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技術 食品用油脂組成物、チョコレート製品及びファットブルーム防止剤

出願人 第一工業製薬株式会社
発明者 福田夏米田直紀高塒春樹
出願日 2019年2月14日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-024206
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-129989
状態 未査定
技術分野 食用油脂 食品の調整及び処理一般 菓子
主要キーワード 食品用油 原料配合物 チョコレート表面 カカオリカー ファットブルーム テンパリング パーチメント紙 平均エステル化度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年8月31日)のものです。
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課題

ファットブルーム発現を抑制するとともに、表面における光沢感を向上させることができる技術を提供する。

解決手段

油脂(A)と、ショ糖脂肪酸エステル(B)とを含む食品用油組成物であって、前記ショ糖脂肪酸エステル(B)は、(i)平均エステル化度が5以上8以下であり、(ii)構成脂肪酸として、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)および炭素数16〜22の脂肪酸(b2)を含む。

概要

背景

従来より、チョコレート製品等において、表面に白い粉をふいたような斑点が生じることがあり、この現象ファットブルームと呼ぶ。ファットブルームは、油脂の微細結晶の粗大化などにより生じる。ファットブルームが生じたチョコレート製品は、美観を損なうとともに、くちどけが悪くなることがある。

特許文献1では、ファットブルームを抑制する技術として、ショ糖脂肪酸エステルであって、構成脂肪酸として、炭素数12〜22の不飽和脂肪酸と、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸と、を所定の比率で含むショ糖脂肪酸エステルを有するファットブルーム防止剤が開示されている。

概要

ファットブルームの発現を抑制するとともに、表面における光沢感を向上させることができる技術を提供する。油脂(A)と、ショ糖脂肪酸エステル(B)とを含む食品用油組成物であって、前記ショ糖脂肪酸エステル(B)は、(i)平均エステル化度が5以上8以下であり、(ii)構成脂肪酸として、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)および炭素数16〜22の脂肪酸(b2)を含む。なし

目的

このため、ファットブルームを効果的に抑制するとともに、食品の美観を向上させる技術が望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

油脂(A)と、ショ糖脂肪酸エステル(B)とを含む食品用油組成物であって、前記ショ糖脂肪酸エステル(B)は、(i)平均エステル化度が5以上8以下であり、(ii)構成脂肪酸として、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)および炭素数16〜22の脂肪酸(b2)を含む、食品用油脂組成物。

請求項2

炭素数2〜10の脂肪酸(b1)1モルに対して、炭素数16〜22の脂肪酸(b2)が1〜7モルである、請求項1に記載の食品用油脂組成物。

請求項3

請求項1または請求項2に記載の食品用油脂組成物を含む、チョコレート製品

請求項4

ショ糖脂肪酸エステルを含むファットブルーム防止剤であって、前記ショ糖脂肪酸エステルは、(i)平均エステル化度が5以上8以下であり、(ii)構成脂肪酸として、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)および炭素数16〜22の脂肪酸(b2)を含む、ファットブルーム防止剤。

技術分野

背景技術

0002

従来より、チョコレート製品等において、表面に白い粉をふいたような斑点が生じることがあり、この現象ファットブルームと呼ぶ。ファットブルームは、油脂の微細結晶の粗大化などにより生じる。ファットブルームが生じたチョコレート製品は、美観を損なうとともに、くちどけが悪くなることがある。

0003

特許文献1では、ファットブルームを抑制する技術として、ショ糖脂肪酸エステルであって、構成脂肪酸として、炭素数12〜22の不飽和脂肪酸と、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸と、を所定の比率で含むショ糖脂肪酸エステルを有するファットブルーム防止剤が開示されている。

先行技術

0004

特開平2−249452号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、特許文献1に記載のファットブルーム防止剤では、ファットブルームの抑制が十分ではなく、ファットブルーム防止剤を添加したチョコレート製品の美観にも改善の余地があった。このような課題は、チョコレート製品に限らず、油脂を含む食品に共通する課題であった。このため、ファットブルームを効果的に抑制するとともに、食品の美観を向上させる技術が望まれていた。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。

0007

(1)本発明の一形態によれば、食品用油脂組成物が提供される。この食品用油脂組成物は、油脂(A)と、ショ糖脂肪酸エステル(B)とを含む食品用油脂組成物であって、前記ショ糖脂肪酸エステル(B)は、(i)平均エステル化度が5以上8以下であり、
(ii)構成脂肪酸として、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)および炭素数16〜22の脂肪酸(b2)を含む。

