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技術 回転切削工具、回転切削ユニット及び回転切削方法

出願人 株式会社SUBARU
発明者 小野遼平渡邉政雄中畑達雄
出願日 2019年2月14日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-024424
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-131312
状態 未査定
技術分野 穴あけ工具 穴あけ、中ぐり加工 工作機械の補助装置
主要キーワード 回転切削加工 管用ねじ ドリル駆動装置 穿孔治具 切削加工品 内面仕上げ 穿孔精度 穿孔箇所
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

ガイドブッシュドリル等の回転切削工具を挿入して穿孔や孔の内面仕上げ加工等の切削加工を行う場合において、より高精度に切削加工を行えるようにすることである。

解決手段

実施形態に係る回転切削工具は、バックテーパが無く、切削油流路を内部に形成したボディと、前記ボディと一体化され、前記切削油を被削材に向けて供給するための第1の供給口を形成した切刃部とを有し、前記ボディを挿入して使用される位置決め用ブッシュと、前記ボディとの間に形成される隙間に前記切削油を供給するための第2の供給口を前記ボディに設けたものである。

概要

背景

従来、穿孔方法の1つとして穿孔板ガイドブッシュ等の穿孔治具を用いて穿孔を行う方法が知られている。具体例として、切削油を内部に供給することが可能なガイドブッシュを用いて深穴加工を高精度に行う穿孔方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。

ドリルを用いた穿孔では、切削油を供給することが穿孔精度及び工具寿命の向上に繋がる。このため、ドリルの内部に切削油の流路を形成し、ドリルの刃先からワーク(被削材)に向けて切削油を供給する技術が知られている。具体例として、刃先に加えてランドにも切削油の排出口を形成したドリルが提案されている(例えば特許文献2参照)。

概要

ガイドブッシュにドリル等の回転切削工具を挿入して穿孔や孔の内面仕上げ加工等の切削加工を行う場合において、より高精度に切削加工を行えるようにすることである。実施形態に係る回転切削工具は、バックテーパが無く、切削油の流路を内部に形成したボディと、前記ボディと一体化され、前記切削油を被削材に向けて供給するための第1の供給口を形成した切刃部とを有し、前記ボディを挿入して使用される位置決め用ブッシュと、前記ボディとの間に形成される隙間に前記切削油を供給するための第2の供給口を前記ボディに設けたものである。

目的

本発明は、ガイドブッシュにドリル等の回転切削工具を挿入して穿孔や孔の内面仕上げ加工等の切削加工を行う場合において、より高精度に切削加工を行えるようにすることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

バックテーパが無く、切削油流路を内部に形成したボディと、前記ボディと一体化され、前記切削油を被削材に向けて供給するための第1の供給口を形成した切刃部と、を有し、前記ボディを挿入して使用される位置決め用ブッシュと、前記ボディとの間に形成される隙間に前記切削油を供給するための第2の供給口を前記ボディに設けた回転切削工具

請求項2

前記切削油の流路は、第1の流路及び第2の流路に分岐し、前記第1の流路によって前記第1の供給口に前記切削油が供給される一方、前記第2の流路によって前記第2の供給口に前記切削油が供給されるようにした請求項1記載の回転切削工具。

請求項3

前記第2の供給口は、前記ボディの外周面に形成される請求項1又は2記載の回転切削工具。

請求項4

工具軸方向において同一の位置に形成される前記第2の供給口の数は1つ又は2つである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転切削工具。

請求項5

工具軸方向において異なる複数の位置に前記第2の供給口を形成した請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転切削工具。

請求項6

前記第1の供給口に供給される前記切削油の量よりも、前記第2の供給口に供給される前記切削油の量の方が少なくなるように前記流路を形成した請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回転切削工具。

請求項7

前記ボディ及び前記切刃部は、切刃を交換可能に保持するためのホルダである請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回転切削工具。

請求項8

前記切刃部の直径は、前記ボディの前記切刃部側における直径よりも大きい請求項1乃至7のいずれか1項に記載の回転切削工具。

請求項9

前記切削油が前記第2の供給口から前記ボディの半径方向に飛散せずに滲み出るように前記第2の流路の圧力損失を決定した請求項2記載の回転切削工具。

請求項10

前記第2の供給口を閉塞するための閉塞部材であって、前記ボディに着脱可能な前記閉塞部材を更に有する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の回転切削工具。

請求項11

請求項1乃至10のいずれか1項に記載の回転切削工具と、前記ブッシュと、を備える回転切削ユニット

請求項12

請求項7記載の回転切削工具と、前記ブッシュとを備え、前記ブッシュは、前記被削材側において前記切刃部をガイドする第1の直径を有する孔と、前記ボディをガイドする、前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有する孔とを連結した段付き貫通孔を有する回転切削ユニット。

請求項13

前記第2の供給口の少なくとも1つは、前記切刃部が前記ブッシュの内部から突出していない場合には、前記ブッシュの内部において開口する位置に設けられる請求項11又は12記載の回転切削ユニット。

請求項14

前記第2の供給口の少なくとも1つは、前記切刃部の先端が前記被削材に接触した時に、前記ブッシュ内の前記被削材と逆側における端部で開口する位置に設けられる請求項11乃至13のいずれか1項に記載の回転切削ユニット。

請求項15

前記ブッシュと連結されるノーズピースを有する回転切削工具駆動装置を更に備える請求項11乃至14のいずれか1項に記載の回転切削ユニット。

請求項16

請求項1乃至10のいずれか1項に記載の回転切削工具と、前記ブッシュとを少なくとも用いて前記切削油を供給しながら前記被削材の切削加工を行うことによって被切削加工品製作する回転切削方法。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、回転切削工具回転切削ユニット及び回転切削方法に関する。

背景技術

0002

従来、穿孔方法の1つとして穿孔板ガイドブッシュ等の穿孔治具を用いて穿孔を行う方法が知られている。具体例として、切削油を内部に供給することが可能なガイドブッシュを用いて深穴加工を高精度に行う穿孔方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。

0003

ドリルを用いた穿孔では、切削油を供給することが穿孔精度及び工具寿命の向上に繋がる。このため、ドリルの内部に切削油の流路を形成し、ドリルの刃先からワーク(被削材)に向けて切削油を供給する技術が知られている。具体例として、刃先に加えてランドにも切削油の排出口を形成したドリルが提案されている(例えば特許文献2参照)。

