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技術 PCグラウト組成物

出願人 花王株式会社オリエンタル白石株式会社
発明者 岡内伸曉鈴木憲一吉澤千秋渡瀬博西須稔
出願日 2019年2月8日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-021682
公開日 2020年8月27日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-128312
状態 未査定
技術分野 セメント、コンクリート、人造石、その養生 粘土の調整;粘土、セメント混合物の製造
主要キーワード 空隙状態 頭部面 充填距離 通過試験 容器構造物 曲げ材 塩化物量 JIS規格
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重要な関連分野

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課題

より流動性に優れ、かつブリーディングの少ないPCグラウト組成物を提供する。

解決手段

結合材と、(A)炭化水素基炭素数が12以上22以下であり、アルキレンオキサイド平均付加モル数が0超25以下である、硫酸エステル又はその塩(以下、(A)成分という)と、(B)脂肪酸部分の炭素数が10以上22以下である、脂肪酸アルカノールアミド(以下、(B)成分という)と、水とを含むPCグラウト組成物であって、結合材が、(P1)セメントを30質量%以上60質量%以下、(P2)高炉スラグ微粉末を35質量%以上60質量%以下、(P3)二水石膏及び無水石膏から選ばれる一種以上をCaSO4として1質量%以上6質量%以下、並びに(P4)フライアッシュシリカフューム及び石灰石微粉末から選ばれる一種以上を2質量%以上15質量%以下含み、水に対する(A)成分と(B)成分の合計含有量が0.3質量%以上5.0質量%以下である、PCグラウト組成物。

概要

背景

プレストレスは、PC鋼材とよばれる高強度の鋼線、鋼より線ストランド)などを緊張し、コンクリート部材端面に定着することによって与えられる。部材の代表的製造方法の一つであるプレテンション法は、工場でのプレキャスト部材の製造に用いられる方法で、堅固な支持台(プレテンションベッド)にPC鋼材をあらかじめ緊張・定着しておき、その周り型枠を組んでコンクリート打ち硬化後にPC鋼材の引張り力を緩めて、コンクリートとPC鋼材間の付着力によってプレストレスが導入される。他の代表的方法ポストテンション法である。これは製品として運搬が困難な大形部材や現場打ちコンクリートにプレストレスを与える方法で、シースを着せたPC鋼材を型枠中に配置してコンクリートを打設し、硬化後、コンクリートを受け台としてPC鋼材を緊張・定着してプレストレスを導入する。導入後、ただちにシースの中の空隙にグラウト圧入する。これは、PC鋼材の防錆およびコンクリート本体との間に付着を与えるために行うものである。

プレストレストコンクリートは、橋梁きょうりょう)の主桁しゅげた)、建築物の梁(はり)、床スラブのような曲げ応力の作用する部材(曲げ材)に利用すると、その特徴が発揮される。すなわち、曲げ材の引張りの働く部分にプレストレスを与えると、コンクリートの全断面が圧縮に対しても引張りに対しても有効に働くようになり、通常の使用状態ではひび割れが発生しない部材ができる。このことは、高強度で密実なコンクリートの使用と相まって、高品質耐久性富む構造物が得られる要因となっている。また、鉄筋コンクリート部材よりも部材断面を著しく小さくできることも特徴の一つであり、構造物の軽量化に役立つ。大スパン構造にもきわめて適しており、建築物で梁スパン50メートル橋梁主桁ではスパン250メートルを超える長大橋梁が世界各国で多数建設されている。

シースに注入するPCグラウトは、PC(プレストレストコンクリート)構造物を製造する際に用いられる水硬性組成物一種である。例えば、PCグラウトは、プレストレストコンクリート橋において、内ケーブルにおけるPC鋼材緊張後のダクト空隙充填材料として使用される。プレストレストコンクリート橋以外でも、建築構造物容器構造物、その他構造物の内ケーブル等にもPCグラウトは使用されている。PCグラウトの要求性能としては、PC鋼材を腐食から保護することと、PC鋼材と部材コンクリートの間の一体化を図ることなどが挙げられる。具体的には、材料分離が無くブリーディングが無いこと、安定した流動性を有し、空隙に容易に注入出来ること、十分な圧縮強度を有すること、塩化物量が低いこと等が要求される。

また、既設PC橋に見られるシース内のグラウト充填不足はPC鋼材の腐食、破断を生じさせ、供用規制や落橋事故を引き起こす恐れがある。この対策工法の1つとして、シース内の空隙部へグラウトを再注入する補修事例が増加している。シース内の空隙は建設当時の情況により様々であり、PC鋼材とシースの隙間、グラウトのブリーディング、部位、施工不良などの影響を受け、狭隘で不連続な空隙状態が想定される。さらに、シース内外において塩化物イオンなどの劣化因子が存在する場合には、PC鋼材の腐食抑制を考慮した対策を検討することが重要となる。したがって、グラウトの再注入工法を適用する場合には、空隙状態や腐食環境に対する要求性能を考慮した材料および注入手法が求められる。