0008

この形態の食品用油脂組成物によれば、ファットブルームの発現を抑制するとともに、表面における光沢感を向上させることができる。

0009

(2)上述の食品用油脂組成物であって、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)1モルに対して、炭素数16〜22の脂肪酸(b2)が1〜7モルであってもよい。

0010

この形態の食品用油脂組成物によれば、ファットブルームの発現を効果的に抑制するとともに、表面における光沢感をより向上させることができる。

0011

(3)本発明の他の形態によれば、チョコレート製品が提供される。このチョコレート製品は、上述の食品用油脂組成物を含む。

0012

この形態のチョコレート製品によれば、ファットブルームの発現を抑制するとともに、表面における光沢感を向上させることができる。

0013

(4)本発明の他の形態によれば、ファットブルーム防止剤が提供される。このファットブルーム防止剤は、ショ糖脂肪酸エステルを含むファットブルーム防止剤であって、前記ショ糖脂肪酸エステルは、(i)平均エステル化度が5以上8以下であり、(ii)構成脂肪酸として、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)および炭素数16〜22の脂肪酸(b2)を含む。

0014

この形態のファットブルーム防止剤によれば、ファットブルームの発現を抑制するとともに、表面における光沢感を向上させることができる。

0015

本発明の一実施形態である食品用油脂組成物は、油脂(A)と、ショ糖脂肪酸エステル(B)とを含む。また、本実施形態のショ糖脂肪酸エステル(B)は、(i)平均エステル化度が5以上8以下であり、(ii)構成脂肪酸として、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)と、炭素数16〜22の脂肪酸(b2)とを含む。この形態の食品用油脂組成物によれば、ファットブルームの発現を抑制するとともに、表面における光沢感を向上させることができる。本明細書において、「ファットブルーム」とは、表面に白い粉をふいたような斑点が生じる現象を意味する。

0016

本実施形態の食品用油脂組成物は、チョコレート製品に用いられることが好適である。しかし、これに限られず、食品用油脂組成物は、その他の食品に用いてもよい。その他の食品としては、例えば、カレーシチュー、ハヤシホワイトソース等の加工食品に用いられるルウが挙げられる。

0017

本実施形態の油脂(A)は、食用油脂であれば特に限定されない。つまり、実施形態の油脂(A)は、植物性油脂動物性油脂のいずれでもよい。植物性油脂としては、例えば、パーム油パーム核油ヤシ油コーン油綿実油大豆油ナタネ油米油ヒマワリ油サフラワー油オリーブ油落花生油胡麻油、トウモロコシ油ココアバターハードバター等が挙げられる。動物性油脂としては、例えば、牛脂乳脂豚脂魚油鯨油ラード等が挙げられる。

0018

本実施形態のショ糖脂肪酸エステル(B)は、(i)平均エステル化度が5以上8以下であり、(ii)構成脂肪酸として、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)と、炭素数16〜22の脂肪酸(b2)とを含む。本明細書において、「ショ糖脂肪酸エステル」とは、ショ糖と脂肪酸とのエステルを意味する。また、ショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸を「構成脂肪酸」とも呼ぶ。

0019

ショ糖は、合成されてもよく、市販品が使用されてもよい。また、ショ糖は、ショ糖脂肪酸エステル製造時に未反応であったショ糖を回収したもの(いわゆる、「回収糖」)であってもよい。ショ糖の形態は、固体の状態であってもよく、溶媒に溶解した溶液状態であってもよい。

0020

本実施形態のショ糖脂肪酸エステル(B)は、平均エステル化度が5以上8以下である。平均エステル化度は、ファットブルームを効果的に抑制する観点から、6以上8以下が好ましい。本明細書において、ショ糖脂肪酸エステルの平均エステル化度は、以下の方法により算出する。具体的には、平均エステル化度をXとする次式において、下記OHV、MwSug、MwFaを代入してXを算出する。
(ショ糖1分子中のOH基の数−X)
=(サンプル1g中のOH基のモル数)/(サンプル1g中のショ糖脂肪酸エステルのモル数)
=((OHV)/(1000×56.11))/{1/(MwSug+(MwFa−18)X)}
OHV:ショ糖脂肪酸エステルの水酸基価
MwSug:ショ糖の分子量
MwFa:構成脂肪酸の平均分子量

