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技術 バルーンカテーテル

出願人 東レ株式会社
発明者 高岡元紀岩川恒成
出願日 2019年2月15日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-025232
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-130428
状態 未査定
技術分野 媒体導出入付与装置 手術用機器
主要キーワード 加熱用液体 密着部位 振動付与装置 内層膜 非密着状態 筒シャフト 溶融痕 電極温度センサ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年8月31日)のものです。
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図面 (7)

課題

表面温度センサの保護とバルーン表面温度測定の精度を高めるとともに、バルーンの変形に起因するリード線断線やバルーンからの流体のリークを低減できる、バルーンカテーテルを提供する。

解決手段

互いにスライド可能な外筒シャフト10と内筒シャフト3からなる二重管シャフトと、内層膜2bと外層膜2aからなる2層構造を有するバルーン2と、上記内層膜2bと外層膜2aの間に配置された表面温度センサ8a、8bと、表面温度センサ8a、8bに接続された温度センサリード線9a、9bと、を有し、上記表面温度センサは、上記内層膜2b又は上記外層膜2aに対し固定され、上記温度センサリード線9a、9bは、上記内筒シャフト3の先端部と上記バルーン2の先端部の固定部から上記内層膜2bと上記外層膜2aの間に挿入され、かつ、上記内層膜2b又は上記外層膜2aに対して固定されていない、バルーンカテーテルである。

概要

背景

アブレーション治療は、カテーテル体内に挿入するとともに、カテーテルの先端を加熱する等の方法によって標的部位破壊し、心房細動等の不整脈子宮内膜症、癌又は高血圧等の疾患を治療する方法である。

この治療方法に用いるためのアブレーションカテーテルとして、様々なカテーテルが開発されており、例えば、カテーテルの先端にバルーン取付けると共に、心房内でバルーンを加熱することが可能なバルーン付きアブレーションカテーテルが知られている。

また、アブレーション治療を効果的に行なうためには、心筋組織焼灼する温度を精密に制御することが必要であるため、上記のバルーン付きアブレーションカテーテルでは、心筋組織と接触するバルーンの表面温度を正確に測定することが求められている。

特許文献1には、収縮膨張度合いを調節することによりバルーンの径を変化させ、互いにスライド可能なカテーテル外筒シャフトカテーテル内筒シャフトの距離を調節することによりバルーンの長さを変化させることで、標的病変部の種類に応じてバルーンの形状を変化させ、バルーンを標的病変部に密着させることで種々の標的病変部に対しアブレーションが可能なカテーテルが記載されている。また、アブレーションの際の温度をモニターするために、単層構造のバルーンの内表面又はカテーテルの内筒シャフト温度センサを設置することが記載されている。

特許文献2には、多層バルーンの2層間に熱電対が配置されるカテーテルが開示されている。ここで、バルーンは外部層内部層とを有する2層壁になっており、熱電対はカテーテルシャフト内のルーメンに一度出た後、バルーンの外部層と内部層の間に配置されることが記載されている。また、熱電対を配置する例が複数挙げられており、バルーンが膨張収縮により熱電対がバルーン内摺動するように内部層と外部層の間に摺動可能に配置する例、内部層と外部層の間に流体で満たされたチャンネルを形成すると共に、このチャンネル内に熱電対を摺動可能に配置する例及び単層のバルーンに対しマンドレル等でチャンネルを形成するとともに該チャンネル内に熱電対を挿入配置する例が挙げられている。

概要

表面温度センサの保護とバルーン表面温度測定の精度を高めるとともに、バルーンの変形に起因するリード線断線やバルーンからの流体のリークを低減できる、バルーンカテーテルを提供する。互いにスライド可能な外筒シャフト10と内筒シャフト3からなる二重管シャフトと、内層膜2bと外層膜2aからなる2層構造を有するバルーン2と、上記内層膜2bと外層膜2aの間に配置された表面温度センサ8a、8bと、表面温度センサ8a、8bに接続された温度センサリード線9a、9bと、を有し、上記表面温度センサは、上記内層膜2b又は上記外層膜2aに対し固定され、上記温度センサリード線9a、9bは、上記内筒シャフト3の先端部と上記バルーン2の先端部の固定部から上記内層膜2bと上記外層膜2aの間に挿入され、かつ、上記内層膜2b又は上記外層膜2aに対して固定されていない、バルーンカテーテルである。

目的

本発明は、表面温度センサの保護とバルーン表面の温度測定の精度を高めるとともに、バルーンの変形に起因する表面温度センサリード線の断線やバルーンからの流体のリークを低減できる、バルーンカテーテルを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

互いにスライド可能な外筒シャフト内筒シャフトからなる二重管シャフトと、内層膜外層膜からなる2層構造を有するバルーンと、前記内層膜と外層膜の間に配置された表面温度センサと、前記内層膜と外層膜の間に配置され、かつ、前記表面温度センサに接続された温度センサリード線と、を有し、前記内筒シャフトの先端部と前記バルーンの先端部が互いに固定され、前記外筒シャフトの先端と前記バルーンの後端部が互いに固定され、前記表面温度センサは、前記内層膜又は前記外層膜に対し固定され、前記温度センサリード線は、前記内筒シャフトの先端部と前記バルーンの先端部の固定部から前記内層膜と外層膜の間に挿入され、かつ、前記内層膜又は前記外層膜に対して固定されていない、バルーンカテーテル

請求項2

前記バルーンは球状であり、前記表面温度センサは、前記バルーンの先端部と最大径部の間に配置されている、請求項1記載のバルーンカテーテル。

請求項3

前記表面温度センサを2つ有し、2つの表面温度センサは、それぞれが前記バルーンの先端部と後端部を結ぶ軸線に対して直交する同一平面上に配置されている、請求項1又は2記載のバルーンカテーテル。

請求項4

前記内層膜は、5〜100μmである、請求項1〜3のいずれか一項記載のバルーンカテーテル。

請求項5

前記外層膜は、5〜100μmである、請求項1〜4のいずれか一項記載のバルーンカテーテル。

技術分野

0001

本発明は、バルーンカテーテルに関する。

背景技術

0002

アブレーション治療は、カテーテル体内に挿入するとともに、カテーテルの先端を加熱する等の方法によって標的部位破壊し、心房細動等の不整脈子宮内膜症、癌又は高血圧等の疾患を治療する方法である。

0003

この治療方法に用いるためのアブレーションカテーテルとして、様々なカテーテルが開発されており、例えば、カテーテルの先端にバルーン取付けると共に、心房内でバルーンを加熱することが可能なバルーン付きアブレーションカテーテルが知られている。

0004

また、アブレーション治療を効果的に行なうためには、心筋組織焼灼する温度を精密に制御することが必要であるため、上記のバルーン付きアブレーションカテーテルでは、心筋組織と接触するバルーンの表面温度を正確に測定することが求められている。

