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図面 (9)

課題

特にナノメートルオーダーでの分離の信頼性と素材の選択の自由度を高め、かつ製造コストを低減する。

解決手段

フィルタ10は、金属又は樹脂により環状に形成され、内周端から外周端に延びる溝14が形成された基板12,13を有し、基板11,12,13が複数積層されて結合され、互いに重なり合う基板11,12,13の間の溝14を分離流路16としたものである。

概要

背景

化学蒸着CVD)法によって基板白金等の金属を蒸着して、高さが10〜20nmの円柱状のストッパーを所定の間隔で基板上に形成し、該基板を積層することで、常温時の基板相互の間隔(濾過処理時開口幅)をストッパーで規定した濾過用フィルタが開示されている(特許文献1参照)。また、この文献には、基板に対するプラズマエッチング処理により、基板上にストッパーを一体的に形成することが開示されている。更に、プラズマエッチングの条件を調節することで、ストッパーの高さを1〜100000nmに調整するとされている。

概要

特にナノメートルオーダーでの分離の信頼性と素材の選択の自由度を高め、かつ製造コストを低減する。フィルタ10は、金属又は樹脂により環状に形成され、内周端から外周端に延びる溝14が形成された基板12,13を有し、基板11,12,13が複数積層されて結合され、互いに重なり合う基板11,12,13の間の溝14を分離流路16としたものである。

目的

本発明は、特に、細胞内の多胞体(多胞小体)を介して放出されるナノメートルオーダーのエクソソーム(大きさ30nm〜100nm)を体液である流体から分離するのに適した信頼性と素材の選択の自由度を高め、かつ製造コストを低減したフィルタを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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この技術が所属する分野

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請求項1

環状かつ板状の基部の表面に、前記基部の内周端から外周端に延びる突条を形成することでマスタを作製する第1工程と、前記マスタを用いて、前記突条により溝が形成される環状の基板を作製する第2工程と、前記基板を積層して結合し、前記基板の前記溝と該基板の前記溝側に重なる他の前記基板とで分離流路を形成する第3工程と、を有するフィルタの製造方法。

請求項2

金属又は樹脂により環状に形成され、内周端から外周端に延びる溝が形成された基板を有し、前記基板が複数積層されて結合され、互いに重なり合う前記基板の間の前記溝を分離流路としたフィルタ。

請求項3

前記溝の幅は、前記内周端側から前記外周端側に向かって拡大している請求項2に記載のフィルタ。

技術分野

0001

本発明は、体液中にある、特に、ナノメートルオーダーエクソソームを分離するフィルタに関する。

背景技術

0002

化学蒸着CVD)法によって基板白金等の金属を蒸着して、高さが10〜20nmの円柱状のストッパーを所定の間隔で基板上に形成し、該基板を積層することで、常温時の基板相互の間隔(濾過処理時開口幅)をストッパーで規定した濾過用フィルタが開示されている(特許文献1参照)。また、この文献には、基板に対するプラズマエッチング処理により、基板上にストッパーを一体的に形成することが開示されている。更に、プラズマエッチングの条件を調節することで、ストッパーの高さを1〜100000nmに調整するとされている。

先行技術

0003

特開2012−210619号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、化学蒸着法を用いた場合、ナノメートルオーダーの高さのコントロールは難しく、上記した従来例のように、高さが10〜20nmのストッパーを基板上に形成することは難しいと考えられる。プラズマエッチングを用いた場合でも、オーバーエッチング等が生ずることがあるため、基板上にストッパーを一体的に形成すること、及びストッパーの高さをナノメートルオーダーで調整することは難しいと考えられる。

0005

また、化学蒸着法やプラズマエッチングを行うため、基板やストッパーの素材として金属やシリコンが用いられており、素材の選択に制約が伴う。

0006

更に、各々の基板を化学蒸着法やプラズマエッチングにより加工する必要があるため、製造コストが嵩むおそれがある。

0007

本発明は、特に、細胞内の多胞体(多胞小体)を介して放出されるナノメートルオーダーのエクソソーム(大きさ30nm〜100nm)を体液である流体から分離するのに適した信頼性と素材の選択の自由度を高め、かつ製造コストを低減したフィルタを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