特許文献1には、早強セメント15質量%以上、膨張材1.2〜4.8質量%、増粘剤0.02〜0.1質量%及びセメント分散剤0.2〜2.0質量%を含有するプレミックスタイプ超低粘性PCグラウト組成物が開示されている。

特許文献2には、ポリカルボン酸系セメント分散剤と、増粘剤と、石灰系混和材とを含んでなり、前記石灰系混和材がCaOを50〜92重量%含有するクリンカと石膏とを粉砕した混合物であるグラウト用混和剤が開示されている。

特許文献3には、ポリカルボン酸系セメント分散剤と、有機系収縮低減剤と、増粘剤とからなるグラウト用混和剤、及びセメントと、前記グラウト用混和剤の構成材料とを含むセメント系グラウト組成物が開示されている。

特許文献4には、(A)炭化水素基炭素数が12以上22以下であり、アルキレンオキサイド平均付加モル数が0以上25以下である、硫酸エステル又はその及び(B)脂肪酸部分の炭素数が10以上22以下である、脂肪酸アルカノールアミドを含むレオロジー改質剤が開示されている。

概要

より流動性に優れ、かつブリーディングの少ないPCグラウト組成物を提供する。結合材と、(A)炭化水素基の炭素数が12以上22以下であり、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が0超25以下である、硫酸エステル又はその塩(以下、(A)成分という)と、(B)脂肪酸部分の炭素数が10以上22以下である、脂肪酸アルカノールアミド(以下、(B)成分という)と、水とを含むPCグラウト組成物であって、結合材が、(P1)セメントを30質量%以上60質量%以下、(P2)高炉スラグ微粉末を35質量%以上60質量%以下、(P3)二水石膏及び無水石膏から選ばれる一種以上をCaSO4として1質量%以上6質量%以下、並びに(P4)フライアッシュシリカフューム及び石灰石微粉末から選ばれる一種以上を2質量%以上15質量%以下含み、水に対する(A)成分と(B)成分の合計含有量が0.3質量%以上5.0質量%以下である、PCグラウト組成物。なし

目的

本発明は、より流動性に優れ、かつブリーディングの少ないPCグラウト組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

結合材と、(A)炭化水素基炭素数が12以上22以下であり、アルキレンオキサイド平均付加モル数が0超25以下である、硫酸エステル又はその塩(以下、(A)成分という)と、(B)脂肪酸部分の炭素数が10以上22以下である、脂肪酸アルカノールアミド(以下、(B)成分という)と、水とを含むPCグラウト組成物であって、結合材が、(P1)セメントを30質量%以上60質量%以下、(P2)高炉スラグ微粉末を35質量%以上60質量%以下、(P3)二水石膏及び無水石膏から選ばれる一種以上をCaSO4として1質量%以上6質量%以下、並びに(P4)フライアッシュシリカフューム及び石灰石微粉末から選ばれる一種以上を2質量%以上15質量%以下含み、水に対する(A)成分と(B)成分の合計含有量が0.3質量%以上5.0質量%以下である、PCグラウト組成物。

請求項2

補修用である、請求項1に記載のPCグラウト組成物。

請求項3

結合材と、(A)炭化水素基の炭素数が12以上22以下であり、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が0超25以下である、硫酸エステル又はその塩(以下、(A)成分という)と、(B)脂肪酸部分の炭素数が10以上22以下である、脂肪酸アルカノールアミド(以下、(B)成分という)と、水とを混合するPCグラウト組成物の製造方法であって、結合材が、(P1)セメントを30質量%以上60質量%以下、(P2)高炉スラグ微粉末を35質量%以上60質量%以下、(P3)二水石膏及び無水石膏から選ばれる一種以上をCaSO4として1質量%以上6質量%以下、並びに(P4)フライアッシュ、シリカフューム及び石灰石微粉末から選ばれる一種以上を2質量%以上15質量%以下含み、水に対して(A)成分と(B)成分とを合計で0.3質量%以上5.0質量%以下混合する、PCグラウト組成物の製造方法。

請求項4

結合材を含むプレミックスと水とを混合して得た混合物と、(A)成分と、(B)成分とを混合する、請求項3に記載のPCグラウト組成物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、PCグラウト組成物及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

プレストレスは、PC鋼材とよばれる高強度の鋼線、鋼より線ストランド)などを緊張し、コンクリート部材端面に定着することによって与えられる。部材の代表的製造方法の一つであるプレテンション法は、工場でのプレキャスト部材の製造に用いられる方法で、堅固な支持台(プレテンションベッド)にPC鋼材をあらかじめ緊張・定着しておき、その周り型枠を組んでコンクリート打ち硬化後にPC鋼材の引張り力を緩めて、コンクリートとPC鋼材間の付着力によってプレストレスが導入される。他の代表的方法ポストテンション法である。これは製品として運搬が困難な大形部材や現場打ちコンクリートにプレストレスを与える方法で、シースを着せたPC鋼材を型枠中に配置してコンクリートを打設し、硬化後、コンクリートを受け台としてPC鋼材を緊張・定着してプレストレスを導入する。導入後、ただちにシースの中の空隙にグラウト圧入する。これは、PC鋼材の防錆およびコンクリート本体との間に付着を与えるために行うものである。