0005

特許文献1には、収縮膨張度合いを調節することによりバルーンの径を変化させ、互いにスライド可能なカテーテル外筒シャフトカテーテル内筒シャフトの距離を調節することによりバルーンの長さを変化させることで、標的病変部の種類に応じてバルーンの形状を変化させ、バルーンを標的病変部に密着させることで種々の標的病変部に対しアブレーションが可能なカテーテルが記載されている。また、アブレーションの際の温度をモニターするために、単層構造のバルーンの内表面又はカテーテルの内筒シャフト温度センサを設置することが記載されている。

0006

特許文献2には、多層バルーンの2層間に熱電対が配置されるカテーテルが開示されている。ここで、バルーンは外部層内部層とを有する2層壁になっており、熱電対はカテーテルシャフト内のルーメンに一度出た後、バルーンの外部層と内部層の間に配置されることが記載されている。また、熱電対を配置する例が複数挙げられており、バルーンが膨張収縮により熱電対がバルーン内摺動するように内部層と外部層の間に摺動可能に配置する例、内部層と外部層の間に流体で満たされたチャンネルを形成すると共に、このチャンネル内に熱電対を摺動可能に配置する例及び単層のバルーンに対しマンドレル等でチャンネルを形成するとともに該チャンネル内に熱電対を挿入配置する例が挙げられている。

先行技術

0007

特許第3611799号
特許第4747141号

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許文献1のように温度センサをバルーンの内表面に配置した場合、温度センサは内部で露出した状態になっているため、バルーンを膨張・収縮させるための流体が直接接触することで温度測定に影響する可能性がある。さらに、温度センサに接続したリード線についても露出しているため、リード線の断線や温度センサの脱落等の不具合が起きる可能性がある。

0009

特許文献2では、二層構造を有するバルーンの内層外層の間に熱電対ワイヤ及び熱電対が摺動可能に配置された例が記載されている。これにより熱電対ワイヤ及び熱電対がバルーンの膨張・収縮によって摺動することで熱電対の位置ズレが起こるため、標的部位の温度を正確に測定する事が困難な可能性がある。また、単層のバルーンに対しマンドレル等でチャンネルを形成するとともに該チャンネル内に熱電対を挿入配置する例の場合、バルーンの膨張・収縮によりチャンネル部分からの流体のリークが発生して、バルーンが均一に膨張しない等の問題がある。

0010

本発明は、表面温度センサの保護とバルーン表面の温度測定の精度を高めるとともに、バルーンの変形に起因する表面温度センサリード線の断線やバルーンからの流体のリークを低減できる、バルーンカテーテルを提供する。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の(1)〜(5)の発明を見出した。
(1) 互いにスライド可能な外筒シャフトと内筒シャフトからなる二重管シャフトと、内層膜外層膜からなる2層構造を有するバルーンと、上記内層膜と外層膜の間に配置された表面温度センサと、上記内層膜と外層膜の間に配置され、かつ、上記表面温度センサに接続された温度センサリード線と、を有し、上記内筒シャフトの先端部と上記バルーンの先端部が互いに固定され、上記外筒シャフトの先端と上記バルーンの後端部が互いに固定され、上記表面温度センサは、上記内層膜又は上記外層膜に対し固定され、上記温度センサリード線は、上記内筒シャフトの先端部と上記バルーンの先端部の固定部から上記内層膜と外層膜の間に挿入され、かつ、上記内層膜又は上記外層膜に対して固定されていない、バルーンカテーテル。
(2) 上記バルーンは球状であり、上記表面温度センサは、上記バルーンの先端部と最大径部の間に配置されている、(1)記載のバルーンカテーテル。
(3) 上記表面温度センサを2つ有し、2つの表面温度センサは、それぞれが上記バルーンの先端部と後端部を結ぶ軸線に対して直交する同一平面上に配置されている、(1)又は(2)記載のバルーンカテーテル。
(4) 上記内層膜は、5〜100μmである、(1)〜(3)のいずれか記載のバルーンカテーテル。
(5) 上記外層膜は、5〜100μmである、(1)〜(4)のいずれか記載のバルーンカテーテル。

発明の効果

0012

本発明のバルーンカテーテルによれば、バルーンを形成する外層膜と内層膜の間に表面温度センサ及び表面温度センサに接続された表面温度センサリード線を挿入することで、表面温度センサの保護とバルーン表面の温度測定の精度を高めるとともに、表面温度センサリード線をバルーンとシャフトの先端側の固定部から外層膜と内層膜の間に挿入し、かつ、外層膜と内層膜に対し表面温度センサリード線を固定しないことで、バルーンの変形に起因する、表面温度センサリード線の断線やバルーンからの流体のリークを低減できる。

図面の簡単な説明

0013

第一の実施形態に係るバルーンカテーテルの断面図である。
第一の実施形態に係るバルーンカテーテルのバルーン近傍における断面図である。
図3Aは、別の実施形態に係るバルーンカテーテルのバルーンを先端から右90°方向から見た場合の表面温度センサの位置を示す概略図であり、図3Bは、別の実施形態に係るバルーンカテーテルのバルーンを先端から見た場合の表面温度センサの位置を示す概略図である。
比較例1に係るバルーンカテーテルのバルーン近傍における断面図である。
バルーン近傍の加熱温度を測定するための評価系を示した概略図である。
図6Aは、加熱温度を測定する評価系における、バルーンと疑似血管が密着した状態を再現した試験の図であり、図6Bは、バルーンと疑似血管が非密着な状態を再現した試験の図である。

0014

以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。なお、同一の要素には同一符号を用いるものとして、重複する説明は省略する。また、図面の比率は説明のものとは必ずしも一致しない。

0015

本発明のバルーンカテーテルは、互いにスライド可能な外筒シャフトと内筒シャフトからなる二重管シャフトと、内層膜と外層膜からなる2層構造を有するバルーンと、上記内層膜と外層膜の間に配置された表面温度センサと、上記内層膜と外層膜の間に配置され、かつ、上記表面温度センサに接続された温度センサリード線と、を有し、上記内筒シャフトの先端部と上記バルーンの先端部が互いに固定され、上記外筒シャフトの先端と上記バルーンの後端部が互いに固定され、上記表面温度センサは、上記内層膜又は上記外層膜に対し固定され、上記温度センサリード線は、上記内筒シャフトの先端部と上記バルーンの先端部の固定部から上記内層膜と上記外層膜の間に挿入され、かつ、上記内層膜又は上記外層膜に対して固定されていないことを特徴としている。

0016

本発明の第一実施形態に係るバルーンカテーテル1を、図1を用いて説明する。

0017

バルーンカテーテル1は、外筒シャフト10と、外筒シャフト10のルーメンに挿入された内筒シャフト3を有し、外筒シャフト10と内筒シャフト3が互いにスライド可能な構造を持つ二重管シャフトを備えている。

