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技術 サーチュイン遺伝子発現増加剤及び細胞周期正常化剤

出願人 株式会社ファーマフーズ株式会社シャルレ
発明者 庄屋雄二石田有希子中村唱乃坂下真耶山津敦史金武祚齋藤洋子山本由紀
出願日 2019年2月14日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-024776
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-132538
状態 特許登録済
技術分野 化粧料 酵素、微生物を含む測定、試験 化合物または医薬の治療活性 植物物質含有医薬
主要キーワード フィルム状物質 オレイフェラ クロロフィル量 モリンガ 効果剤 緊張剤 クロロフィル含有量 ピオシアニン
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年8月31日)のものです。
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図面 (4)

課題

SIRT-1遺伝子発現増加剤及び細胞周期正常化剤を提供すること。

解決手段

クロロフィルを実質的に含まないモリンガ葉エタノール抽出物を含むことを特徴とするSIRT-1遺伝子発現増加剤及び細胞周期正常化剤。

概要

背景

サーチュイン(Sirtuin、SIRT)は、細胞内では細胞質ミトコンドリア等に存在し、生体内で重要な役割を果たす脱アセチル化酵素群の総称である。ヒトでは7種類が知られており(SIRT-1〜SIRT-7)、このうち、SIRT-1は、炎症抑制作用神経保護作用等の様々な機能を有することが明らかになっている。そのため、このようなサーチュインの機能を向上させる物質捜索やそのような機能を有する天然物食品等に関する研究が活発に行われており、例えば、赤ワイン等に含まれるレスベラトロールには、サーチュインを活性化させる働きがあることが知られている(非特許文献1)。

モリンガは、インド、東アジア、アフリカ、中南米等の地域で自生している植物であり、古代インドに発祥し、アジア各地に伝わるアーユルヴェーダ医学などでも利用される。例えば、特許文献1には、モリンガ抽出物を含む皮膚外用剤が記載されている。
しかしながら、モリンガ葉エタノール抽出物から、クロロフィルを実質的に除去することにより、SIRT-1遺伝子の発現効果を向上出来ること及び細胞周期を正常化出来ることについては、全く知られていない。

概要

SIRT-1遺伝子発現増加剤及び細胞周期正常化剤を提供すること。クロロフィルを実質的に含まないモリンガ葉のエタノール抽出物を含むことを特徴とするSIRT-1遺伝子発現増加剤及び細胞周期正常化剤。

目的

本発明の課題は、SIRT-1遺伝子発現増加効果剤及び/又は細胞周期正常化剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

クロロフィルを実質的に含まないモリンガ葉エタノール抽出物を含むことを特徴とするSIRT-1(サーチュイン-1)遺伝子発現増加剤

請求項2

クロロフィルを実質的に含まないモリンガ葉のエタノール抽出物を含むことを特徴とする細胞周期正常化剤。

請求項3

モリンガ葉をダイヤイオンHP20で精製する工程を含む、請求項1又は2に記載の剤の精製方法

技術分野

0001

本発明は、モリンガ葉エタノール抽出物を含有するSIRT-1(サーチュイン-1)遺伝子発現増加剤及び細胞周期正常化剤に関する。

背景技術

0002

サーチュイン(Sirtuin、SIRT)は、細胞内では細胞質ミトコンドリア等に存在し、生体内で重要な役割を果たす脱アセチル化酵素群の総称である。ヒトでは7種類が知られており(SIRT-1〜SIRT-7)、このうち、SIRT-1は、炎症抑制作用神経保護作用等の様々な機能を有することが明らかになっている。そのため、このようなサーチュインの機能を向上させる物質捜索やそのような機能を有する天然物食品等に関する研究が活発に行われており、例えば、赤ワイン等に含まれるレスベラトロールには、サーチュインを活性化させる働きがあることが知られている(非特許文献1)。

0003

モリンガは、インド、東アジア、アフリカ、中南米等の地域で自生している植物であり、古代インドに発祥し、アジア各地に伝わるアーユルヴェーダ医学などでも利用される。例えば、特許文献1には、モリンガ抽出物を含む皮膚外用剤が記載されている。
しかしながら、モリンガ葉のエタノール抽出物から、クロロフィルを実質的に除去することにより、SIRT-1遺伝子の発現効果を向上出来ること及び細胞周期を正常化出来ることについては、全く知られていない。

0004

Small molecule activators of sirtuins extend Saccharomyces cerevisiae lifespan. Nature, 425: 191-196, 2003.

