9図10図12の処理において、吸入空気量Gaを入力変数に含めなくてもよい。この場合であっても、これらの処理において回転速度NEおよび充填効率ηが入力変数となっていることから、上流側平均値Afuave、回転速度NEおよび充填効率ηの3つの変数によって過剰量変数が構成される。また、増量量平均値Qiaveが入力変数となっているなら、増量量平均値Qiaveによっても過剰量変数が構成される。またたとえば、図6の処理において、吸入空気量平均値Gaaveを入力変数に含めなくてもよい。この場合であっても、上流側平均値Afuave、回転速度平均値NEaveおよび充填効率平均値ηaveによって、過剰量変数が構成される。

0127

また、上記において、上流側平均値Afuaveに代えて、上流側検出値Afuを用いてもよい。またたとえば増量量平均値Qiaveに代えて、増量量Qiを用いてもよい。
またたとえば、過剰量変数の時系列データを、上流側平均値Afuaveの時系列データと、単一の吸入空気量Gaとによって構成したり、上流側平均値Afuaveの時系列データと、単一の吸入空気量平均値Gaaveとによって構成したりしてもよい。またたとえば、過剰量変数の時系列データを、上流側平均値Afuaveの時系列データと、回転速度NEおよび充填効率ηの単一のサンプリング値とによって構成したり、上流側平均値Afuaveの時系列データと、回転速度平均値NEaveおよび充填効率平均値ηaveの単一のサンプリング値とによって構成したりしてもよい。

0128

なお、下記「写像の入力について」の欄に記載したように、GPF34を触媒36の下流に配置してGPF34の温度を推定する場合、上流側検出値Afuに代えて下流側検出値Afdやその平均値を用いて過剰量変数を構成する。

0129

また増量量Qiに代えて、増量量Qiを「Qb・KAF」で除算した増量比率や、その平均値と、「Qb・KAF」とによって、過剰量変数を構成してもよい。またたとえば、増量比率や増量比率の平均値と、吸入空気量Gaおよび回転速度NEとによって過剰量変数を構成してもよい。またたとえば、増量比率や増量比率の平均値と、充填効率ηとによって、過剰量変数を構成してもよい。なお、増量量Qiや増量比率の定義としては、上記のものに限らない。たとえば、目標値Afu*を理論空燃比に対してわずかにリーン、リッチに変化させる場合、ベース噴射量Qbを、燃焼対象となる混合気中の酸素と過不足なく反応する燃料量とみなして、「Qd−Qb」を増量量Qiとしたり、その増量量Qiをベース噴射量Qbで除算した値を増量比率としたりしてもよい。

0130

なお、過剰量変数を入力変数とすることは必須ではない。この場合であっても、たとえば燃焼室18内の混合気の空燃比を理論空燃比に常時制御する場合等にあっては、触媒温度Tcatを精度よく算出できる。

0131

なお、「複数種類の写像データについて」の欄に記載したように、回転速度NEおよび充填効率ηによって分割された各領域毎に触媒温度Tcatを出力する写像を規定する写像データを各別に設ける場合等には、上流側平均値Afuaveや上流側検出値Afu、増量比率等単独で過剰量変数を構成することも可能である。またたとえば、下記「車両について」の欄に記載したように、内燃機関10をシリーズハイブリッド車に搭載し、内燃機関10を所定の動作点のみで駆動する場合等にも、上流側平均値Afuaveや上流側検出値Afu、増量比率等単独で過剰量変数を構成することも可能である。

0132

・「流路変数について」
上記実施形態では、流路変数として、開口度平均値θwaveを例示したが、これに限らず、たとえば開口度θwであってもよい。

0133

・「点火変数について」
上記実施形態では、点火変数として、点火時期平均値aigaveを例示したが、これに限らない。たとえば、点火時期aigであってもよい。

0134

・「動作点変数について」
動作点変数としては、回転速度NEおよび充填効率ηに限らない。たとえば、吸入空気量Gaと回転速度NEとであってもよい。またたとえば下記「内燃機関について」の欄に記載したように、圧縮着火式内燃機関を用いる場合、噴射量と回転速度NEとであってもよい。なお、動作点変数を写像の入力とすることは必須ではない。

0135

・「部分領域について」
上記実施形態では、温度の推定対象とする触媒を、3つの部分領域に分割する例を示したが、これに限らない。たとえば2つの部分領域に分割してもよく、またたとえば4つ以上の部分領域に分割してもよい。

0136

・「写像の入力について」
(a)部分領域毎の写像の入力について
第1温度〜第N温度のそれぞれを出力する各写像の入力としては、図9に例示した変数を全て含むものに限らない。たとえば、温度推定対象とする触媒が触媒36の場合、PM堆積量DPMを削除してもよい。もっとも、GPF34の温度を推定する場合であっても、PM堆積量DPMを写像の入力に含めることは必須ではない。

