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技術 セラミックグリーンシートの切断刃並びに該切断刃を用いた切断・剥離方法及び切断・剥離装置

出願人 太陽誘電株式会社
発明者 帖佐千夏佐藤剛松口圭一菅野達敏宮尾鋼太朗
出願日 2019年2月25日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-031351
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-131652
状態 未査定
技術分野 非金属の切断装置1 材料からの成形品の製造 後処理、加工、供給、排出、その他の装置
主要キーワード 検証品 フロロサーフ カットテーブル 断面材 摩擦界面 プラズマ原料ガス 積層ステージ グラファイト結合
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課題

キャリアフィルム上にセラミックスラリーが塗布・乾燥されてなる、キャリアシート付きセラミックグリーンシートの切断において、切断刃摩耗及び切断刃へのカスの付着によって起こる切れ味劣化の問題を解決し、用いる切断刃の長寿命化を可能とするセラミックグリーンシートの切断刃、並びにそれを用いた切断・剥離方法及び切断・剥離装置を提供する。

解決手段

刃先被覆に、炭化水素原料とするプラズマCVD法により形成された、水素原子を含む非晶質炭素膜を用いることにより、好ましくは、該非晶質炭素膜として、その表面にフッ素系シランカップリング剤層を有する膜を用いることにより、切断刃の摩耗及び切断刃へのカスの付着によって起こる切れ味劣化防止する。

概要

背景

積層コンデンサ積層インダクタ等の積層型セラミック電子部品を製造する際には、セラミックグリーンシート内部電極材料とを交互に積層した後、これを焼成した積層体が用いられている。
積層型セラミック電子部品の製造に用いられるセラミックグリーンシートは、非常に薄いため、製造する際の取り扱いが困難であり、製造を容易にすること等を目的として、その一面がキャリアフィルムによって支えられた状態、即ち、キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートとして提供されている。

このキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートは、一般的に、ローラを用いて基材であるキャリアフィルムを送り出しつつ、その上に塗工ヘッドからセラミックスラリー吐出して連続的に塗工を施し、塗工されたセラミックスラリーを下流にある乾燥炉で乾燥させることによって製造されている。乾燥後のキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートは、そのまま積層型セラミック電子部品の製造ライン搬入されるか、或いは、巻取ロールに巻き取られ、該巻取ロールが積層型セラミック電子部品の製造ラインに搬入される。

電子部品の製造ラインにおいては、前記のキャリアフィルム付きセラミックスグリーンシート内部電極印刷された後、或いは内部電極が印刷される前に、セラミックグリーンシートのみが所定形状に切断され、切断されたセラミックグリーンシートはキャリアフィルムから剥離される。そして、この剥離されたセラミックグリーンシートは、次工程である積層ステージへ搬送され、そこで多層に積層されて積層体に成型される。

通常、このセラミックグリーンシートの切断・剥離工程では、吸引保持機能を備えたカットテーブルに、前記キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートを送り込み、該カットテーブル上にキャリア付きセラミックグリーンシートを吸引保持した状態で、切断刃を用いてセラミックグリーンシートを、例えば四角形などの所定の形状に切断した後、セラミックグリーンシートを吸着盤にて吸着保持してキャリアフィルムから剥離される(特許文献1等)。
ここで、セラミックグリーンシートの切断が不十分であると、キャリアフィルムから剥離できない状態(剥離不良)が起こる。

セラミックグリーンシートの切断に用いられる切断刃は、セラミックグリーンシートの切断により、その切断刃の切れ味が悪くなる。また、切断刃の切れ味が悪くなると、セラミックグリーンシートカスが発生しやすくなる。
このように、切断刃の切れ味の悪化、及び、切断刃へのセラミックグリーンシートカスの付着の両者が相俟って、グリーンシートカスが切断刃に付着しやすくなり、セラミックグリーンシートの切断が不十分になって、キャリアフィルムからの剥離不良が発生するようになるために、頻繁な切断刃の交換が必要になるという問題がある。

