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技術 監視装置及び建設機械

出願人 コベルコ建機株式会社
発明者 土井隆行山崎洋一郎
出願日 2019年2月14日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-024436
公開日 2020年8月31日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-133143
状態 未査定
技術分野 建設機械の構成部品
主要キーワード 相対角度α 旋回角度β 面角度θ 形状センサ 旋回センサ アーム押し 油圧レバー 旋回操作装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

法面の傾斜した路肩上で作業する建設機械不安定状態にあるか否かを正確に判定する。

解決手段

形状データに基づいて建設機械の接地面に対する法面の傾斜角度である第1法面角度θ1を算出する第1法面角度算出部111と、水平面303に対する接地面SAの傾斜角度である接地面角度θ0を検出する傾斜センサ102と、接地面角度θ0に第1法面角度θ1を加算し、水平面303に対する法面301の傾斜角度である第2法面角度θ2を算出する第2法面角度算出部112と、法面301の傾斜方向に対する下部走行体10の長手方向の相対角度を算出する相対角度算出部114と、第2法面角度θ2が第1閾値よりも大きく、且つ、相対角度が第2閾値より大きい場合、建設機械が不安定状態であると判定する状態判定部113とを備える。

概要

背景

近年、油圧ショベルなどの建設機械では周囲の地面の形状を検出し、検出した形状から建設機械の安定度を判定し、転倒を未然に防ぐ機能を備えるものが知られている。

例えば、特許文献1には、ショベルの現在位置及び向きに関する情報と、掘削アタッチメントの現在の姿勢と、作業対象地面の現在の形状に関する情報と、作業者操作内容とに基づいて所定時間後のショベル姿勢を予測して、ショベル安定度を算出するショベルが開示されている。

概要

法面の傾斜した路肩上で作業する建設機械が不安定状態にあるか否かを正確に判定する。形状データに基づいて建設機械の接地面に対する法面の傾斜角度である第1法面角度θ1を算出する第1法面角度算出部111と、水平面303に対する接地面SAの傾斜角度である接地面角度θ0を検出する傾斜センサ102と、接地面角度θ0に第1法面角度θ1を加算し、水平面303に対する法面301の傾斜角度である第2法面角度θ2を算出する第2法面角度算出部112と、法面301の傾斜方向に対する下部走行体10の長手方向の相対角度を算出する相対角度算出部114と、第2法面角度θ2が第1閾値よりも大きく、且つ、相対角度が第2閾値より大きい場合、建設機械が不安定状態であると判定する状態判定部113とを備える。

目的

本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、法面の傾斜した路肩上で作業する建設機械が不安定状態にあるか否かを正確に判定できる監視装置及び建設機械を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

長手方向を有し、前記長手方向に沿って走行する下部走行体と、前記下部走行体に対して旋回可能に構成された上部旋回体と、前記上部旋回体に設置された作業装置とを備える建設機械の状態を監視する監視装置であって、前記建設機械の周囲の地形の形状を示す形状データを取得する取得部と、前記形状データに基づいて前記建設機械の接地面に対する法面の傾斜角度である第1法面角度を算出する第1法面角度算出部と、水平面に対する前記接地面の傾斜角度である接地面角度を検出する傾斜センサと、前記接地面角度に前記第1法面角度を加算し、前記水平面に対する前記法面の傾斜角度である第2法面角度を算出する第2法面角度算出部と、前記法面の傾斜方向に対する前記下部走行体の長手方向の相対角度を算出する相対角度算出部と、前記第2法面角度が第1閾値よりも大きく、且つ、前記相対角度が第2閾値より大きい場合、前記建設機械が不安定状態であると判定し、判定結果を示す判定信号を出力する状態判定部とを備える監視装置。

請求項2

請求項1記載の監視装置において、前記状態判定部から出力された前記判定信号が前記不安定状態を示す場合、警報を発報する警報装置をさらに備える監視装置。

請求項3

請求項1又は2記載の監視装置において、前記状態判定部から出力された前記判定信号が前記不安定状態を示す場合、前記下部走行体の走行動作を制限する制限部をさらに備える監視装置。

請求項4

請求項1〜3のいずれかに記載の監視装置において、前記下部走行体に対する前記上部旋回体の旋回角度である第1旋回角度を検出する旋回センサをさらに備え、前記状態判定部は、前記相対角度及び前記第1旋回角度に基づいて前記法面の傾斜方向に対する前記上部旋回体の長手方向の旋回角度である第2旋回角度を算出し、前記第2旋回角度が減少するにつれて前記第1閾値及び前記第2閾値の少なくとも一方を減少させる監視装置。

請求項5

請求項3記載の監視装置において、前記制限部は、前記状態判定部により前記不安定状態と判定された場合、前記不安定状態の度合いが増大する方向に前記下部走行体が走行する動作を禁止し、前記不安定状態の度合いが減少する方向に前記下部走行体が走行する動作を許容する監視装置。

請求項6

請求項1〜5のいずれかに記載の監視装置と、前記下部走行体と、前記下部走行体に対して旋回可能に構成された上部旋回体と、前記上部旋回体に設置された作業装置とを備える建設機械。

技術分野

0001

本発明は、建設機械の状態を監視する監視装置及び建設機械に関するものである。

背景技術

0002

近年、油圧ショベルなどの建設機械では周囲の地面の形状を検出し、検出した形状から建設機械の安定度を判定し、転倒を未然に防ぐ機能を備えるものが知られている。

0003

例えば、特許文献1には、ショベルの現在位置及び向きに関する情報と、掘削アタッチメントの現在の姿勢と、作業対象地面の現在の形状に関する情報と、作業者操作内容とに基づいて所定時間後のショベル姿勢を予測して、ショベル安定度を算出するショベルが開示されている。

