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技術 クレーン

出願人 株式会社タダノ
発明者 山内浩嗣
出願日 2019年2月14日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-024947
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-132309
状態 未査定
技術分野 クレーンの細部(制御,安全) ジブクレーン(門形、ケーブルクレーン)
主要キーワード 旋回用モーター 巻回移動 伸縮レバー 振子運動 起伏レバー 巻回動作 伸縮長 伸縮移動
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年8月31日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (12)

課題

フック吊り下げられた荷物走行体旋回体衝突するのを防ぐことができるクレーンを提供する。

解決手段

荷物Lの運搬に供する各種のアクチュエータ(12・13・14・15)と、アクチュエータ(12・13・14・15)の稼動を指示するコントローラ20と、を具備し、コントローラ20は、走行体2及び旋回体3の動作に合わせて連動する走行体2及び旋回体3の一部若しくは全部を内包するように形成された第一仮想モデル40及び荷物Lの移動に合わせて連動する荷物Lを内包するように形成された第二仮想モデル50を認識し、仮想空間上で第一仮想モデル40と第二仮想モデル50が近接又は干渉するとアクチュエータ(12・13・14・15)の稼動を緊急停止させる、とした。

概要

背景

概要

フック吊り下げられた荷物走行体旋回体衝突するのを防ぐことができるクレーンを提供する。荷物Lの運搬に供する各種のアクチュエータ(12・13・14・15)と、アクチュエータ(12・13・14・15)の稼動を指示するコントローラ20と、を具備し、コントローラ20は、走行体2及び旋回体3の動作に合わせて連動する走行体2及び旋回体3の一部若しくは全部を内包するように形成された第一仮想モデル40及び荷物Lの移動に合わせて連動する荷物Lを内包するように形成された第二仮想モデル50を認識し、仮想空間上で第一仮想モデル40と第二仮想モデル50が近接又は干渉するとアクチュエータ(12・13・14・15)の稼動を緊急停止させる、とした。

目的

特開2018−104110号公報
特開2014−37285号公報






フックに吊り下げられた荷物が走行体や旋回体に衝突するのを防ぐことができるクレーンを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

走行体と、前記走行体に支持される旋回体と、を備え、前記旋回体がブームと当該ブームの先端部分から垂下するワイヤロープと当該ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出しによって昇降するフックを有しており、前記フックに荷物吊り下げた状態で当該荷物を運搬するクレーンにおいて、前記荷物の運搬に供する各種のアクチュエータと、前記アクチュエータの稼動を指示するコントローラと、を具備し、前記コントローラは、前記走行体及び前記旋回体の動作に合わせて連動する当該走行体及び当該旋回体の一部若しくは全部を内包するように形成された第一仮想モデル及び前記荷物の移動に合わせて連動する当該荷物を内包するように形成された第二仮想モデルを認識し、仮想空間上で前記第一仮想モデルと前記第二仮想モデルが近接又は干渉すると前記アクチュエータの稼動を緊急停止させる、ことを特徴とするクレーン。

請求項2

前記コントローラは、前記ブームの動作に合わせて連動する当該ブームを内包するように形成された第一仮想モデル及び前記荷物の移動に合わせて連動する当該荷物を内包するように形成された第二仮想モデルを認識し、仮想空間上で前記第一仮想モデルと前記第二仮想モデルが近接又は干渉すると前記アクチュエータの稼動を緊急停止させる、ことを特徴とする請求項1に記載のクレーン。

請求項3

前記ブームの先端部分から前記フックを通る直線を第一軸とした場合、前記第二仮想モデルは、前記第一軸を中心として前記荷物が回転したときの領域を内包する円柱形状となっている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のクレーン。

請求項4

前記荷物が振子運動をしている際における当該荷物の軌跡最下点を通る鉛直方向の直線を第二軸とした場合、前記第二仮想モデルは、前記第二軸を中心として当該第二軸から最も離れた位置にある前記荷物が前記第一軸を中心に回転しながら大回転したときの領域を内包する円柱形状となっている、ことを特徴とする請求項3に記載のクレーン。

