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技術 樹脂組成物、それを用いたキャリア付樹脂膜、プリプレグ、積層板、プリント配線基板および半導体装置

出願人 住友ベークライト株式会社
発明者 大東範行
出願日 2019年2月12日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-022796
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-132646
状態 未査定
技術分野 エポキシ樹脂 高分子組成物
主要キーワード Eガラス キャリア基材 キャリア付 チオカルボン酸化合物 絶縁信頼性評価 電気めっき銅 パッケージプロセス ブラスト工法
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

低誘電特性およびSAP特性に優れた回路基板用樹脂組成物を提供する。

解決手段

本発明の回路基板用の樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、環状カルボジイミドと、を含むものである。

概要

背景

これまで回路基板に用いる樹脂組成物において様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1に、プリント配線板用プリプレグに使用される樹脂組成物がビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂を含むことが記載されている(特許文献1の実施例1)。

概要

低誘電特性およびSAP特性に優れた回路基板用の樹脂組成物を提供する。本発明の回路基板用の樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、環状カルボジイミドと、を含むものである。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

回路基板用樹脂組成物であって、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、環状カルボジイミドと、を含む、樹脂組成物。

請求項2

請求項1に記載の樹脂組成物であって、前記環状カルボジイミドの含有量は、当該樹脂組成物の固形分全体に対して、1質量%以上15質量%以下である、樹脂組成物。

請求項3

請求項1または2に記載の樹脂組成物であって、当該樹脂組成物中に、前記環状カルボジイミドの少なくとも一部が粒子として存在する、樹脂組成物。

請求項4

請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物であって、熱可塑性樹脂を含む、樹脂組成物。

請求項5

請求項4に記載の樹脂組成物であって、前記熱可塑性樹脂は、ポリイミド樹脂ポリアミド樹脂フェノキシ樹脂およびクマロン樹脂からなる群から選択される一種以上を含む、樹脂組成物。

請求項6

請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物であって、前記無機充填材の含有量は、当該樹脂組成物の固形分全体に対して、40質量%以上85質量%以下である、樹脂組成物。

請求項7

請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物であって、前記無機充填材は、シリカを含む、樹脂組成物。

請求項8

請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物であって、前記硬化剤は、活性エステル系硬化剤を含む、樹脂組成物。

請求項9

請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物であって、シアネート樹脂を含む、樹脂組成物。

請求項10

キャリア基材と、前記キャリア基材上に設けられた、請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる樹脂膜と、を備える、キャリア付樹脂膜。

請求項11

請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂組成物中に繊維基材を含むプリプレグ

請求項12

請求項11に記載のプリプレグの少なくとも一方の面上に金属層を配置してなる積層板

請求項13

請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物で構成された絶縁層を備える、プリント配線基板

請求項14

請求項13に記載のプリント配線基板と、前記プリント配線基板の回路層上に搭載された、または前記プリント配線基板に内蔵された半導体素子と、を備える、半導体装置

技術分野

0001

本発明は、樹脂組成物、それを用いたキャリア付樹脂膜プリプレグ積層板プリント配線基板および半導体装置に関する。

背景技術

0002

これまで回路基板に用いる樹脂組成物において様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1に、プリント配線板用のプリプレグに使用される樹脂組成物がビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂を含むことが記載されている(特許文献1の実施例1)。

先行技術

0003

特開2017−048399号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載の樹脂組成物において、低誘電特性およびSAP特性の点で改善の余地があることが判明した。

課題を解決するための手段

0005

本発明者はさらに検討したところ、カルボジイミドの中から環状カルボジイミドを適切に選択することで、エポキシ樹脂硬化剤および無機充填材を含む樹脂組成物からなる樹脂膜において、低誘電特性およびセミアディティブプロセス(SAP)特性を向上できることを見出し、回路基板の形成に好適に用いられる樹脂組成物を実現し、本発明を完成するに至った。

0006

本発明によれば、
回路基板用の樹脂組成物であって、
エポキシ樹脂と、
硬化剤と、
無機充填材と、
環状カルボジイミドと、
を含む、樹脂組成物が提供される。

0007

また本発明によれば、
キャリア基材と、
前記キャリア基材上に設けられた、上記の樹脂組成物からなる樹脂膜と、
を備える、キャリア付樹脂膜が提供される。

0008

また本発明によれば、上記樹脂組成物中に繊維基材を含むプリプレグが提供される。

0009

また本発明によれば、上記プリプレグの少なくとも一方の面上に金属層を配置してなる積層板が提供される。

0010

また本発明によれば、上記樹脂組成物の硬化物で構成された絶縁層を備える、プリント配線基板が提供される。

0011

また本発明によれば、
上記プリント配線基板と、
前記プリント配線基板の回路層上に搭載された、または前記プリント配線基板に内蔵された半導体素子と、を備える、半導体装置が提供される。

発明の効果

0012

本発明によれば、低誘電特性およびSAP特性に優れた回路基板用の樹脂組成物、それを用いたキャリア付樹脂膜、プリプレグ、積層板、プリント配線基板および半導体装置が提供される。

図面の簡単な説明

0013

本実施形態に係る基材付き樹脂シートの構成の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る半導体装置の製造プロセスの一例を示す工程断面図である。

0014

以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。

0015

本実施形態の樹脂組成物は、回路基板用の樹脂組成物であり、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、環状カルボジイミドと、を含む。

0016

本発明者の知見によれば、環状カルボジイミドを含む樹脂組成物を回路基板の形成に適用したとき、その樹脂組成物からなる樹脂膜において低誘電特性およびSAP特性の両立を実現できることが判明した。環状カルボジイミドを微粒子化することで、樹脂組成物中における環状カルボジイミドの分散性を向上できる。その樹脂組成物からなる樹脂膜中においても環状カルボジイミドが適切な分散状態となるため、樹脂膜におけるSAP特性を維持しつつも、低誘電特性を向上できる。
詳細なメカニズムは定かではないが、環状カルボジイミド中のカルボジイミド基と、エポキシ基OH基との(架橋)反応において、OH基が発生しないため、低誘電正接を実現できる、と考えられる。

0017

本実施形態の樹脂組成物によれば、SAP法に最適に用いることができるビルドアップ層を実現でき、このビルドアップ層の低誘電正接とSAP特性とを両立できる。
本実施形態において、SAP特性とは、デスミア処理後における回路層の表面粗さが小さいこと、ビルドアップ層と回路層とのめっき密着性が高いことを示す。SAP特性を向上させることにより、高密度回路を形成することができるとともに、接続信頼性を高めることができる。また、本実施形態の樹脂組成物で構成されたビルドアップ層は、誘電正接を低減できるため、低伝送損失を実現することが可能である。

0018

本実施形態において、プリント配線基板における絶縁層は、コア層、ビルドアップ層(層間絶縁層)、ソルダーレジスト層等のプリント配線基板を構成する絶縁性部材が挙げられる。本実施形態の樹脂組成物の硬化物は、これらの中でも、ビルドアップ層に用いられるものである。

0019

また、上記プリント配線基板としては、コア層、ビルドアップ層(層間絶縁層)、ソルダーレジスト層を有するプリント配線基板、コア層を有しないプリント配線基板、パネルパッケージプロセスPLP)に用いられるコアレス基板MIS(Molded Interconnect Substrate)基板等が挙げられる。

0020

本実施形態の樹脂組成物からなる樹脂膜の硬化物は、上記ビルドアップ層に用いられるものであり、例えば、コア層を有しないプリント配線基板におけるビルドアップ層、PLPに用いられるコアレス基板のビルドアップ層、MIS基板のビルドアップ層、等に用いることもできる。このように、本実施形態の樹脂膜の硬化物は、複数の半導体パッケージ一括して作成するために利用される大面積のプリント配線基板において、当該プリント配線基板を構成するビルドアップ層にも好適に用いることができる。また、大規模電流が供給されるシステム中のプリント配線基を構成するビルドアップ層にも適用できる。

0021

以下、本実施形態の樹脂組成物の各成分について詳述する。

0022

熱硬化性樹脂
本実施形態の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を含む。このような樹脂組成物は、熱硬化性樹脂組成物となる。

