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※この項目の情報は公開日時点(2020年8月31日)のものです。
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課題
解決手段
アルギン酸又はその塩類を0.2〜1重量%、水不溶性カルシウム塩を0.05〜0.5重量%、グルコノデルタラクトンを0.4〜2.5重量%、及びα化澱粉を2〜6重量%配合することで、水を加え混合した後に加熱工程を必要としない製菓製パン用上掛けゼリーを提供することができる。この製造方法で得られる製菓製パン用上掛けゼリーは、固化するまでに適度な時間を要し、製菓製パン製品上に適度に広がり、留まる粘性を有し、作業性に優れる。
概要
背景
近年の製菓製パン製品は、味や食感が良好であることだけでなく、目を惹く外観であることも重視されている。従来、製菓製パン製品は焼き色に基づく茶色がベースとなることが多く、消費者に地味な印象を与えやすい。そこで、近年では着色料を使用することでカラフルな外観とした製品や、上掛けやトッピングで外観を華やかにした製品が市場に増えてきている。特に同一生地から複数の商品を生み出すことのできる、上掛けによる多様化は、利便性において優れていると言える。
最も簡単な製品の多様化の一つは、焼成後のパンや油ちょう後のドーナツ等に、様々な着色料や香料を使用した上掛けゼリーを塗布することである。製菓製パン用上掛けゼリーは多数販売されているが、その多くは使用に際し加熱工程が必要なものや、加熱工程を必要としないが半製品状態であり、開封後は冷蔵保管が求められるものである。事業者によっては加熱設備がなく、また、冷蔵保管では在庫管理や保管スペースが限られるといった問題があり、これらの製品は扱いが困難である場合がある。
加熱工程が不要なゼリーの製造方法として、下記特許文献1及び2が挙げられる。この製造方法では、10分間静置することでゼリーが固まる為、ゼリー製品の製造に適した技術であるといえる。しかしながら、製菓製パン製品の上掛けゼリーとして使用する場合においては、10分間で固まるのであれば、連続した上掛け作業に適さない。また、固まるまでのゼリーの粘性も重要であり、これらの技術では粘性が強すぎる為に、製菓製パン製品上に適度にゼリーが広がらず、ムラが大きくなる。上掛けゼリーとして適しているのは、上掛け作業を行う為のある程度の時間、適度な流動性を保った状態であることである。
概要
加熱工程を必要とせず、原料と水を混合するだけで調製することができ、適度な粘性を持つ製菓製パン用上掛けゼリーを提供する。アルギン酸又はその塩類を0.2〜1重量%、水不溶性カルシウム塩を0.05〜0.5重量%、グルコノデルタラクトンを0.4〜2.5重量%、及びα化澱粉を2〜6重量%配合することで、水を加え混合した後に加熱工程を必要としない製菓製パン用上掛けゼリーを提供することができる。この製造方法で得られる製菓製パン用上掛けゼリーは、固化するまでに適度な時間を要し、製菓製パン製品上に適度に広がり、留まる粘性を有し、作業性に優れる。 なし
目的
最も簡単な製品の多様化の一つは、焼成後のパンや油ちょう後のドーナツ等に、様々な着色料や香料を使用した上掛けゼリーを塗布することである
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
アルギン酸又はその塩類を0.2〜1重量%、水不溶性カルシウム塩を0.05〜0.5重量%、グルコノデルタラクトンを0.4〜2.5重量%、及びα化澱粉を配合し、水を加え混合した後に加熱工程を必要としない製菓製パン用上掛けゼリーの製造方法。
請求項2
前記α化澱粉の配合量が2〜6重量%である、請求項1に記載の製菓製パン用上掛けゼリーの製造方法。
請求項3
アルギン酸又はその塩類を0.2〜1重量%、水不溶性カルシウム塩を0.05〜0.5重量%、グルコノデルタラクトンを0.4〜2.5重量%、及びα化澱粉を配合し、水を加え混合した後に加熱することなく得られる製菓製パン用上掛けゼリー。
請求項4
前記α化澱粉の配合量が2〜6重量%である、請求項3に記載の製菓製パン用上掛けゼリー。
