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技術 レーダ装置

出願人 日立オートモティブシステムズ株式会社
発明者 田中咲赤峰幸徳北山晃
出願日 2019年2月4日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2019-017823
公開日 2020年8月20日 (6ヶ月経過) 公開番号 2020-125948
状態 未査定
技術分野 レーダ方式及びその細部
主要キーワード 最大相対速度 検知速度 ピーク検知 拡張アンテナ サンプリング対象 相対速 標本化定理 経路差
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

計測時間が長くなるのを抑制することが可能なレーダ装置を提供する。

解決手段

レーダ装置は、複数の送信信号を送信する複数の送信アンテナと、複数の信号による送信波物標によって反射されることにより発生する反射波を信号として受信する複数の受信アンテナと、受信アンテナにより受信されたチャープ信号101_S〜103_Sが、時系列に並ぶように、チャープ信号を足し合わせ、足し合わせにより生成された信号を用いて、物標の相対速度を検出するレーダユニットと、を備える。

概要

背景

自動車に搭載されるミリ波レーダ装置は、例えば自動運転向けのセンサとして用いられ、測定対象である物標との距離、相対速度および方位計測するのに用いられる。この場合、物標との距離は、信号の遅延時間により推定され、相対速度はドップラー効果による信号の周波数変化により推定される。また、方位は、アンテナ間で受信した信号間の位相差により推定される。

特に、自動運転レベル3以上の自動運転を目標とした遠方検知向けのレーダ装置では、高分解能方位推定が求められる。方位推定の高分解能化を図るためには、受信アンテナアンテナ開口長を広くすることが望ましい。複数の受信アンテナを用いるレーダ装置においては、最も離れて配置されている受信アンテナ間の距離を広くすることにより、アンテナ開口長を広くすることが可能である。一方、自動車の見栄えを損なわないようにするためには、レーダ装置の小型化が求められている。

レーダ装置の小型化と高分解能方位推定の両立を図る技術として、MIMO(Multi−Input&Multi−Output)による仮想アンテナ技術が重要となっている。

MIMOによる仮想アンテナ技術を用いたMIMOレーダ装置が、特許文献1に記載されている。

概要

計測時間が長くなるのを抑制することが可能なレーダ装置を提供する。レーダ装置は、複数の送信信号を送信する複数の送信アンテナと、複数の信号による送信波が物標によって反射されることにより発生する反射波を信号として受信する複数の受信アンテナと、受信アンテナにより受信されたチャープ信号101_S〜103_Sが、時系列に並ぶように、チャープ信号を足し合わせ、足し合わせにより生成された信号を用いて、物標の相対速度を検出するレーダユニットと、を備える。

目的

本発明の目的は、計測時間が長くなるのを抑制することが可能なレーダ装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数の送信信号を送信する複数の送信アンテナと、前記複数の送信信号による送信波物標によって反射されることにより発生する反射波を信号として受信する複数の受信アンテナと、前記複数の受信アンテナにより受信された信号が、時系列に並ぶように、前記受信された信号を足し合わせ、足し合わせにより生成された信号を用いて、前記物標の相対速度を推定する信号処理部と、を備えた、レーダ装置

請求項2

請求項1に記載のレーダ装置において、前記信号処理部には、前記複数の受信アンテナにより受信された信号間の位相差に基づいて推定された前記物標の方位が供給され、前記信号処理部は、供給された前記物標の方位と前記複数の受信アンテナによって受信された信号とを用いて、前記物標の相対速度を推定する、レーダ装置。

請求項3

請求項2に記載のレーダ装置において、前記信号処理部は、前記複数の受信アンテナにより受信された信号間の位相差を用いて、前記物標の方位を推定し、推定した前記物標の方位をメモリに記録し、前記メモリに記録された前記物標の方位が、前記信号処理部に供給される、レーダ装置。

請求項4

請求項3に記載のレーダ装置において、前記信号処理部は、前記推定した物標の相対速度を用いて、前記複数の受信アンテナにより受信された信号の位相補正し、補正した位相を用いて、前記物標の方位を推定する、レーダ装置。

請求項5

請求項3に記載のレーダ装置において、前記信号処理部は、前記メモリに記録された前記物標の方位を用いて、前記受信アンテナにより受信された信号の位相を更新する、レーダ装置。

請求項6

請求項1に記載のレーダ装置において、前記受信された信号の足し合わせは、前記受信された信号に対して、所定の係数列掛けることにより実行される、レーダ装置。

技術分野

0001

本発明は、レーダ装置に関し、例えば、自動車に搭載されるミリ波レーダ装置に関する。

背景技術

0002

自動車に搭載されるミリ波レーダ装置は、例えば自動運転向けのセンサとして用いられ、測定対象である物標との距離、相対速度および方位計測するのに用いられる。この場合、物標との距離は、信号の遅延時間により推定され、相対速度はドップラー効果による信号の周波数変化により推定される。また、方位は、アンテナ間で受信した信号間の位相差により推定される。

