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技術 インフルエンザウイルスの複製の阻害剤

出願人 バーテックスファーマシューティカルズインコーポレイテッド
発明者 クワミダブリュー.ヌティ-アッダイマイケルウォルドーサイモンアダムオニールジョングレッグバンアルステンダイニウスマシケナスプラビーンムドゥヌリイシマークウィレムレデボアバルダスジャーコースカスアレスメデクスティーブンジョーンズランダルバーンモハメドアスマルサラマリーロバートソンワンジュンツァイ
出願日 2020年6月5日 (6ヶ月経過) 出願番号 2020-098516
公開日 2020年8月27日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-128441
状態 未査定
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性 非環式または炭素環式化合物含有医薬 その他のN系縮合複素環2 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬
主要キーワード シーズン毎 ホールスクリーン 挿入エラー 各方程式 排出期間 デイケアセンター 防災訓練 塩化水素源
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図面 (13)

課題

解決手段

多形体の化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩(ここで、化合物(1)は、以下の構造式によって表される)は、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩、D形の化合物(1)のHCl塩、A形の化合物(1)およびA形の化合物(1)のトシレート塩である。そのような多形体が、生物学的サンプルまたは被験体における、インフルエンザ処置するため、インフルエンザウイルスの複製を阻害するため、またはインフルエンザウイルスの量を減少させるために使用される。

概要

背景

背景
インフルエンザは、季節的流行として世界中に広がり、それによって、毎年数十万人、世界的に流行した年には数百万人が死亡する。例えば、インフルエンザの世界的流行は、20世紀に3度発生し、それにより数千万人が死亡し、これらの世界的流行の各々は、そのウイルスの新しい株がヒトに出現したことが原因だった。これらの新しい株は、既存のインフルエンザウイルスが他の動物種からヒトに伝播することに起因することが多い。

インフルエンザは、主に、感染者またはくしゃみをしたとき生成される、ウイルスを含む大きな液滴を介して人から人に伝染する;次いで、これらの大きな液滴は、感染者に近い(例えば、約6フィート以内の)感染しやすい個体の上気道粘膜表面上に留まることができる。伝染は、呼吸分泌物との直接的接触または間接的接触(例えば、インフルエンザウイルスで汚染された表面に触れた後、眼、または口に触れること)を介しても生じ得る。成人は、症候が現れる1日前から症候が現れ始めておよそ5日後まで、インフルエンザを他者に伝播することが可能であり得る。低年齢小児および免疫系が弱くなっている人は、症候の発生後10日間またはそれを超える期間にわたって、感染性であり得る。

インフルエンザウイルスは、5つの属:インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB、インフルエンザウイルスC、ISAウイルスおよびトゴトウイルスを含むオルトミクソウイルス科RNAウイルスである。

インフルエンザウイルスA属は、1つの種、インフルエンザAウイルスを有する。様々なインフルエンザAにとって、野生水鳥天然宿主である。時折、ウイルスは、他の種に伝染して、飼いならされた家禽において壊滅的な大流行を引き起こすことがあるか、またはヒトのインフルエンザの世界的大流行を起こすことがある。これらのA型ウイルスは、3つのインフルエンザタイプのうち最も病原性ヒト病原体であり、最も重症の疾患を引き起こす。インフルエンザAウイルスは、これらのウイルスに対する抗体応答に基づいて、異なる血清型に細分され得る。ヒトにおいて確認された血清型は、公知の世界的大流行で死亡した人数の順に:H1N1(1918年のスペインかぜの原因)、H2N2(1957年のアジアかぜの原因)、H3N2(1968年のホンコンかぜの原因)、H5N1(2007〜08年のインフルエンザシーズンにおける世界的流行の脅威)、H7N7(珍しい人獣共通感染能を有する)、H1N2(ヒトおよびブタ固有)、H9N2、H7N2、H7N3およびH10N7である。

インフルエンザウイルスB属は、1つの種、インフルエンザBウイルスを有する。インフルエンザBは、ほとんどもっぱらヒトに感染し、インフルエンザAよりも一般的でない。インフルエンザBへの感染に感受性であると知られている唯一の他の動物は、アザラシである。このタイプのインフルエンザは、A型よりも2〜3倍低い割合で変異し、その結果として、より遺伝的に多様でなく、インフルエンザB血清型は、1つしかない。この抗原性多様性欠く結果として、インフルエンザBに対してある程度の免疫が、通常、若年齢で獲得される。しかしながら、インフルエンザBは、持続免疫があり得ないほど十分に変異する。この低い抗原変化率は、その限られた宿主範囲と相まって(異種間の抗原シフト阻害する)、インフルエンザBの世界的流行を生じなくさせている。

インフルエンザウイルスC属は、1つの種、インフルエンザCウイルスを有し、これは、ヒトおよびブタに感染し、重症の疾病および地域的流行を引き起こし得る。しかしながら、インフルエンザCは、他のタイプよりも一般的でなく、通常、小児において軽症の疾患を引き起こすとみられる。

インフルエンザA、BおよびCウイルスは、構造が非常に似ている。そのウイルス粒子は、直径80〜120ナノメートルであり、通常、ほぼ球状であるが、繊維状の形態も生じ得る。ウイルスとしては異例なことだが、そのゲノムは、単一の小片核酸ではない;代わりに、それは、マイナスセンスRNAの7または8つの分節を含む。インフルエンザAのゲノムは、11個のタンパク質赤血球凝集素HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、核タンパク質(NP)、M1、M2、NS1、NS2(NEP)、PA、PB1、PB1−F2およびPB2をコードする。

HAおよびNAは、ウイルス粒子の外面上の大きな糖タンパク質である。HAは、ウイルスと標的細胞とが結合し、ウイルスゲノムが標的細胞に進入することを媒介するレクチンであり、NAは、成熟したウイルス粒子に結合する糖を切断することによって、感染した細胞からの子孫ウイルスの放出に関わる。したがって、これらのタンパク質は、抗ウイルス薬に対する標的である。さらに、これらは、抗体を産生させ得る抗原である。インフルエンザAウイルスは、例えばH5N1における、HおよびNの区別(上記参照)の基準をもたらすHAおよびNAに対する抗体応答に基づいて、サブタイプ分類される。

インフルエンザは、生産性損失および関連する医学的処置に起因する直接費用、ならびに予防措置間接費用を発生させる。米国では、インフルエンザは、1年あたり100億ドルを超える総費用関与する一方、将来の世界的大流行が、数千億ドルの直接費用および間接費用を引き起こし得ると推定されている。予防費用もまた高額である。世界中の国家が、薬物およびワクチン購入、ならびに防災訓練および国境での規制の改善のためのストラテジーの開発に関連する費用とともに、潜在的なH5N1トリインフルエンザの世界的大流行に対して準備し、計画するのに数十億米ドルを費やしている。

インフルエンザに対する現行処置選択肢としては、ワクチン接種、および抗ウイルス薬剤による化学療法または化学的予防法が挙げられる。インフルエンザワクチンを用いたインフルエンザに対するワクチン接種は、小児および高齢者などの高リスク群に対して、または喘息糖尿病もしくは心疾患を有する人々において、推奨されることが多い。しかしながら、ワクチン接種を受けてもインフルエンザにかかる可能性がある。ワクチンは、シーズン毎にいくつかの特定のインフルエンザの株に対して再配合されるが、そのシーズンの世界中の人々に活発に感染するすべての株を含めることはおそらくできない。製造業者が、季節的流行に対処するために必要とされる数百万回分を配合し、生産するのには、6ヶ月を要し得る;時折、その間に、新しい株または見過ごされた株が顕著になって、人々は、ワクチン接種を受けていたにもかかわらず、感染してしまう(2003〜2004年のインフルエンザシーズンにおけるH3N2福建かぜのように)。ワクチン接種の直
前に感染する可能性もあるし、ワクチンは、有効になるのに数週間を要し得るので、そのワクチンが予防するはずのまさにその株にかかる可能性もある。

さらに、これらのインフルエンザワクチンの有効性は、変化する。そのウイルスの高い変異率に起因して、特定のインフルエンザワクチンは、通常、たった数年間しか防御しない。インフルエンザウイルスが、時間が経つにつれて迅速に変化して、異なる株が優勢になるので、1年間にわたって製剤化されたワクチンは、その翌年には無効であることがある。

また、RNA校正酵素は存在しないので、インフルエンザvRNAのRNA依存性RNAポリメラーゼは、インフルエンザvRNAのおおよその長さである、およそ10000ヌクレオチド毎に1つのヌクレオチド挿入エラーを起こす。ゆえに、新しく作られたほぼすべてのインフルエンザウイルスは、変異体、すなわち、抗原ドリフトである。1つより多いウイルス系統が単一の細胞に感染した場合、ゲノムが8つの別個セグメントのvRNAに分離されることにより、vRNAの混合または再集合が可能になる。得られるウイルスの遺伝的性質の急激な変化は、抗原シフトをもたらし、そのウイルスが、新しい宿主種に感染し、直ちに防御免疫打ち勝つことが可能になる。

抗ウイルス薬もまた、インフルエンザを処置するために使用することができ、特にノイラミニダーゼ阻害剤が有効であるが、ウイルスは、標準的な抗ウイルス薬に対して耐性を生じ得る。そのような薬剤は、化学的誘導体もしくは塩を含む種々の異なる化学的形態を有するように、または種々の物理的形態を有するように、調製され得る。例えば、それらは、非晶質であり得るか、種々の結晶多形を有し得るか、または種々の溶媒和もしくは水和の状態で存在し得る。形態を変更することによって、その物理的特性を変更することが可能であり得る。そのような異なる形態は、特に経口製剤として、異なる特性を有し得る。具体的には、改善された特性(例えば、向上した水溶解度および安定性薬学的製剤のより良好な加工可能性または調製、ならびに経口的に投与される組成物バイオアベイラビリティの増大)を示す改善された形態を特定することが望ましい場合がある。上で論じられたそのような改善された特性は、特定の治療効果にとって有益であるように変更され得る。

抗ウイルス剤の形態を変化させることは、そのような抗ウイルス剤の物理的特性をインフルエンザの処置においてより有用であるように調節する多くの方法のうちの1つであり得る。

概要

インフルエンザウイルスの複製の阻害剤の提供。多形体の化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩(ここで、化合物(1)は、以下の構造式によって表される)は、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩、D形の化合物(1)のHCl塩、A形の化合物(1)およびA形の化合物(1)のトシレート塩である。そのような多形体が、生物学的サンプルまたは被験体における、インフルエンザを処置するため、インフルエンザウイルスの複製を阻害するため、またはインフルエンザウイルスの量を減少させるために使用される。なし

目的

本発明は、多形体、例えば、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩、D形の化合物(1)のHCl塩、A形の化合物(1)、B形の化合物(1)水和物およびA形の化合物(1)のトシレート塩を、単離された固体の形態で提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

技術分野

0001

関連出願への相互参照
本PCT出願は、2013年11月13日に出願された米国仮出願第61/903,572号の利益を主張する。この文書は本明細書においてその全体が参照として援用される。

0002

発明の分野
本発明は、インフルエンザウイルスの複製を阻害するため、患者におけるインフルエンザ感染処置するためまたはその重症度を低下させるため、および患者におけるインフルエンザ感染を予防的に防ぐためまたはその発生率を低下させるために有用な化合物および固体の形態の化合物に関する。

背景技術

0003

背景
インフルエンザは、季節的流行として世界中に広がり、それによって、毎年数十万人、世界的に流行した年には数百万人が死亡する。例えば、インフルエンザの世界的流行は、20世紀に3度発生し、それにより数千万人が死亡し、これらの世界的流行の各々は、そのウイルスの新しい株がヒトに出現したことが原因だった。これらの新しい株は、既存のインフルエンザウイルスが他の動物種からヒトに伝播することに起因することが多い。

0004

インフルエンザは、主に、感染者またはくしゃみをしたとき生成される、ウイルスを含む大きな液滴を介して人から人に伝染する;次いで、これらの大きな液滴は、感染者に近い(例えば、約6フィート以内の)感染しやすい個体の上気道粘膜表面上に留まることができる。伝染は、呼吸分泌物との直接的接触または間接的接触(例えば、インフルエンザウイルスで汚染された表面に触れた後、眼、または口に触れること)を介しても生じ得る。成人は、症候が現れる1日前から症候が現れ始めておよそ5日後まで、インフルエンザを他者に伝播することが可能であり得る。低年齢小児および免疫系が弱くなっている人は、症候の発生後10日間またはそれを超える期間にわたって、感染性であり得る。

0005

インフルエンザウイルスは、5つの属:インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB、インフルエンザウイルスC、ISAウイルスおよびトゴトウイルスを含むオルトミクソウイルス科RNAウイルスである。

0006

インフルエンザウイルスA属は、1つの種、インフルエンザAウイルスを有する。様々なインフルエンザAにとって、野生水鳥天然宿主である。時折、ウイルスは、他の種に伝染して、飼いならされた家禽において壊滅的な大流行を引き起こすことがあるか、またはヒトのインフルエンザの世界的大流行を起こすことがある。これらのA型ウイルスは、3つのインフルエンザタイプのうち最も病原性ヒト病原体であり、最も重症の疾患を引き起こす。インフルエンザAウイルスは、これらのウイルスに対する抗体応答に基づいて、異なる血清型に細分され得る。ヒトにおいて確認された血清型は、公知の世界的大流行で死亡した人数の順に:H1N1(1918年のスペインかぜの原因)、H2N2(1957年のアジアかぜの原因)、H3N2(1968年のホンコンかぜの原因)、H5N1(2007〜08年のインフルエンザシーズンにおける世界的流行の脅威)、H7N7(珍しい人獣共通感染能を有する)、H1N2(ヒトおよびブタ固有)、H9N2、H7N2、H7N3およびH10N7である。

0007

インフルエンザウイルスB属は、1つの種、インフルエンザBウイルスを有する。インフルエンザBは、ほとんどもっぱらヒトに感染し、インフルエンザAよりも一般的でない。インフルエンザBへの感染に感受性であると知られている唯一の他の動物は、アザラシである。このタイプのインフルエンザは、A型よりも2〜3倍低い割合で変異し、その結果として、より遺伝的に多様でなく、インフルエンザB血清型は、1つしかない。この抗原性多様性欠く結果として、インフルエンザBに対してある程度の免疫が、通常、若年齢で獲得される。しかしながら、インフルエンザBは、持続免疫があり得ないほど十分に変異する。この低い抗原変化率は、その限られた宿主範囲と相まって(異種間の抗原シフトを阻害する)、インフルエンザBの世界的流行を生じなくさせている。

0008

インフルエンザウイルスC属は、1つの種、インフルエンザCウイルスを有し、これは、ヒトおよびブタに感染し、重症の疾病および地域的流行を引き起こし得る。しかしながら、インフルエンザCは、他のタイプよりも一般的でなく、通常、小児において軽症の疾患を引き起こすとみられる。

0009

インフルエンザA、BおよびCウイルスは、構造が非常に似ている。そのウイルス粒子は、直径80〜120ナノメートルであり、通常、ほぼ球状であるが、繊維状の形態も生じ得る。ウイルスとしては異例なことだが、そのゲノムは、単一の小片核酸ではない;代わりに、それは、マイナスセンスRNAの7または8つの分節を含む。インフルエンザAのゲノムは、11個のタンパク質赤血球凝集素HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、核タンパク質(NP)、M1、M2、NS1、NS2(NEP)、PA、PB1、PB1−F2およびPB2をコードする。

0010

HAおよびNAは、ウイルス粒子の外面上の大きな糖タンパク質である。HAは、ウイルスと標的細胞とが結合し、ウイルスゲノムが標的細胞に進入することを媒介するレクチンであり、NAは、成熟したウイルス粒子に結合する糖を切断することによって、感染した細胞からの子孫ウイルスの放出に関わる。したがって、これらのタンパク質は、抗ウイルス薬に対する標的である。さらに、これらは、抗体を産生させ得る抗原である。インフルエンザAウイルスは、例えばH5N1における、HおよびNの区別(上記参照)の基準をもたらすHAおよびNAに対する抗体応答に基づいて、サブタイプ分類される。

0011

インフルエンザは、生産性損失および関連する医学的処置に起因する直接費用、ならびに予防措置間接費用を発生させる。米国では、インフルエンザは、1年あたり100億ドルを超える総費用関与する一方、将来の世界的大流行が、数千億ドルの直接費用および間接費用を引き起こし得ると推定されている。予防費用もまた高額である。世界中の国家が、薬物およびワクチン購入、ならびに防災訓練および国境での規制の改善のためのストラテジーの開発に関連する費用とともに、潜在的なH5N1トリインフルエンザの世界的大流行に対して準備し、計画するのに数十億米ドルを費やしている。