先行技術

0005

特許5719228号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の課題は、SIRT-1遺伝子発現増加効果剤及び/又は細胞周期正常化剤を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、クロロフィルを実質的に含まないモリンガ葉のエタノール抽出物を含む剤が上記課題を解決出来ることを見出した。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するために、以下の各発明を包含する。
[1] クロロフィルを実質的に含まないモリンガ葉のエタノール抽出物を含むことを特徴とするSIRT-1(サーチュイン-1)遺伝子発現増加剤。
[2] クロロフィルを実質的に含まないモリンガ葉のエタノール抽出物を含むことを特徴とする細胞周期正常化剤。
[3] モリンガ葉をダイヤイオンHP20で精製する工程を含む、前記[1]又は[2]のいずれかに記載の剤の精製方法
[4] モリンガ葉のエタノール抽出物を含み、クロロフィルを実質的に含まないことを特徴とするSIRT-1(サーチュイン-1)遺伝子発現増加剤。

発明の効果

0008

本発明の剤は、クロロフィルを実質的に含まないモリンガ葉のエタノール抽出物を含むことにより、SIRT-1遺伝子発現増加効果及び/又は細胞周期正常化効果を奏する。
また、本発明の剤又は本発明の剤を含む化粧品動物投与することによって、肌のたるみ、しわ、しみ等の予防若しくは改善、衰え表皮及び/又は真皮ターンオーバー促進、肌の保湿又は美白効果等を得ることも出来る。

図面の簡単な説明

0009

図1は、モリンガ葉のエタノール抽出物添加群の、非添加群に対するSIRT-1遺伝子の発現量に関する試験結果及び、モリンガ葉のエタノール抽出物添加群について、抽出溶媒相違及び吸着剤での精製の有無による影響の比較結果を示す。
図2は、モリンガ葉のエタノール抽出物添加群と、非添加群のヒト繊維芽細胞顕微鏡観察することによって、細胞周期の状態を確認した結果を示す。
図3は、モリンガ葉のエタノール抽出物添加群の細胞増殖活性に関する試験結果を示す。

0010

〔モリンガ葉のエタノール抽出物〕
本発明において、モリンガは、ケシ目ワサビノキ科に属する植物のうち、モリンガ・オレイフェラ(Moringa oleifera)を用いることが好ましく、これは、モリンガ・プテリゴスペルマ(Moringa pterygosperma)とも呼ばれる。あるいは、モリンガ・ドロウハルディ(Moringa drouhardii)等の、ワサビノキ科に属する他の植物を用いてもよい。
モリンガ葉のエタノール抽出物は、モリンガ葉又はモリンガ葉に何らかの処理、例えば、モリンガ葉を粉砕破砕摩砕、乾燥、殺菌処理したものをエタノールで抽出したものが挙げられるが、これらに限定されない。
また、抽出に用いるエタノールは、実質的に不純物を含まないものである。好ましい抽出温度は、15〜30度である。また、好ましい抽出時間は、0.5〜1.5時間である。

0011

〔クロロフィルの実質的な除去〕
クロロフィルは、通常、上記モリンガ葉又はモリンガ葉のエタノール抽出物中に一定の含有割合で含まれる。
しかしながら、本発明においては、剤に含まれるモリンガ葉のエタノール抽出物がクロロフィルを実質的に含まない、あるいは、剤に含まれるモリンガ葉のエタノール抽出物からクロロフィルが実質的に除去されていることを必須の特徴とする。
ここで、本発明において、「クロロフィルを実質的に含まない」又は「クロロフィルが実質的に除去されている」とは、本発明の剤に含まれるモリンガ葉のエタノール抽出物におけるクロロフィル量が、100%エタノール抽出物と比較して、好ましくは、0.00001〜10質量%以下、より好ましくは、検出限界以下含まれることであり、なお、さらに好ましくは、本発明の剤におけるクロロフィル量が、100%エタノール抽出物と比較して、0.00001〜10質量%以下、最も好ましくは、検出限界以下含まれることであるが、これらに限定されない。
なお、クロロフィルの除去は、モリンガ葉のエタノール抽出物を精製することにより行われることが好ましい。このような精製の方法としては、ダイヤイオンHP20を用いる方法を好適に用いることが出来る。HP20は、モリンガ葉のエタノール抽出物100gに対し、10g〜500g用いることが好ましく、さらに好ましくは、50g〜200g、最も好ましくは、75〜150g用いることが出来るが、これらに限定されない。なお、モリンガ葉のエタノール抽出物とHP20は、モリンガ葉のエタノール抽出物に対するHP20が好ましくは、1:0.1〜5、さらに好ましくは1:0.5〜2、最も好ましくは1:0.75〜1.5で用いることが出来るが、これらに限定されない。

