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技術 回転切削工具及び切削チップ

出願人 三菱マテリアル株式会社
発明者 幸俊彦遠藤国幸
出願日 2019年2月18日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2019-026936
公開日 2020年8月31日 (5ヶ月経過) 公開番号 2020-131341
状態 未査定
技術分野 フライス加工
主要キーワード 食い違い状態 空隙形状 切込み幅 切削板 ねじり加工 消音部材 切削片 平均線径
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年8月31日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (13)

課題

1周以上カールした所定長さのコイル状金属繊維を得る。

解決手段

コーナー刃を介して鈍角をなす主切れ刃及び副切れ刃とを有し、正面に形成された切削片案内溝は、主切れ刃と副切れ刃との延長上の交点から副切れ刃の長さ方向と直交する方向に沿う方向を0°としたときに−30°から+15°の角度範囲の断面において 、主切れ刃側から第1円弧部、第2円弧部がこの順に接続状態に形成されており、交点から第1円弧部の始端までの距離Xが0.1mm以上0.5mm以下、第1円弧部の始端から接続点までの距離Mが0.25mm以上2.0mm以下、接続点での切削片案内溝の深さDが0.1mm以上0.5mm以下、第2円弧部の曲率半径R2が0.5mm以上3.0mm以下、第1円弧部の曲率半径R1に対するR2の比率R2/R1が0.5以上2.0以下、第1円弧部の中心角θR1、及び第2円弧部の中心角θR2が、10°以上60°以下である。

概要

背景

各種電池における電極集電体熱交換器用部材消音部材フィルター衝撃吸収部材等として、本出願人は特許文献1等により多数の金属繊維焼結してなる多孔体を用いることを提案している。
特許文献1では、金属繊維は、直径Rが0.02mm以上、1.0mm以下の範囲内とされ、長さLと直径Rとの比L/Rが4以上、2500以下とされ、直線状、曲線状などのものが開示されている。また、金属繊維の一部にねじり加工曲げ加工等により所定の形状付与加工をされたものを用いると、繊維同士の間の空隙形状立体的かつ等方的に形成することができ、その結果、電熱特性及び導電性等の各種特性等方性向上に繋がると記載されている。
このような多孔体の製造に際しては、金属繊維を安定して作製できる技術の開発が求められる。
特許文献2には、そのような金属繊維をフライス盤切粉によって製造する技術が開示されており、多数の円板切削板同軸密着させ、その外周の切れ刃食い違い状態に配置したカッタにより、金属ブロックの表面を切削して切粉を得ることが記載されている。
特許文献3には、製造すべき繊維長さに等しい長さの刃部複数個階段状、凹凸状もしくは溝を介して並列状に配したバイト状の工具を用いて、金属ブロックを切削することにより、各刃部ごとに繊維軸線が切削方向と直角状をなし1本1本が分離独立した非円形断面の短繊維が作製されると記載されている。

概要

1周以上カールした所定長さのコイル状金属繊維を得る。コーナー刃を介して鈍角をなす主切れ刃及び副切れ刃とを有し、正面に形成された切削片案内溝は、主切れ刃と副切れ刃との延長上の交点から副切れ刃の長さ方向と直交する方向に沿う方向を0°としたときに−30°から+15°の角度範囲の断面において 、主切れ刃側から第1円弧部、第2円弧部がこの順に接続状態に形成されており、交点から第1円弧部の始端までの距離Xが0.1mm以上0.5mm以下、第1円弧部の始端から接続点までの距離Mが0.25mm以上2.0mm以下、接続点での切削片案内溝の深さDが0.1mm以上0.5mm以下、第2円弧部の曲率半径R2が0.5mm以上3.0mm以下、第1円弧部の曲率半径R1に対するR2の比率R2/R1が0.5以上2.0以下、第1円弧部の中心角θR1、及び第2円弧部の中心角θR2が、10°以上60°以下である。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、1周以上カールした所定長さのコイル状金属繊維を得ることができる回転切削工具及び切削チップを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

