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技術 車体前部構造

出願人 三菱自動車工業株式会社
発明者 西多智哉岩崎明加納祐輔河野裕亮
出願日 2019年2月13日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-023162
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-131733
状態 未査定
技術分野 車両用バンパ
主要キーワード 五角柱形状 格子リブ 上下対称形状 側保持部材 縦断面形 直角三角柱 スポット溶接点 フレーム車
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

前面衝突時における衝突対象被害低減を、歩行者保護性能を損なうことなく両立する。

解決手段

車幅方向に間隔をあけて車両前後方向に延設された左右一対サイドメンバー2を備えたフレーム車両の車体前部構造は、サイドメンバー2よりも前方に配置されるとともにサイドメンバー2の前端部に対して固定されて前方からの荷重を受け止める受圧部材10と、受圧部材10よりも前方に配置されて荷重を吸収する吸収部材20とを備える。受圧部材10には、サイドメンバー2に対する第一固定部11bから前方に向かって斜め上方に延在するとともに荷重が入力される下面11aを持つ上側受圧部材11と、上側受圧部材11よりも下方に配置されてサイドメンバー2に対する第二固定部12bから前方に向かって斜め下方に延在するとともに荷重が入力される上面12aを持つ下側受圧部材12とが含まれる。

概要

背景

フレーム車両は、フレームとボディとを分離させたセパレートフレーム構造が採用された車両であり、防振制振)用のマウントを介してフレーム上に車室や荷台等のボディを載置して構成される。フレームは、例えば特許文献1に示すように、車両前後方向に沿って延設された左右一対サイドフレーム(主要フレーム,サイドメンバーとも呼ばれる)と、車幅方向に延設されてサイドフレーム間を連結する複数のクロスメンバーとによって梯子状に構成される。特許文献1のサイドフレームの前端部には、前面衝突時に変形することで衝撃を吸収する衝撃吸収部が設けられている。

概要

前面衝突時における衝突対象被害低減を、歩行者保護性能を損なうことなく両立する。車幅方向に間隔をあけて車両前後方向に延設された左右一対のサイドメンバー2を備えたフレーム車両の車体前部構造は、サイドメンバー2よりも前方に配置されるとともにサイドメンバー2の前端部に対して固定されて前方からの荷重を受け止める受圧部材10と、受圧部材10よりも前方に配置されて荷重を吸収する吸収部材20とを備える。受圧部材10には、サイドメンバー2に対する第一固定部11bから前方に向かって斜め上方に延在するとともに荷重が入力される下面11aを持つ上側受圧部材11と、上側受圧部材11よりも下方に配置されてサイドメンバー2に対する第二固定部12bから前方に向かって斜め下方に延在するとともに荷重が入力される上面12aを持つ下側受圧部材12とが含まれる。

目的

本件の車体前部構造は、このような課題に鑑み案出されたもので、前面衝突時における衝突対象の被害低減を、歩行者保護性能を損なうことなく両立することを目的の一つとする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車幅方向に間隔をあけて車両前後方向に延設された左右一対サイドメンバーを備えたフレーム車両の車体前部構造であって、前記サイドメンバーよりも車両前方に配置されるとともに前記サイドメンバーの前端部に対して固定され、車両前方からの荷重を受け止める受圧部材と、前記受圧部材よりも車両前方に配置されて、前記荷重を吸収する吸収部材と、を備え、前記受圧部材には、前記サイドメンバーに対する第一固定部から車両前方に向かって斜め上方に延在するとともに前記荷重が入力される下面を持つ上側受圧部材と、前記上側受圧部材よりも下方に配置され、前記サイドメンバーに対する第二固定部から車両前方に向かって斜め下方に延在するとともに前記荷重が入力される上面を持つ下側受圧部材とが含まれることを特徴とする、車体前部構造。

請求項2

前記第一固定部の車両前後方向位置と前記第二固定部の車両前後方向位置とが同一であり、前記受圧部材には、前記第一固定部及び前記第二固定部を繋ぎ、車両前方を向いて前記荷重が入力される前面を持つ中間受圧部材が含まれることを特徴とする、請求項1記載の車体前部構造。

請求項3

前記受圧部材は、前記上側受圧部材と前記中間受圧部材と前記下側受圧部材とを有する一体ものであり、前記下面と前記前面と前記上面とがいずれも平面状であることを特徴とする、請求項2記載の車体前部構造。

請求項4

前記受圧部材は、前記左右一対のサイドメンバーを繋ぐように車幅方向に延設され、前記吸収部材は、前記受圧部材に沿って設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車体前部構造。

請求項5

前記受圧部材の車両後方に配置されたストッパ部材を備え、前記ストッパ部材は、前記下面及び前記上面に前記荷重が入力されたときに前記下面及び前記上面が車両前方を向くように前記上側受圧部材及び前記下側受圧部材を受け止めることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の車体前部構造。

請求項6

前記受圧部材及び前記吸収部材の間に配置されるとともに前記サイドメンバーの前記前端部に対して固定され、前記吸収部材を保持する保持部材を備えたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車体前部構造。