先行技術

0004

特開2015−120216号公報
特開2009−83092号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、ガイドブッシュにドリル等の回転切削工具を挿入して穿孔や孔の内面仕上げ加工等の切削加工を行う場合において、より高精度に切削加工を行えるようにすることを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明の実施形態に係る回転切削工具は、バックテーパが無く、切削油の流路を内部に形成したボディと、前記ボディと一体化され、前記切削油を被削材に向けて供給するための第1の供給口を形成した切刃部とを有し、前記ボディを挿入して使用される位置決め用ブッシュと、前記ボディとの間に形成される隙間に前記切削油を供給するための第2の供給口を前記ボディに設けたものである。

0007

また、本発明の実施形態に係る回転切削ユニットは、前記回転切削工具と、前記ブッシュとを備えるものである。

0008

また、本発明の実施形態に係る回転切削方法は、前記回転切削工具と、前記ブッシュとを少なくとも用いて前記切削油を供給しながら前記被削材の切削加工を行うことによって被切削加工品製作するものである。

図面の簡単な説明

0009

本発明の実施形態に係るドリルを含む穿孔ユニットの構成図。
図1に示す穿孔ユニットでワークを穿孔している状態を示す図。
従来のバックテーパを有するストレートドリルとガイドブッシュを用いて穿孔を行う場合の例を示す図。
本発明の第2の実施形態に係るドリルを構成するボディの構造を示す拡大縦断面図。
図4に示すボディの右側面図。
本発明の第3の実施形態に係るドリルを含む穿孔ユニットの構成図。
図6に示す穿孔ユニットでワークを穿孔している状態を示す図。
図6に示す部材の挿入用の貫通孔閉塞部材閉塞した例を示すボディの縦断面図。
ボディにねじれ溝を有し、かつ切刃を交換することが可能なインサートドリルで穿孔ユニットを構成した例を示す縦断面図。
図9に示す穿孔ユニットでワークを穿孔している状態を示す縦断面図。
図9に示すインサートドリルの先端付近における拡大縦断面図。
図9に示すインサートドリルの切刃部における構造例を示す縦断面図。
本発明の第4の実施形態に係るドリルを構成するボディに形成される貫通孔に挿入される部材の第1の構造例を示す斜視図。
本発明の第4の実施形態に係るドリルを構成するボディに形成される貫通孔に挿入される部材の第2の構造例を示す斜視図。
雄ねじ雌ねじとの間に形成される隙間を第2の流路として使用する例を示すボディと、円柱状の部材の拡大部分断面図。
本発明の第5の実施形態に係る回転切削工具を含む回転切削ユニットの構成図。

実施例

0010

本発明の実施形態に係る回転切削工具、回転切削ユニット及び回転切削方法について添付図面を参照して説明する。

0011

(第1の実施形態)
(構成及び機能)
図1は本発明の第1の実施形態に係るドリルを含む穿孔ユニットの構成図であり、図2図1に示す穿孔ユニットでワークを穿孔している状態を示す図である。

0012

穿孔ユニット1は、手持ち式ドリル駆動装置を用いてワークWの穿孔を行う装置である。穿孔ユニット1は、ドリル2、ガイドブッシュ3及び穿孔板4を有する。ガイドブッシュ3は、穿孔板4やその他の穿孔治具に設けられた位置決め用の貫通孔に挿入して使用されるドリル2の位置決め用のブッシュである。

0013

尚、穿孔板4の構造は、ワークWの構造に応じた設置し易い構造となるため、穿孔ユニット1のユーザによって製作することが適切である場合が多い。このため、穿孔板4を穿孔ユニット1の構成要素とせずに、ドリル2及びガイドブッシュ3で穿孔ユニット1を構成するようにしてもよい。図示された穿孔板4は、板状の部材にガイドブッシュ3を挿入するための貫通孔を設けた構造を有している。そして、穿孔板4の貫通孔に挿入されたガイドブッシュ3が、止めねじ4Aで穿孔板4に固定されている。

0014

また、ワークWは、3つの板材W1、W2、W3を重ね合わせたラミネート材となっている。具体例として、炭素繊維強化プラスチック(CFRP: Carbon Fiber Reinforced Plastics)で構成される板材W1、アルミニウムで構成される板材W2及びチタンで構成される板材W3を重ね合わせて成るワークWを穿孔ユニット1による穿孔対象とすることができる。もちろん、金属や複合材等の同一の素材で構成されたラミネート材、同一の素材で構成された単純な板状の部分、同一の素材で構成されたブロック状の部分等を穿孔ユニット1による穿孔対象とすることができる。

0015

ドリル2は、バックテーパが無いボディ5と、任意数の切刃を形成した切刃部6とを有する。手持ち式のドリル駆動装置等で保持されるドリル2は、ドリル駆動装置と区別するためにドリルビットとも呼ばれる。ボディ5の一端は、ドリル2をドリル駆動装置のホルダで保持するためのシャンク5Aとして使用され、ボディ5の他端は、切刃部6と一体化される。また、少なくともバックテーパが無いボディ5の切刃部6側は直径が一定であり、ガイドブッシュ3に挿入される。

0016

図1に示す例では、切刃部6の直径が、ボディ5の直径よりも長くなっている。従って、ガイドブッシュ3の構造は、ワークW側において切刃部6をガイドする第1の直径を有する孔と、ワークWと逆側においてボディ5をガイドする、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する孔とを連結した段付きの貫通孔を有する円筒状の構造となる。

0017

また、ガイドブッシュ3は、穿孔板4等に設けられた位置決め用の貫通孔に挿入して使用されるため、ガイドブッシュ3のワークW側における外形と、穿孔板4等に設けられた位置決め用の貫通孔の直径との間における公差が、隙間嵌めに対応する公差となるように、ガイドブッシュ3のワークW側における外形が決定される。

0018

尚、図示されるように、ガイドブッシュ3の外表面にリング状の凸部を形成すれば、リング状で工具軸方向に垂直な段差面を穿孔板4等の表面に接触させることによって、ガイドブッシュ3の工具軸方向における位置決めを行うことができる。また、図示されるように、ガイドブッシュ3のリング状の凸部を止めねじ4Aと穿孔板4との間に挟み込むことによって、ガイドブッシュ3を穿孔板4に固定することができる。