0018

外筒シャフト10及び内筒シャフト3は、共に筒状の構造を有し、筒の内側にルーメン(空間)が存在している。内筒シャフト3は、外筒シャフト10のルーメンに挿入されているため、外筒シャフト10と内筒シャフト3との間にルーメンが存在し、二重管シャフトはこの外筒シャフト10と内筒シャフト3との間のルーメンを通して液体又は気体等の流体を後述するバルーン2の内部に送り込むことが出来る。

0019

外筒シャフト10及び内筒シャフト3の長さは、それぞれ500mm〜1700mmであることが好ましく、600mm〜1200mmであることがより好ましい。

0020

外筒シャフト10及び内筒シャフト3の材料は、抗血栓性に優れる可撓性材料であることが好ましい。抗血栓性に優れる可撓性材料としては、フッ素ポリマーポリアミドポリウレタン系ポリマー又はポリイミド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、外筒シャフト10は、内筒シャフト3との摺動性とバルーン2との接着性又は熱溶着性両立するため、異なる可撓性材料を多層になるよう形成することが好ましい。

0021

外筒シャフト10の外径は、3.0mm〜4.0mmが好ましく、外筒シャフト10の内径は2.5mm〜3.5mmが好ましい。また、内筒シャフト3の外径は、1.4mm〜1.7mmが好ましく、内筒シャフト3の内径は、1.1mm〜1.3mmが好ましい。

0022

また、バルーンカテーテル1は、二重管シャフトの先端側に外層膜2aと内層膜2bからなる2層構造を有する膨張・収縮可能なバルーン2が固定されている。

0023

バルーン2の形状は、血管にフィットできる形状であればよいが、例えば、左心房肺静脈接合部に適合するサイズとして直径が15mm〜40mmの球状が好ましい。球状としては、真球状、扁球状及び長球状のものも含まれるが、真球状のバルーンであることが好ましい。また、これらの球状は略球状のものも含まれる。

0024

外層膜2a及び内層膜2bの膜厚は、5μm〜100μmが好ましく、10μm〜50μmがより好ましい。外層膜2aと内層膜2bは、摺動可能に密着していることが好ましく、外層膜と内層膜の層間に潤滑剤として液体を封入してもよい。

0025

外層膜2aと内層膜2bの材料は、抗血栓性に優れた伸縮性のある材料が好ましい。抗血栓性に優れた伸縮性のある材料としては、ポリウレタン系ポリマーが挙げられ、ポリウレタン系ポリマーとしては、例えば、熱可塑性ポリエーテルウレタンポリエーテルポリウレタンウレアフッ素ポリエーテルウレタンウレア、ポリエーテルポリウレタンウレア又はポリエーテルポリウレタンウレアアミドが挙げられる。

0026

二重管シャフトの先端側に外層膜2aと内層膜2bからなるバルーン2を固定する構造として、図1に示されるように、外層膜2aと内層膜2bの先端部が、ともに内筒シャフト3の長手方向における先端部に固定されており、外層膜2aと内層膜2bの後端部が、ともに外筒シャフト10の長手方向における先端部に固定されている構造が挙げられる。しかしながら、これに限定されるものではなく、外層膜2aと内層膜2bのどちらか一方が内筒シャフト3及び外筒シャフト10に固定され、他方が内筒シャフト3及び外筒シャフト10に固定された膜に固定される構造であってもよい。ここで、外層膜2aと内層膜2bを外筒シャフト10及び内筒シャフト3に固定化する方法としては、接着又は熱溶着が好ましい。

0027

外層膜2aと内層膜2bからなるバルーン2がこのように固定されることにより、内筒シャフト3を外筒シャフト10に対してスライドした場合、内筒シャフト3に引っ張られてバルーン2の先端側が伸長する一方、バルーン2の後端側は外筒シャフト10に固定されているため、動かない。このように内筒シャフト3と外筒シャフト10のスライド動作により、バルーン2が長手方向に伸長するため、バルーン2の長手方向の長さが調節可能となる。

0028

バルーン2の内部には、高周波を受けることで近傍の充填液ジュール発熱する高周波通電用電極4が内筒シャフト3上の略中心部に1つ配置され、また、高周波通電用電極4近傍の温度を測定する電極温度センサ5が高周波通電用電極4と同様に内筒シャフト3上の略中心部に1つ配置されている。第一実施形態に係るこれらの構造については後述する。

0029

外層膜2aと内層膜2bの間には、バルーン表面の温度を測定する表面温度センサ8(一方の表面温度センサを8a、他方の表面温度センサを8bとする。)が2つ配置されている。

0030

高周波通電用電極4には、高周波電力を供給するための高周波電力供給リード線6が接続されている。また、電極温度センサ5には、電極温度センサリード線7が接続されている。さらに、表面温度センサ8a、8bには、それぞれに表面温度センサリード線9a、9bが接続されている。

0031

図1に示されるように、外筒シャフト10と内筒シャフト3との間のルーメンを挿通した高周波電力供給リード線6、電極温度センサリード線7並びに表面温度センサリード線9a及び9bは、外筒シャフト10のルーメン内で内筒シャフト3に沿ってバルーンカテーテル1の後端にまで延伸しており、そこから手元側に接続されたハンドル11内部を介して、コネクター12に接続されている。

0032

ハンドル11は、互いにスライド可能な前側ハンドル11fと後側ハンドル11rから構成されている。前側ハンドル11fと後側ハンドル11rは、それぞれ分岐路を有しており、後側ハンドル11rの分岐路の1つにコネクター12が接続されている。高周波電力供給リード線6、電極温度センサリード線7並びに表面温度センサリード線9a及び9bは、このハンドル11とコネクター12の内部を挿通し、バルーンカテーテル1の外部に設置される高周波電力供給手段23に接続される。ここで、コネクター12は、内部に高伝導金属ピンを備えている。高周波電力供給リード線6、電極温度センサリード線7並びに表面温度センサリード線9a及び9bは、この高伝導率金属ピンと接続することで高周波電力供給手段23に接続される。

0033

ここで、ハンドル11の構造は、操作者が手で把持、操作しやすいデザインであればどのような構造でもよい。また、ハンドル11を構成する材料は、耐薬品性の高い材料であればどのような材料を用いてもよいが、例えば、ポリカーボネート又はABS樹脂を用いることが出来る。

0034

コネクター12は、誤接続が防止できる防水性の高いデザインであればどのような構造でもよい。また、コネクター12を構成する材料は、ハンドル11と同様、耐薬品性の高い材料であればどのような材料を用いてもよいが、例えば、ポリカーボネート又はABS樹脂を用いることが出来る。

0035

コネクター12が有する高伝導率金属ピンの材料は、高伝導率の金属であればどのような金属を用いてもよいが、例えば、銅、銀、金、白金及びタングステン並びにこれらの合金が挙げられる。また、高伝導率金属ピンの外部は、電気絶縁性、かつ、耐薬品性の材料で保護されていればどのような材料で保護されていてもよいが、例えば、ポリスフォン、ポリウレタン系ポリマー、ポリプロピレン又はポリ塩化ビニルを用いることが出来る。

