図面 (/)

技術 LDSに用いる射出成形用熱硬化性樹脂成形材料、それを用いた射出成形品の製造方法およびMIDの製造方法

出願人 住友ベークライト株式会社
発明者 望月俊佑
出願日 2019年2月12日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-022824
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-132647
状態 未査定
技術分野 プラスチック等の射出成形 高分子成形体の処理 高分子組成物 プラスチック等の成形材料の処理、取扱一般
主要キーワード 高酸化物 エネルギー線照射領域 金属化浴 未着部分 最低トルク値 三次元回路 内臓アンテナ 混練領域
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年8月31日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

絶縁信頼性および接続信頼性に優れたLDSに用いる射出成形用熱硬化性樹脂成形材料を提供する。

解決手段

本発明の射出成形用熱硬化性樹脂成形材料は、LDSに用いる射出成形用熱硬化性樹脂成形材料であって、熱硬化性樹脂と、無機充填材と、活性エネルギー線照射により金属核を形成する非導電性金属化合物からなるLDS添加剤と、を含み、その高化式粘度が、100Pa・s以上2,000Pa・s以下であり、ラボプラストミルを用いて測定される、トルク値最低トルク値の2倍以下である時間T1が10秒以上60秒以下であり、最低トルク値が0.80N・m以上25N・m以下である。

概要

背景

LDSに用いられる樹脂材料として、LDS添加剤を含む熱可塑性樹脂組成物を繊維に含浸されてなる繊維強化樹脂材料が一般的に使用される。この種の技術としては、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1には、熱可塑性樹脂としてポリアミド樹脂が記載されている。

概要

絶縁信頼性および接続信頼性に優れたLDSに用いる射出成形用熱硬化性樹脂成形材料を提供する。本発明の射出成形用熱硬化性樹脂成形材料は、LDSに用いる射出成形用熱硬化性樹脂成形材料であって、熱硬化性樹脂と、無機充填材と、活性エネルギー線照射により金属核を形成する非導電性金属化合物からなるLDS添加剤と、を含み、その高化式粘度が、100Pa・s以上2,000Pa・s以下であり、ラボプラストミルを用いて測定される、トルク値最低トルク値の2倍以下である時間T1が10秒以上60秒以下であり、最低トルク値が0.80N・m以上25N・m以下である。なし

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

ASERDIRECTSTRUCTURING(LDS)に用いる射出成形用熱硬化性樹脂成形材料であって、熱硬化性樹脂と、無機充填材と、活性エネルギー線照射により金属核を形成する非導電性金属化合物からなるLDS添加剤と、を含み、高化式粘度測定装置を用いて、測定温度150℃、荷重200kgfの条件で測定される、当該射出成形用熱硬化性樹脂成形材料の高化式粘度が、100Pa・s以上2,000Pa・s以下であり、下記の手順で測定される、当該射出成形用熱硬化性樹脂成形材料のトルク値最低トルク値の2倍以下である時間T1が10秒以上60秒以下であり、当該射出成形用熱硬化性樹脂成形材料の最低トルク値が0.80N・m以上25N・m以下である、射出成形用熱硬化性樹脂成形材料。(手順)ラボプラストミルを用いて、回転数30rpm、測定温度150℃の条件で、当該射出成形用熱硬化性樹脂成形材料のトルク値を経時的に測定する。ラボプラストミル測定の測定開始点をP1とし、トルク値が最低トルク値となる点をP3とし、P1からP3に至る間においてトルク値が最低トルク値の2倍となる点をP2とし、P3を経た後にトルク値が最低トルク値の2倍となる点をP4とする。ラボプラストミル測定の測定開始点P1は、ラボプラストミルに材料を投入し、急激にトルク立ち上がった後、トルクが下がり始める点とする。P3からP4までの時間を、トルク値が最低トルク値の2倍以下である時間T1とする。

請求項2

請求項1に記載の射出成形用熱硬化性樹脂成形材料であって、前記熱硬化性樹脂が、レゾール型フェノール樹脂を含む、射出成形用熱硬化性樹脂成形材料。

請求項3

請求項1または2に記載の射出成形用熱硬化性樹脂成形材料であって、前記LDS添加剤の含有量が、当該射出成形用熱硬化性樹脂成形材全体に対して、0.1質量%以上10.0質量%以下である。射出成形用熱硬化性樹脂成形材料。

請求項4

請求項1〜3のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂成形材料であって、当該射出成形用熱硬化性樹脂成形材料の硬化物ガラス転移温度が、150℃以上である、射出成形用熱硬化性樹脂成形材料。

請求項5

請求項1〜4のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂成形材料であって、当該射出成形用熱硬化性樹脂成形材料の硬化物の、流動方向における40℃から150℃の平均線膨張係数が、20ppm/℃以下である、射出成形用熱硬化性樹脂成形材料。

請求項6

請求項1〜5のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂成形材料であって、当該射出成形用熱硬化性樹脂成形材料の硬化物の、周波数GHzにおける誘電正接が、0.05以下である、射出成形用熱硬化性樹脂成形材料。

請求項7

請求項1〜6のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂成形材料であって、当該射出成形用熱硬化性樹脂成形材料の硬化物の吸湿率が、0.5%以下である、射出成形用熱硬化性樹脂成形材料。

請求項8

請求項1〜7のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂成形材料であって、前記無機充填材の含有量が、当該射出成形用熱硬化性樹脂成形材全体に対して、50質量%以上90質量%以下である。射出成形用熱硬化性樹脂成形材料。

請求項9

請求項1〜8のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂成形材料を用いて射出成形することで、射出成形品を得る工程を含む、射出成形品の製造方法。

請求項10

請求項9に記載の射出成形品の製造方法で得られた射出成形品の表面に、活性エネルギー線を照射する工程と、前記活性エネルギー線を照射する工程の後、前記射出成形品の表面に、めっき処理により回路を形成する工程と、を含む、MOLDEDINTERCONNCTDEVICE(MID)の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、LASER DIRECT STRUCTURINGに用いる射出成形用熱硬化性樹脂成形材料、それを用いた射出成形品の製造方法およびMOLDED INTERCONNECT DEVICEの製造方法に関する。

背景技術

0002

LDSに用いられる樹脂材料として、LDS添加剤を含む熱可塑性樹脂組成物を繊維に含浸されてなる繊維強化樹脂材料が一般的に使用される。この種の技術としては、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1には、熱可塑性樹脂としてポリアミド樹脂が記載されている。

先行技術

0003

特開2015−134903号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載のLDS添加剤を含む熱可塑性樹脂成形材料において、絶縁信頼性および接続信頼性の点で改善の余地があることが判明した。
また、LDS添加剤を含有させる樹脂の種類として、熱可塑性樹脂については、これまで検討が行われてきたが、一方、熱硬化性樹脂については、未だ十分な検討がなされていない。