請求項7

前記保持部材は、中空形状に形成されており、前記荷重により変形したときに前記下面を押し上げるとともに前記上面を押し下げるように前記荷重を伝達することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の車体前部構造。

技術分野

0001

本発明は、フレーム車両の車体前部構造に関する。

背景技術

0002

フレーム車両は、フレームとボディとを分離させたセパレートフレーム構造が採用された車両であり、防振制振)用のマウントを介してフレーム上に車室や荷台等のボディを載置して構成される。フレームは、例えば特許文献1に示すように、車両前後方向に沿って延設された左右一対サイドフレーム(主要フレーム,サイドメンバーとも呼ばれる)と、車幅方向に延設されてサイドフレーム間を連結する複数のクロスメンバーとによって梯子状に構成される。特許文献1のサイドフレームの前端部には、前面衝突時に変形することで衝撃を吸収する衝撃吸収部が設けられている。

先行技術

0003

特開2016−112912号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、フレーム車両は、モノコック車両と異なり、アプローチアングルを確保するためにサイドフレームの前端部の下方に構造物が配置されない。このため、車両の前面衝突時には、サイドフレームの前端部のみが衝突対象に当たることが多く、衝突対象の変形が大きくなりやすいという課題がある。

0005

このような課題を解決する一つの方法として、例えば、衝突対象の変形が大きくなりすぎないよう前方からの荷重を受け止める剛体を、アプローチアングルを確保したうえで車両前方に配置することが考えられる。しかしながら、単に、アプローチアングルを確保しうる位置に剛体を配置しただけでは、衝突対象の被害を低減することは難しいうえに、車両が歩行者衝突したときに歩行者保護を十分に図れない場合がある。

0006

本件の車体前部構造は、このような課題に鑑み案出されたもので、前面衝突時における衝突対象の被害低減を、歩行者保護性能を損なうことなく両立することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。

課題を解決するための手段

0007

(1)ここで開示する車体前部構造は、車幅方向に間隔をあけて車両前後方向に延設された左右一対のサイドメンバーを備えたフレーム車両の車体前部構造であって、前記サイドメンバーよりも車両前方に配置されるとともに前記サイドメンバーの前端部に対して固定され、車両前方からの荷重を受け止める受圧部材と、前記受圧部材よりも車両前方に配置されて、前記荷重を吸収する吸収部材と、を備える。前記受圧部材には、前記サイドメンバーに対する第一固定部から車両前方に向かって斜め上方に延在するとともに前記荷重が入力される下面を持つ上側受圧部材と、前記上側受圧部材よりも下方に配置され、前記サイドメンバーに対する第二固定部から車両前方に向かって斜め下方に延在するとともに前記荷重が入力される上面を持つ下側受圧部材とが含まれる。

0008

(2)前記車体前部構造では、前記第一固定部の車両前後方向位置と前記第二固定部の車両前後方向位置とが同一であることが好ましい。この場合、前記受圧部材には、前記第一固定部及び前記第二固定部を繋ぎ、車両前方を向いて前記荷重が入力される前面を持つ中間受圧部材が含まれることが好ましい。

0009

(3)前記受圧部材は、前記上側受圧部材と前記中間受圧部材と前記下側受圧部材とを有する一体ものであり、前記下面と前記前面と前記上面とがいずれも平面状であることが好ましい。
(4)前記受圧部材は、前記左右一対のサイドメンバーを繋ぐように車幅方向に延設されることが好ましい。この場合、前記吸収部材は、前記受圧部材に沿って設けられていることが好ましい。

0010

(5)前記車体構造は、前記受圧部材の車両後方に配置されたストッパ部材を備えることが好ましい。この場合、前記ストッパ部材は、前記下面及び前記上面に前記荷重が入力されたときに前記下面及び前記上面が車両前方を向くように前記上側受圧部材及び前記下側受圧部材を受け止めることが好ましい。

0011

(6)前記車体前部構造は、前記受圧部材及び前記吸収部材の間に配置されるとともに前記サイドメンバーの前記前端部に対して固定され、前記吸収部材を保持する保持部材を備えることが好ましい。
(7)前記保持部材は、中空形状に形成されており、前記荷重により変形したときに前記下面を押し上げるとともに前記上面を押し下げるように前記荷重を伝達することが好ましい。

発明の効果

0012

開示の車体前部構造によれば、車両が前面衝突した場合に、受圧部材よりも前方に配置された吸収部材が圧縮変形することで前方からの荷重を吸収するとともに、受圧部材が上下に開くことで前方からの荷重を受け止めるため、衝突対象の被害低減を、歩行者保護性能を損なうことなく両立することができる。

図面の簡単な説明

0013

実施形態に係る車体前部構造が適用されたフレーム車両を示す模式図である。
図1の車体前部構造を示す模式的な側面図である。
図1の車体前部構造を示す模式的な斜視図である。
図1の車体前部構造を示す模式的な垂直断面図である。
図1の車体前部構造を示す模式的な側面図であり、(a)は通常状態、(b)は前方からの荷重により吸収部材が変形した状態、(c)は前方からの荷重により受圧部材が上下に開いた状態を示す。

