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技術 エンジニアリングされたFc構築物に関連する組成物および方法

出願人 モメンタファーマシューティカルズインコーポレイテッド
発明者 ボスケスカルロスジェイ.ヒューストンジェイムズエス.ランシングジョナサンシー.リングレオナイー.ミーダージェイムズオルティーズダニエルルティツキーローラシュルテスビルギットシー.
出願日 2020年5月14日 (9ヶ月経過) 出願番号 2020-084900
公開日 2020年8月27日 (5ヶ月経過) 公開番号 2020-128415
状態 未査定
技術分野 ペプチド又は蛋白質 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 微生物による化合物の製造 突然変異または遺伝子工学 微生物、その培養処理
主要キーワード 並列位置 伝達モデル 治療処置後 分子装置 蓄積効果 糸球体炎 構造計算 静電誘導
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年8月27日)のものです。
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図面 (17)

課題

炎症、免疫疾患、および炎症性疾患処置に使用することができるIgGFcドメインを含む治療用タンパク質

解決手段

2つ以上(例えば、2〜10)のFcドメインを含む様々なFc構築物を調製するための組成物および方法。

概要

背景

背景
治療用タンパク質、例えば、治療用抗体およびFc融合タンパク質は急速に、免疫疾患および炎症性疾患患者にとって臨床的に重要な薬物クラスになってきた。

概要

炎症、免疫疾患、および炎症性疾患の処置に使用することができるIgGFcドメインを含む治療用タンパク質。2つ以上(例えば、2〜10)のFcドメインを含む様々なFc構築物を調製するための組成物および方法。なし

目的

スペーサー」という語は、2つのポリペプチドまたはポリペプチドドメイン間に存在して、これらの2つのポリペプチドまたはポリペプチドドメイン間に空間および/または可撓性を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

(a)式A−L−Bを有する第1のポリペプチドであって;(i)Aが、第1のFcドメイン単量体を含み;(ii)Lが、リンカーであり;かつ(iii)Bが、第2のFcドメイン単量体を含む、第1のポリペプチド;(b)式A'−L'−B'を有する第2のポリペプチドであって;(i)A'が、第3のFcドメイン単量体を含み;(ii)L'が、リンカーであり;かつ(iii)B'が、第4のFcドメイン単量体を含む、第2のポリペプチド;(c)第5のFcドメイン単量体を含む第3のポリペプチド;および(d)第6のFcドメイン単量体を含む第4のポリペプチドを含み、前記第1のポリペプチドのAと前記第2のポリペプチドのA'とが結合して第1のFcドメインを形成し、前記第1のポリペプチドのBと第5のFcドメイン単量体とが結合して第2のFcドメインを形成し、かつ前記第2のポリペプチドのB'と第6のFcドメイン単量体とが結合して第3のFcドメインを形成し、(I)前記第1のFcドメイン単量体および前記第3のFcドメイン単量体が、前記第1のFcドメイン単量体と前記第3のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含む;(II)前記第2のFcドメイン単量体および前記第5のFcドメイン単量体が、前記第2のFcドメイン単量体と前記第5のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含む;かつ/または(III)前記第4のFcドメイン単量体および前記第6のFcドメイン単量体が、前記第4のFcドメイン単量体と前記第6のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含む、Fc構築物

請求項2

A、B、A'、B'、前記第3のポリペプチド、および/または前記第4のポリペプチドが、Fcドメイン単量体からなる、請求項1に記載のFc構築物。

請求項3

(a)IgGCL抗体定常ドメインおよびIgG CH1抗体定常ドメインであって、前記IgG CL抗体定常ドメインが、リンカーによって前記IgG CH1抗体定常ドメインのN末端に付着され、かつ前記IgG CH1抗体定常ドメインが、リンカーによってAのN末端に付着されている、IgG CL抗体定常ドメインおよびIgG CH1抗体定常ドメイン;または(b)IgG CL抗体定常ドメイン、第2のIgG CL抗体定常ドメイン、IgG CH1抗体定常ドメイン、および第2のIgG CH1抗体定常ドメインであって、前記IgG CL抗体定常ドメインが、リンカーによって前記IgG CH1抗体定常ドメインのN末端に付着され、かつ前記IgG CH1抗体定常ドメインが、リンカーによってAのN末端に付着され、かつ前記第2のIgG CL抗体定常ドメインが、リンカーによって前記第2のIgG CH1抗体定常ドメインのN末端に付着され、かつ前記第2のI gG CH1抗体定常ドメインが、リンカーによってA'のN末端に付着されている、IgG CL抗体定常ドメイン、第2のIgG CL抗体定常ドメイン、IgG CH1抗体定常ドメイン、および第2のIgG CH1抗体定常ドメインをさらに含む、請求項1または2に記載のFc構築物。

請求項4

アルブミン結合ペプチドをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のFc構築物。

請求項5

前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドが、同じアミノ酸配列を有し、かつ前記第3のポリペプチドおよび前記第4のポリペプチドが、同じアミノ酸配列を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のFc構築物。

請求項6

前記二量体化選択性モジュールが、前記Fcドメイン単量体の一方のCH3ドメインの中にエンジニアリングされた凹部および前記Fcドメイン単量体の他方のCH3ドメインの中にエンジニアリングされた突出部を含み、前記エンジニアリングされた凹部と前記エンジニアリングされた突出部が、Fcドメイン単量体の突出部が凹部の中に入る突出部と凹部の対を形成するように位置している、請求項1〜5のいずれか一項に記載のFc構築物。

請求項7

前記Fcドメイン単量体の一方が、Y407VおよびY349Cを含み、前記Fcドメイン単量体の他方が、T366WおよびS354Cを含む、請求項6に記載のFc構築物。

請求項8

前記二量体化選択性モジュールが、前記ドメイン単量体の一方のCH3ドメインの中に負に荷電したアミノ酸および前記Fcドメイン単量体の他方のCH3ドメインの中に正に荷電したアミノ酸を含み、前記負に荷電したアミノ酸と前記正に荷電したアミノ酸が、Fcドメインの形成を促進するように位置している、請求項1〜5のいずれか一項に記載のFc構築物。

請求項9

前記Fcドメイン単量体の一方がD399Kを含み、かつ前記Fcドメイン単量体の他方がK409Dを含む、請求項8に記載のFc構築物。

請求項10

前記Fc構築物の1つまたは複数のリンカーが結合またはスペーサーである、請求項1〜9のいずれか一項に記載のFc構築物。

請求項11

前記スペーサーが、SEQID NO: 1〜27のいずれか1つの配列を含む、またはSEQ ID NO: 1、2、および3のいずれか1つからなる、請求項10に記載のFc構築物。

請求項12

前記アルブミン結合ペプチドが、SEQID NO: 28の配列を含む、またはSEQ ID NO: 28の配列からなる、請求項4〜11のいずれか一項に記載のFc構築物。

請求項13

前記Fcドメイン単量体の1つもしくは複数、ならびに/または前記Fcドメイン単量体のそれぞれが、(a)IgGヒンジドメイン、IgG CH2抗体定常ドメイン、およびIgG CH3抗体定常ドメイン;または(b)IgGヒンジドメイン、IgG CH2抗体定常ドメイン、およびIgG CH3抗体定常ドメインであって、前記IgGが、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、およびIgG4からなる群より選択されるサブタイプである、IgGヒンジドメイン、IgG CH2抗体定常ドメイン、およびIgG CH3抗体定常ドメインを含む、請求項1〜12に記載のFc構築物。

請求項14

(a)式A−L−Bを有する第1のポリペプチドであって;(i)Aが、第1のFcドメイン単量体を含み;(ii)Lが、リンカーであり;かつ(iii)Bが、第2のFcドメイン単量体を含む、第1のポリペプチド;(b)式A'−L'−B'を有する第2のポリペプチドであって;(i)A'が、第3のFcドメイン単量体を含み;(ii)L'が、リンカーであり;かつ(iii)B'が、第4のFcドメイン単量体を含む、第2のポリペプチド;(c)第5のFcドメイン単量体を含む第3のポリペプチド;および(d)第6のFcドメイン単量体を含む第4のポリペプチドからなり、AとA'とが結合して第1のFcドメインを形成し、Bと前記第5のFcドメイン単量体とが結合して第2のFcドメインを形成し、かつB'と前記第6のFcドメイン単量体とが結合して第3のFcドメインを形成し;前記第1および前記第3のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第1のFcドメイン単量体と前記第3のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、前記第2および前記第5のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第2のFcドメイン単量体と前記第5のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、かつ前記第4および前記第6のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第4のFcドメイン単量体と前記第6のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;かつ3つ以下のFcドメインを含む、Fc構築物。

請求項15

(a)式A−L−Bを有する第1のポリペプチドであって;(i)Aが、第1のFcドメイン単量体からなり;(ii)Lが、リンカーであり;かつ(iii)Bが、第2のFcドメイン単量体からなる、第1のポリペプチド;(b)式A'−L'−B'を有する第2のポリペプチドであって;(i)A'が、第3のFcドメイン単量体からなり;(ii)L'が、リンカーであり;かつ(iii)B'が、第4のFcドメイン単量体からなる、第2のポリペプチド;(c)第5のFcドメイン単量体からなる第3のポリペプチド;および(d)第6のFcドメイン単量体からなる第4のポリペプチドからなり、AとA'とが結合して第1のFcドメインを形成し、Bと前記第5のFcドメイン単量体とが結合して第2のFcドメインを形成し、かつB'と前記第6のFcドメイン単量体とが結合して第3のFcドメインを形成し;前記第1および前記第3のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第1のFcドメイン単量体と前記第3のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、前記第2および前記第5のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第2のFcドメイン単量体と前記第5のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、かつ前記第4および前記第6のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第4のFcドメイン単量体と前記第6のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;かつ3つ以下のFcドメインを含む、Fc構築物。

請求項16

前記第1のFcドメイン単量体の前記相補的二量体化選択性モジュールが、負に荷電したアミノ酸置換を含み、前記第3のFcドメイン単量体の前記相補的二量体化選択性モジュールが、正に荷電したアミノ酸置換を含み、前記第2のFcドメイン単量体の前記相補的二量体化選択性モジュールが、エンジニアリングされた突出部を含み、前記第5のFcドメイン単量体の前記相補的二量体化選択性モジュールが、エンジニアリングされた凹部を含み、前記第4のFcドメイン単量体の前記相補的二量体化選択性モジュールが、エンジニアリングされた突出部を含み、かつ前記第6のFcドメイン単量体の前記相補的二量体化選択性モジュールが、エンジニアリングされた凹部を含む、請求項14または15に記載のFc構築物。

請求項17

前記リンカーLおよび/またはL'が、3〜200のアミノ酸長である、かつ/またはSEQID NO: 1、2、および3のいずれか1つの配列からなる、請求項14〜16のいずれか一項に記載のFc構築物。

請求項18

請求項1〜17のいずれか一項に記載のFc構築物を調製する方法であって:(a)前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を提供すること;(b)前記Fc構築物の形成を可能にする条件下で、前記宿主細胞で前記第1、前記第2、および前記第3のポリペプチドを発現させること;(c)前記Fc構築物を回収することを含む、方法。

請求項19

請求項1〜17のいずれか一項に記載のFc構築物を発現する宿主細胞であって、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、前記ポリヌクレオチドが前記宿主細胞で発現される、宿主細胞。

請求項20

請求項1〜17のいずれか一項に記載のFc構築物の実質的に均質集団を含む薬学的組成物

請求項21

前記Fc構築物が、4つの会合したポリペプチドを含む3つのFcドメインを含み、前記4つのポリペプチドのうちの2つがそれぞれ、2つのFcドメイン単量体を含み、前記4つのポリペプチドのうちの2つがそれぞれ、1つのFcドメイン単量体を含む、請求項20に記載の薬学的組成物。

請求項22

対象において、炎症性疾患もしくは自己免疫疾患もしくは免疫疾患処置自己抗体クリアランスを促進、抗原提示を抑制、または免疫応答を低減するための、請求項1〜17のいずれか一項に記載のFc構築物または請求項20もしくは21に記載の薬学的組成物を含む、薬学的組成物。

背景技術

0001

背景
治療用タンパク質、例えば、治療用抗体およびFc融合タンパク質は急速に、免疫疾患および炎症性疾患患者にとって臨床的に重要な薬物クラスになってきた。

0002

本発明は、生物学的に活性Fcドメイン含有治療用構築物を特徴とする。このような構築物は、所望の血清半減期および/またはFc受容体に対する結合親和性および/または結合活性を有し得る。これらの構築物は、例えば、対象の炎症の低減、対象の自己抗体クリアランスの促進、対象での抗原提示の抑制、免疫応答阻害、例えば、対象の免疫応答の免疫複合体による活性化の阻害、および対象の免疫疾患および炎症性疾患(例えば、自己免疫疾患)の処置に有用である。本明細書に記載のFc構築物は、免疫細胞を著しく刺激することなく、免疫疾患および炎症性疾患の患者の治療に使用することができる。

0003

一般に、本発明は、2〜10のFcドメインを有するFc構築物、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10のFcドメインを有するFc構築物を特徴とする。一部の態様では、Fc構築物は、2〜10のFcドメイン、2〜5のFcドメイン、3〜5のFcドメイン、2〜8のFcドメイン、または2〜6のFcドメインを含む。構築物は、2〜6(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つ)の会合ポリペプチドを含み得、各ポリペプチドは、少なくとも1つのFcドメイン単量体を含み、構築物の各Fcドメイン単量体は、構築物の別の単量体と同じ、または20以下のアミノ酸(例えば、15以下、10以下のアミノ酸)、例えば、20以下、15以下、10以下、8つ以下、7つ以下、6つ以下、5つ以下、4つ以下、3つ以下、もしくは2つ以下のアミノ酸が異なる。本明細書に記載のFc構築物は、免疫グロブリン抗原結合ドメインを含まない。一部の態様では、Fc構築物(またはFc構築物内のFcドメイン)は、異なるポリペプチドに存在するFcドメイン単量体の会合によって全体または一部が形成される。特定の態様では、Fc構築物は、2つのポリペプチドの会合を促進する追加のドメイン(例えば、IgM尾部またはIgA尾部)を含まない。他の態様では、共有結合は、接合してFcドメインを形成する、Fc構築物の2つのFcドメイン単量体間のみに存在する。他の態様では、Fc構築物は、Fcドメイン間に共有結合を含まない。さらに他の態様では、Fc構築物は、十分な構造的可撓性を提供し、これによりFc構築物の全てまたは実質的に全てのFcドメインが、細胞表面のFc受容体に同時に相互作用することができる。一部の態様では、Fc構築物は、リンカー(例えば、可撓性アミノ酸スペーサー)によって接合された少なくとも2つのFcドメインを含む。一態様では、ドメイン単量体は、二量体化選択性モジュールを有するという点で、一次配列野生型に対してまたは互いに対して異なっている。

0004

本発明のFc構築物は、本明細書に記載されているような、2〜10のFcドメインを有するFc構築物、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10のFcドメインを有する構築物、例えば、構築物の実質的に均質集団(例えば、少なくとも85%、90%、95%、98%、または99%の均質性)を含む薬学的組成物に含めることができる。結果として、Fc構築物の実質的な凝集または不所望の多量化を有していない薬学的組成物を製造することができる。

0005

一局面では、Fc構築物は、2つのFcドメインを形成する3つのポリペプチドを含む。第1のポリペプチドは、式A−L−Bを有し、Aは、第1のFcドメイン単量体を含み;Lは、リンカーであり;かつBは、第2のFcドメイン単量体を含む。第2のポリペプチドは、第3のFcドメイン単量体を含み、第3のポリペプチドは、第4のFcドメイン単量体を含む。この局面では、第1のFcドメイン単量体と第3のFcドメイン単量体が結合して第1のFcドメインを形成する。同様に、第2のFcドメイン単量体と第4のFcドメイン単量体が結合して第2のFcドメインを形成する。本発明のこの局面の例示的なFc構築物は、図4および図6に例示されている。

0006

特定の態様では、第1のFcドメイン単量体および第3のFcドメイン単量体は、これらのFcドメイン単量体間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含む。他の態様では、第2のFcドメイン単量体および第4のFcドメイン単量体は、これらのFcドメイン単量体間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含む。

0007

特定の態様では、A、B、第2のポリペプチド、および第3のポリペプチドの1つまたは複数は、Fcドメイン単量体からなる。一態様では、A、B、第2のポリペプチド、および第3のポリペプチドのそれぞれは、Fcドメイン単量体からなる。

0008

特定の態様では、Fc構築物は、異種部分、例えば、ペプチド、例えば、血清タンパク質、例えば、アルブミン結合ペプチドに結合するペプチドをさらに含み得る。この部分は、例えばリンカーによってBまたは第3のポリペプチドのN末端またはカルボキシ末端に接合することができる。

0009

特定の態様では、Fc構築物は、IgGCL抗体定常ドメインおよびIgG CH1抗体定常ドメインをさらに含む。IgG CH1抗体定常ドメインは、例えばリンカーによってAまたは第2のポリペプチドのN末端に付着され得る。

0010

他の態様では、Fc構築物の第2および第3のポリペプチドは、同じアミノ酸配列を有する。

0011

別の局面では、本発明は、3つのFcドメインを形成する4つのポリペプチドを含むFc構築物を特徴とする。第1のポリペプチドは、式A−L−Bを有し、Aは、第1のFcドメイン単量体を含み;Lは、リンカーであり;かつBは、第2のFcドメイン単量体を含む。第2のポリペプチドは、式A'−L'−B'を有し、A'は、第3のFcドメイン単量体を含み;L'は、リンカーであり;かつB'は、第4のFcドメイン単量体を含む。第3のポリペプチドは、第5のFcドメイン単量体を含み、かつ第4のポリペプチドは、第6のFcドメイン単量体を含む。この局面では、AとA'が結合して第1のFcドメインを形成し、Bと第5のFcドメイン単量体が結合して第2のFcドメインを形成し、かつB'と第6のFcドメイン単量体が結合して第3のFcドメインを形成する。本発明のこの局面の例示的なFc構築物は、図5に例示されている。

0012

特定の態様では、AおよびA'はそれぞれ、これらのFcドメイン単量体間の二量体化を促進する二量体化選択性モジュールを含む。他の態様では、Bおよび第5のFcドメイン単量体はそれぞれ、これらのFcドメイン単量体間の二量体化を促進する二量体化選択性モジュールを含む。さらに他の態様では、B'および第6のFcドメイン単量体はそれぞれ、これらのFcドメイン単量体間の二量体化を促進する二量体化選択性モジュールを含む。

0013

特定の態様では、A、B、A'、B'、第3のポリペプチド、および第4のポリペプチドの1つまたは複数は、Fcドメイン単量体からなる。一態様では、A、B、A'、B'、第3のポリペプチド、および第4のポリペプチドのそれぞれは、Fcドメイン単量体からなる。

0014

特定の態様では、Fc構築物は、IgGCL抗体定常ドメインおよびIgG CH1抗体定常ドメインをさらに含み、IgG CL抗体定常ドメインは、リンカーによってIgG CH1抗体定常ドメインのN末端に付着され、かつIgG CH1抗体定常ドメインは、例えばリンカーによってAのN末端に付着されている。一態様では、Fc構築物は、第2のIgG CL抗体定常ドメインおよび第2のIgG CH1抗体定常ドメインをさらに含み、第2のIgG CL抗体定常ドメインは、例えばリンカーによって第2のIgG CH1抗体定常ドメインのN末端に付着され、かつ第2のIgG CH1抗体定常ドメインは、例えばリンカーによってA'のN末端に付着されている。

0015

特定の態様では、Fc構築物は、異種部分、例えば、ペプチド、例えばリンカーによってBまたはB'のN末端またはC末端に接合されたアルブミン結合ペプチドをさらに含む。

0016

他の態様では、Fc構築物の第1および第2のポリペプチドは、同じアミノ酸配列を有し、かつFc構築物の第3および第4のポリペプチドは、同じアミノ酸配列を有する。

0017

別の局面では、本発明は、2つのポリペプチドを含むFc構築物を特徴とする。第1のポリペプチドは、式A−L−Bを有し、Aは、第1のFcドメイン単量体を含み;Lは、リンカーであり;かつBは、血清タンパク質結合部分、例えば、アルブミン結合ペプチドを含む。第2のポリペプチドは、第2のFcドメイン単量体を含む。この局面では、第1のFcドメイン単量体と第2のFcドメイン単量体が結合してFcドメインを形成する。