0036

ここで、前側ハンドル11fの分岐路は、ルーメンに液体を注入吸引可能な延長チューブ13と接続している。この延長チューブ13に接続したシリンジ19から液体を注入・吸引すると、外筒シャフト10と内筒シャフト3との間のルーメンを通って、バルーン2の内部に対し液体が注入・吸引されることにより、バルーン2を膨張・収縮させている。

0037

シリンジ19の他、バルーン2の内部に対し液体を注入・吸引するために用いるバルーンカテーテル1の外部に配置する装置は、どのような装置を用いてもよい。しかしながら、バルーン2の加熱を安定化させるため、微小体積加熱用液体の吸引と吐出を繰り返してバルーン2内部の液体に振動を付与する振動付与装置14であることが好ましい。バルーン内の加熱用液体に振動を付与することにより、バルーン2の内部に充填された液体が撹拌され、バルーン表面の温度が均一に維持されやすくなる。

0038

バルーン内の加熱用液体に振動を付与する振動付与装置14としては、例えば、ローラーポンプダイヤフラムポンプベローズポンプベーンポンプ遠心ポンプ又はピストンシリンダの組み合わせからなるポンプを備える装置が挙げられる。

0039

ここで、第一実施形態に係るバルーンカテーテル1のバルーン2近傍の外観を示す概略図である図2を用いて、高周波通電用電極4、電極温度センサ5及び表面温度センサ8の構造及び機能の詳細を説明する。

0040

バルーンカテーテル1では、高周波通電用電極4としてコイル電極を用いている。具体的には、高周波電力供給リード線6を内筒シャフト3に対して巻きつけ、高周波電力供給リード線6をコイル状にすることで、コイル状の部分の高周波電力供給リード線6が高周波通電用電極4として機能する。

0041

ここで、高周波電力供給用リード線6の直径は、0.1mm〜1mmが好ましく、0.1mm〜0.4mmがより好ましい。高周波電力供給用リード線6の材料としては、例えば、銅、銀、金、白金及びタングステン並びにこれらの合金等の高導電率金属が挙げられる。しかしながら、短絡を防止するため、高周波通電用電極4を形成するコイル状の部分を除いて、高周波電力供給用リード線6は、フッ素ポリマー等の電気絶縁性保護被覆が施されていることが好ましい。

0042

また、安定した測定のため、電極温度センサ5は、高周波通電用電極4と内筒シャフト3の間に固定される事が好ましい。具体的には、高周波電力供給リード線6及び電極温度センサリード線7に施された電気絶縁性の被膜の一部を剥ぎ、高周波電力供給リード線6を内筒シャフト3に対して巻きつける際に、内筒シャフト3と高周波電力供給リード線6の間に電極温度センサリード線7を挟みながら巻きつける。これにより、電極温度センサリード線7は高周波電力供給用リード線6のコイル状の部分と内筒シャフト3の間で固定される。

0043

電極温度センサ5としては、熱電対又はサーミスタを用いることが出来るが、第一実施形態に係るバルーンカテーテル1では、電極温度センサ5として熱電対を採用している。熱電対は、比熱容量の異なる2種類の金属同士を接触させ、接合点に発生する熱起電力を通じて温度差を測定する温度センサである。

0044

電極温度センサ5として熱電対を用いる場合、高周波電力供給リード線6及び電極温度センサリード線7に施された電気絶縁性の被膜の一部を剥ぐことで、高周波電力供給リード線6を構成する金属と電極温度センサリード線7を構成する金属が接触し、高周波電力供給リード線6のコイル状の部分と電極温度センサリード線7とが、長手方向の手元側からみて最初に接触する点が熱電対となり、電極温度センサ5として機能する。この電極温度センサ5が、電極温度センサリード線7を介して測定信号電力供給手段23に送信し、測定信号に基づいて高周波電力供給手段23が供給するエネルギーを調節することが出来る。

0045

ばりを低減するため、電極温度センサリード線7の直径は、0.05〜0.5mmが好ましく、0.05〜0.3mmがより好ましい。電極温度センサリード線7の材料としては、どのような金属を用いてもよい。高周波電力供給リード線6及び電極温度センサリード線7を熱電対として用いる場合、高周波電力供給用リード線6と電極温度センサリード線7の接触により熱電対を構成する材料であればどのような金属を用いてもよい。例えば、高周波電力供給用リード線6に銅を用いた場合、T型熱電対を構成するよう電極温度センサリード線7には、コンスタンタンを用いる。

0046

次に、表面温度センサ8a、8bとしては、電極温度センサ5と同様に、熱電対又はサーミスタを用いることが出来るが、第一実施形態に係るバルーンカテーテル1では、表面温度センサ8a、8bとして熱電対を採用している。

0047

表面温度センサリード線9a、9bは、外層膜2aと内層膜2bと内筒シャフト3の固定部から、外層膜2aと内層膜2bの間に挿入される。表面温度センサリード線9a、9bは、外層膜2aと内層膜2bの間を通って、バルーン2をカテーテルの長手方向から見たとき、バルーン2の膨らみが開始するバルーン先端部26から1/3程後端側の位置に、その線の先端が配置される。この表面温度センサリード線9の先端において熱電対が形成され、それぞれ表面温度センサ8a、8bとして機能する。

0048

第一実施形態に係るバルーンカテーテル1では、表面温度センサ8a、8bは、外層膜2aと内層膜2bの両方に対しポリマーで固定されており、表面温度センサ8a、8bを形成しない表面温度センサリード線9a、9bについては、外層膜2a及び内層膜2bに対して固定されていない。このように、表面温度センサリード線9a、9bは、互いに摺動可能な外層膜2aと内層膜2bの間で固定されていないため、バルーン2の膨張・収縮や伸張等に起因する断線やリークを低減できる。しかしながら、表面温度センサ8a、8bの固定は第一実施形態に限定されるものではなく、外層膜2a又は内層膜2bのどちらか一方に表面温度センサが固定されていればよい。このように表面温度センサがバルーン内で固定されることにより、バルーンの膨張、収縮、変形による表面温度センサの位置ズレが起きず、焼灼部位の温度を測定できる。

0049

また、第一実施形態に係るバルーンカテーテル1では、表面温度センサ8a、8bは、外層膜2aと内層膜2bの両方に対しポリマーで固定されている。しかしながら、固定方法はポリマーよる固定に限定されるものではない。また、固定方法にポリマーによる固定を採用した場合、表面温度センサ8a、8bを外層膜2a又は内層膜2bに固定するためのポリマーは、どのようなポリマーを用いてもよいが、バルーン2を形成する外層膜2a及び内層膜2bを構成するポリマーと同一のポリマーを用いることが好ましい。例えば、外層膜2a及び内層膜2bをポリウレタンで形成した場合、固定用のポリマーにポリウレタンを使うことが考えられる。

