図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2020年8月20日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (18)

課題

サブアレーアンテナ構成の場合でも、不要なグレーティングローブの発生を抑え、所望の指向性パターンを実現すること。

解決手段

レーダ装置において、複数の送信アンテナは、第1の方向にて直線状に配置され、複数の受信アンテナは、第1の方向に複数行、及び、第1の方向に直交する第2の方向に複数列行列状に配置され、第1の方向の各行での複数の受信アンテナのうち少なくとも2つの連続配置された受信アンテナの第1の受信アンテナピッチは、第1の方向での複数の送信アンテナのうち少なくとも3つの連続配置された送信アンテナの送信アンテナピッチとは異なり、少なくとも3つの連続配置された送信アンテナの送信アンテナピッチと少なくとも2つの連続配置された受信アンテナの第1の受信アンテナピッチとの差の絶対値は、第1の方向にて、0.5波長以上、0.75波長以下である。

概要

背景

近年、高分解能が得られるマイクロ波又はミリ波を含む波長の短いレーダ送信信号を用いたレーダ装置の検討が進められている。また、屋外での安全性を向上させるために、車両以外にも、歩行者を含む物体ターゲット)を広角範囲で検知するレーダ装置の開発が求められている。

例えば、レーダ装置として、パルス波を繰り返し発信するパルスレーダ装置が知られている。広角範囲において車両/歩行者を検知する広角パルスレーダ受信信号は、近距離に存在するターゲット(例えば車両)と、遠距離に存在するターゲット(例えば歩行者)とからの複数の反射波が混合された信号となる。このため、(1)レーダ送信部では、低いレンジサイドローブとなる自己相関特性(以下、低レンジサイドローブ特性と呼ぶ)を有するパルス波又はパルス変調波を送信する構成が要求され、(2)レーダ受信部では、広い受信ダイナミックレンジを有する構成が要求される。

広角レーダ装置の構成として、以下の2つの構成が挙げられる。

一つ目は、パルス波又は変調波を狭角(数度程度のビーム幅)の指向性ビームを用いて、機械的又は電子的に走査してレーダ波を送信し、狭角の指向性ビームを用いて反射波を受信する構成である。この構成では、高分解能を得るためには多くの走査が必要となるので、高速移動するターゲットに対する追従性劣化する。

二つ目は、複数のアンテナアンテナ素子)で構成されるアレーアンテナによって反射波を受信し、アンテナ間隔に対する受信位相差に基づく信号処理アルゴリズムによって反射波の到来角推定する手法(Direction of Arrival (DOA) estimation)を用いる構成である。この構成では、レーダ送信部での送信ビーム走査間隔間引いたとしても、レーダ受信部において到来角を推定できるので、走査時間の短縮化が図れ、1つ目の構成と比較して追従性が向上する。例えば、到来方向推定方法には、行列演算に基づくフーリエ変換逆行列演算に基づくCapon法及びLP(Linear Prediction)法、又は、固有値演算に基づくMUSIC(Multiple Signal Classification)及びESRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)が挙げられる。

また、レーダ装置として、レーダ受信部に加え、レーダ送信部にも複数のアンテナ(アレーアンテナ)を備え、送受信アレーアンテナを用いた信号処理によりビーム走査を行う構成(MIMOレーダと呼ぶこともある)が提案されている(例えば、非特許文献2を参照)。

概要

サブアレーアンテナ構成の場合でも、不要なグレーティングローブの発生を抑え、所望の指向性パターンを実現すること。レーダ装置において、複数の送信アンテナは、第1の方向にて直線状に配置され、複数の受信アンテナは、第1の方向に複数行、及び、第1の方向に直交する第2の方向に複数列行列状に配置され、第1の方向の各行での複数の受信アンテナのうち少なくとも2つの連続配置された受信アンテナの第1の受信アンテナピッチは、第1の方向での複数の送信アンテナのうち少なくとも3つの連続配置された送信アンテナの送信アンテナピッチとは異なり、少なくとも3つの連続配置された送信アンテナの送信アンテナピッチと少なくとも2つの連続配置された受信アンテナの第1の受信アンテナピッチとの差の絶対値は、第1の方向にて、0.5波長以上、0.75波長以下である。

目的

本開示の一態様は、サブアレーアンテナ構成の場合でも、不要なグレーティングローブの発生を抑え、所望の指向性パターンを実現することができるレーダ装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

送信アレーアンテナと、受信アレーアンテナと、レーダ信号を前記送信アレーアンテナを用いて送信するレーダ送信部と、前記レーダ信号がターゲット反射された反射波信号を前記受信アレーアンテナを用いて受信するレーダ受信部と、を具備し、前記送信アレーアンテナは、複数の送信アンテナを含み、前記受信アレーアンテナは、複数の受信アンテナを含み、前記複数の送信アンテナは、第1の方向にて直線状に配置され、前記複数の受信アンテナは、前記第1の方向に複数行、及び、前記第1の方向に直交する第2の方向に複数列行列状に配置され、前記第1の方向の各行での前記複数の受信アンテナのうち少なくとも2つの連続配置された受信アンテナの第1の受信アンテナピッチは、前記第1の方向での前記複数の送信アンテナのうち少なくとも3つの連続配置された送信アンテナの送信アンテナピッチとは異なり、前記少なくとも3つの連続配置された送信アンテナの前記送信アンテナピッチと前記少なくとも2つの連続配置された受信アンテナの前記第1の受信アンテナピッチとの差の絶対値は、前記第1の方向にて、0.5波長以上、0.75波長以下である、レーダ装置

請求項2

前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとが、複数の仮想受信アンテナを有する仮想受信アレーアンテナを実現し、前記仮想受信アレーアンテナの仮想受信アンテナピッチのうち少なくとも1つが、前記第1の方向において、0.5波長以上、0.75波長以下である、請求項1に記載のレーダ装置。

請求項3

前記複数の送信アンテナの各々は、複数の送信アンテナ素子を含み、前記複数の受信アンテナの各々は、複数の受信アンテナ素子を含む、請求項1から2までのいずれか1項に記載のレーダ装置。

請求項4

前記少なくとも3つの連続配置された送信アンテナの送信アンテナピッチは、前記第1の方向にて、1波長以上である、請求項1から3までのいずれか1項に記載のレーダ装置。

請求項5

前記少なくとも2つの連続配置された受信アレーアンテナの前記第1の受信アンテナピッチは、前記第1の方向にて、1波長以上である、請求項1から4までのいずれか1項に記載のレーダ装置。

請求項6

前記波長は、前記レーダ信号の周波数によって定まる、請求項1から5までのいずれか1項に記載のレーダ装置。

請求項7

前記複数の受信アンテナは、前記第2の方向にて、第2の受信アンテナピッチで配列される、請求項1から6までのいずれか1項に記載のレーダ装置。

請求項8

送信アレーアンテナと、受信アレーアンテナと、レーダ信号を前記送信アレーアンテナを用いて送信するレーダ送信部と、前記レーダ信号がターゲットに反射された反射波信号を前記受信アレーアンテナを用いて受信するレーダ受信部と、を具備し、前記送信アレーアンテナは、複数の送信アンテナを含み、前記受信アレーアンテナは、複数の受信アンテナを含み、前記複数の受信アンテナは、第1の方向にて直線状に配置され、前記複数の送信アンテナは、前記第1の方向に複数行、及び、前記第1の方向に直交する第2の方向に複数列の行列状に配置され、前記第1の方向の各行での前記複数の送信アンテナのうち少なくとも2つの連続配置された送信アンテナの第1の送信アンテナピッチは、前記第1の方向での前記複数の受信アンテナのうち少なくとも3つの連続配置された受信アンテナの受信アンテナピッチとは異なり、前記少なくとも3つの連続配置された受信アンテナの前記受信アンテナピッチと前記少なくとも2つの連続配置された送信アンテナの前記第1の送信アンテナピッチとの差の絶対値は、前記第1の方向にて、0.5波長以上、0.75波長以下である、レーダ装置。

請求項9

前記受信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとが、複数の仮想受信アンテナを有する仮想受信アレーアンテナを実現し、前記仮想受信アレーアンテナの仮想受信アンテナピッチのうち少なくとも1つが、前記第1の方向において、0.5波長以上、0.75波長以下である、請求項8に記載のレーダ装置。

請求項10

前記複数の受信アンテナの各々は、複数の受信アンテナ素子を含み、前記複数の送信アンテナの各々は、複数の送信アンテナ素子を含む、請求項8から9までのいずれか1項に記載のレーダ装置。

請求項11

前記少なくとも3つの連続配置された受信アンテナの受信アンテナピッチは、前記第1の方向にて、1波長以上である、請求項8から10までのいずれか1項に記載のレーダ装置。