請求項5

前記第二仮想モデルは、前記ワイヤロープを母線とする円錐形状を前記円柱形状の上部に付加した形状となっている、ことを特徴とする請求項4に記載のクレーン。

技術分野

0001

本発明は、フック吊り下げられた荷物走行体旋回体衝突するのを防ぐことができるクレーンに関する。

0002

従来より、代表的な作業車両であるクレーンが知られている。クレーンは、主に走行体と旋回体で構成されている。走行体は、複数の車輪を備え、自走可能としている。旋回体は、ブームのほかにワイヤロープやフックを備え、荷物を吊り下げた状態でこれを運搬可能としている。

0003

ところで、フックに吊り下げられた荷物は、ブームの先端部分を支点として振子運動を行うことがある(特許文献1参照)。また、フックに吊り下げられた荷物は、ブームの先端部分からフックを通る直線を中心として回転運動を行うことがある(特許文献2参照)。そのため、ブームの姿勢やワイヤロープの吊下長さ、荷物の形状などにより、荷物が走行体や旋回体に衝突してしまうおそれがあった。そこで、フックに吊り下げられた荷物が走行体や旋回体に衝突するのを防ぐことができるクレーンが求められていた。

先行技術

0004

特開2018−104110号公報
特開2014−37285号公報

発明が解決しようとする課題

0005

フックに吊り下げられた荷物が走行体や旋回体に衝突するのを防ぐことができるクレーンを提供する。

課題を解決するための手段

0006

第一の発明は、
走行体と、
前記走行体に支持される旋回体と、を備え、
前記旋回体がブームと当該ブームの先端部分から垂下するワイヤロープと当該ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出しによって昇降するフックを有しており、
前記フックに荷物を吊り下げた状態で当該荷物を運搬するクレーンにおいて、
前記荷物の運搬に供する各種のアクチュエータと、
前記アクチュエータの稼動を指示するコントローラと、を具備し、
前記コントローラは、前記走行体及び前記旋回体の動作に合わせて連動する当該走行体及び当該旋回体の一部若しくは全部を内包するように形成された第一仮想モデル及び前記荷物の移動に合わせて連動する当該荷物を内包するように形成された第二仮想モデルを認識し、仮想空間上で前記第一仮想モデルと前記第二仮想モデルが近接又は干渉すると前記アクチュエータの稼動を緊急停止させる、ものである。

0007

第二の発明は、第一の発明に係るクレーンにおいて、
前記コントローラは、前記ブームの動作に合わせて連動する当該ブームを内包するように形成された第一仮想モデル及び前記荷物の移動に合わせて連動する当該荷物を内包するように形成された第二仮想モデルを認識し、仮想空間上で前記第一仮想モデルと前記第二仮想モデルが近接又は干渉すると前記アクチュエータの稼動を緊急停止させる、ものである。

0008

第三の発明は、第一又は第二の発明に係るクレーンにおいて、
前記ブームの先端部分から前記フックを通る直線を第一軸とした場合、
前記第二仮想モデルは、前記第一軸を中心として前記荷物が回転したときの領域を内包する円柱形状となっている、ものである。

0009

第四の発明は、第三の発明に係るクレーンにおいて、
前記荷物が振子運動をしている際における当該荷物の軌跡最下点を通る鉛直方向の直線を第二軸とした場合、
前記第二仮想モデルは、前記第二軸を中心として当該第二軸から最も離れた位置にある前記荷物が前記第一軸を中心に回転しながら大回転したときの領域を内包する円柱形状となっている、ものである。

0010

第五の発明は、第四の発明に係るクレーンにおいて、
前記第二仮想モデルは、前記ワイヤロープを母線とする円錐形状を前記円柱形状の上部に付加した形状となっている、ものである。

発明の効果

0011

第一の発明に係るクレーンは、荷物の運搬に供する各種のアクチュエータと、アクチュエータの稼動を指示するコントローラと、を具備している。そして、コントローラは、走行体及び旋回体の動作に合わせて連動する走行体及び旋回体の一部若しくは全部を内包するように形成された第一仮想モデル及び荷物の移動に合わせて連動する荷物を内包するように形成された第二仮想モデルを認識し、仮想空間上で第一仮想モデルと第二仮想モデルが近接又は干渉するとアクチュエータの稼動を緊急停止させる。かかる技術的思想によれば、フックに吊り下げられた荷物が走行体や旋回体に衝突するのを防ぐことができる。