正面と側面との交差稜線部に形成される刃部を有するとともに、該刃部は、円弧状のコーナー刃と、該コーナー刃を介して隣接し鈍角をなす主切れ刃及び副切れ刃とを有し、前記正面が回転方向前方に向けられ、前記主切れ刃が外周部に配置され、前記副切れ刃が回転中心に対して直交する方向に沿って配置されており、前記正面に切削片案内溝が形成され、前記切削片案内溝は、前記主切れ刃と前記副切れ刃との延長上の交点から前記副切れ刃の長さ方向と直交する方向に沿う方向を0°としたときに−30°から+15°の角度範囲の断面において、前記主切れ刃側から第1円弧部、第2円弧部がこの順に接続状態に形成されており、前記交点から前記第1円弧部の始端までの前記副切れ刃の長さ方向と直交する方向に沿う距離Xが0.1mm以上0.5mm以下、前記第1円弧部の始端から前記接続点までの前記副切れ刃の長さ方向と直交する方向に沿う距離Mが0.25mm以上2.0mm以下、前記接続点における前記切削片案内溝の深さDが0.1mm以上0.5mm以下であり、前記第1円弧部の曲率半径をR1、前記第2円弧部の曲率半径をR2とすると、R2は0.5mm以上3.0mm以下であり、R1に対するR2の比率R2/R1が0.5以上2.0以下で あり、前記第1円弧部の中心角θR1、及び前記第2円弧部の中心角θR2が、10°以上60°以下であることを特徴とする回転切削工具

請求項2

回転切削工具の工具本体に着脱可能に取り付けられる切削チップであって、正面と側面との交差稜線部に形成される刃部を有するとともに、該刃部は、円弧状のコーナー刃と、該コーナー刃を介して隣接し鈍角をなす主切れ刃及び副切れ刃とを有しており、前記正面に切削片案内溝が形成され、前記切削片案内溝は、前記主切れ刃と前記副切れ刃との延長上の交点から前記副切れ刃の長さ方向と直交する方向の断面において、前記主切れ刃側から第1円弧部、第2円弧部がこの順に接続状態に形成されており、前記交点から前記第1円弧部の始端までの前記副切れ刃の長さ方向と直交する方向に沿う距離Xが0.1mm以上0.5mm以下、前記第1円弧部の始端から前記接続点までの前記副切れ刃の長さ方向と直交する方向に沿う距離Mが0.25mm以上2.0mm以下、前記切削片案内溝の深さDが0.1mm以上0.5mm以下であり、前記第1円弧部の曲率半径をR1、前記第2円弧部の曲率半径をR2とすると、R2は0.5mm以上3.0mm以下であり、R1に対するR2の比率R2/R1が0.5以上2.0以下で あることを特徴とする切削チップ。

技術分野

0001

本発明は、コイル状金属線材を作製可能な回転切削工具及び切削チップに関する。

背景技術

0002

各種電池における電極集電体熱交換器用部材消音部材フィルター衝撃吸収部材等として、本出願人は特許文献1等により多数の金属繊維焼結してなる多孔体を用いることを提案している。
特許文献1では、金属繊維は、直径Rが0.02mm以上、1.0mm以下の範囲内とされ、長さLと直径Rとの比L/Rが4以上、2500以下とされ、直線状、曲線状などのものが開示されている。また、金属繊維の一部にねじり加工曲げ加工等により所定の形状付与加工をされたものを用いると、繊維同士の間の空隙形状立体的かつ等方的に形成することができ、その結果、電熱特性及び導電性等の各種特性等方性向上に繋がると記載されている。
このような多孔体の製造に際しては、金属繊維を安定して作製できる技術の開発が求められる。
特許文献2には、そのような金属繊維をフライス盤切粉によって製造する技術が開示されており、多数の円板切削板同軸密着させ、その外周の切れ刃食い違い状態に配置したカッタにより、金属ブロックの表面を切削して切粉を得ることが記載されている。
特許文献3には、製造すべき繊維長さに等しい長さの刃部複数個階段状、凹凸状もしくは溝を介して並列状に配したバイト状の工具を用いて、金属ブロックを切削することにより、各刃部ごとに繊維軸線が切削方向と直角状をなし1本1本が分離独立した非円形断面の短繊維が作製されると記載されている。

先行技術

0003

特開2016−199809号公報
特開昭58−223510公報
特開昭63−17571公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、特許文献2記載の方法では、直線的かつ短い金属繊維しか製造できない。また、特許文献3記載の方法では、多少湾曲しているものの、短い金属繊維しか製造できない。これら特許文献記載の方法により得られる金属繊維では、これを金属多孔体原料として供するときに、金属繊維の向きが揃いやすく、等方的な金属多孔体を作製することが難しい。