請求項5
請求項3又は4に記載の製菓製パン用上掛けゼリーを使用した製菓製パン製品。
請求項6
アルギン酸又はその塩類を0.2〜1重量%、水不溶性カルシウム塩を0.05〜0.5重量%、グルコノデルタラクトンを0.4〜2.5重量%、及びα化澱粉を含み、水を加え混合した後に加熱工程を必要としない製菓製パン用上掛けゼリー用プレミックス。
請求項7
前記α化澱粉の配合量が2〜6重量%である、請求項5又は6に記載の製菓製パン用上掛けゼリー用プレミックス。
技術分野
背景技術
0002
近年の製菓製パン製品は、味や食感が良好であることだけでなく、目を惹く外観であることも重視されている。従来、製菓製パン製品は焼き色に基づく茶色がベースとなることが多く、消費者に地味な印象を与えやすい。そこで、近年では着色料を使用することでカラフルな外観とした製品や、上掛けやトッピングで外観を華やかにした製品が市場に増えてきている。特に同一生地から複数の商品を生み出すことのできる、上掛けによる多様化は、利便性において優れていると言える。
0003
最も簡単な製品の多様化の一つは、焼成後のパンや油ちょう後のドーナツ等に、様々な着色料や香料を使用した上掛けゼリーを塗布することである。製菓製パン用上掛けゼリーは多数販売されているが、その多くは使用に際し加熱工程が必要なものや、加熱工程を必要としないが半製品状態であり、開封後は冷蔵保管が求められるものである。事業者によっては加熱設備がなく、また、冷蔵保管では在庫管理や保管スペースが限られるといった問題があり、これらの製品は扱いが困難である場合がある。
0004
加熱工程が不要なゼリーの製造方法として、下記特許文献1及び2が挙げられる。この製造方法では、10分間静置することでゼリーが固まる為、ゼリー製品の製造に適した技術であるといえる。しかしながら、製菓製パン製品の上掛けゼリーとして使用する場合においては、10分間で固まるのであれば、連続した上掛け作業に適さない。また、固まるまでのゼリーの粘性も重要であり、これらの技術では粘性が強すぎる為に、製菓製パン製品上に適度にゼリーが広がらず、ムラが大きくなる。上掛けゼリーとして適しているのは、上掛け作業を行う為のある程度の時間、適度な流動性を保った状態であることである。
先行技術
0005
特開2009−232845
特開2018−57347
発明が解決しようとする課題
0006
本発明の目的は、加熱工程を必要とせず、原料と水を混合するだけで調製することができ、適度な粘性を持つ製菓製パン用上掛けゼリーを提供することにある。
課題を解決するための手段
0007
上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を見出した。すなわち、本願の第1の発明は、アルギン酸又はその塩類を0.2〜1重量%、水不溶性カルシウム塩を0.05〜0.5重量%、グルコノデルタラクトンを0.4〜2.5重量%、及びα化澱粉を配合し、水を加え混合した後に加熱工程を必要としない製菓製パン用上掛けゼリーの製造方法である。
0008
第2の発明は、第1の発明におけるα化澱粉の配合量が2〜6重量%である、製菓製パン用上掛けゼリーの製造方法である。
0009
第3の発明は、アルギン酸又はその塩類を0.2〜1重量%、水不溶性カルシウム塩を0.05〜0.5重量%、グルコノデルタラクトンを0.4〜2.5重量%、及びα化澱粉を配合し、水を加え混合した後に加熱することなく得られる、製菓製パン用上掛けゼリーである。
0010
第4の発明は、第3の発明におけるα化澱粉の配合量が2〜6重量%である、製菓製パン用上掛けゼリーである。
0011
第5の発明は、第3又は第4の発明の製菓製パン用上掛けゼリーを使用した製菓製パン製品である。
0012
第6の発明は、アルギン酸又はその塩類を0.2〜1重量%、水不溶性カルシウム塩を0.05〜0.5重量%、グルコノデルタラクトンを0.4〜2.5重量%、及びα化澱粉を含み、水を加え混合した後に加熱工程を必要としない製菓製パン用上掛けゼリー用プレミックスである。
0013
第7の発明は、第6の発明におけるα化処理をした加工澱粉の配合量が2〜6重量%である、製菓製パン用上掛けゼリー用プレミックスである。