一方、切削刃においては、工具表面の損傷を小さくして高寿命・高効率加工を行うこと、及び被切断面材仕上げ高品位に行うことが求められており、そのために切断刃の刃先非晶質カーボンからなる膜を備えることが提案されている(特許文献2〜5)。例えば、特許文献2、3では、切断刃の耐摩耗性及び耐密着性を得ることを目的として、膜中における水素量が5原子%以下の非晶質炭素膜を用いることが記載されており、その理由として、炭化水素系のガスを使ったプラズマCVD法により形成された被膜は、被膜中水素原子が含まれてしまうことから、硬度極端に低下し、過酷な切削環境下で使用することが困難であるとしている。また、特許文献4、5にも、刃先の鋭利性を維持することを目的として、非晶質炭素膜で被覆することが記載されている。
しかしながら、いずれも、キャリアシート付きセラミックグリーンシートの切断おいて、切断刃の摩耗と相俟ってセラミックグリーンシートカスが切断刃に付着しやすくなり、セラミックグリーンシートの切断が不十分になることについてはなんら触れられていない。

概要

キャリアフィルム上にセラミックスラリーが塗布・乾燥されてなる、キャリアシート付きセラミックグリーンシートの切断において、切断刃の摩耗及び切断刃へのカスの付着によって起こる切れ味劣化の問題を解決し、用いる切断刃の長寿命化を可能とするセラミックグリーンシートの切断刃、並びにそれを用いた切断・剥離方法及び切断・剥離装置を提供する。刃先の被覆に、炭化水素を原料とするプラズマCVD法により形成された、水素原子を含む非晶質炭素膜を用いることにより、好ましくは、該非晶質炭素膜として、その表面にフッ素系シランカップリング剤層を有する膜を用いることにより、切断刃の摩耗及び切断刃へのカスの付着によって起こる切れ味劣化防止する。 なし

目的

本発明は、こうした現状を鑑みてなされたものであり、キャリアフィルム上にセラミックスラリーが塗布・乾燥されてなる、キャリアシート付きセラミックグリーンシートの切断において、セラミックグリーンシートを切断する際に発生する、セラミックグリーンシートをすると、切断刃の切れ味が悪くなるという問題、及び切断刃の切れ味が悪くなることによってセラミックグリーンシートの切断によるカスが増え、それによって切れ味劣化によるセラミックグリーンシートの切断不良が発生するという問題を解決して、切断刃の長寿命化を可能とするキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断刃を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

少なくとも刃先に、厚さが0.03μm以上0.5μm以下の、プラズマCVD法により形成された水素原子を含有する非晶質炭素膜を有することを特徴とするキャリアフィルム付きセラミックグリーンシート切断刃

請求項2

前記非晶質炭素膜が、その表面にフッ素系シランカップリング剤層を有することを特徴とする請求項1に記載の、キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断刃。

請求項3

前記非晶質炭素膜が、少なくともその表面に珪素、或いは珪素及び酸素を含むことを特徴とする請求項2に記載の、キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断刃。

請求項4

カットテーブル上に、表面にセラミックグリーンシートが所定の厚さに形成されたキャリアフィルムを配置し、該キャリアフィルムを前記カットテーブル上に吸引保持した後、切断刃を用いて前記セラミックグリーンシートを所定の形状に切断し、切断されたセラミックグリーンシートを吸着保持してキャリアフィルムから剥離する方法において、前記切断刃の少なくとも刃先に、プラズマCVD法により、膜厚0.03μm以上0.5μm以下の非晶質炭素膜を形成したことを特徴とするキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断・剥離方法

請求項5

前記非晶質炭素膜の表面にフッ素系シランカップリング剤層を形成することを特徴とする請求項4に記載の、キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断・剥離方法。

請求項6

前記非晶質炭素膜が、少なくともその表面に珪素、或いは珪素及び酸素を含むことを特徴とする請求項5に記載の、キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断・剥離方法。

請求項7

カットテーブル上に、表面にセラミックグリーンシートが所定の厚さに形成されたキャリアフィルムを配置する手段と、前記カットテーブル上で、前記キャリアフィルムを吸引保持する手段と、前記キャリアフィルム上のセラミックグリーンシートを所定形状に切断する手段と、前記切断されたセラミックグリーンシートを吸引保持して前記キャリアフィルムから剥離する手段とを少なくとも備えた切断・剥離装置において、前記切断刃が、少なくとも刃先に、厚さが0.03μm以上0.5μm以下の、プラズマCVD法により形成された水素原子を含有する非晶質炭素膜を有することを特徴とするキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断・剥離装置。