0003

特に、自動運転レベル3以上の自動運転を目標とした遠方検知向けのレーダ装置では、高分解能方位推定が求められる。方位推定の高分解能化を図るためには、受信アンテナアンテナ開口長を広くすることが望ましい。複数の受信アンテナを用いるレーダ装置においては、最も離れて配置されている受信アンテナ間の距離を広くすることにより、アンテナ開口長を広くすることが可能である。一方、自動車の見栄えを損なわないようにするためには、レーダ装置の小型化が求められている。

0004

レーダ装置の小型化と高分解能方位推定の両立を図る技術として、MIMO(Multi−Input&Multi−Output)による仮想アンテナ技術が重要となっている。

0005

MIMOによる仮想アンテナ技術を用いたMIMOレーダ装置が、特許文献1に記載されている。

先行技術

0006

特表2017−522576号公報

発明が解決しようとする課題

0007

MIMOレーダ装置では、複数の送信アンテナから信号を送信し、複数の受信アンテナで受信を行うことにより、物標の方位情報多重化し、仮想的に受信アンテナの数を増加させることができる。これにより、実際の受信アンテナの数を抑制して、レーダ装置の小型化を図りながら、方位推定の高分解能化を図ることが可能である。

0008

MIMOレーダ装置においては、送信アンテナから送信される信号は、互いに直交し、分離可能であることが必要とされる。信号の直交性は、符号分割、周波数分割あるいは時間分割によって達成することが可能である。しかしながら、符号分割では、高い計算コストが要求され、周波数分割では、信号分離を完璧に行うことが困難である。そのため、本明細書では、時間分割方式を採用したレーダ装置を説明する。

0009

時間分割方式は、信号を送信する送信アンテナを時間ごとに切り替えることにより実現することができる。時間分割方式を採用したMIMOレーダ装置によって、相対速度を有する物標の距離を計測する場合、送信アンテナを切り替えている間に、物標が移動し、数mm程度の距離変動が生じることになる。しかしながら、自動運転向けのミリ波レーダ装置に要求される距離分解能は、0.1m〜数m程度である。そのため、自動運転向けのミリ波レーダ装置を用いた距離計測では、送信アンテナを切り替えている間に生じる距離変動は、無視することができる。

0010

一方、送信アンテナの切り替えにより生じる数mm程度の距離変動は、送信される信号の波長と同程度の大きさである。そのため、距離変動は、物標の方位を計測する際の位相変動として検知されることになる。前記したように、物標の方位は受信した信号間の位相差を用いて推定するが、距離変動によって位相変動が生じると、方位推定の精度が劣化することになる。距離変動は、物標の相対速度に応じた値であるため、推定した相対速度を用いて、変動した位相補正することにより、方位推定の精度の劣化を抑制することが可能である。

0011

特許文献1には、推定した相対速度を用いて、位相を補正する技術が記載されている。特許文献1では、相対速度を推定するために、送信アンテナごとに異なる時間間隔送信信号であるチャープ信号を送信することが示されている。特許文献1では、送信アンテナごとに異なる時間間隔でチャープ信号を送信することにより、相対速度を一意に推定し、推定した相対速度を用いて位相を補正し、補正された位相を用いて方位推定を高分解能で行っている。

0012

しかしながら、時間分割方式を採用したMIMOレーダ装置において、チャープ信号の多様性を確保するためには、送信アンテナごとに送信されるチャープ信号が、時間的に重複しないように、十分な時間を確保することが要求される。すなわち、異なる時間間隔で送信されるチャープ信号が、時間的に重複しないように、十分な時間を確保することが要求される。これにより、特許文献1に記載されている技術では、チャープ信号を送信する期間が長くなり、レーダ装置による計測の時間および推定を行うための演算に要する時間が長くなると言う課題が生じる。

0013

本発明の目的は、計測時間が長くなるのを抑制することが可能なレーダ装置を提供することにある。

0014

本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。

課題を解決するための手段

0015

本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。

0016

すなわち、レーダ装置は、複数の送信信号を送信する複数の送信アンテナと、複数の送信信号による送信波が物標によって反射されることにより発生する反射波を信号として受信する複数の受信アンテナと、受信アンテナによって受信された複数の信号が、時系列に並ぶように、複数の信号を足し合わせ、足し合わせにより生成された信号を用いて、物標の相対速度を検出する信号処理部とを備える。

発明の効果

0017

本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。

0018

物標の相対速度を計測する時間が長くなるのを抑制することが可能であるため、計測時間が長くなるのを抑制することが可能なレーダ装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0019