0005

本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、1周以上カールした所定長さのコイル状金属繊維を得ることができる回転切削工具及び切削チップを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明の回転切削工具は、正面と側面との交差稜線部に形成される刃部を有するとともに、該刃部は、円弧状のコーナー刃と、該コーナー刃を介して隣接し鈍角をなす主切れ刃及び副切れ刃とを有し、前記正面が回転方向前方に向けられ、前記主切れ刃が外周部に配置され、前記副切れ刃が回転中心に対して直交する方向に沿って配置されており、
前記正面に切削片案内溝が形成され、
前記切削片案内溝は、前記主切れ刃と前記副切れ刃との延長上の交点から前記副切れ刃の長さ方向と直交する方向に沿う方向を0°としたときに−30°から+15°の角度範囲の断面において、前記主切れ刃側から第1円弧部、第2円弧部がこの順に接続状態に形成されており、前記交点から前記第1円弧部の始端までの前記副切れ刃の長さ方向と直交する方向に沿う距離Xが0.1mm以上0.5mm以下、前記第1円弧部の始端から前記接続点までの前記副切れ刃の長さ方向と直交する方向に沿う距離Mが0.25mm以上2.0mm以下、前記接続点における前記切削片案内溝の深さDが0.1mm以上0.5mm以下であり、前記第1円弧部の曲率半径をR1、前記第2円弧部の曲率半径をR2とすると、R2は0.5mm以上3.0mm以下であり、R1に対するR2の比率R2/R1が0.5以上2.0以下であり、前記第1円弧部の中心角θR1、及び前記第2円弧部の中心角θR2が、10°以上60°以下である。

0007

このような刃部を有する回転切削工具を用いて金属ブロックを切削することにより、切削片案内溝の第1円弧部及び第2円弧部の表面に沿って切削片が流れて、1周以上カールした所定長さのコイル状金属繊維を得ることができる。
この場合、主切れ刃と副切れ刃との延長上の交点から副切れ刃の長さ方向と直交する方向を基準として−30°から+15°の角度範囲の断面において、第1円弧部の始端までの距離Xが0.1mm未満であると、刃部先端りすぎて刃こぼれしやすくなる。その距離Xが0.5mmを超えると、切削片が第1円弧部に到達しにくくなり、コイル形状になりにくい。また、第1円弧部の始端から第2円弧部との接続点までの距離Mが0.25mm未満であると、切削片をコイル形状にするための距離が短くなり過ぎて、コイル形状のものが得られない。その距離Mが2.0mmを超えると、切削片をコイル形状にするための距離が長くなり過ぎることから、切削片が切削片案内面上で振れ動きやすく、コイル形状の切削片を安定的に得ることが難しい。切削片案内溝の深さDが0.1mm未満であると、切削片をコイル形状にするための距離が短くなりすぎて、コイル形状の切削片を得ることができない。その深さDが0.5mmを超えると、切削片をコイル形状にするための距離が長すぎて、切削片が切削片案内面上で振れ動きやすく、コイル形状の切削片を安定的に得ることが難しい。

0008

また、第2円弧部の曲率半径R2が0.5mm未満では切削抵抗が大きくなって、刃部先端の消耗が多くなりすぎる。その曲率半径R2が2.0mmを超えると、切削片のコイル形状の径が大きくなりすぎて安定しにくくなり、定常的なコイル形状のものが得られない。曲率半径の比率R2/R1が0.5未満であると、曲率半径の変化が急激になるため、切削片に過度負荷がかかり、コイル形状の切削片を安定的に得ることが難しい。その比率R2/R1が2.0を超えると切削時に切削片の動きが安定しないため、コイル形状の切削片を安定的に得ることが難しい。
さらに、第1円弧部の中心角θR1及び第2円弧部の中心角θR2が10°未満では、切削片案内溝の深さが小さすぎて切削片をコイル形状とすることが出来ず、60°を超えると切削片案内溝が深すぎて切削片が切削片案内溝の底部に詰まってしまい、求めるコイル形状が得られなくなる。

