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技術 偏光フィルムの製造方法

出願人 日東電工株式会社
発明者 岡本美紀斉藤武士品川雅姜太艶
出願日 2020年4月7日 (1年8ヶ月経過) 出願番号 2020-069001
公開日 2020年8月20日 (1年4ヶ月経過) 公開番号 2020-126258
状態 特許登録済
技術分野 接着剤、接着方法 偏光要素 積層体(2) 接着テープ
主要キーワード 塗工スジ 塗工対象 ポリウレタンジオール PVA粉末 ホウ酸含有量 連続ライン エステル系熱可塑性樹脂 ジシアノアントラセン
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課題

解決手段

偏光子の第1面に第1透明保護フィルムが設けられている片保護偏光フィルムにおける偏光子の第2面に、活性エネルギー線硬化型接着剤を塗工する工程(1)と、前記活性エネルギー線硬化型接着剤を介して、第2透明保護フィルムを貼り合せる工程(2)と、前記活性エネルギー線硬化型接着剤に対して、活性エネルギー線照射して、接着剤層を形成する工程(3)、を含む偏光フィルムの製造方法。

概要

背景

時計携帯電話、PDA、ノートパソコンパソコンモニタDVDプレーヤー、TVなどでは液晶表示装置が急激に市場展開している。液晶表示装置は、液晶スイッチングによる偏光状態可視化させたものであり、その表示原理から、偏光子が用いられる。特に、TVなどの用途では、ますます高輝度高コントラスト、広い視野角が求められ、偏光フィルムにおいてもますます高透過率高偏光度、高い色再現性などが求められている。

偏光子としては、高透過率、高偏光度を有することから、例えばポリビニルアルコールヨウ素を吸着させ、延伸した構造のヨウ素系偏光子が最も一般的に広く使用されている。このような偏光子は、機械的強度極端に弱く、熱や水分により収縮してしまい偏光機能が顕著に低下してしまう短所をもっている。従って、通常、得られた偏光子には直ちに水系の接着剤が塗工され、この接着剤を介して偏光子の両面に同時に透明保護フィルムを貼り合わせた偏光フィルムとして用いられている。透明保護フィルムとしては、透湿度の高いトリアセチルセルロースなどが用いられる。一方、寸法変化を抑えるには、偏光子の水分率下げたり、透湿度の低い透明保護フィルムを用いたりすることができる。

しかし、偏光フィルムを製造する際に、水系接着剤を用いた場合(いわゆるウェットラミネーション)には、偏光子と透明保護フィルムとを貼り合わせた後に、乾燥工程が必要なため高生産性が望めない。また、透湿度の低い透明保護フィルムを用いる場合には、更に乾燥効率が悪くなり、高生産性が望めなくなる。

上述したウェットラミネーションでの問題点を解決すべく、水や有機溶剤を含有しない活性エネルギー線硬化型接着剤が提案されている(特許文献1乃至2)。かかる活性エネルギー線硬化型接着剤は、大きく分けて光カチオン重合型と光ラジカル重合型とが挙げられる。活性エネルギー線硬化型接着剤は水系接着剤のような乾燥工程が不要なことから、低透湿性の透明保護フィルムを用いた場合にも、偏光フィルムの生産性を高くすることができる。

概要

。偏光子の第1面に第1透明保護フィルムが設けられている片保護偏光フィルムにおける偏光子の第2面に、活性エネルギー線硬化型接着剤を塗工する工程(1)と、前記活性エネルギー線硬化型接着剤を介して、第2透明保護フィルムを貼り合せる工程(2)と、前記活性エネルギー線硬化型接着剤に対して、活性エネルギー線照射して、接着剤層を形成する工程(3)、を含む偏光フィルムの製造方法。なし

目的

本発明は、偏光子の両面に透明保護フィルムが設けられている偏光フィルムの製造方法であって、偏光子と透明保護フィルムを、活性エネルギー線硬化型接着剤を用いて貼り合わせた場合においても外観の良好な偏光フィルムを製造することができる方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

偏光子の両面である第1および第2面に、第1および第2透明保護フィルムが設けられている偏光フィルムの製造方法であって、偏光子の第1面に第1透明保護フィルムが設けられている片保護偏光フィルムにおける偏光子の第2面に、活性エネルギー線硬化型接着剤を塗工する工程(1)と、前記活性エネルギー線硬化型接着剤を介して、第2透明保護フィルムを貼り合せる工程(2)と、前記活性エネルギー線硬化型接着剤に対して、活性エネルギー線照射して、接着剤層を形成する工程(3)、を含むことを特徴とする偏光フィルムの製造方法。

請求項2

前記偏光子が、二色性物質配向させたポリビニルアルコール系樹脂からなる連続ウェブ偏光膜であって、かつ、前記片保護偏光フィルムが、熱可塑性樹脂基材製膜されたポリビニルアルコール系樹脂層を含む積層体空中補助延伸ホウ酸水中延伸とからなる2段延伸工程で延伸されることにより得られたものであることを特徴とする請求項1記載の偏光フィルムの製造方法。

請求項3

前記工程(1)において、片保護偏光フィルムにおける偏光子の第2面に活性エネルギー線硬化型接着剤を塗工した後、2秒間以上を経過してから、前記工程(2)を施すことを特徴とする請求項1または2記載の偏光フィルムの製造方法。

請求項4

前記活性エネルギー線硬化型接着剤の粘度が、10〜350cps(25℃)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偏光フィルムの製造方法。

請求項5

前記活性エネルギー線硬化型接着剤が、ラジカル重合性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏光フィルムの製造方法。

請求項6

前記工程(1)により、片保護偏光フィルムにおける偏光子の第2面に、活性エネルギー線硬化型接着剤を塗工する前に、偏光子の第2面にドライ処理を施す工程を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の偏光フィルムの製造方法。

請求項7

前記工程(3)における活性エネルギー線の照射を、第2透明保護フィルムの側から行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の偏光フィルムの製造方法。

請求項8

前記工程(3)により形成される接着剤層の厚みが、300nm〜1.3μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の偏光フィルムの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、偏光フィルムの製造方法に関する。当該製造方法により得られた偏光フィルムはこれ単独で、またはこれを積層した光学フィルムとして液晶表示装置(LCD)、有機EL表示装置、CRT、PDPなどの画像表示装置を形成しうる。

背景技術

0002

時計携帯電話、PDA、ノートパソコンパソコンモニタDVDプレーヤー、TVなどでは液晶表示装置が急激に市場展開している。液晶表示装置は、液晶スイッチングによる偏光状態可視化させたものであり、その表示原理から、偏光子が用いられる。特に、TVなどの用途では、ますます高輝度高コントラスト、広い視野角が求められ、偏光フィルムにおいてもますます高透過率高偏光度、高い色再現性などが求められている。

0003

偏光子としては、高透過率、高偏光度を有することから、例えばポリビニルアルコールヨウ素を吸着させ、延伸した構造のヨウ素系偏光子が最も一般的に広く使用されている。このような偏光子は、機械的強度極端に弱く、熱や水分により収縮してしまい偏光機能が顕著に低下してしまう短所をもっている。従って、通常、得られた偏光子には直ちに水系の接着剤が塗工され、この接着剤を介して偏光子の両面に同時に透明保護フィルムを貼り合わせた偏光フィルムとして用いられている。透明保護フィルムとしては、透湿度の高いトリアセチルセルロースなどが用いられる。一方、寸法変化を抑えるには、偏光子の水分率下げたり、透湿度の低い透明保護フィルムを用いたりすることができる。