0003

プレストレストコンクリートは、橋梁きょうりょう)の主桁しゅげた)、建築物の梁(はり)、床スラブのような曲げ応力の作用する部材(曲げ材)に利用すると、その特徴が発揮される。すなわち、曲げ材の引張りの働く部分にプレストレスを与えると、コンクリートの全断面が圧縮に対しても引張りに対しても有効に働くようになり、通常の使用状態ではひび割れが発生しない部材ができる。このことは、高強度で密実なコンクリートの使用と相まって、高品質耐久性富む構造物が得られる要因となっている。また、鉄筋コンクリート部材よりも部材断面を著しく小さくできることも特徴の一つであり、構造物の軽量化に役立つ。大スパン構造にもきわめて適しており、建築物で梁スパン50メートル橋梁主桁ではスパン250メートルを超える長大橋梁が世界各国で多数建設されている。

0004

シースに注入するPCグラウトは、PC(プレストレストコンクリート)構造物を製造する際に用いられる水硬性組成物一種である。例えば、PCグラウトは、プレストレストコンクリート橋において、内ケーブルにおけるPC鋼材緊張後のダクト空隙充填材料として使用される。プレストレストコンクリート橋以外でも、建築構造物容器構造物、その他構造物の内ケーブル等にもPCグラウトは使用されている。PCグラウトの要求性能としては、PC鋼材を腐食から保護することと、PC鋼材と部材コンクリートの間の一体化を図ることなどが挙げられる。具体的には、材料分離が無くブリーディングが無いこと、安定した流動性を有し、空隙に容易に注入出来ること、十分な圧縮強度を有すること、塩化物量が低いこと等が要求される。

0005

また、既設PC橋に見られるシース内のグラウト充填不足はPC鋼材の腐食、破断を生じさせ、供用規制や落橋事故を引き起こす恐れがある。この対策工法の1つとして、シース内の空隙部へグラウトを再注入する補修事例が増加している。シース内の空隙は建設当時の情況により様々であり、PC鋼材とシースの隙間、グラウトのブリーディング、部位、施工不良などの影響を受け、狭隘で不連続な空隙状態が想定される。さらに、シース内外において塩化物イオンなどの劣化因子が存在する場合には、PC鋼材の腐食抑制を考慮した対策を検討することが重要となる。したがって、グラウトの再注入工法を適用する場合には、空隙状態や腐食環境に対する要求性能を考慮した材料および注入手法が求められる。

0006

特許文献1には、早強セメント15質量%以上、膨張材1.2〜4.8質量%、増粘剤0.02〜0.1質量%及びセメント分散剤0.2〜2.0質量%を含有するプレミックスタイプ超低粘性PCグラウト組成物が開示されている。

0007

特許文献2には、ポリカルボン酸系セメント分散剤と、増粘剤と、石灰系混和材とを含んでなり、前記石灰系混和材がCaOを50〜92重量%含有するクリンカと石膏とを粉砕した混合物であるグラウト用混和剤が開示されている。

0008

特許文献3には、ポリカルボン酸系セメント分散剤と、有機系収縮低減剤と、増粘剤とからなるグラウト用混和剤、及びセメントと、前記グラウト用混和剤の構成材料とを含むセメント系グラウト組成物が開示されている。

0009

特許文献4には、(A)炭化水素基炭素数が12以上22以下であり、アルキレンオキサイド平均付加モル数が0以上25以下である、硫酸エステル又はその及び(B)脂肪酸部分の炭素数が10以上22以下である、脂肪酸アルカノールアミドを含むレオロジー改質剤が開示されている。

先行技術

0010

特開2012−51741号公報
特開2005−314154号公報
特開2004−315319号公報
特開2018−83931号公報

発明が解決しようとする課題

0011

近年、これらの要求性能に加えて、例えば、PC構造物の長大化に適応可能とすべく、狭い間隙ロングスパンにも施工が非常にスムーズにできるよう、より流動性に優れたPCグラウトが求められている。
また、既設のPC構造物におけるシース内のグラウト充填不足の対策として、シース内の空洞へグラウトを再注入する補修工法があるが、これに用いるグラウトは、新設時におけるグラウトと比較して、狭隘な空洞部に注入するケースが多く、より優れた流動性及び細部充填性、そして少量多場所に適用できる長い可使時間が要求される。しかし、現在、一般に使用されている再注入グラウトは、細部に充填できず、狭隘な空隙に注入することが困難である。そこで、新設時にも補修時にも用いることができる、低粘性でも分離せず、ブリーディングも極めて少なく、かつ細部充填が可能なPCグラウト組成物への要望が高まっている。
本発明は、より流動性に優れ、かつブリーディングの少ないPCグラウト組成物を提供する。