0023

上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4’−(1,3−フェニレンジイソプリジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4’−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4’−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂ナフトールノボラックエポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリヒドロキシフェノニルメタン型エポキシ樹脂テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂フェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂等のフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂(ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂)等のアラルキル型エポキシ樹脂ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、ヒドロキシナフタレンおよび/またはジヒドロキシナフタレンの2量体グリシジルエーテル化して得られる2官能ないし4官能のナフタレン型エポキシ樹脂ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂脂環式エポキシ樹脂脂肪族鎖状エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、tert−ブチルカテコール型エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂トリメチロール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレートモノアリルジグリシジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ樹脂;N,N,N’,N’−テトラグリシジルメタキシレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルビスアミメチルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂グリシジルメタアクリレートエチレン性不飽和二重結合を有する化合物との共重合物ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0024

また、上記エポキシ樹脂の中でも、エポキシ当量が200g/eq以上の第1エポキシ樹脂を含むことができる。上記第1エポキシ樹脂のエポキシ当量の下限値は、例えば、200g/eq以上であり、好ましくは210g/eq以上であり、より好ましくは220g/eq以上である。これにより、最適な架橋密度によって、樹脂組成物の硬化物の表面粗さを低減することができる。一方、上記エポキシ当量の上限値は、特に限定されないが、例えば、700g/eq以下としてもよく、600g/eq以下としてもよく、500g/eq以下としてもよい。これにより、樹脂組成物の硬化物の強度を向上させることができる。

0025

本実施形態において、上記エポキシ樹脂が、低吸水性の観点から、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂およびナフトールアラルキル型エポキシ樹脂からなる群から選択される一種以上を含むことができる。この中でも、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂を用いることができる。

0026

また、本実施形態の樹脂組成物は、上記第1エポキシ樹脂の他に、上記エポキシ樹脂から選択されるエポキシ当量が200g/eq未満の第2エポキシ樹脂を含んでもよく、または、当該第2エポキシ樹脂を含まなくてもよい。この第2エポキシ樹脂の含有量を低減することにより、樹脂組成物の硬化物の表面粗さをさらに低減することができる。

0027

上記熱硬化性樹脂の含有量の下限値は、樹脂組成物全体(全固形分)100質量%に対して、3質量%以上が好ましく、4質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。これにより、ハンドリング性が向上し、樹脂膜を形成するのが容易となる。一方、熱硬化性樹脂の含有量の上限値は、樹脂組成物全体(全固形分)に対して、特に限定されないが、例えば、60質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。これにより、得られるプリント配線基板の強度や難燃性が向上したり、プリント配線基板の線膨張係数が低下し、反りの低減効果が向上したりする場合がある。

0028

本実施形態において、樹脂組成物の固形分とは、樹脂組成物中における不揮発分を指し、水や溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。樹脂組成物の固形分全体に対する含有量とは、溶媒を含む場合には、樹脂組成物のうちの溶媒を除く固形分全体(100質量%)に対する含有量を指す。

0029

(硬化剤)
上記樹脂組成物は、硬化剤を含む。
上記硬化剤としては、例えば、エポキシ樹脂と反応する硬化剤を含むことができる。
上記硬化剤の具体例としては、例えば、アミン系硬化剤グアニジン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤フェノール系硬化剤ナフトール系硬化剤、酸無水物系硬化剤又はこれらのエポキシアダクトマイクロカプセル化したもの、活性エステル系硬化剤ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を使用することができる。この中でも、フェノール系硬化剤または活性エステル系硬化剤を用いることができる。低誘電正接の観点から、活性エステル系硬化剤を用いることができる。

0030

上記フェノール系硬化剤としては、1分子内に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有するフェノール系硬化剤が挙げられる。これにより、耐湿性信頼性等を向上させることができる。このフェノール系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂ノニルフェノールノボラック樹脂、シリコン変性フェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂レゾール型フェノール樹脂ビフェニル型フェノール樹脂ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレンナフタレンフェノール樹脂ナフチレンエーテル型フェノール樹脂;ナフトール型フェノール樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型フェノール樹脂、含窒素フェノール樹脂等が例示される。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、低熱膨張薬液耐性、および銅めっき密着性の観点から、硬化剤が、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂を含むことができる。

0031

上記活性エステル系硬化剤としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものを用いてもよい。耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物又はカルボン酸ハライドとヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物又はカルボン酸ハライドとフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸酢酸コハク酸マレイン酸イタコン酸フタル酸イソフタル酸テレフタル酸ピロメリット酸とそのハライド等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えばハイドロキノンレゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリンメチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾールm−クレゾール、p−クレゾール、カテコールα−ナフトールβ−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノントリヒドロキシベンゾフェノンテトラヒドロキシベンゾフェノンフロログルシンベンゼントリオールジシクロペンタジエニルジフェノールフェノールノボラック等が挙げられる。活性エステル系硬化剤は1種又は2種以上を使用することができる。活性エステル系硬化剤としては、特開2004−277460号公報に開示されている活性エステル系硬化剤を用いてもよく、また市販のものを用いることもできる。市販されている活性エステル系硬化剤としては、ジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含むもの、フェノールノボラックのアセチル化物、フェノールノボラックのベンゾイル化物等が好ましく、具体的には、ジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含むものとしてEXB9451、EXB9460、EXB9460S−65T、HPC−8000−65T(DIC(株)製、活性基当量約223)、EXB−8000L−65TM(DIC(株)製、活性エステル当量約220)が挙げられる。ナフタレン構造を含むものとしては、EXB−8500−65T(DIC(株)製、活性エステル当量約223)、EXB−8150−60T(DIC(株)製、活性エステル当量約234)、EXB−8100L−65T(DIC(株)製、活性エステル当量約245)が挙げられる。中でも低誘電正接、低吸水、熱膨張率、および機械強度の観点から、EXB−8100L−65T(DIC(株)製、活性エステル当量約245)、HPC−8150−60T(DIC(株)製、)等のナフタレン骨格を有する活性エステル系硬化剤が好ましい。

0032

本実施形態の樹脂組成物は、ナフタレン骨格を有する活性エステル系硬化剤を含むことができる。
上記ナフタレン骨格を有する活性エステル系硬化剤の一例としては、ナフタレン構造とアリールカルボニルオキシ基を有しさえすれば特に限定されないが、ポリナフチレンオキサイド構造とアリールカルボニルオキシ基を有する活性エステル化合物を用いてもよく、ポリナフチレンオキサイド構造のナフタレン核にアリールカルボニルオキシ基が結合した活性エステル化合物を用いてもよい。ポリナフチレンオキサイド構造としては、炭素数1〜4のアルキル基置換されたポリナフチレンオキサイド構造でもよく、さらにはポリフェニレンオキサイド構造を有していても良い。上記のような活性エステル化合物は、核置換ヒドロキシル基を有するナフタレン構造の化合物と、ナフタレン核又はベンゼン核カルボキシル基を有するカルボン酸化合物との縮合反応で製造することができる。
具体的には、下記一般式(1)のものが挙げられる。

0033

〔式(1)中、R1はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基となり、好ましくは水素原子である。R2はそれぞれ独立に水素原子又は下記一般式(2)が挙げられる。Xはそれぞれ独立に水素ベンゾイル基又はナフチルカルボニル基となり、好ましくはベンゾイル基である。n及びmはそれぞれ0〜5の整数であって、n又はmのいずれか一方は1以上の整数である。〕

0034

〔式(2)中、R1は上記式(1)と同様である。Xは上記(1)と同様である。pは1又は2の整数である。〕
なお、上記式(1)及び(2)のXの少なくとも一つは、ベンゾイル基又はナフチルカルボニル基であってもよい。

0035

また、ナフタレン骨格を有する活性エステル系硬化剤の一例としては、パラフェニルフェノールパラクレゾール、クレゾール、または4,4’−ビフェノール等のフェノール化合物、β−ナフトール化合物、及びホルムアルデヒド反応生成物である、フェニルフェノール−ナフトール樹脂、クレゾール−ナフトール樹脂またはビフェノール−ナフトール樹脂等のナフトール樹脂(a)と、モノカルボン酸化合物又はそのハライド(b)との反応物を含むことができる。例えば、ナフタレン骨格を有する活性エステル系硬化剤の一例としては、下記構造式(3)から(5)のいずれかで表される化合物を含むことができる。