先行技術

0004

特開2016−172963号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、法面は不安定であるため、建設機械が法面の路肩上で作業している場合、建設機械が走行ターンなどの動作を行うと法面が崩れて建設機械が転倒する可能性がある。特に、急峻な法面において路肩が傾斜している場合、路肩が崩れる可能性が高まり、建設機械が転倒する可能性も高まる。そこで、路肩上で建設機械が作業する場合、建設機械の安定状態を監視し、転倒を未然に防止する必要がある。

0006

しかし、特許文献1では、法面の傾斜した路肩で建設機械が作業することが何ら想定されていないため、上述の課題は生じない。

0007

本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、法面の傾斜した路肩上で作業する建設機械が不安定状態にあるか否かを正確に判定できる監視装置及び建設機械を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者は、法面で作業する建設機械の安定性について検討しており、以下の知見を得た。法面の路肩が傾斜している場合、路肩上で作業する建設機械は、法面の傾斜方向と下部走行体長手方向とのなす角度が90度に近づくにつれて、下部走行体を構成するクローラエッジ支点となって地面に加わる荷重が過大になり、法面が崩壊する可能性が高まり、建設機械は不安定状態になる。

0009

また、路肩が傾斜している場合、路肩に対する傾斜角度は比較的緩慢な法面であっても、その路肩の水平面に対する傾斜角度が急峻であれば、その法面の水平面に対する傾斜角度は急峻になるため、法面は崩れる可能性が高い。

0010

しかし、このような法面の路肩上で建設機械が作業を行う場合、建設機械に取り付けられた形状センサが検出する形状データは水平面基準ではなく建設機械の接地面を基準にして計測されたものであるため、形状センサが検出した形状データが示す法面の傾斜角度は緩やかな傾斜角度を示し、これでは、建設機械の不安定状態を正しく判定できない。本発明者は、これらの知見に着目し、本発明を想到するに至った。

0011

本発明の一態様に係る監視装置は、長手方向を有し、前記長手方向に沿って前進走行する下部走行体と、前記下部走行体に対して旋回可能に構成された上部旋回体と、前記上部旋回体に設置された作業装置とを備える建設機械の状態を監視する監視装置であって、
前記建設機械の周囲の地形の形状を示す形状データを取得する取得部と、
前記形状データに基づいて前記建設機械の接地面に対する法面の傾斜角度である第1法面角度を算出する第1法面角度算出部と、
水平面に対する前記接地面の傾斜角度である接地面角度を検出する傾斜センサと、
前記接地面角度に前記第1法面角度を加算し、前記水平面に対する前記法面の傾斜角度である第2法面角度を算出する第2法面角度算出部と、
前記法面の傾斜方向に対する前記下部走行体の長手方向の相対角度を算出する相対角度算出部と、
前記第2法面角度が第1閾値よりも大きく、且つ、前記相対角度が第2閾値より大きい場合、前記建設機械が不安定状態であると判定し、判定結果を示す判定信号を出力する状態判定部とを備える。

0012

本構成によれば、建設機械の周囲の地形の形状を示す形状データが取得され、この形状データから建設機械の接地面に対する法面の傾斜角度である第1法面角度が算出され、この第1法面角度に建設機械の水平面に対する傾斜角度である接地面角度が加算されて水平面に対する法面の傾斜角度である第2法面角度が算出される。そして、第2法面角度が第1閾値よりも大きく、且つ、法面の傾斜方向に対する下部走行体の長手方向の相対角度が第2閾値より大きい場合、建設機械は不安定状態にあると判定される。

0013

このように、本構成は、接地面を基準とした場合ではなく水平面を基準とした場合の法面の傾斜角度である第2法面角度を算出すると共に、法面の傾斜方向に対する下部走行体の相対角度を算出する。そして、本構成は、第2法面角度と相対角度とに基づいて建設機械の不安定状態の有無を判定する。そのため、本構成は、路肩が傾斜した法面において作業をしている建設機械の状態が不安定状態にあるか否かを正確に判定できる。

0014

上記態様において、前記状態判定部から出力された前記判定信号が前記不安定状態を示す場合、警報を発報する警報装置をさらに備えることが好ましい。

0015

本構成によれば、不安定状態であると判定された場合、警報を報知することで建設機械の転倒を未然に防ぐことができる。

0016

上記態様において、前記状態判定部から出力された前記判定信号が前記不安定状態を示す場合、前記下部走行体の走行動作を制限する制限部をさらに備えることが好ましい。

0017

本構成によれば、不安定状態と判定された場合、下部走行体の走行が制限されるため、建設機械の転倒を未然に防ぐことができる。

0018

上記態様において、前記下部走行体に対する前記上部旋回体の旋回角度である第1旋回角度を検出する旋回センサをさらに備え、
前記状態判定部は、前記相対角度及び前記第1旋回角度に基づいて前記法面の傾斜方向に対する前記上部旋回体の長手方向の旋回角度である第2旋回角度を算出し、前記第2旋回角度が減少するにつれて前記第1閾値及び前記第2閾値の少なくとも一方を減少させることが好ましい。

0019

法面の傾斜方向に対する上部旋回体部の長手方向の旋回角度である第2旋回角度が小さくなるにつれて、建設機械を法面側に転倒させようとするモーメントが増大する。本構成は第2旋回角度が小さくなるにつれて第1閾値及び第2閾値の少なくとも一方が減少されるため、第2旋回角度を考慮に入れて建設機械が不安定状態にあるか否かをより正確に判定できる。