第1の態様に係るフィルタの製造方法は、環状かつ板状の基部の表面に、前記基部の内周端から外周端に延びる突条を形成することでマスタを作製する第1工程と、
前記マスタを用いて、前記突条により溝が形成される環状の基板を作製する第2工程と、前記基板を積層して結合し、前記基板の前記溝と該基板の前記溝側に重なる他の前記基板とで分離流路を形成する第3工程と、を有する。

0009

このフィルタでは、ナノメートルオーダーの高さを有する突条が形成されたマスタを用いて、該突条に対応する溝を有する環状の基板を作製する。つまり、マスタにおける突条の形状を基板に転写して溝を形成する。例えば、電鋳を用いることで、ナノメートルオーダーでの突条の高さ(基板の溝の深さ)のコントロールが容易となる。このため、ナノメートルオーダーでの分離の信頼性を高めることができる。

0010

また、基板の作製にマスタを用いることで、基板の材料として金属だけでなく樹脂を用いることも可能である。このため、フィルタに求められる特性に応じて素材を選択できる。

0011

更に、マスタにより基板を容易に複製できるので、基板の製造コストを低減できる。

0012

第2の態様に係るフィルタは、金属又は樹脂により環状に形成され、内周端から外周端に延びる溝が形成された基板を有し、前記基板が複数積層されて結合され、互いに重なり合う前記基板の間の前記溝を分離流路としている。

0013

このフィルタでは、金属又は樹脂で形成された基板にナノメートルオーダーの深さの溝が形成されており、該溝により分離流路が形成されているので、ナノメートルオーダーでの分離の信頼性を高めることができる。基板の素材として、例えば電鋳金属を用いることで、ばね性等の機械的特性を要求される用途に使用できる。また、基板の素材として樹脂を用いることで、生物不活性であることが要求される用途に使用できる。

0014

第3の態様は、第2の態様に係るフィルタにおいて、前記溝の幅が、前記内周端側から前記外周端側に向かって拡大している。

0015

このフィルタでは、分離対象が内周側に供給され、分離流路を通過可能なエクソソーム等の粒子が内周側から外周側に向かって通過する。このとき、基板における溝の幅が内周端側から外周端側に向かって拡大しているので、溝の幅が最も狭い部位を通過したエクソソーム等の粒子は、その後円滑に外周端側へ進む。したがって、分離流路に詰まりが生じ難い。

発明の効果

0016

本発明によれば、体液である流体から、特にナノメートルオーダーのエクソソームを分離する信頼性を高め、素材の選択の自由度を高め、かつ製造コストを低減することができる。

図面の簡単な説明

0017

第1実施形態に係るフィルタを示す斜視図である。
第1実施形態に係るフィルタを示す分解斜視図である。
(A)は、幅が一定の溝と、該溝を通過可能な粒子を示す斜視図である。(B)は、幅が内周端側から外周端側に向かって拡大している溝を、エクソソーム等の粒子が通過する状態を示す斜視図である。(C)フィルタの内周に沿って体液である流体を流したときの、溝を通過するエクソソーム等の粒子と溝を通過しないエクソソーム等の粒子の流れを示す平面図である。
マスタの製造工程を模式的に示す断面図である。
(A)は、突条を有するマスタを示す断面図である。(B)は、突条を有するマスタに電鋳金属を形成する工程を示す断面図である。(C)は、電鋳金属の余分な盛り上がりを除去する工程を示す断面図である。(D)は、マスタから取り外された基板を示す断面図である。
第2実施形態に係るフィルタを示す斜視図である。
第2実施形態に係るフィルタを示す分解斜視図である。
第2実施形態に係るフィルタの使用例を示す断面図である。

実施例

0018

以下、本発明を実施するための形態として、流体(体液)中にあるエクソソームを分離するフィルタを図面に基づき説明する。

0019

[第1実施形態]
図1図2において、本実施形態に係るフィルタ10は、基板が複数積層されて互いに結合されている。具体的には、最上部に位置する1枚の基板11と、中央部の複数の基板12と、最下部に位置する1枚の基板13とが積層されて、固定手段18により互いに結合されている。固定手段18は、クランプボルト及びナット接着加締め、常温接合等、基板11〜13を軸方向に結合できるものであればよい。

0020

フィルタ10による分離対象は、バイオ医療分野産業分野食品分野で多く扱われているナノサイズの粒子であり、医療分野では特に血液中に含まれるエクソソームやcfDNA(cell free DNA)等のナノ粒子を対象としている。現在、バイオ・医療分野においてはエクソソームやcfDNA以外にも未知ナノサイズ粒子病気メカニズム解明するための重要な研究対象となっており、それらを捕捉するために分離するナノサイズフィルターには大きな注目が集まっている。