0036

0037

0038

0039

[式(3)から(5)中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。また、Zはベンゾイル基、炭素原子数1〜4のアルキル基の1〜3つで核置換されたベンゾイル基、ナフトイル基、及び炭素原子数1〜4のアルキル基の1〜3つで核置換されたナフトイル基、炭素原子数2〜6のアシル基から成る群から選択されたエステル形成構造部位(z1)、又は水素原子(z2)である。]

0040

また、ナフタレン骨格を有する活性エステル系硬化剤の一例としては、下記構造式(6)で表される化合物を含むことができる。

0041

[式(6)中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。また、Zはベンゾイル基、炭素原子数1〜4のアルキル基の1〜3つで核置換されたベンゾイル基、ナフトイル基、及び炭素原子数1〜4のアルキル基の1〜3つで核置換されたナフトイル基、炭素原子数2〜6のアシル基から成る群から選択されたエステル形成構造部位(z1)、又は水素原子(z2)である。]

0042

ここで、前記構造式(6)中のZは、ベンゾイル基、炭素原子数1〜4のアルキル基の1〜3つで核置換されたベンゾイル基、ナフトイル基、及び炭素原子数1〜4のアルキル基の1〜3つで核置換されたナフトイル基、炭素原子数2〜6のアシル基から成る群から選択されたエステル形成構造部位(z1)、又は水素原子(z2)であるが、より誘電率及び誘電正接の低い硬化物が得られることから、Zのうち少なくとも一つは前記エステル形成構造部位(z1)であることが好ましい。

0043

また、ナフタレン骨格を有する活性エステル系硬化剤の一例としては、下記構造式(7)で表される化合物を含むことができる。

0044

[式(7)中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示し、nは1又は2、mは0〜2の整数である。また、Zはベンゾイル基、炭素原子数1〜4のアルキル基の1〜3つで核置換されたベンゾイル基、ナフトイル基、及び炭素原子数1〜4のアルキル基の1〜3つで核置換されたナフトイル基、炭素原子数2〜6のアシル基から成る群から選択されたエステル形成構造部位(z1)、又は水素原子(z2)である。]

0045

また、ナフタレン骨格を有する活性エステル系硬化剤の一例としては、下記構造式(8)および/または構造式(9)で表される化合物を含むことができる。

0046

(上記式(8)中、lはそれぞれ独立的に0〜6の整数である。)

0047

(上記式(9)中、lはそれぞれ独立的に0〜6の整数であり、mはそれぞれ独立的に1〜5の整数であり、nは1〜6の整数である。)

0048

上記硬化剤の含有量としては、金属密着性など観点から、熱硬化性樹脂の官能基数に応じて適切に設定できる。
一例として、上記硬化剤中の全活性エステル基数および全フェノール性水酸基数の和に対する、上記エポキシ樹脂の全エポキシ基数を示す当量比〔エポキシ樹脂中の全エポキシ基数/硬化剤中の(全活性エステル基数+全フェノール性水酸基)〕の下限値は、例えば、1.0以上でもよく、1.1以上でもよく、1.2以上でもよい。これにより、絶縁層の金属密着性を高められるため、SAP特性を向上させることができる。一方、上記当量比〔エポキシ樹脂中の全エポキシ基数/硬化剤中の(全活性エステル基数+全フェノール性水酸基)〕の上限値としては、特に限定されないが、例えば、3.0以下でもよい。

0049

(環状カルボジイミド)
上記樹脂組成物は、環状カルボジイミドを含む。これにより、低誘電特性およびSAP特性を向上できる。

0050

上記環状カルボジイミドは、下記一般式(j)で表される化合物で構成されてもよい。
なお、下記一般式(j)で示される環状カルボジイミドは、1つの分子中、2つのカルボジイミド基を有してもよく、1つのカルボジイミド基を有してもよい。

0051

(一般式(j)中、Xは、下記一般式(i−1)〜(i−3)で表される2価の基または下記式(i−4)で表される4価の基である。Xが2価のときqは0で、Xが4価のときqは1である。Ar1〜Ar4は各々独立に芳香族基である。これらの芳香族基は炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基で置換されていてもよい。)

0052

(上記式(i−1)中、nは1〜6の整数である。)

0053

(上記式(i−2)中、mおよびnは各々独立に0〜3の整数である。)

0054

(上記式(i−3)中、R1およびR2は各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基を表す。)

0055

0056

また、上記一般式(i)で表される環状カルボジイミドとしては、以下の構造式を有する化合物がいくつか例示される。

0057

上記環状カルボジイミドの製造方法としては、たとえば、次のような手法を用いることができる。
(i)単環の環状カルボジイミドは、たとえば、下記工程(1)から工程(3)を含む製造工程により製造することができる。まず、上記Ar1およびAr2を含むニトロ体を準備する(工程(1))。続いて、ニトロ体からアミン体を製造する(工程(2))。その後、アミン体から、トリフェニルホスフィン体またはウレア体を経由して、単環の環状カルボジイミドを製造することができる(工程(3))。
(ii)複環の環状カルボジイミドは、たとえば、上記工程(1)において、上記Ar1〜Ar4を含むニトロ体を準備する点を除いて、(i)と同様にして、製造することができる。
また、上記環状カルボジイミドは従来公知の方法により製造することができる。例として、アミン体からイソシアネート体を経由して製造する方法、アミン体からイソチオシアネート体を経由して製造する方法、カルボン酸体からイソシアネート体を経由して製造する方法等が挙げられる。

0058

本発明者が検討した結果、通常の環状カルボジイミドは、顆粒状で、粒子径が比較的大きいため、ワニス中への分散性が低下する恐れがある。

0059

これに対して、公知の手法を用いて、粉砕分級等の微粒化処理を追加することで、所定の粒径分布を備える微粒子状の環状カルボジイミドが得られる。環状カルボジイミドは、溶剤不溶だが、適切な粒子径を備える微粒子となることで溶剤に対する分散性を高めることができる。

0060

環状カルボジイミドの粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)により測定され、体積基準粒度分布に基づいて、累積50%時、累積100%の粒子径としてもよい。

0061

ワニス状の上記樹脂組成物中において、上記環状カルボジイミドの少なくとも一部が粒子の状態で存在することができる。また、上記樹脂組成物からなる樹脂膜中においても、同様に、上記環状カルボジイミドの少なくとも一部が粒子の状態で存在することができる。これにより、低誘電特性およびSAP特性を向上できる。

0062

上記環状カルボジイミドの含有量の下限値は、上記樹脂組成物全体に対して、例えば、1質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好ましく、2質量%以上が特に好ましい。これにより、低誘電特性およびSAP特性の両立を実現できる。一方、上記環状カルボジイミドの含有量の上限値は、上記樹脂組成物全体に対して、例えば、15質量%以下でもよく、13質量%以下でもよく、10質量%以下でもよい。これにより、環状カルボジイミドの分散性を高めることができる。

0063

(無機充填材)
上記樹脂組成物は、無機充填材を含む。
上記無機充填材としては、例えば、タルク焼成クレー未焼成クレーマイカガラス等のケイ酸塩酸化チタンアルミナベーマイトシリカ溶融シリカ等の酸化物炭酸カルシウム炭酸マグネシウムハイドロタルサイト等の炭酸塩水酸化アルミニウム水酸化マグネシウム水酸化カルシウム等の水酸化物硫酸バリウム硫酸カルシウム亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩ホウ酸亜鉛メタホウ酸バリウムホウ酸アルミニウムホウ酸カルシウムホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩窒化アルミニウム窒化ホウ素窒化ケイ素窒化炭素等の窒化物チタン酸ストロンチウムチタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。
これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましく、シリカが特に好ましい。無機充填材としては、これらの中の1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