0004

しかし、偏光フィルムを製造する際に、水系接着剤を用いた場合(いわゆるウェットラミネーション)には、偏光子と透明保護フィルムとを貼り合わせた後に、乾燥工程が必要なため高生産性が望めない。また、透湿度の低い透明保護フィルムを用いる場合には、更に乾燥効率が悪くなり、高生産性が望めなくなる。

0005

上述したウェットラミネーションでの問題点を解決すべく、水や有機溶剤を含有しない活性エネルギー線硬化型接着剤が提案されている(特許文献1乃至2)。かかる活性エネルギー線硬化型接着剤は、大きく分けて光カチオン重合型と光ラジカル重合型とが挙げられる。活性エネルギー線硬化型接着剤は水系接着剤のような乾燥工程が不要なことから、低透湿性の透明保護フィルムを用いた場合にも、偏光フィルムの生産性を高くすることができる。

先行技術

0006

特開2010−286754号公報
特開2008−233874号公報

発明が解決しようとする課題

0007

前記水系接着剤を用いたウェットラミネーションでは、偏光子と透明保護フィルムを貼り合わせて得られる偏光フィルムに関して外観の点で特に問題はなかった。即ち、水系接着剤を用いる場合にはウェット状態の接着剤で偏光子と透明保護フィルムを貼り合せた後に、接着剤を乾燥して徐々に水を除去する。このために、貼り合わせ面に気泡が噛み込みにくく、この気泡に起因した外観の問題は生じていなかった。しかし、活性エネルギー線硬化型接着剤を用いた場合には、得られる偏光フィルムが外観の点で劣ってしまうという新たな課題に直面した。

0008

本発明は、偏光子の両面に透明保護フィルムが設けられている偏光フィルムの製造方法であって、偏光子と透明保護フィルムを、活性エネルギー線硬化型接着剤を用いて貼り合わせた場合においても外観の良好な偏光フィルムを製造することができる方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記偏光フィルムの製造方法等を見出し、本発明を完成するに至った。

0010

即ち本発明は、偏光子の両面である第1および第2面に、第1および第2透明保護フィルムが設けられている偏光フィルムの製造方法であって、
偏光子の第1面に第1透明保護フィルムが設けられている片保護偏光フィルムにおける偏光子の第2面に、活性エネルギー線硬化型接着剤を塗工する工程(1)と、
前記活性エネルギー線硬化型接着剤を介して、第2透明保護フィルムを貼り合せる工程(2)と、
前記活性エネルギー線硬化型接着剤に対して、活性エネルギー線照射して、接着剤層を形成する工程(3)、を含むことを特徴とする偏光フィルムの製造方法、に関する。

0011

前記偏光フィルムの製造方法は、前記偏光子が、二色性物質配向させたポリビニルアルコール系樹脂からなる連続ウェブ偏光膜であって、かつ、前記片保護偏光フィルムが、熱可塑性樹脂基材製膜されたポリビニルアルコール系樹脂層を含む積層体空中補助延伸ホウ酸水中延伸とからなる2段延伸工程で延伸されることにより得られたものである場合に好適に適用できる。

0012

前記偏光フィルムの製造方法は、前記工程(1)において、片保護偏光フィルムにおける偏光子の第2面に活性エネルギー線硬化型接着剤を塗工した後、2秒間以上を経過してから、前記工程(2)を施すことが好ましい。

0013

前記偏光フィルムの製造方法において、前記活性エネルギー線硬化型接着剤の粘度は、10〜350cps(25℃)であることが好ましい。

0014

前記偏光フィルムの製造方法において、前記活性エネルギー線硬化型接着剤としては、ラジカル重合性化合物を含有するものが好ましい。

0015

前記偏光フィルムの製造方法において、前記工程(1)により、片保護偏光フィルムにおける偏光子の第2面に、活性エネルギー線硬化型接着剤を塗工する前に、偏光子の第2面にドライ処理を施す工程を含むことが好ましい。

0016

前記偏光フィルムの製造方法において、前記工程(3)における活性エネルギー線の照射を、第2透明保護フィルムの側から行うことが好ましい。

0017

前記偏光フィルムの製造方法において、前記工程(3)により形成される接着剤層の厚みが、300nm〜1.3μmであることが好ましい。

発明の効果

0018

偏光フィルムの製造にあたっては、強度の問題から偏光子の取り扱いが非常に難しい。このため、活性エネルギー線硬化型接着剤(以下、単に接着剤という場合がある)を用いる場合、接着剤を偏光子側ではなく、透明保護フィルム側へ塗工して、偏光子と透明保護フィルムを貼り合わせることが好ましいと、考えられる。しかし、偏光子表面には、数μmピッチスジや数百nmレベル凹凸が存在しているため、表面が比較的平滑な透明保護フィルム側へ接着剤を塗工した後、偏光子へ貼り合せた場合には、偏光子表面の凹凸やスジを接着剤で埋めることが殆どできないことが分かった。そのため、得られた偏光フィルムに気泡が多く発生して、外観不良が生じることが判明した。つまり、活性エネルギー線硬化型接着剤によって、偏光子と透明保護フィルムを貼り合わせる場合、その気泡の噛み込みの発生原因は、偏光子の表面粗さが影響していることを見出した。

0019

そこで、本発明では、活性エネルギー線硬化型接着剤を、透明保護フィルム側ではなく、偏光子側に塗工している。一般的に偏光子の表面粗さは、透明保護フィルムの表面粗さよりも大きい。そのため、活性エネルギー線硬化型接着剤を透明保護フィルムへ塗工して貼り合せるよりも、偏光子側へ接着剤を塗工して貼り合せる方が、貼り合わせ面に噛み込む気泡を劇的に少なくすることができる。即ち、偏光子側へ接着剤を塗工することで、その接着剤で偏光子の表面の凹凸をある程度埋めた状態で、透明保護フィルムと貼り合わせることができるため、噛み込む気泡の発生を抑えて外観を良好にすることができる。

0020

上記したように、偏光子は取り扱いが非常に難しく、偏光子に直接接着剤を塗工する場合には、生産ラインが止まるリスクがある。特に、延伸工程を経て得られる偏光子を連続ラインで、透明保護フィルムと貼り合せる場合は、最も危険で難易度が高く生産には不向きである。本発明では、接着剤の塗工にあたり、塗工対象である偏光子の第2面とは反対側の偏光子の第1面に、既に第1透明保護フィルムが設けられた片保護偏光フィルムを用いている。片保護偏光子は夫なため、片保護偏光子における第2面への接着剤の塗工は、偏光子の両側に透明保護フィルムが設けられていない単独の偏光子に接着剤を直接塗工する場合と比べて安定化した塗工を実現することができる。

0021

以下に本発明の偏光フィルムの製造方法について説明する。本発明の偏光フィルムは、偏光子の片面(第1面)に第1透明保護フィルムが設けられており、もう一方の片面(第2面)に第2透明保護フィルムが設けられている。かかる本発明の偏光フィルムは、工程(1)乃至工程(3)が順次に施されることにより得られる。

0022

<工程(1)>
工程(1)では、偏光子の第1面に第1透明保護フィルムが設けられている片保護偏光フィルムにおける偏光子の第2面に、活性エネルギー線硬化型接着剤を塗工する。

