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課題

新規の、酸化ストレス条件下での安定性に優れた、アスパラギナーゼの提供。

解決手段

ラクトバチルスサケイ由来のアスパラギナーゼ、もしくは、アスパラギナーゼのアミノ酸配列において、1個若しくは2個以上のアミノ酸欠失置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つアスパラギナーゼ活性を有するポリペプチド

概要

背景

アスパラギナーゼはL−アスパラギンのL−アスパラギン酸アンモニアへの加水分解反応触媒する酵素である。白血病細胞などの腫瘍細胞の中には、L−アスパラギン酸とアンモニアからL−アスパラギンを生合成する酵素であるL−アスパラギンシンテターゼ活性が低下しているため、L−アスパラギン要求性を示す細胞がある。このため、急性リンパ性白血病患者にアスパラギナーゼを動脈または静脈に注射によって投与すると血中のL−アスパラギンが分解され、L−アスパラギン要求性の腫瘍細胞がL−アスパラギン欠乏状態となり増殖が抑制されるため抗腫瘍効果が発揮されるとして、大腸菌由来のアスパラギナーゼ(ロイナーゼ(登録商標))を用いた治療が行われている。しかし、大腸菌由来のアスパラギナーゼを使用するとアレルギー症状発症することがあり、継続投与が困難になる場合もあるため、代替品の開発が望まれている。

概要

新規の、酸化ストレス条件下での安定性に優れた、アスパラギナーゼの提供。ラクトバチルスサケイ由来のアスパラギナーゼ、もしくは、アスパラギナーゼのアミノ酸配列において、1個若しくは2個以上のアミノ酸欠失置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つアスパラギナーゼ活性を有するポリペプチド。なし

目的

しかし、大腸菌由来のアスパラギナーゼを使用するとアレルギー症状を発症することがあり、継続投与が困難になる場合もあるため、代替品の開発が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

以下の(A)又は(B)のポリペプチド:(A)配列番号1のアミノ酸配列からなるポリペプチド(B)配列番号1のアミノ酸配列において、1個若しくは2個以上のアミノ酸欠失置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアスパラギナーゼ活性を有するポリペプチド。

請求項2

以下の(B1a)又は(B1b)の、請求項1に記載のポリペプチド:(B1a)配列番号1のアミノ酸配列において、196番目システイン、264番目のシステイン、及び290番目のシステインからなる群より選択される少なくとも1個のシステインがシステイン以外のアミノ酸へ置換されたアミノ酸配列からなり、かつアスパラギナーゼ活性を有するポリペプチド(B1b)(B1a)のポリペプチドのアミノ酸配列において、置換されたアミノ酸は維持された状態で、1個若しくは2個以上のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアスパラギナーゼ活性を有するポリペプチド。

請求項3

前記システイン以外のアミノ酸がセリンである、請求項2に記載のポリペプチド。

請求項4

配列番号1のアミノ酸配列と85%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアスパラギナーゼ活性を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリペプチド。

請求項5

L−グルタミンに対する酵素活性が、L−アスパラギンに対する酵素活性の4%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリペプチド。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド

請求項7

請求項6に記載のポリヌクレオチドを組み込んだ発現ベクター

請求項8

請求項7に記載のベクター形質転換された形質転換体

請求項9

請求項8に記載の形質転換体を培養する工程を含む、請求項1〜5に記載のポリペプチドの製造方法。

請求項10

請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリペプチド、請求項6に記載のポリヌクレオチド、又は請求項7に記載のベクターを含む抗腫瘍剤