0018

特定の態様では、第1のFcドメイン単量体および第2のFcドメイン単量体は、第1のFcドメイン単量体と第2のFcドメイン単量体間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含む。

0019

特定の態様では、Aおよび第2のポリペプチドはそれぞれ、Fcドメイン単量体からなる。

0020

さらに別の局面では、本発明は、2つのポリペプチドを含むFc構築物を特徴とする。第1のポリペプチドは、式A−L1−B−L2−Cを有し、Aは、IgGCL抗体定常ドメインを含み;L1およびL2はそれぞれ、リンカーであり;Bは、IgG CH1抗体定常ドメインを含み;かつCは、第1のFcドメイン単量体を含む。第2のポリペプチドは、式A'−L1'−B'−L2'−C'を有し、A'は、IgG CL抗体定常ドメインを含み;L1'およびL2'はそれぞれ、リンカーであり;B'は、IgG CH1抗体定常ドメインを含み;かつC'は、第2のFcドメイン単量体を含む。この局面では、第1のFcドメイン単量体と第2のFcドメイン単量体が結合してFcドメインを形成する。本発明のこの局面の例示的なFc構築物は、図7Aに例示されている。

0021

特定の態様では、第1のFcドメイン単量体および第2のFcドメイン単量体は、第1のFcドメイン単量体と第2のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する二量体化選択性モジュールを含む。

0022

特定の態様では、CおよびC'はそれぞれ、Fcドメイン単量体からなる。

0023

特定の態様では、Fc構築物は、血清タンパク質結合部分、例えば、リンカーによってCまたはC'のN末端またはC末端に接合されたアルブミン結合ペプチドをさらに含む。

0024

さらに別の局面では、本発明は、4つ以上のポリペプチドを含むFc構築物を特徴とする。第1のポリペプチドは、式A−L1−B−L2−Cを有し、Aは、IgGCL抗体定常ドメインを含み;L1およびL2はそれぞれ、リンカーであり;Bは、IgG CH1抗体定常ドメインを含み;かつCは、第1のFcドメイン単量体を含む。第2のポリペプチドは、式A'−L1'−B'−L2'−C'を有し、A'は、IgG CL抗体定常ドメインを含み;L1'およびL2'はそれぞれ、リンカーであり;B'は、IgG CH1抗体定常ドメインを含み;かつC'は、第2のFcドメイン単量体を含む。この局面では、第1のFcドメイン単量体が第3のFcドメイン単量体と結合して第1のFcドメインを形成し、かつ第2のFcドメイン単量体が第4のFcドメイン単量体と結合して第2のFcドメインを形成する。加えて、第1のポリペプチドのIgG CH1抗体定常ドメインは、第2のポリペプチドのIgG CL抗体定常ドメインと結合し、第2のポリペプチドのIgG CH1抗体定常ドメインは、第1のポリペプチドのIgG CL抗体定常ドメインと結合して、2つ以上のFcドメインを含むFc構築物を形成する。本発明のこの局面の例示的なFc構築物は、図7Bに例示されている。

0025

別の局面では、本発明は、2つのポリペプチドを含むFc構築物を特徴とする。第1のポリペプチドは、第1のFcドメイン単量体を含み、第2のポリペプチドは、第2のFcドメイン単量体を含む。この局面では、第1と第2のFcドメイン単量体が結合してFcドメインを形成する。本発明のこの局面の例示的なFc構築物は、図1に例示されている。さらにこの局面では、第1のFcドメイン単量体および第2のFcドメイン単量体はそれぞれ、第1のFcドメイン単量体と第2のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する二量体化選択性モジュールを含む。この態様の例示的なFc構築物は、図2および図3に例示されている。

0026

特定の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、Fcドメイン単量体からなる。

0027

特定の態様では、Fc構築物は、血清タンパク質結合部分、例えば、例えばリンカーによって第1または第2のポリペプチドのN末端またはC末端に接合されたアルブミン結合ペプチドをさらに含む。

0028

別の局面では、本発明は、2つのポリペプチドを含むFc構築物を特徴とする。第1のポリペプチドは、式A−L−Bを有し、Aは、第1のFcドメイン単量体を含み;Lは、リンカーであり;かつBは、第2のFcドメイン単量体を含む。第2のポリペプチドは、式A'−L'−B'を有し、A'は、第3のFcドメイン単量体を含み;L'は、リンカーであり;かつB'は、第4のFcドメイン単量体を含む。この局面では、第1および第2のFcドメイン単量体はそれぞれ、それぞれのCH3抗体定常ドメインの中にエンジニアリングされた凹部を含み、かつ第2および第4のFcドメイン単量体はそれぞれ、それぞれのCH3抗体定常ドメインの中にエンジニアリングされた突出部を含み、エンジニアリングされた凹部およびエンジニアリングされた突出部は、突出部が凹部の中に入る突出部と凹部の対を形成するように配置される。またこの局面では、第1のFcドメイン単量体と第3のFcドメイン単量体が結合して第1のFcドメインを形成し、第2のFcドメイン単量体と第4のFcドメイン単量体が結合して第2のFcドメインを形成する。

0029

特定の態様では、A、B、A'、およびB'の1つまたは複数は、Fcドメイン単量体からなる。一態様では、A、B、A'、およびB'のそれぞれは、Fcドメイン単量体からなる。

0030

特定の態様では、Fc構築物は、血清タンパク質結合部分、例えば、例えばリンカーによってBまたはB'のN末端またはC末端に接合されたアルブミン結合ペプチドをさらに含む。

0031

特定の態様では、Fc構築物は、IgGCL抗体定常ドメインおよびIgG CH1抗体定常ドメインをさらに含み、IgG CL抗体定常ドメインは、例えばリンカーによってIgG CH1抗体定常ドメインのN末端に付着され、かつIgG CH1抗体定常ドメインは、リンカーによってAのN末端に付着されている。一態様では、Fc構築物は、第2のIgG CL抗体定常ドメインおよび第2のIgG CH1抗体定常ドメインをさらに含み、第2のIgG CL抗体定常ドメインは、リンカーによって第2のIgG CH1抗体定常ドメインのN末端に付着され、かつ第2のIgG CH1抗体定常ドメインは、リンカーによってA'のN末端に付着されている。

0032

別の態様では、本発明は、(a)式A−L−Bを有する第1のポリペプチドであって;Aが、第1のFcドメイン単量体を含む、または第1のFcドメイン単量体からなり;Lが、リンカーであり;かつBが、第2のFcドメイン単量体を含む、または第2のFcドメイン単量体からなる、第1のポリペプチド;(b)式A'−L'−B'を有する第2のポリペプチドであって;A'が、第3のFcドメイン単量体を含む、または第3のFcドメイン単量体からなり;L'が、リンカーであり;かつB'が、第4のFcドメイン単量体を含む、または第4のFcドメイン単量体からなる、第2のポリペプチド;(c)第5のFcドメイン単量体を含む、または第5のFcドメイン単量体からなる第3のポリペプチド;および(d)第6のFcドメイン単量体を含む、または第6のFcドメイン単量体からなる第4のポリペプチドからなるFc構築物を特徴とする。第1のポリペプチドのAと第2のポリペプチドのA'が結合して第1のFcドメインを形成し;第1のポリペプチドのBと第5のFcドメイン単量体が結合して第2のFcドメインを形成し;かつ第2のポリペプチドのB'と第6のFcドメイン単量体が結合して第3のFcドメインを形成する。第1および第3のFcドメイン単量体のそれぞれは、第1のFcドメイン単量体と第3のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、第2および第5のFcドメイン単量体のそれぞれは、第2のFcドメイン単量体と第5のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、第4および第6のFcドメイン単量体のそれぞれは、第4のFcドメイン単量体と第6のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;Fc構築物は、3つ以下のFcドメインを含む。

0033

この局面の一部の態様では、第1のFcドメイン単量体または第3のFcドメイン単量体のいずれか一方が、負に荷電したアミノ酸置換を含み、他方のFcドメイン単量体は、正に荷電したアミノ酸置換を含み、第2および第4のFcドメイン単量体または第5および第6のFcドメイン単量体のいずれか一方が、エンジニアリングされた突出部を含み、他方のFcドメイン単量体は、エンジニアリングされた凹部を含む。一部の態様では、リンカーL1、L2、L1'、および/またはL2'は、3〜200のアミノ酸長である。一部の態様では、リンカーLおよび/またはL'は、SEQID NO: 1、2、および3のいずれか1つの配列からなる。

0034

別の局面では、本発明は、(a)式A−L1−B−L2−Cを有する第1のポリペプチドであって;Aが、第1のFcドメイン単量体を含む、または第1のFcドメイン単量体からなり;L1が、リンカーであり;Bが、第2のFcドメイン単量体を含む、または第2のFcドメイン単量体からなり;L2が、リンカーであり:かつCが、第3のFcドメイン単量体を含む、または第3のFcドメイン単量体からなる、第1のポリペプチド;および(b)式A'−L1'−B'−L2'−C'を有する第2のポリペプチドであって;A'が、第4のFcドメイン単量体を含む、または第4のFcドメイン単量体からなり;L1'が、リンカーであり;B'が、第5のFcドメイン単量体を含む、または第5のFcドメイン単量体からなり;L2'が、リンカーであり:かつC'が、第6のFcドメイン単量体を含む、または第6のFcドメイン単量体からなる、第2のポリペプチド;(c)第7のFcドメイン単量体を含む、または第7のFcドメイン単量体からなる第3のポリペプチド;(d)第8のFcドメイン単量体を含む、または第8のFcドメイン単量体からなる第4のポリペプチド;(e)第9のFcドメイン単量体を含む、または第9のFcドメイン単量体からなる第5のポリペプチド;および(f)第10のFcドメイン単量体を含む、または第10のFcドメイン単量体からなる第6のポリペプチドからなるFc構築物を特徴とする。第1のポリペプチドのAと第7のFCドメイン単量体が結合して第1のFcドメインを形成し;第1のポリペプチドのBと第2のポリペプチドのB'が結合して第2のFcドメインを形成し;第1のポリペプチドのCと第8のFcドメイン単量体が結合して第3のFcドメインを形成し、第2のポリペプチドのA'と第9のFcドメイン単量体が結合して第4のFcドメインを形成し、かつ第2のポリペプチドのC'と第10のFcドメイン単量体が結合して第5のFcドメインを形成する。第1および第7のFcドメイン単量体のそれぞれは、第1のFcドメイン単量体と第7のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、第2および第5のFcドメイン単量体のそれぞれは、第2のFcドメイン単量体と第5のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、第3および第8のFcドメイン単量体のそれぞれは、第3のFcドメイン単量体と第8のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;第4および第9のFcドメイン単量体のそれぞれは、第4のFcドメイン単量体と第9のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;かつ第6および第10のFcドメイン単量体のそれぞれは、第6のドメイン単量体と第10のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;Fc構築物は、5つ以下のFcドメインを含む。

0035

この局面の一部の態様では、第1、第3、第4、および第6のFcドメイン単量体のそれぞれは、エンジニアリングされた突出部を含み、第2のFcドメイン単量体は、負に荷電したアミノ酸置換を含み、第5のFcドメイン単量体は、正に荷電したアミノ酸置換を含み、かつ第7、第8、第9、および第10のFcドメイン単量体のそれぞれは、エンジニアリングされた凹部を含む。一部の態様では、リンカーL1、L2、L1'、および/またはL2'は、3〜200のアミノ酸長である。一部の態様では、リンカーL1、L2、L1'、および/またはL2'は、SEQID NO: 1、2、および3のいずれか1つの配列からなる。

0036

別の局面では、本発明は、(a)式A−L1−B−L2−Cを有する第1のポリペプチドであって;Aが、第1のFcドメイン単量体を含む、または第1のFcドメイン単量体からなり;L1が、リンカーであり;Bが、第2のFcドメイン単量体を含む、または第2のFcドメイン単量体からなり;L2が、リンカーであり:かつCが、第3のFcドメイン単量体を含む、または第3のFcドメイン単量体からなる、第1のポリペプチド;および(b)式A'−L1'−B'−L2'−C'を有する第2のポリペプチドであって;A'が、第4のFcドメイン単量体を含む、または第4のFcドメイン単量体からなり;L1'が、リンカーであり;B'が、第5のFcドメイン単量体を含む、または第5のFcドメイン単量体からなり;L2'が、リンカーであり:かつC'が、第6のFcドメイン単量体を含む、または第6のFcドメイン単量体からなる、第2のポリペプチド;(c)第7のFcドメイン単量体を含む、または第7のFcドメイン単量体からなる第3のポリペプチド;(d)第8のFcドメイン単量体を含む、または第8のFcドメイン単量体からなる第4のポリペプチド;(e)第9のFcドメイン単量体を含む、または第9のFcドメイン単量体からなる第5のポリペプチド;(f)第10のFcドメイン単量体を含む、または第10のFcドメイン単量体からなる第6のポリペプチドからなるFc構築物を特徴とする。第1のポリペプチドのAと第2のポリペプチドのA'が結合して第1のFcドメインを形成し;第1のポリペプチドのBと第7のFcドメイン単量体が結合して第2のFcドメインを形成し;第1のポリペプチドのCと第8のFcドメイン単量体が結合して第3のFcドメインを形成し、第2のポリペプチドのB'と第9のFcドメイン単量体が結合して第4のFcドメインを形成し、かつ第2のポリペプチドのC'と第10のFcドメイン単量体が結合して第5のFcドメインを形成する。第1および第4のFcドメイン単量体のそれぞれは、第1のFcドメイン単量体と第4のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、第2および第7のFcドメイン単量体のそれぞれは、第2のFcドメイン単量体と第7のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、第3および第8のFcドメイン単量体のそれぞれは、第3のFcドメイン単量体と第8のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;第5および第9のFcドメイン単量体のそれぞれは、第5のFcドメイン単量体と第9のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;かつ第6および第10のFcドメイン単量体のそれぞれは、第6のドメイン単量体と第10のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;Fc構築物は、5つ以下のFcドメインを含む。

0037

この局面の一部の態様では、第1のFcドメイン単量体は、負に荷電したアミノ酸置換を含み、第4のFcドメイン単量体は、正に荷電したアミノ酸置換を含み、かつ第2、第3、第5、および第6のFcドメイン単量体のそれぞれは、エンジニアリングされた突出部を含み、かつ第7、第8、第9、および第10のFcドメイン単量体のそれぞれは、エンジニアリングされた凹部を含む。一部の態様では、リンカーL1、L2、L1'、および/またはL2'は、3〜200のアミノ酸長である。一部の態様では、リンカーL1、L2、L1'、および/またはL2'は、SEQID NO: 1、2、および3のいずれか1つの配列からなる。

0038

別の局面では、本発明は、1つまたは複数のFcドメインを含むFc構築物を特徴とし、このFc構築物は、単一ポリペプチド配列から構築される。このポリペプチドは、式A−L−Bを有し、Aは、第1のFcドメイン単量体を含み;Lは、リンカー(任意で、例えば、1つまたは2つ以上の切断部位を有する切断可能リンカー)であり;かつBは、第2のFcドメイン単量体を含む。このリンカーは、ポリペプチドの第1のFcドメイン単量体と第2のFcドメイン単量体が結合してFcドメインを形成する十分な長さ(例えば、少なくとも15のアミノ酸、好ましくは少なくとも約20のアミノ酸残基長、例えば、15〜200のアミノ酸長)および可撓性のアミノ酸スペーサーであり得る。特定の態様では、第1のFcドメイン単量体および第2のFcドメイン単量体は、第1のFcドメイン単量体と第2のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含む。このような構築物は、宿主細胞での単一ポリペプチド配列の発現から形成することができる。一態様では、このポリペプチドは、式A−L1−B−L2−Cを有し、Aは、第1のFcドメイン単量体を含み;L1は、リンカー(任意で、例えば、1つまたは2つ以上の切断部位を有する切断可能リンカー)であり;Bは、第2のFcドメイン単量体を含み;L2は、リンカーであり;かつCは、第3のFcドメイン単量体である。リンカーは、ポリペプチドの第1のFcドメイン単量体と第2のFcドメイン単量体が結合してFcドメインを形成する十分な長さ(例えば、少なくとも15のアミノ酸、好ましくは少なくとも約20のアミノ酸残基長、例えば、15〜200アミノ酸長)および可撓性のアミノ酸スペーサーであり得る。特定の態様では、第1のFcドメイン単量体および第2のFcドメイン単量体は、第1のFcドメイン単量体と第2のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含む。3つのFcドメインを含む、この態様のFc構築物の一例が図10に示されている。

0039

本明細書に記載の任意のFc構築物において、構築物のFcドメインのFcドメイン単量体は、同じ一次アミノ酸配列を有し得る。例えば、FcドメインのFcドメイン単量体は両方、野生型配列であり得る、またはFcドメインの両方のFcドメイン単量体は、同じ二量体化選択性モジュールを有し得る、例えば、Fcドメインの両方のFcドメイン単量体は、CH3ドメイン間の界面の荷電残基の環内の少なくとも2つの位置に同一の逆電荷変異(reverse charge mutation)を有し得る。

0040

本明細書に記載の任意のFc構築物において、構築物のFcドメインのFcドメイン単量体は、2つのFc単量体間(即ち、Fc構築物のFcドメイン単量体と別の単量体との間)に、異なる配列、例えば、20以下のアミノ酸(例えば、15以下、10以下のアミノ酸)、例えば、20以下、15以下、10以下、8つ以下、7つ以下、6つ以下、5つ以下、4つ以下、3つ以下、または2つ以下のアミノ酸が異なる配列を有し得る。例えば、本明細書に記載の構築物のFc単量体配列は、任意のFc構築物の相補的二量体化選択性モジュールが、一方のドメイン単量体のCH3抗体定常ドメインにおけるエンジニアリングされた凹部および他方のFcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメインにおけるエンジニアリングされた突出部を含み得るため異なり得、エンジニアリングされた凹部およびエンジニアリングされた突出部は、Fcドメイン単量体の突出部が凹部の中に入る突出部と凹部の対を形成するように位置する。例示的なエンジニアリングされた凹部および突出部が表1に示されている。別の態様では、相補的二量体化選択性モジュールは、一方のドメイン単量体のCH3抗体定常ドメインにおけるエンジニアリング(置換)された負に荷電したアミノ酸および他方のFcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメインにおけるエンジニアリング(置換)された正に荷電したアミノ酸を含み、負に荷電したアミノ酸および正に荷電したアミノ酸は、相補的なドメイン単量体間のFcドメインの形成を促進するように位置する。例示的な相補的アミノ酸変化が表2に示されている。

0041

一部の態様では、二量体化選択性モジュール(例えば、エンジニアリングされた凹部および突出部、またはエンジニアリングされた正および負に荷電したアミノ酸(例えば、表1および表2の例示的なアミノ酸変化を参照されたい))に加えて、本明細書に記載のFc構築物は、例えば、Fc構築物の安定化を助けるためまたはタンパク質の凝集を防止するために、Fc単量体配列の野生型配列からの追加のアミノ酸置換も含み得る。

0042

一部の態様では、本明細書に記載のFc構築物は、2〜10のFcドメイン(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10のドメイン)を含み、この構築物のFcドメインの少なくとも2つが、異なる二量体化選択性モジュールを有する。例えば、構築物5、8、9、および10は、エンジニアリングされた凹部および突出物を含む少なくとも1つのFcドメインおよび相補的な逆電荷変異を含む少なくとも1つのFcドメインを有する。

0043

他の態様では、本明細書に記載のFc構築物の1つまたは複数のリンカーは結合である。

0044

他の態様では、本明細書に記載のFc構築物の1つまたは複数のリンカーは、スペーサー、例えば、2〜200のアミノ酸のアミノ酸スペーサーである。

0045

特定の態様では、アミノ酸スペーサーは、グリシンおよび/またはセリンの多いスペーサーであり、例えば、このスペーサーは、配列GS、GGS、GGGGS(SEQID NO: 1)、GGSG(SEQ ID NO: 2)、またはSGGG(SEQ ID NO: 3)の2つ以上のモチーフを含む。

0046

特定の態様では、Fc構築物が、アルブミン結合ペプチドを含む場合は、このアルブミン結合ペプチドは、DICLPRWGCLW(SEQID NO: 28)の配列を有する。

0047

他の態様では、本明細書に記載のFc構築物の1つまたは複数のFcドメイン単量体は、IgGヒンジドメイン、IgG CH2抗体定常ドメイン、およびIgG CH3抗体定常ドメインを含む。