0019

ドリル2の切刃は、切刃部6に交換可能に取付けるようにしてもよい。すなわち、切刃部6は切刃自体又は切刃を取付けるための部品で構成することができる。切刃をインサート又はヘッドとして交換可能なドリルは、インサートドリルとも称される。ドリル2をインサートドリルとする場合には、切刃を除く切刃部6の部分及びボディ5が、切刃を交換可能に保持するためのホルダとしても機能する。

0020

尚、従来のインサートドリル向けに2枚刃のインサートが市販されており、ドリル2用のインサートとして用いることもできる。このため、切刃を取付けることが可能な構造を有する切刃部6と、ボディ5とによってドリル2を構成し、切刃については、既存の汎用性のあるインサートを用いるようにしてもよい。

0021

ガイドブッシュ3に挿入されないボディ5のホルダ側の端部における直径は、剛性を確保するために、ガイドブッシュ3の内径のみならず、切刃部6の直径よりも長くするようにしてもよい。換言すれば、ボディ5のホルダ側にボディ5の直径よりも太いシャンク5Aやねじ等のその他の連結部材を連結してもよい。その場合には、ドリル2は、切刃部6の直径がボディ5の切刃部6側における直径よりも大きい非ストレートドリルとなる。その場合においても、ガイドブッシュ3に挿入して使用されるボディ5の切刃部6側における部分の直径は一定とされる。

0022

シャンク5Aの太さに関わらず、ボディ5の切刃部6側には、切粉の排出用に溝を形成することが適切である。例えば、ツイストドリルと同様に螺旋状のねじれ溝を、ボディ5の切刃部6側に形成することができる。或いは、直刃のドリルと同様に直線状の溝をボディ5の切刃部6側に形成してもよい。

0023

直径を一定とするバックテーパの無いボディ5の部分の長さは、ドリル2を工具軸方向に送り出すことが可能な距離となる。従って、バックテーパの無いボディ5の部分の長さを長くする程、ドリル2を工具軸方向に送り出すことが可能な距離を長くすることができる。このため、図示されるように、ホルダで保持するためのシャンク5Aとして使用される部分を含めてボディ5の直径を一定とするようにしてもよい。

0024

もちろん、図示された例に限らず、切刃部6の直径を、ボディ5の直径と同じにしてストレートドリルとしても良いし、切刃部6とボディ5とを同じ素材で構成してソリッドタイプのドリルとしてもよい。その場合においても、ボディ5の切刃部6側にはバックテーパが設けられず、工具径は一定とされる。

0025

但し、ドリル2を上述したようなインサートドリルとすれば、従来のインサートドリルと同様に、ボディ5の材質高速度鋼等の安価な材質とする一方、超硬やセラミックス等の高価な材料で構成される切刃が消耗した場合に切刃のみを交換できるため、ドリル2の価格を低減することができる。また、バックテーパの無いストレートドリルは近年では殆ど無く、製造するためには大規模設備が新たに必要となる。これに対し、刃先の直径がホルダの直径よりも大きいインサートドリルのホルダはワークと接触しないことからバックテーパが無いものも市販されている。従って、ドリル2をインサートドリルとすれば、できるだけ従来の設備を使用してドリル2を製造することが可能となる。

0026

ボディ5の内部には、切削油の流路7が形成される。切削油は、ボディ5のホルダ側からボディ5内の流路に供給される。従って、切削油の入口は、ボディ5のホルダ側における端面に形成することが実用的である。図示された例では、直径が一定のボディ5の工具軸上に直線的な切削油の流路7が形成されている。この場合、ボディ5は円筒構造となる。

0027

但し、ボディ5の工具軸上ではない位置に切削油の流路7を形成してもよい。また、工具軸に平行な複数の流路7をボディ5に形成してもよい。

0028

ボディ5内の流路7に供給された切削油は、ボディ5内の流路7を経由して主として切刃部6からワークWに向けて供給される。従って、切刃部6には、切削油の出口が形成される。切削油の出口は、ドリル2の先端から切削油をワークWに向けて供給するための第1の供給口8Aとして用いられる。図示された例では、第1の供給口8Aがドリル2の切刃部6に4箇所形成されている。

0029

更に、ボディ5内の流路7に供給された切削油の一部は、ガイドブッシュ3と、ボディ5との間に形成される隙間に供給される。そして、隙間に供給された切削油は、ガイドブッシュ3と、ボディ5との間における潤滑用に使用される。そのために、ボディ5には、ガイドブッシュ3と、ボディ5との間に形成される隙間に切削油を供給するための第2の供給口8Bが設けられる。

0030

従って、切削油の流路7を、ドリル2の内部において第1の流路7A及び第2の流路7Bに分岐させることができる。そして、第1の流路7Aによって第1の供給口8Aに切削油を供給する一方、第2の流路7Bによって第2の供給口8Bに切削油を供給することができる。これにより、ボディ5内への切削油の入口を1つとし、ボディ5の構造を簡易にすることができる。

0031

ガイドブッシュ3と、ボディ5との間に形成される隙間に十分な切削油を供給するためには、ボディ5の外周面に第2の供給口8Bを開口することが適切である。特に、第2の流路7B及び第2の供給口8Bを形成する孔の中心軸がガイドブッシュ3の内面に向かうように、第2の流路7B及び第2の供給口8Bを形成することが適切である。

0032

このため、例えば、工具軸に平行な流路7をボディ5に形成し、工具軸に垂直な方向に第2の流路7Bを分岐することによって、第2の供給口8Bをボディ5の外周面に開口させることができる。第2の流路7Bの中心軸を工具軸に垂直にすれば、ボディ5に第2の流路7Bを形成するための加工が容易となる。

0033

或いは、切削油がガイドブッシュ3とボディ5との間に形成される隙間を伝ってワークW側に速やかに浸透するように、ワークW側に向かって傾斜する第2の流路7Bをボディ5に形成してもよい。従って、第2の流路7Bの中心軸と工具軸とのなす角度が10度以上90度以下となるように第2の流路7Bをボディ5に形成することもできる。尚、ボディ5に切粉の排出用の溝を形成する場合には、第2の供給口8Bを溝に形成しても良いし、溝の間に形成されるマージン部分に形成しても良い。

0034

ガイドブッシュ3と、ボディ5との間における潤滑は、切削油の油膜が形成されれば十分に得ることができる。他方、切刃部6に形成される第1の供給口8AからワークWに向けて供給される切削油は、切粉の排出、切削抵抗の低減及び冷却等を目的として使用される。