請求項11

大腸菌由来アスパラギナーゼを含む抗腫瘍剤にアレルギー症状を示す人用の、請求項10に記載の抗腫瘍剤。

技術分野

0001

本発明は、新規アスパラギナーゼ及びその応用技術等に関する。

背景技術

0002

アスパラギナーゼはL−アスパラギンのL−アスパラギン酸アンモニアへの加水分解反応触媒する酵素である。白血病細胞などの腫瘍細胞の中には、L−アスパラギン酸とアンモニアからL−アスパラギンを生合成する酵素であるL−アスパラギンシンテターゼ活性が低下しているため、L−アスパラギン要求性を示す細胞がある。このため、急性リンパ性白血病患者にアスパラギナーゼを動脈または静脈に注射によって投与すると血中のL−アスパラギンが分解され、L−アスパラギン要求性の腫瘍細胞がL−アスパラギン欠乏状態となり増殖が抑制されるため抗腫瘍効果が発揮されるとして、大腸菌由来のアスパラギナーゼ(ロイナーゼ(登録商標))を用いた治療が行われている。しかし、大腸菌由来のアスパラギナーゼを使用するとアレルギー症状発症することがあり、継続投与が困難になる場合もあるため、代替品の開発が望まれている。

先行技術

0003

Acta Crystallogr D Biol Crystallogr., 61(Pt 3), 294-301, 2005

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、新規なアスパラギナーゼを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは、ラクトバチルスサケイがアスパラギナーゼを有することを見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。

0006

本発明は例えば以下の項に記載の主題包含する。
項1.
以下の(A)又は(B)のポリペプチド
(A)配列番号1のアミノ酸配列からなるポリペプチド
(B)配列番号1のアミノ酸配列において、1個若しくは2個以上のアミノ酸欠失置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアスパラギナーゼ活性を有するポリペプチド。
項2.
以下の(B1a)又は(B1b)の、項1に記載のポリペプチド:
(B1a) 配列番号1のアミノ酸配列において、196番目システイン、264番目のシステイン、及び290番目のシステインからなる群より選択される少なくとも1個のシステインがシステイン以外のアミノ酸へ置換されたアミノ酸配列からなり、かつアスパラギナーゼ活性を有するポリペプチド
(B1b) (B1a)のポリペプチドのアミノ酸配列において、置換されたアミノ酸は維持された状態で、1個若しくは2個以上のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアスパラギナーゼ活性を有するポリペプチド。
項3.
前記システイン以外のアミノ酸がセリンである、項2に記載のポリペプチド。
項4.
配列番号1のアミノ酸配列と85%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアスパラギナーゼ活性を有する、項1〜3のいずれか1項に記載のポリペプチド。
項5.
L−グルタミンに対する酵素活性が、L−アスパラギンに対する酵素活性の4%以下である、項1〜4のいずれか1項に記載のポリペプチド。
項6.
項1〜5のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
項7.
項6に記載のポリヌクレオチドを組み込んだ発現ベクター
項8.
項7に記載のベクター形質転換された形質転換体
項9.
項8に記載の形質転換体を培養する工程を含む、項1〜5に記載のポリペプチドの製造方法。
項10.
項1〜5のいずれか1項に記載のポリペプチド、項6に記載のポリヌクレオチド、又は項7に記載のベクターを含む抗腫瘍剤
項11.
大腸菌由来のアスパラギナーゼを含む抗腫瘍剤にアレルギー症状を示す人用の、項10に記載の抗腫瘍剤。

発明の効果

0007

本発明によれば、新規なアスパラギナーゼを提供することができる。好適な一実施形態において、酸化ストレス条件下での安定性に優れたアスパラギナーゼを提供することができる。また、好適な一実施形態において、アレルギー症状を惹起しないアスパラギナーゼを提供することができる。

図面の簡単な説明

0008

ラクトバチルス・サケイ由来アスパラギナーゼを各pHにおいて、4℃で24時間保存した後の比活性(U/mg)を示す。

0009

以下、本発明に包含される各実施形態について、さらに詳細に説明する。
1.ポリペプチド
本発明に包含されるポリペプチドは、(A)配列番号1のアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は(B)配列番号1のアミノ酸配列において、1個若しくは2個以上のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアスパラギナーゼ活性を有するポリペプチドである。以下、当該ポリペプチドを「本発明のポリペプチド」と表記することがある。