0048

特定の態様では、前述のFc構築物のFcドメイン単量体のそれぞれは、IgGヒンジドメイン、IgG CH2抗体定常ドメイン、およびIgG CH3抗体定常ドメインを含む。

0049

特定の態様では、IgGは、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、およびIgG4からなる群より選択されるサブタイプである。

0050

さらに別の局面では、本発明は、本明細書に記載の任意のFc構築物の実質的に均質な(例えば、少なくとも85%、90%、95%、97%、98%、99%均質な)集団を含む薬学的組成物を特徴とする。一態様では、薬学的用途に適格滅菌シリンジまたはバイアルは、薬学的組成物を含み、唯一または主な活性成分は、本明細書に記載のいずれか1つのFc構築物の実質的に均質な(例えば、少なくとも85%、90%、95%、98%、または99%均質な)集団である。薬学的組成物は、例えば、塩、洗剤界面活性剤充填剤ポリマー保存剤、および他の薬学的添加剤から選択される1つまたは複数の非活性成分を含み得る。別の態様では、実質的に均質な薬学的組成物は、Fc構築物の10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、または0.5%未満の凝集または不所望の多量体を含む。

0051

別の局面では、本発明は、前述のFc構築物のいずれか1つを調製する方法を特徴とする。この方法は、Fc構築物の構築に必要なポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む宿主細胞を用意すること、Fc構築物の形成を可能にする条件下で、宿主細胞でポリペプチドを発現させること、およびFc構築物を回収すること(例えば、精製すること)を含む。

0052

一部の態様では、Fc構築物は、異なるポリペプチドに存在するFcドメイン単量体の会合によって少なくとも部分的に形成される。特定の態様では、Fc構築物は、異なるポリペプチドに存在するFcドメイン単量体の会合によって形成される。これらの態様では、Fc構築物は、2つのポリペプチドの会合を促進する追加のドメイン(例えば、IgM尾部またはIgA尾部)を含まない。他の態様では、共有結合(例えば、ジスルフィド架橋)は、接合してFcドメインを形成する2つのFcドメイン単量体間のみに存在する。他の態様では、Fc構築物は、Fcドメイン間に共有結合(例えば、ジスルフィド架橋)を含まない。さらに他の態様では、Fc構築物は、十分な構造的可撓性を提供し、これによりFc構築物の全てまたは実質的に全てのFcドメインが、細胞表面のFc受容体に同時に相互作用することができる。これらのいずれかの態様の特定の例では、Fc構築物は、リンカー(例えば、可撓性アミノ酸スペーサー)を介して接合された少なくとも2つのFcドメインを含む。

0053

一態様では、FcドメインのFcドメイン単量体は、会合してFcドメインを形成する異なるポリペプチド鎖に見られる。例えば、図4および図6に示されている構築物は、3つの会合ポリペプチドを含む2つのFcドメインを有する。3つのポリペプチドのうちの1つは、2つのFcドメイン単量体を含み、3つのポリペプチドのうちの他の2つはそれぞれ、1つのFcドメイン単量体を含む。図5に示されている構築物は、4つの会合ポリペプチドを含む3つのFcドメインを有し;4つのポリペプチドのうちの2つが、2つのFcドメイン単量体を含み、4つのポリペプチドのうちの他の2つはそれぞれ、1つのFcドメイン単量体を含む。図7Bに示されているFc構築物は、2n個のポリペプチドを含むn個のFcドメインを有し得(nは2〜10)、各ポリペプチドは、Fcドメイン単量体、IgGCL、抗体定常ドメイン、およびIgG CH1抗体定常ドメインを含む。図8および図9に示されている構築物はそれぞれ、6つの会合ポリペプチドを含む5つのFcドメインを有する。6つのポリペプチドのうちの2つは、3つのFcドメイン単量体を有し、6つのポリペプチドのうちの他の4つはそれぞれ、1つのFcドメイン単量体を含む。図10に示されている構築物は、2つの会合ポリペプチドを含む3つのFcドメインを有する。2つのポリペプチドのそれぞれは、直列に接合された3つのFcドメイン単量体を含む。

0054

別の局面では、本発明は、Fcドメイン単量体の選択的二量体化を促進するための組成物および方法を特徴とする。本発明は、Fcドメインを含み、このFcドメインの2つのFcドメイン単量体は、CH3抗体定常ドメイン間の界面の荷電残基の環内の少なくとも2つの位置に同一の変異を含む。本発明はまた、このようなFcドメインを形成する方法も含み、この方法は、CH3抗体定常ドメイン間の界面の荷電残基の環内の少なくとも2つの位置にある2つのFcドメイン単量体配列に、同一の変異を有する相補的二量体化選択性モジュールを導入することを含む。CH3抗体定常ドメイン間の界面は、荷電残基の環によって取り囲まれた疎水性パッチからなる。1つのCH3抗体定常ドメインが別のCH3抗体定常ドメインと1つになると、これらの荷電残基が、反対の電荷の残基と対を形成する。2つ以上の相補的な残基の対の両方のメンバーの電荷を逆にすることにより、変異Fcドメイン単量体は、同じ変異配列のFcドメイン単量体に対する相補性を維持するが、これらの変異のないFcドメイン単量体に対しては低い相補性を有する。この態様では、同一の二量体化選択性モジュールは、ホモ二量体化を促進する。例示的なFcドメインは、二重変異体K409D/D339K、K392D/D399K、E357K/K370E、D356K/K439D、K409E/D339K、K392E/D399K、E357K/K370D、またはD356K/K439Eを含むFc単量体を含む。別の態様では、Fcドメインは、二重変異体の任意の対を組み合わせた四重変異体、例えば、K409D/D399K/E357K/K370Eを含むFc単量体を含む。別の態様では、同一の二量体化選択性モジュールに加えて、FcドメインのFcドメイン単量体は、特定の会合(例えば、エンジニアリングされた凹部と突出部の会合)を促進する非同一変異を有する相補的二量体化選択性モジュールを含む。結果として、2つのFcドメイン単量体は、2つの二量体化選択性モジュールを含み、かつ互いに対する相補性を維持するが、他のFcドメイン単量体に対しては低い相補性を有する。この態様は、凹部を含むFcドメインと突出部を含むFcドメイン単量体との間のヘテロ二量体化を促進する。一例では、両方のFcドメイン単量体の荷電対残基の同一の変異が、一方のFcドメイン単量体の突出部および他方のFcドメイン単量体の凹部と組み合わせられる。

0055

別の局面では、本発明は、その必要がある対象の炎症を低減する方法を特徴とする。別の局面では、本発明は、その必要がある対象の自己抗体のクリアランスを促進する方法を特徴とする。別の局面では、本発明は、その必要がある対象の抗原提示を抑制する方法を特徴とする。別の局面では、本発明は、その必要がある対象の免疫応答を低減する、例えば、その必要がある対象の免疫応答の免疫複合体による活性化を低減する方法を特徴とする。これらの方法は、本明細書に記載のFc構築物または薬学的組成物を対象に投与することを含む。

0056

別の局面では、本発明は、本明細書に記載のFc構築物または薬学的組成物(例えば、構築物1〜10および5*のいずれか1つ)を対象に投与することによって対象の炎症性疾患または自己免疫疾患または免疫疾患を処置する方法を特徴とする。例示的な疾患としては:関節リウマチ(RA);全身性エリテマトーデスSLE);ANCA関連血管炎抗リン脂質抗体症候群自己免疫性溶血性貧血慢性炎症脱髄性神経障害移植における抗アロ、GVHDにおける抗自己、抗置換、IgG治療薬、IgGのパラプロテインのクリアランス;皮膚筋炎グッドパスチャー症候群抗体依存性細胞媒介性細胞傷害によって媒介される器官系標的II型過敏症症候群、例えば、ギランバレー症候群CIDP、皮膚筋炎、フェルティ症候群、抗体媒介性拒絶反応自己免疫性甲状腺疾患潰瘍性大腸炎、自己免疫性肝疾患特発性血小板減少性紫斑病重症筋無力症視神経脊髄炎天疱瘡および他の自己免疫水疱性疾患;シェーグレン症候群;抗体依存性食作用によって媒介される自己免疫性血球減少症および他の障害;他のFcR依存性炎症性症候群、例えば、滑膜炎、皮膚筋炎、全身性血管炎、糸球体炎、および血管炎が挙げられる。

0057

別の局面では、本発明は、その必要がある対象の炎症の低減に使用される本明細書に記載のFc構築物または薬学的組成物(例えば、構築物1〜10および5*のいずれか1つ)を特徴とする。別の局面では、本発明は、その必要がある対象の自己免疫抗体のクリアランスの促進に使用される本明細書に記載のFc構築物または薬学的組成物(例えば、構築物1〜10および5*のいずれか1つ)を特徴とする。別の局面では、本発明は、その必要がある対象の抗原提示の抑制に使用される本明細書に記載のFc構築物または薬学的組成物(例えば、構築物1〜10および5*のいずれか1つ)を特徴とする。別の局面では、本発明は、その必要がある対象の免疫応答の低減、例えば、その必要がある対象の免疫応答の免疫複合体による活性化の低減に使用される本明細書に記載のFc構築物または薬学的組成物(例えば、構築物1〜10および5*のいずれか1つ)を特徴とする。

0058

別の局面では、本発明は、対象の炎症性疾患または自己免疫疾患または免疫疾患の処置に使用される本明細書に記載のFc構築物または薬学的組成物(例えば、構築物1〜10および5*のいずれか1つ)を特徴とする。例示的な疾患としては:関節リウマチ(RA);全身性エリテマトーデス(SLE);ANCA関連血管炎;抗リン脂質抗体症候群;自己免疫性溶血性貧血;慢性炎症性脱髄性神経障害;移植における抗アロ、GVHDにおける抗自己、抗置換、IgG治療薬、IgGのパラプロテインのクリアランス;皮膚筋炎;グッドパスチャー症候群;抗体依存性細胞媒介性細胞傷害によって媒介される器官系標的II型過敏症症候群、例えば、ギランバレー症候群、CIDP、皮膚筋炎、フェルティ症候群、抗体媒介性拒絶反応、自己免疫性甲状腺疾患、潰瘍性大腸炎、自己免疫性肝疾患;特発性血小板減少性紫斑病;重症筋無力症、視神経脊髄炎;天疱瘡および他の自己免疫水疱性疾患;シェーグレン症候群;抗体依存性食作用によって媒介される自己免疫性血球減少症および他の障害;他のFcR依存性炎症性症候群、例えば、滑膜炎、皮膚筋炎、全身性血管炎、糸球体炎、および血管炎が挙げられる。

0059

本明細書に記載の任意のFc構築物において、Fcドメイン単量体の順序交換可能であることを理解されたい。例えば、式A−L−Bを有するポリペプチドでは、Aのカルボキシ末端をLのアミノ末端に接合することができ、Lは、そのカルボキシ末端がBのアミノ末端に接合される。別法では、Bのカルボキシ末端をLのアミノ末端に接合することができ、Lは、そのカルボキシ末端がCのアミノ末端に接合される。これらの構造は共に、式A−L−Bによって包含される。

0060

関連する局面では、本発明は、前述のFc構築物のいずれか1つを発現する宿主細胞を特徴とする。宿主細胞は、Fc構築物を構築するために必要なポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、このポリヌクレオチドは、宿主細胞で発現される。

0061

定義
本明細書で使用される「Fcドメイン単量体」という語は、少なくともヒンジドメインならびに第2および第3の抗体定常ドメイン(CH2およびCH3)またはその機能的断片(例えば、(i)別のFcドメイン単量体と二量体化してFcドメインを形成することができ、かつ(ii)Fc受容体に結合することができる断片)を含むポリペプチド鎖を指す。Fcドメイン単量体は、IgG、IgE、IgM、IgA、またはIgDを含む任意の免疫グロブリン抗体アイソタイプであり得る。加えて、Fcドメイン単量体は、IgGサブタイプ(例えば、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、またはIgG4)であり得る。Fcドメイン単量体は、抗原認識領域として機能することができる免疫グロブリンの部分、例えば、可変ドメインまたは相補性決定領域(CDR)を一切含まない。Fcドメイン単量体は、FcドメインとFc受容体との間の相互作用を変更する野生型Fcドメイン単量体配列(例えば、1〜10、1〜8、1〜6、1〜4のアミノ酸の置換、付加、または欠失)の10もの変化を含み得る。適切な変化の例は、当分野で公知である。

0062

本明細書で使用される「Fcドメイン」という語は、Fc受容体に結合することができる2つのFcドメイン単量体の二量体を指す。野生型Fcドメインでは、2つのFcドメイン単量体が、2つのCH3抗体定常ドメイン間の相互作用、および2つの二量体化するFcドメイン単量体のヒンジドメイン間に形成される1つまたは複数のジスルフィド結合によって二量体化する。

0063

本発明では、「Fc構築物」という語は、本明細書に記載されるように2〜10のFcドメイン間に形成される関連ポリペプチド鎖を指す。本明細書に記載のFc構築物は、同じまたは異なる配列を有するFcドメイン単量体を含み得る。例えば、Fc構築物は、2つのFcドメインを有することができ、このうちの1つのFcドメインは、IgG1またはIgG1由来Fcドメイン単量体を含み、このうちの第2のFcドメインは、IgG2またはIgG2由来Fcドメイン単量体を含む。別の例では、Fc構築物は、2つのFcドメインを有することができ、このうちの1つのFcドメインは、「突出部が凹部の中に入る突出部と凹部の対」を含み、このうちの第2のFcドメインは、「突出部が凹部の中に入る突出部と凹部の対」を含まない。本発明では、Fcドメインは、抗体の可変領域、例えば、VH、VL、CDR、またはHVRを含まない。Fcドメインは、Fc受容体、例えば、FcγRI、FcγRIIa、FcγRIIb、FcγRIIIa、FcγRIIIb、FcγRIVに結合する極小構造を形成する。

0064

本明細書で使用される「抗体定常ドメイン」という語は、抗体の定常領域ドメイン(例えば、CL抗体定常ドメイン、CH1抗体定常ドメイン、CH2抗体定常ドメイン、またはCH3抗体定常ドメイン)に対応するポリペプチドを指す。

0065

本明細書で使用される「促進する」という語は、促し、かつ助長する、例えば、他の異なるFcドメイン単量体よりも高い互いに対する結合親和性を有する2つのFcドメイン単量体からのFcドメインの形成を助長することを意味する。本明細書に記載されるように、結合してFcドメインを形成する2つのFcドメイン単量体は、それぞれのCH3抗体定常ドメインの界面に適合性アミノ酸修飾(例えば、エンジニアリングされた突出部およびエンジニアリングされた凹部)を有し得る。適合性のアミノ酸修飾は、このようなアミノ酸修飾を有していない、または不適合性のアミノ酸修飾を有する他のFcドメイン単量体よりも、このようなFcドメイン単量体の互いに対する選択的な相互作用を促進または助長する。これは、2つの相互作用するCH3抗体定常ドメインの界面のアミノ酸修飾により、Fcドメイン単量体が、アミノ酸修飾を有していない他のFcドメイン単量体に対してよりも互いに対して高い親和性を有するためである。

0066

本明細書で使用される「二量体化選択性モジュール」という語は、助長される2つのFcドメイン単量体間の対形成を容易にするFcドメイン単量体の配列を指す。「相補」二量体化選択性モジュールは、2つのFcドメイン単量体の互いに対する選択的な相互作用を促進または助長する二量体化選択性モジュールである。相補的二量体化選択性モジュールは、同じまたは異なる配列を有し得る。例示的な相補的二量体化選択性モジュールは、本明細書に記載される。

0067

本明細書で使用される「エンジニアリングされた凹部」という語は、CH3抗体定常ドメインの元のアミノ酸残基の少なくとも1つの、元のアミノ酸残基よりも小さい側鎖体積を有する異なるアミノ酸残基での置換により、CH3抗体定常ドメインに3次元凹部を形成することを意味する。「元のアミノ酸残基」という語は、野生型CH3抗体定常ドメインの遺伝子コードによってコードされる天然に存在するアミノ酸残基を指す。

0068

本明細書で使用される「エンジニアリングされた突出部」という語は、CH3抗体定常ドメインの元のアミノ酸残基の少なくとも1つの、元のアミノ酸残基よりも大きい側鎖体積を有する異なるアミノ酸残基での置換により、CH3抗体定常ドメインに3次元突出部を形成することを意味する。「元のアミノ酸残基」という語は、野生型CH3抗体定常ドメインの遺伝子コードによってコードされる天然に存在するアミノ酸残基を指す。

0069

本明細書で使用される「突出部が凹部の中に入る突出部と凹部の対」という語は、第1のFcドメイン単量体が、そのCH3抗体定常ドメインの中にエンジニアリングされた凹部を含み、第2のFcドメイン単量体が、そのCH3抗体定常ドメインの中にエンジニアリングされた突出部を含む、2つのFcドメイン単量体を含むFcドメインを表す。突出部が凹部の中に入る突出部と凹部の対においては、第1のFcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメインのエンジニアリングされた突出部が、CH3抗体定常ドメイン間の界面における二量体の正常な会合を著しく妨げずに、第2のFcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメインのエンジニアリングされた凹部と相互作用するように配置する。

0070

本明細書で使用される「接合された」という語は、化学的コンジュゲーション組換え手段、および化学結合、例えば、ジスルフィド結合およびアミド結合を含む手段によって2つ以上の要素、成分、またはタンパク質ドメイン、例えば、ポリペプチドの結合または付着を表すために使用される。化学的コンジュゲーション、化学結合、ペプチドリンカー、またはその他の共有結合の手段によって、例えば、2つの単一ポリペプチドを接合して1つの連続したタンパク質構造を形成することができる。一部の態様では、第1のFcドメイン単量体が、ペプチドリンカーによって第2のFcドメイン単量体に接合され、ペプチドリンカーのN末端が、化学結合、例えば、ペプチド結合によって第1のFcドメイン単量体のC末端に接合され、かつペプチドリンカーのC末端が、化学結合、例えば、ペプチド結合によって第2のFcドメイン単量体のN末端に接合される。他の態様では、アルブミン結合ペプチドのN末端が、上述の方式と同じ方式でリンカーによってFcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメインのC末端に接合される。

0071

本明細書で使用される「会合した」という語は、ポリペプチド(または1つの単一ポリペプチド内の配列)が、少なくとも1つのFcドメインを有するFc構築物を形成するよう位置するような、ポリペプチド(または1つの単一ポリペプチド内の配列)間の相互作用、例えば、水素結合疎水性相互作用、またはイオン相互作用を表すために使用される。例えば、それぞれ1つのFcドメイン単量体を含む2つのポリペプチドは、会合してFc構築物を形成し得る(例えば、図1〜図3に示されている)。一部の態様では、例えば、1つのポリペプチドが2つのFcドメイン単量体を含み、2つのポリペプチドがそれぞれ1つのFcドメイン単量体を含む3つのポリペプチドは、会合して、2つのFcドメインを有するFc構築物を形成する(例えば、図4および図6に示されている)。一部の態様では、例えば、2つのポリペプチドがそれぞれ2つのFcドメイン単量体を含み、2つのポリペプチドがそれぞれ1つのFcドメイン単量体を含む4つのポリペプチドは、会合して、3つのFcドメインを有するFc構築物を形成する(例えば、図5に示されている)。他の態様では、例えば、それぞれのポリペプチドが、Fcドメイン単量体、IgGCL抗体定常ドメイン、およびIgG CH1抗体定常ドメインを含む2n個のポリペプチドが、会合して、n個のFcドメインを有するFc構築物を形成する(図7Bに示されている)。2つのポリペプチドは、それぞれのFcドメイン単量体を介して、またはポリペプチドの他の成分を介して会合することができる。例えば、図7Bでは、ポリペプチド708は、そのFcドメイン単量体を介してポリペプチド706と会合し、かつポリペプチド710のCH1ドメインと会合しているそのCLドメインの会合を介してポリペプチド710と会合する。ポリペプチド間の会合は、共有結合性相互作用を含まない。例えば、図10では、Fc単量体配列1004と1006が会合してFcドメインを形成するように、単一ポリペプチド内のFc単量体配列1014と1012が会合してFcドメインを形成する。