実施の形態1に係わるレーダ装置の構成を示すブロック図である。
実施の形態1に係わるレーダ装置1を説明するための図である。
図3(A)から(C)は、実施の形態1に係わるレーダユニットの処理を説明するための図である。
実施の形態1に係わるレーダ装置の構成を示すブロック図である。
実施の形態1に係わる並び替えユニットを説明するための図である。
図6(A)および(B)は、実施の形態1に係わる並び替えユニットを説明するための図である。
実施の形態1の変形例に係わるレーダ装置の構成を示すブロック図である。
実施の形態2に係わるレーダ装置を説明するための波形図である。
実施の形態2に係わるレーダ装置を説明するための波形図である。
実施の形態3に係わるレーダ装置を説明するための図である。

実施例

0020

以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。

0021

さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。

0022

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は原則として省略する。また、実施の形態は、自動運転向けのセンサとして用いられるミリ波レーダ装置を例として説明する。

0023

(実施の形態1)
<レーダ装置の構成>
図1は、実施の形態1に係わるレーダ装置の構成を示すブロック図である。図1において、1はレーダ装置を示し、100は測定対象である物標を示している。図1において、レーダ装置1と物標100との間に描かれている波線110は、レーダ装置1と物標100との間の距離が離れていることを示している。

0024

レーダ装置1は、複数の送信アンテナ101、103と、複数の受信アンテナ104と、送信アンテナ101、103と複数の受信アンテナ104とに接続されたレーダユニット108とを備えている。また、図1には、MIMO技術によって生成された複数の仮想的な受信アンテナ(仮想受信アンテナ)が、符号107によって示されている。同図では、送信アンテナが2本で、受信アンテナが3本のレーダ装置1が示されているが、送信アンテナおよび受信アンテナの本数は、これに限定されるものではない。

0025

レーダユニット108は、所定の周波数の搬送波に送信信号であるチャープ信号を重畳し、送信アンテナ101、103に供給する。送信アンテナ101、103から送信された複数の信号による送信波は、物標100によって反射されて、反射波が発生する。反射波は、反射信号として受信アンテナによって受信され、それぞれの受信アンテナによって受信された信号が、レーダユニット108に供給される。

0026

時間分割方式を採用しているため、レーダユニット108は、送信アンテナ101と103の両方が、同時に信号を送信しないように動作する。すなわち、レーダユニット108は、送信アンテナ101が、信号を送信している期間、送信アンテナ103は送信を行わないように動作する。同様に、レーダユニット108は、送信アンテナ103が信号を送信している期間、送信アンテナ101が送信を行わないように、動作する。

0027

送信アンテナ101と103とは、所定の距離DILだけ離れて設置されている。設置位置が異なるため、物標100と送信アンテナ101との間の経路と、物標100と送信アンテナ103との間の経路との間で経路差が生じる。同図では、送信アンテナ101、103間の経路差が、符号105として示されている。この経路差105は、送信信号の波長と同程度である。経路差105が生じることにより、物標100に対して送信アンテナ101から送信された信号と送信アンテナ103から送信された信号との間に位相差が生じる。これが送信アンテナ間位相差として、複数の受信アンテナ104により構成されたアンテナアレイ104AYにより検知される。

0028

アンテナアレイ104AYにおいては、各受信アンテナ104が設置された設置位置と物標100との間の方位とによって、各受信アンテナ104と物標100との間の経路の長さに差が生じる。この経路差が、同図では106として示されている。経路差106が生じることにより、受信アンテナ104で受信した受信信号間に、経路差106に応じた位相差が生じる。すなわち、物標100の方位が、受信信号間の位相差として検知される。

0029

送信アンテナ101、103の設置位置により生じる経路差105と、受信アンテナ104間に生じる経路差106とを足し合わせることで、図1に示すような位置に仮想受信アンテナ107が配置されているように見なされる。仮想受信アンテナ107も複数であるため、複数の仮想受信アンテナ107によってアンテナアレイ107YAが構成されていると見なすことができる。レーダ装置1においては、アンテナアレイ104YAとアンテナアレイ107YAとが足し合わされて、拡張されたアンテナアレイ(拡張アンテナアレイ)が構成され、拡張アンテナアレイで受信された受信信号間の位相差に基づいて、物標100の方位が推定される。

0030

<送信アンテナ切り替え時の物標移動>
図2は、実施の形態1に係わるレーダ装置を説明するための図である。図2には、図1に示した送信アンテナ101、103と物標100のみが示されている。図2紙面上側には、時刻T1のときの送信アンテナ101、103と物標100との状態が示されており、紙面下側には、時刻T1から時間が経過して、時刻T2になったときの送信アンテナ101、103と物標100との状態が示されている。また、図2には、図1で説明した経路差105が、送信アンテナ101、103に接続されたブロックとして模式的に示されている。

0031

時刻T1では、送信アンテナ101が信号を送信している。このとき、物標100は、図1に示したレーダ装置1に対して位置DI_T1の位置にあるものとする。時刻T1において、送信アンテナ101からの送信信号は、物標100によって反射し、図1に示した拡張アンテナアレイで受信される。