請求項12

前記少なくとも2つの連続配置された送信アンテナの前記第1の送信アンテナピッチは、前記第1の方向にて、1波長以上である、請求項8から11までのいずれか1項に記載のレーダ装置。

請求項13

前記波長は、前記レーダ信号の周波数によって定まる、請求項8から12までのいずれか1項に記載のレーダ装置。

請求項14

前記送信アレーアンテナは、前記第2の方向にて、第2の送信アンテナピッチで配列される、請求項8から13までのいずれか1項に記載のレーダ装置。

技術分野

0001

本開示は、レーダ装置に関する。

背景技術

0002

近年、高分解能が得られるマイクロ波又はミリ波を含む波長の短いレーダ送信信号を用いたレーダ装置の検討が進められている。また、屋外での安全性を向上させるために、車両以外にも、歩行者を含む物体ターゲット)を広角範囲で検知するレーダ装置の開発が求められている。

0003

例えば、レーダ装置として、パルス波を繰り返し発信するパルスレーダ装置が知られている。広角範囲において車両/歩行者を検知する広角パルスレーダ受信信号は、近距離に存在するターゲット(例えば車両)と、遠距離に存在するターゲット(例えば歩行者)とからの複数の反射波が混合された信号となる。このため、(1)レーダ送信部では、低いレンジサイドローブとなる自己相関特性(以下、低レンジサイドローブ特性と呼ぶ)を有するパルス波又はパルス変調波を送信する構成が要求され、(2)レーダ受信部では、広い受信ダイナミックレンジを有する構成が要求される。

0004

広角レーダ装置の構成として、以下の2つの構成が挙げられる。

0005

一つ目は、パルス波又は変調波を狭角(数度程度のビーム幅)の指向性ビームを用いて、機械的又は電子的に走査してレーダ波を送信し、狭角の指向性ビームを用いて反射波を受信する構成である。この構成では、高分解能を得るためには多くの走査が必要となるので、高速移動するターゲットに対する追従性劣化する。

0006

二つ目は、複数のアンテナアンテナ素子)で構成されるアレーアンテナによって反射波を受信し、アンテナ間隔に対する受信位相差に基づく信号処理アルゴリズムによって反射波の到来角推定する手法(Direction of Arrival (DOA) estimation)を用いる構成である。この構成では、レーダ送信部での送信ビーム走査間隔間引いたとしても、レーダ受信部において到来角を推定できるので、走査時間の短縮化が図れ、1つ目の構成と比較して追従性が向上する。例えば、到来方向推定方法には、行列演算に基づくフーリエ変換逆行列演算に基づくCapon法及びLP(Linear Prediction)法、又は、固有値演算に基づくMUSIC(Multiple Signal Classification)及びESRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)が挙げられる。

0007

また、レーダ装置として、レーダ受信部に加え、レーダ送信部にも複数のアンテナ(アレーアンテナ)を備え、送受信アレーアンテナを用いた信号処理によりビーム走査を行う構成(MIMOレーダと呼ぶこともある)が提案されている(例えば、非特許文献2を参照)。

0008

特表2011−526370号公報

先行技術

0009

Budisin, S.Z., "New complementary pairs of sequences," Electron. Lett., 1990, 26, (13), pp.881-883
Jian Li, Stoica, Petre, "MIMO Radar with Colocated Antennas," Signal Processing Magazine,IEEE Vol. 24, Issue: 5, pp. 106-114, 2007

発明が解決しようとする課題

0010

ところで、アレーアンテナの指向性利得を高めるために、アレーアンテナを構成するアンテナ素子(以下、アレー素子と呼ぶ)の各々が更に複数のアンテナ素子から構成されるサブアレーアンテナを用いることがある。

0011

アレーアンテナの素子間隔は、アレー素子のサイズよりも狭い間隔に配置困難である。しかしながら、サブアレーアンテナ構成を用いる場合、アレー素子のサイズが大きくなるので、サブアレーアンテナ間の間隔を広げる必要があり、アレーアンテナによる指向性パターン上に、グレーティングローブが発生する可能性がある。

0012

本開示の一態様は、サブアレーアンテナ構成の場合でも、不要なグレーティングローブの発生を抑え、所望の指向性パターンを実現することができるレーダ装置を提供する。

課題を解決するための手段

0013

本開示の一態様に係るレーダ装置は、送信アレーアンテナと、受信アレーアンテナと、レーダ信号を前記送信アレーアンテナを用いて送信するレーダ送信部と、前記レーダ信号がターゲットに反射された反射波信号を前記受信アレーアンテナを用いて受信するレーダ受信部と、を具備し、前記送信アレーアンテナは、複数の送信アンテナを含み、前記受信アレーアンテナは、複数の受信アンテナを含み、前記複数の送信アンテナは、第1の方向の直線上に配置され、前記複数の受信アンテナは、前記第1の方向の直線上に配置され、前記送信アレーアンテナの送信アンテナピッチは、前記第1の方向において、1波長以上であり、前記受信アレーアンテナの受信アンテナピッチは、前記第1の方向において、1波長以上であり、前記送信アレーアンテナの送信アンテナピッチと前記受信アレーアンテナの受信アンテナピッチとの差の絶対値は、前記第1の方向において、0.5波長以上、0.75波長以下である。
本開示の別の一態様に係るレーダ装置は、第1のアレーアンテナと、第2のアレーアンテナと、レーダ信号を前記第1のアレーアンテナおよび前記第2のアレーアンテナの一方を用いて送信するレーダ送信部と、前記レーダ信号がターゲットに反射された反射波信号を前記第1のアレーアンテナおよび前記第2のアレーアンテナの他方を用いて受信するレーダ受信部と、を具備し、前記第1のアレーアンテナは、複数の第1のアンテナを含み、前記第2のアレーアンテナは、複数の第2のアンテナを含み、前記複数の第1のアンテナは、第1の方向の直線上に配置され、前記複数の第2のアンテナは、前記第1の方向の直線上に配置され、前記第1のアレーアンテナの第1のアンテナピッチは、前記第1の方向において、1波長以上であり、前記第2のアレーアンテナの第2のアンテナピッチは、前記第1の方向において、1波長以上であり、前記第1のアレーアンテナの第1のアンテナピッチと前記第2のアレーアンテナの第2のアンテナピッチとの差の絶対値は、前記第1の方向において、0.5波長以上、0.75波長以下である。
本開示のさらに別の一態様に係るレーダ装置は、送信アレーアンテナと、受信アレーアンテナと、レーダ信号を前記送信アレーアンテナを用いて送信するレーダ送信部と、前記レーダ信号がターゲットに反射された反射波信号を前記受信アレーアンテナを用いて受信するレーダ受信部と、を具備し、前記送信アレーアンテナは、複数の送信アンテナを含み、前記受信アレーアンテナは、複数の受信アンテナを含み、前記複数の送信アンテナは、第1の方向の直線上に配置され、前記複数の受信アンテナは、前記第1の方向の直線上に配置され、前記送信アレーアンテナの送信アンテナピッチは、前記第1の方向において、1波長以上であり、前記受信アレーアンテナの受信アンテナピッチは、前記第1の方向において、1波長以上であり、前記送信アレーアンテナの送信アンテナピッチと前記受信アレーアンテナの受信アンテナピッチとの差の絶対値は、前記第1の方向において、グレーティングローブが発生しないピッチである。
本開示のさらに別の一態様に係るレーダ装置は、第1のアレーアンテナと、第2のアレーアンテナと、レーダ信号を前記第1のアレーアンテナおよび前記第2のアレーアンテナの一方を用いて送信するレーダ送信部と、前記レーダ信号がターゲットに反射された反射波信号を前記第1のアレーアンテナおよび前記第2のアレーアンテナの他方を用いて受信するレーダ受信部と、を具備し、前記第1のアレーアンテナは、複数の第1のアンテナを含み、前記第2のアレーアンテナは、複数の第2のアンテナを含み、前記複数の第1のアンテナは、第1の方向の直線上に配置され、前記複数の第2のアンテナは、前記第1の方向の直線上に配置され、前記第1のアレーアンテナの第1のアンテナピッチは、前記第1の方向において、1波長以上であり、前記第2のアレーアンテナの第2のアンテナピッチは、前記第1の方向において、1波長以上であり、前記第1のアレーアンテナの第1のアンテナピッチと前記第2のアレーアンテナの第2のアンテナピッチとの差の絶対値は、前記第1の方向において、グレーティングローブが発生しないピッチである。