0021

本実施形態における炭素数2〜10の脂肪酸(b1)としては、特に限定されないが、例えば、酢酸酪酸カプロン酸カプリル酸カプリン酸が挙げられる。炭素数2〜10の脂肪酸(b1)としては、飽和脂肪酸に限らず、不飽和脂肪酸を用いてもよいが、飽和脂肪酸を用いることが好ましい。ファットブルームを効果的に抑制する観点及び表面の光沢向上の観点から、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)は、飽和脂肪酸を80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましい。ファットブルームを効果的に抑制する観点及び表面の光沢向上の観点から、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)としては、炭素数4〜8の脂肪酸が好ましく、酪酸や、カプロン酸、カプリル酸が好ましい。

0022

本実施形態における炭素数16〜22の脂肪酸(b2)としては、特に限定されないが、例えば、パルミチン酸ステアリン酸ベヘン酸が挙げられる。炭素数16〜22の脂肪酸(b2)としては、飽和脂肪酸に限らず、不飽和脂肪酸を用いてもよいが、飽和脂肪酸を用いることが好ましい。ファットブルームを効果的に抑制する観点及び表面の光沢向上の観点から、炭素数16〜22の脂肪酸(b2)は、飽和脂肪酸を80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましい。ファットブルームを効果的に抑制する観点及び表面の光沢向上の観点から、炭素数16〜22の脂肪酸(b2)としては、炭素数16〜18の脂肪酸が好ましく、パルミチン酸がより好ましい。

0023

炭素数2〜10の脂肪酸(b1)と炭素数16〜22の脂肪酸(b2)との割合は特に限定されない。しかし、ファットブルームを効果的に抑制する観点及び表面の光沢向上の観点から、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)1モルに対して、炭素数16〜22の脂肪酸(b2)が1〜7モルであることが好ましく、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)1モルに対して、炭素数16〜22の脂肪酸(b2)が1.2〜6.7モルであることがより好ましく、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)1モルに対して、炭素数16〜22の脂肪酸(b2)が1.4〜6.7モルであることがさらに好ましく、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)1モルに対して、炭素数16〜22の脂肪酸(b2)が1.6〜6.7モルであることがより一層好ましい。なお、構成脂肪酸としては、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)及び炭素数16〜22の脂肪酸(b2)以外の脂肪酸を含んでいてもよい。

0024

ここで、上述のショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸の割合は、ショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸全体において、上述の割合となっていることが好ましい。そのため、上述の割合は、ショ糖脂肪酸エステル単独によって具備されていてもよく、複数のショ糖脂肪酸エステルを構成するそれぞれの構成脂肪酸の和によって具備されていてもよい。本実施形態の食品用油脂組成物は、ファットブルームをより長期間にわたって抑制する観点から、ショ糖脂肪酸エステル単独によって上述の割合となっていることが好ましい。

0025

本実施形態の食品用油脂組成物におけるショ糖脂肪酸エステルの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、ショ糖脂肪酸エステルの含有量は、食品用油脂組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。

0026

食品用油脂組成物には、適宜、任意成分が含有されていてもよい。任意成分としては、特に限定されないが、例えば、モノグリセリン脂肪酸エステルジグリセリン脂肪酸エステルジアシルグリセロール有機酸モノグリセリドポリグリセリン脂肪酸エステルポリグリセリン縮合シノレート、ソルビタン脂肪酸エステルプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは所望する物性に合わせて、適宜選択され得る。

0027

<ファットブルーム防止剤>
本発明の一実施形態のファットブルーム防止剤は、ショ糖脂肪酸エステルを含み、このショ糖脂肪酸エステルは、(i)平均エステル化度が5以上8以下であり、(ii)構成脂肪酸として、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)および炭素数16〜22の脂肪酸(b2)を含む。このようなファットブルーム防止剤によれば、ファットブルームを抑制できるとともに、表面の光沢を向上させることができる。

0028

本実施形態のファットブルーム防止剤におけるショ糖脂肪酸エステルの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、ショ糖脂肪酸エステルの含有量は、ファットブルーム防止剤中、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。ファットブルーム防止剤においても、適宜、任意成分が含有されていてもよい。

0029

本実施形態のファットブルーム防止剤の各種用途における使用量は特に限定されない。本実施形態のファットブルーム防止剤は、食品(特にチョコレート製品)に対して好適に用いられるが、ファットブルーム防止剤は、食品用途に限定されない。