0072

本明細書で使用される「リンカー」という語は、2つの要素、例えば、タンパク質ドメイン間の連結を指す。リンカーは、共有結合またはスペーサーであり得る。「結合」という語は、化学結合、例えば、アミド結合またはジスルフィド結合、または化学反応、例えば、化学的コンジュゲーションから形成されるあらゆる種類の結合を指す。「スペーサー」という語は、2つのポリペプチドまたはポリペプチドドメイン間に存在して、これらの2つのポリペプチドまたはポリペプチドドメイン間に空間および/または可撓性を提供する部分(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)ポリマー)またはアミノ酸配列(例えば、3〜200アミノ酸の配列、3〜150アミノ酸の配列、または3〜100アミノ酸の配列)を指す。アミノ酸スペーサーは、(例えば、ポリペプチド主鎖を介して離間したポリペプチドまたはポリペプチドドメインに接合された)ポリペプチドの一次配列の一部である。例えば、Fcドメインを形成する2つのヒンジ領域または2つのFcドメイン単量体間のジスルフィド結合の形成は、リンカーとは見なされない。

0073

本明細書で使用される「切断可能なリンカー」という語は、例えば構築物が形成された後に、選択的に切断され得る1つまたは複数の要素を含むリンカーを指し、例えば、切断可能なリンカーは、プロテーゼによって選択的に切断され得るポリペプチド配列を含む。

0074

本明細書で使用される「アルブミン結合ペプチド」という語は、血清アルブミンに対する親和性および血清アルブミンに結合する機能を有する12〜16アミノ酸のアミノ酸配列を指す。アルブミン結合ペプチドは、異なる起源、例えば、ヒト、マウス、またはラット起源であり得る。本発明の一部の態様では、アルブミン結合ペプチドは、Fcドメイン単量体のC末端に融合して、Fc構築物の血清半減期を長くする。アルブミン結合ペプチドは、Fcドメイン単量体のN末端またはC末端に直接融合するか、またはリンカーを介して融合し得る。

0075

本明細書で使用される「多量体」という語は、本明細書に記載の少なくとも2つの会合したFc構築物を含む分子を指す。

0076

本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」という語は、オリゴヌクレオチドまたはヌクレオチド、およびそれらの断片または一部、ならびに一本鎖または二本鎖であり得、かつセンス鎖またはアンチセンス鎖を表すゲノム起源または合成起源のDNAまたはRNAを指す。単一ポリヌクレオチドは、単一ポリペプチドに翻訳される。

0077

本明細書で使用される「ポリペプチド」という語は、単量体がアミド結合によって互いに接合されたアミノ酸残基である単一ポリマーを指す。ポリペプチドは、天然に存在する、組換えまたは合成により作製されるあらゆるアミノ酸配列を包含するものとする。

0078

本明細書で使用される「アミノ酸位置」という語は、タンパク質またはタンパク質ドメインにおけるアミノ酸の位置番号を指す。抗体またはFc構築物のアミノ酸位置は、Kabat付番方式(Kabat numbering system)(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, National Institutes of Health, Bethesda, Md., ed 5, 1991)を用いて付番される。

0079

本明細書で使用される「宿主細胞」という語は、対応する核酸からタンパク質を発現させるために必要である不可欠な細胞成分、例えば、細胞小器官を含むビヒクルを指す。核酸は、典型的には、当分野で公知の従来技術(形質転換トランスフェクションエレクトロポレーションリン酸カルシウム沈殿、直接微量注入など)によって宿主細胞に導入され得る核酸ベクターに含められる。宿主細胞は、原核細胞、例えば、細菌細胞、または真核細胞、例えば、哺乳動物細胞(例えば、CHO細胞)であり得る。本明細書に記載されるように、宿主細胞は、結合して所望のFc構築物を形成することができる所望のドメインをコードする1つまたは複数のポリペプチドを発現させるために使用される。

0080

本明細書で使用される「薬学的組成物」という語は、活性成分ならびに活性成分を投与の方法に適合させることができる1つまたは複数の添加剤および希釈剤を含む医薬製剤または薬学的製剤を指す。本発明の薬学的組成物は、Fc構築物に適合性の薬学的に許容される成分を含む。薬学的組成物は、典型的には、静脈内投与または皮下投与のために水溶性形態である。

0081

本明細書で使用されるポリペプチドまたはFc構築物の「実質的に均質な集団」という語は、組成物(例えば、薬学的組成物)中のポリペプチドまたはFc構築物の少なくとも85%が、同数のFcドメインおよび同じFcドメイン構造を有するポリペプチドまたはFc構築物の集団を指す。様々な態様では、組成物中のポリペプチドまたはFc構築物の少なくとも90%、92%、95%、97%、98%、99%、または99.5%が同じである。従って、Fc構築物の実質的に均質な集団を含む薬学的組成物は、組成物中のFc構築物の少なくとも85%が同数のFcドメインおよび同じ構造を有する薬学的組成物である。Fc構築物の実質的に均質な集団は、10%を超えるFc構築物の多量体または凝集体を含まない(例えば、8%以下、5%以下、2%以下、または1%以下)。

0082

本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」という語は、薬学的組成物中の添加剤または希釈剤を指す。薬学的に許容される担体は、製剤の他の成分に適合性でなければならず、レシピエントにとって有害であってはならない。本発明では、薬学的に許容される担体は、Fc構築物に対して十分な薬学的安定性を提供しなければならない。担体の性質は、投与方式によって異なる。例えば、経口投与の場合は、固形担体が好ましく;静脈内投与の場合は、水溶液担体(例えば、WFI、および/または緩衝液)が一般に使用される。

