図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2020年8月31日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

2つの電極によって生体電位及び生体インピーダンスを同時に計測できるスマートウェアを提供すること。

解決手段

着用時に着用者の体に当接するように衣服に設けられた第1電極3及び第2電極4と、生体インピーダンスを計測するための計測用電流を第1電極3及び第2電極4の間に印加する電流印加手段61と、電流印加手段61によって計測用電流が第1電極3及び第2電極4の間に印加された状態で第1電極3及び第2電極4の間の電極間電位差を計測する電位差計測手段62と、電極間電位差から生体電位に対応する周波数成分を取り出す第1周波数フィルタ63と、電極間電位差から計測用電流の印加によって発生した生体インピーダンスの算出用電位差に対応する周波数成分を取り出す第2周波数フィルタ64と、算出用電位差に基づいて生体インピーダンスを算出する生体インピーダンス算出手段66と、を備えることを特徴とするスマートウェア1。

概要

背景

近年、様々な分野において、身体に装着して使用されるコンピュータデバイスであるウェアラブルデバイスが注目されている。その中で期待されている分野の一つにヘルスケアスポーツへの応用を中心とした生体計測がある。ウェアラブルデバイスによって手軽に生体情報計測できるようになると、日常生活における体調管理や健康維持のための運動管理等、また、スポーツ現場におけるトレーニング強度管理や効果の評価等への応用も期待できる。このようなウェアラブルデバイスの中で、着るだけで着用者の生体情報を計測できる衣服型のウェアラブルデバイスは、スマートウェアと呼ばれている。

上記技術分野において、特許文献1には、衣服の裏側の特定の位置に3つの電極が固着されており、着用者がその衣服を着用するだけで、着用者の体の特定の位置に電極が当接して、着用者の心電図を計測することができる心電図測定用衣服が開示されている。心電図は、心臓の活動に伴い生じる電位の変化を波形として示した生体情報であり、心疾患診断病状の把握等のため、医療現場では広く普及しているものである。また、心電図からは心拍数を算出することができ、心拍数によって、運動時の体への負荷を評価したり、心拍数の変動によって、自律神経系の活動の評価を行うこともできる。一般的な心電図の計測方法では、ディスポーザブル電極をテープ粘着性ゲル等の粘着素材によって体の特定の位置に貼付して計測が行われるため、電極の貼付位置専門知識を要し、また、粘着素材によって皮膚がかぶれる等の問題があった。特許文献1の心電図測定用衣服は、このような問題を解決し、着るだけで簡便に心電図を測定することができるようになっている。

一方、ウェアラブルデバイスではないが、特許文献2には、同一の2つの電極により心拍情報呼吸情報とを同時に取得できる生体信号計測装置が開示されている。心拍情報は心電図の波形や心拍数などの情報で、生体電位の計測によって取得でき、呼吸情報は、呼吸数呼吸の深さ、呼吸の有無などの情報で、胸部生体インピーダンスの計測によって取得できることが開示されている。特許文献2の生体信号計測装置では、ユーザの胸部にディスポーザブル電極等の貼付型の電極を2つ設置し、この2つの電極を用いて、生体電位の計測と、生体インピーダンスの計測とを、所定のタイミングで切り替え時分割による計測を行い、それぞれの計測されたデータから、それぞれの計測されていない時間の区間補間処理を行うことによって、心拍情報と呼吸情報という異なる生体情報を取得している。

概要

2つの電極によって生体電位及び生体インピーダンスを同時に計測できるスマートウェアを提供すること。着用時に着用者の体に当接するように衣服に設けられた第1電極3及び第2電極4と、生体インピーダンスを計測するための計測用電流を第1電極3及び第2電極4の間に印加する電流印加手段61と、電流印加手段61によって計測用電流が第1電極3及び第2電極4の間に印加された状態で第1電極3及び第2電極4の間の電極間電位差を計測する電位差計測手段62と、電極間電位差から生体電位に対応する周波数成分を取り出す第1周波数フィルタ63と、電極間電位差から計測用電流の印加によって発生した生体インピーダンスの算出用電位差に対応する周波数成分を取り出す第2周波数フィルタ64と、算出用電位差に基づいて生体インピーダンスを算出する生体インピーダンス算出手段66と、を備えることを特徴とするスマートウェア1。

目的

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、2つの電極によって生体電位及び生体インピーダンスを同時に計測できるスマートウェアを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

着用者に着用される衣服と、前記衣服の着用時に前記着用者の体に当接するように前記衣服に設けられた第1電極及び第2電極と、生体インピーダンス計測するための計測用電流を前記第1電極及び前記第2電極の間に印加する電流印加手段と、前記電流印加手段によって前記計測用電流が前記第1電極及び前記第2電極の間に印加された状態で前記第1電極及び前記第2電極の間の電極間電位差を計測する電位差計測手段と、前記電位差計測手段によって計測された前記電極間電位差から生体電位に対応する周波数成分を取り出す第1周波数フィルタと、前記電位差計測手段によって計測された前記電極間電位差から前記計測用電流の印加によって発生した前記生体インピーダンスの算出に用いられる算出用電位差に対応する周波数成分を取り出す第2周波数フィルタと、前記第2周波数フィルタによって取り出された前記算出用電位差に基づいて前記生体インピーダンスを算出する生体インピーダンス算出手段と、を備えることを特徴とするスマートウェア

請求項2

前記衣服は、前記着用者の上半身に着用される衣服であって、前記第1電極及び前記第2電極は、前記衣服の着用時に前記着用者の胸部に当接するように前記衣服に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスマートウェア。

請求項3

前記生体インピーダンス算出手段によって算出された前記生体インピーダンスに基づいて、前記着用者の呼吸情報を取得する呼吸得手段を備えることを特徴とする請求項2に記載のスマートウェア。

請求項4

前記生体インピーダンス算出手段によって算出された前記生体インピーダンスに基づいて、前記着用者の心拍出量情報を取得する心拍出量取得手段を備えることを特徴とする請求項2または3に記載のスマートウェア。

請求項5

前記第1周波数フィルタによって取り出された前記生体電位に基づいて、前記着用者の心電図を取得する心電図取得手段を備えることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載のスマートウェア。