0012

インフルエンザに対する現行の処置の選択肢としては、ワクチン接種、および抗ウイルス薬剤による化学療法または化学的予防法が挙げられる。インフルエンザワクチンを用いたインフルエンザに対するワクチン接種は、小児および高齢者などの高リスク群に対して、または喘息糖尿病もしくは心疾患を有する人々において、推奨されることが多い。しかしながら、ワクチン接種を受けてもインフルエンザにかかる可能性がある。ワクチンは、シーズン毎にいくつかの特定のインフルエンザの株に対して再配合されるが、そのシーズンの世界中の人々に活発に感染するすべての株を含めることはおそらくできない。製造業者が、季節的流行に対処するために必要とされる数百万回分を配合し、生産するのには、6ヶ月を要し得る;時折、その間に、新しい株または見過ごされた株が顕著になって、人々は、ワクチン接種を受けていたにもかかわらず、感染してしまう(2003〜2004年のインフルエンザシーズンにおけるH3N2福建かぜのように)。ワクチン接種の直
前に感染する可能性もあるし、ワクチンは、有効になるのに数週間を要し得るので、そのワクチンが予防するはずのまさにその株にかかる可能性もある。

0013

さらに、これらのインフルエンザワクチンの有効性は、変化する。そのウイルスの高い変異率に起因して、特定のインフルエンザワクチンは、通常、たった数年間しか防御しない。インフルエンザウイルスが、時間が経つにつれて迅速に変化して、異なる株が優勢になるので、1年間にわたって製剤化されたワクチンは、その翌年には無効であることがある。

0014

また、RNA校正酵素は存在しないので、インフルエンザvRNAのRNA依存性RNAポリメラーゼは、インフルエンザvRNAのおおよその長さである、およそ10000ヌクレオチド毎に1つのヌクレオチド挿入エラーを起こす。ゆえに、新しく作られたほぼすべてのインフルエンザウイルスは、変異体、すなわち、抗原ドリフトである。1つより多いウイルス系統が単一の細胞に感染した場合、ゲノムが8つの別個セグメントのvRNAに分離されることにより、vRNAの混合または再集合が可能になる。得られるウイルスの遺伝的性質の急激な変化は、抗原シフトをもたらし、そのウイルスが、新しい宿主種に感染し、直ちに防御免疫打ち勝つことが可能になる。

0015

抗ウイルス薬もまた、インフルエンザを処置するために使用することができ、特にノイラミニダーゼ阻害剤が有効であるが、ウイルスは、標準的な抗ウイルス薬に対して耐性を生じ得る。そのような薬剤は、化学的誘導体もしくは塩を含む種々の異なる化学的形態を有するように、または種々の物理的形態を有するように、調製され得る。例えば、それらは、非晶質であり得るか、種々の結晶多形を有し得るか、または種々の溶媒和もしくは水和の状態で存在し得る。形態を変更することによって、その物理的特性を変更することが可能であり得る。そのような異なる形態は、特に経口製剤として、異なる特性を有し得る。具体的には、改善された特性(例えば、向上した水溶解度および安定性薬学的製剤のより良好な加工可能性または調製、ならびに経口的に投与される組成物バイオアベイラビリティの増大)を示す改善された形態を特定することが望ましい場合がある。上で論じられたそのような改善された特性は、特定の治療効果にとって有益であるように変更され得る。

0016

抗ウイルス剤の形態を変化させることは、そのような抗ウイルス剤の物理的特性をインフルエンザの処置においてより有用であるように調節する多くの方法のうちの1つであり得る。

課題を解決するための手段

0017

発明の要旨
本発明は、概して、多形体(polymorphic forms)の化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩、その薬学的に許容され得る製剤、そのような多形体の化合物(1)を調製する方法、ならびにインフルエンザウイルスの複製を阻害するため、インフルエンザウイルスの量を減少させるためおよびインフルエンザを処置するためのそのような多形体の使用に関する。

0018

1つの実施形態において、本発明は、多形体の化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩に関し、ここで、化合物(1)は、以下の構造式



によって表され、ここで、その多形体は、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩、D形の化合物(1)のHCl塩、A形の化合物(1)およびA形の化合物(1)のトシレート塩からなる群より選択される。

0019

別の実施形態において、本発明は、本明細書中に開示される多形体の化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩および少なくとも1つの薬学的に許容され得るキャリアまたは賦形剤を含む薬学的に許容され得る製剤に関する。

0020

なおも別の実施形態において、本発明は、生物学的インビトロサンプルまたは患者におけるインフルエンザウイルスの複製を阻害する方法に関する。その方法は、そのサンプルに有効量の本明細書中に開示される多形体の化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む。

0021

なおも別の実施形態において、本発明は、生物学的インビトロサンプルまたは患者におけるインフルエンザウイルスの量を減少させる方法に関する。その方法は、そのサンプルに有効量の本明細書中に開示される多形体の化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む。

0022

なおも別の実施形態において、本発明は、患者におけるインフルエンザを処置する方法に関する。その方法は、そのサンプルに有効量の本明細書中に開示される多形体の化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む。

0023

なおも別の実施形態において、本発明は、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩を調製する方法に関する。その方法は、水および1つまたはそれを超える有機溶媒を含む溶媒系においてHClを化合物(1)と混合する工程を含み、ここで、その溶媒系は、0.05〜0.85の水分活性を有する。化合物(1)は、溶媒和もしくは非溶媒和であり得、および/または非晶質もしくは結晶性であり得る。

0024

なおも別の実施形態において、本発明は、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩を調製する方法に関する。その方法は、水を含むかまたは水および1つまたはそれを超える有機溶媒を含む溶媒系においてHClおよび化合物(1)を混合する工程(ここで、その溶媒系は、0.9に等しいかまたはそれを超える水分活性、例えば、0.9〜1.0の水分活性を有する);あるいは水を含むかまたは水および1つまたはそれを超える有機溶媒を含む溶媒系においてA形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩を撹拌する工程(ここで、その溶媒系は、0.9に等しいかまたはそれを超える水分活性、例えば、0.9〜1.0の水分活性を有する)を含む。化合物(1)は、溶媒和もしくは非溶媒和であり得、および/または非晶質もしくは結晶性であり得る。

0025

なおも別の実施形態において、本発明は、D形の化合物(1)のHCl塩を調製する方法に関する。その方法は、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩を脱水する工程を含む。

0026

なおも別の実施形態において、本発明は、A形の化合物(1)を調製する方法に関する。その方法は、水およびエタノールを含む溶媒系において非晶質の化合物(1)または化合物(1)の溶媒和物を撹拌する工程を含む。

0027

なおも別の実施形態において、本発明は、A形の化合物(1)のトシレート塩を調製する方法に関する。その方法は、非晶質の化合物(1)または化合物(1)の溶媒和物、p−トルエンスルホン酸、およびアセトニトリルを含む溶媒系の混合物を撹拌する工程を含む。

0028

化合物(1)の2−メチルTHF溶媒和物も、本発明に包含される。

0029

なおも別の実施形態において、本発明は、生物学的インビトロサンプルまたは被験体におけるインフルエンザウイルスの量を減少させる方法に関し、その方法は、そのサンプルに有効量の本明細書中に開示される多形体の化合物(1)を投与する工程を含む。

0030

なおも別の実施形態において、本発明は、生物学的インビトロサンプルまたは被験体におけるインフルエンザウイルスの複製を阻害する方法に関し、その方法は、そのサンプルに有効量の本明細書中に開示される多形体の化合物(1)を投与する工程を含む。

0031

なおも別の実施形態において、本発明は、被験体におけるインフルエンザを処置する方法に関し、その方法は、その被験体に治療有効量の本明細書中に開示される多形体の化合物(1)を投与する工程を含む。

0032

本発明は、被験体における、インフルエンザウイルスの複製を阻害するため、インフルエンザウイルスの量を減少させるため、またはインフルエンザを処置するための、本明細書中に開示される多形体の化合物(1)の使用も含む。本発明は、被験体における、インフルエンザウイルスの複製を阻害するため、インフルエンザウイルスの量を減少させるため、またはインフルエンザを処置するための薬を製造するための、本明細書中に開示される多形体の化合物(1)の使用も含む。

0033

なおも別の態様において、本発明は、100mg〜1,600mgの範囲内での、化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩、D形の化合物(1)のHCl塩、A形の化合物(1)およびA形の化合物(1)のトシレート塩)の投与レジメンに関する。
一実施形態において、例えば、以下の項目が提供される。
(項目1)
多形体の化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:




によって表され、該多形体は、
A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩、
F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩、
D形の化合物(1)のHCl塩、
A形の化合物(1)、および
A形の化合物(1)のトシレート塩
からなる群より選択される、多形体の化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩。(項目2)
前記多形体が、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩である、項目1に記載の多形体。
(項目3)
A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩が、粉末X線回折パターンにおいて、10.5±0.2、5.2±0.2、7.4±0.2および18.9±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする、項目2に記載の多形体。
(項目4)
A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩が、粉末X線回折パターンにおいて、25.2±0.2、16.5±0.2、18.1±0.2および23.0±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする、項目3に記載の多形体。
(項目5)
A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩が、C13SSNMRスペクトルにおいて、29.2±0.3ppm、107.0±0.3ppm、114.0±0.3ppmおよび150.7±0.3ppmに対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする、項目2〜4のいずれかに記載の多形体。
(項目6)
A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩が、C13 SSNMRスペクトルにおいて、22.1±0.3ppm、24.6±0.3ppm、47.7±0.3ppmおよび54.8±0.3ppmに対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする、項目5に記載の多形体。
(項目7)
前記多形体が、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩である、項目1に記載の多形体。
(項目8)
F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩が、粉末X線回折パターンにおいて、7.1±0.2、11.9±0.2、19.2±0.2および12.4±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする、項目7に記載の多形体。
(項目9)
F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩が、粉末X線回折パターンにおいて、16.4±0.2、21.8±0.2および23.9±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする、項目8に記載の多形体。(項目10)
F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩が、C13 SSNMRスペクトルにおいて、20.7±0.3ppm、27.4±0.3ppm、104.8±0.3ppm、142.5±0.3ppmおよび178.6±0.3ppmに対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする、項目7〜9のいずれかに記載の多形体。
(項目11)
F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩が、C13 SSNMRスペクトルにおいて、154.3±0.3ppm、20.3±0.3ppm、132.3±0.3ppmおよび21.1±0.3ppmに対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする、項目10に記載の多形体。
(項目12)
前記多形体が、D形の化合物(1)のHCl塩である、項目1に記載の多形体。
(項目13)
D形の化合物(1)のHCl塩が、粉末X線回折パターンにおいて、5.8±0.2、19.5±0.2および17.1±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする、項目12に記載の多形体。
(項目14)
D形の化合物(1)のHCl塩が、粉末X線回折パターンにおいて、5.3±0.2、10.5±0.2および15.9±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする、項目13に記載の多形体。
(項目15)
D形の化合物(1)のHCl塩が、C13 SSNMRスペクトルにおいて、29.4±0.3ppm、53.4±0.3ppm、113.3±0.3ppm、135.4±0.3ppmおよび177.8±0.3ppmに対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする、項目12〜14のいずれかに記載の多形体。
(項目16)
D形の化合物(1)のHCl塩が、C13 SSNMRスペクトルにおいて、22.9±0.3ppm、23.9±0.3ppm、26.0±0.3ppmおよび31.6±0.3ppmに対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする、項目15に記載の多形体。
(項目17)
前記多形体が、A形の化合物(1)である、項目1に記載の多形体。
(項目18)
A形の化合物(1)が、粉末X線回折パターンにおいて、15.5±0.2、18.9±0.2および22.0±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする、項目17に記載の多形体。
(項目19)
A形の化合物(1)が、粉末X線回折パターンにおいて、11.8±0.2、16.9±0.2、25.5±0.2および9.1±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする、項目18に記載の多形体。
(項目20)
A形の化合物(1)が、C13 SSNMRスペクトルにおいて、21.0±0.3ppm、28.5±0.3ppm、50.4±0.3ppm、120.8±0.3ppm、138.5±0.3ppmおよび176.2±0.3ppmに対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする、項目17〜19のいずれかに記載の多形体。
(項目21)
A形の化合物(1)が、C13 SSNMRスペクトルにおいて、30.1±0.3ppm、25.9±0.3ppm、22.8±0.3ppmおよび25.0±0.3ppmに対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする、項目20に記載の多形体。(項目22)
前記多形体が、A形の化合物(1)のトシレート塩である、項目1に記載の多形体。
(項目23)
A形の化合物(1)のトシレート塩が、粉末X線回折パターンにおいて、7.2±0.2、9.3±0.2、13.7±0.2、14.3±0.2、14.7±0.2、16.9±0.2、18.7±0.2、26.3±0.2および26.9±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする、項目22に記載の多形体。
(項目24)
A形の化合物(1)のトシレート塩が、粉末X線回折パターンにおいて、6.0±0.2、28.0±0.2および27.5±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応す
る1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする、項目23に記載の多形体。
(項目25)
項目1に記載の多形体および少なくとも1つの薬学的に許容され得るキャリアまたは賦形剤を含む、薬学的組成物
(項目26)
前記多形体が、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩である、項目25に記載の薬学的組成物。
(項目27)
前記多形体が、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩である、項目25に記載の薬学的組成物。
(項目28)
前記多形体が、D形の化合物(1)のHCl塩である、項目25に記載の薬学的組成物。(項目29)
前記多形体が、A形の化合物(1)である、項目25に記載の薬学的組成物。
(項目30)
前記多形体が、A形の化合物(1)のトシレート塩である、項目25に記載の薬学的組成物。
(項目31)
生物学的インビトロサンプルまたは被験体におけるインフルエンザウイルスの量を減少させる方法であって、該方法は、該サンプルに有効量の項目1〜24のいずれか1項に記載の多形体の化合物(1)を投与する工程を含む、方法。
(項目32)
生物学的インビトロサンプルまたは被験体におけるインフルエンザウイルスの複製を阻害する方法であって、該方法は、該サンプルに有効量の項目1〜24のいずれか1項に記載の多形体の化合物(1)を投与する工程を含む、方法。
(項目33)
被験体におけるインフルエンザを処置する方法であって、該方法は、該被験体に治療有効量の項目1〜24のいずれか1項に記載の多形体の化合物(1)を投与する工程を含む、方法。
(項目34)
1つまたはそれを超えるさらなる治療薬を前記被験体に共投与する工程をさらに含む、項目31〜33のいずれか1項に記載の方法。
(項目35)
前記さらなる治療薬が、抗ウイルス薬を含む、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記抗ウイルス薬が、ノイラミニダーゼ阻害剤である、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記ノイラミニダーゼ阻害剤が、オセルタミビルまたはザナミビルである、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記抗ウイルス薬が、ポリメラーゼ阻害剤である、項目35に記載の方法。
(項目39)
前記ポリメラーゼ阻害剤が、ファビピラビルである、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記インフルエンザウイルスが、インフルエンザAウイルスである、項目31〜39のいずれか1項に記載の方法。
(項目41)
A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩を調製する方法であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:




によって表され、該方法は、水および1つまたはそれを超える有機溶媒を含む溶媒系において、HClを化合物(1)と混合する工程を含み、ここで、該溶媒系は、0.05〜0.85の水分活性を有する、方法。
(項目42)
前記溶媒系が、クロロベンゼンシクロヘキサン、1,2−ジクロロエテンジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン2−エトキシエタノールホルムアミドヘキサン2−メトキシエタノールメチルブチルケトンメチルシクロヘキサン、N−メチルピロリドンニトロメタンピリジンスルホランテトラヒドロフラン(THF)、テトラリントルエン、1,1,2−トリクロロエテンおよびキシレン酢酸アセトンアニソール、1−ブタノール2−ブタノール酢酸ブチル、tert−ブチルメチルエーテルクメンヘプタン酢酸イソブチル酢酸イソプロピル酢酸メチル3−メチル−1−ブタノールメチルエチルケトンメチルイソブチルケトン2−メチル−1−プロパノール酢酸エチルエチルエーテルギ酸エチルペンタン、1−ペンタノール1−プロパノール2−プロパノール酢酸プロピルまたはそれらの任意の組み合わせから選択される1つまたはそれを超える有機溶媒を含む、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記溶媒系が、クロロベンゼン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、ホルムアミド、ヘキサン、2−メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、ニトロメタン、テトラリン、キシレン、トルエン、1,1,2−トリクロロエタン、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸ブチル、tert−ブチルメチルエーテル、クメン、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、2−メチル−1−プロパノール、ペンタン、1−プロパノール、1−ペンタノール、2−プロパノール、酢酸プロピル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフランまたはそれらの任意の組み合わせから選択される1つまたはそれを超える有機溶媒を含む、項目42に記載の方法。
(項目44)
溶媒系が、2−エトキシエタノール、エチレングリコールメタノール、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、エタノール、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ピリジン、トルエン、キシレンまたはそれらの任意の組み合わせから選択される1つまたはそれを超える有機溶媒を含む、項目42に記載の方法。
(項目45)
溶媒系が、アセトン、n−プロパノールイソプロパノール、酢酸イソブチル、酢酸またはそれらの任意の組み合わせから選択される1つまたはそれを超える有機溶媒を含む、項目42に記載の方法。
(項目46)
前記溶媒系が、アセトンまたはイソプロパノールから選択される1つまたはそれを超える
有機溶媒を含む、項目42に記載の方法。
(項目47)
前記溶媒系が、0.4〜0.6の水分活性値を有する、項目41〜46のいずれか1項に記載の方法。
(項目48)
前記混合が、5℃〜75℃の範囲内の温度において行われる、項目41〜47のいずれか1項に記載の方法。
(項目49)
前記HClが、水溶液重量基準で30wt%〜40wt%のHClを有する水溶液として投入される、項目41〜48のいずれか1項に記載の方法。
(項目50)
F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩を調製する方法であって、ここで、化合物1は、以下の構造式:




によって表され、該方法は、
(a)水を含む溶媒系において、HClおよび化合物(1)を混合する工程であって、ここで、該溶媒系は、0.9に等しいかまたはそれを超える水分活性を有する、工程;または
(b)水を含む溶媒系において、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩を撹拌する工程であって、ここで、該溶媒系は、0.9に等しいかまたはそれを超える水分活性を有する、工程
を含む、方法。
(項目51)
前記溶媒系が、クロロベンゼン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエテン、ジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、2−エトキシエタノール、ホルムアミド、ヘキサン、2−メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、N−メチルピロリドン、ニトロメタン、ピリジン、スルホラン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラリン、トルエン、1,1,2−トリクロロエテンおよびキシレン、酢酸、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸ブチル、tert−ブチルメチルエーテル、クメン、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−メチル−1−プロパノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ペンタン、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、酢酸プロピルまたはそれらの任意の組み合わせから選択される1つまたはそれを超える有機溶媒をさらに含む、項目50に記載の方法。
(項目52)
前記溶媒系が、クロロベンゼン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、ホルムアミド、ヘキサン、2−メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、ニトロメタン、テトラリン、キシレン、トルエン、1,1,2−トリクロロエタン、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸ブチル、tert−ブチルメチルエーテル、クメン、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、
酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、2−メチル−1−プロパノール、ペンタン、1−プロパノール、1−ペンタノール、2−プロパノール、酢酸プロピル、テトラヒドロフランまたはメチルテトラヒドロフランから選択される1つまたはそれを超える有機溶媒をさらに含む、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記溶媒系が、2−エトキシエタノール、エチレングリコール、メタノール、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、エタノール、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ピリジン、トルエン、キシレンまたはそれらの任意の組み合わせから選択される1つまたはそれを超える有機溶媒をさらに含む、項目51に記載の方法。
(項目54)
前記溶媒系が、イソプロパノール、アセトンまたはそれらの任意の組み合わせから選択される1つまたはそれを超える有機溶媒をさらに含む、項目51に記載の方法。
(項目55)
D形の化合物(1)のHCl塩を調製する方法であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:




によって表され、該方法は、
A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩を脱水する工程
を含む、方法。
(項目56)
A形の化合物(1)を調製する方法であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:



によって表され、該方法は、
(a)水およびエタノールを含む溶媒系において、非晶質の化合物(1)または化合物(1)の溶媒和物を撹拌する工程
を含む、方法。
(項目57)
前記撹拌工程が、18℃〜90℃の範囲内の温度において行われる、項目56に記載の方法。
(項目58)
前記溶媒系が、該溶媒系の重量基準で5wt%〜15wt%の水を含む、項目56または57のいずれかに記載の方法。
(項目59)
(b)ニトロメタン中で非晶形の化合物(1)を撹拌することにより、A形の化合物(1)の種結晶を形成する工程;および
(c)該A形の化合物(1)の種結晶を前記混合工程(a)で得られた混合物に加える工程
をさらに含む、項目56〜58のいずれか1項に記載の方法。
(項目60)
前記撹拌工程(a)が、前記溶媒系の還流温度において行われる、項目56〜59のいずれか1項に記載の方法。
(項目61)
(b)ニトロメタン中で前記非晶形の化合物(1)を撹拌することにより、A形の化合物(1)の種結晶を形成する工程;および
(c)前記混合工程(a)で得られた混合物を18℃〜60℃の範囲内の温度に冷却する工程;および
(d)該A形の化合物(1)の種結晶を工程(c)で得られた混合物に加える工程
をさらに含む、項目56〜58のいずれかに記載の方法。
(項目62)
水の添加後に、結果として生じる溶媒系が15wt%〜25wt%の水を含むことになるのに十分な量の水を、A形の化合物(1)の種結晶を加える前に、前記還流工程を経て得られた混合物に加える工程をさらに含む、項目61に記載の方法。
(項目63)
水の添加後に、結果として生じる溶媒系が35wt%〜45wt%の水を含むことになるのに十分な量の水を、A形の化合物(1)の種結晶を含む混合物に加える工程をさらに含む、項目61に記載の方法。
(項目64)
水の添加後に、A形の化合物(1)の種結晶を含む混合物を0℃〜10℃の温度に冷却する工程をさらに含む、項目61に記載の方法。
(項目65)
A形の化合物(1)のトシレート塩を調製する方法であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:




によって表され、該方法は、非晶質の化合物(1)または化合物(1)の溶媒和物、p−トルエンスルホン酸、およびアセトニトリルを含む溶媒系の混合物を撹拌する工程を含む、方法。
(項目66)
化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン溶媒和物であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:




によって表される、化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン溶媒和物。
(項目67)
項目1〜24のいずれか1項に記載の多形体の化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩を100mg〜1,600mgの投与量で被験体に投与する工程を含む投与レジメンであって、ここで、該投与量は、1日あたり1回、2回または3回投与される、投与レジメン。
(項目68)
前記投与量が、300mg〜1,600mgである、項目67に記載の投与レジメン。
(項目69)
前記投与量が、600mg〜1,200mgである、項目68に記載の投与レジメン。
(項目70)
前記投与量が、1日あたり1回投与される、項目69に記載の投与レジメン。
(項目71)
前記投与量が、600mgまたは800mgである、項目70に記載の投与レジメン。
(項目72)
前記投与量が、300mg〜900mgである、項目68に記載の投与レジメン。
(項目73)
前記投与量が、1日あたり2回投与される、項目72に記載の投与レジメン。
(項目74)
前記投与量が、400mgまたは600mgである、項目68に記載の投与レジメン。
(項目75)
前記多形体の化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩が、1日間からインフルエンザシーズン全体までの処置期間にわたって投与される、項目67〜74のいずれか1項に記載の投与レジメン。
(項目76)
前記処置期間が、3日間〜14日間である、項目75に記載の投与レジメン。
(項目77)
前記処置期間が、3日間、4日間または5日間である、項目76に記載の投与レジメン。(項目78)
600mg〜1,600mgの負荷投与量が、1日目に前記被験体に投与され、400mg〜1,200mgの投与量が、前記処置期間の残りの期間にわたって該被験体に投与される、項目67〜77のいずれか1項に記載の投与レジメン。
(項目79)
900mg〜1,600mgの負荷投与量が、1日目に前記被験体に投与され、400mg〜1,200mgの投与量が、前記処置期間の残りの期間にわたって該被験体に投与される、項目78に記載の投与レジメン。
(項目80)
900mgまたは1,200mgの負荷投与量が、1日目に前記被験体に投与され、600mg〜800mgの投与量が、前記処置期間の残りの期間にわたって該被験体に投与される、項目79に記載の投与レジメン。
(項目81)
900mgの負荷投与量が、1日目に前記被験体に投与され、600mgの投与量が、前記処置期間の残りの期間にわたって該被験体に1日1回投与される、項目80に記載の投与レジメン。
(項目82)
1,200mgの負荷投与量が、1日目に前記被験体に投与され、600mgの投与量が、前記処置期間の残りの期間にわたって該被験体に1日1回投与される、項目80に記載の投与レジメン。

図面の簡単な説明

0034

図1および2は、それぞれ、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩の粉末X線回折(XRPD)パターンおよびC13固体核磁気分光法(C13SSNMRスペクトルである。
図1および2は、それぞれ、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩の粉末X線回折(XRPD)パターンおよびC13固体核磁気分光法(C13 SSNMR)スペクトルである。

0035

図3および4は、それぞれ、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩のXRPDパターンおよびC13SSNMRスペクトルである。
図3および4は、それぞれ、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩のXRPDパターンおよびC13 SSNMRスペクトルである。

0036

図5および6は、それぞれ、D形の化合物(1)のHCl塩のXRPDパターンおよびC13SSNMRスペクトルである。
図5および6は、それぞれ、D形の化合物(1)のHCl塩のXRPDパターンおよびC13 SSNMRスペクトルである。

0037

図7および8は、それぞれ、A形の化合物(1)のXRPDパターンおよびC13SSNMRスペクトルである。
図7および8は、それぞれ、A形の化合物(1)のXRPDパターンおよびC13 SSNMRスペクトルである。

0038

図9は、A形の化合物(1)のトシレート塩のXRPDパターンである。

0039

図10は、化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)溶媒和物のXRPDパターンである。

0040

図11は、非晶形の化合物(1)のXRPDパターンである。

0041

図12は、化合物(1)のHCl塩の種々の多形の間の転移に対する水分活性に対する温度の状態図である。

0042

図13は、ヒトにおける生の弱毒化インフルエンザチャレンジモデルにおける、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩の1200mg/600mgの用量群に対するAUCウイルス排出を示しているグラフである。

0043

発明の詳細な説明
I.固体形態

0044

以下の構造式:



によって表される化合物(1)およびその薬学的に許容され得る塩は、インフルエンザウイルスの複製を阻害し得、WO2010/148197にも記載されている。

0045

化合物(1)は、種々の多形体(polymorphic forms)で存在し得るか、または種々の多形体を形成し得る。当該分野で公知であるように、多形性は、1つより多い異なる結晶性または「多形性」種として結晶化する化合物の能力である。多形は、固体状態化合物分子に少なくとも2つの異なる配置または多形体がある、その化合物の固体結晶相である。任意の所与の化合物の多形体は、同じ化学式または組成によって定義されるが、異なる2つの化学的化合物結晶構造と同程度に化学構造が異なる。一般に、異なる多形は、粉末X線回折(XRPD)パターン、熱重量分析(TGA)および示差走査熱量測定DSC)などの分析方法によって、またはその融点によって、または当該分野で公知の他の手法によって特徴づけられ得る。本明細書中で使用されるとき、用語「多形体」は、溶媒和物、およびいかなる溶媒和物も有しないニートの(neat)多形体を含む。

0046

本明細書中で使用されるとき、「化合物(1)」は、遊離塩基の形態の化合物(1)を意味する。したがって、「化合物(1)のHCl塩」は、遊離塩基化合物のHCl塩を意味し、「化合物(1)のトシレート塩」は、遊離塩基化合物のトシレート塩を意味する。別段特定されない限り、化合物(1)および化合物(1)の塩は、溶媒和または非溶媒和であり得ることに注意する。また、別段特定されない限り、化合物(1)および化合物(1)の塩は、結晶性または非晶質であり得ることにも注意する。

0047

1つの実施形態において、本発明は、多形A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩に関する。この形態は、化合物(1)1つあたり半当量(half equivalent)の水を溶媒和物として含む化合物(1)のHCl塩の多形体である。1つの具体的な実施形態において、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩は、粉末X線回折パターンにおいて、10.5、5.2、7.4および18.9度(±0.2度)の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。別の具体的な実施形態において、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩は、粉末X線回折パターンにおいて、25.2±0.2、16.5±0.2、18.1±0.2および23.0±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。別の具体的な実施形態において、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩は、以下の表2に列挙される位置に2−シータ±0.2で表される特徴的なピークを有するXRPDパターンを有すると特徴づけられる。なおも別の具体的な実施形態において、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩は、図1に示されるものと実質的に同じXRPDパターンを有すると特徴づけられる。それらのXRPDパターンは、CuKアルファ線を用いて室温において得られる。なおも別の具体的な実施形態において、多形A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩は、C13SSNMRスペクトルにおいて、29.2、107.0、114.0および150.7(±0.3ppm)に1つまたはそれを超える特徴的なピークを有すると特徴づけられる。なおも別の具体的な実施形態において、多形A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩は、C13 SSNMRスペクトルにおいて、22.1、24.6、47.7および54.8(±0.3p
pm)に1つまたはそれを超える特徴的なピークを有するとさらに特徴づけられる。なおも別の具体的な実施形態において、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩は、表3に列挙されるC13 SSNMRピークを有すると特徴づけられる。なおも別の具体的な実施形態において、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩は、図2に示されるものと実質的に同じC13 SSNMRスペクトルを有すると特徴づけられる。

0048

1つの実施形態において、本発明は、多形F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩に関する。この形態は、化合物(1)1つあたり3当量の水を溶媒和物として含む化合物(1)のHCl塩の多形体である。1つの具体的な実施形態において、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩は、粉末X線回折パターンにおいて、7.1、11.9、19.2および12.4(±0.2)度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。別の具体的な実施形態において、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩は、粉末X線回折パターンにおいて、16.4、21.8および23.9(±0.2)度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。別の具体的な実施形態において、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩は、以下の表5に列挙される位置に2−シータ±0.2で表される特徴的なピークを有するXRPDパターンを有すると特徴づけられる。なおも別の具体的な実施形態において、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩は、図3に示されるものと実質的に同じXRPDパターンを有すると特徴づけられる。それらのXRPDパターンは、CuKアルファ線を用いて室温において得られる。なおも別の具体的な実施形態において、多形F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩は、C13SSNMRスペクトルにおいて、20.7、27.4、104.8、142.5、178.6(±0.3ppm)におけるピークを特徴とする。なおも別の具体的な実施形態において、多形F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩は、C13 SSNMRスペクトルにおいて、154.3、20.3、132.3および21.1(±0.3ppm)に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。なおも別の具体的な実施形態において、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩は、表6に列挙されるC13 SSNMRピークを有すると特徴づけられる。なおも別の具体的な実施形態において、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩は、図4に示されるものと実質的に同じC13 SSNMRスペクトルを有すると特徴づけられる。

0049

1つの実施形態において、本発明は、多形D形の化合物(1)のHCl塩に関する。この形態は、化合物(1)のHCl塩の非溶媒和の形態である。1つの具体的な実施形態において、D形の化合物(1)のHCl塩は、粉末X線回折パターンにおいて、5.8、17.1および19.5(±0.2)度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。別の具体的な実施形態において、D形の化合物(1)のHCl塩は、粉末X線回折パターンにおいて、5.3、10.5および15.9(±0.2)度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。別の具体的な実施形態において、D形の化合物(1)のHCl塩は、表7に列挙される位置に2−シータ±0.2で表される特徴的なピークを有するXRPDパターンを有すると特徴づけられる。なおも別の具体的な実施形態において、D形の化合物(1)のHCl塩は、図5に示されるものと実質的に同じXRPDパターンを有すると特徴づけられる。それらのXRPDパターンは、CuKアルファ線を用いて室温において得られる。なおも別の具体的な実施形態において、D形の化合物(1)のHCl塩は、C13
SSNMRスペクトルにおいて、29.4、53.4、113.3、135.4、177.8(±0.3ppm)にピークを有すると特徴づけられる。なおも別の具体的な実施形態において、D形の化合物(1)のHCl塩は、C13 SSNMRスペクトルにおいて、22.9、23.9、26.0および31.6(±0.3ppm)に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。なおも別の具体的な実施形態において、D形の化合物(1)のHCl塩は、表8に列挙されるC13 SSNMRピークを有すると
特徴づけられる。なおも別の具体的な実施形態において、D形の化合物(1)のHCl塩は、図6に示されるものと実質的に同じC13 SSNMRスペクトルを有すると特徴づけられる。

0050

1つの実施形態において、本発明は、多形A形の化合物(1)に関する。この形態は、化合物(1)の非溶媒和の遊離塩基の形態である。1つの具体的な実施形態において、A形の化合物(1)は、粉末X線回折パターンにおいて、15.5、18.9および22.0(±0.2)度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。別の具体的な実施形態において、A形の化合物(1)は、粉末X線回折パターンにおいて、11.8、16.9、25.5および9.1(±0.2)度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。別の具体的な実施形態において、A形の化合物(1)は、表10に列挙される位置に2−シータ±0.2で表される特徴的なピークを有するXRPDパターンを有すると特徴づけられる。なおも別の具体的な実施形態において、A形の化合物(1)は、図7に示されるものと実質的に同じXRPDパターンを有すると特徴づけられる。それらのXRPDパターンは、CuKアルファ線を用いて室温において得られる。なおも別の具体的な実施形態において、A形の化合物(1)は、C13SSNMRスペクトルにおいて、21.0、28.5、50.4、120.8、138.5および176.2(±0.3ppm)にピークを有すると特徴づけられる。なおも別の具体的な実施形態において、A形の化合物(1)は、C13 SSNMRスペクトルにおいて、30.1、25.9、22.8および25.0(±0.3ppm)にピークを有すると特徴づけられる。なおも別の具体的な実施形態において、A形の化合物(1)は、表11に列挙されるC13 SSNMRピークを有すると特徴づけられる。なおも別の具体的な実施形態において、A形の化合物(1)は、図8に示されるものと実質的に同じC13 SSNMRスペクトルを有すると特徴づけられる。