0137

またたとえば、図9の処理では、第2温度Tcat2を出力する写像の入力である第1温度平均値Tcat1aveを、第1温度Tcat1の今回値を含めて算出したが、これに限らない。また、第2温度Tcat2を出力する写像の入力に第1温度平均値Tcat1aveを含める代わりに、第1温度Tcat1の今回値や、前回値等を含めてもよい。なお、第3温度Tcat3等を出力する写像の入力についても、第2温度Tcat2を出力する写像の入力と同様に変更できる。

0138

たとえば第1温度Tcat1を出力する写像の入力に、排気温Texuや排気温平均値Texuaveの時系列データを含めてもよい。また、たとえば「i」を2以上の整数として、第i温度Tcatiを出力する写像の入力に、第「i−1」温度Tcati−1の時系列データを含めてもよい。またたとえば、第i温度Tcatiを出力する写像の入力に、排気温Texuやその平均値、それらの時系列データ等を含めてもよい。

0139

(b)定常温度を出力する写像の入力について
定常温度を出力する写像の入力としては、図10に例示したもの全てに限らない。たとえば、下記「内燃機関について」の欄に記載したように、内燃機関10が過給機14を備えない場合には、開口度平均値θwaveを写像の入力に含めなくてもよい。もっとも、内燃機関10が過給機14を備える場合であっても、定常温度を出力する写像の入力に開口度平均値θwaveを含めることは必須ではない。

0140

(c)センター120が使用する写像の入力について
図12の処理において、例示した入力変数の全てを入力変数とすることは必須ではない。たとえば、最大値Cmax、上流から下流までの長さLud、および担持量Qpmの3つに関しては、それらのうちの1つのみまたは2つのみを含んで触媒の仕様変数を構成してこれを入力変数としてもよい。もっとも、仕様変数を写像の入力とすることは必須ではない。

0141

(d)車両VC内で使用される写像の入力について
図12の処理において例示した入力変数であって、上記実施形態において車両VC内で使用する写像の入力に含めていなかったものを、車両VC内で使用される写像の入力に含めてもよい。

0142

(e)その他
たとえば、排気エネルギ変数の時系列データを入力する場合であっても、それ以外の変数については、単一の変数を入力変数としてもよい。

0143

また、たとえば、写像の入力に、推定対象とする触媒の上流側から下流側までの各部分領域における酸素吸蔵量に関する変数である吸蔵量変数を含めてもよい。吸蔵量変数は、たとえば酸素吸蔵量の増減量を算出し、増減量によって吸蔵量を更新することによって算出できる。増減量は、まず、最上流の領域について、上流側検出値Afuおよび吸入空気量Gaに基づきマップ演算する。そして、上流側検出値Afu、最上流の増減量および吸入空気量Gaに基づき、隣接する下流の領域の酸素吸蔵量の増減量をマップ演算する。そして、上流側検出値Afuと、最上流およびそれに隣接する領域における増減量の和および吸入空気量Gaに基づき、その下流の領域の増減量をマップ演算する。以下、同様にして、対象とする領域の増減量は、それよりも上流の領域の全ての増減量の和と、上流側検出値Afuと、吸入空気量Gaとに基づき、マップ演算される。

0144

たとえば、下記「フィルタについて」の欄に記載したように、GPF34を触媒36の下流にして、GPF34の温度を推定する場合には、上流側検出値Afuやその平均値に代えて、下流側検出値Afdやその平均値を写像の入力とする。また、排気温の検出値やその平均値を写像への入力とする場合、GPF34と触媒36との間に配置されるセンサの検出値を用いる。

0145

なお、ニューラルネットワークへの入力や回帰式への入力等としては、各次元が単一の物理量からなるものに限らない。たとえば上記実施形態等において写像への入力とした複数種類の物理量の一部については、ニューラルネットワークや回帰式への直接の入力とする代わりに、それらの主成分分析によるいくつかの主成分を、ニューラルネットワークや回帰式への直接の入力としてもよい。もっとも、主成分をニューラルネットワークや回帰式の入力とする場合に、ニューラルネットワークや回帰式への入力の一部のみが主成分となることは必須ではなく、全部を主成分としてもよい。なお、主成分を入力に含める場合、写像データ76a,126aには、主成分を定める写像を規定するデータが含まれることとなる。

0146

・「時定数写像について」
図10に例示した時定数βを出力する写像としては、線形回帰式によって定まるものに限らない。たとえば、図10に例示した線形回帰式の出力を非線形関数に入力した出力を時定数βとするものであってもよい。もっとも、これに限らず、たとえば、時定数βを出力するニューラルネットワークを用いてもよい。ここで、ニューラルネットワークへの入力変数は、吸入空気量Gaと、定常温度Tcatsおよび触媒温度Tcatの差であってもよいが、吸入空気量Gaと、定常温度Tcatsと、触媒温度Tcatとの3つを含んでもよい。また機械学習による学習済みモデルを含むものに限らず、たとえばマップデータによって時定数を出力する写像を構成してもよい。