0023

<片保護偏光フィルム>
片保護偏光フィルムは、偏光子の第1面にのみ、第1透明保護フィルムが設けられているものであるが、偏光子の第1面と第1透明保護フィルムは接着剤層を介して貼り合わされていてもよい。

0024

前記偏光子の第1面と第1透明保護フィルムとの接着処理に用いられる接着剤としては、イソシアネート系接着剤ポリビニルアルコール系接着剤ゼラチン系接着剤、ビニルラテックス系水系ポリエステル等を例示できる。前記接着剤は、通常、水溶液からなる接着剤として用いられ、通常、0.5〜60重量%の固形分を含有してなる。上記の他、偏光子と透明保護フィルムとの接着剤としては、紫外硬化型接着剤電子線硬化型接着剤等の活性エネルギー線硬化型接着剤が挙げられる。また本発明で用いる接着剤には、金属化合物フィラーを含有させることができる。

0025

前記接着剤として水系接着剤を用いる場合の前記接着剤層の厚みが10〜300nm程度であるのが好ましい。接着剤層の厚みは、均一な面内厚みを得ることと、十分な接着力を得る観点から10〜200nmであることがより好ましく、特に好ましくは20〜150nmである。前記接着剤として活性エネルギー線硬化型接着剤を用いる場合の前記接着剤層の厚みは、後述の、第2面に係る接着剤層の厚さと同様の範囲で制御するのが好ましい。

0026

なお、偏光子単体の第1面に第1透明保護フィルムを設ける場合において、偏光子単体に接着剤を直接塗工することは難しく、この場合には、第1透明保護フィルムに接着剤を塗工することが好ましい。一方、後述の薄型偏光子に記載のように、薄型高機能偏光膜樹脂基材に一体に製膜したものは取り扱い性が良好である。そのため、薄型高機能偏光膜を樹脂基材に一体に製膜したものを用いる場合には、偏光子の第1面に直接接着剤を塗工することが、表面保護フィルムよりも大きな表面粗さを有する偏光子による気泡の噛み込みを抑えるうえで良好である。

0027

<偏光子>
偏光子は、特に限定されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物ポリ塩化ビニル脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、1〜80μm程度である。

0028

ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作成することができる。必要に応じてホウ酸硫酸亜鉛塩化亜鉛等を含んでいても良いヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れブロッキング防止剤洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液や水浴中でも延伸することができる。

0029

≪薄型偏光子≫
前記偏光子としては厚みが10μm以下の薄型の偏光子を用いることができる。薄型化の観点から言えば当該厚みは1〜7μmであるのが好ましい。このような薄型の偏光子は、厚みムラが少なく、視認性が優れており、また寸法変化が少ないため耐久性に優れ、さらには偏光フィルムとしての厚みも薄型化が図れる点が好ましい。

0030

薄型の偏光子としては、代表的には、特開昭51−069644号公報や特開2000−338329号公報や、WO2010/100917号パンフレット、PCT/JP2010/001460の明細書、または特願2010−269002号明細書や特願2010−263692号明細書に記載されている薄型偏光膜を挙げることができる。これら薄型偏光膜は、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂ともいう)層と延伸用樹脂基材を積層体の状態で延伸する工程と染色する工程を含む製法による得ることができる。この製法であれば、PVA系樹脂層が薄くても、延伸用樹脂基材に支持されていることにより延伸による破断などの不具合なく延伸することが可能となる。

0031

前記薄型偏光膜としては、積層体の状態で延伸する工程と染色する工程を含む製法の中でも、高倍率に延伸できて偏光性能を向上させることのできる点で、WO2010/100917号パンフレット、PCT/JP2010/001460の明細書、または特願2010−269002号明細書や特願2010−263692号明細書に記載のあるようなホウ酸水溶液中で延伸する工程を含む製法で得られるものが好ましく、特に特願2010−269002号明細書や特願2010−263692号明細書に記載のあるホウ酸水溶液中で延伸する前に補助的に空中延伸する工程を含む製法により得られるものが好ましい。

0032

上記のPCT/JP2010/001460の明細書に記載の薄型高機能偏光膜は、樹脂基材に一体に製膜される、二色性物質を配向させたPVA系樹脂からなる厚みが7μm以下の薄型高機能偏光膜であって、単体透過率が42.0%以上および偏光度が99.95%以上の光学特性を有する。

0033

上記薄型高機能偏光膜は、少なくとも20μmの厚みを有する樹脂基材に、PVA系樹脂の塗工および乾燥によってPVA系樹脂層を生成し、生成されたPVA系樹脂層を二色性物質の染色液に浸漬して、PVA系樹脂層に二色性物質を吸着させ、二色性物質を吸着させたPVA系樹脂層を、ホウ酸水溶液中において、樹脂基材と一体に総延伸倍率を元長の5倍以上となるように延伸することによって、製造することができる。

0034

また、二色性物質を配向させた薄型高機能偏光膜を含む積層体フィルムを製造する方法であって、少なくとも20μmの厚みを有する樹脂基材と、樹脂基材の片面にPVA系樹脂を含む水溶液を塗工および乾燥することによって形成されたPVA系樹脂層とを含む積層体フィルムを生成する工程と、樹脂基材と樹脂基材の片面に形成されたPVA系樹脂層とを含む前記積層体フィルムを、二色性物質を含む染色液中に浸漬することによって、積層体フィルムに含まれるPVA系樹脂層に二色性物質を吸着させる工程と、二色性物質を吸着させたPVA系樹脂層を含む前記積層体フィルムを、ホウ酸水溶液中において、総延伸倍率が元長の5倍以上となるように延伸する工程と、二色性物質を吸着させたPVA系樹脂層が樹脂基材と一体に延伸されたことにより、樹脂基材の片面に、二色性物質を配向させたPVA系樹脂層からなる、厚みが7μm以下、単体透過率が42.0%以上かつ偏光度が99.95%以上の光学特性を有する薄型高機能偏光膜を製膜させた積層体フィルムを製造する工程を含むことで、上記薄型高機能偏光膜を製造することができる。

0035

本発明では、厚みが10μm以下の偏光子として、二色性物質を配向させたPVA系樹脂からなる連続ウェブの偏光膜であって、熱可塑性樹脂基材に製膜されたポリビニルアルコール系樹脂層を含む積層体が空中補助延伸とホウ酸水中延伸とからなる2段延伸工程で延伸されることにより得られたものを用いることができる。前記熱可塑性樹脂基材としては、非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材または結晶性エステル系熱可塑性樹脂基材が好ましい。

0036

上記の特願2010−269002号明細書や特願2010−263692号明細書の薄型偏光膜は、二色性物質を配向させたPVA系樹脂からなる連続ウェブの偏光膜であって、非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材に製膜されたPVA系樹脂層を含む積層体が空中補助延伸とホウ酸水中延伸とからなる2段延伸工程で延伸されることにより、10μm以下の厚みにされたものである。かかる薄型偏光膜は、単体透過率をT、偏光度をPとしたとき、P>−(100.929T−42.4−1)×100(ただし、T<42.3)、およびP≧99.9(ただし、T≧42.3)の条件を満足する光学特性を有するようにされたものであることが好ましい。