実施例

0014

図面を参照して、実施形態としての車体前部構造について説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。

0015

以下の説明では、車両の進行方向を前方(車両前方)、逆側を後方(車両後方)とし、前方を基準に左右方向(車幅方向)を定める。また、重力の方向を下方とし、その逆を上方として説明する。また、図中に示すUP,FR,LHは、車両上方,車両前方,車両左方のそれぞれに対応する。

0016

[1.構成]
本実施形態の車体前部構造が適用された車両1を図1に例示する。この車両1は、マウント4を介してフレーム1Aの上にボディ1Bが載置されたフレーム車両であり、フレーム1Aとボディ1Bとが分離したセパレートフレーム構造を備える。図1では、車両1に搭載されるパワートレイン懸架装置等を省略して、フレーム1Aとボディ1Bとを分離させた状態を模式的に示す。

0017

フレーム1Aは、車両1の骨格をなす構造部材であり車両1に作用する荷重を支えるものである。図1中に示すフレーム1Aは、左右一対のサイドメンバー2と複数のクロスメンバー3とを梯子状に連結してなるラダーフレームであり、車両前後方向(前後方向)が長手方向となるように配置される。サイドメンバー2は、車両1の前端部から後端部までのほぼ全長に亘って前後方向に延設される主要フレームであり、車幅方向に間隔をあけて、略左右対称形状となるように配置される。サイドメンバー2の断面形状は、例えば閉断面形状やコの字型に形成される。

0018

クロスメンバー3は、車幅方向に延設されてサイドメンバー2間を連結する部材であり、前後方向に間隔をあけて複数配置される。クロスメンバー3の断面形状は、サイドメンバー2と同様に、閉断面形状やコの字型に形成される。なお、本実施形態の車両1は、サイドメンバー2の前端部の前側に取り付けられたクラッシュボックス5を備える。クラッシュボックス5は、中空形状に形成された荷重(衝撃)吸収用の部材であり、例えば、各サイドメンバー2の前端部の上下寸法及び車幅寸法と略同一な寸法で形成された箱型に形成される。本実施形態では、クラッシュボックス5の前端面部5a(図4参照)が前方を向く平板状とされる。

0019

フレーム構造を持つ車両1は、アプローチアングルを確保するためにサイドメンバー2の前端部の下方に構造物が配置されない。このため、車両1の前面衝突時には、サイドメンバー2の前端部が衝突した対象(衝突対象)に当たってこの前端部によって衝突荷重を受け止めることになり、衝突対象の変形が大きくなりやすいという課題がある。

0020

そこで、本実施形態の車両1には、通常走行時にはアプローチアングルを確保し、前面衝突時には衝突荷重を受け止める面として機能する変形構造物がサイドメンバー2の前方に設けられている。本実施形態の変形構造物は、一般的な車両に搭載されるバンパービームに代えて設けられている。言い換えると、変形構造物は、バンパービームとしての機能を兼ね備える。

0021

本実施形態の車体前部構造は、この変形構造物と、歩行者に対する保護性を高めるための吸収部材20とを備える。すなわち、本車体前部構造では、車両や建物等への前面衝突時における被害低減を、歩行者との衝突時における歩行者保護性能を損なうことなく両立する。

0022

以下、車体前部構造について、図2図3図4及び図5(a)〜(c)を用いて説明する。図2図3図4及び図5(a)は、車両1が特に変形していない通常の状態(以下「通常状態」という)を示し、図5(b)及び(c)は、車両1の前方から荷重が入力されたときの変形構造物の変形状態を示す。なお、図3は、吸収部材20を変形構造物から分解して示した斜視図である。また、図4は、変形構造物の垂直断面図(図3のA−A矢視断面図)である。図4では、サイドメンバー2と吸収部材20と後述するストッパ部材40とのハッチングを省略して示している。

0023

図5(a)〜(c)に示すように、車体前部構造には、車両前方からの荷重を受け止める受圧部材10と、受圧部材10よりも前方に配置されて前方からの荷重を吸収する吸収部材20とが設けられる。受圧部材10は、吸収部材20よりも剛性の高い部材である。受圧部材10は、金属などの高剛性材料により形成されてもよいし、厚みを持たせることで剛性を高めてもよい。また、本実施形態の車体前部構造には、吸収部材20を保持する保持部材30と、前面衝突時に受圧部材10を受け止めるストッパ部材40とが設けられる。

0024

本実施形態の車体前部構造は、通常状態ではアプローチアングルを確保した構成となっているが、前面衝突時には衝突対象の被害を低減するとともに歩行者保護を図るように構成されている。具体的には車体前部構造は、図5(b)に示すように、歩行者との衝突時には、吸収部材20が圧縮変形することで前方からの荷重を吸収する。このような軽衝突時には、クラッシュボックス5の変形を伴わないことが多い。