0021

最上部の基板11と中央部の基板12は、例えばそれぞれ断面四角形環状部材である。図示の例では、基板11は円環状に形成されている。基板11〜13の厚さは、例えばそれぞれミリメートルオーダー(0.05〜1.5mm)又はマイクロメートルオーダー(5〜50μm)である。基板11〜13は、金属又は樹脂により環状に形成されている。金属の素材としては、ニッケルルテニウムイリジウムパラジウム、白金、又はこれらの合金を用いることができる。分離対象の粒子が細胞等である場合には、生命に影響を与えない、例えば白金、金が用いられる。樹脂としては、例えば、MEMS技術によるシリコン樹脂又はPMMAアクリル樹脂熱プレス成型射出成形によるCOPシクロオレフィンポリマー)等の生体適合性樹脂でも良い。

0022

基板11,12は、軸方向(図面では上下方向)に貫通している。基板13は、軸方向において基板11と反対側(図面では最下部)に位置している。基板13は、例えば断面四角形の環状部13A及び底部13Bを一体的に有している。底部13Bが存在することにより、基板13は軸方向に貫通していない。図示の例では、環状部13Aは、円環状に形成されている。

0023

基板12,13には、内周端から外周端に延びる、例えばナノメートルオーダー(大きさ30nm〜100nm)の深さの溝14が形成されている。基板12での溝14の深さは、端面12Aを基準とする。基板13での溝14の深さは、端面13Cを基準とする。溝の断面形状は、例えば矩形である。溝14の深さは一定であってもよく、また内周側から外周側に向かって深さが漸増していてもよい。基板12においては、溝14は、例えば、軸方向の一方側の端面12Aにおける周方向複数箇所に均等に配置されている。基板13においては、溝14は、例えば軸方向の一方側の端面13Cにおける周方向の複数箇所に均等に配置されている。端面13Cは、基板12と接する側の端面である。底部13Bは、軸方向において端面13Cと反対側に位置している。

0024

基板11,12における軸方向の他方側の端面(図面では底面)は、それぞれ平面状に形成されている。基板11,12,13が重ねられることで、溝14の上方は、該上方に重なる基板11又は基板12により塞がれている。これによって、図1に示されるように、基板11と基板12との間の溝14、互いに重なり合う基板12の間の溝14、基板12と最下部の基板13の間の溝14が、例えば断面矩形状の分離流路16としてそれぞれ形成されている。分離流路16は、フィルタ10の内周端側から外周端側に連通している。分離流路16以外の部分は、内周端側から外周端側に連通していない。

0025

図2に示される例では、1つの基板12,13の周方向における溝14の周方向の平均幅W1(平均長さ)の合計が、溝14でない領域の周方向の平均幅W2(平均長さ)の合計よりも小さくなっている。

0026

分離流路16を通過可能な大きさは、溝14の幅及び深さのうち小さい方により定まる。溝14の深さが溝14の幅より小さい場合には、分離流路16を通過可能な大きさは溝14の深さにより定まる。溝14の幅が溝14の深さより小さい場合には、分離流路16を通過可能な大きさは溝14の幅により定まる。溝14の深さと幅が等しい場合には、分離流路16を通過可能な大きさは、溝14の幅及び深さの双方により定まる。

0027

図3(A)に示されるように、溝14の周方向の幅は一定でもよく、また、図3(B)に示されるように、内周端側から外周端側に向かって拡大していてもよい。図3(A)に示される構成の場合、溝14の深さと幅が等しく、分離流路16を通過できるエクソソーム等の粒子22の大きさを溝14の深さと幅の双方で制限することができるようになっている。尚、溝14の深さが溝14の平均幅よりも小さい構成であってもよい。この場合、分離流路16を通過できる粒子22の大きさは、溝14の寸法の最も小さい部分である溝14の深さで制限される。

0028

図3(B)に示される構成の場合、溝14の深さと最小幅が等しく、分離流路16を通過できるエクソソーム等の粒子22の大きさを溝14の深さと最小幅の双方で制限することができるようになっている。

0029

図3(C)に示されるように、溝14の周方向の幅が、内周端側から外周端側に向かって拡大しつつ、溝14の中心線CLが径方向Rに対して所定方向に傾斜していてもよい。この例では、溝14の中心線CLが径方向Rに対して左側に傾斜している。