0051

1つの実施形態において、本発明は、多形A形の化合物(1)のトシレート塩に関する。この形態は、化合物(1)のトシレート塩の非溶媒和の形態である。1つの具体的な実施形態において、A形の化合物(1)のトシレート塩は、粉末X線回折パターンにおいて、7.2、9.3、13.7、14.3、14.7、16.9、18.7、26.3および26.9(±0.2)度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。別の具体的な実施形態において、A形の化合物(1)のトシレート塩は、粉末X線回折パターンにおいて、6.0、28.0および27.5(±0.2)度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。別の具体的な実施形態において、A形の化合物(1)のトシレート塩は、以下の表14に列挙される位置に2−シータ±0.2で表される特徴的なピークを有するXRPDパターンを有すると特徴づけられる。なおも別の具体的な実施形態において、A形の化合物(1)のトシレート塩は、図9に示されるものと実質的に同じXRPDパターンを有すると特徴づけられる。それらのXRPDパターンは、CuKアルファ線を用いて室温において得られる。

0052

別の実施形態において、本発明は、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩、D形の化合物(1)のHCl塩、A形の化合物(1)およびA形の化合物(1)のトシレート塩を調製する方法に関する。

0053

A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩は、塩化水素(HCl)を化合物(1)と混合する(例えば、撹拌する)工程を用いることによって調製され得る。化合物(1)は、溶媒和であり得るか、非溶媒和であり得るか、非晶質であり得るか、または結晶性であり得る。化合物(1)の溶液スラリーまたは懸濁液は、水および1つまたはそれを超える有機溶媒を含む溶媒系においてHClと混合され得、ここで、その溶媒系は、0.0
5に等しいかまたはそれを超え、かつ0.85に等しいかまたはそれ未満、すなわち、0.05〜0.85という水分活性を有する。用語「水分活性」(aw)は、当該分野で公知であるように本明細書中で使用され、ある溶媒系における水のエネルギー状態尺度を意味する。それは、ある液体蒸気圧を同じ温度の純水の蒸気圧で除算したものとして定義される。具体的には、それは、



と定義され、式中、pは、その物質における水の蒸気圧であり、p0は、同じ温度の純水の蒸気圧であるか、またはaw=lw×xwと定義され、式中、lwは、水の活量係数であり、x0は、水性画分における水のモル分率である。例えば、純水は、1.0という水分活性値を有する。水分活性値は、代表的には、静電容量式湿度計または露点式湿度計のいずれかによって得ることができる。様々なタイプの水分活性計測機器もまた商業的に入手可能である。あるいは、2つまたはそれを超える溶媒の混合物の水分活性値は、それらの溶媒の量およびそれらの溶媒の公知の水分活性値に基づいて算出され得る。

0054

結晶性化合物(1)の例としては、A形の化合物(1)が挙げられる。化合物(1)の溶媒和物の例としては、2−MeTHF、N,N−ジメチルアセトアミド(N,N−dimentylacetamide)、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、キシレン、アセトン、2−ブタノール、酢酸メチル、1−ペンタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド N,N−ジメチルホルムアミド 1,4−ジオキサン、1−ペンタノール、2−メチル−1−プロパノール(2−methy−1−propanol)、メチルエチルケトン、3−メチル−1−ブタノール、ヘプタン、ギ酸エチル、1−ブタノール、酢酸およびエチレングリコールの溶媒和物が挙げられる。具体的な実施形態において、2−MeTHFの溶媒和物(例えば、化合物(1)・1(2−MeTHF))が使用される。

0055

A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩の調製に適した溶媒系は、水と有機溶媒との多種多様の組み合わせから構成され得、ここで、それらの溶媒系の水分活性は、0.05に等しいかまたはそれを超え、かつ0.85に等しいかまたはそれ未満(0.05〜0.85)である。具体的な実施形態において、水分活性の値は、0.4〜0.6である。好適な有機溶媒としては、医薬品規制調和国際会議ガイドラインに列挙されたクラスIIまたはクラスIIIの有機溶媒が挙げられる。好適なクラスIIの有機溶媒の具体的な例としては、クロロベンゼン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエテン、ジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、2−エトキシエタノール、ホルムアミド、ヘキサン、2−メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、N−メチルピロリドン、ニトロメタン、ピリジン、スルホラン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラリン、トルエン(tolune)、1,1,2−トリクロロエテンおよびキシレンが挙げられる。好適なクラスIIIの有機溶媒の具体的な例としては:酢酸、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸ブチル、tert−ブチルメチルエーテル、クメン、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−メチル−1−プロパノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ペンタン、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよび酢酸プロピルが挙げられる。1つの具体的な実施形態において、上記溶媒系の有機溶媒は、クロロベンゼン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、ヘキサン、2−メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、ニトロメタン、テトラリン、キシレン、トルエン、1,1,2−トリクロロエタン、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸ブチル、t−ブチルメチルエーテル、クメン、エタノール、
酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、2−メチル−1−プロパノール、ペンタン、1−プロパノール、1−ペンタノール、2−プロパノール、酢酸プロピル、テトラヒドロフランおよびメチルテトラヒドロフランからなる群より選択される。別の具体的な実施形態において、上記溶媒系の有機溶媒は、2−エトキシエタノール、エチレングリコール、メタノール、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、エタノール、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ピリジン、トルエンおよびキシレンからなる群より選択される。なおも別の実施形態において、上記有機溶媒は、アセトン、n−プロパノール、イソプロパノール、酢酸イソブチルおよび酢酸からなる群より選択される。なおも別の実施形態において、上記有機溶媒は、アセトンおよびイソプロパノールからなる群より選択される。なおも別の具体的な実施形態において、溶媒系は、水および(an)アセトンを含む。なおも別の具体的な実施形態において、溶媒系は、水およびイソプロパノールを含む。

0056

A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩の調製は、任意の好適な温度において行われ得る。代表的には、それは、5℃〜75℃の温度において行われる。具体的な実施形態において、それは、15℃〜75℃の温度において行われる。別の具体的な実施形態において、それは、15℃〜60℃の温度において行われる。なおも別の具体的な実施形態において、それは、15℃〜35℃の温度において行われる。なおも別の具体的な実施形態において、その調製は、0.4〜0.6の水分活性値を有する溶媒系において5℃〜75℃において行われる。なおも別の具体的な実施形態において、その調製は、0.4〜0.6の水分活性値を有する溶媒系において15℃〜75℃において行われる。なおも別の具体的な実施形態において、その調製は、0.4〜0.6の水分活性値を有する溶媒系において15℃〜60℃において行われる。なおも別の具体的な実施形態において、その調製は、0.4〜0.6の水分活性値を有する溶媒系において15℃〜35℃において行われる。

0057

塩化水素(HCl)は、溶液または気体として投入され得る。1つの例として、好適な塩化水素源は、水溶液の重量基準で30〜40wt%(例えば、34wt%〜38wt%)のHClを含む塩化水素の水溶液である。

0058

F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩は、水を含むかまたは水および1つまたはそれを超える有機溶媒を含む溶媒系においてHClおよび化合物(1)を混合することによって調製され得、ここで、その溶媒系は、0.9に等しいかまたはそれを超える(≧0.9)水分活性を有する。その混合物は、溶液、スラリーまたは懸濁液であり得る。化合物(1)は、溶媒和であり得るか、非溶媒和であり得るか、非晶質であり得るか、または結晶性であり得る。あるいは、それは、水を含むかまたは水および1つまたはそれを超える有機溶媒を含む溶媒系においてA形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩を撹拌することによって調製され得、ここで、その溶媒系は、0.9に等しいかまたはそれを超える水分活性を有する。代表的には、純水は、1.0という水分活性値を有する。したがって、0.9〜1.0の水分活性を有する溶媒系が、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩の調製にとって好適であり得る。具体的な実施形態において、混合または撹拌は、周囲温度(18℃〜25℃)において行われる。別の具体的な実施形態において、混合または撹拌は、15℃〜30℃の温度において行われる。別の具体的な実施形態において、混合または撹拌は、20℃〜28℃の温度(例えば、25℃)において行われる。F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩を形成するために好適な有機溶媒(具体的な例を含む)は、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩に対して上に記載されたとおりである。
なおも別の具体的な実施形態において、溶媒系は、水およびアセトンを含む。なおも別の具体的な実施形態において、溶媒系は、水およびイソプロパノールを含む。

0059

D形の化合物(1)のHCl塩は、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩を脱水することによって調製され得る。その脱水は、任意の好適な手段(例えば、加熱もしくは乾燥窒素パージまたはその両方)によって行われ得る。

0060

A形の化合物(1)は、(a)水およびエタノールを含む溶媒系において、非晶質化合物(1)の混合物または化合物(1)の溶媒和物(例えば、化合物(1)の2−MeTHF溶媒和物)を撹拌することによって調製され得る。その混合物は、溶液またはスラリーであり得る。具体的な実施形態において、撹拌工程は、18℃〜90℃の範囲内の温度において行われる。別の具体的な実施形態において、撹拌工程(a)は、溶媒系の還流温度において行われる。別の具体的な実施形態において、溶媒系は、溶媒系の重量基準で5wt%〜15wt%の水を含む。化合物(1)の溶媒和物の例は、上に記載されたとおりである。具体的な実施形態において、2−MeTHFの溶媒和物(例えば、化合物(1)・1(2−MeTHF))が使用される。

0061

別の実施形態において、A形の化合物(1)を調製する方法は、(b)非晶形の化合物(1)をニトロメタン中で撹拌することにより、A形の化合物(1)の種結晶を形成する工程;および(c)そのA形の化合物(1)の種結晶を、混合工程(a)で得られた混合物に加える工程をさらに含む。具体的な実施形態において、その方法は、(b)非晶形の化合物(1)をニトロメタン中で撹拌することにより、A形の化合物(1)の種結晶を形成する工程;(c)混合工程(a)で得られた混合物を18℃〜60℃(例えば、50〜55℃または55℃)の範囲内の温度に冷却する工程;および(d)工程(c)で得られた混合物にA形の化合物(1)の種結晶を加える工程をさらに含む。別の具体的な実施形態において、その方法は、水の添加後に、結果として生じる溶媒系が水を15〜25wt%含むことになるような量の水を、A形の化合物(1)の種結晶を加える前に、還流工程を経て得られた混合物に加える工程をさらに含む。なおも別の具体的な実施形態において、その方法は、水の添加後に、結果として生じる溶媒系が水を35〜45wt%含むことになるような量の水を、A形の化合物(1)の種結晶を含む混合物に加える工程をさらに含む。なおも別の具体的な実施形態において、その方法は、水の添加後の、A形の化合物(1)の種結晶を含む混合物を、0℃〜10℃の温度に冷却する工程をさらに含む。

0062

1つの具体的な実施形態において、A形の化合物(1)の種結晶は、ニトロメタン中の化合物(1)の2−MeTHF溶媒和物によって調製され得る。1つの実施形態において、還流工程のための溶媒系は、溶媒系の重量基準で5〜15wt%(例えば、8wt%、10wt%、または12wt%)の水を含む。

0063

A形の化合物(1)のトシレート塩は、非晶質の化合物(1)または化合物(1)の溶媒和物((例えば、化合物(1)の2−MeTHF溶媒和物)と、p−トルエンスルホン酸と、アセトニトリルを含む溶媒系との混合物を撹拌することによって調製され得る。具体的な実施形態において、混合工程または撹拌工程は、周囲温度において行われる。別の具体的な実施形態において、混合工程または撹拌工程は、15℃〜30℃の温度において行われる。別の具体的な実施形態において、混合工程または撹拌工程は、20℃〜30℃(例えば、25℃)の温度において行われる。化合物(1)の溶媒和物の好適な例(具体的な例を含む)は、A形の化合物(1)の調製に対して上に記載されたとおりである。

0064

なおも別の実施形態において、本発明は、化合物(1)の2−MeTHF溶媒和物に関する。1つの具体的な実施形態において、その溶媒和物は、化合物(1)1つあたり0.5〜1.5当量の2−MeTHF、例えば、化合物(1)1つあたり1当量の2−MeT
HFを含む。1つの具体的な実施形態において、その溶媒和物は、1当量の2−MeTHFを含み、以下の位置、8.4、9.7、16.7、16.9、17.4、21.0、22.3および25.7に2−シータ±0.2で表される特徴的なピークを有するXRPDパターンを有すると特徴づけられる。別の具体的な実施形態において、その溶媒和物は、1当量の2−MeTHFを含み、表12に列挙されるある特定のXRPDピークを有することまたは図10に示されているようなXRPDパターンを有することを特徴とする。

0065

なおも別の実施形態において、本発明は、非晶形の化合物(1)およびその薬学的に許容され得る塩(例えば、化合物(1)の非晶質のHCl塩および非晶質の化合物(1))を包含する。なおも別の実施形態において、本発明は、B形の化合物(1)水和物も包含する。B形の化合物(1)水和物は、A形の化合物(1)と同形であり、A形の化合物(1)に対するXRPDピークと同じXRPDピークを示すが、水の存在下において、例えば、周囲温度において0.6超(例えば、0.6〜1.0)の水分活性を有する系において形成される。

0066

本発明は、単離された形態の、純粋な形態の、または他の材料、例えば、他の形態(すなわち、非晶形、A形の化合物(1)など)の化合物(I)もしくは他の任意の材料と混和されているときは固体組成物としての混合物の、上に記載された多形体の化合物(1)を包含する。

0067

1つの態様において、本発明は、多形体、例えば、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩、D形の化合物(1)のHCl塩、A形の化合物(1)、B形の化合物(1)水和物およびA形の化合物(1)のトシレート塩を、単離された固体の形態で提供する。なおも別の態様において、本発明は、非晶形の化合物(1)およびその薬学的に許容され得る塩、例えば、化合物(1)の非晶質のHCl塩および非晶質の化合物(1)を、単離された固体の形態で提供する。

0068

さらなる態様において、本発明は、多形体、例えば、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩、D形の化合物(1)のHCl塩、A形の化合物(1)、B形の化合物(1)水和物およびA形の化合物(1)のトシレート塩を純粋な形態で提供する。その純粋な形態は、特定の多形体が、95%(w/w)超、例えば、98%(w/w)超、99%(w/w%)超、99.5%(w/w)超または99.9%(w/w)超含むことを意味する。別のさらなる態様において、非晶形の化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩が、純粋な形態で提供される。その純粋な形態は、その非晶形が、95%(w/w)超、例えば、98%(w/w)超、99%(w/w%)超、99.5%(w/w)超または99.9%(w/w)超であることを意味する。

0069

より具体的には、本発明は、1つまたはそれを超える他の結晶形、溶媒和物、非晶形もしくは他の多形体またはそれらの組み合わせを含む多形体の組成物または混合物の形態における多形体の各々を提供する。例えば、1つの実施形態において、その組成物は、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩を化合物(1)の1つまたはそれを超える他の多形体(例えば、非晶形、溶媒和物、D形の化合物(1)のHCl塩、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩、A形の化合物(1)および/もしくは他の形態またはそれらの任意の組み合わせ)とともに含む。同様に、別の実施形態において、その組成物は、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩を化合物(1)の1つまたはそれを超える他の多形体(例えば、非晶形、溶媒和物、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩、D形の化合物(1)のHCl塩、A形の化合物(1)および/もしくは他の形態またはそれらの組み合わせ)とともに含む。同様に、別の実施形態において、その組成物は、D形の化合物(1)のHCl塩を化合物(1)の1つまたはそれを超える他の多形体(例えば、非晶
形、溶媒和物、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩、A形の化合物(1)および/もしくは他の形態またはそれらの組み合わせ)とともに含む。なおも別の実施形態において、その組成物は、A形の化合物(1)を化合物(1)の1つまたはそれを超える他の多形体(例えば、非晶形、水和物、溶媒和物および/もしくは他の形態またはそれらの組み合わせ)とともに含む。なおも別の実施形態において、その組成物は、A形の化合物(1)のトシレート塩を化合物(1)の1つまたはそれを超える他の多形体(例えば、非晶形、水和物、溶媒和物および/もしくは他の形態またはそれらの組み合わせ)とともに含む。より具体的には、その組成物は、その組成物中の化合物(1)の総量に基づいて、微量から100%まで、または任意の量、例えば、0.1重量%〜0.5重量%、0.1重量%〜1重量%、0.1重量%〜2重量%、0.1重量%〜5重量%、0.1重量%〜10重量%、0.1重量%〜20重量%、0.1重量%〜30重量%、0.1重量%〜40重量%または0.1重量%〜50重量%の範囲の特定の多形体を含み得る。あるいは、その組成物は、その組成物中の化合物(1)の総量に基づいて、少なくとも50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%、97重量%、98重量%、99重量%、99.5重量%または99.9重量%の特定の多形体を含み得る。