0012

〔モリンガ葉のエタノール抽出物を含む剤〕
また、本発明で使用されるモリンガ葉のエタノール抽出物を含む剤の状態は、例えば、液体状、固体状粉末状、顆粒状、細粒状等)、ゲル状その他の状態のいずれであってもよい。また、本発明で使用されるモリンガ葉のエタノール抽出物を含有する剤におけるモリンガ葉のエタノール抽出物の含有割合は、剤全体に対して、0.0001%〜100%である。本発明で使用されるモリンガ葉のエタノール抽出物の濃度は、例えば、1μg/mL〜1g/mL程度である。

0013

本発明で使用される剤は、経口又は非経口のいずれかの経路で動物に投与することができる。経口剤としては、例えば、固形剤顆粒剤散剤錠剤丸剤、又はカプセル剤等)、液剤水剤懸濁剤乳剤シロップ剤、若しくはエリキシル剤等)が挙げられる。また、非経口剤としては、注射剤(例えば、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、若しくは腹腔内注射剤)、点滴剤外用剤、好ましくは、経皮吸収製剤貼付剤塗布剤、若しくは軟膏剤等が挙げられる。

0014

また、本発明で使用される剤は、当該分野で通常行われている手法により、薬学上許容される担体を用いて製剤化することができる。薬学上許容される担体としては、賦形剤結合剤希釈剤添加剤香料緩衝剤増粘剤着色剤、安定剤、乳化剤分散剤懸濁化剤、又は防腐剤等が挙げられ、例えば、炭酸マグネシウムステアリン酸マグネシウムタルク砂糖ラクトースペクチンデキストリン澱粉ゼラチントラガントメチルセルロースナトリウムカルボキシメチルセルロース低融点ワックス、又はカカオバター等を担体として使用できる。製剤化方法については、本技術分野において、従来充分に確立されているので、本発明において、それらに従ってよい。

0015

上記の固形剤(顆粒剤、散剤、錠剤、丸剤又はカプセル剤等)は、好ましくは、モリンガ葉のエタノール抽出物を例えば賦形剤(ラクトース、マンニトールグルコース微結晶セルロース、若しくはデンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロースポリビニルピロリドン、若しくはメタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、又は溶解補助剤グルタミン酸、若しくはアスパラギン酸等)等の添加剤と混合し、常法に従って製剤化することができる。また、コーティング剤(糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、若しくはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。

0016

また、上記の液剤(水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、若しくはエリキシル剤等)は、例えば、モリンガ葉のエタノール抽出物を一般的に用いられる希釈剤(精製水、エタノール、ブチレングリコール、若しくはそれらの混液等)に溶解、懸濁又は乳化して製剤化することができる。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤風味剤芳香剤保存剤、又は緩衝剤等を含有していてもよい。

0017

なお、本発明の剤が、経皮吸収製剤又は貼付剤として用いられる場合、薬学上許容される担体として、モリンガ葉のエタノール抽出物等の成分を、その内部又は表面に支持、保持、又は担持することができるものも好ましい。このような担体は特に限定されず、例えば、繊維状物質、織布、不織布、フィルム状物質等を好ましく用いることが出来る。また、2種以上の担体を適宜組み合わせて使用してもよい。