請求項8

前記非晶質炭素膜が、その表面にフッ素系シランカップリング剤層を有することを特徴とする請求項7に記載の、キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断・剥離装置。

請求項9

前記非晶質炭素膜が、少なくともその表面に珪素、或いは珪素及び酸素を含むことを特徴とする請求項8に記載の、キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断・剥離装置。

技術分野

0001

本発明は、セラミックグリーンシート切断刃に関し、特に、積層型セラミックス電子部品等の製造に用いられるキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断に用いられる切断刃、並びに該切断刃を用いた切断・剥離方法及び切断・剥離装置に関する。

背景技術

0002

積層コンデンサ積層インダクタ等の積層型セラミック電子部品を製造する際には、セラミックグリーンシートと内部電極材料とを交互に積層した後、これを焼成した積層体が用いられている。
積層型セラミック電子部品の製造に用いられるセラミックグリーンシートは、非常に薄いため、製造する際の取り扱いが困難であり、製造を容易にすること等を目的として、その一面がキャリアフィルムによって支えられた状態、即ち、キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートとして提供されている。

0003

このキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートは、一般的に、ローラを用いて基材であるキャリアフィルムを送り出しつつ、その上に塗工ヘッドからセラミックスラリー吐出して連続的に塗工を施し、塗工されたセラミックスラリーを下流にある乾燥炉で乾燥させることによって製造されている。乾燥後のキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートは、そのまま積層型セラミック電子部品の製造ライン搬入されるか、或いは、巻取ロールに巻き取られ、該巻取ロールが積層型セラミック電子部品の製造ラインに搬入される。

0004

電子部品の製造ラインにおいては、前記のキャリアフィルム付きセラミックスグリーンシート内部電極印刷された後、或いは内部電極が印刷される前に、セラミックグリーンシートのみが所定形状に切断され、切断されたセラミックグリーンシートはキャリアフィルムから剥離される。そして、この剥離されたセラミックグリーンシートは、次工程である積層ステージへ搬送され、そこで多層に積層されて積層体に成型される。

0005

通常、このセラミックグリーンシートの切断・剥離工程では、吸引保持機能を備えたカットテーブルに、前記キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートを送り込み、該カットテーブル上にキャリア付きセラミックグリーンシートを吸引保持した状態で、切断刃を用いてセラミックグリーンシートを、例えば四角形などの所定の形状に切断した後、セラミックグリーンシートを吸着盤にて吸着保持してキャリアフィルムから剥離される(特許文献1等)。
ここで、セラミックグリーンシートの切断が不十分であると、キャリアフィルムから剥離できない状態(剥離不良)が起こる。

0006

セラミックグリーンシートの切断に用いられる切断刃は、セラミックグリーンシートの切断により、その切断刃の切れ味が悪くなる。また、切断刃の切れ味が悪くなると、セラミックグリーンシートカスが発生しやすくなる。
このように、切断刃の切れ味の悪化、及び、切断刃へのセラミックグリーンシートカスの付着の両者が相俟って、グリーンシートカスが切断刃に付着しやすくなり、セラミックグリーンシートの切断が不十分になって、キャリアフィルムからの剥離不良が発生するようになるために、頻繁な切断刃の交換が必要になるという問題がある。

0007

一方、切削刃においては、工具表面の損傷を小さくして高寿命・高効率加工を行うこと、及び被切断面材仕上げ高品位に行うことが求められており、そのために切断刃の刃先非晶質カーボンからなる膜を備えることが提案されている(特許文献2〜5)。例えば、特許文献2、3では、切断刃の耐摩耗性及び耐密着性を得ることを目的として、膜中における水素量が5原子%以下の非晶質炭素膜を用いることが記載されており、その理由として、炭化水素系のガスを使ったプラズマCVD法により形成された被膜は、被膜中水素原子が含まれてしまうことから、硬度極端に低下し、過酷な切削環境下で使用することが困難であるとしている。また、特許文献4、5にも、刃先の鋭利性を維持することを目的として、非晶質炭素膜で被覆することが記載されている。
しかしながら、いずれも、キャリアシート付きセラミックグリーンシートの切断おいて、切断刃の摩耗と相俟ってセラミックグリーンシートカスが切断刃に付着しやすくなり、セラミックグリーンシートの切断が不十分になることについてはなんら触れられていない。