0050

また、外層膜2a又は内層膜2bに対し表面温度センサをポリマーで固定する際、表面温度センサの全面をポリマーで被覆することが好ましい。この場合、表面温度センサ付近でのインピーダンスが増加し、高周波電流による表面温度センサの温度測定への影響を低減できる。また、表面温度センサへの高周波の影響を更に低減させるため、表面温度センサを被覆するポリマーに誘電率の小さい材料を用いることが好ましい。

0051

また、第一実施形態に係るバルーンカテーテル1では、バルーン2をカテーテルの長手方向から見たとき、バルーン2の先端部と後端部を結ぶ軸線に対して直交し、バルーン先端部26から最大径部27までの中間部28を平面内に含む平面の同一平面上に、表面温度センサ8a、8bが配置されている。しかしながら、表面温度センサ8a、8bの位置はこれに限定されるものではなく、バルーン先端部26から最大径部27までの間の位置であればよい。ここで、最大径部27とは、バルーン2をカテーテル長手方向にみて垂直な断面の直径が最大となるバルーンの部位を指し、中間部28とは、バルーン先端部26から最大径部27の中間地点となるバルーンの部位を指す。

0052

また、第一実施形態に係るバルーンカテーテル1では、同一平面上において、バルーンの中心を挟んで円周方向に180度の位置になるように、表面温度センサ8aと表面温度センサ8bが相互に配置されている。しかしながら、表面温度センサ8a、8bの相互の位置はこれに限定されるものではなく、2つの表面温度センサのそれぞれが、バルーンの先端部と後端部を結ぶ軸線に対して直交する同一平面上に配置されていればよい。

0053

嵩ばりを低減するため、表面温度センサ8a、8bの厚さは、0.1mm〜0.5mmが好ましく、0.1mm〜0.3mmがより好ましい。また、表面温度センサ8a、8bの表面積は、0.02mm2〜0.4mm2が好ましく、0.02mm2〜0.20mm2がより好ましい。

0054

表面温度センサリード線9a、9bの直径は、0.05mm〜0.5mmが好ましく、0.05mm〜0.3mmがより好ましい。表面温度センサリード線9a、9bの材料としては、どのような金属を用いてもよい。表面温度センサリード線9a、9bを熱電対として用いる場合、1本の表面温度センサリード線内部に存在する2つの金属線の接触により熱電対を構成する材料であればどのような金属を用いてもよい。例えば、一方の金属線に銅を用いた場合、T型熱電対を構成するよう他方の金属線にはコンスタンタンを用いる。また、表面温度センサリード線内部の2つの金属線は、それぞれに短絡を防止するために、フッ素ポリマーやエナメル等の電気絶縁性の被膜が施されていることが好ましい。

0055

別の実施形態として、表面温度センサを2つではなく、3つ以上配置する実施形態も本発明の範囲として採用できる。別の実施形態に係るバルーンカテーテルとして、4つの表面温度センサを外層膜2aと内層膜2bの間に配置したものを、図3を使って示す。この別の実施形態において、図3Aは、バルーンを先端から右90°方向から見た場合の表面温度センサの位置を示す概略図であり、図3Bは、バルーンを先端から見た場合の表面温度センサの位置を示す概略図である。4つの表面温度センサは、バルーン2の先端部と後端部を結ぶ軸線に対して直交する2つの平面上に配置されている。外層膜2aと内層膜2bの間において、2つの平面は、バルーン先端部26から最大径部27までの間に前後して存在すればどの位置でもよい。例えば、図3Bに示されるように、第1の実施形態と同様、バルーン2の先端部と後端部を結ぶ軸線に対して直交し、バルーン先端部26から最大径部27までの中間部28を平面内に含む平面の同一平面上に、表面温度センサ8a、8bは配置される。また、バルーン2の先端部と後端部を結ぶ軸線に対して直交し、最大径部27を平面内に含む平面の同一平面上に、表面温度センサ8c及び8dは配置される。また、バルーンの中心を挟んで円周方向に180度の位置になるように、表面温度センサ8aと表面温度センサ8bが相互に配置されており、同様に、バルーンの中心を挟んで円周方向に180度の位置になるように、表面温度センサ8cと表面温度センサ8dが相互に配置されている。この時、バルーンを先端から見た場合は、円周方向に90度毎に、表面温度センサ8a、8c、8b及び8dが配置されている。これにより、バルーンの表面の複数位置での温度測定が可能になる。また、複数の温度センサから得られる温度データの比較により、血流による冷却部位組織との接触部位を区別することが可能となり、バルーン2と心臓血管密着状態を確認することができる。

0056

以下、本発明のバルーンカテーテルの具体的な実施例を説明する。なお、「長さ」というときには、長手方向における長さを表すものとする。

0057

(実施例1)
ポリウレタン製チューブを用いたブロー成形によって、直径30mm、厚み15μmのポリウレタン製の外層膜2aを成型し、同様に直径29mm、厚み15μmのポリウレタン製の内層膜2bを成型した。その後、エアーを抜いた内層膜2bを外層膜2a内に挿入して再度エアーを注入して形状を整え、バルーン2を作成した。

0058

外径3.6mm、内径3.0mm、長さ1000mmのポリウレタン製チューブを成形し、外筒シャフト10とした。また、外径1.6mm、内径1.2mm、長さ1100mmのポリアミド製チューブを成形し、内筒シャフト3とした。外筒シャフト10のルーメンに対し、内筒シャフト3をスライド可能に挿通して二重管シャフトとし、それらの後端にハンドル11を接続した。ポリカーボネート製のハンドル11は、外筒シャフト10に接続した前側ハンドル11fと内筒シャフト3に接続した後側ハンドル11rから構成されている。前側ハンドル11fと後側ハンドル11rをスライド可能な構造にすることにより、前側ハンドル11fに対する後側ハンドル11rのスライド操作によって内筒シャフト3が外筒シャフト10の内部をスライドし、それによって、バルーン2の形状を変形できる。

0059

パーフルオロアルコキシアルカン製の電気絶縁性の被膜が施された直径0.26mm、長さ1700mmの銅線を高周波電力供給リード線6とし、ポリテトラフルオロエチレン製の電気絶縁性の被覆が施された直径0.13mm、長さ1500mmのコンスタンタン線を電極温度センサリード線7とした。また、ポリテトラフルオロエチレン製の電気絶縁性の保護被覆が施された直径0.10mm、長さ1600mmの銅線とポリテトラフルオロエチレン製の電気絶縁性の保護被覆が施された直径0.10mm、長さ1600mmのコンスタンタン線の2本の金属線に電気絶縁性の被膜が施された線を纏めた上でさらに被覆を行い、銅線とコンスタンタン線を内部に有する、厚さ0.1mm、幅0.2mm、長さ1600mmの表面温度センサリード線9を作成した。この表面温度センサリード線9内の銅線とコンスタンタン線の先端部のみを互いに溶接して熱電対を形成させることで、表面温度センサリード線9の先端に厚さ0.1mm、表面積0.05mm2の表面温度センサ8を作成した。このように作成した表面温度センサリード線9を2本用意し、それぞれを表面温度センサリード線9a、9bとした。