発明の効果
0014
本発明によると、加熱工程を必要としない、製菓製パン用上掛けゼリーを製造することができる。
0015
本発明におけるアルギン酸又はその塩とは、アルギン酸とアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウムを指し、アルギン酸カルシウム及びアルギン酸エステルは含まない。上掛けゼリー中のアルギン酸またはその塩の割合は、好ましくは0.2〜1重量%である。アルギン酸又はその塩が0.2重量%未満の場合、ゲル強度が弱く、1重量%を超える場合、強度が過剰となる。
0016
本発明における水不溶性カルシウム塩とは、リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム等を指し、その種類は水不溶性であれば限定されるものではない。上掛けゼリー中の水不溶性カルシウム塩の割合は、好ましくは0.05〜0.5重量%である。水不溶性カルシウム塩が0.05重量%未満の場合、ゲル強度が弱く、0.5重量%を超える場合、ゲル化の速度が速く、作業性が悪くなる。
0017
カルシウムイオンはアルギン酸又はその塩と反応し、ゲル化する性質を持つ。製菓製パン用の上掛けゼリーとして使用する場合、ゲル化の速度が速いと、コーティング作業中にゲル化が始まり、連続した作業に適さず、ゲル化の速度が遅いと、商品として包装、販売するまで時間がかかり、固まるまで静置する必要があり、スペースを圧迫する。製菓製パンに用いる場合、ゼリーの固化に要する時間としては、好ましくは30〜60分であるが、作業形態や環境によって異なる。
0018
本発明において、グルコノデルタラクトンはキレート作用又はpH調整機能を目的として使用する。同様の効果を持つのであれば、グルコノデルタラクトン以外の有機酸(塩)の併用も可能である。例えば、クエン酸及びその塩類、乳酸及びその塩類、酢酸及びその塩類、クエン酸及びその塩類、フマル酸及びその塩類、リンゴ酸及びその塩類、酒石酸及びその塩類、コハク酸及びその塩類、リン酸及びその塩類、アジピン酸、グルコン酸等が挙げられる。上掛けゼリー中のグルコノデルタラクトンの割合は、好ましくは0.4〜2.5重量%である。グルコノデルタラクトンが0.4重量%未満の場合、pHの降下作用が不十分でゲル化の速度が遅く、2.5重量%を超える場合、pHの降下作用が過剰でゲル化の速度が速く、作業性が悪くなる。
0019
本発明において、製菓製パン用の上掛けを目的とするゼリーには適度な粘性が必要とされる。粘性が弱い場合、製菓製パン製品から流れ落ち、上掛けゼリーの層が薄くなる。粘性が高い場合、製菓製パン製品上で広がらず、上掛けゼリーの層が厚くなる。本発明におけるα化澱粉は、澱粉を物理的・化学的にα化処理したものであり、その原料は小麦、とうもろこし、キャッサバ等、限定されるものではない。上掛けゼリー中のα化澱粉の割合は、好ましくは2〜6重量%である。α化澱粉が2重量%未満の場合、十分な粘性が得られず、上掛けゼリーの層が薄くなる。α化澱粉が6重量%を超える場合、粘性が過剰になり、上掛けゼリーの層が厚くなる。
0020
本発明の製菓製パン用上掛けゼリーの原料として、着色料、香料、糖類、油脂、食物繊維、増粘剤等も使用することができ、それらの種類は限定されるものではない。着色料、香料は、炭酸ナトリウム等のアルカリを使用している場合、ゼリーの固化に要する時間が長くなる。
0021
本発明の製菓製パン製品とは、菓子類、パン類全体を指し、ドーナツ、クッキー、マフィン、ケーキ、ロールパン、クリームパン、あんぱん、クロワッサン、デニッシュ、パイ等が挙げられるが、限定されるものではない。
0023
本発明の製菓製パン用上掛けゼリーは、上掛け用途に限定されるものではない。型に流し込み、ゼリー食品として使用することも可能である。また、上掛けゼリーとして使用し、余った残りを製菓製パン製品の包餡用フィリングとして用いることも可能である。
0024