0032

物標100は、相対速度を有しており、図2の例では、レーダ装置1に対して離れる方向に移動する。そのため、時刻T2において、物標は、位置DI_T1に対して距離201だけ移動し、位置DI_T2に存在している。時刻T2においては、送信アンテナ103が信号を送信する。物標100が、距離201だけ移動しているため、時刻T1のときに比べて、送信アンテナと物標100との間に、距離201に対応する経路差が生じる。物標100と受信アンテナとの間の経路についても、時刻T1のときに比べて、距離201に対応する経路差が生じる。すなわち、送信アンテナから受信アンテナに至る送信信号の伝播経路が、時刻T1のときに比べて、距離201の2倍だけ変化することになる。

0033

この送信信号の伝播経路の変化は、送信信号の波長に近いため、受信アンテナで受信した受信信号に位相差として表れる。物標100の方位は、受信信号間の位相差で推定されるため、送信信号の伝播経路の変化は、方位の推定に大きな影響を与えることになる。なお、時刻T1のときに送信アンテナ101による送信信号の伝播経路と、時刻T2のときの送信アンテナ103による送信信号の伝播経路との間の伝播経路差は、経路差105に距離201の2倍に相当する経路差を加えた値である。

0034

距離201は、物標100の相対速度と送信信号である信号の時間間隔の積で与えられる。そのため、物標100の相対速度を正確に求め、求めた相対速度によって位相差を補正することにより、方位推定の精度が劣化するのを防ぐことが可能である。

0035

<レーダユニットにおける処理の流れ>
図3は、実施の形態1に係わるレーダユニットにおける処理を説明するための図である。図3には、送信アンテナとして3本の送信アンテナを用いる場合が示されている。ここでは、説明の都合上、図1に示した送信アンテナ101と103との間に、図示しない送信アンテナ102が設置されているものとして説明する。勿論、3本の送信アンテナ101〜103は、例であって、この数に限定されるものではない。

0036

図3(A)は、レーダユニット108が、3本の送信アンテナを用いて、送信した送信信号であるチャープ信号を示している。図3(B)および図3(C)は、物標100により反射され、受信アンテナで受信した受信信号を処理するレーダユニット108の処理を模式的に示している。

0037

レーダユニット108は、3本の送信アンテナ101〜103を、対応する送信信号ごとに切り替えて、送信を行うように動作する。図3(A)において、実線101_Sは、送信アンテナ101から送信された送信信号であるチャープ信号を示し、二点鎖線102_Sは、送信アンテナ102から送信されたチャープ信号を示し、一点鎖線103_Sは、送信アンテナ103から送信されたチャープ信号を示している。チャープ信号101_S〜103_Sは、互いに同じ信号である。すなわち、周波数変化の傾きおよび搬送波に重畳されたときの中心周波数が、チャープ信号101_S〜103_S間で同じになっている。

0038

時間分割方式であるため、レーダユニット108は、チャープ信号101_S〜103_Sが、時間的には重ならないように、送信アンテナから送信させる。実施の形態1においては、それぞれの送信アンテナから送信するチャープ信号の周期が同一となるように、レーダユニット108は動作している。図3(A)の例では、レーダユニット108は、送信アンテナ101、102および103のそれぞれから、同じ周期3Tmmでチャープ信号101_S、102_Sおよび103_Sが送信されるように動作する。この場合、レーダユニット108は、チャープ信号101_S、102_S、103_Sの順に、チャープ信号が送信されるように、送信アンテナ101、102および103を切り替える。

0039

同一の周期3Tmmで、チャープ信号101_S、102_S、103_Sが繰り返し送信されるため、図3(A)に示すように、個々のチャープ信号、例えばチャープ信号101_Sは、時間的には非連続な信号であるが、3つのチャープ信号101_S〜103_Sを1つの合成チャープ信号として見なした場合、合成チャープ信号は、時間的に連続した信号である。送信された合成チャープ信号は、物標100によって反射し、反射した合成チャープ信号が、アンテナアレイ104YAおよび107YAを構成する複数の受信アンテナによって受信される。この場合、それぞれの受信アンテナは、合成チャープ信号として、送信された順、すなわちチャープ信号101_S、102_S、103_Sの順に受信する。

0040

レーダユニット108は、受信アンテナ104で受信した合成チャープ信号を、送信アンテナ101、102および103に対応したチャープ信号101_S、102_S103_Sに分離する。これにより、図3(B)に示すように、時間的には不連続の3つのチャープ信号101_S、102_Sおよび103_Sが生成される。生成したチャープ信号間の位相差を基にして、図1で説明した経路差105を求め、求めた経路差105と受信アンテナ104間の位相差106(図1)とによって、図1に示した仮想受信アンテナ107を形成する。