0010

配列番号1に示されるアミノ酸配列は、乳酸菌ラクトバチルス・サケイLK−145由来のアスパラギナーゼを構成するアミノ酸配列である。

0011

1個若しくは2個以上のアミノ酸の欠失、置換、若しくは付加といった変異を特定のアミノ酸配列に加える技術は当該技術分野において公知であり、任意の手法を用いて行うことができる。例えば、制限酵素処理、エキソヌクレアーゼDNAリガーゼ等による処理、位置指定突然変異導入法、ランダム突然変異導入法等を利用して行なうことができる。

0012

「(B)配列番号1のアミノ酸配列において、1個若しくは2個以上のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列」において、欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸の個数の上限は、当該ポリペプチドがアスパラギナーゼ活性を有する限り特に制限されず、例えば、50個、45個、40個、35個、30個、25個、20個、19個、18個、17個、16個、15個、14個、13個、12個、11個、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、又は2個である。

0013

アスパラギナーゼ活性は、本明細書においては、ネスラー法で測定される。具体的には、後述の実施例に記載するように、250μlの0.04M L−アスパラギンと、250μlの0.5MGTA buffer(pH7.5)、及び495μlの脱イオン水を35℃で2分間プレインキュベートし、適当量精製酵素液を添加して、35℃で0〜30分間反応させる。125μlの50%(w/v)TCAで反応を停止し、13,500rpmで10分間遠心分離し、得られた上清一次反応液として、25μlの一次反応液、925μlの脱イオン水、及び50μlのネスラー試薬を混合し、20℃で20分間反応させ、450nmにおける吸光度を測定する。1分間あたり1μmolの基質(L−アスパラギン)を変化させる酵素量(1μmol/min)を1Uと定義して、単位重量当たりのアスパラギナーゼ活性(比活性:U/mg)を測定することができる。

0014

また本発明のポリペプチドは、(B1a)配列番号1のアミノ酸配列において、196番目のシステイン、264番目のシステイン、及び290番目のシステインからなる群より選択される少なくとも1個のシステインがシステイン以外のアミノ酸へ置換されたアミノ酸配列からなり、かつアスパラギナーゼ活性を有するポリペプチド、又は(B1b)(B1a)のポリペプチドのアミノ酸配列において、置換されたアミノ酸は維持された状態で、1個若しくは2個以上のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアスパラギナーゼ活性を有するポリペプチドを好ましく包含する。

0015

システイン以外のアミノ酸としては、ヒドロキシアルキル基を有するアミノ酸であることが好ましく、例えばセリンやトレオニンなどが例示され、特にセリンであることがより好ましい。

0016

(B1a)に示す196番目のシステイン、264番目のシステイン、又は290番目のシステインにおけるアミノ酸置換は、1種だけが配列番号1のアミノ酸配列に加えられていてもよく、2種以上の組み合わせで配列番号1のアミノ酸配列に加えられていてもよい。アミノ酸置換が1種のみ加えられる場合は、196番目又は264番目のシステインが置換されることが好ましく、196番目のシステインが置換されることがより好ましい。2種以上のアミノ酸置換が組み合わせて配列番号1のアミノ酸配列に加えられる場合、その組み合わせは任意であり、196番目及び264番目、196番目及び290番目、264番目及び290番目、並びに196番目、264番目及び290番目のシステインが置換されることができ、196番目及び264番目のシステインが置換されることがより好ましい。

0017

「(B1b)(B1a)のポリペプチドのアミノ酸配列において、置換されたアミノ酸は維持された状態で、1個若しくは2個以上のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列」において、欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸の個数の上限は、当該ポリペプチドがアスパラギナーゼ活性を有する限り特に制限されず、例えば、50個、45個、40個、35個、30個、25個、20個、19個、18個、17個、16個、15個、14個、13個、12個、11個、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、又は2個である。

0018

(B1a)に示す196番目のシステイン、264番目のシステイン、及び290番目のシステインからなる群より選択される少なくとも1個のシステインにおいてアミノ酸置換を有することにより、本発明のポリペプチドは、酸化ストレス条件下において高い安定性を有する。

0019

また、本発明のポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列と85%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドであることが好ましい。より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上、さらにより好ましくは99%以上である。