0012

第二の発明に係るクレーンにおいて、コントローラは、ブームの動作に合わせて連動するブームを内包するように形成された第一仮想モデル及び荷物の移動に合わせて連動する荷物を内包するように形成された第二仮想モデルを認識し、仮想空間上で第一仮想モデルと第二仮想モデルが近接又は干渉するとアクチュエータの稼動を緊急停止させる。かかる技術的思想によれば、フックに吊り下げられた荷物が旋回体を構成するブームに衝突するのを防ぐことができる。

0013

第三の発明に係るクレーンにおいて、ブームの先端部分からフックを通る直線を第一軸とした場合、第二仮想モデルは、第一軸を中心として荷物が回転したときの領域を内包する円柱形状となっている。かかる技術的思想によれば、荷物の回転による衝突可能性を考慮するので、フックに吊り下げられた荷物が走行体や旋回体(旋回体を構成するブーム)に衝突するのを確実に防ぐことができる。

0014

第四の発明に係るクレーンにおいて、荷物が振子運動をしている際における荷物の軌跡の最下点を通る鉛直方向の直線を第二軸とした場合、第二仮想モデルは、第二軸を中心として第二軸から最も離れた位置にある荷物が第一軸を中心に回転しながら大回転したときの領域を内包する円柱形状となっている。かかる技術的思想によれば、荷物の振れと回転による衝突可能性を考慮するので、フックに吊り下げられた荷物が走行体や旋回体(旋回体を構成するブーム)に衝突するのをより確実に防ぐことができる。

0015

第五の発明に係るクレーンにおいて、第二仮想モデルは、ワイヤロープを母線とする円錐形状を円柱形状の上部に付加した形状となっている。かかる技術的思想によれば、荷物の上方にある構造物に対しても振れと回転による衝突可能性を考慮するので、フックに吊り下げられた荷物が他のフックなどの構造物に衝突するのを防ぐことができる。

図面の簡単な説明

0016

クレーンを示す図。
キャビンの内部を示す図。
操縦システムの構成を示す図。
第一仮想モデルを示す図。
第二仮想モデルを示す図。
第一仮想モデルと第二仮想モデルが近接又は干渉をしている状態を示す図。
一の実施形態に係る第二仮想モデルを示す図。
他の実施形態に係る第二仮想モデルを示す図。
他の実施形態に係る第二仮想モデルを示す図。
第一の応用事例であって第一仮想モデルと第三仮想モデルが近接又は干渉をしている状態を示す図。
第二の応用事例であって第二仮想モデルと第四仮想モデルが近接又は干渉をしている状態を示す図。

実施例

0017

本願に開示する技術的思想は、以下に説明するクレーン1のほか、他のクレーンにも適用できる。

0018

まず、図1及び図2を用いて、クレーン1について説明する。

0019

クレーン1は、主に走行体2と旋回体3で構成されている。

0020

走行体2は、左右一対前輪4と後輪5を備えている。また、走行体2は、荷物Lの運搬作業を行う際に接地させて安定を図るアウトリガ6を備えている。なお、走行体2は、アクチュエータによって、その上部に支持する旋回体3を旋回自在としている。

0021

旋回体3は、その後部から前方へ突き出すようにブーム7を備えている。そのため、ブーム7は、アクチュエータによって旋回自在となっている(矢印A参照)。また、ブーム7は、アクチュエータによって伸縮自在となっている(矢印B参照)。更に、ブーム7は、アクチュエータによって起伏自在となっている(矢印C参照)。

0022

加えて、ブーム7には、ワイヤロープ8が架け渡されている。ブーム7の先端部分から垂下するワイヤロープ8には、フック9が取り付けられている。また、ブーム7の基端側近傍には、ウインチ10が配置されている。ウインチ10は、アクチュエータと一体的に構成されており、ワイヤロープ8の巻き入れ及び巻き出しを可能としている。そのため、フック9は、アクチュエータによって昇降自在となっている(矢印D参照)。なお、旋回体3は、ブーム7の側方にキャビン11を備えている。キャビン11の内部には、旋回レバー31や伸縮レバー32、起伏レバー33、巻回レバー34が設けられている。