0070

本発明の目的のために、化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.に従って特定される。さらに、有機化学の一般原理は、“Organic Chemistry”,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausolito:1999および“March’s Advanced Organic Chemistry”,5th Ed.,Ed.:Smith,M.B.and March,J.,John Wiley & Sons,New York:2001(これらの全内容が参照により本明細書に援用される)に記載されている。

0071

別段示されない限り、本明細書中に描かれる構造は、その構造のすべての異性体(例えば、鏡像異性体ジアステレオ異性体、cis−trans異性体、配座異性体および回転異性体)を含むとも意味される。例えば、各不斉中心に対するRおよびS配置、(Z)および(E)二重結合異性体、ならびに(Z)および(E)配座異性体のうちの1つしか、明確に描かれていない限り、それらの異性体は、本発明に含まれる。当業者には理解され得るように、置換基は、任意の回転可能な結合の周りを自由に回転し得る。例えば、



として描かれる置換基は、



にも相当する。

0072

ゆえに、本化合物の単一の立体化学異性体、ならびに鏡像異性体混合物ジアステレオ異性体混合物、cis/trans異性体の混合物、配座異性体の混合物および回転異性体の混合物が、本発明の範囲内である。

0073

別段示されない限り、本発明の化合物の互変異性体のすべてが、本発明の範囲内である。

0074

さらに、別段示されない限り、本明細書中に描かれる構造は、1つまたはそれを超える同位体的富化された原子の存在だけが異なる化合物を含むとも意味される。例えば、重水素もしくは三重水素による水素の置き換え、または13Cもしくは14Cに富化された炭素による炭素の置き換え以外は本構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。そのような化合物は、例えば、分析ツールまたは生物学的アッセイにおけるプローブとして有用である。そのような化合物、特に、重水素アナログは、治療的にも有用であり得る。

0075

本明細書中に記載される化合物は、それらの化学構造および/または化学名によって定義される。ある化合物が、化学構造と化学名の両方によって言及され、その化学構造と化学名とが矛盾する場合、その化学構造が、その化合物が何であるかを決定する。

0076

本発明に係る化合物がキラル中心を含み得ることは、当業者によって認識される。したがって、それらの式の化合物は、2つの異なる光学異性体(すなわち、(+)または(−)鏡像異性体)の形態で存在し得る。そのようなすべての鏡像異性体およびラセミ混合物を含むそれらの混合物が、本発明の範囲内に含まれる。単一の光学異性体または鏡像異性体は、当該分野で周知の方法(例えば、キラルHPLC酵素的分割およびキラル補助剤)によって得ることができる。

0077

1つの実施形態において、本発明に係る化合物は、対応する鏡像異性体を含まず、少なくとも95%、少なくとも97%および少なくとも99%の単一の鏡像異性体の形態で提供される。

0078

さらなる実施形態において、本発明に係る化合物は、対応する(−)鏡像異性体を含まず、少なくとも95%の(+)鏡像異性体の形態で存在する。

0079

さらなる実施形態において、本発明に係る化合物は、対応する(−)鏡像異性体を含まず、少なくとも97%の(+)鏡像異性体の形態で存在する。

0080

さらなる実施形態において、本発明に係る化合物は、対応する(−)鏡像異性体を含まず、少なくとも99%の(+)鏡像異性体の形態で存在する。

0081

さらなる実施形態において、本発明に係る化合物は、対応する(+)鏡像異性体を含まず、少なくとも95%の(−)鏡像異性体の形態で存在する。

0082

さらなる実施形態において、本発明に係る化合物は、対応する(+)鏡像異性体を含まず、少なくとも97%の(−)鏡像異性体の形態で存在する。

0083

さらなる実施形態において、本発明に係る化合物は、対応する(+)鏡像異性体を含まず、少なくとも99%の(−)鏡像異性体の形態で存在する。

0084

II.化合物(1)およびその薬学的に許容され得る塩の使用

0085

本発明の1つの態様は、概して、生物学的サンプルまたは患者におけるインフルエンザウイルスの複製を阻害するため、生物学的サンプルまたは患者におけるインフルエンザウイルスの量を減少させるため(ウイルス価を低下させるため)、および患者におけるインフルエンザを処置するために、上に記載された様々な固体の形態(例えば、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩、D形の化
合物(1)のHCl塩、A形の化合物(1)、B形の化合物(1)水和物およびA形の化合物(1)のトシレート塩)を含む化合物(1)およびその薬学的に許容され得る塩を使用することに関する。本明細書中以後、別段具体的に示されない限り、上に記載された様々な固体の形態(例えば、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩、D形の化合物(1)のHCl塩、A形の化合物(1)、B形の化合物(1)水和物およびA形の化合物(1)のトシレート塩)を含む化合物(1)およびその薬学的に許容され得る塩は、広く化合物について言及される。

0086

1つの実施形態において、本発明は、概して、上で特定された使用法のいずれかのための、本明細書中に開示される化合物(例えば、薬学的に許容され得る組成物中の化合物)の使用に関する。

0087

なおも別の実施形態において、本明細書中に開示される化合物は、生物学的サンプル(例えば、感染した細胞培養物)中のウイルス価またはヒトにおけるウイルス価(例えば、患者におけるのウイルス価)を低下させるために使用され得る。

0088

用語「インフルエンザウイルスによって媒介される症状」、「インフルエンザ感染」または「インフルエンザ」は、本明細書中で使用されるとき、インフルエンザウイルスによる感染によって引き起こされる疾患を意味するために相互交換可能に使用される。

0089

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる、鳥類および哺乳動物発症する感染症である。インフルエンザウイルスは、5つの属:インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB、インフルエンザウイルスC、ISAウイルスおよびトゴトウイルスを含むオルトミクソウイルス科のRNAウイルスである。インフルエンザウイルスA属は、1つの種、インフルエンザAウイルスを有し、それは、これらのウイルスに対する抗体応答に基づいて異なる血清型に細分され得る:H1N1、H2N2、H3N2、H5N1、H7N7、H1N2、H9N2、H7N2、H7N3およびH10N7。インフルエンザAウイルスのさらなる例としては、H3N8およびH7N9が挙げられる。インフルエンザウイルスB属は、1つの種、インフルエンザBウイルスを有する。インフルエンザBは、ほとんどもっぱらヒトに感染し、インフルエンザAよりも一般的でない。インフルエンザウイルスC属は、1つの種、インフルエンザCウイルスを有し、これは、ヒトおよびブタに感染し、重症の疾病および地域的流行を引き起こし得る。しかしながら、インフルエンザウイルスCは、他のタイプよりも一般的でなく、通常、小児において軽症の疾患を引き起こすとみられる。

0090

本発明のいくつかの実施形態において、インフルエンザまたはインフルエンザウイルスは、インフルエンザウイルスAまたはBに関連する。本発明のいくつかの実施形態において、インフルエンザまたはインフルエンザウイルスは、インフルエンザウイルスAに関連する。本発明のいくつかの具体的な実施形態において、インフルエンザウイルスAは、H1N1、H2N2、H3N2またはH5N1である。本発明のいくつかの具体的な実施形態において、インフルエンザウイルスAは、H1N1、H3N2、H3N8、H5N1およびH7N9である。本発明のいくつかの具体的な実施形態において、インフルエンザウイルスAは、H1N1、H3N2、H3N8およびH5N1である。

0091

ヒトでは、インフルエンザの一般的な症候は、悪寒発熱咽頭炎筋痛重度頭痛咳嗽脱力および全体的な不快感である。より重症の場合、インフルエンザは、肺炎を引き起こし、それは、特に低年齢小児および高齢者において致死的であり得る。インフルエンザは、感冒混同されることが多いが、さらにいっそう重症の疾患であり、異なるタイプのウイルスによって引き起こされる。インフルエンザは、特に、小児では悪心および嘔吐を生じさせ得るが、これらの症候は、無関係な胃腸炎に特徴的であり、それは、時折
、「ウイルス性胃腸炎(stomach flu)」または「24時間インフルエンザ(24−hour flu)」と呼ばれる。

0092

インフルエンザの症候は、感染の1〜2日後にかなり突然始まり得る。通常、最初の症候は、悪寒または寒気であるが、感染の初期では発熱も一般的であり、体温は、38℃〜39℃(およそ100°F〜103°F)である。多くの人は、全身にわたる痛みおよび疼痛(背中および脚においてより不良)を伴って、数日間にわたって病床に伏せるほど不調である。インフルエンザの症候としては、身体の痛み、特に、関節および咽頭の痛み、極度冷感および発熱、疲労、頭痛、刺激されてが出ている眼、赤くなった眼、皮膚(特に、顔面)、口、咽頭および鼻、腹痛(インフルエンザBを有する小児において)が挙げられ得る。インフルエンザの症候は、非特異的であり、多くの病原体重複する(「インフルエンザ様疾病」)。通常、診断確定するためには、検査データが必要である。

0093

用語「疾患」、「障害」および「症状」は、インフルエンザウイルスによって媒介される医学的または病理学的な症状のことを指すために交換可能に本明細書中で使用され得る。

0094

本明細書中で使用されるとき、用語「被験体」および「患者」は、交換可能に使用される。用語「被験体」および「患者」とは、動物(例えば、鳥類、例えば、ニワトリウズラもしくはシチメンチョウ、または哺乳動物)、具体的には、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマヒツジウサギモルモットラットネコイヌおよびマウス)および霊長類(例えば、サルチンパンジーおよびヒト)を含む「哺乳動物」、より具体的にはヒトのことを指す。1つの実施形態において、被験体は、非ヒト動物、例えば、家畜(例えば、ウマ、ウシ、ブタまたはヒツジ)またはペット(例えば、イヌ、ネコ、モルモットまたはウサギ)である。好ましい実施形態において、被験体は、「ヒト」である。

0095

用語「生物学的サンプル」は、本明細書中で使用されるとき、細胞培養物またはその抽出物;哺乳動物から得られた生検材料またはその抽出物;血液、唾液、尿、便、精液涙液もしくは他の体液またはそれらの抽出物を含むがこれらに限定されない。

0096

本明細書中で使用されるとき、「感染効率」または「MOI」は、感染性物質(例えば、ファージまたはウイルス)と感染の標的(例えば、細胞)との比である。例えば、感染性ウイルス粒子接種された細胞の群について言及しているとき、感染効率またはMOIは、ウェル内に沈着した感染性ウイルス粒子の数をそのウェルの中に存在する標的細胞の数で除算することによって定義される比である。

0097

本明細書中で使用されるとき、用語「インフルエンザウイルスの複製の阻害」は、ウイルス複製の量の減少(例えば、少なくとも10%減少)とウイルス複製の完全な停止(すなわち、ウイルス複製の量の100%減少)の両方を含む。いくつかの実施形態において、インフルエンザウイルスの複製は、少なくとも50%、少なくとも65%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%阻害される。

0098

インフルエンザウイルスの複製は、当該分野で公知の任意の好適な方法によって計測され得る。例えば、生物学的サンプル(例えば、感染した細胞培養物)中のインフルエンザウイルス価またはヒトにおけるインフルエンザウイルス価(例えば、患者における肺のウイルス価)が、計測され得る。より具体的には、細胞ベースのアッセイの場合、各場合において、細胞をインビトロで培養し、試験物質の存在下または非存在下において、その培養物にウイルスを加え、好適な長さの時間が経過した後、ウイルスに依存するエンドポイントを評価する。代表的なアッセイの場合、Madin−Darbyイヌ腎臓細胞(MDCK)および標準的な組織培養適合されたインフルエンザ株であるA/Puerto
Rico/8/34が使用され得る。本発明において使用され得る第1のタイプの細胞アッセイは、細胞変性効果CPE)と呼ばれるプロセス(ここで、ウイルス感染は、細胞資源の消耗およびその細胞の最終的な溶解を引き起こす)である、感染した標的細胞の死滅に依存する。この第1のタイプの細胞アッセイでは、マイクロタイタープレートのウェルの中の低い割合の細胞を感染させ(通常、1/10〜1/1000)、ウイルスを、48〜72時間にわたって数回複製させ、そして非感染のコントロールと比べたときの細胞のATP含有量の減少を用いて、細胞死の量を計測する。本発明において使用され得る第2のタイプの細胞アッセイは、感染した細胞におけるウイルス特異的RNA分子分裂増殖に依存し、ここで、RNAレベルは、分枝鎖DNAハイブリダイゼーション法(bDNA)を用いて直接計測される。この第2のタイプの細胞アッセイでは、はじめにマイクロタイタープレートのウェルの中の少数の細胞を感染させ、そのウイルスを、感染した細胞の中で複製させてさらなる世代の細胞にまで広げ、そして、それらの細胞を溶解してウイルスRNA含有量を計測する。このアッセイは、すべての標的細胞が生存可能である間に、早期に、通常、18〜36時間後に停止される。ウイルスRNAは、アッセイプレートのウェルに固定された特異的なオリゴヌクレオチドプローブへのハイブリダイゼーション、次いで、レポーター酵素に連結されたさらなるプローブとのハイブリダイゼーションによるシグナル増幅によって定量される。

0099

本明細書中で使用されるとき、「ウイルス価(または力価)」は、ウイルス濃度の尺度である。力価の試験は、段階希釈を使用することにより、陽性または陰性とだけ本質的に評価する分析手順からおおよその定量的情報を得ることができる。この力価は、なおも陽性の読み取りをもたらす最も高い希釈係数に対応する;例えば、2倍の段階希釈物の最初の8つにおける陽性の読み取りは、1:256という力価に言い換えられる。具体的な例は、ウイルス価である。その力価を測定するために、いくつかの希釈物(例えば、10−1、10−2、10−3、10−4、10−5、10−6、10−7、10−8)が調製される。なおも細胞に感染する最も低いウイルス濃度が、ウイルス価である。

0100

本明細書中で使用されるとき、用語「処置する(treat)」、「処置」および「処置する(treating)」とは、治療的な処置と予防的な処置の両方のことを指す。例えば、治療的な処置には、インフルエンザウイルスによって媒介される症状の進行、重症度および/もしくは持続時間の減少もしくは回復、または1つもしくはそれを超える治療(例えば、1つまたはそれを超える治療薬、例えば、本発明の化合物または組成物)の投与に起因する、インフルエンザウイルスによって媒介される症状の1つもしくはそれを超える症候(具体的には、1つまたはそれを超える識別可能な症候)の回復が含まれる。特定の実施形態において、治療的な処置には、インフルエンザウイルスによって媒介される症状の少なくとも1つの計測可能な身体的パラメータの回復が含まれる。他の実施形態において、治療的な処置には、身体的(例えば、識別可能な症候の安定化によるもの)、生理的(例えば、身体的パラメータの安定化によるもの)またはその両方による、インフルエンザウイルスによって媒介される症状の進行の阻害が含まれる。他の実施形態において、治療的な処置には、インフルエンザウイルスによって媒介される感染症の減少または安定化が含まれる。抗ウイルス薬は、症候の重症度を低下させるためおよび体調の悪い日数を減少させるために、すでにインフルエンザを有する人々を処置するために社会環境において使用され得る。

0101

用語「化学療法」とは、障害または疾患を処置するための薬剤、例えば、小分子薬物(「ワクチン」ではないもの)の使用のことを指す。

0102

用語「予防法」または「予防的使用」および「予防的な処置」は、本明細書中で使用されるとき、目的が疾患を処置または治癒することではなく予防することである、任意の医学的なまたは公衆衛生上の手順のことを指す。本明細書中で使用されるとき、用語「予防
する(prevent)」、「予防」および「予防する(preventing)」とは、現在は病気ではないが、その疾患を有していた人の近くにいたことがあるかまたは近くにいる可能性がある被験体における、所与の症状を獲得するかもしくは発症するリスクの低下、または再発もしくは前記症状の減少もしくは阻害のことを指す。用語「化学的予防法」とは、障害または疾患を予防するための、薬剤、例えば、小分子薬物(「ワクチン」ではないもの)の使用のことを指す。

0103

本明細書中で使用されるとき、予防的使用には、重度のインフルエンザ合併症のリスクが高い多数の人々が互いに密接に接触して生活している場所(例えば、病棟デイケアセンター刑務所ナーシングホームなど)において接触感染または感染の広がりを防ぐために、大流行が検出された状況において使用することが含まれる。予防的使用には、インフルエンザからの保護を必要とするが、ワクチン接種後に保護されていない(例えば、免疫系が弱いことに起因して)集団の間で使用すること、またはその集団がワクチンを入手できないとき、もしくはその集団が副作用のせいでワクチンを受けられないとき、その集団の間で使用することも含まれる。ワクチン接種後の2週間の間は、ワクチンがまだ無効である時間であるので、予防的使用には、その2週間の間に使用することも含まれる。予防的使用には、インフルエンザにかかっていないかまたは合併症のリスクが高いと考えられない人がインフルエンザに感染する確率を低下させるため、およびその人(例えば、医療従事者、ナーシングホームの労働者など)と密接に接触する高リスク者に伝染させる確率を低下させるために、そのインフルエンザにかかっていないかまたは合併症のリスクが高いと考えられない人を処置することも含まれることがある。