0030

(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図3(A)において、本実施形態に係るフィルタ10では、例えば基板12にナノメートルオーダー(大きさ30nm〜100nm)の深さの溝14が形成されており、該溝14により分離流路16が形成されている。したがって、特にナノメートルオーダーでの濾過の信頼性を高めることができる。

0031

具体的には、図3(A)に示されるように、ナノメートルオーダー(大きさ30nm〜100nm)のエクソソーム等の粒子22,及びマイクロメートルオーダー(大きさ8μm程度)の末梢循環腫瘍細胞又は希少細胞赤血球等の粒子24を含む流体(体液)が基板11側からフィルタ10の内部に供給されると、分離流路16を通過可能な大きさのエクソソーム等の粒子22が該分離流路16を内周側から外周側に向かって通過する。また、分離流路16を通過できない大きさのマイクロメートルオーダー(大きさ8μm程度)の末梢循環腫瘍細胞又は希少細胞、赤血球等の粒子24は、フィルタ10の内周側に留まる。これにより、末梢循環腫瘍細胞又は希少細胞、赤血球等の粒子24を捕捉し、エクソソーム等の粒子22を流体(体液)から分離することができる。

0032

図3(B)に示される例では、基板12における溝14の幅が内周端側から外周端側に向かって拡大しているので、溝14の幅が最も狭いところを粒子22が通過すると、その後は粒子22が溝壁に接触し難くなる。分離流路16に詰まりが生じ難いため、濾過効率を向上させることが可能である。

0033

図3(C)に示される例では、溝14の中心線CLが基板12の径方向Rに対して左側に傾斜しているので、粒子22、24を含む流体をフィルタ10の内周に沿って矢印A方向に流すことにより、溝14(分離流路16)を通過できない大きさを有する粒子24が、溝14(分離流路16)に引っ掛かり難くなる。このため、目詰まりの抑制が可能となる。溝14(分離流路16)を通過できる大きさの粒子22は、該溝14(分離流路16)を通過して行く。

0034

また、基板11〜13は、金属又は樹脂により形成するようにすれば、素材の選択の自由度を高め、かつ製造コストを低減することができる。基板11〜13(図1)の素材として電鋳金属を用いることで、ばね性等の機械的特性を要求される用途に使用できる。また、基板11〜13の素材として樹脂を用いることで、生物不活性であることが要求される用途に使用できる。

0035

(フィルタの製造方法)
本実施形態に係るフィルタの製造方法は、第1工程S1(図4)と、第2工程S2(図5)と、第3工程S3(図1)とを有している。

0036

図4において、第1工程S1は、基部26の表面に突条28を電鋳により形成することでマスタ32を作製する。基部26は環状かつ板状であるが、図示の例では簡単のため板状に描かれている。突条28は、基部26の表面を基準として例えばナノメートルオーダー(30nm〜100nm)の高さを有し、基部26の内周端から外周端に延びる形状となっている(図示せず)。

0037

具体的には、導電性を有する基板34の上にフォトレジスト36を塗布し、図示しないマスクを用いてリソグラフィを行い、フォトレジスト36の例えば中央部分を除去する。これにより、基板34の一部が露出する。この露出部分に電鋳を行うことで基部26を作製する。次に、基部26の上にフォトレジスト38を塗布し、図示しないマスクを用いてリソグラフィを行い、フォトレジスト38の一部を除去する。これによって、基部26の一部が露出する。この露出部分に電鋳を行うことで、基部26の表面に突条28を一体的に作製する。続いて、フォトレジスト36,38を除去し、更に基部26を基板34から剥離させることにより、マスタ32が得られる。

0038

図5において、第2工程S2では、マスタ32を用いて、突条28によって溝14が形成される環状の基板12を作製する。具体的には、マスタ32の突条28側に、例えば電鋳を行い、基部26及び突条28に沿った形状を有する基板12を作製する。このとき、基部26に対して突条28が突出していることから、突条28が存在する部分には、電鋳金属の盛上り部40が形成される。この盛上り部40は、研摩により除去される。そして、基板12をマスタ32から剥離させることにより、溝14を有する基板12が得られる。尚、第2工程S2により、基板13を作製することも可能である。