0014

なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。

発明の効果

0015

本開示の一態様によれば、サブアレーアンテナ構成の場合でも、不要なグレーティングローブの発生を抑え、所望の指向性パターンを実現することができる。

0016

本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。

図面の簡単な説明

0017

サブアレー素子の構成例を示す図
サブアレー素子から成るアレーアンテナの構成例を示す図
本開示の一実施の形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図
本開示の一実施の形態に係るレーダ送信信号の一例を示す図
本開示の一実施の形態に係るレーダ送信信号生成部の他の構成を示すブロック図
本開示の一実施の形態に係るレーダ送信信号の送信タイミング、及び、測定範囲の一例を示す図
本開示の一実施の形態に係る送信アレー受信アレー及び仮想受信アレーのアンテナ配置を示す図
本開示の一実施の形態に係る指向性パターンを示す図
本開示の一実施の形態のバリエーション1に係る送信アレー、受信アレー及び仮想受信アレーのアンテナ配置を示す図
本開示の一実施の形態のバリエーション1に係る水平方向の指向性パターンを示す図
本開示の一実施の形態のバリエーション1に係る垂直方向の指向性パターンを示す図
本開示の一実施の形態のバリエーション2に係る送信アレー、受信アレー及び仮想受信アレーのアンテナ配置を示す図
本開示の一実施の形態のバリエーション2に係る水平方向の指向性パターンを示す図
本開示の一実施の形態のバリエーション2に係る垂直方向の指向性パターンを示す図
本開示の一実施の形態のバリエーション3に係る送信アレー、受信アレー及び仮想受信アレーのアンテナ配置を示す図
本開示の一実施の形態のバリエーション3に係る水平方向の指向性パターンを示す図
本開示の一実施の形態のバリエーション3に係る垂直方向の指向性パターンを示す図例を示す図

実施例

0018

[本開示の一態様をするに至った経緯]
図1Aは、サブアレー構成のアンテナ素子(以下、サブアレー素子と呼ぶこともある)の一例を示す。図1Aに示すサブアレー素子は、2×2の4個のアンテナ素子から構成される。また、図1Aに示す一例では、サブアレー素子のサイズを水平方向及び垂直方向の双方とも0.8波長とする。

0019

図1Bは、図1Aに示すサブアレー素子を直列に4個並べて構成されるアレーアンテナの一例を示す。図1Bに示すように、各サブアレー素子のサイズが0.8波長(図1Aを参照)であるので、サブアレー素子間の間隔として1波長程度以上の間隔を採る必要がある。

0020

例えば、メインローブの±90°の範囲内にグレーティングローブを発生させないためのアレー素子間隔(所望の素子間隔)は0.5波長である。図1Bに示すアレーアンテナでは、サブアレー素子の素子間隔が1波長程度以上となるので、所望の素子間隔が設定困難であり、メインローブの±90°の範囲内にグレーティングローブが発生してしまうことになる。

0021

このように、サブアレー素子のサイズが0.5波長以上の場合、アレーアンテナの素子間隔を0.5波長にすることが困難である可能性がある。よって、メインローブの±90°の範囲内に不要なグレーティングローブが発生し、測角時に虚像が発生することになり、誤検出の要因となる。

0022

ここで、特許文献1には、幅d=1波長程度となるサブアレー素子を用いたアレーアンテナ構成が開示されている。特許文献1では、送信アンテナTx0, Tx1の素子間隔を6波長とし、受信アンテナRX0,RX1,RX2,RX3の素子間隔を1.5波長±(λ/8)としている(λは1波長を表す)。また、特許文献1では、送信アンテナTx0,Tx1を時分割切り替えてレーダ送信信号が送信され、各送信アンテナTx0,Tx1から送信されたレーダ送信信号に対して、受信アンテナRX0,RX1,RX2,RX3で受信信号を取得する構成を備えている。

0023

このような構成により、受信アレーアンテナで取得される受信信号には、送信アンテナの位置が変わることによる位相変化重畳されるため、仮想的に受信アンテナの開口長が増大する効果が得られる。以下では、送受信アレーアンテナにおけるアンテナ素子の配置によって実効的な開口長が増大する仮想的な受信アレーアンテナを「仮想受信アレー」と呼ぶ。

0024

しかしながら、特許文献1では、受信アレーアンテナの素子間隔は1.5波長±λ/8であるため、メインビーム方向から40°程度ずれた方向にグレーティングローブが発生してしまう。

0025

本開示に係る一態様は、サブアレー構成のアレー素子を用いる場合でも、不要なグレーティングローブの発生を抑え、所望の指向性パターンを実現する。

0026

以下、本開示の一態様に係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。

0027

[レーダ装置の構成]
図2は、本実施の形態に係るレーダ装置10の構成を示すブロック図である。

0028

レーダ装置10は、レーダ送信部100と、レーダ受信部200と、基準信号生成部300と、を有する。

0029

レーダ送信部100は、基準信号生成部300から受け取るリファレンス信号に基づいて高周波のレーダ信号(レーダ送信信号)を生成する。そして、レーダ送信部100は、複数の送信アンテナ106−1〜106−Ntによって構成される送信アレーアンテナを用いて、レーダ送信信号を所定の送信周期にて送信する。

0030

レーダ受信部200は、ターゲット(図示せず)により反射したレーダ送信信号である反射波信号を、複数の受信アンテナ202−1〜202−Naから成る受信アレーアンテナを用いて受信する。レーダ受信部200は、基準信号生成部300から受け取るリファレンス信号を用いて、各アンテナ202において受信した反射波信号を信号処理し、ターゲットの有無検出方向推定などを行う。なお、ターゲットはレーダ装置10が検出する対象の物体であり、例えば、車両又は人を含む。

0031

基準信号生成部300は、レーダ送信部100及びレーダ受信部200のそれぞれに接続されている。基準信号生成部300は、基準信号としてのリファレンス信号をレーダ送信部100及びレーダ受信部200に共通に供給し、レーダ送信部100及びレーダ受信部200の処理を同期させる。

0032

[レーダ送信部100の構成]
レーダ送信部100は、レーダ送信信号生成部101−1〜101−Ntと、送信無線部105−1〜105−Ntと、送信アンテナ106−1〜106−Ntとを有する。すなわち、レーダ送信部100は、Nt個の送信アンテナ106を有し、各送信アンテナ106は、それぞれ個別のレーダ送信信号生成部101及び送信無線部105に接続されている。

0033

レーダ送信信号生成部101は、基準信号生成部300から受け取るリファレンス信号を所定数倍したタイミングクロックを生成し、生成したタイミングクロックに基づいてレーダ送信信号を生成する。そして、レーダ送信信号生成部101は、所定のレーダ送信周期(Tr)にてレーダ送信信号を繰り返し出力する。レーダ送信信号は、rz(k, M)=Iz(k, M)+jQz(k, M)で表される。ここで、zは各送信アンテナ106に対応する番号を表し、z=1,…,Ntである。また、jは虚数単位を表し、kは離散時刻を表し、Mはレーダ送信周期の序数を表す。

0034

各レーダ送信信号生成部101は、符号生成部102と、変調部103と、LPF(Low Pass Filter)104とから構成される。以下、第z番目(z=1,…,Nt)の送信アンテナ106に対応するレーダ送信信号生成部101−zにおける各構成部について説明する。

0035

具体的には、符号生成部102は、レーダ送信周期Tr毎に、符号長Lの符号系列の符号a(z)n(n=1,…,L)(パルス符号)を生成する。各符号生成部102−1〜102−Ntにおいて生成される符号a(z)n(z=1,…,Nt)には、互いに低相関又は無相関となる符号が用いられる。符号系列としては、例えば、Walsh-Hadamard符号、M系列符号、Gold符号などが挙げられる。

0036

変調部103は、符号生成部102から受け取る符号a(z)nに対してパルス変調振幅変調ASK(Amplitude Shift Keying)、パルスシフトキーイング)又は位相変調(Phase Shift Keying)を行い、変調信号をLPF104へ出力する。

0037

LPF104は、変調部103から受け取る変調信号のうち、所定の制限帯域以下の信号成分を、ベースバンドのレーダ送信信号として送信無線部105へ出力する。

0038

第z(z=1,…,Nt)番目の送信無線部105は、第z番目のレーダ送信信号生成部101から出力されるベースバンドのレーダ送信信号に対して周波数変換を施してキャリア周波数(Radio Frequency:RF)帯のレーダ送信信号を生成し、送信増幅器により所定の送信電力P[dB]に増幅して第z番目の送信アンテナ106へ出力する。