0009

本発明の切削チップは、回転切削工具の工具本体に着脱可能に取り付けられる切削チップであって、
正面と側面との交差稜線部に形成される刃部を有するとともに、該刃部は、円弧状のコーナー刃と、該コーナー刃を介して隣接し鈍角をなす主切れ刃及び副切れ刃とを有しており、
前記正面に切削片案内溝が形成され、
前記切削片案内溝は、前記主切れ刃と前記副切れ刃との延長上の交点から前記副切れ刃の長さ方向と直交する方向に沿う断面において 、前記主切れ刃側から第1円弧部、第2円弧部がこの順に接続状態に形成されており、前記交点から前記第1円弧部の始端までの前記副切れ刃の長さ方向と直交する方向に沿う距離Xが0.1mm以上0.5mm以下、前記第1円弧部の始端から前記接続点までの前記副切れ刃の長さ方向と直交する方向に沿う距離Mが0.25mm以上2.0mm以下、前記切削片案内溝の深さDが0.1mm以上0.5mm以下であり、前記第1円弧部の曲率半径をR1、前記第2円弧部の曲率半径をR2とすると、R2は0.5mm以上3.0mm以下であり、R1に対するR2の比率R2/R1が0.5以上2.0以下である。

発明の効果

0010

本発明によれば、1周以上カールした所定長さのコイル状金属繊維を安定して得ることができ、各種電池における電極、集電体、熱交換器用部材、消音部材、フィルター、衝撃吸収部材等に用いて好適なコイル状金属繊維を提供することができる。

図面の簡単な説明

0011

本発明の一実施形態における切削回転工具の縦断面図である。
図1の切削チップ部分の側面図である。
切削チップの正面図である。
被削材を切削する際の位置関係を示す切削チップの刃部の側面図である。
切削チップの刃部の拡大正面図である。
図5のE−E線に沿う断面図である。
実施例1の切削チップの要部の断面図である。
実施例2の切削チップの要部の断面図である。
比較例の切削チップの要部の断面図である。
実施例1の切削チップで作製した切削片の写真である。
実施例2の切削チップで作製した切削片の写真である。
比較例の切削チップで作製した切削片の写真である。

0012

以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
本実施形態における回転切削工具10は正面フライスカッターである。この正面フライスカッター(回転切削工具)10は、図1及び図2に示すように、工具本体20とこの工具本体20に着脱可能な切削チップ30とで構成される。工具本体20は、略円盤状をなし、その円盤の中央部には、円盤の軸線Cに沿って工具本体20を工作機械(図示略)の主軸端等に取付けるための取付孔21が形成され、工作機械により、軸線C回りに回転させられるようになっている。また、工具本体20の先端側の外周部には、工具本体20の外周面及び先端面に開口するようにチップポケット22が周方向に間隔をおいて複数形成されており、これらチップポケット22の工具回転方向後方側に取付座23がそれぞれ設けられている。切削チップ30は、取付座23に当接させて位置決めされた状態で取り付けられる。

0013

切削チップ30は、図3に示すように、超硬合金等の硬質材料からなり、正面30aが、四隅面取りした正方形状に形成され、一定の厚さの板状に形成されている。正面30aと各側面との交差稜線部に切れ刃が形成されている。
この切削チップ30において、切削に供される刃部31は、表面の四隅部に配されており、各刃部31は、図5に示すように、長辺に配置される直線状の主切れ刃32と、四隅の短辺に配置される直線状の副切れ刃33と、これら主切れ刃32及び副切れ刃33を滑らかに繋ぐ円弧状のコーナー刃34とを有している。

0014

主切れ刃32と副切れ刃33とは切削チップ30の正面から視て鈍角を形成している。例えば、主切れ刃32と副切れ刃33とのなす角度θ1は90°以上150°以下に形成され、コーナー刃34の曲率半径R0は0.2mm以上2mm以下に設定される。角度θ1は135°が最も好ましい。副切れ刃33は、さらい刃として機能するものであり、主切れ刃32と副切れ刃33との延長上の交点Pから少なくとも1mm以上の長さL1に形成される。
この切削チップ30は、工具本体20の各チップポケット22内の取付け座23に、副切れ刃33が工具本体20の軸線Cに直交する半径方向に沿って配置され、主切れ刃32が外周部に配置される。また、切削チップ30の正面30aは、工具本体20の回転方向図3及び図4に矢印Bで示す方向)前方に向けられており、図4に示すように工具本体20の軸線Cを含む平面に対して5°以上30°以下の角度θ2で傾斜して取り付けられる。このため、切削チップ30の正面30aは、副切れ刃32から切削チップ30の中心に向かうにしたがって工具本体20の軸線Cを含む平面に対して漸次遠ざかるように配置される。この角度θ2は20°が最も好ましい。
なお、切削チップ30の刃部31の逃げ角は7°以上25°以下が好ましい。