0083

本明細書で使用される「治療有効量」という語は、本対象または患者に所望の生物学的効果誘導に、または明細書に記載の状態または障害を有する患者の処置に有効な量、例えば、薬学的用量を指す。また、本明細書では、「治療有効量」は、単回もしくは任意の用量で投与されても、または単独でもしくは他の治療剤との併用で投与されても、所望の治療効果を与える量と解釈することができることを理解されたい。
[本発明1001]
(a)式A−L−Bを有する第1のポリペプチドであって;
(i)Aが、第1のFcドメイン単量体を含み;
(ii)Lが、リンカーであり;かつ
(iii)Bが、第2のFcドメイン単量体を含む、第1のポリペプチド;
(b)第3のFcドメイン単量体を含む第2のポリペプチド;および
(c)第4のFcドメイン単量体を含む第3のポリペプチド
を含み、
前記第1のFcドメイン単量体と前記第3のFcドメイン単量体とが結合して第1のFcドメインを形成し、かつ前記第2のFcドメイン単量体と前記第4のFcドメイン単量体とが結合して第2のFcドメインを形成する、Fc構築物。
[本発明1002]
前記第1のFcドメイン単量体および前記第3のFcドメイン単量体が、前記第1のFcドメイン単量体と前記第3のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含む、本発明1001のFc構築物。
[本発明1003]
前記第2のFcドメイン単量体および前記第4のFcドメイン単量体が、前記第2のFcドメイン単量体と前記第4のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含む、本発明1001または1002のFc構築物。
[本発明1004]
Aが、Fcドメイン単量体からなる、本発明1001〜1003のいずれかのFc構築物。
[本発明1005]
Bが、Fcドメイン単量体からなる、本発明1001〜1004のいずれかのFc構築物。
[本発明1006]
前記第2のポリペプチドが、Fcドメイン単量体からなる、本発明1001〜1005のいずれかのFc構築物。
[本発明1007]
前記第3のポリペプチドが、Fcドメイン単量体からなる、本発明1001〜1006のいずれかのFc構築物。
[本発明1008]
リンカーによって1つまたは複数の前記ポリペプチドのN末端またはC末端に接合されたアルブミン結合ペプチドをさらに含む、本発明1001〜1007のいずれかのFc構築物。
[本発明1009]
IgGCL抗体定常ドメインおよびIgG CH1抗体定常ドメインをさらに含み、前記IgG CH1抗体定常ドメインが、リンカーによってAまたは前記第2のポリペプチドのN末端に付着されている、本発明1001〜1008のいずれかのFc構築物。
[本発明1010]
前記第2のポリペプチドおよび前記第3のポリペプチドが、同じアミノ酸配列を有する、本発明1001〜1009のいずれかのFc構築物。
[本発明1011]
(a)式A−L−Bを有する第1のポリペプチドであって;
(i)Aが、第1のFcドメイン単量体を含み;
(ii)Lが、リンカーであり;かつ
(iii)Bが、第2のFcドメイン単量体を含む、第1のポリペプチド;
(b)式A'−L'−B'を有する第2のポリペプチドであって;
(i)A'が、第3のFcドメイン単量体を含み;
(ii)L'が、リンカーであり;かつ
(iii)B'が、第4のFcドメイン単量体を含む、第2のポリペプチド;
(c)第5のFcドメイン単量体を含む第3のポリペプチド;および
(d)第6のFcドメイン単量体を含む第4のポリペプチド
を含み、
前記第1のポリペプチドのAと前記第2のポリペプチドのA'とが結合して第1のFcドメインを形成し、前記第1のポリペプチドのBと第5のFcドメイン単量体とが結合して第2のFcドメインを形成し、かつ前記第2のポリペプチドのB'と第6のFcドメイン単量体とが結合して第3のFcドメインを形成する、Fc構築物。
[本発明1012]
前記第1のFcドメイン単量体および前記第3のFcドメイン単量体が、前記第1のFcドメイン単量体と前記第3のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含む、本発明1011のFc構築物。
[本発明1013]
前記第2のFcドメイン単量体および前記第5のFcドメイン単量体が、前記第2のFcドメイン単量体と前記第5のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含む、本発明1011または1012のFc構築物。
[本発明1014]
前記第4のFcドメイン単量体および前記第6のFcドメイン単量体が、前記第4のFcドメイン単量体と前記第6のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含む、本発明1011〜1013のいずれかのFc構築物。
[本発明1015]
Aが、Fcドメイン単量体からなる、本発明1011〜1014のいずれかのFc構築物。
[本発明1016]
Bが、Fcドメイン単量体からなる、本発明1011〜1015のいずれかのFc構築物。
[本発明1017]
A'が、Fcドメイン単量体からなる、本発明1011〜1016のいずれかのFc構築物。
[本発明1018]
B'が、Fcドメイン単量体からなる、本発明1011〜1017のいずれかのFc構築物。
[本発明1019]
前記第3のポリペプチドが、Fcドメイン単量体からなる、本発明1011〜1018のいずれかのFc構築物。
[本発明1020]
前記第4のポリペプチドが、Fcドメイン単量体からなる、本発明1011〜1019のいずれかのFc構築物。
[本発明1021]
IgG CL抗体定常ドメインおよびIgG CH1抗体定常ドメインをさらに含み、前記IgG CL抗体定常ドメインが、リンカーによって前記IgG CH1抗体定常ドメインのN末端に付着され、かつ前記IgG CH1抗体定常ドメインが、リンカーによってAのN末端に付着されている、本発明1011〜1020のいずれかのFc構築物。
[本発明1022]
第2のIgG CL抗体定常ドメインおよび第2のIgG CH1抗体定常ドメインをさらに含み、前記第2のIgG CL抗体定常ドメインが、リンカーによって前記第2のIgG CH1抗体定常ドメインのN末端に付着され、かつ前記第2のI gG CH1抗体定常ドメインが、リンカーによってA'のN末端に付着されている、本発明1021のFc構築物。
前記IgG CH1抗体定常ドメインが、リンカーによってAまたはA'のN末端に付着されている。
[本発明1023]
アルブミン結合ペプチドをさらに含む、本発明1011〜1021のいずれかのFc構築物。
[本発明1024]
前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドが、同じアミノ酸配列を有し、かつ前記第3のポリペプチドおよび前記第4のポリペプチドが、同じアミノ酸配列を有する、本発明1011〜1022のいずれかのFc構築物。
[本発明1025]
(a)式A−L−Bを有する第1のポリペプチドであって;
(i)Aが、第1のFcドメイン単量体を含み;
(ii)Lが、リンカーであり;かつ
(iii)Bが、アルブミン結合ペプチドを含む、第1のポリペプチド;および
(b)第2のFcドメイン単量体を含む第2のポリペプチド
を含み、
前記第1のFcドメイン単量体と前記第2のFcドメイン単量体とが結合してFcドメインを形成する、Fc構築物。
[本発明1026]
前記第1のFcドメイン単量体および前記第2のFcドメイン単量体が、前記第1のFcドメイン単量体と前記第2のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含む、本発明1025のFc構築物。
[本発明1027]
Aが、Fcドメイン単量体からなる、本発明1025または1026のFc構築物。
[本発明1028]
第2のポリペプチドが、Fcドメイン単量体からなる、本発明1025〜1027のいずれかのFc構築物。
[本発明1029]
(a)式A−L1−B−L2−Cを有する第1のポリペプチドであって;
(i)Aが、IgG CL抗体定常ドメインを含み;
(ii)L1およびL2がそれぞれ、リンカーであり;
(iii)Bが、IgG CH1抗体定常ドメインを含み;かつ
(iv)Cが、第1のFcドメイン単量体を含む、第1のポリペプチド;および
(b)式A'−L1'−B'−L2'−C'を有する第2のポリペプチドであって;
(i)A'が、IgG CL抗体定常ドメインを含み;
(ii)L1'およびL2'がそれぞれ、リンカーであり;
(iii)B'が、IgG CH1抗体定常ドメインを含み;かつ
(iv)C'が、第2のFcドメイン単量体を含む、第2のポリペプチド
を含み、
前記第1のFcドメイン単量体と前記第2のFcドメイン単量体とが結合してFcドメインを形成する、Fc構築物。
[本発明1030]
前記第1のFcドメイン単量体および前記第2のFcドメイン単量体が、前記第1のFcドメイン単量体と前記第2のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含む、本発明1029のFc構築物。
[本発明1031]
Cが、Fcドメイン単量体からなる、本発明1029または1030のFc構築物。
[本発明1032]
C'が、Fcドメイン単量体からなる、本発明1029〜1031のいずれかのFc構築物。
[本発明1033]
リンカーによってCまたはC'のC末端に接合されたアルブミン結合ペプチドをさらに含む、本発明1029〜1032のいずれかのFc構築物。
[本発明1034]
(a)式A−L1−B−L2−Cを有する第1のポリペプチドであって;
(i)Aが、IgG CL抗体定常ドメインを含み;
(ii)L1およびL2がそれぞれ、リンカーであり;
(iii)Bが、IgG CH1抗体定常ドメインを含み;かつ
(iv)Cが、第1のFcドメイン単量体を含む、第1のポリペプチド;および
(b)式A'−L1'−B'−L2'−C'を有する第2のポリペプチドであって;
(i)A'が、IgG CL抗体定常ドメインを含み;
(ii)L1'およびL2'がそれぞれ、リンカーであり;
(iii)B'が、IgG CH1抗体定常ドメインを含み;かつ
(iv)C'が、第2のFcドメイン単量体を含む、第2のポリペプチド;
(c)第3のFcドメイン単量体を含む第3のポリペプチド;および
(d)第4のFcドメイン単量体を含む第4のポリペプチド
を含み、
前記第1のFcドメイン単量体と前記第3のFcドメイン単量体とが結合して第1のFcドメインを形成し;前記第2のFcドメイン単量体と第4第3のFcドメイン単量体とが結合して第2のFcドメインを形成し;
前記第1のポリペプチドのIgG CH1抗体定常ドメインが、前記第2のポリペプチドのIgG CL抗体定常ドメインと結合し;かつ
前記第2のポリペプチドのIgG CH1抗体定常ドメインが、前記第1のポリペプチドのIgG CL抗体定常ドメインと結合する、Fc構築物。
[本発明1035]
(a)第1のFcドメイン単量体を含む第1のポリペプチド;および
(b)第2のFcドメイン単量体を含む第2のポリペプチド
を含み、
前記第1のFcドメイン単量体と前記第2のFcドメイン単量体とが結合してFcドメインを形成し、かつ前記第1のFcドメイン単量体および前記第2のFcドメイン単量体が、前記第1のFcドメイン単量体と前記第2のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含む、Fc構築物。
[本発明1036]
前記第1のポリペプチドがFcドメイン単量体からなる、本発明1035のFc構築物。
[本発明1037]
前記第2のポリペプチドがFcドメイン単量体からなる、本発明1035または1036のFc構築物。
[本発明1038]
アルブミン結合ペプチドをさらに含む、本発明1035〜1037のいずれかのFc構築物。
[本発明1039]
IgG CL抗体定常ドメインおよびIgG CH1抗体定常ドメインをさらに含み、前記IgG CH1抗体定常ドメインが、リンカーによって前記第1または前記第2のポリペプチドのN末端に付着されている、本発明1035〜1038のいずれかのFc構築物。
[本発明1040]
(a)式A−L−Bを有する第1のポリペプチドであって;
(i)Aが、第1のFcドメイン単量体を含み;
(ii)Lが、リンカーであり;かつ
(iii)Bが、第2のFcドメイン単量体を含む、第1のポリペプチド;
(b)式A'−L'−B'を有する第2のポリペプチドであって;
(i)A'が、第3のFcドメイン単量体を含み;
(ii)L'が、リンカーであり;かつ
(iii)B'が、第4のFcドメイン単量体を含む、第2のポリペプチド
を含み、
前記第1および前記第2のFcドメイン単量体が、それぞれのCH3ドメインの中にエンジニアリングされた凹部を含み、かつ前記第3および前記第4のFcドメイン単量体が、それぞれのCH3ドメインの中にエンジニアリングされた突出部を含み、前記エンジニアリングされた凹部と前記エンジニアリングされた突出部が、突出部が凹部の中に入る突出部と凹部の対を形成するように位置し、前記第1のFcドメイン単量体と前記第3のFcドメイン単量体とが結合して第1のFcドメインを形成し、かつ前記第2のFcドメイン単量体と第4のFcドメイン単量体とが結合して第2のFcドメインを形成する、Fc構築物。
[本発明1041]
前記A、前記B、前記A'、または前記B'のそれぞれが、Fcドメイン単量体からなる、本発明1040のFc構築物。
[本発明1042]
リンカーによってBまたはB'のC末端に接合されたアルブミン結合ペプチドをさらに含む、本発明1040または1041のFc構築物。
[本発明1043]
IgG CL抗体定常ドメインおよびIgG CH1抗体定常ドメインをさらに含み、前記IgG CH1抗体定常ドメインが、リンカーによってAまたはA'のN末端に付着されている、本発明1040〜1042のいずれかのFc構築物。
[本発明1044]
前記二量体化選択性モジュールが、前記Fcドメイン単量体の一方のCH3ドメインの中にエンジニアリングされた凹部および前記Fcドメイン単量体の他方のCH3ドメインの中にエンジニアリングされた突出部を含み、前記エンジニアリングされた凹部と前記エンジニアリングされた突出部が、Fcドメイン単量体の突出部が凹部の中に入る突出部と凹部の対を形成するように位置している、本発明1002、1003、1012、1013、1014、1026、1030、または1035のいずれかのFc構築物。
[本発明1045]
前記Fcドメイン単量体の一方が、Y407VおよびY349Cを含み、前記Fcドメイン単量体の他方が、T336WおよびS354Cを含む、本発明1044のFc構築物。
[本発明1046]
前記二量体化選択性モジュールが、前記ドメイン単量体の一方のCH3ドメインの中に負に荷電したアミノ酸および前記Fcドメイン単量体の他方のCH3ドメインの中に正に荷電したアミノ酸を含み、前記負に荷電したアミノ酸と前記正に荷電したアミノ酸が、Fcドメインの形成を促進するように位置している、本発明1002、1003、1012、1013、1014、1026、1030、または1035のいずれかのFc構築物。
[本発明1047]
前記Fcドメイン単量体の一方がD399Kを含み、かつ前記Fcドメイン単量体の他方がK409Dを含む、本発明1046のFc構築物。
[本発明1048]
前記Fc構築物の1つまたは複数のリンカーが結合である、本発明1001〜1047のいずれかのFc構築物。
[本発明1049]
前記Fc構築物の1つまたは複数のリンカーがスペーサーである、本発明1001〜1047のいずれかのFc構築物。
[本発明1050]
前記スペーサーが、SEQID NO: 1〜27のいずれか1つの配列を含む、本発明1049のFc構築物。
[本発明1051]
前記配列が、SEQ ID NO: 1、2、および3のいずれか1つからなる、本発明1050のFc構築物。
[本発明1052]
前記アルブミン結合ペプチドが、SEQ ID NO: 28の配列を含む、本発明1008、1022、1025、1033、1038、および1042のいずれかのFc構築物。
[本発明1053]
前記アルブミン結合ペプチドが、SEQ ID NO: 28の配列からなる、本発明1052のFc構築物。
[本発明1054]
(a)式A−L1−B−L2−Cを有する第1のポリペプチドであって;
(i)Aが、第1のFcドメイン単量体を含み;
(ii)L1が、リンカーであり;
(iii)Bが、第2のFcドメイン単量体を含み;
(iv)L2が、リンカーであり;
(v)Cが、第3のFcドメイン単量体を含む、第1のポリペプチド;および
(b)式A'−L1'−B'−L2'−C'を有する第2のポリペプチドであって;
(i)A'が、第4のFcドメイン単量体を含み;
(ii)L1'が、リンカーであり;
(iii)B'が、第5のFcドメイン単量体を含み;
(iv)L2'が、リンカーであり;
(v)C'が、第6のFcドメイン単量体を含む、第2のポリペプチド
を含み、
前記第1のFcドメイン単量体と前記第2のFcドメイン単量体とが結合して第1のFcドメインを形成し、前記第4のFcドメイン単量体と前記第5のFcドメイン単量体とが結合して第2のFcドメインを形成し、かつ前記第3のFcドメイン単量体と前記第6のFcドメイン単量体とが結合して第3のFcドメインを形成する、Fc構築物。
[本発明1055]
リンカーL1およびL1'が、切断可能なリンカーである、本発明1054のFc構築物。
[本発明1056]
前記Fcドメイン単量体の1つまたは複数が、IgGヒンジドメイン、IgG CH2抗体定常ドメイン、およびIgG CH3抗体定常ドメインを含む、本発明1001〜1055のいずれかのFc構築物。
[本発明1057]
前記Fcドメイン単量体のそれぞれが、IgGヒンジドメイン、IgG CH2抗体定常ドメイン、およびIgG CH3抗体定常ドメインを含む、本発明1056のFc構築物。
[本発明1058]
前記IgGが、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、およびIgG4からなる群より選択されるサブタイプである、本発明1056または1057のFc構築物。
[本発明1059]
本発明1001〜1058のいずれかのFc構築物を調製する方法であって:
(a)前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を提供すること;
(b)前記Fc構築物の形成を可能にする条件下で、前記宿主細胞で前記第1、前記第2、および前記第3のポリペプチドを発現させること;
(c)前記Fc構築物を回収すること
を含む、方法。
[本発明1060]
本発明1001〜1058のいずれかのFc構築物を発現する宿主細胞であって、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、前記ポリヌクレオチドが前記宿主細胞で発現される、宿主細胞。
[本発明1061]
2〜10のFcドメインを有するFc構築物の実質的に均質な集団を含む薬学的組成物。
[本発明1062]
前記2〜10のFcドメインの複数が、2つのFcドメイン単量体間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含む2つのFcドメイン単量体の会合によって形成される、本発明1061の薬学的組成物。
[本発明1063]
前記複数のFcドメインの2つの別個のポリペプチドが、同じアミノ酸配列を有する、本発明1062の薬学的組成物。
[本発明1064]
前記複数のFcドメインの2つの別個のポリペプチドが、異なるアミノ酸配列を有する、本発明1062の薬学的組成物。
[本発明1065]
相補的なFc単量体配列が、相補的二量体化選択性モジュールを有する、本発明1062の薬学的組成物。
[本発明1066]
前記Fc構築物が、1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つ)の以下の特徴を有する、本発明1061の薬学的組成物:
(a)異なるポリペプチドに存在するFcドメイン単量体の会合によって少なくとも部分的に形成される;
(b)2つのポリペプチドの会合を促進する追加のドメインを含まない;
(c)接合してFcドメインを形成する2つのFcドメイン単量体間のみに共有結合を含む;
(d)Fcドメイン間に共有結合を含まない;
(e)前記Fc構築物における前記Fcドメインの全てまたは実質的に全てが、細胞表面のFc受容体と同時に相互作用することができるように、十分な可撓性を提供する;および/または
(f)リンカーによって接合された少なくとも2つのFcドメインを含む。
[本発明1067]
本発明1001〜1058のいずれかのFc構築物の実質的に均質な集団を含む薬学的組成物。
[本発明1068]
前記Fc構築物が、2〜5の会合したポリペプチドを含み、各ポリペプチドが、少なくとも1つのFcドメイン単量体を含み、前記構築物の各Fcドメイン単量体が、同じであるか、または10以下のアミノ酸が異なる、本発明1061〜1067のいずれかの薬学的組成物。
[本発明1069]
前記Fc構築物が、3つの会合したポリペプチドを含む2つのFcドメインを含み、前記3つのポリペプチドのうちの1つが、2つのFcドメイン単量体を含み、かつ前記3つのポリペプチドのうちの2つがそれぞれ、1つのFcドメイン単量体を含む、本発明1061〜1067のいずれかの薬学的組成物。
[本発明1070]
前記Fc構築物が、4つの会合したポリペプチドを含む3つのFcドメインを含み、前記4つのポリペプチドのうちの2つがそれぞれ、2つのFcドメイン単量体を含み、前記4つのポリペプチドのうちの2つがそれぞれ、1つのFcドメイン単量体を含む、本発明1061〜1067のいずれかの薬学的組成物。
[本発明1071]
前記Fc構築物が、2n個のポリペプチドを含むn個のFcドメインからなり、各ポリペプチドが、Fcドメイン単量体、IgG CL抗体定常ドメイン、およびIgG CH1抗体定常ドメインを含む、本発明1061〜1067のいずれかの薬学的組成物。
[本発明1072]
対象の炎症を処置する方法であって、本発明1001〜1058のいずれかのFc構築物または本発明1061〜1071のいずれかの薬学的組成物を治療有効量含む薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
[本発明1073]
対象の免疫応答の免疫複合体による活性化を低減する方法であって、本発明1001〜1058のいずれかのFc構築物または本発明1061〜1071のいずれかの薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
[本発明1074]
前記対象が自己免疫疾患を有する、本発明1073の方法。
[本発明1075]
(a)式A−L−Bを有する第1のポリペプチドであって;
(i)Aが、第1のFcドメイン単量体を含み;
(ii)Lが、リンカーであり;かつ
(iii)Bが、第2のFcドメイン単量体を含む、第1のポリペプチド;
(b)式A'−L'−B'を有する第2のポリペプチドであって;
(i)A'が、第3のFcドメイン単量体を含み;
(ii)L'が、リンカーであり;かつ
(iii)B'が、第4のFcドメイン単量体を含む、第2のポリペプチド;
(c)第5のFcドメイン単量体を含む第3のポリペプチド;および
(d)第6のFcドメイン単量体を含む第4のポリペプチド
からなり、
AとA'とが結合して第1のFcドメインを形成し、Bと前記第5のFcドメイン単量体とが結合して第2のFcドメインを形成し、かつB'と前記第6のFcドメイン単量体とが結合して第3のFcドメインを形成し;
前記第1および前記第3のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第1のFcドメイン単量体と前記第3のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、
前記第2および前記第5のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第2のFcドメイン単量体と前記第5のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、かつ
前記第4および前記第6のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第4のFcドメイン単量体と前記第6のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;かつ
3つ以下のFcドメインを含む、Fc構築物。
[本発明1076]
(a)式A−L−Bを有する第1のポリペプチドであって;
(i)Aが、第1のFcドメイン単量体からなり;
(ii)Lが、リンカーであり;かつ
(iii)Bが、第2のFcドメイン単量体からなる、第1のポリペプチド;
(b)式A'−L'−B'を有する第2のポリペプチドであって;
(i)A'が、第3のFcドメイン単量体からなり;
(ii)L'が、リンカーであり;かつ
(iii)B'が、第4のFcドメイン単量体からなる、第2のポリペプチド;
(c)第5のFcドメイン単量体からなる第3のポリペプチド;および
(d)第6のFcドメイン単量体からなる第4のポリペプチド
からなり、
AとA'とが結合して第1のFcドメインを形成し、Bと前記第5のFcドメイン単量体とが結合して第2のFcドメインを形成し、かつB'と前記第6のFcドメイン単量体とが結合して第3のFcドメインを形成し;
前記第1および前記第3のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第1のFcドメイン単量体と前記第3のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、
前記第2および前記第5のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第2のFcドメイン単量体と前記第5のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、かつ
前記第4および前記第6のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第4のFcドメイン単量体と前記第6のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;かつ
3つ以下のFcドメインを含む、Fc構築物。
[本発明1077]
前記第1のFcドメイン単量体の前記相補的二量体化選択性モジュールが、負に荷電したアミノ酸置換を含み、前記第3のFcドメイン単量体の前記相補的二量体化選択性モジュールが、正に荷電したアミノ酸置換を含み、前記第2のFcドメイン単量体の前記相補的二量体化選択性モジュールが、エンジニアリングされた突出部を含み、前記第5のFcドメイン単量体の前記相補的二量体化選択性モジュールが、エンジニアリングされた凹部を含み、前記第4のFcドメイン単量体の前記相補的二量体化選択性モジュールが、エンジニアリングされた突出部を含み、かつ前記第6のFcドメイン単量体の前記相補的二量体化選択性モジュールが、エンジニアリングされた凹部を含む、本発明1075または1076のFc構築物。
[本発明1078]
前記リンカーLおよび/またはL'が、3〜200のアミノ酸長である、本発明1075〜1077のいずれかのFc構築物。
[本発明1079]
前記リンカーLおよび/またはL'が、SEQ ID NO: 1、2、および3のいずれか1つの配列からなる、本発明1077のFc構築物。
[本発明1080]
(a)式A−L1−B−L2−Cを有する第1のポリペプチドであって;
(i)Aが、第1のFcドメイン単量体を含み;
(ii)L1が、リンカーであり;
(iii)Bが、第2のFcドメイン単量体を含み;かつ
(iv)L2が、リンカーであり;
(v)Cが、第3のFcドメイン単量体を含む、第1のポリペプチド;および
(b)式A'−L1'−B'−L2'−C'を有する第2のポリペプチドであって;
(i)A'が、第4のFcドメイン単量体を含み;
(ii)L1'が、リンカーであり;
(iii)B'が、第5のFcドメイン単量体を含み;かつ
(iv)L2'が、リンカーであり;
(v)C'が、第6のFcドメイン単量体を含む、第2のポリペプチド;
(c)第7のFcドメイン単量体を含む第3のポリペプチド;
(d)第8のFcドメイン単量体を含む第4のポリペプチド;
(e)第9のFcドメイン単量体を含む第5のポリペプチド;
(d)第10のFcドメイン単量体を含む第6のポリペプチド
からなり、
Aと前記第7のFcドメイン単量体とが結合して第1のFcドメインを形成し、BとB'とが結合して第2のFcドメインを形成し、Cと前記第8のFcドメイン単量体とが結合して第3のFcドメインを形成し、A'と前記第9のFcドメイン単量体とが結合して第4のFcドメインを形成し、かつC'と前記第10のFcドメイン単量体とが結合して第5のFcドメインを形成し;
前記第1および前記第7のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第1のFcドメイン単量体と前記第7のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、
前記第2および前記第5のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第2のFcドメイン単量体と前記第5のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、
前記第3および前記第8のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第3のFcドメイン単量体と前記第8のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;
前記第4および前記第9のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第4のFcドメイン単量体と前記第9のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;かつ
前記第6および前記第10のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第6のドメイン単量体と前記第10のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;かつ
5つ以下のFcドメインを含む、Fc構築物。
[本発明1081]
(a)式A−L1−B−L2−Cを有する第1のポリペプチドであって;
(i)Aが、第1のFcドメイン単量体からなり;
(ii)L1が、リンカーであり;
(iii)Bが、第2のFcドメイン単量体からなり;かつ
(iv)L2が、リンカーであり;
(v)Cが、第3のFcドメイン単量体からなる、第1のポリペプチド;および
(b)式A'−L1'−B'−L2'−C'を有する第2のポリペプチドであって;
(i)A'が、第4のFcドメイン単量体からなり;
(ii)L1'が、リンカーであり;
(iii)B'が、第5のFcドメイン単量体からなり;かつ
(iv)L2'が、リンカーであり;
(v)C'が、第6のFcドメイン単量体からなる、第2のポリペプチド;
(c)第7のFcドメイン単量体からなる第3のポリペプチド;
(d)第8のFcドメイン単量体からなる第4のポリペプチド;
(e)第9のFcドメイン単量体からなる第5のポリペプチド;
(d)第10のFcドメイン単量体からなる第6のポリペプチド
からなり、
Aと前記第7のFcドメイン単量体とが結合して第1のFcドメインを形成し、BとB'とが結合して第2のFcドメインを形成し、Cと前記第8のFcドメイン単量体とが結合して第3のFcドメインを形成し、A'と前記第9のFcドメイン単量体とが結合して第4のFcドメインを形成し、かつC'と前記第10のFcドメイン単量体とが結合して第5のFcドメインを形成し;
前記第1および前記第7のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第1のFcドメイン単量体と前記第7のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、
前記第2および前記第5のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第2のFcドメイン単量体と前記第5のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、
前記第3および前記第8のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第3のFcドメイン単量体と前記第8のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;
前記第4および前記第9のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第4のFcドメイン単量体と前記第9のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;かつ
前記第6および前記第10のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第6のドメイン単量体と前記第10のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;かつ
5つ以下のFcドメインを含む、Fc構築物。
[本発明1082]
前記第2のFcドメイン単量体の前記相補的二量体化選択性モジュールが、負に荷電したアミノ酸置換を含み、前記第5のFcドメイン単量体の前記相補的二量体化選択性モジュールが、正に荷電したアミノ酸置換を含み、前記第1、前記第3、前記第4、および前記第6のFcドメイン単量体のそれぞれの前記相補的二量体化選択性モジュールが、エンジニアリングされた突出部を含み、かつ前記第7、前記第8、前記第9、および前記第10のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的二量体化選択性モジュールが、エンジニアリングされた凹部を含む、本発明1080または1081のFc構築物。
[本発明1083]
(a)式A−L1−B−L2−Cを有する第1のポリペプチドであって;
(i)Aが、第1のFcドメイン単量体を含み;
(ii)L1が、リンカーであり;
(iii)Bが、第2のFcドメイン単量体を含み;かつ
(iv)L2が、リンカーであり;
(v)Cが、第3のFcドメイン単量体を含む、第1のポリペプチド;および
(b)式A'−L1'−B'−L2'−C'を有する第2のポリペプチドであって;
(i)A'が、第4のFcドメイン単量体を含み;
(ii)L1'が、リンカーであり;
(iii)B'が、第5のFcドメイン単量体を含み;かつ
(iv)L2'が、リンカーであり;
(v)C'が、第6のFcドメイン単量体を含む、第2のポリペプチド;
(c)第7のFcドメイン単量体を含む第3のポリペプチド;
(d)第8のFcドメイン単量体を含む第4のポリペプチド;
(e)第9のFcドメイン単量体を含む第5のポリペプチド;
(d)第10のFcドメイン単量体を含む第6のポリペプチド
からなり、
AとA'とが結合して第1のFcドメインを形成し、Bと前記第7のFcドメイン単量体とが結合して第2のFcドメインを形成し、Cと前記第8のFcドメイン単量体とが結合して第3のFcドメインを形成し、B'と前記第9のFcドメイン単量体とが結合して第4のFcドメインを形成し、かつC'と前記第10のFcドメイン単量体とが結合して第5のFcドメインを形成し;
前記第1および前記第4のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第1のFcドメイン単量体と前記第4のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、
前記第2および前記第7のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第2のFcドメイン単量体と前記第7のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、
前記第3および前記第8のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第3のFcドメイン単量体と前記第8のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;
前記第5および前記第9のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第5のFcドメイン単量体と前記第9のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;かつ
前記第6および前記第10のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第6のドメイン単量体と前記第10のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;かつ
5つ以下のFcドメインを含む、Fc構築物。
[本発明1084]
(a)式A−L1−B−L2−Cを有する第1のポリペプチドであって;
(i)Aが、第1のFcドメイン単量体からなり;
(ii)L1が、リンカーであり;
(iii)Bが、第2のFcドメイン単量体からなり;かつ
(iv)L2が、リンカーであり;
(v)Cが、第3のFcドメイン単量体からなる、第1のポリペプチド;および
(b)式A'−L1'−B'−L2'−C'を有する第2のポリペプチドであって;
(i)A'が、第4のFcドメイン単量体からなり;
(ii)L1'が、リンカーであり;
(iii)B'が、第5のFcドメイン単量体からなり;かつ
(iv)L2'が、リンカーであり;
(v)C'が、第6のFcドメイン単量体からなる、第2のポリペプチド;
(c)第7のFcドメイン単量体からなる第3のポリペプチド;
(d)第8のFcドメイン単量体からなる第4のポリペプチド;
(e)第9のFcドメイン単量体からなる第5のポリペプチド;
(d)第10のFcドメイン単量体からなる第6のポリペプチド
からなり、
AとA'とが結合して第1のFcドメインを形成し、Bと前記第7のFcドメイン単量体とが結合して第2のFcドメインを形成し、Cと前記第8のFcドメイン単量体とが結合して第3のFcドメインを形成し、B'と前記第9のFcドメイン単量体とが結合して第4のFcドメインを形成し、かつC'と前記第10のFcドメイン単量体とが結合して第5のFcドメインを形成し;
前記第1および前記第4のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第1のFcドメイン単量体と前記第4のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、
前記第2および前記第7のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第2のFcドメイン単量体と前記第7のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み、
前記第3および前記第8のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第3のFcドメイン単量体と前記第8のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;
前記第5および前記第9のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第5のFcドメイン単量体と前記第9のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;かつ
前記第6および前記第10のFcドメイン単量体のそれぞれが、前記第6のドメイン単量体と前記第10のFcドメイン単量体との間の二量体化を促進する相補的二量体化選択性モジュールを含み;かつ
5つ以下のFcドメインを含む、Fc構築物。
[本発明1085]
前記第1のFcドメイン単量体の前記相補的二量体化選択性モジュールが、負に荷電したアミノ酸置換を含み、前記第4のFcドメイン単量体の前記相補的二量体化選択性モジュールが、正に荷電したアミノ酸置換を含み、前記第2、前記第3、前記第5、および前記第6のFcドメイン単量体のそれぞれの前記相補的二量体化選択性モジュールが、エンジニアリングされた突出部を含み、かつ前記第7、前記第8、前記第9、および前記第10のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的二量体化選択性モジュールが、エンジニアリングされた凹部を含む、本発明1083または1084のFc構築物。
[本発明1086]
前記リンカーL1、L2、L1'、および/またはL2'が、3〜200のアミノ酸長である、本発明1080〜1085のいずれかのFc構築物。
[本発明1087]
前記リンカーL1、L2、L1'、および/またはL2'が、SEQ ID NO: 1、2、および3のいずれか1つの配列からなる、本発明1086のFc構築物。
[本発明1088]
その必要がある対象の自己抗体のクリアランスの促進、抗原提示の抑制、免疫応答の低減、または免疫応答の免疫複合体による活性化の低減に使用される、本発明1001〜1058または1075〜1087のいずれかのFc構築物。
[本発明1089]
炎症性疾患または自己免疫疾患または免疫疾患(例えば、関節リウマチ(RA);全身性エリテマトーデス(SLE);ANCA関連血管炎;抗リン脂質抗体症候群;自己免疫性溶血性貧血;慢性炎症性脱髄性神経障害;移植における抗アロ、GVHDにおける抗自己、抗置換、IgG治療薬、IgGのパラプロテインのクリアランス;皮膚筋炎;グッドパスチャー症候群;抗体依存性細胞媒介性細胞傷害によって媒介される器官系標的II型過敏症症候群、例えば、ギランバレー症候群、CIDP、皮膚筋炎、フェルティ症候群、抗体媒介性拒絶反応、自己免疫性甲状腺疾患、潰瘍性大腸炎、自己免疫性肝疾患;特発性血小板減少性紫斑病;重症筋無力症、視神経脊髄炎;天疱瘡および他の自己免疫水疱性疾患;シェーグレン症候群;抗体依存性食作用によって媒介される自己免疫性血球減少症および他の障害;他のFcR依存性炎症性症候群、例えば、滑膜炎、皮膚筋炎、全身性血管炎、糸球体炎、および血管炎)の処置に使用される、本発明1001〜1058または1075〜1087のいずれかのFc構築物。