課題を解決するための手段

0005

本発明者はさらに検討したところ、熱硬化性樹脂成形材料について、粘度および溶融特性を適切に制御することで、射出成形に好適な成形材料を実現でき、それを用いて得られた射出成形品における絶縁信頼性および接続信頼性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0006

本発明によれば、
LASER DIRECT STRUCTURING(LDS)に用いる射出成形用熱硬化性樹脂成形材料であって、
熱硬化性樹脂と、
無機充填材と、
活性エネルギー線照射により金属核を形成する非導電性金属化合物からなるLDS添加剤と、を含み、
高化式粘度測定装置を用いて、測定温度150℃、荷重200kgfの条件で測定される、当該射出成形用熱硬化性樹脂成形材料の高化式粘度が、100Pa・s以上2,000Pa・s以下であり、
下記の手順で測定される、当該射出成形用熱硬化性樹脂成形材料のトルク値最低トルク値の2倍以下である時間T1が10秒以上60秒以下であり、当該射出成形用熱硬化性樹脂成形材料の最低トルク値が0.80N・m以上25N・m以下である、射出成形用熱硬化性樹脂成形材料が提供される。

0007

また本発明によれば、
上記射出成形用熱硬化性樹脂成形材料を用いて射出成形することで、射出成形品を得る工程を含む、射出成形品の製造方法が提供される。

0008

また本発明によれば、
上記射出成形品の製造方法で得られた射出成形品の表面に、活性エネルギー線を照射する工程と、
前記活性エネルギー線を照射する工程の後、前記射出成形品の表面に、めっき処理により回路を形成する工程と、を含む、MOLDED INTERCONNECT DEVICE(MID)の製造方法が提供される。

発明の効果

0009

本発明によれば、絶縁信頼性および接続信頼性に優れたLDSに用いる射出成形用熱硬化性樹脂成形材料、それを用いた射出成形品の製造方法およびMIDの製造方法が提供される。

図面の簡単な説明

0010

ラボプラストミルを用いた測定により得られるトルク値と測定時間との関係を模式的に示すグラフである。
接続信頼性を評価するためのメッキパターンの模式図である。
絶縁信頼性を評価するためのメッキパターンの模式図である。

0011

本実施形態の熱硬化性樹脂成形材料の概要を説明する。

0012

本実施形態の熱硬化性樹脂成形材料は、LASER DIRECT STRUCTURING(以下「LDS」と略称する)に用いる射出成形用熱硬化性樹脂成形材(以下「熱硬化性樹脂成形材料」と略称する)である。

0013

LDS(レーザーダイレクトストラクチャリング)とは、MOLDED INTERCONNECT DEVICE(以下、「MID」という)の製造方法の一つである。MID(三次元成形回路部品)の製造方法において、活性エネルギー線を照射して、LDS添加剤を含有する樹脂成形品の表面に金属核を生成し、その金属核をシードとして、例えば無電解めっき処理等により、エネルギー線照射領域にめっきパターン配線)を形成することができる。

0014

本実施形態の熱硬化性樹脂成形材料は、LDS添加剤として、活性エネルギー線の照射により金属核を形成する非導電性金属化合物を含む。
上記非導電性金属化合物は、活性エネルギー線の照射により金属核を形成できるものであれば特に限定されない。非導電性金属化合物の一例として、(i)スピネル型金属酸化物、(ii)周期表第3族〜第12族の中から選択されており、かつ当該族が隣接する2以上の遷移金属元素を有する金属酸化物、および(iii)錫含有酸化物からなる群から選択される一種以上が挙げられる。

0015

詳細なメカニズムは定かでないが、吸収可能な波長領域を有するYAGレーザー等の活性エネルギー線が非導電性金属化合物に照射されると、金属核が活性化して(例えば、還元されて)、金属めっきが可能な金属核が生成される、と考えられる。

0016

非導電性金属化合物を含む熱硬化性樹脂成形材料の成形品の表面に対して、活性エネルギー線を照射すると、その照射面に、金属めっきが可能な金属核を有するシード領域が形成される。得られたシード領域を利用することにより、熱硬化性樹脂成形材料の三次元成形品の表面に、回路などのめっきパターンを形成することが可能になる。

0017

本実施形態によれば、熱硬化性樹脂成形材料について、粘度および溶融特性を適切に制御することで、射出成形に好適に用いられる成形材料を実現できる。粘度の状態について高化式粘度を指標とし、溶融特性についてラボトルクを指標とする。これらの指標を採用することで、粘度および溶融特性の状態について安定的評価することができるとともに、指標に基づく数値範囲を適切な範囲内とすることで、射出成形に好適な熱硬化性樹脂成形材料が得られることが分かった。このような熱硬化性樹脂成形材料を射出成形して得られた射出成形品は、絶縁信頼性および接続信頼性に優れることが分かった。

0018

以下、本実施形態の熱硬化性樹脂成形材料の各成分について説明する。

0019

(熱硬化性樹脂)
上記熱硬化性樹脂成形材料は、熱硬化性樹脂を含有するものである。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、たとえばエポキシ樹脂フェノール樹脂オキセタン樹脂、(メタアクリレート樹脂不飽和ポリエステル樹脂ジアリルフタレート樹脂、およびマレイミド樹脂からなる群から選択される一種類または二種類以上を含むことができる。
これらの中でも、低線膨張高絶縁性、高Tgの観点から、フェノール樹脂またはエポキシ樹脂を用いることができる。

0020

上記フェノール樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂クレゾールノボラック樹脂ビスフェノールA型ノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂メチロール型レゾール樹脂ジメチレンエーテル型レゾール樹脂桐油アマニ油クルミ油などで溶融した油溶レゾールフェノール樹脂などのレゾール型フェノール樹脂アリールアルキレン型フェノール樹脂などが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、速硬化性の観点から、レゾール型フェノール樹脂を用いることが好ましい。

