図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
車両の骨格を形成する車体(フレーム)と内装パネルとの間の空間を利用してサブウーファを設置する「エクスターナルカップルド サブウーファ」と呼ばれる技術が知られている。当該技術の一例として、特許文献1には、トランクルームにサブウーファを設けた事例が開示される。この種のサブウーファがバスレフ型(位相反転方型)と呼ばれる非密閉式のサブウーファである場合、ハウジングに開口部が必要になる。ハウジングは、音出力部の背面を覆う空洞の箱形筐体である。ハウジングの開口部は、音出力部で発生した音をハウジングの外部に排出するための穴である。
このような構造を有するバスレフ型サブウーファを、キャビンが荷台と分離されたピックアップトラックなどの車両に設置する場合、キャビン内部に音出力部が設けられ、ハウジングは、この音出力部から、キャビンを構成するフレームに形成される貫通孔に向かって伸びるように設けられる。そして、ハウジングの音出力部側とは反対側の端部は、当該貫通孔と連通するように設けられる。これにより、音出力部で発生した音がキャビンを構成するフレームの外部に排出される。
概要
音出力部への異物の浸入を抑制できるサブウーファを得ること。サブウーファ100は、車両のキャビンに設けられ音を出力する音出力部110と、音出力部110からキャビンの背面9aに形成される貫通孔9a1に向かって伸びるハウジング120とを備える。ハウジング120の音出力部110側とは反対側の端部は、貫通孔9a1を介して背面9aの外側に突き出ると共に背面9aの外側に開口する。これにより、ハウジング120の突き出た部分が、キャビンの背面9aの外側に伝わってきた異物の浸入を防ぐ庇として機能して、音出力部110への異物の浸入を抑制できる
目的
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、音出力部への異物の浸入を抑制することを目的とする
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
技術分野
0001
本発明は、車両に設けられるサブウーファに関する。
背景技術
0002
車両の骨格を形成する車体(フレーム)と内装パネルとの間の空間を利用してサブウーファを設置する「エクスターナルカップルド サブウーファ」と呼ばれる技術が知られている。当該技術の一例として、特許文献1には、トランクルームにサブウーファを設けた事例が開示される。この種のサブウーファがバスレフ型(位相反転方型)と呼ばれる非密閉式のサブウーファである場合、ハウジングに開口部が必要になる。ハウジングは、音出力部の背面を覆う空洞の箱形筐体である。ハウジングの開口部は、音出力部で発生した音をハウジングの外部に排出するための穴である。
0003
このような構造を有するバスレフ型サブウーファを、キャビンが荷台と分離されたピックアップトラックなどの車両に設置する場合、キャビン内部に音出力部が設けられ、ハウジングは、この音出力部から、キャビンを構成するフレームに形成される貫通孔に向かって伸びるように設けられる。そして、ハウジングの音出力部側とは反対側の端部は、当該貫通孔と連通するように設けられる。これにより、音出力部で発生した音がキャビンを構成するフレームの外部に排出される。
先行技術
0004
特開2018−170563号公報
発明が解決しようとする課題
0005
しかしながら、上記のようにバスレフ型サブウーファをピックアップトラックなどの車両に設けた場合、ハウジングの音出力部側とは反対側の端部がフレームに形成される貫通孔と連通しているため、フレームの外側に伝わってきた雨水、塵埃などの異物が、ハウジングの端部、ハウジングの内部、音出力部の順で浸入して、サブウーファの動作に影響を与える可能性があるという課題があった。
0006
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、音出力部への異物の浸入を抑制することを目的とする。
課題を解決するための手段
0007
上記の課題を解決するため、本発明の実施の形態に係るサブウーファは、車両のキャビンに設けられ音を出力する音出力部と、前記音出力部から前記キャビンの背面に形成される貫通孔に向かって伸びるハウジングと、を備える。前記ハウジングの前記音出力部側とは反対側の端部は、前記貫通孔を介して前記背面の外側に突き出ると共に前記背面の外側に開口する。
0008
本実施の形態によれば、ハウジングの端部がフレームに形成される貫通孔を介してフレームの外側に突き出ているため、ハウジングの突き出た部分が、フレームの外側に伝わってきた異物の浸入を防ぐ庇として機能して、音出力部への異物の浸入を抑制できる。
0009
また本発明の実施の形態に係るサブウーファは、車両のキャビンに設けられ音を出力する音出力部と、前記音出力部から前記キャビンの背面に形成される貫通孔に向かって伸びるハウジングと、を備える。前記ハウジングの前記音出力部側とは反対側の端部は、前記背面の外側に開口する。前記ハウジングは、前記貫通孔を前記キャビンの内側に向かって水平方向に投影してなる領域より上側に存在する屈曲部を備える。
0010
本実施の形態によれば、屈曲部からハウジングの端部までの間に傾斜面が形成されるため、ハウジングの端部に形成される開口部に雨水などの異物が吹き込んだ場合でも、異物は、当該傾斜面に当たり、ハウジングの端部側に垂れ下がる。その結果、音出力部への異物の浸入を抑制できる。
発明の効果
0011
本発明によれば、音出力部への異物の浸入を抑制できる、という効果を奏する。
図面の簡単な説明
0012
本発明の実施の形態に係るサブウーファを備えた車両の側面図である。
図1に示されるサブウーファの第1外観斜視図である。
図1に示されるサブウーファの第2外観斜視図である。
本実施の形態に係るサブウーファが設けられたキャビンを斜め後方から見た斜視図である。
図4のV−V線における矢視図である。
本実施の形態に係るサブウーファの変形例を説明するための図である。
実施例
0013
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
0014
実施の形態.
