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技術 耐摩耗厚鋼板

出願人 日本製鉄株式会社
発明者 吉村仁秀川本雄三藤岡政昭星野学
出願日 2019年2月14日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-024488
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-132914
状態 未査定
技術分野 鋼の加工熱処理
主要キーワード 耐摩耗鋼板 耐摩耗鋼 ブリネル硬さ 圧延幅方向 摩耗量比 熱膨張挙動 スクラッチング 水冷装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

高価な合金元素などを低減させ、熱間圧延を行って製造する低温靱性に優れた耐摩耗厚鋼板を提供する。

解決手段

鋼組成が質量%で、C:0.080〜0.200%、Mn:2.0〜5.0%、Nb:0.003〜0.100%、B:0.0003〜0.0025%、Si:1.00%以下、P:0.0200%以下、S:0.0100%以下、Al:0.100%以下、N:0.0080%以下を含有し、残部がFe及び不純物からなり、面積%で、マルテンサイトを90%以上含む主組織とし、残部がパーライト及びフェライトからなり、旧オーステナイト粒径が50μm以下である金属組織を有する耐摩耗厚鋼板。

概要

背景

鋼板耐摩耗性を向上させるためには、鋼板の硬さを高くすることが有効である。従来の耐摩耗性を付与した厚鋼板は、炭素を含有する鋼を焼入れし、金属組織マルテンサイトにすることで硬さを確保している。しかし、一般にマルテンサイトは、大変に硬いため、マルテンサイトを主体組織とする鋼は低温靭性が劣る。

耐摩耗鋼板の低温靭性を向上させる方法として、特許文献1では、Mnの含有量を低減して靭性の低下を抑制し、MoおよびCrの含有量を増加させ、焼入れ性を向上させて硬さを高めた耐摩耗鋼板が提案されている。

また、特許文献2では、WとBとを含有させて焼入れ性を高め、Bの析出を抑制し
た耐摩耗鋼板が提案されている。

また、特許文献3では、質量%で、Mn:2.6〜4.5%を含有し、C量とMn量とが(6−Mn)/50≦C≦(10−Mn)/50を満足する耐摩耗鋼が提案されている。特許文献3は、Mn量を高め、相対的にC量を低減した耐摩耗鋼である。

概要

高価な合金元素などを低減させ、熱間圧延を行って製造する低温靱性に優れた耐摩耗厚鋼板を提供する。鋼組成が質量%で、C:0.080〜0.200%、Mn:2.0〜5.0%、Nb:0.003〜0.100%、B:0.0003〜0.0025%、Si:1.00%以下、P:0.0200%以下、S:0.0100%以下、Al:0.100%以下、N:0.0080%以下を含有し、残部がFe及び不純物からなり、面積%で、マルテンサイトを90%以上含む主組織とし、残部がパーライト及びフェライトからなり、旧オーステナイト粒径が50μm以下である金属組織を有する耐摩耗厚鋼板。なし

目的

本発明は、このような実情に鑑み、高価な合金元素などを低減させ、熱間圧延を行って製造する低温靭性に優れた耐摩耗厚鋼板を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

鋼組成が質量%で、C:0.080〜0.200%、Mn:2.0〜5.0%、Nb:0.003〜0.100%、B:0.0003〜0.0025%、Si:1.00%以下、P:0.0200%以下、S:0.0100%以下、Al:0.100%以下、N:0.0080%以下を含有し、さらに、Cu:0〜2.0%、Ni:0〜1.0%、Cr:0〜1.0%、Mo:0〜1.00%、W:0〜1.00%、V:0〜0.100%、Ti:0〜0.100%、Ca:0〜0.0050%、Mg:0〜0.0050%、REM:0〜0.1000%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、面積%で、マルテンサイトを90%以上含み、残部がパーライト及びフェライトからなり、旧オーステナイト粒径が50μm以下である金属組織を有する耐摩耗厚鋼板

請求項2

さらに、質量%で、Cu:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜1.0%の1種または2種を含有する請求項1に記載の耐摩耗厚鋼板。

請求項3

さらに、質量%で、Ni:0.05〜1.0%、Mo:0.10〜1.00%、W:0.10〜1.00%、V:0.005〜0.100%、Ti:0.005〜0.100%の1種または2種以上を含有する請求項1または2に記載の耐摩耗厚鋼板。