0021

上記レゾール型フェノール樹脂としては、例えば、フェノール類アルデヒド類とをアルカリ条件下または弱酸性下で反応させて得られるものが用いられる。

0022

上記フェノール類としては、例えば、フェノール環数は1核体、2核体または3核体などのいずれでもよく、フェノール性水酸基数は、1個でも2個以上でもよい。
上記フェノール類の一例としては、特に限定されないが、例えば、フェノールオルソクレゾールメタクレゾールパラクレゾール等のクレゾール;2、3−キシレノール、2、4−キシレノール、2、5−キシレノール、2、6−キシレノール、3、5−キシレノール等のキシレノール;2,3,5−トリメチルフェノール、2−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、n−ブチルフェノール、イソブチルフェノール、tert−ブチルフェノールヘキシルフェノール、オクチルフェノールノニルフェノールフェニルフェノールベンジルフェノール、クミルフェノールアリルフェノールカルダノールウルシオールラッコール等のアルキルフェノール1−ナフトール2−ナフトール等のナフトールフルオロフェノールクロロフェノールブロモフェノールヨードフェノール等のハロゲン化フェノールp−フェニルフェノールアミノフェノールニトロフェノールジニトロフェノールトリニトロフェノール等の1価フェノール置換体ビスフェノールS、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールZ、ビスフェノールE等のビスフェノール;レゾルシンアルキルレゾルシン、ピロガロールカテコールアルキルカテコールハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシンジヒドロキシナフタリンナフタレン等の多価フェノール;などが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、フェノール類は、フェノール、クレゾール、キシレノール、アルキルフェノールおよびビスフェノールからなる群より選ばれる1種以上を含むことができ、安価な観点から、フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、ビスフェノールAを用いることができる。

0023

上記アルデヒド類としては、特に限定されないが、例えば、ホルマリンパラホルムアルデヒド等のホルムアルデヒドトリオキサンアセトアルデヒドパラアルデヒドプロピオンアルデヒドポリオキシメチレンクロラールヘキサメチレンテトラミンフルフラールグリオキザールn−ブチルアルデヒドイソブチルアルデヒド、tert−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒドベンズアルデヒドクロトンアルデヒドアクロレインテトラオキシメチレンフェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒドサリチルアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒド類は単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。この中でも、アルデヒド類は、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドを含むことができ、生産性および安価な観点から、ホルマリンまたはパラホルムアルデヒドを用いることができる。

0024

アルカリ性条件下の場合、アルカリ性触媒を用いることができる。
上記アルカリ性触媒としては、特に限定はされないが、例えば、水酸化ナトリウム水酸化リチウム水酸化カリウムアンモニア水モノメチルアミンジメチルアミントリメチルアミンモノエチルアミンジエチルアミンメチルエチルアミン、トリエチルアミンなどのアミンカルシウムマグネシウムバリウムなどのアルカリ土類金属酸化物及び水酸化物炭酸ナトリウム、ヘキサメチレンテトラミンなどのアルカリ性物質を用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、水酸化ナトリウムを用いてもよい。

0025

また、弱酸性下の場合、亜鉛系触媒を用いることができる。
上記亜鉛系触媒としては、特に限定されず、二価金属塩触媒であればいずれも使用できるが、例えば、酢酸亜鉛蟻酸亜鉛等を用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、酢酸亜鉛の水和物を用いてもよい。

0026

上記アルカリ性触媒または上記亜鉛系触媒の添加量は、フェノール類100質量%に対し、例えば、0.01質量%〜20質量%としてもよく、好ましくは0.1質量%〜10質量%とすることができる。

0027

また、フェノール類とアルデヒド類のモル比(F/Pモル比)は、フェノール類1モルに対し、例えば、アルデヒド類を0.7モル〜4.0モルとしてもよく、好ましくは1.0モル〜3.0モルとすることができる。アルデヒド類を上記範囲とすることで、上記のようにフェノール類1モルに対して、アルデヒド類の転化率が高まり、残留未反応アルデヒド類を低減させることができる。

0028

上記熱硬化性樹脂成形材料は、熱硬化性樹脂として、レゾール型フェノール樹脂を含むことができる。
上記レゾール型フェノール樹脂の含有量の下限は、フェノール樹脂全体(100質量%)に対して、例えば、60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上である。これにより、封止用樹脂組成物の速硬化性を高めることができる。それによって、耐温度サイクル性を向上できる。上記レゾール型フェノール樹脂の含有量の上限は、フェノール樹脂全体(100質量%)に対して、例えば、100質量%以下、95質量%以下としてもよい。これにより、封止用樹脂組成物の成形体の物性のバランスを図ることができる。

0029

上記のレゾールノボラック含有比率は、質量換算で、例えば、60:40〜100:0、より好ましくは70:30〜100:0、さらに好ましくは75:25〜100:0である。このようにフェノール樹脂中のレゾール型フェノール樹脂の含有比率を向上させることで、封止用樹脂組成物の速硬化性を高めることができる。それによって、耐温度サイクル性を向上できる。

0030

明細書中、「〜」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す。

0031

上記エポキシ樹脂としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマーオリゴマーポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は特に限定されない。
上記エポキシ樹脂は、たとえばビフェニル型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂スチルベン型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等に例示されるトリスフェノール型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂ジヒドロキシナフタレンの2量体グリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂等のナフトール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレートモノアリルジグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂からなる群から選択される一種類または二種類以上を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0032

上記熱硬化性樹脂成形材料は、熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂を単独で含んでもよいが、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂等の2種以上を含んでもよい。

0033

本実施形態において、熱硬化性樹脂の含有量の下限は、熱硬化性樹脂成形材料全体に対して、例えば、5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。これにより、成形時における流動性を向上させることができる。このため、充填性や成形安定性の向上を図ることができる。一方、熱硬化性樹脂の含有量の上限は、熱硬化性樹脂成形材料全体に対して、例えば、50質量%以下、好ましくは45質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。これにより、耐湿信頼性耐リフロー性を向上させることができる。また、熱硬化性樹脂の含有量をこのような範囲に制御することによって、成形体の反り抑制に寄与することが可能である。

0034

本実施形態において、熱硬化性樹脂成形材料全体に対する含有量とは、溶媒を含む場合には、熱硬化性樹脂成形材料のうちの溶媒を除く固形分全体に対する含有量を指す。熱硬化性樹脂成形材料の固形分とは、熱硬化性樹脂成形材料中における不揮発分を指し、水や溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。

0035

(LDS添加剤)
上記熱硬化性樹脂成形材料は、LDS添加剤として、非導電性金属化合物を含む。
上記非導電性金属化合物の具体例としては、例えば、スピネル型の金属酸化物、周期表第3族〜第12族の中から選択されており、かつ当該族が隣接する2以上の遷移金属元素を有する金属酸化物、および錫含有酸化物からなる群から選択される一種以上を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0036

上記スピネル型の金属酸化物としては、例えば、スピネル型の構造とは、複酸化物でAB2O4型化合物(AとBは金属元素)にみられる代表的結晶構造型の一つである。順スピネル構造、(AとBが一部入れ替わった)逆スピネル構造(B(AB)O4)のいずれでもよいが、順スピネル構造がより好ましく使用できる。この場合、順スピネル構造のAが銅であってもよい。

0037

上記スピネル型の金属酸化物を構成する金属原子としては、例えば、銅やクロムを用いることができる。つまり、上記非導電性金属化合物は、銅またはクロムを含むスピネル型の金属酸化物を含有することができる。例えば、銅メッキパターンとの密着性の観点から、上記金属原子として銅を用いることができる。