0020

上記構成において、前記制限部は、前記状態判定部により前記不安定状態と判定された場合、前記不安定状態の度合いが増大する方向に前記下部走行体が走行する動作を禁止し、前記不安定状態の度合いが減少する方向に前記下部走行体が走行する動作を許容することが好ましい。

0021

本構成によれば、状態判定部により不安定状態と判定された場合、不安定さが増大する方向に下部走行体が走行する動作が禁止され、不安定さが減少する方向に下部走行体が走行する動作が許容される。そのため、建設機械の転倒を未然に防ぐと同時に、安定さが高まる場所に建設機械を移動させる回避動作を行わせることができる。

発明の効果

0022

本発明によれば、傾斜した法面の路肩上で作業する建設機械が不安定状態にあるか否かを正確に判定できる。

図面の簡単な説明

0023

本発明の実施の形態に係る監視装置が搭載される建設機械の例である油圧ショベルを示す図である。
図1に示す油圧ショベルのブロック図である。
本実施の形態において、油圧ショベルが不安定状態にあるか否かの判定が適用される場面の一例を示す図である。
本実施の形態において、油圧ショベルが不安定状態にあるか否かの判定が適用される場面の他の一例を示す図である。
路肩に位置する油圧ショベルを上方から下方に見た図である。
図2に示す油圧ショベルの動作を示すフローチャートである。

実施例

0024

本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。

0025

図1は、本発明の実施の形態に係る監視装置が搭載される建設機械の例である油圧ショベル1を示す図である。この油圧ショベル1は、地面Gの上を走行可能な下部走行体10と、下部走行体10に搭載される上部旋回体12と、上部旋回体12に搭載される作業装置14とを備える。ここでは、監視装置が油圧ショベル1に適用される構成を例示するが、本発明はこれに限定されない。例えば、監視装置は、油圧クレーン等の下部走行体、上部旋回体、及び作業装置を備える建設機械であれば、どのような建設機械に適用されてもよい。

0026

また、本実施の形態において、地面Gに直行する上側の方向を上方、下側の方向を下方と呼び、上方及び下方を総称して上下方向と呼ぶ。また、下部走行体10が前進する方向を前方、下部走行体10が後進する方向を後方と呼び、前方及び後方を総称して前後方向と呼ぶ。また、上下方向及び前後方向のそれぞれに直行する方向を左右方向と呼ぶ。また、後方から前方に見て左右方向の左側を左方、右側を右方と呼ぶ。なお、下部走行体10は、前後方向の長さが左右方向の長さよりも長い。そのため、下部走行体10の長手方向は前後方向を向く。

0027

下部走行体10及び上部旋回体12は、作業装置14を支持する機体を構成する。上部旋回体12は、旋回フレーム16と、その上に搭載される複数の要素とを有する。当該複数の要素は、エンジンを収容するエンジンルーム17及び運転室であるキャブ18を含む。下部走行体10は、長手方向を有し、長手方向に対して走行する。下部走行体10は、一対のクローラで構成されている。上部旋回体12は下部走行体に対して旋回可能に取り付けられている。

0028

作業装置14は、掘削作業その他の必要な作業のための動作を行うことが可能であり、ブーム21、アーム22、及びバケット23を含む。ブーム21は、旋回フレーム16の前端起伏可能すなわち水平軸回り回動可能に支持される基端部と、その反対側の先端部とを有する。アーム22は、ブーム21の先端部に水平軸回りに回動可能に取付けられる基端部と、その反対側の先端部とを有する。バケット23は、アーム22の先端部に回動可能に取付けられる。

0029

ブーム21、アーム22、及びバケット23のそれぞれには、複数の伸縮可能な油圧シリンダであるブームシリンダC1、アームシリンダC2、及びバケットシリンダC3が取り付けられている。

0030

ブームシリンダC1は、上部旋回体12とブーム21との間に介在し、ブーム21に起伏動作を行わせるように伸縮する。アームシリンダC2は、ブーム21とアーム22との間に介在し、アーム22に回動動作を行わせるように伸縮する。バケットシリンダC3は、アーム22とバケット23との間に介在し、バケット23に回動動作を行わせるように伸縮する。

0031

図2は、図1に示す油圧ショベル1のブロック図である。油圧ショベル1は、コントローラ100、形状センサ101、傾斜センサ102、姿勢センサ103、旋回センサ104、ブーム操作装置105、アーム操作装置106、バケット操作装置107、旋回操作装置108、走行操作装置109、警報装置130、及び油圧回路200を備える。

0032

油圧回路200は、図1に示すブームシリンダC1〜バケットシリンダC3に加え、旋回モータM1、左右一対走行モータM2L,M2R、一対のブーム電磁弁V1、一対のアーム電磁弁V2、一対のバケット電磁弁V3、一対の旋回電磁弁V4、左の一対の走行電磁弁V5L、右の一対の走行電磁弁V5R、ブーム制御弁V6、アーム制御弁V7、バケット制御弁V8、旋回制御弁V9、左右一対の走行制御弁V10L,V10Rを含む。さらに、油圧回路200は、図示しないエンジンの動力により駆動され、各アクチュエータ作動油を供給する油圧ポンプおよび各切換弁パイロットポートに対してパイロットラインを介してパイロット圧を送るパイロットポンプを含む。