0035

従って、切削油の大部分を第1の供給口8AからワークWに向けて供給する一方、第2の供給口8Bに供給される切削油の量を微量とすることが切削油の有効利用に繋がる。このため、第1の供給口8Aに供給される切削油の量よりも、第2の供給口8Bに供給される切削油の量の方が少なくなるように、ボディ5の内部に流路7を形成することが好ましい。そこで、図示されるように第2の供給口8Bの数を1つとすることができる。

0036

これにより、切削油の適切な配分を行いつつ、ボディ5の構造を簡易にすることができる。但し、穿孔条件に依らずガイドブッシュ3とボディ5との間における隙間への切削油の供給量を十分に得るために、複数の第2の供給口8Bをボディ5に形成するようにしてもよい。

0037

また、加工法によっては複数の第2の供給口8Bをボディ5に形成することが加工の容易化に繋がる場合がある。そのような場合においても、複数の第2の供給口8Bをボディ5に形成することができる。典型的な例として、ボディ5に第2の供給口8Bを形成するために工具軸に垂直な孔を加工する場合には、ボディ5全体を貫通する孔を形成することが加工の容易化に繋がる場合がある。このため、ボディ5に、中心軸が工具軸に垂直となる2つの第2の供給口8B、すなわち深さ方向が工具軸に垂直であり、ボディ5全体を貫通する単一の第2の流路7Bを形成するようにしても良い。

0038

ドリル2でワークWを穿孔する際には、図2に示すように、ボディ5をガイドブッシュ3に滑合させながらドリル2を工具軸方向に送り出すことになる。従って、第2の供給口8Bとガイドブッシュ3との相対位置が変化する。切削油は、遅くとも穿孔の開始時、すなわちドリル2の切刃がワークWに接触するまでには、ガイドブッシュ3とボディ5との間に形成される隙間に供給されることが望ましい。

0039

そこで、図1に例示されるように、第2の供給口8Bを、切刃部6がガイドブッシュ3の内部から突出していない場合には、ガイドブッシュ3の内部において開口する位置に設けることができる。これにより、穿孔開始前において確実にガイドブッシュ3とボディ5との間に切削油を供給することができる。

0040

尚、ドリル2の送り量が、ボディ5と滑合するガイドブッシュ3の部分の長さよりも長い場合には、図2に例示されるように第2の供給口8Bが、ボディ5と滑合するガイドブッシュ3の部分の外部に露出することになる。それでも、一旦、切削油をガイドブッシュ3とボディ5との間に供給すれば、切削油の油膜がガイドブッシュ3とボディ5との間に残留するため、ガイドブッシュ3とボディ5との間における潤滑性を維持することができる。

0041

ドリル2に送りを付与した後、第2の供給口8Bをできるだけボディ5と滑合するガイドブッシュ3の内面に向けるためには、第2の供給口8Bを、切刃部6の先端がワークWに接触した時に、ガイドブッシュ3内のワークWと逆側における端部で開口する位置に設ければよい。従って、図示されるようにガイドブッシュ3とワークWとの間に空隙が形成される場合には、ガイドブッシュ3とワークWとの間における距離を考慮して第2の供給口8Bの位置を決定するようにしてもよい。

0042

このような構成を有するドリル2及びガイドブッシュ3を少なくとも用いて切削油を供給しながらワークWを穿孔することによって、被穿孔品を製作することができる。

0043

以上のような穿孔ユニット1及び穿孔方法は、ガイドブッシュ3に挿入して使用されるドリル2にバックテーパを設けず、かつガイドブッシュ3とドリル2との間に切削油を供給するためのオイルホールをドリル2に設けたものである。

0044

(効果)
穿孔ユニット1及び穿孔方法によれば、穿孔の精度を向上することができる。その理由は以下の通りである。

0045

図3は、従来のバックテーパを有するストレートドリル10とガイドブッシュ11を用いて穿孔を行う場合の例を示す図である。

0046

典型的なドリル10には、バックテーパが設けられる。バックテーパは、ドリル10が穿孔に伴って熱膨張しても、孔の内壁に接触しないようにすることを狙いとして設けられる。バックテーパは規格化されており、長さ100mmにつき0.04mmから0.1mmだけドリル10の直径が細くなるように、シャンク方向に向かって細くなるテーパがドリル10に設けられる。

0047

しかしながら、ガイドブッシュ11にドリル10を挿入して使用する場合、ドリル10をワークWに向けて送り出す程、ドリル10とガイドブッシュ11との間における隙間が大きくなる。その結果、ドリル10の位置決め精度が低下し、穿孔精度の劣化に繋がる。

0048

これに対して、バックテーパが無いドリル2の場合には、ガイドブッシュ3でガイドしながらドリル2を送り出しても、ドリル2とガイドブッシュ3との間における隙間が大きくならない。しかも、ドリル2とガイドブッシュ3との間には、潤滑油として切削油が供給されるため、ドリル2とガイドブッシュ3との間における摩擦力を十分に低減することができる。その結果、バックテーパが無いドリル2が熱膨張したとしても、ドリル2とガイドブッシュ3との間における滑合性を維持することができる。これにより、ドリル2の位置決め精度の低下を防止し、穿孔品質を向上させることができる。

0049

穿孔品質を向上させることが可能なワークWの材質の候補としては、上述したようにアルミニウムやチタン等の金属、CFRP等の樹脂を繊維で強化した複合材並びに金属と複合材を重ね合せたラミネート材が挙げられる。

0050

(第2の実施形態)
図4は本発明の第2の実施形態に係るドリルを構成するボディの構造を示す拡大縦断面図であり、図5図4に示すボディの右側面図である。

0051

図4に示された第2の実施形態における穿孔ユニット1Aでは、ドリル2を構成するボディ5に設けられる第2の流路7Bを交換可能にした点が第1の実施形態における穿孔ユニット1と相違する。第2の実施形態における穿孔ユニット1Aの他の構成及び作用については第1の実施形態における穿孔ユニット1と実質的に異ならないためドリル2を構成するボディ5のみ図示し、同一の構成又は対応する構成については同符号を付して説明を省略する。

0052

図4及び図5に示すように第2の流路7Bを設けるべきボディ5の位置に第2の流路7Bよりも直径が大きい貫通孔を設け、貫通孔の内面に雌ねじを形成することができる。一方、外表面に雄ねじを形成し、中心に第2の流路7Bを形成した円筒状の部材20を、ボディ5の貫通孔に形成した雌ねじに締付けることができる。すなわち、第2の流路7Bを形成した円筒状の部材20を、ボディ5に形成した貫通孔に挿入することができる。