0038

また、上記金属原子としては、銅やクロムの他に、アンチモン、スズ、鉛、インジウム、鉄、コバルトニッケル亜鉛カドミウム、銀、ビスマスヒ素マンガン、マグネシウム、カルシウムなどの金属原子を微量含有していてもよい。これらの微量金属原子は酸化物として存在していてもよい。また、微量金属原子の含有量は、それぞれ、金属酸化物中の金属原子全体に対して、0.001質量%以下とすることができる。

0039

本実施形態において、上記スピネル型の金属酸化物は、熱的に高安定性があり、酸性またはアルカリ性水性金属化浴において耐久性を有することができる。上記スピネル型の金属酸化物は、例えば、熱硬化性樹脂成形材料の分散性を適切に制御することにより、高酸化物の状態で、熱硬化性樹脂成形材料の硬化物の表面における未照射領域に存在することができる。以上のような上記スピネル型の金属酸化物の一例としては、例えば、特許3881338号に記載されている。

0040

また、上記遷移金属元素を有する金属酸化物としては、周期表第3族〜第12族の中から選択されており、かつ当該族が隣接する2以上の遷移金属元素を有する金属酸化物である。ここで、上記遷移金属元素に属する金属は、周期表のn族の金属と、n+1族の金属とを含有すると表すことができる。上記遷移金属元素を有する金属酸化物は、これら金属の酸化物を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0041

上記周期表のn族に属する金属としては、例えば、3族(スカンジウムイットリウム)、4族(チタンジルコニウムなど)、5族(バナジウムニオブなど)、6族(クロム、モリブテンなど)、7族(マンガンなど)、8族(鉄、ルテニウムなど)、9族(コバルト、ロジウムイリジウムなど)、10族(ニッケル、パラジウム白金)、11族(銅、銀、金など)、12族(亜鉛、カドミウムなど)、13族(アルミニウムガリウム、インジウムなど)が挙げられる。

0042

周期表のn+1族の金属としては、例えば、4族(チタン、ジルコニウムなど)、5族(バナジウム、ニオブなど)、6族(クロム、モリブテンなど)、7族(マンガンなど)、8族(鉄、ルテニウムなど)、9族(コバルト、ロジウム、イリジウムなど)、10族(ニッケル、パラジウム、白金)、11族(銅、銀、金など)、12族(亜鉛、カドミウムなど)、13族(アルミニウム、ガリウム、インジウムなど)が挙げられる。
以上のような上記遷移金属元素を有する金属酸化物の一例としては、例えば、特許3881338号に記載されている。

0043

また、上記錫含有酸化物としては、少なくとも錫を含有する金属酸化物である。上記錫含有酸化物を構成する金属原子は、錫のほかにアンチモンを用いてもよい。このような上記錫含有酸化物は、酸化錫酸化アンチモンを含有することができる。

0044

例えば、錫含有酸化物に含まれる金属成分の、90質量%以上が錫であり、5質量%以上がアンチモンであってもよい。この錫含有酸化物は、金属成分として、鉛および/または銅をさらに含有してもよい。具体的には、錫含有酸化物に含まれる金属成分においては、例えば、90質量%以上が錫であり、5〜9質量%がアンチモンであり、0.01〜0.1質量%の範囲で鉛を含み、0.001〜0.01質量%の範囲で銅を含むことができる。このような錫含有酸化物は、例えば、酸化錫、酸化アンチモン、酸化鉛および/または酸化銅を含有することができる。なお、上記錫含有酸化物は、スピネル型の金属酸化物で例示された微量金属原子を含有してもよい。また、上記錫含有酸化物は、上記スピネル型の金属酸化物または上記遷移金属元素を有する金属酸化物と併用して使用してもよい。

0045

上記非導電性金属化合物(LDS添加剤)の含有量の下限は、熱硬化性樹脂成形材料全体に対して、例えば、0.1質量%以上であり、好ましくは0.3質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上である。これにより、熱硬化性樹脂成形材料の硬化物において、めっき付き特性を良好なものとすることができる。また、上記非導電性金属化合物の含有量の上限は、熱硬化性樹脂成形材料全体に対して、例えば、10.0質量%以下であり、好ましくは8.0質量%以下であり、さらに好ましくは6.0質量%以下である。これにより、熱硬化性樹脂成形材料の硬化物において、絶縁性の低下を抑制したり、誘電正接の増加を抑制することができる。また、非導電性金属化合物が非球形の場合において、熱硬化性樹脂成形材料の流動性を良好なものとすることができる。

0046

本実施形態の熱硬化性樹脂成形材料は、上記の非導電性金属化合物のほかに、少なくとも1種類の有機性熱安定性金属キレート錯塩を含有していてもよい。

0047

(無機充填材)
上記熱硬化性樹脂成形材料は、無機充填材を含む。
上記無機充填材として、繊維状、板状あるいは球状の無機充填材を用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0050

この中でも、無機充填材として、破砕シリカ球状シリカ結晶シリカ等の球状シリカを用いることが好ましくい。これらは溶融シリカであってもよい。球状無機充填材を用いることにより、熱硬化性樹脂成形材料の分散性を向上させることができる。

0051

また、上記無機充填材の平均粒径D50の上限は、例えば30μm以下であり、好ましくは28μm以下であり、より好ましくは26μm以下である。これにより、熱硬化性樹脂成形材料の硬化物において、得られる回路パターンの幅を細くすることも可能になる。一方、上記無機充填材の平均粒径D50の下限は、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上であり、好ましくは0.5μm以上であり、より好ましくは1.0μm以上である。これにより、熱硬化性樹脂成形材料の溶融粘度を適切に制御できるので、射出成形の成形性を向上させることができる。

0052

また、無機充填材のD90の上限は、例えば、100μm以下であり、好ましくは80μm以下であり、より好ましくは60μm以下である。これにより、熱硬化性樹脂成形材料の硬化物において、レーザー加工後における硬化物の表面粗さを低減できるので、めっき付き特性を向上させることができる。一方、無機充填材のD90の下限は、特に限定されないが、例えば、1μm以上でもよく、3μm以上でもよく、10μm以上でもよく、20μm以上でもよい。これにより、熱硬化性樹脂成形材料の流動性を良好なものとし、成形性をより効果的に向上させることが可能となる。

0053

上記無機充填材の粒度分布幅(D90/D50)の上限は、例えば、10以下であり、好ましくは9以下であり、より好ましくは8以下である。これにより、熱硬化性樹脂成形材料の硬化物の表面粗さのバラツキを抑制できるので、めっき付き特性を向上させることができる。また、上記無機充填材の粒度分布幅(D90/D50)の下限は、例えば、1以上であってもよい。