0033

ブームシリンダC1は、油圧ポンプからの作動油の供給を受けることにより伸縮し、これによりブーム上げ動作ブーム下げ動作とを行わせる。

0034

アームシリンダC2は、油圧ポンプからの作動油の供給を受けることにより伸縮し、これによりアーム引き動作アーム押し動作とを行わせる。

0035

バケットシリンダC3は、油圧ポンプからの作動油の供給を受けることにより伸縮し、これによりバケット掬い動作とバケット開き動作とを行わせる。

0036

旋回モータM1は、油圧ポンプからの作動油の供給を受けることにより双方向に回転動作するモータ出力軸を有し、当該モータ出力軸に連結された上部旋回体12に左旋回動作または右旋回動作を行わせる。

0037

走行モータM2L及び走行モータM2Rは、それぞれ、油圧ポンプからの作動油の供給を受けることにより双方向に回転動作するモータ出力軸を有し、当該モータ出力軸に連結された下部走行体10に前進走行動作または後進走行動作を行わせる。走行モータM2L及び走行モータM2Rは、同一速度で回転することで、下部走行体10は前進又は後進する。一方、走行モータM2L及び走行モータM2Rが異なる速度で回転することで、下部走行体10は旋回する。

0038

ブーム制御弁V6は、一対のブームパイロットポートを有する油圧パイロット切換弁からなり、当該一対のブームパイロットポートのいずれかにブームパイロット圧が入力されることにより、そのブームパイロットポートに対応した方向にそのブームパイロット圧の大きさに対応したストローク開弁し、これにより、ブーム21に対する作動油の供給の方向及び流量を変化させる。

0039

アーム制御弁V7は、一対のアームパイロットポートを有する油圧パイロット切換弁からなり、当該一対のアームパイロットポートのいずれかにアームパイロット圧が入力されることにより、そのアームパイロットポートに対応した方向にそのアームパイロット圧の大きさに対応したストロークで開弁し、これにより、アーム22に対する作動油の供給の方向及び流量を変化させる。

0040

バケット制御弁V8は、一対のバケットパイロットポートを有する油圧パイロット切換弁からなり、当該一対のバケットパイロットポートのいずれかにバケットパイロット圧が入力されることにより、そのバケットパイロットポートに対応した方向にそのバケットパイロット圧の大きさに対応したストロークで開弁し、これにより、バケット23に対する作動油の供給の方向及び流量を変化させる。

0041

旋回制御弁V9は、一対の旋回パイロットポートを有する油圧パイロット切換弁からなり、当該一対の旋回パイロットポートのいずれかに旋回パイロット圧が入力されることにより、その旋回パイロットポートに対応した方向にその旋回パイロット圧の大きさに対応したストロークで開弁し、これにより、旋回モータM1に対する作動油の供給の方向及び流量を変化させる。

0042

走行制御弁V10L,V10Rは、それぞれ、一対の走行パイロットポートを有する油圧パイロット切換弁からなり、当該一対の走行パイロットポートのいずれかに走行パイロット圧が入力されることにより、その走行パイロットポートに対応した方向にその走行パイロット圧の大きさに対応したストロークで開弁し、これにより、走行モータM2L,M2Rに対する作動油の供給の方向及び流量を変化させる。

0043

一対のブーム電磁弁V1は、パイロットポンプとブーム制御弁V6の一対のブームパイロットポートとの間にそれぞれ介在する電磁弁であり、電気信号であるブーム指令信号の入力を受けて開閉動作を行う。一対のブーム電磁弁V1は、ブーム指令信号の入力を受けるとそのブーム指令信号に応じた度合いに前記ブームパイロット圧を調節する。

0044

一対のアーム電磁弁V2は、パイロットポンプとアーム制御弁V7の一対のアームパイロットポートとの間にそれぞれ介在する電磁弁であり、電気信号であるアーム指令信号の入力を受けて開閉動作を行う。一対のアーム電磁弁V2は、アーム指令信号の入力を受けるとそのアーム指令信号に応じた度合いに前記アームパイロット圧を調節する。

0045

一対のバケット電磁弁V3は、パイロットポンプとバケット制御弁V8の一対のアームパイロットポートとの間にそれぞれ介在する電磁弁であり、電気信号であるバケット指令信号の入力を受けて開閉動作を行う。一対のバケット電磁弁V3は、バケット指令信号の入力を受けるとそのバケット指令信号に応じた度合いに前記バケットパイロット圧を調節する。

0046

一対の旋回電磁弁V4は、パイロットポンプと旋回制御弁V9の一対の旋回パイロットポートとの間にそれぞれ介在する電磁弁であり、電気信号である旋回指令信号の入力を受けて開閉動作を行う。旋回電磁弁V4は、旋回指令信号の入力を受けるとその旋回指令信号に応じた度合いに前記旋回パイロット圧を調節する。

0047

一対の走行電磁弁V5Lは、パイロットポンプと走行制御弁V10Lの一対の走行パイロットポートとの間にそれぞれ介在する電磁弁であり、電気信号である旋回指令信号の入力を受けて開閉動作を行う。一対の走行電磁弁V5Lは、走行指令信号の入力を受けるとその走行指令信号に応じた度合いに前記走行パイロット圧を調節する。

0048

一対の走行電磁弁V5Rは、パイロットポンプと走行制御弁V10Rの一対の走行パイロットポートとの間にそれぞれ介在する電磁弁であり、電気信号である旋回指令信号の入力を受けて開閉動作を行う。走行電磁弁V5Rは、走行指令信号の入力を受けるとその走行指令信号に応じた度合いに前記走行パイロット圧を調節する。