0020

アミノ酸配列の同一性は、全米バイオテクノロジー情報センターNCBI)の相同性アルゴリズムBLAST(Basic local alignment search tool)http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/においてデフォルトパラメータを用いることにより、算出することができる。

0021

また、本発明のポリペプチドは、大腸菌由来のアスパラギナーゼ(DDBJアクセッション番号AP009048 Genomic DNA Translation: BAE77020.1)との同一性が50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、又は30%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましく、35%以下であることがさらに好ましく、30%以下であることが特に好ましい。大腸菌由来のアスパラギナーゼとの同一性が低い本発明のポリペプチドは、大腸菌由来のアスパラギナーゼを投与した際に発症するアレルギー症状を惹起しないことが期待される。

0022

本発明のポリペプチドは、後述するポリヌクレオチドを利用して、遺伝子工学的な手法で製造することができる。本発明のポリペプチドは、配列番号1に示されるアミノ酸配列の情報に基づいて、一般的なタンパク質化学合成法(例えば、液相法及び固相法)を用いて製造することも可能である。

0023

また、本発明のポリペプチドは、幅広いpHにおいて高い安定性を有する。例えば、本発明のポリペプチドは各種pHにおいて、4℃で24時間保存した後にも、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、又は90%以上のアスパラギナーゼ活性を維持する。当該pHの範囲としては、pH5.5〜11であり、当該範囲の上限若しくは下限は、例えば6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、又は10.5であってもよい。

0024

本発明のポリペプチドは、L−グルタミンに対する酵素活性が、L−アスパラギンに対する酵素活性の4%以下であることが好ましい。本明細書において「酵素活性」とは、基質であるアミノ酸に対する加水分解活性を意味する。アスパラギナーゼ活性の測定において基質であるL−アスパラギンを、他のアミノ酸に代えることで、各種アミノ酸を基質とした場合の酵素活性を測定することができる。酵素活性の測定において、基質としてL−グルタミンを用いた場合の比活性が、基質としてL−アスパラギンを用いた場合の比活性の4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、又は1%未満であることが好ましく、1%以下であることがより好ましく、1%未満であることがさらに好ましい。また、本発明のポリペプチドは、D−アスパラギンに対する酵素活性が、L−アスパラギンに対する酵素活性の5%以下であることが好ましい。酵素活性の測定において、基質としてD−アスパラギンを用いた場合の比活性が、基質としてL−アスパラギンを用いた場合の比活性の5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、又は1%未満であることが好ましく、1%以下であることがより好ましく、1%未満であることがさらに好ましい。また、本発明のポリペプチドは、D−グルタミンに対する酵素活性が、L−アスパラギンに対する酵素活性の5%以下であることが好ましい。酵素活性の測定において、基質としてD−グルタミンを用いた場合の比活性が、基質としてL−アスパラギンを用いた場合の比活性の5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、又は1%未満であることが好ましく、1%以下であることがより好ましく、1%未満であることがさらに好ましい。L−アスパラギンに対する特異性が高い本発明のポリペプチドは、L−アスパラギン以外のアミノ酸を分解する可能性が低いため、副作用が少ないことが期待される。

0025

2.ポリヌクレオチド
本発明は、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを好ましく包含する。以下、当該ポリヌクレオチドを「本発明のポリヌクレオチド」と表記することがある。配列番号2は配列番号1のアミノ酸配列をコードする塩基配列である。

0026

本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの塩基配列は特に制限されない。また本発明のポリヌクレオチドは、配列番号2の塩基配列と一定以上の同一性を有する塩基配列を有することが好ましい。一定以上の同一性とは、例えば、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上である。

0027

塩基配列の同一性は、市販の又は電気通信回線インターネット)を通じて利用可能な解析ツールを用いて算出することができ、例えば、FASTA、BLAST、PSI−BLAST、SSEARCH等のソフトウェアを用いて計算される。具体的には、BLAST検索に一般的に用いられる主な初期条件は、以下の通りである。即ち、Advanced BLAST 2.1において、プログラムにblastnを用い、各種パラメータデフォルト値に設定して検索を行うことにより、ヌクレオチド配列の同一性の値(%)を算出することができる。