請求項4

さらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0050%、Mg:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.1000%の1種または2種以上を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐摩耗厚鋼板。

技術分野

0001

本発明は、耐摩耗厚鋼板に関する。

背景技術

0002

鋼板耐摩耗性を向上させるためには、鋼板の硬さを高くすることが有効である。従来の耐摩耗性を付与した厚鋼板は、炭素を含有する鋼を焼入れし、金属組織マルテンサイトにすることで硬さを確保している。しかし、一般にマルテンサイトは、大変に硬いため、マルテンサイトを主体組織とする鋼は低温靭性が劣る。

0003

耐摩耗鋼板の低温靭性を向上させる方法として、特許文献1では、Mnの含有量を低減して靭性の低下を抑制し、MoおよびCrの含有量を増加させ、焼入れ性を向上させて硬さを高めた耐摩耗鋼板が提案されている。

0004

また、特許文献2では、WとBとを含有させて焼入れ性を高め、Bの析出を抑制し
た耐摩耗鋼板が提案されている。

0005

また、特許文献3では、質量%で、Mn:2.6〜4.5%を含有し、C量とMn量とが(6−Mn)/50≦C≦(10−Mn)/50を満足する耐摩耗鋼が提案されている。特許文献3は、Mn量を高め、相対的にC量を低減した耐摩耗鋼である。

先行技術

0006

特開平2−179842号公報
特開2011−179122号公報
特表2015−503676号公報

発明が解決しようとする課題

0007

特許文献1および2では、高価なCr、Mo、Wを多量に含有するものであり、合金コストが高いという課題がある。これに対して、特許文献3は、高価な元素の含有を抑制する一方で、Mnの含有量を高めており、粒界の強度を弱めるMnが粒界脆化を引き起こし、低温靭性が低いという課題がある。

0008

本発明は、このような実情に鑑み、高価な合金元素などを低減させ、熱間圧延を行って製造する低温靭性に優れた耐摩耗厚鋼板を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

耐摩耗性を確保するためには、硬さを高めるためマルテンサイトを主組織とすることが重要である。主組織をマルテンサイトにするためには、焼入れ性を高める合金元素の含有が必要である。安価な元素で焼入れ性を高めるには、Mnの利用が有効であるが、Mnの過剰な含有はマルテンサイトの粒界脆化を引き起こすため、低温靭性を大幅に劣化させる。

0010

本発明者らは、上記の観点で耐摩耗性を担保しつつ、低温靭性を向上させるために鋭意研究を重ねた結果、Mnを2.0〜5.0%含有させつつ、NbとBとを含有させて粒界脆化を抑止し、更に旧オーステナイト粒細粒にさせることにより、従来よりも優れた低温靭性を有する耐摩耗厚鋼板が得られることを見出した。

0011

本発明は、以上に示した知見に基づき、更に検討を加えてなされたものであって、以下の耐摩耗厚鋼板を提供するものである。

0012

(1)
鋼組成が質量%で、
C:0.080〜0.200%、
Mn:2.0〜5.0%、
Nb:0.003〜0.100%、
B:0.0003〜0.0025%、
Si:1.00%以下、
P:0.0200%以下、
S :0.0100%以下、
Al:0.10%以下、
N:0.0080%以下
を含有し、さらに、
Cu:0〜2.0%、
Ni:0〜1.0%、
Cr:0〜1.0%、
Mo:0〜1.00%、
W:0〜1.00%、
V:0〜0.100%、
Ti:0〜0.100%、
Ca:0〜0.0050%、
Mg:0〜0.0050%、
REM:0〜0.1000%
を含有し、残部がFe及び不純物からなり、
面積%で、マルテンサイトを90%以上含み、残部がパーライト及びフェライトからなり、旧オーステナイト粒径が50μm以下である金属組織を有する耐摩耗厚鋼板。

0013

(2)
さらに、質量%で、
Cu:0.05〜2.0%、
Cr:0.05〜1.0%
の1種または2種を含有する上記(1)に記載の耐摩耗厚鋼板。

0014

(3)
さらに、質量%で、
Ni:0.05〜1.0%、
Mo:0.10〜1.00%、
W:0.10〜1.00%、
V:0.005〜0.100%、
Ti:0.005〜0.100%
の1種または2種以上を含有する上記(1)または(2)に記載の耐摩耗厚鋼板。