0018

あるいは、本発明の剤が、外用剤として用いられる場合、液剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、又はエアゾール剤の形態等でも使用できるが、外用の用途に適する剤型であればこれらに限定されない。また、皮膚外用剤には、必要に応じて、水、低級アルコール、溶解補助剤、界面活性剤、乳化安定化剤ゲル化剤粘着剤、又はその他所望する剤型を得るために通常使用される基剤成分を配合でき、使用目的に応じて血管拡張剤副腎皮質ホルモン保湿剤殺菌剤清涼化剤ビタミン類、香料、又は色素等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜に配合することも可能である。

0019

本発明の剤は、化粧品又はその素材の分野で使用されてもよく、化粧品の分野において一般的に使用されるその他の添加剤を含んでいてもよい。そのような添加物として、例えば、増粘安定剤、酵素調味料強化剤製造用剤、着色料甘味料苦味料酸味料ガムベース光沢剤酸化防止剤保存料、乳化剤、乳化安定剤乳化助剤、殺菌料、漂白剤発色剤、香料、防かび剤、抽出溶剤被膜剤pH調整剤、pH緩衝剤、膨張剤栄養強化剤、保存剤、賦形剤、安定剤、矯味剤、溶解補助剤、緩衝剤、懸濁化剤、着香剤粘稠剤、収斂剤紫外線吸収剤紫外線防御剤紫外線散乱剤紫外線遮蔽剤ナノ化物質、防腐剤、界面活性剤、金属封鎖剤油剤保護剤、保湿剤、洗浄剤消炎剤抗菌剤美白剤、抗たるみ剤、皮膜剤剥離剤、結合剤、エモリエント剤可塑剤ビタミン剤感触改良剤、泡安定剤、安定化剤、加脂肪剤、滑剤可溶化剤還元剤酸化剤、顔料基剤、希釈剤、起泡剤、吸着剤、緊張剤経皮吸収促進剤、結合剤、血行促進剤、ゲル化剤、抗酸化剤、抗脂漏剤、コンディショニング剤細胞賦活剤柔軟剤浸透剤スクラブ剤成形改良剤成形剤、洗浄剤、造膜剤帯電防止剤中和剤鎮静剤パール化剤肌荒れ防止剤、撥水剤発泡剤発毛促進剤付着剤、分散剤、噴霧剤変性剤、抱水剤、保香剤、保留剤、溶解剤溶剤、又は養毛剤等が挙げられる。このような添加剤は、本技術分野において、従来充分に確立されているので、本発明において、それらに従ってよい。なお、本発明の剤は、ホエイタンパクを実質的に含まないことが好ましいが、これを含んでいてもよい。

0020

本発明は、SIRT-1遺伝子発現増加効果及び/又は細胞周期正常化効果を奏する化粧品又はその素材を提供することもできる。当該化粧品又はその素材は、上記本発明の剤を含むものであってもよく、特に限定されないが、例えば、乳液化粧水、保湿パック美容液ファンデーションコンシーラーベースクレンジングアイカラーアイブロウチークカラーフェイスカラー、口紅ルージュグロスリップライナーマニキュアクリームマスカラローション洗顔剤等が挙げられる。

0021

本発明の剤を投与される動物は、特に限定されるものではないが、例えば、ヒト、又はヒト以外の動物等であってもよい。ヒト以外の動物としては、特に限定されないが、イヌネコウシウマブタヒツジヤギ、リャマ、アルパカラクダウサギミンクキツネチンチラガチョウニワトリ、アヒル、又はハムスター等が挙げられる。このうち、ヒトへの投与が特に好ましい。

0022

本発明の剤が投与される動物の部位又は本発明の剤が効果を奏する動物の部位は、特に限定されるものではないが、例えば、髪の毛、爪、肌、目、血管、リンパ管筋肉脂肪、関節、頭皮、脳、生殖器、口から肛門までの消化器、又はその他内臓等が挙げられるが、より好ましくは、髪の毛、爪又は肌である。肌としては、好ましくは、顔、手、足、腹部臀部、背中の肌であることが好ましいが、このうち、特に、顔、手の肌が好ましい。

0023

本発明の剤は、好ましくは、本発明の剤又は本発明の剤を含む化粧品を肌へ塗布又は肌へ貼付けすることにより、肌のたるみ、しわ、しみの予防若しくは改善効果、表皮及び/又は真皮のターンオーバー促進効果又は肌の保湿若しくは美白効果等を奏することが出来るが、これらの効果に限定されない。