0028

本発明のポリヌクレオチドは、ヒトのコドン使用頻度適合したポリヌクレオチドであることが好ましい。「ヒトのコドン使用頻度に適合した」とは、1つのアミノ酸に対応するコドンが複数ある場合に、ヒトにおいて最も使用頻度の高いコドンが用いられることを意味する。本発明のポリヌクレオチドのオープンリーディングフレームの50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上がヒトのコドン使用頻度に適合したポリヌクレオチドであることが好ましい。

0029

本発明のポリヌクレオチドは、単離された状態で存在するポリヌクレオチドであることが好ましい。ここで「単離されたポリヌクレオチド」とは、天然状態において共存するその他の核酸やタンパク質等の成分から分離された状態であることをいう。但し、天然状態において隣接する核酸配列(例えばプロモーター領域の配列やターミネーター配列など)など一部の他の核酸成分を含んでいてもよい。cDNA分子など遺伝子工学的手法によって調製されるポリヌクレオチドの場合の「単離された」状態では、好ましくは、細胞成分や培養液などを実質的に含まないことを意味する。同様に、化学合成によって調製されるポリヌクレオチドの場合の「単離されたポリヌクレオチド」は、好ましくは、dNTPなどの前駆体(原材料)や合成過程で使用される化学物質等を実質的に含まないことを意味する。

0030

本発明のポリヌクレオチドは、配列番号2の塩基配列に基づいて、化学的なポリヌクレオチドの合成法(例えば、フォスフォアミダイト法)や遺伝子工学的手法を用いて容易に取得することができる。

0031

3.ベクター
本発明は、本発明のポリヌクレオチドを組み込んだベクターを好ましく包含する。当該ベクターは、本発明のポリヌクレオチドを発現可能な様式で含むことが好ましい。本発明に用いるベクターの種類は、宿主細胞の種類を考慮して適宜選択することができる。例えば、プラスミドベクターコスミドベクターファージベクターウイルスベクターアデノウイルスベクターレトロウイルスベクターヘルペスウイルスベクター等)等を挙げることができる。

0032

大腸菌で発現可能なベクターとしては、例えば、pUC19、pUC18、pBR322、pHSG299、pHSG298、pHSG399、pHSG398、RSF1010、pMW119、pMW118、pMW219、pMW218、pQE、及びpET等を挙げることができる。酵母で発現可能なベクターとしては、例えば、pBR322、pJDB207、pSH15、pSH19、pYepSec1、pMFa、pYES2、pHIL、pPIC、pAO815、及びpPink等を挙げることが出来る。昆虫で発現可能なベクターとしては、例えば、pAc、pVL、及びpFastbac等を挙げることが出来る。

0033

宿主細胞として真核細胞を使用する場合は、発現ベクターとして、発現しようとするポリヌクレオチドの上流にプロモーター、RNAのスプライス部位ポリアデニル化部位及び転写終了配列等を保有するものを使用することができ、更に必要により複製起点分泌シグナルエンハンサー、及び/又は選択マーカーを有していてもよい。

0034

4.形質転換体
本発明は、本発明のポリヌクレオチドを組み込んだベクターで形質転換された形質転換体を好ましく包含する。当該形質転換体中において、ベクターは、宿主細胞中において自律的に存在してもゲノム中に相同組換え的または非相同組換え的に組み込まれて存在してもよい。形質転換に使用する宿主細胞は、本発明のポリペプチドを産生できる限り特に制限されず、原核細胞及び真核細胞のいずれでもよい。具体的には、エシェリヒアコリ等のエシェリヒア属細菌(例えば、BL21(DE3)、Rosetta(DE3)、HB101、MC1061、JM109、CJ236、MV1184等)、コリネバクテリウムグルタミカム等のコリネ型細菌ストレプトミセス属細菌等の放線菌バチルスサブチリス等のバチルス属細菌ストレプトコッカス属細菌スタフィロコッカス属細菌等の原核細胞;サッカロミセス属、ピシア属及びクルイベロマイセス属等の酵母、アスペルギルス属ペニシリウム属タラロマイセス属トリコデルマ属ハイポクレア属及びアクレモニウム属等の真菌細胞ドロソフィラS2、スポドプテラSf9、カイコ培養細胞等の昆虫細胞;並びに植物細胞等を挙げることができる。枯草菌、酵母、真菌、放線菌等のタンパク質分泌能を利用して、本発明のポリペプチドを培地中に生産させることもできる。