課題を解決するための手段

0012

本発明は、結合材と、(A)炭化水素基の炭素数が12以上22以下であり、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が0超25以下である、硫酸エステル又はその塩(以下、(A)成分という)と、(B)脂肪酸部分の炭素数が10以上22以下である、脂肪酸アルカノールアミド(以下、(B)成分という)と、水とを含むPCグラウト組成物であって、
結合材が、(P1)セメントを30質量%以上60質量%以下、(P2)高炉スラグ微粉末を35質量%以上60質量%以下、(P3)二水石膏及び無水石膏から選ばれる一種以上をCaSO4として1質量%以上6質量%以下、並びに(P4)フライアッシュシリカフューム及び石灰石微粉末から選ばれる一種以上を2質量%以上15質量%以下含み、
水に対する(A)成分と(B)成分の合計含有量が0.3質量%以上5.0質量%以下である、
PCグラウト組成物に関する。

0013

また、本発明は、結合材と、(A)炭化水素基の炭素数が12以上22以下であり、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が0超25以下である、硫酸エステル又はその塩(以下、(A)成分という)と、(B)脂肪酸部分の炭素数が10以上22以下である、脂肪酸アルカノールアミド(以下、(B)成分という)と、水とを混合するPCグラウト組成物の製造方法であって、
結合材が、(P1)セメントを30質量%以上60質量%以下、(P2)高炉スラグ微粉末を35質量%以上60質量%以下、(P3)二水石膏及び無水石膏から選ばれる一種以上をCaSO4として1質量%以上6質量%以下、並びに(P4)フライアッシュ、シリカフューム及び石灰石微粉末から選ばれる一種以上を2質量%以上15質量%以下含み、
水に対して(A)成分と(B)成分とを合計で0.3質量%以上5.0質量%以下混合する、
PCグラウト組成物の製造方法に関する。

発明の効果

0014

本発明によれば、より流動性に優れたPCグラウト組成物及びその製造方法が提供される。

0015

<PCグラウト組成物>
本発明のPCグラウト組成物は、所定の結合材と、(A)炭化水素基の炭素数が12以上22以下であり、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が0超25以下である、硫酸エステル又はその塩((A)成分)と、(B)脂肪酸部分の炭素数が10以上22以下である、脂肪酸アルカノールアミド((B)成分)と、水とを含み、水に対する(A)成分と(B)成分の合計含有量が0.3質量%以上5.0質量%以下である。

0016

〔結合材〕
結合材(以下、本発明の結合材という場合もある)は、(P1)セメントを30質量%以上60質量%以下、(P2)高炉スラグ微粉末を35質量%以上60質量%以下、(P3)二水石膏及び無水石膏から選ばれる一種以上をCaSO4として1質量%以上6質量%以下、並びに(P4)フライアッシュ、シリカフューム及び石灰石微粉末から選ばれる一種以上を2質量%以上15質量%以下含む。

0017

(P1)セメントは、普通、早強、低熱中庸熱、白色等の各種ポルトランドセメントなどが挙げられる。好ましくは早強ポルトランドセメントである。
結合材は、グラウト強度の安定化の観点から、(P1)セメントを30質量%以上、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上、そして、60質量%以下含有する。

0018

(P2)高炉スラグ微粉末は、高炉スラグを粉砕した微粉末である。高炉スラグは、徐冷スラグ急冷スラグとが知られている。水により急冷する高炉スラグは、高炉水砕スラグとしても知られている。高炉スラグ微粉末としては、JIS A 6206:2013の高炉スラグ微粉末3000、4000、6000、8000を使用できる。その他、JIS規格外品であるが、比表面積が10,000cm2/g以上のものも使用できる。高炉スラグ微粉末としては、比表面積が8,000cm2/g以上のものが好ましい。本発明で用いる結合材中比率を満たすのであれば、高炉スラグセメントを用いてもよい。高炉スラグセメントは、JIS R 5211に規定される高炉セメントA種、高炉セメントB種、高炉セメントC種を使用することができる。
結合材は、可使時間の維持と流動性を高める観点から、(P2)高炉スラグ微粉末を35質量%以上、そして、60質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下含有する。

0019

本発明のPCグラウト組成物は、結合材として、(P3)二水石膏及び無水石膏から選ばれる一種以上を含有する。
結合材は、フリーデル氏塩を生成させ塩化物イオンを固定する観点から、(P3)二水石膏及び無水石膏から選ばれる一種以上をCaSO4として1質量%以上、好ましくは1.5質量%以上、より好ましくは2質量%以上、そして、6質量%以下、好ましくは5.5質量%以下、より好ましくは4.5質量%以下含有する。

0020

本発明のPCグラウト組成物は、結合材として、(P4)フライアッシュ、シリカフューム及び石灰石微粉末から選ばれる一種以上を含有する。
結合材は、グラウトの流動性を高め、組織を緻密にする観点から、(P4)フライアッシュ、シリカフューム及び石灰石微粉末から選ばれる一種以上を2質量%以上、好ましくは5質量%以上、そして、15質量%以下含有する。

0021

本発明の結合材中、(P1)セメント、(P2)高炉スラグ微粉末、(P3)二水石膏及び無水石膏から選ばれる一種以上、並びに(P4)フライアッシュ、シリカフューム及び石灰石微粉末から選ばれる一種以上の合計の割合は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは85質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下であり、100質量%であってもよい。よって、本発明の結合材は、前記(P1)、(P2)、(P3)及び(P4)であってよい。ここで、本発明の結合材中の(P3)の含有量は、見かけの含有量、つまり二水石膏及び/又は無水石膏としての含有量であってよい。