0064

上記無機充填材の平均粒子径の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.01μm以上としてもよく、0.05μm以上としてもよい。これにより、上記熱硬化性樹脂のワニスの粘度が高くなるのを抑制でき、絶縁層作製時の作業性を向上させることができる。また、無機充填材の平均粒子径の上限値は、特に限定されないが、例えば、5.0μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましい。これにより、上記熱硬化性樹脂のワニス中における無機充填材の沈降等の現象を抑制でき、より均一な樹脂膜を得ることができる。また、プリント配線基板の回路寸法L/Sが20μm/20μmを下回る際には、配線間の絶縁性への影響を抑制することができる。

0065

本実施形態において、無機充填材の平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒子径とすることができる。

0066

また、無機充填材は、特に限定されないが、平均粒子径が単分散の無機充填材を用いてもよいし、平均粒子径が多分散の無機充填材を用いてもよい。さらに平均粒子径が単分散および/または多分散の無機充填材を1種類または2種類以上で併用してもよい。

0067

上記無機充填材はシリカ粒子を含むことが好ましい。シリカ粒子は球状であってもよい。上記シリカ粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、5.0μm以下としてもよく、0.1μm以上4.0μm以下としてもよく、0.2μm以上2.0μm以下としてもよい。これにより、無機充填材の充填性をさらに向上させることができる。

0068

無機充填材の含有量の下限値は、樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、特に限定されないが、例えば、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。これにより、樹脂膜の硬化物を特に低熱膨張、低吸水とすることができる。また、半導体パッケージの反りを抑制することができる。一方で、無機充填材の含有量の上限値は、樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、特に限定されないが、例えば、85質量%以下としてもよく、80質量%以下としてもよく、75質量%以下としてもよい。これにより、ハンドリング性が向上し、樹脂膜を形成するのが容易となる。

0069

シアネート樹脂
上記樹脂組成物は、シアネート樹脂をさらに含むことができる。
シアネート樹脂は、分子内にシアネート基(−O−CN)を有する樹脂であり、シアネート基を分子内に2個以上を有する樹脂を用いることができる。このようなシアネート樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン化シアン化合物とフェノール類ナフトール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。また、このようにして調製された市販品を用いることもできる。
シアネート樹脂を用いることにより、樹脂膜の硬化物の線膨張係数を小さくすることができる。さらに、樹脂膜の硬化物の電気特性低誘電率、低誘電正接)、機械強度等を高めることができる。

0070

上記シアネート樹脂は、例えば、ノボラック型シアネート樹脂;ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂;ナフトールアラルキル型フェノール樹脂と、ハロゲン化シアンとの反応で得られるナフトールアラルキル型シアネート樹脂;ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂ビフェニルアルキル型シアネート樹脂等を挙げることができる。これらの中でもノボラック型シアネート樹脂、ナフトールアラルキル型シアネート樹脂が好ましく、ノボラック型シアネート樹脂がより好ましい。ノボラック型シアネート樹脂を用いることにより、樹脂膜の硬化物の架橋密度が増加し、耐熱性が向上する。

0071

この理由としては、ノボラック型シアネート樹脂は、硬化反応後にトリアジン環を形成することが挙げられる。さらに、ノボラック型シアネート樹脂は、その構造上ベンゼン環の割合が高く、炭化しやすいためと考えられる。また、ノボラック型シアネート樹脂を含む樹脂膜の硬化物は優れた剛性を有する。よって、樹脂膜の硬化物の耐熱性をより一層向上できる。

0072

上記ノボラック型シアネート樹脂としては、例えば、下記一般式(I)で示されるフェノールノボラック型シアネート樹脂を使用することができる。

0073

0074

一般式(I)で示されるノボラック型シアネート樹脂の平均繰り返し単位nは任意の整数である。平均繰り返し単位nは、特に限定されないが、1以上が好ましく、2以上がより好ましい。平均繰り返し単位nが上記下限値以上であると、ノボラック型シアネート樹脂の耐熱性が向上し、加熱時に低量体が脱離、揮発することを抑制できる。また、平均繰り返し単位nは、特に限定されないが、10以下が好ましく、7以下がより好ましい。nが上記上限値以下であると、溶融粘度が高くなるのを抑制でき、樹脂膜の成形性を向上させることができる。

0075

また、シアネート樹脂としては、下記一般式(II)で表わされるナフトールアラルキル型シアネート樹脂も好適に用いられる。下記一般式(II)で表わされるナフトールアラルキル型シアネート樹脂は、例えば、α−ナフトールあるいはβ−ナフトール等のナフトール類とp−キシリレングリコール、α,α’−ジメトキシp−キシレン、1,4−ジ(2−ヒドロキシ−2−プロピルベンゼン等との反応により得られるナフトールアラルキル型フェノール樹脂とハロゲン化シアンとを縮合させて得られるものである。一般式(II)の繰り返し単位nは10以下の整数であることが好ましい。繰り返し単位nが10以下であると、より均一な樹脂膜を得ることができる。また、合成時に分子内重合が起こりにくく、水洗時の分液性が向上し、収量の低下を防止できる傾向がある。

0076

(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を示し、nは1以上10以下の整数を示す。)

0077

また、シアネート樹脂は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーとを併用してもよい。

0078

上記シアネート樹脂の含有量の下限値は、樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、たとえば、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。これにより、樹脂膜の硬化物の低線膨張化、高弾性率化を図ることができる。一方、上記シアネート樹脂の含有量の上限値は、樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、特に限定されないが、例えば、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。これにより、耐熱性や耐湿性を向上させることができる。また、シアネート樹脂の含有量が上記範囲内であると、樹脂膜の硬化物の貯蔵弾性率E’をより一層向上させることができる。

0079

熱可塑性樹脂
上記樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を含むことができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂アクリル樹脂メタクリル樹脂ポリビニルアセタール樹脂熱可塑性ポリイミド樹脂ポリアミド樹脂ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂ポリエステル樹脂ポリエチレン樹脂ポリスチレン樹脂ポリスルホン樹脂ポリブタジエン樹脂ABS樹脂クマロン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、異なる質量平均分子量を有する2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上とそれらのプレポリマーとを併用してもよい。

0080

この中でも、上記熱可塑性樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂およびクマロン樹脂からなる群から選択される一種以上を含むことができる。硬化物の伸びを高める観点から、フェノキシ樹脂を用いてもよい。

0081

上記フェノキシ樹脂は、特に限定はされないが、例えば、ビスフェノールA骨格を有するフェノキシ樹脂、ビスフェノールF骨格を有するフェノキシ樹脂、ビスフェノールS骨格を有するフェノキシ樹脂、ビスフェノールM(4,4’−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール)骨格を有するフェノキシ樹脂、ビスフェノールP(4,4’−(1,4)−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール)骨格を有するフェノキシ樹脂、ビスフェノールZ(4,4’−シクロヘキシィジエンビスフェノール)骨格を有するフェノキシ樹脂等ビスフェノール骨格を有するフェノキシ樹脂、ノボラック骨格を有するフェノキシ樹脂、アントラセン骨格を有するフェノキシ樹脂、フルオレン骨格を有するフェノキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノキシ樹脂、ノルボルネン骨格を有するフェノキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するフェノキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するフェノキシ樹脂等が挙げられる。またフェノキシ樹脂として、これら中の骨格を複数種類有した構造を用いることもできるし、それぞれの骨格の比率が異なるフェノキシ樹脂を用いることができる。さらに異なる骨格のフェノキシ樹脂を複数種類用いることもできるし、異なる質量平均分子量を有するフェノキシ樹脂を複数種類用いたり、それらのプレポリマーを併用したりすることもできる。

0082

上記フェノキシ樹脂の質量平均分子量(Mw)の下限値は、例えば、10,000以上であり、好ましくは15,000以上であり、さらに好ましくは20,000以上である。これにより、他の樹脂との相溶性や溶剤への溶解性を向上させることができる。一方、フェノキシ樹脂の質量平均分子量(Mw)の上限値は、例えば、60,000以下であり、好ましく55,000以下であり、より好ましくは50,000以下である。これにより、成膜性が向上し、プリント配線基板の製造に用いる場合に不具合が発生するのを抑制することができる。