0025

一方、図5(c)に示すように、車体前部構造は、クラッシュボックス5の変形を伴うような衝突時、すなわち車両や建物等との衝突時には、受圧部材10が上下に開くことで荷重を受け止める面積(以下、「受圧面積」という)を増大させ、前方からの荷重を受け止める。この荷重を受け止める機能を持つ部材が上記の変形構造物である。言い換えれば、本実施形態の車体前部構造は、通常状態では走行の邪魔にならないように構成されており、前面衝突時には、前方から後方へ向かう荷重〔図5(b)中の白抜き矢印で示す〕を吸収部材20によって受け止めるとともに、前面衝突時に上下に開くことで受圧面積を増大させる受圧部材10によって荷重を受け止めるように構成されている。

0026

図2及び図4に示すように、本実施形態の受圧部材10は、サイドメンバー2よりも前方に配置され、サイドメンバー2の前端部に対して固定される。本実施形態の受圧部材10は、サイドメンバー2の前端部に取り付けられたクラッシュボックス5の前端面部5aにボルト締結されることで、クラッシュボックス5を介してサイドメンバー2に対し固定される。

0027

受圧部材10は、左右一対のサイドメンバー2を繋ぐように車幅方向に延設される。本実施形態の受圧部材10は、側面視で、上底と二つの台形の脚とからなる前方に開口した等脚台形状に形成されており、前後方向に沿う縦断面形状が車幅方向において一様である。すなわち、本実施形態の受圧部材10には、二つの台形の脚に相当する二つの部材(部位)11,12と、上底に相当する一つの部材(部位)13とが含まれる。本実施形態では、これら三つの部材11〜13を有する一体ものとして設けられた受圧部材10を例示するが、これらの部材11〜13が別体で設けられてもよい。なお、図2及び図5(a)〜(c)中の二点鎖線は、部材11,13,12の仮想的な境界面である。

0028

第一の部材11は、受圧部材10のうち上方に位置する部分であり、第二の部材12は、受圧部材10のうち下方に位置する部分である。以下、前者の部材11を「上側受圧部材11」といい、上側受圧部材11よりも下方に位置する後者の部材12を「下側受圧部材12」という。また、第三の部材13は、受圧部材10のうち上下方向の中間に位置する部分である。以下、上側受圧部材11及び下側受圧部材12の間に位置する部材13を「中間受圧部材13」という。なお、中間受圧部材13は省略可能である。

0029

本実施形態では、クラッシュボックス5の前端面部5aの上端から前方の斜め上方に向かって、サイドメンバー2の上面の高さ位置よりもやや上方まで延設された上側受圧部材11と、クラッシュボックス5の前端面部5aの下端から前方の斜め下方に向かって、サイドメンバー2の下面の高さ位置よりもやや下方まで延設された下側受圧部材12とを例示する。本車両前部構造は、下側受圧部材12がこのように配置されているため、通常状態でサイドメンバー2の下方にあまり突出せず、アプローチアングルが確保されている。

0030

上側受圧部材11は、前方からの荷重が入力される下面11aを有する。上側受圧部材11の下面11aは平面状であり、図2に示すように、サイドメンバー2に対する第一固定部11bから前方に向かって斜め上方に延在している。上側受圧部材11は、前面衝突時では、図5(b)に白抜き矢印で示すように、下面11aに入力された荷重により、サイドメンバー2に対する第一固定部11bを中心に上側後方に回転して、荷重を受け止める面として機能する。本実施形態の上側受圧部材11は、車幅方向に延設された矩形状の剛体平板として設けられる。

0031

同様に、下側受圧部材12は、前方からの荷重が入力される上面12aを有する。下側受圧部材12の上面12aは平面状であり、図2に示すように、サイドメンバー2に対する第二固定部12bから前方に向かって斜め下方に延在している。下側受圧部材12は、前面衝突時では、図5(b)に白抜き矢印で示すように、上面12aに入力された荷重により、サイドメンバー2に対する第二固定部12bを中心に下側後方に回転して、荷重を受け止める面として機能する。本実施形態では、下側受圧部材12も車幅方向に延設された矩形状の剛体平板として設けられる。

0032

第一固定部11bは、上側受圧部材11のうちサイドメンバー2に対して固定される部分であり、上側受圧部材11の後端部に相当する。同様に、第二固定部12bは、下側受圧部材12のうちサイドメンバー2に対して固定される部分であり、下側受圧部材12の後端部に相当する。本実施形態では、図2に示すように、第一固定部11bの前後方向位置と第二固定部12bの前後方向位置とが同一になるように配置される。

0033

中間受圧部材13は、第一固定部11b及び第二固定部12bを繋ぐ部材である。本実施形態の中間受圧部材13は、車幅方向に延設された矩形状の剛体平板であって、矩形状の面が前方を向いて配置される。以下、車両前向きに配置された面を前面13aと呼ぶ。前面13aは、前方からの荷重が入力される面であり、上記の下面11a及び上面12aと同様に平面状に形成される。