0035

発現ベクターの宿主細胞内への導入方法は、従来の慣用的に用いられている方法により行うことができる。例えば、コンピテントセル法、プロトプラスト法、エレクトロポレーション法マイクロインジェクション法リポソーム融合法等の種々の方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0036

当該形質転換体は、本発明のポリペプチドを産生可能であるため、本発明のポリペプチドを製造するために用いることができる。

0037

5.抗腫瘍剤
本発明は、本発明のポリペプチド、本発明のポリヌクレオチド、又は本発明のポリヌクレオチドを組み込んだベクターを含む抗腫瘍剤を好ましく包含する。以下、当該抗腫瘍剤を「本発明の抗腫瘍剤」と表記することがある。本発明のポリペプチドはアスパラギナーゼ活性を有するため、アスパラギン要求性の腫瘍細胞に対して抗腫瘍効果を発揮することから、腫瘍の治療又は予防に用いることができる。本発明における「抗腫瘍剤」は、抗癌剤抗腫瘍薬剤抗腫瘍医薬組成物等と表現される場合もある。

0038

本発明の抗腫瘍剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の成分を含んでいてもよい。このような他成分としては、例えば薬学的に許容される担体や、他の抗腫瘍剤等が例示される。

0039

本発明の抗腫瘍剤により予防又は治療できる疾病としては、特に制限されず、例えば癌などが挙げられ、胃癌直腸癌結腸癌小腸癌、食道癌肝臓癌膵臓癌肺癌咽頭癌腎癌胆のう及び胆管癌頭頸部癌前立腺癌膀胱癌乳癌子宮癌卵巣癌皮膚癌悪性黒色腫脳腫瘍白血病悪性リンパ腫等が例示される。特に、白血病又は悪性リンパ腫の予防又は治療に用いることが好ましい。また、本発明のポリペプチドは大腸菌由来のアスパラギナーゼとの同一性が低いため、本発明の抗腫瘍剤は大腸菌由来のアスパラギナーゼによりアレルギー症状を示す人用の抗腫瘍剤として使用することができる。

0040

なお、本明細書において「含む」とは、「本質的にからなる」と、「からなる」をも包含する(The term "comprising" includes "consisting essentially of” and "consisting of.")。また、本発明は、本明細書に説明した構成要件を任意の組み合わせを全て包含する。

0041

また、上述した本発明の各実施形態について説明した各種特性性質、構造、機能等)は、本発明に包含される主題を特定するにあたり、どのように組み合わせられてもよい。すなわち、本発明には、本明細書に記載される組み合わせ可能な各特性のあらゆる組み合わせからなる主題が全て包含される。

0042

本発明の内容を以下の実施例を用いて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。下記において、特に言及する場合を除いて、実験大気圧及び常温条件下で行っている。また特に言及する場合を除いて、「%」は「質量%」を意味する。

0043

1.アスパラギナーゼの調製
配列番号2に示すアスパラギナーゼ遺伝子クローニングし、pET21bに導入して、発現ベクターを構築した。この発現ベクターで大腸菌(Rosetta(DE3))を形質転換した。形質転換体をLB培地で培養し、得られた菌体を10mMのイミダゾールを含む20mM KPB緩衝液(pH7.0)に懸濁し、超音波破砕を行った。得られた菌体破砕液遠心分離して上清を回収し、得られた上清をNi−NTAアガロース充填したカラムアプライし、200mMのイミダゾールを含む20mM KPB 緩衝液(pH7.0)を用いて溶出し、精製酵素液Aを得た。なお、配列番号1のアミノ酸配列と、大腸菌由来のアスパラギナーゼ(DDBJアクセッション番号AP009048 Genomic DNA Translation: BAE77020.1)を構成するアミノ酸配列の同一性は30%であった。