0041

物標100の相対速度は、ドップラー効果によるチャープ信号の周波数変化により推定する。この場合、後で<<相対速度の推定に係わる課題>>で詳しく説明するが、サンプリングによって、チャープ信号101_S、102_Sおよび103_Sのそれぞれの周波数変化を検出して、相対速度を推定する構成では、検知できる最大相対速度が低下すると言う課題が生じる。

0042

実施の形態1に係わるレーダユニット108は、図3(B)に示すように、分離したチャープ信号101_S、102_Sおよび103_Sに対して、後で実施の形態2で説明する所定の係数掛け時系列的にチャープ信号が並ぶように、チャープ信号101_S、102_S、および103_Sの足し合わせを実行する。これにより、図3(C)に示すように、チャープ信号101_S〜103_Sが、時間的に連続するように回復される。時間的に連続するように配列されたチャープ信号101_S〜103_Sを、サンプリングすることにより、回復されたチャープ信号における周波数の変化が、検知される。この場合、時間的に連続したチャープ信号をサンプリングすることになるため、サンプリング周波数を高くすることが可能である。その結果、検知できる最大相対速度が低下するのを抑制することが可能である。また、サンプリング対象が、3つのチャープ信号を足し合わせることにより生成したチャープ信号であるため、信号対雑音比SNRの劣化を低減することが可能であり、より遠方の標物の検知も可能となる。

0043

検知できる最大相対速度の劣化を抑制することが可能であるため、物標100の移動により生じる距離201(図2)を高精度に求めることが可能である。求めた距離201を用いて位相差を補正することにより、物標100の方位推定が劣化するのを抑制することが可能である。

0044

<<相対速度の推定の課題>>
相対速度は、ドップラー効果によるチャープ信号の中心周波数の変化によって検知される。この中心周波数の変化は、各チャープ信号をサンプリング点としたサンプリングによって検知される。このとき、ナイキスト標本化定理より、検知可能な最大検知速度は、チャープ信号の時間間隔によって定まることになる。勿論、チャープ信号が発信される時間周期が短いほど、最大検知速度が大きくなる。

0045

最大検知速度よりも大きな相対速度で移動している物標を検知したとき、ミリ波レーダ装置は、最大検知速度の定数倍を差し引いた値を、相対速度の推定の結果として出力する。時間分割方式のMIMOレーダ装置では、時刻ごとに送信アンテナを切り替えて利用するため、同一の送信アンテナから送信されるチャープ信号の時間間隔は、送信アンテナ総数に比例して長くなる。そのため、最大検知速度は、送信アンテナの総数に反比例して小さくなり、減少すると言う課題がある。

0046

特許文献1では、チャープ信号の時間間隔に多義性を持たせることにより、折り返し表示が起きる最大検知速度を多義化することで、速度推定精度を向上させている。最大検知速度の多義性により折り返された後に表示される相対速度は、同一物標であっても異なる値となってしまう。そのため、各送信アンテナからのチャープ信号により得られた速度推定の結果をマッチング処理することで、最大検知速度以上の物標の相対速度を推定する。しかし、この手法では信号の直行性を維持するためにチャープ信号間の時間間隔を長くとる必要があり、最大検知速度を低下させることになる。また、マッチング処理による速度推定は、計算量が増加することに加えて、相対速度が一意に定まらないと言う懸念がある。

0047

これに対して、実施の形態1においては、各チャープ信号101_S〜103_Sは、同一の周期3Tmmであり、チャープ信号の時間間隔は多義性を持たず、一定である。そのため、同一の物標を計測したときには、同じ値の相対速度が得られる。従って、マッチング処理を実施することは要求されず、レーダユニット108における計算量が増加するのを抑制することが可能である。

0048

<レーダユニットの構成>
図4は、実施の形態1に係わるレーダ装置の構成を示すブロック図である。図4には、図1に示したアンテナアレイ104YAを構成する受信アンテナのうち、1つの受信アンテナ104が例として示されている。レーダユニット108は、スイッチユニット200と、メモリユニット207と、信号処理部とを備えている。信号処理部は、並べ替えユニット201、補正ユニット202、時間/周波数FFT(Fast Fourier Transform)ユニット203、距離・速度推定ユニット204、補正ユニット205および方位推定ユニット206を備えている。

0049

レーダユニット108の動作は、物標100(図1)の距離、相対速度および方位が事前に計測されていない場合と、物標100の相対速度が事前に計測されている場合とで、異なる。ここでは、距離、相対速度および方位が事前に計測されていない場合を1回目の計測とし、相対速度が事前に計測されている場合を2回目の計測として説明する。例えば、レーダ装置1に電源投入されたとき、1回目の計測が実行され、次のタイミングでは2回目の計測が実行される。

0050

1回目の計測のとき、スイッチユニット200は、受信アンテナ104を並び替えユニット021に接続する。並び替えユニット201は、受信アンテナ104によって受信されたチャープ信号を、2次元データ配列に並び替え、さらに得られた2次元データ配列を、送信アンテナごとに分け、並び替えて、送信アンテナごとの2次元データ配列を形成する。この並び替えユニット201を、図面を用いて詳しく説明する。図5および図6は、実施の形態1に係わる並び替えユニットを説明するための図である。