0034

中間受圧部材13は、前面13aが前後方向に対して垂直に位置するように配置される。また、図2中に二点鎖線で示すように、中間受圧部材13の上端部には上側受圧部材11の第一固定部11bが接続されて、下端部には下側受圧部材12の第二固定部12bが接続される。なお、これら三つの部材11〜13は、前方からの荷重を受けても各面11a,12a,13aが湾曲しない程度の剛性を有することが好ましい。

0035

本実施形態の受圧部材10は、図4に示すように、中間受圧部材13がクラッシュボックス5の前端面部5aにボルト締結されることでサイドメンバー2に対し固定される。すなわち、中間受圧部材13には、ボルト50が挿通される孔部13hが設けられる。本実施形態の中間受圧部材13は、この孔部13hに挿挿されたボルト50が、保持部材30及びクラッシュボックス5の前端面部5aにも挿通され、前端面部5aの裏側(後方)からナット51で締め付けられることで、保持部材30及びクラッシュボックス5と共締めされてサイドメンバー2に対して固定される。なお、ナット51をクラッシュボックス5の後方から挿入できない場合は前端面部5aにインサートナットを設ければよい。第一固定部11b及び第二固定部12bは、このように固定された中間受圧部材13に繋がれることで、それぞれサイドメンバー2に対して固定される。

0036

また、図3に示すように、本実施形態の受圧部材10を構成する三つの部材11〜13はいずれも、左右のサイドメンバー2間の距離よりも長い車幅方向寸法を有する。すなわち、第一固定部11b及び第二固定部12bはいずれも、上側受圧部材11及び下側受圧部材12の左右端部よりもやや車幅方向内側の部分でサイドメンバー2に対して固定されている。

0037

吸収部材20は、図2に示すように、受圧部材10よりも前方において受圧部材10に沿って設けられる。吸収部材20は、前面衝突時に、前後方向に圧縮変形することで衝突荷重を吸収する部材であって、例えば金属製や樹脂製の発泡材格子リブ構造に形成される。吸収部材20は、上記のような圧縮変形を可能とするために前後方向に厚みを有する。また、本実施形態の吸収部材20は、保持部材30に対し、例えばクリップ留めによって固定される。

0038

本実施形態の吸収部材20は、四角錐台形状に形成されており、二つの平行な底面のうち、面積の小さい方の面が前方を向くように配置され、面積の大きい方の面が保持部材30の後述する前面31f,32fに当接するように配置される。保持部材30側の面の上下方向寸法は、受圧部材10の第一固定部11bと第二固定部12bとの距離(上下方向の長さ)よりも大きく設定される。

0039

また、本実施形態の吸収部材20は、車幅方向の寸法が受圧部材10の車幅方向の寸法と同一に設定される。すなわち、吸収部材20は、車幅方向全域で受圧部材10よりも前方に配置されて、前方からの荷重を吸収する。

0040

図2及び図4に示すように、吸収部材20を保持する保持部材30は、受圧部材10及び吸収部材20の間に配置されるとともに、サイドメンバー2の前端部に対して固定される。本実施形態の保持部材30は、車幅方向に延設されており、受圧部材10と同等の車幅方向寸法を有する。また、本実施形態の保持部材30は、吸収部材20の上部を保持する上側保持部材31と、吸収部材20の下部を保持する下側保持部材32とから構成される。

0041

図2及び図3に示すように、上側保持部材31及び下側保持部材32はいずれも、中空形状に形成されており、前方から荷重が入力されて変形したときに、上側受圧部材11の下面11aを押し上げるとともに下側受圧部材12の上面12aを押し下げるように上記の荷重を伝達する。本実施形態では、上側保持部材31及び下側保持部材32がいずれも中空の五角柱形状に形成されており、上下対称に配置されている場合を例示する。

0042

本実施形態の上側保持部材31は、前方を向いて吸収部材20に当接する前面31fと、上側斜め後方を向いて上側受圧部材11の下面11aに当接する上面31uと、後方を向いて中間受圧部材13に当接する後面31rと、下方を向いて下側保持部材32に当接する第一下面31bと、下側斜め前方を向いて露出した第二下面31eとを有する。上側保持部材31は、これらの面を持つ平面部がこの順で並ぶことで中空の五角柱形状を形成する。

0043

下側保持部材32は、上側保持部材31と上下対称形状に形成される。すなわち、下側保持部材32は、前方を向いて吸収部材20に当接する前面32fと、下側斜め後方を向いて下側受圧部材12に当接する下面32bと、後方を向いて中間受圧部材13に当接する後面32rと、上方を向いて上側保持部材31の第一下面31bに当接する第一上面32uと、上側斜め前方を向いて露出した第二上面32eとを有する。下側保持部材32は、これらの面を持つ平面部がこの順で並ぶことで中空の五角柱形状を形成する。