0044

2.酵素活性の測定(基質特異性の評価)
表1に0.5MGTA buffer(pH7.5)の組成を示す。

0045

0046

250μlの0.04M L−アスパラギン、D−アスパラギン、L−グルタミン又はD−グルタミン、250μlの0.5MGTA buffer(pH7.5)、及び495μlの脱イオン水を35℃で2分間プレインキュベートし、上述の1で得た精製酵素液Aを5μl添加して、35℃で0〜30分間反応させた。125μlの50%(w/v)TCAで反応を停止し、13,500rpmで10分間遠心分離し、得られた上清を一次反応液とした。25μlの一次反応液、925μlの脱イオン水、及び50μlのネスラー試薬を混合し、20℃で20分間反応させ、450nmにおける吸光度を測定し、硫酸アンモニウムを用いた検量線により活性(U)を算出した。また、ブラッドフォード法によりタンパク質量(mg)を測定し、比活性(U/mg)を算出した。さらに、L−アスパラギンを基質とした場合の比活性に対する、各アミノ酸を基質とした場合の比活性を相対活性(%)として算出した。結果を表2に示す。

0047

0048

表2に示される通り、ラクトバチルス・サケイ由来のアスパラギナーゼの、D−アスパラギン、L−グルタミン、又はD−グルタミンを基質とした場合の相対活性は、いずれも1%未満であり、ラクトバチルス・サケイ由来のアスパラギナーゼはL−アスパラギンに対して高い特異性を示すことが分かった。なお、BRENDAデータベース(http://www.brenda-enzymes.info/)または非特許文献1には、大腸菌由来のアスパラギナーゼの基質特異性に関する測定結果が示されている。当該測定結果をもとに、大腸菌由来のアスパラギナーゼの相対活性を算出すると、D−アスパラギンを基質とした場合の相対活性は、5.6〜10%、L−グルタミンを基質とした場合の相対活性は4.5〜5.6%であり、ラクトバチルス・サケイ由来のアスパラギナーゼは、大腸菌由来のアスパラギナーゼと比較して、L−アスパラギンに対する特異性が高いことが分かった。

0049

3.酵素活性の測定(pH安定性の評価)
0.5M MES緩衝液(pH5.5〜7.0)、0.5MHEPES 緩衝液(pH7.0〜8.0)、0.5M TAPS緩衝液(pH8.0〜9.0)、0.5M CHES 緩衝液(pH9.0〜10.0)、0.5MCAPS 緩衝液(pH10.0〜11.0)を用いて、4℃でのpHが目的のpHになるように、pH5.5〜11.0の範囲において、pH0.5ごとに20mM 緩衝液を調製した。450μlの20mM 緩衝液(pH5.5〜11.0)と上述の1で得た50μlの精製酵素液Aを4℃で24時間インキュベートし、前処理液を得た。250μlの0.04M L−アスパラギン、250μlの0.5MGTA buffer(pH7.5)、及び450μlの脱イオン水を35℃で2分間プレインキュベートし、50μlの前処理液を添加して、35℃で0〜30分間反応させた。125μlの50%(w/v)TCAで反応を停止し、13,500rpmで10分間遠心分離し、得られた上清を一次反応液とした。25μlの一次反応液、925μlの脱イオン水、及び50μlのネスラー試薬を混合し、20℃で20分間反応させ、450nmにおける吸光度を測定し、硫酸アンモニウムを用いた検量線により活性(U)を算出した。また、ブラッドフォード法によりタンパク質量(mg)を測定し、比活性(U/mg)を算出した。なお、前処理をせずに、250μlの0.04M L−アスパラギン、250μlの0.5M GTA buffer(pH7.5)、及び495μlの脱イオン水を35℃で2分間プレインキュベートし、5μlの精製酵素液Aを添加して、35℃で0〜30分間反応させたものをコントロールとして用いた。結果を図1に示す。