0015

(4)
さらに、質量%で、
Ca:0.0005〜0.0050%、
Mg:0.0005〜0.0050%、
REM:0.0005〜0.1000%
の1種または2種以上を含有する上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の耐摩耗厚鋼板。

発明の効果

0016

本発明によれば、表面ブリネル硬さが360以上であり、−40℃のシャルピー吸収エネルギーが50J以上である、低温靭性に優れた耐摩耗厚鋼板を提供することができる。

0017

以下、本発明の耐摩耗厚鋼板について、詳細に説明する。

0018

なお、本実施形態において「厚鋼板」とは、板厚が3mm以上であって、熱間圧延によって製造された圧延鋼板のことである。まず、本実施形態の耐摩耗厚鋼板に含まれる各成分の限定理由について説明する。なお、本明細書において、元素の含有量に関する「%」は、特に断りがない限り、「質量%」を意味するものである。

0019

[C:0.080〜0.200%]
Cは、α’マルテンサイトの硬さを増加させ、耐摩耗性を向上させるために含有する。十分な耐摩耗性を得るためには、Cは、0.080%以上の含有が必要である。C量は、好ましくは0.085%以上であり、より好ましくは0.090%以上である。一方、C量が0.200%を超えると過剰に硬くなるため、靭性が劣化する。よって、C量を0.200%以下とする。C量は、好ましくは0.190%以下であり、より好ましくは0.180%以下である。

0020

[Mn:2.0〜5.0%]
Mnは、焼入れ性を向上しマルテンサイト組織を得て摩耗性を向上するために含有する。十分な摩耗性を得るためには、Mnは、2.0%以上の含有が必要である。Mn量は、好ましくは2.1%以上であり、より好ましくは2.2%以上である。一方、Mn量が5.0%を超えると、過剰に硬さが増加し靭性が低下する。よって、Mn量の上限を5.0%以下とする。Mn量は、好ましくは4.9%以下であり、より好ましくは4.8%以下である。

0021

[Nb:0.003%〜0.100%]
Nbは、粒界の強度を向上させ粒界脆化を抑制する効果がある。また、Nbは鋼中で炭窒化物などの析出物を作り、スラブ再加熱時のオーステナイト粒の粗大化を抑制することで靭性を向上させる効果がある。十分な靭性を得るためには、Nbは、0.003%以上の含有が必要である。Nb量は、好ましくは0.004%以上であり、より好ましくは0.005%以上である。一方、Nb量が0.100%を超えると、粗大な炭窒化物が析出し、かえって靭性を低下させる。よって、Nb量を0.100%以下とする。Nb量は、好ましくは0.090%以下であり、より好ましくは0.080%以下である。

0022

[B:0.0003〜0.0025%]
Bは、粒界の強度を向上させ粒界脆化を抑制する効果がある。また、焼入れ性を向上しマルテンサイト組織を得て摩耗性を向上させる効果がある。十分な靭性や摩耗性を得るためには、Bは、0.0003%以上の含有が必要である。B量は、好ましくは0.0004%以上であり、より好ましくは0.0005%以上である。一方、B量が0.0025%を超えると、粗大な窒化物として析出し、破壊の起点としてかえって靭性を低下させる。よって、B量を0.0025%以下とする。B量は、好ましくは0.0024%以下であり、より好ましくは0.0023%以下である。

0023

[Si:0〜1.00%]
Siは、通常、脱酸のために添加される。本実施形態の耐摩耗厚鋼板では、Mnを多量に含有し、Mnの脱酸効果があるため、Siは必ずしも必要ではなく、下限は0%でもよい。Siを脱酸に使用する場合、十分な効果を得るためには0.01%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.02%以上とする。また、Siは、マルテンサイトの粒界脆化を助長する元素であり、Si量が1.00%を超えると靭性を劣化させる。よって、Si量を1.00%以下とする。Si量の好ましい範囲は0.80%以下であり、より好ましい範囲は0.60%以下である。

0024

[P:0.0200%以下]
Pは、一般に不純物として含有され、靭性を低下させる。特に、P量が0.0200%を超えると顕著に靭性が劣化するため、P量を0.0200%以下とする。P量の好ましい範囲は0.0180%以下であり、より好ましい範囲は0.0160%以下である。P量は、できる限り低減することが望ましく、下限は0%でもよいが、過度なP量の低減は精錬コストの高騰を招くため、P量を0.0001%以上とすることができる。