0039

第z(z=1,…,Nt)番目の送信アンテナ106は、第z番目の送信無線部105から出力されるレーダ送信信号を空間に放射する。

0040

図3は、レーダ送信部100のNt個の送信アンテナ106から送信されるレーダ送信信号を示す。符号送信区間Tw内には符号長Lのパルス符号系列が含まれる。各レーダ送信周期Trのうち、符号送信区間Twの間にパルス符号系列が送信され、残りの区間(Tr-Tw)は無信号区間となる。1つのパルス符号(a(z)n)あたり、No個のサンプルを用いたパルス変調が施されることにより、各符号送信区間Tw内には、Nr(=No×L)個のサンプルの信号が含まれる。すなわち、変調部103におけるサンプリングレートは、(No×L)/Twである。また、無信号区間(Tr-Tw)には、Nu個のサンプルが含まれるものとする。

0041

なお、レーダ送信部100は、レーダ送信信号生成部101の代わりに、図4に示すレーダ送信信号生成部101aを備えてもよい。レーダ送信信号生成部101aは、図2に示す符号生成部102、変調部103及びLPF104を有さず、代わりに符号記憶部111及びDA変換部112を備える。符号記憶部111は、符号生成部102(図2)において生成される符号系列を予め記憶し、記憶している符号系列を巡回的に順次読み出す。DA変換部112は、符号記憶部111から出力される符号系列(デジタル信号)をアナログ信号に変換する。

0042

[レーダ受信部200の構成]
図2において、レーダ受信部200は、Na個の受信アンテナ202を備え、アレーアンテナを構成する。また、レーダ受信部200は、Na個のアンテナ系統処理部201−1〜201−Naと、方向推定部214と、を有する。

0043

各受信アンテナ202は、ターゲット(物体)に反射したレーダ送信信号である反射波信号を受信し、受信した反射波信号を、対応するアンテナ系統処理部201へ受信信号として出力する。

0044

各アンテナ系統処理部201は、受信無線部203と、信号処理部207とを有する。

0045

受信無線部203は、増幅部204と、周波数変換器205と、直交検波器206と、を有する。受信無線部203は、基準信号生成部300から受け取るリファレンス信号を所定数倍したタイミングクロックを生成し、生成したタイミングクロックに基づいて動作する。具体的には、増幅器204は、受信アンテナ202から受け取る受信信号を所定レベルに増幅し、周波数変換器205は、高周波帯域の受信信号をベースバンド帯域に周波数変換し、直交検波器206は、ベースバンド帯域の受信信号を、I信号及びQ信号を含むベースバンド帯域の受信信号に変換する。

0046

信号処理部207は、AD変換部208、209と、分離部210−1〜210−Ntと、を有する。

0047

AD変換部208には、直交検波器206からI信号が入力され、AD変換部209には、直交検波器206からQ信号が入力される。AD変換部208は、I信号を含むベースバンド信号に対して、離散時間でのサンプリングを行うことにより、I信号をデジタルデータに変換する。AD変換部209は、Q信号を含むベースバンド信号に対して、離散時間でのサンプリングを行うことにより、Q信号をデジタルデータに変換する。

0048

ここで、AD変換部208,209のサンプリングでは、レーダ送信信号における1つのサブパルスの時間Tp(=Tw/L)あたり、Ns個離散サンプルが行われる。すなわち、1サブパルスあたりのオーバーサンプル数はNsとなる。

0049

以下の説明では、I信号Ir(k, M)及びQ信号Qr(k, M)を用いて、AD変換部208,209の出力としての第M番目のレーダ送信周期Tr[M]の離散時間kにおけるベースバンドの受信信号を複素数信号x(k, M)=Ir(k, M)+jQr(k, M)と表す。また、以下では、離散時刻kは、レーダ送信周期(Tr)の開始するタイミングを基準(k=1)とし、信号処理部207は、レーダ送信周期Trが終了する前までのサンプル点であるk=(Nr+Nu)Ns/Noまで周期的に動作する。すなわち、k=1,…,(Nr+Nu)Ns/Noとなる。ここで、jは虚数単位である。

0050

信号処理部207は、送信アンテナ106の個数分の系統数に等しいNt個の分離部210を含む。各分離部210は、相関演算部211と、加算部212と、ドップラー周波数解析部213と、を有する。以下、第z(z=1,…,Nt)番目の分離部210の構成について説明する。

0051

相関演算部211は、レーダ送信周期Tr毎に、AD変換部208,209から受け取る離散サンプル値Ir(k, M)及びQr(k, M)を含む離散サンプル値x(k, M)と、レーダ送信部100において送信される符号長Lのパルス符号a(z)n(ただし、z=1,…,Nt、n=1,…,L)との相関演算を行う。例えば、相関演算部211は、離散サンプル値x(k, M)と、パルス符号a(z)nとのスライディング相関演算を行う。例えば、第M番目のレーダ送信周期Tr[M]における離散時刻kのスライディング相関演算の相関演算値AC(z)(k, M)は、次式に基づき算出される。

0052

上式において、アスタリスク(*)は複素共役演算子を表す。

0053

相関演算部211は、例えば、式(1)に従って、k=1,…,(Nr+Nu)Ns/Noの期間に渡って相関演算を行う。

0054

なお、相関演算部211は、k=1,…,(Nr+Nu)Ns/Noに対して相関演算を行う場合に限定されず、レーダ装置10の測定対象となるターゲットの存在範囲に応じて、測定レンジ(すなわち、kの範囲)を限定してもよい。これにより、レーダ装置10では、相関演算部211の演算処理量の低減が可能となる。例えば、相関演算部211は、k=Ns(L+1),…,(Nr+Nu)Ns /No-NsLに測定レンジを限定してもよい。この場合、図5に示すように、レーダ装置10は、符号送信区間Twに相当する時間区間では測定を行わないこととなる。

0055

これにより、レーダ装置10は、レーダ送信信号がレーダ受信部200に直接的に回り込むような場合でも、レーダ送信信号が回り込む期間(少なくともτ1未満の期間)では相関演算部211による処理が行われないので、回り込みの影響を排除した測定が可能となる。また、測定レンジ(kの範囲)を限定する場合、以下で説明する加算部212、ドップラー周波数解析部213及び方向推定部214の処理に対しても、同様に測定レンジ(kの範囲)を限定した処理を適用すればよい。これにより、各構成部での処理量を削減でき、レーダ受信部200における消費電力を低減できる。

0056

加算部212は、第M番目のレーダ送信周期Trの離散時刻k毎に相関演算部211から受け取る相関演算値AC(z)(k, M)を用いて、所定回数(Np回)のレーダ送信周期Trの期間(Tr×Np)に渡って、相関演算値AC(z)(k, M)を加算(コヒーレント積分)する。期間(Tr×Np)に渡る加算数Npの加算(コヒーレント積分)処理は次式で表される。

0057

ここで、CI(z)(k, m)は相関演算値の加算値(以下、相関加算値と呼ぶこともある)を表し、Npは1以上の整数値であり、mは加算部212における加算回数Npを1個の単位とした場合における加算回数の序数を示す1以上の整数である。また、z=1,…,Ntである。

0058

加算部212は、レーダ送信周期Trを単位として得られた相関演算部211の出力を一つの単位として、Np回の加算を行う。つまり、加算部212は、相関演算値AC(z)(k, Np(m-1)+1)〜AC(z)(k, Np×m)を一単位として、離散時刻kのタイミングをそろえて加算した相関値CI(z)(k, m)を離散時刻k毎に算出する。これにより、加算部212は、相関演算値のNp回に渡る加算の効果により、ターゲットからの反射波信号が高い相関を有する範囲において、反射波信号のSNRを向上させることができる。よって、ターゲットの到来距離の推定に関する測定性能を向上させることができる。

0059

なお、理想的な加算利得を得るためには、相関演算値の加算回数Npの加算区間において、相関演算値の位相成分がある程度の範囲で揃う条件が必要である。つまり、加算回数Npは、測定対象となるターゲットの想定最大移動速度に基づいて設定されることが好ましい。これはターゲットの想定最大速度が大きいほど、ターゲットからの反射波に含まれるドップラー周波数の変動量が大きく、高い相関を有する時間期間が短くなるためである。この場合、加算回数Npは小さい値となるため、加算部212での加算による利得向上効果が小さくなる。

0060

ドップラー周波数解析部213は、離散時刻k毎に得られた加算部212のNc個の出力であるCI(z)(k, Nc(w-1)+1)〜CI(z)(k,Nc×w)を一単位として、離散時刻kのタイミングをそろえてコヒーレント積分を行う。例えば、ドップラー周波数解析部213は、次式に示すように、2Nf個の異なるドップラー周波数fsΔΦに応じた位相変動Φ(fs)=2πfs(Tr×Np)ΔΦを補正した上で、コヒーレント積分を行う。