0049

形状センサ101(取得部の一例)は、油圧ショベル1の周囲の地形の距離分布を示す形状データを検出する。形状センサ101は、例えば、LIDAR(light detection and ranging)などの3次元の測距センサを含む。形状センサ101はLIDARの他、赤外線を用いた測距センサ及び超音波を用いた測距センサなど、距離分布を計測できるセンサであれば、どのようなセンサを含んでいてもよい。本実施の形態では、形状センサ101は、例えば上部旋回体12、作業装置14、又は下部走行体10において、画角中心線が下斜め前方を向くように取り付けられている。以下の説明では、形状センサ101は、図3に示すように作業装置14の下面に取り付けられているものとして説明する。形状データは、例えば形状センサ101からの地形までの深度を示す深度データマトリックス状に配列された距離画像データである。

0050

傾斜センサ102は、下部走行体10の接地面の水平面に対する傾斜角度である接地面角度を検出する。傾斜センサ102は、例えば加速度センサ及び角速度センサの機能を有する慣性センサを含む。傾斜センサ102は、慣性センサの検出信号に基づいてストラップダウン方式などにより接地面角度を検出する。

0051

姿勢センサ103は、作業装置14の姿勢を検出する。姿勢センサ103は、図1に示すブーム角度センサ61、アーム角度センサ62、及びバケット角度センサ63を含む。ブーム角度センサ61は、上部旋回体12に対するブーム21の回転角を検出する。アーム角度センサ62は、ブーム21に対するアーム22の回転角を検出する。バケット角度センサ63は、アーム22に対するバケット24の回転角を検出する。ブーム角度センサ61〜バケット角度センサ63は、それぞれ、レゾルバ又はロータリーエンコーダなどで構成される。

0052

旋回センサ104は、下部走行体10に対する上部旋回体12の旋回角度を検出する。旋回センサ104は、例えば、レゾルバ又はロータリーエンコーダなどで構成される。

0053

ブーム操作装置105は、ブーム上げ動作又はブーム下げ動作のためのオペレータからの操作を受け付けブーム操作レバーと、ブーム操作レバーの操作量をコントローラ100に入力する操作信号生成部とを含む電気レバー装置で構成されている。

0054

アーム操作装置106は、アーム引き動作又はアーム押し動作のためのオペレータからの操作を受け付けるアーム操作レバーと、アーム操作レバーの操作量をコントローラ100に入力する操作信号生成部とを含む電気レバー装置で構成されている。

0055

バケット操作装置107は、バケット掬い動作又はバケット開き動作のためのオペレータからの操作を受け付けるバケット操作レバーと、バケット操作レバーの操作量をコントローラ100に入力する操作信号生成部とを含む電気レバー装置で構成されている。

0056

旋回操作装置108は、上部旋回体12を右旋回又は左旋回させるためのオペレータからの操作を受け付ける旋回操作レバーと、旋回操作レバーの操作量をコントローラ100に入力する操作信号生成部とを含む電気レバー装置で構成されている。

0057

走行操作装置109は、下部走行体10を前進又は後進させるためのオペレータからの操作を受け付ける走行操作レバーと、走行操作レバーの操作量をコントローラ100に入力する操作信号生成部とを含む電気レバー装置で構成されている。

0058

コントローラ100は、例えばマイクロコンピュータからなり、演算部110及び指令部120を備える。演算部110は、油圧ショベル1が不安定状態にあるか否かの判定を行う機能を担う。指令部120は、油圧回路に含まれる各要素の作動を制御する機能を担う。

0059

指令部120は、ブーム指令部121、アーム指令部122、バケット指令部123、旋回指令部124、及び走行指令部125を備える。ブーム指令部121は、ブーム操作装置105の操作量に応じた値のブーム指令信号を一対のブーム電磁弁V1に入力することで該ブーム操作装置105の操作量に応じた開度にブーム制御弁V6の開度を設定する。

0060

アーム指令部122は、アーム操作装置106の操作量に応じた値のアーム指令信号を一対のアーム電磁弁V2に入力することで該アーム操作装置106の操作量に応じた開度にアームシリンダC2の開度を設定する。

0061

バケット指令部123は、バケット操作装置107の操作量に応じた値のバケット指令信号を一対のバケット電磁弁V3に入力することで該バケット操作装置107の操作量に応じた開度にバケット電磁弁V3の開度を設定する。

0062

旋回指令部124は、旋回操作装置108の操作量に応じた値の旋回指令信号を旋回電磁弁V4に入力することで該旋回操作装置108の操作量に応じた開度に旋回電磁弁V4の開度を設定する。

0063

走行指令部125は、走行操作装置109の操作量に応じた値の走行指令信号を一対の走行電磁弁V5L及び一対の走行電磁弁V5Rに入力することで該走行操作装置109の操作量に応じた開度に一対の走行電磁弁V5L及び一対の走行電磁弁V5Rそれぞれの開度を設定する。

0064

演算部110は、第1法面角度算出部111、第2法面角度算出部112、状態判定部113、相対角度算出部114、及び制限部115を含む。第1法面角度算出部111は、形状センサ101が検出した形状データに基づいて第1法面角度を算出する。

0065

図3は、本実施の形態において、油圧ショベル1が不安定状態にあるか否かの判定が適用される場面の一例を示す図である。以下、図3を用いて第1法面角度算出部111の処理について説明する。油圧ショベル1は、法面301の路肩302で作業をしている。法面301は切土又は盛土により作られる人工的な斜面である。路肩302は法面301の上端に連なる面である。路肩302は水平面303に対して法面301側に傾斜している。第1法面角度θ1は、油圧ショベル1の接地面SAに対する法面301の傾斜角度である。ここでは、油圧ショベルは路肩302に位置するため、接地面SAは路肩302となる。