0083

上記クマロン樹脂としては、クマロン系モノマー由来構造単位を含むものを用いることができる。上記クマロン樹脂は、クマロン系モノマー以外の他のモノマー由来の構造単位を有してもよい。他のモノマーとして、例えば、インデン系モノマースチレン系モノマーなどが挙げられる。クマロン樹脂は、これらの他のモノマーの共重合体で構成されていてもよい。なお、クマロン樹脂は、これらの構造単位の繰り返し構造を有することができる。

0084

上記熱可塑性樹脂(例えば、フェノキシ樹脂)の含有量は、とくに限定されないが、樹脂組成物全体に対して、0.5質量%以上40質量%以下が好ましく、1質量%以上20質量%以下がより好ましい。含有量が上記下限値以上であると、絶縁層の機械強度の低下や、絶縁層と導体回路とのメッキ密着性の低下を抑制することができる。上記上限値以下であると、絶縁層の熱膨張率の増加を抑制でき、耐熱性の低下を抑制することができる。

0085

硬化促進剤
上記樹脂組成物は、硬化促進剤を含んでもよい。これにより、樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。

0086

上記硬化促進剤としては、熱硬化性樹脂の硬化反応を促進させるものを用いることができ、その種類は特に限定されない。本実施形態においては、硬化促進剤として、例えば、ナフテン酸亜鉛ナフテン酸コバルトオクチル酸スズオクチル酸コバルトオクチル酸亜鉛ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩トリエチルアミントリブチルアミンジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール等のイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸パラトルエンスルホン酸等の有機酸、およびオニウム塩化合物から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、硬化性をより効果的に向上させる観点からは、イミダゾール類もしくはオニウム塩化合物を含むことがより好ましい。

0087

硬化促進剤として用いられるオニウム塩化合物は、特に限定されないが、例えば、下記一般式(2)で表される化合物を用いることができる。

0088

(上記一般式(2)中、Pはリン原子、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。A−は分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価のプロトン供与体アニオン、またはその錯アニオンを示す)

0089

上記硬化促進剤の含有量の下限値は、例えば、樹脂組成物全体に対して、たとえば、0.01質量%以上としてもよく、好ましくは0.05質量%以上としてもよい。硬化促進剤の含有量を上記下限値以上とすることにより、樹脂組成物の硬化性をより効果的に向上させることができる。一方、無機充填材を除く硬化促進剤の含有量の上限値は、例えば、樹脂組成物全体に対して、4質量%以下としてもよく、好ましくは2質量%以下としてもよい。硬化促進剤の含有量を上記上限値以下とすることにより、樹脂組成物の保存性を向上させることができる。

0090

カップリング剤
上記樹脂組成物は、カップリング剤を含んでもよい。カップリング剤は樹脂組成物の調製時に直接添加してもよいし、無機充填材にあらかじめ添加しておいてもよい。カップリング剤の使用により無機充填材と各樹脂との界面の濡れ性を向上させることができる。したがって、カップリング剤を使用することは好ましく、樹脂膜の硬化物の耐熱性を改良することができる。また、カップリング剤を用いることにより、銅箔との密着性を向上させることができる。さらに、吸湿耐性を向上できるので、湿度環境下においても、銅箔との密着性を維持することができる。

0091

上記カップリング剤としては、例えば、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤アミノシランカップリング剤等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤等が挙げられる。カップリング剤は一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。本実施形態において、カップリング剤はシランカップリング剤を含有してもよい。
これにより、無機充填材と各樹脂との界面の濡れ性を高くすることができ、樹脂膜の硬化物の耐熱性をより向上させることができる。

0092

上記シランカップリング剤としては、各種のものを用いることができるが、例えば、エポキシシランアミノシランアルキルシランウレイドシランメルカプトシランビニルシラン等が挙げられる。

0093

具体的な化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−6−(アミノヘキシル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−(トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ベンゼンジメタナン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランメチルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシランビニルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらのうちの一種または二種以上を組み合せて用いることができる。これらのうちエポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシランが好ましく、アミノシランとしては、1級アミノシラン又はアニリノシランがより好ましい。

0094

上記カップリング剤の含有量は、無機充填材の比表面積に対して適切に調整することができる。このようなカップリング剤の含有量の下限値は、例えば、樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、0.01質量%以上としてもよく、好ましくは0.05質量%以上としてもよい。カップリング剤の含有量が上記下限値以上であると、無機充填材を十分に被覆することができ、樹脂膜の硬化物の耐熱性を向上させることができる。一方、上記カップリング剤の含有量の上限値は、例えば、樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、3質量%以下としてもよく、好ましくは1.5質量%以下としてもよい。カップリング剤の含有量が上記上限値以下であると、反応に影響を与えるのを抑制でき、樹脂膜の硬化物の曲げ強度等の低下を抑制することができる。
添加剤
なお、本実施形態の樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、緑、赤、青、黄、および黒等の染料黒色顔料等の顔料色素からなる群から選択される一種以上を含む着色剤低応力剤消泡剤レベリング剤紫外線吸収剤発泡剤酸化防止剤難燃剤イオン捕捉剤ゴム粒子等の上記の成分以外の添加剤を含んでもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0095

上記顔料としては、カオリン、合成酸化鉄赤、カドミウム黄ニッケルチタン黄、ストロンチウム黄、含水酸化クロム酸化クロムアルミ酸コバルト、合成ウルトラマリン青等の無機顔料フタロシアニン等の多環顔料、アゾ顔料等が挙げられる。

0097

上記ゴム粒子としては、例えば、コアシェル型ゴム粒子、架橋アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、架橋スチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子シリコーン粒子などが挙げられる。

0098

本実施形態において、ワニス状の樹脂組成物は、溶剤を含むことができる。
上記溶剤としては、たとえばアセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトントルエン酢酸エチルシクロヘキサンヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノンテトラヒドロフランジメチルホルムアミドジメチルアセトアミドジメチルスルホキシドエチレングリコールセルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN−メチルピロリドン等の有機溶剤が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0099

樹脂組成物がワニス状である場合において、樹脂組成物の固形分含有量は、たとえば30質量%以上80質量%以下としてもよく、より好ましくは40質量%以上70質量%以下としてもよい。これにより、作業性や成膜性に非常に優れた樹脂組成物が得られる。

0100

ワニス状の樹脂組成物は、上述の各成分を、たとえば、超音波分散方式、高圧衝突分散方式高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶剤中に溶解、混合、撹拌することにより調製することができる。

0101

次いで、本実施形態の樹脂膜について説明する。

0102

本実施形態の樹脂膜は、ワニス状である上記樹脂組成物をフィルム化することにより得ることができる。例えば、本実施形態の樹脂膜は、ワニス状の樹脂組成物を塗布して得られた塗布膜に対して、溶剤を除去することにより得ることができる。このような樹脂膜においては、溶剤含有率が樹脂膜全体に対して5質量%以下とすることができる。本実施形態において、たとえば100℃〜150℃、1分〜5分の条件で溶剤を除去する工程を実施してもよい。これにより、熱硬化性樹脂を含む樹脂膜の硬化が進行することを抑制しつつ、十分に溶剤を除去することが可能となる。

0103

本実施形態の樹脂膜は、樹脂膜単独で構成されてもよく、繊維基材を内部に含むように構成されてもよい。

0104

(プリプレグ)
本実施形態のプリプレグは、樹脂組成物中に繊維基材を含むように構成される。プリプレグは、上記樹脂組成物を繊維基材に含浸してなるものである。
例えば、プリプレグは、樹脂組成物を繊維基材に含浸させ、その後、半硬化させて得られるシート状の材料として利用できる。このような構造のシート状材料は、誘電特性高温多湿下での機械的、電気的接続信頼性等の各種特性に優れ、プリント配線基板の絶縁層の製造に適している。

0105

本実施形態において、樹脂組成物を繊維基材に含浸させる方法としては、特に限定されないが、例えば、樹脂組成物を溶剤に溶かして樹脂ワニスを調製し、繊維基材を上記樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターにより上記樹脂ワニスを繊維基材に塗布する方法、スプレーにより上記樹脂ワニスを繊維基材に吹き付ける方法、樹脂組成物からなる上記樹脂膜で繊維基材の両面をラミネートする方法等が挙げられる。