0025

[S:0.0100%以下]
Sは、不純物であり、鋼中では硫化物として存在し、靭性を劣化させる。特に、0.0100%を超えると顕著に靭性が劣化するため、S量を0.0100%以下とする。S量の好ましい範囲は0.0090%以下であり、より好ましい範囲は0.0080%以下である。S量は、できる限り低減することが望ましく、下限は0%でもよい。過度なS量の低減は精錬コストの高騰を招くため、S量を0.0001%以上とすることができる。

0026

[Al:0〜0.100%]
Alは、通常、脱酸のために添加される。本発明の耐摩耗厚鋼板では、Mnを多量に含有し、Mnの脱酸効果があるため、Alは必ずしも必要ではなく、下限は0%でもよい。脱酸の効果を得るために、Al量は0.005%以上が好ましく、より好ましくは0.010%以上、さらに好ましくは0.020%以上とする。Al量が0.100%を超えると、粗大なAlの介在物として析出し、靭性を低下させる。よって、Al量を0.100%以下とする。Al量の好ましい範囲は0.095%以下であり、より好ましい範囲は0.090%以下である。

0027

[N:0.0080%以下]
Nは、不純物であり、靭性を劣化させる。特に、N量が0.0080%を超えると顕著に靭性が劣化する。よって、N量を0.0080%以下とする。N量の好ましい範囲は0.0070%以下であり、より好ましい範囲は0.0060%以下である。N量の下限は0%でもよいが、過度なN量の低減は精錬コストの高騰を招くため、N量を0.0001%以上とすることができる。N量は0.0010%以上であってもよく、0.0020%以上であってもよい。

0028

以上が、本実施形態の耐摩耗厚鋼板の基本となる化学組成であり、残部は鉄(Fe)、及び、原料資材製造設備等の状況によって持ち込まれる不純物である。本実施形態では、さらに、次のような元素を必要に応じて含有させることができる。

0029

Cu、Crは、目的に応じて、これらの1種または2種が含有されていてもよい。なお、これらの元素は必ずしも必須ではないことから、含有量の下限を0%とする。

0030

[Cu:2.0%以下]
Cuは、焼入れ性を高め摩耗性を向上させるために含有してもよい。Cuは、微量でも効果があるため、特定の下限値は規定しない。Cu量は、好ましくは0.05%以上であり、より好ましくは0.1%以上である。ただし、Cu量が2.0%を超えると、粗大なCuの析出物として靭性を低下させる。よって、Cu量を2.0%以下とする。Cu量の好ましい範囲は1.9%以下であり、より好ましい範囲は1.8%以下である。

0031

[Cr:1.0%以下]
Crは、焼入れ性を高め摩耗性を向上させるために含有してもよい。Crは、微量でも効果があるため、特定の下限値は規定しない。Cr量は、好ましくは0.05%以上であり、より好ましくは0.1%以上である。ただし、Cr量が1.0%を超えると、粗大なCr炭化物が析出し靭性や曲げ加工性を低下させる。よって、Cr量を1.0%以下とする。Cr量の好ましい範囲は0.9%以下であり、より好ましい範囲は0.8%以下である。

0032

Ni、Mo、W、V、Tiは、目的に応じて、これらの1種または2種以上が含有されていてもよい。なお、これらの元素は必ずしも必須ではないことから、含有量の下限を0%とする。

0033

[Ni:1.0%以下]
Niは、靱性を向上させるために含有してもよい。Niは、微量でも効果があるため、特定の下限値は規定しない。Ni量は、好ましくは0.05%以上であり、より好ましくは0.1%以上である。ただし、Niは高価な元素であり、Ni量が1.0%を超えると合金コストが高騰する。よって、Ni量を1.0%以下とする。Ni量の好ましい範囲は0.9%以下であり、より好ましくは0.8%以下である。