0066

図5は、路肩302に位置する油圧ショベル1を上方から下方に見た図である。図5において、L0は下部走行体10の長手方向を示す。L1は法面301の傾斜方向を示す。L2は作業装置14の長手方向、すなわち、上部旋回体12の長手方向を示す。αは法面301の傾斜方向L1に対する下部走行体10の長手方向L0の相対角度を示す。βは下部走行体10の長手方向L0に対する上部旋回体12の旋回角度を示す。ここでは、相対角度αは法面301の傾斜方向L1を基準に時計回りが正とされ、旋回角度βは下部走行体10の長手方向L0を基準に時計回りが正とされている。

0067

まず、第1法面角度算出部111は、形状センサ101で検出された形状データを油圧ショベル1の座標系500に変換する。座標系500は、例えば、長手方向L0(前後方向)をX軸、左右方向をY軸、上下方向をZ軸とする3次元の直交座標系である。形状センサ101は作業装置14に取り付けられているため、座標系500における形状センサ101の位置は作業装置14の姿勢及び旋回角度βに応じて変化する。

0068

そこで、第1法面角度算出部111は、姿勢センサ103の検出信号と、旋回センサ104が検出した旋回角度βとを用いて、座標系500における形状センサ101の位置を算出し、この位置から形状センサ101の座標系と座標系500との相対的な位置関係を特定し、特定した相対的な位置関係に基づいて形状データを座標系500に変換する。

0069

なお、形状センサ101が上部旋回体12に配置されている場合は、形状データを座標系500に変換するに際して、旋回角度βが必要となり、姿勢センサ103の検出信号は不要である。また、形状センサ101が下部走行体10に配置されている場合は、形状センサ101の座標系500における位置は一定であるため、形状データを座標系500に変換するに際して姿勢センサ103の検出信号と旋回角度βとは不要である。

0070

次に、第1法面角度算出部111は、座標系500に変換した形状データから第1法面角度θ1を算出する。この場合、第1法面角度算出部111は、下部走行体10の接地面SAの境界線L3を形状データから検出し、境界線L3を挟んで接地面SAの反対側の所定範囲の領域を法面候補領域として抽出する。次に、第1法面角度算出部111は、境界線L3に対して直交する方向を法面301の傾斜方向L1として設定し、法面候補領域から傾斜方向L1と平行な1ラインデータ群を抽出し、抽出したデータ群の回帰直線を求める。次に、第1法面角度算出部111は、この回帰直線のXY平面に対する角度、すなわち、接地面SAに対する角度を第1法面角度として算出する。このとき、第1法面角度算出部111は回帰直線の決定係数が所定の値以下であれば、形状データには法面301は含まれていないと判定し、決定係数が所定の値より大きければ、法面301が含まれていると判定してもよい。

0071

或いは、第1法面角度算出部111は、法面候補領域から傾斜方向L1に平行な複数ラインのデータ群を抽出し、複数ラインのそれぞれについて回帰直線を求め、複数の回帰直線のそれぞれについて接地面SAに対する角度を算出し、各角度が一定の角度範囲にあり、且つ、複数の回帰直線のそれぞれの決定係数が所定の閾値より大きければ、形状データには法面301が含まれていると判定してもよい。そして、この場合、第1法面角度算出部111は、接地面SAに対する各回帰直線の角度の平均値を第1法面角度θ1として算出してもよい。

0072

図2に参照を戻す。第2法面角度算出部112は、第1法面角度算出部111で算出された第1法面角度θ1に傾斜センサ102で検出された接地面角度θ0を加算して第2法面角度θ2を算出する。図3を参照する。第2法面角度θ2は、水平面303に対する法面301の傾斜角度である。接地面角度θ0は、水平面303に対する接地面SA(路肩302)の傾斜角度である。一方、第1法面角度θ1は接地面SAに対する法面角度である。したがって、第1法面角度θ1に接地面角度θ0を加算することで水平面303に対する法面301の傾斜角度である第2法面角度θ2が算出できる。

0073

相対角度算出部114は、図5を参照し、形状センサ101が検出した形状データに基づいて、法面301の傾斜方向L1に対する下部走行体10の長手方向L0の相対角度αを算出する。ここで、相対角度算出部114は、第1法面角度算出部111と同様にして、形状データを油圧ショベル1の座標系500に変換し、変換した形状データから法面301の傾斜方向L1を算出する。そして、相対角度算出部114は、法面301の傾斜方向L1をX−Y平面へ投影した傾斜方向L1’と下部走行体10の長手方向L0とのなす角度を算出することで、相対角度αを算出すればよい。なお、相対角度算出部114は、第1法面角度算出部111が変換した形状データを用いて相対角度αを算出してもよい。

0074

状態判定部113は、第2法面角度θ2が第1閾値より大きく、且つ、相対角度算出部114が算出した相対角度αが第2閾値より大きいか否かを判定する。そして、状態判定部113は、第2法面角度θ2が第1閾値より大きく、且つ、相対角度αが第2閾値よりも大きい場合、油圧ショベル1は不安定状態にあると判定し、判定結果を示す判定信号を出力する。一方、状態判定部113は、第2法面角度θ2が第1閾値以下、又は、相対角度αが第2閾値以下の場合、油圧ショベル1は安定状態にあると判定し、判定結果を示す判定信号を出力する。

0075

図5を参照し、下部走行体10は前後方向に長いため、相対角度αが90度に近づくほど油圧ショベル1は不安定になる。そのため、第2閾値としては、90度より小さな例えば80度、75度、60度といった角度が採用される。また、第2法面角度θ2は、90度に近づくほど油圧ショベル1は不安定になる。そのため、第1閾値としては、例えば、90度より小さな、80度、75度、60度といった角度が採用される。