0053

そうすると、部材20をドリル2のボディ5に着脱することができる。図4及び図5に示す例では、部材20をドリル2のボディ5に容易に着脱できるようにマイナスドライバー用の溝が部材20の外部側における端面に設けられている。

0054

このため、直径Dが異なる第2の流路7B及び第2の供給口8Bを形成した複数の部材20を準備しておけば、部材20の交換によって、第2の流路7B及び第2の供給口8Bのサイズを変えることができる。この場合、ドリル2のボディ5には、第2の供給口8B及び第2の流路7Bを異なるサイズで形成する複数の部材20のいずれか1つが交換可能に取付けられることになる。

0055

具体例として、第2の流路7B及び第2の供給口8Bの直径Dが0.5mmである部材20と、第2の流路7B及び第2の供給口8Bの直径Dが1mmである部材20を準備しておき、穿孔条件に応じていずれかを選択することができる。もちろん、他の直径Dの第2の流路7B及び第2の供給口8Bを形成した部材20を準備しておいてもよい。

0056

第2の流路7B及び第2の供給口8Bの直径Dを穿孔条件に応じた適切な大きさに決定すると、ドリル駆動装置からボディ5の流路7に供給される切削油を、第1の流路7A及び第2の流路7Bに適切な量で分配することができる。すなわち、第2の供給口8Bからガイドブッシュ3とボディ5との間における隙間に過剰に切削油が供給されたり、逆に、第2の供給口8Bからガイドブッシュ3とボディ5との間における隙間に供給される切削油の量が不十分となることを防止することができる。

0057

第2の流路7B及び第2の供給口8Bの直径Dを適切な大きさに決定するに当たり考慮すべき重要な穿孔条件としては、切削抵抗及びドリル駆動装置からドリル2に供給される切削油の油圧が挙げられる。すなわち、ドリル駆動装置からドリル2のボディ5に供給される切削油の油圧が十分に高ければ、切削抵抗が大きい場合であっても、第1の供給口8AからワークWに向けて十分な量の切削油を噴射することができる。逆に、ドリル駆動装置からドリル2のボディ5に供給される切削油の油圧が低く、切削抵抗が大きい場合において、第2の流路7B及び第2の供給口8Bの直径Dを過剰に大きく設定すると、第2の供給口8Bからガイドブッシュ3とボディ5との間における隙間に過剰な量の切削油が供給され、第1の供給口8AからワークWに供給される切削油の油量が不十分となる恐れがある。

0058

切削抵抗に影響を与える主な条件としては、穿孔対象となる孔の深さ、ワークWの材質及び切刃の材質が挙げられる。すなわち、穿孔対象となる孔の深さ、ワークWの材質及び切刃の材質によって切削抵抗が変化する。そこで、ドリル駆動装置からドリル2に供給される切削油の圧力、穿孔対象となる孔の深さ、ワークWの材質及び切刃の材質に応じて第2の流路7B及び第2の供給口8Bの直径Dを変えることができる。

0059

より具体的には、切削抵抗が小さく、ドリル駆動装置からの切削油の供給圧力が高い場合には、第2の流路7B及び第2の供給口8Bの直径Dを大きくすることによって、第2の流路7B及び第2の供給口8Bからガイドブッシュ3とボディ5との間における隙間に十分な量の切削油を導くことができる。逆に、切削抵抗が大きく、切削油の供給圧力が低い場合には、第2の流路7B及び第2の供給口8Bの直径Dを小さくすることによって、第2の流路7B及び第2の供給口8Bからガイドブッシュ3とボディ5との間における隙間に切削油の大半が供給されてしまうことを防止する一方、第1の供給口8AからワークWに供給される切削油の油量を確保することができる。

0060

ドリル駆動装置からドリル2に供給される切削油の圧力、穿孔対象となる孔の深さ、ワークWの材質及び切刃の材質等の条件ごとの適切な第2の流路7B及び第2の供給口8Bのサイズは、穿孔試験によって経験的に決定することができる。

0061

以上の第2の実施形態における穿孔ユニット1Aによれば、ガイドブッシュ3とボディ5との間における隙間に切削油を供給するための第2の流路7B及び第2の供給口8Bのサイズを調節することができる。このため、ドリル駆動装置からドリル2に供給される切削油を、ワークWの穿孔箇所と、ガイドブッシュ3とボディ5との間における隙間に適切な量で分配することができる。

0062

尚、ドリル2のボディ5に切粉の排出用の溝が設けられる場合には、第1の実施形態と同様に、第2の流路7B及び第2の供給口8Bを、ボディ5の溝に形成しても良いし、マージンに形成してもよい。従って、部材20を挿入するための貫通孔及び雌ねじについても、ボディ5の溝又はマージンに形成することができる。そして、部材20をボディ5の溝又はマージンに取付けることができる。

0063

(第3の実施形態)
図6は本発明の第3の実施形態に係るドリルを含む穿孔ユニットの構成図であり、図7図6に示す穿孔ユニットでワークを穿孔している状態を示す図である。

0064

図6に示された第3の実施形態における穿孔ユニット1Bでは、ドリル2の工具軸方向において異なる複数の位置に第2の流路7B及び第2の供給口8Bを形成する部材20を取付けることができるようにした点が第2の実施形態における穿孔ユニット1Aと相違する。第3の実施形態における穿孔ユニット1Bの他の構成及び作用については第2の実施形態における穿孔ユニット1Aと実質的に異ならないため、同一の構成又は対応する構成については同符号を付して説明を省略する。

0065

図6に示すように、第2の流路7B及び第2の供給口8Bを形成する部材20を挿入するための貫通孔及び雌ねじを、工具軸方向において異なるボディ5の位置に形成することができる。そうすると、ドリル2の工具軸方向において異なる複数の位置に第2の流路7B及び第2の供給口8Bを形成することができる。図6に示す例では、工具軸方向において異なる2個所に部材20が着脱可能にボディ5に取り付けられている。