0039

図1において、第3工程S3では、基板11〜13を積層して結合し、基板12,13の溝14と該基板12,13の溝14側に重なる他の基板11,12とで分離流路16を形成する(図1参照)。基板11〜13を結合するための固定手段18は、クランプ、ボルト及びナット、接着、加締め、常温接合等である。このようにして、フィルタ10を製造することができる。

0040

このフィルタの製造方法では、電鋳により例えばナノメートルオーダーの高さを有する突条28が形成されたマスタ32を用いて、該突条28に対応する溝14を有する環状の基板12,13を作製する。つまり、マスタ32における突条28の形状を基板12,13に転写して溝14を形成する。電鋳を用いることで、ナノメートルオーダーでの突条28の高さ(基板12,13の溝14の深さ)のコントロールが容易となる。このため、特にナノメートルオーダーでの濾過の信頼性を高めることができる。

0041

また、基板12,13の作製にマスタ32を用いることで、基板12,13の材料として金属だけでなく樹脂を用いることも可能である。このため、フィルタ10に求められる特性に応じて素材を選択できる。

0042

更に、マスタ32により基板12,13を容易に複製できるので、基板12,13の製造コストを低減できる。

0043

尚、溝14を有する基板12,13の全体を電鋳で作製してもよいし、予め作成しておいた基部26上に、溝14を有する層を電鋳で積み上げて作成してもよい(方法については図示せず)。

0044

[第2実施形態]
図6図7において、本実施形態に係るフィルタ20では、基板11,42A〜42G,43の直径が、基板11側から基板43側に向かって次第に縮小している。具体的には、最上部に位置する1枚の基板11と、中央部の複数の基板42〜42Gと、最下部に位置する1枚の基板43とが積層されて互いに結合されている(固定手段は図示せず)。

0045

基板11,42A〜42Gは、例えばそれぞれ断面四角形の環状部材である。図示の例では、基板11,42A〜42Gは円環状に形成されている。基板11,42A〜42G,43の厚さは、例えばそれぞれミリメートルオーダー(0.05〜1.5mm)又はマイクロメートルオーダー(5〜50μm)である。

0046

基板11,42A〜42G,43は、例えば同軸上に重なっている。換言すれば、基板11,42A〜42G,43における外径内径は、互いに隣り合う基板同士が部分的に重なることが可能なように設定されている。基板42Aの外径は、基板11の内径よりも大きく、外径よりも小さい。また、基板42Bの外径は、基板42Aの内径よりも大きく、外径よりも小さい。基板42C〜42G,43についても同様である。

0047

基板11,42A〜42G,43は、電鋳金属又は樹脂により環状に形成されている。電鋳金属の素材としては、ニッケル、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、白金、又はこれらの合金を用いることができる。濾過対象の粒子が細胞等である場合には、生命に影響を与えない、例えば白金、金が用いられる。

0048

基板11,42A〜42Gは、軸方向(図面では上下方向)に貫通している。基板43は、軸方向において基板11と反対側(図面では最下部)に位置している。図7に示されるように、基板43は、例えば断面四角形の環状部43A及び底部43Bを一体的に有している。底部43Bが存在することにより、基板43は軸方向に貫通していない。図示の例では、環状部43Aは、円環状に形成されている。

0049

基板42A〜42G,43には、内周端から外周端に延びる、例えばナノメートルオーダー(30nm〜100nm)の深さの溝14が形成されている。基板42Aでの溝14の深さは、端面42A1を基準とする。基板43での溝14の深さは、端面43Cを基準とする。溝の断面形状は、例えば矩形である。溝14の深さは一定であってもよく、また内周側から外周側に向かって深さが漸増していてもよい。基板42Aにおいては、溝14は、例えば、軸方向の一方側の端面42A1における周方向の複数箇所に均等に配置されている。基板43においては、溝14は、例えば軸方向の一方側の端面43Cにおける周方向の複数箇所に均等に配置されている。端面43Cは、基板42Gと接する側の端面である。底部43Bは、軸方向において端面43Cと反対側に位置している。

0050

基板42A〜42Gにおける軸方向の他方側の端面(図面では底面)は、それぞれ平面状に形成されている。基板11,42A〜42G,43が順に重ねられることで、溝14の上方は、該上方に隣接する基板11又は基板42A〜42Gにより塞がれている。これによって、図6に示されるように、基板11と基板42Aとの間の溝14、互いに重なり合う基板42A〜42Gの間の溝14、及び基板42Gと最下部の基板43の間の溝14が、例えば断面矩形状の分離流路16としてそれぞれ形成されている。分離流路16は、フィルタ20の内周端側から外周端側に連通している。分離流路16以外の部分は、内周端側から外周端側に連通していない。