0076

図4は、本実施の形態において、油圧ショベル1が不安定状態にあるか否かの判定が適用される場面の他の一例を示す図である。図3では、下部走行体10は相対角度αが0度であり、上部旋回体12は旋回角度βが0度である。これに対して、図4では、下部走行体10は相対角度αが90度であり、上部旋回体は旋回角度βが90度である。そのため、油圧ショベル1を転倒させようとする反時計回りのモーメントは図4の場面の方が、図3の場面に比べて大きくなる。このことから、法面301の傾斜方向L1に対する上部旋回体12の長手方向L2の旋回角度が0度に近いほど油圧ショベル1は転倒する可能性が高くなる。

0077

そこで、本実施の形態では、状態判定部113は、図5を参照し、旋回角度β(第1旋回角度の一例)と相対角度αとに基づいて、法面301の傾斜方向L1に対する上部旋回体12の長手方向L2に対する旋回角度γ(第2旋回角度の一例)を算出する。そして、状態判定部113は、旋回角度γが0度に近いほど油圧ショベル1は転倒する可能性が高いため、第1閾値及び第2閾値の少なくとも一方を小さく設定する。

0078

さらに、油圧ショベル1を転倒させようとするモーメントは、作業装置14の先端位置が上部旋回体12から離れるにつれて大きくなる。

0079

そこで、状態判定部113は、作業装置14の先端位置が上部旋回体12から離れるにつれて、第1閾値及び第2閾値の少なくとも一方を小さく設定してもよい。

0080

また、第2法面角度θ2が90度に近づくほど油圧ショベル1は不安定に近づき、さらに相対角度αを大きくすると油圧ショベル1はより不安定になる。そのため、第1閾値と第2閾値の一方を相対的に高く設定する場合には他方を相対的に小さくするように設定してもよい。

0081

なお、図3を参照し、油圧ショベル1から法面301までの距離が所定距離以上であれば、法面301は崩れる可能性は低い。そこで、状態判定部113は、油圧ショベル1から法面301までの距離を形状データから算出し、その距離が所定距離以下になった場合においてのみ、不安定状態にあるか否かを判定する処理を実施してもよい。

0082

制限部115は、状態判定部113により油圧ショベル1が不安定状態であることを示す判定信号が出力された場合、下部走行体10の走行動作を制限する。この場合、制限部115は、不安定状態の度合いが増大する方向に下部走行体10が走行する動作を禁止し、不安定状態の度合いが減少する方向に下部走行体10が走行する動作を許容する。

0083

図3を参照し、法面301は路肩302との境界付近が崩れやすいため、境界付近の加重が増大すると法面301は崩れる可能性が高まる。したがって、図3の場面において、下部走行体10が前進したり、前進右旋回したり、前進左旋回したりした場合、下部走行体10のクローラのエッジが支点となって地面に加わる荷重が過大になり、法面が崩壊する可能性が高まり不安定状態の度合いが増大する。一方、図3の場面において、下部走行体10が後進したり、後進右旋回したり、後進左旋回したりした場合、境界付近の加重は減少するため、法面301は不安定状態の度合いは減少する。

0084

また、図4の場面では、下部走行体10が前進しながら左右に旋回した場合及び後進しながら左右に旋回した場合、境界付近の加重が増大するため、不安定状態の度合いが増大する。一方、図4の場面では、前進及び後進しても境界付近の加重は増大しないため、不安定状態の度合いは増大しない。

0085

いずれにせよ、下部走行体10が法面301側に近づくように移動した場合、不安定状態の度合いが増大すると考えられる。

0086

そこで、制限部115は、下部走行体10が法面301側に移動する方向を不安定状態の度合いが高まる方向として特定し、走行操作装置109に対してその方向へ下部走行体10を移動させる操作が入力された場合、下部走行体10の動作を禁止する。一方、制限部115は、走行操作装置109に対して不安定状態の度合いが減少する方向へ下部走行体10を移動させる操作が入力された場合、下部走行体10の動作を減速させればよい。また、走行操作装置109に対して不安定状態の度合いが変化しない方向へ下部走行体10を移動させる操作が入力された場合、制限部115は、下部走行体10の動作を減速させればよい。ここで、制限部115は、不安定状態の度合いが高まる方向に下部走行体10が移動する相対角度αに応じた操作を予め定め記憶したテーブルを用いて、下部走行体10の動作を禁止させるか否かを判定すればよい。

0087

制限部115が下部走行体10の動作を禁止又は制限させる処理は例えば以下の通りである。制限部115は、走行操作装置109に不安定状態の度合いを高める操作が入力された場合、走行指令部125に禁止要求を入力する。これにより、走行指令部125は、走行操作装置109の操作量に拘わらず、走行指令部125に一対の走行電磁弁V5L及び一対の走行電磁弁V5Rを閉弁させる走行指令を入力する。これにより、走行動作が禁止される。一方、制限部115は、走行操作装置109に不安定状態の度合いを高めない操作が入力された場合、走行指令部125に減速要求を入力する。これにより、走行指令部125は、走行操作装置109の操作量に応じた値を持つ走行指令を所定の減衰比減衰させて一対の走行電磁弁V5L及び一対の走行電磁弁V5Rに入力する。これにより、一対の走行電磁弁V5L及び一対の走行電磁弁V5Rの開度が操作量に応じた開度に比べて減少し、走行動作が減速される。