0054

本実施形態において、無機充填材のD50やD90は、市販のレーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、島津製作所社製、SALD−7000)を用いて粒子粒度分布体積基準で測定することができる。ここで、得られたメディアン径(D50)を、平均粒径とすることができる。

0055

上記充填材の含有量の下限は、上記熱硬化性樹脂成形材料の固形分100質量%に対して、例えば、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは65質量%以上である。これにより、熱硬化性樹脂成形材料の硬化物の機械的強度を高め、成形材料に好適な熱硬化性樹脂成形材料を実現できる。一方、上記充填材の含有量の上限は、上記熱硬化性樹脂成形材料の固形分100質量%に対して、特に限定されないが、例えば、90質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下である。これにより、粘度の上昇を抑制しつつも、製造安定性を高めることができる。

0056

硬化剤
上記熱硬化性樹脂成形材料は、熱硬化性樹脂として上記フェノール樹脂を含む場合、硬化剤として、アミン系硬化剤を含むことができる。

0057

上記アミン系硬化剤としては限定されず、ノボラック型フェノール樹脂を硬化させるために用いられる従来公知のアミン系硬化剤を用いることができる。
上記アミン系硬化剤としては、具体的には、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサメトキシメチロールメラミンなどを用いることができる。アミン系硬化剤としては、例えば、ヘキサメチレンテトラミンを用いることが好ましい。

0058

上記アミン系硬化剤の含有量は、フェノール樹脂全体(100%質量%)に対して、例えば、7質量部〜30質量部、より好ましくは10質量部〜25質量部である。上記数値範囲内とすることにより、良好な硬化性を得ることができる。

0059

また、上記熱硬化性樹脂成形材料は、熱硬化性樹脂として上記エポキシ樹脂を含む場合、硬化剤として、下記の重付加型の硬化剤、触媒型の硬化剤、および縮合型の硬化剤の少なくとも一種以上を用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0060

上記硬化剤として用いられる重付加型の硬化剤は、たとえばジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミンジアミノジフェニルメタンDDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミドDICY)、有機酸ジヒドラジドなどを含むポリアミン化合物ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸MTHPA)などの脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸BTDA)などの芳香族酸無水物などを含む酸無水物;ノボラック型フェノール樹脂、ポリビニルフェノールアラルキル型フェノール樹脂などのフェノール樹脂系硬化剤ポリサルファイドチオエステルチオエーテルなどのポリメルカプタン化合物イソシアネートプレポリマーブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物カルボン酸含有ポリエステル樹脂などの有機酸類からなる群から選択される一種類または二種類以上を含むことができる。

0061

上記硬化剤として用いられる触媒型の硬化剤は、たとえばベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP−30)などの3級アミン化合物;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィンテトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン、1,2−ビス−(ジフェニルホスフィノエタン等の有機リン化合物;BF3錯体などのルイス酸からなる群から選択される一種類または二種類以上を含むことができる。

0062

上記硬化剤として用いられる縮合型の硬化剤は、たとえばレゾール型フェノール樹脂;メチロール基含有尿素樹脂などの尿素樹脂;メチロール基含有メラミン樹脂などのメラミン樹脂からなる群から選択される一種類または二種類以上を含むことができる。

0063

これらの中でも、耐燃性耐湿性電気特性、硬化性、および保存安定性等についてのバランスを向上させる観点から、フェノール樹脂系硬化剤を含むことがより好ましい。フェノール樹脂系硬化剤としては、例えば、一分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量、分子構造は特に限定されない。
本実施形態の硬化剤として用いられるフェノール樹脂系硬化剤は、たとえば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック等のノボラック型フェノール樹脂;ポリビニルフェノール、トリフェノールメタン型フェノール樹脂等の多官能型フェノール樹脂テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のフェノールアラルキル型フェノール樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物からなる群から選択される一種類または二種類以上を含むことができる。これらの中でも、成形体の反りを抑制する観点からは、ノボラック型フェノール樹脂、多官能型フェノール樹脂およびフェノールアラルキル型フェノール樹脂を含むことがより好ましい。また、フェノールノボラック樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、ホルムアルデヒドで変性したトリフェニルメタン型フェノール樹脂が好ましく使用することができる。

0064

本実施形態において、硬化剤の含有量の下限は、熱硬化性樹脂成形材料全体に対して、例えば、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、1.5質量%以上であることがとくに好ましい。これにより、成形時において、優れた流動性を実現し、充填性や成形性の向上を図ることができる。一方、硬化剤の含有量の上限は、熱硬化性樹脂成形材料全体に対して、例えば、9質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、7質量%以下であることがとくに好ましい。これにより、電子部品の耐湿信頼性や耐リフロー性を向上させることができる。また、硬化剤の含有量をこのような範囲に制御することによって得られる成形体の反り抑制に寄与することが可能である。

0065

本実施形態の熱硬化性樹脂成形材料は、本発明の目的を損なわない範囲で、上述した成分以外の他の成分を含むことができる。この他の成分としては、例えば、エラストマー硬化促進剤、樹脂成分、離型剤低応力剤顔料難燃剤密着向上剤シランカップリング剤等の添加剤が挙げられる。なお、上記熱硬化性樹脂成形材料は溶剤が配合されていてもよい。

0066

本実施形態の熱硬化性樹脂成形材料は、必要に応じて、エラストマーを含有してもよい。
上記エラストマーとしては、特に限定されないが、アクリルニトリルブタジエンゴムイソプレンスチレンブタジエンゴムエチレンプロピレンゴム等が挙げられる。この中でもアクリルニトリルブタジエンゴムが好ましい。エラストマーを用いることで特に靱性を付与することができる。

0067

本実施形態の熱硬化性樹脂成形材料は、必要に応じて、硬化助剤を含有してもよい。硬化助剤は、上記硬化剤と併用できる。これにより、熱安定性や硬化性を高めることができる。

0068

上記硬化促進剤としては、特に限定されず、通常の硬化助剤を用いることが出来、例えば、酸化マグネシウム水酸化カルシウム水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物、サリチル酸安息香酸などの芳香属カルボン酸を例示することができる。

0069

低応力剤としては、具体的には、シリコーンオイルシリコーンゴム等のシリコーン化合物等を用いることができる。

0070

上記離型剤としては、例えば、カルナバワックス等の天然ワックスモンタン酸エステルワックス等の合成ワックスステアリン酸カルシウムステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸およびその金属塩類、ならびにパラフィン等を用いることができる。

0071

上記顔料としては、例えば、カーボンブラックニグロシンを用いることができる。

0072

上記シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有アルコキシシラン化合物;γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物;γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合物;γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシラン化合物などが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0073