請求項6

前記衣服の着用時に前記着用者の体に当接するように前記衣服に設けられる接地電極をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のスマートウェア。

技術分野

0001

本発明は、着るだけで着用者心電図やその他の生体情報計測することができるスマートウェアに関する。

背景技術

0002

近年、様々な分野において、身体に装着して使用されるコンピュータデバイスであるウェアラブルデバイスが注目されている。その中で期待されている分野の一つにヘルスケアスポーツへの応用を中心とした生体計測がある。ウェアラブルデバイスによって手軽に生体情報を計測できるようになると、日常生活における体調管理や健康維持のための運動管理等、また、スポーツ現場におけるトレーニング強度管理や効果の評価等への応用も期待できる。このようなウェアラブルデバイスの中で、着るだけで着用者の生体情報を計測できる衣服型のウェアラブルデバイスは、スマートウェアと呼ばれている。

0003

上記技術分野において、特許文献1には、衣服の裏側の特定の位置に3つの電極が固着されており、着用者がその衣服を着用するだけで、着用者の体の特定の位置に電極が当接して、着用者の心電図を計測することができる心電図測定用衣服が開示されている。心電図は、心臓の活動に伴い生じる電位の変化を波形として示した生体情報であり、心疾患診断病状の把握等のため、医療現場では広く普及しているものである。また、心電図からは心拍数を算出することができ、心拍数によって、運動時の体への負荷を評価したり、心拍数の変動によって、自律神経系の活動の評価を行うこともできる。一般的な心電図の計測方法では、ディスポーザブル電極をテープ粘着性ゲル等の粘着素材によって体の特定の位置に貼付して計測が行われるため、電極の貼付位置専門知識を要し、また、粘着素材によって皮膚がかぶれる等の問題があった。特許文献1の心電図測定用衣服は、このような問題を解決し、着るだけで簡便に心電図を測定することができるようになっている。

0004

一方、ウェアラブルデバイスではないが、特許文献2には、同一の2つの電極により心拍情報呼吸情報とを同時に取得できる生体信号計測装置が開示されている。心拍情報は心電図の波形や心拍数などの情報で、生体電位の計測によって取得でき、呼吸情報は、呼吸数呼吸の深さ、呼吸の有無などの情報で、胸部生体インピーダンスの計測によって取得できることが開示されている。特許文献2の生体信号計測装置では、ユーザの胸部にディスポーザブル電極等の貼付型の電極を2つ設置し、この2つの電極を用いて、生体電位の計測と、生体インピーダンスの計測とを、所定のタイミングで切り替え時分割による計測を行い、それぞれの計測されたデータから、それぞれの計測されていない時間の区間補間処理を行うことによって、心拍情報と呼吸情報という異なる生体情報を取得している。

先行技術

0005

特開2017−093997号公報
特許第5587524号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上記のように、特許文献1には、心電図を簡便に計測できるスマートウェアが開示されている。しかし、特許文献1には、心電図以外の生体情報を取得することについては開示がない。スマートウェアによって、心電図のような1つの生体情報だけではなく、その他の生体情報についても併せて計測することができれば、複数の生体情報によって複合的な評価を行える等、より有用であると考えられる。そのためには、一般的には、取得しようとする生体情報に応じてセンサーとなる電極の数を増やせばよいと考えられるが、スマートウェアの場合、電極の数を増やすと、着心地が悪くなってしまったり、コストの増加にもつながるので、できるだけ電極の数は少ない方が好ましい。

0007

特許文献2には、胸部に設定される2つの電極によって生体電位と生体インピーダンスとを計測することで、心拍情報と呼吸情報という複数の生体情報を取得できることが開示されている。しかし、特許文献2では、生体電位及び生体インピーダンスは2つの電極で計測するものの、時分割で生体電位と生体インピーダンスとを交互に切り替えて計測し、欠け時間区分については補間処理による推定で補うというものであり、生体電位と生体インピーダンスとを同時に計測することはできなかった。生体電位と生体インピーダンスとを交互に切り替えて計測して補間処理を行う場合、切り換えるタイミングの制御が複雑になってしまったり、補間処理による推定に誤りが出る可能性もある。

0008

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、2つの電極によって生体電位及び生体インピーダンスを同時に計測できるスマートウェアを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するために、本発明に係るスマートウェアは、着用者に着用される衣服と、前記衣服の着用時に前記着用者の体に当接するように前記衣服に設けられた第1電極及び第2電極と、生体インピーダンスを計測するための計測用電流を前記第1電極及び前記第2電極の間に印加する電流印加手段と、前記電流印加手段によって前記計測用電流が前記第1電極及び前記第2電極の間に印加された状態で前記第1電極及び前記第2電極の間の電極間電位差を計測する電位差計測手段と、前記電位差計測手段によって計測された前記電極間電位差から生体電位に対応する周波数成分を取り出す第1周波数フィルタと、前記電位差計測手段によって計測された前記電極間電位差から前記計測用電流の印加によって発生した前記生体インピーダンスの算出に用いられる算出用電位差に対応する周波数成分を取り出す第2周波数フィルタと、前記第2周波数フィルタによって取り出された前記算出用電位差に基づいて前記生体インピーダンスを算出する生体インピーダンス算出手段と、を備えることを特徴とする。

0010

好ましくは、前記衣服は、前記着用者の上半身に着用される衣服であって、前記第1電極及び前記第2電極は、前記衣服の着用時に前記着用者の胸部に当接するように前記衣服に設けられていることを特徴とする。

0011

好ましくは、前記生体インピーダンス算出手段によって算出された前記生体インピーダンスに基づいて、前記着用者の呼吸情報を取得する呼吸取得手段を備えることを特徴とする。

0012

好ましくは、前記生体インピーダンス算出手段によって算出された前記生体インピーダンスに基づいて、前記着用者の心拍出量情報を取得する心拍出量取得手段を備えることを特徴とする。