0050

コントロールの比活性は88U/mgであった。図1に示される通り、ラクトバチルス・サケイ由来のアスパラギナーゼは、4℃で24時間保存した後にも、幅広いpHにおいて、50%以上の活性を維持しており、特に、pH6.0〜10.5の条件下においては、70%以上の活性を維持することが分かった。

0051

4.酵素活性の測定(酸化ストレス条件下における残存活性の比較)
上述の1において作製した大腸菌の形質転換体から、プラスミドを抽出し、これをテンプレートとしてクイックチェンジ法により遺伝子に変異導入を行った。変異の導入には、配列番号3及び4(変異体1)、5及び6(変異体2)、又は7及び8(変異体3)に示すプライマーを用い、当該プライマーセットを用いることにより、配列番号1のアミノ酸配列において、変異体1においては第196位、変異体2においては第264位、変異体3においては第290位のシステイン残基セリン残基に置換された変異体を作製した。複数箇所に変異を有する変異体については、変異体からプラスミドを抽出し、これをテンプレートとして、上述の操作を繰り返すことで、目的の変異体を作製した。変異を導入した遺伝子配列シーケンス解析を行い、目的の変異が導入されていることを確認し、各遺伝子が組み込まれたプラスミドで大腸菌(BL21(DE3))を形質転換した。野生型酵素、または各変異型酵素を発現する形質転換体をLB培地で培養し、得られた菌体を10mMのイミダゾールを含む20mM KPB緩衝液(pH7.0)に懸濁し、超音波破砕を行った。得られた菌体破砕液を遠心分離して上清を回収し、粗酵素液B1を得た。得られた粗酵素液B1をNi−NTAアガロースを充填したカラムにアプライし、250mMのイミダゾールを含む20mM KPB 緩衝液(pH7.0)を用いて溶出し、粗酵素液B2を得た。粗酵素液B2を透析膜に入れ、1M KPB(pH7.0)を外液として、4℃で透析し、精製酵素液Bを得た。

0052

得られた精製酵素液Bを、RPMI1640培地において処理することで、酸化ストレス条件下での酵素の安定性を評価した。表3にRPMI1640培地の組成を示す。

0053

0054

900μlのRPMI1640培地に100μlの精製酵素液Bを添加し、37℃で1時間インキュベートし、前処理液を得た。250μlの0.04M L−アスパラギン、250μlの0.5MGTA buffer(pH7.5)、及び450μlの脱イオン水を35℃で2分間プレインキュベートし、50μlの前処理液を添加して、35℃で0〜30分間反応させた。125μlの50%(w/v)TCAで反応を停止し、13,500rpmで10分間遠心分離し、得られた上清を一次反応液とした。25μlの一次反応液、925μlの脱イオン水、及び50μlのネスラー試薬を混合し、20℃で20分間反応させ、450nmにおける吸光度を測定し、硫酸アンモニウムを用いた検量線により活性(U)を算出した。また、ブラッドフォード法によりタンパク質量(mg)を測定し、比活性(U/mg)を算出し、RPMI1640培地での前処理をしない場合の比活性に対する、RPMI1640培地での前処理をした場合の比活性を、前処理後の残存活性(%)として算出した。また野生型酵素の前処理後の残存活性に対する、各変異型酵素の前処理後の残存活性を安定化の割合として算出した。結果を表4に示す。ここで、表4中の各置換を表す記号に関して、数字は、配列番号1のアミノ酸配列におけるアミノ酸の位置を意味する。また、数字の前のアルファベットは、その位置に本来存在するアミノ酸の種類を意味する。数字の後のアルファベットは、本来存在するアミノ酸を置換するアミノ酸の種類を意味する。よって、例えば、「C196S」とは、配列番号1のアミノ酸配列における第196番目のシステイン(C)がセリン(S)に置換されることを意味する。他の置換を表す記号についても同様である。

0055

実施例

0056

表4に示される通り、変異型酵素は、野生型酵素と比較して、前処理後の残存活性が高く、酸化ストレス条件下においても安定であることが分かった。特に、変異型酵素C196S、変異型酵素C264Sは酸化ストレス条件下において、特に優れた安定性を有していることが分かった。

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