0061

ここで、FT_CI(z)Nant(k, fs, w)は、ドップラー周波数解析部213における第w番目の出力であり、第Nant番目のアンテナ系統処理部201における離散時刻kでのドップラー周波数fsΔΦのコヒーレント積分結果を示す。ただし、Nant=1〜Naであり、fs=-Nf+1,…,0,…,Nfであり、k=1,…, (Nr+Nu)Ns/Noであり、wは1以上の整数であり、ΔΦは位相回転単位である。

0062

これにより、各アンテナ系統処理部201は、離散時刻k毎の2Nf個のドップラー周波数成分に応じたコヒーレント積分結果であるFT_CI(z)Nant(k, -Nf+1,w),…, FT_CI(z)Nant(k, Nf-1, w)を、レーダ送信周期間Trの複数回Np×Ncの期間(Tr×Np×Nc)毎に得る。なお、jは虚数単位であり、z=1,…,Ntである。

0063

ΔΦ=1/Ncとした場合、上述したドップラー周波数解析部213の処理は、サンプリング間隔Tm=(Tr×Np)、サンプリング周波数fm=1/Tmで加算部212の出力を離散フーリエ変換DFT)処理していることと等価である。

0064

また、Nfを2のべき乗の数に設定することで、ドップラー周波数解析部213では、高速フーリエ変換FFT)処理を適用でき、演算処理量を大きく削減できる。この際、Nf>Ncとなる場合には、q>Ncとなる領域においてCI(z)(k、Nc(w-1)+q)=0とするゼロ埋め処理を行うことで、同様にFFT処理を適用でき、演算処理量を大きく削減できる。

0065

また、ドップラー周波数解析部213において、FFT処理を行わずに、上式(3)に示す積和演算を逐次的に演算する処理を行ってもよい。つまり、ドップラー周波数解析部213は、離散時刻k毎に得られた加算部212のNc個の出力であるCI(z)(k, Nc(w-1)+q+1)に対して、fs=-Nf+1,…,0,…,Nf-1に対応する係数exp[-j2πfsTrNpqΔφ]を生成し、逐次的に積和演算処理してもよい。ここで、q=0〜Nc−1である。

0066

なお、以下の説明では、Na個のアンテナ系統処理部201の各々において同様の処理を施して得られた第w番目の出力FT_CI(z)1(k, fs, w), FT_CI(z)2(k, fs, w),…, FT_CI(z)Na(k, fs, w)をまとめたものを、次式のように仮想受信アレー相関ベクトルh(k, fs, w)として表記する。仮想受信アレー相関ベクトルh(k, fs, w)は、送信アンテナ数Ntと受信アンテナ数Naとの積であるNt×Na個の要素を含む。仮想受信アレー相関ベクトルh(k, fs, w)は、後述する、ターゲットからの反射波信号に対して受信アンテナ202間の位相差に基づく方向推定を行う処理の説明に用いる。ここで、z=1,…,Ntであり、b=1, …, Naである。

0067

以上、信号処理部207の各構成部における処理について説明した。

0068

方向推定部214は、アンテナ系統処理部201−1〜201−Naから出力されるw番目のドップラー周波数解析部213の仮想受信アレー相関ベクトルh(k, fs, w)に対してアレー補正値h_cal[y]を用いてアンテナ系統処理部201間の位相偏差及び振幅偏差を補正した仮想受信アレー相関ベクトルh_after_cal(k, fs, w)を算出する。仮想受信アレー相関ベクトルh_after_cal(k, fs, w)は次式で表される。なお、y=1,…,(Nt×Na)である。

0069

そして、方向推定部214は、仮想受信アレー相関ベクトルh_after_cal(k, fs, w)を用いて、受信アンテナ202間の反射波信号の位相差に基づいて、水平方向及び垂直方向の方向推定処理を行う。方位推定部214は、方向推定評価関数値P(θ, φ,k, fs, w)における方位方向θ及び仰角方向Φを所定の角度範囲内で可変として空間プロファイルを算出し、算出した空間プロファイルの極大ピークを大きい順に所定数抽出し、極大ピークの方位方向及び仰角方向を到来方向推定値とする。

0070

なお、評価関数値P(θ, φ,k, fs, w)は、到来方向推定アルゴリズムによって各種のものがある。例えば参考非特許文献1に開示されているアレーアンテナを用いた推定方法を用いてもよい。

0071

(参考非特許文献1)Direction-of-arrival estimation using signal subspace modeling Cadzow, J.A.;Aerospace and Electronic Systems,IEEE Transactions on Volume: 28 , Issue: 1 Publication Year: 1992 , Page(s): 64 - 79

0072

例えばビームフォーマ法は次式のように表すことができる。他にも、Capon, MUSICといった手法も同様に適用可能である。

0073

ここで、上付き添え字Hはエルミート転置演算子である。また、a(θu, φv)は、方位方向θu、仰角方向φvの到来波に対する仮想受信アレーの方向ベクトルを示す。

0074

以上のように、方向推定部214は、算出された第w番目の到来方向推定値、離散時刻k、ドップラー周波数fsΔΦ及び角度θuを、レーダ測位結果として出力する。

0075

ここで、方向ベクトルa(θu, φv)は、方位θu方向及び仰角方向φvからレーダ送信信号に対する反射波が到来した場合の仮想受信アレーの複素応答を要素とした(Nt×Na)次の列ベクトルである。仮想受信アレーの複素応答a(θu, φv)は、アンテナ間の素子間隔によって幾何光学的に算出される位相差を表す。

0076

また、θuは到来方向推定を行う方位範囲内を所定の方位間隔β1で変化させたものである。例えば、θuは以下のように設定される。
θu=θmin + uβ1、u=0,…, NU
NU=floor[(θmax-θmin)/β1]+1
ここでfloor(x)は、実数xを超えない最大の整数値を返す関数である。

0077

また、φvは到来方向推定を行う仰角範囲内を所定の仰角間隔β2で変化させたものである。例えば、φvは以下のように設定される。
φv=φmin + vβ2、v=0,…, NV
NV=floor[(φmax-φmin)/β2]+1

0078

なお、本実施の形態では、後述する仮想受信アレー配置VA#1,…, VA#(Nt×Na)に基づいて仮想受信アレーの方向ベクトルが予め算出されているものとする。仮想受信アレーの方向ベクトルの要素は、後述する仮想受信アレー配置番号順VA#1,…, VA#(Nt×Na)にアンテナ間の素子間隔で幾何光学的に算出される位相差を表す。

0079

また、上述した時刻情報kは、距離情報に変換して出力されてもよい。時刻情報kを距離情報R(k)に変換する際には次式を用いればよい。ここで、Twは符号送信区間を表し、Lはパルス符号長を表し、C0は光速度を表す。

0080

また、ドップラー周波数情報(fsΔΦ)は相対速度成分に変換して出力されてもよい。ドップラー周波数fsΔΦを相対速度成分vd(fs)に変換する際には次式を用いて変換することができる。ここで、λは送信無線部107から出力されるRF信号のキャリア周波数の波長である。

0081

[レーダ装置10におけるアンテナ配置]
以上の構成を有するレーダ装置10におけるNt個の送信アンテナ106及びNa個の受信アンテナ202の配置について説明する。

0082

図6は、Nt=2個の送信アンテナ106(Tx#1、Tx#2)から構成される送信アレーのアンテナ配置、Na=3個の受信アンテナ202(Rx#1、Rx#2、Rx#3)から構成される受信アレーのアンテナ配置、及び、これらの送受信アレーアンテナに基づいて構成される仮想受信アレー(素子数:Nt×Na=6個)のアンテナ配置を示す。

0083

送信アンテナ106及び受信アンテナ202の各々は、2個のアンテナ素子を含むサブアレー素子を用いて構成される。

0084

また、サブアレー素子のサイズ(幅)をDsubarryとし、レーダ検知角範囲においてグレーティングローブが発生しない所望のアンテナ素子間隔をDeとする。図6では、サブアレー素子のサイズDsubarryは所望のアンテナ素子間隔Deよりも大きい(Dsubarry>De)。なお、所望のアンテナ素子間隔Deとしては、0.5波長以上0.75波長以下の値を用いる

0085

また、送信アレーアンテナのサブアレー素子間隔をDtとし、受信アレーアンテナのサブアレー素子間隔をDrとする。例えば、図6では、送信アレーアンテナのサブアレー素子間隔Dtを1.5λ(1.5波長)とし、受信アンテナのサブアレー素子間隔Drを1λ(1波長)とする。つまり、サブアレー素子間隔Dt,Drは、1波長(λ)程度以上となる。

0086

本実施の形態では、レーダ検知角範囲においてグレーティングローブが発生しない所望のアンテナ素子間隔Deよりもサブアレー素子のサイズDsubarryが広い場合(Dsubarry>De)。この場合、送信アレーアンテナのサブアレー素子間隔Dtと受信アレーアンテナのサブアレー素子間隔Drとの間で次式に示す関係を満たすように、送信アレー及び受信アレーを配置する。
|Dt - Dr | = De (10)