0066

工具軸方向において異なる複数の位置に第2の流路7B及び第2の供給口8Bを形成すると、ワークWの穿孔が進行することによって、最も切刃部6側における第2の供給口8Bが、切削油を供給すべきガイドブッシュ3とボディ5との間における隙間から露出した場合であっても、工具軸方向において異なる位置に設けられた別の第2の供給口8Bから引き続きガイドブッシュ3とボディ5との間における隙間に切削油を供給することができる。このため、切削油の供給によってガイドブッシュ3と滑合させながらワークWに向かって工具軸方向に送り出すことが可能なボディ5の長さを長くすることができる。その結果、図7に示すようにガイドブッシュ3を利用した深孔の穿孔を行うことが可能となる。

0067

従って、隣接する第2の供給口8B間における距離は、ボディ5との間において潤滑性を付与すべきガイドブッシュ3の長さに合わせて決定することができる。第1の実施形態において説明したように、第2の供給口8Bから吐出された切削油はボディ5の表面及びガイドブッシュ3の内面においてある程度の期間は油膜として残留する。このため、ドリル2に工具軸方向における送りを与えてボディ5をガイドブッシュ3に対してスライドさせたとしても、ガイドブッシュ3とボディ5との間において油膜が途切れないように、隣接する第2の供給口8B間における距離を決定することが適切である。

0068

部材20の数を低減させることを重視する場合であれば、ガイドブッシュ3とボディ5との間において油膜が途切れないような間隔で複数の第2の供給口8Bを配置することができる。具体例として、切刃部6側における第2の供給口8Bが、切削油を供給すべきガイドブッシュ3とボディ5との間における隙間から露出する前に、ボディ5のシャンク5A側に隣接する第2の供給口8Bから吐出された切削油がボディ5を伝ってガイドブッシュ3とボディ5との間における隙間に到達するように、第2の供給口8B間における距離を決定することができる。

0069

或いは、ガイドブッシュ3とボディ5との間における確実な潤滑性の確保を重視する場合であれば、例えば、切刃部6側における第2の供給口8Bが、切削油を供給すべきガイドブッシュ3とボディ5との間における隙間から露出する前に、ボディ5のシャンク5A側に隣接する第2の供給口8Bが、ガイドブッシュ3とボディ5との間における隙間に到達するように、第2の供給口8B間における距離を決定することができる。つまり、第2の供給口8B間における距離を、切削油を供給すべきガイドブッシュ3とボディ5との間における隙間の工具軸方向における長さ、すなわちボディ5と滑合するガイドブッシュ3の長さ以下とすることができる。

0070

他方、工具軸方向において同一の位置に形成される第2の供給口8Bの数については、第1の実施形態において説明したように1つでも十分である。このため、工具軸方向において同一の位置に形成される第2の供給口8Bの数を1つとすることがドリル2の構造の簡易化及び製造コストの低減に繋がる。但し、穿孔条件に依らずガイドブッシュ3とボディ5との間における隙間への切削油の供給量を十分に得るために、工具軸方向において同一の位置に形成される第2の供給口8Bの数を複数にしてもよい。

0071

工具軸方向において異なる位置に複数の第2の供給口8Bを形成できるようにする場合において、浅い孔の穿孔を行う際にはボディ5のシャンク5A側における第2の供給口8Bが不要となる可能性もある。そこで、第2の流路7B及び第2の供給口8Bを形成するための部材20に代えて、第2の流路7B及び第2の供給口8Bを閉塞するための閉塞部材をボディ5に形成された貫通孔及び雌ねじに挿入できるようにすることができる。

0072

図8図6に示す部材20の挿入用の貫通孔を閉塞部材21で閉塞した例を示すボディ5の縦断面図である。

0073

図8に例示されるように、外周に雄ねじを形成した円柱状の閉塞部材21を製作すれば、閉塞部材21をボディ5に着脱可能に取付けることができる。これにより、浅い孔を穿孔する場合など、必要に応じて部材20の挿入用の貫通孔に形成された雌ねじに閉塞部材21の雄ねじを締付けることによって、第2の流路7B及び第2の供給口8Bを閉塞することができる。その結果、無駄な切削油の供給を低減することができる。

0074

第2の流路7B及び第2の供給口8Bを閉塞する閉塞部材21は、第2の実施形態におけるドリル2に対しても使用することができる。第2の実施形態におけるドリル2に形成することが可能な第2の流路7B及び第2の供給口8Bを閉塞部材21で閉塞すれば、ガイドブッシュ3を使用せずに穿孔を行う場合においても、ドリル2を使用することが可能となる。すなわち、ドリル2に汎用性を持たせることができる。

0075

次に切刃を交換することが可能なインサートドリルで穿孔ユニット1Bを構成した例につて説明する。

0076

図9はボディ5にねじれ溝を有し、かつ切刃を交換することが可能なインサートドリル2Aで穿孔ユニット1Bを構成した例を示す縦断面図、図10図9に示す穿孔ユニット1BでワークWを穿孔している状態を示す縦断面図、図11図9に示すインサートドリル2Aの先端付近における拡大縦断面図、図12図9に示すインサートドリル2Aの切刃部6Aにおける構造例を示す縦断面図である。

0077

図9乃至図12に例示されるように、インサートドリル2Aで穿孔ユニット1Bを構成することができる。インサートドリル2Aの切刃部6Aの構造は、例えば図12に示すようにボルト30を締付けることによってスリット31の幅を変化させることが可能な構造とすることができる。すなわち、ボルト30を締付けてスリット31の幅を狭くすると、切刃部6Aで切刃32を挟み込んで保持することができる。逆に、ボルト30を緩めてスリット31の幅を広げると、切刃部6Aから切刃32を取外すことができる。

0078

このような切刃部6Aの構造はオイルホール付のものも含めて既に実用化されており、容易に製作することができる。そして、切刃部6A及びボディ5が切刃32のホルダとして機能するインサートドリル2Aで穿孔ユニット1Bを構成することができる。

0079

図9及び図10に示す例では、ねじれ溝が形成されたインサートドリル2Aのボディ5に6箇所の第2の流路7B及び第2の供給口8Bが設けられている。すなわち、工具軸方向の異なる3箇所の位置に、それぞれ2つずつ第2の流路7B及び第2の供給口8Bが設けられている。このため、インサートドリル2Aを用いた深孔加工が可能である。第2の流路7B及び第2の供給口8Bは、図9及び図10に例示されるように、溝部分及びマージン部分のいずれにも形成することができる。