0022

〔(A)成分〕
(A)成分は、炭化水素基の炭素数が12以上22以下であり、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が0超25以下である、硫酸エステル又はその塩である。

0023

(A)成分の炭化水素基は、高いブリーディング抑制能を得る観点から、好ましくは直鎖若しくは分岐鎖アルキル基又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、より好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、更に好ましくは直鎖のアルケニル基である。
(A)成分の炭化水素基の炭素数は、高いブリーディング抑制能を得る観点から、12以上、好ましくは14以上、より好ましくは16以上、更に好ましくは18以上、そして、22以下、好ましくは20以下である。

0024

(A)成分の炭化水素基は、高いブリーディング抑制能を得る観点から、例えば、ラウリル基ミリスチル基、パルミチル基、オレイル基、ステアリル基及びドコシル基から選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはミリスチル基、パルミチル基、オレイル基及びステアリル基から選ばれる1種以上であり、より好ましくはパルミチル基、オレイル基及びステアリル基から選ばれる1種以上であり、更に好ましくはオレイル基及びステアリル基から選ばれる基である。

0025

アルキレンオキサイドの平均付加モル数は0超25以下である。
アルキレンオキサイドは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキサイドが挙げられる。アルキレンオキサイドは、高いブリーディング抑制能を得る観点から、エチレンオキサイドが好ましい。(A)成分は、アルキレンオキサイドとしてエチレンオキサイドを含むことが好ましい。

0026

炭化水素基の炭素数が12以上16以下の場合、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、水への溶解性の観点から、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、そして、ブリーディング抑制効果を高める観点から、好ましくは20以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下、より更に好ましくは12以下、より更に好ましくは10以下、より更に好ましくは8以下、より更に好ましくは6以下である。
炭化水素基の炭素数が17以上22以下の場合、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、水への溶解性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上、そして、ブリーディング抑制効果を高める観点から、好ましくは20以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下、より更に好ましくは14以下、より更に好ましくは12以下である。

0027

(A)成分の硫酸エステルの塩として、ナトリウム塩アンモニウム塩カリウム塩カルシウム塩マグネシウム塩等から選ばれる無機塩モノエタノールアンモニウム塩、ジエタノールアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、モルホリニウム塩等から選ばれる有機アンモニウム塩が好適である。

0028

(A)成分としては、具体的には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルサルフェートポリオキシアルキレンアルケニルエーテルサルフェート、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシアルキレンアルケニルフェニルエーテルサルフェートが挙げられ、高い粘弾性を得る観点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルサルフェート、及びポリオキシアルキレンアルケニルエーテルサルフェートから選ばれる1種以上が好ましい。

0029

(A)成分としては、高いブリーディング抑制能を得る観点から、下記一般式(a1)で表される化合物が好適である。
R1a−O−(R2aO)n−SO3M1 (a1)
〔式中、R1aは、炭素数12以上22以下の炭化水素基であり、R2aは、炭素数2以上4以下のアルキレン基、好ましくはエチレン基であり、nは平均付加モル数であり0超25以下の数である。M1は水素原子又は陽イオン、好ましくは無機又は有機の陽イオンである。〕

0030

一般式(a1)中、R1aは、好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、より好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、更に好ましくは直鎖のアルケニル基である。
R1aの炭素数は、高いブリーディング抑制能を得る観点から、12以上、好ましくは14以上、より好ましくは16以上、更に好ましくは18以上、そして、22以下、好ましくは20以下である。

0031

一般式(a1)中、高いブリーディング抑制能を得る観点から、R1aは、例えば、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、オレイル基、リノール基、ステアリル基及びドコシル基から選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはミリスチル基、パルミチル基、リノール基、オレイル基及びステアリル基から選ばれる1以上であり、より好ましくはリノール基、パルミチル基、オレイル基及びステアリル基から選ばれる1種以上であり、更に好ましくはリノール基、オレイル基、及びステアリル基から選ばれる1種以上である。

0032

一般式(a1)中、R1aの炭素数が12以上16以下の場合、nは、水への溶解性の観点から、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、そして、紐状ミセル内における活性剤配列密度を高める観点から、好ましくは20以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下、より更に好ましくは12以下、より更に好ましくは10以下、より更に好ましくは8以下、より更に好ましくは6以下である。
一般式(a1)中、R1aの炭素数が17以上22以下の場合、nは、水への溶解性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上、そして、紐状ミセル内における活性剤の配列密度を高める観点から、好ましくは20以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下、より更に好ましくは14以下、より更に好ましくは12以下である。

0033

一般式(a1)中、M1は水素原子、あるいはナトリウムイオンアンモニウムイオンカリウムイオンカルシウムイオンマグネシウムイオン等の無機陽イオン、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、モルホリニウムイオン等の有機陽イオンが挙げられ、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンの無機陽イオンであり、より好ましくはナトリウムイオン、アンモニウムイオンである。