先行技術

0008

特開2002−273719号公報
特開2003−62705号公報
特開2003−62706号公報
特開2005−307284号公報
特開2005−46935号公報
国際公開第2011/108625号

発明が解決しようとする課題

0009

このように、非晶質炭素膜により切断刃の耐摩耗性を向上させる手法は、既に提案されているものの、キャリアシート付きセラミックグリーンシートの切断において、切断刃の摩耗と相俟って生じる切断刃へのセラミックグリーンシートカスの付着、及びそれによって生じるセラミックグリーンシートの切断不良に起因するキャリアフィルムの剥離不良についてはなんら検討されていないのが現状である。

0010

本発明は、こうした現状を鑑みてなされたものであり、キャリアフィルム上にセラミックスラリーが塗布・乾燥されてなる、キャリアシート付きセラミックグリーンシートの切断において、セラミックグリーンシートを切断する際に発生する、セラミックグリーンシートをすると、切断刃の切れ味が悪くなるという問題、及び切断刃の切れ味が悪くなることによってセラミックグリーンシートの切断によるカスが増え、それによって切れ味劣化によるセラミックグリーンシートの切断不良が発生するという問題を解決して、切断刃の長寿命化を可能とするキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断刃を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0011

本発明者は、切断刃の摩耗及び切断刃へのカスの付着によって起こる切れ味劣化の問題を解決し、長寿命化を可能とするセラミックグリーンシートの切断刃について検討したところ、刃先の被覆に、特定の非晶質炭素膜を用いることにより解決しうるという知見を得た。
即ち、上記特許文献2、3に記載の、水素原子含有量の少ない非晶質炭素膜を刃先の被覆に用いた場合、耐摩耗性を向上させることは可能であるが、カスの付着を防止するには不十分であることが判明した。
これに対し、刃先の被覆に、炭化水素を原料とするプラズマCVD法により形成された、水素原子を含む非晶質炭素膜を用いることにより、切断刃の摩耗及び切断刃へのカスの付着によって起こる切れ味劣化の問題を解決できることを見いだした。
また、刃先の被覆に用いる非晶質炭素膜として、その表面にフッ素系シランカップリング剤層を有する膜(上記特許文献6等参照)を用いることにより、より一層、切断刃の摩耗及び切断刃へのカスの付着によって起こる切れ味劣化の問題を解決できることを見いだした。

0012

本発明はこれらの知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
<1>少なくとも刃先に、厚さが0.03μm以上0.5μm以下の、プラズマCVD法により形成された水素原子を含有する非晶質炭素膜を有することを特徴とするキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断刃。
<2>前記非晶質炭素膜が、その表面にフッ素系シランカップリング剤層を有することを特徴とする<1>に記載の、キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断刃。
<3>前記非晶質炭素膜が、少なくともその表面に珪素、或いは珪素及び酸素を含むことを特徴とする<1>に記載の、キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断刃。
<4>カットテーブル上に、表面にセラミックグリーンシートが所定の厚さに形成されたキャリアフィルムを配置し、該キャリアフィルムを前記カットテーブル上に吸引保持した後、切断刃を用いて前記セラミックグリーンシートを所定の形状に切断し、切断されたセラミックグリーンシートを吸着保持してキャリアフィルムから剥離する方法において、
前記切断刃の少なくとも刃先に、プラズマCVD法により、膜厚0.03μm以上0.5μm以下の非晶質炭素膜を形成したことを特徴とするキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断・剥離方法。
<5>前記非晶質炭素膜の表面にフッ素系シランカップリング剤層を形成することを特徴とする<4>に記載の、キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断・剥離方法。
<6>前記非晶質炭素膜が、少なくともその表面に珪素、或いは珪素及び酸素を含むことを特徴とする<5>に記載の、キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断・剥離方法。
<7>カットテーブル上に、表面にセラミックグリーンシートが所定の厚さに形成されたキャリアフィルムを配置する手段と、
前記カットテーブル上で、前記キャリアフィルムを吸引保持する手段と、
前記キャリアフィルム上のセラミックグリーンシートを所定形状に切断する手段と、
前記切断されたセラミックグリーンソートを吸引保持して前記キャリアフィルムから剥離する手段と
を少なくとも備えた切断・剥離装置において、
前記切断刃が、少なくとも刃先に、厚さが0.03μm以上0.5μm以下の、プラズマCVD法により形成された水素原子を含有する非晶質炭素膜を有することを特徴とするキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断・剥離装置。
<8>前記非晶質炭素膜が、その表面にフッ素系シランカップリング剤層を有することを特徴とする<7>に記載の、キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断・剥離装置。
<9>前記非晶質炭素膜が、少なくともその表面に珪素、或いは珪素及び酸素を含むことを特徴とする<8>に記載の、キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断・剥離装置。