0037

具体的には、前記薄型偏光膜は、連続ウェブの非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材に製膜されたPVA系樹脂層に対する空中高温延伸によって、配向されたPVA系樹脂層からなる延伸中生成物を生成する工程と、延伸中間生成物に対する二色性物質の吸着によって、二色性物質(ヨウ素またはヨウ素と有機染料の混合物が好ましい)を配向させたPVA系樹脂層からなる着色中間生成物を生成する工程と、着色中間生成物に対するホウ酸水中延伸によって、二色性物質を配向させたPVA系樹脂層からなる厚さが10μm以下の偏光膜を生成する工程とを含む薄型偏光膜の製造方法により製造することができる。

0038

この製造方法において、空中高温延伸とホウ酸水中延伸とによる非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材に製膜されたPVA系樹脂層の総延伸倍率が、5倍以上になるようにするのが望ましい。ホウ酸水中延伸のためのホウ酸水溶液の液温は、60℃以上とすることができる。ホウ酸水溶液中で着色中間生成物を延伸する前に、着色中間生成物に対して不溶化処理を施すのが望ましく、その場合、液温が40℃を超えないホウ酸水溶液に前記着色中間生成物を浸漬することにより行うのが望ましい。上記非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材は、イソフタル酸を共重合させた共重合ポリエチレンテレフタレートシクロヘキサンジメタノールを共重合させた共重合ポリエチレンテレフタレートまたは他の共重合ポリエチレンテレフタレートを含む非晶性ポリエチレンテレフタレートとすることができ、透明樹脂からなるものであることが好ましく、その厚みは、製膜されるPVA系樹脂層の厚みの7倍以上とすることができる。また、空中高温延伸の延伸倍率は3.5倍以下が好ましく、空中高温延伸の延伸温度はPVA系樹脂のガラス転移温度以上、具体的には95℃〜150℃の範囲であるのが好ましい。空中高温延伸を自由端一軸延伸で行う場合、非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材に製膜されたPVA系樹脂層の総延伸倍率が、5倍以上7.5倍以下であるのが好ましい。また、空中高温延伸を固定端一軸延伸で行う場合、非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材に製膜されたPVA系樹脂層の総延伸倍率が、5倍以上8.5倍以下であるのが好ましい。
更に具体的には、次のような方法により、薄型偏光膜を製造することができる。

0039

イソフタル酸を6mol%共重合させたイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(非晶性PET)の連続ウェブの基材を作製する。非晶性PETのガラス転移温度は75℃である。連続ウェブの非晶性PET基材とポリビニルアルコール(PVA)層からなる積層体を、以下のように作製する。ちなみにPVAのガラス転移温度は80℃である。

0040

200μm厚の非晶性PET基材と、重合度1000以上、ケン化度99%以上のPVA粉末を水に溶解した4〜5%濃度のPVA水溶液とを準備する。次に、200μm厚の非晶性PET基材にPVA水溶液を塗工し、50〜60℃の温度で乾燥し、非晶性PET基材に7μm厚のPVA層が製膜された積層体を得る。

0041

7μm厚のPVA層を含む積層体を、空中補助延伸およびホウ酸水中延伸の2段延伸工程を含む以下の工程を経て、3μm厚の薄型高機能偏光膜を製造する。第1段の空中補助延伸工程によって、7μm厚のPVA層を含む積層体を非晶性PET基材と一体に延伸し、5μm厚のPVA層を含む延伸積層体を生成する。具体的には、この延伸積層体は、7μm厚のPVA層を含む積層体を130℃の延伸温度環境に設定されたオーブン配備された延伸装置にかけ、延伸倍率が1.8倍になるように自由端一軸に延伸したものである。この延伸処理によって、延伸積層体に含まれるPVA層を、PVA分子が配向された5μm厚のPVA層へと変化させる。

0042

次に、染色工程によって、PVA分子が配向された5μm厚のPVA層にヨウ素を吸着させた着色積層体を生成する。具体的には、この着色積層体は、延伸積層体を液温30℃のヨウ素およびヨウ化カリウムを含む染色液に、最終的に生成される高機能偏光膜を構成するPVA層の単体透過率が40〜44%になるように任意の時間、浸漬することによって、延伸積層体に含まれるPVA層にヨウ素を吸着させたものである。本工程において、染色液は、水を溶媒として、ヨウ素濃度を0.12〜0.30重量%の範囲内とし、ヨウ化カリウム濃度を0.7〜2.1重量%の範囲内とする。ヨウ素とヨウ化カリウムの濃度の比は1対7である。ちなみに、ヨウ素を水に溶解するにはヨウ化カリウムを必要とする。より詳細には、ヨウ素濃度0.30重量%、ヨウ化カリウム濃度2.1重量%の染色液に延伸積層体を60秒間浸漬することによって、PVA分子が配向された5μm厚のPVA層にヨウ素を吸着させた着色積層体を生成する。

0043

さらに、第2段のホウ酸水中延伸工程によって、着色積層体を非晶性PET基材と一体にさらに延伸し、3μm厚の高機能偏光膜を構成するPVA層を含む光学フィルム積層体を生成する。具体的には、この光学フィルム積層体は、着色積層体をホウ酸とヨウ化カリウムを含む液温範囲60〜85℃のホウ酸水溶液に設定された処理装置に配備された延伸装置にかけ、延伸倍率が3.3倍になるように自由端一軸に延伸したものである。より詳細には、ホウ酸水溶液の液温は65℃である。それはまた、ホウ酸含有量を水100重量部に対して4重量部とし、ヨウ化カリウム含有量を水100重量部に対して5重量部とする。本工程においては、ヨウ素吸着量を調整した着色積層体をまず5〜10秒間ホウ酸水溶液に浸漬する。しかる後に、その着色積層体をそのまま処理装置に配備された延伸装置である周速の異なる複数の組のロール間に通し、30〜90秒かけて延伸倍率が3.3倍になるように自由端一軸に延伸する。この延伸処理によって、着色積層体に含まれるPVA層を、吸着されたヨウ素がポリヨウ素イオン錯体として一方向に高次に配向した3μm厚のPVA層へと変化させる。このPVA層が光学フィルム積層体の高機能偏光膜を構成する。

0044

光学フィルム積層体の製造に必須の工程ではないが、洗浄工程によって、光学フィルム積層体をホウ酸水溶液から取り出し、非晶性PET基材に製膜された3μm厚のPVA層の表面に付着したホウ酸をヨウ化カリウム水溶液で洗浄するのが好ましい。しかる後に、洗浄された光学フィルム積層体を60℃の温風による乾燥工程によって乾燥する。なお洗浄工程は、ホウ酸析出などの外観不良を解消するための工程である。

0045

同じく光学フィルム積層体の製造に必須の工程というわけではないが、貼合せおよび/または転写工程によって、非晶性PET基材に製膜された3μm厚のPVA層の表面に接着剤を塗工しながら、80μm厚のトリアセチルセルロースフィルムを貼合せたのち、非晶性PET基材を剥離し、3μm厚のPVA層を80μm厚のトリアセチルセルロースフィルムに転写することもできる。