0044

上側保持部材31及び下側保持部材32は、受圧部材10の内側(上側受圧面部11及び下側受圧面部12の間であって中間受圧面部13の前側)に略隙間なく収まる形状に形成されている。ただし、上側保持部材31及び下側保持部材32の各前面31f、32fの前後方向位置は、受圧部材10の前端部よりもやや前側に設定される。なお、前面31f,32fは、上側保持部材31及び下側保持部材32における五つの側面のうち最も前方に位置する面であり、前後方向に対して垂直になるように配置されるとともに、互いの前後方向位置が同一になるように配置される。

0045

各後面31r,32rは、上側保持部材31及び下側保持部材32における五つの側面のうち最も後方に位置する面であり、前後方向に対して垂直になるように配置される。後面31r,32rは、各面の全体が中間受圧部材13の前面13aに当接されるように、中間受圧部材13の前面13aの上下方向の寸法よりも僅かに短く設定される。

0046

図4に示すように、上側保持部材31及び下側保持部32の各後面31r,32rには締結用の孔部30hが設けられ、各前面31f,32fにはボルト50とナット51とを締め付けるための工具(図示略)を挿入する切欠き30aが設けられる。保持部材30は、切欠き30aから挿入された工具により、後面31r,32rを持つ平面部が受圧部材10(中間受圧面部13)を挟んでとクラッシュボックス5の前端面部5aに共締めされることで、サイドメンバー2に対して固定される。

0047

上側保持部材31の第一下面31b及び下側保持部材32の第一上面32uはいずれも、上下方向に対して垂直になるように配置されるとともに、互いに当接した状態で接合される。本実施形態の第一下面31b及び第一上面32uは、各前端がスポット溶接によって互いに接合されている。図3及び図4黒丸印はスポット溶接点を示す。保持部材30は、上側保持部材31及び下側保持部材32がこのように接合されることで、通常状態では互いが衝突することによる騒音の発生を抑制し、前方から荷重が入力されると速やかに互いの接合が剥離する。

0048

ストッパ部材40は、受圧部材10の後方に配置されて、上側受圧部材11の下面11a及び下側受圧部材12の上面12aに荷重が入力されたときに、下面11a及び上面12aが前方を向くようにこれらの部材11,12を受け止める。本実施形態のストッパ部材40は、図2図4に示すように、左右一対のクラッシュボックス5の上面及び下面のそれぞれに固定される。

0049

本実施形態のストッパ部材40は三角柱形状をなし、高さ方向が車幅方向に一致する姿勢で配置される。また、ストッパ部材40の前方を向く面(以下「規制面」という)は、前後方向に対して垂直に位置するように配置される。ストッパ部材40の規制面は、上側受圧部材11及び下側受圧部材12のそれぞれが後方へ回転してきたときに受け止めることで、受圧部材10の位置を規制する機能を持つ。言い換えると、ストッパ部材40は、上側受圧部材11及び下側受圧部材12を受け止めて、ストッパ部材40よりも後方に変形しないよう規制しうる剛性を有する。

0050

[2.作用]
次に、車両1の前面衝突時における上記の車体前部構造の作用を説明する。

0051

図5(b)に示すように、車両1の前面衝突時には、まず吸収部材20が後方へ圧縮変形することで前方からの荷重を減衰させる。このとき、前面衝突した対象が歩行者である場合には、ほとんどの荷重が吸収部材20で吸収される。このため、衝突対象である歩行者に対して、受圧部材10やサイドメンバー2からの反力伝わりにくくなり、歩行者保護を図ることができる。

0052

一方、前面衝突の対象が歩行者ではなく車両や建物といった剛性の高い物体である場合には、吸収部材20が全ての荷重を吸収しきれない。吸収部材20で吸収しきれなかった荷重は、図5(b)中の白抜き矢印で示すように、上側受圧部材11の下面11a及び下側受圧部材12の上面12aに入力される。受圧部材10は、これらの荷重が伝達されることにより、各固定部11b,12bを中心に後方へ回転して上下に開く。言い換えれば、歩行者との衝突時よりも大きい荷重が入力される衝突時(例えば、車両や建物等との衝突時)には、吸収部材20により吸収しきれなかった荷重が受圧部材10の下面11a及び上面12aを押し広げ、受圧部材10の形状を通常状態から変化させる。

0053

また、吸収部材20で吸収しきれなかった荷重が受圧部材10に入力される場合、この荷重は保持部材30にも入力され、上側保持部材31と下側保持部材32との接合を剥離させる。また、上側保持部材31及び下側保持部材32はいずれも、前方から入力された荷重により前後方向に圧縮変形するとともに上下方向に面積が拡大する。このように変形することで、保持部材30は、上側受圧部材11の下面11aを押し上げるとともに下側受圧部材12の上面12aを押し下げるように前方からの荷重を受圧部材10に伝達し、受圧部材10の変形を補助する。