0034

(A)成分の平均充てんパラメータは、高いブリーディング抑制能を得る観点から、1/3以上1以下が好ましい。本発明において、平均充てんパラメータは以下の式で表される。
平均充てんパラメータ=v/(a0×lc)
v:炭化水素基の体積
a0:界面活性剤水界面の最適頭部面
lc:炭化水素鎖の臨界鎖長

0035

(A)成分のデイビス法導出されるHLBは、高いブリーディング抑制能を得る観点から、10以上40以下が好ましい。

0036

〔(B)成分〕
(B)成分は、脂肪酸部分の炭素数が10以上22以下である、脂肪酸アルカノールアミドである。

0037

脂肪酸部分の炭化水素基は、脂肪酸アルカノールアミドの原料脂肪酸においてカルボキシル基炭素原子を含む炭化水素基であり、好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、より好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、更に好ましくは直鎖のアルケニル基である。

0038

脂肪酸部分の炭素数は、脂肪酸アルカノールアミドの原料脂肪酸においてカルボキシル基の炭素原子を含む炭素数であり、高いブリーディング抑制能を得る観点から、10以上、好ましくは12以上、より好ましくは14以上、更に好ましくは16以上、そして、22以下、好ましくは20以下であり、更に好ましくは18以下、より更に好ましくは18である。

0039

脂肪酸アルカノールアミドとしては、脂肪酸モノエタノールアミド脂肪酸メチルモノエタノールアミド脂肪酸エチルモノエタノールアミド、脂肪酸プロピルモノエタノールアミド、脂肪酸メタノールエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられ、高い粘弾性を得る観点から、脂肪酸ジエタノールアミドが好ましい。

0040

(B)成分は、例えば、オレイン酸ジエタノールアミドステアリン酸ジエタノールアミド、パーム核脂肪酸ジエタノールアミドのうち脂肪酸部の炭素数が10以上18以下の化合物、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、及びラウリン酸ジエタノールアミド等が挙げられ、これらを2種以上併用してもよい。(B)成分は、水への溶解性を維持し、かつ、高い粘弾性を得る観点から、好ましくはオレイン酸ジエタノールアミド、パーム核脂肪酸ジエタノールアミド、及びヤシ脂肪酸ジエタノールアミドから選ばれる1種以上であり、より好ましくはオレイン酸ジエタノールアミド、パーム核脂肪酸ジエタノールアミドから選ばれる1種以上であり、更に好ましくはオレイン酸ジエタノールアミドである。

0041

(B)成分は、高級脂肪酸アルカノールアミンを反応させることにより得られるが、脂肪酸アルカノールアミド以外の副産物が同時に生成される。副産物としては、脂肪酸アルカノールアミドと脂肪酸が脱水縮合した脂肪酸アルカノールアミド脂肪酸モノエステル、脂肪酸アルカノールアミド脂肪酸ジエステル、並びにアルカノールアミンと脂肪酸が脱水縮合した脂肪酸アルカノールアミンモノエステル、脂肪酸アルカノールアミンジエステル等が挙げられる。本発明の(B)成分には、本発明の効果を損なわない限り、前記の副産物を微量に含んでも良い。(B)成分中の前記副産物の含有量は、高いブリーディング抑制能を得る観点から、(B)成分100質量部中、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。

0042

(B)成分の平均充てんパラメータは、高いブリーディング抑制能を得る観点から、1/2以上2以下が好ましい。

0043

(B)成分のグリフィン法により導出されたHLBは、高い粘弾性を得る観点から、6以上10.5以下が好ましい。

0044

組成、任意成分等〕
本発明のPCグラウト組成物は、グラウト組成物へ適度な粘性を付与することで、細部への充填を可能にする観点から、水に対する(A)成分と(B)成分の合計含有量が0.3質量%以上5.0質量%以下である。水に対する(A)成分と(B)成分の合計含有量は、グラウト組成物の流動性とブリーディング抑制能の観点から、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、そして、好ましくは4.5質量%以下、より好ましくは4.2質量%以下である。

0045

本発明のPCグラウト組成物は、(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)が、高いブリーディング抑制能を得る観点から、好ましくは3/97以上95/5以下である。更に、(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)は、(A)成分と(B)成分の組み合わせにより、以下の通りとすることが、高いブリーディング抑制能を得る観点から好適である。
(A)成分の炭化水素基の炭素数が12以上16以下であり、(B)成分の脂肪酸部分の炭素数が10以上16以下の場合、(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)は、高いブリーディング抑制能を得る観点から、好ましくは5/95以上、そして、好ましくは25/75以下、より好ましくは15/85以下、更に好ましくは7/93以下である。
(A)成分の炭化水素基の炭素数が17以上22以下であり、(B)成分の脂肪酸部分の炭素数が10以上16以下の場合、(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)は、高いブリーディング抑制能を得る観点から、好ましくは5/95以上、より好ましくは15/85以上、そして、好ましく45/55以下、より好ましくは35/65以下である。
(A)成分の炭化水素基の炭素数が17以上22以下であり、(B)成分の脂肪酸部分の炭素数が17以上22以下の場合、(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)は、高いブリーディング抑制能を得る観点から、好ましくは5/95以上、より好ましくは15/85以上、更に好ましくは40/60以上、そして、好ましくは55/45以下である。
(A)成分の炭化水素基の炭素数が12以上16以下であり、(B)成分の脂肪酸部分の炭素数が17以上22以下の場合、(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)は、高いブリーディング抑制能を得る観点から、好ましくは5/95以上、より好ましくは15/85以上、更に好ましくは25/75以上、そして、好ましくは55/45以下、より好ましくは35/65以下である。