本実施形態の熱硬化性樹脂成形材料は、特性などの改質を目的として、公知の樹脂材料を組み合わせて使用することもできる。このような樹脂成分の例としては、ユリア尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、ビスマレイミド樹脂ポリウレタン樹脂シリコーン樹脂ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂ポリビニルブチラール樹脂ポリ酢酸ビニル樹脂が挙げられる。また必要によりこれらの複数種を組み合わせて用いることもできる。

0074

次に、本実施形態の熱硬化性樹脂成形材料の特性について説明する。

0075

上記熱硬化性樹脂成形材料における高化式粘度の下限は、100Pa・s以上、好ましくは200Pa・s以上、より好ましくは300Pa・s以上である。一方、上記高化式粘度の上限は、2,000Pa・s以下、好ましくは1,800Pa・s以下、より好ましくは1,500Pa・s以下である。

0076

高化式粘度は、熱硬化性樹脂成形材料について、高化式粘度測定装置を用いて、測定温度150℃、荷重200kgfの条件で測定された値が用いられる。

0077

上記熱硬化性樹脂成形材料におけるトルク値が最低トルク値の2倍以下である時間T1の下限は、例えば、10秒以上、好ましくは11秒以上、より好ましくは15秒以上である。一方、上記時間T1の上限は、例えば、60秒以下、好ましくは50秒以下、より好ましくは40秒以下、さらに好ましくは30秒以下である。

0078

上記熱硬化性樹脂成形材料における最低トルク値の下限は、0.80N・m以上、好ましくは1.0N・m以上、より好ましくは1.5N・m以上である。一方、上記最低トルク値の上限は、25N・m以下、好ましくは23N・m以下、より好ましくは20N・m以下である。

0079

上記時間T1、最低トルク値は、次の手順に従って測定される。
まず、ラボプラストミルを用いて、回転数30rpm、測定温度150℃の条件で、熱硬化性樹脂成形材料のトルク値を経時的に測定する。ラボプラストミル測定の測定開始点をP1とし、トルク値が最低トルク値となる点をP3とし、P1からP3に至る間においてトルク値が最低トルク値の2倍となる点をP2とし、P3を経た後にトルク値が最低トルク値の2倍となる点をP4とする。ラボプラストミル測定の測定開始点P1は、ラボプラストミルに材料を投入し、急激にトルク立ち上がった後、トルクが下がり始める点とする。P3からP4までの時間を、トルク値が最低トルク値の2倍以下である時間T1とする。

0080

上記熱硬化性樹脂成形材料について、高化式粘度を上記数値範囲内とするとともに、ラボトルクとして時間T1および最低トルク値を上記数値範囲内とすることで、射出成形に好適な熱硬化性樹脂成形材料を実現できる。また、このような熱硬化性樹脂成形材料を射出成形して得られた射出成形品について、絶縁信頼性および接続信頼性を高めることが可能である。

0081

上記熱硬化性樹脂成形材料の硬化物のガラス転移温度が、例えば、150℃〜300℃、好ましくは180℃〜280℃、より好ましくは200℃〜260℃である。上記下限値以上とすることで、耐熱性に優れた射出成形品が得られる。

0082

当該射出成形用熱硬化性樹脂成形材料の硬化物の、流動方向における40℃から150℃の平均線膨張係数の上限が、例えば、20ppm/℃以下、好ましくは19ppm/℃以下、より好ましくは18ppm/℃以下である。これにより寸法安定性に優れた射出成形品を実現できる。一方、流動方向における40℃から150℃の平均線膨張係数の下限が、例えば、8ppm以上このましくは10ppm以上、より好ましくは12ppm以上でもよい。

0083

上記熱硬化性樹脂成形材料の硬化物の、周波数GHzにおける誘電正接の上限は、例えば、0.05以下でもよく、0.04以下でもよく、その下限は、例えば、0.001以上としてもよい。上記上限値以下とすることで、絶縁信頼性に優れた成形体を実現できる。

0084

上記熱硬化性樹脂成形材料の硬化物の吸湿率の上限は、例えば、0.5%以下でもよく、0.4%以下でもよく、その下限は、例えば、0.05%以上としてもよい。上記上限値以下とすることで、絶縁信頼性に優れた成形体を実現できる。

0085

上記のガラス転移温度、線膨張係数、誘電正接および吸湿率は、下記手順によって得られた試験片(熱硬化性樹脂成形材料の硬化物)を用いて測定できる
ガラス転移温度または線膨張係数の測定について、熱硬化性樹脂成形材料を用いて、175℃、3分の条件でトランスファー成形することでアズモールド品(10mm×80mm×4mmt)を得て、このアズモールド品を180℃、8時間の硬化条件後硬化処理して、試験片を得る。
吸湿率の測定について、熱硬化性樹脂成形材料を用いて、175℃、3分の条件で射出トランスファー成形することで試験片(φ50mm、4mmt)を得る。
誘電率の測定について、熱硬化性樹脂成形材料を用いて、175℃、60秒の条件で射出成形することで射出成形品(□120mm、1.5mmt)を得て、この射出成形品を切り出して、短冊状の試験片(□100mm、1.5mmt)を得る。

0086

本実施形態では、たとえば熱硬化性樹脂成形材料中に含まれる各成分の種類や配合量、熱硬化性樹脂成形材料の調製方法等を適切に選択することにより、上記高化式粘度、トルク値、ガラス転移温度、平均線膨張係数、誘電正接および吸湿率を制御することが可能である。これらの中でも、たとえば、フェノール樹脂の使用やその種類の選択、レゾール型フェノール樹脂の含有比率、無機充填材の種類や含有量を適切に選択すること等が、上記高化式粘度、トルク値、ガラス転移温度、平均線膨張係数、誘電正接および吸湿率を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。

0087

次に、本実施形態の熱硬化性樹脂成形材料の製造方法について説明する。
本実施形態の熱硬化性樹脂成形材料は、公知の方法を用いて製造し得る。
上記熱硬化性樹脂成形材料の製造方法の一例としては、上述の各成分をニーダーロール等で予め溶融混練し、次いで他の原料と均一に混合した後、あるいは、配合する全原料をロール、コニーダ二軸押出し機等の混練装置単独またはロールと他の混合装置との組み合わせで溶融混練した後、造粒または粉砕して得られる。なお、形状は特に限定されない。

0088

本実施形態の射出成形品の製造方法は、本実施形態の射出成形用熱硬化性樹脂成形材料を用いて射出成形することで、射出成形品を得る工程を含むことができる。以下、射出成形について説明する。
まず、射出成形機ゲートランナーキャビティーなどの成形空間を備える金型に接続する。
射出成形機は、例えば、シリンダー、シリンダー内で回転可能なスクリュー、シリンダー内に熱硬化性樹脂成形材料を投入可能な投入口、シリンダーを介して熱硬化性樹脂成形材料を加熱するヒーターおよび、シリンダー内で混練した成形材料を金型に送り出すノズルを備える。スクリューは先端に逆流弁を備えてもよい。