0013

本発明によれば、キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断刃における、切断刃の摩耗及び切断刃へのカスの付着によって起こる切れ味劣化の問題を解決できるので、長寿命化を可能としたキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断刃、並びに該切断刃を用いた切断剥離方法及び該切断刃を用いた切断・剥離装置を提供することができる。

0014

本発明のキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断刃は、少なくとも刃先に、プラズマCVD法により形成された水素原子を含有する非晶質炭素膜を有することを特徴とする。
また、前記非晶質炭素膜が、さらにその表面にフッ素系シランカップリング剤層を有することが好ましい。
以下、本発明のキャリア付きセラミックグリーンシートの切断刃を構成する各部について説明する。

0015

<切断刃>
本発明において、切断刃に使用される基材は超硬部材からなるものであって、用いられる超硬部材としては、超鋼JISV20に相当するものが好ましく用いられ、具体的は、TF15(三菱マテリアル)、KD10(共立合金製作所)等が挙げられる。

0016

通常、キャリア付きセラミックグリーンシートを切断する方法としては、丸刃を回転させて切断する方法や、平刃状或いは所定形状を有する切断刃を押し下げて切断乃至打抜く方法等がある。本発明に係る切断刃の形状・大きさは、特に限定されるものではなく、これらの切断方法に応じて、適宜選択される。

0017

<非晶質炭素膜>
非晶質炭素膜は、ダイヤモンド結合(sp3結合)とグラファイト結合(sp2結合)との双方を含む非晶質炭素からなるものである。
本発明の切断刃において、その少なくとも刃先にプラズマCVD法により形成される非晶質炭素膜は、実質的に炭素からなる非晶質膜のみならず、sp3結合及びsp2結合を有しつつ、成膜時に取り込まれた水素(H)を含む非晶質炭素膜(以下、「a−C:H膜」ということもある)であり、色調、光透過性導電性若しくは反応性等の各種特性を調節するために添加された1種若しくは複数種元素を含有するa−C:H膜も含まれる。前記各種特性を調節するための元素としては、珪素(Si)、酸素(O)、ホウ素(B)、窒素(N)、硫黄(S)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)及びジルコニウム(Zr)等が例示される。

0018

本発明の切断刃においては、その少なくとも刃先に、プラズマCVD法により形成された水素原子を含有する非晶質炭素膜(a−C:H膜)を有することにより、キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断刃における、切断刃の摩耗及び切断刃へのカスの付着によって起こる切れ味劣化の問題を解決できる。
その理由はまだ充分に明らかではないが、非晶質炭素膜が水素原子を含有する場合、摩擦界面に炭化水素系の潤滑剤の役目を果たす層が形成され、グリーンシートカスの発生を抑制するため、及び水素原子を含有する非晶質炭素膜の場合、平滑性が高いため、グリーンシートカスの発生を抑制するため、と考えられる。

0019

本発明の切断刃において、a−C:H膜の厚さは、厚すぎると切れ味が悪化し、薄すぎると切れ味劣化の抑制効果が悪くなるため、0.03μm以上0.5μm以下が好ましく、0.3μm前後のものがさらに好ましい。
また、前記a−C:H膜の厚さは、その表面にフッ素系シランカップリング剤層を有する場合は薄くすることができ、好ましい厚さを0.1μm前後とすることができる。