0013

好ましくは、前記第1周波数フィルタによって取り出された前記生体電位に基づいて、前記着用者の心電図を取得する心電図取得手段を備えることを特徴とする。

0014

好ましくは、前記衣服の着用時に前記着用者の体に当接するように前記衣服に設けられる接地電極をさらに備えることを特徴とする。

発明の効果

0015

本発明に係るスマートウェアによると、第1電極及び第2電極が衣服に設けられており、着用者がその衣服を着用することで、第1電極及び第2電極が着用者の体に当接するようになっている。そして、電流印加手段によって、生体インピーダンスを計測するための計測用電流が、着用者の体に当接した第1電極及び第2電極の間に印加され、電位差計測手段によって、第1電極及び第2電極の間の電極間電位差が計測される。ここで電位差計測手段によって計測される電極間電位差は、生体の活動によって生じる生体電位と、電流印加手段による計測用電流の印加によって生じる生体インピーダンスの算出に用いられる算出用電位差と、が混成した状態となっている。第1周波数フィルタは、この電極間電位差から生体電位に対応する周波数成分を取り出す。また、第2周波数フィルタは、この電極間電位差から生体インピーダンスの算出用電位差に対応する周波数成分を取り出して、生体インピーダンス算出手段が、第2周波数フィルタによって取り出された算出用電位差に基づいて、生体インピーダンスを算出する。従って、本発明に係るスマートウェアによると、第1電極及び第2電極の2つの電極によって、生体電位と生体インピーダンスとを同時に計測することができる。また、本発明に係るスマートウェアは衣服型であるので、着用するだけで、そして着用している間は常に生体電位及び生体インピーダンスを計測できるため、簡便に長期間に渡って生体電位及び生体インピーダンスを計測できる。

0016

好ましくは、着用者の上半身に着用される衣服に第1電極及び第2電極が設けられており、着用時に第1電極及び第2電極が着用者の胸部に当接するようになっているので、胸部の生体電位と胸部の生体インピーダンスとを同時に計測することができる。

0017

好ましくは、生体インピーダンス算出手段によって算出された生体インピーダンスに基づいて、着用者の呼吸情報を取得する呼吸取得手段を備えるので、本発明に係るスマートウェアを着用するだけで簡便に呼吸数や呼吸の深さ等の呼吸情報を取得でき、長期間に渡って呼吸のモニタリングができるので、呼吸の疾患の発見等に用いることができる。また、運動時の呼吸情報から運動負荷の評価等にも用いることができる。

0018

好ましくは、生体インピーダンス算出手段によって算出された生体インピーダンスに基づいて、着用者の心拍出量情報を取得する心拍出量取得手段を備えるので、本発明に係るスマートウェアを着用するだけで簡便に心臓の拍動による血液量等の心拍出量情報を取得でき、長期間に渡って心拍出量のモニタリングができるので、心臓の疾患の発見等に用いることができる。また、運動時の心拍出量情報から運動負荷の評価等にも用いることができる。

0019

好ましくは、第1周波数フィルタによって取り出された生体電位に基づいて、着用者の心電図を取得する心電図取得手段を備えるので、本発明に係るスマートウェアを着用するだけで簡便に心電図を取得でき、長期間に渡って心電図のモニタリングができるので、心臓の疾患の発見等に用いることができる。また、取得された心電図から心拍数を算出できるので、運動時の心拍数から運動負荷の評価等にも用いることができる。

0020

好ましくは、衣服の着用時に着用者の体に当接するように衣服に設けられる接地電極をさらに備えるので、計測する生体電位及び生体インピーダンスのノイズを少なくすることができる。

図面の簡単な説明

0021

本発明の一実施形態に係るスマートウェアの概略外観図
本発明の一実施形態に係るスマートウェアの構成を示すブロック図。
本発明の一実施形態に係るスマートウェアの実施例で用いた電流印加手段の回路図。
本発明の一実施形態に係るスマートウェアの実施例で用いた電位差計測手段、第1周波数フィルタ及び第2周波数フィルタの回路図。
本発明の一実施形態に係るスマートウェアの実施例で既知抵抗を計測した結果を示す図。
本発明の一実施形態に係るスマートウェアの実施例で計測した心電図の波形及び呼吸情報に対応する生体インピーダンスの変化を示す波形の図。
本発明の一実施形態に係るスマートウェアの実施例で計測した心電図の波形及び心拍出量情報に対応する生体インピーダンスの変化を示す波形の図。

実施例

0022

本発明の一実施形態について、以下、図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、本実施形態に係るスマートウェア1は、衣服2と、衣服2に設けられる第1電極3及び第2電極4と、衣服2に取り付けられる計測装置6とを備える。スマートウェア1によると、着用者が衣服2を着ることで、第1電極3及び第2電極4が着用者の体の特定の位置に当接する。計測装置6は、着用者の体に当接している第1電極3及び第2電極4の2つの電極によって、着用者の生体電位と生体インピーダンスとを同時に計測し、複数の生体情報を取得することができる。以下、各構成要素について詳細に説明する。

0023

衣服2は、着用者に着用される衣類であり、着用者の体に直接触れるような肌着が好適に用いられる。また、衣服2は着用者の体に密着して、着用者が体を動かした時にも、着用者の体の動作に合わせて密着した状態を保てるように伸縮性のある生地によって形成されていることが好ましい。本実施形態では着用者の上半身の体幹部に着用される肌着であるシャツを衣服2として用いた例を示している。

0024

第1電極3及び第2電極4は、衣服2に固定されており、着用者が衣服2を着用した時に、着用者の体の特定の位置に当接するようになっている。第1電極3及び第2電極4は、生体電位及び生体インピーダンスの計測に用いる電極で、着用者が衣服2を着用している時は、常時、着用者の体に当接することになる。そのため、第1電極3及び第2電極4は、着用者の体に長時間当接していても皮膚のかぶれ等が起こりにくく、当接時の不快感が少ない乾式の電極となっている。第1電極3及び第2電極4は、衣服2が着用者に密着することによって、衣服2に設けられた第1電極3及び第2電極4も着用者の体に当接するようになっている。そのため、第1電極3及び第2電極4は、薄く柔軟性のある素材によって形成され、着用者の体動等によって衣服2が伸縮した場合にも、衣服2の伸縮に追従して伸縮できるように伸縮性に富み、伸長時でも高い導電性を有することが好ましい。このような伸縮性と導電性とを兼ね備えた電極としては、導電性繊維を布に織り込むまたは縫い付けることによるテキスタイル電極、導電性を有する高分子材料電極材料にしたポリマー電極、PEDOT−PSS等の導電性高分子を布に含侵させた電極等があり、これらの電極を第1電極3及び第2電極4として用いることができる。