図面の簡単な説明

0084

図1は、2つの野生型(wt)Fcドメイン単量体(102および104)の二量体を含むFc構築物(構築物1)の例示である。
図2は、2つのFcドメイン単量体の二量体を含むFc構築物(構築物2)の例示である。第1のFcドメイン単量体(202)は、そのCH3抗体定常ドメインに突出部を含み、第2のFcドメイン単量体(204)は、そのCH3抗体定常ドメインの並列位置に凹部を含む。
図3は、別のFc構築物(構築物3)の例示である。このFc構築物は、2つのFcドメイン単量体(302および304)の二量体を含み、両方のFcドメイン単量体は、そのCH3−CH3界面にwt配列とは異なる荷電アミノ酸を含み、これにより2つのFcドメイン単量体間の有利な静電相互作用が促進される。
図4は、2つのFcドメインを含むFc構築物(構築物4)の例示である。この構築物は、3つのポリペプチドから形成される。第1のポリペプチド(402)は、直列に接合された2つのwt Fcドメイン単量体(404および406)を含む。第2および第3のポリペプチド(それぞれ408および410)のそれぞれは、wt Fcドメイン単量体を含む。
図5は、4つのポリペプチドから形成された3つのFcドメインを含むFc構築物(構築物5または構築物5*)の例示である。第1のポリペプチド(502)は、突出部含有Fcドメイン単量体(504)と直列に接合されたwt配列(506)とは異なる荷電アミノ酸をCH3−CH3界面に含む1つFcドメイン単量体を含む。第2のポリペプチド(508)は、別の突出部含有Fcドメイン単量体(510)と直列に接合されたwt配列(5126)とは異なる荷電アミノ酸をCH3−CH3界面に含むFcドメイン単量体を含む。第3および第4のポリペプチド(それぞれ514および516)はそれぞれ、凹部含有Fcドメイン単量体を含む。
図6は、3つのポリペプチドから形成された2つのFcドメインを含むFc構築物(構築物6)の例示である。第1のポリペプチド(602)は、直列に接合された2つの突出部含有Fcドメイン単量体(604および606)を含み、第2および第3のポリペプチド(それぞれ608および610)はそれぞれ、対応する凹部を備えるようにエンジニアリングされたFcドメイン単量体を含む。
図7Aは、別のFc構築物(構築物7)の例示である。このFc構築物は、2つのCL−CH1−Fcドメイン単量体(702および704)の二量体を含む。この態様では、CL抗体定常ドメインは、隣接するCH1抗体定常ドメインに接合されている。図7Bは、複数のFcドメインを含むCL−CH1−Fcドメイン単量体の多量体(例えば、706、708、および710)を含むFc構築物(構築物8)の例示である。このFc構築物では、構成ポリペプチドは、構築物7の構成ポリペプチドと同じであり得る。1つのFc構築物(例えば、712)のCL抗体定常ドメインは、第2の隣接するFc構築物(例えば、714)のCH1抗体定常ドメインと相互作用する。
図8は、6つのポリペプチドから形成された5つのFcドメインを含むFc構築物(構築物9)の例示である。第1および第2のポリペプチド(802および810)はそれぞれ、直列に接合された3つのFcドメイン単量体(それぞれ804、806、808、および812、814、816)を含む。具体的には、ポリペプチド802または810では、第1の突出部含有Fcドメイン単量体(804または812)は、wt配列(806または814)とは異なる荷電アミノ酸をCH3−CH3界面に含む第2のFcドメイン単量体に接続され、wt配列(806または814)は、第3の突出部含有Fcドメイン単量体(808または816)に接続されている。第3〜第6のポリペプチド(818、820、822、および824)はそれぞれ、凹部含有Fcドメイン単量体を含み、かつそれぞれ、Fcドメイン単量体804、808、812、および816のそれぞれとFcドメインを形成する。
図9は、6つのポリペプチドから形成された5つのFcドメインを含むFc構築物(構築物10)の例示である。第1および第2のポリペプチド(902および910)はそれぞれ、直列に接合された3つのFcドメイン単量体(それぞれ904、906、908、および912、914、916)を含む。具体的には、ポリペプチド902または910では、第1の突出部含有Fcドメイン単量体(904または912)は、第2の突出部含有Fcドメイン単量体(906または914)に接続され、この第2の突出部含有Fcドメイン単量体は、wt配列(908または916)とは異なる荷電アミノ酸をCH3−CH3界面に含む第3のFcドメイン単量体に接続されている。第3〜第6のポリペプチド(918、920、922、および924)はそれぞれ、凹部含有Fcドメイン単量体を含み、かつそれぞれ、Fcドメイン単量体904、906、912、および916のそれぞれとFcドメインを形成する。
図10は、同一の配列の2つのポリペプチドから形成された3つのFcドメインを含むFc構築物(構築物11)の例示である。2つのポリペプチド(1002および1010)はそれぞれ、直列に接合された3つのFcドメイン単量体(それぞれ1004、1006、1008、および1012、1014、1016)を含む。具体的には、各ポリペプチドは、第2の凹部含有Fcドメイン単量体(1006または1014)に接続された第1の突出部含有Fcドメイン単量体(1004または1012)を含み、この第2の凹部含有Fcドメイン単量体は、wt配列(1008または1016)とは異なる荷電アミノ酸をCH3−CH3界面に有する第3のFcドメイン単量体に接続されている。Fcドメイン単量体1008と1016が会合して第1のFcドメインを形成し;Fcドメイン単量体1004と1006が会合して第2のFcドメインを形成し;そしてFcドメイン単量体1012と1014が会合して第3のFcドメインを形成する。構築物11は、宿主細胞での単一ポリペプチド配列の発現から形成することができる。
図11A〜図11Bはそれぞれ、構築物4の還元SDS−PAGEおよび非還元SDS−PAGEを示している。
図12A〜図12Bはそれぞれ、構築物6の還元SDS−PAGEおよび非還元SDS−PAGEを示している。
図13は、構築物5のSDS−PAGEであり、表は、構築物5の精製の前後の、3つのFcドメイン(三量体)、2つのFcドメイン(二量体)、または1つのFcドメイン(単量体)を有する発現タンパク質パーセンテージを示している。
図14Aおよび図14Bは、構築物1、5、および6を用いたTHP−1単球の活性化アッセイ(図14A)およびブロッキングアッセイ(図14B)を示している。
図15は、関節リウマチのK/BxNモデルにおけるIVIGおよび構築物5および6の効果を示している。
図16は、慢性ITPモデルにおけるIVIGおよび構築物5および6の効果を示している。
図17は、THP−1単球細胞におけるIVIGまたは構築物5による食作用の阻害を示している。

0085

発明の詳細な説明
IgGのFcドメインを含む治療用タンパク質を、炎症、免疫疾患、および炎症性疾患の処置に使用することができる。本発明は、2つ以上(例えば、2〜10)のFcドメインを含む様々なFc構築物を調製するための組成物および方法を特徴とする。

0086

I.Fcドメイン単量体
Fcドメイン単量体は、ヒンジドメイン、CH2抗体定常ドメイン、およびCH3抗体定常ドメインを含む。Fcドメイン単量体は、免疫グロブリン抗体アイソタイプIgG、IgE、IgM、IgA、またはIgDであり得る。Fcドメイン単量体はまた、任意の免疫グロブリン抗体アイソタイプ(例えば、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、またはIgG4)であり得る。Fcドメイン単量体の二量体は、Fc受容体、例えば、FcγRIIIaに結合することができるFcドメイン(本明細書でさらに定義される)であり、Fc受容体は、白血球の表面に位置する受容体である。本発明では、Fcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメインは、それらの互いに対する会合を促進するアミノ酸置換をCH3−CH3抗体定常ドメインの界面に含み得る。一部の態様では、Fcドメイン単量体は、N末端に付着した2つの他の定常ドメイン、例えば、CLおよびCH1抗体定常ドメインを含む(図7)。他の態様では、Fcドメイン単量体は、C末端に付着した追加の部分、例えば、アルブミン結合ペプチドを含む。本発明では、Fcドメイン単量体は、いずれのタイプの抗体可変領域、例えば、VH、VL、相補性決定領域(CDR)、または超可変領域(HVR)も含まない。

0087

II.Fcドメイン
本明細書で定義されるように、Fcドメインは、CH3抗体定常ドメイン間の相互作用によって二量体化される2つのFcドメイン単量体を含む。本発明では、Fcドメインは、抗体の可変領域、例えば、VH、VL、CDR、またはHVRを含まない。Fcドメインは、Fc受容体、例えば、FcγRI、FcγRIIa、FcγRIIb、FcγRIIIa、FcγRIIIb、FcγRIVに結合する極小構造を形成する。

0088

III.二量体化選択性モジュール
本発明では、二量体化選択性モジュールは、Fcドメインを形成する2つのFcドメイン単量体の好ましい対形成を容易にするFcドメイン単量体の部分である。具体的には、二量体化選択性モジュールは、2つのFcドメインの相互作用するCH3抗体定常ドメイン間の界面に位置するアミノ酸置換を含むFcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメインの部分である。二量体化選択性モジュールでは、アミノ酸置換は、そのアミノ酸置換のために選択されたアミノ酸の適合性の結果として2つのCH3抗体定常ドメインの二量体化に役立つ。有利なFcドメインの最終構造(ultimate formation)は、二量体化選択性モジュールを有していないFcドメイン単量体から、または二量体化選択性モジュールに非適合性のアミノ酸置換を有するFcドメイン単量体から形成される他のFcドメインに対して選択的である。このタイプのアミノ酸置換は、当分野で周知の従来の分子クローニング技術、例えば、QuikChange(登録商標突然変異誘発を用いて行うことができる。

0089

一部の態様では、二量体化選択性モジュールは、CH3抗体定常ドメインの中にエンジニアリングされた凹部(本明細書でさらに定義される)を含む。他の態様では、二量体化選択性モジュールは、CH3抗体定常ドメインの中にエンジニアリングされた突出部(本明細書でさらに定義される)を含む。Fcドメインを選択的に形成するために、適合性の二量体化選択性モジュールを有する2つのFcドメイン単量体、例えば、エンジニアリングされた凹部を含む一方のCH3抗体定常とエンジニアリングされた突出部を含む他方のCH3抗体定常が、結合して、Fcドメイン単量体の突出部が凹部の中に入る突出部と凹部の対を形成する。

0090

他の態様では、正に荷電したアミノ酸置換を含む二量体化選択性モジュールを有するFcドメイン単量体および負に荷電したアミノ酸置換を含む二量体化選択性モジュールを有するFcドメイン単量体が、選択的に結合して、荷電アミノ酸の有利な静電誘導(本明細書でさらに定義される)によりFcドメインを形成する。特定の二量体化選択性モジュールは、限定されることなく、以下にさらに説明される表1および表2にさらに列記される。

0091

他の態様では、2つのFcドメイン単量体は、CH3ドメイン間の界面の荷電残基の環内の少なくとも2つの位置に同一の逆電荷変異を含む二量体化選択性モジュールを含む。2つのFcドメイン単量体における2つ以上の相補的な残基の対の両方のメンバーの電荷を逆にすることにより、変異Fcドメイン単量体は、同じ変異配列のFcドメイン単量体に対する相補性を維持するが、これらの変異のないFcドメイン単量体に対しては低い相補性を有する。一態様では、Fcドメインは、二重変異体K409D/D339K、K392D/D399K、E357K/K370E、D356K/K439D、K409E/D339K、K392E/D399K、E357K/K370D、またはD356K/K439Eを含むFc単量体を含む。別の態様では、Fcドメインは、二重変異体の任意の対を組み合わせた四重変異体、例えば、K409D/D399K/E357K/K370Eを含むFc単量体を含む。

0092

このようなFcドメインの形成は、CH3抗体定常ドメインの適合性のアミノ酸置換によって促進される。例えば、共にエンジニアリングされた凹部を含む、共にエンジニアリングされた突出部を含む、または共にCH3−CH3界面に同じ荷電アミノ酸を含む、非適合性のアミノ酸置換を含む2つの二量体化選択性モジュールは、Fcドメインの形成を促進しない。

0093

さらに、定義されたFcドメイン単量体を用いるFcドメインの形成を促進するために使用される他の方法は、限定されることなく、ヘテロ二量体の形成を可能にするFcドメイン単量体のそれぞれに対するロイシンジッパーの単量体α−へリックスのC末端融合を含むLUZ−Yアプローチ(米国特許国際出願公開第2011/034605号パンフレット)、およびIgA配列とIgGCH3配列の交互セグメントをそれぞれ含むヘテロ二量体Fcドメイン単量体を用いてFcドメインを形成する鎖交組換えドメインSEED)体系アプローチ(Davis et al., Protein Eng Des Sel. 23:195-202, 2010)を含む。

0094

IV.エンジニアリングされた凹部およびエンジニアリングされた突出部
エンジニアリングされた凹部およびエンジニアリングされた突出部の使用(または「ノブイントゥーホール戦略)は、Carterおよび同僚らによって掲載されている(Ridgway et al., Protein Eng. 9:617-612, 1996; Atwell et al., J Mol Biol. 270:26-35, 1997; Merchant et al., Nat Biotechnol. 16:677-681, 1998)。ノブと孔の相互作用は、ヘテロ二量体の形成を助長し、ノブとノブおよび孔と孔の相互作用は、立体衝突および有利な相互作用の欠失により、ホモ二量体の形成が妨げられる。「ノブイントゥーホール」技術も、米国特許第5,731,168号明細書に開示されている。

0095

本発明では、エンジニアリングされた凹部およびエンジニアリングされた突出部は、本明細書に記載のFc構築物の調製に使用される。エンジニアリングされた凹部は、タンパク質の元のアミノ酸が、より小さい側鎖体積を有する異なるアミノ酸で置換されたときに形成される空隙である。エンジニアリングされた突出部は、タンパク質の元のアミノ酸が、より大きい側鎖体積を有する異なるアミノ酸で置換されたときに形成される隆起である。具体的には、置換されるアミノ酸は、Fcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメインにあり、かつ2つのFcドメイン単量体の二量体化に関与する。一部の態様では、1つのCH3抗体定常ドメインのエンジニアリングされた凹部は、別のCH3抗体定常ドメインのエンジニアリングされた突出部を収容するように形成され、これにより、両方のCH3抗体定常ドメインが、2つのFcドメイン単量体の二量体化を促進または助長する二量体化選択性モジュール(上記)として機能する。他の態様では、1つのCH3抗体定常ドメインのエンジニアリングされた凹部は、別のCH3抗体定常ドメインの元のアミノ酸をより良く収容するように形成される。さらに他の態様では、1つのCH3抗体定常ドメインのエンジニアリングされた突出部は、別のCH3抗体定常ドメインの元のアミノ酸とのさらなる相互作用が生じるように形成される。

0096

エンジニアリングされた凹部は、大きい側鎖を含むアミノ酸、例えば、チロシンまたはトリプトファンを、小さい側鎖を含むアミノ酸、例えば、アラニンバリン、またはトレオニンで置換することによって構築することができる。具体的には、一部の二量体化選択性モジュール(上に詳細に記載)は、CH3抗体定常ドメインの中にエンジニアリングされた凹部、例えば、Y407V変異を含む。同様に、エンジニアリングされた突出部は、小さい側鎖を含むアミノ酸を大きい側鎖を含むアミノ酸で置換することによって構築することができる。具体的には、一部の二量体化選択性モジュール(上に詳細に記載)は、CH3抗体定常ドメインの中にエンジニアリングされた突出部、例えば、T366W変異を含む。本発明では、エンジニアリングされた凹部およびエンジニアリングされた突出部はまた、CH3ドメイン間のジスルフィド結合エンジニアリングと組み合わせられて、ヘテロ二量体の形成を促進する。具体的には、凹部Fcは、Y349C変異を含み、かつ突出部Fcは、S354C変異を含む。他のエンジニアリングされた凹部およびエンジニアリングされた突出部は、ジスルフィド結合エンジニアリングまたは構造計算(mixedHA-TF)と組み合わせられて、限定されることなく表1に含められる。

0097

0098

CH3抗体定常ドメインにおける元のアミノ残基の異なるアミノ酸残基での置換は、元のアミノ酸残基をコードする核酸を変更することによって達成することができる。置換され得る元のアミノ酸残基の数の上限は、CH3抗体定常ドメインの界面での十分な相互作用がなお維持されているとすると、この界面にある残基の総数である。

0099

V.静電誘導
静電誘導は、高次タンパク質分子の形成を制御するための、ペプチド、タンパク質ドメイン、およびタンパク質における反対に荷電したアミノ酸間の有利な静電相互作用の利用である。静電誘導効果を使用して抗体ドメインの相互作用を変更し、これにより二重特異性抗体の作製においてヘテロ二量体の形成を助長してホモ二量体の形成を低減する方法が、米国特許出願公開第2014/0024111号明細書に開示されている。

0100

本発明では、静電誘導は、Fcドメイン単量体の二量体化およびFc構築物の形成を制御するために使用される。特に、静電誘導を用いてFcドメイン単量体の二量体化を制御するために、CH3−CH3界面を構成する1つまたは複数のアミノ酸残基が、正または負に荷電したアミノ酸残基で置換され、これにより相互作用が、導入される特定の荷電アミノ酸次第で、静電気的に有利または不利になる。一部の態様では、界面にある正に荷電したアミノ酸、例えば、リジンアルギニン、またはヒスチジンが、負に荷電したアミノ酸、例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸で置換される。他の態様では、界面にある負に荷電したアミノ酸は、正に荷電したアミノ酸で置換される。荷電アミノ酸は、相互作用するCH3抗体定常ドメインの一方または両方に導入され得る。荷電アミノ酸を、相互作用するCH3抗体定常ドメインに導入することにより、荷電アミノ酸間の相互作用から生じる静電誘導効果によって制御されるFcドメイン単量体の二量体を選択的に形成することができる二量体化選択性モジュール(上に詳細に記載)が形成される。

0101

特定の一例では、逆の電荷を含む二量体化選択性モジュールを形成するために、CH3抗体定常ドメインのアミノ酸Asp399がLysで置換され、かつアミノ酸Lys409がAspで置換される。Fcドメイン単量体のヘテロ二量体化は、2つのFcドメイン単量体における異なるが適合性の変異、例えば、限定されることなく表2に示される荷電残基対を導入することによって促進することができる。Fcドメイン単量体のホモ二量体化は、両方のFcドメイン単量体に同じ変異、例えば、二重変異体K409D/D339KまたはK392D/D399Kを対称に導入することによって促進することができる。

0102

0103

VI.リンカー
本発明では、リンカーを使用して、ポリペプチドまたはタンパク質ドメイン間および/または会合した非タンパク質部分間の連結または接続を説明する。一部の態様では、リンカーは、少なくとも2つのFcドメイン単量体間の連結または接続であり、このリンカーは、2つのFcドメイン単量体が互いに直列に接合されるように、第1のFcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメインのC末端を第2のFcドメイン単量体のヒンジドメインのN末端に接続する。他の態様では、リンカーは、Fcドメイン単量体とこのFcドメイン単量体に付着されるその他のタンパク質ドメインとの間の連結である。例えば、リンカーは、Fcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメインのC末端をアルブミン結合ペプチドのN末端に付着させることができる。別の例では、リンカーは、CH1抗体定常ドメインのC末端をFcドメイン単量体のヒンジドメインのN末端に接続することができる。さらに他の態様では、リンカーは、2つの個々のタンパク質ドメイン(Fcドメインを含まない)を接続することができ、例えば、CL抗体定常ドメインのC末端を、リンカーによってCH1抗体定常ドメインのN末端に付着させることができる。

0104

リンカーは、単純な共有結合、例えば、ペプチド結合、合成ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)ポリマー、または化学反応、例えば、化学的コンジュゲーションによって形成されるあらゆる種類の結合であり得る。リンカーがペプチド結合である場合、1つのタンパク質ドメインのC末端のカルボン酸基が、縮合反応で別のタンパク質ドメインのN末端のアミノ基と反応してペプチド結合を形成することができる。具体的には、ペプチド結合は、当分野で周知の従来の有機化学反応による合成手段から、または宿主細胞からの自然産生によって形成することができ、この自然産生では、直列の両方のタンパク質、例えば、2つのFcドメイン単量体のDNA配列をコードするポリヌクレオチド配列を、宿主細胞の必要な分子装置、例えば、DNAポリメラーゼおよびリボソームによって、直接転写して両方のタンパク質をコードする連続したポリペプチドに翻訳することができる。