0015

切削チップ30の正面30aには、主切れ刃32とコーナー切れ刃34とに周縁が隣接して切削片案内溝40が形成されている。この切削片案内溝40は、切削チップ30の正面30aに対して凹状に形成され、切削片を表面に案内して所定長さのコイル状に形成する機能を有している。
具体的には、切削片案内溝40は、主切れ刃32と副切れ刃33との延長上の交点Pから副切れ刃33の長さ方向と直交する方向に沿う断面において、主切れ刃32側から第1円弧部41、第2円弧部42がこの順に形成されている。これら第1円弧部41と第2円弧部42との接続点43では、両円弧部41,42の接線が共通となるように両円弧部41,42が滑らかに接続されている。

0016

図6は、主切れ刃32と副切れ刃33との延長上の交点Pから副切れ刃33の長さ方向と直交する方向に沿う断面図である。この図6に示すように、交点Pから第1円弧部41の始端までの副切れ刃33の長さ方向と直交する方向に沿う距離Xが0.1mm以上0.5mm以下、第1円弧部41の始端から両円弧部41,42の接続点43までの副切れ刃33の長さ方向と直交する方向に沿う距離Mが0.25mm以上2.0mm以下、切削片案内溝40の深さDが0.1mm以上0.5mm以下であり、第1円弧部41の曲率半径をR1、第2円弧部42の曲率半径をR2とすると、R2は0.5mm以上3.0mm以下であり、R1に対するR2の比率R2/R1が0.5以上2.0以下である。
なお、これらの切削片案内溝40の諸寸法は、主切れ刃32と副切れ刃33との延長上の交点Pから副切れ刃33の長さ方向と直交する方向を中心として−30°(上面視で反時計回りに30°)以上から15°(上面視で時計回りに15°)の角度範囲の領域内で上記の数値範囲を満たしている必要がある。

0017

このように構成した回転切削工具10を用いてコイル状金属繊維を作製する場合、通常の正面フライスと同様に、工具本体20を矢印Bで示すように軸線C回りに回転させ、矢印Aで示すように進行させながら被削材(金属ブロック)50を切削すればよい。
被削材が純アルミニウム又はアルミニウム合金の場合、以下の切削条件とするとよい。
切込み深さt(図4参照):0.05mm以上1mm以下
切込み幅W(図3参照):0.05mm以上1mm以下
工具本体の回転速度:100rpm以上10000rpm以下
切削速度(フライスカッターの進行速度):100mm/分以上5000mm/分以下

0018

この回転切削工具10を用いて被削材50を切削することにより、切削片案内溝40の第1円弧部41及び第2円弧部42の表面に沿って切削片が流れて、1周以上カールした所定長さのコイル状金属繊維を得ることができる。切削片は切削案内溝40内を主として、主切れ刃32と副切れ刃33との延長上の交点Pから副切れ刃33の長さ方向と直交する方向から反時計回りに15°の線に沿って流れ、切削案内溝40の内面の第1円弧部41及び第2円弧部42によりカールしながらコイル形状となり、切削チップ30の正面30aあるいは側面等に衝突して分断され、コイル状金属繊維となる。
得られるコイル状金属繊維は、全体に捩じられてコイル形状をなすように形成されており、平均線径dwが0.05mm以上2.00mm以下、コイル形状としては平均コイル外径図10及び図11参照)Dcが0.5mm以上10.0mm以下、コイル長さLが1mm以上20mm以下、巻き数Nが1以上10以下となる。

0019

この回転切削工具10でコイル状金属繊維を作製すると、線径、コイル外径、コイル長さ、巻き数がほぼ揃った一定の形状のものが連続的に形成される。ただし、厳密に円形のコイル状に形成される場合だけでなく、若干楕円となる形状、多角形状等となる場合も本発明の実施形態に含まれる。コイル形状部分の中心を通る軸方向は、直線状に設けられる場合もあるし、わずかな円弧状等の屈曲した軸となる場合もある。また、金属繊維の断面も円形ではなく、三角形状となる場合が多い。いずれの場合も、切削条件が一定であれば、ほぼ揃った一定形状のコイル状金属繊維を作製できる。