0051

図4では省略されているが、受信アンテナ104とスイッチユニット200との間には、受信ユニット350が接続されている。この受信ユニット350の構成が、図5に示されている。受信ユニット350は、ローカル発信回路352と、ミキサー351と、アナログデジタル変換回路ADC)353を備えている。特に制限されないが、ローカル発信回路352は、送信信号の搬送波に対応した周波数のローカル信号を発生する。ミキサー351により、受信アンテナ104によって受信された受信信号とローカル信号とがミキシングされる。このミキシングにより、ミキサー351からは、搬送波に混合されていたチャープ信号が出力される。ミキサー351から出力されるチャープ信号はアナログであるため、ADC353によって、アナログのチャープ信号は、デジタルのチャープ信号に変換される。変換により得られたデジタルのチャープ信号が、スイッチユニット200を介して、並べ替えユニット201へ供給される。

0052

図6は、並び替えユニット201において実施される並び替えを説明する図である。スイッチユニット200を介して並べ替えユニット201に、デジタルのチャープ信号が、順次供給される。すなわち、複数の送信アンテナから送信され、物標100で反射された複数のチャープ信号が、時系列的に並び替えユニット201に供給される。図6(A)では、ADC353からの時系列のチャープ信号が、符号101_S〜103_Sで示されている。

0053

並べ替えユニット201においては、図6(A)に示した時系列のチャープ信号を2次元データ配列に変換する。すなわち、図6(B)に示すように、チャープ信号ごとに、2次元データ配列における行を変更しながら、チャープ信号を、2次元データ配列に並べる。図6(B)では、2次元データ配列の行方向が、距離として示され、列方向が、速度として示されている。

0054

並び替えユニット201においては、図6(B)に示した2次元データ配列から、さらに、各送信アンテナに対応した2次元データ配列を生成する。送信アンテナに対応した2次元データ配列も、図6(B)に示した2次元データ配列と類似している。相異点は、送信アンテナに対応した2次元データ配列では、同じ送信アンテナから非連続的に送信された複数のチャープ信号が、2次元データ配列の列方向に沿って、送信順に順次配列されていることである。

0055

並べ替えユニット201で生成した2次元データ配列のチャープ信号に対して、時間/周波数FFTユニット203により、高速フーリエ変換を行い、距離・速度推定ユニット204においてピークを検知することにより、物標100の距離および相対速度を推定することができる。推定された距離および相対速度は、メモリユニット207に記録される。推定された物標100の相対速度が、“0”でなければ、補正ユニット205が、先に推定された相対速度を用いて、送信アンテナごとのチャープ信号の位相を補正する。方位推定ユニット206では、補正された位相を用いて、物標100の方位を推定する。この推定された方位は、メモリ207に記録される。

0056

物標100の相対速度が測定済みである2回目の計測では、スイッチユニット200を介して、受信アンテナ104が補正ユニット202に接続される。補正ユニット202は、メモリユニット207に記録されている物標100の方位を読み出し、送信アンテナごとのチャープ信号に、式(1)で示す補正項乗算することにより、チャープ信号の位相を更新する。式(1)において、iは虚数、kは送信アンテナを特定する番号である。また、式(1)において、φは、式(2)によって表される。この式(2)において、Nrxは受信アンテナの数、dは受信アンテナ間の距離、λは送信信号の波長、θは物標の方位である。

0057

0058

2回目の計測では、補正ユニット202によって更新されたチャープ信号に対して、時間/周波数FFTユニット203による演算と、距離・速度推定ユニット204によるピーク検知とが行われ、物標100の距離および相対速度の推定が行われる。すなわち、2回目の計測では、補正ユニット202に、メモリ207に記録されている方位がフィードバックされる。フィードバックされた方位を用いて、補正ユニット202は、チャープ信号を、最大検知速度に対応するような状態に更新する。更新されたチャープ信号に基づいて、物標100の距離および相対速度の推定が行われる。

0059

図3で説明したチャープ信号の足し合わせおよびチャープ信号のサンプリングは、時間/周波数FFT203において実行される。これにより、距離・速度推定ユニット204において、検知する最大速度の低下が抑制されている。その結果として、方位推定の精度が低下するのを抑制することが可能である。また、マッチング処理が必要とされないため、時間/周波数FFTユニット203における演算量を低減し、計測時間が長くなるのを抑制することが可能である。ここでは、チャープ信号の足し合わせおよびチャープ信号のサンプリングが、時間/周波数FFTユニット203において実行されるように説明したが、これに限定されるものではない。