0025

第1電極3及び第2電極4は、それぞれ配線31及び配線41によって計測装置6と接続される。配線31及び配線41は、必ずしも衣服2に固定される必要はないが、何かに引っ掛かったりして断線してしまうこと等を防ぐため、衣服2に固定されることが好ましい。配線31及び配線41が衣服2に固定される場合、配線31及び配線41についても、第1電極3及び第2電極4と同様に、伸縮性と導電性とを兼ね備えた素材により形成されることが好ましい。

0026

本実施形態では、第1電極3、第2電極4、配線31及び配線41に、高い導電性と伸縮性とを有する導電性フィルムが2枚の絶縁フィルムによって挟まれて形成された素材である東洋紡社のCOCOMI登録商標)を用いている。第1電極3及び配線31と、第2電極4及び配線41とは、それぞれ一体として形成されており、衣服2の裏側に固定される。そのうち、第1電極3及び第2電極4に該当する部分はそれぞれ、着用者の体側の絶縁フィルムが取り除かれて、導電性フィルムが露出しており、露出した導電性フィルムが第1電極3及び第2電極4として着用者の体に当接する。配線31及び配線41に該当する部分はそれぞれ、絶縁フィルムによって外部との絶縁が保たれており、配線31及び配線41を介して、第1電極及び第2電極4と、計測装置6との間で電気信号をやり取りできるようになっている。第1電極3及び配線31と、第2電極4及び配線41とは、それぞれ一体として形成されているので、電極部と配線部との接続部に段差等が生じず、着用者の体に当接した時の段差による不快感を無くすことができる。

0027

第1電極3及び第2電極4は、取得しようとする生体情報に応じて、その生体情報の取得に適した着用者の体の位置に当接するように、衣服2に固定されればよい。本実施形態では、第1電極3及び第2電極4の2つの電極を用いて、心電図、呼吸情報及び心拍出量情報の3つの生体情報を同時に取得する例を示す。心電図は、心臓の活動によって生じる電位の変化を波形として表した生体情報であり、第1電極3と第2電極4とを同程度に心起電力の影響を受ける位置に配置して、第1電極3及び第2電極4の間の生体電位を計測することで取得できる。呼吸情報は、呼吸数や呼吸の深さ等の呼吸に関する生体情報であり、空気は生体内組織体液等よりも電気伝導性が低く、呼吸によって空気が吸入されたり排出されたりすることで、胸部の電気的抵抗を表す生体インピーダンスが変化するため、第1電極3及び第2電極4を胸部に配置して、第1電極3及び第2電極4の間の生体インピーダンスを計測することで取得できる。心拍出量情報は、心臓の拍動によって送り出される血液の量に関する生体情報であり、血液は生体内の他の組織よりも電気伝導性が高く、心臓から血液が送り出されることによって、心臓の周りの胸部の電気的抵抗を表す生体インピーダンスが変化するため、第1電極3及び第2電極4を胸部に配置して、第1電極3及び第2電極4の間の生体インピーダンスを計測することで取得できる。従って、第1電極3及び第2電極4は、着用者の胸部に当接するように設けられる。第1電極3及び第2電極4の間に着用者の心臓及び肺が挟まれるように、着用者の胸部の中心より左側に第1電極3が、着用者の胸部の中心より右側に第2電極4が、それぞれ当接するように設けられることが好ましい。着用者の体の前面の肋骨中心線と、左前腋窩線と、第五肋骨上端、第八肋骨下端に囲まれた領域内のいずれかの位置に第1電極3が、着用者の体の前面の肋骨の中心線と、右前腋窩線と、第五肋骨上端、第八肋骨下端に囲まれた領域内のいずれかの位置に第2電極4が、それぞれ当接するように設けられることがさらに好ましい。

0028

また、第1電極3及び第2電極4とは別に、接地電極5を設けてもよい。接地電極5は、生体電位及び生体インピーダンスの計測に用いられる電極ではなく、ノイズの少ない心電図等を取得するための接地として用いられる電極となっている。接地電極5は、衣服2に固定されて、衣服2を着用者が着た時に着用者の体に当接するように設けられる。接地電極5は、着用者の体の電位に変動が起こりにくく、また、後述するように第1電極3及び第2電極に印加される電流印加手段61による計測用電流による影響を受けにくいような位置、例えば第1電極3及び第2電極4から離れた生体電位の発生の少ない骨の上等、に当接するように設けられることが好ましい。例えば、第1電極3及び第2電極4が胸骨下部の左右の肋骨辺りに当接するように設けられている場合には、接地電極5は、胸骨の上部辺りに当接するように設けられてよい。接地電極5は、配線51によって、計測装置6に接続される。接地電極5及び配線51は、第1電極3及び第2電極4と同様の素材で形成されていてよい。

0029

計測装置6は、第1電極3及び第2電極4から電気信号を取得して、生体電位及び生体インピーダンスを計測する装置である。図1に示すように、計測装置6は、衣服2の表側に着脱自在に取り付けられる。計測装置6が衣服2に取り付けられた時、計測装置6は、配線31及び配線41に接続されるようになっている。接地電極5が設けられている場合には、計測装置6は配線51にも接続されるようになっている。

0030

図2に示すように、計測装置6は、計測部60と、制御部71と、記憶部72と、通信部73とを備え、それぞれがバス74を介して互いにデータをやり取りできるように構成されている。計測部60は、生体電位及び生体インピーダンスを計測し、生体情報を取得する。記憶部72は、計測部60で生体情報の取得のために用いられる各種プログラム等を記憶しており、また、計測部60によって計測されたデータや取得されたデータを記憶する。通信部73は、外部のスマートフォンパソコン等の情報端末無線または有線で接続されて、計測部60によって取得された生体情報のデータ等、種々のデータの送受信を行う。制御部71は、計測部60、記憶部72及び通信部73の制御を行い、制御部71の制御の下、各部における機能が実行される。

0031

計測部60は、電流印加手段61と、電位差計測手段62と、第1周波数フィルタ63と、第2周波数フィルタ64と、心電図取得手段65と、生体インピーダンス算出手段66と、呼吸取得手段67と、心拍出量取得手段68とを備える。