0023

次に、図3を用いて、操縦システム16について説明する。

0024

操縦システム16は、主にコントローラ20と各種レバー31〜34と各種バルブ35〜38で構成されている。

0025

コントローラ20は、ROMによって情報記憶部21を構成している。情報記憶部21は、クレーン1の制御に要する様々なプログラムが記憶されている。

0026

また、コントローラ20は、CPUやROM、RAMなどによって情報処理部22を構成している。情報処理部22は、各種レバー31〜34の操作量電気信号に変換し、アクチュエータを稼動させる各種バルブ35〜38へ送信する。こうして、コントローラ20は、ブーム7の稼動(旋回動作伸縮動作起伏動作)及びウインチ10の稼動(巻入動作・巻出動作)を実現する。

0027

詳しく説明すると、ブーム7は、アクチュエータによって旋回自在となっている(図1における矢印A参照)。本願においては、かかるアクチュエータを旋回用モーター12と定義する(図1参照)。旋回用モーター12は、方向制御弁である旋回用バルブ35によって適宜に稼動される。つまり、旋回用モーター12は、旋回用バルブ35が作動油流動方向切り替えることで適宜に稼動される。なお、旋回用バルブ35は、コントローラ20の指示に基づいて稼動される。ブーム7の旋回角度旋回速度は、図示しないセンサによって検出される。

0028

また、ブーム7は、アクチュエータによって伸縮自在となっている(図1における矢印B参照)。本願においては、かかるアクチュエータを伸縮用シリンダ13と定義する(図1参照)。伸縮用シリンダ13は、方向制御弁である伸縮用バルブ36によって適宜に稼動される。つまり、伸縮用シリンダ13は、伸縮用バルブ36が作動油の流動方向を切り替えることで適宜に稼動される。なお、伸縮用バルブ36は、コントローラ20の指示に基づいて稼動される。ブーム7の伸縮長さや伸縮速度は、図示しないセンサによって検出される。

0029

更に、ブーム7は、アクチュエータによって起伏自在となっている(図1における矢印C参照)。本願においては、かかるアクチュエータを起伏用シリンダ14と定義する(図1参照)。起伏用シリンダ14は、方向制御弁である起伏用バルブ37によって適宜に稼動される。つまり、起伏用シリンダ14は、起伏用バルブ37が作動油の流動方向を切り替えることで適宜に稼動される。なお、起伏用バルブ37は、コントローラ20の指示に基づいて稼動される。ブーム7の起伏角度起伏速度は、図示しないセンサによって検出される。

0030

更に、フック9は、アクチュエータによって昇降自在となっている(図1における矢印D参照)。本願においては、かかるアクチュエータを巻回用モーター15と定義する(図1参照)。巻回用モーター15は、方向制御弁である巻回用バルブ38によって適宜に稼動される。つまり、巻回用モーター15は、巻回用バルブ38が作動油の流動方向を切り替えることで適宜に稼動される。なお、巻回用バルブ38は、コントローラ20の指示に基づいて稼動される。フック9の吊下長さや昇降速度は、図示しないセンサによって検出される。

0031

加えて、コントローラ20は、CPUやROM、RAMなどによって情報送受信部23を構成している。情報送受信部23は、通信ネットワークを経由して遠隔地にあるサーバーコンピュータ24から情報を取得できる。例えば、旋回体3を構成するブーム7に対して荷物Lが衝突する可能性についての情報を取得することができる。なお、サーバーコンピュータ24は、クレーン1に搭載されたコントローラ20と機能として一体をなす。従って、サーバーコンピュータ24は、コントローラ20に含まれるとも考えられる。以下では、サーバーコンピュータ24を含む上位概念としてコントローラ20を説明する。

0032

次に、図4を用いて、第一仮想モデル40について説明する。

0033

第一仮想モデル40は、仮想空間上に形成された直方体形状(有限境界ボックス:Oriented Bounding Box)である。かかる有限境界ボックス41は、「中心点座標」と「中心点から平面までの距離」と「傾きを表す方向ベクトル」の三つの要素によって形成されている。有限境界ボックス41は、形状を単純化した仮想空間上のブーム7として取り扱われる。