0060

高周波電力供給リード線6に施された電気絶縁性の被膜を200mm及び電極温度センサリード線7に施された電気絶縁性の被膜を20mm剥ぎ、内筒シャフト3の先端から25mmの位置を開始点として、高周波電力供給リード線6と内筒シャフト3の間に電極温度センサリード線7と2本の表面温度センサリード線9a、9bを挟みながら高周波電力供給リード線6を内筒シャフト3にコイル状に巻きつけた。この際、高周波電力供給リード線6のコイル状になった部分が高周波通電用電極4を形成するとともに、コイル状に巻き付ける部分の始点において、高周波電力供給リード線6及び電極温度センサリード線7の電気絶縁性の被膜が剥がされた部分同士が接触することで電極温度センサ5である熱電対が形成された。結果として、長さ13mmのコイル状の高周波通電用電極4及び電極温度センサ5が内筒シャフト3上に形成された。電極温度センサ5が形成された部分では、高周波電力供給リード線6と電極温度センサリード線7同士を溶接して固定した。

0061

ズレ防止のため、高周波通電用電極4の先端及び後端において、内筒シャフト3上にポリウレタン製チューブを熱溶着で固定した。

0062

バルーン2を、内筒シャフト3の先端側から挿入し、バルーン2の後端部を外筒シャフト10の先端部に熱溶着で固定し、これを外筒シャフトの先端とバルーンの後端部が互いに固定された部分とした。

0063

表面温度センサリード線9a、9bを高周波通電用電極4が形成された部分からさらに延伸して、内筒シャフト3とバルーン2の先端側の固定部まで沿わせた。内筒シャフト3とバルーン2の先端側の固定部から外層膜2aと内層膜2bの間に表面温度センサリード線9a、9bを挿入した。バルーン2の先端部と後端部を結ぶ軸線に対して直交し、バルーン先端部26から最大径部27までの中間部28を平面内に含む平面の同一平面上であり、先端方向から見たバルーン2の同一平面上において軸線を挟んで対向する位置になるように、表面温度センサ8a、8bの位置決めを行なった。外層膜2a及び内層膜2bに対し表面温度センサ8a、8bの全面をポリマーで被覆するよう固定した。固定に用いるポリマーには、ポリウレタンを用いた。

0064

2本の表面温度センサリード線9a、9bの挿入部分と、内筒シャフト3の先端部、バルーン2の先端部が重なる部分を覆うように、内径1.7mm、外径3.6mm、長さ10mmのポリウレタン製スペーサを配置し、重なる部分が密着するように熱溶着により固定し、これを内筒シャフト3の先端とバルーン2の先端部が互いに固定された部分とした。

0065

高周波電力供給リード線6、電極温度センサリード線7及び表面温度センサリード線9a、9bの後端側の線は、外筒シャフト10と内筒シャフト3との間のルーメンと、ハンドル11の内部を挿通させ、いずれもコネクター12が有する高伝導率金属ピンに接続した。

0066

前側ハンドル11fが有する分岐部に、延長チューブ13を取り付け、さらに延長チューブ13を振動付与装置14に接続した。これにより、振動付与装置14からの振動を、延長チューブ13、ハンドル11及び外側シャフト10と内側シャフト3との間のルーメンを介して、バルーン2内部の液体に振動を付与する経路を形成させ、実施例1のバルーンカテーテル(以下、「実施例1」)を作成した。

0067

(実施例2)
上記表面温度センサリード線9a、9b、9c、9dを用いて、これらの表面温度センサリード線の先端にある表面温度センサ8a、8b、8c、8dのそれぞれのバルーン2内の配置を変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2のバルーンカテーテル(以下、「実施例2」)を作成した。具体的には、バルーン2の先端部と後端部を結ぶ軸線に対して直交し、バルーン先端部26から最大径部27までの中間部28を平面内に含む平面の同一平面上に、表面温度センサ8a、8bを配置した。また、バルーン2の先端部と後端部を結ぶ軸線に対して直交し、最大径部27を平面内に含む平面の同一平面上に、表面温度センサ8c及び8dを配置した。この時、バルーンを先端から見た場合は、円周方向に90度毎に、表面温度センサ8a、8c、8b及び8dが配置されている。

0068

(比較例1)
バルーン2の後端部と外筒シャフト10の固定部から、外層膜2aと内層膜2bの間に表面温度センサリード線9a、9bを挿入し、外層膜2aと内層膜2bの間を後端側から延伸して実施例1と同様の位置になるように表面温度センサ8a、8bを位置決めするとともに、表面温度センサ8a、8bをポリマーで固定しないように変更した以外は実施例1と同様にして、比較例1のバルーンカテーテル(以下、「比較例1」)を作成した。図4に比較例1の先端部の拡大図を示す。以下に詳細を示す。

0069

ポリウレタン製チューブを用いたブロー成形によって、直径30mm、厚み15μmのポリウレタン製の外層膜2aを成形し、同様に直径29mm、厚み15μmのポリウレタン製の内層膜2bを成形した。その後、エアーを抜いた内層膜2bを外層膜2a内に挿入して再度エアーを注入して形状を整え、バルーン2とした。

0070

外径3.6mm、内径3.0mm、長さ1000mmのポリウレタン製チューブを成形し、外筒シャフト10とした。また、外径1.6mm、内径1.2mm、長さ1100mmのポリアミド製チューブを成形し、内筒シャフト3とした。外筒シャフト10のルーメンに対し、内筒シャフト3をスライド可能に挿通して二重管シャフトとし、それらの後端にハンドル11を接続した。ポリカーボネート製のハンドル11は、外筒シャフト10に接続した前側ハンドル11fと、内筒シャフト3に接続した後側ハンドル11rから構成されている。前側ハンドル11fと後側ハンドル11rをスライド可能な構造にすることにより、前側ハンドル11fに対する後側ハンドル11rのスライド操作によって内筒シャフト3が外筒シャフト10の内部をスライドし、それによって、バルーン2の形状を変形できる。

0071

パーフルオロアルコキシアルカン製の電気絶縁性の被膜が施された直径0.26mm、長さ1700mmの銅線を高周波電力供給リード線6とし、ポリテトラフルオロエチレン製の電気絶縁性の被膜が施された直径0.13mm、長さ1500mmのコンスタンタン線を電極温度センサリード線7とした。また、ポリテトラフルオロエチレン製の電気絶縁性の被膜が施された直径0.10mm、長さ1600mmの銅線と、ポリテトラフルオロエチレン製の電気絶縁性の皮膜が施された直径0.10mm、長さ1600mmのコンスタンタン線の2本の金属線をそれぞれ纏め、表面温度センサリード線9を作成した。表面温度センサリード線9内の銅線とコンスタンタン線の先端部のみを互いに溶接して熱電対を形成させることで、厚さ0.1mm、表面積0.05mm2の表面温度センサ8を先端に有する厚さ0.1mm、幅0.2mm、長さ1600mmの表面温度センサリード線9を作成した。このように作成した表面温度センサリード線9を2本用意し、それぞれを表面温度センサリード線9a、9bとする。