0034

[Mo:1.00%以下、W:1.00%以下]
Mo、Wは、マルテンサイトの粒界脆化を抑制し靭性を向上させるために含有してもよい。十分な靭性や曲げ加工性を得るためには、Mo、Wのそれぞれの量は、0.10%以上であることが好ましい。高い靭性が必要な場合には、Mo、Wのそれぞれの量は、0.20%以上であることが好ましい。一方、Mo、Wのいずれかの量が1.00%を超えると、粗大な炭化物として析出し、破壊の起点として靭性や曲げ加工性を劣化させる。よって、Mo、Wの量はそれぞれ、1.00%以下とする。Mo、Wのそれぞれの量は、好ましくは0.90%以下であり、より好ましくは0.80%以下である。

0035

[V:0.100%以下、Ti:0.100%以下]
V、Tiは、鋼中で炭窒化物などの析出物を作り、スラブの再加熱時のオーステナイト粒の粗大化を抑制することで靭性を向上させる効果がある。これらの元素を靭性向上のために含有してもよい。これらの元素は微量でも効果があるため、特定の下限値は規定しない。V、Tiのそれぞれの量は、好ましくは0.005%以上であり、より好ましくは0.010%以上である。しかし、これらの元素のいずれかの量を、0.100%を超えて含有すると、粗大な炭窒化物が析出し靭性や曲げ加工性を低下させる。よって、これらの元素のそれぞれの量を0.100%以下とする。これらの元素の好ましい範囲はそれぞれ0.090%以下であり、より好ましい範囲はそれぞれ0.080%以下である。

0036

Ca、Mg、REMは、目的に応じて、これらの1種または2種以上が含有されていてもよい。なお、これらの元素は必ずしも必須ではないことから、含有量の下限を0%とする。

0037

[Ca:0.0050%以下、Mg:0.0050%以下、REM:0.1000%以下]
Ca、Mg、REMは、いずれもSと結合し圧延方向に長く伸びるMnSの形成を抑制して硫化物が球状となるように形態制御し、靭性を向上させる効果がある。これらの元素を靭性の向上のために含有してもよい。これらの元素は微量でも効果があるため、特定の下限値は規定しない。これらの元素のそれぞれの量は、好ましくは0.0005%以上である。しかし、Ca、Mgのいずれかの量が0.0050%を超える、もしくはREMの量が0.1000%を超えると、いずれも粗大な介在物が増加し靭性や曲げ加工性を低下させる。よって、Ca、Mgの量をそれぞれ0.0050%以下、REMの量を0.1000%以下とする。Ca、Mgの量の好ましい範囲はそれぞれ0.0040%以下であり、より好ましい範囲はそれぞれ0.0030%以下である。REMの量の好ましい範囲は0.0900%以下であり、より好ましい範囲は0.0800%以下である。なお「REM」との用語は、Sc、Yおよびランタノイドからなる合計17元素を指し、上記「REMの含有量」とは、これらの17元素の合計含有量を意味する。

0038

次に、本実施形態の耐摩耗厚鋼板の金属組織について説明する。なお、本明細書において、面積率に関する「%」は、特に断りがない限り、「面積%」を意味するものである。

0039

マルテンサイト面積率:90%以上]
摩耗性向上のためには、硬さを高めることが必要である。合金コストをなるべくかけずに、硬さを高めるためには、マルテンサイト組織とすることが必要である。十分な摩耗性を得るためには、マルテンサイト面積率は90%以上が必要であり、高い摩耗性が必要な場合は、マルテンサイト面積率は92%以上が必要である。

0040

マルテンサイト以外の組織は、パーライトおよびフェライトであるが、いずれも耐摩耗性を劣化させる。このため、パーライトおよびフェライトをできる限り低減することが好ましいが、パーライトおよびフェライトの和の面積率が10面積%以下であれば許容できる。パーライト、フェライトは、光学顕微鏡によって、ラス状の組織であるマルテンサイトと判別することができる。

0041

[旧オーステナイト粒径:50μm以下]
靭性を高めるには粒を微細化することが重要である。十分な靭性を得るためには50μm以下とすることが必要であり、高い靭性を得るためには45μm以下が必要である。旧オーステナイト粒径は小さいほど好ましいが、熱間圧延の圧下率の確保などを考慮すると、旧オーステナイト粒径は10μm以上となる。旧オーステナイト粒径は、試料採取して鏡面研磨し、ピクリン酸腐食して旧オーステナイト粒界現出させ、円相当径(直径)の平均値として求める。