0024

〔効果の確認〕
本発明の剤のSIRT-1遺伝子発現増加効果は、例えば、SIRT-1遺伝子の発現に関与するmRNAの量に関して、モリンガ葉のエタノール抽出物を添加した群が、非添加群と比較して、高いことにより確認することができる。

0025

また、本発明の剤の細胞周期正常化効果は、例えば、G2期間期分裂準備期))及びM期分裂期)の細胞数が、非添加群と比較して、多いことにより、細胞周期が正常に機能していることを確認することが出来る。
さらに、本発明の剤による効果を受けた線維芽細胞増殖率は、本発明の剤による効果を受けていない線維芽細胞の増殖率を上回ることが好ましく、モリンガ葉のエタノール抽出物の濃度等にもよるが、具体的には、101%〜300%等であってもよいが、好ましくは150〜250%程度である。

0026

以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。

0027

[製造例1]モリンガ葉のエタノール抽出物の調製及び合成吸着剤によるクロロフィルの除去
モリンガの葉を乾燥させた後、粉砕して、100〜200メッシュを通過する大きさのモリンガ葉の粉砕物を得た。当該モリンガ葉の粉砕物(9kg)の重量に対して30倍容量の100%エタノールを加え、室温(25度)の条件下で1時間抽出した。吸引濾過を行い、残渣を除去した溶液を、エバポレーターを用いて5倍濃縮し、モリンガ葉のエタノール粗抽出物(クロロフィル未除去)を得た(50kg)。
当該得られたエタノール粗抽出物を、ダイヤイオンHP20(三菱ケミカル社、45kg)を用いて1時間、室温(25度)で吸着させることにより精製し、クロロフィルを実質的に除去した(49.5kg)。その後吸引濾過を行い、吸着剤を除去した溶液を、エバポレーターを用いて濃縮し、モリンガ葉のエタノール抽出物を得た(162g)。クロロフィル含有量は精製前の粗抽出物に対して10%以下であった。

0028

[比較例1〜4]
クロロフィルを除去しないことを除いては、上記製造例1と同じ方法により、モリンガ葉のエタノール粗抽出物(729g)を得た(比較例1)。
さらに、クロロフィルを除去しないこと及び抽出溶媒として100%エタノールの代わりに50%エタノール(エタノール:水=1:1)を用いたことを除いては、上記製造例1と同じ方法により、モリンガ葉のエタノール粗抽出物(1890g)を得た。クロロフィル含有量は100%エタノール粗抽出物に対して10%以下であった(比較例2)。
さらに、ダイヤイオンHP20を用いる代わりに、低分子選択的吸着活性炭(商品名:白鷺C、社名:大阪ガスケミカル社)を用いたことを除いては、上記製造例1と同じ方法により、モリンガ葉のエタノール抽出物(45g)を得た。クロロフィル含有量は100%エタノール粗抽出物に対して10%以下であった(比較例3)。
さらに、ダイヤイオンHP20を用いる代わりに、高分子選択的吸着活性炭(商品名:カルボラフィン、社名:大阪ガスケミカル社)を用いたことを除いては、上記製造例1と同じ方法により、モリンガ葉のエタノール抽出物(45g)を得た。クロロフィル含有量は100%エタノール粗抽出物に対して10%以下であった(比較例4)。

0029

[試験例1]ヒト皮膚由来繊維芽細胞におけるSIRT-1遺伝子発現確認試験
ヒト皮膚由来繊維芽細胞株Hs68(JCRB No.IFO50350)を、10%FBS、1%Penicillin−Streptomycin solutionを含むDMEM(high glucose)培養液を用いて、37℃、5%CO2−95%airの下でサブコンフルエントになるまで培養した後、細胞剥離液(Accutase(登録商標))で処理して細胞を集めた。集めた細胞を、上記DMEM培養液に懸濁して細胞懸濁液(6×104個/mL)を調製した。この細胞懸濁液を24穴プレートに500μLずつ播種し、37℃、5%CO2−95%airの下で前培養した。
24時間後、無血清培地(1%Penicillin−Streptomycin solutionを含むDMEM(high glucose))で2回洗浄後、無血清培地を500μLずつ添加し、培養した。
さらに、上記24時間培養後の培地を、各サンプル(製造例1及び比較例1〜4で得られたモリンガ葉のエタノール抽出物又はモリンガ葉のエタノール抽出物)それぞれ500μg/mL又はいずれのサンプルも溶解していない無血清培地(Control、以下「モリンガ非添加群」とも呼ぶ)(500μL)に交換し、更に20時間培養した。
上記20時間培養後、各サンプルの培養液全量を除き、速やかに細胞を0.4mLのISOGEN−II(ニッポンジーン)に溶解し、製造会社が推奨するプロトコルに従ってtotal RNAを精製した。これを鋳型とし、SYBR Premix EX Taq(TaKaRa)及びLightCycler 480(Roche)を用いて、それぞれ製造会社が推奨するプロトコルに従ってreal−timePCRを行った。この際使用したプライマー配列を下記の表1に示した。なお、β−アクチンは、内在性コントロールとして用いた。