0020

シランカップリング剤層
本発明の切断刃におけるシランカップリング剤層に用いるシランカップリング剤は、特に限定されないが、一例として、フッ素系シランカップリング剤が挙げられる。フッ素系シランカップリング剤を用いることにより、セラミックグリーンシートカスがより付着しにくい切断刃を得ることができる。
フッ素系シランカップリング剤は、一般式RfnSiX4−n(ただし、Rfは撥液性発現するフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキル基であり、Xはヒドロキシ基又は加水分解によりヒドロキシ基を生じる基であり、nは1〜3の整数である)で表されるシランカップリング剤であって、 特に限定されるものではないが、例えば、フロロサーフ社のFG−5010Z130−0.2等が例示される。
本発明において、切断刃へのシランカップリング剤層の形成方法としては、特に限定されず、シランカップリング剤の溶液を塗布するか、或いはシランカップリング剤の溶液中に浸漬した後、乾燥する方法や、シランカップリング剤を噴霧する方法等が採用できる。
本発明の切断刃において、形成されるシランカップリング剤層の厚さは特に限定されず、1nm〜100nm程度が例示される。

0021

前記a−C:H膜の表面にフッ素系シランカップリング剤層を形成させる場合、フッ素系シランカップリング剤層との密着性を向上させるために、前記前記a−C:H膜は、少なくとも表面に珪素を含むことが好ましい。
a−C:H膜中の珪素の含有量は特に限定されるものではないが、前述の作用を高める点で、0.1〜50原子%とすることが好ましく、10〜40原子%とすることがより好ましい。
前記a−C:H膜は、さらに、表面に酸素を含んでいることが好ましい。
少なくとも表面に珪素を含むa−C:H膜からなる層、或いは、少なくとも表面に珪素及び酸素を含むa−C:H膜からなる層を形成することにより、シランカップリング剤膜との間で十分な接着強度が得られる(上記特許文献6参照)。

0022

本発明におけるa−C:H膜は、プラズマCVD法を用いて形成されるが、プラズマ原料ガスに、テトラメチルシランメチルシランジメチルシラントリメチルシランジメトキシジオメチルシラン若しくはテトラメチルシクロテトラシロキサンなどシリコンを含有する炭化水素系のガスを用いることで、珪素を含有するa−C:H膜(a−C:H:Si膜)を得ることができる。

0023

また、表面に珪素及び酸素を含むa−C:H膜を得る方法としては、
(a)テトラメチルシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジメトキシジオメチルシラン若しくはテトラメチルシクロテトラシロキサンなどに、酸素を含むガスを同時に混合する方法、
(b)メタンエチレンアセチレンベンゼンなどの炭化水素系のガスに、分子中にSi−O結合を有するガス、例えば、ヘキサメチルジシロキサンシロキサンなどのガスを同時に混合する方法、
(c)テトラメチルシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジメトキシジオメチルシラン若しくはテトラメチルシクロテトラシロキサンなどシリコンを含有する炭化水素系のプラズマ原料ガスで、珪素を含むa−C:H膜(a−C:H:Si膜)を成膜した後、その表面に酸素又は酸素を含むガスで形成するプラズマ照射する方法、
又は
(d)前記(a)若しくは(b)の方法でa−C:H膜を成膜した後、その表面に酸素又は酸素を含むガスで形成するプラズマを照射する方法、
等が代表的な方法として挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。

0024

本発明のキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断刃は、切断刃の摩耗及び切断刃へのカスの付着によって起こる切れ味劣化の問題を解決できるので、前述のようなセラミックグリーンシートの切断・剥離工程のみならず、他の工程におけるキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断にも用いることができる。
例えば、前項に記載したセラミックグリーンシートの製造工程において、生産効率を向上させるため、キャリアフィルム上にスラリーを塗工、乾燥された後、得られたキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートを、その長手方向に沿って複数個に切断してから、別々の巻取りロールに巻き取ることにより、一度に2つ以上の製品を得ることが提案されているが、この際に用いる切断刃としても用いることができる。

0025

以下、本発明の実施例、比較例(従来例)を用いて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例1、2及び比較例では、いずれも、最終仕上げ砥石番800番で研磨処理された超鋼(TF15、三菱マテリアル)の丸刃(20mmφ)を用いた。