図1は本発明の実施の形態に係るサブウーファを備えた車両の側面図である。図1及び図2以降において、X軸、Y軸及びZ軸は、互いに垂直な3軸とする。X軸に平行な方向はX軸方向とする。X軸方向は、車両8の進行方向に等しい。X軸方向のうち、矢印で示す方向は、プラスX軸方向とし、当該方向とは逆の方向は、マイナスX軸方向とする。Y軸に平行な方向はY軸方向とする。Y軸方向は、車両8の鉛直方向に等しい。Y軸方向のうち、矢印で示す方向は、プラスY軸方向とし、当該方向とは逆の方向は、マイナスY軸方向とする。Z軸に平行な方向はZ軸方向とする。Z軸方向は、車両8の左右方向に等しい。Z軸方向のうち、矢印で示す方向は、プラスZ軸方向とし、当該方向とは逆の方向は、マイナスZ軸方向とする。
0015
図1には車両8の一例としてピックアップトラックが示される。なお、車両8は、キャビン9が荷台80と分離されたものであればよく、ピックアップトラックに限定されない。車両8のキャビン9には、乗客用のシート10が設けられる。シート10の座面部10aはキャビン9の床面9bに設けられる。シート10の背もたれ部10bはキャビンの床面9bから天井面9cに向かって伸びる形状である。シート10の背もたれ部10bのプラスX軸方向の面と、キャビン9の背面9aとの間には、隙間90が形成される。キャビン9の背面9aは、キャビン9を構成するフレームの一部であり、キャビン9内と車両8の荷台80とを仕切る仕切り板としての機能を有する。本実施の形態に係るサブウーファ100は、隙間90を利用して設置される。
0016
サブウーファ100は、車両8のキャビン9内に設けられ音を出力する音出力部110と、音出力部110からキャビン9を構成する背面9aに形成される貫通孔(不図示)に向かって伸びるハウジング120とを備える。サブウーファ100の構成の詳細は後述する。
0017
以下では、まずサブウーファ100の構成について説明し、その後に車両8へサブウーファ100を取り付けた状態などについて説明する。
0018
図2は図1に示されるサブウーファの第1外観斜視図である。図3は図1に示されるサブウーファの第2外観斜視図である。図2には、サブウーファ100を正面100a側から見た状態が示される。図3には、サブウーファ100を背面100b側から見た状態が示される。
0019
サブウーファ100は、開口部200(図3)を有するバスレフ型サブウーファである。バスレフ型サブウーファでは、ヘルムホルツの共鳴の原理によって低音域で共振点が作られるため、密閉方式のサブウーファに比べて、伸びやかで豊かな低音を実現できる。
0020
音出力部110は、環状の筐体111と、筐体111の正面100a側に設けられる振動板112とを備える。また、音出力部110には、筐体111、振動板112など以外にも、振動板112を振動させる不図示の磁気回路が設けられる。当該磁気回路は、筐体111の径方向内側の空間に設けられる。当該磁気回路に、車両8に設けられる駆動回路から駆動信号が与えられることによって、磁気回路を構成するボイスコイルが振動して、ボイスコイルに接する振動板112が振動する。
0022
ハウジング120は「エンクロージャ」と呼ばれる空洞の箱形筐体である。図3に示すようにハウジング120は、Y軸方向に伸びる箱形の第1筐体121と、第1筐体121からX軸方向に伸びる箱形の第2筐体122とにより構成される。第1筐体121及び第2筐体122は、一体成形で製造されたものでもよいし、互いに別体で製造されたものを組み合わせることで製造されたものでもよい。
0023
第1筐体121は、マイナスX軸方向の端面121aの内、マイナスY軸方向の端面121b寄りの部分が、音出力部110の背面100bに接続されている。第1筐体121の音出力部110への接続箇所には不図示の開口部が形成されており、この開口部が音出力部の内部空間と連通している。第1筐体121は、音出力部110との接続箇所からプラスY軸方向に伸びる。第1筐体121のプラスY軸方向の端面121c寄りの部分には、第2筐体122が形成されている。第1筐体121と第2筐体122はそれぞれの内部空間が連通している。従って、第2筐体122の内部空間は、第1筐体121の内部空間を介して、音出力部110の背面100bと連通している。
0024
第2筐体122は、第1筐体121との連通箇所からプラスX軸方向に伸びる。第2筐体122のプラスX軸方向の端部122aには、端部122aの周囲を取り囲む環状の鍔部122bが形成される。
0025
鍔部122bは、第2筐体122の端部122aから、第2筐体122の外側に伸びる。鍔部122bは、第2筐体122のプラスX軸方向の端部122aを補強する補強部材として機能すると共に、第2筐体122の外側面に付着した雨水などが第2筐体122の内側面に回り込むことを防止するための折り返し部材として機能する。