0087

すなわち、送信アレーアンテナのサブアレー素子間隔Dtと、受信アレーアンテナのサブアレー素子間隔Drとの差の絶対値は、所望のアンテナ素子間隔Deと同一である。

0088

図6は、一例として、De=λ/2とし、送信アレーアンテナのサブアレー素子間隔Dt=1.5λとし、受信アレーアンテナのサブアレー素子間隔Dr=λとなる場合を示す。

0089

この場合、図6に示すように、仮想受信アレーの中心付近(端部以外)の素子間隔が、所望のアンテナ素子間隔De(=|Dt-Dr|=λ/2)となる。すなわち、仮想受信アレーでは、レーダ検知角範囲においてグレーティングローブが発生しないアレー配置が得られる。

0090

図7は、図6に示す送受信アレーアンテナ配置(De=0.5λ、Dt=1.5λ、Dr=λの場合)における指向性パターン(フーリエビームパターンメインビーム:0°方向)を示す。図7に示すように、メインビーム方向から±90°の角度範囲においてグレーティングローブが発生していないことが分かる。

0091

このようにして、本実施の形態では、送信アンテナ106から構成される送信アレーアンテナの素子間隔と、受信アンテナ202から構成される受信アレーアンテナの素子間隔との差(絶対値)が、グレーティングローブが発生しない所望の素子間隔と等しくなるように、送信アンテナ106及び受信アンテナ202が配置される。

0092

こうすることで、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置関係に従って構成される仮想受信アレーの素子間隔をグレーティングローブが発生しない所望の素子間隔に設定することができる。これにより、方向推定部214における方向推定処理を行う際に、グレーティングローブによる誤検出の発生を除去することができる。

0093

よって、本実施の形態によれば、サブアレー構成のアレー素子を用いる場合でも、不要なグレーティングローブの発生を抑え、所望の指向性パターンを実現することができる。

0094

なお、図6では、水平方向の到来方向推定を行うために、水平方向にアレーアンテナを直線状に配置する構成を一例として示した。しかし、本実施の形態は、垂直方向の到来方向推定を行うために、垂直方向にアレーアンテナを直線状に配置する場合でも、同様にして、垂直方向において、グレーティングローブが発生しない所望の素子間隔の仮想受信アレーを配置することができる。

0095

(バリエーション1)
バリエーション1では、水平方向及び垂直方向の双方の到来方向推定を行う場合について説明する。

0096

送信アレー素子又は受信アレー素子が垂直方向及び水平方向の2次元に配置される。

0097

図8は、Nt=6個の送信アンテナ106(Tx#1〜Tx#6)から構成される送信アレーのアンテナ配置、Na=3個の受信アンテナ202(Rx#1、Rx#2、Rx#3)から構成される受信アレーのアンテナ配置、及び、これらの送受信アレーアンテナに基づいて構成される仮想受信アレー(素子数:Nt×Na=18個)のアンテナ配置を示す。

0098

図8では、送信アレーは、水平方向に2個、垂直方向に3個の2次元に各サブアレー素子が配置されている。

0099

また、図8においてサブアレー素子の水平方向におけるサイズをDsubarryとし、サブアレー素子の垂直方向におけるサイズをDe以下とする。つまり、アンテナ素子のサイズは、水平方向において所望のアンテナ素子間隔Deより大きく、垂直方向において所望のアンテナ素子間隔De以下である。

0100

図8では、一例として、所望のアンテナ素子間隔De=λ/2とし、送信アレーアンテナの水平方向のサブアレー素子間隔Dtを1.5λとし、送信アレーアンテナの垂直方向の素子間隔をDeとする。また、受信アンテナの水平方向のサブアレー素子間隔Dr=λとする。

0101

この場合、図8に示すように、水平方向において、送信アレーアンテナのサブアレー素子間隔Dtと、受信アレーアンテナのサブアレー素子間隔Drとの差の絶対値は、所望のアンテナ素子間隔Deと同一である。また、図8に示すように、垂直方向において、送信アレーアンテナの素子間隔は、所望のアンテナ素子間隔Deと同一である。

0102

これにより、図8に示すように、水平方向において、仮想受信アレーの中心付近(端部以外)の素子間隔が、所望のアンテナ素子間隔De(=|Dt-Dr|=λ/2)となる。

0103

また、図8に示すように、垂直方向において、仮想受信アレーの素子間隔は、送信アレーの垂直方向の素子間隔と同様、所望のアンテナ素子間隔Deとなる。

0104

すなわち、仮想受信アレーでは、水平方向及び垂直方向の何れでも、レーダ検知角範囲においてグレーティングローブが発生しないアレー配置が得られる。

0105

方向推定部214において水平方向及び垂直方向の到来方向推定を行う場合には、次式に示すように、方位方向θu及び仰角方向φvを可変にして、方向推定評価関数値P(θu、φv、k、fs、w)を算出し、その最大値が得られる方位方向、仰角方向を到来方向推定値DOA(k,fs,w)とする。

0106

ここで、u=1,…,NUである。なお、arg max P(x)は関数値P(x)が最大となる定義域の値を出力値とする演算子である。

0107

なお、評価関数値P(θu、φv、k、fs、w)は、到来方向推定アルゴリズムによって各種のものがある。例えば上述した参考非特許文献1に開示されているアレーアンテナを用いた推定方法を用いてもよい。例えばビームフォーマ法は次式のように表すことができる。他にも、Capon, MUSICといった手法も同様に適用可能である。

0108

ここで上付き添え字Hはエルミート転置演算子である。また、a(θu,φv)は、方位方向θu及び仰角方向φvの到来波に対する方向ベクトルを示す。

0109

図9A及び図9Bは、図8に示す送受信アレーアンテナ配置(De=0.5λ、Dt=1.5λ、Dr=1λの場合)の水平方向及び垂直方向における指向性パターン(フーリエビームパターン。メインビーム:0°方向)をそれぞれ示す。

0110

図9Aに示すように、水平方向において、メインビーム方向から±90°の角度範囲においてグレーティングローブが発生していないことが分かる。また、図9Bに示すように、垂直方向においてもグレーティングローブが発生しないビームパターンが形成されることが分かる。

0111

このような送受信アレーアンテナの配置を用いることで、方向推定部214における方向推定処理を行う際に、水平方向及び垂直方向の双方においてグレーティングローブによる誤検出の発生を除去することができる。

0112

よって、バリエーション1によれば、2次元に配置された、サブアレー構成のアレー素子を用いる場合でも、不要なグレーティングローブの発生を抑え、所望の指向性パターンを実現することができる。

0113

なお、図8では、サブアレー素子の水平方向のサイズがDsubarry(>De)である場合について説明したが、バリエーション1は、サブアレー素子の垂直方向のサイズがDsubarry(>De)である場合にも同様に適用できる。この場合、送信アレーの垂直方向の配置において、送信アレーアンテナの素子間隔と、受信アレーアンテナの素子間隔との差(絶対値)が、グレーティングローブが発生しない所望の素子間隔と等しくなるように、送信アレーを配置すればよい。

0114

(バリエーション2)
バリエーション2では、水平方向及び垂直方向の双方の到来方向推定を行う他の例について説明する。

0115

具体的には、送信アレーアンテナにおいて、水平方向の素子間隔をDt(>De)とし、垂直方向の素子間隔を所望のアンテナ素子間隔Deとする場合、送信アレーアンテナにおいて、垂直方向で隣接し、水平方向に直線上に並べられた2つのサブアレー素子配列が、水平方向に所望のアンテナ素子間隔Deと同一の間隔分ずれて配置される。

0116

図10は、Nt=6個の送信アンテナ106(Tx#1〜Tx#6)から構成される送信アレーのアンテナ配置、Na=3個の受信アンテナ202(Rx#1、Rx#2、Rx#3)から構成される受信アレーのアンテナ配置、及び、これらの送受信アレーアンテナに基づいて構成される仮想受信アレー(素子数:Nt×Na=18個)のアンテナ配置を示す。

0117

図10では、送信アレーは、水平方向に2個、垂直方向に3個の2次元に各サブアレー素子が配置されている。

0118

また、図10においてサブアレー素子の水平方向におけるサイズをDsubarryとし、サブアレー素子の垂直方向におけるサイズをDe以下とする。つまり、アンテナ素子のサイズは、水平方向において所望のアンテナ素子間隔Deより大きく、垂直方向において所望のアンテナ素子間隔De以下である。