0104

米国のCDCによると、インフルエンザの「大流行」は、互いに近接している人々の群(例えば、介護付き老人ホームの同じ区域にいる人々、同じ世帯の人々など)において、正常なバックグラウンドの割合を超えて、または解析された集団内のいずれかの被験体がインフルエンザの検査で陽性と出たとき、48〜72時間以内に生じる急性熱性呼吸器疾患AFRI)の急増と定義される。任意の検査方法によって確定されたインフルエンザの1例は、大流行と考えられる。

0105

クラスター」は、互いに近接している人々の群(例えば、介護付き老人ホームの同じ区域にいる人々、同じ世帯の人々など)において48〜72時間以内に生じる3例またはそれを超える症例のAFRIの群として定義される。

0106

本明細書中で使用されるとき、「インデックスケース」、「最初の症例」または「患者第1号」は、疫学調査の集団サンプルにおける最初の患者である。疫学的調査におけるそのような患者のことを指すために広く使用されるとき、その用語は、大文字で書かれない。その用語が、具体的な調査に関する報告の中でその人の名前の代わりに特定人物のことを指すために使用されるとき、その用語は、患者第1号(Patient Zero)と大文字で書かれる。しばしば、科学者らは、その疾患がどのように広がるか、およびどの貯蔵所が大流行の間にその疾患を保持しているかを明らかにするために、インデックスケースを探し求める。インデックスケースは、大流行の出現を示す1番目の患者であることに注意されたい。それより早い症例が見つかる場合があり、それらは、第1、第2、第3などと名称がつけられる。

0107

1つの実施形態において、本発明の方法は、インフルエンザウイルスによる感染に起因する合併症の素因を有する患者、具体的にはヒトに対する予防的なまたは「先制」の措置である。例えば、「先制」使用におけるような、用語「先制」または、「先制的に」は、本明細書中で使用されるとき、「インデックスケース」または「大流行」が確認された状況における、コミュニティーまたは集団群の残りの部分への感染の広がりを予防するための予防的な使用である。

0108

別の実施形態において、本発明の方法は、感染の広がりを予防するために、コミュニティーまたは集団群のメンバー、具体的にはヒトに「先制」の措置として利用される。

0109

本明細書中で使用されるとき、「有効量」とは、所望の生物学的応答を誘発するのに十分な量のことを指す。本発明において、所望の生物学的応答は、インフルエンザウイルスの複製を阻害すること、インフルエンザウイルスの量を減少させること、またはインフルエンザウイルスの感染の重症度、期間、進行もしくは発生を減少させるかもしくは回復させること、インフルエンザウイルスの感染の進行を妨げること、インフルエンザウイルスの感染に関連する症候の再発、発症、発生もしくは進行を妨げること、またはインフルエンザの感染に対して使用される別の治療の予防もしくは治療効果(単数または複数)を増強するかもしくは改善することである。被験体に投与される化合物の正確な量は、投与様式、感染のタイプおよび重症度、ならびに被験体の特色(例えば、全般的健康状態、年齢、性別、体重および薬物に対する耐性)に依存する。当業者は、これらの因子および他の因子に応じて適切な投与量を決定することができる。他の抗ウイルス剤と共投与されるとき、例えば、抗インフルエンザ薬と共投与されるとき、その第2の薬剤の「有効量」は、使用される薬物のタイプに依存する。好適な投与量は、承認された薬剤については公知であり、被験体の症状、処置されている症状(単数または複数)のタイプおよび使用されている本明細書中に記載される化合物の量に従って、当業者によって調整され得る。量が明白に述べられていない場合、有効量が想定されるべきである。例えば、本明細書中に開示される化合物は、治療的な処置または予防的な処置のために、およそ0.01〜100mg/kg体重/日の投与量の範囲内で被験体に投与され得る。

0110

一般に、投与レジメンは、処置されている障害およびその障害の重症度;使用されている具体的な化合物の活性;使用されている具体的な組成物;患者の年齢、体重、全般的な健康状態、性別および食事;使用されている具体的な化合物の投与時間、投与経路および排出速度;被験体の腎臓および肝臓の機能;ならびに使用されている特定の化合物またはその塩、処置の期間;使用されている具体的な化合物と併用してまたは同時に使用される薬物、ならびに医学分野において周知の同様の因子を含む種々の因子に従って選択され得る。当業者は、その疾患を処置するため、予防するため、阻害するため(完全にまたは部分的に)またはその疾患の進行を停止するために必要な本明細書中に記載される化合物の有効量を容易に決定することおよび処方することができる。

0111

本明細書中に記載される化合物の投与量は、0.01〜100mg/kg体重/日、0.01〜50mg/kg体重/日、0.1〜50mg/kg体重/日または1〜25mg/kg体重/日の範囲であり得る。1日あたりの総量は、単回用量で投与され得るか、または複数回用量(例えば、1日2回(例えば、12時間毎)、1日3回(例えば、8時間毎)または1日4回(例えば、6時間毎))で投与され得ると理解される。

0112

いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される化合物(例えば、化合物(1)およびその薬学的に許容され得る塩(様々な固体の形態(例えば、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩、D形の化合物(1)のHCl塩、A形の化合物(1)、B形の化合物(1)水和物およびA形の化合物(1)のトシレート塩)を含む)の投与量は、100mg〜1,600mg、例えば、400mg〜1,600mgまたは400mg〜1,200mgの範囲内である。各用量は、1日1回(QD)、1日あたり2回(例えば、12時間毎(BID))または1日あたり3回(例えば、q8h(TID))で取り入れられ得る。QD、BIDおよびTIDの任意の組み合わせが、所望のとおりに、例えば、1日目のBIDに続いてその後はQDが、使用され得ることに注意する。

0113

いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される化合物(例えば、化合物(1)およびその薬学的に許容され得る塩(様々な固体の形態(例えば、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩、D形の化合物(1)のHCl塩)を含む)の投与量は、100mg〜1,600mg、例えば、400mg〜1,600mgまたは400mg〜1,200mgの範囲内である。各用量は、1日1回(QD)、1日あたり2回(例えば、12時間毎(BID))または1日あたり3回(例えば、q8h(TID))で取り入れられ得る。QD、BIDおよびTIDの任意の組み合わせが、所望のとおりに、例えば、1日目のBIDに続いてその後はQD、または1日目に負荷投与量が用いられるときは2日目のBIDに続いてその後はQDが、使用され得ることに注意する。

0114

1つの具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物の投与量は、1日1回の400mg〜1,600mg、400mg〜1,200mgまたは600mg〜1,200mgである。別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物の投与量は、1日2回の400mg〜1,600mg、400mg〜1,200mgまたは300mg〜900mgである。なおも別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物の投与量は、1日1回の400mg〜1,000mgである。なおも別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物の投与量は、1日1回の600mg〜1,000mgである。なおも別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物の投与量は、1日1回の600mg〜800mgである。なおも別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物の投与量は、1日2回の400mg〜800mg(例えば、12時間毎の400mg〜800mg)である。なおも別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物の投与量は、1日2回の400mg〜600mgである。

0115

いくつかの実施形態において、負荷投与レジメンが用いられる。1つの具体的な実施形態において、400mg〜1,600mgの負荷量が、処置の1日目に用いられる。別の具体的な実施形態において、600mg〜1,600mgの負荷量が、処置の1日目に用いられる。別の具体的な実施形態において、800mg〜1,600mgの負荷量が、処置の1日目に用いられる。なおも別の具体的な実施形態において、900mg〜1,600mgの負荷量が、処置の1日目に用いられる。なおも別の具体的な実施形態において、900mg〜1,200mgの負荷量が、処置の1日目に用いられる。なおも別の具体的な実施形態において、900mgの負荷量が、処置の1日目に用いられる。なおも別の具体的な実施形態において、1,000mgの負荷量が、処置の1日目に用いられる。なおも別の具体的な実施形態において、1,200mgの負荷量が、処置の1日目に用いられる。

0116

1つの具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物の投与レジメンは、1日目に600mg〜1,600mgの負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって300mg〜1,200mgの定まった投与量を使用する。定まった各用量は、1日1回、1日2回もしくは1日3回またはそれらの任意の組み合わせで取り入れられ得る。さらに具体的な実施形態において、900mg〜1,600mg(例えば、900mg、1,200mgまたは1,600mg)の負荷投与量が用いられる。別のさらに具体的な実施形態において、900mg〜1,200mg(例えば、900mgまたは1,200mg)の負荷投与量が用いられる。なおも別のさらに具体的な実施形態において、400mg〜1,200mg(400mg、600mgまたは800mg)の定まった投与量が、その処置期間の残りの期間にわたって用いられる。なおも別のさらに具体的な実施形態において、その処置の残りの期間にわたる400mg〜1,000mgの定まった投与量。なおも別のさらに具体的な実施形態において、400mg〜800mgの定まった投与量が、その処置期間の残りの期間にわたって用いられる。なおも別のさらに具体的な
実施形態において、1日2回の300mg〜900mgの定まった投与量が用いられる。なおも別のさらに具体的な実施形態において、1日1回の600mg〜1,200mgの定まった投与量が用いられる。なおも別のさらに具体的な実施形態では、2日目に1日2回の600mgの定まった投与量の後、その処置期間の残りの期間にわたって1日1回の600mg。

0117

治療的な処置のために、本明細書中に記載される化合物は、例えば、症候(例えば、鼻閉咽喉炎、咳、痛み、疲労、頭痛および悪寒/発汗)の発生の48時間以内(または40時間以内、または2日未満、または1.5日未満、または24時間以内)に患者に投与され得る。あるいは、治療的な処置のために、本明細書中に記載される化合物は、例えば、症候の発生の96時間以内に患者に投与され得る。その治療的な処置は、任意の好適な期間、例えば、3日間、4日間、5日間、7日間、10日間、14日間などにわたって継続し得る。地域社会の大流行の間の予防的な処置のために、本明細書中に記載される化合物は、インデックスケースにおいて、例えば、症候の発生の2日以内に患者に投与され得、任意の好適な期間、例えば、7日間、10日間、14日間、20日間、28日間、35日間、42日間などにわたって、インフルエンザシーズン全体まで、続けられ得る。インフルエンザシーズンは、インフルエンザの大流行の蔓延を特徴とする、毎年繰り返し発生する時期である。インフルエンザの活動は、時折、予測することができ、地理的に追跡することさえもできる。各シーズンにおける主要なインフルエンザの活動の開始は、場所によって異なるが、いずれの具体的な場所においても、これらの小さい流行は、通常、ピークを迎えるまでに3〜4週間を要し、著しく減少するまでにさらに3〜4週間を要する。代表的には、Centers for Disease Control(CDC)が、米国において一年中、インフルエンザの活動に関する情報を収集し、集計し、および解析し、10月から5月中旬まで週報を作成する。

0118

1つの実施形態において、治療的な処置は、1日間からインフルエンザシーズン全体にわたって継続する。1つの具体的な実施形態において、治療的な処置は、3日間〜14日間継続する。別の具体的な実施形態において、治療的な処置は、5日間〜14日間継続する。別の具体的な実施形態において、治療的な処置は、3日間〜10日間継続する。なおも別の具体的な実施形態において、治療的な処置は、4日間〜10日間継続する。なおも別の具体的な実施形態において、治療的な処置は、5日間〜10日間継続する。なおも別の具体的な実施形態において、治療的な処置は、4日間〜7日間(例えば、4日間、5日間、6日間または7日間)継続する。なおも別の具体的な実施形態において、治療的な処置は、5日間〜7日間(例えば、5日間、6日間または7日間)継続する。1つの具体的な実施形態において、予防的な処置は、インフルエンザシーズン全体まで継続する。

0119

1つの具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、3日間〜14日間(例えば、5日間〜14日間)にわたって、1日目に900mg〜1,600mgの負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって300mg〜1,200mgの定まった投与量で患者に投与される。別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、3日間〜14日間(例えば、5日間〜14日間)にわたって、1日目に900mg〜1,200mgの負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって400mg〜1,000mgの定まった投与量で患者に投与される。なおも別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、3日間〜14日間(例えば、5日間〜14日間)にわたって、1日目に900mg〜1,200mgの負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって400mg〜800mgの定まった投与量で患者に投与される。なおも別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、3日間〜14日間(例えば、5日間〜14日間)にわたって、1日目に900mg〜1,200mgの負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって400mg〜800mgの定まった投与量で患者に投与される。各用量は、1日1回、1日2回もしくは1日
3回またはそれらの任意の組み合わせで取り入れられ得る。

0120

1つの具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、3日間〜14日間にわたって、1日目に900mg〜1,600mgの負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって1日1回の600mg〜1,000mgの定まった投与量で患者に投与される。別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、3日間〜14日間にわたって、1日目に900mg〜1,200mgの負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって1日1回の600mg〜800mg(例えば、600mg、650mg、700mg、750mgまたは800mg)の定まった投与量で患者に投与される。いくつかの実施形態において、処置期間は、4日間〜10日間、5日間〜10日間または5日間〜7日間である。

0121

1つの具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、3日間〜14日間にわたって、1日目に900mg〜1,600mgの負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって1日2回の400mg〜800mgの定まった投与量で患者に投与される。別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、3日間〜14日間にわたって、1日目に900mg〜1,200mgの負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって1日2回の400mg〜600mg(例えば、400mg、450mg、500mg、550mgまたは600mg)の定まった投与量で患者に投与される。いくつかの実施形態において、その期間は、4日間〜10日間、5日間〜10日間または5日間〜7日間である。

0122

1つの具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、4日間または5日間にわたって、1日目に900mg〜1,200mg(例えば、900mgまたは1,200mg)の負荷投与量、およびその処置の残りの期間(例えば、2〜4日目または2〜5日目)にわたって1日2回の400mg〜600mg(例えば、400mgまたは600mg)の定まった投与量で患者に投与される。別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、4日間または5日間にわたって、1日目に900mg〜1,200mg(例えば、900mgまたは1,200mg)の負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって1日1回の600mg〜800mg(例えば、600mgまたは800mg)の定まった投与量で患者に投与される。

0123

様々なタイプの投与方法が、本発明において使用することができ、それは、下記の「投与方法」という標題の項に詳細に記載されている。

0124

様々なタイプの投与方法を本発明において使用することができ、それは、下記の「投与方法」という標題の項に詳細に記載される。

0125

III.併用療法

0126

有効量は、本発明の化合物(薬学的に許容され得る塩または溶媒和物(例えば、水和物)を含む)を単独でまたは好適なさらなる治療薬、例えば、抗ウイルス剤もしくはワクチンと併用して使用する本発明の方法または薬学的組成物において達成され得る。「併用療法」が用いられるとき、有効量は、第1の量の本発明の化合物および第2の量の好適なさらなる治療薬(例えば、抗ウイルス剤またはワクチン)を使用して達成され得る。

0127

本発明の別の実施形態において、本発明の化合物およびさらなる治療薬は、各々、有効量で(すなわち、各々が単独で投与される場合に治療的に有効である量で)投与される。別の実施形態において、本発明の化合物およびさらなる治療薬は、各々、単独では治療効果をもたらさない量(治療用量以下の用量)で投与される。なおも別の実施形態において
、本発明の化合物は、有効量で投与され得、さらなる治療薬は、治療用量以下の用量で投与される。なおも別の実施形態において、本発明の化合物は、治療用量以下の用量で投与され得、さらなる治療薬、例えば、好適な癌治療薬は、有効量で投与される。

0128

本明細書中で使用されるとき、用語「併用して」または「共投与」は、1つより多い治療(例えば、1つまたはそれを超える予防薬および/または治療薬)の使用のことを指すために交換可能に使用され得る。それらの用語の使用は、治療(例えば、予防薬および/または治療薬)が被験体に投与される順序を限定しない。

0129

共投与は、本質的に同時の様式(例えば、第1の量と第2の量の固定された比率を有する単一の薬学的組成物、例えば、カプセル剤または錠剤)における、または各々に対して別個の複数のカプセル剤もしくは錠剤における、第1の量および第2の量の化合物の共投与を包含する。さらに、そのような共投与は、いずれかの順序での連続した様式での各化合物の使用も包含する。

0130

1つの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される化合物を使用して、生物学的サンプルもしくは患者においてインフルエンザウイルスの複製を阻害するため、または患者におけるインフルエンザウイルスの感染を処置するためもしくは予防するための併用療法の方法に関する。したがって、本発明の薬学的組成物には、本発明のインフルエンザウイルスの複製の阻害剤を、抗インフルエンザウイルス活性を示す抗ウイルス化合物とともに含む組成物も含まれる。

0131

本明細書中に記載される化合物および本発明の組成物を使用する方法は、化学療法と本発明の化合物もしくは組成物との併用、または本発明の化合物もしくは組成物と別の抗ウイルス剤およびインフルエンザワクチンによるワクチン接種との併用も含む。