0034

第一仮想モデル40は、ブーム7の動作に合わせて連動する。具体的に説明すると、第一仮想モデル40は、ブーム7の旋回動作に合わせて旋回する(図4における矢印A参照)。また、ブーム7の伸縮動作に合わせて伸縮する(図4における矢印B参照)。更に、ブーム7の起伏動作に合わせて起伏する(図4における矢印C参照)。こうして、第一仮想モデル40は、ブーム7の動作態様に関わらず、仮想空間上にて常にブーム7を囲っている。なお、一つの有限境界ボックス41ではなく、複数の有限境界ボックス41によってブーム7を囲うとしてもよい。例えば、複数の有限境界ボックス41を組み合わせてブーム7を囲うとしてもよい。また、その他の一部(キャビン11など)を含めて有限境界ボックス41で囲うとしてもよいし、走行体2や旋回体3の全部を有限境界ボックス41で囲うとしてもよい。即ち、有限境界ボックス41で囲う範囲を限定するものではない。

0035

次に、図5を用いて、第二仮想モデル50について説明する。

0036

第二仮想モデル50は、仮想空間上に形成された直方体形状(有限境界ボックス:Oriented Bounding Box)を用いて作成される。かかる有限境界ボックス51も、「中心点の座標」と「中心点から平面までの距離」と「傾きを表す方向ベクトル」の三つの要素によって形成されている。有限境界ボックス51は、形状を単純化した仮想空間上の荷物Lとして取り扱われる。

0037

第二仮想モデル50は、荷物Lの移動に合わせて連動する。具体的に説明すると、第二仮想モデル50は、荷物Lの旋回移動(ブーム7の旋回動作による移動)に合わせて移動する(図5における矢印A参照)。また、荷物Lの伸縮移動(ブーム7の伸縮動作による移動)に合わせて移動する(図5における矢印B参照)。更に、荷物Lの起伏移動(ブーム7の起伏動作による移動)に合わせて移動する(図5における矢印C参照)。加えて、荷物Lの巻回移動(ウインチ10の巻回動作による移動)に合わせて移動する(図5における矢印D参照)。こうして、第二仮想モデル50は、荷物Lの移動態様に関わらず、仮想空間上にて常に荷物Lを囲っている。なお、一つの有限境界ボックス51ではなく、複数の有限境界ボックス51によって荷物Lを囲うとしてもよい。例えば、複数の有限境界ボックス51を組み合わせて荷物Lを囲うとしてもよい。また、荷物Lの一部のみを有限境界ボックス51で囲うとしてもよい。即ち、有限境界ボックス51で囲う範囲を限定するものではない。

0038

次に、図6を用いて、第一仮想モデル40と第二仮想モデル50が近接又は干渉をしている状態について説明する。ここでは、ブーム7の起立動作により、ブーム7に荷物Lが近づいている状況を想定して説明する(図6における矢印E参照)。

0039

コントローラ20は、仮想空間上における第一仮想モデル40と第二仮想モデル50を認識している。このため、コントローラ20は、第一仮想モデル40の動作に基づいて現実のブーム7の動作態様を把握できる。また、コントローラ20は、第二仮想モデル50の移動に基づいて現実の荷物Lの移動態様を把握できる。更に、コントローラ20は、第一仮想モデル40と第二仮想モデル50の相対位置に基づいてブーム7と荷物Lの相対距離を把握できる。従って、コントローラ20は、ブーム7に対して荷物Lが衝突する恐れがあることを判断でき、衝突する恐れがある場合は、各種のアクチュエータ(旋回用モーター12・伸縮用シリンダ13・起伏用シリンダ14・巻回用モーター15)を制御してブーム7の稼動及びウインチ10の稼動を緊急停止させるのである。

0040

以上のように、本クレーン1は、荷物Lの運搬に供する各種のアクチュエータ(旋回用モーター12・伸縮用シリンダ13・起伏用シリンダ14・巻回用モーター15)と、アクチュエータ(12・13・14・15)の稼動を指示するコントローラ20と、を具備している。そして、コントローラ20は、走行体2及び旋回体3の動作に合わせて連動する走行体2及び旋回体3の一部若しくは全部を内包するように形成された第一仮想モデル40及び荷物Lの移動に合わせて連動する荷物Lを内包するように形成された第二仮想モデル50を認識し、仮想空間上で第一仮想モデル40と第二仮想モデル50が近接又は干渉するとアクチュエータ(12・13・14・15)の稼動を緊急停止させる。かかる技術的思想によれば、フック9に吊り下げられた荷物Lが走行体2や旋回体3に衝突するのを防ぐことができる。