0026
次に、車両8へサブウーファ100を取り付けた状態を説明する。
0027
図4は本実施の形態に係るサブウーファが設けられたキャビンを斜め後方から見た斜視図である。図4に示すようにキャビン9の背面9aには貫通孔9a1が形成されており、この貫通孔9a1には、第2筐体122が貫通している。第2筐体122の端部122aは、荷台80の床面81から、プラスY軸方向に一定距離離れた位置に配置される。
0028
図5は図4のV−V線における矢視図である。音出力部110は、キャビン9の床面9bに固定される。例えば音出力部110に設けられる不図示の固定部材にネジがねじ込まれ、さらに、このネジの雄ネジ部がキャビン9の床面9bにねじ込まれることによって、音出力部110がキャビン9の床面9bに固定される。このように固定された音出力部110のプラスX軸方向にはハウジング120が設けられる。ハウジング120は、音出力部110から、キャビン9の背面9aに形成される貫通孔9a1に向かって伸びる。そして、ハウジング120を構成する第2筐体122のプラスX軸方向の端部122aは、キャビン9の外部に露出するように設けられる。従って、第2筐体122の端部122aに形成される開口部200は、キャビン9の外部に晒された状態となっている。なお、第2筐体122と、キャビン9の背面9aに形成される貫通孔9a1との間には、雨水などの浸入を防止するためのゴムパッキンなどを設けてもよい。
0029
図5に示す点線矢印Aは、音出力部110で発生した音の伝搬経路を表す。音出力部110が駆動することによって第2筐体122の内部空間を伝搬する音は、第2筐体122の端部122aに形成される開口部200から排出される。
0030
従来では、第2筐体122のプラスX軸方向の端部122aが、キャビン9の背面9aの内側(室内側)に接続されていたため、第2筐体122のプラスX軸方向の端部122aが、キャビン9の背面9aに形成される貫通孔9a1と連通している。従って、このように構成されたサブウーファでは、例えばキャビン9の天井面9cから背面9aの外側に伝わってきた大量の雨水が、第2筐体122の端部122a、第2筐体122の内部、音出力部110の順で浸入して、サブウーファの動作に影響を与える可能性がある。
0031
これに対して、本実施の形態のサブウーファ100では、第2筐体122のプラスX軸方向の端部122aが、キャビン9の背面9aから、プラスX軸方向に一定距離離れた位置に配置される。そのため、第2筐体122のプラスX軸方向の端部122aが、キャビン9の背面9aから突き出た形となり、雨水などの異物の浸入を防ぐ庇として機能する。従って、第2筐体122の端部122aに形成される開口部200がキャビン9の外部に晒されていたとしても、例えば、キャビン9の背面9aに伝わってきた雨水の、ハウジング120及び音出力部110への浸入を抑制できる。
0032
図6は本実施の形態に係るサブウーファの変形例を説明するための図である。図6に示されるサブウーファ100Aは、図5に示される第2筐体122の代わりに第2筐体122Aを備える。第2筐体122Aは屈曲部122cを有する。屈曲部122cは、キャビン9の背面9aに形成される貫通孔9a1を、キャビンの内側に向かって水平方向(マイナスX軸方向)に投影してなる領域ARより上側に存在する。
0033
このように構成される屈曲部122cを用いることによって、第2筐体122Aの屈曲部122cから端部122aまでの間に傾斜面が形成される。この傾斜面は、屈曲部122cから貫通孔9a1に向かうにつれて、マイナスY軸に下るように傾斜している。第2筐体122Aの端部122aに形成される開口部200に雨水が吹き込んだ場合でも、雨水は、当該傾斜面に当たり、第2筐体122Aの端部122a側に垂れ下がるため、音出力部110側への雨水の浸入が抑制される。
0034
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
0035
8 車両、9キャビン、9a 背面、9a1貫通孔、9b 床面、9c天井面、10シート、10a 座面部、10b背もたれ部、80荷台、90 隙間、100サブウーファ、100A サブウーファ、100a 正面、100b 背面、110音出力部、111筐体、112振動板、120ハウジング、121 第1筐体、121a 端面、121b 端面、121c 端面、122 第2筐体、122A 第2筐体、122a 端部、122b 鍔部、122c屈曲部、200 開口部。