0054

図5(c)に示すように、受圧部材10が上下に開くと、ストッパ部材40が、下面11a及び上面12aが前方を向くように上側受圧部材11及び下側受圧部材12を受け止める。具体的には、クラッシュボックス5の上面に固定されたストッパ部材40の規制面が上側受圧部材11を受け止めて、クラッシュボックス5の下面に固定されたストッパ部材40の規制面が下側受圧部材12を受け止める。このように、受圧部材10はストッパ部材40よりも後方に変形しないよう、その位置が規制される。

0055

受圧部材10が上下に開き、下面11a及び上面12aが前方向きになると、中間受圧部材13の前面13aの前後方向位置が、下面11a及び上面12aの前後方向位置と略同一となる。このため、下面11a及び上面12aに加えて前面13aも衝突荷重を受け止める面として機能する。受圧部材10は、この三つの面11a,12a,13aにより吸収部材20の吸収しきれなかった荷重を受け止めることで、衝突対象の被害を低減する。すなわち、受圧部材10は、サイドメンバー2の前端部の面積よりも広い受圧面積で前方からの荷重を受け止めることで、衝突対象の変形を抑制し、衝突対象の被害を低減する。

0056

[3.効果]
(1)上記の車体前部構造では、車両1の前面衝突時に、受圧部材10よりも前方に配置された吸収部材20が圧縮変形することで前方からの荷重を吸収できる。このため、歩行者との衝突時における歩行者保護性能を損なうことなく両立を図ることができる。また、車両1の前面衝突時に受圧部材10が上下に開くことで、受圧面積が増大し、前方からの荷重を広い面積で受け止めることができる。このため、車両や建物との衝突時には、衝突対象の被害を低減することができる。従って、上記の車体前部構造では、衝突対象の被害低減を、歩行者保護性能を損なうことなく両立することができる。

0057

また、上記の車体前部構造は、通常状態では、下側受圧部材12が、クラッシュボックス5の前端面部5aの下端から前方の斜め下方に向かって、サイドメンバー2の下面の高さ位置よりもやや下方まで延設される。このため、通常状態では、サイドメンバー2の下方にあまり突出せず、車両1のアプローチアングルを確保することができる。

0058

さらに、上記の車体前部構造では、上側受圧部材11の下面11aが前方に向かって斜め上方に延在するとともに、下側受圧部材12の上面12aが前方に向かって斜め下方に延在する。すなわち、前方からの荷重が斜めに入力されるように二つの面11a,12aが配置されているため、受圧部材10がスムーズに上下に開くことができ、前方からの荷重を受圧部材10の前端部分で受け止めることがない。

0059

(2)上記の車体前部構造では、第一固定部11bの前後方向位置と第二固定部12bの前後方向位置とが同一である。このため、受圧部材10が上下に開いた際に下面11aの前後方向位置と上面12aの前後方向位置とが略同一になるため、前方からの荷重が上側受圧部材11及び下側受圧部材12のいずれか一方に偏りにくくなる。このため、上側受圧部材11及び下側受圧部材12の両方で前方からの荷重を受け止めることができ、衝突対象の被害を低減できる。

0060

また、上記の受圧部材10には、第一固定部11b及び第二固定部12bを繋ぎ、荷重が入力される前面13aを持つ中間受圧部材13が含まれる。このため、三つの面11a,12a,13aが衝突荷重を受け止める面として機能できるため、受圧面積をさらに大きくすることができる。

0061

(3)上記の車体前部構造では、受圧部材10が上側受圧部材11と中間受圧部材13と下側受圧部材12とを有する一体ものである。このため、各部材11,12,13が別体で設けられる場合と比較して、受圧部材10をサイドメンバー2に対し簡単に装着することができる。また、荷重が入力される下面11aと前面13aと上面12aとがいずれも平面状であるため、広い面で荷重を受け止めることができ、衝突対象の被害をより低減できる。

0062

(4)上記の車体前部構造では、受圧部材10が左右一対のサイドメンバー2を繋ぐように車幅方向に延設されており、吸収部材20が受圧部材10に沿って設けられている。このため、受圧部材10は車幅方向全域で前方からの荷重を受け止めることができ、吸収部材20は車幅方向全域で前方からの荷重を吸収することができる。すなわち、衝突対象の被害をより低減することができるとともに歩行者保護性をより高めることができる。また、受圧部材10及び吸収部材20をバンパービームの代わりとして機能させることもできる。

0063

(5)上記の車体前部構造では、ストッパ部材40が、下面11a及び上面12aに荷重が入力されたときに、これらの面11a,12aがいずれも前方を向くように上側受圧部材11及び下側受圧部材12を受け止める。このため、二つの面11a,12aが後方に回転してしまうのを防ぐことができ、より確実に荷重を受け止めることができる。

0064

(6)上記の車体前部構造では、吸収部材20が保持部材30で保持された状態でサイドメンバー2の前端部に対し固定されるため、前方からの荷重をまずは吸収部材20によって吸収し、減衰させることができる。このため、歩行者との衝突時には、ほとんどの荷重を吸収部材20で吸収できることから、歩行者保護を図ることができる。また、吸収部材20で吸収しきれなかった荷重は、受圧部材10の広い面で受け止めることができるため、衝突対象の被害低減も図ることができる。