0132

共投与が、第1の量の本発明の化合物および第2の量のさらなる治療薬の別個の投与を含むとき、それらの化合物は、所望の治療効果をもたらすのに十分に近い時点において投与される。例えば、所望の治療効果をもたらし得る各投与の間の時間の長さは、数分から数時間の範囲であり得、各化合物の特性(例えば、効力、溶解度、バイオアベイラビリティ、血漿半減期および動態学プロファイル)を考慮に入れて決定され得る。例えば、本発明の化合物および第2の治療薬は、互いの24時間以内に、互いの16時間以内に、互いの8時間以内に、互いの4時間以内に、互いの1時間以内に、または互いの30分以内に、任意の順序で投与され得る。

0133

より具体的には、第1の治療(例えば、予防薬または治療薬、例えば、本発明の化合物)は、被験体に第2の治療(例えば、予防薬または治療薬、例えば、抗癌剤)を投与する前(例えば、5分前、15分前、30分前、45分前、1時間前、2時間前、4時間前、6時間前、12時間前、24時間前、48時間前、72時間前、96時間前、1週間前、2週間前、3週間前、4週間前、5週間前、6週間前、8週間前または12週間前)、その投与と同時、またはその投与の後(例えば、5分後、15分後、30分後、45分後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後、6週間後、8週間後または12週間後)に投与され得る。

0134

第1の量の本発明の化合物と第2の量のさらなる治療薬との共投与の方法は、増強された治療効果または相乗的な治療効果をもたらし得ることが理解され、ここで、その組み合された効果は、第1の量の本発明の化合物と第2の量のさらなる治療薬との別個の投与から生じる相加効果より大きい。

0135

本明細書中で使用されるとき、用語「相乗的な」とは、本発明の化合物と別の治療(例えば、予防薬または治療薬)との組み合わせのことを指し、それは、それらの治療の相加効果よりも効果的である。治療の併用(例えば、予防薬または治療薬の併用)の相乗効果は、1つまたはそれを超えるそれらの治療をより低い投与量で使用すること、および/または前記治療を被験体により低い頻度で投与することを可能にし得る。より低い投与量の治療(例えば、予防薬または治療薬)を使用することおよび/またはより低い頻度で前記治療を投与することができることにより、障害の予防、管理または処置において前記治療の有効性を低下させることなく、被験体への前記治療の投与に関連する毒性を減少させることができる。さらに、相乗効果は、障害の予防、管理または処置における薬剤の有効性の改善をもたらし得る。最終的には、治療の併用(例えば、予防薬または治療薬の併用)の相乗効果は、いずれかの治療を単独で使用するのに関連する有害なまたは望まれない副作用を回避し得るか、または減少させ得る。

0136

本発明の化合物を使用する併用療法が、インフルエンザワクチンと併用されるとき、各投与間の時間を、より長くすることができるように(例えば、数日間、数週間または数ヶ月間)、両方の治療薬が投与され得る。

0137

相乗効果の存在は、薬物の相互作用を評価するのに適した方法を用いて判定され得る。好適な方法としては、例えば、Sigmoid−Emax方程式(Holford,N.H.G.and Scheiner,L.B.,Clin.Pharmacokinet.6:429−453(1981))、Loewe加算方程式(Loewe,S.and
Muischnek,H.,Arch.Exp.Pathol Pharmacol.114:313−326(1926))および半有効方程式(median−effect equation)(Chou,T.C.and Talalay,P.,Adv.Enzyme Regul.22:27−55(1984))が挙げられる。上で言及した各方程式は、実験データに利用することにより、対応するグラフを作成することができ、薬物の併用の効果の評価に役立つ。上で言及した方程式に関連する対応するグラフは、それぞれ、濃度−効果曲線アイソボログラム曲線および併用指数曲線である。

0138

本明細書中に記載される化合物と共投与され得る具体的な例としては、ノイラミニダーゼ阻害剤(例えば、オセルタミビル(Tamiflu(登録商標))およびザナミビル(Rlenza(登録商標)))、ウイルスイオンチャネル(M2タンパク質)遮断剤(例えば、アマンタジン(Symmetrel(登録商標))およびリマンジン(Flumadine(登録商標)))、および日本の富山化学工業が開発中のT−705を含むWO2003/015798に記載されている抗ウイルス薬(Rurutaら、Antiviral Research,82:95−102(2009),“T−705(flavipiravir)and related compounds:Novel broad−spectrum inhibitors of RNA viral infections”も参照のこと)が挙げられる。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、従来のインフルエンザワクチンと共投与され得る。

0139

いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される化合物(例えば、化合物(1)およびその薬学的に許容され得る塩、例えば、A形の化合物(1)・1/2H2OのHCl塩、F形の化合物(1)・3H2OのHCl塩、D形の化合物(1)のHCl塩、A形の化合物(1)、B形の化合物(1)水和物およびA形の化合物(1)のトシレート塩)は、ザナミビルと共投与され得る。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、ファビピラビル(flavipiravir)(T−705)と共投与され得る。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、オセルタミビルと共投与され得る。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、アマンタジンまたはリマンタジンと共投与され得る。オセルタミビルは、そのラベルに明記
された投与レジメンで投与され得る。いくつかの具体的な実施形態において、オセルタミビルは、75mgを1日2回または150mgを1日1回投与される。

0140

薬学的組成物

0141

本明細書中に記載される化合物は、薬学的に許容され得るキャリア、希釈剤佐剤またはビヒクルをさらに含む薬学的組成物に製剤化され得る。1つの実施形態において、本発明は、上に記載された本発明の化合物、および薬学的に許容され得るキャリア、希釈剤、佐剤またはビヒクルを含む薬学的組成物に関する。1つの実施形態において、本発明は、有効量の本発明の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、および薬学的に許容され得るキャリア、希釈剤、佐剤またはビヒクルを含む薬学的組成物である。薬学的に許容され得るキャリアとしては、例えば、意図される投与形式に関して適切に選択され、従来の薬務に一致する、薬学的希釈剤、賦形剤またはキャリアが挙げられる。

0142

「有効量」は、「治療有効量」および「予防有効量」を含む。用語「治療有効量」とは、インフルエンザに感染した患者におけるインフルエンザウイルスの感染を処置する際および/または回復させる際に有効な量のことを指す。用語「予防有効量」とは、インフルエンザウイルスの感染の大流行を予防する際および/またはその確率もしくはサイズを実質的に減少させる際に有効な量のことを指す。有効量の具体的な例は、開示される化合物の使用という標題の項において上に記載された量である。

0143

薬学的に許容され得るキャリアは、化合物の生物学的活性過度に阻害しない不活性な成分を含み得る。薬学的に許容され得るキャリアは、生体適合性、例えば、無毒性、非炎症性非免疫原性であるべきであるか、または被験体に投与した際に他の望まれない反応もしくは副作用を欠くべきである。標準的な薬学的製剤化の手法が使用され得る。

0144

薬学的に許容され得るキャリア、佐剤またはビヒクルは、本明細書中で使用されるとき、所望の特定の剤形にふさわしい任意のおよびすべての溶媒、希釈剤または他の液状のビヒクル、分散助剤または懸濁助剤界面活性剤等張剤、増粘剤または乳化剤保存剤固体結合剤滑沢剤などを含む。Remington’s Pharmaceutical Sciences,Sixteenth Edition,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)には、薬学的に許容され得る組成物を製剤化する際に使用される様々なキャリア、およびそれを調製するための公知の手法が開示されている。任意の従来のキャリア媒体が、本明細書中に記載される化合物と適合しない場合を除いて(例えば、任意の望ましくない生物学的作用をもたらすことによって、またはそうでなければ、薬学的に許容され得る組成物の他の任意の構成要素(単数または複数)と有害な様式で相互作用することによって)、その使用は、本発明の範囲内であると企図される。本明細書中で使用されるとき、「副作用」は、治療(例えば、予防薬または治療薬)の望まれない作用および有害作用を包含する。副作用は、常に望まれないが、望まれない効果は、必ずしも有害ではない。治療(例えば、予防薬または治療薬)からの有害作用は、害を及ぼすものであり得るか、または不快なものであり得るか、または危険なものであり得る。副作用としては、発熱、悪寒、嗜眠胃腸毒性および腸管潰瘍およびびらんを含む)、悪心、嘔吐、神経毒性腎毒性(nephrotoxicities)、腎毒性(renal toxicities)(乳頭壊死および慢性間質性腎炎のような症状を含む)、肝毒性血清肝臓酵素レベルの上昇を含む)、骨髄毒性白血球減少骨髄抑制血小板減少および貧血を含む)、口渇、金気、妊娠期間延長、脱力、傾眠、疼痛(筋痛、骨痛および頭痛を含む)、脱毛無力症眩暈錐体外路症状静座不能心血管障害および性機能障害が挙げられるが、これらに限定されない。

0145

薬学的に許容され得るキャリアとして機能し得る材料のいくつかの例としては、イオン交換体アルミナステアリン酸アルミニウムレシチン血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、twin 80、ホスフェートグリシンソルビン酸またはソルビン酸カリウム)、植物性飽和脂肪酸部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミンリン酸水素二ナトリウムリン酸水素カリウム塩化ナトリウムまたは亜鉛塩)、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウムポリビニルピロリドンポリアクリレート、ろう、ポリエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーメチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロース羊毛脂、糖(例えば、ラクトースグルコースおよびスクロース);デンプン(例えば、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン);セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムエチルセルロースおよび酢酸セルロース);トラガント粉末麦芽ゼラチンタルク;賦形剤(例えば、カカオバターおよび坐剤ろう);油(例えば、落花生油綿実油ベニバナ油ゴマ油オリーブ油トウモロコシ油およびダイズ油);グリコール;例えば、(such a)プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールエステル(例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル);寒天緩衝剤(例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム);アルギン酸発熱物質非含有水;等張食塩水リンガー溶液エチルアルコールおよびホスフェート緩衝液、ならびに他の無毒性で適合性の滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)が挙げられるが、これらに限定されず、ならびに着色剤放出剤(releasing agents)、コーティング剤甘味料香味料および芳香料、保存剤および酸化防止剤もまた、配合者の判断に従って組成物中に存在してもよい。

0146

IV.投与方法

0147

上に記載された化合物および薬学的に許容され得る組成物は、処置される感染症の重症度に応じて、ヒトおよび他の動物に、経口的に、直腸に、非経口的に、槽内に、内に、腹腔内に、局所的に(散剤軟膏剤または液滴によって)、頬側に(bucally)、経口スプレー剤または点鼻薬などとして、投与され得る。

0148

経口投与用液体剤形としては、薬学的に許容され得る乳剤マイクロエマルジョン液剤懸濁剤シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられるが、これらに限定されない。液体剤形は、有効な化合物に加えて、当該分野において通常使用される不活性な希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロールテトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタン脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含み得る。経口組成物は、不活性な希釈剤のほかに、佐剤(例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味料、香味料および芳香料)も含み得る。

0149

注射可能な調製物、例えば、滅菌された注射可能な水性または油性の懸濁剤は、好適な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて公知の技術に従って製剤化され得る。滅菌された注射可能な調製物は、無毒性の非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒中の滅菌された注射可能な液剤、懸濁剤または乳剤、例えば、1,3−ブタンジオール中の液剤でもあり得る。使用され得る許容され得るビヒクルおよび溶媒は、水、リンガー溶液,U.S.P.および等張性塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌された固定油が、溶媒または懸濁媒として従来法で使用される。この目的のために、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含む任意の非刺激性の固定油が、使用され得る。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射可能物の調製において使用される。

0150

注射可能な製剤は、使用前に、例えば、細菌保持フィルター濾過することによって、または滅菌水もしくは他の滅菌された注射可能な媒体に溶解され得るかもしくは分散され得る滅菌された固体組成物の形態に滅菌剤を組み込むことによって、滅菌され得る。

0151

本明細書中に記載される化合物の効果を延長するために、皮下注射または筋肉内注射からの化合物の吸収を遅らせることが望ましいことが多い。これは、水溶性に乏しい結晶性材料または非晶質材料の液体懸濁剤を使用することによって達成され得る。化合物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、さらにその溶解速度は、結晶サイズおよび結晶形に依存し得る。あるいは、非経口的に投与される化合物の形態の吸収の遅延は、その化合物を油性ビヒクルに溶解するかまたは懸濁することによって達成される。注射可能なデポー形態は、ポリラクチドポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中にその化合物のマイクロカプセルマトリックス(microencapsule matrices)を形成することによって作製される。化合物とポリマーとの比および使用される特定のポリマーの性質に応じて、化合物の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリオルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。注射可能なデポー製剤は、体組織と適合性であるリポソームまたはマイクロエマルジョンの中に化合物を封入することによっても調製される。

0152

直腸投与用または膣投与用の組成物は、具体的には、周囲温度において固体であるが体温では液体であるがゆえに直腸または膣腔において融解して有効な化合物を放出する好適な非刺激性の賦形剤またはキャリア(例えば、カカオバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤ろう)と本明細書中に記載される化合物を混合することによって調製され得る坐剤である。

0153

経口投与用の固形剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が挙げられる。そのような固形剤形では、有効な化合物は、少なくとも1つの不活性な薬学的に許容され得る賦形剤もしくはキャリア(例えば、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム)ならびに/またはa)充填剤または増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸)、b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロースアルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアカシア)、c)保水剤(例えば、グリセロール)、d)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のシリケートおよび炭酸ナトリウム)、e)溶解遅延剤(例えば、パラフィン)、f)吸収促進剤(例えば、四級アンモニウム化合物)、g)湿潤剤(例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール)、h)吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイト粘土)、およびi)滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物)と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、その剤形は、緩衝剤も含み得る。

0154

類似のタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用する軟および硬ゼラチンカプセルにおいて充填剤としても使用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形剤形は、コーティングおよびシェル(例えば、腸溶コーティングおよび製剤配合の分野において周知の他のコーティング)を用いて調製され得る。それらは、必要に応じて不透明化剤を含むことがあり、ある特定の腸管部分において、必要に応じて遅延様式で、有効成分(単数または複数)だけを放出するかまたは有効成分(単数または複数)を優先的に放出する組成物でもあり得る。使用され得る包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびろうが挙げられる。類似のタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレン(polethylene)グリコールなどのような賦形剤を使用する軟および硬ゼラチ
カプセルにおいて充填剤としても使用され得る。

0155

有効な化合物は、上で述べたような1つまたはそれを超える賦形剤を有するマイクロカプセル化された形態でもあり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形剤形は、コーティングおよびシェル(例えば、腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび製剤配合の分野において周知の他のコーティング)を用いて調製され得る。そのような固形剤形において、有効な化合物は、少なくとも1つの不活性な希釈剤(例えば、スクロース、ラクトースまたはデンプン)と混和され得る。そのような剤形は、通常の慣行のように、不活性な希釈剤以外のさらなる物質、例えば、打錠滑沢剤および他の打錠助剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロース)も含み得る。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、それらの剤形は、緩衝剤も含み得る。それらは、必要に応じて不透明化剤を含むことがあり、ある特定の腸管部分において、必要に応じて遅延様式で、有効成分(単数または複数)だけを放出するかまたは有効成分(単数または複数)を優先的に放出する組成物でもあり得る。使用され得る包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびろうが挙げられる。

0156

本明細書中に記載される化合物の局所的投与用または経皮的投与用の剤形としては、軟膏剤、ペーストクリーム剤ローション剤ゲル剤、散剤、液剤、スプレー剤吸入剤または貼付剤が挙げられる。有効な構成要素は、必要とされ得るとき、薬学的に許容され得るキャリアおよび任意の必要とされる保存剤または緩衝剤と、滅菌された条件下において混和される。眼科用製剤点耳剤および点眼剤もまた、本発明の範囲内であると企図される。さらに、本発明は、化合物を身体に制御して送達するという追加の利点を有する経皮貼付剤の使用を企図する。そのような剤形は、化合物を適切な媒体に溶解するかまたは分散することによって作製され得る。吸収促進剤もまた、皮膚を越える化合物の流入を増加させるために使用され得る。その速度は、速度制御された膜を提供することによって、または化合物をポリマーマトリックスもしくはゲルに分散することによって、制御され得る。

0157

本明細書中に記載される組成物は、経口的に、非経口的に、吸入スプレー剤によって、局所的に、直腸に、経鼻的に、頬側に、経膣的にまたは埋め込まれたレザバーを介して、投与され得る。用語「非経口的」は、本明細書中で使用されるとき、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、鞘内肝臓内病巣内および頭蓋内の注射または注入の手法を含むが、これらに限定されない。具体的には、それらの組成物は、経口的に、腹腔内に、または静脈内に投与される。