0030

SIRT-1遺伝子発現増強作用の結果は図1の通りであった。図1から明らかなように、100%エタノールでモリンガ葉を抽出したのちに上記したダイヤイオンHP20で精製した製造例1のサンプルは、比較例1〜4のサンプルと比べ、明らかにSIRT-1遺伝子発現が増強されていた。

0031

0032

[試験例2]細胞周期及び細胞増殖活性試験
ヒト皮膚由来繊維芽細胞株Hs68(JCRB No.IFO50350)を、10%FBS、1%Penicillin−Streptomycin solutionを含むDMEM(high glucose)培養液を用いて、37℃、5%CO2−95%airの下でサブコンフルエントになるまで培養した後、トリプシン処理により細胞を集めた。集めた細胞を、上記DMEM培養液に懸濁して細胞懸濁液(1×105個/mL)を調製した。この細胞懸濁液を24穴プレートに500μLずつ及び96穴プレートに100μLずつ播種し、37℃、5%CO2−95%airの下で前培養した。24時間後、0.1mMピオシアニン及びサンプルを溶解した上記DMEM培養液に交換し、更に48時間培養した。
なお、本試験例で用いたピオシアニンは、細胞内において、活性酸素を発生するラジカル発生剤としての働きをするものであり、本試験例及び以降の試験例において、細胞老化モデル構築する役割を担う。

0033

上記24穴プレートで培養した細胞に対し、Cell-Clock cell Cycle Assay Kit(Biocolor, Ltd.)を用いて細胞周期解析を行った。なお、Cell-Clock cell Cycle Assay Kitは、レドックス色素を用いて,培養中の細胞の細胞周期をモニタリングできる公知の市販キットであり、細胞周期(G1、S、G2及びM期)の進行に伴い発色が変化するため、顕微鏡観察及び画像解析による細胞周期のモニタリングが可能である。

0034

細胞周期を測定した結果は図2の通りであった。図2において、G2期(間期(分裂準備期))及びM期(分裂期)の細胞を染色及びその後の画像解析により視覚的に示した。黒色(濃色)の面積が多いほど、G2期及びM期の細胞が多く、細胞周期が正常に機能していることを示す。
図2から明らかなように、本発明のモリンガのエタノール抽出物とピオシアニンを添加したもの(図2の左下図及び右下図)は、ピオシアニンのみ添加したもの(図2の右上図)に比べ、明らかに、黒色(濃色)の面積が多いため、G2期及びM期の細胞が多く、細胞周期が正常に機能していることがわかる。

0035

さらに、上記96穴プレートで培養した細胞に対し、DMEM培地に対し、Cell Counting Kit-8(同仁化学研究所)を5%の濃度になるように調製し、培養液全量を除き、速やかに置換した。4時間インキュベート後、マイクロプレートリーダーで450nmの吸光度を測定した。

実施例

0036

細胞増殖活性について測定した結果は、図3の通りであった。図3から明らかなように、本発明のモリンガのエタノール抽出物とピオシアニンを添加したものは、ピオシアニンのみ添加したものに比べ、モリンガ含有量に依存する形で、約20〜30%ほど、細胞が多く増殖していることがわかる。

0037

本発明は、SIRT-1遺伝子発現増加剤及び細胞周期正常化剤に関する。本発明の剤は、化粧品又はその素材の分野において有用である。

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