0119

図10では、図8と同様、所望のアンテナ素子間隔De=λ/2とし、送信アレーアンテナの水平方向のサブアレー素子間隔Dtを1.5λとし、送信アレーアンテナの垂直方向の素子間隔をDeとする。また、受信アレーアンテナの水平方向のサブアレー素子間隔Dr=λとする。

0120

バリエーション1(図8)と同様、図10に示すように、水平方向において、送信アレーアンテナのサブアレー素子間隔Dtと、受信アレーアンテナのサブアレー素子間隔Drとの差の絶対値は、所望のアンテナ素子間隔Deと同一である。また、図10に示すように、垂直方向において、送信アレーアンテナの素子間隔は、所望のアンテナ素子間隔Deと同一である。

0121

更に、図10では、送信アレーアンテナの垂直方向においてアンテナ素子間隔De離れた送信アンテナ106同士(垂直方向に隣接する送信アンテナ106同士)が、水平方向においてアンテナ素子間隔Deと同一間隔ずれて配置される。換言すると、送信アレーアンテナにおいて、垂直方向で隣接し、水平方向に直線上に並べられた2つのサブアレー素子配列が、水平方向に所望の素子間隔と同一間隔ずれて配置される。

0122

例えば、図10に示す送信アンテナTx#1、Tx#2の配列(すなわち、サブアレー素子配列。以下同様)と、当該配列に垂直方向で隣接する送信アンテナT#3、Tx#4の配列とは、アンテナ素子間隔Deと同一間隔ずれて配置されている。同様に、送信アンテナTx#3、Tx#4の配列と、当該配列に垂直方向で隣接する送信アンテナT#5、T#6の配列とは、水平方向にアンテナ素子間隔Deと同一間隔ずれて配置されている。

0123

図10では、水平方向において、仮想受信アレーの中心付近(端部以外)の素子間隔が、所望のアンテナ素子間隔De(=|Dt-Dr|=λ/2)となる。また、図10に示すように、垂直方向において、仮想受信アレーの素子間隔は、送信アレーの垂直方向の素子間隔と同様、所望のアンテナ素子間隔Deとなる。すなわち、仮想受信アレーでは、レーダ検知角範囲においてグレーティングローブが発生しないアレー配置が得られる。

0124

更に、図10に示すように、仮想受信アレーの垂直方向において、中央(2段目)のアレー素子の配列が、他のアレー素子(1段目及び3段目)のアレー素子の配列と比較して、水平方向にDeずれて配置される。これにより、図10では、バリエーション1(図8)と比較して、仮想受信アレーが配置される2次元平面におけるアンテナ素子の間隔がより密接になる。これにより、仮想受信アレーでは、サイドローブレベルの低減が可能となる。

0125

図11A及び図11Bは、図10に示す送受信アレーアンテナ配置(De=0.5λ、Dt=1.5λ、Dr=λの場合)の水平方向及び垂直方向における指向性パターン(フーリエビームパターン。メインビーム:0°方向)をそれぞれ示す。

0126

図11Aに示すように、水平方向において、メインビーム方向から±90°の角度範囲においてグレーティングローブが発生していないことが分かる。また、図11Bに示すように、垂直方向においてもグレーティングローブが発生しないビームパターンが形成されることが分かる。

0127

更に、バリエーション1(図9A)と比較すると、図11Aに示すように、水平方向の指向性パターンにおいてサイドローブレベルが低減されていることが分かる。

0128

このような送受信アレーアンテナの配置を用いることで、方向推定部214における方向推定処理を行う際に、水平方向及び垂直方向の双方において、グレーティングローブ及びサイドローブによる誤検出の発生を除去することができる。

0129

よって、バリエーション2によれば、2次元に配置された、サブアレー構成のアレー素子を用いる場合でも、不要なグレーティングローブの発生、及び、サイドローブレベルを抑え、所望の指向性パターンを実現することができる。

0130

(バリエーション3)
バリエーション3では、水平方向及び垂直方向の双方の到来方向推定を行う他の例について説明する。

0131

具体的には、送信アレーアンテナにおいて、垂直方向で隣接し、水平方向に直線上に並べられたサブアレー素子配列の間隔が所望のアンテナ素子間隔Deに定数αを乗算した間隔であり、かつ、垂直方向で隣接し、水平方向に直線上に並べられた2つのサブアレー素子配列が、水平方向に所望のアンテナ素子間隔Deに定数βを乗算した間隔ずれて配置される。

0132

図12は、Nt=6個の送信アンテナ106(Tx#1〜Tx#6)から構成される送信アレーのアンテナ配置、Na=3個の受信アンテナ202(Rx#1、Rx#2、Rx#3)から構成される受信アレーのアンテナ配置、及び、これらの送受信アレーアンテナに基づいて構成される仮想受信アレー(素子数:Nt×Na=18個)のアンテナ配置を示す。

0133

図12では、送信アレーは、水平方向に2個、垂直方向に3個の2次元に各サブアレー素子が配置されている。

0134

また、図12においてサブアレー素子の水平方向におけるサイズをDsubarryとし、サブアレー素子の垂直方向におけるサイズをDe以下とする。つまり、アンテナ素子のサイズは、水平方向において所望のアンテナ素子間隔Deより大きく、垂直方向において所望のアンテナ素子間隔De以下である。

0135

図12は、図8と同様、所望のアンテナ素子間隔De=λ/2とし、送信アレーアンテナの水平方向のサブアレー素子間隔Dt=1.5λとし、受信アレーアンテナの水平方向のサブアレー素子間隔Dr=λとする。また、受信アレーアンテナの水平方向のサブアレー素子間隔Dr=λとする。

0136

バリエーション1、2(図8図10)と同様、図12に示すように、水平方向において、送信アレーアンテナのサブアレー素子間隔Dtと、受信アレーアンテナのサブアレー素子間隔Drとの差の絶対値は、所望のアンテナ素子間隔Deと同一である。

0137

一方、図12に示すように、垂直方向において、送信アレーアンテナの素子間隔は、所望のアンテナ素子間隔Deに定数αを乗算した間隔αDeとなる。

0138

また、図12では、送信アレーアンテナの垂直方向において素子間隔αDe離れた送信アンテナ106同士(垂直方向に隣接する送信アンテナ106同士)が、水平方向において所望のアンテナ素子間隔Deに定数βを乗算した間隔βDeずれて配置される。換言すると、送信アレーアンテナにおいて、垂直方向で隣接し、水平方向に直線上に並べられた2つのサブアレー素子配列が、水平方向に所望の素子間隔のβ倍の間隔ずれて配置される。

0139

例えば、図12に示す送信アンテナTx#1、Tx#2の配列と、当該配列に垂直方向で隣接する送信アンテナT#3、Tx#4の配列とは、間隔βDeずれて配置されている。同様に、送信アンテナTx#3、Tx#4の配列と、当該配列に垂直方向で隣接する送信アンテナT#5、T#6の配列とは、水平方向に間隔βDeずれて配置されている。

0140

例えば、α=(3)0.5/2≒0.866であり、β=0.5である。

0141

図12では、水平方向において、仮想受信アレーの中心付近(端部以外)の素子間隔が、所望のアンテナ素子間隔De(=|Dt-Dr|=λ/2)となる。

0142

また、図12に示すように、垂直方向において、仮想受信アレーの素子間隔は、送信アレーの垂直方向の素子間隔と同様、αDe(=(3)0.5De)となる。

0143

すなわち、仮想受信アレーでは、レーダ検知角範囲においてグレーティングローブが発生しないアレー配置が得られる。

0144

更に、図12に示すように、仮想受信アレーの垂直方向において、中央(2段目)のアレー素子の配列が、他のアレー素子(1段目及び3段目)のアレー素子の配列と比較して、水平方向にβDe(=0.5De)ずれて配置される。

0145

これにより、図12では、バリエーション2(図10)と同様、バリエーション1(図8)と比較して、仮想受信アレーが配置される2次元平面におけるアンテナ素子の間隔がより密接になる。これにより、仮想受信アレーでは、サイドローブレベルの低減が可能となる。

0146

ここで、図12に示すように、仮想受信アレーの中心付近では、仮想受信アレーが配置される2次元平面において隣接する3個のアンテナ素子のそれぞれの間隔が所望のアンテナ素子間隔Deとなる。換言すると、仮想受信アレーが配置される2次元平面において隣接する3個のアレー素子を結ぶ直線は、1辺をアンテナ素子間隔Deとする正三角形を形成する。正三角形格子配置は、同じ開口長の方形格子配置に比べ、グレーティングローブ抑圧性能が高いため、バリエーション2と比較して、グレーティングローブ、サイドローブのレベルをより低減させることができる。

0147

つまり、定数α、βは、垂直方向及び水平方向の2次元において隣接する3個のアレー素子の互いの素子間隔が所望のアンテナ素子間隔De(1辺をDeとする正三角形状)となるように設定されればよい。