0089

続いて、加熱した射出成形機に、熱硬化性樹脂成形材料を投入する。熱硬化性樹脂成形材料は、シリンダー内で、ヒーターによって加熱されながら、スクリューによって混練され、混練領域を通過する。
混練領域を通過した熱硬化性樹脂成形材料は、ノズルの存在するノズル領域に到達する。これにより、熱硬化性樹脂成形材料は、スクリューによる圧力によって、ノズルを介して金型に射出される。
ノズルから射出された熱硬化性樹脂成形材料は、金型の成形領域に流入しながら硬化する。ここで、成形領域は金型の成形空間である。なお、金型の内部には温水などの熱媒体が流れており、これによって、成形空間の温度が一定に保つことができる。

0090

以上により、本実施形態の熱硬化性樹脂成形材料を射出成形してなる成形品(射出樹脂成形品)が得られる。上記樹脂成形品は、三次元構造を有していれば特に形状は限定されないが、一部に曲面を有していてもよい。

0091

本実施形態において、三次元成形回路部品(MID)は、三次元形状、上記樹脂成形品、三次元回路の3要素を有するものであり、例えば、三次元構造の樹脂成形品の表面に金属膜回路形成された部品である。具体的には、上記三次元成形回路部品は、例えば、三次元構造を有する樹脂成形品と、この樹脂成形品の表面に形成された三次元回路と、を備えることができる。このような三次元成形回路部品(MID)を使用することにより、空間を有効活用でき、部品点数の削減や軽薄短小化が可能である。

0092

本実施形態のMIDの製造方法は、射出成形品の製造方法で得られた上記射出成形品の表面に、活性エネルギー線を照射する工程と、活性エネルギー線を照射する工程の後、射出成形品の表面に、めっき処理により回路を形成する工程と、を含むことができる。なお、めっき処理前に表面洗浄工程を追加してもよい。

0093

公知のLDS法を用いることで、活性エネルギー線により、LDS添加剤を含有する熱硬化性樹脂成形材料の硬化物(三次元構造の樹脂成形品)の表面に金属核を生成し、その金属核をシードとして、例えば無電解めっき処理等により、エネルギー線照射領域にめっきパターン(配線)を形成することができる。

0094

上記活性エネルギー線としては、例えば、レーザーを用いることができる。レーザーは、例えば、YAGレーザー、エキシマレーザー電磁線等の公知のレーザーから適宜選択することができ、YGAレーザーが好ましい。また、レーザーの波長も特に定めるものではないが、例えば、200nm〜12000nmである。この中でも、好ましくは248nm、308nm、355nm、532nm、1064nmまたは10600nmを使用してもよい。

0095

上記めっき処理としては、電界めっきまたは無電解メッキのいずれを用いてもよい。上述のレーザーが照射された領域に、めっき処理を施すことにより、回路(めっき層)を形成することができる。めっき液としては、特に定めるものではなく、公知のめっき液を広く採用することができ、金属成分として銅、ニッケル、金、銀、パラジウムが混合されているめっき液を用いてもよい。

0096

本実施形態において、上記樹脂成形品(熱硬化性樹脂成形材料の硬化物)は、最終製品に限らず、複合材料や各種部品も含むことができる。上記樹脂成形品は、携帯電子機器、車両および医療機器の部品や、その他の電気回路を含む電子部品、半導体封止材ならびに、これらを形成するための複合材料として用いることができる。また、上記MIDとしては、携帯電話スマートフォン内臓アンテナセンサー半導体装置に適用することもできる。

0097

以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。

0098

以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。

0099

<熱硬化性樹脂成形材料の調製>
(実施例1〜6、比較例1)
以下の表1に示す配合量に従って各成分を配合した材料混合物を回転速度の異なる加熱ロールで混練し、シート状に冷却したものを粉砕することにより、顆粒状の熱硬化性樹脂成形材料を得た。
なお、加熱ロールの混練条件は、回転速度は高速側/低速側20/14rpm、温度は高速側/低速側80/20℃で、混練時間は5〜10分間とした。

0100

(比較例1,2)
下記の表1に示す配合量の各原材料を、常温ミキサーを用いて混合した後、70〜100℃でロール混練した。次いで、得られた混練物を冷却した後、これを粉砕して、粉粒状の熱硬化性樹脂成形材料を得た。次いで、高圧打錠成形することによってタブレット状の熱硬化性樹脂成形材料を得た。

0101

以下、表1中の各成分を示す。
(熱硬化性樹脂)
・フェノール樹脂1:レゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト社製、R−25)
・フェノール樹脂2:レゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト社製、PR−51723)
・フェノール樹脂3:ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製、PR−51470)
・フェノール樹脂4:ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製、A−1087)
・フェノール樹脂5:ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製、PR−HF−3)
・エポキシ樹脂1:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂DIC社製EPICLON N−670)
・エポキシ樹脂2:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製、EOCN−1020)
(熱可塑性樹脂)
・ポリアミド樹脂1:10ナイロン

0102

(硬化助剤)
・硬化助剤1:消石灰
・硬化助剤2:2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成社製、2P4MZ)
・硬化助剤3:トリフェニルホスフィン(化学社製、TPP)

0103

(無機充填材)
・無機充填材1:球状シリカ(電気化学工業社製、FB−950、平均粒子径D50=26μm)
・無機充填材2:球状シリカ(アドマテクス社製、SD2500−SQ、平均粒子径D50=0.9μm)
・無機充填材3:球状シリカ(アドマテックス社製、FEB24S5、平均粒子径D50=12.3μm)
・無機充填材4:破砕シリカ(龍森製社製、RD−8、平均粒子径D50=15μm)
・無機充填材5:ガラス繊維(平均径:11μm、平均長:3mm)
・無機充填材6:ガラス繊維(日本電気硝子社製、03T−296GH、繊維径:10μm)
・無機充填材7:ワラストナイト(平均径:10μm、平均長:50μm)
・無機充填材8:タルク(林化成社製、ミクロンホワイト5000S)
・無機充填材9:炭酸カルシウム(日東粉化社製)

0104

(非導電性金属化合物:LDS添加剤)
・非導電性金属化合物1:Black 30C965:CuCr2O4(Shephard color company、粉末

0105

(添加剤)
・シリコーンオイル1:シリコーンオイル(東レダウ社製、FZ−3730)
・離型剤1:モンタン酸エステルワックス(クラリアントジャパン社製、リコルブWE−4)
・離型剤2:モンタン酸塩(日東化成工業製、CS8CP)
・離型剤3:ステアリン酸カルシウム(日東化成工業社製)
・シランカップリング剤1:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製、KBE−903)
・顔料1:カーボンブラック(三菱化学社製、#5)