0026

(実施例1)
高圧DCパルスプラズマCVD装置(図示せず)内に設けられた試料台上に、上記の丸刃を配置し、次に、反応容器密閉し、反応容器内の空気を7×10−4Paの真空度まで排気した。ついで、Arガスプラズマにて、Arガス流量15SCCM、ガス圧1.5Pa、印加電圧−4kVの条件で、15分間基材をクリーニングした。このクリーニング処理の後、反応容器内に、テトラメチルシランを流量15SCCMにて導入し、反応ガス圧1.5Pa、印加電圧−4Kvにて、密着層として下地のa−C:H膜を0.1μmの膜厚で成膜した。続いて、反応容器内にアセチレンを流量15SCCMにて導入し、反応ガス圧1.5Pa、印加電圧−4Kvにて、a−C:H膜を0.2μmの膜厚で成膜し、検証品1とした。
成膜条件は、高圧DCパルス電源にて、パルス周波数2kHz、パルス幅50μsである。

0027

(実施例2)
高圧DCパルスプラズマCVD装置(図示せず)内に設けられた試料台上に、上記の丸刃を配置し、次に、反応容器を密閉し、反応容器内の空気を7×10−4Paの真空度まで排気した。ついで、Arガスプラズマにて、Arガス流量15SCCM、ガス圧1.5Pa、印加電圧−4kVの条件で、15分間基材をクリーニングした。このクリーニング処理の後、反応容器内に、テトラメチルシランを流量15SCCMにて導入するとともに、テトラメチルシランとの流量混合比が4.5%になるように流量0.7SCCMの酸素ガスを導入し、反応容器内圧力1.5Pa、印加電圧−4Kv、成膜時間30分の条件で成膜を行った。その結果、膜厚約0.1μmのa−C:H:Si:O膜が得られた。
その後、フッ素系シランカップリング剤であるフロロサーフ社のFG−5010Z130−0.2の溶液(フッ素樹脂0.02〜0.2%、フッ素系溶剤99.8%〜99.98%)にディップ塗布し、2日間、室温にて乾燥させ、得られたものを検証品2とした。

0028

(比較例)
比較例では上記特許文献2、3に記載の方法を採用し、上記の丸刃上に、原料にグラファイトを用い、水素を含まない雰囲気下で物理的蒸着法により、非晶質カーボン膜を0.5μmの膜厚で成膜し、得られたものを比較品とした。

0029

剥離性の検証>
(検証に用いたもの)
キャリアフィルムとしてPETフィルムを用い、これに、チタン酸バリウムバインダーを主成分とするペーストAを塗布・乾燥させた、比較的剥離性が悪いキャリア付きセラミックグリーンシートAを用いた。
検証方法
カットテーブル上に搬送され、吸引保持されている前記キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートAの□20cm〜□40cmのセラミックグリーンシートの周囲に丸刃を転がし、キャリアフィルムを残して、セラミックグリーンシートのみを切断した。その後、キャリアフィルムから、平面のエア吸着盤を用いて、切断したセラミックグリーンシートを吸着・剥離した。
その際に、吸着・剥離できないことをもって剥離不良とカウントし、それを異常率として計算した。結果を表1に示す。

0030

0031

検証品1と検証品2は、比較品で剥離できなかったキャリアフィルム付グリーンシートに対してでも、剥離可能となることがわかった。

0032

寿命の検証>
(検証に用いたもの)
キャリアフィルムとしてPETフィルムを用い、これに、チタン酸バリウムとバインダーを主成分とするペーストBを塗布・乾燥させた、比較的剥離性が良好なキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートBを用いた。
(検証方法)
カットテーブル上に搬送され、吸引保持されている前記キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートBの□20cm〜□40cmのセラミックグリーンシートの周囲に丸刃を転がし、キャリアフィルムを残して、セラミックグリーンシートのみを切断した。その後、キャリアフィルムから、平面のエア吸着盤を用いて、切断したセラミックグリーンシートを吸着・剥離した。
その際に、吸着・剥離できないことをもって剥離不良とカウントし、それを異常率として計算した。
また、その水準が変化したところを寿命とし、比較品を1としたときの寿命を計算した。
結果を表2に示す。

0033

実施例

0034

表2に示すとおり、検証品1と検証品2は、比較品に比べて、異常率と寿命の点で高い性能を示した。

0035

本発明によれば、長寿命化を可能としたキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートの切断刃を提供することができるので、積層型セラミックスをはじめとする、キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートを用いる各種の電子部品の製造に用いることができる。

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