0106

上記繊維基材としては、例えば、ガラス繊布、ガラス不繊布等のガラス繊維基材、あるいはガラス以外の無機化合物を成分とする繊布又は不繊布等の無機繊維基材芳香族ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等の有機繊維で構成される有機繊維基材等が挙げられる。これら基材の中でも強度の点でガラス織布に代表されるガラス繊維基材を用いると、プリント配線基板の機械的強度、耐熱性を良好なものとすることができる。

0107

繊維基材の厚みは、とくに限定されないが、好ましくは5μm以上150μm以下であり、より好ましくは10μm以上100μm以下であり、さらに好ましくは12μm以上90μm以下である。このような厚みを有する繊維基材を用いることにより、プリプレグ製造時のハンドリング性がさらに向上できる。
繊維基材の厚みが上記上限値以下であると、繊維基材中の樹脂組成物の含浸性が向上し、ストランドボイド絶縁信頼性の低下の発生を抑制することができる。また炭酸ガス、UV、エキシマ等のレーザーによるスルーホールの形成を容易にすることができる。また、繊維基材の厚みが上記下限値以上であると、繊維基材やプリプレグの強度を向上させることができる。その結果、ハンドリング性が向上できたり、プリプレグの作製が容易となったり、樹脂基板の反りを抑制できたりする。

0108

上記ガラス繊維基材として、例えば、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Tガラス、NEガラス、UTガラス、Lガラス、HPガラスおよび石英ガラスから選ばれる一種または二種以上のガラスにより形成されたガラス繊維基材が好適に用いられる。

0109

本実施形態において、プリプレグは、例えば、プリント配線基板におけるビルドアップ層中の絶縁層やコア層中の絶縁層を形成するために用いることができる。プリプレグをプリント配線基板におけるコア層中の絶縁層を形成するために用いる場合は、例えば、2枚以上のプリプレグを重ね、得られた積層体加熱硬化することによりコア層用の絶縁層とすることもできる。

0110

金属張積層板
本実施形態の積層板は、上記プリプレグの硬化物の少なくとも一方の面に金属層が配置された金属張積層板である。

0111

また、プリプレグを用いた金属張積層板製造方法は、例えば以下の通りである。
プリプレグまたはプリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の外側の上下両面または片面に金属箔を重ね、ラミネーター装置ベクレル装置を用いて高真空条件下でこれらを接合する、あるいはそのままプリプレグの外側の上下両面または片面に金属箔を重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔を重ねる。次いで、プリプレグと金属箔とを重ねた積層体を加熱加圧成形することで金属張積層板を得ることができる。ここで、加熱加圧成形時に、冷却終了時まで加圧を継続することが好ましい。

0112

上記金属箔を構成する金属としては、例えば、銅、銅系合金、アルミ、アルミ系合金、銀、銀系合金、金、金系合金亜鉛亜鉛系合金ニッケルニッケル系合金、錫、錫系合金、鉄、鉄系合金コバール商標名)、42アロイインバースーパーインバー等のFe−Ni系の合金、W、Mo等が挙げられる。これらの中でも、金属箔105を構成する金属としては、導電性に優れ、エッチングによる回路形成が容易であり、また安価であることから銅または銅合金が好ましい。すなわち、金属箔105としては、銅箔が好ましい。
また、金属箔としては、キャリア付金属箔等も使用することができる。
金属箔の厚みは、好ましくは0.5μm以上20μm以下であり、より好ましくは1.5μm以上18μm以下である。

0113

キャリア付き樹脂膜)
次いで、本実施形態のキャリア付樹脂膜について説明する。
図1は、キャリア付樹脂膜10の構成の一例を示す図である。

0114

上記キャリア付樹脂膜10の一例は、キャリア基材30と、キャリア基材30上に設けられた、樹脂組成物からなる樹脂膜20)とを備えるものである。

0115

キャリア付樹脂膜10は、図1(a)に示すような巻き取り可能なロール状でもよいし、矩形形状の枚葉状であってもよい。

0116

上記キャリア基材30としては、例えば、高分子フィルムや金属箔などを用いることができる。当該高分子フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンポリプロピレン等のポリオレフィンポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルポリカーボネートシリコーンシート等の離型紙、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などの耐熱性を有した熱可塑性樹脂シート等が挙げられる。当該金属箔としては、特に限定されないが、例えば、銅および/または銅系合金、アルミおよび/またはアルミ系合金、鉄および/または鉄系合金、銀および/または銀系合金、金および金系合金、亜鉛および亜鉛系合金、ニッケルおよびニッケル系合金、錫および錫系合金などが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートで構成されるシートが安価および剥離強度の調節が簡便なため最も好ましい。これにより、上記キャリア付樹脂膜10から、適度な強度で剥離することが容易となる。

0117

また、キャリア付樹脂膜10の表面は、例えば、露出していてもよく、保護フィルムカバーフィルム50)で覆われていてもよい。保護フィルムとしては、公知の保護機能を有するフィルムを用いることができるが、例えば、PETフィルムを使用してもよい。図1(b)に示すように、樹脂膜20がキャリア基材30とカバーフィルム50との間に形成されていてもよい。これにより、樹脂膜20のハンドリング性が向上する。

0118

本実施形態のキャリア付樹脂膜10の樹脂膜20は、単層でも多層でもよく、1種または2種以上の膜で構成されていてもよい。当該樹脂シートが多層の場合、同種で構成されてもよく、異種で構成されてもよい。

0119

上記樹脂膜20の膜厚の下限値は、例えば、5μm以上であり、好ましくは10μm以上である。これにより、絶縁信頼性を向上させることができる。一方、上記樹脂膜20の膜厚の上限値は、例えば、50μm以下であり、好ましくは40μm以下である。これにより、プリント配線基板の薄層化を実現できる。また、樹脂膜20の膜厚を上記範囲内とすることにより、プリント配線基板を製造する際に、内層回路凹凸充填して成形することができるとともに、好適なビルドアップ層の絶縁樹脂層厚みを確保することができる。

0120

キャリア基材30の厚みは、特に限定されないが、例えば、10〜100μmとしてもよく、10〜70μmとしてもよい。これにより、キャリア付樹脂膜10を製造する際の取り扱い性が良好となり好ましい。

0121

(プリント配線基板)
本実施形態のプリント配線基板は、上記の樹脂膜の硬化物(樹脂組成物の硬化物)で構成された絶縁層を備えるものである。
本実施形態において、樹脂膜の硬化物は、例えば、通常のプリント配線基板のビルドアップ層、コア層を有しないプリント配線基板におけるビルドアップ層、PLPに用いられるコアレス基板のビルドアップ層、MIS基板のビルドアップ層等に用いることができる。このようなビルドアップ層を構成する絶縁層は、複数の半導体パッケージを一括して作成するために利用させる大面積のプリント配線基板において、当該プリント配線基板を構成するビルドアップ層にも好適に用いることができる。

0122

また、本実施形態において、絶縁膜形成用の樹脂組成物からなる樹脂膜において、ガラス繊維を含浸する構成とすることができる。このような樹脂膜をビルドアップ層に用いた半導体パッケージにおいても、樹脂膜の硬化物の線膨張係数を低くすることができるので、パッケージ反りを十分に抑制することができる。

0123

(半導体パッケージ)
図2は、本実施形態の半導体パッケージ200の製造工程の一例を示す工程断面図である。
本実施形態の半導体装置(半導体パッケージ200)は、プリント配線基板と、プリント配線基板の回路層上に搭載された、またはプリント配線基板に内蔵された半導体素子240と、を備えることができる。

0124

以下、本実施形態の半導体パッケージ200の製造工程の概要について説明する。
まず、図2(a)に示すように、絶縁層102、ビアホール104および金属層108を備えるコア層100を準備する。絶縁層102にはビアホール104が形成されている。ビアホール104には、金属層(ビア)が埋設されている。当該金属層は、無電解金属めっき膜106で覆われていてもよい。絶縁層102の表面に形成された金属層108(所定の回路パターンを有する回路層)は、ビアホール104に形成されたビアと電気的に接続する。図2(a)には、金属層108は、コア層100の一面上に形成されているが、両面に形成されていてもよい。