0060

<変形例>
図7は、実施の形態1の変形例に係わるレーダ装置の構成を示すブロック図である。レーダ装置108_1は、信号処理部とメモリユニット207とを備えている。信号処理部は、補正ユニット202、時間/周波数FFTによる速度推定ユニット203_4、速度結果による補正ユニット205、方位推定ユニット206を備えている。補正ユニット205では式(3)の値を乗算ことにより補正を実施する。

0061

0062

式(3)において、iは虚数単位、cは光速、Vestは搬送波を含めた送信信号の中心周波数、fcはチャープ信号の中心周波数、Tmはサンプリング周期である。

0063

速度結果による補正ユニット205は、時間/周波数FFTによる速度推定ユニット203_4から出力された物標100の相対速度によって、送信アンテナごとの位相を補正する。方位推定ユニット206は、図4と同様に、補正された位相を用いて、物標100の方位を推定する。この推定された方位は、メモリ207に記録される。

0064

変形例においては、メモリユニット207に記録された物標100の方位、または外部208から物標100の方位が、補正ユニット202に供給される。補正ユニット202は、図4と同様に、供給された方位を用いて、チャープ信号を、最大検知速度に対応するような状態へ更新する。

0065

変形例においては、例えば、1回目の計測のとき、外部から物標100の方位が補正ユニット202に供給され、2回目の計測のときには、メモリユニット207に記録されている方位が、補正ユニット202に供給される。図3で説明したチャープ信号の足し合わせおよびサンプリングは、時間/周波数FFTによる速度推定ユニット203_4において実行される。

0066

図4および図7で説明したレーダ装置108、108_1において、メモリユニット207を除くユニットは、ソフトウェアにより実現してもよいし、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより実現してもよい。

0067

(実施の形態2)
実施の形態2においては、図3(B)で述べた所定の係数を説明する。

0068

各送信アンテナから送信された信号は、送信アンテナの位置の違いが位相差として現れる。この位相差により、MIMO技術では仮想受信アンテナの実現が可能となっている。時間分割方式のMIMOレーダ装置では、送信アンテナを時刻ごとに切り替えるため、受信アンテナでは各時刻で各送信アンテナの信号を受信することになる。各送信アンテナから送信されたチャープ信号間には、経路差105(図1)に応じた位相差があるため、送信アンテナごとにチャープ信号を分離して処理をすることが必要である。

0069

一方、時分割方式のMIMOレーダ装置において、物標の相対速度を推定するためにドップラー効果を利用する場合、ドップラー効果により生じるチャープ信号の周波数変化を、レーダ装置は検出することになる。周波数変化を検出するためのサンプリングパルスの周期は、前記したように送信アンテナの数に反比例して低下し、最大検知速度が低下する。

0070

実施の形態1で説明したように、チャープ信号101_S〜103_Sが、時系列のデータとなるように、足し合わせることで、サンプリングパルスの周期が、長くなることを抑制することが可能である。しかしながら、チャープ信号間には、経路差105に応じた位相差が存在する。位相差が存在するため、サンプリングしたときに得られるチャープ信号の振幅不規則に変化し、物標の相対速度を推定するうえで影響がある。

0071

サンプリングしたときに得られるチャープ信号の振幅が不規則に変化する例を、図面を用いて説明する。図8は、実施の形態2に係わるレーダ装置を説明するための波形図である。図8は、チャープ信号間に、経路差105に応じた位相差がある場合を示している。サンプリングパルスの周期、すなわちサンプリング周期Tmで、チャープ信号101_S〜103_Sをサンプリングすると、×印で示したサンプリングタイミングにおけるチャープ信号は101_S〜103_Sとは異なる振幅変化をする信号となり、101_S〜103_Sとは異なる周波数成分を含む波となる。そのため、時間の経過に伴う周波数変化を検出するのには不適切である。

0072

実施の形態2においては、図3(B)に示したように、分離したチャープ信号101_S、102_Sおよび103_Sに対して、所定の係数を掛け、時系列的にチャープ信号が並ぶように、チャープ信号101_S、102_Sおよび103_Sの足し合わせを実行している。具体的に述べると、チャープ信号101_S、102_Sおよび103_Sの2次元データ配列に対して、式(2)で表される係数CKと係数“1”とを備えた列が所定の係数として用いられている。この係数列と2次元データ配列の積を求めることにより、係数で調整されたチャープ信号の時系列データを取得することができる。

0073

図9は、実施の形態2に係わるレーダ装置を説明するための波形図である。図9は、図8と類似しているが、所定の係数を掛けることにより、経路差105に伴うチャープ信号間の位相差が調整されたチャープ信号101_S〜103_Sの波形が示されている。101_S〜103_Sの波形は重畳するため、図9に示すように、×印で示すサンプリングタイミングにおける振幅の変化は、規則的となり、互いに設置位置が異なる送信アンテナから送信されたチャープ信号であっても、同一の送信アンテナから送信されたチャープ信号として扱うことが可能となる。これにより、時分割方式を採用することによってチャープ信号間の時間間隔が長くなっても、サンプリング周期を短くすることが可能である。さらに、サンプリングタイミングでは、あたかも同一の送信アンテナからのチャープ信号をサンプリングしているように取り扱うことが可能となり、最大検知速度の向上を図ることが可能である。