本発明の詳細を以下の実施例で説明する。但し、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。各実施例はその配合をプレミックス100重量%中の割合で示し、実施例により得られるゼリーは、プレミックス100重量%、グラニュー糖150重量%及び水200重量%の合計の450重量%である。
0026
比較例1,2
原料が表1に示すものであること以外は、実施例1に準じて製造し、ゼリー液を得た。
0027
実施例1及び比較例1,2により得られたゼリー液を蓋つきの容器に移し、20℃に設定されたインキュベーターで保管し、ゼリーが固化するまでの時間および2時間保管後のゼリーの物性を確認し、評価を行った。固化するまでの時間とは、ゼリーに触れた際、指に付着しない程度の強度になるまでの時間とした。ゼリーの物性は、10名のパネラーにて5段階で評価した。5点:非常に良好、4点:良好、3点:普通、2点:劣る、1点:非常に劣る、として評価し、10名の平均値をとった。評価結果は表1に示す。
0028
0029
本発明に従い得られたゼリーは、固化するまでに適度な時間を要し、良好な物性を示した(実施例1)。ゲル化剤として、アルギン酸ナトリウムの代わりにカッパカラギナン、LMペクチンを用いた場合、2時間経過時点でもゼリーが指に付着した為、使用に適さないと判断した(比較例1,2)。
0030
実施例2、比較例3,4
原料が表2に示すものであること以外は実施例1に準じてゼリー液を得、評価を行った。
0031
0032
水不溶性カルシウム塩の配合量が適当であるゼリーは、固化するまでに適度な時間を要し、良好な物性を示した(実施例2)。水不溶性カルシウム塩の配合量が少ないゼリーは、固化するまでの時間が長く、物性も劣るものとなった(比較例3)。水不溶性カルシウム塩の配合量が多いゼリーは、物性は優れていたが、固化するまでの時間が短く、作業性の劣るものとなった(比較例4)。
0033
実施例3、比較例5,6
原料が表3に示すものであること以外は実施例1に準じてゼリー液を得、評価を行った。
0034
0035
グルコノデルタラクトンの配合量が適当であるゼリーは、固化するまでに適度な時間を要し、良好な物性を示した(実施例3)。グルコノデルタラクトンの配合量が少ないゼリーは、固化するまでの時間が長く、物性も劣るものとなった(比較例5)。グルコノデルタラクトンの配合量が多いゼリーは、物性は優れていたが、固化するまでの時間が短く、作業性の劣るものとなった(比較例6)。
0036
実施例4、比較例7,8
原料が表4に示すものであること以外は実施例1に準じてゼリー液を得、評価を行った。
0037
0038
アルギン酸ナトリウムの配合量が適当であるゼリーは、固化するまでに適度な時間を要し、良好な物性を示した(実施例4)。アルギン酸ナトリウムの配合量が少ないゼリーは、固化するまでの時間は適度であったが、物性は劣るものとなった(比較例7)。アルギン酸ナトリウムの配合量が多いゼリーは、物性は優れていたが、固化するまでの時間が短く、作業性の劣るものとなった(比較例8)。
0039
実施例5、比較例9,10
原料が表5に示すものであること以外は実施例1に準じてゼリー液を得、評価を行った。
0040
0041
α化澱粉の配合量が適当であるゼリーは、固化するまでに適度な時間を要し、良好な物性を示した(実施例5)。α化澱粉の配合量が少ないゼリーは、固化するまでの時間はやや長くなったが、2時間後の物性に問題はなかった(比較例9)。しかしながら、ゼリー液調製後の粘度が弱く、製菓製パン製品の上掛けとして使用した場合に、固化する前に流れてしまうという問題があった。α化澱粉の配合量が多いゼリーは、固化するまでの時間は短くなったが、2時間後の物性に問題はなかった(比較例10)。しかしながら、ゼリー液調製後の粘度が強く、製菓製パン製品の上掛けとして使用した場合に、広がらず、ゼリーが厚い箇所と薄い箇所ができた。
0042
実施例6
原料が表6に示すものであること以外は実施例1に準じてゼリー液を得、評価を行った。
0043
実施例
0044
着色香料を配合したゼリーは、固化するまでに適度な時間を要し、良好な物性を示した(実施例6)。
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