0046

本発明のPCグラウト組成物は、強度の安定性、可使時間の維持、ブリーディング抑制能及び流動性の観点から、本発明の結合材と水との比が、水/結合材で、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、そして、好ましくは40質量%以下である。この比は、(水の質量/結合材の質量)×100で算出される質量%である。

0047

本発明のPCグラウト組成物は、任意にセメント分散剤、収縮低減剤、増粘剤、消泡剤発泡剤膨張剤減水剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。また、有機粉体を含有することができ、これら任意の成分が粉体の形態であってもよい。

0048

本発明のPCグラウト組成物は、好ましくは有機発泡剤を含有する。本発明では、有機発泡剤として、窒素ガス発生物質を使用することが、PC鋼材の劣化防止、可使時間の確保の観点から好ましい。ここで窒素ガス発生物質として、アゾ化合物ニトロソ化合物、及びヒドラジン誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種が使用可能である。アゾ化合物としては、アゾジカルボンアミドアゾビスイソブチルニトリルなどが挙げられ、ニトロソ化合物としては、N,N’−ジニトロペンタメチレンテトラミンなどが挙げられ、ヒドラジン誘導体としては、4,4’−オキシビスヒドラジンカルボンアミドなどが挙げられ、これらの一種又は二種以上が使用可能である。なかでも、有機発泡剤として、アゾジカルボンアミドが好ましい。本発明のPCグラウト組成物が有機発泡剤を含有する場合、その含有量は、過大な発泡を抑制し、また、収縮が大きくなることを防止する観点から、本発明の結合材に対し、好ましくは0.003質量%以上、より好ましくは0.0035質量%以上、そして、好ましくは0.007質量%以下、より好ましくは0.006質量%以下である。

0049

本発明のPCグラウト組成物は、各種構造物の補修用として好適である。例えば、本発明のPCグラウト組成物は、PC構造物の補修用として好適である。

0050

<PCグラウト組成物の製造方法>
本発明は、結合材と、(A)成分と、(B)成分と、水とを混合するPCグラウト組成物の製造方法であって、
結合材が、(P1)セメントを30質量%以上60質量%以下、(P2)高炉スラグ微粉末を35質量%以上60質量%以下、(P3)二水石膏及び無水石膏から選ばれる一種以上をCaSO4として1質量%以上6質量%以下、並びに(P4)フライアッシュ、シリカフューム及び石灰石微粉末から選ばれる一種以上を2質量%以上15質量%以下含み、
水に対して(A)成分と(B)成分とを合計で0.3質量%以上5.0質量%以下混合する、
PCグラウト組成物の製造方法に関する。

0051

本発明のPCグラウト組成物の製造方法には、本発明のPCグラウト組成物で述べた事項を適宜適用することができる。
結合材、(A)成分、(B)成分の具体例及び好ましい例などは、本発明のPCグラウト組成物と同じである。
また、本発明のPCグラウト組成物における各成分の含有量は、混合量に置き換えて本発明のPCグラウト組成物の製造方法に適用することができる。

0052

本発明のPCグラウト組成物の製造方法では、結合材と、(A)成分、(B)成分及び水を含有する液体組成物とを混合することができる。前記液体組成物は、(A)成分と(B)成分とを合計で、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、そして、好ましくは3.7質量%以下、より好ましくは3.5質量%以下含有することができる。前記液体組成物は、水に対する(A)成分と(B)成分の合計の混合量が0.3質量%以上5.0質量%以下となるように用いる。

0053

また、本発明のPCグラウト組成物の製造方法では、結合材を含むプレミックスと、(A)成分と、(B)成分と、水とを混合することもできる。例えば、本発明のPCグラウト組成物の製造方法では、結合材を含むプレミックスと水とを混合して得た混合物と、(A)成分と、(B)成分とを混合することもできる。プレミックスは、任意に、減水剤、発泡剤などの成分を含有していてもよい。また、(A)成分と(B)成分は、これらを含む混合物、例えば(A)成分と(B)成分と水とを含む液状混合物の形態で用いてもよい。

0054

結合材と、(A)成分と、(B)成分と、水の混合は、PCグラウト組成物を製造する公知の方法に準じて行うことができる。例えば、グラウトミキサーを用いて各成分を混合することができる。