0041

詳細に説明すると、本クレーン1において、コントローラ20は、ブーム7の動作に合わせて連動するブーム7を内包するように形成された第一仮想モデル40及び荷物Lの移動に合わせて連動する荷物Lを内包するように形成された第二仮想モデル50を認識し、仮想空間上で第一仮想モデル40と第二仮想モデル50が近接又は干渉するとアクチュエータ(12・13・14・15)の稼動を緊急停止させる。かかる技術的思想によれば、フック9に吊り下げられた荷物Lが旋回体3を構成するブーム7に衝突するのを防ぐことができる。

0042

ところで、コントローラ20は、計算負荷を減らしつつ高い計算速度を実現するため、簡素なアルゴリズムを採用することが可能である。即ち、ブーム7に長手方向に沿って延びる線分を定義し、かかる線分に第二仮想モデル50が近接又は干渉するとアクチュエータ(旋回用モーター12・伸縮用シリンダ13・起伏用シリンダ14・巻回用モーター15)の稼動を緊急停止させるとしてもよい。或いは、荷物Lの中心に質点を定義し、第一仮想モデル40にかかる質点が近接するとアクチュエータ(12・13・14・15)の稼動を緊急停止させるとしてもよい。或いは、ブーム7に長手方向に沿って延びる線分を定義するとともに荷物Lの中心に質点を定義し、かかる線分と質点が近接するとアクチュエータ(12・13・14・15)の稼動を緊急停止させるとしてもよい。このようにしても、同様の効果を奏することとなる。

0043

次に、図7を用いて、一の実施形態に係る第二仮想モデル50について詳しく説明する。図7の(X)は、第二仮想モデル50を図中における矢印Vの方向から見た拡大図である。

0044

本実施形態に係る第二仮想モデル50は、有限境界ボックス51の回転によって得られる円柱形状となっている。このときの回転軸は、ブーム7の先端部分からフック9を通る第一軸52である。そのため、第二仮想モデル50は、第一軸52を中心として荷物Lが回転したときの領域Rを内包する円柱形状となっている。なお、長さがxで高さがzである直方体形状の荷物Lを想定すると、第二仮想モデル50の半径rと高さhは下記(1)(2)の関係式を満たす。
r≧x÷2・・・(1)
h≧z・・・・・(2)

0045

このように、ブーム7の先端部分からフック9を通る直線を第一軸52とした場合、第二仮想モデル50は、第一軸52を中心として荷物Lが回転したときの領域Rを内包する円柱形状となっている。かかる技術的思想によれば、荷物Lの回転による衝突可能性を考慮するので、フック9に吊り下げられた荷物Lが走行体2や旋回体3(旋回体3を構成するブーム7)に衝突するのを確実に防ぐことができる。

0046

次に、図8を用いて、他の実施形態に係る第二仮想モデル50について詳しく説明する。図8の(X)は、第二仮想モデル50を図中における矢印Vの方向から見た拡大図である。

0047

本実施形態に係る第二仮想モデル50は、有限境界ボックス51の振れと回転によって得られる円柱形状となっている。このときの回転軸は、荷物Lが振子運動をしている際における当該荷物Lの軌跡Tの最下点Pを通る鉛直方向の第二軸53である。そのため、第二仮想モデル50は、第二軸53を中心として当該第二軸53から最も離れた位置にある荷物Lが第一軸52を中心に回転しながら大回転(第二軸53を中心にグラインドする回転を指す)したときの領域Rを内包する円柱形状となっている。なお、荷物Lの吊下長さをsとし振れ角度をθとした場合において、長さがxで高さがzである直方体形状の荷物Lを想定すると、第二仮想モデル50の半径rと高さhは下記(1)(2)の関係式を満たす。
r≧(s+z)×sinθ+x÷2×cosθ・・・(1)
h≧z+x×sinθ÷2+s−s×cosθ・・・(2)