0046

[その他の工程]
上記の薄型偏光膜の製造方法は、上記工程以外に、その他の工程を含み得る。その他の工程としては、例えば、不溶化工程、架橋工程、乾燥(水分率の調節)工程等が挙げられる。その他の工程は、任意の適切なタイミングで行い得る。
上記不溶化工程は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行う。不溶化処理を施すことにより、PVA系樹脂層に耐水性を付与することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜4重量部である。不溶化浴(ホウ酸水溶液)の液温は、好ましくは20℃〜50℃である。好ましくは、不溶化工程は、積層体作製後、染色工程や水中延伸工程の前に行う。
上記架橋工程は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行う。架橋処理を施すことにより、PVA系樹脂層に耐水性を付与することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜4重量部である。また、上記染色工程後に架橋工程を行う場合、さらに、ヨウ化物を配合することが好ましい。ヨウ化物を配合することにより、PVA系樹脂層に吸着させたヨウ素の溶出を抑制することができる。ヨウ化物の配合量は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜5重量部である。ヨウ化物の具体例は、上述のとおりである。架橋浴(ホウ酸水溶液)の液温は、好ましくは20℃〜50℃である。好ましくは、架橋工程は上記第2のホウ酸水中延伸工程の前に行う。好ましい実施形態においては、染色工程、架橋工程および第2のホウ酸水中延伸工程をこの順で行う。

0047

<第1透明保護フィルム>
前記第1透明保護フィルムを構成する材料としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性等方性などに優れるものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系ポリマージアセチルセルロースやトリアセチルセルロースなどのセルロース系ポリマーポリメチルメタクリレートなどのアクリル系ポリマーポリスチレンアクリロニトリルスチレン共重合体(AS樹脂)などのスチレン系ポリマーポリカーボネートポリマーなどが挙げられる。また、ポリエチレンポリプロピレンシクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー塩化ビニル系ポリマーナイロン芳香族ポリアミドなどのアミド系ポリマー、イミド系ポリマースルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または上記ポリマーのブレンド物なども上記透明保護フィルムを形成するポリマーの例として挙げられる。透明保護フィルム中には任意の適切な添加剤が1種類以上含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤酸化防止剤滑剤可塑剤離型剤着色防止剤難燃剤核剤帯電防止剤顔料着色剤などが挙げられる。透明保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは50〜99質量%、さらに好ましくは60〜98質量%、特に好ましくは70〜97質量%である。透明保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量が50質量%以下の場合、熱可塑性樹脂が本来有する高透明性などが十分に発現できないおそれがある。前記第1透明保護フィルムは、適宜に選択して用いることができる。

0048

前記第1透明保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性などの作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。

0049

<活性エネルギー線硬化型接着剤>
本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤は、電子線、紫外線等の活性エネルギー線により硬化が進行する接着剤であり、例えば、電子線硬化型紫外線硬化型の態様で用いることができる。本発明における活性エネルギー線硬化型接着剤としては、紫外線硬化型接着剤汎用設備で手軽に実験できるという点で好ましい。一方、電子線硬化型接着剤は光開始剤を使用しないため光を通さない材料(金属フィルム高濃度の顔料)でも利用が可能で、密着性が向上するといった特徴があるが、紫外線硬化型接着剤に比べて設備的な制約がある。

0050

また、本発明で用いる活性エネルギー線硬化型接着剤は、光カチオン重合型と光ラジカル重合型のいずれも用いることができるが、本発明の活性エネルギー線硬化型接着剤としては、光ラジカル重合型接着剤の方が、硬化が早く高速生産に向いているため好ましく用いられる。

0051

光ラジカル重合型の活性エネルギー線硬化型接着剤を、紫外線硬化型として用いる場合には、当該接着剤は、(A)ラジカル重合性化合物および(B)光ラジカル発生剤を含有する。

0052

≪(A)ラジカル重合性化合物≫
(A)ラジカル重合性化合物は、少なくとも1個以上の炭素炭素二重結合を含むビニル基、(メタアクリロイル基などを有する化合物であれば、特に限定なく使用可能である。本発明においては、(A)ラジカル重合性化合物の中でも、下記一般式(1):
CH2=C(R1)−CONH2−m−(X−O−R2)m (1)
(R1は水素原子またはメチル基を示し、Xは−CH2−基または−CH2CH2−基を示し、R2は−(CH2)n−H基(ただし、nは0,1または2)を示し、mは1または2を示す)で表されるN−置換アミドモノマーが好ましい。

0053

上記一般式(1)で表されるN−置換アミド系モノマーの具体例としては、例えば、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。これらN−置換アミド系モノマーは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。

0054

上記一般式(1)で表されるN−置換アミド系モノマーとしては、市販品も好適に使用可能である。具体的には例えば、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド商品名「HEAA」、興人社製)、N−メトキシメチルアクリルアミド(商品名「NMMA」、MRユニテック社製)、N−ブトキシメチルアクリルアミド(商品名「NBMA」、MRCユニテック社製)、N−メトキシメチルメタクリルアミド(商品名「ワスマー2MA」、野興産社製)などが挙げられる。

0055

上記一般式(1)で表されるN−置換アミド系モノマーとしては、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドが好適である。N−置換アミド系モノマーは、低水分率の偏光子や、透湿度の低い材料を用いた透明保護フィルムに対しても、良好な接着性を示すが、上記で例示のモノマーの中でも、N−ヒドロキシエチルアクリルアミドは特に良好な接着性を示す。

0056

前記活性エネルギー線硬化型接着剤は、(A)ラジカル重合性化合物として、上記一般式(1)で表される以外のN−置換アミド系モノマー、各種の芳香環およびヒドロキシ基を有する単官能の(メタ)アクリレートウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、各種の(メタ)アクリロイル基を有する化合物などを含有してもよい。但し、接着剤層の接着性および耐水性を考慮した場合、(A)ラジカル重合性化合物の合計量に対する上記一般式(1)で表されるN−置換アミド系モノマーの割合が、30〜95質量%であることが好ましく、35〜90質量%であることがより好ましい。

0057

上記一般式(1)で表される以外のN−置換アミド系モノマーとしては、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、アミノメチル(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、メルカアプトメチル(メタ)アクリルアミド、メルカプトエチル(メタ)アクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジンなどが挙げられる。

0058

芳香環およびヒドロキシ基を有する単官能の(メタ)アクリレートは、芳香環およびヒドロキシ基を有する、各種の単官能の(メタ)アクリレートを用いることができる。ヒドロキシ基は、芳香環の置換基として存在してもよいが、本発明では、芳香環と(メタ)アクリレートとを結合する有機基炭化水素基、特に、アルキレン基に結合したもの)として存在するものが好ましい。

0059

上記芳香環およびヒドロキシ基を有する単官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、芳香環を有する単官能のエポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸との反応物が挙げられる。芳香環を有する単官能のエポキシ化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、t‐ブチルフェニルグリシジルエーテルフェニルポリエチレングリコールグリシジルエーテルなどが挙げられる。芳香環およびヒドロキシ基を有する単官能の(メタ)アクリレートの、具体例としては、例えば、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルポリエチレングリコールプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。

0060

また上記ウレタン(メタ)アクリレートとしては、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートと、ポリウレタンジオールポリエステルジオールポリエーテルジオールやポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールなどのジオール化合物の片末端ヒドロキシル基との反応物などが挙げられる。

0061

(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどの炭素数は1〜12のアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルや(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー無水マレイン酸無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー;アクリル酸のカプロラクトン付加物スチレンスルホン酸やアリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどの燐酸基含有モノマーなどが挙げられる。また、(メタ)アクリルアミド;マレイミド、N−シクロへキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドなど;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル、3−(3−ピリニジル)プロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミドやN−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマーなどの窒素含有モノマーが挙げられる。