0072

高周波電力供給リード線6に施された電気絶縁性の皮膜を200mm、及び電極温度センサリード線7に施された電気絶縁性の被膜を20mm剥ぎ、内筒シャフト3の先端から25mmの位置を開始点として、高周波電力供給リード線6と内筒シャフト3の間に電極温度センサリード線7を挟みながら高周波電力供給リード線6を内筒シャフト3にコイル状に巻きつけた。この際、高周波電力供給リード線6のコイル状になった部分が高周波通電用電極4を形成するとともに、コイル状に巻き付ける部分の始点において、高周波電力供給リード線6及び電極温度センサリード線7の電気絶縁性の被膜が剥がされた部分同士が接触することで電極温度センサ5である熱電対が形成された。結果として、長さ13mmのコイル状の高周波通電用電極4、及び電極温度センサ5が内筒シャフト3上に形成された。電極温度センサ5が形成された部分では、高周波電力供給リード線6と電極温度センサリード線7同士を溶接して固定した。

0073

ズレ防止のため、高周波通電用電極4の先端及び後端において、内筒シャフト3上にポリウレタン製チューブを熱溶着で固定した。

0074

表面温度センサリード線9a、9bを外筒シャフト10のルーメン内で内筒シャフト3に沿わせて配置した。延伸した表面温度センサリード線については、外筒シャフト10の先端から3mmの位置で上下180度の位置に開けた小孔から、表面温度センサリード線9a、9bの先端を引き出した。

0075

バルーン2を、内筒シャフト3の先端側から挿入した。その後、上下180度の位置に相対するように、表面温度センサリード線9a、9bをそれぞれ挿入し、バルーン2の後端部と外筒シャフト10の先端部とを、表面温度センサリード線を引き出した小孔を埋めるように熱溶着で固定した。

0076

各々の表面温度センサリード線9a、9bの先端に構成した2個の表面温度センサ8a、8bをバルーン先端部26から1/3後端側の位置で上下2箇所に、ポリマーによる埋設固定を行なうことなく配置した。その後、内筒シャフト3の先端から内径1.7mm、外径3.6mm、長さ10mmのポリウレタン製スペーサを挿入してバルーン2の先端部に配置した後、熱溶着を行ない、バルーン2の先端部を内筒シャフト3の先端に固定した。

0077

高周波電力供給リード線6、電極温度センサリード線7及び表面温度センサリード線9a、9bを外筒シャフト10と内筒シャフト3との間のルーメンと、後側ハンドル11rを介して、いずれもコネクター12が有する高伝導率金属ピンに接続した。

0078

前側ハンドル11fが有する分岐部に、延長チューブ13を取り付け、さらに延長チューブ13を振動付与装置14に接続した。これにより、振動付与装置14からの振動を、延長チューブ13、ハンドル11及び外側シャフト10と内側シャフト3との間のルーメンを介して、バルーン2内部の液体に振動を付与する経路を形成させ、比較例1のバルーンカテーテル(以下、「比較例1」)を作成した。

0079

以下、実施例1、実施例2及び比較例1を用いた比較評価の方法と結果を示す。

0080

カテーテル操作による耐久性評価
図5は、バルーンカテーテルによるバルーン近傍の加熱温度を測定するための評価系を示した概略図である。当該評価系において、実施例1及び比較例1の測定試験を反復して行ない、バルーンカテーテルの耐久性を評価した。

0081

恒温水槽29で37℃に加温した約50Lの生理食塩水アクリル系ポリマー疑似的に再現した肺静脈モデル15を浸漬した。撹拌機16により、恒温水槽29内の生理食塩水の一部を間接的にシリコン製のチューブ17で取り出し、肺静脈モデル15の疑似血管側に導くことで、液体流れ30を発生させ、擬似的に血流がある状態を再現した。心拍出量を5L/分とし、肺静脈1本あたりの血流を1.3L/分とした。

0082

バルーンカテーテルを体内に挿入する際に一般的に用いられる止血弁付きイントロデューサシース18(内径4.2mm、外径5.8mm)のシャフト部分を恒温水槽29に浸漬するように配置し、イントロデューサシース18の内部を恒温水槽29の生理食塩水で満たした。

0083

外筒シャフト10のルーメン内で内筒シャフト3をスライドさせて、バルーン2を長手方向に伸張するよう変形させ、イントロデューサシース18内にバルーン2を挿入した。バルーン2及び外筒シャフト10を恒温水槽29内まで導いたのち、バルーン2の伸張状態解除し、バルーン2の径を戻した。

0084

シリンジ19を用いてバルーンカテーテル内に生理食塩水を注入・吸引して空気抜きをした。バルーン2に約15mlの生理食塩水を入れ、内筒シャフト3及び外筒シャフト10の操作と生理食塩水の量を調整することで、バルーン2の直径を30mmにした。

0085

バルーン2を、アクリル系ポリマー製の肺静脈モデル15に挿入し、焼灼温度センサ20、21が、バルーン2の左右の表面に近接するよう設置した。

0086

対極板22を恒温水槽29の中に浸漬させ、高周波通電用電極4及び対極板22を高周波電力供給手段23に接続した。バルーンカテーテルの内筒シャフト3には、ガイドワイヤー24を挿通させた。

0087

高周波電力供給手段23は、電極温度センサ5からの測定信号に基づく温度測定値設定温度になるように供給エネルギー自動制御する。また、各々の表面温度センサからの測定信号に基づく温度測定値を表示することができる。周波数1.8MHzの高周波は、対極板22と高周波通電用電極4の間で通電可能であり、高周波通電用電極4の近傍で電流密度が高くなって生理食塩水でジュール熱が発生する。

0088

高周波電力供給手段23を作動させて、高周波電力(周波数1.8MHz、最大電力150W、設定温度70℃)を通電させることで、高周波通電用電極4を加熱するとともに、振動付与装置14によりバルーン2の内部の生理食塩水に振動を付与することで、バルーン内の生理食塩水を加熱・撹拌した。焼灼温度センサ20、21で測定した温度、表面温度センサで測定した温度及び電極温度センサで測定した温度が全て安定した時点の温度を記録した。

0089

測定後、実際の使用状況模擬的に再現する(術中で別の部位を焼灼するためにバルーンカテーテルを移動する工程を再現する)ため、外筒シャフト10のルーメン内で内筒シャフト3をスライドさせてバルーン2を長さ方向に伸張して、バルーンカテーテル全体をイントロデューサシース18内に引き戻し、そのまま肺静脈モデル15から抜去した。