0074

テスト方法
チャープ信号の足し合わせおよびチャープ信号のサンプリングを実行する時間/周波数FFTユニット203が正常に動作しているか否かをテストするテスト方法を説明しておく。時間/周波数FFTユニット203のテストは、所定のテスト信号を時間/周波数FFTユニット203に供給し、推定された相対速度が、式(4)で示す最大検知速度Vmax以上になるか否かを調べることにより、実行することが可能である。所定のテスト信号が供給されたときに、推定された相対速度が、最大検知速度Vmax以上になっていれば、時間/周波数FFTユニット203は正常に動作していると判定することができる。

0075

所定のテスト信号としては、速度Vで、方位が“0”でない状態に相当する信号である。このときの速度Vは、式(5)の条件を満たすようにする。

0076

0077

式(4)および(5)において、NTxは送信アンテナの数、Ncは1フレーム内のチャープ信号の数である。

0078

(実施の形態3)
実施の形態3では、実施の形態1または2で説明したレーダ装置を用いて、物標100の相対速度を推定するトラッキングを行う場合を説明する。トラッキングは、レーダ装置の最大検知速度よりも早く移動する物標の相対速度を推定するものである。

0079

まず、トラッキングについて、概要を説明する。トラッキングでは、過去の検知結果を用いて、物標の相対速度を推定する。

0080

一般なレーダ装置では、一定の時間間隔で離散的デジタル信号処理を実行することにより、物標の距離、相対速度を推定する。そのため、測定した時間および推定した距離および相対速度も離散化され、最小単位が存在する。距離計測の最小単位をΔRとし、測定した時間の最小単位をTcとすると、相対速度は、距離変化より時間を除算した値で与えられる。過去の計測結果である最小単位ΔRとTcを用いて、過去の相対速度を算出することができるが、算出された相対速度も離散化され、最小単位が存在することになる。

0081

過去であれば、任意の時刻のときの距離計測の結果が利用可能であり、距離変化を見る時間は、任意の整数nと、最小単位Tcの積nTcで与えられる。また、距離変化の最小単位は距離計測の最小単位ΔRとなる。そのため、過去の計測結果を用いて相対速度を推定する場合、推定される相対速度の最小単位はΔVr=ΔR/nとなり、nを大きくすることで速度の精度を改善することが可能となる。すなわち、最大検知速度を向上させることが可能である。

0082

前記した過去の計測結果を用いた速度推定とドップラー効果を用いた速度推定とを比較すると、最大検知速度は、過去の計測結果を用いた速度推定の方が大きくなるが、推定速度の最小単位も、過去の計測結果を用いた速度推定値の方が大きくなる。そのため、推定速度の最小単位を考慮すると、一般的なレーダ装置には精度面で課題がある。

0083

実施の形態3に係わるレーダ装置においては、過去の計測結果を用いた速度推定とドップラー効果を用いた速度推定とが相補的に用いられる。これにより、前記した課題は解決することが可能である。図10は、実施の形態3に係わるレーダ装置を説明するための図である。図10において、横軸は物標の相対速度を示している。実施の形態3においては、前記した過去の計測結果を用いた速度推定によって、物標のおおまかな相対速度MVmaxが推定され、その後、ドップラー効果を用いた速度推定により物標の相対速度Vが推定される。過去の計測結果を用いた速度推定により推定された相対速度と、ドップラー効果を用いた速度推定により推定された相対速度とを足し合わせることにより、物標の相対速度Vestを求める。これにより、広範囲の速度を、細かい最小単位で精度よく求めることが可能となる。このとき、相対速度を一意に求めるためには式(6)を満たす必要がある。実施の形態1および2で述べたように、実施の形態に係わるレーダ装置1の最大検知速度は、向上されている。そのため、過去の計測結果を用いた速度推定において、距離変化を見る時間を定める整数nが小さくても式(6)が成り立つようにすることができる。すなわち短い時間nTcで、物標の相対速度を一意に求めることが可能である。

0084

0085

ここで、Mは折返し回数を示す整数、Vmaxはレーダ装置の最大検知速度、Tmは1チャープ信号の計測に掛かる時間、Nは任意の整数を示している。また、Rsetは、距離の推定値を示しており、例えば、Rest(t0)は、時刻t0における距離の推定値を示している。

0086

以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。

0087

1レーダ装置
100物標
101、103送信アンテナ
101_S〜103_Sチャープ信号
104受信アンテナ
108レーダユニット
200スイッチユニット
201並び替えユニット
202、205補正ユニット
203 時間/周波数FFTユニット
204 距離・速度推定ユニット
206方位推定ユニット
207メモリユニット
CK係数

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