0048

このように、荷物Lが振子運動をしている際における当該荷物Lの軌跡Tの最下点Pを通る鉛直方向の直線を第二軸53とした場合、第二仮想モデル50は、第二軸53を中心として当該第二軸53から最も離れた位置にある荷物Lが第一軸52を中心に回転しながら大回転したときの領域Rを内包する円柱形状となっている。かかる技術的思想によれば、荷物Lの振れと回転による衝突可能性を考慮するので、フック9に吊り下げられた荷物Lが走行体2や旋回体3(旋回体3を構成するブーム7)に衝突するのをより確実に防ぐことができる。

0049

この点、振子運動の振れ量は、荷物Lの吊下長さsによって変化することから、吊下長さsに応じて第二仮想モデル50の大きさが調節されることとなる。ひいては、吊下長さsに応じて衝突可能性を考慮するので、フック9に吊り下げられた荷物Lが走行体2や旋回体3(旋回体3を構成するブーム7)に衝突するのをより確実に防ぐことができる。

0050

次に、図9を用いて、他の実施形態に係る第二仮想モデル50について詳しく説明する。図9の(X)は、第二仮想モデル50を図中における矢印Vの方向から見た拡大図である。

0051

本実施形態に係る第二仮想モデル50は、有限境界ボックス51の振れと回転によって得られる円柱形状に円錐形状を付加した形状となっている。円柱形状は、第二軸53を中心として当該第二軸53から最も離れた位置にある荷物Lが第一軸52を中心に回転しながら大回転(第二軸53を中心にグラインドする回転を指す)したときの領域Rを内包する。円錐形状は、荷物Lが第二軸53から最も離れた位置にあるときのワイヤロープ8を母線Gとして第二軸53を中心に回転したときの領域Rcを内包する。

0052

このように、第二仮想モデル50は、ワイヤロープ8を母線Gとする円錐形状を円柱形状の上部に付加した形状となっている。かかる技術的思想によれば、荷物Lの上方にある構造物に対しても振れと回転による衝突可能性を考慮するので、フック9に吊り下げられた荷物Lが他のフック17などの構造物に衝突するのを防ぐことができる。

0053

次に、本願に開示する技術的思想の第一の応用事例について説明する。図10は、第一の応用事例であって第一仮想モデル40と第三仮想モデル60が近接又は干渉をしている状態を示している。

0054

第一の応用事例は、ブーム7が障害物Fに衝突するのを防ぐものである。第一の応用事例にあっては、障害物Fが第三仮想モデル60によって囲われている必要がある。

0055

第三仮想モデル60は、仮想空間上に形成された直方体形状(有限境界ボックス:Oriented Bounding Box)を用いて作成される。有限境界ボックス61は、形状を単純化した仮想空間上の障害物Fとして取り扱われる。第三仮想モデル60は、障害物Fが車両などであって移動自在である場合は、障害物Fの動作に合わせて連動する。なお、一つの有限境界ボックス61ではなく、複数の有限境界ボックス61によって障害物Fを囲うとしてもよい。例えば、複数の有限境界ボックス61を組み合わせて障害物Fを囲うとしてもよい。障害物Fの一部のみを有限境界ボックス61で囲うとしてもよい。

0056

コントローラ20は、仮想空間上における第一仮想モデル40と第三仮想モデル60を認識している。このため、コントローラ20は、第一仮想モデル40の動作に基づいて現実のブーム7の動作態様を把握できる。また、コントローラ20は、第三仮想モデル60の動作に基づいて現実の障害物Fの動作態様を把握できる。更に、コントローラ20は、第一仮想モデル40と第三仮想モデル60の相対位置に基づいてブーム7と障害物Fの相対距離を把握できる。従って、コントローラ20は、ブーム7が障害物Fに衝突する恐れがあることを判断でき、衝突する恐れがある場合は、各種のアクチュエータ(旋回用モーター12・伸縮用シリンダ13・起伏用シリンダ14・巻回用モーター15)を制御してブーム7の稼動及びウインチ10の稼動を緊急停止させるのである。