0106

0107

得られた熱硬化性樹脂成形材料を用いて、以下の評価項目について評価を行った。
結果を表1に示す。表1中、「−」は評価しなかったことを表す。

0108

(ラボトルク)
ラボプラストミル(東洋精機製作所社製、4C150)を用いて、回転数30rpm、測定温度150℃の条件で、得られた熱硬化性樹脂成形材料のトルク値を経時的に測定した。
図1に示すように、ラボプラストミル測定の測定開始点をP1とし、トルク値が最低トルク値となる点をP3とし、P1からP3に至る間においてトルク値が最低トルク値の2倍となる点をP2とし、P3を経た後にトルク値が最低トルク値の2倍となる点をP4とした。
ラボプラストミル測定の測定開始点P1は、ラボプラストミルに材料を投入し、急激にトルクが立ち上がった後、トルクが下がり始める点とした。P3からP4までの時間を、トルク値が最低トルク値の2倍以下である時間T1とした。結果を表1に示す。時間T1の単位は秒であり、最低トルク値の単位はN・mである。

0109

(高化式粘度)
高化式粘度測定装置(高化式フローテスター、株式会社島津製作所、CFT−100EX)を用いて、測定温度150℃、荷重200kgf、ノズル寸法:直径1.0mm×長さ10mmの条件で、熱硬化性樹脂成形材料の溶融粘度を測定した。

0110

(線膨張係数、ガラス転移温度)
得られた熱硬化性樹脂成形材料を用いて、175℃、3分の成形条件でトランスファー成形して、縦×横×厚み:10mm×80mm×4mmtのアズモールド試験片を作成した。
また、得られたアズモールド試験片を用いて、180℃、8時間の硬化条件で後硬化処理して、後硬化試験片を作成した。得られた後硬化試験片の表面における中心部から流動方向において、熱機械分析装置セイコーインスツルメント社製、製品名:TMA/SS−6000)を用いて、昇温5℃/分、40℃から150℃の温度範囲の条件で測定したときの平均線膨張係数をα1(ppm/℃)、流動方向と直行方向の平均線膨張係数をα2とした。
また、上記TMAの測定から、屈曲点に対応する温度をガラス転移点温度(Tg)とした。

0111

射出成形性
得られた熱硬化性樹脂成形材料を使用し、100tの横型油圧式射出成型機を用い、金型温度:175℃、シリンダーの先端温度:90℃、射出圧の上限:150MPa、保圧:50MPaの成形条件で、ISOダンベル試験片(樹脂成形品)を成形した。
このとき、射出成形性について、以下の評価基準に基づいて評価を行った。
〇:成形でき、外観上の外観不良も見られなかった。
△:成形できるが、外観上に充填不良やガス欠けが発生していた。
×:成形ができなかった。

0112

表1中、比較例2については、粘度が低すぎてシリンダー内でバックフローしており、比較例3については、粘度が高すぎてシリンダーから材料を射出できなかった。射出成形できなかった比較例2,3は、次のメッキ付性、絶縁信頼性および接続信頼性を評価できなかった。

0113

(メッキ付性)
得られた熱硬化性樹脂成形材料を使用し、100tの横型油圧式射出成型機を用い、金型温度:175℃、シリンダーの先端温度:90℃、射出圧の上限:200MPa、保圧:50MPaの成形条件で、120×1.5mmt(樹脂成形品)を成形した。この樹脂成形品の表面に対して、YAGレーザーを照射し、そのレーザー照射領域にメッキパターンを形成して、成形回路品Aを作製した。この成形回路品Aのめっき付き性について、以下の判断基準で評価した。
◎:めっき表面にムラ無し
○:めっき表面に多少のムラが見えるがめっき未着部分はなし
△:めっき表面にムラが見えるがめっき未着部分はなし
×:めっき表面にひどいムラが見えめっき未着部あり

0114

(接続信頼性)
上記(メッキ付性)の成形回路品Aの作製と同様にして、図2に示すメッキパターンを有する成形回路品Bを作製した。図2は、接続信頼性を評価するためのメッキパターンの概要を示す模式図である。図2(b)は、図2(a)のα領域の拡大図である。
(i)150℃で1000時間、(ii)85℃、80%で1000時間、(iii)−40℃〜150℃で500サイクルの条件で、抵抗値の変動を経時的に評価した。

0115

実施例1〜6において、上記(i)〜(iii)の条件下でも、初期からの抵抗値の上昇が抑制されることが分かった。

0116

(絶縁信頼性)
上記(メッキ付性)の成形回路品Aの作製と同様にして、図3に示すメッキパターン(ラインアンドスペース)を有する成形回路品Cを作製した。図3は、絶縁信頼性を評価するためのメッキパターンの概要を示す模式図である。
(A)L/S=200μm/200μm、(B)L/S=100μm/300μm、(C)L/S=100μm/200μm、(D)L/S=100μm/100μm、ラインアンドスペースにおいて、85℃、80%で1000時間、直流:15Vの条件で、抵抗値の変動を経時的に評価した。

0117

実施例1〜6において、上記(A)〜(C)の条件下でも、初期からの抵抗値の変動が抑制されることが分かった。

実施例

0118

実施例1〜6の熱硬化性樹脂成形材料は、比較例2,3と比べて、射出成形に優れており、比較例1と比べて、接続信頼性に優れることが分かった。このような実施例の熱硬化性樹脂成形材料は、メッキ付性に優れることから、LDSに用いる射出成形用熱硬化性樹脂成形材料に好適に使用できることが分かった。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • マツダ株式会社の「 繊維強化樹脂成形品の応力-ひずみ特性予測方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】繊維強化樹脂成形品の応力−ひずみ特性を、精度よく予測可能な方法を提供する。【解決手段】繊維強化樹脂成形品の応力−ひずみ特性予測方法は、基準となる繊維強化樹脂成形品のサンプルの画像データと、前記... 詳細

  • 三井化学株式会社の「 ゴム組成物およびその架橋体」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】EPDMなどのエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が有するほかの特性を維持しながら、優れた耐油性をも有するゴム組成物およびゴム架橋体を提供する。【解決手段】エチレン・炭素原子数3〜... 詳細

  • 旭化成株式会社の「 難燃性メタクリル系樹脂組成物及び成形体」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】本発明は、難燃性、透明性、流動性、及び耐熱性に優れた難燃性メタクリル系樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の難燃性メタクリル系樹脂組成物は、メタクリル系樹脂(A)、リン系難... 詳細

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