0105

リンカーが合成ポリマー、例えば、PEGポリマーである場合、このポリマーは、2つのタンパク質の接続端部で末端アミノ酸と反応するようい各末端反応性化学官能基官能化することができる。

0106

(上述のペプチド結合を除く)リンカーが化学反応から形成される場合は、化学官能基、例えば、アミンカルボン酸エステルアジド、または当分野で一般に使用される他の官能基を、1つのタンパク質のC末端および別のタンパク質のN末端のそれぞれに合成的に付着させることができる。その結果、2つの官能基が、合成化学的手段によって反応して化学結合を形成することができ、これにより2つのタンパク質が互いに接続される。このような化学的コンジュゲーション処置は、当業者にとってルーチンである。

0107

スペーサー
本発明では、2つのFcドメイン単量体間のリンカーは、3〜200のアミノ酸を含むアミノ酸スペーサーであり得る。適切なペプチドスペーサーは、当分野で公知であり、例えば、可撓性アミノ酸残基、例えば、グリシンおよびセリンを含むペプチドリンカーを含む。特定の態様では、スペーサーは、モチーフ、例えば、GS、GGS、GGGGS(SEQID NO: 1)、GGSG(SEQ ID NO: 2)、またはSGGG(SEQ ID NO: 3)の複数のモチーフまたは反復モチーフを含み得る。特定の態様では、スペーサーは、GSのモチーフを含む2〜12のアミノ酸、例えば、GS、GSGS(SEQ ID NO: 4)、GSGSGS(SEQ ID NO: 5)、GSGSGSGS(SEQ ID NO: 6)、GSGSGSGSGS(SEQ ID NO: 7)、またはGSGSGSGSGSGS(SEQ ID NO: 8)を含み得る。特定の他の態様では、スペーサーは、GGSのモチーフを含む3〜12のアミノ酸、例えば、GGS、GGSGGS(SEQ ID NO: 9)、GGSGGSGGS(SEQ ID NO: 10)、およびGGSGGSGGSGGS(SEQ ID NO: 11)を含み得る。さらに他の態様では、スペーサーは、GGSG(SEQ ID NO: 12)のモチーフを含む4〜12のアミノ酸、例えば、GGSG(SEQ ID NO: 13)、GGSGGGSG(SEQ ID NO: 14)、またはGGSGGGSGGGSG(SEQ ID NO: 15)を含み得る。別の態様では、スペーサーは、GGGGS(SEQ ID NO: 16)のモチーフ、例えば、GGGGSGGGGSGGGGS(SEQ ID NO: 17)を含み得る。他の態様では、スペーサーは、グリシンおよびセリン以外のアミノ酸、例えば、GENLYFQSGG(SEQ ID NO: 18)、SACYCELS(SEQ ID NO: 19)、RSIAT(SEQ ID NO: 20)、RPACKIPNDLKQKVMNH(SEQ ID NO: 21)、GGSAGGSGSGSSGGSSGASGTGTAGGTGSGSGTGSG(SEQ ID NO: 22)、AAANSSIDLISVPVDSR(SEQ ID NO: 23)、またはGGSGGGSEGGGSEGGGSEGGGSEGGGSEGGGSGGGS(SEQ ID NO: 24)も含み得る。本発明の特定の態様では、12または20のアミノ酸ペプチドスペーサーを使用して、直列の2つのFcドメイン単量体(図4〜図6)を接続し、この12または20のアミノ酸ペプチドスペーサーはそれぞれ、配列GGGSGGGSGGGS(SEQ ID NO: 25)およびSGGGSGGGSGGGSGGGSGGG(SEQ ID NO: 26)からなる。他の態様では、配列GGSGGGSGGGSGGGSGGS(SEQ ID NO: 27)からなる18のアミノ酸ペプチドスペーサーを使用して、CLおよびCH1抗体定常ドメインを接続する(図7A〜図7B)。

0108

VII.血清タンパク質結合ペプチド
血清タンパク質ペプチドへの結合は、タンパク質製剤薬物動態を改善することができ、特に、本明細書に記載のFc構築物を、血清タンパク質結合ペプチドに融合させることができる。

0109

一例として、本明細書に記載の方法および組成物に使用することができるアルブミン結合ペプチドは、当分野で一般に知られている。一態様では、アルブミン結合ペプチドは、配列DICLPRWGCLW(SEQID NO: 28)を含む。

0110

本発明では、アルブミン結合ペプチドは、Fc構築物の特定のポリペプチドのN末端またはC末端に付着させることができる。一態様では、アルブミン結合ペプチドは、構築物1、2、3、または7A(それぞれ図1、図2、図3、または図7A)の1つまたは複数のポリペプチドのC末端に付着させることができる。別の態様では、アルブミン結合ペプチドは、構築物4、5、および6(それぞれ図4、図5、および図6)における一列に連結された2つのFcドメイン単量体をコードするポリペプチドのC末端に融合させることができる。さらに別の態様では、アルブミン結合ペプチドは、構築物4および6(それぞれ図4および図6)に示されているように、直列に連結された2つのFcドメイン単量体をコードするポリペプチドの第2のFcドメイン単量体に接合されたFcドメイン単量体のC末端に付着させることができる。アルブミン結合ペプチドは、Fc構築物に遺伝子的に融合させる、または化学的手段、例えば、化学的コンジュゲーションによってFc構築物に付着させることができる。所望に応じて、スペーサーは、Fc構築物とアルブミン結合ペプチドとの間に挿入することができる。理論に拘束されるものではなく、アルブミン結合ペプチドを本発明のFc構築物に含めることにより、治療用タンパク質の血清アルブミンへの結合によってこの治療用タンパク質の持続的な保持がもたらされ得ることが予想される。

0111

VIII. Fc構築物
一般に、本発明は、2〜10のFcドメインを有するFc構築物を特徴とする。これらは、Fc受容体、例えば、FcγRIIIaに対して、単一野生型Fcドメインよりも高い結合親和性および/または結合活性を有し得る。本発明は、Fcドメインの2つのFcドメイン単量体が互いに二量体を選択的に形成し、これにより不所望の多量体または凝集体の形成を防止するように、2つの相互作用するCH3抗体定常ドメインの界面のアミノ酸をエンジニアリングする方法を開示する。Fc構築物は、偶数個のFcドメイン単量体を含み、Fcドメイン単量体の各対がFcドメインを形成する。Fc構築物は、最小でも、2つのFcドメイン単量体の二量体から形成された1つの機能Fcドメインを含む。

0112

一部の態様では、Fc構築物は、2つのFcドメイン単量体の二量体を含む1つのFcドメインを含む(図1〜図3および図7A)。相互作用するCH3抗体定常ドメインは、修飾しなくても良いし(図1)、またはその界面にアミノ酸置換を含んでも良い。具体的には、アミノ酸置換は、エンジニアリングされた凹部(図2)、エンジニアリングされた突出部(図2)、または荷電アミノ酸(図3)であり得る。

0113

他の態様では、Fc構築物は、3つのポリペプチドから形成された2つのFcドメイン(図4および図6)を含む。第1のポリペプチドは、リンカーによって接合され、直列に接合された2つのFcドメイン単量体を含み、かつ第2および第3のポリペプチドは、1つのFcドメイン単量体を含む。第2および第3のポリペプチドは、同じポリペプチドであっても良いし、または異なるポリペプチドであっても良い。図4は、このようなFc構築物の例を示している。第1のポリペプチドは、リンカーによって直列に接合された2つの野生型Fcドメイン単量体を含み、かつ第2および第3のポリペプチドはそれぞれ、1つの野生型Fcドメイン単量体を含む。第1のポリペプチドの一方のFcドメイン単量体は、第2のポリペプチドと第1のFcドメインを形成し、第1のポリペプチドの他方のFcドメイン単量体は、第3のポリペプチドと第2のFcドメインを形成する。第2および第3のポリペプチドは、互いに付着または連結されない。図6は、図4のFc構築物に類似したFc構築物を示している。図6では、第1のポリペプチドのFcドメイン単量体の両方は、CH3抗体定常ドメインの中にエンジニアリングされた突出部を含む一方、第2および第3のポリペプチドは、CH3抗体定常ドメインの中にエンジニアリングされた凹部を含む。エンジニアリングされた突出部が凹部に入るCH3−CH3界面は、Fcドメイン単量体のヘテロ二量体の形成を助長し、かつ不所望の多量体の無制限の形成を防止する。本明細書にさらに記載されるように、実施例4では、エンジニアリングされたCH3抗体定常ドメインを含む二量体化選択性モジュールは、実施例3に見られる不所望の多量体の形成を防止し、実施例3は、二量体化選択性モジュールを有していないFcドメイン単量体からのFc構築物の形成を説明している。

0114

さらに、他の態様では、Fc構築物は、4つのポリペプチドから形成された3つのFcドメインを含み得る(図5)。第1および第2のポリペプチドは、第3および第4のポリペプチドのように、同じでも良いし、または異なっても良い。この例では、第1および第2のポリペプチドは共に、直列にリンカーによって接続された2つのFcドメイン単量体をコードし、一方のFcドメイン単量体は、CH3抗体定常ドメインに荷電アミノ酸置換を含む一方、他方のFcドメイン単量体は、CH3抗体定常ドメインに突出部を含む。第3および第4のポリペプチドは共に、凹部を有するFcドメイン単量体をコードする。第1および第2のポリペプチドは、それらのCH3抗体定常ドメインの逆の電荷の相互作用によって互いに第1のFcドメインを形成する。第2および第3のFcドメインは、第1および第2のポリペプチドの突出部と第3および第4のポリペプチドの凹部との間の、突出部が凹部の中に入る相互作用から形成される。このFc構築物の各Fcドメイン単量体は、特定のFcドメインの成形を促進する二量体化選択性モジュールを含む。

0115

さらに他の態様では、単一ポリペプチドは、CH3抗体定常ドメイン間の相互作用によってではなく、CL定常ドメインとCH1定常ドメインとの間の相互作用によって二量体(例えば、構築物7A;図7A)または多量体(例えば、構築物7B;図7B)を形成することができる。図7Bは、1つのFcドメインのCLドメインが隣接するFcドメインのCH1ドメインと相互作用する複数のFcドメインを含むFc構築物を示している。

0116

さらに他の態様では、Fc構築物は、6つのポリペプチドから形成された5つのFcドメインを含み得る。2つの例が、図8および図9に示されている。これらの示されているFc構築物は6つのポリペプチドから構成され、これらのポリペプチドのうちの4つを同じ核酸によってコードすることができ、かつ残りの2つのポリペプチドも、同じ核酸でコードすることができる。結果として、これらのFc構築物は、適切な宿主細胞での2つの核酸の発現によって作製することができる。

0117

別の態様では、2つ以上のFcドメインを含むFc構築物は、同じ一次配列を有する2つのポリペプチドから形成することができる。このような構築物は、宿主細胞での単一ポリペプチド配列の発現から形成することができる。一例が図10に示されている。この例では、3つのFcドメインを含むFc構築物をコードするには、1つの核酸で十分である。同じポリペプチドの一部である2つのFcドメイン単量体は、十分な長さおよび可撓性の可撓性リンカーを含めることによってFcドメインを形成することが可能となり;このリンカーは、切断可能なリンカーであり得る。この同じポリペプチドは、任意選択の可撓性リンカーによって接合された第3のFcドメイン単量体も含む。この第3のFcドメイン単量体は、別のFcドメイン単量体に接合して、図10に示されているY字形Fc構築物を形成することが可能である。Fcドメインの形成は、同様に図10に示されているように、二量体化選択性モジュールの使用によって制御することができる。

0118

IX.宿主細胞およびタンパク質産生
本発明では、宿主細胞は、対応する核酸から本明細書に記載のポリペプチドおよび構築物を発現させるために必要である不可欠な細胞成分、例えば、細胞小器官を含むビヒクルを指す。核酸は、当分野で公知の従来技術(形質転換、トランスフェクション、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、直接微量注入など)によって宿主細胞に導入され得る核酸ベクターに含めることができる。宿主細胞は、哺乳動物起源または細菌起源であり得る。哺乳動物宿主細胞としては、限定されることなく、CHO(またはCHO由来細胞系、例えば、CHO−K1、CHO−DXB11、CHO−DG44)、マウス宿主細胞(例えば、NS0、Sp2/0)、VERY、HEK(例えば、HEK293)、BHK、HeLa、COS、MDCK、293、3T3、W138、BT483、Hs578T、HTB2、BT20およびT47D、CRL7O3O、およびHsS78Bst細胞が挙げられる。タンパク質構築物の発現を調節する、または望ましい特定の方式でタンパク質産物を修飾および処理する宿主細胞を選択することもできる。異なる宿主細胞は、タンパク質産物の翻訳後プロセシングおよび修飾のための特徴的な特定の機構を有する。適切な細胞株または宿主系は、発現されるタンパク質の正確な修飾およびプロセシングを確実するように選択することができる。

0119

タンパク質産物のそれらの対応するDNAプラスミド構築物からの発現および分泌のために、宿主細胞は、プロモーターエンハンサー、配列、転写ターミネーターポリアデニル化部位、および選択マーカーを含む当分野で公知の適切な発現制御要素によって制御されるDNAでトランスフェクトまたは形質転換することができる。治療用タンパク質の発現の方法は、当分野で公知である。例えば、Paulina Balbas, Argelia Lorence (eds.) Recombinant Gene Expression: Reviews and Protocols (Methods in Molecular Biology), Humana Press; 2nd ed. 2004 edition (July 20, 2004); Vladimir Voynov and Justin A. Caravella (eds.) Therapeutic Proteins: Methods and Protocols (Methods in Molecular Biology) Humana Press; 2nd ed. 2012 edition (June 28, 2012)を参照されたい。

0120

X. 精製
Fc構築物は、当分野で公知のタンパク質精製の任意の方法によって、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換アフィニティー(例えば、プロテインAアフィニティー)、およびサイズ排除カラムクロマトグラフィー)、遠心分離溶解度差、またはタンパク質の精製のためのその他の標準的な技術によって精製することができる。例えば、Fc構築物は、アフィニティーカラム、例えば、クロマトグラフィーカラムを用いるプロテインAカラム濾過限外濾過塩析、および透析法を適切に選択して組み合わせることによって単離し、精製することができる(例えば、Process Scale Purification of Antibodies, Uwe Gottschalk (ed.) John Wiley & Sons, Inc., 2009; and Subramanian (ed.) Antibodies-Volume I-Production and Purification, Kluwer Academic/Plenum Publishers, New York (2004)を参照されたい)。場合によっては、Fc構築物は、マーカー配列、例えば、ペプチドにコンジュゲートさせて精製を容易にすることができる。マーカーアミノ酸配列の一例として、ヘキサ−ヒスチジンペプチドが挙げられ、このヘキサ−ヒスチジンペプチドは、マイクロモル親和性でニッケル官能化アガロースゲルアフィニティーカラムに結合する。精製に有用な他のペプチドタグとしては、限定されることなく、血球凝集素「HA」タグが挙げられ、このタグは、インフルエンザ血球凝集素タンパク質に由来するペプチドに対応する(Wilson et al., 1984, Cell 37:767)。

0121

Fc構築物では、プロテインAカラムクロマトグラフィーを、精製プロセスとして利用することができる。プロテインAリガンドは、Fc領域を介してFc構築物と相互作用し、プロテインAクロマトグラフィーが、宿主細胞のタンパク質の殆どを除去することができる高選択性捕捉プロセスとなる。本発明では、Fc構築物は、実施例2に記載されるプロテインAカラムクロマトグラフィーを用いて精製することができる。

0122

XI.薬学的組成物/製剤
本発明は、本明細書に記載の1つまたは複数のFc構築物を含む薬学的組成物を特徴とする。一態様では、薬学的組成物は、構造が同一または実質的に同一であるFc構築物の実質的に均質な集団を含む。様々な例では、薬学的組成物は、構築物1〜10および5*のいずれか1つの実質的に均質な集団を含む。

0123

本発明の治療タンパク質構築物、例えば、Fc構築物は、薬学的組成物に含めることができる。治療用タンパク質を含む薬学的組成物は、当業者に公知の方法によって製剤することができる。薬学的組成物は、滅菌溶液、または懸濁水もしくは別の薬学的に許容される懸濁液を含む注射製剤の形態で非経口的に投与することができる。例えば、薬学的組成物は、薬学的に許容されるビヒクルまたは媒体、例えば、注射用滅菌水(WFI)、生理食塩水乳化剤懸濁剤、界面活性剤、安定剤、希釈剤、結合剤、添加剤とFc構築物を適切に組み合わせ、続いて一般に許容される薬務に必要な単位剤形に混ぜることによって製剤することができる。薬学的製剤に含められる活性成分の量は、指定の範囲内の適切な用量が提供されるような量である。

0124

注射用の滅菌組成物は、ビヒクルとして注射用の蒸留水を用いる従来の薬務に従って製剤することができる。例えば、生理食塩水、またはグルコースおよび他の補助剤、例えば、D−ソルビトール、D−マンノース、D−マンニトール、および塩化ナトリウムを含む等張液は、任意で、適切な可溶化剤、例えば、アルコール、例えば、エタノールおよびポリアルコール、例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール、および非イオン性界面活性剤、例えば、polysorbate 80(商標)、HCO−50、および当分野で一般的に知られるものなどと組み合わせて、注射用の水溶液として使用することができる。治療用タンパク質産物の製剤方法は当分野で公知である。例えば、Banga (ed.) Therapeutic Peptides and Proteins: Formulation, Processing and Delivery Systems (2d ed.) Taylor & Francis Group,CRCPress (2006)を参照されたい。

0125

XII.投与法
薬学的組成物は、投与製剤に適合する方式で、症状の改善または治療をもたらす治療効果のある量で投与される。薬学的組成物は、様々な剤形、例えば、静脈投与剤形、皮下投与剤形、経口投与剤形、例えば、摂取可能な溶液、および薬物放出カプセルなどで投与される。個々の対象に適切な用量は、治療目的、投与経路、および患者の状態によって決まる。一般に、組換えタンパク質は、1〜200 mg/kg、例えば1〜100 mg/kg、例えば、20〜100 mg/kgで投薬される。従って、医療提供者は、用量を調整して指定の濃度にする必要があり、最大の治療効果を得るために必要に応じて投与経路を変更する。

0126

XIII.適応症
本発明の薬学的組成物および方法は、対象の炎症の低減、対象の自己抗体のクリアランスの促進、対象の抗原提示の抑制、免疫応答の低減、例えば、対象の免疫応答の免疫複合体による活性化の阻害、および対象の免疫および炎症の状態または疾患の処置に有用である。例示的な状態および疾患の例としては、関節リウマチ(RA);全身性エリテマトーデス(SLE);ANCA関連血管炎;抗リン脂質抗体症候群;自己免疫性溶血性貧血;慢性炎症性脱髄性神経障害;移植における抗アロ、GVHDにおける抗自己、抗置換、IgG治療薬、IgGのパラプロテインのクリアランス;皮膚筋炎;グッドパスチャー症候群;抗体依存性細胞媒介性細胞傷害によって媒介される器官系標的II型過敏症症候群、例えば、ギランバレー症候群、CIDP、皮膚筋炎、フェルティ症候群、抗体媒介性拒絶反応、自己免疫性甲状腺疾患、潰瘍性大腸炎、自己免疫性肝疾患;特発性血小板減少性紫斑病;重症筋無力症、視神経脊髄炎;天疱瘡および他の自己免疫水疱性疾患;シェーグレン症候群;抗体依存性食作用によって媒介される自己免疫性血球減少症および他の障害;他のFcR依存性炎症性症候群、例えば、滑膜炎、皮膚筋炎、全身性血管炎、糸球体炎、および血管炎が挙げられる。