0062

前記活性エネルギー線硬化型接着剤は、(A)ラジカル重合性化合物として、さらに、2個以上の炭素−炭素二重結合を有するモノマー、特に好ましくは多官能(メタ)アクリレート系モノマーを含有する場合、接着剤層の耐水性が向上するため好ましい。接着剤層の耐水性を考慮した場合、2個以上の炭素−炭素二重結合を有するモノマーは疎水性であることがより好ましい。疎水性の2個以上の炭素−炭素二重結合を有するモノマー、特に疎水性の多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えばトリシクロデカンジメタノールジアクリレートジビニルベンゼン、N,N’−メチレンビスアクリルアミドエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、EO変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、EO変性ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ビスフェノールA−EO付加物ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコール(メタ)アクリル酸付加物、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス((メタ)アクロキシエチル)イソシアヌレート、1,1−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチルエチルイソシアネート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと1,6−ジイソシアネートヘキサンとの重合物、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどが挙げられる。

0063

(A)ラジカル重合性化合物の合計量に対する2個以上の炭素−炭素二重結合を有するモノマーの割合が、5〜70質量%であることが好ましく、10〜65質量%であることがより好ましい。この割合が5質量%未満である場合、十分な耐水性を得られない場合があり、一方、50質量%を超える場合には、十分な接着性を得られない場合がある。

0064

≪(B)光ラジカル発生剤≫
(B)光ラジカル発生剤は、活性エネルギー線を照射することによりラジカルを発生する。(B)光ラジカル発生剤としては、水素引き抜き型光ラジカル発生剤と開裂型光ラジカル発生剤とが挙げられる。

0065

水素引き抜き型光ラジカル発生剤としては、例えば1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、1−フルオロナフタレン1−クロロナフタレン、2−クロロナフタレン1−ブロモナフタレン、2−ブロモナフタレン、1−ヨードナフタレン、2−ヨードナフタレン、1−ナフトール2−ナフトール、1−メトキシナフタレン2−メトキシナフタレン、1,4−ジシアノナフタレンなどのナフタレン誘導体アントラセン、1,2−ベンズアントラセン、9,10−ジクロロアントラセン、9,10−ジブロモアントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9−シアノアトラセン、9,10−ジシアノアントラセン、2,6,9,10−テトラシアノアントラセンなどのアントラセン誘導体ピレン誘導体カルバゾール、9−メチルカルバゾール、9−フェニルカルバゾール、9−プロペ−2−イニル−9H−カルバゾール、9−プロピル−9H−カルバゾール、9−ビニルカルバゾール、9H−カルバゾール−9−エタノール、9−メチル−3−ニトロ−9H−カルバゾール、9−メチル−3,6−ジニトロ−9H−カルバゾール、9−オクタノイルカルバゾール、9−カルバゾールメタノール、9−カルバゾールプロピオン酸、9−カルバゾールプロピオニトリル、9−エチル−3,6−ジニトロ−9H−カルバゾール、9−エチル−3−ニトロカルバゾール、9−エチルカルバゾール、9−イソプロピルカルバゾール、9−(エトキシカルボニルメチル)カルバゾール、9−(モルホリノメチル)カルバゾール、9−アセチルカルバゾール、9−アリルカルバゾール、9−ベンジル−9H−カルバゾール、9−カルバゾール酢酸、9−(2−ニトロフェニル)カルバゾール、9−(4−メトキシフェニル)カルバゾール、9−(1−エトキシ−2−メチル−プロピル)−9H−カルバゾール、3−ニトロカルバゾール、4−ヒドロキシカルバゾール、3,6−ジニトロ−9H−カルバゾール、3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール、2−ヒドロキシカルバゾール、3,6−ジアセチル−9−エチルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメトキシ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ベンゾイル安息香酸メチルエステル、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体芳香族カルボニル化合物、[4−(4−メチルフェニルチオ)フェニル]−フェニルメタノンキサントンチオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどのチオキサントン誘導体クマリン誘導体などが挙げられる。

0066

開裂型光ラジカル発生剤は、活性エネルギー線を照射することにより当該化合物が開裂してラジカルを発生するタイプの光ラジカル発生剤であり、その具体例として、ベンゾインエーテル誘導体アセトフェノン誘導体などのアリールアルキルケトン類、オキシムケトン類アシルホスフィンオキシド類、チオ安息香酸S−フェニル類、チタノセン類、およびそれらを高分子量化した誘導体が挙げられるがこれに限定されるものではない。市販されている開裂型光ラジカル発生剤としては、1−(4−ドデシルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−(4−イソプロピルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−ベンゾイル−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−ベンゾイル]−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−[4−(アクリロイルオキシエトキシ)−ベンゾイル]−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、ジフェニルケトン、フェニル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシルケトンベンジルジメチルケタール、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピリル−フェニル)チタン、(η6−イソプロピルベンゼン)−(η5−シクロペンタジエニル)−鉄(II)ヘキサフルオロホスフェートトリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシ−ベンゾイル)−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)−ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンオキシドまたはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニル−ホスフィンオキシド、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、4−(メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタンなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。

0067

(B)光ラジカル発生剤、すなわち水素引き抜き型または開裂型光ラジカル発生剤は、いずれもそれぞれ単独で用いることができる他、複数を組み合わせて用いても良いが、光ラジカル発生剤単体の安定性や、本発明における組成物硬化性の面でより好ましいものは開裂型光ラジカル発生剤の1種以上の組み合わせである。開裂型光ラジカル発生剤の中でもアシルホスフィンオキシド類が好ましく、より具体的には、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(商品名「DAROCURETPO」;チバ・ジャパン社製)、ビス(2,6−ジメトキシ−ベンゾイル)−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)−ホスフィンオキシド(商品名「CGI403」;チバ・ジャパン社製)、またはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンオキシド(商品名「IRGACURE819」;チバ・ジャパン社製)が好ましい。

0068

(B)光ラジカル発生剤の含有量は、活性エネルギー線硬化型接着剤の合計量に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.05〜5質量部であることがより好ましく、0.1〜3質量部であることが特に好ましい。

0069

また、本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤を、電子線硬化型で用いる場合には、前記接着剤は、上記(B)光ラジカル発生剤は任意に用いることができる。また、カルボニル化合物などで代表される電子線による硬化速度感度を上がる増感剤を添加してもよい。

0070

増感剤としては、例えば、アントラセン、フェノチアゼン、ぺリレン、チオキサントン、ベンゾフェノンチオキサントンなどが挙げられる。更に、増感色素としては、チオピリリウム塩色素メロシアニン系色素キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素チオキサンテン系色素、キサンテン系色素オキソノール系色素、シアニン系色素ローダミン系色素ピリリウム塩系色素などが例示される。

0071

具体的なアントラセンの化合物としては、ジブトキシアントラセン、ジプロポキシアントラキノン(川崎化成社製 Anthracure UVS−1331、1221)などが有効である。

0072

増感剤を添加する場合、その含有量は、活性エネルギー線硬化型接着剤全量に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましく、0.1〜3質量部であることが特に好ましい。