0030

本実施形態のファットブルーム防止剤は、例えば、ショ糖脂肪酸エステル100質量%であるファットブルーム防止剤であって、チョコレート製品に使用される場合、チョコレート製品の原料配合物中、0.05質量%以上となるよう含有されることが好ましく、0.1質量%以上となるよう含有されることがより好ましく、0.3質量%以上となるよう含有されることがさらに好ましい。また、ファットブルーム防止剤は、チョコレート製品に使用される場合、チョコレート製品の原料配合物中、10質量%以下となるよう含有されることが好ましく、5質量%以下となるよう含有されることが好ましく、3質量%以下となるよう含有されることがより好ましい。ファットブルーム防止剤の含有量を0.05質量%以上とすることにより、ファットブルームを十分に抑制できるとともに、表面の光沢をより向上させることができる。一方、ファットブルーム防止剤の含有量が10質量以下とすることにより、チョコレート口溶けを向上させることができる。

0031

<チョコレート製品>
本発明の一実施形態のチョコレート製品は、上述の食品用油脂組成物を含む。また、チョコレート製品は、ココアバターを含む。以下、それぞれについて説明する。なお、本実施形態のチョコレート製品は、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(全国チョコレート業公正取引協議会)または法規上の規定により限定されない。また、チョコレート製品は、適宜、ココアバター以外の油脂、糖類、カカオ成分カカオマスココアパウダー等)、乳製品全脂粉乳脱脂粉乳等)、香料乳化剤等を含んでもよい。これにより、チョコレート製品は、ブラックチョコレート、ビターチョコレート、スイートチョコレート、セミスイートチョコレート、ミルクチョコレートハイミルクチョコレート、ホワイトチョコレートカラーチョコレートチョコレート飲料等に分類され得る。

0032

ココアバターは、カカオ豆脂肪分であり、主にカカオリカーから圧搾して製造され得る。一般的に、ココアバターは、カカオ豆中、40〜50%(カカオマス中では約55%)含まれる。そのため、本実施形態のチョコレート製品は、所望されるチョコレート製品の分類に従って、カカオマスやココアバターが配合されることによって結果的にココアバターを含有してもよく、ココアバターそのものが配合されてもよい。

0033

以下、本明細書の開示を具現化した具体例を示す。ただし、本明細書の開示は、以下の具体例に限定されるものではない。

0034

<ショ糖脂肪酸エステル1>
ショ糖10.0g、酢酸クロライド7.6g、パルミチン酸クロライド21.4gを、ピリジン14.0g、Nーメチルー2ーピロリドン140gに溶解し、40〜60℃で5時間反応させた。水100mLを加えて反応を停止した後、さらに水100mLを用いて水洗し、減圧乾燥を経てショ糖脂肪酸エステル1を得た。

0035

<ショ糖脂肪酸エステル2〜14>
また、以下の表1に記載の原料及び配合とした以外は、ショ糖脂肪酸エステル1と同様の操作を行い、ショ糖脂肪酸エステル2〜14を得た。

0036

0037

得られたショ糖脂肪酸エステル1〜14におけるそれぞれの構成脂肪酸のモル割合は、以下の表2のとおりであった。なお、表2において、各構成脂肪酸の炭素数が、各構成脂肪酸に併記されている。

0038

0039

<実施例1>
以下の表3に記載の成分Aとして、レシチンオーガニックチョコレート、油脂をはかり取った後、60℃の水浴中にてスリーワンモーターで150rpm、60分間撹拌混合させた。その後、以下の表3に記載の成分Bとして、ショ糖脂肪酸エステル1、油脂をスクリュー管採取した後、ウォーターバス中で撹拌混合させた。そして、成分Aの混合物と成分Bの混合物とを100mlビーカーにはかり取り、軽くかき混ぜた後、パーチメント紙の10mlカップに半量程度充填した後、10℃で1時間静置した。その後、20℃にて24時間静置することにより、チョコレート製品を作製した。なお、チョコレート製品として、以下の表3に示す2つの処方にてそれぞれ作製した。処方1に用いたチョコレートのココアバター含有率は51%であり、処方2に用いたチョコレートのココアバター含有量は46%である。表3に示す「系の脂質中のココアバターの割合」は、ココアバターの質量部を、ココアバターの質量部と油脂の質量部との和で除した割合(%)である。