0148

図13A及び図13Bは、図12に示す送受信アレーアンテナ配置(De=0.5λ、Dt=1.5λ、Dr=1λ、α=(3)0.5/2、β=0.5)の水平方向及び垂直方向における指向性パターン(フーリエビームパターン。メインビーム:0°方向)をそれぞれ示す。

0149

図13Aに示すように、水平方向において、メインビーム方向から±90°の角度範囲においてグレーティングローブが発生していないことが分かる。また、図13Bに示すように、垂直方向においてもグレーティングローブが発生しないビームパターンが形成されることが分かる。

0150

更に、バリエーション1(図9A)と比較すると、図13Aに示すように、水平方向の指向性パターンにおいてサイドローブレベルが低減されていることが分かる。

0151

また、バリエーション2(図11A)と比較すると、図13Aに示すように、水平方向の指向性パターンのうち、メインローブに最も近接した方向(図13Aでは±30°方向)に現れるサイドローブレベルが低減されていることが分かる。

0152

このような送受信アレーアンテナの配置を用いることで、方向推定部214における方向推定処理を行う際に、水平方向及び垂直方向の双方において、グレーティングローブ及びサイドローブによる誤検出の発生を除去することができる。

0153

よって、バリエーション3によれば、2次元に配置された、サブアレー構成のアレー素子を用いる場合でも、不要なグレーティングローブの発生、及び、サイドローブレベルを抑え、所望の指向性パターンを実現することができる。

0154

以上、本開示の一態様に係る実施の形態について説明した。

0155

なお、上記実施の形態、及び、各変形例に係る動作を適宜組み合わせて実施してもよい。

0156

また、上記実施の形態では、送信アンテナ106の個数Nt=2又は3、及び、受信アンテナ202の個数Na=3の場合について例示した。しかし、送信アンテナ106の個数Nt及び受信アンテナ202の個数Naは、これらの個数に限定されるものではない。

0157

また、上記実施の形態では、送信アンテナ106及び受信アンテナ202が2個のアンテナ素子から成るサブアレー素子である場合について説明したが、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の各々を構成するアンテナ素子は、3個以上の素子から構成されてもよい。

0158

また、上記実施の形態のバリエーション1〜3において、送信アレーアンテナが水平方向及び垂直方向の2次元に配置され、受信アレーアンテナが水平方向の1次元に配置される場合について説明した。しかし、本開示は、受信アレーアンテナが2次元に配置され、送信アレーアンテナが1次元に配置されてもよい。この場合、上述した送信アレーアンテナにおけるサブアレー素子の配置を、受信アレーアンテナにおけるサブアレー素子の配置に適用すればよい。

0159

また、上記実施の形態では、アンテナ素子のサイズが、水平方向において所望のアンテナ素子間隔Deより大きく、垂直方向において所望のアンテナ素子間隔De以下である場合について説明したが、アンテナ素子のサイズは、垂直方向において所望のアンテナ素子間隔Deより大きく、水平方向において所望のアンテナ素子間隔De以下であってもよい。この場合、上述した送受信アレーアンテナにおけるサブアレー素子の配置について、水平方向と垂直方向とを入れ替えればよい。

0160

また、上記実施の形態では、符号化パルスレーダを用いる場合について説明したが、本開示は、チャープ(Chirp)パルスレーダのような周波数変調したパルス波を用いたレーダ方式についても適用可能である。

0161

また、図2に示すレーダ装置10において、レーダ送信部100及びレーダ受信部200は、物理的に離れた場所に個別に配置されてもよい。

0162

なお、レーダ装置において、レーダ送信部で、複数の送信アンテナから符号分割多重された異なる送信信号送出し、レーダ受信部で、各送信信号を分離して受信処理を行う構成を示したが、レーダ装置の構成は、これに限定されず、レーダ送信部で、複数の送信アンテナから周波数分割多重された異なる送信信号を送出し、レーダ受信部で、各送信信号を分離して受信処理を行う構成でもよい。また、同様に、レーダ装置の構成は、レーダ送信部で複数の送信アンテナから時分割多重された送信信号を送出し、レーダ受信部で、受信処理を行う構成でもよく、上記実施の形態と同様な効果が得られる。

0163

また、レーダ装置10は、図示しないが、例えば、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)等の記憶媒体、およびRAM(Random Access Memory)等の作業用メモリを有する。この場合、上記した各部の機能は、CPUが制御プログラムを実行することにより実現される。但し、レーダ装置10のハードウェア構成は、かかる例に限定されない。例えば、レーダ装置10の各機能部は、集積回路であるIC(IntegratedCircuit)として実現されてもよい。各機能部は、個別に1チップ化されてもよいし、その一部または全部を含むように1チップ化されてもよい。

0164

<本開示のまとめ>
本開示のレーダ装置は、所定の送信周期にてレーダ信号を送信アレーアンテナを用いて送信するレーダ送信部と、前記レーダ信号がターゲットに反射された反射波信号を受信アレーアンテナを用いて受信するレーダ受信部と、を具備し、前記送信アレーアンテナ及び前記受信アレーアンテナは、それぞれ、複数のサブアレー素子を含み、前記複数のサブアレー素子は、前記送信アレーアンテナ及び前記受信アレーアンテナにおいて、第1の方向の直線上に配置され、前記各サブアレー素子は、複数のアンテナ素子を含み、前記サブアレー素子のサイズは、前記第1の方向において、所望のアンテナ素子間隔より大きく、前記送信アレーアンテナのサブアレー素子間隔と、前記受信アレーアンテナのサブアレー素子間隔との差の絶対値は、前記所望のアンテナ素子間隔と同一である。

0165

また、本開示のレーダ装置において、前記所望のアンテナ素子間隔は、0.5波長以上、0.75波長以下である。

0166

また、本開示のレーダ装置において、前記送信アレーアンテナ及び前記受信アレーアンテナの何れか一方において、前記複数のサブアレー素子は、さらに、前記第1の方向に直交する第2の方向に配置され、前記サブアレー素子のサイズは、前記第1の方向において前記所望のアンテナ素子間隔より大きく、前記第2の方向において前記所望のアンテナ素子間隔以下である場合、前記第1の方向において、前記送信アレーアンテナのサブアレー素子間隔と、前記受信アレーアンテナのサブアレー素子間隔との差の絶対値は前記所望のアンテナ素子間隔と同一であり、前記第2の方向において、前記サブアレー素子の間隔は、前記所望のアンテナ素子間隔と同一である。

0167

また、本開示のレーダ装置において、前記第2の方向に配置された前記複数のサブアレー素子は、前記第1の方向に前記所望のアンテナ素子間隔と同一の間隔がシフトされて配置される。

0168

また、本開示のレーダ装置において、前記送信アレーアンテナ及び前記受信アレーアンテナの何れか一方において、前記複数のサブアレー素子は、さらに、前記第1の方向に直交する第2の方向に配置され、前記サブアレー素子のサイズは、前記第1の方向において前記所望のアンテナ素子間隔より大きく、前記第2の方向において前記所望のアンテナ素子間隔以下である場合、前記第1の方向において、前記送信アレーアンテナのサブアレー素子間隔と、前記受信アレーアンテナのサブアレー素子間隔との差の絶対値は前記所望の素子間隔と同一であり、前記第2の方向において、前記サブアレー素子の間隔は、前記所望のアンテナ素子間隔の((√3)/2)倍の長さであり、前記第2の方向に配置された前記複数のサブアレー素子は、前記第1の方向に前記所望のアンテナ素子間隔の(1/2)倍の間隔がシフトされて配置される。

0169

以上、図面を参照しながら各種の実施形態(各バリエーション)について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態(各バリエーション)における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。

0170

上記各実施形態では、本開示はハードウェアを用いて構成する例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。

0171

また、上記各実施形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力と出力を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSIスーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。

0172

また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサを用いて実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続又は設定を再構成可能なリコンフィギュラブルプロセッサ(Reconfigurable Processor)を利用してもよい。

0173

さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術により、LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックを集積化してもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。

0174

本開示は、広角範囲を検知するレーダ装置として好適である。

0175

10レーダ装置
100レーダ送信部
200レーダ受信部
300基準信号生成部
400 制御部
101,101aレーダ送信信号生成部
102符号生成部
103変調部
104LPF
105 送信無線部
106送信アンテナ
111 符号記憶部
112DA変換部
201アンテナ系統処理部
202受信アンテナ
203 受信無線部
204増幅器
205周波数変換器
206直交検波器
207信号処理部
208,209AD変換部
210 分離部
211相関演算部
212加算部
213ドップラー周波数解析部
214方向推定部

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