0127

実施例1−DNAプラスミド構築物の設計およびクローニング
合計8つのDNAプラスミド構築物を使用して8つのFc構築物を構築した(図1〜図7B)。DNAプラスミド構築物を、タンパク質産生のためにヒト胎児(HEK)293細胞にトランスフェクトした。8つのコードされた分泌ポリペプチドは、以下に記載の一般構造を有していた:
A. wt Fc:野生型Fcドメイン単量体(図1:102および104;図4:408および410)。
B. 突出部Fc:CH3抗体定常ドメインの中にエンジニアリングされた突出部を有するFcドメイン単量体(図2:202)。
C. 凹部Fc:CH3抗体定常ドメインの中にエンジニアリングされた突出部を有するFcドメイン単量体(図2:204、図5:514および516)。
C*. 凹部Fc*:CH3抗体定常ドメインの中にエンジニアリングされた凹部を有するFcドメイン単量体 (図2:204;図5:514および516)。凹部Fc*は、凹部Fcに対する追加のアミノ酸置換も含む。
D.電荷Fc:CH3抗体定常ドメインに逆の電荷を有するFcドメイン単量体(図3:302および304)。
E. wt−12−wt Fc2:12のアミノ酸GGGSペプチドリンカーによって直列に接合された2つのFcドメイン単量体(図4:402)。
F. 突出部−20−電荷Fc2:20のアミノ酸SGGGペプチドリンカーによって直列に接合された、CH3抗体定常ドメインに逆の電荷を有するFcドメイン単量体およびCH3抗体定常ドメインの中にエンジニアリングされた突出部を有するFcドメイン単量体(図5:502および508)。
F*. 突出部−20−電荷Fc2*:20のアミノ酸SGGGペプチドリンカーによって直列に接合された、CH3抗体定常ドメインに逆の電荷を有するFcドメイン単量体およびCH3抗体定常ドメインの中にエンジニアリングされた突出部を有するFcドメイン単量体(図5:502および508)。突出部−20−電荷Fc2*は、突出部Fcに対する追加のアミノ酸置換も含む。
G. 突出部−20−突出部Fc2:20のアミノ酸GGGSペプチドリンカーによって直列に接合された、CH3抗体定常ドメインの中にエンジニアリングされた突出部をそれぞれ有する2つのFcドメイン単量体(図6:602)。
H. CHCL Fc+:ヒンジドメインに付着したCH1およびCL定常ドメインを有するFcドメイン単量体(図7A:702および704;図7B:706、708、710、712、714、および716)。CL定常ドメインは、18のアミノ酸GGGSペプチドリンカーによってCH1定常ドメインに付着されている。

0128

FcDNA配列は、ヒトIgG1 Fcに由来していた。突出部、凹部、および電荷の変異は、親Fc配列で置換された。ヒト免疫グロブリンκ軽鎖に由来するリーダーペプチドをコードするDNAは、5'領域に付着されていた。1つを除く全てのポリペプチド(CHCL Fc+)は、構築および分泌のために小胞体の中へのタンパク質のトランスロケーションを誘導するためにアミノ末端にこのコードされたペプチドを含んでいた。様々なリーダーペプチドのいずれか1つを、本発明に関連して使用できることを理解されたい。リーダーペプチドは、通常は小胞体内腔で切断されている。5'末端EcoR1部位を含む11ヌクレオチドの配列を、ATG開始コドン上流に付加した。3'末端Xho 1部位を含む30ヌクレオチドの配列を、3'末端TGA翻訳終止コドンの下流に付加した。DNA配列は、哺乳動物細胞での発現のために最適化し、pcDNA3.4哺乳動物発現ベクターにクローニングした。

0129

変異は、野生型アミノ酸残基によって示され、続いて変異の位置が、EU Kabat付番方式(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, National Institutes of Health, Bethesda, Md., ed. 5, 1991)を用いて示され、そして置換残基は1文字コードで示される。上記の分泌ポリペプチドA〜Hのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列が以下に示される(アミノ酸配列のみが示されている凹部Fc*および突出部−20−電荷Fc2*は除く)。

0130

wt Fc


突出部Fc

凹部Fc

凹部Fc*SEQID NO:45:

電荷Fc

wt-12-wt Fc2

突出部-20-電荷Fc2


突出部-20-電荷Fc2*

突出部-20-突出部Fc2


CHCL Fc+

0131

実施例2−Fc構築物タンパク質の発現
Fc構築物のタンパク質の発現のために、実施例1に記載のA〜Hから選択されるDNAプラスミド構築物の2つを、EXPI293細胞(LifeTechnologies)にトランスフェクトした。リポソームトランスフェクションを使用して、プラスミドDNAをEXPI293細胞に導入した。トランスフェクトされるプラスミド構築物の総量は一定としたが、所望の構築物の収量を最大限にするために異なるプラスミド構築物の比率を様々にした(以下の表3を参照されたい)。各Fc構築物では、2つのトランスフェクトされるDNAプラスミド構築物の比率(質量)が表3に示されている。構築物の例示は、図1〜図7Bに示されている。

0132

タンパク質の発現後、発現された構築物を、プロテインAを利用するアフィニティーカラムクロマトグラフィーによって細胞培養上清から精製した。培地上清を、AKTA Avant分取クロマトグラフィーシステム(GE Healthcare Life Sciences)を用いるPoros MabCapture A(LifeTechnologies)カラムにロードした。次いで、捕捉したFc構築物を、リン酸緩衝生理食塩水(low-salt wash)で洗浄し、続いて、500 mM NaClが添加されたリン酸緩衝生理食塩水(high-salt wash)で洗浄した。Fc構築物を、100 mMグリン、150 mM NaCl、pH 3の緩衝液で溶出した。カラムから溶出されたタンパク質溶液を、1M TRIS pH 7.4を添加して中和し、100 mMの最終濃度にする。Fc構築物を、Poros(登録商標)XS樹脂(Applied Biosciences Cat. # 4404336)を用いるイオン交換クロマトグラフィーによってさらに分画した。カラムを、10 mM MES、pH 6(緩衝液A)で予備平衡化し、試料を、10 mM MES、500 mM塩化ナトリウム、pH 6(緩衝液B)に濃度勾配をつけて溶出した。

0133

本出願者らは、合計7つのFc構築物を得た(以下の表3および図1〜図7Bを参照されたい)。精製Fc構築物を、還元条件および非還元条件の両方の下でSDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動法)によって分析し、続いて、クマシーブルー染色により予想サイズタンパク質バンドの存在を確認した。

0134

0135

実施例3−構築物4の調製およびSDS−PAGE分析
2つのDNAプラスミド構築物、wt−12−wt Fc2(実施例1のDNAプラスミド構築物E)およびwt Fc(実施例1のDNAプラスミド構築物A)を使用して構築物4を発現させた(図4)。2つのプラスミド構築物を、実施例2に記載されているようにタンパク質の発現および精製のためにHEK 293細胞にトランスフェクトした。図11A〜図11Bは、構築物4の還元および非還元SDS−PAGEを示している。還元SDS−PAGE(図11A)では、本出願者らは、wtFcドメイン単量体に対応する約25 kDaのバンドレーン2および3、図11A)およびwt−12−wt Fc2タンデム二量体に対応する約50 kDaのバンド(レーン1〜3、図11A)を観察した。非還元SDS−PAGE(図11B)では、レーン2および3はそれぞれ、タンパク質の量が多い(1/2)およびタンパク質が少ない(1/3)構築物4の最終タンパク質産物を含む。本出願者らは、構築物4を形成するwt−12−wt Fc2タンデム二量体の2つのwt Fcドメイン単量体への会合に対応する約100 kDaの1つの主バンド、およびwt Fcドメイン単量体に接合されていない遊離wt−12−wt Fc2タンデム二量体に対応する約50 kDaのほぼ等しいシグナル強度の1つの主バンドを観察した。

0136

加えて、本出願者らは、wt−12−wt Fc2およびwtFcドメイン単量体の多量体に対応する約150 kDa、200 kDa、および250 kDa(レーン2および3、図11B)で高分子量バンドを観察した。

0137

実施例4−構築物6の調製およびSDS−PAGE分析
2つのプラスミド構築物、突出部−20−突出部Fc2(実施例1のDNAプラスミド構築物G)および凹部Fc(実施例1のDNAプラスミド構築物C)を使用して構築物6を発現させた(図6)。2つのプラスミド構築物を、実施例2に記載されているようにタンパク質の発現および精製のためにHEK 293細胞にトランスフェクトした。図12A〜図12Bは、構築物6の還元および非還元SDS−PAGEを示している。還元SDS−PAGE(図12A)では、本出願者らは、凹部Fcドメイン単量体に対応する約25 kDaのバンド(レーン2および3、図12A)および突出部−20−突出部Fc2タンデム二量体に対応する50 kDaのバンド(レーン1〜3、図12A)を観察した。非還元SDS−PAGE(図12B)では、レーン2および3はそれぞれ、タンパク質の量が多い(1/2)およびタンパク質が少ない(1/3)構築物6の最終タンパク質産物を含む。本出願者らは、突出部−20−突出部Fc2タンデム二量体の2つの凹部Fcドメイン単量体への会合に対応する約100 kDaの1つの主バンド、およびどの凹部Fcドメイン単量体にも結合されていない遊離突出部−20−突出部Fc2タンデム二量体に対応する約50 kDaの弱いシグナル強度の1つのマイナーバンドを観察した。

0138

類似の実験を構築物5を用いて行った(図13)。2つのプラスミド構築物、突出部−20−電荷Fc2(実施例1のDNAプラスミド構築物F)および凹部Fc(実施例1のDNAプラスミド構築物C)を使用して構築物5を発現させた(図5)。2つのプラスミド構築物を、陽イオン性脂質トランスフェクションによって経験的に決定された比率でEXPI293細胞にトランスフェクトした。トランスフェクトされた培養物を、細胞培養培地で6〜8日間インキュベートした。その後、細胞を遠心分離によって除去した。上清(培地、図13のレーン1)は、トランスフェクトされた細胞によって培地に分泌された構築物5を含む。培地中には夾雑宿主細胞タンパク質も存在する。構築物5を、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーによって培地から精製した。この時点で、培地は、3つのFcドメイン(三量体)を有する所望の構築物5、ならびに2つのFcドメイン(二量体、約10〜15%)および1つのFcドメイン(単量体、5〜10%)を有する、一定の割合の誤って構築されたタンパク質を含んでいた。少量の夾雑宿主細胞タンパク質もまだ存在した。プロテインAカラム溶出液を、Strong Cation Exchange(SCX)クロマトグラフィーによって緩衝液交換し、濃縮し、そして分画した。簡単に述べると、構築物5を、SCXカラムに結合させ、次いで塩およびpH勾配で溶出させた。この工程により、3つのFcドメインを有する所望の構築物5の、2つまたは1つのFcドメインを有する誤って構築されたタンパク質の殆どからの分離、不所望の翻訳後修飾を有する構築物5からの分離、および夾雑宿主細胞タンパク質からの分離が可能になった。もう1回の濃縮および緩衝液交換の後に、構築物5の純粋な最終タンパク質産物が得られた(純粋、図13のレーン2)。

0139

図13は、構築物5を発現させるためにエンジニアリングされた培養宿主細胞から得られた培地(レーン1)および精製構築物5(レーン2)のSDS−PAGEを示している。また、各試料についてのSDS−PAGEの主バンドのパーセンテージを示す表も示されている。培地試料(レーン1)では、約150 kDaの主バンドが観察され、3つのFcドメインを有する構築物5の最終タンパク質産物に対応していた。この培地試料は、2つのFcドメインを有するタンパク質に対応する100 kDaの弱いシグナル強度のマイナーバンド、および1つのFcドメインを有するタンパク質に対応する50 kDaの弱い強度の第2のマイナーバンドも含んでいた。精製後(レーン2)、3つのFcドメインを有する構築物5の最終タンパク質産物に対応する約150 kDaの主バンドが濃縮された。構築物5のSDS−PAGEのタンパク質バンドのシグナル強度の定量により、培養培地では、タンパク質精製の前に、全タンパク質の約79%が、構築物5の所望のタンパク質産物であることが示された。タンパク質の精製後、約95%の純度を有する構築物5の実質的に均質な集団が得られた。

0140

これらの研究結果により、CH3抗体定常ドメインの中にエンジニアリングされた突出部またはエンジニアリングされた凹部のいずれかを含む選択二量体化モジュールが、自己会合を減少させて、無制限のFc媒介凝集または多量体の形成を防止することが実証され、本明細書に記載の構築物での二量体化選択性モジュールの使用を利用して、Fc構築物の実質的に均質な製剤を作製できることを示唆している。この観察結果は、例えば、生物学的活性および効果を制御するために、構築物の製造、収量、および純度における利点に対して著しい影響を有する。

0141

実施例5−結合親和性および結合活性
構築物の複数のFcγ受容体への結合を、細胞を利用するFRET競合アッセイCisbio Bioassays)を用いて評価した。構築物5および6は、野生型Fcドメイン(構築物1)と比較して、FcγRIIa、FcγRIIb、およびFcγRIIIaに対するIC50の少なくとも10分の1への減少(即ち、結合の増加)を示した。

0142

実施例6−単球の活性化およびブロッキングアッセイ
それぞれ1つ、3つ、および2つのFcドメインを含む構築物1、5、および6の3つのFc構築物を、それら自体のTHP−1単球の活性化を促進するそれらの能力について試験した。IL−8放出を、単球活性化指標として使用した。構築物1、5、および6は、実施例1および2に示されているように発現させて精製した。精製Fc構築物のそれぞれをTHP−1単球に加えた。3つの構築物のいずれでも、実質なIL−8の放出が観察されなかった。このデータは、図14Aに示されている。

0143

次いで、同じ3つのFc構築物を、Fc受容体媒介単球活性化を阻害するそれらの能力について試験した。IgG1(100 μg/mL)を、96ウェルプレートに固定し、これを使用して、THP−1単球によりIL−8放出を誘導した。続いて、構築物1、5、および6または対照物質静注用免疫グロブリン(IVIg)、ヒト血清アルブミンHSA)、およびグリシン緩衝液)の段階希釈組織培養プレートで行った。THP−1単球(1.5×105の細胞)を、完全な混合で即座に加えた。培養物を18時間インキュベートし、上清をIL−8について分析した。構築物5および6は、低用量で構築物1よりも効果的にIL−8放出を阻害することが分かった。このデータは、図14Bに示されている。

0144

実施例7−K/BxN関節炎モデル
Fc構築物1、5、および6ならびにIVIgを、Anthony, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 105:19571-19578 (2008) に記載の方法を用いてK/BxN血清伝達モデル関節炎症からマウスを保護するそれらの能力について試験した。Jackson Laboratoriesにより作製された12週齢のK/BxNマウスを、このJackson Laboratoriesから購入した。合計30匹のC57BLマウスを、それぞれ6匹のマウスの5つの群に分けた。各群に、200 μlの構築物6を0.1 g/kg、200 μlの構築物5を0.1 g/kg、200 μlのIVIgを0.1 g/kg、230 μl IVIgを1 g/kg、または200 μlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を、200 μlのK/BxN血清(関節炎誘導血清)の注射の1時間前に静脈注射(i.v.)した(0日目)。炎症を、足の腫れおよび足首の太さの臨床検査によって評点を付けた。足の腫れについては、各足に0〜3の評点を付けた(0が腫れなし;3が最大の腫れ)。4本の足の評点を、個々のマウスごとに総臨床評点に加えた。足首の太さについては、キャリパーでの測定を使用した。各マウスは、0日目から10日目まで毎日評点を付けた。6匹のマウスの各群の毎日の平均臨床評点を図15にプロットした。図15に示されているように、1 g/kgでのIVIg、0.1 g/kgでの構築物5、および0.1 g/kgでの構築物6は、同じようなレベルの炎症保護を提供した。構築物5および6が、IVIgの用量と比較して10分の1の低い用量で投与されたことを考えると、構築物5および6は、IVIgよりも効力があるようである。

0145

実施例8−慢性ITPモデル
構築物1および5ならびにIVIgを、免疫性血小板減少症(ITP)のマウスを処置するそれらの能力について試験した。ITPは、血小板減少を引き起こす抗血小板Abによって導入した。45匹のC57BL/6マウス(18〜22g、Charles Rivers Labs, MA)に、1.5 μg/マウスのラット抗CD41抗体(Ab)(クローンMWReg30 BioLegend cat#133910)を4日間毎日、腹腔内注射した(1日目、2日目、3日目、および4日目)。5匹のマウスに、1.5 μg/マウスの抗IgG1、kアイソタイプ対照Ab(BioLegend cat# 400414)を注射して正常な血小板レベルを決定した。Abは、100 μlのPBSで注射した。3日目の3回目の抗CD41 Abの注射の2時間後、全てのマウスに、200 μlの生理食塩水対照、1 g/kgのIVIg、0.02 g/kg、0.03 g/kg、0.1 g/kg、および0.3 g/kgの構築物1、ならびに0.004 g/kg、0.02 g/kg、および0.1 g/kgの構築物5を1回静脈注射した。5日目(4回目の抗CD41 Abの注射の24時間後)にマウスを出血させて、VetScan Instrumentによって全血小板レベルを定量した。全ての処置は、Animal Welfare Actを順守してGuide for the Care and Use of Laboratory Animalsに従って行った。

0146

図16に示されているように、血小板レベルは、生理食塩水対照と比較すると、0.02 g/kgおよび0.1 g/kgの構築物5での治療処置後に著しく増加した(複数の比較試験を用いるOne-wayANOVAにより、**** p< 0.0001)。これらの群の血小板レベルは、正常なアイソタイプ処置群のレベルと同様であった。1 g/kgのIVIgならびに0.1 g/kgおよび0.3 g/kgの構築物1での治療処置も、生理食塩水対照と比較すると、血小板レベルを著しく増加させたが(複数の比較試験を用いるOne-way ANOVAにより、それぞれ*p< 0.05;**p<0.01)、これらの群の血小板レベルは、0.02 g/kgおよび0.1 g/kgの構築物5処置群よりも低かった。このモデルでは、構築物5は、IVIgよりも約50倍高い効力があるようである。

0147

実施例9−構築物5*は、IVIgと比較して、FcγRに対して強化された結合および結合活性を示す
実施例8に記載のプロトコルと同じプロトコルに従って、突出部−20−電荷Fc2*(実施例1の構築物F*)および凹部Fc*(実施例1の構築物C*)をコードする2つのプラスミドを使用して構築物5*を発現させて精製した。この構築物の様々なFc受容体に対する結合プロフィールを、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)競合結合アッセイにおいてIVIgのFc受容体に対する結合プロフィールと比較した。

0148

構築物5*は、異なるFcγ受容体に対して、IVIgと同様の全結合プロフィールを示したが(FcγRIIbに対して最も低い結合親和性が観察された)、IVIgと比較すると、全ての低い親和性のFcγRに対する結合が著しく強化された。Fcγに対する強化された結合は、高い結合活性に一致し、これは、それぞれの結合相互作用蓄積親和性の蓄積効果を意味する。構築物5*のIC50値は、IVIgのIC50値よりも常に低く、個々のIgG分子と比較して、低い親和性のFcγRに対する結合の著しい増加を示唆している。例えば、IVIgと比較すると、構築物5*は、FcγRIIa(H131変異体)に対しては約170倍の親和性の増加を示し、FcγRIIbに対しては55倍の親和性の増加を示した。

0149

実施例10−THP−1単球細胞の食作用の阻害
構築物5*およびIVIgを、食作用のモデルで試験した。

0150

食作用は、細胞(食細胞)が、固形粒子、例えば、細菌を飲み込んで、食胞として知られる内部小胞を形成するプロセスである。免疫系では、食作用は、病原体および細胞デブリを除去するために使用される主な機構である。単球およびマクロファージは、数ある細胞の中でも、FcγR媒介結合に大きく依存する機構である、食作用によるオプソニン化(抗体被覆粒子の免疫系からの除去に特化している。しかしながら、自己免疫疾患では、食作用が活性化されて、炎症性サイトカインの有害な放出、または体内の他の重要な細胞の食作用をもたらし得る。1000人を超える血液ドナー血漿から抽出された、プールされた多価IgG抗体を含むIVIgを使用して自己免疫疾患を処置する。

0151

このアッセイシステムでは、オプソニン化細菌またはウイルス模倣である蛍光標識抗体被覆ラテックスビーズが、構築物5*およびIVIgの存在下および非存在下でTHP−1単球に供給されて貪食された。インキュベーション期間の最後に、トリパンブルーで外部蛍光消光され、そして細胞内の蛍光の量が、フローサイトメトリーによって定量される。全ての群が、それらの非処置対照(THP−1細胞およびラテックスビーズのみ)に対して正規化された。結果は、2つの別個の実験の典型である。

実施例

0152

図17に示されているように、THP−1単球細胞によるオプソニン化ビーズの食作用は、IVIgおよび構築物5*の両方での処置によって阻害されるが、構築物5*のIC50値は、IVIgのIC50値の約100分の1である。これは、本発明のFc構築物、例えば、構築物5*を、自己免疫の症状、およびIVIgを用いて処置可能な他の症状の処置に使用できることを示唆している。

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