0020

この場合、主切れ刃32と副切れ刃33との延長上の交点Pから副切れ刃33の長さ方向と直交する方向に沿う断面において、第1円弧部41の始端までの距離Xが0.1mm未満であると、刃部31先端が尖りすぎて刃こぼれしやすくなる。その距離Xが0.5mmを超えると、切削片が第1円弧部41に到達しにくくなり、コイル形状になりにくい。また、第1円弧部41の始端から第2円弧部42との接続点43までの距離Mが0.25mm未満であると、切削片をコイル形状にするための距離が短くなり過ぎて、コイル形状のものが得られない。その距離Mが2.0mmを超えると、切削片をコイル形状にするための距離が長くなり過ぎることから、切削片が切削片案内面40上で振れ動きやすく、コイル形状の切削片を安定的に得ることが難しい。切削片案内溝40の深さDが0.1mm未満であると、切削片をコイル形状にするための距離が短くなりすぎて、コイル形状の切削片を得ることができない。その深さDが0.5mmを超えると、切削片をコイル形状にするための距離が長すぎて、切削片が切削片案内面40上で振れ動きやすく、コイル形状の切削片を安定的に得ることが難しい。

0021

また、第2円弧部42の曲率半径R2が0.5mm未満では切削抵抗が大きくなって、刃部31先端の消耗が多くなりすぎる。その曲率半径R2が2.0mmを超えると、切削片のコイル形状の径が大きくなりすぎて安定しにくくなり、定常的なコイル形状のものが得られない。曲率半径の比率R2/R1が0.5未満であると、曲率半径の変化が急激になるため、切削片に過度な負荷がかかり、コイル形状の切削片を安定的に得ることが難しい。その比率R2/R1が2.0を超えると切削時に切削片の動きが安定しないため、コイル形状の切削片を安定的に得ることが難しい。

0022

なお、本発明は上記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、切削片案内溝は、交点を通る縦断面において、第1円弧部と第2円弧部とがそれぞれ単一の円弧により形成されるものとしたが、第2円弧部の曲率半径R2が0.5mm以上3.0mm以下、第1円弧部の曲率半径R1に対するR2の比率R2/R1が0.5以上2.0以下の要件を満たし、曲率半径のわずかな変化である限り、複数の異なる曲率半径の円弧の組み合わせであってもよい。また、第1円弧部と第2円弧部との接続点においても、必ずしも接線を共通にしなくても、互いの接線のなす角度が10°以下であれば、わずかなずれは許容される。

0023

図5に示す主切れ刃、副切れ刃、コーナー切れ刃を有する切削チップについて、前述した第1円弧部の始端までの距離X、第1円弧部の始端から第2円弧部との接続点までの距離M、切削片案内溝の深さD、第1円弧部の曲率半径R1、第2円弧部の曲率半径R2を表1に示される各数値のものを作製した。表1には、主切れ刃と副切れ刃との延長上の交点Pから副切れ刃の長さ方向と直交する方向を0°とし、0°に対して−30°、−15°、0°、+15°のそれぞれの数値を記載した。
主切れ刃と副切れ刃との角度θ1は135°、刃部の逃げ角は20°とした。その切削チップを、副切れ刃が工具本体の回転軸線と直交する半径方向に沿うように配置して正面フライスカッターに取付けた。切削チップの正面と工具本体の軸線を含む平面との角度θ2は20°とした。
この回転切削工具を用いてアルミニウム合金を被削材として切削して、コイル状金属繊維を作製した。切削条件は以下の通りとした。
切込み深さ:0.4mm
切込み幅:0.4mm
工具本体の回転速度:2000rpm
切削速度:800mm/分

0024

実施例

0025

実施例1の刃部の断面を図7、実施例2の刃部の断面を図8、比較例の刃部の断面を図9に示す。主切れ刃と副切れ刃との延長上の交点から副切れ刃の長さ方向と直交する方向に沿う断面を0°としたときに、各図の上から順に、+15°、0°、−15°、−30°の各断面である。
また、実施例1の刃部により得られた切削片を図10、実施例2の刃部により得られた切削片を図11、比較例の刃部により得られた切削片を図12に示す。
これらの図からわかるように、実施例1及び実施例2の刃部で得られた切削片は、コイルの径Dcが長さ方向に安定している。比較例の刃部で得られた切削片は途中で巻き径が変化してしまい、長さ方向に均等なコイル形状のものが得られなかった。
実施例1の切削片は50個の平均のコイル外径Dcが2.4mm、実施例2の切削片では3.1mmであった。これら実施例の切削片であれば、各種電池における電極、集電体、熱交換器用部材、消音部材、フィルター、衝撃吸収部材等に好適に用いることができる。

0026

10回転切削工具
20工具本体
21取付孔
22チップポケット
23取付座
30切削チップ
30a 正面
31刃部
32主切れ刃
33副切れ刃
34コーナー刃
40切削片案内溝
41 第1円弧部
42 第2円弧部
43 接続点

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