0080

インサートドリル2Aは、手持ち式のドリル駆動装置40に取付けて使用することができる。図9及び図10に示す例では、インサートドリル2Aの後端側に雄ねじ2Bが形成されており、インサートドリル2Aの雄ねじ2Bが手持ち式のドリル駆動装置40に形成された雌ねじ41に締付けられることによって、インサートドリル2Aがドリル駆動装置40に保持されている。

0081

また、ドリル駆動装置40には、インサートドリル2Aを保護する円筒状のノーズピース42が設けられており、ノーズピース42がガイドブッシュ3と連結されている。すなわち、ノーズピース42の先端側における内面に形成された雌ねじに、ガイドブッシュ3の外面に形成された雄ねじが締付けられることによって、ノーズピース42がガイドブッシュ3と連結されている。

0082

従って、インサートドリル2A及びガイドブッシュ3のみならず、ガイドブッシュ3と連結可能な構造を有するノーズピース42を設けた手持ち式のドリル駆動装置40を穿孔ユニット1Bの構成要素としてもよい。これは第1の実施形態及び第2の実施形態においても同様である。

0083

以上の第3の実施形態における穿孔ユニット1Bによれば、ドリル2の工具軸方向において異なる複数の位置に第2の流路7B及び第2の供給口8Bを形成することができるため、深孔加工が可能である。また、第2の流路7B及び第2の供給口8Bを閉塞部材21で閉塞することもできるため、浅い孔の加工にも対応することができる。

0084

(第4の実施形態)
図13は本発明の第4の実施形態に係るドリルを構成するボディに形成される貫通孔に挿入される部材の第1の構造例を示す斜視図であり、図14は本発明の第4の実施形態に係るドリルを構成するボディに形成される貫通孔に挿入される部材の第2の構造例を示す斜視図である。

0085

図13及び図14に示された第4の実施形態における穿孔ユニット1Cは、ドリル2を構成するボディ5に設けられる第2の流路7Bの圧力損失を、第2の流路7Bの出口としてボディ5の外周面に設けられる第2の供給口8Bから切削油がボディ5の半径方向に飛散せずに滲み出るように決定した点が他の実施形態における穿孔ユニット1、1A、1Bと相違する。第4の実施形態における穿孔ユニット1Cの他の構成及び作用については他の実施形態における穿孔ユニット1、1A、1Bと実質的に異ならないため第2の流路7Bを形成する部材20A、20B、20Cのみ図示し、同一の構成又は対応する構成については同符号を付して説明を省略する。

0086

第2の流路7Bの圧力損失は、横断面の面積を小さくする程、切削油との摩擦抵抗が増大するため大きくなる。そこで、第2の流路7Bの圧力損失が、切削油が第2の供給口8Bからボディ5の半径方向に飛散せずに滲み出るような圧力損失となるように、第2の流路7Bの少なくとも一部の横断面の面積を決定することができる。

0087

実用的な例として、図13に例示されるような円柱状のポーラス多孔質)材から成る部材20Aを、ボディ5の外表面から第1の流路7Aまで到達するように設けた孔に挿入することによって、圧力損失を増加させた第2の流路7Bを形成することができる。すなわち、第2の流路7Bの少なくとも一部をポーラス材で形成することによって第2の流路7Bの圧力損失を、切削油が第2の供給口8Bからボディ5の半径方向に飛散せずに滲み出るような圧力損失にすることができる。

0088

ポーラス材の具体例としては、フェルト(不織布)や軽石等の他、ポーラスアルミニウムが挙げられる。特に、ポーラスアルミニウムを用いれば、加工性及び耐摩耗性が良好であることから第2の流路7Bを形成する部材20Aの製作とボディ5への取付が容易となる。

0089

別の具体例として図14に例示されるように横断面の面積を調節した第2の流路7Bが形成された部材20Bを、第2の実施形態と同様にボディ5に設けた貫通孔に挿入することもできる。図14に示す例では、横断面が矩形のスリットが第2の流路7Bとして部材20Bに形成されているが、横断面が円形の第2の流路7Bを部材20Bに形成しても良い。また、第1の実施形態と同様に、横断面の面積を調節した第2の流路7Bをボディ5に直接形成しても良い。

0090

但し、第2の実施形態と同様に、部材20Bの外表面に雄ねじを形成し、ボディ5の貫通孔に形成した雌ねじに締付けるようにすれば、第2の流路7Bを形成した部材20Bを交換することが可能となる。このため、第2の流路7Bを異なる圧力損失で形成するための複数の部材20Bを準備しておき、複数の部材20Bのいずれかを交換可能にボディ5に取付けられうようにしてもよい。また、図13に例示されるようにスリットを第2の流路7Bとする場合には、スリットの向きを変えることも可能となる。そこで、切削油の供給圧力及び種類、ドリル2のサイズ及び回転数並びにワークWの材質及び孔の深さ等の切削条件に応じてスリットの向きや第2の流路7Bのサイズを変更できるようにしてもよい。

0091

尚、実際に様々な条件で穿孔試験を行ったところ、第2の流路7Bの少なくとも一部の横断面における最大幅を0.5mm以下とすることが、ボディ5内の流路7に切削油を供給しながらボディ5を回転させた際に切削油を第2の供給口8Bからボディ5の半径方向に飛散させないために重要な条件であることが判明した。従って、第2の流路7Bの内径や幅は、0.5mm以下程度の僅かな空隙とすることが適切である。

0092

そこで、図8に示す閉塞部材21と同様に、中空でない円柱状の部材20の外表面に雄ねじを形成してボディ5の貫通孔に形成した雌ねじに締付け、円柱状の部材20に形成した雄ねじと、ボディ5の貫通孔に形成した雌ねじとの間に形成される隙間を第2の流路7Bとして利用しても良い。

0093

図15は、雄ねじと雌ねじとの間に形成される隙間を第2の流路7Bとして使用する例を示すボディ5と、円柱状の部材20Cの拡大部分断面図である。

0094

図15に示すように、円柱状の部材20Cの外表面に雄ねじ50Aを形成する一方、ボディ5の貫通孔に雌ねじ50Bを形成することができる。円柱状の部材20Cに形成された雄ねじ50Aを、ボディ5の貫通孔に形成された雌ねじ50Bに締付けると、雄ねじ50Aと雌ねじ50Bの等級が典型的な等級であれば、図15に例示されるように、雄ねじ50Aの山と雌ねじ50Bの谷との間に雄ねじ50Aの山頂隙間と呼ばれる隙間が形成される一方、雄ねじ50Aの谷と雌ねじ50Bの山との間に雄ねじ50Aの谷底隙間と呼ばれる隙間が形成される。