0147

・「写像データについて」
上記実施形態では、S14,14a,S74,S94の処理における活性化関数h1,h2,…hαや、図8の処理における活性化関数h1,h2,…,hαf,h1,h2,…,hαs,h1,h2,…,hαtを、ハイパボリックタンジェントとし、活性化関数fをReLUとしたが、これに限らない。たとえばS14,14a,S74,S94の処理における活性化関数h1,h2,…hαや、図8の処理における活性化関数h1,h2,…,hαf,h1,h2,…,hαs,h1,h2,…,hαtを、ReLUとしてもよく、またとえば、ロジスティックジグモイド関数としてもよい。またたとえば、活性化関数fを、ロジスティックジグモイド関数としてもよい。

0148

図に示したニューラルネットワークは、中間層が2層よりも多い記載となっているが、これに限らず、1層または2層であってもよい。特に、図8図9の処理や、複数種類の写像データを用いる場合等には、中間層を2層以下とすることが望ましく、1層とすることがより望ましい。

0149

・「操作処理について」
上記実施形態では、再生処理としてPMを酸化させる処理を例示したが、これに限らず、たとえば硫黄被毒回復処理であってもよい。

0150

また、触媒温度Tcatを用いた内燃機関10の操作部の操作処理としては、上記実施形態において例示したものに限らず、たとえば、触媒温度Tcatが所定温度に達することで触媒の暖機処理を停止させる処理であってもよい。

0151

・「写像データの生成について」
上記実施形態では、クランク軸24にトルクコンバータ50および変速装置52を介してダイナモメータ100が接続された状態で内燃機関10を稼働した時のデータを訓練データとして用いたが、これに限らない。たとえば車両VCに搭載された状態で内燃機関10が駆動されたときにおけるデータを訓練データとして用いてもよい。

0152

・「データ解析装置について」
部分領域毎の温度を出力する写像を規定するデータを、センター120に備え、センター120によって温度を算出してもよい。また、図10に例示した処理を、センター120によって実行してもよい。

0153

図12(b)の処理を、たとえばユーザが所持する携帯端末によって実行してもよい。
・「実行装置について」
実行装置としては、CPU72(122)とROM74(124)とを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、実行装置は、以下の(a)〜(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するROM等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置およびプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置およびプログラム格納装置を備えたソフトウェア実行装置や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。

0154

・「記憶装置について」
上記実施形態では、写像データ76a,126aが記憶される記憶装置を、温度推定プログラム74aや温度推定メインプログラム124aが記憶される記憶装置(ROM74,124)とを別の記憶装置としたが、これに限らない。

0155

・「温度推定対象について」
温度推定対象としては、GPF34に限らず、たとえば三元触媒であってもよい。
・「フィルタについて」
GPF34と触媒36との配置を逆としてもよい。またフィルタとしては、三元触媒が担持されたものに限らない。たとえば単一の触媒コンバータの上流側に三元触媒を備え、その下流に、三元触媒が担持されていないフィルタを備えるものであってもよい。

0156

・「内燃機関について」
内燃機関が過給機を備えることは必須ではない。
上記実施形態では、燃料噴射弁として、燃焼室18内に燃料を噴射する筒内噴射弁を例示したがこれに限らない。たとえば吸気通路12に燃料を噴射するポート噴射弁であってもよい。またたとえば、ポート噴射弁と筒内噴射弁との双方を備えてもよい。

0157

内燃機関としては、火花点火式内燃機関に限らず、たとえば燃料として軽油などを用いる圧縮着火式内燃機関等であってもよい。
内燃機関が駆動系を構成すること自体必須ではない。たとえば、車載発電機にクランク軸が機械的に連結され、駆動輪60とは動力伝達遮断されたいわゆるシリーズハイブリッド車に搭載されるものであってもよい。

0158

・「車両について」
車両としては、車両の推進力を生成する装置が内燃機関のみとなる車両に限らず、たとえば「内燃機関について」の欄に記載したシリーズハイブリッド車以外にも、パラレルハイブリッド車や、シリーズ・パラレルハイブリッド車であってもよい。

0159

10…内燃機関、12…吸気通路、14…過給機、16…吸気バルブ、18…燃焼室、20…筒内噴射弁、22…点火装置、24…クランク軸、26…排気バルブ、30…排気通路、32…上流側触媒、34…GPF、36…触媒、40…迂回通路、42…WGV、50…トルクコンバータ、52…変速装置、60…駆動輪、70…制御装置、72…CPU、74…ROM、74a…温度推定プログラム、74c…温度推定サブプログラム、76…記憶装置、76a…写像データ、77…周辺回路、78…ローカルネットワーク、79…通信機、80…エアフローメータ、82…排気温センサ、84…上流側空燃比センサ、86…下流側空燃比センサ、88…クランク角センサ、90…車速センサ、92…外気温センサ、100…ダイナモメータ、102…センサ群、104…適合装置、110…ネットワーク、120…センター、122…CPU、124…ROM、124a…温度推定メインプログラム、126…記憶装置、126a…写像データ、127…周辺回路、128…ローカルネットワーク、129…通信機。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