0158

本明細書中に記載される組成物の滅菌された注射可能な形態は、水性懸濁剤または油性懸濁剤であり得る。これらの懸濁剤は、好適な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いる当該分野で公知の手法に従って製剤化され得る。滅菌された注射可能な調製物は、無毒性の非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒中の滅菌された注射可能な液剤または懸濁剤、例えば、1,3−ブタンジオール中の液剤でもあり得る。使用され得る許容され得るビヒクルおよび溶媒は、水、リンガー溶液および等張性塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌された固定油が、溶媒または懸濁媒として従来法で使用される。この目的のために、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含む任意の非刺激性の固定油が、使用され得る。オレイン酸などの脂肪酸およびそのグリセリド誘導体は、薬学的に許容され得る天然の油(例えば、オリーブ油またはひまし油、特に、それらのポリオキシエチル化されたバージョン)と同様に、注射可能物の調製において有用である。これらの油性の液剤または懸濁剤は、長鎖アルコール希釈剤もしくは分散剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、または乳剤および懸濁剤を含む薬学的に許容され得る剤形の製剤化において通常使用される類似の分散剤も含み得る。他の通常使用される界面活性剤(例えば、Tweens、Spansおよび他の乳化剤)、または薬学的に許容され得る固体剤形、液体剤形
もしくは他の剤形の製造において通常使用されるバイオアベイラビリティ向上剤もまた、製剤化の目的で使用され得る。

0159

本明細書中に記載される薬学的組成物は、カプセル剤、錠剤、水性懸濁剤または液剤を含むがこれらに限定されない任意の経口的に許容され得る剤形で、経口的に投与され得る。経口で使用するための錠剤の場合、通常使用されるキャリアとしては、ラクトースおよびトウモロコシデンプンが挙げられるが、これらに限定されない。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も通常加えられる。カプセルの形態での経口投与の場合、有用な希釈剤としては、ラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンが挙げられる。水性懸濁剤が経口で使用するために必要とされるとき、有効成分は、乳化剤および懸濁化剤と混和される。所望であれば、ある特定の甘味料、香味料または着色料も加えてよい。

0160

あるいは、本明細書中に記載される薬学的組成物は、直腸投与用の坐剤の形態で投与され得る。これらは、室温において固体であるが直腸温度では液体であるがゆえに直腸で融解して薬物を放出する好適な非刺激性賦形剤と薬剤を混合することによって、調製され得る。そのような材料としては、カカオバター、蜜ろうおよびポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。

0161

本明細書中に記載される薬学的組成物は、特に処置の標的が、局所的付与によって容易に接近可能な領域または器官(眼、皮膚または下部腸管の疾患を含む)を含むとき、局所的にも投与され得る。好適な局所的製剤は、これらの領域または器官の各々に対して容易に調製される。

0162

下部腸管に対する局所的付与は、直腸坐剤製剤(上記を参照のこと)または好適な浣腸製剤において実施され得る。局所経皮貼付剤もまた使用され得る。

0163

局所的付与の場合、薬学的組成物は、1つまたはそれを超えるキャリアに懸濁されたまたは溶解された有効な構成要素を含む好適な軟膏剤として製剤化され得る。本発明の化合物の局所的投与用のキャリアとしては、鉱油流動石油白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろうおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、薬学的組成物は、1つまたはそれを超える薬学的に許容され得るキャリアに懸濁されたまたは溶解された有効な構成要素を含む好適なローション剤またはクリーム剤として製剤化され得る。好適なキャリアとしては、鉱油、ソルビタンモノステアレートポリソルベート60、セチルエステルワックスセテアリルアルコール、2オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。

0164

眼科的使用の場合、薬学的組成物は、pHが調整され滅菌された等張性の食塩水中に微粒子化された懸濁剤として、または具体的には、塩化ベンジルアルコニウム(benzylalkonium chloride)などの保存剤を含むもしくは含まない、pHが調整され滅菌された等張性食塩水中の液剤として、製剤化され得る。あるいは、眼科的使用の場合、薬学的組成物は、ワセリンなどの軟膏剤として製剤化され得る。

0165

薬学的組成物は、鼻エアロゾルまたは吸入によっても投与され得る。そのような組成物は、薬学的製剤化の分野で周知の手法に従って調製され、ベンジルアルコールまたは他の好適な保存剤、バイオアベイラビリティを向上させる吸収促進剤、フルオロカーボンおよび/または他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を使用して、食塩水中の液剤として調製され得る。

0166

本発明の方法における使用のための化合物は、単位剤形で製剤化され得る。用語「単位
剤形」とは、処置を受けている被験体に対する単位投与量として好適な物理的に別個の単位のことを指し、各単位は、所望の治療効果をもたらすと算出された所定の量の有効物質を、必要に応じて好適な薬学的キャリアとともに含む。単位剤形は、1日あたり1回の投薬または1日あたり複数回(例えば、1日あたり1〜4回またはそれを超える回数)の投薬のうちの1回に対するものであり得る。1日あたり複数回の投薬が用いられる場合、単位剤形は、各投薬に対して同じであり得るか、または異なり得る。

0167

V.実施例

0168

実施例1:XRPD、C13固体NMR、DSCの測定の一般的な方法

0169

熱重量分析(TGA)

0170

熱重量分析(TGA)は、TA Instruments TGAモデルQ500 Asset Tag V014840において行った。固体サンプルを、白金サンプルパンに入れ、室温から300℃まで10℃/分で加熱した。

0171

DSCの測定

0172

示差走査熱量測定(DSC)は、TA Instruments DSC Q200 Asset Tag V015553において行った。およそ1〜2mgの固体サンプルを、ピンホールを有する波形の蓋を備えた気密性アルミニウムDSCパンに入れた。サンプルセルを、通常、窒素パージ下で加熱した。

0173

SSNMR実験

0174

固体核磁気分光法(SSNMR)スペクトルを、Bruker−Biospin 4mm HFXプローブを備えたBruker−Biospin 400MHz Advance III大口径分光計において取得した。サンプルを4mm ZrO2ローターに詰めた(サンプルの利用可能性に応じておよそ70mgまたはそれ未満)。代表的には12.5kHzのマジック角回転(MAS)速度を利用した。回転中の摩擦熱の影響を最小限にするために、プローブヘッドの温度を275Kに設定した。13C交差分極(CP)MAS実験の適切な待ち時間(recycle delay)を設定するために、1H MAS T1飽和回復緩和実験を用いて、プロトン緩和時間を計測した。炭素スペクトルの信号対雑音比を最大にするために、13CCPMAS実験の待ち時間を、計測された1H T1緩和時間よりも少なくとも1.2倍長い時間に調整した。13C CPMAS実験のCP接触時間を2msに設定した。直線勾配(50%から100%へ)のCPプロトンパルスを使用した。外部参照サンプル(グリシン)に対してHartmann−Hahnマッチを最適化した。フッ素のスペクトルを、プロトンデカップリングMASの設定を使用して取得し、待ち時間(recycled delay)を、計測された19F T1緩和時間のおよそ5倍に設定した。プロトンデカップリング19F MAS T1飽和回復緩和実験を用いてフッ素の緩和時間を計測した。炭素とフッ素の両方のスペクトルを、およそ100kHzという場の強度で使用したSPINAL64デカップリングで取得した。化学シフトは、アダマンタン外部標準に対して言及され、その高磁場共鳴は、29.5ppmに設定した。

0175

Bruker D8 Discover XRPD実験の詳細

0176

粉末X線回折(XRPD)パターンを、密封管式線源(sealed tube so
urce)およびHi−Starエリア検出器(Bruker AXS,Madison,WI)を備えたBruker D8 Discover回折計(Asset Tag V012842)を使用して反射モードにおいて室温で取得した。そのX線発生装置は、40kVの電圧および35mAの電流で作動した。粉末サンプルをアルミニウムホルダーに入れた。2フレームを各々120秒の曝露時間で登録した。続いて、データを、0.02°の刻み幅で4.5°〜39°2θの範囲にわたって積分し、1つの連続的なパターンにマージした。

0177

実施例2:化合物(1)および化合物(1)の2−MeTHF溶媒和物の調製

0178

化合物(1)は、WO2010/148197に記載されているように調製され得る。例えば、非晶質の遊離塩基化合物(1)を、WO2010/148197に従って調製した後、通常のキラル分離および精製:Et2NHを含む調節物質を用いるSCFキラルクロマトグラフィー(これにより、化合物(1)のEt2NH塩が得られた)、次いで、イオン交換樹脂処理を行った。そのXRPDデータを図11に示す。あるいは、化合物(1)は、以下の手順によって、2−MeTHF溶媒和物として生成され得る:

0179

化合物2a(2−アミノ−3−ブロモ−5−フルオロピリジン)の調製

0180

14℃の水(24L)中の2−アミノ−5−フルオロピリジン(6kg,53.6mol)のスラリーに、10分間にわたって48%臭化水素酸(18.5kg,110mol)を加えた。その反応は、発熱性であり、温度が24℃まで上昇した。その混合物を12℃まで再冷却し、次いで、臭素(9kg,56.3mol)を、50分間にわたって9回に分けて加えた(発熱性、20℃で維持)。その混合物を22℃で一晩撹拌し、クエンチされたアリコートの1HNMRによってモニターした(1mlの20%K2CO3、0.3mlの10%Na2S2O3および0.7mlのDCMの混合物に5滴でクエンチした。有機層蒸発させ、アッセイした)。その混合物を10℃に冷却し、次いで、水(2L)における重亜硫酸ナトリウム(560g,5.4mol)を加えることによってクエンチし、さらに0℃に冷却した。この混合物を、DCM(18L)と5.4M水酸化ナトリウム(35L,189mol)との低温(−4℃)の混合物に加えた。底部の約35Lをセライトパッドで濾過したところ、相の分離が生じた。水層をDCM(10L)で再抽出した。有機相を、DCM(8L)で洗浄しながら3kgのマグネゾール(magnesol)のパッドで濾過した。濾液を蒸発させ、ヘキサンを用いて摩砕し(triturated)、濾過した。

0181

工程中のアッセイが97%の完了を示したにも関わらず、全4回からのこの最初の生成物は、代表的には約10%のSM出発原料)を含んでいた。これらを合わせ、50℃のヘキサン(物質1kgあたり2L)で摩砕し、次いで15℃に冷却し、濾過することにより、化合物2aを得た(30.0kg,約95%純度,149mol,67%)。最初の摩砕および再精製からの母液クロマトグラフィー(20kgシリカ,ヘキサン中25〜50%EtOAcの溶離剤)にかけることにより、さらなる化合物2aを得た(4.7kg,約99%純度,24.4mol,11%)。

0182

化合物3aの調製

0183

不活性な400Lの反応容器に、2a(27.5kg,96%純度,138mol)、Pd(PPh3)4(1044g,0.90mol)およびCuI(165g,0.87mol)を投入した後、トルエン(90kg)を投入した。その混合物を3回の真空窒素サイクルによって脱酸素し、次いで、トリエチルアミン(19.0kg,188mol)を加えた。その混合物を、もう1回の真空−窒素サイクルによって脱酸素し、次いで、TMSアセチレン(16.5kg,168mol)を加えた。その混合物を23時間にわたって48℃に加熱し(最初の発熱(exotherm)によって、その温度が53℃の最高値になった)、次いで18℃に冷却した。スラリーをセライトパッドで濾過し、トルエン(80kg)で洗浄した。濾液を12%Na2HPO4(75L)で洗浄し、次いで、1:1ヘキサン:MTBE(120L)で洗浄しながらシリカ(25kg)のパッドで濾過した。この濾液を油状物になるまで蒸発させ、次いで、次の工程に向けてNMPに溶解した。化合物3aの溶液の重量−58kg,約50wt%,138mol,100%。1H NMR(CDCl3, 300MHz): δ7.90 (s, 1H); 7.33−7.27 (m, 1H); 4.92 (s, NH2), 0.28 (s, 9H) ppm.

0184

化合物4aの調製

0185

不活性な400Lの反応容器に、カリウムtert−ブトキシド(17.5kg,156mol)およびNMP(45kg)を投入した。その混合物を54℃に加熱し、次いで、NMP(38kg)中の化合物3a(29kg,138mol)の溶液を2.75時間にわたって加え、NMP(6kg)ですすいだ(発熱性、70℃〜77℃で維持)。その反応物を74℃で2時間撹拌し、次いで30℃に冷却し、NMP(30kg)中の塩化トシル(28.5kg,150mol)の溶液を1.5時間にわたって加え、NMP(4kg)ですすいだ。その反応は、発熱性であり、その反応物を30℃〜43℃で維持した。その反応物を20℃に冷却しながら1時間撹拌し、次いで、水(220L)を35分間にわたって加えた(発熱性、18℃〜23℃で維持)。その混合物を20℃で30分間撹拌し、次いで、濾過し、水(100L)で洗浄した。固体を、DCM(250kg)を用いてフィルターから溶解し、残留水から分離し、有機相を追加のDCM(280kg)で洗浄しながら、マグネゾール(15kg,上層)およびシリカ(15kg,下層)のパッドで濾過した。濾液を濃厚なスラリーになるまで濃縮し(約50Lの体積)、次いで、一定の体積で蒸留を続けながらMTBE(30kg)を加えた(51℃という最終的な留出物温度)。さらにMTBE(10kg)を加え、そのスラリーを15℃に冷却し、濾過し、MTBE(40L)で洗浄することにより、化合物4aを得た(19.13kg,95%純度,62.6mol,45%)。濾液の部分的な濃縮により、第2の収穫物を得た(2.55kg,91%純度,8.0mol,6%)。1H NMR(CDCl3, 300MHz): δ 8.28−8.27 (m, 1H); 8.06−8.02 (
m, 2H); 7.77 (d, J= 4.0 Hz, 1H); 7.54−7.50 (m, 1H); 7.28−7.26 (m, 2H); 6.56 (d, J= 4.0 Hz, 1H); 2.37 (s, 3H) ppm.

0186

化合物5aの調製

0187

15℃のDCM(30kg)中のN−ブロモスクシンイミド(14.16kg,79.6mol)のスラリーに、DCM(115kg)中の化合物4a(19.13kg,95%純度および2.86kg,91%純度,71.6mol)の溶液を、DCM(20kg)ですすぎながら投入した。その混合物を25℃で18時間撹拌し、次いで9℃に冷却し、水(130L)中のチオ硫酸ナトリウム(400g)および50%水酸化ナトリウム(9.1kg)の溶液を加えることによってクエンチした。その混合物を20℃に加温し、層を分離し、有機相を12%ブライン(40L)で洗浄した。水層を順次、DCMで再抽出した(4×50kg)。有機相を合わせ、40Lを、水と共沸する蒸留を行い、次いで、その溶液を、DCM(180kg)で洗浄しながらシリカ(15kg,下層)およびマグネゾール(magensol)(15kg,上層)のパッドで濾過した。濾液を濃厚なスラリー(約32Lの体積)になるまで濃縮し、次いで、ヘキサン(15kg)を加えた。一定の体積で蒸留を続けながら、さらにヘキサン(15kg)を加えた(最終的な留出物の温度52℃)。そのスラリーを16℃に冷却し、濾過し、ヘキサン(25kg)で洗浄することにより、化合物5aを得た(25.6kg,69.3mol,97%)。1H
NMR(CDCl3, 300MHz): δ 8.34−8.33 (m, 1H); 8.07 (d, J= 8.2Hz, 2H); 7.85 (s, 1H); 7.52−7.49 (m, 1H); 7.32−7.28 (m, 2H); 2.40 (s, 3H) ppm.

0188

化合物6aの調製:BEFAI反応

0189

不活性な400Lの反応容器に、化合物5a(25.6kg,69.3mol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(19kg,74.8mol)、酢酸カリウム(19kg,194mol)、酢酸パラジウム(156g,0.69mol)およびトリフェニルホスフィン(564g,2.15mol)を投入した後、ジオキサン(172kg)を投入した(それらは、真空−窒素サイクル(×3)を用いて別々に脱酸素しておいた)。その混合物を撹拌し、真空−窒素サイクル(×2)を用いて脱酸素し、次いで、15時間にわたって100℃に加熱した。その混合物を35℃に冷却し、次いで、30℃のTHF(75kg)で洗浄しながら濾過した。濾液を蒸発させ、残渣をDCM(約90L)に溶解した。そ
の溶液を1kgの炭素および2kgのマグネゾールとともに45分間撹拌し、次いで、DCM(160kg)で洗浄しながらシリカ(22kg,下層)およびマグネゾール(10kg,上層)のパッドで濾過した。濾液を濃厚なスラリー(約40Lの体積)になるまで濃縮し、次いで、35℃で摩砕し、ヘキサン(26kg)を加えた。そのスラリーを20℃に冷却し、濾過し、DCM(5.3kg)とヘキサン(15kg)との混合物で洗浄し、次いで、ヘキサン(15kg)で洗浄し、フィルター上で窒素下において乾燥することにより、化合物6a(23.31kg,56.0mol,81%)を白色固体として得た。1H−NMRは、所望の生成物と一致し、HPLC99.5%,パラジウムアッセイ2ppm。1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ 8.25 (s, 1H); 8.18 (s, 1H); 8.09−8.02 (m, 2H); 7.91−7.83 (m, 1H); 7.30−7.23 (m, 2H); 2.39
(s, 3H); 1.38 (s, 12H) ppm.

0190

化合物8aおよび9aの調製

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