0088

警報装置130は、キャブ18に設けられた、ブザー音を出力するスピーカ、光を点灯させて警報を発報する警報ランプ、及び警報メッセージを表示する表示装置の少なくとも1つを含む。そして、警報装置130は、状態判定部113により、油圧ショベル1が不安定状態であることを示す判定信号が出力された場合、スピーカからブザー音を出力させる態様、警報ランプを点灯させる態様、及び表示装置に警報メッセージ表示させる態様の少なくとも1つを実行することで、オペレータに油圧ショベル1が不安定状態にあることを発報する。

0089

図6は、図2に示す油圧ショベル1の動作を示すフローチャートである。この処理は、油圧ショベル1の稼働中、所定の周期で繰り返し実行されるものとする。まず、傾斜センサ102は、接地面SAの水平面303に対する傾斜角度である接地面角度θ0を検出する(S1)。次に、形状センサ101は、油圧ショベル1の周囲の地形の距離分布を示す形状データを取得する(S2)。次に、第1法面角度算出部111は、取得された形状データを形状センサ101の座標系から油圧ショベル1の座標系500に変換する(S3)。

0090

次に、第1法面角度算出部111は、下部走行体10から法面301までの距離、すなわち、下部走行体10から境界線L3までの距離が所定距離以下であるか否かを判定する(S4)。下部走行体10から法面301までの距離が所定距離以下であれば(S4でYES)、第1法面角度算出部111は、第1法面角度θ1を算出する(S5)。一方、下部走行体10から法面301までの距離が所定距離より大きければ(S4でNO)、処理を終了する。

0091

次に、第2法面角度算出部112は、S1で検出された接地面角度θ0にS6で算出された第1法面角度θ1を加算し、第2法面角度θ2を算出する(S6)。次に、相対角度算出部114は、法面301の傾斜方向L1に対する下部走行体10の長手方向L0の相対角度αを算出する(S7)。

0092

次に、状態判定部113は、第2法面角度θ2が第1閾値より大きく、且つ、相対角度αが第2閾値より大きいか否かを判定する(S8)。第2法面角度θ2が第1閾値より大きく、且つ、相対角度αが第2閾値より大きい場合(S8でYES)、状態判定部113は、油圧ショベル1は不安定状態にあると判定する(S9)。一方、第2法面角度θ2が第1閾値以下、又は、相対角度αが第2閾値以下の場合(S8でNO)、状態判定部113は、油圧ショベル1は安定状態にあるため、処理を終了する。S10では、制限部115は、下部走行体10の走行動作を制限する。この場合、制限部115は、不安定状態の度合いが増大する方向に下部走行体10が走行する動作を禁止し、それ以外の方向への下部走行体10の動作は減速させればよい。

0093

次に、警報装置130は、油圧ショベル1が不安定状態であることをオペレータに知らせるための警報を発報する(S11)。

0094

このように、本実施の形態では、接地面SAを基準とした場合ではなく水平面303を基準とした場合の法面301の傾斜角度である第2法面角度θ2を算出すると共に、法面301の傾斜方向に対する下部走行体10の相対角度αを算出する。そして、本実施の形態は、第2法面角度θ2と相対角度αとに基づいて油圧ショベル1の状態を評価する。そのため、本実施の形態は、傾斜した路肩302において作業をしている油圧ショベル1の状態が不安定状態にあるか否かを正確に判定でき、油圧ショベル1の転倒を未然に防止できる。

0095

(変形例)
(1)上記実施の形態では、形状センサ101が検出した形状データを用いて法面301が検出されていたが、本発明はこれに限定されず、予め計測された形状データをメモリから取得する、或いは、外部サーバから通信により形状データを取得することで法面301を検出してもよい。この場合、第1法面角度算出部111は、図略のGPSセンサから油圧ショベル1の現在位置を取得し、取得した形状データに油圧ショベル1の現在位置をプロットすることで、形状データから油圧ショベル1の周囲の法面301を検出すればよい。

0096

(2)上記実施の形態では、ブーム操作装置105〜走行操作装置109として電気レバー装置が用いられているが本発明はこれに限定されず、操作量に応じたパイロット圧を出力する油圧レバー装置が用いられてもよい。以下、走行制御弁V10L及び走行制御弁V10Rを走行制御弁と総称し、一対の走行電磁弁V5L及び一対の走行電磁弁V5Rを走行電磁弁と総称して説明する。

0097

この場合、走行制御弁のパイロットポートに電磁切替弁を設ける。電磁切替弁は、通常動作時は、油圧レバー装置からのパイロット圧を走行制御弁のパイロットポートに入力する。一方、電磁切換弁は、制限部115から禁止信号が入力されると、パイロットポートへのパイロット圧の入力を遮断する。これにより、下部走行体10の走行動作が禁止される。

0098

また、電磁切替弁は、制限部115から制限信号が入力されると、走行電磁弁からのパイロット圧をパイロットポートへ入力する。このとき、油圧レバー装置から出力された操作量に応じたパイロット圧は電磁切替弁によって減圧されてパイロットポートへ入力される。これにより、下部走行体10の走行動作が制限される。

0099

1 :油圧ショベル
10 :下部走行体
12 :上部旋回体
14 :作業装置
100 :コントローラ
101 :形状センサ
102 :傾斜センサ
104 :旋回センサ
110 :演算部
111 :第1法面角度算出部
112 :第2法面角度算出部
113 :状態判定部
114 :相対角度算出部
115 :制限部
120 :指令部
130 :警報装置
301 :法面
302 :路肩
303 :水平面
500 :座標系
SA :接地面
α :相対角度
β :旋回角度
γ :旋回角度
θ0 :接地面角度
θ1 :第1法面角度
θ2 :第2法面角度

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