0042

次に、本実施形態の耐摩耗厚鋼板の製造方法について説明する。
本実施形態の製造方法では、特に限定する必要はないが、上記の組成を有する溶鋼連続鋳造などの公知の鋳造方法で、所定寸法の鋼片とすることが望ましい。
鋳造後はそのまま熱間圧延を行ってもよいが、スラブを室温まで冷却し、Ac3以上の温度に再加熱して、熱間圧延を行ってもよい。
Ac3は、鋼の組織がオーステナイト単相になる温度である。Ac3は、得られた鋼片から試験片を採取し、加熱時及び冷却時の熱膨張挙動から求めることができる。
熱間圧延後、そのまま焼入れる場合は、下記式(1)で求められる冷却速度以上で250℃以下の温度まで冷却する。鋼帯を製造する場合も、熱間圧延後、下記式(1)で求められる冷却速度以上で冷却して250℃以下で巻き取る。冷却速度の上限は、水冷装置能力と板厚とで自ずと制限される。
熱間圧延後、水冷もしくは空冷して、Ac3以上の温度に再加熱し、焼入れてもよい。その場合、再加熱後に、下記式(1)で求められる冷却速度VC(℃/s)以上で250℃以下の温度まで冷却して焼き入れする。水冷の冷却速度は10℃/s以上が好ましい。
焼入れによりマルテンサイトを主組織とする厚鋼板を得ることができる。
VC=10(2.94−0.75×(2.7×[C]+0.4×[Si]+[Mn]+0.45×[Ni]+0.8×[Cr]+2×[Mo])・・・(1)
上記式(1)において、[X]は質量%で表される元素Xの含有量であり、元素Xを含まない場合は0を代入する。

0043

本発明の効果を詳細に確認するため、以下の実験を行った。なお、本実施例は、本発明の一実施例を示すものであり、本発明は以下の構成に限定されるものではない。

0044

表1に示す成分組成を有するスラブをAc3以上に加熱し、表2に示す圧延条件にて熱間圧延し、次いで、必要に応じて熱処理を施した後、表3に示す製品厚を有する厚鋼板を得た。再加熱温度はAc3以上とした。
得られた厚鋼板から採取した各試験片について、マルテンサイトの面積率、旧オーステナイト粒径、硬さ、靭性、耐摩耗性試験を行った。その結果を表3に示す。
なお、各特性の具体的な評価方法は、以下の通りである。

0045

「マルテンサイトの面積率、旧オーステナイト粒径」
圧延板の表面を含む部位から試験片を切り出し、圧延幅方向に平行な板厚断面を鏡面研磨し、ナイタール腐食した。その後、表面から0.7mmの部位を中央とする500μm×500μmの視野を光学顕微鏡で観察し、ミクロ組織を同定し、マルテンサイトの面積率を算出した。なお、光学顕微鏡による観察は、圧延方向に平行な板厚断面において1箇所のみ行った。また、マルテンサイトの面積率を同定したものを再び鏡面研磨し、ピクリン酸で腐食し、旧オーステナイト粒界を現出させ、表面から0.7mmの部位を中央とする500μm×500μmの範囲に含まれる旧オーステナイト粒の個数とマルテンサイトの面積から円相当径を測定し、それらの平均値を旧オーステナイト粒径とした。

0046

「靭性」
鋼板の1/4厚位置から長さ方向に採取し、幅方向に亀裂が伝播するような方向にノッチを入れたJIS4号試験片により、−40℃での吸収エネルギー(vE−40℃(J))を評価し、−40℃のシャルピー吸収エネルギーが50J以上である場合を良好なものとした。

0047

「硬さ」
JIS Z 2243に従って、鋼板のZ方向断面について、鋼板表面から0.7mm位置まで研削して研磨を施し、ブリネル硬さHBW(10/3000)を測定した。ブリネル硬さは、360以上である場合を良好なものと評価した。

0048

「耐摩耗性」
幅50mm×長さ50mm×厚さ5mmの試験片を水平方向に対して30°傾けて設置し、サイズが5号の珪砂を試験片の上150mmの高さまで装入し、さらに、珪砂の上10mmの高さまで水を注入し、スクラッチング摩耗試験周速度3.7m/s、50時間)を行った。摩耗減量を求め、普通鋼SS400)を基準に相対比で評価した。普通鋼に対する摩耗減量(摩耗量比)は、0.50以下である場合を良好なものと評価した。

0049

0050

実施例

0051

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