0125

続いて、コア層100の一面上に金属層108を埋め込むように、上記樹脂組成物からなる樹脂膜20を形成する。例えば、キャリア付樹脂膜10からカバーフィルム50を剥離し、その樹脂膜20(絶縁膜)をコア層100の回路形成面上に配置してもよい。この樹脂膜20の表面にはキャリア基材30が設けられている。キャリア基材30は、この時点で樹脂膜20から分離してもよいが、マスクとして使用してもよい。
なお、樹脂膜20は、絶縁膜単層でもよく、絶縁膜およびプライマー層複数層で構成されてもよい。

0126

続いて、上記樹脂膜20に、キャリア基材30を介して、不図示の開口部を形成する。開口部は、金属層108を露出させるように形成することができる。開口部の形成方法としては、特に限定されず、例えば、レーザー加工法露光現像法またはブラスト工法、などの方法を用いることができる。

0127

本実施形態において、このような開口部を形成した後、樹脂膜20を熱硬化させてもよい。その後、キャリア基材30を剥離する。

0128

また、必要に応じて、デスミア処理を行うことができる。デスミア処理では、開口部の内部に生じたスミアを除去するとともに、上記樹脂膜20の表面を粗化できる。

0129

上記デスミア処理の方法は特に限定されないが、たとえば、以下のように行うことができる。まず、樹脂膜20を積層したコア層100を、有機溶剤を含む膨潤液に浸漬し、次いでアルカリ性マンガン酸塩水溶液に浸漬し、中和して粗化処理することができる。有機溶剤としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテルやエチレングリコール等を用いる事ができる。このような膨潤液として、例えば、アトテックジャパン社製の「スウェリングディップセキリガントP」が挙げられる。過マンガン酸塩としては、たとえば過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等を用いることができる。膨潤液や過マンガン酸塩水溶液の液温としては、例えば、50℃以上でもよく、100℃以下でもよい。また、膨潤液や過マンガン酸塩水溶液への浸漬時間は、例えば、1分間以上でもよく、30分間以下でもよい。

0130

デスミア処理する工程では、上記の湿式のデスミア処理のみを行うことができるが、デスミア処理に加えてプラズマ照射を行っても良い。

0131

続いて、樹脂膜20、あるいは樹脂膜20上に形成されたプライマー層(不図示)上に、無電解金属めっき膜202を形成する。無電解めっき法の例を説明する。例えば、下地層の表面上に触媒核を付与する。この触媒核としては、特に限定されないが、例えば、貴金属イオンパラジウムコロイドを用いることができる。引き続き、この触媒核を核として、無電解めっき処理により、無電解金属めっき膜202を形成する。無電解めっきには、例えば、硫酸銅ホルマリン錯化剤水酸化ナトリウム等を含むものを用いることができる。なお、無電解めっき後に、100〜250℃の加熱処理を施し、めっき被膜を安定化させることができる。

0132

続いて、図2(b)に示すように、無電解金属めっき膜202上に所定の開口パターン(開口部206)を有するレジスト204を形成してもよい。この開口パターンは、例えば回路パターンに相当する。レジスト204としては、特に限定されず、公知の材料を用いることができるが、液状およびドライフィルムを用いることができる。微細配線形成の場合には、レジスト204としては、感光性ドライフィルム等を用いることができる。感光性ドライフィルムを用いた一例を説明する。例えば、無電解金属めっき膜202上に感光性ドライフィルムを積層し、非回路形成領域露光して光硬化させ、未露光部を現像液で溶解、除去する。硬化した感光性ドライフィルムを残存させることにより、レジスト204を形成する。

0133

続いて、図2(c)に示すように、少なくともレジスト204の開口パターン内部かつ無電解金属めっき膜202上に、電気めっき処理により、電解金属めっき層208を形成する。電気めっきとしては、特に限定されないが、通常のプリント配線基板で用いられる公知の方法を使用することができ、例えば、硫酸銅等のめっき液中に浸漬させた状態で、めっき液に電流を流す等の方法を使用することができる。電解金属めっき層208は単層でもよく多層構造を有していてもよい。電解金属めっき層208の材料としては、特に限定されないが、例えば、銅、銅合金、42合金、ニッケル、鉄、クロム、タングステン、金、半田のいずれか1種以上を用いることができる。

0134

続いて、図2(d)に示すように、アルカリ性剥離液や硫酸または市販のレジスト剥離液等を用いて、レジスト204を除去する。

0135

続いて、図2(e)に示すように、電解金属めっき層208が形成されている領域以外領域(開口部210)における無電解金属めっき膜202を除去する。すなわち、電解金属めっき層208をマスクとして、下層の無電解金属めっき膜202を選択的に除去する。例えば、ソフトエッチングフラッシュエッチング)等を用いることにより、無電解金属めっき膜202を除去することができる。ここで、ソフトエッチング処理は、例えば、硫酸および過酸化水素を含むエッチング液を用いたエッチングにより行うことができる。これにより、所定のパターンを有する金属層220を形成することができる。このように、セミアディティブプロセス(SAP)によって、本実施形態の樹脂膜の硬化物からなる絶縁層上に、無電解金属めっき膜202および電解金属めっき層208で構成される金属層220を形成することができる。

0136

さらに、コア層100および上記ビルドアップ層で構成されるプリント配線基板上に、必要に応じてビルドアップ層を積層して、セミアディティブプロセスにより層間接続および回路形成する工程を繰り返すことにより、多層にすることができる。
以上により、本実施形態のプリント配線基板が得られる。

0137

続いて、図2(f)に示すように、得られたプリント配線基板上に、必要に応じてビルドアップ層を積層して、セミアディティブプロセスにより層間接続および回路形成する工程を繰り返す。そして、必要に応じて、ソルダーレジスト層230をプリント配線基板の両面又は片面に積層する。

0138

ソルダーレジスト層230の形成方法は、特に限定されないが、例えば、ドライフィルムタイプのソルダーレジストをラミネートし、露光、および現像により形成する方法、または液状レジスト印刷したものを露光、および現像することにより形成する方法によりなされる。

0139

続いて、リフロー処理を行なうことによって、半導体素子240を配線パターンの一部である接続端子上に、半田バンプ250を介して固着させる。その後、半導体素子240、および半田バンプ250等を封止材層260で覆うように封止する。
以上により、図2(f)に示す、半導体パッケージ200が得られる。

0140

以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。

0141

以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。

0142

(樹脂組成物の調製)
表1に示す固形分割合で各成分を溶解または分散させ、メチルエチルケトンで不揮発分70質量%となるように調整し、高速撹拌装置を用い撹拌して、ワニス状の樹脂組成物(樹脂ワニスP)を調製した。
なお、表1における各成分の配合割合を示す数値は、樹脂組成物の固形分全体に対する各成分の配合割合(質量%)を示している。

0143

表1における各成分の原料の詳細は下記のとおりである。
(無機充填材)
・無機充填材1:シリカ粒子(アドマテクス社製、SC4050、平均粒径1.1μm、表面がアミノフェノキシシラン処理されたもの)

0144

(環状カルボジイミド)
・環状カルボジイミド1:環状カルボジイミドの小径微粉(帝人社製、TCC−FP10M、D50:1.75μm、Dmax:9.25μm)
・環状カルボジイミド2:下記の分級方法で分級された環状カルボジイミドの小径微粉(D50:4.1μm、Dmax:18μm)
分級方法:環状カルボジイミド(帝人社製、TCC)を、ドライ遠心分離法(日清エンジニアリング社製TC−20)を用いて、エアー圧を最初5m3/min、次いで0.38m3/minとする条件で処理して分離し、上記環状カルボジイミド2を得た。

0145

(非環状カルボジイミド)
・非環状カルボジイミド1:芳香族カルボジイミド(日清紡ケミカル社製、V−05)

0146

(エポキシ樹脂)
・エポキシ樹脂1:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)
・エポキシ樹脂2:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製、jER806H、室温で液状)
・エポキシ樹脂3:グリシジルアミン型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製、jER603)