0095

そこで、雄ねじ50Aと雌ねじ50Bとの間に形成される隙間を、切削油を滲み出るようにボディ5から排出するための第2の流路7Bとして使用することができる。この場合、第2の流路7Bは螺旋状となり、第2の流路7Bの幅は雄ねじと雌ねじの嵌め合いの区分が精、中、粗のいずれに該当するか等を分類する等級によって調節することができる。

0096

逆に、図8に示す閉塞部材21で第2の流路7Bを閉塞する場合には、管用ねじと同様に、閉塞部材21に形成した雄ねじと、ボディ5の貫通孔に形成した雌ねじとの間に切削油が漏れ出るような隙間が生じないようなねじの規格を採用することが肝要である。

0097

別の方法として、図15に例示される雄ねじ50Aを締付けると、雄ねじ50Aと雌ねじ50Bとの間に形成される隙間が端部で閉塞される一方、雄ねじ50Aを緩めると、雄ねじ50Aと雌ねじ50Bとの間に形成される隙間が開放されるようにしても良い。つまり、雄ねじ50Aを締付けると円柱状の部材20Cが閉塞部材21として機能し、雄ねじ50Aを緩めると、円柱状の部材20Cが第2の流路7Bの圧力損失を調整するための調整部材として機能するようにしても良い。

0098

他方、図13に例示されるようなポーラス材から成る部材20Aをボディ5に設けた孔に挿入する場合や図14に例示されるような横断面の面積を調節した第2の流路7Bが形成された部材20Bをボディ5に設けた孔に挿入する場合においても、図8に例示されるような閉塞部材21と交換すれば、第2の流路7Bを閉塞することができる。

0099

上述した例に加えて、第2の流路7Bの中心軸をワークW側に傾斜させて形成し、切削油がボディ5の回転半径方向ではなく、ワークW側に向かって吐出されるようにしても良い。また、経験的には、第1の流路7Aの出口として形成される第1の供給口8Aに供給される切削油の量が、第2の流路7Bの出口として形成される第2の供給口8Bに供給される切削油の量の2倍以上となるように流路7を形成することが、第2の流路7B及び第2の供給口8Bに過剰な切削油が供給される結果、第1の流路7A及び第1の供給口8Aに供給すべき切削油が不足するという事態を回避する観点から重要である。

0100

以上の第4の実施形態における穿孔ユニット1Cによれば、第2の流路7B及び第2の供給口8Bに過剰な切削油が供給されることを防止することができる。その結果、第2の供給口8Bがガイドブッシュ11の外部に露出している間に切削油が第2の供給口8Bから飛散する事態を防止することができる。或いは、第2の供給口8Bがガイドブッシュ11の外部に露出している間に第2の供給口8Bから飛散する切削油の量を低減することができる。

0101

他方、第1の流路7A及び第1の供給口8Aには、十分な量の切削油を供給することができる。すなわち、第2の供給口8Bから切削油が飛散することによる圧力損失を飛躍的に低減できるため、第1の流路7A及び第1の供給口8Aに供給される切削油の圧力を確保することができる。

0102

また、切削油が第2の供給口8Bから飛散する事態を回避又は第2の供給口8Bから飛散する切削油の量を低減できるため、ワークWの穿孔後における清掃作業が容易となる。

0103

(第5の実施形態)
図16は、本発明の第5の実施形態に係る回転切削工具を含む回転切削ユニットの構成図である。

0104

図16に示された第5の実施形態における回転切削ユニット60は、回転切削工具61をドリル2以外の切削工具とした点が他の実施形態における穿孔ユニット1、1A、1B、1Cと相違する。第5の実施形態における他の構成及び作用については他の実施形態と実質的に異ならないため同一の構成又は対応する構成については同符号を付して説明を省略する。

0105

ドリル2はもちろん、図16に例示されるようにドリル2以外の回転切削工具61を用いて回転切削加工を行うこともできる。すなわち、回転切削工具61とガイドブッシュ3とを少なくとも用いて切削油を供給しながらワークWの切削加工を行うことができる。

0106

ドリル2以外の回転切削工具61としては、リーマエンドミルが挙げられる。リーマは、通常、図16に例示されるようにワークWに下孔が形成されている場合に孔の内面仕上げ加工を行うために使用される孔加工工具である。また、孔の底面の一部が平面となる座繰り孔を加工する場合には、孔加工工具としてエンドミルを用いて穿孔が行われる場合もある。

0107

リーマやエンドミル等の回転切削工具61を用いて切削加工を行う場合においても、図9に例示されるようにガイドブッシュ3と連結されるノーズピース42を有するドリル駆動装置40等の回転切削工具駆動装置を用いて回転切削工具61を回転させることができる。

0108

リーマやエンドミル等の回転切削工具61についても、上述したドリル2と同様に、ボディ5と、切刃自体又は切刃を着脱可能な部品から成る切刃部6で構成し、ボディ5の切刃部6と逆側における端部をホルダで保持するためのシャンク5Aとする一方、ボディ5の切刃部6側にガイドブッシュ3に挿入するためのバックテーパが無い部分を形成することができる。そして、ボディ5の切刃部6側におけるバックテーパが無い部分に、ガイドブッシュ3と、ボディ5との間に形成される隙間に切削油を供給するための第2の供給口8Bを設けることができる。

0109

また、リーマやエンドミル等の回転切削工具61についても、上述したドリル2と同様に、切刃を交換することが可能なインサート式の工具とすることができる。その場合には、ボディ5が切刃を保持するためのホルダとして機能する。
(他の実施形態)
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。

0110

1、1A、1B、1C穿孔ユニット
2ドリル
2Aインサートドリル
2B雄ねじ
3ガイドブッシュ
4穿孔板
4A止めねじ
5 ボディ
5Aシャンク
6、6A切刃部
7流路
7A 第1の流路
7B 第2の流路
8A 第1の供給口
8B 第2の供給口
10 ドリル
11 ガイドブッシュ
20、20A、20B、20C 部材
21閉塞部材
30ボルト
31スリット
32 切刃
40ドリル駆動装置
41雌ねじ
42ノーズピース
50A 雄ねじ
50B 雌ねじ
60回転切削ユニット
61回転切削工具
W ワーク
W1、W2、W3 板材

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