0032

電流印加手段61は、生体インピーダンスを計測するための計測用電流を第1電極3及び第2電極4に印加する。第1電極3及び第2電極4は着用者の体に当接しているので、電流印加手段61によって印加される計測用電流は、第1電極3及び第2電極4の一方から他方に着用者の体内を通って流れる。この時、第1電極3及び第2電極4の間の着用者の体内の電気的抵抗を表す生体インピーダンスの大きさによって、計測用電流によって第1電極3及び第2電極4の間に生じる生体インピーダンスを算出するための算出用電位差が変化する。そのため、第1電極3及び第2電極4の間の算出用電位差を計測することで、第1電極3及び第1電極3の間の着用者の生体インピーダンスを算出することができる。電流印加手段61によって印加される計測用電流は、交流電流で、周波数が10kHzから100kHz程度で、実効値が0.1mA以下の定電流が用いられる。電流印加手段61は、この定電流を作るための発振回路を有していてもよい。生体の活動によって発生する電気信号である生体電位の周波数は、おおよそ2kHz以下(心電図は0.5kHzから100Hz程度)であり、後に生体電位に起因する電気信号と生体インピーダンスの算出のための電気信号とを分離するため、電流印加手段61により印加される計測用電流は、それよりも明らかに高い周波数となっている。また、実効値が1mA以上の電流が印加されると、人体はその電流を感じるようになるが、電流印加手段61により印加される計測用電流は、人体が感じないような実効値の電流となっており、着用者に電流の印加を意識させずに長時間の計測が可能となっている。

0033

電位差計測手段62は、第1電極3及び第2電極4の間の電極間電位差を計測する。電位差計測手段62で計測される電極間電位差は、電流印加手段61の計測用電流によって第1電極3及び第2電極4の間に生じる生体インピーダンスを算出するための算出用電位差と、着用者の生体の活動によって第1電極3及び第2電極4の間に生じる生体電位に対応する電位差とが混成されたものとなっている。電位差計測手段62は、電極間電位差を増幅するための増幅器を有していてもよい。接地電極5が設けられている場合は、電位差計測手段62は、接地電極5に対する第1電極3の電位差と、接地電極5に対する第2電極4の電位差とから、ノイズが低減された電極間電位差を計測することができる。電位差計測手段62によって計測された電極間電位差の信号は、第1周波数フィルタ63及び第2周波数フィルタ64にそれぞれ出力される。

0034

第1周波数フィルタ63は、電位差計測手段62によって計測された電極間電位差から、生体電位に対応した周波数成分を取り出す。上述のように、生体電位に対応する周波数成分はおおよそ2kHz以下の低い周波数となっている。そして、電流印加手段61により印加される計測用電流は10kHzから100kHzの生体電位よりも高い周波数の定電流であり、計測用電流によって生じる生体インピーダンスの算出用電位差の周波数も計測用電流に対応した高い周波数となっている。そのため、第1周波数フィルタ63は、生体電位に対応する低い周波数成分を通過させて、生体インピーダンスの算出用電位差に対応する高い周波数成分を遮断するような、例えば、2kHz以下の周波数成分を通過させるローパスフィルタを有していてもよい。また、本実施形態では生体電位から心電図を取得するので、第1周波数フィルタ63は、心電図に対応する周波数帯域、例えば10Hz−200Hz、を増幅する増幅回路を有していてもよい。第1周波数フィルタ63を通過した信号は、心電図取得手段65に送られる。

0035

第2周波数フィルタ64は、電位差計測手段62によって計測された電極間電位差から、生体インピーダンスの算出用電位差に対応した周波数成分を取り出す。第2周波数フィルタ64は、生体電位に対応する低い周波数成分を遮断して、生体インピーダンスの算出用電位差に対応する高い周波数成分を通過させるような、例えば、10kHz以上の周波数成分を通過させるハイパスフィルタを有していてもよい。また、第2周波数フィルタ64は、生体インピーダンスの算出用電位差に対応する周波数帯域、例えば10kHz−200kHz、を増幅する増幅回路を有していてもよい。第2周波数フィルタ64を通過した信号は、生体インピーダンス算出手段66に送られる。

0036

心電図取得手段65は、第1周波数フィルタ63から送られてきた生体電位に対応する周波数成分の電位差の信号を分析して心電図を取得する。心電図取得手段65は、第1周波数フィルタ63から送られてきた電位差の信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を有していてもよい。心電図は、心臓の活動に生じる電位の変化を波形として表した生体情報で、第1周波数フィルタ63から送られてきた生体電位に対応する周波数成分の電位差を時間でプロットすることで波形として取得できる。心電図取得手段65で取得された心電図は、記憶部72に記憶され、通信部73を介して外部の情報端末に送信されて、該情報端末で心電図の波形を表示できるように構成されている。また、心電図取得手段65は、心電図から心拍数を算出するための心拍数算出手段を有していてもよい。1回の心臓の拍動によって心電図には、主に、P波Q波R波、S波及びT波の波形が現れる。そのうち、R波は、心室の活動を表す波形で、一般的に最も大きな振幅を有する。そのため、隣り合うR波のピーク間の時間から、1回の心臓の拍動時間を算出することができる。心拍数は、単位時間中、一般的には1分間、の心臓の拍動の回数であるので、単位時間を1回の心臓の拍動時間で割ることで算出できる。心電図取得手段65は、心電図の波形から、さらに目的とする波形を取得するための周波数フィルタを有していてもよい。例えば、心拍数の算出に重要なR波を取得することを目的とする場合には、例えば、10Hz−100Hzを通過させるバンドパスフィルタを有していてもよい。それによって、心電図の信号から目的とする情報に対応する信号以外のノイズとなる信号を軽減することができ、より誤差の少ない目的とする情報を取得することができる。

0037

生体インピーダンス算出手段66は、第2周波数フィルタ64から送られてきた生体インピーダンスを算出するための算出用電位差に対応する周波数成分の電位差の信号に基づいて、生体インピーダンスを算出する。生体インピーダンス算出手段66は、第2周波数フィルタ64から送られてきた算出用電位差の信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を有していてもよい。生体インピーダンスは、生体の電気的抵抗を表すものであり、電流印加手段61によって印加した計測用電流と、算出用電位差とから、生体インピーダンスを算出できる。