0147

(シアネート樹脂)
・シアネート樹脂1:フェノールノボラック型シアネートエステル(ロンザジャパン社製、PT−30)

0148

(硬化剤)
・活性エステル系硬化剤1:ナフタレン骨格を有する活性エステル系硬化剤(DIC社製、HPC−8150−60T)

0149

(熱可塑性樹脂)
・フェノキシ樹脂1:フェノキシ樹脂(三菱化学社製、YL7899BH30)

0150

(硬化促進剤)
・硬化促進剤1:イミダゾール化合物(2−フェニルイミダゾール、四国化成工業社製、キュアゾール 2PZ−PW)

0151

0152

各実施例および各比較例において、得られた樹脂ワニスP(樹脂組成物)を用い、次のようにして、キャリア付き樹脂膜、プリント配線基板、半導体パッケージを作成した。

0153

(キャリア付き樹脂膜:樹脂シートの作製)
厚み38μmのPETフィルムの片面に、コンマコーター装置を用いて乾燥後の樹脂層の厚みの総和が30μmとなるように、得られた樹脂ワニスPを塗工し、これを160℃の乾燥装置で3分間乾燥して、PETフィルム上に、絶縁膜が積層された樹脂シート(キャリア付き樹脂膜)を得た。

0154

プリント配線板の作製)
ステージビルドアップラミネーター(ニチゴー・モートン社製CVP300)を用いて、厚さ30μmの樹脂シート(キャリア付き樹脂膜1)から積層体を製造した。具体的には、厚み100μmのELC−4785TH−G(住友ベークライト社製、銅箔12μm)を用いて、ドリル機で所定のところを開孔して、無電解めっきにより、導通を図り、銅箔をエッチングして回路形成面を有する残銅60%のコア層を作製した。また、キャリア付き樹脂膜の樹脂膜を枚葉にカットし、上記CVP300にセットして上記コア層に仮付けし、真空ラミネーター内で120℃、0.7MPa、30秒間真空ラミネーションをおこなった。
その後、ニチゴー・モートン社製CPV300が備えるホットプレス装置を用いて、100℃、0.6MPa、60秒間ホットプレスして平滑化した。
その後、熱風乾燥装置に、得られた積層体を160℃、60分間入れ、ビルドアップ用プリプレグの熱硬化性樹脂の硬化反応をおこなった。
つぎに、得られた積層板に炭酸レーザーによりビア孔を形成した。PETフィルムを剥離した後、ビア内および、樹脂層表面を、60℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップセキュリガントP)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレートコンパクトCP:過マンガン酸ナトリウム濃度60g/l、NaOH濃度45g/l)に30分浸漬後、中和して粗化処理をおこなった。
これを脱脂触媒付与活性化の工程を経た後、無電解銅めっき皮膜を約0.5μm形成し、レジストを形成し、無電解銅めっき皮膜を給電層としてパターン電気めっき銅20μm形成させ、回路加工を施した。つぎに、熱風乾燥装置にて200℃で60分間アニール処理を行った後、フラッシュエッチングで給電層を除去した。次いで、ソルダーレジスト層を形成し、半導体素子搭載パッドなどが露出するように開口部を形成した。最後に、ソルダーレジスト層から露出した回路層上へ、無電解ニッケルめっき層3μmと、さらにその上へ、無電解金めっき層0.1μmとからなるめっき層を形成し、得られた基板を50mm×50mmサイズに切断し、プリント配線板を得た。

0155

(半導体パッケージの作製)
半導体パッケージは、得られたプリント配線基板上に半田バンプを有する半導体素子(TEGチップ、サイズ10mm×10mm、厚み0.1mm)を、フリップチップボンダー装置により、加熱圧着により搭載した。次に、IRリフロー炉で半田バンプを溶融接合した後、液状封止樹脂(住友ベークライト社製、CRP−4152S)を充填し、その後、液状封止樹脂を硬化させることで半導体パッケージを得た。尚、液状封止樹脂は、温度150℃、120分の条件で硬化させた。上記半導体素子の半田バンプは、Sn/Pb組成共晶で形成されたものを用いた。最後に14mm×14mmのサイズにルーター個片化し、半導体パッケージを得た。

0156

上記樹脂ワニスP(樹脂組成物)を用いて得られた、キャリア付き樹脂膜、プリント配線基板、および半導体パッケージについて、以下の評価項目に基づいて評価を行った。

0157

(観察)
実施例1〜4で得られたワニス状の樹脂組成物(樹脂ワニスP)および樹脂シートのそれぞれの内部において、環状カルボジイミドの状態について観察した。
樹脂ワニスPを1μmメッシュオンアセトン洗浄しながら捕集してSEM観察した。樹脂シートをアセトンに溶解させ同様に1μmメッシュオンでアセトン洗浄しながら捕集してSEM観察した。
樹脂ワニスPおよび樹脂シートのいずれも、環状カルボジイミドが粒子の形態として存在すことを確認できた。

0158

(誘電正接)
得られたキャリア付き樹脂膜の厚み30μmの樹脂膜を4枚重ね、銅箔を用いてホットプレスを用いて200℃、1kgf/mm2のプレス条件で、2時間加熱加圧し、樹脂膜を硬化させた。次いで、得られた硬化物の銅箔をエッチングにより除去し、サンプルとして硬化物を製造した。
得られた硬化物について、1GHzでの誘電正接を空洞共振器法で測定した。

0159

ピール強度、表面粗さRa)
得られたプリント配線板を用いて、JIS C−6481:1996に準拠して、上述の粗化処理後の23℃におけるピール強度を測定した。

0160

また、当該粗化処理後の樹脂層における表面粗さRaについて、レーザー顕微鏡KEYENCE社製、VK−8510、条件;PITCH0.02μm、RUNmodeカラー深度)を用いて測定した。表面粗さRaは、10点測定し、10点の平均値とした。

0161

(吸湿耐熱試験
得られた半導体パッケージについて、JEDECレベル1)に準拠して、温度85℃、湿度85%、時間168時間の前処理を行い、その後、260℃に達するリフロー炉に10回通し、超音波探傷装置でビア内のめっき、および配線形成されためっきについて評価した。表1の各符号は以下の通りである。
○:めっき膨れ無し
△:リフロー2回まで、めっき膨れ無し
×:リフロー1回以下で、めっき膨れ有り

0162

スミア除去性
炭酸ガスレーザーでビアホール(VH)形成、およびデスミア後に、ビア底走査型電子顕微鏡(SEM)でスミアの残渣を確認した。尚、評価サンプルは前記レーザー加工および外層回路の形成時のデスミア処理を行ったVHを任意に50個選んだ。
各符号は、以下の通りである。
◎:良好、残渣が全く存在しない
○:実質上問題なし、VH壁面から5μm未満の残渣あり
△:実質上使用不可、VH壁面から5μm以上の残渣あり
×:使用不可、ビア底全面に残渣あり

0163

(絶縁性)
得られたプリント配線基板のL/S=15/15μmの微細回路パターン絶縁信頼性評価を行った。温度130℃、湿度85%、印加電圧3.3Vの条件で連続湿中絶抵抗を評価した。なお、抵抗値106Ω以下を故障とした。評価基準は以下の通りである。
○:500時間以上故障なし
△:200〜500時間未満で故障あり(実質上問題なし)
×:200時間未満で故障あり

実施例

0164

実施例1〜4の樹脂組成物は、比較例1〜3と比べて、誘電正接が低く、ピール強度(SAP特性)も高い結果が示された。また、実施例1〜4の樹脂組成物を用いることにより、吸湿耐熱試験、デスミア性および絶縁性に優れることが分かった。このような実施例1〜4の樹脂組成物は、回路用基板の形成に好適に用いることができる。

0165

10キャリア付樹脂膜
20 樹脂膜
30キャリア基材
50カバーフィルム
100コア層
102絶縁層
104ビアホール
106無電解金属めっき膜
108金属層
200半導体パッケージ
202 無電解金属めっき膜
204レジスト
206 開口部
208電解金属めっき層
210 開口部
220 金属層
230ソルダーレジスト層
240半導体素子
250半田バンプ
260 封止材層

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