0055

<PCグラウト注入工法
本発明は、結合材と、(A)成分と、(B)成分と、水とを含むPCグラウト組成物をPC構造物のシース内に注入するPCグラウト注入工法であって、
結合材が、(P1)セメントを30質量%以上60質量%以下、(P2)高炉スラグ微粉末を35質量%以上60質量%以下、(P3)二水石膏及び無水石膏から選ばれる一種以上をCaSO4として1質量%以上6質量%以下、並びに(P4)フライアッシュ、シリカフューム及び石灰石微粉末から選ばれる一種以上を2質量%以上15質量%以下含み、
PCグラウト組成物は、水に対する(A)成分と(B)成分の合計含有量が0.3質量%以上5.0質量%以下である、
PCグラウト注入工法に関する。

0056

本発明のPCグラウト注入工法には、本発明のPCグラウト組成物及びPCグラウト組成物の製造方法で述べた事項を適宜適用することができる。
結合材、(A)成分、(B)成分の具体例及び好ましい例は、本発明のPCグラウト組成物と同じである。
本発明のPCグラウト注入工法に用いるPCグラウト組成物は、本発明のPCグラウト組成物であってよい。

0057

本発明のPCグラウト注入工法では、グラウトをシース内の細部の空隙に充填することにより、PC構造物を補修することができる。

0058

本発明のPCグラウト注入工法では、シースが、既設のPC構造物のシースであってよい。この方法は、既設のPC構造物のシースにPCグラウト組成物を再注入する方法であってよい。

0059

本発明のPCグラウト注入工法は、前記所定のPCグラウト組成物を用いる以外は、公知の方法に準じて行うことができる。

0060

<実施例1>
以下の結合材、(A)成分、(B)成分及びその他の成分を用いてPCグラウト組成物を調製し、以下の方法で評価を行った。結果を表1に示した。なお、表1中、「−」はその試験を行わなかったことを意味する。
(1)結合材
・配合1:早強ポルトランドセメントを30質量%、高炉スラグ微粉末6000を58質量%、二水石膏を2質量%、フライアッシュを10質量%含有する結合材
・配合2:早強ポルトランドセメントを60質量%、高炉スラグ微粉末6000を35質量%、二水石膏を2質量%、フライアッシュを3質量%含有する結合材
・配合3:早強ポルトランドセメントを45質量%、高炉スラグ微粉末6000を40質量%、二水石膏を5質量%、フライアッシュを10質量%含有する結合材
ここで結合材に使用した成分は以下のものである。
・早強セメント:早強ポルトランドセメント、デンカ
・高炉スラグ微粉末6000:高炉スラグ微粉末6000(石膏入り)、株式会社デイ・シイ
・二水石膏:二水石膏、吉野石膏株式会社
・フライアッシュ:分級フライアッシュ陸電力株式会社
また、比較の結合材として、市販の2種のPCグラウト用結合材を用いた(市販品A、Bとした。)

0061

(2)(A)成分
ポリオキシエチレンアルケニルエーテルサルフェート〔一般式(a1)中、R1a:炭素数18のアルケニル基(オレイル基)、R2a:エチレン基、n:14、M1:アンモニウムイオン〕

0062

(3)(B)成分
脂肪酸ジエタノールアミド〔脂肪酸部分が炭素数18のオレイン酸(オレオイル基)である化合物〕

0063

(4)その他の成分
ポリカルボン酸系高性能減水剤:OSG−200、本油脂株式会社
・有機発泡剤:アゾジカルボンアミド、三協化成株式会社

0064

(5)PCグラウト組成物の調製
結合材を合計が15.000kgになるように計量し、これにポリカルボン酸系高性能減水剤を0.92質量%(対結合材)、有機発泡剤を0.68g加えプレミックスした。さらに予め各々の水/結合材比(表中、W/Pと表示する)が40%、38%又は36%になるように計量した水道水容器に注ぎ、ハンドミキサー攪拌しながら60秒混練りした。なお、市販品Bを用いる場合は、水/結合材比は33.5%とした。
混練した混合物に、(A)成分と(B)成分とを、水に対する両者の合計添加量が表1の通りとなるように添加し、さらにハンドミキサーで120秒間、攪拌してPCグラウト組成物を調製した。なお、(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)は50/50とした。また、市販品A、Bでは、(A)成分と(B)成分を添加せずにPCグラウト組成物を調製した。

0065

(6)評価
(6−1)JPロート試験
コンクリート標準示方書(2010)の「PCグラウトの流動性試験方法(案)」(JSCE−F 531 2010)の方法で、PCグラウト組成物のJP漏斗での流下時間を測定した。

0066

(6−2)シース通過試験
長さ3mm、内径1.5cmの鋼管内を、中心部に内径3mmの経路(空隙部)を残してグラウト材(太平洋マテリアル株式会社製ハイジェクター)で充填、硬化することで試験管を作製した。この試験管を床に対して30度の角度で設置し、片側(上側)より真空ポンプ減圧し、もう片側(下側)からPCグラウト組成物を吸い上げた。真空度は最大0.6MPaまで徐々に上げていった。PCグラウト組成物が試験管の経路を通過して上側まで到達したものを「○」、試験管の経路内で閉塞して上側まで到達しなかったものを「×」で評価した。市販品A、Bはともに結果が×であり、それぞれの試験管の経路における充填距離は市販品Aで1.36m、市販品Bで1.17mであった。

実施例

0067

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