0040

0041

<実施例2〜9、比較例1〜5>
ショ糖脂肪酸エステル1に変えて、上述のショ糖脂肪酸エステル2〜14をそれぞれ使用した以外は、実施例1と同様の方法によりチョコレート製品を作製した。ここで、ショ糖脂肪酸エステル1〜9が、実施例1〜9にそれぞれ対応し、ショ糖脂肪酸エステル10〜14が、比較例1〜5にそれぞれ対応する。

0042

実施例1〜9及び比較例1〜5において得られたチョコレート製品について、以下の評価方法により、それぞれ評価した。

0043

<ファットブルーム>
それぞれのチョコレート製品を、18℃で11時間静置後、1時間かけて26℃まで昇温し、26℃で11時間静置後、1時間かけて18℃まで降温するという24時間のサイクルを91日間行い、7日ごとにファットブルームの有無を確認し、最初にファットブルームが生じた日数を評価結果とした。日数が多いほど、ファットブルームが抑制されているため好ましい。

0044

チョコレート表面の光沢>
実施例等においてパーチメント紙に流し込んだそれぞれのチョコレート製品を、10℃で1時間冷却後、20℃で24時間保存した後のチョコレート製品の表面を目視にて以下の3段階で評価した。

0045

0046

<チョコレート表面の発汗
チョコレート表面の発汗は、以下の2つの条件で評価を行った。具体的には、条件1として、実施例等においてパーチメント紙に流し込んだものを10℃で1時間冷却後、25℃で保存し続けた後のチョコレート製品の表面を目視にて発汗の有無を以下の5段階で評価した。また、条件2としても同様に、10℃で1時間冷却後、28℃で保存し続けた後のチョコレート製品の表面を目視にて発汗の有無を以下の5段階で評価した。発汗までの日数が長いほど、好ましい。ここで、「発汗」とは、保存中チョコレート表面にをかいたような液滴がみられる、いわゆる汗かき現象のことであり、油脂が表面に溶けだす現象を意味する。発汗は生じないことが美観の観点から好ましく、発汗までの日数が長いほど好ましい。

0047

0048

以下に、上述の処方1を用いた場合の試験結果を示す。なお、処方1では、油脂として、ノンテンパリングタイプハードバターである不二製油社製のノンラウリントランス酸型ハードバター「メラノH−1000」を用いた。

0049

0050

以下に、上述の処方2を用いた場合の試験結果を示す。なお、表7に示すチョコレート製品の油脂として、パームを主成分とするエステル交換分別油からなるノンテンパリングタイプハードバターである不二製油社製の「メラノNT−R」を用いた。

0051

0052

以下に、上述の処方2を用いた場合の試験結果を示す。なお、表8に示すチョコレート製品の油脂として、ノンテンパリングタイプハードバターのラウリンタイプ(トランス酸1%未満)である不二製油社製の「パーキッドM」を用いた。

0053

0054

表6から表8に示されるように、本実施例のチョコレート製品は、いずれも長期間にわたってファットブルームが生じなかったことが分かる。一方、比較例のチョコレート製品は、いずれも42日以内にファットブルームが生じた。つまり、構成脂肪酸として炭素数2〜10の脂肪酸(b1)を含まない比較例1,2,4,5や、構成脂肪酸として炭素数16〜22の脂肪酸(b2)を含まない比較例3と比較して、本実施例のチョコレート製品によれば、ファットブルームの抑制が長期間にわたって抑制されたことが分かった。

0055

また、本実施例のチョコレート製品は、比較例のチョコレート製品と比較して、表面の光沢が向上していることが分かった。そして、表6から表8に示されるように、本実施例は、さまざまな種類の油脂を用いた場合においても優れた性能を示すことが分かる。

0056

さらに、表8に示されるように、構成脂肪酸としての炭素数16〜22の脂肪酸(b2)として、パルミチン酸やステアリン酸を用いる実施例1〜6のほうが、ベヘン酸を用いる実施例7,8と比較して、発汗がより抑制されている傾向にあるため好ましい。

0057

また、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)1モルに対して、炭素数16〜22の脂肪酸(b2)が1.6モル以上である実施例2〜4は、炭素数2〜10の脂肪酸(b1)1モルに対して、炭素数16〜22の脂肪酸(b2)が1.6モル未満である実施例1,5〜7と比較して、発汗がより抑制されている傾向にあるため好ましい。

実施例

0058

本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。

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