0038

呼吸取得手段67は、生体インピーダンス算出手段66によって算出された生体インピーダンスに基づいて、呼吸情報を取得する。着用者が呼吸を行うことによって、着用者の肺の中に空気が吸入されたり排出されたりする。空気は、生体内の組織や体液等よりも電気伝導性が低いため、呼吸によって肺に空気が吸入されると胸部の生体インピーダンスが高くなり、肺から空気が排出されると胸部の生体インピーダンスが低くなる。従って、生体インピーダンス算出手段66によって算出された生体インピーダンスを時間でプロットすると、呼吸に伴って生体インピーダンスが周期的に変化する波形が現れるので、それを分析することによって、呼吸数や呼吸の深さ等の呼吸情報が取得できる。一般的な呼吸数は、安静時におおよそ1分間で12回から18回程度、周波数にすると0.2Hzから0.3Hz程度となっており、呼吸情報を取得するための生体インピーダンスの波形は、呼吸に伴って上下動するので、呼吸数に対応した周波数の波形となる。単位時間、一般的に1分間、に現れる呼吸に伴う生体インピーダンスの上下動の回数から呼吸数を算出することができ、また、呼吸で空気を吸い込んだ時の生体インピーダンスの上昇値から1回の呼吸で吸い込む空気の量を算出することができる。生体インピーダンス算出手段66は、呼吸取得手段67に送られる信号に対して、呼吸の周波数に対応した周波数帯域、例えば、0.01Hz−2Hz、の信号を通過させる周波数特性を有するバンドパスフィルタを有していてもよい。それによって、生体インピーダンス算出手段66によって算出された生体インピーダンスから呼吸に対応する信号以外のノイズとなる信号を軽減することができ、より誤差の少ない呼吸情報を取得することができる。

0039

心拍出量取得手段68は、生体インピーダンス算出手段66によって算出された生体インピーダンスに基づいて、心拍出量情報を取得する。心臓が拍動することにより、心臓から血液が送り出される。血液は、生体内の他の組織よりも電気伝導性が高いため、心臓から血液が送り出されて心臓内の血液が少なくなると心臓周りの胸部の生体インピーダンスは低くなり、心臓から血液が送り出される前の心臓内に血液が溜まっている状態では心臓周りの胸部の生体インピーダンスは高くなる。従って、生体インピーダンス算出手段66によって算出された生体インピーダンスを時間でプロットすると、心臓の拍動に伴って生体インピーダンスが周期的に変化する波形が現れるので、それを分析することによって、心臓の拍動によって単位時間、一般的に1分間、で送り出される血液の量である心拍出量、1回の心臓の拍動で送り出される血液の量である1回拍出量、心臓の拍動の周期や心拍数等の心拍出量情報が取得できる。一般的な心拍数は、安静時におおよそ1分間で60回から80回程度、周波数にすると1Hzから1.3Hz程度となっており、心拍出量情報を取得するための生体インピーダンスの波形は、心臓の拍動に伴って上下動するので、心拍数に対応した周波数の波形になる。単位時間、一般的に1分間、に現れる心臓の拍動に伴う生体インピーダンスの上下動の回数から心拍数を算出することができ、心臓の拍動によって血液が送り出された時の生体インピーダンスの下降値から1回拍出量を算出することができる。また、算出された1回拍出量に心拍数を掛けると心拍出量を算出できる。生体インピーダンス算出手段66は、心拍出量取得手段68に送られる信号に対して、心拍に対応する周波数帯域、例えば、0.5Hz−2Hz、の周波数特性を有するバンドパスフィルタを有していてもよい。それによって、生体インピーダンス算出手段66によって算出された生体インピーダンスから心拍に対応する信号以外のノイズとなる信号を軽減することができ、より誤差の少ない心拍出量情報を取得することができる。

0040

次に、図3から図7を参照しつつ、本実施形態に係るスマートウェア1を用いて行った生体電位及び生体インピーダンスの同時計測実験結果を実施例として以下に示す。なお、以下に示す実施例はあくまで例示的な一例であり、本発明が以下の実施例に限定されるものではない。

0041

本実施例に係るスマートウェア1は、衣服2に着用者の上半身に密着する伸縮性を有するシャツを用いて、第1電極3及び配線31、第2電極4及び配線41、並びに接地電極5及び配線51は、それぞれCOCOMI(登録商標)を素材として用いて一体として形成し、衣服2の裏側に熱圧着により固定した。計測装置6は、計測部60、制御部71、記憶部72及び通信部73の各機能を基板上に構成して1つの筐体内に収め、衣服2の表側に着脱自在に取り付けられ、計測装置6が衣服2に取り付けられた際に、配線31、配線41及び配線51に接続されるように構成した。

0042

図3には、本実施例に係る計測装置6の電流印加手段61に用いた発振回路の回路図を示した。図3で、R1、R2、R3、R4及びR5は抵抗、VR1及びVR2は可変抵抗、C1及びC2はコンデンサ、OP1、OP2、OP3及びOP4はオペアンプ、GNDはグランドを示す。電流印加手段61に設けられた2つの端子には、第1電極3及び第2電極4を接続し、電流印加手段61によって発生させた電気信号を、第1電極3及び第2電極4に印加できるように構成した。電流印加手段61の各構成要素の抵抗値静電容量等は、第1電極3及び第2電極4に所定の周波数の定電流が印加されるように適宜設定した。

0043

図4は、本実施例に係る計測装置6の電位差計測手段62、第1周波数フィルタ63及び第2周波数フィルタ66に用いた回路の回路図を示す。図4で、R11、R12、R21、R22、R31、R32、R41、R42、R51、R61、R62、R63、R64、R65、R71、R81及びR82は抵抗、C11、C12、C21、C22、C41、C42、C51及びC71はコンデンサ、D61及びD62はダイオード、OP11、OP21、OP31、OP41、OP51、OP61、OP62及びOP81はオペアンプ、AMP計装アンプ、GNDはグランドを示す。