0051

このフィルタ20では、第1実施形態と同様に、基板11側からフィルタ20の内部に
粒子22、24を含む流体(体液)を供給し、分離を行うことができる。分離の詳細については、第1実施形態と同様である。

0052

尚、図8に示されるように、フィルタ20の上側が小径側となるように、該フィルタ20を倒立状態円筒44内に配置してもよい。この例では、基板11の外周が円筒44の内周に密着しており、液体(体液)が通過しないようになっている。水密性気密性を確保するために、基板11の外周が円筒44の内周との間に、Oリング等のシール材を配置してもよい。

0053

円筒44における基板42Aの径方向外側には、貫通孔44Aが形成されている。この貫通孔44Aの大きさは、分離流路16を通過できない大きさの粒子24も通過できる大きさに設定されている。そして、貫通孔44Aには、図示しない戻り経路が設定される。この戻り経路の下流側は、円筒44内におけるフィルタ20より上方の位置に接続される。つまり、粒子22、24を含む流体(体液)は、戻り経路を通じて矢印B方向に循環するようになっている。

0054

円筒44内におけるフィルタ20の上方に粒子22、24を含む流体(体液)が供給されると、分離流路16を通過可能な大きさの粒子22が該分離流路16を外周側から内周側に向かって通過し、円筒44内を矢印C方向へ流れて行く。また、分離流路16を通過できない大きさの粒子24は、フィルタ20の外周に留まる。粒子24は、円筒44の貫通孔44Aから戻り経路により、円筒44内におけるフィルタ20の上方に矢印B方向に戻される。この戻りの流れには、分離流路16に入ることができなかった粒子22も含まれていることがある。この場合でも、循環を繰り返すことにより当該粒子22は次第に分離流路16を通過して行くので、分離流路16を通過できない大きさの粒子24がフィルタ20の上側に残されることになる。このようにして、粒子24を捕捉し、粒子22を分離することができる。

0055

他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。

0056

[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。

0057

上記したフィルタの製造方法では、電鋳によりマスタ32を作製して基板12,13を作製するものとしたが、電鋳以外にシリコンやフォトレジストで形成する方法でもよい。シリコンマスタの製作プロセスは、シリコンウエハ上にリソグラフィによってフォトレジストパターンを形成した後にシリコンをエッチングして溝を形成する方法である。また、フォトレジストマスタの製作プロセスは金属やシリコン、ガラス等の基板上にフォトリソグラフィによってフォトレジストの突条を形成する方法である。
更に、LIGA(Lithogaphie Galvanoformung Abfomung)技術を利用することによって作製してもよい(服部正、表面技術、Vol. 62, No. 12, 619-624, 2011; W. Elufeld and H. Lhe, Radiat. Phys. Chem., 45(3): 340-365, 1995)。

0058

尚、基板12,13の全体がLIGA技術により作製されていてもよいし、溝14の部分がLIGA技術により作製されていてもよい。後者の場合、溝14が形成されていない基板12,13(図示せず)のうち、溝14に相当する部分以外に金属を積層することで、溝14を形成することができる。

0059

本発明のフィルタは、上述したとおり、溝の深さ(分離流路の高さ)をナノメートルオーダー(大きさ30nm〜100nm)に設定すればエクソソームを体液である流体から分離できるため、電鋳技術を用いてもフィルタにナノメートルオーダーの微細な孔を作製するのが困難であった問題を解消することができ、医療・バイオ分野におけるエクソソームの検体に極めて有用である。
また、ナノメートルオーダーの粒子は、エクソソーム以外に、工業分野における金属ナノ粒子金ナノ粒子銀ナノ粒子ニッケルナノ粒子酸化鉄等の磁性ナノ粒子)、有機系ナノ粒子(アクリル系、スチレン系等)、セラミックナノ粒子等があり、これらの粒子も本発明のフィルタで分離することができるため、工業分野においても極めて有用である。

0060

10フィルタ
11基板
12 基板
13 基板
14 溝
16分離流路
20 フィルタ
26 基部
28突条
32マスタ
42A 基板
42B 基板
42C 基板
42D 基板
42E 基板
42F 基板
42G 基板
43 基板
S1 第1工程
S2 第2工程
S3 第3工程

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