0073

また、前記活性エネルギー線硬化型接着剤には、本発明の目的、効果を損なわない範囲において、その他の任意成分として各種の添加剤を配合することができる。かかる添加剤としては、ポリアミドポリアミドイミドポリウレタンポリブタジエンポリクロロプレンポリエーテル、ポリエステル、スチレンブタジエンブロック共重合体石油樹脂キシレン樹脂ケトン樹脂セルロース樹脂フッ素系オリゴマーシリコーン系オリゴマーポリスルフィド系オリゴマーなどのポリマーあるいはオリゴマー;フェノチアジン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどの重合禁止剤重合開始助剤レベリング剤濡れ性改良剤界面活性剤;可塑剤;紫外線吸収剤;シランカップリング剤無機充填剤;顔料;染料などを挙げることができる。ただし、活性エネルギー線硬化型接着剤中、上述した添加剤の含有量は、活性エネルギー線硬化型接着剤全量に対して0.005〜20質量部であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましく、0.1〜5質量部であることが特に好ましい。

0074

なお、光カチオン重合型の活性エネルギー線硬化型接着剤としては、例えば、エポキシ基を有する化合物と光酸発生剤を含有する組成物を用いることができる。

0075

前記活性エネルギー線硬化型接着剤の粘度は、10〜350cps(25℃)であることが好ましく、さらには20〜300cps(25℃)が好ましく、さらには40〜150cps(25℃)が好ましい。粘度が10cps以下では、粘度が低くなりすぎて、塗工した接着剤がフィルム(片保護偏光フィルム)の裏側に回ったり、接着剤層の厚みの設計が難しくなる。また、粘度が300cpsを超えると、粘度が高くなりすぎて、ラインスピードを上げると、接着剤の塗工を十分にできなかったり、塗工スジが出やすくなったりして生産性の点で好ましくない。

0076

前記活性エネルギー線硬化型接着剤の前記片保護偏光フィルムにおける偏光子の第2面への塗工方式は、組成物の粘度や目的とする厚みによって適宜に選択される。塗工方式の例として、例えば、リバースコーターグラビアコーター(ダイレクトリバースオフセット)、バーリバースコーター、ロールコーターダイコーターバーコーターロッドコーターなどが挙げられる。その他、塗工には、デイッピング方式などの方式を適宜に使用することができる。

0077

また、前記接着剤の塗工は、偏光子表面のスジや凹凸を埋めて貼り合わせ面に気泡が噛み込みにくいようにする観点、第2透明保護フィルムと偏光子とのの接着性を良好にする観点から、最終的に形成される接着剤層の厚みが300nm以上になるように行うことが好ましい。一方、接着剤層の厚みは、厚ければ厚いほど、貼り合せ時の噛み込み気泡を低減させることができると考えられるが、接着剤層の厚みが厚くなりすぎると耐水性の点で好ましくないことから、接着剤層の厚みは1.3μm以下とすることが好ましく、さらには1.2μm以下とするのが好ましく、さらには1μm以下であるのが好ましい。接着剤層の厚みは300nm〜1μmになるように制御することが好ましく、さらには350〜900nmであるのが好ましく、さらには400〜800nmであるのが好ましい。

0078

<工程(2)>
前記工程(1)を施した後に、工程(2)により、前記活性エネルギー線硬化型接着剤を介して、第2透明保護フィルムを貼り合せる。工程(2)の貼り合わせは、ロールラミネーターなどにより行うことができる。

0079

また、前記工程(2)は、前記工程(1)において、片保護偏光フィルムにおける偏光子の第2面に活性エネルギー線硬化型接着剤を塗工した後、2秒間以上を経過してから、を施すことが好ましい。活性エネルギー線硬化型接着剤の種類や粘度にもよるが、スジや凹凸の多い偏光子の第2面面に接着剤をなじませるために、偏光子の第2面に接着剤を塗工した後に少し時間をおいてから、第2透明保護フィルムを貼り合せることが好ましい。接着剤の塗工後の時間を2秒間以上とすることで、塗工直後よりも接着剤の偏光子表面へなじませることができ、第2透明保護フィルムを貼り合せた際の噛み込み気泡をより低減させることができる。前記経過時間は、4秒間以上がより好ましく、さらには6秒間以上が好ましい。なお、前記経過時間が長くなりすぎると塗工液が基材へ浸透しすぎて接着剤単独層が薄くなり接着がとれなくなるため、前記経過時間は30秒間以下とするのが好ましい。

0080

なお、第2透明保護フィルムとしては、前記第1透明保護フィルムにおいて例示された同様の材料を用いることができ、また同様の厚さのフィルムを用いることができる。また、第2透明保護フィルムは、第1透明保護フィルムと同じ材料、厚さのものを用いてもよく、異なる材料、厚さのものを用いてもよい。前記第2透明保護フィルムは、適宜に選択して用いることができる。

0081

<工程(3)>
次いで、前記工程(2)を施した後に、工程(3)により、前記活性エネルギー線硬化型接着剤に対して、活性エネルギー線を照射して、接着剤層を形成する。活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等があげられる。

0082

紫外線硬化型接着剤を採用する場合、紫外線の照射条件は、上記接着剤を硬化しうる条件であれば、任意の適切な条件を採用できる。紫外線の照射量は積算光量で100〜500mJ/cm2であることが好ましく、200〜400mJ/cm2であるのがさらに好ましい。

0083

電子線硬化型接着剤を採用する場合、電子線の照射条件は、前記上記接着剤を硬化しうる条件であれば、任意の適切な条件を採用できる。例えば、電子線照射は、加速電圧が好ましくは5kV〜300kVであり、さらに好ましくは10kV〜250kVである。加速電圧が5kV未満の場合、電子線が接着剤まで届かず硬化不足となるおそれがあり、加速電圧が300kVを超えると、試料を通る浸透力が強すぎて電子線が跳ね返り、透明保護フィルムや偏光子にダメージを与えるおそれがある。照射線量としては、5〜100kGy、さらに好ましくは10〜75kGyである。

0084

電子線照射は、通常、不活性ガス中で照射を行うが、必要であれば大気中や酸素を少し導入した条件で行ってもよい。透明保護フィルムの材料によるが、酸素を適宜導入することによって、最初に電子線があたる透明保護フィルム面にあえて酸素阻害を生じさせ、透明保護フィルムへのダメージを防ぐことができ、接着剤にのみ効率的に電子線を照射させることができる。

0085

前記工程(3)における活性エネルギー線の照射方向は、任意の適切な方向から照射することができるが、第1透明保護フィルム側からの照射では、偏光子で光が吸収されてしまうため余分な照射が必要となるため、照射光の有効化の観点から第2透明保護フィルム側から照射するのが好ましい。

0086

なお、本発明の偏光フィルムの製造方法では、前記工程(1)乃至工程(3)を有するが、前記工程以外の他の工程を含むことができる。例えば、前記工程(1)おいて、片保護偏光フィルムにおける偏光子の第2面に活性エネルギー線硬化型接着剤を塗工するより前に、前記偏光子の第2面にドライ処理を施す工程を設けることができる。具体的なドライ処理としては、コロナ処理プラズマ処理などが挙げられる。ドライ処理を施すことによって、偏光子の第2面の表面改質処理が行われ、接着剤の濡れ性向上と接着性を向上させるうえで好ましい。

0087

また、偏光子(第1面、第2面のいずれについても)と透明保護フィルムの貼り合わせにあたって、透明保護フィルムと接着剤層の間には、易接着層を設けることができる。易接着層は、例えば、ポリエステル骨格ポリエーテル骨格ポリカーボネート骨格ポリウレタン骨格、シリコーン系、ポリアミド骨格ポリイミド骨格、ポリビニルアルコール骨格などを有する各種樹脂により形成することができる。これらポリマー樹脂は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また易接着層の形成には他の添加剤を加えてもよい。具体的にはさらには粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤などの安定剤などを用いてもよい。