0044

電位差計測手段62は、計装アンプAMPを備え、計装アンプAMPのVin+端子に第1電極3を、Vin−端子に第2電極4をそれぞれ接続した。B−GND端子には接地電極5を接続した。B−GND端子は、図4の回路におけるグランドGNDに接続されており、接地電極5の電位をグランドGNDの基準の電位とした。第1電極3及び第2電極4から電位差計測手段62に入力された電気信号は、電位差計測手段62によって第1電極3及び第2電極4の間の電位差を示す電気信号として増幅されて、第1周波数フィルタ63と第2周波数フィルタ64とに並列に出力されるように構成した。

0045

第1周波数フィルタ63は、バンドパスフィルタ631、サレンキー型の2次ローパスフィルタ632及び反転増幅回路633により構成した。バンドパスフィルタ631は、抵抗R11及びR12、コンデンサC11及びC12並びにオペアンプOP11を用いて、10Hz−1000Hzの周波数の信号を通過させるように構成した。抵抗の抵抗値はR11を1.6kΩ、R12を1.6kΩとし、コンデンサの静電容量はC11を10μF、C12を0.1μFとした。2次ローパスフィルタ632は、抵抗R21及びR22、コンデンサC21及びC22、並びにオペアンプOP21を用いて、1000Hz以下の周波数の信号を通過させるように構成した。抵抗の抵抗値はR21を1.6kΩ、R22を1.6kΩ、コンデンサの静電容量はC21を0.1μF、C22を0.1μFとした。反転増幅回路633は、抵抗R31、抵抗R32及びオペアンプOP31を用いて、2次ローパスフィルタ632を通過した電気信号を増幅させるように構成した。抵抗の抵抗値はR31を100Ω、R32を51kΩとした。

0046

電位差計測手段62から第1周波数フィルタ63に入力された電気信号は、バンドパスフィルタ631、2次ローパスフィルタ632及び反転増幅回路633を順に通過して、Vout(ECG)端子から出力される。Vout(ECG)端子には、心電図取得手段65を接続し、心電図取得手段65は、Vout(ECG)端子を介して第1周波数フィルタ63から入力される電気信号に基づいて心電図を取得するように構成した。なお、本実施例では、バンドパスフィルタ631の通過帯域を10−1000Hz、2次ローパスフィルタ632のカットオフ周波数を1000Hzとして帯域を広く取ったが、原理的には心電図計測の際は100Hzまでの帯域でもよい。

0047

第2周波数フィルタ64は、サレン・キー型の2次ハイパスフィルタ641、1次ローパスフィルタ642、全波整流回路643、1次ローパスフィルタ644及び非反転増幅回路645により構成した。2次ハイパスフィルタ641は、コンデンサC41及びC42、抵抗R41及びR42、並びにオペアンプOP41を用いて、885Hz以上の周波数の信号を通過させるように構成した。コンデンサの静電容量はC41を0.1μF、C42を0.1μFとし、抵抗の抵抗値はR41を1.8kΩ、R42を1.8kΩとした。1次ローパスフィルタ642は、抵抗R51、コンデンサC51及びオペアンプOP51を用いて、200kHz以下の信号を通過させるように構成した。抵抗R51の抵抗値は82Ω、コンデンサC51の静電容量を0.01μFとした。全波整流回路643は、抵抗R61、R62、R63、R64及びR65、ダイオードD61及びD62、並びにオペアンプOP61及びOP62を用いて、1次ローパスフィルタ642から出力される信号の絶対値を取得するように構成した。抵抗の抵抗値はR61を17kΩ、R62を17kΩ、R63を17kΩ、R64を33kΩ、R65を33kΩとした。1次ローパスフィルタ644は、抵抗R71及びコンデンサC71を用いて、10Hz以下の信号を通過させるように構成した。抵抗R71の抵抗値は160kΩ、コンデンサC71の静電容量は0.1μFとした。非反転増幅回路645は、抵抗R81、抵抗R82及びオペアンプOP81を用いて、1次ローパスフィルタ644から入力された電気信号を増幅させるように構成した。抵抗の抵抗値はR81を200Ω、R82を2kΩとした。

0048

電位差計測手段62から第2周波数フィルタ64に入力された電気信号は、2次ハイパスフィルタ641、1次ローパスフィルタ642、全波整流回路643、1次ローパスフィルタ644及び非反転増幅回路645を順に通過して、Vout(Z)端子から出力される。Vout(Z)端子には生体インピーダンス算出手段66が接続されて、生体インピーダンス算出手段66は、Vout(Z)端子を介して第2周波数フィルタ64から入力される電気信号に基づいて生体インピーダンスを算出するように構成した。呼吸取得手段67及び心拍出量取得手段68は、生体インピーダンス算出手段66によって算出された生体インピーダンスに基づいて、それぞれ呼吸情報及び心拍出量情報を取得するように構成した。なお、第2周波数フィルタ64の1次ローパスフィルタ642からの出力段階では、呼吸情報や心拍出量情報に相当するインピーダンス値正弦波の振幅として出力されており、この段階で正弦波形を正確に取得して振幅を算出してもよい。しかし、A/D変換で正弦波の波形を取得しようとした場合、サンプリング周波数としては正弦波の周波数の数倍は必要になる。正弦波の周波数は、電流印加手段61による計測用電流の周波数に相当し、高いサンプリング周波数が必要なので消費電力が高くなってしまう。これを避けるため、本実施例では、全波整流回路643及び1次ローパスフィルタ644を設け、全波整流回路643で正弦波の絶対値をとり、1次ローパスフィルタ644の特性を利用して平滑化(積分)することで、振幅変化に相当する波形に変換し低サンプリング周波数でも振幅情報を取得できるように構成した。

0049

図5に、上記構成の本実施例に係るスマートウェア1の第1電極3及び第2電極4の間に100Ωから10kΩまでの複数の既知の抵抗を接続し、電流印加手段61によって計測用電流として25kHz及び50kHzの定電流を印加して、第1電極3及び第2電極4の間の電位差を測定した結果を示した。図5(a)が計測用電流の周波数が25kHzの時に測定した電位差に対して抵抗値をプロットした図で、図5(b)が計測用電流の周波数が50kHzの時に測定した電位差に対して抵抗値をプロットした図である。図5(a)に示すように、計測用電流の周波数が25kHzの時、測定した電位差と抵抗値とは、6.8kΩまで線形性を示し、回帰分析によって求められた回帰直線にもよく当てはまっていることが分かる。また、図5(b)に示すように、計測用電流の周波数が50kHzの時、測定した電位差と抵抗値とは、820Ωまで線形性を示し、回帰分析によって求められた回帰直線にもよく当てはまっていることが分かる。このように、計測用電流の周波数が25kHzと50kHzとのどちらの場合においても、抵抗値、つまりインピーダンスが増加するごとに、測定される電位差は増加しており、計測用電流をI、測定される電位差をV、インピーダンスをZとすると、V=ZIの関係となり、スマートウェア1によって計測用電流と算出用電位差とから生体インピーダンスを算出できることが分かる。