0090

実施例1を用いて上述の操作を20回繰り返した。また、同様の操作を比較例1について20回繰り返し、耐久性を比較した。

0091

実施例1及び比較例1のそれぞれについて、1回目から20回目までの反復試験における高周波電力を通電した際の温度測定の結果を表1に示す。

0092

0093

20回の耐久性試験において、電極温度センサ5の測定値は、実施例1及び比較例1のどちらも70℃で安定していた。また、焼灼温度センサ20、21の測定値も、実施例1及び比較例1のどちらも60℃と非常に安定していた。

0094

一方、表面温度センサにおいては、実施例1の表面温度センサ8a、8bの測定値は安定して60℃を示し、20回の実験を通して焼灼温度と良く一致していたが、比較例1の表面温度センサ8aは、毎回の測定温度バラツキが大きく、5回目以降は焼灼温度センサ20、21の測定値より低い値を示し始め、10回目には測定不能となった。また、比較例1の表面温度センサ8bも同様に毎回の測定温度のバラツキが大きく、5回目まではおおよそ60℃を示していたものの、それ以降は測定不能となった。

0095

試験後に比較例1の表面温度センサ8a、8bの状態を調べた。表面温度センサ8aはバルーン2の先端付近まで移動し、表面温度センサリード線9aが断線していた。一連のカテーテル操作にて物理的な負荷がかかり、表面温度センサ8aが先端方向にズレたことで焼灼部位から離れ、血流により表面が冷却されることで測定温度が低下し、さらにセンサ部やリード線に負荷がかかったことで断線に至ったと考えられた。また、表面温度センサ8bは、位置ズレは僅かであったが、表面温度センサ8bを形成する銅線とコンスタンタン線の溶接部分が断線していた。また、表面温度センサ8a、8b付近の内層膜と外層膜に溶融痕が認められたこと、測定温度のバラツキが大きかったことから、表面温度センサの全面がポリマーで被覆されていないため、アンテナ効果による高周波電流の集中が生じて表面温度センサ自身が過熱したものと判断した。

0096

以上の結果から、比較例1では、表面温度センサの位置ズレが起こりやすく、測定温度のバラツキや断線のリスクが高まるが、実施例1では、これらの問題が解決されていることが明らかとなった。

0097

(異なる径の血管への適応性
肺静脈モデル15について、血管径が異なる肺静脈モデルを複数準備した。具体的には、血管径12mm〜27mmの範囲内で3mm毎に6種類作成した。実施例1及び実施例2を用いて、バルーン2のサイズを血管径が異なる肺静脈モデルのそれぞれの血管径に密着するように、生理食塩水を注入してバルーン2の直径を調整した。

0098

高周波電力供給手段23を作動させて、高周波電力(周波数1.8MHz、最大電力150W、設定温度70℃)を通電させることで、高周波通電用電極4を加熱するとともに、振動付与装置14によりバルーン2の内部の生理食塩水に振動を付与することで、バルーン内の生理食塩水を加熱・撹拌した。焼灼温度センサ20、21で測定した温度、表面温度センサで測定した温度及び電極温度センサで測定した温度が全て安定した時点の温度を、実施例1及び実施例2で記録した。実施例1及び実施例2を用いて、上述の操作を10回繰り返した。

0099

その結果、いずれの場合も焼灼温度は60℃〜65℃で安定しており、実施例1及び実施例2の表面温度センサの測定値は、焼灼温度センサの測定値と良く一致していたことから、内層膜と外層膜が積層された場合にも様々な解剖学的構造の心臓血管に密着できる柔軟なバルーンである事が確認できた。

0100

(バルーンと血管の密着状態の確認)
次に上述の試験装置を用いて、実施例2の有用性について調べるための実験を行った。バルーン2と肺静脈が密着している状態を模擬的に再現したモデルとして、血管径20mmの肺静脈モデル15を用いて、バルーン2を12mlの生理食塩水で膨張させ、カテーテル操作による耐久性評価の試験と同様の手順で実施例2を用い、1回の温度測定を実施した。次に、バルーン2と肺静脈が離れている状態を模擬的に再現したモデルとして、バルーン2を挿入したまま肺静脈モデル15を左方向へ回転させた以外は、カテーテル操作による耐久性評価の試験と同様の手順で、1回の温度測定を実施した。

0101

図6Aは、バルーン2と肺静脈が密着している状態を模擬的に再現したモデルを上から見た概略図であり、図6Bは、バルーン2と肺静脈が離れている状態を模擬的に再現したモデルを上から見た概略図である。非密着部位はバルーン2の表面温度センサ8dと焼灼温度センサ21の位置に該当する。さらに非密着状態視覚的に確認するため、内筒シャフト3の先端から造影剤に見立てた着色液噴出し、非密着部位から血液リークに模した液体流れ30がバルーン2の後方に発生することを確認した。温度測定の結果を表2に示す。

0102

0103

表2に示すように、表面温度センサ8dの測定結果において52℃付近を示した。これは、シリコン製のチューブ17から肺静脈モデル15に流入する擬似的な血流が、焼灼部位と密着していない表面温度センサ8d側でリークを起こして液体流れ30ができることで、バルーン2が冷却されて表面温度センサ8dにおいて低い温度を示したと考えられる。また、焼灼温度センサ21の測定結果もおよそ40℃を示し、この部位での焼灼ができていないことが数値で示された。

実施例

0104

このことから、複数ある表面温度センサの一つが極端に低い値を示す場合、密着性が不十分であることが分かるため、複数の表面温度センサを備えることで、バルーンと焼灼部位の密着状態を確認できることが明らかになった。

0105

本発明は、心房細動等の不整脈、子宮内膜症、癌又は高血圧等の治療を行うためのバルーンカテーテルとして用いることができる。

0106

1・・・バルーンカテーテル、2・・・バルーン(2a・・・外層膜、2b・・・内層膜)、3・・・内筒シャフト、4・・・高周波通電用電極、5・・・電極温度センサ、6・・・高周波電力供給リード線、7・・・電極温度センサリード線、8・・・表面温度センサ、9・・・表面温度センサリード線、10・・・外筒シャフト、11・・・ハンドル(11f・・・前側ハンドル、11r・・・後側ハンドル)、12・・・コネクター、13・・・延長チューブ、14・・・振動付与装置、15・・・肺静脈モデル、16・・・撹拌機、17・・・シリコンチューブ、18・・・イントロデューサシース、19・・・シリンジ、20、21・・・焼灼温度センサ、22・・・対極板、23・・・高周波電力供給手段、24・・・ガイドワイヤー、25・・・熱電対データロガー、26・・・バルーン先端部、27・・・最大径部、28・・・中間部、29・・・恒温水槽、30・・・液体流れ

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