0065

(7)上記の保持部材30は中空形状に形成されているため、荷重により変形したときに上下方向の寸法が拡大するように変形する。すなわち、保持部材30は、下面11aを押し上げるとともに上面12aを押し下げるように前方からの荷重を受圧部材10に伝達でき、上側受圧部材11及び下側受圧部材12の変形を補助できる。従って、受圧面積が拡大されやすくなることから、衝突対象の被害をより低減することができる。

0066

[4.変形例]
上記の車体前部構造は、バンパービームを備えない車両1に対して適用したが、バンパービームを備えた車両に対して上述の車体前部構造を適用してもよい。また、本実施形態において、車両1にはクラッシュボックス5が設けられていたが、クラッシュボックスを備えない車両に上述の車体前部構造を適用してもよい。

0067

上記の車体前部構造では、受圧部材10が左右一対のサイドメンバー2を繋ぐように車幅方向に延設されていたが、受圧部材が左右一対のサイドメンバー2のいずれか一方に対してのみ固定された構成であってもよい。また、上記の車体前部構造では、吸収部材20が受圧部材10に沿って設けられていたが、吸収部材が車幅方向全域に断続的に配置されていてもよい。

0068

本実施形態では、受圧部材10が中間受圧部材13を備える構成を例示したが、中間受圧部材13を省略してもよい。この場合、上側受圧部材11と下側受圧部材12とが別体で設けられていてもよい。上側受圧部材11と下側受圧部材12とが別体で設けられる場合には、第一固定部11b及び第二固定部12bがいずれもサイドメンバー2の前端部に対して直接的に(中間受圧部材13を介さずに)固定される。また、この場合には、二つの部材11,12の位置を自由に設定することができる。このため、例えば、第一固定部11bの前後方向位置と第二固定部12bの前後方向位置とを同じ位置に配置することができない車両に対しても上記の車両前部構造を適用することができる。

0069

また、中間受圧部材13を省略する場合に、第一固定部11bと第二固定部12bとを接続させて上側受圧部材11と下側受圧部材12とを一体形成してもよい。この場合、二つの部材11,12が別体に設けられている場合と比較して、受圧部材をサイドメンバー2に対し簡単に装着することができる。

0070

本実施形態の車体前部構造では、吸収部材20を保持する保持部材30を備える構成を例示したが、保持部材30を省略した構成としてもよい。この場合、吸収部材20を車両1のボディ1Bに保持させることで同様の効果を得ることができる。つまり、保持部材30を省略したとしても、吸収部材20が受圧部材10よりも前方に配置されていれば同様の効果を得ることができる。

0071

また、本実施形態では、上側保持部材31と下側保持部材32との二つの部材を備えた保持部材30を例示したが、保持部材が、受圧部材10の内側に隙間なく収まる形状に形成された一つの中空の部材であってもよい。なお、保持部材が中空の部材でなくてもよい。

0072

本実施形態の車体前部構造では、ストッパ部材40を備える構成を例示したが、ストッパ部材40を省略した構成としてもよい。この場合、例えば、上側受圧部材11及び下側受圧部材12のそれぞれを直角三角柱状や直方体形状とすることで、上側受圧部材11及び下側受圧部材12のそれぞれを後方へ回転させにくくさせることができる。

0073

例えば、上側受圧部材が直角三角柱状の部材である場合には、直角を形成する二つの側面のうちの一方を上記の下面11aと同様に配置するとともに他方を後方に向かって斜め上方に延在するように配置すればよい。また、直角三角柱状の下側受圧部材もこれと同様に(上下対称に)配置する。このような構成であれば、受圧部材が上下に開いた際、すなわち、上側受圧部材及び下側受圧部材が後方に回転した際には、二つの側面のうちの他方がクラッシュボックス5に当接するため、下面11aに相当する一方の側面と上面12aに相当する一方の側面とがいずれも前方を向いた状態で止まり、後方への回転を規制することができる。

0074

なお、ストッパ部材40は、下面11a及び上面12aが前方を向くように上側受圧部材11及び下側受圧部材12を受け止める構成であればよく、上述の構成に限らない。例えば、ストッパ部材40は三角柱形状でなく、四角柱形状であってもよい。

0075

1 車両(フレーム車両)
1Aフレーム
1B ボディ
2サイドメンバー
3クロスメンバー
4マウント
5クラッシュボックス
10受圧部材
11 上側受圧部材
11a 下面
11b 第一固定部
12 下側受圧部材
12a 上面
12b 第二固定部
13 中間受圧部材
13a 前面
13h 孔部
20吸収部材
30保持部材
30a切欠き
30h 孔部
31 上側保持部材
32 下側保持部材
31f,32f 前面
31r,32r 後面
31u 上面
31b 第一下面
31e 第二下面
32b 下面
32u 第一上面
32e 第二上面
40ストッパ部材
50ボルト
51 ナット

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