0088

易接着層は、通常、透明保護フィルムに予め設けておき、当該透明保護フィルムの易接着層側と偏光子とを接着剤層により貼り合わせる。易接着層の形成は、易接着層の形成材を透明保護フィルム上に、公知の技術により塗工、乾燥することにより行われる。易接着層の形成材は、乾燥後の厚み、塗工の円滑性などを考慮して適当な濃度に希釈した溶液として、通常調整される。易接着層は乾燥後の厚みは、好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.02〜2μm、さらに好ましくは0.05〜1μmである。なお、易接着層は複数層設けることができるが、この場合にも、易接着層の総厚みは上記範囲になるようにするのが好ましい。

0089

本発明の偏光フィルムを連続ラインで製造する場合、ライン速度は、接着剤の硬化時間によるが、好ましくは1〜500m/min、より好ましくは5〜300m/min、さらに好ましくは10〜100m/minである。ライン速度が小さすぎる場合は、生産性が乏しい、または透明保護フィルムへのダメージが大きすぎ、耐久性試験などに耐えうる偏光フィルムが作製できない。ライン速度が大きすぎる場合は、接着剤の硬化が不十分となり、目的とする接着性が得られない場合がある。

0090

上記のようにして偏光子の両面に第1透明保護フィルムおよび第2透明保護フィルムを有する偏光フィルムが得られるが、前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層反射防止層スティッキング防止層拡散層ないしアンチグレア層などの機能層を設けることができる。なお、上記ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層などの機能層は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途、透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。

0091

本発明の偏光フィルムは、実用に際して他の光学層と積層した光学フィルムとして用いることができる。その光学層については特に限定はないが、例えば反射板半透過板位相差板(1/2や1/4などの波長板を含む)、視角補償フィルムなどの液晶表示装置などの形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、本発明の偏光フィルムに更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光フィルムまたは半透過型偏光フィルム、偏光フィルムに更に位相差板が積層されてなる楕円偏光フィルムまたは円偏光フィルム、偏光フィルムに更に視角補償フィルムが積層されてなる広視野角偏光フィルム、あるいは偏光フィルムに更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光フィルムが好ましい。

0092

偏光フィルムに上記光学層を積層した光学フィルムは、液晶表示装置などの製造過程で順次別個に積層する方式にても形成することができるが、予め積層して光学フィルムとしたものは、品質の安定性や組立作業などに優れていて液晶表示装置などの製造工程を向上させうる利点がある。積層には粘着層などの適宜な接着手段を用いうる。上記の偏光フィルムやその他の光学フィルムの接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。

0093

前述した偏光フィルムや、偏光フィルムを少なくとも1層積層されている光学フィルムには、液晶セルなどの他部材と接着するための粘着層を設けることもできる。粘着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。

0094

粘着層は、異なる組成又は種類などのものの重畳層として偏光フィルムや光学フィルムの片面又は両面に設けることもできる。また両面に設ける場合に、偏光フィルムや光学フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚さなどの粘着層とすることもできる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、1〜200μmが好ましく、特に1〜100μmが好ましい。

0095

粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止などを目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルムゴムシート、紙、布、不織布、ネット発泡シート金属箔、それらのラミネート体などの適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデンなどの適宜な剥離剤コート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。

0096

本発明の偏光フィルムまたは光学フィルムは液晶表示装置などの各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと偏光フィルムまたは光学フィルム、及び必要に応じての照明ステムなどの構成部品を適宜に組立てて駆動回路組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による偏光フィルムまたは光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。

0097

液晶セルの片側又は両側に偏光フィルムまたは光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による偏光フィルムまたは光学フィルムは液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に偏光フィルムまたは光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜保護板プリズムアレイレンズアレイシート光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。

0098

以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各例中の部および%はいずれも重量基準である。
保護偏光フィルムを作製した。

0099

<片保護偏光フィルム(1)の作製>
薄型偏光膜を作製するため、まず、非晶性PET基材に9μm厚のPVA層が製膜された積層体を延伸温度130℃の空中補助延伸によって延伸積層体を生成し、次に、延伸積層体を染色によって着色積層体を生成し、さらに着色積層体を延伸温度65度のホウ酸水中延伸によって総延伸倍率が5.94倍になるように非晶性PET基材と一体に延伸された4μm厚のPVA層を含む光学フィルム積層体を生成した。このような2段延伸によって非晶性PET基材に製膜されたPVA層のPVA分子が高次に配向され、染色によって吸着されたヨウ素がポリヨウ素イオン錯体として一方向に高次に配向された高機能偏光膜を構成する、厚さ4μmのPVA層を含む光学フィルム積層体を生成することができた。更に、当該光学フィルム積層体の偏光膜の表面(第1面)にポリビニルアルコール系接着剤を塗工しながら、けん化処理した40μm厚のトリアセチルセルロースフィルム(第1透明保護フィルム)を貼合せたのち、非晶性PET基材を剥離した。以下、これを薄型の片保護偏光フィルム(1)という。

0100

<第2透明保護フィルム>
厚さ60μmのゼオノアフィルム(日本ゼオン社製)にコロナ処理をしたものを用いた。

0101

(活性エネルギー線硬化型接着剤の調整)
下記の各成分を、化合物(a)40部、化合物(b)20部、化合物(c)40部および光重合開始剤3部の割合で混合して50℃で1時間撹拌し活性エネルギー線硬化型接着剤を得た。
ラジカル重合性化合物(a):HEAA(ヒドロキシエチルアクリルアミド)、興人社製;
ラジカル重合性化合物(b):ライトアクリレートBP−4EAL(ビスフェノールAのEP付加物ジアクリレート)、共栄化学株式会社製;
ラジカル重合性化合物(c):ACMO(アクリロイルモルホリン)、興人社製;
光重合開始剤:IRGACURE819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)、BASF社製。

0102

<接着剤の粘度の測定>
接着剤の粘度は、精密回転式粘度計により測定した。

0103

実施例1
(工程1)
上記片保護偏光フィルム(1)の第2面に、上記接着剤を、マイクログラビアコーター(グラビアロール:#180,回転速度140%/ライン速)を用いて、最終的な接着剤層の厚さが600nmになるように塗工した。

0104

(工程2)
次いで、上記接着剤を塗工した後に、10秒間が経過した後、上記接着剤を介して、上記第2透明保護フィルムを、ロール機で貼り合わせた。

0105

(工程3)
次いで、貼り合わせた第2透明保護フィルム側から、紫外線を照射して、両面に透明保護フィルムを有する偏光フィルムを得た。ライン速度は20m/min、紫外線の照射量は積算光量で700mJ/cm2であった。

0106

実施例2〜5および比較例1
実施例1において、接着剤の塗工面、接着剤層の厚み、塗工後貼り合わせまでの時間、接着剤の各化合物の割合、粘度を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして、偏光フィルムを作製した。

0107

[評価]
実施例および比較例で得られた、偏光フィルムについて下記評価を行った。結果を表1に示す。

0108

外観評価
得られた偏光フィルムの外観を光学顕微鏡にて観察し、最大径が5μm〜200μmサイズの気泡を数えた。結果を表1に示す。

実施例

0109

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