0050

図6及び図7に、上記構成の本実施例に係るスマートウェア1を着用者が着用して、生体電位及び生体インピーダンスを同時に計測した結果を示した。ここで、第1電極3及び第2電極4は、着用者の胸部前面の中心より左側と中心より右側とにそれぞれ当接し、電流印加手段61による計測用電流は、25kHzの定電流となるように設定した。また、着用者は、5秒ごとに、呼吸を止める、息を吸い込む、息を吐くという3つの呼吸の動作を順番に繰り返すようにして計測を行った。

0051

図6には、心電図取得手段65によって得られた心電図の波形を実線で、呼吸取得手段67によって得られた生体インピーダンスの波形を破線で示した。心電図取得手段65では、第1周波数フィルタ63を通過した生体電位の信号を通過帯域が10Hz−1000Hzのバンドパスフィルタに通して心電図を取得した。呼吸取得手段67では、第2周波数フィルタ64を通過した生体インピーダンスの信号を生体インピーダンス算出手段66で通過帯域が0.01Hz−2Hzのバンドパスフィルタを通して算出した生体インピーダンスに基づいて呼吸情報を取得した。図6では、呼吸取得手段67による生体インピーダンスの波形として、生体インピーダンス算出手段66で0.01Hz−2Hzのバンドパスフィルタを通過後の、単位をΩに変換する前の電圧値で示した。図6から、スマートウェア1によって生体電位が計測でき、心電図が取得できていることが分かる。また、心電図において特徴的なR波も取得できており、取得した心電図から心拍数等を算出できることが分かる。また、図6の生体インピーダンスの波形は、着用者が呼吸を止めている時はほぼ横ばいで、息を吸い込んだ時は上昇し、息を吐いた時は下降するというように、着用者の呼吸の動作に伴って変動していることから、スマートウェア1によって生体インピーダンスが計測でき、呼吸情報を取得できることが分かる。

0052

図7には、心電図取得手段65によって得られた心電図の波形を実線で、心拍出量取得手段68によって得られた生体インピーダンスの波形を破線で示した。心電図取得手段65では、第1周波数フィルタ63を通過した生体電位の信号を通過帯域が10Hz−1000Hzのバンドパスフィルタに通して心電図を取得した。心拍出量取得手段68では、第2周波数フィルタ64を通過した生体インピーダンスの信号を生体インピーダンス算出手段66で通過帯域が0.5Hz−2Hzのバンドパスフィルタを通して算出した生体インピーダンスに基づいて心拍情報を取得した。図7では、心拍出量取得手段68による生体インピーダンスの波形として、生体インピーダンス算出手段66で0.5Hz−2Hzのバンドパスフィルタを通過後の、単位をΩに変換する前の電圧値で示した。図7における心拍出量取得手段68による生体インピーダンスの波形は、図6での呼吸取得手段67による生体インピーダンスの波形から、呼吸に伴う生体インピーダンスの変化の周波数成分が除去されたものになっている。図7の生体インピーダンスの波形は、心電図の波形に伴って周期的に上下しており、心電図で心室の活動を示すR波が現れた直後に生体インピーダンスが下降していることから、これは心臓の拍動によって血液が送り出されることに伴う生体インピーダンスの変化であることが分かる。従って、スマートウェア1によって心拍出量情報を取得できることが分かる。

0053

以上のように、本実施形態に係るスマートウェア1によると、第1電極3及び第2電極4の2つの電極によって、着用者の生体電位と生体インピーダンスとを同時に計測することができる。スマートウェア1の電極の数は、第1電極3及び第2電極4の2つ、または接地電極5を用いる場合には多くても3つでよいので、安価に製造することができ、また、電極の数が増えることで着心地が悪くなる等を防ぐことができる。第1電極3及び第2電極4は着用者の胸部に当接するように衣服2に固定されており、スマートウェア1によって計測した生体電位及び生体インピーダンスから、心電図、呼吸情報及び心拍出量情報という複数の循環器に関する生体情報を同時に取得することができる。そのため、着用者は、スマートウェア1を着用するだけで、簡便に複数の生体情報を同時に長時間にわたって計測できるようになるので、1つの生体情報だけでは評価できないような事項についても、複数の生体情報を用いて複合的な評価を行うことができる。

0054

上記はあくまで本発明の実施形態を例示的に示したものであるため、本発明の範囲は上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。

0055

1スマートウェア
2衣服
3 第1電極
4 第2電極
5接地電極
6計測装置
61電流印加手段
62電位差計測手段
63 第1周波数フィルタ
64 第2周波数フィルタ
65心電図取得手段
66生体インピーダンス算出手段
67呼吸取得手段
68心拍出量取得手段

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社ホスピタリティホールディングスの「 骨盤矯正帯およびそれを用いた骨盤矯正具」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】使用時において、骨盤を構成する腸骨等をカウンターニューテーション優位の状態にさせることで、姿勢および可動域を改善し、筋出力を向上させることができる骨盤矯正帯を提供すること。【解決手段】本発明に... 詳細

  • 石倉一成の「 微細粉塵吸着具」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】既存の衛生マスクの使い心地を損なう事なく、花粉や微細粉塵の吸い込み抑制機能を高める事ができる、微細粉塵吸着具を提供する。【解決手段】本発明は表面に起毛を有する衛生マスク10を装着した時にその内... 詳細

  • 青島龍凹医療器械有限公司の「 メガネレンズ曇り止めマスク」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】本発明はメガネレンズ曇り止めマスクを開示した。【解決手段】フェイスカバーを含み、前記フェイスカバーの中には後方に開口している上向きの呼吸チャンバが設けられ、前記呼吸チャンバの頂端端面には伸縮で... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