0057

以上のように、コントローラ20は、ブーム7の動作に合わせて連動する当該ブーム7を内包するように形成された第一仮想モデル40及び障害物Fの移動に合わせて連動する当該障害物Fを内包するように形成された第三仮想モデル60を認識し、仮想空間上で第一仮想モデル40と第三仮想モデル50が近接又は干渉するとアクチュエータ(12・13・14・15)の稼動を緊急停止させる。かかる技術的思想によれば、ブーム7が障害物Fに衝突するのを防ぐことができる。

0058

次に、本願に開示する技術的思想の第二の応用事例について説明する。図11は、第二の応用事例であって第二仮想モデル50と第四仮想モデル70が近接又は干渉をしている状態を示している。

0059

第二の応用事例は、荷物Lが障害物Fに衝突するのを防ぐものである。第二の応用事例にあっても、障害物Fが第四仮想モデル70によって囲われている必要がある。

0060

第四仮想モデル70は、仮想空間上に形成された直方体形状(有限境界ボックス:Oriented Bounding Box)を用いて作成される。有限境界ボックス71は、形状を単純化した仮想空間上の障害物Fとして取り扱われる。第四仮想モデル70は、障害物Fが車両などであって移動自在である場合は、障害物Fの動作に合わせて連動する。なお、一つの有限境界ボックス71ではなく、複数の有限境界ボックス71によって障害物Fを囲うとしてもよい。例えば、複数の有限境界ボックス71を組み合わせて障害物Fを囲うとしてもよい。障害物Fの一部のみを有限境界ボックス71で囲うとしてもよい。

0061

コントローラ20は、仮想空間上における第二仮想モデル50と第四仮想モデル70を認識している。このため、コントローラ20は、第二仮想モデル50の移動に基づいて現実の荷物Lの移動態様を把握できる。また、コントローラ20は、第四仮想モデル70の動作に基づいて現実の障害物Fの動作態様を把握できる。更に、コントローラ20は、第二仮想モデル50と第四仮想モデル70の相対位置に基づいて荷物Lと障害物Fの相対距離を把握できる。従って、コントローラ20は、荷物Lが障害物Fに衝突する恐れがあることを判断でき、衝突する恐れがある場合は、各種のアクチュエータ(旋回用モーター12・伸縮用シリンダ13・起伏用シリンダ14・巻回用モーター15)を制御してブーム7の稼動及びウインチ10の稼動を緊急停止させるのである。

0062

以上のように、コントローラ20は、荷物Lの動作に合わせて連動する当該荷物Lを内包するように形成された第二仮想モデル50及び障害物Fの移動に合わせて連動する当該障害物Fを内包するように形成された第四仮想モデル70を認識し、仮想空間上で第二仮想モデル50と第三仮想モデル50が近接又は干渉するとアクチュエータ(12・13・14・15)の稼動を緊急停止させる。かかる技術的思想によれば、荷物Lが障害物Fに衝突するのを防ぐことができる。

0063

最後に、本願に開示する技術的思想は、いわゆるジブを備えており、ジブによってブーム7が延長される構造に対しても適用可能である。つまり、ジブは、ブーム7の構成要素としてブーム7に含まれるものとする。また、本願に開示する技術的思想は、直方体形状として有限境界ボックス:Oriented Bounding Boxを利用するものである。しかしながら、同じく直方体形状として軸並行境界ボックス:Axis−Aligned Bounding Boxを利用するとしてもよい。軸並行境界ボックスは、直方体形状の各辺がXYZ軸に並行なので、有限境界ボックスよりも大きくならざるを得ず、衝突可能性を考慮するにあたって判断が粗くなる。一方で、計算負荷を減らすことができるという利点を有する。

0064

1クレーン
2走行体
3旋回体
7ブーム
8ワイヤロープ
9フック
10ウインチ
12旋回用モーター(アクチュエータ)
13伸縮用シリンダ(アクチュエータ)
14起伏用シリンダ(アクチュエータ)
15巻回用モーター(アクチュエータ)
20コントローラ
21情報記憶部
22情報処理部
23情報受信
24サーバーコンピュータ
40 第一仮想モデル
41有限境界ボックス
50 第二仮想モデル
51 有限境界ボックス
52 第一軸
53 第二軸
G母線
L荷物
P最下点
R 領域

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